JP3918411B2 - 硬化性組成物及びその硬化物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は硬化性組成物及び硬化物に関し、更に詳しくは、特定のエピスルフィド化合物と特定の光塩基発生剤を含む硬化性組成物、及びその硬化物に関する。本発明の硬化性組成物は、適当な基材、例えばシリコンウエハ、ガラス、ポリイミドフィルム、ポリエステルフィルム、アルミ箔、銅箔等に塗布し、これを他の基材で覆ったのち、加熱して硬化させて接着させる接着剤に使用したり、あるいは、ガラスや金属の型の中で光効果させてレンズや成形体を得るものである。本発明の硬化性組成物は、硬化前の安定性に優れ、かつ低い温度または短い時間で硬化し、耐溶剤性、耐熱性を有する硬化物を与える等の優れた性能を有するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、熱硬化性組成物は、熱に敏感な電子部品等への応用、或いは操作性等の要請から、より低い温度で硬化させられることが求められている。然し、熱硬化性組成物は加熱により硬化させるので熱に敏感であるため、低い温度で硬化させるためには活性の高い触媒ないしは硬化開始剤が必要となり、その結果室温での安定性、及び保存安定性が著しく低下する。低温硬化性と保存安定性とを両立する為には、樹脂と触媒なしいは開始剤を分けておいて使用直前に混合して使う方法が挙げられる。然し、塗布面積が大きい場合は経時的変化を起こすので塗布の始めの部分と終わりの部分で粘度や接着力に差が出てしまい実用的ではない。また混合時に汚れを取り込んだり気泡を巻き込むので接着力や強度の低下を免れない。
【0003】
保存性と低温硬化性を両立させるための別の方法としては、加熱によるのではなく、可視光、紫外線等の活性エネルギー線の照射によって硬化する組成物を使用する方法が挙げられる。このような光硬化性組成物は、樹脂と触媒ないしは開始剤を含んでなり、これらを予め混合しておいても光さえ遮ってしまえば硬化反応は進行しない。こうした樹脂としてはアクリル樹脂がよく知られている。然し、アクリル樹脂の硬化は付加反応であるため硬化時の収縮率が大きく、その結果として、硬化物が割れたり、基材から剥離したりするという欠点がある。
【0004】
一方、硬化収縮の小さい樹脂として知られているエポキシ樹脂を光硬化させる方法としては、光酸発生剤を使用できることが知られており、実際に広く使われている。然し、エポキシ樹脂と光酸発生剤を組み合わせた場合は、硬化収縮は小さくなるが、光照射によって発生する開始剤が酸であるため、アルミやエステル系ポリマー等といった酸に弱い基材を用いた場合、腐食が発生してしまい、性能の低下や信頼性試験での信頼性の低下が顕著となっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、係る事情を鑑みてなされたものであって、(1)硬化前溶液の保存安定性等の作業性の面、(2)基板等との接着性、硬化速度等の加工性の面、及び(3)基材に対する腐食性がない等の物性の面から優れ、接着剤及び封止材としての使用、並びに、積層体、複合体、電子部品、光学部品等の材料としての使用に好適で、新規な硬化性組成物を提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者は上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、硬化収縮の観点から付加型反応より好ましい開環型反応によって硬化する特定の樹脂が、光によって活性化する際に酸を発生しないような特定の開始剤を用いて硬化させ得ることを見いだし本発明に到達した。
即ち、本発明の要旨は、芳香環、脂肪族環、並びに、複数の芳香環及び/または脂肪族環が縮環した構造からなる群より選ばれる環状構造を含む基本骨格に対して、チイラン環を含む置換基及び/またはオキシラン環を含む置換基が2つ以上結合しており、そのうち1つ以上はチイラン環を含む置換基であるエピスルフィド化合物と、光塩基発生剤とを含み、該エピスルフィド化合物に含まれるチイラン環とオキシラン環の合計に対するチイラン環のモル比率が25〜100%であることを特徴とする硬化性組成物に存する。
【0007】
又、本発明の要旨は、芳香環、脂肪族環、並びに、複数の芳香環及び/または脂肪族環が縮環した構造からなる群より選ばれる環状構造を含む基本骨格に対して、オキシラン環を含む置換基が2つ以上結合したエポキシ化合物を硫化剤と反応させてオキシラン環の酸素原子を硫黄原子に置換して得られたエピスルフィド化合物と、光塩基発生剤とを含み、該エピスルフィド化合物に含まれるチイラン環とオキシラン環の合計に対するチイラン環のモル比率が25〜100%であることを特徴とする硬化性組成物に存する。
【0008】
又、本発明の要旨は、前記硬化性組成物を硬化させたものであることを特徴とする硬化物、前記硬化性組成物の層と基材層を含んでなることを特徴とする積層体、前記硬化物の層と基材層を含んでなることを特徴とする積層体、及び、前記硬化性組成物を硬化させたものであることを特徴とする光学部品にも存する。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明は、(a)分子内に少なくとも1つ以上のチイラン環を有し、分子内のチイラン環及び/またはオキシラン環の合計数が2つ以上であるエピスルフィド化合物を使用することを一つの特徴とする。分子内のチイラン環及び/またはオキシラン環の合計数は、2つ以上であれば特に制限はなく、好ましくは2〜20個、更に好ましくは2〜10個が適当である。
本発明において「エピスルフィド化合物」とは、チイラン環を分子内に2つ以上有する単一のエピスルフィド化合物、または、チイラン環を分子内に2つ以上有するという条件を満たす2種類以上のエピスルフィド化合物の混合物、或いは、上記の化合物または混合物に含まれるチイラン環部位の一部が硫黄ではなく酸素となりオキシラン環を形成しているような化合物の混合物を指す。
【0010】
本発明で用いるエピスルフィド化合物が混合物である場合、その混合比は任意である。好ましくは、混合する化合物は2〜10種類であり、更に、オキシラン環のみを有するエポキシ化合物が混入していてもよい。
エピスルフィド化合物に含まれるチイラン環とオキシラン環の比は、特に制限はない。全体に含まれるチイラン環とオキシラン環の合計に対するチイラン環のモル比率として好ましくは25%〜100%であるものが使用される。チイラン環への変換率が高くなるにつれて、これを用いた硬化物の特性がより良好になる傾向にある。これらのチイラン環とオキシラン環の比は、例えばプロトンNMR等により確認できる。
【0011】
上記した、エピスルフィド化合物は、チイラン環部位を含む置換基、及び/またはオキシラン環部位を含む置換基、並びに、それらを連結する基本骨格から構成される。チイラン環部位及び/またはオキシラン環部位を含む置換基は、分子内に2つ以上存在するが、互いに同一の構造をとらなくてもよい。
エピスルフィド化合物が有する基本骨格には特に制限はなく、好ましい基本骨格としては、芳香環、脂肪族環、並びに、複数の芳香環及び/または脂肪族環が縮環した構造等に例示される環状構造を含むものが挙げられる。該基本骨格は、単一の環状構造のみから、若しくは、複数の環状構造及びこれらの環状構造を連結する部位から構成される。
【0012】
ここで脂肪族環とは、炭素鎖が環状に閉じた構造で且つその環状部位が芳香族性を示さないものを表す。芳香環、脂肪族環、並びに、複数の芳香環及び/または脂肪族環が縮環した構造としては、合成のし易さ等を勘案すると、5員環、6員環、並びに、5員環及び/または6員環が縮環した構造が好ましい。より好ましい構造としては、シクロペンタン環、ベンゼン環、シクロヘキサン環、ナフタレン環、テトラリン環、デカリン環、及びシクロペンタジエンが2分子縮合した4,8−トリシクロ[5.2.1.02.6]デカジエン、及びその還元体であるトリシクロ[5.2.1.02.6]デカン等が例示され、最も好ましい構造は、ベンゼン環、ナフタレン環、及びシクロヘキサン環である。
【0013】
分子内に2つ以上の環状骨格がある場合に、それらを連結する基としては、炭素数1〜10の2価の非環式飽和炭化水素基、水酸基で置換された炭素数1〜10の2価の非環式飽和炭化水素基、エーテル結合、エステル結合、アミド結合、及びこれらを2つから3つ組合せた基が例示される。これらの中で、好ましい連結基としては、メチレン基、ジメチルメチレン基等、下記式(1)〜(3)に示される基が挙げられる。
【化1】
【0014】
また、複数の環状骨格を連結する部位の特殊な例として、ただの化学結合が好ましく挙げられ、この場合、一方の環状骨格の炭素と他方の環状骨格の炭素とが直接、共有結合で連結される。
上記した、2つの環状骨格を含む構造の好ましい例を、下記式(4)〜(13)に示す。
【化2】
【化3】
【0015】
更に、3つの環状骨格がある場合に、それら3つを連結する部位としては、炭素数1〜10の3価の非環式飽和炭化水素基が好ましく例示される。3価の非環式飽和炭化水素基の炭素数は、1〜3がより好ましい。
3つ以上の環状骨格を含む構造の好ましい例を、下記式(14)〜(23)に示す。
【化4】
【化5】
これらの中で最も好ましい基本骨格は、(4)、(5)、(7)、(9)、(10)、(12)、(18)、(23)に示すものである。
【0016】
次に、チイラン環部位、またはオキシラン環部位を含む置換基の構造を説明する。
本発明で用いるエピスルフィド化合物に於いては、チイラン環部位を含む置換基及び/またはオキシラン環部位を含む置換基が、上記基本骨格に2つ以上結合しており、そのうち1つ以上はチイラン環部位を含む置換基である。これらの置換基は互いに同一の構造をとらなくてもよい。また、本発明のエピスルフィド化合物には、オキシラン環部位を含む置換基のみを有するエポキシ化合物が混入していてもよい。
【0017】
チイラン環部位、またはオキシラン環部位を含む置換基の構造を、以下に具体的に説明する。
本発明で用いるエピスルフィド化合物に於いては、チイラン環部位を含む置換基は、式(24)で表されるチイラン環部位のみから構成されるか、若しくは、式(25)で表されるように、上記チイラン環部位と基本骨格とを結合する追加の連結基Rから構成される。
【化6】
【0018】
(式中、Rは、下記に示す追加の連結基を表す。)
式(24)で表されるチイラン環部位は、該チイラン環を基本骨格と連結する部位の一端が一方の炭素原子に結合する以外は、いずれの炭素も無置換であるような末端チイラン環である。
【0019】
上記した式(24)で表されるチイラン環部位は、直接、基本骨格に結合していてもよいし、更に追加の連結基Rを介して基本骨格に結合していてもよい。
追加の連結基Rは、上記した式(24)で表されるチイラン環部位と基本骨格とを連結する基であり、その構造に特に制限はないが、炭素数1〜10の2価の非環式飽和炭化水素基、水酸基で置換された炭素数1〜10の2価の非環式飽和炭化水素基、エーテル結合、エステル結合、アミド結合、及びこれらを2つから3つ組合せた構造が好ましい。
【0020】
上記した、式(25)で表されるチイラン環部位と追加の連結器Rを含む置換基の好ましい具体例を、下記式(26)〜(30)に示す。
【化7】
これらの中で、合成のし易さ等を勘案すると、2,3−エピチオプロポキシ基(式(26)のn=1)、3,4−エピチオブトキシ基(式(26)のn=2)、2,3−エピチオプロポキシメチル基(式(27)のn=1)が特に好ましい。
【0021】
一方、本発明で用いるエピスルフィド化合物に於いては、オキシラン環部位を含む置換基を含んでいてもよい。オキシラン環部位を含む置換基は、上記に詳述したチイラン環部位を含む置換基に於いて硫黄原子を酸素原子に置き換えた構造を有する。オキシラン環部位を含む置換基は、式(31)で表されるオキシラン環部位のみから構成されるか、若しくは、式(32)で表されるように、上記オキシラン環部位と基本骨格とを結合する追加の連結基Rから構成される。
【化8】
【0022】
(式中、Rは前記と同様である。)
その好ましい具体例としては、チイラン環部位を含む置換基の好ましい具体例に於いて硫黄原子を酸素原子に置き換えたものが挙げられる。
【0023】
上述したように、チイラン環部位を含む置換基及び/またはオキシラン環部位を含む置換基は、分子内に2つ以上存在するが、互いに同一の構造をとらなくてもよい。これらの置換基が基本骨格に結合する位置は、該基本骨格の構造に含まれる芳香環、脂肪族環、若しくは、複数の芳香環及び/または脂肪族環が縮環した構造を構成する炭素原子のいずれかである。チイラン環部位及び/またはオキシラン環部位を含む複数の置換基は、別々の炭素原子と結合しているのが好ましく、また、2つ以上の環状構造がある場合には、別々の環状構造と結合しているのが好ましい。
【0024】
本発明で用いるエピスルフィド化合物は、上記チイラン環部位及び/またはオキシラン環部位を含む置換基の他に、基本骨格に結合した他の置換基を有していてもよく、この置換基としては、炭素数1〜10、好ましくは炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜10、好ましくは炭素数1〜4のアルコキシ基等が好ましく、特に、メチル基、エチル基、メトキシ基、及びエトキシ基が好ましい。
以上に詳述した、エピスルフィド化合物としては、例えば、2,2−ビス(4−(2,3−エピチオプロポキシ)フェニル)プロパン、ビス(4−(2,3−エピチオプロポキシ)フェニル)メタン、1,6−ジ(2,3−エピチオプロポキシ)ナフタレン、1,1,1−トリス−(4−(2,3−エピチオプロポキシ)フェニル)エタン、1−(2−(2,3−エピチオプロポキシ)フェニル)−1,1−ビス−(4−(2,3−エピチオプロポキシ)フェニル)エタン、1,1,2,2−テトラキス−(4−(2,3−エピチオプロポキシ)フェニル)エタン等を挙げることができる。
【0025】
更に、2,2−ビス(4−(2,3−エピチオプロポキシ)シクロヘキシル)プロパン、ビス(4−(2,3−エピチオプロポキシ)シクロヘキシル)メタン、4,8−ビス(4−(2,3−エピチオプロポキシメチル)−トリシクロ[5.2.1.02.6]デカン、3,9−ビス(4−(2,3−エピチオプロポキシメチル)−トリシクロ[5.2.1.02.6]デカン、3,8−ビス(4−(2,3−エピチオプロポキシメチル)−トリシクロ[5.2.1.02.6]デカン、4,8−ビス(4−(2,3−エピチオプロポキシ)−トリシクロ[5.2.1.02.6]デカン、3,9−ビス(4−(2,3−エピチオプロポキシ)−トリシクロ[5.2.1.02.6]デカン、3,8−ビス(4−(2,3−エピチオプロポキシ)−トリシクロ[5.2.1.02.6]デカン、1,1,1−トリス−(4−(2,3−エピチオプロポキシ)シクロヘキシル)エタン、1−(2−(2,3−エピチオプロポキシ)シクロヘキシル)−1,1−ビス−(4−(2,3−エピチオプロポキシ)シクロヘキシル)エタン、1,1,2,2−テトラキス−(4−(2,3−エピチオプロポキシ)シクロヘキシル)エタン等を挙げることができる。
【0026】
また、上記に化合物名を列挙した各化合物のチイラン環の1つがオキシラン環で置き換えられた構造をもつ化合物も、好ましい具体例として挙げることができる。
以上、具体例として列挙した化合物は、そのチイラン環の全てがオキシラン環で置き換えられた構造をもつ化合物が混入していてもよい。
【0027】
本発明で用いるエピスルフィド化合物の製造方法は、目的化合物が合成できる方法である限りは特に制限はない。好ましい製造方法としては、対応エポキシ化合物を原料として、当業者に公知の方法により、硫化物を用いてオキシラン環をチイラン環に変換する方法が挙げられる。ここで、「対応エポキシ化合物」とは、エピスルフィド化合物のチイラン環の硫黄原子が酸素原子に置き換わった構造を持つ化合物を指す。この方法に於いて、好ましい硫化剤としては、チオ尿素類、チオシアン酸塩類等が挙げられる。中でも、チオ尿素、及びチオシアン酸カリウムが特に好ましい。具体的には、例えば、J. M. Charlesworth, J. Polym. Sci. Polym. Phys., 17, 329 (1979)に記載のチオシアン酸塩を用いる方法が、また、R. D. Schuetz et al, J. Org. Chem., 26, 3467 (1961) に記載のチオ尿素を用いる方法が挙げられる。
【0028】
どれだけのオキシラン環をチイラン環に変換するかは、特に制限はない。混合物全体に含まれるチイラン環とオキシラン環の合計に対するチイラン環のモル比率として、好ましくは25%〜100%となるまで変換する。チイラン環への変換率が高くなるにつれて、これを用いた硬化物の特性がより良好になる傾向にある。これらのチイラン環への変換の状況は、例えばプロトンNMR等により次の通り確認できる。
【0029】
プロトンNMRの測定は当業者に公知の手順で行われる。具体的には、分子内にオキシラン環及び/またはチイラン環を有する化合物を、5〜20重量%となるように重水素化したクロロホルム溶媒に溶解し、300MHzのFT−NMRにて、4〜16回、通常は8回積算を行う。ここで、テトラメチルシランを標準として化学シフトが2.20ppm及び2.55ppmの付近に、それぞれメチレンプロトンに由来するシグナルが1つずつ観測される。これらはチイラン環上のメチレンプロトンに帰属される。該メチレン由来のシグナルは、その化合物の構造にもよるが、多くの場合、ダブレットの形状で観測され、そのカップリング定数は約6.1Hz程度である。これら2つのメチレンプロトンは同一炭素原子に結合しているが、互いに非等価であるため、ほぼ等強度の2つのシグナルを与える。これら2つのシグナルの関係は、例えば、従来の2次元NMR測定手法によっても判別することができる。
【0030】
また、該チイラン環の硫黄が酸素となったオキシラン環構造が含まれている場合、化学シフトが2.65ppm及び2.80ppmの付近に、それぞれメチレンプロトンに由来するシグナルが1つずつ観測される。これらは、該オキシラン環上のメチレンに帰属される。該メチレン由来のシグナルは、その化合物の構造にもよるが、多くの場合、マルチプレットの形状で観測される。これら2つのメチレンプロトンは同一炭素原子に結合しているが、互いに非等価であるため、ほぼ等強度の2つのシグナルを与える。これら2つのシグナルの関係は、例えば、従来の2次元NMR測定手法によっても判別することができる。
これらのシグナルの強度比から、オキシラン環からチイラン環への変換の状況を知ることができる。
【0031】
また、本発明のエピスルフィド化合物が基本骨格等が異なる複数の化合物の混合物の場合、その製造法としては、別個に製造した2種類以上の化合物を混合してもよいし、2種類以上の対応エポキシ化合物が含まれる物質を同様に処理して、これらのオキシラン環をチイラン環と交換してもよい。
本発明で用いるエピスルフィド化合物が一部オキシラン環を含む混合物の場合、その製造法としては、上述した対応エポキシ化合物のオキシラン環をチイラン環に変換する反応に於いて、反応条件を調整する方法が好ましい。
【0032】
対応エポキシ化合物の製造法としては、目的化合物が合成できる限りは特に制限はない。
対応エポキシ化合物としては工業的に生産される芳香環を含むエポキシ化合物が好適で、その具体例としては、各種のエポキシ化合物、エポキシ樹脂を挙げることができる。具体的にはビスフェノール型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂に代表されるグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、複素環式エポキシ樹脂、液状ゴム変性エポキシ樹脂などといったエポキシ化合物が例示される。
また、工業的に生産される芳香環を含むエポキシ樹脂化合物を、特開平11−217379号公報に開示された方法等によって水素化処理して得られる脂環式エポキシ化合物も、対応エポキシ化合物として好適である。
【0033】
本発明は、上述したエピスルフィド成分を、(b)光塩基発生剤と共存させて硬化性組成物として使用することを一つの特徴とする。
光塩基発生剤とは、可視光、紫外線等の活性エネルギー線の照射によって塩基を生成する化合物を意味する。本発明に於いて使用する光塩基発生剤としては、活性エネルギー線の照射によって塩基を生成する性質を持つ限り、特に制限はなく、生成する塩基として、アミン化合物、イミダゾール化合物、ホスフィン化合物を生じせしめるような化合物が例示される。
具体的な光塩基発生剤としては、例えば、N−(2−ニトロベンジルオキシカルボニル)イミダゾール、N−(3−ニトロベンジルオキシカルボニル)イミダゾール、N−(4−ニトロベンジルオキシカルボニル)イミダゾール、N−(4−クロロ−2−ニトロベンジルオキシカルボニル)イミダゾール、N−(5−メチル−2−ニトロベンジルオキシカルボニル)イミダゾール、N−(4,5−ジメチル−2−ニトロベンジルオキシカルボニル)イミダゾール等のイミダゾール誘導体、N−(2−メチル−2−フェニルプロピオニルオキシ)−N−シクロヘキシルアミン等を挙げることができる。
これらの光塩基発生剤の製造法としては、公知の手法が使用可能で、例えば、ニトロベンジルアルコール誘導体を原料としてカルボニルジイミダゾールと反応させることにより合成が可能である。具体的には、例えば、Nishikubo,T. et al, Polym. J., 26(7), 864 (1994)に記載の方法に準じて製造することができる。これらの光塩基発生剤は単独でまたは2種以上を混合して使用することもできる。
【0034】
光塩基発生剤の使用量としては、硬化性組成物が良好に硬化し、満足な硬化物が得られる範囲であれば特に制限はない。より具体的には、(a)エピスルフィド化合物1当量に対して、(b)光塩基発生剤は0.03当量から0.2当量の範囲にあるのが好ましい。光塩基発生剤がこれより多いと光分解して生成する塩基以外の成分により硬化物の耐溶剤性が低下する傾向にある。また、光塩基発生剤がこれより少ないと硬化が十分には進まないため硬化物が脆くなる傾向にある。
【0035】
上記した(a)エピスルフィド化合物、及び(b)光塩基発生剤を含む組成物は、硬化性組成物として使用することができる。硬化手段としては、可視光、紫外線、近赤外線、遠赤外線等の活性エネルギー線による光硬化が好ましいが、必要によっては加熱処理を併用してもよい。光の波長としては単一波長である必要はなく、使用する光塩基発生剤の特性に依存し、該光塩基発生剤の分解が効率的に起こる波長を含む活性エネルギー線が選ばれる。具体的には、可視光、紫外線、近赤外線、遠赤外線等が使用可能であり、高圧水銀灯、低圧水銀灯等から発せられる紫外線が好ましい。
また、硬化性組成物の安定性、作業性を考慮すると、可視光による分解が穏やかで、紫外線や赤外線による分解が速やかに起こるような光塩基発生剤を使用することが好ましい。
【0036】
本発明の硬化性組成物は、これを層となる基材に塗布、乾燥した後、光を照射して硬化させ硬化物を得ることができる。
上記組成物には、作業性の良い粘度の液を得る等の目的によって、溶剤が添加されていてもよい。溶剤は必須成分が溶けるような種類であれば特に制限はない。具体的にはトルエンなどの芳香族炭化水素類、ヘキサンなどのような脂肪族炭化水素類、エーテルやテトラヒドロフランのようなエーテル類、アセトンやメチルエチルケトンのようなケトン類、酢酸エチルのようなエステル類、イソプロピルアルコールのようなアルコール類などを挙げることができる。
乾燥条件としては、使用した溶剤が揮散する条件であれば如何なる条件でもよいが、具体的には通風乾燥か加熱乾燥が好ましい。
【0037】
また、用途に応じて可塑剤や処理剤などの低分子化合物や柔軟性、保形性付与のための高分子化合物を加えることができる。例えば、硬化物の性能が下がらない範囲で、可塑剤としてフタル酸ジブチル、d4シリコーン等を、ポリマーとしてポリビニルブチラール、アクリルポリマー、ポリフェニレンエーテル、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、トリアセチルセルロース(TAC)等を使用することができる。これらの成分を過剰に加えると、硬化物のガラス転移点温度が下がったり、比誘電率が上がる傾向にあるので、添加量は、本発明のエピスルフィド化合物100グラムに対して0〜20グラムの範囲が好ましい。
また光の透過や反応を妨げない範囲でフィラーや繊維状物質を加えることができる。具体的には、シリカ、アルミナ、炭酸カルシウム等のフィラー、銅、銀、金等の金属粒子等を必要性や用途に応じて添加しても良い。
【0038】
上記した本発明の硬化性組成物を、基材層に塗布、乾燥した後、光を照射して硬化させることにより、本発明の積層体が得られる。
基材としては、ガラス、銅箔、PETフィルム、ポリカ板、など無機でも有機でも材質は問わない。特に本発明の硬化性組成物は、アルミやエステル系ポリマー等といった酸に弱い基材に対しても、腐食を生じさせることなく好適に使用することができる。
【0039】
また、本発明の積層体は、例えば上記したような基材に塗布した後に、部分的に活性エネルギー線を照射することによって、組成物からなる層の任意の部分を位置選択的に硬化させることができる。
硬化させる位置を選ぶ方法としては、硬化させたくない部分にのみ活性エネルギー線が届かないようにマスクをかける方法、及び、レーザーのようにエネルギー密度が高く幅の狭い活性エネルギー線を硬化させたい部分にのみ照射する方法が例示される。
【0040】
かかる方法により、本発明の位置選択的に硬化させた積層体が提供される。該積層体に於ける未硬化の部分は、適切な溶剤を使用することによって除去可能である。溶剤としては、未硬化の組成物層を構成する成分が溶けるような種類であれば特に制限はない。具体的にはトルエンなどの芳香族炭化水素類、ヘキサンなどのような脂肪族炭化水素類、エーテルやテトラヒドロフランのようなエーテル類、アセトンやメチルエチルケトンのようなケトン類、酢酸エチルのようなエステル類、イソプロピルアルコールのようなアルコール類などを挙げることができる。
【0041】
また、本発明の光学部品は、上記の硬化性組成物を硬化することにより製造できる。ここで、光学部品としては、光の大部分を通す部材や、光の一部を分解してその一部を透過させる部材を意味し、前者としては、具体的にレンズ、導波路等が、また、後者としては、反射膜、反射防止膜、屈折制御膜が例示される。
本発明の硬化性組成物は、チイラン環の含有率が高いと、屈折率が高くなる傾向にあるので、硬化性組成物の組成を調整することによって、所望の屈折率の光学部品を得ることができる。また、一般に、屈折率が高くなるとアッベ数が低下する傾向があるが、本発明の光学部品は、チイラン環の含有率が高い硬化性組成物を原料としても、アッベ数を高く維持することができ、従って、波長依存性が小さい光学部品の提供が可能である。
【0042】
本発明の硬化性組成物及びその硬化物は様々な用途に使用することができる。硬化性組成物の用途としては、接着剤及び封止材として、並びに、積層板、複合材等の成形体の原料としての使用が例示される。また、硬化物の用途としては、積層材、複合材、電子部品の材料としての使用が例示される。硬化性組成物及びその硬化物の好ましい用途としては、例えば、熱に弱い或いは加熱することが好ましくない電子部品を対象として、これを封止したり、配線を施すための材料としての使用が挙げられる。また、活性エネルギー線を照射した部分を選択的に硬化させ、未硬化の部分を溶剤で除去する方法を用いて、フォトレジスト等の用途が挙げられる。
【0043】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0044】
製造例1 エピスルフィド化合物Aの製造
油化シェルエポキシ社製エピコート807(主としてビス(4−グリシドキシフェニル)メタンからなるエポキシ樹脂)100グラムを500mlの四つ口フラスコに秤取り、これにトルエン150グラム、メタノール150グラムを加えエポキシ樹脂を溶解させる。フラスコを40℃の油浴に入れ、これにチオシアン酸カリウム124.4グラムをゆっくり加え、固体が軽く動く程度に攪拌する。反応ともに液層は2層に分離してくる。加熱攪拌5時間後、油浴よりフラスコを出して放冷後、これに水50mlを加えて上層の有機層をとりわけ、下層の水層はトルエン30mlで2回洗浄し先の有機層と合わせる。有機層を飽和食塩水で洗浄し、有機層に無水硫酸ナトリウムを加えて一晩放置する。その液を減圧濾過で固体を濾別し減圧下で濃縮する。チイラン環でオキシラン環の80%が置換されたエピスルフィド化合物Aが102.3グラム得られた。
【0045】
製造例2 エピスルフィド化合物Bの製造
原料に油化シェルエポキシ社製エピコート828(主として2,2−ビス(4−グリシドキシフェニル)プロパンからなるエポキシ樹脂)を使った他は製造例1と同様に反応操作及び処理を行った。チイラン環でオキシラン環の95%が置換されたエピスルフィド化合物Bが92.1グラム得られた。
【0046】
製造例3 光塩基発生剤2−NBCIの製造
N−(2−ニトロベンジルオキシカルボニル)イミダゾール(以下これを「2−NBCI」と称する)を Polymer Journal, Vol.26, No.7, pp. 864-867 (1994) に記載の方法に従って製造した。具体的には2−ニトロベンジルアルコール15.3グラムとカルボニルジイミダゾール16.2グラムをアセトニトリル100mlに溶かし室温で24時間撹拌した後、溶液を濃縮し生成した固体を酢酸エチルで再結晶することにより2−NBCIを17.0グラム得た。
【0047】
実施例1
製造例1に従って製造されたエピスルフィド化合物A8.0グラム、製造例3に従って製造された2−NBCI1.1グラムをテトラフドロフラン(THF)13.6グラムに溶かし、これをガラス板に均一厚さになるようにドクターブレードを使って塗工し室温で風乾した後、高圧水銀灯で紫外線を照射して硬化膜を得た。硬化膜の表面鉛筆硬度は2H、水との接触角は90度であった。
【0048】
実施例2
製造例2に従って製造されたエピスルフィド化合物B7.2グラム、d4シリコーン油(TSF404)0.8グラム、2−NBCI1.1グラムをTHF13.6グラムに溶かし、これをガラス板に均一厚さになるようにドクターブレードを使って塗工し室温で風乾した後、高圧水銀灯で紫外線を照射して硬化膜を得た。硬化膜の表面鉛筆硬度はH、水との接触角は115度であった。
【0049】
実施例3
d4シリコーン油(TSF404)の代わりにセルロース三酢酸エステル(TAC)0.8グラムを、THF13.6グラムの代わりにTHF7.2グラムとメチルイソブチルケトン6.4グラムの混合溶媒を用いた以外は、実施例2と同様に実験して、硬化膜を得た。硬化膜の表面鉛筆硬度はH、水との接触角は95度であった。
【0050】
実施例4
TACの代わりにブチラール樹脂(積水化学社製エスレックB BS−L)0.8グラムを用いた以外は、実施例3と同様に実験して、硬化膜を得た。硬化膜の表面鉛筆硬度はH、水との接触角は90度であった。
【0051】
比較例1
2−NBCIの代わりにイミダゾール1.1グラムを用いた以外は、実施例1と同様の実験を試みた。エピスルフィド化合物AとイミダゾールをTHF溶媒に溶解する際、イミダゾ−ルが完全に溶けると同時に溶液が増粘し、溶液全体がゲル化を起こし流動性を失った。基材への塗工が不可能な状態となった。
【0052】
実施例5
実施例1と同様に溶液を製造しこれをPETフィルムに均一厚さになるようにドクターブレードを使って塗工し室温で風乾した後、高圧水銀灯で紫外線を照射して硬化膜を得た。硬化樹脂で覆われた面を外側にして180度折り曲げて硬化樹脂の剥離、亀裂、ひび等を観察したところ、異常は見られなかった。また、硬化樹脂表面に1辺が1ミリで縦10、横10の碁盤目をカッターで作り、その表面に接着テープ(ニチバン製)をよく張り付けた後、素早く剥がして碁盤目の異常の有無を目視で観察したところ、異常は見られなかった。
【0053】
比較例2
製造例2で使用したエピコート828、8.0グラム、ジフェニルヨードニウムテトラフルオロボレート1.1グラムををTHF13.6グラムに溶かし、これをPETフィルムに均一厚さになるようにドクターブレードを使って塗工し室温で風乾した後、高圧水銀灯で紫外線を照射して硬化膜を得た。実施例5と同様に折り曲げ試験を行ったところ細かなひびがみられ柔軟性に欠ける塗膜であった。また実施例5と同様にセロテープによる剥離試験を行おうとカッターで碁盤目を入れると碁盤目が欠ける箇所が多数発生しかつセロテープを貼り付け素早く剥がすと30%がセロテープに残って基材テープから剥がれ良好な結果は得られなかった。
【0054】
以上の結果から、オキシラン環の全部または一部がチイラン環で置換されたエピスルフィド化合物及び光塩基発生剤を使うことにより安定な硬化性組成物が得られ、かつ光照射によって優れた硬度及び膜物性を有する硬化物が得られることが判る。
【0055】
【発明の効果】
本発明である硬化性樹脂組成物は溶剤によく溶け、塗工が容易であり作業性に富み、またそれを光で反応させるによって得られる硬化物は硬度、屈曲性に優れ、基材との接着性が良好である硬化物を与え、このことから接着剤、複合材、積層体、基板、光学部品等として使用することが可能である。
Claims (10)
- 芳香環、脂肪族環、並びに、複数の芳香環及び/または脂肪族環が縮環した構造からなる群より選ばれる環状構造を含む基本骨格に対して、チイラン環を含む置換基及び/またはオキシラン環を含む置換基が2つ以上結合しており、そのうち1つ以上はチイラン環を含む置換基であるエピスルフィド化合物と、光塩基発生剤とを含み、該エピスルフィド化合物に含まれるチイラン環とオキシラン環の合計に対するチイラン環のモル比率が25〜100%であることを特徴とする硬化性組成物。
- 芳香環、脂肪族環、並びに、複数の芳香環及び/または脂肪族環が縮環した構造からなる群より選ばれる環状構造を含む基本骨格に対して、オキシラン環を含む置換基が2つ以上結合したエポキシ化合物を硫化剤と反応させてオキシラン環の酸素原子を硫黄原子に置換して得られたエピスルフィド化合物と、光塩基発生剤とを含み、該エピスルフィド化合物に含まれるチイラン環とオキシラン環の合計に対するチイラン環のモル比率が25〜100%であることを特徴とする硬化性組成物。
- 前記光塩基発生剤が、イミダゾール誘導体及びN−(2−メチル−2−フェニルプロピオニルオキシ)−N−シクロヘキシルアミンから選ばれる1種又は2種以上である、請求項1または2に記載の硬化性組成物。
- 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の硬化性組成物を硬化させたものであることを特徴とする硬化物。
- 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の硬化性組成物を、活性エネルギー線の照射により硬化させたものであることを特徴とする硬化物。
- 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の硬化性組成物の層と基材層を含んでなることを特徴とする積層体。
- 請求項4または5に記載の硬化物の層と基材層を含んでなることを特徴とする積層体。
- 請求項6に記載された積層体に於いて、硬化性組成物の層に対して、部分的に活性エネルギー線を照射することによって該組成物が硬化した部分と未硬化の部分とを生じせしめたことを特徴とする積層体。
- 請求項8に記載された積層体に於いて、未硬化部分を、溶剤による処理によって除去したことを特徴とする積層体。
- 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の硬化性組成物を硬化させたものであることを特徴とする光学部品。
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