JPWO2020039846A1 - 排水装置用洗浄剤 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明の排水装置用洗浄剤によれば、排水装置内面における水分又は油の残存を抑え、汚れの発生や付着を抑制することができるという効果を奏する。
本実施形態における排水装置用洗浄剤は、合成樹脂製の排水装置の内面(管内面)の洗浄に使用される洗浄剤である。前記排水装置は家庭の流しの排水トラップ、排水管、それらの接続管などで構成される。その排水装置を構成する材料の具体例は、例えばポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)等のポリオレフィンのほか、ポリ塩化ビニル樹脂(PVC)、ポリ塩化ビニリデン等の塩素系合成樹脂、ポリアクリル酸樹脂、ポリメタクリル酸樹脂、ポリメタクリル酸メチル樹脂(PMMA)等のアクリル樹脂等の合成樹脂である。1種類の合成樹脂を単独で使用してもよいし、又は2種以上の合成樹脂を適宜組み合わせて使用してもよい。
さて、本実施形態の排水装置用洗浄剤を使用して家庭の排水装置内面を洗浄するときには、前記排水装置用洗浄剤を所定濃度まで水で希釈されるようにし、その希釈液を排水装置内に流し込む。このとき、排水装置用洗浄剤には洗浄基剤と、イオン性の異なる少なくとも3種の界面活性剤、すなわち、ノニオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤及び両性界面活性剤から選ばれる少なくとも3種の界面活性剤とが含まれている。洗浄基剤には珪酸アルカリ、過炭酸アルカリ及び水酸化アルカリが含まれている。
(1)本実施形態の排水装置用洗浄剤は、珪酸アルカリ、過炭酸アルカリ及び水酸化アルカリを含む洗浄基剤に、ノニオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤及び両性界面活性剤から選ばれる少なくとも3種の界面活性剤が含まれて構成されている。
(実施例1〜5)
この実施例1〜5においては、排水装置用洗浄剤として界面活性剤を3種類併用した例を示す。すなわち、下記に示す試験片に対して排水装置用洗浄剤を使用して洗浄試験を実施した。
縦25mm、横50mm及び厚さ1mm以下のポリプロピレン(PP)製、アクリル樹脂製(カナセ(株)製、キャストアクリルシート)、及びポリ塩化ビニル樹脂(PVC)製の各清浄な板材。
洗浄基剤:オルソ珪酸ナトリウム77.0質量%、過炭酸ナトリウム10.0質量%、水酸化ナトリウム5.0質量%、水酸化カリウム5.0質量%及びEDTA4ナトリウム4水塩1.0質量%。排水装置用洗浄剤中に洗浄基剤が98.0質量%、界面活性剤が2.0質量%となるように調製した。
ノニオン性界面活性剤200:ポリオキシアルキレンアルキルエーテル〔三洋化成工業(株)製セドランFF200、界面活性剤の有効濃度は100質量%〕(下記表中においては「FF200」と示す。)
ノニオン性界面活性剤400:ポリオキシエチレンアルキルエーテル〔北広ケミカル(株)製、スコアロール400、界面活性剤の有効濃度は30質量%〕(下記表中においては「400」と示す。)
アニオン性界面活性剤EN:ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム〔三洋化成工業(株)製、サンデットEN、界面活性剤の有効濃度は25質量%〕(下記表中においては「EN」と示す。)
アニオン性界面活性剤END:ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム〔三洋化成工業(株)製、サンデットEND、界面活性剤の有効濃度は25質量%〕(下記表中においては「END」と示す。)
カチオン性界面活性剤G50:塩化ベンザルコニウム50質量%水溶液〔三洋化成工業(株)製、カチオンG50、界面活性剤の有効濃度は50質量%〕(下記表中においては「G50」と示す。)
両性界面活性剤ALM:C12〜C18のアルキルジメチルアミンオキシド〔日油(株)製、ニッサン・ユニセーフALM、界面活性剤の有効濃度は35質量%〕(下記表中においては「ALM」と示す。)
両性界面活性剤2000:ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン〔三洋化成工業(株)製、レボン2000、界面活性剤の有効濃度は30質量%〕(下記表中においては「2000」と示す。)
(洗浄試験)
PP製の試験片の質量を10mgの単位まで計測した後、ピンチコックで固定する。一方、1Lのビーカーに排水装置用洗浄剤を150g投入し、その中に試験片を4枚入れ、ピンチコックにより各試験片が倒れないように設定した。これらの試験片をそれぞれPP製の試験片1〜試験片4と称する。続いて、室温の純水500mLをビーカーに注ぎ、そのまま2時間保持した後、地下水の流水中で水洗した。
PP製の試験片を用いて、次のような条件で水膜形成試験を実施した。すなわち、朝9時から夕方5時30分の間(初日は1時間のみ)は試験片を地下水の流水中に置き、その他の時間は30℃に調整した恒温水槽中に置いた。毎日この操作を繰返して実施した。そして、試験片1は1日後、2日後、3日後、4日後及び7日後に、試験片2は4日後と7日後に試験片をビーカー内から取り出し、蒸留水中を潜らせてから蒸留水中から取り出してそのまま質量を測定し、試験片両面の水分付着量(mg/25cm2)とした。それらの結果を表1の「水分付着量」欄に日数の若い順に上から示した。
蒸留水に2質量%の大豆油を入れ、超音波発生装置で大豆油を水中に乳化させる。前記4日後のPP製の試験片3をビーカーから取り出し、大豆油乳化液中を潜らせてから蒸留水中から取り出してそのまま質量を測定し、試験片両面の油分付着量(mg/25cm2)とした。それらの結果を表1の「油分付着量」欄に示した。
(植物油の付着試験)
大豆油を入れたビーカーにPP製の試験片4を浸漬した。試験片4を取り出し、1時間吊るし、余分な油を滴下させ、最後に試験片下端の油溜まりをろ紙で吸い取った。その後、試験片4の質量を測定し、大豆油を付着させる前の試験片4の質量から試験片4に付着した大豆油の質量を求め、単位面積当たりの大豆油の付着量(mg/100cm2)を求めた。結果を表1の「植物油の付着量」欄に示した。
樹脂容器(幅×深さ×長さ:150mm×150mm×300mm)に水を満たし容器の端より約5L/分の水を流し入れ、反対の端より自然流出させた。上記大豆油の付着量を測定し終った試験片4を上記樹脂容器の水中に入れ1時間流水洗浄した。所定時間が経過した後、試験片4を取り出し1時間以上自然乾燥させた。試験片4に水滴が残っていないことを確認した後、質量を測定した。大豆油を付着させる前の試験片4の質量から試験片4に残った大豆油の質量を求め、単位面積当たりの大豆油の付着量(mg/100cm2)を求めた。結果を表1の「植物油の残存付着量」欄に示した。
この実施例6〜9では、排水装置用洗浄剤として界面活性剤を4種類併用した例を示す。すなわち、実施例6〜9の排水装置用洗浄剤の組成は表2の「洗浄基剤」欄、「ノニオン性界面活性剤」欄、「アニオン性界面活性剤」欄、「カチオン性界面活性剤」欄及び「両性界面活性剤」欄に示すとおりである。排水装置用洗浄剤による試験片の洗浄方法は実施例1〜5と同様であり、PP製試験片について、実施例1〜5と同様の方法で水膜形成試験及び油膜形成試験を行い、その結果を表2の「水分付着量」欄、「油分付着量」欄、「合計水分付着量」欄、「差分付着量」欄及び「評価」欄に示した。また、実施例6,8,9について、実施例1〜5と同様の方法にて、植物油の付着試験及び植物油付着後の流水洗浄試験を行い、その結果を表2の「植物油の付着量」欄及び「植物油の残存付着量」欄に示した。実施例6,8,9について、実施例1〜5と同様の方法にて、アクリル樹脂製の試験片及びPVC製の試験片の合計水分付着量を測定し、その結果を表2の「(アクリル樹脂製)合計水分付着量」欄及び「(PVC製)合計水分付着量」に示した。また、表2の「界面活性剤の有効濃度」欄には、実施例6〜9の製品としての排水装置洗浄剤中に含まれる各界面活性剤の濃度(質量%)を示した。
この実施例10〜15では、排水装置用洗浄剤として界面活性剤を4種類併用し、洗浄基剤の含有量を減少させた例を示す。すなわち、実施例10〜15の排水装置用洗浄剤の組成は表3の「洗浄基剤」欄、「ノニオン性界面活性剤」欄、「アニオン性界面活性剤」欄、「カチオン性界面活性剤」欄及び「両性界面活性剤」欄に示すとおりである。排水装置用洗浄剤による試験片の洗浄方法は実施例1〜5と同様であり、PP製試験片について、実施例1〜5と同様の方法で水膜形成試験及び油膜形成試験を行い、その結果を表3の「水分付着量」欄、「油分付着量」欄、「合計水分付着量」欄、「差分付着量」欄及び「評価」欄に示した。また、実施例10〜12について、実施例1〜5と同様の方法にて、植物油の付着試験及び植物油付着後の流水洗浄試験を行い、その結果を表3の「植物油の付着量」欄及び「植物油の残存付着量」欄に示した。実施例10〜12について、実施例1〜5と同様の方法にて、アクリル樹脂製の試験片及びPVC製の試験片の合計水分付着量を測定し、その結果を表3の「(アクリル樹脂製)合計水分付着量」欄及び「(PVC製)合計水分付着量」に示した。また、表3の「界面活性剤の有効濃度」欄には、実施例10〜15の製品としての排水装置洗浄剤中に含まれる各界面活性剤の濃度(質量%)を示した。
比較例1では排水装置用洗浄剤として、界面活性剤を配合せず、洗浄基剤のみの例を示した。また、比較例2〜6では、排水装置用洗浄剤として、洗浄基剤に1種類の界面活性剤を配合した例を示した。すなわち、比較例1〜6の排水装置用洗浄剤の組成は表4の「洗浄基剤」欄、「ノニオン性界面活性剤」欄、「アニオン性界面活性剤」欄、「カチオン性界面活性剤」欄及び「両性界面活性剤」欄に示すとおりである。排水装置用洗浄剤による試験片の洗浄方法は実施例1〜5と同様であり、PP製試験片について、実施例1〜5と同様の方法で水膜形成試験及び油膜形成試験を行い、その結果を表4の「水分付着量」欄、「油分付着量」欄、「合計水分付着量」欄、「差分付着量」欄及び「評価」欄に示した。また、比較例1〜6について、実施例1〜5と同様の方法にて、植物油の付着試験及び植物油付着後の流水洗浄試験を行い、その結果を表4の「植物油の付着量」欄及び「植物油の残存付着量」欄に示した。比較例1〜6について、実施例1〜5と同様の方法にて、アクリル樹脂製の試験片及びPVC製の試験片の合計水分付着量を測定し、その結果を表4の「(アクリル樹脂製)合計水分付着量」欄及び「(PVC製)合計水分付着量」に示した。また、表4の「界面活性剤の有効濃度」欄には、比較例1〜6の製品としての排水装置洗浄剤中に含まれる各界面活性剤の濃度(質量%)を示した。
比較例7〜13では、排水装置用洗浄剤として、洗浄基剤に2種類の界面活性剤を配合した例を示した。すなわち、比較例7〜13の排水装置用洗浄剤の組成は表5の「洗浄基剤」欄、「ノニオン性界面活性剤」欄、「アニオン性界面活性剤」欄、「カチオン性界面活性剤」欄及び「両性界面活性剤」欄に示すとおりである。排水装置用洗浄剤による試験片の洗浄方法は実施例1〜5と同様であり、PP製試験片について、実施例1〜5と同様の方法で水膜形成試験及び油膜形成試験を行い、その結果を表5の「水分付着量」欄、「油分付着量」欄、「合計水分付着量」欄、「差分付着量」欄及び「評価」欄に示した。また、比較例7〜13について、実施例1〜5と同様の方法にて、植物油の付着試験及び植物油付着後の流水洗浄試験を行い、その結果を表5の「植物油の付着量」欄及び「植物油の残存付着量」欄に示した。比較例7〜13について、実施例1〜5と同様の方法にて、アクリル樹脂製の試験片及びPVC製の試験片の合計水分付着量を測定し、その結果を表5の「(アクリル樹脂製)合計水分付着量」欄及び「(PVC製)合計水分付着量」に併せて示した。また、表5の「界面活性剤の有効濃度」欄には、比較例7〜13の製品としての排水装置洗浄剤中に含まれる各界面活性剤の濃度(質量%)を示した。
比較例14〜17では、排水装置用洗浄剤として、3種類の界面活性剤のみ(洗浄基剤なし)を配合した例を示した。すなわち、比較例14〜17の排水装置用洗浄剤の組成は表6の「洗浄基剤」欄、「ノニオン性界面活性剤」欄、「アニオン性界面活性剤」欄、「カチオン性界面活性剤」欄及び「両性界面活性剤」欄に示すとおりである。排水装置用洗浄剤による試験片の洗浄方法は実施例1〜5と同様であり、PP製試験片について、実施例1〜5と同様の方法で水膜形成試験及び油膜形成試験を行い、その結果を表6の「水分付着量」欄、「油分付着量」欄、「合計水分付着量」欄、「差分付着量」欄及び「評価」欄に示した。また、表6の「界面活性剤の有効濃度」欄には、比較例14〜17の製品としての排水装置洗浄剤中に含まれる各界面活性剤の濃度(質量%)を示した。
前記排水装置は洗面所の排水装置、トイレの排水装置等であってもよい。
[0004]
特許文献1:特開2003−176496号公報
発明の概要
発明が解決しようとする課題
[0005]
前記特許文献1に記載されている従来構成の洗浄剤組成物は、複数の界面活性剤を適宜の配合量で組合せることにより、起泡力を高め、洗浄時に毛髪に適度の滑りを付与し、すすぎ後に髪に好ましい感触を付与することができる。しかしながら、この洗浄剤組成物を合成樹脂製の排水管の洗浄にそのまま適用した場合には、排水管内面において微生物によるバイオフィルムの形成を抑制することができず、合成樹脂のもつ撥水性を発揮することが難しくなる。このため、排水管の内面に水膜が形成され、水分が残存しやすくなり、汚れの発生や付着が加速度的に増大するという問題があった。
[0006]
本発明は、このような従来技術に存在する問題点に着目してなされたものであり、その目的とするところは、排水装置内面における水分又は油の残存を抑え、汚れの発生や付着を抑制することができる排水装置用洗浄剤を提供することにある。
課題を解決するための手段
[0007]
上記の目的を達成するために、本発明の排水装置用洗浄剤は、合成樹脂製の排水装置の内面洗浄に使用される排水装置用洗浄剤であって、珪酸アルカリ、過炭酸アルカリ及び水酸化アルカリを含む洗浄基剤と、カチオン性界面活性剤と、ノニオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤及び両性界面活性剤から選ばれる少なくとも2つとを含有する。
[0008]
前記洗浄基剤には洗浄作用のある珪酸アルカリ及び過炭酸アルカリが含まれるとともに、水分に親和する親水性と油分に親和する親油性を有する複数の界面活性剤が含まれているため、これらの成分が相俟って洗浄作用が発揮され、排水装置内面が洗浄される。
[0009]
前記洗浄剤を用いて排水装置内面が洗浄されると、洗浄された面に直ちに複数の界面活性剤が親和して付着し、保持される。そして、界面活性剤としてイオン性の異なる少なくとも3種の界面活性剤が併用されることから、特
[0038]
(3)前記カチオン性界面活性剤及び両性界面活性剤の少なくとも一方の界面活性剤を0.1〜0.6質量%含有する。この場合には、カチオン性界面活性剤及び両性界面活性剤に基づく制菌性を如何なく発揮することができる。
[0039]
(4)前記界面活性剤中におけるカチオン性界面活性剤及び両性界面活性剤の少なくとも一方の界面活性剤の含有量は40〜80質量%である。このように、カチオン性界面活性剤及び両性界面活性剤の含有量を高濃度に設定することにより、カチオン性界面活性剤及び両性界面活性剤に基づく制菌性を高レベルで発揮することができる。
[0040]
(5)前記カチオン性界面活性剤は第4級アンモニウム塩であり、両性界面活性剤はアルキルアミンオキシド又はカルボキシベタインである。このため、カチオン性界面活性剤及び両性界面活性剤に基づく洗浄性を良好に発揮できるとともに、優れた制菌性を発揮することができる。
[0041]
(6)前記洗浄基剤はさらにキレート剤を含有する。この場合には、排水装置用洗浄剤がキレート作用を発現でき、排水装置内面の金属イオンをキレート化して捕捉することができる。
[0042]
(7)前記排水装置の内面を構成する合成樹脂はポリオレフィン、塩素系合成樹脂、及びアクリル樹脂から選ばれる少なくとも1種を含む。この場合には、かかる合成樹脂により構成された排水装置内面における水分の残存を抑えたり、油の残存を抑えることにより、汚れの発生や付着を長期間に亘って抑制することができる。
実施例
[0043]
次に、参考例、実施例及び比較例を挙げて前記実施形態をさらに具体的に説明する。
(参考例1,2及び実施例3〜5)
この参考例1,2及び実施例3〜5においては、排水装置用洗浄剤として界面活性剤を3種類併用した例を示す。すなわち、下記に示す試験片に対して排水装置用洗浄剤を使用して洗浄試験を実施した。
出し、1時間吊るし、余分な油を滴下させ、最後に試験片下端の油溜まりをろ紙で吸い取った。その後、試験片4の質量を測定し、大豆油を付着させる前の試験片4の質量から試験片4に付着した大豆油の質量を求め、単位面積当たりの大豆油の付着量(mg/100cm2)を求めた。結果を表1の「植物油の付着量」欄に示した。
[0056]
(植物油付着後の流水洗浄試験)
樹脂容器(幅×深さ×長さ:150mm×150mm×300mm)に水を満たし容器の端より約5L/分の水を流し入れ、反対の端より自然流出させた。上記大豆油の付着量を測定し終った試験片4を上記樹脂容器の水中に入れ1時間流水洗浄した。所定時間が経過した後、試験片4を取り出し1時間以上自然乾燥させた。試験片4に水滴が残っていないことを確認した後、質量を測定した。大豆油を付着させる前の試験片4の質量から試験片4に残った大豆油の質量を求め、単位面積当たりの大豆油の付着量(mg/100cm2)を求めた。結果を表1の「植物油の残存付着量」欄に示した。
[0057]
また、表1の「界面活性剤の有効濃度」欄には、参考例1,2及び実施例3〜5の製品としての排水装置洗浄剤中に含まれる各界面活性剤の濃度(質量%)を示した。
[0058]
[表1]
表1に示したように、参考例1,2及び実施例3〜5の排水装置用洗浄剤については、試験片1及び試験片2に対する洗浄効果について非常に優れた結果が得られた。また、参考例1ではカチオン性界面活性剤と両性界面活性剤の合計含有量が少ないため参考例1,2及び実施例3〜5に比べて若干洗浄効果は低下したが、十分に良好な洗浄効果が得られた。油分付着量も比較例1より増大することはなく、汚れ付着を増加させるなどの弊害は発生しなかった。また、参考例1,2及び実施例3〜5の排水装置用洗浄剤については、PP製以外の合成樹脂であっても洗浄効果について非常に優れた結果が得られた。また、植物油の付着量及び残存付着量も比較例1よりも減少することが確認された。
[0059]
(実施例6〜9)
この実施例6〜9では、排水装置用洗浄剤として界面活性剤を4種類併用した例を示す。すなわち、実施例6〜9の排水装置用洗浄剤の組成は表2の「洗浄基剤」欄、「ノニオン性界面活性剤」欄、「アニオン性界面活性剤」欄、「カチオン性界面活性剤」欄及び「両性界面活性剤」欄に示すとおりである。排水装置用洗浄剤による試験片の洗浄方法は参考例1,2及び実施例3〜5と同様であり、PP製試験片について、参考例1,2及び実施例3〜5と同様の方法で水膜形成試験及び油膜形成試験を行い、その結果を表2の「水分付着量」欄、「油分付着量」欄、「合計水分付着量」欄、「差分付着量」欄及び「評価」欄に示した。また、実施例6,8,9について、参考例1,2及び実施例3〜5と同様の方法にて、植物油の付着試験及び植物油付着後の流水洗浄試験を行い、その結果を表2の「植物油の付着量」欄及び「植物油の残存付着量」欄に示した。実施例6,8,9について、参考例1,2及び実施例3〜5と同様の方法にて、アクリル樹脂製の試験片及びPVC製の試験片の合計水分付着量を測定し、その結果を表2の「(アクリル樹脂製)合計水分付着量」欄及び「(PVC製)合計水分付着量」に示した。また、表2の「界面活性剤の有効濃度」欄には、実施例6〜9の製品としての排水装置洗浄剤中に含まれる各界面活性剤の濃度(質量%)を示した。
[0060]
併用し、洗浄基剤の含有量を減少させた例を示す。すなわち、実施例10〜15の排水装置用洗浄剤の組成は表3の「洗浄基剤」欄、「ノニオン性界面活性剤」欄、「アニオン性界面活性剤」欄、「カチオン性界面活性剤」欄及び「両性界面活性剤」欄に示すとおりである。排水装置用洗浄剤による試験片の洗浄方法は参考例1,2及び実施例3〜5と同様であり、PP製試験片について、参考例1,2及び実施例3〜5と同様の方法で水膜形成試験及び油膜形成試験を行い、その結果を表3の「水分付着量」欄、「油分付着量」欄、「合計水分付着量」欄、「差分付着量」欄及び「評価」欄に示した。また、実施例10〜12について、参考例1,2及び実施例3〜5と同様の方法にて、植物油の付着試験及び植物油付着後の流水洗浄試験を行い、その結果を表3の「植物油の付着量」欄及び「植物油の残存付着量」欄に示した。実施例10〜12について、参考例1,2及び実施例3〜5と同様の方法にて、アクリル樹脂製の試験片及びPVC製の試験片の合計水分付着量を測定し、その結果を表3の「(アクリル樹脂製)合計水分付着量」欄及び「(PVC製)合計水分付着量」に示した。また、表3の「界面活性剤の有効濃度」欄には、実施例10〜15の製品としての排水装置洗浄剤中に含まれる各界面活性剤の濃度(質量%)を示した。
[0062]
浄基剤に1種類の界面活性剤を配合した例を示した。すなわち、比較例1〜6の排水装置用洗浄剤の組成は表4の「洗浄基剤」欄、「ノニオン性界面活性剤」欄、「アニオン性界面活性剤」欄、「カチオン性界面活性剤」欄及び「両性界面活性剤」欄に示すとおりである。排水装置用洗浄剤による試験片の洗浄方法は参考例1,2及び実施例3〜5と同様であり、PP製試験片について、参考例1,2及び実施例3〜5と同様の方法で水膜形成試験及び油膜形成試験を行い、その結果を表4の「水分付着量」欄、「油分付着量」欄、「合計水分付着量」欄、「差分付着量」欄及び「評価」欄に示した。また、比較例1〜6について、参考例1,2及び実施例3〜5と同様の方法にて、植物油の付着試験及び植物油付着後の流水洗浄試験を行い、その結果を表4の「植物油の付着量」欄及び「植物油の残存付着量」欄に示した。比較例1〜6について、参考例1,2及び実施例3〜5と同様の方法にて、アクリル樹脂製の試験片及びPVC製の試験片の合計水分付着量を測定し、その結果を表4の「(アクリル樹脂製)合計水分付着量」欄及び「(PVC製)合計水分付着量」に示した。また、表4の「界面活性剤の有効濃度」欄には、比較例1〜6の製品としての排水装置洗浄剤中に含まれる各界面活性剤の濃度(質量%)を示した。
[0064]
[表4]
表4に示したように、比較例2〜6の排水装置用洗浄剤では、その中に含まれる界面活性剤が1種類であることから、試験片1及び試験片2に対する洗浄効果は非常に低い結果であった。また、比較例2〜6の排水装置用洗浄剤では、PP製以外の合成樹脂であっても洗浄効果について非常に低い結果であった。また、植物油の付着量及び残存付着量も各実施例よりも多いことが確認された。
[0065]
(比較例7〜12)
比較例7〜12では、排水装置用洗浄剤として、洗浄基剤に2種類の界面活性剤を配合した例を示した。すなわち、比較例7〜12の排水装置用洗浄剤の組成は表5の「洗浄基剤」欄、「ノニオン性界面活性剤」欄、「アニオ
ン性界面活性剤」欄、「カチオン性界面活性剤」欄及び「両性界面活性剤」欄に示すとおりである。排水装置用洗浄剤による試験片の洗浄方法は参考例1,2及び実施例3〜5と同様であり、PP製試験片について、参考例1,2及び実施例3〜5と同様の方法で水膜形成試験及び油膜形成試験を行い、その結果を表5の「水分付着量」欄、「油分付着量」欄、「合計水分付着量」欄、「差分付着量」欄及び「評価」欄に示した。また、比較例7〜12について、参考例1,2及び実施例3〜5と同様の方法にて、植物油の付着試験及び植物油付着後の流水洗浄試験を行い、その結果を表5の「植物油の付着量」欄及び「植物油の残存付着量」欄に示した。比較例7〜12について、参考例1,2及び実施例3〜5と同様の方法にて、アクリル樹脂製の試験片及びPVC製の試験片の合計水分付着量を測定し、その結果を表5の「(アクリル樹脂製)合計水分付着量」欄及び「(PVC製)合計水分付着量」に併せて示した。また、表5の「界面活性剤の有効濃度」欄には、比較例7〜12の製品としての排水装置洗浄剤中に含まれる各界面活性剤の濃度(質量%)を示した。
[0066]
[表5]
表5に示した結果より、比較例7〜12の排水装置用洗浄剤では、その中に含まれる界面活性剤がいずれも2種類であることから、試験片1及び試験片2に対する洗浄効果は不十分な結果であった。また、比較例7〜12の排水装置用洗浄剤では、PP製以外の合成樹脂であっても洗浄効果について非常に低い結果であった。また、植物油の付着量及び残存付着量も各実施例よりも多いことが確認された。
[0067]
(比較例14〜17)
比較例14〜17では、排水装置用洗浄剤として、3種類の界面活性剤のみ(洗浄基剤なし)を配合した例を示した。すなわち、比較例14〜17の排水装置用洗浄剤の組成は表6の「洗浄基剤」欄、「ノニオン性界面活性剤
」欄、「アニオン性界面活性剤」欄、「カチオン性界面活性剤」欄及び「両性界面活性剤」欄に示すとおりである。排水装置用洗浄剤による試験片の洗浄方法は参考例1,2及び実施例3〜5と同様であり、PP製試験片について、参考例1,2及び実施例3〜5と同様の方法で水膜形成試験及び油膜形成試験を行い、その結果を表6の「水分付着量」欄、「油分付着量」欄、「合計水分付着量」欄、「差分付着量」欄及び「評価」欄に示した。また、表6の「界面活性剤の有効濃度」欄には、比較例14〜17の製品としての排水装置洗浄剤中に含まれる各界面活性剤の濃度(質量%)を示した。
[0068]
[表6]
表6に示したように、比較例14〜17の排水装置用洗浄剤では、その中に洗浄基剤が含まれていないことから、試験片1及び試験片2に対する洗浄効果は全く発揮されない結果であった。
[0069]
なお、前記4種類の界面活性剤において、少なくとも1種類の界面活性剤は3成分以上の界面活性剤を併用してもよい。すなわち、排水装置用洗浄剤
Claims (7)
- 合成樹脂製の排水装置の内面洗浄に使用される排水装置用洗浄剤であって、
珪酸アルカリ、過炭酸アルカリ及び水酸化アルカリを含む洗浄基剤に、ノニオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤及び両性界面活性剤から選ばれる少なくとも3種の界面活性剤が含まれて構成されている排水装置用洗浄剤。 - 前記界面活性剤の含有量は0.3〜2.0質量%である請求項1に記載の排水装置用洗浄剤。
- 前記カチオン性界面活性剤及び両性界面活性剤の少なくとも一方の界面活性剤を0.1〜0.6質量%含有する請求項1又は請求項2に記載の排水装置用洗浄剤。
- 前記界面活性剤中におけるカチオン性界面活性剤及び両性界面活性剤の少なくとも一方の界面活性剤の含有量は40〜80質量%である請求項3に記載の排水装置用洗浄剤。
- 前記カチオン性界面活性剤は第4級アンモニウム塩であり、両性界面活性剤はアルキルアミンオキシド又はカルボキシベタインである請求項3又は請求項4に記載の排水装置用洗浄剤。
- 前記洗浄基剤はさらにキレート剤を含有する請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の排水装置用洗浄剤。
- 前記合成樹脂は、ポリオレフィン、塩素系合成樹脂及びアクリル樹脂から選ばれる少なくとも1種を含む請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の排水装置用洗浄剤。
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