JP6519497B2 - 計器用変圧器 - Google Patents

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Description

本発明は、高電圧を測定可能なレベルの電圧に変成する計器用変圧器で、とくに樹脂モールド形の計器用変圧器に関する。
例えば電力設備のような高電圧回路を扱う設備には、回路電圧を測定可能なレベルの低電圧に変成するための計器用変圧器が備えられている。計器用変圧器の基本構成は、低圧側の二次コイルが高圧側の一次コイルの内側になるよう、両コイルが鉄心に対して同軸に配置される。一方、変圧器は一次コイルと二次コイル間を絶縁する絶縁媒体によって分類され、SFなどの絶縁ガスによって絶縁を行うガス絶縁変圧器や、エポキシなどの絶縁性樹脂を用いて絶縁を行う樹脂モールド形変圧器がある。計器用変圧器は、電力設備等の高電圧が印加される機器であるため、絶縁性能に不良が存在する場合、部分放電が発生して機器の信頼性を損なう可能性がある。
例えば、樹脂モールド形変圧器においては、樹脂とコイルとの熱膨張係数の差が大きく、剥離が発生して部分放電を生じさせるおそれがあることから、弾性部材を用いて剥離を防止する手法等が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。一方、コイル端部の渦電流損失の軽減や高周波サージに対する絶縁性能の向上を目的として、一次コイルと二次コイルの間の絶縁領域に、接地した導電材を配置した変圧器が開示されている(例えば、特許文献2、3参照。)。あるいは、絶縁領域に、一方のコイルの電位に近い電位の導電体層と、他方のコイルの電位に近い電位の導電体層を設けた変圧器が開示されている(例えば、特許文献4参照)。
実開昭59−159918号公報(第2頁、第4頁〜第5頁、第1図、第2図) 特開昭62−239510号公報(第2頁左上欄〜左下欄、第1図、第2図) 特開2002−373821号公報(段落0025〜0027、図1〜図3) 特表2010−518612号公報(段落0043〜0044、図1、段落0049、図2)
しかしながら、上述した導電体層の効果を本発明者が検証した結果、とくに剥離等の空隙が形成されやすいモールド形の計器用変圧器においては、十分な絶縁性能を得ることができない場合があることが分かった。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、モールド形の計器用変圧器において、絶縁層に空隙が形成されても、空隙に生じる電位差を低減し、十分な絶縁性能を有し、絶縁信頼性の高いモールド形の計器用変圧器を得ることを目的とする。
本発明の計器用変圧器は、鉄心と、前記鉄心を囲むように配置された二次コイルと、前記二次コイルの同心軸上の外側に配置された一次コイルと、巻回した絶縁材を主構成部材とし、前記二次コイルの外周面と前記一次コイルの内周面との間に介在するように配置された主絶縁層と、前記鉄心を挿入するための貫通孔を有するとともに、前記二次コイルと前記一次コイルと前記主絶縁層を内包するように絶縁樹脂により形成された筐体と、を備え、前記一次コイルは、2つのサブコイルを前記同心軸の方向に並べ、それぞれの巻き始め部分同士をつないで形成したものであり、前記主絶縁層の厚み方向の中間部分には、浮遊電位に設定された単一の導電体層が配置され、前記単一の導電体層は、前記主絶縁層の厚み方向において、中央、または前記二次コイルよりも前記一次コイルに近い位置に配置されていることを特徴とする。
本発明の計器用変圧器によれば、一次コイルを分割し、かつ一次コイルと二次コイル間に浮遊電位の導電体層を設けるようにしたので、絶縁領域に印加される電位自体が低減されるとともに、空隙に生じる電位差を導電体層が効果的に低減できるので、部分放電特性が向上し、十分な絶縁性能を得ることができる。
本発明の実施の形態1にかかる計器用変圧器の特徴的な構成であるコイル部分の斜視図と部分断面図、および一般的な一次コイルの構成を示す部分断面図である。 本発明の実施の形態1にかかる計器用変圧器の構成を説明するための部分透過正面図と部分透過側面図ある。 本発明の実施の形態1にかかる計器用変圧器のコイル間に形成された主絶縁層の断面図である。 本発明の実施の形態1にかかる計器用変圧器を動作させたときの主絶縁層内の等電位線を示す図である。 本発明の実施の形態1にかかる計器用変圧器の主絶縁層の模式図と主絶縁層に空隙がない場合の等価回路を合わせた図である。 本発明の実施の形態1にかかる計器用変圧器の主絶縁層に空隙が生じた場合の等価回路図である。 主絶縁層の構成を変化させた場合の、構成ごとの空隙にかかる分担電圧を示す図である。 主絶縁層の構成を変化させた場合の、構成ごとの空隙厚みと放電開始電圧の関係を示すグラフである。 本発明の実施の形態2にかかる計器用変圧器のコイル間に形成された主絶縁層の断面図である。 本発明の実施の形態3にかかる計器用変圧器のコイル間に形成された主絶縁層の断面図である。
実施の形態1.
図1〜図6は、本発明の実施の形態1にかかる計器用変圧器の構成および動作を説明するためのものである。図1は、計器用変圧器の特徴部分であるコイル部分の構成を示すもので、図1(a)はコイル部分のうち鉄心を透過させた模式的な斜視図、図1(b)はコイル部分の軸に平行な面、つまり図1(a)のA−A切断面のうち、軸の一方側の部分断面図、図1(c)は一般的な一次コイルの構成を示すための図1(b)に対応する断面の模式図である。また、図2(a)と(b)は、それぞれ計器用変圧器をコイルの軸方向から見たときの筐体内部を透過させた正面図と、コイルの軸方向に垂直な方向から見たときの筐体内部を透過させた側面図である。そして、図3は主絶縁層の軸に垂直な面、つまり図1(a)のB−B切断面による断面図、図4は計器用変圧器を動作させたときの主絶縁層内の等電位線を示す図3の断面図に対応する模式図、図5は主絶縁層に空隙がない場合の図3の断面図に対応する模式図と等価回路を合わせた図、図6は主絶縁層に空隙が生じた場合の主絶縁層部分の等価回路図である。
また、図7と図8は、本発明の実施の形態1にかかる計器用変圧器による部分放電特性の向上効果を説明するためのもので、図7は主絶縁層の構成として導電体層の配置を変化させた場合の、構成ごとの空隙にかかる分担電圧の相対値を示す図、図8は図7と同様に主絶縁層の構成を変化させた場合の、構成ごとの空隙厚みと放電開始電圧の関係(パッシェンカーブ)を示す両対数グラフである。
本実施の形態1にかかる計器用変圧器1の基本構成は、図2に示すように、図示しない二次巻形を介して巻回された二次コイル3と、二次コイル3の軸Xcと同軸で、二次コイルの外側に図示しない一次巻形を介して巻回された一次コイル4と、一次コイル4と二次コイル3との間に挿入され、一次コイル4と二次コイル3とを電気的に絶縁するための主絶縁層5、および、二次コイル3の内側に軸Xcに沿った貫通孔8hを有しつつ、コイル部(一次コイル4、主絶縁層5、二次コイル3)全体を覆うようにモールド樹脂によりコイル部と一体形成された筐体8を備えている。
さらに、貫通孔8h(コイル部の中心)を挿通する挿通部分と、コイル部を囲み、内側で挿通部分の両端と連なるループ部分とで、上側から見るとB字状に形成された鉄心2とを備えている。鉄心2は、筐体8を挟むようにI字状の板材とE字状の板材を突き合わせてB字状となした層を、突き合わせ部分が互い違いになるように、順次重ねることにより形成している。なお、鉄心2の図中下側の軸Xcに垂直な方向の両端には、脚材7を固定している。また、一次コイル4と図示しない電路とを接続する2つの端子9bが筐体8の上部から、二次コイル3と図示しない計測機器とを接続する2つの端子9aが筐体8の正面下部から露出するように配置されている。
次に、本発明の特徴部分であるコイル部の構成について詳細に説明する。
二次コイル3は、図示しない計測器の測定に適した数百V以下の低電圧に降圧する、いわゆる低圧コイルである。一方、一次コイル4は、図示しない電力設備等の電気回路(電路)に接続され、数kVもの高電圧が両端にかかることが想定される、いわゆる高圧コイルである。そのため、端子9bに対しては、両極間の沿面距離を稼ぐため、端子9bの両極を仕切る仕切り壁8wが筐体8に形成されている。
さらに、本実施の形態1および以降の実施の形態にかかる計器用変圧器1では、一次コイル4と主絶縁層5との界面にかかる電圧(電位差)を半減するため、軸Xc方向に分割した2つのサブコイル(第一サブコイル4a、第二サブコイル4b)で構成している。具体的には、図1(b)に示すように、第一サブコイル4aは、軸Xc方向の中間部分のWa11から巻き始めて端部のWa1eに向かい、折り返して順次層をなすように巻いていき、最上層のWaeeで巻き終わるように一続きに巻いて構成される。そして、第二サブコイル4bも、軸Xc方向の中間部分のWb11から巻き始めて端部のWb1eに向かい、折り返して順次層をなすように巻いていき、最上層のWbeeと巻き終わるように一続きに巻いて構成される。そして、第一サブコイル4aの巻き始め部分であるWa11と第二サブコイル4bの巻き始め部分であるWb11とを電気接続して中間接続部Lmを形成し、WaeeとWbeeから引き出された配線が2つの端子9bのそれぞれに分かれて接続される。つまり、主絶縁層5側の最下層を構成する巻線は、一次コイル4の電流経路内における中央部に位置することになる
なお、一般的な一巻で構成される一次コイル4Cの場合、図1(c)に示すように、巻線は一方の端部となるW11から巻き始めて他方の端部となるW1eに向かい、折り返して順次層をなすように巻いていき、最上層のWeeで巻き終わるように一続きに巻いて構成される。そして、W11とWeeから引き出された配線が電路に接続するための端子に接続される。
主絶縁層5は、基本的にはフィルム状の絶縁材料を多層に積層もしくは多数回巻回した絶縁層51を形成した上で、エポキシ樹脂などの熱硬化性絶縁樹脂を含浸させた後、熱硬化させることで作製されている。さらに、主絶縁層5の内部は、図1および図3に示すように、絶縁層51の中間部分に、金属製の薄膜材料もしくはフィルム状の導電材料を用いた導電体層52が備えられている。絶縁層51を構成するフィルム状の絶縁材料としては、例えば厚さが数十μmのポリエチレンテレフタレートを用いることができる。また、フィルム状の導電材料としては、例えば厚さが数十μmのアルミニウム箔や銅箔、あるいは低抵抗のカーボン紙などを用いることができる。本実施の形態における導電体層52は、一次コイル4や二次コイル3あるいは接地のいずれとも電気的に接続されない。つまり導電体層52の電位は、電気的に浮遊した浮遊電位に設定されている。
次に、主絶縁層5の製造プロセスについて説明する。例えば、長尺状のフィルム状の絶縁材料を巻き回して主絶縁層5の本体を作製する。このとき、主絶縁層5の中間位置に相当する部分にフィルム状の導電材料を一層分挿入して巻く。この主絶縁層5を液体状の熱硬化性絶縁樹脂液中に浸漬して真空脱泡を行うことで、液体状の熱硬化性絶縁樹脂をフィルム状の絶縁材料の層間に含浸させる。熱硬化性絶縁樹脂を層間に含浸し、乾燥した後、熱硬化させて主絶縁層5を完成させる。
二次コイル3と主絶縁層5との界面、および一次コイル4と主絶縁層5との界面の軸Xcに垂直な断面形状は相似形状である。そして、主絶縁層5内のフィルム状の材料の一層(一巻)ごとの形状も上記断面形状と相似になる。そのため、一次コイル4と二次コイル3の電位差により主絶縁層5に電界が生じると、主絶縁層5内の軸Xcに垂直な断面では、図4に示すように、各層の形状に沿った等電位線Leが形成される。導電体層52は、一次コイル4あるいは二次コイル3とは電気的に導通されていないため、導電体層52の電位はいわゆる浮遊電位となり、一次コイル4と二次コイル3の間の電位差を一次コイル4と導電体層52との間の静電容量と、導電体層52と二次コイル3の間の静電容量とで分圧した電圧が誘起されることになる。さらに、導電体層52は、主絶縁層5を構成するフィルム状の絶縁材料に沿って巻回されているため、図4に示す主絶縁層5における等電位線Leに沿って形成されていることになる。すなわち、主絶縁層5の電位分布は、導電体層52の有無によらず、一定になる。
本実施の形態にかかるモールド形の計器用変圧器1のように、モールド絶縁された機器においては、絶縁性樹脂の硬化収縮や絶縁性樹脂の線膨張係数とフィルム状の絶縁材料あるいは導電材料の線膨張係数との違いにより、主絶縁層5に残留応力が生じる。この残留応力によって、主絶縁層5を構成する異なる材料間に剥離が生じ、フィルム状の絶縁材料の積層方向につぶれた偏平形状の空隙Gf(図6参照)が形成されることがある。本来、上述した残留応力を分散させて緩和するために、絶縁層51には、フィルム状の薄い絶縁材料を積層させた構造が採用されている。しかし、積層したフィルム状の絶縁材料の間には、熱硬化性絶縁樹脂が含浸しにくく、樹脂の含浸不良に起因して、巻回方向、つまり等電位線Leに沿った偏平形状の空隙Gfが形成されることもある。
このような等電位線Leに垂直な方向につぶれた偏平形状の空隙Gfは、他の形状、例えば球状の空隙と比較して内部の電界が高くなるため、絶縁上最も厳しい欠陥である。コイル部の中でも、高電圧の一次コイル4と主絶縁層5との界面の端部は、最も高い電界が印加される箇所である。そのような箇所に偏平形状の空隙Gfが存在すると、この絶縁耐力の低い偏平形状の空隙Gfが分担する電圧が増大し、空隙Gf内部の電界が増大することで部分放電が発生して絶縁性能が低下する。
空隙Gfが分担する電圧は、空隙Gfが有する静電容量と、空隙を除いたその他の主絶縁層5の静電容量との分圧比によって決定される。本実施の形態にかかる計器用変圧器1のように、主絶縁層5の内部に浮遊電位に設定された導電体層52を設けたことで、偏平形状の空隙Gfが分担する電圧、すなわち空隙Gf内部の電界を以下に示すように低減することができる。その結果、計器用変圧器1の絶縁性能を向上させることが可能となる。
以下、浮遊電位に設定された導電体層52が主絶縁層5内に設置された構造において、主絶縁層5に偏平形状の空隙Gfが生じた場合の空隙Gfの分担電圧の低減効果について定量的に説明する。主絶縁層5の内部に空隙Gfがない場合、図5に示すように、導電体層52の電位は、一次コイル4と導電体層52との間(一次側絶縁層51a)の静電容量Cと、導電体層52と二次コイル3との間(二次側絶縁層51b)の静電容量Cの分圧比によって決定される。
ここで、一次コイル4から導電体層52までの距離(一次側絶縁層51aの厚み)をD、導電体層52から二次コイル3までの距離(二次側絶縁層51bの厚み)をDとする。また、一次コイル4と主絶縁層5との界面部分にかかる電圧、つまり、一次コイル4の一層目(Wa1e〜Wa11−Wb11〜Wb1e)部分に印加される電圧をVとし、一次コイル4と比べて低電圧である二次コイル3は接地されているとする。また、導電体層52の厚みは主絶縁層5の厚みに対して無視できるほど薄いとし、主絶縁層5の厚みはD+Dとする。このとき、導電体層52に誘起される電位Vは、次の式(1)で表すことができる。
Figure 0006519497
次に、主絶縁層5のなかで最も樹脂の含浸不良や剥離が存在しやすい最外周、すなわち高電圧が印加される一次コイル4側に、厚みtの偏平形状の空隙Gfが生じたと想定する。このような偏平形状の空隙Gfが分担する電圧は、図6に示すように、一次コイル4に印加される電圧Vと導電体層52に印加される電圧Vとの電位差(V−V)を、偏平形状の空隙Gfの静電容量C1gと、この空隙Gfと中間電極である導電体層52との間に形成される静電容量C1sとで分圧した値となる。フィルム状の絶縁材料に樹脂が含浸された主絶縁層5の主構造部分の比誘電率をεとすると、空隙Gfが分担する電圧Vは、次の式(2)で表すことができる。
Figure 0006519497
ここで、主絶縁層5の主構造部分の比誘電率εを、フィルム状絶縁材料としてよく用いられるポリエチレンテレフタレートの比誘電率である3.2とする。また、主絶縁層5の厚み(D+D)を5mmとする。そして、主絶縁層5の内部の導電体層52の位置をパラメータとして、導電体層52を主絶縁層5の厚み方向における中央部に設置した構成(D=2.5mm)、一次コイル4から見て1:2の位置に設置した構成(D=1.67mm)、導電体層52を設置しない構成(D=5mm(D=0mm))の空隙Gfが分担する電圧Vを計算した。さらに、比較のために導電体層52を中央部に設置して接地電位に設定した構成での空隙Gfが分担する電圧Vも計算した。なお、偏平形状の空隙Gfの厚みtは300μmとした。
そして、導電体層52を設置しない場合(D=5mm)を構成(A)、導電体層52を中央に配置した場合(D=2.5mm)を構成(B)、導電体層52を1:2の位置に配置した場合(D=1.67mm)を構成(C)、導電体層52を中央に配置し、かつ接地した場合(D=2.5mm)を構成(D)とし、各構成における空隙Gfの分担電圧Vを、構成(A)における分担電圧Vを100%として規格化した値を図7に示す。図7に示すように、主絶縁層5の中央部に浮遊電位に設定された導電体層52を設置した場合(構成(B))の空隙Gfの分担電圧Vは90%であり、10%の低減が期待できる。また、一次コイル4から見て1:2の位置に導電体層52を設けた場合(構成(C))の空隙Gfの分担電圧Vは81%であり、19%の低減が期待できる。一方、主絶縁層5の中央部に導電体層52を設置しても、導電体層52の電位が接地電位に設定された場合(構成(D))の空隙Gfの分担電圧Vは179%に上昇する。
つまり、主絶縁層5の厚み方向の中間部分に、浮遊電位に設定された導電体層52を備えるように構成すれば、主絶縁層5に形成された空隙Gfに生じる電位差を低減して部分放電特性を向上させることができる。とくに、導電体層52を1:2の位置に配置した場合(構成(C):D=1.67)が最も電位差を低減できる。
次に、浮遊電位に設定された導電体層52を主絶縁層5の内部に配置したことによる、計器用変圧器1の放電開始電圧Vが向上する効果について説明する。空隙Gf内部の気圧を便宜上1気圧と仮定すると、偏平形状の空隙gfにおける放電開始電圧Vはパッシェンの法則によって表わすことができる。パッシェンの法則の近似式としては、例えば以下の式(3)が知られている。
Figure 0006519497
式(3)で求めることができる放電開始電圧Vまで、空隙Gfの分担電圧Vを上げることができると仮定し、式(2)において、VをVとしてVについて解くと、式(4)が得られる。
Figure 0006519497
式(3)および式(4)を用いることで、導電体層52を備えた主絶縁層5を用いた計器用変圧器1の放電開始電圧Vを定量的に評価することができる。ここでも、主絶縁層5の主構造部分の比誘電率ε、主絶縁層5の厚みD+D、導電体層52の配置構成例としては、図6に示す構成例と同様の4種について計算した。そして、偏平形状の空隙Gfの厚みtをパラメータとして計器用変圧器1の放電開始電圧Vを計算した。
図8は、構成(A)〜(D)ごとの、変圧器の放電開始電圧V(kV)と空隙Gfの厚みt(mm)との関係を示した特性図、いわゆるパッシェンカーブであり、横軸は厚みt、縦軸は放電開始電圧Vを示す。図8において、各特性曲線の極小値が、構成ごとの理論的に求まる放電開始電圧Vの最小値となる。
図8において、主絶縁層5の内部に導電体層52を設置しない場合(構成(A):破線)の放電開始電圧Vは7.5kVである。一方、主絶縁層5の中央部に導電体層52を設置した場合(構成(B):一点鎖線)の放電開始電圧Vの最小値は8.8kVであり、放電開始電圧は17%上昇する。また、一次コイル4から見て1:2の位置に導電体層52を設けた場合(構成(C):実線)の放電開始電圧の最小値は9.8kVであり、放電開始電圧は30%の上昇が期待できる。一方、導電体層52を接地した構成(D)における放電開始電圧Vの最小値はどの構成よりも1桁以上低下している。
さらに、導電体層52の位置をパラメータとして、放電開始電圧Vの最小値を計算していった。その結果、導電体層52を一次コイル4から見て1:2(D=1.67mm)の位置に配置すれば、放電開始電圧Vの最小値を最も向上させることができることがわかった。また、導電体層52を一次コイル4から見て1:4の位置に配置してもよく、1:1(D=2.5mm)〜1:4(D=1mm)の範囲に調整すれば、効果的に放電開始電圧Vの最小値を向上できることが分かった。また、導電体層52を主絶縁層5の中間部分のうち、中央から一次コイル4までの間に配置すれば、外周側で空隙Gfの発生頻度が高い計器用変圧器1においては、効果的に絶縁性能を向上させることができる。もっとも、導電体層52が浮遊電位であれば、どの位置に配置しても、接地した導電体層を有する場合、あるいは導電体層を有しない場合よりも放電開始電圧Vの最小値を向上できることが分かった。
なお、空隙Gfが一次コイル4側に生じやすいのは、一次コイル4が高圧だからというのではなく、物理的に主絶縁層5の外周側に位置するからであり、その結果、導電体層52の配置の好適な位置が一次コイル4に近い位置となったのである。したがって、同軸上の2つのコイル間の絶縁層に対して導電体層の配置の好適な位置は、上述した「一次コイルから見て」を「外側のコイルから見て」と置き換えて適用すればよい。なお、この考え方は、本実施の形態1に限らず、以降の実施の形態にも適用される。
ここで、端子間に印加される電圧Vtと、一次コイル4と主絶縁層5との界面部分にかかる電圧Vの関係について、一次コイルの形態と巻線の積層数Cwをもとに検討する。図1(c)で説明した一般的な一次コイル4Cでは、主絶縁層5Cとの界面部分、つまり、一次コイル4Cの一層目(W11〜W1e)部分にかかる電圧Vは、交流のため、Vt/Cw〜Vt/(1−1/Cw)の間で変化する。通常、数十層の積層数で巻かれるので、一般的な一次コイル4Cと主絶縁層5Cとの界面部分にかかる電圧VはVtとほぼ同じと考えることができる。
一方、本実施の形態1および以降の実施の形態においては、一次コイル4は、巻き始め部分Wa11とWb11を接続した2つのサブコイル4a、4bを、軸Xc方向に並べて形成したものである。そのため、一次コイル4と主絶縁層5との界面部分、つまり、一次コイル4の一層目(Wa1e〜Wa11−Wb11〜Wb1e)部分にかかる電圧Vは、巻線内の中央部分に位置するので、Vt/2となる。そのため、界面部分にかかる電圧Vは端子9bに印加された電圧Vtの半分になるので、空隙Gfにかかる電圧Vも、一般的な一次コイル4Cを用いたときと比べて半減させることができる。
つまり、分割タイプで構成した一次コイル4と、内部に浮遊電位に設定された導電体層52を有する主絶縁層5を備えるようにすれば、空隙Gfの分担電圧Vを低減し、かつ、放電開始電圧Vの最小値を向上させて絶縁信頼性を確保することができる。
また、導電体層52を、一次コイル4または二次コイル3の電圧に応じた特定の電圧を印加する構成ではなく、他の部分と電気的な導通が行われない浮遊電位とする構成としたので、外部の電源などに接続するための通電用の端子が不要となる。そのため、導電体層52は主絶縁層5の基本構成であるフィルム状の絶縁材料と絶縁性樹脂とにほぼ完全に覆われている。その結果、電界分布の乱れや、局所的な電界集中を引き起こす原因となりうる端子等の配線部材がないため、絶縁性能にとって弱点となる部位を増加させることがなく、機器の信頼性が向上する。
なお、本実施の形態1において、主絶縁層5をフィルム状の絶縁材料およびフィルム状の導電材料を積層または巻き回して構成したが、これに限るものではない。例えば、板状の導電材料を板状の絶縁性樹脂で挟み込んで一体化した構成などであってもよい。
また、導電体層52を構成する導電材料は、必ずしも金属のような導電性の高い材料である必要はなく、低抵抗の半導電材料であってもよい。導電体層52を構成する導電材料に求められる導電率σ(S/m)は、その材料の時定数を考慮した以下の(5)式で算出することができる。
Figure 0006519497
ここで、τは印加電圧の周波数によって決定される導電材料の時定数である。また、εは導電材料の比誘電率であり、εは真空の誘電率である。50Hzの正弦波の電圧が印加される場合には、電圧周期は20msとなり、印加電圧が0からピークになる時間は5msである。導電体層52を構成する導電材料の時定数として、電圧周期(20ms)の1/4である5msをτとする。また、εは半導電性材料の代表的な値として10を用いる。εは真空の誘電率である8.8×10−12F/mである。これらの値を(5)式に代入すると、σ=1.76×10−8(S/m)となる。これら材料の時定数τと誘電率εから算出される導電率σよりも大きい導電率σを持つ材料であれば、導電材料とみなすことができる。
以上の条件を満たす値として、通常の商用周波数の入力に対して、導電体層52を構成する導電材料の導電率σは、1.0×10−8S/m以上であることが好ましい。
以上のように、本発明の実施の形態1にかかる計器用変圧器1によれば、鉄心2と、鉄心2を囲むように配置された二次コイル3と、二次コイル3の同心軸Xc上の外側に配置された一次コイル4と、巻回した絶縁材を主構成部材とし、二次コイル3の外周面と一次コイル4の内周面との間に介在するように配置された主絶縁層5と、鉄心2を挿入するための貫通孔8hを有するとともに、二次コイル3と一次コイル4と主絶縁層5を内包するように絶縁樹脂により形成された筐体8と、を備え、一次コイル4は、2つのサブコイル4a、4bを同心軸Xcの方向に並べ、それぞれの巻き始め部分Wa11、Wb11同士をつないで形成したものであり、主絶縁層5の厚み方向の中間部分には、浮遊電位に設定された導電体層52が配置されているので、空隙Gfの分担電圧Vを低減し、かつ、放電開始電圧Vの最小値を向上させて絶縁性能を向上させ、絶縁信頼性の高い計器用変圧器1を得ることができる。
とくに、導電体層52を、主絶縁層5の厚み方向において、中央(1:1)、または二次コイル3よりも一次コイル4に近い位置に配置すれば、物理的に生じやすくなる一次コイルに近い側の空隙Gf等の欠陥に対し、効果的に分担電圧Vの低減と放電開始電圧Vの最小値を向上させて絶縁性能を向上させることができる。
さらに、導電体層52を、主絶縁層5の厚み方向において、二次コイル3までの距離Dと一次コイル4までの距離Dの比が1:1〜4:1の範囲に配置すれば、より効果的に分担電圧Vの低減と放電開始電圧Vの最小値を向上させて絶縁性能を向上させることができる。
究極的には、導電体層52を、主絶縁層5の厚み方向において、二次コイル3までの距離Dと一次コイル4までの距離Dの比が2:1の位置に配置すれば、最大限に分担電圧Vの低減と放電開始電圧Vの最小値を向上させて絶縁性能を向上させることができる。
実施の形態2.
実施の形態1では、分割した一次コイルと、内部に浮遊電位に設定された導電体層を有し、空隙内部の電界を低減することができる計器用変圧器について説明した。本実施の形態2では、実施の形態1で説明した構成に、空隙の発生自体を抑制する構成を追加したものである。
実施の形態1における計器用変圧器では、偏平形状の空隙が存在した場合でも、その空隙内部の電界を低減することができることを説明した。しかしながら、導電体層となるフィルム状の導電材料に対する絶縁性樹脂の濡れ性に起因する樹脂含浸時の含浸不良や、絶縁性樹脂の線膨張係数とフィルム状の導電材料の線膨張係数との違いにより、導電体層に隣接して偏平形状の空隙が発生しやすくなる。導電体層に隣接して偏平形状の空隙が形成された場合、導電体層の表面は部分放電の発生に必要となる電子の放出が容易なため、絶縁材料だけで覆われた空隙と比較して部分放電が発生するための条件が整いやすい。すなわち、導電体層を設けたことで、その導電体層に隣接して形成された偏平形状の空隙が新たな絶縁弱点(部分放電発生部)となることが懸念される。そこで、本実施の形態2においては、主絶縁層において、導電体層に隣接した偏平形状の空隙の発生を抑制するようにした。
図9は、本実施の形態2にかかる計器用変圧器の構成を説明するためのもので、主絶縁層の軸に垂直な面、つまり、図1(a)のB−B切断面による断面図である。なお、実施の形態1において、絶縁層内の詳細な構造以外の部分の説明に用いた、例えば、図1(a)、図2等は本実施の形態2においても援用する。
本実施の形態2にかかる計器用変圧器1は、図9に示すように、主絶縁層5の内部に設けた浮遊電位に設定された導電体層52に対し、二次コイル3側に隣接するように、多孔性の絶縁材料による層(絶縁多孔層53)を設けるようにしたものである。多孔性の絶縁材料としては、例えばスリットを設けたフィルム状のポリエチレンテレフタレートを用いることができる。そして、この絶縁多孔層53は、主絶縁層5内部に設置されたのち、孔内および導電体層52と絶縁層51(本例では二次側絶縁層51b)との界面部分が絶縁性樹脂で充填される。
具体的には、絶縁層51の材料であるフィルム状の絶縁材料を多層積層もしくは多数回巻回するときに、導電体層52の材料であるフィルム状の導電材料とともに、多孔性の絶縁材料を巻回することで、フィルム状の絶縁材料の層間に挿入できる。そして、その後に絶縁樹脂を含浸させることで、本実施の形態2にかかる計器用変圧器1の主絶縁層5を作製することができる。
主絶縁層5の製造プロセスにおいては、材料を巻回して層構造を形成した後に、液体状の熱硬化性絶縁樹脂を含浸させる。このとき、緻密な材料のみで層構造が形成されている場合は、層間に隙間に発生した閉鎖的な隙間内にまで樹脂を浸潤させることは困難であり、空隙が残ることになる。しかし、本実施の形態2にかかる計器用変圧器1では、導電体層52を形成するフィルム状の導電材料に隣接して多孔性の絶縁材料が挿入されている。そのため、多孔性の絶縁材料の孔が、フィルム状の導電材料表面への液体状の熱硬化性絶縁樹脂の含浸経路として機能することになる。その結果、主絶縁層5において、導電体層52に隣接する部分での偏平形状の空隙Gfの発生を抑制することができる。
なお、本実施の形態2においては、絶縁多孔層53を導電体層52の二次コイル3側に隣接するように設ける例を示したが、これに限ることはない。例えば、導電体層52の一次コイル4側に隣接した位置に設けてもよいし、その両方の位置に設けてもよい。
以上のように、本実施の形態2にかかる計器用変圧器1によれば、巻回した絶縁材によって形成された層(絶縁層51)と導電体層52との間に、多孔性の絶縁層(絶縁多孔層53)が挿入されている。そのため、絶縁多孔層53の孔内が筐体8を形成する際に絶縁性樹脂で充填されるので、導電体層52に隣接した偏平形状の空隙Gfの発生を抑制することができる。つまり、より効果的に絶縁性能を向上させることができる。
実施の形態3.
実施の形態1では、主絶縁層の内部に浮遊電位に設定された導電体層を1つ設けた例を示したが、導電体層の数は単数に限ったことではない。本実施の形態2では、主絶縁層の内部に浮遊電位に設定された導電体層を2つ以上設ける構成の例として、2つ設けたものである。
図10は、本実施の形態3にかかる計器用変圧器の構成を説明するためのもので、主絶縁層の軸に垂直な面、つまり、図1(a)のB−B切断面による断面図である。なお、本実施の形態3においても、実施の形態2と同様に、実施の形態1において絶縁層内の詳細な構造以外の部分の説明に用いた図1(a)、図2等を援用する。
本実施の形態3にかかる計器用変圧器1は、図10に示すように、主絶縁層5の内部に電気的に浮遊した2つの導電体層52(第一導電体層52a、第二導電体層52b)を設けたものである。これらの導電体層52の電位は、一次コイル4や二次コイル3あるいは接地のいずれとも電気的に接続されておらず、電気的に浮遊した浮遊電位に設定されている。また、2つの導電体層52(第一導電体層52a、第二導電体層52b)同士も電気的には接続されていない。
本実施の形態3においても、導電体層52が単数の実施の形態1と同様に、主絶縁層5に形成された空隙Gfに生じる電位差を低減して部分放電特性を向上させることができる。その際、複数ある導電体層のうちの少なくともひとつを実施の形態1で説明したように、一次コイル4から見て1:2の位置に配置すれば、放電開始電圧Vの最小値を最も向上させることができる。また、1:1〜1:4の範囲に調整すれば、発生頻度の高い外周側の空隙Gfに対して、効果的に放電開始電圧Vの最小値を向上できる。
上述した導電体層52を一次コイル4側に近い位置に配置したとき、二次コイル3側で発生した空隙Gfに対しては、一次コイル4側で発生した空隙Gfに対する効果よりも空隙Gfの分担電圧Vgの低減効果は減少する。しかし、本実施の形態3のように、導電体層52を複数層設けることで、主絶縁層5の厚みに対して、内周部や外周部を問わず、どの部位で剥離が生じ、偏平形状の空隙Gfが形成された場合であっても効果的に空隙Gfの分担電圧Vを低減させることができる。つまり、複数の導電体層52の配置を主絶縁層5内の厚み方向で分散させるようにすれば、空隙Gfが、どの位置に発生しても、効果的に絶縁性能を維持することができる。
なお、本実施の形態3においても、実施の形態2と同様に、各導電体層52a、52bのそれぞれに、隣接する絶縁多孔層53を設けるようにしてもよく、空隙Gfの発生を抑制する効果を発揮することができる。
以上のように、本実施の形態3にかかる計器用変圧器1によれば、主絶縁層5には、導電体層(第一導電体層52a)と絶縁され、かつ浮遊電位に設定された第二導電体層52bが配置されているので、様々な位置空隙が生じても、効果的に絶縁性能を維持することができる。
とくに、第二導電体層52bを、主絶縁層5の厚み方向において、一次コイル4よりも二次コイル3に近い位置に配置されているので、一次コイル4側だけでなく、二次コイル3側に生じた空隙に対しても、効果的に絶縁性能を維持することができる。
1:計器用変圧器、 2:鉄心、 3:一次コイル、 4:二次コイル、 4a:第一サブコイル、 4b:第二サブコイル、 5:主絶縁層、 8:筐体、 8h:貫通孔、 8w:仕切り壁、 9a,9b:端子、
51:絶縁層、 52:導電体層、 52a:第一導電体層、 52b:第二導電体層、 53:絶縁多孔層、
Xc:軸。

Claims (4)

  1. 鉄心と、
    前記鉄心を囲むように配置された二次コイルと、
    前記二次コイルと同心の外側に配置された一次コイルと、
    巻回した絶縁材を主構成部材とし、前記二次コイルの外周面と前記一次コイルの内周面との間に介在するように配置された主絶縁層と、
    前記鉄心を挿入するための貫通孔を有するとともに、前記二次コイルと前記一次コイルと前記主絶縁層を内包するように絶縁樹脂により形成された筐体と、を備え、
    前記一次コイルは、2つのサブコイルを前記同心の軸方向に並べ、それぞれの巻き始め部分同士をつないで形成したものであり、
    前記主絶縁層の厚み方向の中間部分には、浮遊電位に設定された単一の導電体層が配置され
    前記単一の導電体層は、前記主絶縁層の厚み方向において、中央、または前記二次コイルよりも前記一次コイルに近い位置に配置されていることを特徴とする計器用変圧器。
  2. 前記導電体層は、前記主絶縁層の厚み方向において、前記二次コイルまでの距離と前記一次コイルまでの距離の比が1:1〜4:1の範囲に配置されていることを特徴とする請求項に記載の計器用変圧器。
  3. 前記導電体層は、前記主絶縁層の厚み方向において、前記二次コイルまでの距離と前記一次コイルまでの距離の比が2:1の位置に配置されていることを特徴とする請求項に記載の計器用変圧器。
  4. 前記巻回した絶縁材によって形成された層と前記導電体層との間に、多孔性の絶縁層が挿入されていることを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の計器用変圧器。
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