JP2014165431A - 超電導コイル及び超電導変圧器 - Google Patents

超電導コイル及び超電導変圧器 Download PDF

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Abstract

【課題】絶縁強度がより向上した超電導コイル及びこの超電導コイルを用いた超電導変圧器を提供すること。
【解決手段】電気的絶縁材からなる筒状の巻枠4に沿って超電導線材5が巻回されてなる超電導コイルにおいて、巻枠4の両端部に形成された溝8に導体からなる電界緩和リング3が設けられているとともに、電界緩和リング3の外周にシート状絶縁材を巻き回してなる絶縁層10が形成されている構成とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、超電導コイル及びこの超電導コイルを用いた超電導変圧器に関する。
超電導コイルは高磁界発生手段として種々の分野で実用されている。一方、変圧器のような交流機器への超電導コイルの適用は、超電導導体が交流によって損失を発生するという現象があることから、その実用化が遅れていたが、近年になり、超電導導体素線の細線化による交流損失の小さな超電導線材の開発、さらには高温超電導体とも呼ばれる酸化物超電導体の出現によって、変圧器などの誘導機器に適用する超電導コイルの研究、開発が急速に進められている。
近年では、配電変電所クラスの容量を持つ変圧器、例えば高圧側電圧が66kV〜77kV、低圧側電圧が6.6kV〜6.9kV、変圧器容量が数十MVAというような大容量変圧器の開発が行われている。超電導変圧器は、電気的絶縁材からなる巻枠や一般の油入変圧器に使用されている絶縁油と同程度の絶縁性能を持つ液体窒素により絶縁は保たれている。しかしながら、使用する超電導導体は矩形の断面形状を有しており、超電導導体の断面の縦横比が大きく、超電導導体の端部に電界が集中する可能性があり、雷インパルスなど過電圧が生じた場合、巻線ターン間の短絡や1次側巻線と2次側巻線との間の短絡のような絶縁破壊が生じる可能性がある。このため、絶縁強度を維持するため電界緩和を行う必要がある。
超電導変圧器に組み込まれるコイルの電界緩和対策として、例えば、断面が矩形状の通電導体が電気的絶縁材からなる円筒形状の巻枠の外周面に螺旋状に巻回されてなるコイルにおいて、巻枠における通電導体よりも軸方向に1ターン分だけ端部側の部分に電界緩和リングを設置し、これにより電界緩和を図ることが提案されている(例えば特許文献1参照)。
図4は、従来技術による超電導変圧器の構成例を示す模式的部分断面図である。図4において、超電導変圧器101を構成する鉄心51、内側コイル2、外側コイル1は、それぞれ鉄心51の中心軸を軸心として同心状に配置されており、前記中心軸は図4における鉄心51の左側にある。従って、鉄心51の中心軸部の外径側に内側コイル2、更にその外径側に外側コイル1が配置されていることを示している。なお、変圧器では、一般的に内側コイルを低圧巻線(2次側巻線)、外側コイルを高圧巻線(1次側巻線)としている。
変圧器の場合、前記した低圧巻線と高圧巻線との巻回数の比は、ほぼ変圧比に比例する。例えば、変圧比2の変圧器の場合、高圧巻線の巻回数は低圧巻線の巻回数のほぼ2倍となる。この場合、例えば低圧巻線が1層の場合には、高圧巻線を2層構造として構成するのが一般的である。図4は、変圧比2の場合であって、内側コイル(低圧巻線)2を1層、外側コイル(高圧巻線)1を内径側巻線11と外径側巻線12との2層とした場合の構成例を示している。
また、図4において、超電導線材5として高温超電導体を使用した場合、内側コイル2および外側コイル1は、図示しない冷却容器内に収納支持され、液体窒素に浸漬冷却されている。さらに、同心状に配置される各コイルの位置合わせを行なって、各コイルを支持するために、軸方向両端部には、図示しない巻線支持部材が設けられている。
図4に示されているように、内側コイル2(2次側巻線)、外側コイル1(1次側巻線)の内径側巻線11および外径側巻線12は、いずれも、電気的絶縁材からなる円筒状の巻枠4の外径側に設けられた溝7に沿って矩形断面を持つ超電導線材5が巻回されてなる超電導コイルとして構成されている。巻枠4の軸方向の両端部の外径側、すなわち、超電導線材5よりも軸方向に1タ−ン分だけ端部側の部分に設けられた矩形断面を持つ溝8に沿って導体からなる円形断面を持つ電界緩和リング3が巻回されている。
特開2006−237221号公報
図4に示した従来技術による超電導変圧器101を構成する各超電導コイルでは、上述のように、巻枠4の軸方向の両端部の外径側、すなわち、超電導線材5よりも軸方向に1タ−ン分だけ端部側の部分に設けられた矩形断面を持つ溝8に沿って円形断面を持つ電界緩和リング3を巻回しているが、電界緩和リング3と溝8との断面形状の違いから、電界緩和リング3と溝8との間にギャップ部が生じる。このギャップ部の大きさ、形状によっては、ギャップ部における電界集中が大きくなって、矩形断面を持つ超電導線材5の端部への電界集中が電界緩和リング3により緩和される効果が損なわれ、十分な電界緩和を行うことができなくなる可能性がある。
図5は従来技術による超電導変圧器の構成例における超電導コイル巻枠端部の拡大断面図である。図5において、電界緩和リング3と溝8との断面形状の違いから、電界緩和リング3の外周面と溝8の底面および両側面との間にそれぞれギャップ部31,32,33が生じている。
そして、電界緩和リング3と溝8の底面とが対向するギャップ部31では、電界緩和リング3の外周面が溝8の底面と当接しているとともに、この当接箇所のコイル軸方向の両側に楔状のギャップが生じており、この楔状のギャップで電界集中が大きくなる可能性が有る。なお、図5では図示されていないが、巻枠4、超電導線材5および電界緩和リング3の外周面に接するようにして例えば液体窒素などの冷媒が存在しており、電界緩和リング3と溝8との間の空間も上記冷媒で満たされている。
また、図5に示されるように電界緩和リング3の外周面が溝8の両側面とも当接するようにした構成では、ギャップ部32,33でも電界緩和リング3の外周面が溝8の両側面と当接するとともに、この当接箇所のコイル半径方向の両側に楔状のギャップが生じるので、この楔状のギャップでも電界集中が大きくなる可能性が有る。
本発明は、このような問題点を解決して、超電導線材の端部への電界集中がより緩和され、絶縁強度がより向上した超電導コイル及びこの超電導コイルを用いた超電導変圧器を提供することを目的とする。
本発明は、上記のような目的を達成するために、電気的絶縁材からなる筒状の巻枠に沿って超電導線材が巻回されてなる超電導コイルにおいて、前記巻枠部の両端部に形成された溝に導体からなる電界緩和リングが設けられているとともに、この電界緩和リングの外周にシート状絶縁材を巻き回してなる絶縁層が形成されている構成とする(請求項1の発明)。
また、上記請求項1に記載の超電導コイルにおいて、前記溝は、矩形断面を持つ構成とすることができる(請求項2の発明)。
また、上記請求項1または2に記載の超電導コイルにおいて、前記シート状絶縁材は、絶縁紙からなる構成とすることができる(請求項3の発明)。
さらに、上記請求項1ないし3のいずれか1項に記載の超電導コイルを用いて超電導変圧器を構成するとよい(請求項4の発明)。
また、上記請求項4に記載の超電導変圧器において、1次側巻線および2次側巻線のうち少なくとも1次側巻線を、上記請求項1ないし3のいずれか1項に記載の超電導コイルにより構成するとよい(請求項5の発明)。
本発明によれば、超電導コイルにおける巻枠の両端部に形成された溝に設けられる電界緩和リングの外周にシート状絶縁材を巻き回してなる絶縁層が形成されている。電界緩和リングの外周に絶縁層が形成されていることにより、電界緩和リングと溝の内面とが対向するギャップ部において電界緩和リングは溝の内面に対して少なくとも絶縁層の厚さ分だけ間隔を空けて対向することになり、電界緩和リングの外周面が溝の内面に当接することはなくなる。このため、本発明では、電界緩和リングに絶縁層が形成されていない従来の構成におけるような楔状のギャップが生じることを防ぐことができる。
しかしながら、電界緩和リングと溝の内面とが絶縁層の厚さ分だけ間隔を空けて対向するギャップ部であっても、その間隔寸法、すなわち絶縁層の厚さ寸法が十分に大きくない場合は、このギャップ部における電界集中を十分に小さくすることができないため、矩形断面を持つ超電導線材の端部への電界集中が電界緩和リングにより緩和される効果が損なわれ、十分な電界緩和を行うことができなくなる可能性がある。
一方、電界緩和リングの外周に形成される絶縁層の厚さを不必要に厚くした場合、電界緩和リングを配設するための溝の深さ寸法(コイル半径方向寸法)及び幅寸法(コイル軸方向寸法)が不必要に大きくなるため、超電導コイルを極力コンパクトな構造とする上で不適当なものとなる。
このため、電界緩和リングの外周に形成される絶縁層の厚さについて、ギャップ部における電界集中を十分に小さくできるような厚さ条件を設計値として求めた上で、絶縁層の厚さが上記設計値になっているように精度良く管理することが重要である。
この点において、本発明では、絶縁層が特にシート状絶縁材を巻き回してなるものであって、絶縁層の厚さはシート状絶縁材の巻き回し回数で調整することができるので、シート状絶縁材として十分な厚さ精度を有する素材を用いれば、電界緩和リングの外周に形成される絶縁層の厚さを精度良く管理することができ、これにより、超電導線材の端部への電界集中が電界緩和リングにより緩和される効果が損なわれることを確実に防ぐことができる。
このように、本発明によれば、超電導線材の端部への電界集中が電界緩和リングにより緩和される効果が損なわれることを確実に防ぐことができ、これにより、超電導線材の端部への電界集中をより緩和して、超電導コイルの絶縁強度をより向上させることができる。
さらに、上記超電導コイルを用いて超電導変圧器を構成すること、より具体的には例えば超電導変圧器における1次側巻線および2次側巻線のうち少なくとも1次側巻線を上記超電導コイルにより構成することにより、超電導変圧器における1次側巻線と2次側巻線との距離をより短くすることが可能となり、超電導変圧器の小型化に寄与する。
本発明の実施形態による超電導変圧器の構成例を示す模式的部分断面図である。 本発明の実施形態による超電導変圧器の構成例における超電導コイル巻枠端部の拡大断面図である。 本発明の実施形態における電界強度と絶縁層の厚みとの関係を示す図である。 従来技術による超電導変圧器の構成例を示す模式的部分断面図である。 従来技術による超電導変圧器の構成例における超電導コイル巻枠端部の拡大断面図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、本発明は、下記の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲内で適宜変形して実施することができるものである。
図1は本発明の実施形態による超電導変圧器の構成例を示す模式的部分断面図である。図1において、超電導変圧器101aを構成する鉄心51、内側コイル2a、外側コイル1aは、それぞれ鉄心51の中心軸を軸心として同心状に配置されており、前記中心軸は図1における鉄心51の左側にある。従って、鉄心51の中心軸部の外径側に内側コイル2a、更にその外径側に外側コイル1aが配置されていることを示している。なお、上述のように、変圧器の場合、一般的に内側コイルを低圧巻線(2次側巻線)、外側コイルを高圧巻線(1次側巻線)としている。
図1は、図4と同様に、変圧比2の場合であって、内側コイル(低圧巻線)2aを1層、外側コイル(高圧巻線)1aを内径側巻線11aと外径側巻線12aとの2層とした場合の構成例を示している。
また、図1において、図2と同様に、超電導線材5として高温超電導体を使用した場合、内側コイル2aおよび外側コイル1aは、図示しない冷却容器内に収納支持され、液体窒素に浸漬冷却されている。さらに、同心状に配置される各コイルの位置合わせを行なって、各コイルを支持するために、軸方向両端部には、図示しない巻線支持部材が設けられている。
図1に示されているように、内側コイル2a(2次側巻線)、外側コイル1a(1次側巻線)の内径側巻線11aおよび外径側巻線12aは、いずれも、電気的絶縁材からなる円筒状の巻枠4の外径側に設けられた溝7に沿って矩形断面を持つ超電導線材5が巻回されてなる超電導コイルとして構成されている。巻枠4の軸方向の両端部の外径側、すなわち、超電導線材5よりも軸方向に1タ−ン分だけ端部側の部分に設けられた矩形断面を持つ溝8に沿って導体からなる円形断面を持つ電界緩和リング3が巻回されている。
さらに、図1では、電界緩和リング3の外周にシート状絶縁材を巻き回してなる絶縁層10が形成されている。シート状絶縁材としては例えばアラミド絶縁紙などの絶縁紙を用いることができるが、これに限定されるものではない。絶縁層10が特にシート状絶縁材を巻き回してなるものであることにより、電界緩和リング3の外周上の全周にわたって厚さが均一な絶縁層10を確実、かつ、容易に形成することができる。
また、絶縁層10の厚さにより電界緩和リング3と巻枠4の溝8の底面との間隔寸法を調整することができる。そして、本発明においては絶縁層10の厚さはシート状絶縁材の巻き回し回数で調整することができるので、電界緩和リング3と巻枠4の溝8の底面との間隔寸法の調整は容易である。また、シート状絶縁材として十分な厚さ精度を有する素材を用いることにより、絶縁層10の厚さ精度も十分なものとすることができる。
図2は本発明の実施形態による超電導変圧器の構成例における超電導コイル巻枠端部の拡大断面図である。図2において、電界緩和リング3と溝8の底面とが対向する箇所をギャップ部31Aとし、電界緩和リング3と溝8の一方の側面とが対向する箇所をギャップ部32Aとし、電界緩和リング3と溝8の他方の側面とが対向する箇所をギャップ部33Aとしている。そして、ギャップ部31Aにおける電界緩和リング3と溝8の底面との間隔d1は、電界緩和リング3の外周上の絶縁層10のギャップ部31Aにおける厚さに相当するものとなっている。また、図2に示されるように電界緩和リング3の外周に形成された絶縁層10の外周面が溝8の両側面と当接するようにした構成では、ギャップ部32A,33Aにおける電界緩和リング3と溝8の両側面との間隔d1,d2も、それぞれ絶縁層10のギャップ部32A,33Aにおける厚さに相当するものとなる。
図2に示されるように、本発明では、電界緩和リング3の外周に絶縁層10が形成されていることにより、電界緩和リング3と溝8の底面とが対向するギャップ部31Aにおいて、電界緩和リング3は溝8の底面に対して絶縁層10の厚さ分だけの間隔d1を空けて対向しているので、電界緩和リング3の外周面が溝8の底面に当接することはなくなる。また、図2に示されるように、電界緩和リング3と溝8の両側面とが対向するギャップ部32A,33Aにおいても、電界緩和リング3は溝8の両側面に対して絶縁層10の厚さ分だけの間隔d2,d3を空けて対向しているので、電界緩和リング3の外周面が溝8の両側面に当接することはなくなる。
このため、本発明では、図5に示した電界緩和リング3に絶縁層10が形成されていない従来の構成におけるような楔状のギャップが生じることを防ぐことができる。
しかしながら、図2におけるギャップ部31Aにおいて、その間隔寸法d1、すなわち絶縁層10の厚さ寸法が十分に大きくない場合は、このギャップ部31Aにおける電界集中を十分に小さくすることができないため、矩形断面を持つ超電導線材5の端部への電界集中が電界緩和リング3により緩和される効果が損なわれ、十分な電界緩和を行うことができなくなる可能性がある。この点はギャップ部32A,33Aでも同様である。
このため、ギャップ部31A、さらにはギャップ部32A,33Aにおける電界集中を十分に小さくできるような絶縁層10の厚さ条件を設計値として求めた上で、絶縁層10の厚さが上記設計値になっているように精度良く管理することが重要であるが、この点において、本発明では、上述のように、絶縁層10が特にシート状絶縁材を巻き回してなるものであることにより、絶縁層10の厚さを精度良く管理することができるので、超電導線材5の端部への電界集中が電界緩和リングにより緩和される効果が損なわれることを確実に防ぐことができる。
このように、本発明では、超電導線材5の端部への電界集中が電界緩和リング3により緩和される効果が損なわれることを確実に防ぐことができ、これにより、超電導線材5の端部への電界集中をより緩和して、超電導コイルの絶縁強度をより向上させることができる。
次に、本発明の実施形態の具体的な内容を以下の実施例で説明する。
<実施例1>
本実施例1では、上述の図1で示しているように、超電導変圧器101aにおける内側コイル2a、外側コイル1aの内径側巻線11aおよび外径側巻線12aの各超電導コイルにおいて、幅5.2mm、厚さ0.1mmの超電導素線の4重ね2並べで構成した超電導線材5を、巻枠4の外径側に設けられた矩形断面を持つ溝7に沿って4ターン巻回している。
また、矩形断面を持つ超電導線線材5の端部に集中する電界を緩和するため、φ4mmの円形断面を持つ導体よりなる電界緩和リング3を巻枠4の軸方向の両端部の外径側、すなわち超電導線材5よりも軸方向に1タ−ン分だけ端部側の部分に設けられた矩形断面を持つ溝8に沿って巻回している。なお、巻枠4の軸方向の上側および下側の端部に設けられた各電界緩和リング3は、コイル導体である超電導線材5の巻き始め側の端部(図1では上側から1ターン目の超電導線材5の巻き始め端)および巻き終わり側の端部(図1では上側から4ターン目の超電導線材5の巻き終わり端)にそれぞれ導電接続されている。
さらに、電界緩和リング3の外周にはアラミド絶縁紙からなるシート状絶縁材を巻き回している。後述するように、シート状絶縁材を巻き回して形成する絶縁層10の厚さは0.3mm以上が好ましい。
本発明における電界緩和リングによる電界緩和効果について図3に示す。この電界緩和効果は汎用の解析ソフトウェアを用いて解析した。図3には、本実施例1のようなφ4mmの円形断面を持つ電界緩和リング3を設けた構成において、100kVrmsの過電圧を印加した時の矩形断面を持つ超電導線線材5の端部での電界強度(縦軸)と絶縁紙により形成される絶縁層10の厚み(横軸)との関係を示している。なお、電界強度は電界緩和リング無しの場合の電界強度で正規化している。
図3に示される解析結果から、電界緩和リング3による電界緩和効果が現れるのが、絶縁紙により形成される絶縁層10の厚みが0.3mm以上の場合、すなわち、電界緩和リング3と巻枠4の溝8の底面との間隔寸法d1が0.3mm以上の場合であるため、超電導線材5の端部への電界集中が電界緩和リング3により緩和される効果が損なわれることを防ぐため、シート状絶縁材を巻き回して形成する絶縁層10の厚さは0.3mm以上が好ましい。
なお、本発明における超電導線材5を構成する超電導素線の幅、厚さの断面寸法、超電導線材5における超電導素線の分割数や並列数、および、超電導線材5の巻回ターン数は、本実施例1で述べた上記構成例に限定されるものではない。
また、本発明における電界緩和リング3の断面形状は、図1〜2に示したような真円に限定されるものではなく、例えば楕円であってもよい。
また、本発明における溝8の断面形状は、図1〜2に示したような矩形断面に限定されるものではなく、電界緩和リング3の断面形状とは異なるために電界緩和リング3と溝8の内面との間にギャップ部が形成されるような断面形状を持つ溝8を備えた構成であれば、本発明を効果的に適用することができる。
また、上述の図1では、超電導変圧器101aにおける1次側巻線(高圧巻線)である外側コイル1aと、2次側巻線(低圧巻線)である内側コイル2aとの両方に電界緩和リング3を設ける構成を示したが、本発明は上記構成に限定されるものではなく、電界緩和リング3を1次側巻線(高圧巻線)だけに設ける構成であってもよい。
1,1a:外側コイル
2,2a:内側コイル
3:電界緩和リング
4:巻枠
5:超電導線材
7:溝
8:溝
10:絶縁層
11,11a:外径側巻線
12,12a:内径側巻線
31,31A,32,32A,33,33A:ギャップ部
51:鉄心
101,101a:超電導変圧器

Claims (5)

  1. 電気的絶縁材からなる筒状の巻枠に沿って超電導線材が巻回されてなる超電導コイルにおいて、前記巻枠の両端部に形成された溝に導体からなる電界緩和リングが設けられているとともに、
    この電界緩和リングの外周にシート状絶縁材を巻き回してなる絶縁層が形成されていることを特徴とする超電導コイル。
  2. 請求項1に記載の超電導コイルにおいて、
    前記溝は、矩形断面を持つことを特徴とする超電導コイル。
  3. 請求項1または2に記載の超電導コイルにおいて、
    前記シート状絶縁材は、絶縁紙からなることを特徴とする超電導コイル。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項に記載の超電導コイルを用いたことを特徴とする超電導変圧器。
  5. 請求項4に記載の超電導変圧器において、1次側巻線および2次側巻線のうち少なくとも1次側巻線を、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の超電導コイルにより構成したことを特徴とする超電導変圧器。
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