JP2017114972A - 光学材料用組成物及び光学材料 - Google Patents

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陽介 今川
山本 良亮
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良亮 山本
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Hiroshi Horikoshi
裕 堀越
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  • Polymers With Sulfur, Phosphorus Or Metals In The Main Chain (AREA)

Abstract

【課題】本発明が解決しようとする課題は、これら高屈折率を有する光学材料用組成物を用いた光学材料において、外観上無色透明で、優れた光学性能を有する光学材料を提供することである。【解決手段】式(1)で表される環状化合物(A)、エピスルフィド化合物(B)、硫黄(C)、及びブルーイング剤(D)を含有する光学材料用組成物。【化1】(1)(式中、XはS、Se又はTeを表す。a〜f=0〜3、8≧(a+c+e)≧1、8≧(b+d+f)≧2、及び(b+d+f)≧(a+c+e)である。)【選択図】なし

Description

本発明は、材料プラスチックレンズ、プリズム、光ファイバー、情報記録基盤、フィルター等の光学材料、中でもプラスチックレンズに好適な光学材料用組成物等に関する。
プラスチックレンズは軽量かつ靭性に富み、染色も容易である。近年、高屈折率と高アッベ数を目的として、硫黄原子を有する有機化合物が数多く報告されている。
中でも硫黄原子を有するポリエピスルフィド化合物は屈折率とアッベ数のバランスが良いことが知られている(特許文献1)。
これらの発明のポリエピスルフィド化合物から得られる光学材料により、屈折率が1.7以上の高屈折率は達成されたが、更に高屈折率を有する材料が求められ、硫黄、セレン又はテルル原子を含む環状骨格の有機化合物を含有する光学材料用組成物を用いた光学材料が提案され、屈折率1.73以上を達している(特許文献2)。
しかしながら、これらの光学材料には着色の問題があり、より黄色度YIが低い光学材料が求められている。
特開平09−110979号公報 特開2002−040201号公報
本発明が解決しようとする課題は、これら高屈折率を有する光学材料用組成物を用いた光学材料において、外観上無色透明で、優れた光学性能を有する光学材料を提供することである。
本発明者等はこの課題を解決すべく研究を行った結果、式(1)で表される環状化合物(A)、エピスルフィド化合物(B)、硫黄(C)、及びブルーイング剤(D)を含有する特定の組成物を重合硬化させることで、外観上無色透明で、優れた光学性能を有する光学材料が得られることを見出し本発明に至った。

すなわち、本発明は以下の通りである。
[1] 式(1)で表される環状化合物(A)、エピスルフィド化合物(B)、硫黄(C)、及びブルーイング剤(D)を含有する光学材料用組成物。
(1)
(式中、XはS、Se又はTeを表す。a〜f=0〜3、8≧(a+c+e)≧1、8≧(b+d+f)≧2、及び(b+d+f)≧(a+c+e)である。)
[2] 前記ブルーイング剤(D)がアントラキノン系化合物又はアントラピリドン系化合物である[1]に記載の光学材料用組成物。
[3] 前記環状化合物(A)が1,2−ジチエタン、トリチエタン、1,2−ジチオラン、1,2,3−トリチオラン、1,2,4−トリチオラン、テトラチオラン、1,2−ジチアン、1,2,3−トリチアン、1,2,4−トリチアン、1,3,5−トリチアン、1,2,3,4−テトラチアン、1,2,4,5−テトラチアン、ペンタチアン、1,2,3−トリチエパン、1,2,4−トリチエパン、1,2,5−トリチエパン、1,2,3,4−テトラチエパン、1,2,3,5−テトラチエパン、1,2,4,5−テトラチエパン、1,2,4,6−テトラチエパン、1,2,3,4,5−ペンタチエパン、1,2,3,4,6−ペンタチエパン、1,2,3,5,6−ペンタチエパン、及びヘキサチエパンからなる群より選ばれる少なくとも1種以上である[1]又は[2]に記載の光学材料用組成物。
[4] エピスルフィド化合物(B)が、式(2)で表される化合物である[1]〜[3]のいずれかに記載の光学材料用組成物。
(2)
(式中、mは0〜4の整数、nは0〜2の整数を示す。)
[5] 環状化合物(A)の割合が1〜90質量%、エピスルフィド化合物(B)の割合が20〜90質量%、硫黄(C)の割合が0〜39質量%、かつブルーイング剤(D)の割合が0.000001〜0.5質量%である[1]〜[4]のいずれかに記載の光学材料用組成物。
[6] [1]〜[5]に記載の光学材料用組成物を硬化した光学材料。
本発明の光学材料用組成物を用いた光学材料は、高屈折率かつ外観上無色透明であり、高性能な光学材料を提供することが可能となった。
[環状化合物(A)]
本発明で使用する環状化合物(A)は、下記式(1)で表される構造を有する。
(1)
(式中、XはS、Se又はTeを表す。a〜f=0〜3、8≧(a+c+e)≧1、8≧(b+d+f)≧2、及び(b+d+f)≧(a+c+e)である。)
前記(A)化合物の、式(1)中のXは、S、Se又はTeであり、入手性、毒性の観点から好ましくはS又はSeであり、より好ましくはSである。
a〜f=0〜3であり、8≧(a+c+e)≧1、8≧(b+d+f)≧2である。入手が容易であり、高屈折率となる組成物であることから好ましくは、8≧(a+c+e)≧1、7≧(b+d+f)≧2であり、より好ましくは5≧(a+c+e)≧1、7≧(b+d+f)≧2である。更に好ましいものは、(b+d+f)≧(a+c+e)の関係も満たす化合物である。
また、高屈折率を得るために、環状化合物(A)中のS、Se及びTeの合計が、50質量%以上であることが好ましい。
環状化合物(A)の具体例としては次のものが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
ジチイラン、1,2−ジチエタン、1,3−ジチエタン、トリチエタン、1,2−ジチオラン、1,3−ジチオラン、1,2,3−トリチオラン、1,2,4−トリチオラン、テトラチオラン、1,2−ジチアン、1,3−ジチアン、1,4−ジチアン、1,2,3−トリチアン、1,2,4−トリチアン、1,3,5−トリチアン、1,2,3,4−テトラチアン、1,2,4,5−テトラチアン、ビス(1,2,3,5,6−ペンタチエパノ)メタン、トリス(1,2,3,5,6−ペンタチエパノ)メタン、1,2−ジチエパン、1,3−ジチエパン、1,4−ジチエパン、1,2,3−トリチエパン、1,2,4−トリチエパン、1,2,5−トリチエパン、1,3,5−トリチエパン、1,2,3,4−テトラチエパン、1,2,3,5−テトラチエパン、1,2,4,5−テトラチエパン、1,2,4,6−テトラチエパン、1,2,3,4,5−ペンタチエパン、1,2,3,4,6−ペンタチエパン、1,2,3,5,6−ペンタチエパン、ヘキサチエパン、ジセレシクロブタン、トリセレシクロブタン、ジセレシクロペンタン、トリセレシクロペンタン、テトラセレシクロペンタン、ジセレシクロヘキサン、トリセレシクロヘキサン、テトラセレシクロヘキサン、ペンタセレシクロヘキサン、ジセレシクロヘプタン、トリセレシクロヘプタン、テトラセレシクロヘプタン、ペンタセレシクロヘプタン、ヘキサセレシクロヘプタン、ジテルロシクロブタン、トリテルロシクロブタン、ジテルロシクロペンタン、トリテルロシクロペンタン、テトラテルロシクロペンタン、ジテルロシクロヘキサン、トリテルロシクロヘキサン、テトラテルロシクロヘキサン、ペンタテルロシクロヘキサン、ジテルロシクロヘプタン、トリテルロシクロヘプタン、テトラテルロシクロヘプタン、ペンタテルロシクロヘプタン、ヘキサテルロシクロヘプタン、及びこれらの環状骨格構造を有する誘導体(水素原子のかわりに種々の置換基に変換された化合物)が挙げられる。
好ましい環状化合物(A)の具体例は、入手や合成が容易であり、高屈折率となる組成物であることから、1,2−ジチエタン、トリチエタン、1,2−ジチオラン、1,2,3−トリチオラン、1,2,4−トリチオラン、テトラチオラン、1,2−ジチアン、1,2,3−トリチアン、1,2,4−トリチアン、1,3,5−トリチアン、1,2,3,4−テトラチアン、1,2,4,5−テトラチアン、ペンタチアン、1,2,3−トリチエパン、1,2,4−トリチエパン、1,2,5−トリチエパン、1,2,3,4−テトラチエパン、1,2,3,5−テトラチエパン、1,2,4,5−テトラチエパン、1,2,4,6−テトラチエパン、1,2,3,4,5−ペンタチエパン、1,2,3,4,6−ペンタチエパン、1,2,3,5,6−ペンタチエパン、ヘキサチエパン、及びこれらの環状骨格構造を有する誘導体(水素原子のかわりに種々の置換基がついた)であり、特に好ましくは1,2,4,5−テトラチアン、1,2,3,5,6−ペンタチエパンである。
環状化合物(A)の入手方法は特に制限されない。市販品を用いてもよく、原油や動植物等の天然物から採取抽出しても、又公知の方法で合成してもかまわない。
合成法の一例としては、N.Takeda等,Bull.Chem.Soc.Jpn.,68,2757(1995)、F.Feherら,Angew.Chem.Int.Ed.,7,301(1968)、G.W.Kutneyら,Can.J.Chem,58,1233(1980)が挙げられる。
光学材料用組成物100質量%中の環状化合物(A)の割合は、1〜90質量%であり、好ましくは5〜80質量%である。
環状化合物(A)が1質量%以下であると、屈折率向上の効果がほとんどなく、90質量%以上であると重合が不十分となる。
[エピスルフィド化合物(B)]
本発明で使用するエピスルフィド化合物(B)は、すべてのエピスルフィド化合物を包含し、単独でも、2種類以上を混合して用いてもかまわない。
以下エピスルフィド化合物(B)の具体例として鎖状脂肪族骨格、脂肪族環状骨格、及び芳香族骨格を有する化合物に分けて列挙するがこれらに限定されるものではない。
鎖状脂肪族骨格を有する化合物としては、下記式(2)で表される化合物が挙げられる。
(2)
(ただし、mは0〜4の整数、nは0〜2の整数を表す。)
具体例としては、ビス(β−エピチオプロピル)スルフィド(上記(2)式でn=0)、ビス(β−エピチオプロピル)ジスルフィド(上記(2)式でm=0、n=1)、ビス(β−エピチオプロピルチオ)メタン(上記(2)式でm=1、n=1)、1,2−ビス(β−エピチオプロピルチオ)エタン(上記(2)式でm=2、n=1)、1,3−ビス(β−エピチオプロピルチオ)プロパン(上記(2)式でm=3、n=1)、1,4−ビス(β−エピチオプロピルチオ)ブタン(上記(2)式でm=4、n=1)、ビス(β−エピチオプロピルチオエチル)スルフィド(上記(2)式でm=2、n=2)を挙げることができる。
脂肪族環状骨格を有する化合物としては、下記式(3)式又は(4)で表される化合物が挙げられる。
(3)
(p、qはそれぞれ独立して0〜4の整数を表す。)
具体例としては、1,3及び1,4−ビス(β−エピチオプロピルチオ)シクロヘキサン(上記(3)式でp=0、q=0)、1,3及び1,4−ビス(β−エピチオプロピルチオメチル)シクロヘキサン(上記(3)式でp=1、q=1)を挙げることができる。
(4)
(p、qはそれぞれ独立して0〜4の整数を表す。)
具体例としては、2,5−ビス(β−エピチオプロピルチオ)−1,4−ジチアン(上記(4)式でp=0、q=0)、2,5−ビス(β−エピチオプロピルチオエチルチオメチル)−1,4−ジチアン(上記(4)式でp=1、q=1)、を挙げることができる。
芳香族骨格を有する化合物としては、下記式(5)、(6)又は(7)で表される化合物が挙げられる。
(5)
(p、qはそれぞれ独立して0〜4の整数を表す。)
具体例としては、1,3及び1,4−ビス(β−エピチオプロピルチオ)ベンゼン(上記(5)でp=0、q=0)、1,3及び1,4−ビス(β−エピチオプロピルチオメチル)ベンゼン(上記(5)式でp=1、q=1)を挙げることができる。

(6)
(R、Rはそれぞれ独立してH、Me、Et、Phを表す。)
具体例としては、R、RがともにHであるビスフェノールF型エピスルフィド化合物、及び、ともにMeであるビスフェノールA型エピスルフィド化合物を挙げることができる。
(7)
(p、qはそれぞれ独立して0又は1の整数を表す。)
入手性の観点から、好ましいエピスルフィド化合物(B)は、鎖状脂肪族骨格を有する上記(2)式で表される化合物であり、特に好ましい化合物は、ビス(β−エピチオプロピル)スルフィド(上記(1)式でn=0)、ビス(β−エピチオプロピル)ジスルフィド(上記(1)式でm=0、n=1)である。
エピスルフィド化合物(B)の入手方法は特に制限されない。市販品を用いてもよく、公知の方法で合成してもかまわない。例えばビス(β−エピチオプロピル)スルフィド(上記(1)式でn=0)は公知技術(特許公報3491660号)に従い、合成することが可能である。
光学材料用組成物100質量%中のエピスルフィド化合物(B)の割合は、20〜90質量%であり、好ましくは20〜70質量%である。
エピスルフィド化合物が20質量%以下であると、環状化合物(A)との反応が不十分となるからである。
[硫黄(C)]
本発明で使用する硫黄(C)は、S8硫黄を単位構造とする硫黄の単体を意味し、市販品を容易に入手することが出来る。
光学材料用組成物中の硫黄(C)の割合は、0〜39質量%であり、好ましくは5〜35%であり、特に好ましくは10〜30質量%である。
硫黄が39質量%を超える場合は硫黄(C)が反応しきらず固体が析出する。
硫黄(C)は光学材料用組成物として、そのまま混合してもよいが効率的に光学材料を得るためにあらかじめエピスルフィド化合物(B)と硫黄(C)を予備的に反応させておくことが好ましい。
予備的な反応を行う場合、その条件は、−10℃〜120℃で0.1〜240時間、好ましくは0〜100℃で0.1〜120時間、特に好ましくは20〜80℃で0.1〜60時間である。
また、予備的な反応を進行させる際は予備反応用の触媒を用いることができ、効果的である。
予備反応用の触媒の例としては、2−メルカプト−1−メチルイミダゾール、トリフェニルホスフィン、3,5−ジメチルピラゾール、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフィンアミド、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、1,2,3−トリフェニルグアニジン、1,3−ジフェニルグアジニン、1,1,3,3−テトラメチレングアニジン、アミノグアニジン尿素、トリメチルチオ尿素、テトラエチルチオ尿素、ジメチルエチルチオ尿素、ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジベンジルジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、ピペコリルジチオカルバミン酸ピペコリウムが挙げられる。
硫黄(C)の固体析出を抑制するためにもこの予備的な重合反応により硫黄(C)を10%以上(反応前の全硫黄を100%とする)消費させておくことが好ましく、20%以上消費させておくことがより好ましい。
予備的な反応は、大気、窒素等の不活性ガス下、常圧もしくは加減圧による密閉下等、任意の雰囲気下で行ってよい。なお、予備的な反応の進行度を検知するために液体クロマトグラフィーや屈折率計を用いることも可能である。
[ブルーイング剤(D)]
本発明に使用されるブルーイング剤は、無機または有機顔料であり、光学材料用組成物に均一に溶解もしくは分散するものが好ましい。より好ましくは光学材料用組成物に均一に溶解する有機顔料である。
ブルーイング剤の具体例としては、例えばポリオレフィン等衛生協議会編「ポリオレフィン等合成樹脂製食品容器包装等に関する自主規制基準」第2部ポジティブリスト色彩(第7版、1998年)に記載のものが挙げられる。ブルーイング剤は単独でも2種類以上を混合して使用してもかまわない。また、ブルーイング剤としては、通常、青系、紫系、緑系の顔料が用いられる。
さらに、必要に応じて赤系、橙系、茶系等の顔料を混合することによって、調色することが出来る。赤系、橙系、茶系等の顔料として、アゾ系化合物、アントラキノン系化合物、アントラピリドン系化合物、キナクリドン系化合物、ペリレン系化合物等が挙げられるが、特に好ましくはアントラキノン系赤色化合物、アントラキノン系橙色化合物、またはアントラキノン系茶色化合物である。
ブルーイング剤の添加量は、ブルーイング剤の種類、モノマーの種類、紫外線吸収剤や酸化防止剤等の添加剤の種類と量、重合温度や時間等によって異なるが、一般には光学材料用組成物100質量%中0.000001〜0.5質量%であり、好ましくは0.00001〜0.1質量%である。0.000001質量%より少ないとブルーイング剤の添加効果が発現せず、一方0.5質量%を超えると重合硬化後の樹脂の色が青〜黒色となり好ましくない。
調色のために必要に応じて添加する赤系、橙系、茶系等の顔料の添加量は光学材料用組成物100質量%に対して0.000001〜0.1質量%である。
本発明における光学材料用組成物は環状化合物(A)、エピスルフィド化合物(B)、硫黄(C)、ブルーイング剤(D)及び、必要に応じて添加される化合物を混合することにより調整される。
また、本発明において光学材料の色相を良好にすることを目的として光学材料用組成物にチオール化合物を添加することができる。
本発明で用いられるチオール化合物は、すべてのチオール化合物を包含する。
入手性の観点から好ましいチオール化合物の具体例として、ビス(2−メルカプトエチル)スルフィド、2,5−ビス(メルカプトメチル)−1,4−ジチアン、1,2−ビス(2−メルカプトエチルチオ)−3−メルカプトプロパン、4、8−ジメルカプトメチル−1、11−ジメルカプト−3、6、9−トリチアウンデカン、4、7−ジメルカプトメチル−1、11−ジメルカプト−3、6、9−トリチアウンデカン、5、7−ジメルカプトメチル−1、11−ジメルカプト−3、6、9−トリチアウンデカン、1、1、3、3−テトラキス(メルカプトメチルチオ)プロパン、1,3−ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,4−ビス(メルカプトメチル)ベンゼンであり、特に好ましいチオール化合物はビス(2−メルカプトエチル)スルフィド、2,5−ビス(メルカプトメチル)−1,4−ジチアン、1,2−ビス(2−メルカプトエチルチオ)−3−メルカプトプロパン、4、8−ジメルカプトメチル−1、11−ジメルカプト−3、6、9−トリチアウンデカン、4、7−ジメルカプトメチル−1、11−ジメルカプト−3、6、9−トリチアウンデカン、5、7−ジメルカプトメチル−1、11−ジメルカプト−3、6、9−トリチアウンデカン、及び1,3−ビス(メルカプトメチル)ベンゼンが挙げられる。
本発明においてチオール化合物の添加量は光学材料用組成物100質量%に対し、0.1〜15質量%、好ましくは0.5〜12質量%であり、特に好ましくは1〜10質量%である。0.1質量%未満の場合は色調が悪化する場合があり、10質量%を超える場合はレンズ表面が荒れる場合があるためである。
光学材料用組成物の硬化の際に使用する硬化触媒としては、アミン類、ホスフィン類、第4級アンモニウム塩類、第4級ホスホニウム塩類、第3級スルホニウム塩類、第2級ヨードニウム塩類、鉱酸類、ルイス酸類、有機酸類、ケイ酸類、四フッ化ホウ酸類、過酸化物、アゾ化系合物、アルデヒドとアンモニア系化合物の縮合物、グアニジン類、チオ尿素類、チアゾール類、スルフェンアミド類、チウラム類、ジチオカルバミン酸塩類、キサントゲン酸塩類、及び酸性リン酸エステル類を挙げることができる。好ましくはアミン類、ホスフィン類、第4級アンモニウム塩類、及び第4級ホスホニウム塩類であり、好ましくは、第4級アンモニウム塩類、第4級ホスホニウム塩類である。
本発明で使用する硬化触媒の添加量は、光学材料用組成物100質量%に対して、0.0001〜10.0質量%であり、好ましくは0.0005〜5.0質量%である。重合触媒の添加量が5質量%より多いと硬化物の屈折率、耐熱性が低下し、着色する場合がある。また、0.001質量%より少ないと十分に硬化せず耐熱性が不十分となる場合がある。
本発明において光学材料の製造方法の具体例を以下に示す。
環状化合物(A)、エピスルフィド化合物(B)、硫黄(C)及びブルーイング剤(D)、必要に応じてチオール化合物を硬化触媒存在下、混合して均一に調整して光学材料用組成物とした後、これをガラスや金属製の型に注入し、加熱によって重合硬化反応を進めた後、型から外して製造される。
なお、光学材料用組成物の成分の一部又は全部を注型前に予備反応用の触媒の存在下又は非存在下、撹拌下又は非撹拌下で−100〜160℃で、0.1〜480時間かけて予備的に重合せしめた後、光学材料用組成物を調製して注型を行う事も可能である。
特に、光学材料用組成物中の化合物に固体成分が含まれ、ハンドリングが容易でない場合はこの予備的な重合が効果的である。この予備的な重合条件は、好ましくは−10〜120℃で0.1〜240時間、より好ましくは0〜100℃で0.1〜120時間で実施する。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明の効果を奏する限りにおいて実施形態を変更することが出来る。
なお、得られたレンズの評価は以下の方法で行った。
[光学材料の屈折率]
光学材料の屈折率、アッベ数はデジタル精密屈折率計(株式会社島津製作所製、KPR−200)を用い、25℃でのe線での屈折率を測定した。
[YI値の測定]
オールインワン・反射・透過・粉体・分光測色計JS555(株式会社カラーテクノシステム製)を用い、25℃でのYI値を測定した。
[合成例1]
1,2,3,5,6−ペンタチエパンを文献(H.C.Hansenら,Tetrahedron,41,5145(1985))記載の方法に準じて、以下の手順で合成した。
窒素気流下、攪拌機、滴下ロート及び温度計を装着した反応フラスコで、ナトリウムジスルフィド1.33mol(146.6g)とエタノール1000mlを混合した。そこへ、二硫化炭素1.35mol(102.8g)のエタノール1000ml溶液を氷浴を用いて35〜40℃に保ちながら20分かけて滴下し、この温度で2時間攪拌した。
反応液が赤橙色の懸濁液となったことを確認した後、ジヨードメタン1.50mol(409.5g)を20分かけて滴下し、更に2時間攪拌して反応液が淡黄色の懸濁液となったことを確認し、反応を終了した。
反応後、ジエチルエーテルで抽出を行い、水洗し、溶媒を留去して黄色液状の生成物を得た。この生成物をヘキサンを溶離溶媒としたシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、10.6gの固体生成物を得た。
生成物は、融点(61〜62℃)、質量分析、NMR分析及びIR分析結果から1,2,3,5,6−ペンタチエパンであることを確認した。
[実施例1]
環状化合物として、1,2,3,5,6−ペンタチエパン22.5質量%エピスルフィド化合物としてビス(β−エピチオプロピル)スルフィド52.5質量%、及び硫黄25質量%と、これらの合計100質量%に対し、ブルーイング剤であるDiaresin Blue G(三菱化学製、以降Blue G)を0.01質量%及びSumiplast Red HL 5B(住化ケムテックス製、以降RedHL5B)を0.0025質量%、硬化触媒としてテトラブチルアンモニウムブロマイド0.2質量%を加えて60℃で撹拌し混合後均一液とした。次にこれを0.5μmのPTFEフィルターで濾過し、直径70mm、中心厚1.0mmの−4Dレンズ用モールドに注入し、オーブン中で30℃から22時間かけて120℃に昇温し重合硬化させてレンズを製造した。得られたレンズの屈折率およびYI値を表1に示した。
[実施例2]
表1に示す組成である以外は実施例1と同様に行った。レンズの屈折率、YI値を表1に示した。
[比較例1]
ブルーイング剤であるBlueG及びRedHL5Bを加えない以外は実施例1と同様に行った。レンズの屈折率およびYI値の結果を表1に示した。
[比較例2]
表1に示す組成である以外は比較例1と同様に行った。レンズの屈折率、YI値を表1に示した。

Claims (6)

  1. 式(1)で表される環状化合物(A)、エピスルフィド化合物(B)、硫黄(C)、及びブルーイング剤(D)を含有する光学材料用組成物。
    (1)
    (式中、XはS、Se又はTeを表す。a〜f=0〜3、8≧(a+c+e)≧1、8≧(b+d+f)≧2、及び(b+d+f)≧(a+c+e)である。)
  2. 前記ブルーイング剤(D)がアントラキノン系化合物又はアントラピリドン系化合物である請求項1記載の光学材料用組成物。
  3. 前記環状化合物(A)が1,2−ジチエタン、トリチエタン、1,2−ジチオラン、1,2,3−トリチオラン、1,2,4−トリチオラン、テトラチオラン、1,2−ジチアン、1,2,3−トリチアン、1,2,4−トリチアン、1,3,5−トリチアン、1,2,3,4−テトラチアン、1,2,4,5−テトラチアン、ペンタチアン、1,2,3−トリチエパン、1,2,4−トリチエパン、1,2,5−トリチエパン、1,2,3,4−テトラチエパン、1,2,3,5−テトラチエパン、1,2,4,5−テトラチエパン、1,2,4,6−テトラチエパン、1,2,3,4,5−ペンタチエパン、1,2,3,4,6−ペンタチエパン、1,2,3,5,6−ペンタチエパン、及びヘキサチエパンからなる群より選ばれる少なくとも1種以上である請求項1又は2に記載の光学材料用組成物。
  4. エピスルフィド化合物(B)が、式(2)で表される化合物である請求項1〜3のいずれか一項に記載の光学材料用組成物。
    (2)
    (式中、mは0〜4の整数、nは0〜2の整数を示す。)
  5. 環状化合物(A)の割合が1〜90質量%、エピスルフィド化合物(B)の割合が20〜90質量%、硫黄(C)の割合が0〜39質量%、かつブルーイング剤(D)の割合が0.000001〜0.5質量%である請求項1〜4のいずれか一項に記載の光学材料用組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の光学材料用組成物を硬化した光学材料。
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