JP3155921B2 - 油入電気機器 - Google Patents

油入電気機器

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JP3155921B2 JP7891196A JP7891196A JP3155921B2 JP 3155921 B2 JP3155921 B2 JP 3155921B2 JP 7891196 A JP7891196 A JP 7891196A JP 7891196 A JP7891196 A JP 7891196A JP 3155921 B2 JP3155921 B2 JP 3155921B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば油入変圧
器、油入リアクトルなどの油入電気機器に関するもので
ある。詳しくは、油入電気機器本体が収容された二つの
タンク間を連結する接続ダクト内を通過し電気機器本体
を接続する接続導体を備えた油入電気機器に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に500kVを超える高電圧の油入
電気機器本体が収容されたタンク間を連結する接続ダク
ト内を通過して接続する接続導体においては、電界強度
が高くなる。したがって、接続導体とアース間との絶縁
距離を絶縁油のみで確保することは、機器の寸法面から
大形の機器となって得策ではない。したがって、上記の
ような高電圧の油入電気機器における接続導体には、接
続導体の周囲に同心円筒状のバリヤを多重に配置し、高
い電界強度に耐え、絶縁距離を小さくすることが可能な
円筒状のバリヤを有するバリヤ絶縁体を用いた複合絶縁
構造が採用されている。
【0003】これは、 1)バリヤとして使用されるプレスボードなどの固体絶
縁物は、絶縁油に比較して絶縁破壊電圧が高いこと。 2)バリヤ間の油隙寸法を小さくするに従い、油隙部の
絶縁破壊電圧が高くなること。 3)多重に円筒状のバリヤを配置することで、接続導体
支持部での沿面距離が確保できること、 などの理由によるものであり、主として油隙細分化によ
る絶縁強度向上の観点から広く採用されている。
【0004】図12は、例えば特公平3−61323号
公報に示された、従来の分割形の超高電圧の油入変圧器
における複合絶縁構造の接続装置を示す構成図である。
図において、1は油入変圧器で、1a,1bは油入変圧
器1の分割されたタンクである。タンク1a,1bの内
部には巻線2a,2bが収容され、複合絶縁接続体3に
よって巻線2a,2b間が接続されている。なお、図に
は示されていないが巻線2a,2bが巻回された鉄心が
上記タンク1a,1b内に設けられている。複合絶縁接
続体3は中心の接続導体3aと、バリヤ絶縁体3cとで
構成された複合絶縁構造のものである。また、バリヤ絶
縁体3cは接続導体3aを多重に囲み同心に配置された
円筒状のバリヤ3bを有する。
【0005】4はタンク1a,1b間を接続する複合絶
縁接続体3を通すための接続ダクトで、上記変圧器1の
タンク1a,1bの分解・組み立てが容易となるように
図示しないフランジなどで連結されている。5は変圧器
1の引き出し端子となるブッシングである。なお、複合
絶縁接続体3と接続ダクト4により接続装置9が構成さ
れている。
【0006】図13は、例えば特公昭62−25244
号公報に示された、他の従来の分割形の超高圧の油入電
気機器における複合絶縁構造の接続装置の平面配置図で
ある。図において、1a,1bは図12に示されたもの
と同様の分割された油入変圧器のタンクを示し、タンク
1a,1bには鉄心6a,6b、及び巻線2a,2bが
収容されている。7はタンク1a,1bとを接続する上
方からみてコの字形の接続ダクトで、その断面は角形筒
状である。
【0007】さらに、接続ダクト7の断面における中央
付近には、巻線2a,2b間とを電気的に接続する複合
絶縁構造の複合絶縁接続体3が配置されている。複合絶
縁接続体3は、上記図12に示されたものと同様の接続
導体3aと、複数の円筒状のバリヤ3bを有するバリヤ
絶縁体3cとから構成されている。接続導体3aは巻線
2aの引き出し点Aと巻線2bの引き出し点Bとを電気
的に接続している。なお、図13に示された従来のもの
においても同様に、複合絶縁接続体3と接続ダクト4に
より接続装置9が構成されている。
【0008】以上のように構成された高電圧の油入電気
機器における接続装置は、一般に、次の理由からバリヤ
3b同志の支持、及び接続導体3a自身の支持が必要で
ある。 1)タンク内の巻線2aと別のタンク内の巻線2bとの
接続距離が、例えば500kV級の変圧器では4〜5m
と長くなること。 2)バリヤ絶縁体3cは、多重のバリヤ3bを使用した
複合絶縁構造となることから、接続装置9全体の自重が
重くなること。
【0009】さらに、バリヤ3b同志の支持方法につい
ては、多重に配設された円筒状のバリヤ3b間にドーナ
ツ形の中実スペーサを所定の間隔で配置するものや、長
手方向に矩形の中実スペーサを放射状に複数個間挿する
ものが一般的である。図14、図15は、例えば特公平
3−61323号公報に示された、円筒状のバリヤ間に
ドーナツ形の中実スペーサを所定の間隔で配置した従来
の複合絶縁リードを示す断面図及び側面図である。図に
おいて、8は、バリヤ3b間の間隔を確保するためのド
ーナツ状のスペーサで、バリヤ3bの長手方向に絶縁油
が通過可能となるように、複数個の切り込み8aが円周
方向に設けられている。この場合、複合絶縁接続体3と
接続ダクト4とスペーサ8とにより接続装置9が構成さ
れている。
【0010】また、例えば特公昭53−118733号
公報には、接続リードを含むバリヤ間に中実スペーサを
放射状に間挿した支持構造が示されている。すなわち、
接続導体の周囲にバリヤを多重に配置し、各々のバリヤ
間に放射状に角材状の中実スペーサを設け、バリヤの間
隔寸法を確保している。さらに、スペーサによって、接
続導体を冷却するための冷却用の油の流路が、各バリヤ
間ごとにバリヤの軸方向に確保される。従来のものは、
以上のように構成され、接続導体3aの放電開始電圧を
高め、巻線2aと巻線2bとを電気的に接続することが
できるようにしたものである。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】複合絶縁構造の接続装
置を適用した従来の分割形の油入変圧器等の油入電気機
器は、以上のように構成されており、絶縁油がバリヤ間
の冷却用の流路を経由して往来するので、次のような問
題点があった。
【0012】a.接続導体3aの冷却のための絶縁油は
各バリヤ3b内を軸方向に流れるため、一方の変圧器の
タンク内において、絶縁油が強度に分解するような故障
や、絶縁物などが破損し、異物として絶縁油に混入する
重大故障が発生したような場合、汚損された絶縁油が健
全な別の変圧器のタンクへ流入し、正常な絶縁油を汚損
することになること。
【0013】b.最近では、油入電気機器内に局部加熱
の発生するような不具合が生じた場合、絶縁油中に溶存
する特定の可燃性ガスを分析することで、異常の有無を
診断する診断技術が確立されている。しかし、上記のよ
うに汚損された絶縁油が正常な絶縁油と混合されること
から、可燃性ガスが発生したタンク及び発生部位の特定
が困難となること。
【0014】c.また、交流の油入電気機器であれば、
油中ブッシングや樹脂製仕切板等で対応できるが、直流
電気機器においては、電気的、寸法的な見地から、それ
らの適用が困難となっていること。 d.接続導体3aに近い最内層のバリヤ3b内は、特に
接続導体3aの発熱による温度上昇が大きく十分な冷却
流路の確保及び冷却ができないこと。
【0015】この発明は、上記のような問題点を解消す
るためになされたもので、複数のタンク間で絶縁油が流
通するのを阻止でき、他のタンクの絶縁油や発生したガ
スが混合するのを防止することが可能で、接続導体の絶
縁性能が確保でき、また接続導体の冷却性能の優れた油
入電気機器を得ることを目的とする。また、簡易な構成
で上記機能を果たすことのできる、あるいは内部故障等
によりタンクの圧力が上昇したときに内圧上昇を緩和し
てタンクの変形や損傷を抑制できる油入電気機器を得る
ことを目的とする。さらに、絶縁油の流れにおける煙突
効果を利用して接続導体の冷却性能を向上させることの
できる油入電気機器を得ることを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】この発明の請求項1に記
載の油入電気機器は、電気機器本体をそれぞれ収容する
二つのタンクを連結する油密にされた接続ダクトを仕切
って両タンク間の絶縁油の流通を阻止する仕切装置と、
仕切装置を貫通して各巻線間を接続する接続導体と同心
状にして接続ダクト内に配設された筒状の筒状バリヤと
仕切装置の両側においてそれぞれ筒状バリヤの内外を連
通する第1及び第2の連通部とこの第1及び第2の連通
部の接続ダクト側にあって絶縁油の流通を妨げないよう
にして設けられ第1及び第2の連通部を接続ダクトに対
して電気的に遮蔽する第1及び第2の遮蔽用バリヤとを
有するバリヤ絶縁体と、を備えたものである。
【0017】この発明の請求項1に記載の油入電気機器
においては、仕切装置によって二つのタンク間の絶縁油
の流通が阻止され、互いの絶縁油が混合しない。したが
って、一方のタンクの絶縁油が汚損された場合でも、他
方のタンクの絶縁油と混合せず汚損の拡大が防止され
る。また、接続導体のジュール熱により温度上昇した接
続導体近傍の絶縁油は第1及び第2の連通部を通って筒
状バリヤの内部から外部へ流れるので、仕切装置を設け
て接続ダクト内を貫通して絶縁油が流れないようにして
も、接続導体の冷却性能に優れる。遮蔽用バリヤにより
連通部が接続ダクトに対して電気的に遮蔽され、連通部
を設けることによる低電圧性能の低下が防止される。
【0018】この発明の請求項2に記載の油入電気機器
は、筒状バリヤが仕切装置との間に第1及び第2の連通
部を形成するように仕切装置とそれぞれ所定の軸方向間
隙を設けて仕切装置の両側に配設された第1及び第2の
バリヤを有するものであり、第1及び第2の遮蔽用バリ
ヤが一体に形成された筒状の筒状遮蔽用バリヤであって
この筒状遮蔽用バリヤが第1及び第2のバリヤと異なる
径に形成され端部が第1及び第2のバリヤの各端部とそ
れぞれ重なるようにかつ径方向に径方向間隙を設けて接
続導体に同心状にかつ仕切装置を貫通して配設されたも
のである。
【0019】この発明の請求項2に記載の油入電気機器
においては、温度上昇した接続導体近傍の絶縁油は軸方
向間隙及び径方向間隙を通って筒状バリヤの内部から外
部へ流れる。筒状遮蔽用バリヤの端部が第1及び第2の
バリヤの各端部とそれぞれ重なるようにして、各軸方向
間隙を筒状遮蔽用バリヤにより接続ダクトに対して電気
的に遮蔽しているので、軸方向間隙を設けることによる
絶縁性能の低下が防止される。
【0020】この発明の請求項3に記載の油入電気機器
は、仕切装置が絶縁油が通過しないようにされた仕切部
材及びこの仕切部材の両側に設けられ周方向に波形に形
成された環状のコルゲート状スペーサを有するコルゲー
ト組立体であって、このコルゲート組立体が接続導体と
筒状バリヤと遮蔽用バリヤと接続ダクトとの間にそれぞ
れの径方向間隔を所定値に保つようかつ二つのタンク間
の絶縁油の流通を阻止するように嵌挿されたものであ
る。
【0021】この発明の請求項3に記載の油入電気機器
においては、コルゲート組立体は、二つのタンク間の絶
縁油の流通を阻止すること及び接続導体と筒状バリヤと
遮蔽用バリヤと接続ダクトとのそれぞれの径方向間隔を
保つことの二つの機能を有し、簡易な構成で仕切りと間
隔保持を実現している。また、径方向間隔を小さくして
もコルゲート状スペーサにより径方向の沿面絶縁距離を
確保できる。
【0022】この発明の請求項4に記載の油入電気機器
は、仕切装置が接続導体とともに接続導体の長手方向に
移動しうるようにされるとともに接続ダクトの内周と軸
方向に摺動しうるようにされたものである。この請求項
4に記載のものにおいては、例えば内部故障によって一
方のタンクの内圧が上昇すると、仕切装置が圧力の低い
他方のタンク側へ移動して一方のタンクの内圧上昇を緩
和する。
【0023】この発明の請求項5に記載の油入電気機器
は、仕切装置を元の位置に復元させる復元装置を設けた
ものである。
【0024】この発明の請求項6に記載の油入電気機器
は、筒状遮蔽用バリヤの両端部及びこの筒状遮蔽用バリ
ヤと重なる第1及び第2のバリヤの端部にそれぞれ周方
向に電界緩和手段が設けられたものである。この請求項
6に記載のものにおいては、電界緩和手段によってバリ
ヤの端部は絶縁油との接触面積が増加し、固体絶縁物で
あるバリヤ端部から液体絶縁物である絶縁油への等電位
線が緩やかとなり、部分放電が抑制され、各バリヤの端
部の絶縁強度が高くなる。
【0025】この発明の請求項7に記載の油入電気機器
は、バリヤ絶縁体の第1及び第2の連通部が筒状バリヤ
に設けられた貫通孔であるものである。この請求項7に
記載のものにおいては、温度上昇した接続導体近傍の絶
縁油は貫通孔を通って筒状バリヤの内部から外部へ流れ
る。貫通孔を連通部とし、筒状バリヤが遮蔽用バリヤを
兼ねているので、構成が簡易となる。
【0026】この発明の請求項8に記載の油入電気機器
は、第1及び第2の連通部が接続導体の外周部と接続ダ
クトの内周部とを連通するようにされたものであり、接
続ダクトとタンクとを連結する位置がタンク内の巻線に
接続導体を接続する位置より高くされ、筒状バリヤが接
続導体を巻線に接続する位置近傍まで延在されたもので
ある。この請求項8に記載のものにおいては、接続導体
のジュール熱で温度上昇した接続導体近傍の絶縁油は第
1及び第2の連通部を通過して接続ダクトの上側内周部
に達し、タンクへ還流する。この還流に伴い接続導体を
接続する位置における温度の低い絶縁油が筒状ダクト内
へ流入する。接続ダクトとタンクとを連結する位置が巻
線に接続導体を接続する位置より高いので両位置におけ
る絶縁油の温度差が大きく、煙突効果が発生する。
【0027】
【発明の実施の形態】
発明の実施の形態1.図1〜図6は、この発明の発明の
実施の一形態である複数に分割された油入電気機器を示
すもので、図1は油入電気機器の接続状態を概念的に示
す断面図、図2は接続装置の主要部を示す断面図であ
る。図3は接続装置の主要部を示す斜視断面図、図4は
仕切装置の部分拡大図である。図5は接続導体の可撓部
を示す斜視図、図6は仕切装置近傍における絶縁油の流
れを示す説明図である。なお、この実施の形態において
は、油入電気機器は500[kV]の高電圧の直流リア
クトルであり、輸送上の制限から4個のタンクに分割さ
れて収容されている。
【0028】図1において、21a〜21dは分割され
た直流リアクトルのタンクである。タンク21a〜21
d内には磁気シールド22a〜22d、及び2並列にそ
れぞれが構成された巻線23a〜23dが収容され、絶
縁油が入れられている。24は接続装置であり、次のよ
うに構成されている。25は接続ダクトであり、タンク
側ダクト部25a,25b、及び中央ダクト25cにて
構成されている。中央ダクト25cはタンク側ダクト部
25a,25b間に配設され、その両端にフランジ25
dを有している(図2)。接続ダクト25は複数のタン
ク21a〜21d間にそれぞれ設けられている。
【0029】26は複合絶縁リードであり、接続導体2
7とバリヤ絶縁体28とを有する。接続導体27は、巻
線23a〜23d側に接続されている導体27a,27
bと、中央導体27c、可撓導体27dを有する。中央
導体27cの図2の左右両側に可撓導体27dが設けら
れ、中央導体27cと左右の導体27a,27bとを接
続している。可撓導体27dは、例えば図5の斜視図に
示すように薄板の導電体を複数枚重ねたもので、撓ませ
た状態で導体27a、27bと中央導体27cとを接続
している。可撓導体27dは後述の仕切装置30と一体
にされた中央導体27cがその長手方向に移動しうるよ
うにするものである。
【0030】バリヤ絶縁体28は、導体27a,27
b、中央導体27cに対して同心にそれぞれ多重に配置
されたプレスボード製の筒状バリヤである円筒状のバリ
ヤ28a,28bと、筒状遮蔽用バリヤである円筒状の
バリヤ28cと、各バリヤ28a,28b,28cの端
部に絶縁材で円環状に形成された中実丸棒の電界緩和手
段28d,28e,28fとを有している。
【0031】図2に示すごとく、バリヤ28aとバリヤ
28bとはその径が同じにされ、後述の仕切装置である
コルゲート組立体31の両側に後述のコルゲート組立体
31に対して軸方向間隙を設けてこの軸方向間隙が連通
部28g,28hを形成するように配設されている。連
通部28g,28hは各バリヤ28a,28bの内側と
外側を連通するものである。この実施の形態において
は、連通部28g,28hは最内層のバリヤ28cの内
側から最外層のバリヤ28cの外側までを連通してい
る。
【0032】バリヤ28cはバリヤ28a,28bと異
なる径にされ、バリヤ28a及びバリヤ28bに対して
交互に重なるようにされ、第1及び第2の連通部として
の連通部28g,28hを大地電位である中央ダクト2
5cに対して電気的に遮蔽している。連通部28g,2
8hにより接続導体の絶縁強度が低下するのを防止する
ためである。なお、中央導体27cとバリヤ28cの軸
方向の長さは、中央ダクト25cの長さとほぼ同じにさ
れている。以上のように構成された複合絶縁リード26
は、接続ダクト25の中を通過して巻線23a〜23d
を直列に接続している。
【0033】仕切装置30は、複数個のコルゲート組立
体31にて構成されている。コルゲート組立体31は仕
切部材である仕切板32とコルゲート状スペーサ33と
で構成されている。コルゲート状スペーサ33は図3に
示すようにプレスボードを波形に成形したものを円環状
にして形成され、仕切板32の左右に接着材にて径方向
に隙間が発生しないように固着されている。仕切板32
は、この実施の形態においては、プレスボードで中抜き
の円板状に形成されている。
【0034】上記のようなコルゲート組立体31が、図
2に示すごとく中央ダクト25cの略中央部において各
バリヤ28c間及び最外層のバリヤ28cと中央ダクト
25cとの間にそれぞれ嵌挿されている。中央導体27
cと最内側のコルゲート組立体31、各コルゲート組立
体31と各バリヤ28cとは、接着剤などで油密性を有
するようにそれぞれ固着されている。さらに、最外側の
コルゲート組立体31と中央ダクト25cの内周とは、
例えばOリングなどの封止手段(図示しない)を介して
当接しており、かつ中央導体27cの長手方向に摺動可
能な構造となっている。
【0035】なお、図2においてスペーサ33のバリヤ
28c近傍の黒く塗り潰されている部分は、断面の切断
線上にあるコルゲート状スペーサ33の断面部である。
仕切装置30は、以上のように構成され、中央ダクト2
5c内においてタンク間(例えばタンク21a,21b
間)の絶縁油の流通を阻止している。
【0036】34は復元装置であり、ストッパ34aと
図3に示すように蛇腹状に形成された蛇腹状ばね34b
とで構成されている。ストッパ34aは中央ダクト25
cの内周部に固着されており、蛇腹状ばね34bは最外
層のコルゲート状スペーサ33の端部を図の左右に挟ん
で押圧するようにしてストッパ34aとの間に挿入され
ている。復元装置34は、中央導体27cに固着された
仕切装置30が中央導体27cとともに軸方向に移動し
たとき、その位置を復元するためのものであり、蛇腹状
ばね34bの反力はストッパ34aによって支持され
る。なお、ストッパ34a及び蛇腹状ばね34bは電界
集中現象を避けるために絶縁材料で製作されている。
【0037】なお、中央ダクト25c、中央導体27
c、この中央導体27cと同心に設けられた遮蔽用のバ
リヤ28c、仕切装置30、及び復元装置34がユニッ
ト化されている。接続装置24は、以上に述べた接続ダ
クト25、複合絶縁リード26(接続導体27、バリヤ
絶縁体28)、仕切装置30、及び復元装置34で構成
されている。35(図1)は、巻線23a,23dから
の引き出し端子となるブッシングである。
【0038】上記コルゲート状スペーサ33は、実開昭
58−114024公報の第4図や、技術雑誌・三菱電
機技報 Vol.69、No.10、1995年 第1
6頁の図5などに示されているものと同様のもので、絶
縁紙であるプレスボードで波形状に成形されており、次
のような特長を有している。 1)半径方向の寸法に柔軟性があり、しかも支持強度が
高いこと。 2)重量的にも中実スペーサと比較して軽量になるこ
と。 3)板状の絶縁材と組み合わすことで、絶縁強度の高い
構造が得られること。 4)コルゲートの波形部の隙間部が、冷却のための絶縁
油の流路となること。 などの利点から上記のような高電圧の接続装置に通常使
用されている。
【0039】次に、図6により仕切装置30近傍におけ
る絶縁油の流れについて説明する。接続導体27(導体
27a,27b,27c)には電流が流れるので、発生
するジュール熱を絶縁油によって冷却する必要がある。
この発明の実施の形態においては、上記のような連通部
28g,28hを設けている。よって、接続導体27近
辺の温度上昇した絶縁油は、図6に示す点線で示す流れ
C,Dとなってバリヤ28cに遮られながら連通部28
g,28hをジグザグに通過し、上方に向かって移動す
る。
【0040】この絶縁油の移動に伴い巻線の引き出し部
のバリヤ28a,28bの入口から温度の低い絶縁油が
矢印E,Fのごとく流入し、導体27a,27b,27
cの冷却のための循環流路が形成される。なお、接続導
体27に発生したジュール熱により温度上昇した絶縁油
は、接続ダクト25の内周部上方をそれぞれ軸方向に左
あるいは右に伝ってタンク(例えばタンク21a,21
b)へ戻る。
【0041】この発明の実施の形態においては、以上の
ように導体27a、27b、中央導体27cと同心に円
筒状のバリヤ28a、28b,28cを多重に配置した
複合絶縁リード26に仕切装置30を設けた。仕切装置
30は、各々のタンク21a〜21dの絶縁油の混合を
防止し、タンクに収容された電気機器本体の内部故障な
どにより汚損された絶縁油が健全なタンク側へ流入する
ことを阻止する。したがって、絶縁油に混在する可燃性
ガスを分析して異常の有無や異常個所の診断を行う異常
診断技術において、異常の発生したタンクの特定や異常
発生部位の特定が容易となる。
【0042】また、巻線側のバリヤ28a,28bの径
と遮蔽用のバリヤ28cの径とは異なる径としてバリヤ
同志を重複させ、またバリヤ28a,28bとコルゲー
ト組立体31との間に連通部28g,28hを設けた。
したがって、接続導体27近辺の絶縁油が連通部28
g,28hを通過して上方に流れることが可能となり、
上記連通部と巻線の引き出し部のバリヤ入口とで冷却用
循環流路が形成され、効率のよい導体の冷却ができる。
【0043】また、バリヤ28a,28b,28cの端
部に丸棒を円環状に成形した電界緩和手段28d,28
e,28fを設けた。したがって、バリヤ端部は絶縁油
との接触面積が増え、固体絶縁物であるバリヤから液体
絶縁物である絶縁油への等電位線が緩やかとなり、部分
放電が抑制され、バリヤ28a,28b,28cの端部
の絶縁強度を高く維持することができる。
【0044】なお、電界緩和手段28d,28e,28
fは、絶縁材の中実丸棒をバリヤの先端に設けたが、バ
リヤ28a,28b,28c自体の端部を丸めるか又は
カール状に成形した構造としても同様に電界緩和の効果
がある。電界緩和手段28d,28e,28fを設ける
ことは、特にこの発明の実施の形態に示すような直流用
の油入電気機器において、品質向上のための重要な要素
である。
【0045】また、仕切装置30は最外側のコルゲート
状スペーサ33と中央ダクト25cの内周とが当接し、
かつ接続導体の長手方向に摺動可能となっている。した
がって、内部の巻線23a,23b等の地絡事故などに
より、タンク21aあるいはタンク21bの内部の圧力
が急激に上昇した場合、仕切装置30が中央ダクト25
c内を圧力の低いタンクの方へ移動して隣接タンクへ発
生圧力を伝播させ、故障が発生したタンクの変形や損傷
を防止する。なお、仕切装置30が移動するとき、可撓
導体27dが撓んで移動を容易にする。
【0046】さらに、仕切装置30を元の位置に復元さ
せる復元装置34を設けたので、上記圧力変動で支持部
が移動した場合、復元装置34の復元力で元の位置に復
元できる。また、中央ダクト25c、中央導体27c、
この中央導体27cと同心に設けられた遮蔽用のバリヤ
28c、仕切装置30、及び復元装置34がユニット化
されているので、これらの組み立てや輸送が容易とな
る。
【0047】発明の実施の形態2.図7は、この発明の
他の実施の形態の主要部を示す要部断面図である。図に
おいて、40は仕切装置であり、各バリヤ28c間及び
バリヤ28cと中央ダクト25cと間に間挿された3個
のコルゲート組立体41により構成されている。さら
に、コルゲート組立体41は、仕切部材42とコルゲー
ト状スペーサ43にて構成されている。
【0048】仕切部材42は、断面がコ字状の円環状溝
42bを形成するようにして成形された複数個の円環体
42aの水平部42cを図示のように相互にはめ込み、
水平部42c同志を接着剤にて油密に接着して形成され
ている。この仕切部材42の円環状溝42bに図3に示
されたものと同様に構成され長さが若干長いコルゲート
状スペーサ43が図示のように突出するようにして挿入
され、抜け出ないように部分的に接着されている。コル
ゲート状スペーサ43が円環状溝42bから突出してい
るのは、径方向の沿面絶縁距離を大きくするためであ
る。
【0049】一番内側のコルゲート組立体41と中央導
体27cとは油密に接着されている。一番外側のコルゲ
ート組立体41と中央ダクト25cの内周とは、図示し
ないOリングなどの封止手段を介して当接しており、か
つ導体27の長さ方向に摺動可能な構造となっている。
その他の構成は図2に示したものと同様のものであるの
で、相当するものに同じ符号を付して説明を省略する。
また、図示しない復元装置34、その他のものについて
も図2に示したものと同様のものが設けられている。た
だし、バリヤ28a,28bは2層の構成である。
【0050】以上のように、複合絶縁リード26に仕切
装置40を設け、仕切装置40により中央ダクト25c
内の軸方向の絶縁油の流通を阻止し、発明の実施の形態
1と同様に分割したタンク間の絶縁油が混合するのを防
止している。
【0051】発明の実施の形態3.図8は、さらにこの
発明の他の実施の形態の要部を示す要部断面図である。
図において、50は仕切装置であり、中央導体27cと
最内層のバリヤ28c間、各バリヤ28c間、及び最外
層のバリヤ28cと中央ダクト25c間にそれぞれ間挿
された3個のコルゲート組立体51により構成されてい
る。さらに、コルゲート組立体51は、仕切部材52と
コルゲート状スペーサ53にて構成されている。
【0052】仕切部材52は、断面がコ字状の円環状溝
52bを形成するようにして成形された2個の円環体5
2aを背中合わせにしてその水平部52cを図示のよう
に間に円筒状の嵌挿絶縁筒54を挟んで2〜3段重ね、
これらを相互に接着剤にて油密に接着して形成されてい
る。この仕切部材52の円環状溝52bに、図7に示さ
れたものと同様のコルゲート状スペーサ53が挿入さ
れ、部分的に接着されている。
【0053】一番内側のコルゲート組立体51と中央導
体27cとは油密に接着されている。一番外側のコルゲ
ート組立体51と中央ダクト25cの内周とは、図示し
ないOリングなどの封止手段を介して当接しており、か
つ導体27の長さ方向に摺動可能な構造となっている。
その他の構成は図2に示したこの発明の実施の形態1と
同様のものであるので、相当するものに同じ符号を付し
て説明を省略する。以上のように、複合絶縁リード26
に仕切装置50を設け、仕切装置50により絶縁油の流
通を阻止し、図2に示した仕切装置30と同様に分割し
たタンク間の絶縁油が混合するのを防止している。
【0054】その他の構成は図2に示したものと同様の
ものであるので、相当するものに同じ符号を付して説明
を省略する。また、図示しない復元装置34、その他の
ものについても図2に示したものと同様のものが設けら
れている。ただし、バリヤ28a,28bは2層の構成
である。なお、バリヤ28a,28b,28cは円筒状
のものに限られるものでなく、角形等の筒状のものであ
ってもよい。
【0055】発明の実施の形態4.図9は、さらにこの
発明の他の実施の形態の要部を示す要部断面図である。
図において、60は接続装置であり、次のように構成さ
れている。61は複合絶縁リードであり、接続導体62
とバリヤ絶縁体63を有する。複合絶縁リード61は、
図1における複合絶縁リード26と同様にタンク21a
〜21dに収容された巻線23a〜23d相互間を電気
的に接続するものである。
【0056】バリヤ絶縁体63は、接続導体62と同心
にそれぞれ多重に配置された複数の円筒状のバリヤ64
〜67を有する。所定の長さの遮蔽用のバリヤ67は長
いバリヤのうちの最外層のバリヤ66の外側に設けられ
ている。各バリヤ64〜66の上方側に軸方向に位置を
ずらせて貫通孔64a〜66a及び貫通孔64b〜66
bが図示のように設けられている。
【0057】すなわち、貫通孔64a〜66a及び貫通
孔64b〜66bにより、内側のバリヤ64の内部から
バリヤ66の外側へ径方向に階段状に連通する絶縁油の
第1及び第2の流路68、69が形成されている。各バ
リヤ65,66,67は貫通孔64a〜66a及び貫通
孔64b〜66bを大地電位である接続ダクト25に対
して電気的に遮蔽し、絶縁導体の絶縁強度を確保してい
る。なお、貫通孔64a〜66a及び貫通孔64b〜6
6bがこの発明における第1及び第2の連通部であり、
バリヤ67が遮蔽用バリヤであり、バリヤ65〜66が
筒状バリヤと遮蔽用バリヤとを兼ねている。
【0058】70は仕切装置であり、中央ダクト25c
の軸方向のほぼ中央部において接続導体62とバリヤ6
4、各バリヤ64〜67間、及びバリヤ67と中央ダク
ト25cと間に間挿された複数の、この例では5枚の仕
切絶縁板71により構成されている。仕切絶縁板71
は、表面に環状の深い溝が設けられた中空の円板状のも
ので(溝の図示は省略している)、それぞれの内周部及
び外周部が接続導体62、各バリヤ64〜67、及び中
央ダクト25cに図示しない接着材により油密に接着さ
れている。
【0059】このように構成された接続装置60は、接
続導体62に発生するジュール熱により温度上昇した最
内層のバリヤ64内の絶縁油は、流路68、69をそれ
ぞれ図9の一点鎖線の矢印G,Hに示すように流れる。
さらに、接続ダクト25の内周部の上方を伝って、タン
ク(例えばタンク21a,21b)内へ還流する。以上
のように、複合絶縁リード61に仕切装置70を設けて
タンク間の絶縁油の流通を阻止し、図2に示した仕切装
置30と同様に分割したタンク間の絶縁油が混合するの
を防止している。また、貫通孔64a〜66a及び貫通
孔64b〜66bを第1及び第2の連通部とし、バリヤ
65〜66が筒状バリヤと遮蔽用バリヤとを兼ねている
ので、構成が簡易になる。
【0060】なお、図9に示した実施の形態において、
次のように構成しても同様の効果を奏する。すなわち、
一番内側の仕切絶縁板71と接続導体62とは接着剤に
て油密に接着固定し、バリヤ64との間にはOリングを
入れて封止をする。同様に、仕切絶縁板71の内周部は
内側のバリヤと油密に接着固定し、仕切絶縁板71の外
周部と外側のバリヤとの間及び最外側の仕切絶縁板71
と中央ダクト25cとの間にはOリングを入れて封止す
る。
【0061】また、図9においては最外層のバリヤ67
は円筒状であるものを示したが、貫通孔66aあるいは
66bを接続ダクト25に対して電気的に遮蔽する機能
を有する他の形状、例えば円弧状のものであってもよい
し、貫通孔はバリヤ64〜66の全てに設ける必要は必
ずしもなく、接続導体62に流れる電流に応じて、例え
ば電流が小さい場合はバリヤ64にのみ貫通孔64a,
64bを設ければよい。さらに、貫通孔64a〜66a
及び貫通孔64b〜66bにより、内側のバリヤ64の
内部からバリヤ66の外側へ径方向に階段状に連通する
ものを示したが、階段状に限られるものはなく、例えば
ジグザグに連通する連通路であってもよい。
【0062】発明の実施の形態5.図10、図11は、
さらにこの発明の他の実施の形態を示すもので、図10
は接続装置を示す断面図、図11は接続装置の接続状態
を概念的に示した断面図である。これらの図において、
84は接続装置であり、図11に示すようにタンク21
a〜21dの上方部に配設されている。接続装置84
は、接続ダクト25と複合絶縁リード86を有する。
【0063】複合絶縁リード86は、接続ダクト25の
中を通過して巻線23a〜23dを接続点J,K及びJ
2,K2において直列に接続している。接続ダクト25
は接続点J,K及びJ2,K2よりも高い位置に設けら
れている。さらに、複合絶縁リード86は、接続導体8
7とバリヤ絶縁体88とを有する。バリヤ絶縁体88
は、接続導体87と同心にそれぞれ多重に配置された円
筒状のバリヤ88a,88b,28cと、各バリヤ88
a,88b,28cの端部に図示を省略しているが絶縁
材で円環状に形成された図2に示した中実丸棒の電界緩
和手段28d,28e,28fと同様の電界緩和手段を
有している。
【0064】バリヤ88a,88bは、仕切装置30の
両側に連通部28g,28hを形成するように仕切装置
30と軸方向に所定の間隙を設けて配置されている。バ
リヤ88a,88bは図11に示す接続点J,K及びJ
2,K2近傍まで延在されている。なお、一方の接続導
体87は詳細を図示していないがタンク(例えば、21
c)内において分岐されて接続点Jと接続点J2とに接
続され、他方の接続導体87は(例えば、21d)内に
おいて分岐され接続点Kと接続点K2とに接続されてい
る。バリヤ88a及びバリヤ88bはその径が同じにさ
れ、バリヤ28cとは異なる径にされている。また、バ
リヤ88a,88bはバリヤ28cに対してその軸方向
に重なるようにされている。
【0065】このようにして、バリヤ絶縁体88には、
径の異なるバリヤ88a,88bとバリヤ28cとを相
互に重複させ、遮蔽用のバリヤ28cにより連通部28
g,28hを接続ダクトに対して遮蔽している。その他
の構成については図示しないものを含めて図2に示した
実施の形態と同様のものが設けられており、図示したも
のについては相当するものに同じ符号を付してその説明
を省略する。
【0066】以上のように構成された複合絶縁リード8
6は、図11に示すように、接続ダクト25の位置を、
巻線23a〜23dとの引き出し位置(接続位置(J,
K点あるいはJ2,K2点よりも高く配置したので、連
通部28g,28hと上記引き出し位置との絶縁油の温
度差が大きくなり、この温度差による比重差が生じ、こ
れによる煙突効果が発生し、上記引き出し位置近傍から
流入し連通部28g,28hを通過する図10における
矢印M,N,P,Qの方向に流れる絶縁油の循環が促進
され、接続導体の冷却性能がさらに向上する。
【0067】
【発明の効果】以上のように、この発明の請求項1に記
載の油入電気機器によれば、電気機器本体をそれぞれ収
容する二つのタンクを連結する油密にされた接続ダクト
を仕切って両タンク間の絶縁油の流通を阻止する仕切装
置と、仕切装置を貫通して各巻線間を接続する接続導体
と同心状にして接続ダクト内に配設された筒状の筒状バ
リヤと仕切装置の両側においてそれぞれ筒状バリヤの内
外を連通する第1及び第2の連通部とこの第1及び第2
の連通部の接続ダクト側にあって絶縁油の流通を妨げな
いようにして設けられ第1及び第2の連通部を接続ダク
トに対して電気的に遮蔽する第1及び第2の遮蔽用バリ
ヤとを有するバリヤ絶縁体と、を備えたものであるの
で、仕切装置によってタンクの絶縁油の混合が防止さ
れ、一方のタンクの絶縁油が汚損した場合でも他方のタ
ンクの絶縁油を汚損するおそれがない。また、絶縁油中
の存在するガスを分析して異常の有無を診断する場合に
も異常の発生したタンクや異常部位の特定が容易であ
る。接続導体のジュール熱により温度上昇した接続導体
近傍の絶縁油は第1及び第2の連通部を通って筒状バリ
ヤの内部から外部へ流れるので、接続導体の冷却性能が
優れる。遮蔽用バリヤにより連通部が接続ダクトに対し
て電気的に遮蔽されるので、充分な絶縁性能を確保でき
る。
【0068】この発明の請求項2に記載の油入電気機器
によれば、筒状バリヤが仕切装置との間に第1及び第2
の連通部を形成するように仕切装置とそれぞれ所定の軸
方向間隙を設けて仕切装置の両側に配設された第1及び
第2のバリヤを有するものであり、第1及び第2の遮蔽
用バリヤが一体に形成された筒状の筒状遮蔽用バリヤで
あってこの筒状遮蔽用バリヤが第1及び第2のバリヤと
異なる径に形成され端部が第1及び第2のバリヤの各端
部とそれぞれ重なるようにかつ径方向に径方向間隙を設
けて接続導体に同心状にかつ仕切装置を貫通して配設さ
れたものであるので、温度上昇した接続導体近傍の絶縁
油は軸方向間隙及び径方向間隙を通って筒状バリヤの内
部から外部へ流れ、接続導体の冷却性能に優れる。ま
た、筒状遮蔽用バリヤの端部が第1及び第2のバリヤの
各端部と径方向にそれぞれ重なり、第1及び第2の連通
部が筒状遮蔽用バリヤにより接続ダクトに対して電気的
に遮蔽されるので、充分な絶縁性能を確保できる。
【0069】この発明の請求項3に記載の油入電気機器
によれば、仕切装置が絶縁油が通過しないようにされた
仕切部材及びこの仕切部材の両側に設けられ周方向に波
形に形成された環状のコルゲート状スペーサを有するコ
ルゲート組立体であって、このコルゲート組立体が接続
導体と筒状バリヤと遮蔽用バリヤと接続ダクトとの間に
それぞれの径方向間隔を所定値に保つようかつ二つのタ
ンク間の絶縁油の流通を阻止するように嵌挿されたもの
であるので、コルゲート組立体は二つのタンク間の絶縁
油の流通を阻止すること及び接続導体と筒状バリヤと遮
蔽用バリヤと接続ダクトとのそれぞれの径方向間隔を保
つことの両機能を有し、簡易な構成で仕切と間隔保持を
実現できる。また、コルゲート状スペーサにより絶縁強
度を確保しながら径方向間隔を小さくできるので、装置
を小型化できる。
【0070】この発明の請求項4に記載の油入電気機器
によれば、仕切装置が接続導体とともに接続導体の長手
方向に移動しうるようにされるとともに接続ダクトの内
周と軸方向に摺動しうるようにされたものであるので、
何らかの原因で一方のタンクの内圧が上昇した場合で
も、仕切装置が圧力の低い他方のタンク側へ移動するこ
とにより、一方のタンクの内圧上昇が緩和され変形や損
傷を抑制できる。
【0071】この発明の請求項5に記載の油入電気機器
によれば、仕切装置を元の位置に復元させる復元装置を
設けたものであるので、二つのタンクの圧力差により仕
切装置が移動した場合、復元装置により元の位置に戻す
ことができる。
【0072】この発明の請求項6記載の油入電気機器に
よれば、筒状遮蔽用バリヤの両端部及びこの筒状遮蔽用
バリヤと重なる第1及び第2のバリヤの端部にそれぞれ
周方向に電界緩和手段が設けられたものであるので、電
界緩和手段によって各バリヤの端部における電界集中が
緩和され、絶縁の信頼性が向上する。
【0073】この発明の請求項7に記載の油入電気機器
によれば、バリヤ絶縁体の第1及び第2の連通部が筒状
バリヤに設けられた貫通孔であるものであるので、筒状
バリヤが遮蔽用バリヤを兼ねているので、構成が簡易と
なる。
【0074】この発明の請求項8に記載の油入電気機器
によれば、第1及び第2の連通部が接続導体の外周部と
接続ダクトの内周部とを連通するようにされたものであ
り、接続ダクトとタンクとを連結する位置がタンク内の
巻線に接続導体を接続する位置より高くされ、筒状バリ
ヤが接続導体を巻線に接続する位置近傍まで延在された
ものであるので、接続ダクトとタンクとを連結する位置
が巻線に接続導体を接続する位置より高いので両位置に
おける絶縁油の温度差が大きく、煙突効果が発生し絶縁
油の循環が促進され、接続導体の冷却性能が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の一形態を示すもので、油入
電気機器の接続状態を概念的に示す断面図である。
【図2】 図1における接続装置の主要部を示す断面図
である。
【図3】 図1における接続装置の主要部を示す斜視図
である。
【図4】 図2における仕切装置の部分拡大図である。
【図5】 図2における接続導体の可撓部を示す斜視図
である。
【図6】 図2における仕切装置近傍における絶縁油の
流れを示す説明図である。
【図7】 この発明の他の実施の形態の主要部を示す要
部断面図である。
【図8】 さらに、この発明の他の実施の形態の要部を
示す要部断面図である。
【図9】 さらに、この発明の他の実施の形態の要部を
示す要部断面図である。
【図10】 さらに、この発明の他の実施の形態を示す
接続装置の断面図である。
【図11】 図10における接続装置の接続状態を概念
的に示した断面図である。
【図12】 従来の分割形の超高電圧の油入変圧器にお
ける接続装置を示す構成図である。
【図13】 従来の他の分割形の超高圧の油入電気機器
における接続装置を示す平面配置図である。
【図14】 従来の複合絶縁リードを示す断面図であ
る。
【図15】 図14における従来の複合絶縁リードの側
面図である。
【符号の説明】
21a〜21d:タンク 23a〜23d:巻線 24 :接続装置 25 :接続ダクト 25c :中央ダクト 26 :複合絶縁リード 27 :接続導体 27a,27b,27c:導体、中央導体 28 :バリヤ絶縁体 28a,28b,28c:バリヤ 28d,28e,28f:電界緩和手段 28g,28h:連通部 30 :仕切装置 31 :コルゲート組立体 32 :仕切板 33 :コルゲート状スペーサ 34 :復元装置 40 :仕切装置 41 :コルゲート組立体 42 :仕切部材 43 :コルゲート状スペーサ 50 :仕切装置 51 :コルゲート組立体 52 :仕切部材 53 :コルゲート状スペーサ 61 :複合絶縁リード 62 :接続導体 63 :バリヤ絶縁体 64〜67 :バリヤ 64a〜66a:貫通孔 64b〜66b:貫通孔 68,69 :流路 70 :仕切装置 71 :仕切絶縁板 86 :複合絶縁リード 87 :接続導体 88 :バリヤ絶縁体 88a,88b:バリヤ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01F 27/12 H01F 27/04

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 巻線を有する電気機器本体をそれぞれ収
    容し絶縁油が入れられた二つのタンクと、上記二つのタ
    ンクを連結する油密にされた接続ダクトと、この接続ダ
    クトを仕切って上記両タンク間の絶縁油の流通を阻止す
    る仕切装置と、上記接続ダクト内を通り上記仕切装置を
    貫通して上記各巻線間を接続する接続導体と、上記接続
    導体と同心状にして上記接続ダクト内に配設された筒状
    の筒状バリヤと上記仕切装置の両側においてそれぞれ上
    記筒状バリヤの内外を上記絶縁油が流通しうるように連
    通する第1及び第2の連通部とこの第1及び第2の連通
    部よりも上記接続ダクト側にあって上記絶縁油の流通を
    妨げないようにして設けられ上記第1及び第2の連通部
    を上記接続ダクトに対して電気的に遮蔽する第1及び第
    2の遮蔽用バリヤとを有するバリヤ絶縁体と、を備えた
    油入電気機器。
  2. 【請求項2】 バリヤ絶縁体は、筒状バリヤが仕切装置
    との間に第1及び第2の連通部を形成するように仕切装
    置とそれぞれ所定の軸方向間隙を設けてこの軸方向間隙
    が第1及び第2の連通部を形成するように仕切装置の両
    側に配設された第1及び第2のバリヤを有するものであ
    り、第1及び第2の遮蔽用バリヤが一体に形成された筒
    状の筒状遮蔽用バリヤであってこの筒状遮蔽用バリヤが
    上記第1及び第2のバリヤと異なる径に形成され端部が
    上記第1及び第2のバリヤの各端部とそれぞれ重なるよ
    うにかつ径方向に径方向間隙を設けて接続導体に同心状
    にかつ仕切装置を貫通して配設されたものである、こと
    を特徴とする請求項1に記載の油入電気機。
  3. 【請求項3】 仕切装置は、絶縁油が通過しないように
    された仕切部材及びこの仕切部材の両側に設けられ周方
    向に波形に形成された環状のコルゲート状スペーサを有
    するコルゲート組立体であって、このコルゲート組立体
    が接続導体と筒状バリヤと遮蔽用バリヤと接続ダクトと
    の間にそれぞれの径方向間隔を所定値に保つようにかつ
    二つのタンク間の絶縁油の流通を阻止するように嵌挿さ
    れたものであることを特徴とする請求項2に記載の油入
    電気機器。
  4. 【請求項4】 仕切装置は、接続導体とともに接続導体
    の長手方向に移動しうるようにされるとともに接続ダク
    トの内周と軸方向に摺動しうるようにされたものである
    ことを特徴とする請求項3に記載の油入電気機器。
  5. 【請求項5】 仕切装置を元の位置に復元させる復元装
    置を設けたものであることを特徴とする請求項4に記載
    の油入電気機器。
  6. 【請求項6】 筒状遮蔽用バリヤの両端部及びこの筒状
    遮蔽用バリヤと重なる第1及び第2のバリヤの端部にそ
    れぞれ電界緩和手段が設けられたものであることを特徴
    とする請求項2に記載の油入電気機器。
  7. 【請求項7】 バリヤ絶縁体の第1及び第2の連通部
    は、筒状バリヤに設けられた貫通孔であることを特徴と
    する請求項1に記載の油入電気機器。
  8. 【請求項8】 第1及び第2の連通部は接続導体の外周
    部と接続ダクトの内周部とを連通するようにされたもの
    であり、接続ダクトとタンクとを連結する位置はタンク
    内の巻線に接続導体を接続する位置より高くされ、筒状
    バリヤは接続導体を巻線に接続する位置近傍まで延在さ
    れたものであることを特徴とする請求項1に記載の油入
    電気機器。
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