JPH1092660A - 変換用変圧器 - Google Patents

変換用変圧器

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JPH1092660A
JPH1092660A JP24630596A JP24630596A JPH1092660A JP H1092660 A JPH1092660 A JP H1092660A JP 24630596 A JP24630596 A JP 24630596A JP 24630596 A JP24630596 A JP 24630596A JP H1092660 A JPH1092660 A JP H1092660A
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winding
insulating
insulator
iron core
axial direction
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Application number
JP24630596A
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English (en)
Inventor
Sadao Furukawa
貞夫 古川
Keimei Kojima
啓明 小島
Hiroshi Miyao
博 宮尾
Shin Kadowaki
慎 門脇
Toshimitsu Obata
俊光 小幡
Makoto Tanaka
田中  誠
Hiroshi Sugihara
洋 杉原
Yoshinori Makino
芳範 牧野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Electric Power Development Co Ltd
Kansai Electric Power Co Inc
Shikoku Electric Power Co Inc
Hitachi Ltd
Original Assignee
Electric Power Development Co Ltd
Kansai Electric Power Co Inc
Shikoku Electric Power Co Inc
Hitachi Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 絶縁距離の短縮化を図り得る変換用変圧器を
提供すること。 【解決手段】 鉄心脚1a及び直流巻線2間に配置され
た第一の絶縁筒4の内部に絶縁体13が設けられ、直流
巻線2及び交流巻線3間に配置された第二の絶縁筒40
の内部に絶縁体130が設けられ、これら絶縁体13,
130が巻線2,3の電線9を形成する絶縁被覆8とシ
ールドリングの絶縁被覆11と絶縁筒4a・4b・41
a・41bとに比べ導電率が小さく、体積固有抵抗の大
きい材質で形成されるので、絶縁体13,130に作用
する直流電界16が増大する反面、体積固有抵抗の小さ
い絶縁被覆8及び11,絶縁筒4a〜4dの夫々によっ
て分担される電圧が小さくなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は変換用変圧器に係
り、特に、直流巻線及び交流巻線を有する油入の変換用
誘導電器において、鉄心と直流巻線と交流巻線との間の
絶縁構造を改良したものに関する
【0002】
【従来の技術】従来の交流電圧用の油入誘導電器として
は、特開昭63−66910号公報,同じく62−14
4307号公報に記載されており、主絶縁や端部絶縁に
配置された絶縁物を低誘電率の絶縁材料で形成し、絶縁
上の弱点である油隙に加わる電界を緩和することによ
り、絶縁距離の短縮を図るようにしたものがある。な
お、主絶縁とは、鉄心及び巻線間の径方向の絶縁、ある
いは各巻線間の径方向の絶縁のことである。また、端部
絶縁とは、鉄心及び巻線の軸方向の両端部間の絶縁のこ
とである。
【0003】ところで近年、大電力の周波数変換装置や
交流直流変換装置などの電力システムが出現してきてお
り、そこで使われる誘導電器にあっては交流電圧ばかり
でなく、直流の非常に高い電圧が加わることとなる。こ
のように直流電圧が加わった場合、油隙ではなく、巻線
の絶縁被覆が弱点となるので、ここに加わる電界を緩和
するため、例えば平成7年3月28日開催された「電気
学会全国大会講演 No.1100論文」(以下、第一
の従来技術という)において論じられているように、厚
物の絶縁物を配置するなど、主絶縁や端部絶縁に多量の
油浸紙を配置することが提案されている。
【0004】また、特開昭55−123111号公報
(以下、第二の従来技術という)に示されるように、絶
縁フランジの固有抵抗を高くし、その高い部分で電界を
負担することにより、巻線に加わる電界を緩和すること
なども提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】一般に油入誘導電器で
は、巻線の絶縁被覆や主絶縁の絶縁筒バリヤ,端部絶縁
のLバリア(絶縁フランジ),絶縁支持台などとして、
クラフト紙やプレスボードに鉱油を含浸した油浸紙が用
いられている。そして、冷却及び絶縁の媒体として鉱油
が用いられている。
【0006】このように、複数の異なる絶縁材からなる
絶縁系に直流電圧が加わった場合、その電界は、各絶縁
材料の導電率に依存した分布となる。その場合、鉱油の
導電率が油浸紙のそれぞれも十倍以上大きい。そのた
め、大半の電圧が油浸紙に分担され、油隙の電界に比べ
て十倍以上高い電界が油浸紙に加わり、油浸紙から破壊
が始まることが多い。例えば、巻線端(巻線の軸方向の
両端部)では、シールドリングの絶縁被覆に加わる電界
が、三方を交流巻線及び鉄心で囲まれているという幾何
学的要因が加わって最も高くなり、そこから破壊が始ま
ることが多い。
【0007】また、主絶縁では、巻線を構成する電線が
角張っているという幾何学的要因が加わってその絶縁被
覆に加わる電界が高くなり、そこから破壊が始まること
もある。
【0008】このような直流電圧による破壊を避けるた
め、上記第一の従来技術のように、主絶縁の位置や端部
絶縁の位置に多量の絶縁紙を配置することにより、シー
ルドリングの絶縁被覆に加わる電界を緩和している。し
かし、直流巻線といっても、耐電圧試験などのとき、絶
縁的にみてほぼ同レベルの交流電圧や雷インパルス電圧
が加わる場合がある。
【0009】その場合、第一の従来技術では、油よりも
誘電率の大きい油浸紙の占める割合が大きくなるため、
油隙の電界が高くなる結果、今度は油隙から破壊が生じ
るおそれがある。
【0010】それを避けるため、絶縁距離を大きくする
必要があるが、そのようにすると、同じ電圧レベルとな
る交流の誘導電器に比べ、絶縁距離が20%程度大きく
なってしまうので、それだけ大型化を招くという問題が
あった。
【0011】一方、絶縁フランジの固有抵抗を高くし、
絶縁被覆に加わる電界を緩和する第二の従来技術では、
絶縁フランジとして高い固有抵抗をなす材質が具体的に
開示されていないものの、プラスチックを使用すること
が容易に考えられる。しかしながら、プラスチックでは
絶縁耐力が油浸紙よりも高いものの、部分放電によって
発生したストリーマが突き当たったときの貫通絶縁耐力
が一般の油浸紙よりも低い。従って、第二の従来技術で
は、ストリーマが絶縁フランジに直接突き当たる構造で
あるので、プラスチックを使用したときの絶縁フランジ
が破壊されるおそれがあり、絶縁性能が低下するという
問題がある。これに加え、プラスチック製の絶縁フラン
ジを用いた実績がなく、高い信頼性が要求される電力機
器では信頼性の点で不安が残るという問題もある。
【0012】なお、冒頭に記載の特開昭63−6691
0号公報,同62−144307号公報のような低誘電
率の絶縁材料を用いるものは、直流電圧を加えた場合、
誘電率を変えても電界分布が変わらないので、効果がな
いのはいうまでもない。
【0013】本発明の目的は、上記従来技術の問題点に
鑑み、油隙に加わる交流電界を上げることなく、巻線や
シールドリングの絶縁被覆に加わる直流電界を緩和する
ことができ、また巻線から発生するストリーマに対して
も絶縁性能が低下するのを防止することができ、以て絶
縁距離の短縮化を図り得る変換用変圧器を提供すること
にある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明では、鉄心の周囲
に適宜の距離を隔て直流巻線と交流巻線とを同心上に配
置し、その鉄心及び直流巻線間に第一の絶縁筒を、かつ
直流巻線及び交流巻線間に第二の絶縁筒を夫々軸方向に
沿って配設すると共に、直流巻線,交流巻線の軸方向の
両端部と鉄心の上下端部との間に端部絶縁板を巻線の半
径方向に沿って設けた変換用変圧器において、少なくと
も第一の絶縁筒と第二の絶縁筒とは、その内部に絶縁
筒,直流巻線及び交流巻線の絶縁被覆,端部絶縁板の夫
々の材質より導電率の小さい材質からなり、かつ軸方向
に沿って形成された筒状の絶縁体を有していることを特
徴とするものである。
【0015】また、本発明では、第一の絶縁筒と第二の
絶縁筒が内部に絶縁筒,直流巻線及び交流巻線の絶縁被
覆,端部絶縁板の夫々の材質より導電率の小さい材質か
らなり、かつ軸方向に沿って形成された筒状の絶縁体を
有するのみならず、端部絶縁板も、その内部に前記筒状
の絶縁体と同材質からなる絶縁体を有していることを特
徴とするものである。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図1乃至
図7により説明する。図1は本発明による変換用変圧器
の第一の実施例を示す要部の断面図、図2は要部に作用
する直流電位分布を示す説明図である。
【0017】実施例の変換用変圧器は、鉄心1の周囲に
直流巻線2と交流巻線3とが同心上に配置されている。
【0018】直流巻線2は、導体7の表面に絶縁被覆8
を施して電線9が形成されると共に、その電線9が鉄心
1の鉄心脚1aの外周に適宜の距離をもちながら、所望
回数巻回して形成され、しかも軸方向の両端部(上下
部)には、導体10に絶縁被覆11を施して形成された
シールドリング12を有している。交流巻線3は、直流
巻線2の外周にこれと距離を隔てて配置されている。こ
の交流巻線3は直流巻線2と基本的に同様の構成であ
り、軸方向の両端部に設けたシールドリング12′以外
は、図示省略している。これら電線9の絶縁被覆8,シ
ールドリング12・12′の絶縁被覆11はクラフト紙
に油を含浸した油浸紙で形成されている。
【0019】一方、鉄心1及び直流巻線2間には第一の
絶縁筒4が軸方向に沿って配置されている。該第一の絶
縁筒4は、鉄心1の鉄心脚1aと直流巻線2との間で適
宜の距離を隔てて配置され、鉄心脚1a寄りの位置に配
置された内側絶縁筒4a,直流巻線2寄りの位置に配置
された外側絶縁筒4bを有している。また、直流巻線2
及び交流巻線3間にも適宜の距離を隔てて配置された第
二の絶縁筒40が設けられている。第二の絶縁筒40
は、直流巻線2寄りの位置に配置された内側絶縁筒40
a,交流巻線3寄りの位置に配置された外側絶縁筒40
bを有している。これら、第一,第二の絶縁筒4,40
は、プレスボードに油を含浸した油浸紙で形成されてい
る。従って、鉄心1,直流巻線2,交流巻線3の相互間
には巻線の径方向に沿い複数層の絶縁筒が夫々設けられ
ている。
【0020】さらに、直流巻線2及び交流巻線3の軸方
向の両端部と、鉄心1の上下部との間にも端部絶縁板6
が設けられている。端部絶縁板6は、前記絶縁筒4,4
0と同様にプレスボードに油を含浸した油浸紙により、
半径方向において鉄心脚1aの部分から直流巻線2,交
流巻線3と対向する位置まで延長された特定の幅をもつ
環状に形成され、鉄心1の上下部に軸方向に沿う所望の
厚みをなす絶縁板6a,6bを有し、該絶縁板6bが直
流巻線2及び交流巻線3の軸方向の両端部と適宜の距離
を隔てて取付けられている。なお、絶縁板6aと6bと
の間には本発明に係わる絶縁体14が設けられている
が、これについては後述する。
【0021】そして、これら鉄心1,直流巻線2,交流
巻線3,絶縁筒4・40,絶縁板6は図示しないタンク
内に封入された鉱油中に浸漬されることにより、変換用
変圧器が構成される。なお、直流巻線2のシールドリン
グ12は、鉄心1の上下部に取付けられた絶縁板6に絶
縁支持台5を介し支持され、直流巻線2及び交流巻線3
の軸方向の両端部に配置されている。絶縁支持台5はシ
ールドリング12,12′の周囲において適宜の距離を
もって間欠的に複数設けられている。
【0022】本実施例においては、第一,第二の絶縁筒
4,40の内部に、これより導電率の小さい材質で形成
された絶縁体13,130を有している。
【0023】具体的に述べると図1に示すように、絶縁
体13は、第一の絶縁筒4の内側絶縁筒4a,外側絶縁
筒4b間において、内側絶縁筒4aの外周面に貼着され
ている。絶縁体130は、第二の絶縁筒40の内側絶縁
筒40a,外側絶縁筒40b間において外側絶縁筒40
bの内周面に貼着されている。これら絶縁体13,13
0は、絶縁筒4,絶縁板6,絶縁支持台5,電線9の絶
縁被覆8,及びシールドリング12・12′の絶縁被覆
11を夫々形成する油浸紙より導電率の小さい材質、即
ち、体積固有抵抗の大きな絶縁材質からなっている。
【0024】従って、鉄心脚1aと直流巻線2と交流巻
線3との径方向の絶縁となる主絶縁の位置においては、
電線9及びシールドリング12,12′の絶縁被覆8及
び11と、油隙15と、絶縁体13,130を有する第
一,第二の絶縁筒4,40とが直列に配置された形態と
なるので、直流巻線2に直流電圧が加わった場合、夫々
が直流電圧を分担することとなるが、その際、図2に示
すように、体積固有抵抗の大きい絶縁体13による分担
電圧が増加すると共に、体積固有抵抗の小さい絶縁被覆
8や絶縁筒4による分担電圧を小さくさせるようにして
いる。
【0025】また、端部絶縁板6の内部にも絶縁筒4の
場合と同様、導電率の小さい材質で形成された絶縁体1
4を有している。この絶縁体14も、絶縁体13,13
0と同様の材質であって、予め二層に形成された絶縁板
6aと6bとの間に挟み付けられている。そして、直流
巻線2,交流巻線3の軸方向の両端部と鉄心1の上下部
間の絶縁となる端部絶縁の位置においては、シールドリ
ング12,12′の絶縁被覆11と、絶縁支持台5と、
絶縁体14を有する端部絶縁板6とが直列に配置された
こととなるので、直流巻線2に加わった直流電圧が、体
積固有抵抗の大きい絶縁体14によって大きく分担され
ると共に、体積固有抵抗の小さい絶縁被覆11,絶縁支
持台5,端部絶縁板6の絶縁板6a,6bによる分担電
圧を小さくさせるようにしている。
【0026】ここで、前記絶縁体13,130及び14
としては、クラフト紙やプレスボードなどの油浸紙の体
積固有抵抗が1015〜1016Ω・cm程度であることか
ら、それよりも体積固有抵抗値が十倍以上の高い絶縁性
の合成樹脂からなっており、本例ではPTFE(ポリ四
フッ化エチレン)で形成されている。但し、それ以外と
して例えばPET(ポリエチレンフレフタート),PP
O(ポリフェニレンオキサイド),PPS(ポリフェニ
レンサルファイド),PMP(ポリメチルペンテン),
PE(ポリエチレン),PP(ポリプロピレン)などの
エンジジニアリングプラスチックであってもよく、これ
らは比誘電率が何れも2〜3の値で油浸紙よりも低い。
【0027】実施例の変換用変圧器は、上記の如き構成
よりなるので、次にその作用効果について述べる。直流
巻線2に直流電圧が印加されると、そのときの電界は各
絶縁材料の導電率に依存した分布となり、しかも鉱油の
導電率が油浸紙のそれよりも十倍以上大きいことから、
大部分の電圧が第一,第二の絶縁筒4,40と端部絶縁
板6と各巻線の絶縁被覆8及び11とを夫々形成する油
浸紙に分担され、油隙15の電界に比べ十倍以上高い電
界が油浸紙に作用しようとする。
【0028】しかし、実施例では上述の如く、鉄心1の
鉄心脚1a及び直流巻線2間に配置された第一の絶縁筒
4の内部に絶縁体13が設けられると共に、直流巻線2
及び交流巻線3間に配置された第二の絶縁筒40の内部
に絶縁体130が設けられ、しかも、これら絶縁体1
3,130が、直流巻線2及び交流巻線3の電線9を形
成する絶縁被覆8とシールドリング12,12′を形成
する絶縁被覆11と絶縁筒4a,4b,40a,40b
とに比較し、体積固有抵抗の大きい材質で形成されてい
るので、図2に示すように、該体積固有抵抗の大きい絶
縁体13,130によって分担される電圧が大きくな
り、絶縁体13,130に作用する直流電界16が増大
する反面、体積固有抵抗の小さい絶縁被覆8及び11,
絶縁筒4a・4b・40a・40bの夫々によって分担
される電圧が小さくなる。
【0029】従って、鉄心1,直流巻線2,交流巻線3
の相互間の径方向の絶縁である主絶縁においては、体積
固有抵抗の小さい絶縁物(8,11,4a,4b,40
a,40b)に作用する直流電界を緩和できるので、そ
れだけ鉄心脚1a,直流巻線2,交流巻線3相互間の径
方向の絶縁距離を短縮させることができる。
【0030】また、絶縁板6aと6bとの間に絶縁体1
4が挟み付けられ、しかも該絶縁体14も絶縁板6a・
6bと絶縁被覆8・11と絶縁支持台5とに比較し体積
固有抵抗の大きい材質で形成されているので、直流巻線
2,交流巻線3の軸方向の両端部と鉄心1の上下部間の
端部絶縁において、体積固有抵抗の大きい絶縁体14に
よって分担される電圧が大きくなり、絶縁体14に作用
する直流電界が増大する反面、体積固有抵抗の小さい絶
縁被覆11,絶縁板6a・6b,絶縁支持台5によって
分担させる電圧が小さくなる。
【0031】従って、端部絶縁においても、体積固有抵
抗の小さい絶縁物(5,6a,6b,11)に作用する
直流電界を緩和できるので、それだけ直流巻線2,交流
巻線3の軸方向の両端部と鉄心1の上下部間の絶縁距離
を短縮させることができる。
【0032】一方、絶縁体13,130及び14による
電圧分担が増大すると、それだけ高い電界が作用するこ
とになるが、これらの絶縁体が合成樹脂で形成されてい
るので、絶縁耐力の面では問題となることがない。
【0033】これに加え、絶縁体13が上述の如く、鉄
心1の鉄心脚1a及び直流巻線2間に配置された第一の
絶縁筒4の内側絶縁筒4a,外側絶縁筒4bのうち、内
側絶縁筒4aの外周に絶縁体13が貼着されると共に、
直流巻線2及び交流巻線3間に配置された第二の絶縁筒
40の内側絶縁筒40a,外側絶縁筒40bのうち、外
側絶縁筒40bの内周に絶縁体130が貼着されている
ので、絶縁体13,130と直流巻線2との間に第一絶
縁筒の外側絶縁筒4b,第二絶縁筒の内側絶縁筒40a
が夫々介在した位置形態となり、そのため、直流巻線2
からストリーマが発生しても、該ストリーマが絶縁体1
3,130に直接衝突するのを防止することができる。
従って、第二の従来技術に比較し、絶縁体13,130
が破壊されることがないので、合成樹脂を用いても主絶
縁の信頼性を確実に高めることができる。
【0034】このことは絶縁体14についても同様のこ
とがいえる。即ち、絶縁体14が絶縁板6aと6bとの
間に挟み付けられているので、直流巻線2からのストリ
ーマが絶縁体14に直接衝突するのを防止でき、従っ
て、絶縁体14が破壊されることがないので、端部絶縁
の信頼性を高めることができる。
【0035】またさらに、絶縁体13,130,14は
比誘電率が2〜3の値であり、油浸紙よりも低く、その
ため、交流電圧が加わった場合、油隙15の電界集中を
ほとんど引き起こすことがないので、その点からも信頼
性を高められる。
【0036】ここで、一例として、実施例のような絶縁
体13,130,14の材質として、PTFEを用いた
場合と、従来のように油浸紙だけを用いた場合とで、電
圧分担による相違について試算してみることにする。ま
ず、従来のように油浸紙だけの構成の場合、主絶縁及び
端部絶縁において油浸紙の占める割合は、それぞれ50
%前後であり、単純に構成比率から計算すれば、油浸紙
が約90%の電圧を分担していることとなる。
【0037】一方、実施例の如く、PTFEからなる絶
縁体13,130,14を、夫々従来の主絶縁及び端部
絶縁の油浸紙の合計厚さの1/4の厚さとして形成す
る。また、主絶縁においては第一,第二の絶縁筒4,4
0の各筒4a,4b,40a,40bの厚さを減らすこ
とにより、これらを形成する油浸紙自体の厚さも従来の
1/4程度に低減し、第一,第二の絶縁筒4,40の実
質的厚さと絶縁体13,130,14の厚さとを合わせ
た結果として、従来の油浸紙のみの1/2とする。この
厚さは、交流電圧や雷インパルス電圧に対する絶縁を考
慮した最低限の厚さ寸法である。
【0038】このような本実施例のように、絶縁体13
を有する第一の絶縁筒4と、絶縁体130を有する第二
の絶縁筒40と、絶縁体14を有する端部絶縁板6を形
成すると、直流電圧に関してはPTFEの体積固有抵抗
が油浸紙よりも十倍前後大きいので、絶縁体13,13
0,14が約80%、かつ油浸紙が約10%の電圧分担
することとなり、油浸紙に作用する直流電界を従来の約
1/3に低下させることができる結果となった。
【0039】また、交流電圧に関しては油浸紙と絶縁体
13,130,14の合計厚さが従来の1/2の厚さに
した場合、PTFEの誘電率が鉱油の誘電率と同程度で
あり、所定位置に配置されても油隙15の電界上昇を招
くおそれがないばかりでなく、油隙15に作用する交流
電界を20%程度させることができる。従って、従来に
比較し、主絶縁距離や端部絶縁距離を20%程度確実に
短縮できる結果となった。
【0040】因みに、図2に示す実施例と従来技術とを
比較するため、従来技術として、鉄心脚1a及び直流巻
線2間と、直流巻線2及び交流巻線間とに、内側絶縁
筒,外側絶縁筒,中間絶縁筒の三層からなる絶縁筒40
1,402を夫々設け、また直流巻線2,交流巻線3の
軸方向の両端部と鉄心1の上下部に厚みのある端部絶縁
板403を設けたものについて図3より述べる。なお、
図2及び図3は、電子計算機を用いた数値電界計算によ
った得られた直流電位分布であり、図において等電位線
16は、印加電圧を100%とすることにより10%間
隔で表している。
【0041】図3に示す従来技術では、三層の絶縁筒4
01,402及び端部絶縁板403の夫々に等電位線1
6がほぼ等間隔にかかり、しかも直流巻線3のシールド
リング12の絶縁被覆11に三本の等電位線16がかか
っていることから、絶縁被覆11にはおよそ印加電圧の
30%の電圧が分担されていることが理解できよう。こ
れに対し、図2に示す実施例では、体積固有抵抗の大き
い絶縁体13,130及び絶縁体14に等電位線16が
集中してかかることから、これらによる電圧の分担が大
きく、またシールドリング12の絶縁被覆11には一本
の等電位線16しかかかっていないことから、絶縁被覆
11にはおよそ印加電圧の10数%しか電圧分担してい
ないことがわかる。従って、本実施例によれば、絶縁被
覆11に作用する直流電界を上記従来技術に比較し、大
幅に緩和でき、それだけ主絶縁と端部絶縁との双方を短
縮できることが理解できよう。
【0042】図4は本発明による変換用変圧器の第二の
実施例を示している。前述した第一の実施例では、主絶
縁として、第一絶縁筒の内側絶縁筒4aの外周に貼着し
た絶縁体13と、第二絶縁筒の外側絶縁筒40bの内周
に貼着した絶縁体130とが大きな電圧を分担するよう
にしたので、変圧器の使用電圧が特に高い場合、それら
絶縁体13,130の軸方向の両端面に大きな電界が作
用し、その両端面で部分放電が発生するおそれがある。
【0043】そこで、この実施例では、第一の絶縁筒4
に設けられた絶縁体13と、第二の絶縁筒40に設けら
れた絶縁体130との双方とも、軸方向の両端部が段階
的に厚みを変えた形状に形成されたものである。
【0044】詳しく述べると、第一の絶縁筒4は、鉄心
脚1a寄りにある内側絶縁筒4aと、直流巻線2寄りに
ある外側絶縁筒4bのほか、両者4a,4b間に絶縁筒
4c,4dが設けられる。そして、内側絶縁筒4aの外
周に絶縁体13aが貼着されると共に、その絶縁体13
aの外周の両端部にこれと同材質の絶縁体13bが貼着
される。また、その絶縁体13bと距離を隔てしかも絶
縁体13bより短い長さをもつ絶縁体13cが、絶縁筒
4cの外周端部に貼着され、さらに絶縁体13cと距離
を隔てしかも絶縁体13cより短い長さをもつ絶縁体1
3dが、外側絶縁筒4bの内周の両端部に貼着されてい
る。即ち、この絶縁体13は、絶縁筒4と軸方向に同じ
長さをもつ絶縁体13aと、それより軸方向に順次短く
形成された絶縁体13b,13c,13dとを有して構
成され、しかも軸方向の両端部が内周側から外周側に至
るに従い階段状に厚くなるようにしている。
【0045】従って、第一の絶縁筒4は、内側絶縁筒4
a,絶縁体13a,絶縁体13b,絶縁筒4c,絶縁体
13c,絶縁筒4d,絶縁体13d,外側絶縁筒4bに
より構成される。
【0046】なお、第二の絶縁筒40に設けられた絶縁
体130は、図4において直流巻線2を挟み絶縁体13
と対称配置となるので、構成部品については各絶縁体1
3a〜13dに対応させて符号130a〜130dを付
け、その説明を省略する。また図1と同一符号のもの
は、夫々同じものを表している。
【0047】この実施例によれば、第一の絶縁筒4に設
けられた絶縁体13と、第二の絶縁筒40に設けられた
絶縁体130とが、共に軸方向の両端部の厚みを変え、
しかも直流巻線2側に近くなるほど、見かけ上の全体的
な厚みが増加するように構成したので、その両端部の厚
み部分により電界集中を緩和することができ、そのた
め、変圧器の使用電圧が高くとも、両端面で部分放電が
発生するのを防止することができる。
【0048】図5は本発明による変換用変圧器の第三の
実施例を示している。この場合は、第一の絶縁筒4に設
けた絶縁体4と、第二の絶縁筒40に設けられた絶縁体
40との双方とも、軸方向の両端部が中央側より厚く形
成されたものである。即ち、第一の絶縁筒4において、
内側絶縁筒4aの外周に貼付けられた絶縁体4には、軸
方向の両端部に外側絶縁筒4b側に向かって突出する厚
肉部13Aが設けられる。一方、第二の絶縁筒40にお
いて、外側絶縁筒40bの内周に貼付けられた絶縁体4
0には、内側絶縁筒40a側に向かって突出する厚肉部
130Aが両端部に設けられる。
【0049】このように、絶縁体13,130の両端部
に厚肉部13A,130Aが突設されると、その厚み分
だけ電界集中を緩和することができるので、基本的には
前述した第二の実施例とほぼ同様の作用効果を得ること
ができる。これに加え、第二の実施例に比較し、絶縁体
13,130には厚肉部13A,130Aを夫々一体的
に形成するだけでよく、また第一,第二の絶縁筒4,4
0として多数の絶縁筒4a〜4d,40a〜40dを設
けることも不要になるので、それだけ製作も容易とな
る。
【0050】図6は本発明による変換用変圧器の第四の
実施例を示している。この実施例において前述したこれ
までの実施例と異なるのは、第一,第二の絶縁筒4,4
0の代わりに、絶縁体13,130と、油浸紙層とを組
み合わせて用いたことにある。
【0051】即ち、この場合は、鉄心1の鉄心脚1a及
び直流巻線2間に絶縁体13が、また直流巻線2及び交
流巻線3間に絶縁体130が夫々配置される。絶縁体1
3は、鉄心脚1a寄りの位置に配置された内側絶縁体1
3−1と、該内側絶縁体13−1と適宜の距離を隔てる
と共に、直流巻線2寄りの位置に配置された外側絶縁体
13−2とからなっている。そして、内側絶縁体13−
1の内周に、油浸紙層として薄い厚みからなる層18a
が、また外側絶縁体13−2の外周に同様に薄い厚みか
らなる層18bが夫々貼付けられる。従って、絶縁体1
3の内・外周に油浸紙層18a,18bが貼付けられて
いる。
【0052】また、直流巻線2及び交流巻線3間にも、
直流巻線2寄りの位置に配置された内側絶縁体130−
1と、これと距離を隔てると共に、交流巻線3寄りの位
置に配置された外側絶縁体130−2とからなる絶縁体
130が設けられる。これら内側絶縁体130−1の内
周及び外側絶縁体130−2の外周にも、油浸紙層とし
ての薄い層180a及び180bが夫々貼付けられる。
従って、絶縁体130の内・外周にも油浸紙層180が
貼付けられている。なお、絶縁体13,130の材質は
第一〜第三の実施例と同様の材質である。
【0053】この実施例によれば、鉄心脚1a及び直流
巻線2間に設けられた絶縁体13の外周に油浸紙層18
bが貼付けられると共に、直流巻線2及び交流巻線3間
に設けられた絶縁体130の内周に油浸紙層180aが
貼付けられているので、直流巻線2と絶縁体13,13
0間には油浸紙層18,180が介在している位置形態
となり、そのため、直流巻線2からのストリーマが絶縁
体13,130に直接衝突するのを防ぐので、絶縁体が
破損することがなく、絶縁機能が低下しない。
【0054】しかも、絶縁体13,130の双方ともそ
の内・外周に油浸紙層が設けられているので、即ち、絶
縁体13−1の内周と絶縁体13−2の外周に油浸紙層
18aと18bとが設けられると共に、絶縁体130a
の内周と絶縁体130bの外周に油浸紙層180aと1
80bとが設けられているので、主絶縁として、体積固
有抵抗の小さいものの間に体積固有抵抗の大きなものが
位置する形態となる。そのため、直流電圧に対する絶縁
体13,130と油浸紙層との関係が前述した第一の実
施例と場合とほぼ同様にすることができるので、直流巻
線2の絶縁被覆8,11に作用する直流電界を緩和する
ことができ、絶縁距離の短縮化を図ることができる。
【0055】なおこれまで述べた第一〜第四の各実施例
では、絶縁筒13,130と絶縁筒14とを用いること
により、主絶縁のみならず端部絶縁での絶縁距離の短縮
化を図り得た例を示したが、絶縁筒13,130と絶縁
筒14との何れか一方を用いても、絶縁距離の短縮化を
図れるのは勿論である。
【0056】また、これまで述べた図示実施例におい
て、絶縁体13,130,14は、体積固有抵抗の大き
い材質からなる板材を筒状や平板状に形成した例を示し
たが、シート状のものあるいはフィルム状のものを多数
回巻回して筒状にしたり、多数枚積層して平板状に形成
してもよいのは勿論である。また、シート状やフィルム
状のものを多数巻回したり積層して形成する場合には、
それらとクラフト紙などの繊維性の薄い絶縁紙を重ねて
形成すれば、油含浸性の面で良好な結果を得ることがで
きる。さらに、主絶縁として用いる筒状の絶縁体13,
130においては、絶縁筒4aの外周及び絶縁筒40b
の内周に巻付けて形成すれば、型くずれがおきにくく、
製作しやいすいと云う利点もある。
【0057】図7は本発明による他の実施例を示してい
る。この場合は、絶縁筒,端部絶縁板,直流巻線2及び
交流巻線3の電線を構成する絶縁被覆,シールドリング
の絶縁被覆の夫々が、従来技術のように油浸紙で形成さ
れると、その油浸紙に対し油隙の電界に比べて十倍以上
高い電界が作用することに鑑み、電線の絶縁被覆8′と
シールドリングの絶縁被覆11′の夫々が、油浸紙より
導電率の大きい絶縁材で、換言すれば、体積固有抵抗の
小さい絶縁材で形成されたものである。
【0058】即ち、これら電線9の絶縁被覆8′とシー
ルドリング12,12′の絶縁被覆11′は、油浸紙の
体積固有抵抗値に比べ、その値が一桁以上小さいもの、
例えば1012Ω・cm程度の体積固有抵抗をもつアセチ
ルセルロースやポリアミドなどのテープからなってい
る。
【0059】このように、油浸紙の体積固有抵抗より低
い値の体積固有抵抗をもつ絶縁材により、電線9の絶縁
被覆8′及びシールドリング12,12′の絶縁被覆1
1′を形成した場合、体積固有抵抗の大きさの比率で電
圧が分担されるので、即ち、第一絶縁筒4,第二絶縁筒
40,端部絶縁板6の体積固有抵抗が絶縁被覆8′,1
1′のそれより大きいので、その大きい方による電圧分
担の割合を増大させることができる。その電圧分担の増
大は、主絶縁及び端部絶縁においても同様である。その
結果、絶縁被覆8′,11′に作用する直流電界を緩和
することができ、前述した各実施例とほぼ同様の効果を
得ることができる。
【0060】従って、この実施例によれば、電線9の絶
縁被覆8′とシールドリング12,12′の絶縁被覆1
1′の材質を変更するだけで、主絶縁と端部絶縁との双
方における電界緩和を実現できるので、第一〜第四の実
施例に比較し、それだけ容易にかつ確実に絶縁距離の短
縮化を図り得る。しかも、第一〜第四の実施例のように
合成樹脂からなる絶縁体13,130,14を有するこ
とがないので、直流巻線2から発生するストリーマに対
する配慮が不要となり、その点からも製作上のいっそう
の簡便化を図ることもできる。
【0061】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の請求項1〜
4によれば、第一の絶縁筒と第二の絶縁筒とが、その内
部に絶縁筒,直流巻線及び交流巻線の絶縁被覆,端部絶
縁板の夫々の材質より導電率の小さい材質からなる筒状
の絶縁体を有し、該絶縁体による直流電界の分担割合
が、体積固有抵抗の小さい絶縁筒の部分や巻線の絶縁被
覆より大きくなり、体積固有抵抗の小さい絶縁物に作用
する直流電界を緩和できるように構成したので、鉄心,
直流巻線,交流巻線相互間の径方向の絶縁距離を短縮で
き、しかも直流巻線から発生したストリーマにより絶縁
体が破壊されることがない結果、主絶縁における絶縁距
離の短縮化を図り得、また絶縁体として合成樹脂を用い
ても、主絶縁の信頼性を確実に高めることができる効果
がある。
【0062】そして、特に、請求項2においては、第一
の絶縁筒の前記絶縁体と、第二の絶縁筒の前記第二の絶
縁体とは、軸方向の両端部の厚さが中央側より厚みをも
ち、絶縁体の軸方向の両端部に電界集中が起こるのを緩
和し、両端部で部分放電が発生するのを防止できるよう
に構成したので、上記請求項1の効果に加え、変圧器の
使用電圧が高くとも、放電防止上の信頼性をも得ること
ができる効果がある。
【0063】また、請求項3及び4においては、鉄心,
直流巻線,交流巻線相互間の径方向の絶縁距離を短縮で
きるのみならず、軸方向の絶縁距離をも短縮し得るよう
に構成したので、変圧器の小型化を実現し得る効果があ
る。しかも請求項4においては、請求項2と同様に放電
防止上の信頼性をも得ることができる。
【0064】さらに、請求項5及び6によれば、第一の
絶縁筒と第二の絶縁筒とが、直流巻線及び交流巻線の絶
縁被覆,端部絶縁板の夫々の材質より導電率の小さい材
質からなり、かつ軸方向に沿って形成された筒状の絶縁
体と、該絶縁体の内周及び外周に直流巻線,交流巻線の
絶縁被覆の材質と同材質からなる油浸紙層とで形成した
ので、鉄心,直流巻線,交流巻線相互間の径方向の絶縁
距離を短縮でき、しかも直流巻線から発生したストリー
マにより絶縁体が破壊されることがない結果、請求項1
の場合と同様、主絶縁における絶縁距離の短縮化を図り
得ると共に、主絶縁の信頼性を確実に高めることができ
る効果があり、特に請求項6においては、鉄心,直流巻
線,交流巻線相互間の軸方向の絶縁距離をも短縮し得る
ように構成したので、変圧器の小型化を実現し得る効果
がある。また請求項7においては、絶縁体の誘電率が油
浸紙の誘電率よりも小さくしているので、交流電圧が加
わった場合、油隙の電解集中をほとんど引き起こすこと
がなく、信頼性を高め得る効果がある。
【0065】そして、請求項8によれば、直流巻線,交
流巻線を構成する電線の絶縁被覆とシールドリングの絶
縁被覆とを、第一の絶縁筒,第二の絶縁筒,端部絶縁板
を構成する油浸紙の体積固有抵抗より低い絶縁材で形成
したので、主絶縁のみならず端部絶縁においても、容易
にかつ確実に絶縁距離の短縮化を図ることができる効果
がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による変換用変圧器の第一の実施例を示
す説明用断面図。
【図2】変換用変圧器の直流巻線に電圧を印加したとき
の直流電位分布を示す説明図。
【図3】従来技術の変換用変圧器に電圧を印加したとき
の直流電位分布を示す説明図。
【図4】本発明による変換用変圧器の第二の実施例を示
す要部の説明用断面図。
【図5】本発明による変換用変圧器の第三の実施例を示
す要部の説明用断面図。
【図6】本発明による変換用変圧器の第四の実施例を示
す要部の説明用断面図。
【図7】本発明による変換用変圧器の他の実施例を示す
要部の説明用断面図。
【符号の説明】
1…鉄心、2…直流巻線、3…交流巻線、4…第一の絶
縁筒、4a…内側絶縁筒、4b…外側絶縁筒、40…第
二の絶縁筒、40a…内側絶縁筒、40b…外側絶縁
筒、6…絶縁板、8…電線の絶縁被覆、9…電線、11
…シールドリングの絶縁被覆、12,12′…シールド
リング、13,130,14…絶縁体、13A,130
A…厚肉部、13a,13−1,130a…内側絶縁
体、13b,13−2,130b…外側絶縁体、8′…
電線において体積固有抵抗の小さい値の絶縁材で形成さ
れた絶縁被覆、11′…シールドリングにおいて体積固
有抵抗の小さい値の絶縁材で形成された絶縁被覆。
フロントページの続き (72)発明者 古川 貞夫 茨城県日立市大みか町七丁目2番1号 株 式会社日立製作所電力・電機開発本部内 (72)発明者 小島 啓明 茨城県日立市大みか町七丁目2番1号 株 式会社日立製作所電力・電機開発本部内 (72)発明者 宮尾 博 茨城県日立市大みか町七丁目2番1号 株 式会社日立製作所電力・電機開発本部内 (72)発明者 門脇 慎 茨城県日立市国分町一丁目1番1号 株式 会社日立製作所国分工場内 (72)発明者 小幡 俊光 茨城県日立市国分町一丁目1番1号 株式 会社日立製作所国分工場内 (72)発明者 田中 誠 大阪府大阪市北区中之島3丁目3番22号 関西電力株式会社内 (72)発明者 杉原 洋 香川県高松市丸の内2番5号 四国電力株 式会社内 (72)発明者 牧野 芳範 東京都中央区銀座六丁目15番1号 電源開 発株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鉄心の周囲に適宜の距離を隔て直流巻線
    と交流巻線とを同心上に配置し、その鉄心及び直流巻線
    間に第一の絶縁筒を、かつ直流巻線及び交流巻線間に第
    二の絶縁筒を夫々軸方向に沿って配設すると共に、直流
    巻線,交流巻線の軸方向の両端部と鉄心の上下端部との
    間に端部絶縁板を巻線の半径方向に沿って設けた変換用
    変圧器において、少なくとも第一の絶縁筒と第二の絶縁
    筒とは、その内部に絶縁筒,直流巻線及び交流巻線の絶
    縁被覆,端部絶縁板の夫々の材質より導電率の小さい材
    質からなり、かつ軸方向に沿って形成された筒状の絶縁
    体を有していることを特徴とする変換用変圧器。
  2. 【請求項2】 鉄心の周囲に適宜の距離を隔て直流巻線
    と交流巻線とを同心上に配置し、その鉄心及び直流巻線
    間に第一の絶縁筒を、かつ直流巻線及び交流巻線間に第
    二の絶縁筒を夫々軸方向に沿って配設すると共に、直流
    巻線,交流巻線の軸方向の両端部と鉄心の上下端部との
    間に端部絶縁板を巻線の半径方向に沿って設けた変換用
    変圧器において、少なくとも第一の絶縁筒と第二の絶縁
    筒とは、その内部に絶縁筒,直流巻線及び交流巻線の絶
    縁被覆,端部絶縁板の夫々の材質より導電率の小さい材
    質からなり、かつ軸方向に沿って形成された筒状の絶縁
    体を有し、第一の絶縁筒の前記絶縁体と、第二の絶縁筒
    の前記第二の絶縁体とは、軸方向の両端部の厚さが中央
    側より厚みをもっていることを特徴とする変換用変圧
    器。
  3. 【請求項3】 鉄心の周囲に適宜の距離を隔て直流巻線
    と交流巻線とを同心上に配置し、その鉄心及び直流巻線
    間に第一の絶縁筒を、かつ直流巻線及び交流巻線間に第
    二の絶縁筒を夫々軸方向に沿って配設すると共に、直流
    巻線,交流巻線の軸方向の両端部と鉄心の上下端部との
    間に端部絶縁板を巻線の半径方向に沿って設けた変換用
    変圧器において、第一の絶縁筒と第二の絶縁筒とは、そ
    の内部に絶縁筒,直流巻線及び交流巻線の絶縁被覆,端
    部絶縁板の夫々の材質より導電率の小さい材質からな
    り、かつ軸方向に沿って形成された筒状の絶縁体を有
    し、前記端部絶縁板は、その内部に前記筒状の絶縁体と
    同材質からなる絶縁体を有していることを特徴する変換
    用変圧器。
  4. 【請求項4】 鉄心の周囲に適宜の距離を隔て直流巻線
    と交流巻線とを同心上に配置し、その鉄心及び直流巻線
    間に第一の絶縁筒を、かつ直流巻線及び交流巻線間に第
    二の絶縁筒を夫々軸方向に沿って配設すると共に、直流
    巻線,交流巻線の軸方向の両端部と鉄心の上下端部との
    間に端部絶縁板を巻線の半径方向に沿って設けた変換用
    変圧器において、第一の絶縁筒と第二の絶縁筒とは、そ
    の内部に絶縁筒,直流巻線及び交流巻線の絶縁被覆,端
    部絶縁板の夫々の材質より導電率の小さい材質からな
    り、かつ軸方向に沿って形成された筒状の絶縁体を有
    し、前記端部絶縁板は、その内部に前記筒状の絶縁体と
    同材質からなる絶縁体を有し、第一の絶縁筒の前記絶縁
    体と第二の絶縁筒の前記第二の絶縁体とは、軸方向の両
    端部の厚さが中央側より厚みをもっていることを特徴と
    する変換用変圧器。
  5. 【請求項5】 鉄心の周囲に適宜の距離を隔て直流巻線
    と交流巻線とを同心上に配置し、その鉄心及び直流巻線
    間に第一の絶縁筒を、かつ直流巻線及び交流巻線間に第
    二の絶縁筒を夫々軸方向に沿って配設すると共に、直流
    巻線,交流巻線の軸方向の両端部と鉄心の上下端部との
    間に端部絶縁板を巻線の半径方向に沿って設けた変換用
    変圧器において、第一の絶縁筒と第二の絶縁筒とは、直
    流巻線及び交流巻線の絶縁被覆,端部絶縁板の夫々の材
    質より導電率の小さい材質からなり、かつ軸方向に沿っ
    て形成された筒状の絶縁体と、該絶縁体の内周及び外周
    に直流巻線,交流巻線の絶縁被覆の材質と同材質からな
    る油浸紙層とからなることを特徴とする変換用変圧器。
  6. 【請求項6】 鉄心の周囲に適宜の距離を隔て直流巻線
    と交流巻線とを同心上に配置し、その鉄心及び直流巻線
    間に第一の絶縁筒を、かつ直流巻線及び交流巻線間に第
    二の絶縁筒を夫々軸方向に沿って配設すると共に、直流
    巻線,交流巻線の軸方向の両端部と鉄心の上下端部との
    間に端部絶縁板を巻線の半径方向に沿って設けた変換用
    変圧器において、第一の絶縁筒と第二の絶縁筒とは、直
    流巻線及び交流巻線の絶縁被覆,端部絶縁板の夫々の材
    質より導電率の小さい材質からなり、かつ軸方向に沿っ
    て形成された筒状の絶縁体と、該絶縁体の内,外周に直
    流巻線及び交流巻線の絶縁被覆の材質と同材質からなる
    油浸紙層とからなり、前記端部絶縁板は、その内部に前
    記筒状の絶縁体と同材質からなる絶縁体を有しているこ
    とを特徴とする変換用変圧器。
  7. 【請求項7】 前記絶縁体の誘電率を油浸紙の誘電率よ
    り小さいものとしたことを特徴とする請求項1〜6の一
    項に記載の変換用変圧器。
  8. 【請求項8】 鉄心の周囲に適宜の距離を隔て直流巻線
    と交流巻線とを同心上に配置し、その鉄心及び直流巻線
    間に第一の絶縁筒を、かつ直流巻線及び交流巻線間に第
    二の絶縁筒を夫々軸方向に沿って配設すると共に、直流
    巻線,交流巻線の軸方向の両端部と鉄心の上下端部との
    間に端部絶縁板を巻線の半径方向に沿って設けた変換用
    変圧器において、直流巻線及び交流巻線を構成する電線
    の絶縁被覆とシールドリングの絶縁被覆とを、第一の絶
    縁筒,第二の絶縁筒,端部絶縁板を構成する油浸紙の体
    積固有抵抗より小さい値の絶縁材で形成したことを特徴
    とする変換用変圧器。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014165431A (ja) * 2013-02-27 2014-09-08 Fuji Electric Co Ltd 超電導コイル及び超電導変圧器
JP6141565B1 (ja) * 2016-03-04 2017-06-07 三菱電機株式会社 静止誘導機器
WO2017149849A1 (ja) * 2016-03-04 2017-09-08 三菱電機株式会社 静止誘導機器

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