JPH05291060A - 変圧器巻線 - Google Patents
変圧器巻線Info
- Publication number
- JPH05291060A JPH05291060A JP8440492A JP8440492A JPH05291060A JP H05291060 A JPH05291060 A JP H05291060A JP 8440492 A JP8440492 A JP 8440492A JP 8440492 A JP8440492 A JP 8440492A JP H05291060 A JPH05291060 A JP H05291060A
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- insulating
- wire
- insulating paper
- winding
- oil
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- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 本発明は平角銅線の絶縁被覆材料の構成を改
善することにより、耐油性、耐熱性が高く、固体絶縁部
分の比誘電率の低い材料で構成した変圧器巻線を得るこ
とにある。 【構成】 本発明は平角銅線の絶縁被覆として薄葉の絶
縁紙を複数枚重ねて巻回したものにおいて、絶縁紙の一
部に不織布または低密度の絶縁紙を使用することによ
り、絶縁物中の油含浸率を高くし、見掛けの誘電率を従
来の絶縁紙より低くすることにより、絶縁性能の向上を
図ったものである。
善することにより、耐油性、耐熱性が高く、固体絶縁部
分の比誘電率の低い材料で構成した変圧器巻線を得るこ
とにある。 【構成】 本発明は平角銅線の絶縁被覆として薄葉の絶
縁紙を複数枚重ねて巻回したものにおいて、絶縁紙の一
部に不織布または低密度の絶縁紙を使用することによ
り、絶縁物中の油含浸率を高くし、見掛けの誘電率を従
来の絶縁紙より低くすることにより、絶縁性能の向上を
図ったものである。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は鉄心に巻回したコイルを
有する変圧器巻線に係り、特に巻線の素線絶縁の絶縁構
成の改良に関する。
有する変圧器巻線に係り、特に巻線の素線絶縁の絶縁構
成の改良に関する。
【０００２】
【従来の技術】変圧器の巻線において、高圧巻線は一般
に平角銅線に絶縁被覆を施した絶縁電線を平巻きに巻回
して形成される円板巻線を使用することが多い。
に平角銅線に絶縁被覆を施した絶縁電線を平巻きに巻回
して形成される円板巻線を使用することが多い。
【０００３】この様な巻線においては、線路端あるいは
中性点端から侵入する雷サージ等急峻波頭電圧に対し、
巻線内の電位分布を均等化するため巻線の直列静電容量
を増大させる手段としてインターリーブ方式や制振遮蔽
方式の巻線構造が採用されている。図２に代表的な巻線
構造の断面図の一例を示す。巻線１１は直列接続された
多数の円板状コイル１２を軸方向に油道を介して設けた
もので、各平板状コイル１２は平角銅線１７にクラフト
紙などの油浸紙を巻きつけて形成した絶縁被覆１４を施
した絶縁電線１３を平巻きに巻回して形成されており、
インタリーブ方式ではその巻回順を入組ませて巻回間の
直列静電容量を大きくするように巻回される。また、制
振遮蔽方式では、巻線の一部巻回間に上記絶縁電線１３
と同様に絶縁被覆された電位制御導体が挿入される。な
お、１５は、巻線１１の端部に配置された静電シールド
である。
中性点端から侵入する雷サージ等急峻波頭電圧に対し、
巻線内の電位分布を均等化するため巻線の直列静電容量
を増大させる手段としてインターリーブ方式や制振遮蔽
方式の巻線構造が採用されている。図２に代表的な巻線
構造の断面図の一例を示す。巻線１１は直列接続された
多数の円板状コイル１２を軸方向に油道を介して設けた
もので、各平板状コイル１２は平角銅線１７にクラフト
紙などの油浸紙を巻きつけて形成した絶縁被覆１４を施
した絶縁電線１３を平巻きに巻回して形成されており、
インタリーブ方式ではその巻回順を入組ませて巻回間の
直列静電容量を大きくするように巻回される。また、制
振遮蔽方式では、巻線の一部巻回間に上記絶縁電線１３
と同様に絶縁被覆された電位制御導体が挿入される。な
お、１５は、巻線１１の端部に配置された静電シールド
である。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】この様な巻線構造にお
いては上記インタリーブ方式および制振遮蔽方式のいず
れの場合においても、巻回間に高い差電圧が加わり、巻
線表面の巻回間に形成される断面がくさび状の凹部１６
に電界が集中する。この様な条件では、油の絶縁耐力が
絶縁電線被覆１４のそれより低いことから、上記くさび
状の凹部１６に沿って形成される油くさび部分の電界が
高くなるなど全路破壊に至る前に、油ギャップのみが部
分的に破壊する部分放電が発生し易くなる。
いては上記インタリーブ方式および制振遮蔽方式のいず
れの場合においても、巻回間に高い差電圧が加わり、巻
線表面の巻回間に形成される断面がくさび状の凹部１６
に電界が集中する。この様な条件では、油の絶縁耐力が
絶縁電線被覆１４のそれより低いことから、上記くさび
状の凹部１６に沿って形成される油くさび部分の電界が
高くなるなど全路破壊に至る前に、油ギャップのみが部
分的に破壊する部分放電が発生し易くなる。
【０００５】くさび部分の電界は、平角銅線の絶縁被覆
の比誘電率と絶縁油の比誘電率とで決定される。すなわ
ち、平角銅線の絶縁被覆の比誘電率は、一般には絶縁油
より大きいため、同一の絶縁距離の場合、平角銅線の絶
縁被覆に加わる電圧は少なくなり、絶縁油に加わる電圧
が大きくなる。従って平角銅線の絶縁被覆の比誘電率を
絶縁油の比誘電率に近づけることにより、絶縁破壊電圧
を向上させることが出来る。固体絶縁物、例えば、プレ
スボードの比誘電率を低下させる手段として、プレスボ
ードより比誘電率の低い材料を混抄して低誘電率を低く
している場合もある。しかし、多くの低誘電率材料は耐
油性や耐熱性に劣るため、従来とは使用方法が制限され
ることが考えられる。油入変圧器のような成熟した電気
機器では、新しい材料の適用を考えなければコンパクト
化や低損失化の可能性は難しくなってきている。
の比誘電率と絶縁油の比誘電率とで決定される。すなわ
ち、平角銅線の絶縁被覆の比誘電率は、一般には絶縁油
より大きいため、同一の絶縁距離の場合、平角銅線の絶
縁被覆に加わる電圧は少なくなり、絶縁油に加わる電圧
が大きくなる。従って平角銅線の絶縁被覆の比誘電率を
絶縁油の比誘電率に近づけることにより、絶縁破壊電圧
を向上させることが出来る。固体絶縁物、例えば、プレ
スボードの比誘電率を低下させる手段として、プレスボ
ードより比誘電率の低い材料を混抄して低誘電率を低く
している場合もある。しかし、多くの低誘電率材料は耐
油性や耐熱性に劣るため、従来とは使用方法が制限され
ることが考えられる。油入変圧器のような成熟した電気
機器では、新しい材料の適用を考えなければコンパクト
化や低損失化の可能性は難しくなってきている。
【０００６】本発明はこの点に鑑みなされたものであ
り、その目的とするところは、平角銅線の絶縁被覆材料
の構成を改善することにより、耐油性、耐熱性が高く、
固体絶縁部分の比誘電率の低い材料で構成した変圧器巻
線を得ることにある。
り、その目的とするところは、平角銅線の絶縁被覆材料
の構成を改善することにより、耐油性、耐熱性が高く、
固体絶縁部分の比誘電率の低い材料で構成した変圧器巻
線を得ることにある。
【０００７】
【課題を解決するための手段】本発明は平角銅線の絶縁
被覆として薄葉の絶縁紙を複数枚重ねて巻回したものに
おいて、絶縁紙の一部に不織布または低密度の絶縁紙を
使用することにより、絶縁物中の油含浸率を高くし、見
掛けの誘電率を従来の絶縁紙より低くすることにより、
絶縁性能の向上を図ったものである。
被覆として薄葉の絶縁紙を複数枚重ねて巻回したものに
おいて、絶縁紙の一部に不織布または低密度の絶縁紙を
使用することにより、絶縁物中の油含浸率を高くし、見
掛けの誘電率を従来の絶縁紙より低くすることにより、
絶縁性能の向上を図ったものである。
【０００８】
【作用】この様に構成した変圧器巻線では、絶縁被覆さ
れた固体絶縁物内に含浸される絶縁油の量が従来の絶縁
紙に比較して増大することにより、見掛けの比誘電率が
低くなる。このため、絶縁紙中の分担電圧が大きくなる
ことから絶縁物表面の油ギャップ部の電界が低くなる。
従って、変圧器巻線の絶縁上の弱点となっていたくさび
部分や微小ギャップ部分の電界が低くなることから、絶
縁強度は高くなり、ひいては変圧器のコンパクト化が可
能になる。
れた固体絶縁物内に含浸される絶縁油の量が従来の絶縁
紙に比較して増大することにより、見掛けの比誘電率が
低くなる。このため、絶縁紙中の分担電圧が大きくなる
ことから絶縁物表面の油ギャップ部の電界が低くなる。
従って、変圧器巻線の絶縁上の弱点となっていたくさび
部分や微小ギャップ部分の電界が低くなることから、絶
縁強度は高くなり、ひいては変圧器のコンパクト化が可
能になる。
【０００９】
【実施例】以下本発明の一実施例を図１を参照して説明
する。図１において、変圧器巻線を形成する素線１０は
平角銅線１７に薄葉の絶縁紙を複数層巻回した絶縁被覆
１４としている。この絶縁被覆１４を形成する複数層の
絶縁紙として従来の絶縁紙１４ａの一部に油含浸率の高
い絶縁材料１４ｂ、例えば、従来の絶縁紙とほぼ同等の
厚さの低密度絶縁紙や不織布などを従来の絶縁紙と交互
に、あるいはその一部に使用している。
する。図１において、変圧器巻線を形成する素線１０は
平角銅線１７に薄葉の絶縁紙を複数層巻回した絶縁被覆
１４としている。この絶縁被覆１４を形成する複数層の
絶縁紙として従来の絶縁紙１４ａの一部に油含浸率の高
い絶縁材料１４ｂ、例えば、従来の絶縁紙とほぼ同等の
厚さの低密度絶縁紙や不織布などを従来の絶縁紙と交互
に、あるいはその一部に使用している。
【００１０】この様に絶縁被覆を成した変圧器巻線は、
従来絶縁上の弱点となっていたターン間のくさびギャッ
プ部の電界は絶縁被覆されている固体絶縁部の比誘電率
が低くなることによって固体絶縁部の分担電圧が大きく
なることにより、低くなる。
従来絶縁上の弱点となっていたターン間のくさびギャッ
プ部の電界は絶縁被覆されている固体絶縁部の比誘電率
が低くなることによって固体絶縁部の分担電圧が大きく
なることにより、低くなる。
【００１１】素線絶縁間の絶縁性能は固体絶縁物表面の
油ギャップの電界に依存することから固体絶縁物の比誘
電率を低くしたことにより、油ギャップ部の電界が従来
の絶縁紙より低くすることが出来るようになり、絶縁性
能が向上することから、ひいては、変圧器巻線のコンパ
クト化が可能になる。
油ギャップの電界に依存することから固体絶縁物の比誘
電率を低くしたことにより、油ギャップ部の電界が従来
の絶縁紙より低くすることが出来るようになり、絶縁性
能が向上することから、ひいては、変圧器巻線のコンパ
クト化が可能になる。
【００１２】前記実施例では円板巻線を例にして説明し
たが円筒巻線など素線として、平角銅線やＭＴＣなどを
用いた各種巻線構成に適用することが出来る。また、こ
こでは、従来から一般的に使用されている油入変圧器に
ついて説明してきたがガス絶縁変圧器についても同様な
効果が得られる。
たが円筒巻線など素線として、平角銅線やＭＴＣなどを
用いた各種巻線構成に適用することが出来る。また、こ
こでは、従来から一般的に使用されている油入変圧器に
ついて説明してきたがガス絶縁変圧器についても同様な
効果が得られる。
【００１３】
【発明の効果】本発明の様に、変圧器巻線の素線絶縁の
絶縁被覆に油含浸率の高い絶縁材料を適用することによ
り、絶縁被覆の見掛けの比誘電率を低くすることが出来
ることから、従来絶縁上の弱点となっていた微小ギャッ
プやくさび部分の電界を低くすることが出来るため、絶
縁強度が高く、コンパクトで信頼性の高い変圧器巻線を
提供することが出来る。
絶縁被覆に油含浸率の高い絶縁材料を適用することによ
り、絶縁被覆の見掛けの比誘電率を低くすることが出来
ることから、従来絶縁上の弱点となっていた微小ギャッ
プやくさび部分の電界を低くすることが出来るため、絶
縁強度が高く、コンパクトで信頼性の高い変圧器巻線を
提供することが出来る。
【図１】本発明の一実施例を示す絶縁変圧器巻線を構成
する素線の構成図。
する素線の構成図。
【図２】従来の変圧器巻線の構成図。
１０…素線 １２…円板状コイル １３…絶縁電線 １４…絶縁被覆 １５…静電リング １６…くさび凹部 １７…平角銅線 １４ａ…絶縁紙 １４ｂ…低密度絶縁紙など
Claims (1)
- 【請求項１】 鉄心に絶縁被覆された素線を巻回して構
成される変圧器巻線において、素線の絶縁被覆材料とし
て、密度の高い絶縁紙と密度の低い絶縁紙あるいは不織
布など油含浸率の高い材料を組合わせて被覆した素線を
用いたことを特徴とした変圧器巻線。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP8440492A JPH05291060A (ja) | 1992-04-07 | 1992-04-07 | 変圧器巻線 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP8440492A JPH05291060A (ja) | 1992-04-07 | 1992-04-07 | 変圧器巻線 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH05291060A true JPH05291060A (ja) | 1993-11-05 |
Family
ID=13829655
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP8440492A Pending JPH05291060A (ja) | 1992-04-07 | 1992-04-07 | 変圧器巻線 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH05291060A (ja) |
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2012064746A (ja) * | 2010-09-16 | 2012-03-29 | Japan Ae Power Systems Corp | 静止誘導電器 |
| JP2013502080A (ja) * | 2009-08-13 | 2013-01-17 | ウォーキショー エレクトリック システムズ インコーポレイテッド | 流体充填変圧器用の固体絶縁体及びその製造方法 |
| CN103050250A (zh) * | 2012-12-25 | 2013-04-17 | 保定天威集团(江苏)五洲变压器有限公司 | 一种变压器线圈端部绝缘结构 |
| WO2015083280A1 (ja) * | 2013-12-06 | 2015-06-11 | 三菱電機株式会社 | 巻線 |
-
1992
- 1992-04-07 JP JP8440492A patent/JPH05291060A/ja active Pending
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2013502080A (ja) * | 2009-08-13 | 2013-01-17 | ウォーキショー エレクトリック システムズ インコーポレイテッド | 流体充填変圧器用の固体絶縁体及びその製造方法 |
| JP2012064746A (ja) * | 2010-09-16 | 2012-03-29 | Japan Ae Power Systems Corp | 静止誘導電器 |
| CN103050250A (zh) * | 2012-12-25 | 2013-04-17 | 保定天威集团(江苏)五洲变压器有限公司 | 一种变压器线圈端部绝缘结构 |
| WO2015083280A1 (ja) * | 2013-12-06 | 2015-06-11 | 三菱電機株式会社 | 巻線 |
| JPWO2015083280A1 (ja) * | 2013-12-06 | 2017-03-16 | 三菱電機株式会社 | 巻線 |
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