JP6179690B1 - 光硬化性組成物及び光学材料 - Google Patents
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Abstract
本発明によれば、式(1)で表される環状化合物(a)、エピスルフィド化合物(b)及び光重合開始剤(c)を含有する光硬化性組成物を提供することができる。前記光硬化性組成物中の環状化合物(a)の割合が5〜80質量%、エピスルフィド化合物(b)の割合が20〜95質量%であり、光重合開始剤(c)の割合が環状化合物(a)及びエピスルフィド化合物(b)の合計100質量部に対して0.1〜10質量部の範囲である態様が好ましい。【化1】(式中、Cは炭素原子、XはS、Se又はTeを表す。a〜fは0〜3の整数を表し、8≧(a+c+e)≧1、8≧(b+d+f)≧2、及び(b+d+f)≧(a+c+e)である。)
Description
本発明は、光学素子用接着剤、光学素子用コーティング剤、レジスト材料、プリズム、光ファイバー、情報記録基盤、フィルター、プラスチックレンズ、導光板等の光学材料を製造するのに有用な光重合開始剤を含有する光硬化性組成物に関するものである。
プラスチック材料は軽量かつ靭性に富み、また染色が容易であることから、各種光学材料に近年多用されている。光学材料の多くに要求される性能の一つとして、高屈折率が挙げられる。高屈折率な光学材料については、屈折率1.7以上の光学材料を可能とするエピスルフィド化合物が多数見いだされている(特許文献1,2,3参照)。プラスチック材料の他の高屈折率化手法としては無機粒子を有機樹脂に分散させる方法が良く知られているが、粒子の光散乱が完全には避けられず曇りが生じるため、光透過性の観点からエピスルフィド化合物を用いる方が好ましい。
エピスルフィド化合物を使用した組成物の硬化方法は、ほとんどが熱硬化であるため用途に大きな制約がある。また、生産性を向上させるためにも光硬化可能な組成物が強く望まれている。例えば、ランタンガラスあるいはサファイアガラスなどの屈折率1.73を超える透明基板上へ光学機能を付与するため、1.73を超える屈折率でかつ微細構造付形可能な光硬化性組成物が望まれている。
特許文献4では、光塩基発生剤を含有させたエピスルフィド組成物の光硬化による高屈折率樹脂硬化物が報告されている。
より高屈折率な樹脂硬化物を得る方法として、環状硫黄化合物とエピスルフィド化合物を共重合させる手法が知られている。特許文献5では硫黄を含有させたエピスルフィド化合物を熱硬化させることで、特許文献6では硫黄を有する環状骨格構造化合物を含有させたエピスルフィド化合物を硬化させることで、それぞれ屈折率1.73を超える透明樹脂が得られることが報告されている。しかしながら、環状硫黄化合物を高屈折率な光硬化組成物に使用することは一般に困難であった。すなわち、代表的な環状硫黄化合物であるS8はそのポリスルフィド構造に由来する強いラジカル阻害作用により光活性種を失活させ、一方、硫黄原子よりも炭素原子を多く含む環状スルフィド化合物は屈折率向上効果が乏しい。
また、特許文献6は熱重合の例のみが示されており、光硬化によるものではないため光重合開始剤の使用も意図していない。従って、光活性への阻害性については全く検討されていない。
エピスルフィド化合物を使用した組成物の硬化方法は、ほとんどが熱硬化であるため用途に大きな制約がある。また、生産性を向上させるためにも光硬化可能な組成物が強く望まれている。例えば、ランタンガラスあるいはサファイアガラスなどの屈折率1.73を超える透明基板上へ光学機能を付与するため、1.73を超える屈折率でかつ微細構造付形可能な光硬化性組成物が望まれている。
特許文献4では、光塩基発生剤を含有させたエピスルフィド組成物の光硬化による高屈折率樹脂硬化物が報告されている。
より高屈折率な樹脂硬化物を得る方法として、環状硫黄化合物とエピスルフィド化合物を共重合させる手法が知られている。特許文献5では硫黄を含有させたエピスルフィド化合物を熱硬化させることで、特許文献6では硫黄を有する環状骨格構造化合物を含有させたエピスルフィド化合物を硬化させることで、それぞれ屈折率1.73を超える透明樹脂が得られることが報告されている。しかしながら、環状硫黄化合物を高屈折率な光硬化組成物に使用することは一般に困難であった。すなわち、代表的な環状硫黄化合物であるS8はそのポリスルフィド構造に由来する強いラジカル阻害作用により光活性種を失活させ、一方、硫黄原子よりも炭素原子を多く含む環状スルフィド化合物は屈折率向上効果が乏しい。
また、特許文献6は熱重合の例のみが示されており、光硬化によるものではないため光重合開始剤の使用も意図していない。従って、光活性への阻害性については全く検討されていない。
本発明が解決しようとする課題は、より高屈折率な光硬化性組成物、及びそれからなる光学材料を提供することである。
本発明者等はこの課題を解決すべく研究を行った結果、下記式(1)で表される環状化合物(a)が環状の硫黄等の構造でありながら、屈折率向上への寄与を備えたまま、光活性への阻害性が小さいことを見出した。そして、環状化合物(a)、エピスルフィド化合物(b)及び光重合開始剤(c)を含有する光硬化性組成物が良好な光硬化性を示し、その光硬化物が高い屈折率を示すことを見出した。さらに、チオール化合物(d)及び/又は酸性化合物(e)を加えることで、光硬化性組成物の暗所安定性が向上することを見出した。
すなわち、本発明は以下の通りである。
すなわち、本発明は以下の通りである。
[1] 式(1)で表される環状化合物(a)、エピスルフィド化合物(b)及び光重合開始剤(c)を含有する光硬化性組成物。
(式中、Cは炭素原子、XはS、Se又はTeを表す。a〜fは0〜3の整数を表し、8≧(a+c+e)≧1、8≧(b+d+f)≧2、及び(b+d+f)≧(a+c+e)である。)
[2] 前記光硬化性組成物中の環状化合物(a)の割合が5〜80質量%、エピスルフィド化合物(b)の割合が20〜95質量%であり、光重合開始剤(c)の割合が環状化合物(a)及びエピスルフィド化合物(b)の合計100質量部に対して0.1〜10質量部の範囲にある、[1]に記載の光硬化性組成物。
[3] 前記光重合開始剤(c)が光塩基発生剤である、[1]または[2]に記載の光硬化性組成物。
[4] 前記環状化合物(a)及びエピスルフィド化合物(b)の合計100質量部に対してチオール化合物(d)を0.1〜20質量部含有する、[1]から[3]のいずれかに記載の光硬化性組成物。
[5] 前記環状化合物(a)及びエピスルフィド化合物(b)の合計100質量部に対して酸性化合物(e)を0.001〜1質量部含有する、[1]から[4]のいずれかに記載の光硬化性組成物。
[6] 前記光硬化性組成物を硬化させた際のナトリウムD線で測定した屈折率が1.73以上である、[1]から[5]のいずれかに記載の光硬化性組成物。
[7] 前記式(1)中、XがSである、[1]から[6]のいずれかに記載の光硬化性組成物。
[8] 前記環状化合物(a)が1,2−ジチエタン、トリチエタン、1,2−ジチオラン、1,2,3−トリチオラン、1,2,4−トリチオラン、テトラチオラン、1,2−ジチアン、1,2,3−トリチアン、1,2,4−トリチアン、1,3,5−トリチアン、1,2,3,4−テトラチアン、1,2,4,5−テトラチアン、ペンタチアン、1,2,3−トリチエパン、1,2,4−トリチエパン、1,2,5−トリチエパン、1,2,3,4−テトラチエパン、1,2,3,5−テトラチエパン、1,2,4,5−テトラチエパン、1,2,4,6−テトラチエパン、1,2,3,4,5−ペンタチエパン、 1,2,3,4,6−ペンタチエパン、1,2,3,5,6−ペンタチエパン及び、ヘキサチエパンからなる群より選択される1種以上である、[1]から[7]のいずれかに記載の光硬化性組成物。
[9] 前記エピスルフィド化合物(b)が、式(2)で表される構造を有する、[1]から[8]のいずれかに記載の光硬化性組成物。
(式中、mは0〜4の整数、nは0〜2の整数を示す。)
[10] 単体の硫黄を含有しない、[1]から[9]のいずれかに記載の光硬化性組成物。
[11] [1]から[10]のいずれかに記載の光硬化性組成物を硬化した樹脂。
[12] [11]に記載の樹脂を含む光学材料。
本発明の光硬化性組成物は十分な光硬化性を有し、その硬化物は屈折率(nD)が1.73以上と高屈折率であるため、高性能な光学材料を提供することが可能となった。
本発明の光硬化性組成物は、環状化合物(a)、エピスルフィド化合物(b)及び光重合開始剤(c)を含有する。
以下、本発明に用いる原料である環状化合物(a)、エピスルフィド化合物(b)、光重合開始剤(c)及び光硬化性組成物として添加することができる化合物について詳細に説明する。
以下、本発明に用いる原料である環状化合物(a)、エピスルフィド化合物(b)、光重合開始剤(c)及び光硬化性組成物として添加することができる化合物について詳細に説明する。
本発明で使用する環状化合物(a)は、下記式(1)で表される構造を有する。
(式中、Cは炭素原子、XはS、Se又はTeを表す。a〜fは0〜3の整数を表し、8≧(a+c+e)≧1、8≧(b+d+f)≧2、及び(b+d+f)≧(a+c+e)である。)
従来、環状の硫黄であるS8は、熱硬化性組成物の屈折率向上に寄与することが知られているが、ラジカル阻害性を持ち、光活性を阻害するため光硬化性組成物に使用することは好ましくない。一方、本発明で使用される環状化合物(a)は、環状硫黄化合物の長所を備えたまま、欠点である光活性への阻害性が改善された化合物である。
前記式(1)中のXは、入手性、毒性の観点から好ましくはS又はSeであり、より好ましくはSである。
a〜fは、入手性、屈折率、光活性への低阻害性の観点から好ましくは、6≧(a+c+e)≧1、7≧(b+d+f)≧2であり、より好ましくは5≧(a+c+e)≧1、7≧(b+d+f)≧2である。
また、高屈折率を得るために、環状化合物(a)中のS、Se及びTeの合計が、50質量%以上90質量%以下であることが好ましい。つまり、環状化合物(a)中のXの割合が多すぎると単体の硫黄と同様に光活性への阻害性が高くなりすぎ、Xの割合が少なすぎると屈折率の向上が弱くなるため好ましくない。
また、良好な光硬化性を得るために、環状化合物(a)に不純物として含まれる硫黄は1質量%以下であることが好ましい。環状化合物(a)に不純物として含まれる硫黄の量が多すぎると光活性への阻害性が高くなる。
a〜fは、入手性、屈折率、光活性への低阻害性の観点から好ましくは、6≧(a+c+e)≧1、7≧(b+d+f)≧2であり、より好ましくは5≧(a+c+e)≧1、7≧(b+d+f)≧2である。
また、高屈折率を得るために、環状化合物(a)中のS、Se及びTeの合計が、50質量%以上90質量%以下であることが好ましい。つまり、環状化合物(a)中のXの割合が多すぎると単体の硫黄と同様に光活性への阻害性が高くなりすぎ、Xの割合が少なすぎると屈折率の向上が弱くなるため好ましくない。
また、良好な光硬化性を得るために、環状化合物(a)に不純物として含まれる硫黄は1質量%以下であることが好ましい。環状化合物(a)に不純物として含まれる硫黄の量が多すぎると光活性への阻害性が高くなる。
環状化合物(a)の具体例としては、次のものが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
ジチイラン、1,2−ジチエタン、1,3−ジチエタン、トリチエタン、1,2−ジチオラン、1,3−ジチオラン、1,2,3−トリチオラン、1,2,4−トリチオラン、テトラチオラン、1,2−ジチアン、1,3−ジチアン、1,4−ジチアン、1,2,3−トリチアン、1,2,4−トリチアン、1,3,5−トリチアン、1,2,3,4−テトラチアン、1,2,4,5−テトラチアン、ビス(1,2,3,5,6−ペンタチエパノ)メタン、トリス(1,2,3,5,6−ペンタチエパノ)メタン、1,2−ジチエパン、1,3−ジチエパン、1,4−ジチエパン、1,2,3−トリチエパン、1,2,4−トリチエパン、1,2,5−トリチエパン、1,3,5−トリチエパン、1,2,3,4−テトラチエパン、1,2,3,5−テトラチエパン、1,2,4,5−テトラチエパン、1,2,4,6−テトラチエパン、1,2,3,4,5−ペンタチエパン、1,2,3,4,6−ペンタチエパン、1,2,3,5,6−ペンタチエパン、ヘキサチエパン、ジセレシクロブタン、トリセレシクロブタン、ジセレシクロペンタン、トリセレシクロペンタン、テトラセレシクロペンタン、ジセレシクロヘキサン、トリセレシクロヘキサン、テトラセレシクロヘキサン、ペンタセレシクロヘキサン、ジセレシクロヘプタン、トリセレシクロヘプタン、テトラセレシクロヘプタン、ペンタセレシクロヘプタン、ヘキサセレシクロヘプタン、ジテルロシクロブタン、トリテルロシクロブタン、ジテルロシクロペンタン、トリテルロシクロペンタン、テトラテルロシクロペンタン、ジテルロシクロヘキサン、トリテルロシクロヘキサン、テトラテルロシクロヘキサン、ペンタテルロシクロヘキサン、ジテルロシクロヘプタン、トリテルロシクロヘプタン、テトラテルロシクロヘプタン、ペンタテルロシクロヘプタン、ヘキサテルロシクロヘプタン及びこれらの環状骨格構造を有する誘導体(水素原子のかわりに種々の置換基に変換された化合物)が挙げられる。
ジチイラン、1,2−ジチエタン、1,3−ジチエタン、トリチエタン、1,2−ジチオラン、1,3−ジチオラン、1,2,3−トリチオラン、1,2,4−トリチオラン、テトラチオラン、1,2−ジチアン、1,3−ジチアン、1,4−ジチアン、1,2,3−トリチアン、1,2,4−トリチアン、1,3,5−トリチアン、1,2,3,4−テトラチアン、1,2,4,5−テトラチアン、ビス(1,2,3,5,6−ペンタチエパノ)メタン、トリス(1,2,3,5,6−ペンタチエパノ)メタン、1,2−ジチエパン、1,3−ジチエパン、1,4−ジチエパン、1,2,3−トリチエパン、1,2,4−トリチエパン、1,2,5−トリチエパン、1,3,5−トリチエパン、1,2,3,4−テトラチエパン、1,2,3,5−テトラチエパン、1,2,4,5−テトラチエパン、1,2,4,6−テトラチエパン、1,2,3,4,5−ペンタチエパン、1,2,3,4,6−ペンタチエパン、1,2,3,5,6−ペンタチエパン、ヘキサチエパン、ジセレシクロブタン、トリセレシクロブタン、ジセレシクロペンタン、トリセレシクロペンタン、テトラセレシクロペンタン、ジセレシクロヘキサン、トリセレシクロヘキサン、テトラセレシクロヘキサン、ペンタセレシクロヘキサン、ジセレシクロヘプタン、トリセレシクロヘプタン、テトラセレシクロヘプタン、ペンタセレシクロヘプタン、ヘキサセレシクロヘプタン、ジテルロシクロブタン、トリテルロシクロブタン、ジテルロシクロペンタン、トリテルロシクロペンタン、テトラテルロシクロペンタン、ジテルロシクロヘキサン、トリテルロシクロヘキサン、テトラテルロシクロヘキサン、ペンタテルロシクロヘキサン、ジテルロシクロヘプタン、トリテルロシクロヘプタン、テトラテルロシクロヘプタン、ペンタテルロシクロヘプタン、ヘキサテルロシクロヘプタン及びこれらの環状骨格構造を有する誘導体(水素原子のかわりに種々の置換基に変換された化合物)が挙げられる。
好ましい環状化合物(a)の具体例は、入手や合成が容易であり、高屈折率となる組成物であることから、1,2−ジチエタン、トリチエタン、1,2−ジチオラン、1,2,3−トリチオラン、1,2,4−トリチオラン、テトラチオラン、1,2−ジチアン、1,2,3−トリチアン、1,2,4−トリチアン、1,3,5−トリチアン、1,2,3,4−テトラチアン、1,2,4,5−テトラチアン、ペンタチアン、1,2,3−トリチエパン、1,2,4−トリチエパン、1,2,5−トリチエパン、1,2,3,4−テトラチエパン、1,2,3,5−テトラチエパン、1,2,4,5−テトラチエパン、1,2,4,6−テトラチエパン、1,2,3,4,5−ペンタチエパン、1,2,3,4,6−ペンタチエパン、1,2,3,5,6−ペンタチエパン、ヘキサチエパン及びこれらの環状骨格構造を有する誘導体(水素原子のかわりに種々の置換基がついた)であり、エピスルフィド化合物(b)への溶解性の観点から、特に好ましくは1,2,4,5−テトラチアン、及び1,2,3,5,6−ペンタチエパンである。
環状化合物(a)の入手方法は特に制限されない。市販品を用いてもよく、原油や動植物等の天然物から採取抽出しても、又公知の方法で合成してもかまわない。
合成法の一例としては、N. Takeda等,Bull.Chem.Soc.Jpn.,68,2757(1995)、F.Feherら,Angew.Chem.Int.Ed.,7,301(1968)、G.W.Kutneyら,Can.J.Chem,58,1233(1980)が挙げられる。
合成法の一例としては、N. Takeda等,Bull.Chem.Soc.Jpn.,68,2757(1995)、F.Feherら,Angew.Chem.Int.Ed.,7,301(1968)、G.W.Kutneyら,Can.J.Chem,58,1233(1980)が挙げられる。
光硬化性組成物中の環状化合物(a)の割合は、好ましくは5〜80質量%であり、より好ましくは30〜70質量%である。環状化合物(a)の割合が5質量%未満の場合は屈折率向上効果が低く、80質量%を超える場合は得られる光学材料の透明性が悪化する場合がある。
本発明で使用するエピスルフィド化合物(b)は、すべてのエピスルフィド化合物を包含する。
以下、エピスルフィド化合物(b)の具体例として鎖状脂肪族骨格、脂肪族環状骨格、芳香族骨格を有する化合物に分けて列挙するが、これらに限定されるものではない。
以下、エピスルフィド化合物(b)の具体例として鎖状脂肪族骨格、脂肪族環状骨格、芳香族骨格を有する化合物に分けて列挙するが、これらに限定されるものではない。
鎖状脂肪族骨格を有する化合物としては、下記式(2)で表される化合物が挙げられる。
(ただし、mは0〜4の整数、nは0〜2の整数を表す。)
具体例としては、ビス(β−エピチオプロピル)スルフィド(上記式(2)でn=0)、ビス(β−エピチオプロピル)ジスルフィド(上記式(2)でm=0、n=1)、ビス(β−エピチオプロピルチオ)メタン(上記式(2)でm=1、n=1)、1,2−ビス(β−エピチオプロピルチオ)エタン(上記式(2)でm=2、n=1)、1,3−ビス(β−エピチオプロピルチオ)プロパン(上記式(2)でm=3、n=1)、1,4−ビス(β−エピチオプロピルチオ)ブタン(上記式(2)でm=4、n=1)、ビス(β−エピチオプロピルチオエチル)スルフィド(上記式(2)でm=2、n=2)を挙げることができる。
脂肪族環状骨格を有する化合物としては、下記式(3)又は式(4)で表される化合物が挙げられる。
(p、qはそれぞれ独立して0〜4の整数を表す。)
具体例としては、1,3及び1,4−ビス(β−エピチオプロピルチオ)シクロヘキサン(上記式(3)でp=0、q=0)、1,3及び1,4−ビス(β−エピチオプロピルチオメチル)シクロヘキサン(上記式(3)でp=1、q=1)を挙げることができる。
(p、qはそれぞれ独立して0〜4の整数を表す。)
具体例としては、2,5−ビス(β−エピチオプロピルチオ)−1,4−ジチアン(上記式(4)でp=0、q=0)、2,5−ビス(β−エピチオプロピルチオエチルチオメチル)−1,4−ジチアン(上記式(4)でp=1、q=1)を挙げることができる。
芳香族骨格を有する化合物としては、下記式(5)、式(6)又は式(7)で表される化合物が挙げられる。
(p、qはそれぞれ独立して0〜4の整数を表す。)
具体例としては、1,3及び1,4−ビス(β−エピチオプロピルチオ)ベンゼン(上記式(5)でp=0、q=0)、1,3及び1,4−ビス(β−エピチオプロピルチオメチル)ベンゼン(上記式(5)でp=1、q=1)を挙げることができる。
(R1、R2はそれぞれ独立して水素原子、メチル基、エチル基、又はフェニル基を表す。)
具体例としては、R1、R2がともに水素原子であるビスフェノールF型エピスルフィド化合物、ともにメチル基であるビスフェノールA型エピスルフィド化合物を挙げることができる。
(p、qはそれぞれ独立して0又は1の整数を表す。)
具体例としては、上記式(7)でp=0、q=0である化合物、上記式(7)でp=1、q=1である化合物を挙げることができる。
これらは単独でも、2種類以上を混合して用いてもかまわない。
入手性の観点から好ましい化合物は、鎖状脂肪族骨格を有する上記式(2)で表される化合物であり、特に好ましい化合物は、ビス(β−エピチオプロピル)スルフィド(上記式(2)でn=0)、及びビス(β−エピチオプロピル)ジスルフィド(上記式(2)でm=0、n=1)である。
入手性の観点から好ましい化合物は、鎖状脂肪族骨格を有する上記式(2)で表される化合物であり、特に好ましい化合物は、ビス(β−エピチオプロピル)スルフィド(上記式(2)でn=0)、及びビス(β−エピチオプロピル)ジスルフィド(上記式(2)でm=0、n=1)である。
エピスルフィド化合物(b)の入手方法は特に制限されない。市販品を用いてもよく、又公知の方法で合成してもかまわない。例えば、ビス(β−エピチオプロピル)スルフィド(上記式(2)式でn=0)は公知技術(特許公報3491660号)に従い、合成することが可能である。
光硬化性組成物100質量%中のエピスルフィド化合物(b)の割合は、好ましくは20〜95質量%であり、より好ましくは20〜70質量%である。エピスルフィド化合物(b)が20質量%未満であると、環状化合物(a)との反応が不十分となる場合がある。エピスルフィド化合物(b)の割合が95質量%を超えると、環状化合物(a)による屈折率の向上効果が小さくなる。
本発明で使用する光重合開始剤(c)は、エピスルフィド化合物を光硬化可能なものであれば特に制限は無い。例えばラジカル発生剤、酸発生剤、塩基発生剤等が使用可能である。エピスルフィド化合物の重合に対しては塩基触媒が最も活性が高いため、塩基発生剤の使用が最も望ましい。
光硬化性組成物中の光重合開始剤(c)の割合は、環状化合物(a)及びエピスルフィド化合物(b)の合計100質量部に対して0.1〜10質量部が好ましい。光重合開始剤(c)の割合が0.1質量部より少ない場合は光硬化性が低くなり、10質量部を超える場合は硬化物の屈折率が大きく低下する場合がある。
光硬化性組成物中の光重合開始剤(c)の割合は、環状化合物(a)及びエピスルフィド化合物(b)の合計100質量部に対して0.1〜10質量部が好ましい。光重合開始剤(c)の割合が0.1質量部より少ない場合は光硬化性が低くなり、10質量部を超える場合は硬化物の屈折率が大きく低下する場合がある。
また、本発明において光硬化性組成物にチオール化合物(d)を添加することができる。チオール化合物(d)の添加により光硬化性組成物の可使時間(ポットライフ)が長くなり、光硬化により得られる光学材料の色相が良化する。本発明で用いられるチオール化合物(d)は、すべてのチオール化合物を包含する。
入手性と光硬化性組成物の高屈折率化の観点から、下記一般式(8)から(10)で表わされる多官能チオール化合物が好ましい。
(式中、pは2〜4の整数を表し、Xp及びZpは、それぞれ独立に水素原子またはメチルチオール基を表す。)
(式中、qは0〜3の整数を表し、R1は炭素数0〜3のアルキレン基を表す。)
(式中、rは0〜3の整数を表し、R2は炭素数1〜3のアルキレン基を表す。)
尚、前記一般式(8)におけるXp、Zpについて、例えばp=2の場合には、X1、X2、Z1、及びZ2がそれぞれ独立の置換基を表す。
尚、前記一般式(8)におけるXp、Zpについて、例えばp=2の場合には、X1、X2、Z1、及びZ2がそれぞれ独立の置換基を表す。
一般式(8)で表わされる化合物の例としては、1,5−ジメルカプト−3−チアペンタン、2−メルカプトメチル−1,5−ジメルカプト−3−チアペンタン、2,4−ビス(メルカプトメチル)−1,5−ジメルカプト−3−チアペンタン、4−メルカプトメチル−1,8−ジメルカプト−3,6−ジチアオクタン、4,8−ビス(メルカプトメチル)−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン、4,7−ビス(メルカプトメチル)−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン、5,7−ビス(メルカプトメチル)−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン等が挙げられる。
一般式(9)で表わされる化合物の例としては、2,5−ジメルカプト−1,4−ジチアン、2,5−ジメルカプトメチル−1,4−ジチアン、2,5−ジメルカプトエチル−1,4−ジチアン等が挙げられる。
一般式(10)で表わされる化合物の例としては、キシリレンジチオール等が挙げられる。
一般式(8)から(10)で表わされる化合物以外の好ましいチオール化合物としては、エチレングリコールビス(3−メルカプトプロピオネート)、トリメチオールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)、ベンゼンジチオール、トリレンジチオールが挙げられる。
本発明においてチオール化合物(d)の添加量は、環状化合物(a)及びエピスルフィド化合物(b)の合計100質量部に対し、好ましくは0.1〜20質量部、より好ましくは0.5〜12質量部であり、特に好ましくは1〜10質量部である。0.1質量部未満の場合は可使時間の長時間化や色調の良化といった効果が得られず、20質量部を超える場合は得られる硬化物が軟質になる場合がある。
本発明において、光硬化性組成物に単体の硫黄が含有されていないことが好ましい。環状の硫黄であるS8等が多いと、屈折率は向上するもののラジカル阻害剤として働き光活性種を失活させるためである。
また、本発明において光硬化性組成物に酸性化合物(e)を添加することができる。酸性化合物(e)の添加により環状化合物(a)の暗所安定性が向上し、光硬化性組成物の可使時間が長くなる。本発明で用いられる酸性化合物(e)は、光硬化性組成物に溶解するものであれば特に制限はない。
酸性化合物(e)としては、各種のプロトン酸やルイス酸が使用可能である。
プロトン酸としては、組成液への溶解性の観点から、特にスルホン酸基、カルボン酸基、もしくはリン酸基を持つ有機酸が好ましい。特に好ましい化合物の具体例は、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、カンファースルホン酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、安息香酸、フタル酸、しゅう酸、リン酸エチル、リン酸ジエチル、リン酸ブチル、リン酸ジブチル、リン酸エチル、リン酸ジエチル、リン酸ブトキシエチル、及びリン酸ジブトキシエチルである。
ルイス酸として好ましい化合物の具体例は、ジブチルスズジクロライド、ブチルスズトリクロライド、ジオクチルスズジクロライド、オクチルスズトリクロライド、ジブチルジクロロゲルマニウム、ブチルトリクロロゲルマニウム、ジフェニルジクロロゲルマニウム、フェニルトリクロロゲルマニウム、及びトリフェニルアンチモンジクロライドであり、特に好ましい化合物は、ジブチルスズジクロライドである。酸性化合物(e)は、単独でも、2種類以上を混合して使用しても良い。酸性化合物(e)の使用量は、環状化合物(a)及びエピスルフィド化合物(b)の合計100質量部に対して0.001〜1質量部が好ましく、より好ましくは0.001〜0.2質量部であり、最も好ましくは0.005〜0.1質量部である。添加量が0.001質量部より少ない場合は安定化効果が小さく、1質量部より多い場合は光硬化性が低下することがある。
プロトン酸としては、組成液への溶解性の観点から、特にスルホン酸基、カルボン酸基、もしくはリン酸基を持つ有機酸が好ましい。特に好ましい化合物の具体例は、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、カンファースルホン酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、安息香酸、フタル酸、しゅう酸、リン酸エチル、リン酸ジエチル、リン酸ブチル、リン酸ジブチル、リン酸エチル、リン酸ジエチル、リン酸ブトキシエチル、及びリン酸ジブトキシエチルである。
ルイス酸として好ましい化合物の具体例は、ジブチルスズジクロライド、ブチルスズトリクロライド、ジオクチルスズジクロライド、オクチルスズトリクロライド、ジブチルジクロロゲルマニウム、ブチルトリクロロゲルマニウム、ジフェニルジクロロゲルマニウム、フェニルトリクロロゲルマニウム、及びトリフェニルアンチモンジクロライドであり、特に好ましい化合物は、ジブチルスズジクロライドである。酸性化合物(e)は、単独でも、2種類以上を混合して使用しても良い。酸性化合物(e)の使用量は、環状化合物(a)及びエピスルフィド化合物(b)の合計100質量部に対して0.001〜1質量部が好ましく、より好ましくは0.001〜0.2質量部であり、最も好ましくは0.005〜0.1質量部である。添加量が0.001質量部より少ない場合は安定化効果が小さく、1質量部より多い場合は光硬化性が低下することがある。
また、本発明において光硬化性組成物に増感剤(f)を添加することができる。光硬化性組成物に増感剤(f)を配合することによって、光重合開始剤(c)からより効率的に塩基を遊離させることが可能になる。その結果、露光時間の短縮化や光硬化性組成物の重合促進が図れる。
好ましい増感剤(f)は、置換または非置換のベンゾフェノン、チオキサントン、アントラキノンなどの芳香族ケトンまたはオキサジン、アクリジン、フェナジン及びローダミンなどの染料、及びフルオレン、フルオレノン、ナフタレンなどの共役複素環をもつ化合物である。特に好ましくは、置換または非置換のベンゾフェノン、チオキサントン、及びフルオレンである。
好ましい増感剤(f)は、置換または非置換のベンゾフェノン、チオキサントン、アントラキノンなどの芳香族ケトンまたはオキサジン、アクリジン、フェナジン及びローダミンなどの染料、及びフルオレン、フルオレノン、ナフタレンなどの共役複素環をもつ化合物である。特に好ましくは、置換または非置換のベンゾフェノン、チオキサントン、及びフルオレンである。
具体的には、ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス−(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(エチルメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ジフェニルベンゾフェノン、4,4’−ジフェノキシベンゾフェノン、4,4’−ビス(p−イソプロピルフェノキシ)ベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、2−メトキシカルボニルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルスルフィド、4−メトキシ−3,3’−メチルベンゾフェノン、イソプロピルチオキサントン、クロロチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン、2−(トリフルオロメチル) チオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、1,3−ジメチル−2−(2−エチルヘキシルオキシ)チオキサントン、フルオレン、9,9−ジメチルフルオレン、及び9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレンが挙げられ、これらは単独でも2種類以上を混合して使用してもかまわない。
増感剤(f)の使用量は、環状化合物(a)及びエピスルフィド化合物(b)の合計100質量部に対して0.05〜10質量部が好ましく、より好ましくは0.05〜3質量部であり、最も好ましくは0.1〜1質量部である。
増感剤(f)の使用量は、環状化合物(a)及びエピスルフィド化合物(b)の合計100質量部に対して0.05〜10質量部が好ましく、より好ましくは0.05〜3質量部であり、最も好ましくは0.1〜1質量部である。
また、本発明の光硬化性組成物には、耐候性、耐酸化性、強度、表面硬度、基材との密着性、屈折率、染色性等の各種性能改良を目的として、エポキシ化合物類、イソ(チオ)シアネート類、フェノール類、アミン類等を添加しても構わない。この場合は、必要に応じて公知の重合硬化触媒を別途加えることが出来る。更に、本発明の光学材料を製造するために、必要に応じて熱硬化触媒、酸化防止剤、ブルーイング剤、紫外線吸収剤、各種性能改良添加剤等を添加することができる。これらの添加剤の添加量は通常、光硬化性組成物の合計100質量部に対して0.0001〜5質量部である。
本発明の光硬化性組成物は、紫外線や可視光線を照射することにより硬化される。その際に使用する光源は、紫外線や可視光線を発生させる装置であれば特に制限はない。具体的には、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、ハイパワーメタルハライドランプ、キセノンランプ、発光ダイオード(紫外線LED)等を挙げることができる。
本発明の光硬化性組成物は光硬化させる際に、空気中の酸素の影響で重合阻害を受ける場合がある。従って、露光時間を短縮するためや光硬化性組成物を十分に重合させるために、低酸素濃度の雰囲気にて露光を行うことが好ましい。具体的には、窒素ガスやアルゴンガス、ヘリウムガス等の不活性ガスで置換して露光を行う方法や、減圧下で露光を行う方法が挙げられる。その際の酸素濃度としては10%以下が好ましく、5%以下が更に好ましい。
また、光硬化性組成物の表面をポリプロピレンフィルム等の透明なフィルムで被覆して露光を行う方法や光硬化性組成物をガラス等で構成される透明なモールド内に密封注入して露光を行う方法も挙げられる。
また、光硬化性組成物の表面をポリプロピレンフィルム等の透明なフィルムで被覆して露光を行う方法や光硬化性組成物をガラス等で構成される透明なモールド内に密封注入して露光を行う方法も挙げられる。
光硬化性組成物に紫外線や可視光を照射した後、加熱処理を行うことにより、硬化を更に促進することができる。紫外線照射後に、光学材料に求められる硬化度に応じて加熱温度並びに時間を適宜選択できるが、加熱温度は室温〜150℃、加熱時間は1分〜3日が好ましい。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例中において、エピスルフィド化合物(b)は、特開平9−110979号公報及び特開2001−163874号公報に記載の方法に基づいて合成した。5−(3−メトキシベンジル)−1,5−ジアザビシクロ〔4,3,0〕ノナンは、特表2005−511536号公報に記載の方法に基づいて合成した。テトラブチルアンモニウム=ブチルトリ(1−ナフチル)ボラートは昭和電工株式会社より入手し、そのまま用いた。4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルスルフィドは、DKSHジャパン社より製品名Lunacure BMS(以下、「BMS」と呼称する)を入手し、そのまま用いた。ビス(2−メルカプトエチル)スルフィドは東京化成工業株式会社より、ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネートは淀化学株式会社より、ジブチルスズジクロリドは東京化成工業株式会社より入手し、そのまま用いた。
[評価方法]
光硬化性組成物に露光を行う際の光源にはUV−LED光照射装置(岩崎電気株式会社製LHPUV365/2501、光強度30mW/cm2)を使用した。
光硬化性組成物の光硬化性は、光硬化性組成物を2枚のスライドガラス(松浪硝子工業株式会社製S9213)で挟み厚さ2〜10μmとして、UV−LED光照射装置で1分間光照射した組成物が、表面にタック(べた付き)が残らない状態で硬化するかどうかにより評価し、硬化する場合は「良好」、未硬化の場合は「不良」と評価した。
硬化物の屈折率(nD)は、アッベ屈折計(アタゴ社製「NAR−4T」)を用いて、D線での値を測定した。測定用の硬化物は、光硬化性組成物をスペーサーとともに2枚のスライドガラスで挟み厚さ200〜300μmとして、UV−LED光照射装置で5分間光照射して作製した。測定温度は20℃とした。
光硬化性組成物の可使時間は、暗所、20℃で3時間静置したあとの粘度が500mPa・s未満の場合に「非常に良好」、500mPa・s以上1,000mPa・s未満の場合に「良好」、1,000mPa・s以上5,000mPa・s未満の場合に「使用可」、5,000mPa・s以上の場合に「不良」と評価した。なお、粘度測定にはコーンプレート型粘度計HADV−II+Pro(ブルックフィールド社製)を用いた。
光硬化性組成物に露光を行う際の光源にはUV−LED光照射装置(岩崎電気株式会社製LHPUV365/2501、光強度30mW/cm2)を使用した。
光硬化性組成物の光硬化性は、光硬化性組成物を2枚のスライドガラス(松浪硝子工業株式会社製S9213)で挟み厚さ2〜10μmとして、UV−LED光照射装置で1分間光照射した組成物が、表面にタック(べた付き)が残らない状態で硬化するかどうかにより評価し、硬化する場合は「良好」、未硬化の場合は「不良」と評価した。
硬化物の屈折率(nD)は、アッベ屈折計(アタゴ社製「NAR−4T」)を用いて、D線での値を測定した。測定用の硬化物は、光硬化性組成物をスペーサーとともに2枚のスライドガラスで挟み厚さ200〜300μmとして、UV−LED光照射装置で5分間光照射して作製した。測定温度は20℃とした。
光硬化性組成物の可使時間は、暗所、20℃で3時間静置したあとの粘度が500mPa・s未満の場合に「非常に良好」、500mPa・s以上1,000mPa・s未満の場合に「良好」、1,000mPa・s以上5,000mPa・s未満の場合に「使用可」、5,000mPa・s以上の場合に「不良」と評価した。なお、粘度測定にはコーンプレート型粘度計HADV−II+Pro(ブルックフィールド社製)を用いた。
[合成例1]
以下の構造式で表される1,2,3,5,6−ペンタチエパンを文献(H.C.Hansenら,Tetrahedron,41,5145(1985))記載の方法に準じて、以下の手順で合成した。
窒素気流下、攪拌機、滴下ロート及び温度計を装着した反応フラスコで、ナトリウムジスルフィド1.33mol(146.6g)とエタノール1000mlを混合した。そこへ、二硫化炭素1.35mol(102.8g)のエタノール1000ml溶液を氷浴を用いて35〜40℃に保ちながら20分かけて滴下し、この温度で2時間攪拌した。
反応液が赤橙色の懸濁液となったことを確認した後、ジヨードメタン1.50mol(409.5g)を20分かけて滴下し、更に2時間攪拌して反応液が淡黄色の懸濁液となったことを確認し、反応を終了した。
反応後、ジエチルエーテルで抽出を行い、水洗し、溶媒を留去して黄色液状の生成物を得た。この生成物をヘキサンを溶離溶媒としたシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、10.6gの固体生成物を得た。
生成物は、融点(61〜62℃)、質量分析、NMR分析及びIR分析結果から1,2,3,5,6−ペンタチエパンであることを確認した。
以下の構造式で表される1,2,3,5,6−ペンタチエパンを文献(H.C.Hansenら,Tetrahedron,41,5145(1985))記載の方法に準じて、以下の手順で合成した。
反応液が赤橙色の懸濁液となったことを確認した後、ジヨードメタン1.50mol(409.5g)を20分かけて滴下し、更に2時間攪拌して反応液が淡黄色の懸濁液となったことを確認し、反応を終了した。
反応後、ジエチルエーテルで抽出を行い、水洗し、溶媒を留去して黄色液状の生成物を得た。この生成物をヘキサンを溶離溶媒としたシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、10.6gの固体生成物を得た。
生成物は、融点(61〜62℃)、質量分析、NMR分析及びIR分析結果から1,2,3,5,6−ペンタチエパンであることを確認した。
[合成例2]
以下の構造式で表される1,2,4,5─テトラチアンを文献(Mahabir Parshad Kaushikら,Chemistry Letters,35,1048(2006))記載の方法に準じて、以下の手順で合成した。
酸素雰囲気下、0℃の条件で、撹拌機を装着した反応フラスコで、メタンジチオール1.00mol(80.16g)と塩化メチレン1000ml及びシリルクロリド0.05mol(5.45g)を10分間撹拌した。反応後、ジエチルエーテルで抽出を行い、水洗し、溶媒を留去して黄色液状の生成物を得た。この生成物をヘキサンを溶離溶媒としたシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、70.3gの固体生成物を得た。
生成物は、融点(67〜68℃)、質量分析、NMR分析及びIR分析結果から1,2,4,5─テトラチアンであることを確認した。
以下の構造式で表される1,2,4,5─テトラチアンを文献(Mahabir Parshad Kaushikら,Chemistry Letters,35,1048(2006))記載の方法に準じて、以下の手順で合成した。
生成物は、融点(67〜68℃)、質量分析、NMR分析及びIR分析結果から1,2,4,5─テトラチアンであることを確認した。
[実施例1]
環状化合物(a)として、上記で得られた1,2,3,5,6−ペンタチエパン30質量部(以下、「a−1」化合物)、エピスルフィド化合物(b)としてビス(β−エピチオプロピル)スルフィド70質量部(以下、「b−1」化合物)と、これらの合計100質量部に対し、光重合開始剤(c)として5−(3−メトキシベンジル)−1,5−ジアザビシクロ〔4,3,0〕ノナン(以下、「c−1」化合物)1質量部、増感剤(f)として4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルスルフィド(以下、「f−1」化合物)1質量部を加えて30℃で撹拌し、均一液とした。これを孔径0.45μmのPTFEフィルターで濾過して光硬化性組成液を得た。得られた光硬化性組成液の光硬化性、可使時間、硬化後の屈折率を表1に示す。
環状化合物(a)として、上記で得られた1,2,3,5,6−ペンタチエパン30質量部(以下、「a−1」化合物)、エピスルフィド化合物(b)としてビス(β−エピチオプロピル)スルフィド70質量部(以下、「b−1」化合物)と、これらの合計100質量部に対し、光重合開始剤(c)として5−(3−メトキシベンジル)−1,5−ジアザビシクロ〔4,3,0〕ノナン(以下、「c−1」化合物)1質量部、増感剤(f)として4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルスルフィド(以下、「f−1」化合物)1質量部を加えて30℃で撹拌し、均一液とした。これを孔径0.45μmのPTFEフィルターで濾過して光硬化性組成液を得た。得られた光硬化性組成液の光硬化性、可使時間、硬化後の屈折率を表1に示す。
[実施例2、3]
表1に示す化合物及び組成比とする以外は、実施例1と同様の方法で組成液を作製し、評価を行った。得られた光硬化性組成液の光硬化性、可使時間、硬化後の屈折率を表1に示す。
表1に示す化合物及び組成比とする以外は、実施例1と同様の方法で組成液を作製し、評価を行った。得られた光硬化性組成液の光硬化性、可使時間、硬化後の屈折率を表1に示す。
[実施例4〜6]
光重合開始剤(c)としてテトラブチルアンモニウム=ブチルトリ(1−ナフチル)ボラート(以下、「c−2」化合物)を使用し、表1に示す組成比とした以外は実施例1と同様の方法で組成液を作製し、評価を行った。得られた光硬化性組成液の光硬化性、可使時間、硬化後の屈折率を表1に示す。
光重合開始剤(c)としてテトラブチルアンモニウム=ブチルトリ(1−ナフチル)ボラート(以下、「c−2」化合物)を使用し、表1に示す組成比とした以外は実施例1と同様の方法で組成液を作製し、評価を行った。得られた光硬化性組成液の光硬化性、可使時間、硬化後の屈折率を表1に示す。
[実施例7〜10]
チオール化合物(d)としてビス(2−メルカプトエチル)スルフィド(以下、「d−1」化合物)もしくはペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネート(以下、「d−2」化合物)を使用し、表1に示す組成比とした以外は実施例2もしくは実施例5と同様の方法で組成液を作製し、評価を行った。得られた光硬化性組成液の光硬化性、可使時間、硬化後の屈折率を表1に示す。
チオール化合物(d)としてビス(2−メルカプトエチル)スルフィド(以下、「d−1」化合物)もしくはペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネート(以下、「d−2」化合物)を使用し、表1に示す組成比とした以外は実施例2もしくは実施例5と同様の方法で組成液を作製し、評価を行った。得られた光硬化性組成液の光硬化性、可使時間、硬化後の屈折率を表1に示す。
[実施例11〜14]
酸性化合物(e)として酢酸(以下、「e−1」化合物)もしくは(+)−10−カンファースルホン酸(以下、「e−2」化合物)を使用し、表1に示す組成比とした以外は実施例2もしくは実施例7と同様の方法で組成液を作製し、評価を行った。得られた光硬化性組成液の光硬化性、可使時間、硬化後の屈折率を表1に示す。
酸性化合物(e)として酢酸(以下、「e−1」化合物)もしくは(+)−10−カンファースルホン酸(以下、「e−2」化合物)を使用し、表1に示す組成比とした以外は実施例2もしくは実施例7と同様の方法で組成液を作製し、評価を行った。得られた光硬化性組成液の光硬化性、可使時間、硬化後の屈折率を表1に示す。
[実施例15]
環状化合物(a)として上記で得られた1,2,4,5─テトラチアン(以下、「a−2」化合物)を使用し、表1に示す組成比とした以外は実施例1と同様の方法で組成液を作製し、評価を行った。得られた光硬化性組成液の光硬化性、可使時間、硬化後の屈折率を表1に示す。
環状化合物(a)として上記で得られた1,2,4,5─テトラチアン(以下、「a−2」化合物)を使用し、表1に示す組成比とした以外は実施例1と同様の方法で組成液を作製し、評価を行った。得られた光硬化性組成液の光硬化性、可使時間、硬化後の屈折率を表1に示す。
[実施例16]
実施例12と同様の方法で作製した光硬化性組成液をランタン重フリントガラス(LASFN7、SCHOTT AG社製、屈折率1.75)に適量垂らし、100μm厚のPETフィルムとともにガラス板で挟み込み、UV−LED光照射装置で3分間光照射した。ガラス板及びPETフィルムを取り除き、約100μm厚でコートされたランタン重フリントガラスを得た。基材−樹脂界面は目立たず、外観良好であった。得られたコート済基板の外観を表2に示す。
実施例12と同様の方法で作製した光硬化性組成液をランタン重フリントガラス(LASFN7、SCHOTT AG社製、屈折率1.75)に適量垂らし、100μm厚のPETフィルムとともにガラス板で挟み込み、UV−LED光照射装置で3分間光照射した。ガラス板及びPETフィルムを取り除き、約100μm厚でコートされたランタン重フリントガラスを得た。基材−樹脂界面は目立たず、外観良好であった。得られたコート済基板の外観を表2に示す。
[実施例17]
被コート材としてサファイアガラス(屈折率1.76)を用いた他は実施例16と同様の方法で、約100μm厚でコートされたサファイアガラスを得た。基材−樹脂界面は目立たず、外観良好であった。得られたコート済基板の外観を表2に示す。
被コート材としてサファイアガラス(屈折率1.76)を用いた他は実施例16と同様の方法で、約100μm厚でコートされたサファイアガラスを得た。基材−樹脂界面は目立たず、外観良好であった。得られたコート済基板の外観を表2に示す。
[実施例18]
実施例12と同様の方法で作製した光硬化性組成液をランタン重フリントガラス(LASFN7)に適量垂らした。その上にプリズム列(頂角90°、ピッチ50μm)が形成されたニッケルの型を被せ、ランタン重フリントガラス側からUV−LED光照射装置で3分間光照射した。光照射後、構造が転写されたランタン重フリントガラスを型から剥離したところ、硬化物が型に残ることはなく離型性は良好であった。以上の手順により、プリズム列が転写された光学ガラスを作製した。その表面構造をSEM(走査型電子顕微鏡)で観察したところ、型のプリズム構造が正確に転写されており、転写性は良好であった。得られたサンプルの離型性及び転写性を表3に示す。
実施例12と同様の方法で作製した光硬化性組成液をランタン重フリントガラス(LASFN7)に適量垂らした。その上にプリズム列(頂角90°、ピッチ50μm)が形成されたニッケルの型を被せ、ランタン重フリントガラス側からUV−LED光照射装置で3分間光照射した。光照射後、構造が転写されたランタン重フリントガラスを型から剥離したところ、硬化物が型に残ることはなく離型性は良好であった。以上の手順により、プリズム列が転写された光学ガラスを作製した。その表面構造をSEM(走査型電子顕微鏡)で観察したところ、型のプリズム構造が正確に転写されており、転写性は良好であった。得られたサンプルの離型性及び転写性を表3に示す。
[実施例19]
被コート材としてサファイアガラスを用いた他は実施例18と同様の方法で、プリズム列が転写された光学ガラスを作製した。その表面構造をSEM(走査型電子顕微鏡)で観察したところ、型のプリズム構造が正確に転写されており、転写性は良好であった。得られたサンプルの離型性及び転写性を表3に示す。
被コート材としてサファイアガラスを用いた他は実施例18と同様の方法で、プリズム列が転写された光学ガラスを作製した。その表面構造をSEM(走査型電子顕微鏡)で観察したところ、型のプリズム構造が正確に転写されており、転写性は良好であった。得られたサンプルの離型性及び転写性を表3に示す。
[比較例1]
環状化合物(a)を用いず、表4に示す組成比とした以外は実施例1と同様の方法で組成液を作製し、評価を行った。光硬化性及び可使時間は良好であったが、硬化後の屈折率(nD)は1.70と実施例1に比べて劣った。得られた光硬化性組成液の光硬化性、可使時間、硬化後の屈折率を表4に示す。
環状化合物(a)を用いず、表4に示す組成比とした以外は実施例1と同様の方法で組成液を作製し、評価を行った。光硬化性及び可使時間は良好であったが、硬化後の屈折率(nD)は1.70と実施例1に比べて劣った。得られた光硬化性組成液の光硬化性、可使時間、硬化後の屈折率を表4に示す。
[比較例2]
組成液に表4に示す組成比で単体の硫黄を添加し、溶解させた以外は比較例1と同様の方法で組成液を作製し、評価を行った。得られた組成液は60秒の光照射後も液状であった。得られた光硬化性組成液の光硬化性を表4に示す。
組成液に表4に示す組成比で単体の硫黄を添加し、溶解させた以外は比較例1と同様の方法で組成液を作製し、評価を行った。得られた組成液は60秒の光照射後も液状であった。得られた光硬化性組成液の光硬化性を表4に示す。
[比較例3、4]
環状化合物(a)を用いる代わりに、表4に示す組成比で低硫黄含有率の環状硫黄化合物を用いた以外は実施例1と同様の方法で組成液を作製し、評価を行った。光硬化性及び可使時間は良好であったが、硬化後の屈折率(nD)は実施例1に比べて劣った。得られた光硬化性組成液の光硬化性、可使時間、硬化後の屈折率を表4に示す。なお、比較例3及び4で使用された低硫黄含有率の環状硫黄化合物は、式(1)における(b+d+f)≧(a+c+e)の要件を満たしていない。
環状化合物(a)を用いる代わりに、表4に示す組成比で低硫黄含有率の環状硫黄化合物を用いた以外は実施例1と同様の方法で組成液を作製し、評価を行った。光硬化性及び可使時間は良好であったが、硬化後の屈折率(nD)は実施例1に比べて劣った。得られた光硬化性組成液の光硬化性、可使時間、硬化後の屈折率を表4に示す。なお、比較例3及び4で使用された低硫黄含有率の環状硫黄化合物は、式(1)における(b+d+f)≧(a+c+e)の要件を満たしていない。
[比較例5]
比較例1と同様の方法で作製した光硬化性組成液をランタン重フリントガラス(LASFN7)にのせ、実施例16と同様の方法で、約100μm厚でコートされたランタン重フリントガラスを得た。基材−樹脂界面は目視で容易に確認でき、外観は不良であった。得られたコート済基板の外観を表5に示す。
比較例1と同様の方法で作製した光硬化性組成液をランタン重フリントガラス(LASFN7)にのせ、実施例16と同様の方法で、約100μm厚でコートされたランタン重フリントガラスを得た。基材−樹脂界面は目視で容易に確認でき、外観は不良であった。得られたコート済基板の外観を表5に示す。
[比較例6]
比較例1と同様の方法で作製した光硬化性組成液をサファイアガラスにのせ、実施例16と同様の方法で、約100μm厚でコートされたサファイアガラスを得た。基材−樹脂界面は目視で容易に確認でき、外観は不良であった。得られたコート済基板の外観を表5に示す。
比較例1と同様の方法で作製した光硬化性組成液をサファイアガラスにのせ、実施例16と同様の方法で、約100μm厚でコートされたサファイアガラスを得た。基材−樹脂界面は目視で容易に確認でき、外観は不良であった。得られたコート済基板の外観を表5に示す。
a−2:1,2,4,5─テトラチアン
b−1:ビス(β−エピチオプロピル)スルフィド
c−1:5−(3−メトキシベンジル)−1,5−ジアザビシクロ〔4,3,0〕ノナン
c−2:テトラブチルアンモニウム=ブチルトリ(1−ナフチル)ボラート
d−1:ビス(2−メルカプトエチル)スルフィド
d−2:ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネート
e−1:酢酸
e−2:(+)−10−カンファースルホン酸
f−1:4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルスルフィド
b−1:ビス(β−エピチオプロピル)スルフィド
c−1:5−(3−メトキシベンジル)−1,5−ジアザビシクロ〔4,3,0〕ノナン
d−1:ビス(2−メルカプトエチル)スルフィド
e−1:酢酸
f−1:4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルスルフィド
b−1:ビス(β−エピチオプロピル)スルフィド
c−1:5−(3−メトキシベンジル)−1,5−ジアザビシクロ〔4,3,0〕ノナン
d−1:ビス(2−メルカプトエチル)スルフィド
e−1:酢酸
f−1:4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルスルフィド
c−1:5−(3−メトキシベンジル)−1,5−ジアザビシクロ〔4,3,0〕ノナン
d−3:2,5−ジメルカプトメチル−1,4−ジチアン
f−1:4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルスルフィド
c−1:5−(3−メトキシベンジル)−1,5−ジアザビシクロ〔4,3,0〕ノナン
f−1:4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルスルフィド
Claims (10)
- 式(1)で表される環状化合物(a)、エピスルフィド化合物(b)、光重合開始剤(c)及び増感剤(f)を含有する光硬化性組成物であって、
前記環状化合物(a)が、1,2,4,5−テトラチアンまたは1,2,3,5,6−ペンタチエパンを含有し、
前記光重合開始剤(c)が光塩基発生剤であり、
前記光硬化性組成物中の環状化合物(a)の割合が5〜80質量%、エピスルフィド化合物(b)の割合が20〜95質量%であり、光重合開始剤(c)の割合が環状化合物(a)及びエピスルフィド化合物(b)の合計100質量部に対して0.1〜10質量部であり、増感剤(f)の割合が環状化合物(a)及びエピスルフィド化合物(b)の合計100質量部に対して0.05〜3質量部である、前記光硬化性組成物。
- 前記光重合開始剤(c)が、5−(3−メトキシベンジル)−1,5−ジアザビシクロ〔4,3,0〕ノナンまたはテトラブチルアンモニウム=ブチルトリ(1−ナフチル)ボラートである、請求項1に記載の光硬化性組成物。
- 前記環状化合物(a)及びエピスルフィド化合物(b)の合計100質量部に対してチオール化合物(d)を0.1〜20質量部含有する、請求項1または2に記載の光硬化性組成物。
- 前記チオール化合物(d)が、ビス(2−メルカプトエチル)スルフィドまたはペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネートである、請求項1から3のいずれか一項に記載の光硬化性組成物。
- 前記環状化合物(a)及びエピスルフィド化合物(b)の合計100質量部に対して酸性化合物(e)を0.001〜1質量部含有する、請求項1から4のいずれか一項に記載の光硬化性組成物。
- 前記光硬化性組成物を硬化させた際のナトリウムD線で測定した屈折率が1.73以上である、請求項1から5のいずれか一項に記載の光硬化性組成物。
- 前記エピスルフィド化合物(b)が、式(2)で表される構造を有する、請求項1から6のいずれか一項に記載の光硬化性組成物。
- 単体の硫黄を含有しない、請求項1から7のいずれかに一項に記載の光硬化性組成物。
- 請求項1から8のいずれか一項に記載の光硬化性組成物を硬化した樹脂。
- 請求項9に記載の樹脂を含む光学材料。
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