JP3002433B2 - 直流送電用変圧器 - Google Patents
直流送電用変圧器Info
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Description
に係り、特に、運転時に直流分を含む電圧波形が加わる
直流送電用の交直変換用変圧器に関する。
は、図2に示すように、絶縁油1が充填されたタンク2
内に、鉄心3とその脚部に円筒状に巻回された巻線4と
からなる変圧器本体を収納することによって構成されて
おり、上記巻線4は、互に同軸円筒状に十分な絶縁距離
を保って配置された直流巻線5および交流巻線6と、絶
縁性能を向上させるためにこれらの巻線5,6間に配置
された絶縁紙からなる絶縁筒7とから構成されている。
変圧器の絶縁構造の各例を示すものである。
絶縁物8bで被覆してなる素線8を円盤状に複数回巻回
して構成された複数個の円盤状単位巻線9を図示しない
スペーサを介して上下方向に積み重ねることによって構
成され、その下端には、曲率半径の大きい導体10aを
油浸紙からなる絶縁物10bで被覆したものに成型絶縁
物10cを沿えてその周囲を油浸紙からなる絶縁物10
dで一体に被覆してなる電界緩和用シールドリング10
が配置されている。交流巻線6も直流巻線5と同様に構
成され、その下端に曲率半径の大きい導体11aの周囲
を油浸紙からなる絶縁物11bで被覆してなる電界緩和
用シールドリング11が同様に配置されている。また、
直流巻線5およびシールドリング10と、交流巻線6お
よびシールドリング11の周囲には、それぞれ油浸紙か
らなる断面I字型絶縁筒12、断面L字型絶縁筒13お
よび断面逆L字型絶縁筒14が配置されて絶縁構造が構
成されている。
ールドリング10の間には、冷却通路を形成しかつ機械
的強度を保持するために、径方向に延びる複数のスペー
サ15が周方向に間隔をあけた状態で介挿され、さらに
直流巻線5の内周側および外周側に沿って油浸紙からな
る絶縁補強用の円筒状絶縁物(複数の円弧状部片を周方
向に並べることによって構成されている。)16,17
が設けられている。
6の配置が径方向において互に反対になっている点が相
違するだけで、その他の構造は同じである。
およびシールドリング10に加えられた直流高電圧下の
直流電位分布は、その構成絶縁物の抵抗率に支配される
が、油浸紙の抵抗率は主たる絶縁油である変圧器油の抵
抗率に比べて80℃で10〜50倍と大きいため、これ
らの部分における電圧分担は油浸紙からなる絶縁物に負
うところが大きく、この結果、油浸紙からなる絶縁物内
部で高電界が生じることになる。
509号公報や特開昭62−2509号公報に見られる
ように、直流巻線端部での絶縁耐力を向上させるため
に、その最内層および最外層に位置する素線の被覆絶縁
物を取り除くことにより、この部分での電圧分担を少な
くして高電界の発生を抑制するといった改善策がなされ
てきた。
直流電圧の大半を分担する油浸紙からなる絶縁物の抵抗
率に方向性があり、その中でも、油浸紙の沿層方向の破
壊電界値は変圧器油並みであることが判明し、油浸紙の
沿層方向の電界値の低減を行なう必要が生じてきた。
が高まるに伴い、直流絶縁構造における絶縁耐力を向上
させる必要があるが、上記した油浸紙の方向性を考慮し
た改善は行なわれていない。
る電圧分担の度合いは、その絶縁構造を構成する要素の
抵抗率に支配されるため、発生電圧が大きくなれば同様
の電界値を保つためには、絶縁距離はその比率に応じて
大きくなり、それは機器のサイズ増大につながる。した
がって、絶縁距離を低減するために局部的に高電界の発
生する部位の電界値を抑制する必要がある。
部分においては、シールドリング10の被覆絶縁物10
dとスペーサ15との間に、絶縁油1が入り込み、それ
ぞれくさび状の油ギャップが形成されるが、これらのく
さび状のギャップでは絶縁油の抵抗率が低く、その上下
に位置する油浸紙からなる各絶縁物で直流電圧の大半を
分担することになる。
の図6中の一点鎖線Bで囲った部分、すなわち油浸紙か
らなるスペーサ15とシールドリング10の油浸紙から
なる被覆絶縁物10dの間のくさび状の油ギャップのよ
うに、その沿層方向Cが互に径方向である絶縁物の組合
せ部を電気力線が渡る場合、この組合せ部には電界が集
中し易く、特に油浸紙からなる絶縁物の沿層方向に高電
圧が発生する。
破壊電界値には異方性があり、直流耐電界値はその沿層
方向では絶縁油とほぼ同等であるため、上記B部分では
絶縁物の沿層方向、すなわち径方向の絶縁裕度が非常に
低くなって、絶縁上の弱点となる。なお、このような問
題はD1部分においても同様に生じる。
7に示す。この図において、矢印Fで示すように、直流
電圧の等電位線Eに対して垂直方向の直流電界が発生
し、かつ、この直流電界Fは油浸紙からなるスペーサ1
5や被覆絶縁物10dの沿層方向と一致しているため、
この沿層方向に高電圧が発生していることが分る。
くさび状の油ギャップにおける電界の集中は、絶縁破壊
を引き起こす要因になると考えられる。
サと上記電界緩和用シールドリングの境界部における油
浸紙からなる絶縁物の沿層方向に加わる直流電圧の電界
値を低減してその絶縁強度を向上し得る直流送電用変圧
器を提供することにある。
破壊電界値は、その沿層方向においては絶縁油とほぼ同
じであるが、その貫層方向においては沿層方向や絶縁油
の破壊電界値よりも一桁以上高い。
で、上記スペーサと上記電界緩和用シールドリングの間
の内径側と外径側に形成されるくさび状のギャップに、
その貫層方向が径方向である油浸紙からなる直流電圧分
担用絶縁物を埋設し、上記スペーサと上記電界緩和用シ
ールドリングの境界部に加わる直流電圧を直流電圧分担
用絶縁物の貫層方向で分担するようにしたことを特徴と
する。
について説明する。
リング10の上方外径側角部との間に形成されたくさび
状のギャップに、このギャップに対応する断面形状を有
する直流電圧分担用絶縁リング18ができるだけ隙間が
できないように設けられている。この直流電圧分担用絶
縁リング18は、油浸紙からなり、その貫層方向Aが径
方向である絶縁材を断面くさび状に加工したものを、周
方向に順次折り曲げてリング状に形成される。その他の
構成は上記した従来例と同様である。
下方の電界緩和用シールドリングの外径側部分のみしか
図示していないが、その内径側部分や、直流巻線の上端
部および上方の電界緩和用シールドリングの内外径側部
分においても同様に直流電圧分担用絶縁リングが設けら
れる。
界緩和用シールドリング10の境界部に加わる直流電圧
を、くさび状のギャップに埋設した油浸紙からなる直流
電圧分担用絶縁リング18の抵抗率の高い貫層方向で分
担するので、これらの部分に加わる直流電圧のほとんど
は直流電圧分担用絶縁リング18で分担されることにな
り、その結果、これらの部分の絶縁構造を構成する油浸
紙からなるスペーサ15や電界緩和用シールドリング1
0の被覆絶縁物10dなどでの沿層方向に発生する電界
値を低く抑え、絶縁耐力を向上することができる。
グ例を示すものである。図8中、Gは等電位線、矢印H
は直流電界の発生方向を示す。
8を設けない従来例の直流電界解析マップ例を示す図7
を比較すれば、スペーサ15と電界緩和用シールドリン
グ10の境界部での直流電界値は直流電圧分担用絶縁リ
ング18を設けることにより、これを設ける以前に対し
て大幅に減少していることが分かる。すなわち、直流電
圧分担用絶縁リング18を設けることにより、上記境界
部での直流電圧分担をコントロールし、これらの部分で
発生する沿層方向の電界値を抑制することができる。
をリング状に形成し、これをくさび状のギャップが形成
された周方向の各位置に共通して設けたが、これに限ら
ず、直流分担用絶縁物を複数個とし、これらをくさび状
のギャップが形成された周方向の各位置に対応して各別
に設けることもできる。
らなる絶縁物における破壊電界値の異方性に着目し、上
記スペーサと上記電界緩和用シールドリングの間の内径
側および外径側に形成されるくさび状のギャップに、そ
の貫層方向が径方向である油浸紙からなる直流電圧分担
用絶縁物を埋設し、スペーサと電界緩和用シールドリン
グの境界部に加わる直流電圧を抵抗率の高い直流電圧分
担用絶縁物の貫層方向で分担するようにしたので、この
境界部に加わる直流電圧のほとんどはこの直流電圧分担
用絶縁物で分担されることになり、その結果、この境界
部の絶縁構造を構成する油浸紙からなるスペーサや電界
緩和用シールドリングの被覆絶縁物での沿層方向の電界
値が低減し、絶縁耐力を向上することができる。
要部拡大断面図である。
である。
ある。
である。
流巻線の下端部付近を示す拡大断面図である。
る。
ピング例を示す説明図である。
分に相当する部分付近の直流電界解析マッピング例を示
す説明図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 絶縁油が充填されたタンク内に、鉄心と
この鉄心に巻回された直流巻線および交流巻線からなる
変圧器本体を収納し、上記直流巻線の端部にスペーサを
介して電界緩和用シールドリングを配置するとともに、
上記スペーサはその沿層方向が径方向である絶縁紙から
なる絶縁物によって構成され、上記電界緩和用シールド
リングは導体とその周囲に巻回された絶縁紙からなる絶
縁物によって構成された直流送電用変圧器において、上
記スペーサと上記電界緩和用シールドリングの間の内径
側および外径側に形成されるくさび状のギャップに、そ
の貫層方向が径方向である油浸紙からなる直流電圧分担
用絶縁物を埋設し、上記スペーサと上記電界緩和用シー
ルドリングの境界部に加わる直流電圧を上記直流電圧分
担用絶縁物の貫層方向で分担するようにしたことを特徴
とする直流送電用変圧器。 - 【請求項2】 請求項1において、上記直流電圧分担用
絶縁物をリング状に形成し、これを上記くさび状のギャ
ップが形成された周方向の各位置に共通して設けたこと
を特徴とする直流送電用変圧器。 - 【請求項3】 請求項1において、上記直流電圧分担用
絶縁物を複数個とし、これらを上記くさび状のギャップ
が形成された周方向の各位置に対応して各別に設けたこ
とを特徴とする直流送電用変圧器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9129688A JP3002433B2 (ja) | 1997-05-20 | 1997-05-20 | 直流送電用変圧器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9129688A JP3002433B2 (ja) | 1997-05-20 | 1997-05-20 | 直流送電用変圧器 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10321442A JPH10321442A (ja) | 1998-12-04 |
JP3002433B2 true JP3002433B2 (ja) | 2000-01-24 |
Family
ID=15015738
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9129688A Expired - Fee Related JP3002433B2 (ja) | 1997-05-20 | 1997-05-20 | 直流送電用変圧器 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3002433B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014165431A (ja) * | 2013-02-27 | 2014-09-08 | Fuji Electric Co Ltd | 超電導コイル及び超電導変圧器 |
CN103278667A (zh) * | 2013-06-13 | 2013-09-04 | 国家电网公司 | 橡塑绝缘穿墙套管局部放电试验成套均压装置 |
-
1997
- 1997-05-20 JP JP9129688A patent/JP3002433B2/ja not_active Expired - Fee Related
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