JPWO2020050013A1 - 光学材料用組成物及び光学材料 - Google Patents

光学材料用組成物及び光学材料 Download PDF

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Abstract

本発明によれば、下記(a)化合物および/または(b)化合物、ならびに(c)化合物を含む光学材料用組成物を提供することができる。下記(a)化合物および/または(b)化合物の割合が、0.001〜30.0質量%である態様が好ましい。(a)化合物:下記(1)式で表される化合物(b)化合物:下記(2)式で表される化合物(c)化合物:エピスルフィド化合物【化1】【化2】

Description

本発明は、光学材料用組成物等に関し、特に、プラスチックレンズ、プリズム、光ファイバー、情報記録基盤、フィルター等の光学材料、中でもプラスチックレンズに好適である光学材料用組成物等に関する。
プラスチックレンズは軽量かつ靭性に富み、染色も容易である。プラスチックレンズに特に要求される性能は、低比重、高透明性及び低黄色度、光学性能として高屈折率と高アッベ数、高耐熱性、高強度などである。高屈折率はレンズの薄肉化を可能とし、高アッベ数はレンズの色収差を低減する。
近年、高屈折率と高アッベ数を目的として、硫黄原子を有する有機化合物が数多く報告されている。中でも硫黄原子を有するポリエピスルフィド化合物は屈折率とアッベ数のバランスが良いことが知られている(特許文献1)。これらの発明のポリエピスルフィド化合物から得られる光学材料により、屈折率が1.7以上の高屈折率は達成されたが、さらに高屈折率を有する材料が求められ、硫黄、セレン又はテルル原子を含む環状骨格の有機化合物を含有する光学材料用組成物を用いた光学材料が提案され、屈折率1.73以上を達している(特許文献2)。
しかしながら、これら高屈折率を有する光学材料用組成物を用いた光学材料は、モノマーが合成しにくくコスト高であること、硬化後に離型性が不十分であり脱型時にレンズが破損しやすいこと、硬化したレンズの耐熱性になお改善の余地があることが課題となっていた。
特開平09−110979号公報 特開2002−40201号公報
本発明が解決しようとする課題は、これら高屈折率を有する光学材料用組成物を用いた光学材料において、より耐熱性を確保し、離型性を十分とする光学材料用組成物およびそれからなる光学材料を提供することである。
本発明者らはこの課題を解決すべく研究を行った結果、下記(a)化合物および/または(b)化合物と、(c)化合物を含む光学材料用組成物を重合硬化させることで耐熱性を更に改善し、さらに離型性を向上させるといった課題を解決し、本発明に至った。
(a)化合物:下記(1)式で表される化合物
(b)化合物:下記(2)式で表される化合物
(c)化合物:エピスルフィド化合物
Figure 2020050013
Figure 2020050013
本発明によれば、高屈折率を有する光学材料用組成物を用いた光学材料において、安価で、硬化後の離型性を十分とし、硬化した樹脂の耐熱性をより確保する光学材料用組成物およびそれからなる光学材料を提供することが可能となった。
以下、本発明に用いる原料、即ち(a)、(b)、および(c)化合物について詳細に説明する。
本発明で使用する(a)化合物は、下記(1)式で表される化合物である。
Figure 2020050013
前記(a)化合物は、公知の手法で合成して得ることが出来る。一例として、特開平5−279321号公報に記載された手法があげられる。
本発明で使用する(b)化合物は、下記(2)式で表される化合物である。
Figure 2020050013
前記(b)化合物は、(a)化合物を得る途中、もしくは(a)化合物を得た後公知の手法で還元して得ることが出来る。
本発明で使用する(c)エピスルフィド化合物は、すべてのエピスルフィド化合物を包括するが、具体例として鎖状脂肪族骨格、分岐状脂肪族骨格、脂肪族環状骨格、芳香族骨格を有する化合物に分けて列挙する。
鎖状脂肪族骨格を有する化合物としては、下記(3)式で表される化合物が挙げられる。
Figure 2020050013
(ただし、mは0〜4の整数、nは0〜2の整数を表す。)
分岐状脂肪族骨格を有する化合物としては、下記(4)〜(6)式で表される化合物が挙げられる。
Figure 2020050013
Figure 2020050013
Figure 2020050013
脂肪族環状骨格を有する化合物としては、下記(7)式または(8)式で表される化合物が挙げられる。
Figure 2020050013
(p、qはそれぞれ独立して0〜4の整数を表す。)
Figure 2020050013
(p、qはそれぞれ独立して0〜4の整数を表す。)
芳香族骨格を有する化合物としては、下記(9)、(10)または(11)式で表される化合物が挙げられる。
Figure 2020050013
(p、qはそれぞれ独立して0〜4の整数を表す。)
Figure 2020050013
(R、Rはそれぞれ独立して水素原子、メチル基、エチル基、またはフェニル基を表す。)
Figure 2020050013
(p、qはそれぞれ独立して0または1の整数を表す。)
(3)式の化合物の具体例としては、ビス(β−エピチオプロピル)スルフィド(上記(3)式でn=0)、ビス(β−エピチオプロピル)ジスルフィド(上記(3)式でm=0、n=1)、ビス(β−エピチオプロピルチオ)メタン(上記(3)式でm=1、n=1)、1,2−ビス(β−エピチオプロピルチオ)エタン(上記(3)式でm=2、n=1)、1,3−ビス(β−エピチオプロピルチオ)プロパン(上記(3)式でm=3、n=1)、1,4−ビス(β−エピチオプロピルチオ)ブタン(上記(3)式でm=4、n=1)、ビス(β−エピチオプロピルチオエチル)スルフィド(上記(3)式でm=2、n=2)等を挙げることができる。
(7)式の化合物の具体例としては、1,3または1,4−ビス(β−エピチオプロピルチオ)シクロヘキサン(上記(7)式でp=0、q=0)、1,3または1,4−ビス(β−エピチオプロピルチオメチル)シクロヘキサン(上記(7)式でp=1、q=1)等を挙げることができる。
(8)式の化合物の具体例としては、2,5−ビス(β−エピチオプロピルチオ)−1,4−ジチアン(上記(8)式でp=0、q=0)、2,5−ビス(β−エピチオプロピルチオエチルチオメチル)−1,4−ジチアン(上記(8)式でp=1、q=1)、等を挙げることができる。
(9)式の化合物の具体例としては、1,3または1,4−ビス(β−エピチオプロピルチオ)ベンゼン(上記(9)でp=0、q=0)、1,3または1,4−ビス(β−エピチオプロピルチオメチル)ベンゼン(上記(9)式でp=1、q=1)等を挙げることができる。
(10)式の化合物の具体例としては、R、Rがともに水素原子である化合物、ともにメチル基である化合物等を挙げることができる。
(11)式の化合物の具体例としては、上記(11)でp=0、q=0、上記(11)式でp=1、q=1等を挙げることができる。
これらは単独でも、2種類以上を混合して用いてもかまわない。
中でも好ましい化合物は、鎖状脂肪族骨格を有する上記(3)式で表される化合物および分岐状脂肪族骨格を有する上記(4)〜(6)式で表される化合物であり、特に好ましい化合物は、ビス(β−エピチオプロピル)スルフィド(上記(3)式でn=0)、ビス(β−エピチオプロピル)ジスルフィド(上記(3)式でm=0、n=1)、(4)式で表される化合物であり、さらに好ましい化合物は、ビス(β−エピチオプロピル)スルフィド(上記(3)式でn=0)及び(4)式で表される化合物であり、最も好ましい化合物は(4)式で表される化合物である。
以上、本発明で使用される(c)化合物を例示したが、これら例示化合物に限定されるものではない。また、これら(c)化合物は、単独でも2種類以上を混合して使用してもかまわない。
本発明の光学材料用組成物中の(a)化合物および/または(b)化合物の割合は、0.001〜30.0質量%であることが好ましく、より好ましくは0.005〜10.0質量%、特に好ましくは0.01〜5.0質量%である。(a)化合物および/または(b)化合物が0.001質量%を下回ると十分な効果が得られない場合があり、30.0質量%を超えると調合液の粘度が上昇し、レンズ成型がしにくくなる場合がある。
本発明の光学材料用組成物は、必要に応じて(2)式で表される化合物以外のポリチオールを含んでもよい。ポリチオールは、1分子あたりメルカプト基を2つ以上有するチオール化合物である。ポリチオールは本発明の光学材料用組成物から得られる樹脂の加熱時の色調を改善させる効果がある。
本発明において使用されるポリチオールは特に限定されないが、色調改善効果が高いことから、好ましい具体例として、1,2,6,7−テトラメルカプト−4−チアへプタン、メタンジチオール、(スルファニルメチルジスルファニル)メタンチオール、ビス(2−メルカプトエチル)スルフィド、2,5−ビス(メルカプトメチル)−1,4−ジチアン、1,2−ビス(2−メルカプトエチルチオ)−3−メルカプトプロパン、4,8−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン、4,7−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン、5,7−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン、1,1,3,3−テトラキス(メルカプトメチルチオ)プロパン、テトラメルカプトペンタエリスリトール、1,3−ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,4−ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、及びチイランメタンチオールが挙げられ、特にビス(2−メルカプトエチル)スルフィド、1,2,6,7−テトラメルカプト−4−チアへプタン、1,2−ビス(2−メルカプトエチルチオ)−3−メルカプトプロパン、1,3−ビス(メルカプトメチル)ベンゼンが好ましく、ビス(2−メルカプトエチル)スルフィド、1,2,6,7−テトラメルカプト−4−チアへプタンが最も好ましい。これらは市販品や公知の方法により合成した物が使用可能であり、また2種以上を併用することができる。
本発明の光学材料用組成物において、(2)式で表される化合物以外のポリチオールの割合は、組成物総量に対して、好ましくは0〜25質量%(例えば0.1〜25質量%)、より好ましくは0〜20質量%(例えば0.5〜20質量%)であり、さらに好ましくは0〜10質量%(例えば0.5〜10質量%)であり、特に好ましくは0〜5質量%(例えば0.5〜5質量%)である。
本発明の光学材料用組成物は、必要に応じて硫黄および/または1,2,3,5,6−ペンタチエパン(レンチオニン)を含んでもよい。硫黄および/または1,2,3,5,6−ペンタチエパンは、本発明の光学材料用組成物から得られる光学材料(樹脂)の屈折率を向上させる効果がある。
本発明で用いる硫黄の形状はいかなる形状でもかまわない。具体的には、硫黄としては、微粉硫黄、コロイド硫黄、沈降硫黄、結晶硫黄、昇華硫黄等が挙げられ、溶解速度の観点から好ましくは、粒子の細かい微粉硫黄である。
本発明に用いる硫黄の粒径(直径)は10メッシュより小さいことが好ましい。硫黄の粒径が10メッシュより大きい場合、硫黄が完全に溶解しにくい。硫黄の粒径は、30メッシュより小さいことがより好ましく、60メッシュより小さいことが最も好ましい。
本発明に用いる硫黄の純度は、好ましくは98%以上であり、より好ましくは99.0%以上であり、さらに好ましくは99.5%以上であり、最も好ましくは99.9%以上である。硫黄の純度が98%以上であると、98%未満である場合に比べて、得られる光学材料の色調がより改善する。
上記条件を満たす硫黄は、市販品を容易に入手可能であり、好適に用いることができる。
1,2,3,5,6−ペンタチエパンの入手方法は特に制限されない。市販品を用いてもよく、原油や動植物等の天然物から採取抽出しても、また公知の方法で合成してもかまわない。
合成法の一例としては、N. Takeda等,Bull.Chem.Soc.Jpn.,68,2757(1995)、F.Feherら,Angew.Chem.Int.Ed.,7,301(1968)、G.W.Kutneyら,Can.J.Chem,58,1233(1980)等に記載の方法が挙げられる
本発明の光学材料用組成物において、硫黄および/または1,2,3,5,6−ペンタチエパンの割合は、組成物総量に対して、好ましくは0〜40質量%(例えば1〜40質量%)であり、より好ましくは0〜30質量%(例えば5〜30質量%、10〜30質量%)、更に好ましくは0〜25質量%(例えば5〜25質量%)であり、特に好ましくは0〜20質量%(例えば5〜20質量%)である。
本発明の光学材料用組成物を重合硬化して光学材料を得るに際して、重合触媒を添加することが好ましい。重合触媒としてはアミン、ホスフィン、オニウム塩などが用いられるが、特にオニウム塩、中でも第4級アンモニウム塩、第4級ホスホニウム塩、第3級スルホニウム塩、第2級ヨードニウム塩が好ましく、中でも光学材料用組成物との相溶性の良好な第4級アンモニウム塩および第4級ホスホニウム塩がより好ましく、第4級ホスホニウム塩がさらに好ましい。より好ましい重合触媒としては、テトラ−n−ブチルアンモニウムブロマイド、トリエチルベンジルアンモニウムクロライド、セチルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、1−n−ドデシルピリジニウムクロライド等の第4級アンモニウム塩、テトラ−n−ブチルホスホニウムブロマイド、テトラフェニルホスホニウムブロマイド等の第4級ホスホニウム塩が挙げられる。これらの中で、さらに好ましい重合触媒は、テトラ−n−ブチルアンモニウムブロマイド、トリエチルベンジルアンモニウムクロライド、テトラ−n−ブチルホスホニウムブロマイドである。
重合触媒の添加量は、組成物の成分、混合比および重合硬化方法によって変化するため一概には決められないが、通常は光学材料用組成物の合計100質量部に対して、0.0001〜10質量部、好ましくは0.001〜5質量部、より好ましくは0.01〜1質量部、最も好ましくは0.01〜0.5質量部である。重合触媒の添加量が10質量部より多いと急速に重合する場合がある。また、重合触媒の添加量が0.0001質量部より少ないと光学材料用組成物が十分に硬化せず耐熱性が不良となる場合がある。
また、本発明の製造方法で光学材料を製造する際、光学材料用組成物に紫外線吸収剤、ブルーイング剤、顔料等の添加剤を加え、得られる光学材料の実用性をより向上せしめることはもちろん可能である。
紫外線吸収剤の好ましい例としてはベンゾトリアゾール系化合物であり、特に好ましい化合物は、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、5−クロロ−2−(3,5−ジ−tert−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−4−エトキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−4−ブトキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−4−オクチロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−t−オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾールである。
これら紫外線吸収剤の添加量は、通常、光学材料用組成物の合計100質量部に対して0.01〜5質量部である。
光学材料用組成物を重合硬化させる際に、ポットライフの延長や重合発熱の分散化などを目的として、必要に応じて重合調整剤を添加することができる。重合調整剤は、長期周期律表における第13〜16族のハロゲン化物を挙げることができる。これらのうち好ましいものは、ケイ素、ゲルマニウム、スズ、アンチモンのハロゲン化物であり、より好ましいものはアルキル基を有するゲルマニウム、スズ、アンチモンの塩化物である。さらに好ましい化合物は、ジブチルスズジクロライド、ブチルスズトリクロライド、ジオクチルスズジクロライド、オクチルスズトリクロライド、ジブチルジクロロゲルマニウム、ブチルトリクロロゲルマニウム、ジフェニルジクロロゲルマニウム、フェニルトリクロロゲルマニウム、トリフェニルアンチモンジクロライドであり、最も好ましい化合物は、ジブチルスズジクロライドである。重合調整剤は単独でも2種類以上を混合して使用してもかまわない。
重合調整剤の添加量は、光学材料用組成物の総計100質量部に対して、0.0001〜5.0質量部であり、好ましくは0.0005〜3.0質量部であり、より好ましくは0.001〜2.0質量部である。重合調整剤の添加量が0.0001質量部よりも少ない場合、得られる光学材料において充分なポットライフが確保できず、重合調整剤の添加量が5.0質量部よりも多い場合は、光学材料用組成物が充分に硬化せず、得られる光学材料の耐熱性が低下する場合がある。
このようにして得られた光学材料用組成物はモールド等の型に注型し、重合させて光学材料とする。
本発明の光学材料用組成物の注型に際し、0.1〜5μm程度の孔径のフィルター等で不純物を濾過し除去することは、本発明の光学材料の品質を高める上からも好ましい。
本発明の光学材料用組成物の重合は通常、以下のようにして行われる。即ち、硬化時間は通常1〜100時間であり、硬化温度は通常−10℃〜140℃である。重合は所定の重合温度で所定時間保持する工程、0.1℃〜100℃/hの昇温を行う工程、0.1℃〜100℃/hの降温を行う工程によって、又はこれらの工程を組み合わせて行う。
また、硬化終了後、得られた光学材料を50〜150℃の温度で10分〜5時間程度アニール処理を行うことは、本発明の光学材料の歪を除くために好ましい処理である。さらに得られた光学材料に対して、必要に応じて染色、ハードコート、耐衝撃性コート、反射防止、防曇性付与等の表面処理を行ってもよい。
本発明の光学材料は光学レンズとして好適に用いることができる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、評価は以下の方法で行った。
[離型性]
直径70mm、中心厚1.0mmの−4Dレンズを10枚作製し、離型性を評価した。10枚とも離型出来たものをA、9枚離型出来たものをB、8枚離型出来たものをC、7枚以下をDとした。B以上が合格レベルである。
[光学材料の耐熱性(Tg)測定]
サンプルを厚さ3mmに切り出し、0.5mmφのピンに10gの加重を与え、30℃から10℃/分で昇温してTMA測定(セイコーインスツルメンツ製、TMA/SS6100)を行い、軟化点を測定した。70℃以上をA、50℃以上70℃未満をB、50℃未満をCとした。B以上が合格レベルである。
合成例1
特開平5−279321号公報記載の手法により、(a)化合物を得た。ついで(a)化合物15gをトルエン100ml、メタノール150mlの混合溶媒に溶解した。次いで、5℃で攪拌しながら水素化ホウ素ナトリウム2.8gを添加した。1時間攪拌した後、水150mlを加えトルエン層を抽出した。その後水洗し、トルエンを留去した後、シリカゲルカラムで精製し(b)化合物を4.5g得た。
実施例1
(c)化合物としてテトラキス(β−エピチオプロピルチオメチル)メタン((4)式で表される化合物)99.999質量部に、合成例1で合成した(a)化合物0.001質量部、重合触媒としてテトラ−n−ブチルホスホニウムブロマイド0.05質量部を添加後、よく混合し均一とした。ついで1.3kPaの真空度で脱気を行い、モールドへ注入し、30℃で10時間加熱し、100℃まで10時間かけて一定速度で昇温させ、最後に100℃で1時間加熱し、重合硬化させた。放冷後、モールドから離型し、120℃で30分アニール処理して成型板を得た。離型性、耐熱性の評価結果を表1に示す。
実施例2〜8、比較例1、2
表1に示す組成とした以外は実施例1と同様に行った。評価結果を表1に示す。
Figure 2020050013
実施例9
(c)化合物としてビス(β−エピチオプロピル)スルフィド((3)式で表される化合物でn=0)99.999質量部に、合成例1で合成した(a)化合物0.001質量部、重合触媒としてテトラ−n−ブチルホスホニウムブロマイド0.05質量部を添加後、よく混合し均一とした。ついで1.3kPaの真空度で脱気を行い、モールドへ注入し、30℃で10時間加熱し、100℃まで10時間かけて一定速度で昇温させ、最後に100℃で1時間加熱し、重合硬化させた。放冷後、モールドから離型し、120℃で30分アニール処理して成型板を得た。離型性、耐熱性の評価結果を表2に示す。
実施例10〜16、比較例3、4
表2に示す組成とした以外は実施例9と同様に行った。評価結果を表2に示す。
Figure 2020050013

Claims (5)

  1. 下記(a)化合物および/または(b)化合物、ならびに(c)化合物を含む光学材料用組成物。
    (a)化合物:下記(1)式で表される化合物
    (b)化合物:下記(2)式で表される化合物
    (c)化合物:エピスルフィド化合物
    Figure 2020050013
    Figure 2020050013
  2. (a)化合物および/または(b)化合物の割合が、0.001〜30.0質量%である請求項1記載の光学材料用組成物。
  3. 請求項1または2記載の光学材料用組成物に、重合触媒を光学材料用組成物100質量部に対して0.0001質量部〜10質量部添加し、重合硬化する光学材料の製造方法。
  4. 請求項3に記載の製造方法で得られる光学材料。
  5. 請求項4に記載の光学材料からなる光学レンズ。

JP2020541118A 2018-09-07 2019-08-21 光学材料用組成物及び光学材料 Active JP7367683B2 (ja)

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