JP5761474B2 - 硬化性組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、光学素子接着剤、光学素子用コーティング剤、レジスト材料、プリズム、光ファイバー、情報記録基盤、フィルター、プラスチックレンズ、導光板等の光学材料を製造するのに有用な光塩基発生剤を含有する光硬化性組成物に関するものである。
プラスチック材料は軽量かつ靭性に富み、また染色が容易であることから、各種光学材料に近年多用されている。光学材料の多くに要求される性能の一つとして、高屈折率があげられる。高屈折率な光学材料については、屈折率1.7以上の光学材料を可能とするエピスルフィド化合物が多数見いだされている(特許文献1,2,3参照。)。これら化合物を使用した組成物の硬化方法のほとんどは熱硬化であるため用途に大きな制約があり、光硬化ができる組成物が強く望まれていた。
エピスルフィド化合物の光硬化に関しては、特許文献4,5,6,7,8に記載がある。これらの文献においては開始剤としてラジカル発生剤、酸発生剤、塩基発生剤等が開示されているが、エピスルフィド化合物の重合に対しては塩基触媒が最も活性が高いことから、塩基発生剤の使用が最も望ましいと考えられている。しかしながら、光塩基発生剤に関する研究の歴史は浅く、実用に耐えうる重合活性を示す光塩基発生剤はこれまで見出されていない。光塩基発生剤に関する研究については、非特許文献1,2に記載がある。
これらの光塩基発生剤の主な問題点は、エピスルフィド化合物の300nm付近までの光吸収が、光塩基発生剤の光吸収領域とほぼ重なっており、光分解による塩基の発生効率が低いこと、および、光分解により発生する塩基の塩基性が弱く、エピスルフィド化合物の重合硬化が遅いことであった。
上記の問題点を改良する光塩基発生剤として、特許文献9が提案されているが、エピスルフィド化合物に当該の光塩基発生剤を添加した組成物のポットライフが短く、数時間〜十数時間で組成物の粘度が顕著に増加し、数日間以内に硬化するなど、組成物のポットライフ(可使時間)が短く取り扱いが困難となる問題があった。
特開平9−71580号公報 特開平9−110979号公報 特開平9−255781号公報 国際公開01/57113号 特開2002−047346号公報 特開2002−105110号公報 米国特許出願公開第2003/0022956号明細書 特開2003−026806号公報 特開2011−038050号公報
化学工業、50巻、p592−600(1999) J.Polym.Sci.PartA, vol39, p1329-1341(2001)
本発明は、十分なポットライフで高活性を示す光塩基発生剤を含有し、更に紫外線照射により容易に硬化するエピスルフィド化合物を含む硬化性組成物、ならびに紫外線照射により得られる硬化物、さらには当該硬化物からなる光学材料を提供することにある。
本発明者らは上記問題を解決すべく検討を行った結果、下記一般式(1)で表される化合物を光塩基発生剤として用いることで、エピスルフィド化合物を含む組成物が十分なポットライフを有し、紫外線照射により容易に硬化し、目的の硬化物が得られることを見出した。
Figure 0005761474
(一般式(1)中、R、R、R、R及びRは、同一または異なっていてもよく、炭素数1〜8のアルキル基を表し、Ar、Ar及びArは、同一または異なっていてもよく、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基およびフェナンスリル基からなる群から選択される基を表し、これらの基はアルキル基、アリール基、アルケニル基、シクロアルキル基、及び複素環式基からなる群より選択される置換基を有していても良い。)
すなわち、本発明は、以下のとおりである。
[1](A)エピスルフィド化合物と、(B)前記一般式(1)で表される有機ホウ素化合物を含有する光塩基発生剤を含むことを特徴とする硬化性組成物。
[2](A)エピスルフィド化合物が下記一般式(2)で表わされる化合物である[1]に記載の硬化性組成物。
Figure 0005761474
(一般式(2)中、mは0〜4の整数、nは0〜2の整数を表す。)
[3]一般式(2)で表わされる化合物がビス(β−エピチオプロピル)スルフィドである[2]に記載の硬化性組成物。
[4]さらに、(C)増感剤を含むことを特徴とする[1]から[3]のいずれかに記載の硬化性組成物。
[5] さらに、(D)チオール化合物を含むことを特徴とする[1]から[4]のいずれかに記載の硬化性組成物。
[6][1]から[5]のいずれかに記載の硬化性組成物を、紫外線もしくは可視光の照射により硬化させることを特徴とする硬化物の製造方法。
[7][6]記載の製造方法により得られた硬化物。
[8][7]に記載の硬化物を含む光学材料。
[9][1]から[5]のいずれかに記載の硬化性組成物を含む光学接着剤。
[10]基板表面に微細構造が形成された光学材料であって、[1]から[5]のいずれかに記載の硬化性組成物を微細構造形成に用いることを特徴とする光学材料。
本発明は、十分なポットライフで高活性を示す光塩基発生剤を含有し、更に紫外線照射により容易に硬化するエピスルフィド化合物を含む硬化性組成物、ならびに紫外線照射により得られる硬化物、さらには当該硬化物を含む光学材料を提供することが可能となった。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明で使用する(A)エピスルフィド化合物は、開環重合することにより硬化物を生成するエピスルフィド基を1分子中に1個以上有する化合物であれば良い。硬化性組成物の架橋性および得られる硬化物の高屈折率を追求する場合、1分子内に2個以上のエピスルフィド基を有する化合物が好ましい。ハンドリング性、入手容易性、硬化物の物性バランスから前記一般式(2)で表される化合物がより好ましい。
具体的にはビス(β−エピチオプロピル)スルフィド、ビス(β−エピチオプロピル)ジスルフィド、ビス(β−エピチオプロピル)トリスルフィド、ビス(β−エピチオプロピルチオ)メタン、1,2−ビス(β−エピチオプロピルチオ)エタン、1,3−ビス(β−エピチオプロピルチオ)プロパン、 1,2−ビス(β−エピチオプロピルチオ)プロパン、1,4−ビス(β−エピチオプロピルチオ)ブタン、およびビス(β−エピチオプロピルチオエチル)スルフィドからなる群から選択される1種以上のエピスルフィド化合物が好ましく挙げられる。
中でも好ましい具体例は、ビス(β−エピチオプロピル)スルフィド(式(3))および/またはビス(β−エピチオプロピル)ジスルフィド(式(4))であり、最も好ましい具体例は、ビス(β−エピチオプロピル)スルフィドである。
Figure 0005761474
ビス(β−エピチオプロピル)スルフィド
Figure 0005761474
ビス(β−エピチオプロピル)ジスルフィド
本発明の硬化性組成物中の(A)エピスルフィド化合物の割合は、通常10〜99.99質量%であり、好ましくは20〜99.9質量%、より好ましくは30〜99.9質量%、特に好ましくは50〜99.5質量%である。
本発明で使用する、(B)前記一般式(1)で表される有機ホウ素化合物において、R、R、R、R及びRは、同一または異なっていてもよい炭素数1〜8のアルキル基であり、Ar、Ar及びArは、同一または異なっていてもよいフェニル基、ナフチル基、アントラセニル基およびフェナンスリル基からなる群から選択される基であって、これらの基はアルキル基、アリール基、アルケニル基、シクロアルキル基、及び複素環式基からなる群より選択される置換基を有していても良い。R、R、R及びRは同一であって、炭素数2〜5のアルキル基が好ましく、さらに直鎖アルキル基がより好ましく、R、R、R及びRは全てn−ブチル基が最も好ましい。Rは、炭素数2〜5のアルキル基が好ましく、さらに直鎖アルキル基がより好ましく、n−ブチル基が最も好ましい。好ましくは、Ar、Ar及びArは同一でありさらにフェニル基またはナフチル基であって、芳香環にアルキル基、アリール基等の置換基を有していても良い。さらに好ましくは、Ar、Ar及びArは同一であり、フェニル基、4−tert−ブチルフェニル基、1−ナフチル基、及び4−メチル−1−ナフチル基のいずれかである。
好ましい(B)前記一般式(1)で表される有機ホウ素化合物は、テトラブチルアンモニウム=ブチルトリフェニルボラート、テトラブチルアンモニウム=ブチルトリ(4−tert−ブチルフェニル)ボラート、テトラブチルアンモニウム=ブチルトリ(1−ナフチル)ボラート、テトラブチルアンモニウム=ブチルトリ(4−メチル−1−ナフチル)ボラートである。なお、化合物名における「=」は、イオン結合を意味する。エピスルフィド化合物への溶解性、エピスルフィド化合物の重合性、及び組成物のポットライフのバランスの点で、テトラブチルアンモニウム=ブチルトリ(1−ナフチル)ボラートが最も好ましい。
(B)一般式(1)で表わされる化合物の使用量は、(A)エピスルフィド化合物100質量部に対して、通常0.01質量部以上であり、好ましくは0.05〜10質量部であり、より好ましくは0.05〜3質量部であり、最も好ましくは0.1〜1質量部である。硬化性組成物を硬化した光学材料の屈折率の観点から、特に成分(B)の使用量は1質量部以下が好ましい。
本発明の硬化性組成物は、成分(A)および(B)に加えて(C)増感剤を含むことができる。硬化性組成物に(C)増感剤を配合することによって、成分(B)からより効率的に塩基が遊離することが可能になる。その結果、露光時間の短縮化や硬化性組成物の重合促進が図れる。
好ましい(C)増感剤は、置換または非置換のベンゾフェノン、チオキサントン、アントラキノンなどの芳香族ケトンまたはオキサジン、アクリジン、フェナジンおよびローダミンなどの染料、およびフルオレン、フルオレノン、ナフタレンなどの共役複素環をもつ化合物である。特に好ましくは、置換または非置換のベンゾフェノン、チオキサントン、およびフルオレンである。具体的には、ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス−(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(エチルメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ジフェニルベンゾフェノン、4,4’−ジフェノキシベンゾフェノン、4,4’−ビス(p−イソプロピルフェノキシ)ベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、2−メトキシカルボニルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルスルフィド、4−メトキシ−3,3’−メチルベンゾフェノン、イソプロピルチオキサントン、クロロチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン、2−(トリフルオロメチル) チオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、1,3−ジメチル−2−(2−エチルヘキシルオキシ)チオキサントン、フルオレン、9,9−ジメチルフルオレン、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレン等が挙げられる。
以上、好ましい(C)増感剤を例示したが、これらは単独でも2種類以上を混合して使用してもかまわない。(C)増感剤の使用量は、(A)エピスルフィド化合物100質量部に対して、0.01質量部以上であり、好ましくは0.05〜10質量部であり、より好ましくは0.05〜3質量部であり、最も好ましくは0.1〜1質量部である。
本発明の硬化性組成物には、必要に応じて(D)チオール化合物を添加することが可能である。チオール化合物の添加によって、着色が少なく透明性に優れる硬化物を得ることができる。ここでいうチオール化合物とは、1分子内に1個または2個以上のチオール基を有する有機化合物であるが、硬化物の機械強度を高める上で2個以上のチオール基を有する化合物が好ましい。
(D)チオール化合物の好ましい具体例としては、メタンジチオール、メタントリチオール、1,2−ジメルカプトエタン、ビス(2−メルカプトエチル)スルフィド、ビス(2,3−ジメルカプトプロピル)スルフィド、1,2,3−トリメルカプトプロパン、2−メルカプトメチル−1,3−ジメルカプトプロパン、4−メルカプトメチル−1,8−ジメルカプト−3,6−ジチアオクタン、2,4−ビス(メルカプトメチル)−1,5−ジメルカプト−3−チアペンタン、4,8−ビス(メルカプトメチル)−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン、4,7−ビス(メルカプトメチル)−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン、5,7−ビス(メルカプトメチル)−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン、1,2,7−トリメルカプト−4,6−ジチアヘプタン、1,2,9−トリメルカプト−4,6,8−トリチアノナン、1,2,8,9−テトラメルカプト−4,6−ジチアノナン、1,2,10,11−テトラメルカプト−4,6,8−トリチアウンデカン、1,2,12,13−テトラメルカプト−4,6,8,10−テトラチアトリデカン、テトラキス(メルカプトメチル)メタン、テトラキス(4−メルカプト−2−チアブチル)メタン、テトラキス(7−メルカプト−2,5−ジチアヘプチル)メタン、トリメチロールプロパントリス(2−メルカプトアセテート)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(2−メルカプトアセテート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、2,5−ビス(メルカプトメチル)−1,4−ジチアン、ビス(4−メルカプトフェニル)スルフィド、ビス(4−メルカプトメチルフェニル)メタン、2,2−ビス(4−メルカプトメチルフェニル)プロパン、ビス(4−メルカプトメチルフェニル)エーテル、ビス(4−メルカプトメチルフェニル)スルフィド等が挙げられる。
以上、好ましい(D)チオール化合物を例示したが、これらは単独でも2種類以上を混合して使用してもかまわない。(D)チオール化合物の添加量は、(A)エピスルフィド化合物および(D)チオール化合物の合計100質量部に対して、好ましくは1〜50質量部であり、より好ましくは3〜40質量部であり、更に好ましくは5〜30質量部である。
本発明の硬化性組成物には、耐候性、耐酸化性、強度、表面硬度、基材との密着性、屈折率、染色性等の各種性能改良を目的として、エポキシ化合物類、イソ(チオ)シアネート類、フェノール類、アミン類、硫黄原子を有する無機化合物、セレン原子を有する無機化合物等を添加しても構わない。この場合は、必要に応じて公知の重合硬化触媒を別途加えることが出来る。
本発明の硬化性組成物は、紫外線や可視光線を照射することにより硬化される。その際に使用する光源は、紫外線や可視光線を発生させる装置であれば特に制限はない。具体的には、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、ハイパワーメタルハライドランプ、キセノンランプ、発光ダイオード(紫外線LED)等を挙げることができる。
本発明の硬化性組成物は光硬化させる際に、空気中の酸素の影響で重合阻害を受ける場合がある。従って、露光時間を短縮するためや硬化性組成物を十分に重合させるために低酸素濃度の雰囲気にて露光を行うことが好ましい。具体的には、硬化性組成物を取り巻く雰囲気を窒素ガスや炭酸ガスで置換して露光を行う方法が挙げられる。その際の酸素濃度としては10%以下が好ましく、5%以下が更に好ましい。また、硬化性組成物の表面をポリプロピレンフィルム等の透明なフィルムで被覆して露光を行う方法や硬化性組成物をガラス等で構成される透明なモールド内に密封注入して露光を行う方法も挙げられる。
硬化性組成物に紫外線や可視光を照射した後、加熱処理を行うことにより、硬化を更に促進することができる。紫外線照射後に、光学材料に求められる硬化度に応じて加熱温度並びに時間を適宜選択できるが、加熱温度は室温〜150℃、加熱時間は1分〜3日が好ましい。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
なお、実施例中において、(A)エピスルフィド化合物は、特開平9−110979号公報および特開2001−163874号公報に記載の方法に基づいて合成した。また、(B)一般式(1)で表わされる化合物は、いずれも昭和電工株式会社より入手し、そのまま実験に用いた。
以下、テトラブチルアンモニウム=ブチルトリ(1−ナフチル)ボラートをPBG1、テトラブチルアンモニウム=ブチルトリフェニルボラートをPBG2、テトラブチルアンモニウム=ブチルトリ(4−メチル−1−ナフチル)ボラートをPBG6、テトラブチルアンモニウム=ブチルトリ(4−tert−ブチルフェニル)ボラートをPBG7と呼称する。また、メチル4−((ヘキサヒドロピロロ[1,2−α]ピリミジン−1(2H)−イル)メチル)ベンゾエート(以下PBG3と呼称する)は、特表2005−511536号公報に記載の方法に基づいて、1−(4’−フェニルチオ)フェナシル−(5−アゾニア−1−アザビシクロ[4,3,0]−5−ノネン)テトラフェニルボレート(以下PBG4と呼称する)は、特開2005-264156号公報に記載の方法に基づいて、トリブチルナフトイルメチルアンモニウムブチルトリフェニルボーレート(以下PBG5と呼称する)は、J.Phys.Chem.1996,100,12386−12393およびJ.Phys.Chem.A 1998,102,5375−5382の記載の方法に基づいてそれぞれ合成した。また、(C)増感剤である4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルスルフィドは、DKSHジャパン社より製品名Lunacure BMS(以下BMSと呼称する)を入手し、そのまま用いた。その他の増感剤は、いずれも東京化成工業株式会社より入手し、そのまま用いた。また、(D)チオール化合物であるビス(2−メルカプトエチル)スルフィド(以下DMDSと呼称する)は東京化成工業株式会社より、ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネート(以下PETPと呼称する)は淀化学株式会社より、ペンタエリスリトール テトラキス(3−メルカプトブチレート)(以下PE1と呼称する)は昭和電工株式会社より入手し、そのまま用いた。1,2−ビス[(2−メルカプトエチル)チオ]−3−メルカプトプロパン(以下GSTと呼称する)はWO2007/129450号公報に記載の方法に基づいて合成した。
また、硬化性組成物に露光を行う際の光源にはメタルハライドランプ(30mW/cm、熱線カットフィルター付き、アイグラフィックス社製)を使用した。
硬化性組成物の光硬化性は、表面にタック(べた付き)が残らない状態で硬化するまでに要する露光時間により評価し、20秒未満で硬化する場合に「A」、20秒以上40秒未満で硬化する場合に「B」、40秒以上60秒未満で硬化する場合に「C」、硬化に1分以上を要する場合あるいは未硬化の場合を「D」と評価した。
また、得られた硬化物の屈折率(nD)は、アッベ屈折計(アタゴ社製「NAR−4T」)を用いて、D線での値を測定した。測定温度は20℃とした。
また、硬化性組成物のポットライフは、30℃で7日間保存した際の硬化性組成物の粘度が初期粘度から2割以下の粘度上昇の場合に「良好」、初期粘度から2割以上の顕著な増粘あるいは固化した場合に「不良」と評価した。光硬化性組成物を使用する光学材料の製造プロセスでは通常数日から1週間程度の連続した製造が行われるため、生産性の面から室温付近遮光下での硬化性組成物の粘度安定性(重合抑制)は非常に重要である。
実施例1
(A)ビス(β−エピチオプロピル)スルフィド(100質量部)に対して、(B)PBG1(0.5質量部)を混合し、均一になるまで撹拌して硬化性組成液を調製した。硬化性組成液の20℃での粘度(初期粘度)は、12mPa・sであった。この硬化性組成液をスライドグラス上に適量垂らし、その上にPETフィルム(東レ社製「ルミラーT60」、厚み250μm)を被せ、硬化性組成液の厚みが約10μmになるようにした。続いてPETフィルム側からメタルハライドランプの光を照射し、硬化性組成物が表面にタック(べた付き)が残らない状態で硬化するまでに要する時間を確認したところ、40秒以上60秒未満であった。
1分間露光した後にPETフィルムを剥がし、硬化膜の屈折率を測定したところ、nD=1.71であった。硬化膜は無色であった。
さらに、未露光の硬化性組成液を遮光瓶に入れ、30℃の恒温試験機中で7日間静置してポットライフを確認したところ、硬化性組成液は静置後も液状であり、20℃での粘度は、13mPa・sであり顕著な粘度変化は見られず「良好」であった。
実施例2〜22
成分(B)、成分(C)、成分(D)を表1に示す化合物および添加量に変えた以外は、実施例1と同様の方法で硬化試験を行った。なお、成分(A)および(D)の合計100質量部に対し、成分(B)および(C)を所定量添加した。
硬化に要する露光時間、硬化膜の屈折率、硬化膜の色は表1に示すとおりであった。また、実施例1と同様の方法でポットライフを確認したところ、硬化性組成液は30℃7日間静置後も顕著な粘度変化は見られず「良好」であった。
比較例1〜4
成分(B)、成分(C)、成分(D)を表1に示す化合物および添加量に変えた以外は、実施例1と同様の方法で硬化試験を行った。なお、成分(A)および(D)の合計100質量部に対し、成分(B)および(C)を所定量添加した。
硬化に要する露光時間、硬化膜の屈折率および硬化膜の色は表1に示す通りであった。実施例1と同様の方法でポットライフを確認したところ、硬化性組成液は30℃7日間静置後にはいずれも固化しており「不良」であった。
Figure 0005761474
実施例23〜28
(A)エピスルフィド化合物をビス(β−エピチオプロピル)ジスルフィドに変え、BMS(成分(C))およびDMDS(成分(D))の添加量を表2に示すように変更した以外は、実施例10と同様の方法で硬化実験を行った。
硬化に要する露光時間、硬化膜の屈折率、硬化膜の色、ポットライフは表2に示すとおりであった。
Figure 0005761474
実施例29〜33
(C)増感剤を表3に示す化合物および添加量に変えた以外は、実施例8と同様の方法で硬化試験を行った。
硬化に要する露光時間、硬化膜の色、ポットライフは表3に示すとおりであった。
Figure 0005761474
実施例34〜39
(D)チオール化合物を表4に示す化合物および添加量に変えた以外は、実施例10と同様の方法で硬化試験を行った。
硬化に要する露光時間、硬化膜の屈折率、硬化膜の色およびポットライフは表4に示すとおりであった。
Figure 0005761474
実施例40
(A)ビス(β−エピチオプロピル)スルフィド(100質量部)に対して、(B)PBG1(0.5質量部)を混合し、均一になるまで撹拌して硬化性組成液を調製した。この硬化性組成液を1mm厚の石英ガラスに塗布し、同じく1mm厚の石英ガラスではさんだサンプル(硬化後の厚さが40μm±2μmとなるようにスペーサーを入れたもの)を作製した。続いてメタルハライドランプの光を1分間照射した。1mm厚の石英ガラスではさんだサンプルは、強固に接着しており、接着硬化層は、白濁がなく、無色で良好な透明性を示した。
実施例41
(A)ビス(β−エピチオプロピル)スルフィド(90質量部)および(D)DMDS(10質量部)に対して、(B)PBG1(1質量部)および(C)BMS(1質量部)を混合し、均一になるまで撹拌して硬化性組成液を調製した。この硬化性組成液を0.45μm径のPTFEフィルターでろ過し、易接着PETフィルム(コスモシャインA4100、厚み100μm、東洋紡績社製)の上に適量垂らした。その上にプリズム列(頂角90°、ピッチ50μm)が形成されたニッケルの型を被せ、PETフィルム側からメタルハライドランプの光を1分間照射した。光照射後、構造が転写されたPETフィルムを型から剥離したところ、硬化物が型に残ることはなく離型性は良好であった。以上の手順により、プリズム列が転写された光学フィルムを作製した。その表面構造をSEM(走査型電子顕微鏡)で観察したところ、型のプリズム構造が正確に転写されており、転写性は良好であった。

Claims (9)

  1. (A)エピスルフィド化合物と、(B)下記一般式(1)で表される有機ホウ素化合物を含有する光塩基発生剤とを含み、前記(A)エピスルフィド化合物が下記一般式(2)で表わされる化合物であることを特徴とする硬化性組成物。
    Figure 0005761474
    (一般式(1)中、R、R、R、R及びRは、同一または異なっていてもよく、炭素数1〜8のアルキル基を表し、Ar、Ar及びArは、同一または異なっていてもよく、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基およびフェナンスリル基からなる群から選択される基を表し、これらの基はアルキル基、アリール基、アルケニル基、シクロアルキル基、及び複素環式基からなる群より選択される置換基を有していても良い。)
    Figure 0005761474
    (一般式(2)中、mは0〜4の整数、nは0〜2の整数を表す。)
  2. 一般式(2)で表わされる化合物がビス(β−エピチオプロピル)スルフィドである請求項に記載の硬化性組成物。
  3. さらに、(C)増感剤を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の硬化性組成物。
  4. さらに、(D)チオール化合物を含むことを特徴とする請求項1からのいずれかに記載の硬化性組成物。
  5. 請求項1からのいずれか1項に記載の硬化性組成物を、紫外線もしくは可視光の照射により硬化させることを特徴とする硬化物の製造方法。
  6. 請求項に記載の製造方法により得られた硬化物。
  7. 請求項に記載の硬化物を含む光学材料。
  8. 請求項1からのいずれか1項に記載の硬化性組成物を含む光学接着剤。
  9. 基板表面に微細構造が形成された光学材料であって、請求項1からのいずれか1項に記載の硬化性組成物を微細構造形成に用いることを特徴とする光学材料。
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