JPH11236594A

JPH11236594A - 硬質体用漂白剤組成物

Info

Publication number: JPH11236594A
Application number: JP3834198A
Authority: JP
Inventors: Hiroyuki Yamada; 浩之山田; Norifumi Terada; 典史寺田; Kazukuni Tsukuda; 一訓佃
Original assignee: Kao Corp
Current assignee: Kao Corp
Priority date: 1998-02-20
Filing date: 1998-02-20
Publication date: 1999-08-31

Abstract

(57)【要約】【課題】保存中の次亜塩素酸ナトリウムの安定性が高
い、カビ取り剤として有用な硬質体用漂白剤組成物を得
る。【解決手段】 (a)次亜塩素酸ナトリウム0.5〜10重量
％、(b)水酸化ナトリウム0.1〜5重量％、(c)界面活性剤
0.1〜5重量％、(d)クメンスルホン酸、キシレンスルホ
ン酸、トルエンスルホン酸又はこれらのアルカリ金属塩
0.1〜5重量％及び(e)下記式(III)：【化６】で表されるジフェニルスルホン酸誘導体(d)成分100重量
部に対して0.001〜0.3重量部を含有する硬質体用漂白剤
組成物。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、優れた起泡力を有
しており、長期間保存した場合でも漂白力の低下が小さ
い、噴霧型のカビ取り剤として好適な硬質体用漂白剤組
成物に関する。

【０００２】

【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
浴室、台所のタイル、タイルの目地、プラスチック、陶
器、排水管等の表面に付着している汚れやカビの除去に
は、次亜塩素酸ナトリウム等を有効成分とする洗浄漂白
剤が汎用されている。その際には使用上の便宜から、噴
霧器を用いて洗浄漂白剤を処理対象に噴霧する方法が一
般的であるが、噴霧状態によっては汚れやカビの除去が
うまく行かない場合がある。従って、例えば噴霧時にお
けるミストの飛散や液の跳ね返り等によって、有効成分
である次亜塩素酸アルカリ金属塩が汚れやカビに充分に
付着されないことを防止するため、アルカリ剤、界面活
性剤とともに表面活性物質（ハイドロトロープ剤）を配
合したスプレヤー付き容器入り洗浄剤が提案されている
（特開昭６３−７２７９８号公報、特開昭６３−１６５
４９５号公報）。

【０００３】しかし、このような先行技術によるとミス
トの飛散や液の跳ね返りは防止できるものの、長期間保
存した場合に有効成分である次亜塩素酸アルカリ金属塩
の分解が生じて漂白力が低下し、その結果、汚れやカビ
の除去力が低下するという問題がある。

【０００４】そこで本発明は、優れた起泡力を有し、処
理対象への付着を容易にすることができ、長期間保存し
た場合でも漂白力の低下が小さい、噴霧型のカビ取り剤
として好適な硬質体用漂白剤組成物に関する。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するため研究を重ねた結果、次亜塩素酸アルカリ
金属塩、界面活性剤を含む組成物中にさらにジフェニル
スルホン酸誘導体を配合することにより、次亜塩素酸ア
ルカリ金属塩の安定性を高め、漂白力の低下を抑制でき
ることを見出し、本発明を完成したものである。

【０００６】即ち本発明は、（ａ）次亜塩素酸アルカリ
金属塩０．５〜１０重量％、（ｂ）アルカリ金属水酸
化物０．１〜５重量％、（ｃ）界面活性剤０．１〜
５重量％、（ｄ）クメンスルホン酸、キシレンスルホン
酸、トルエンスルホン酸及びこれらのアルカリ金属塩か
ら選ばれる１種以上０．１〜５重量％並びに（ｅ）下
記一般式（Ｉ）：

【０００７】

【化２】

【０００８】[式中、Ｒ¹及びＲ²は、同一でも異なって
いてもよく、水素原子又は直鎖もしくは分岐鎖の炭素数
１〜５のアルキル基を示す。]で表される化合物
（ｄ）成分１００重量部に対して０．００１〜０．３重
量部を含有することを特徴とする硬質体用漂白剤組成物
を提供するものである。

【０００９】本発明において「硬質体」とは、平面的で
あるか又は立体的であるかを問わず、一定の形状を保持
しているものを意味するものであり、洗浄漂白処理がで
きるものであれば、硬さの程度は限定されるものではな
い。

【００１０】

【発明の実施の形態】本発明で用いる（ａ）成分の次亜
塩素酸アルカリ金属塩としては、次亜塩素酸ナトリウ
ム、次亜塩素酸カリウム等を挙げることができる。な
お、（ａ）成分の次亜塩素酸アルカリ金属塩中には、製
造中の中和工程に伴う塩化ナトリウム、塩化カリウム等
が含有されているが、それらの（ａ）成分中における含
有量は、組成物の保存安定性を高めるため、好ましくは
０．１〜１０重量％であり、特に好ましくは０．２〜３
重量％である。

【００１１】（ａ）成分の組成物中における含有量は、
充分な漂白力を付与し、経済性を考慮すると、０．５〜
１０重量％であり、好ましくは１〜５重量％である。

【００１２】本発明で用いる（ｂ）成分のアルカリ金属
水酸化物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム
等を挙げることができ、これらの中でも水酸化ナトリウ
ムが好ましい。

【００１３】（ｂ）成分の組成物中における含有量は、
（ａ）成分の保存安定性を高め、経済性を考慮すると、
０．１〜５重量％であり、好ましくは０．５〜５重量％
である。

【００１４】本発明で用いる（ｃ）成分の界面活性剤と
しては、陰イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、両
性界面活性剤、陽イオン界面活性剤から選ばれる１種又
は２種以上のもので、次亜塩素酸アルカリ金属塩水溶液
中において安定なものであれば特に限定されるものでは
ない。

【００１５】この界面活性剤としては、アルカンスルホ
ン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンス
ルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキ
ルスルホコハク酸塩、アルキルジフェニルエーテルジス
ルホン酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンア
ルキルアリル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアル
キルフェニルエーテルスルホン酸塩等の陰イオン界面活
性剤（ただし、アミノ酸誘導体等の含窒素系活性剤は除
く）；ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキ
シエチレンアルキルアリルエーテル、オキシエチレン／
オキシプロピレンブロックコポリマー、低級／高級アル
コールのエチレンオキシド／プロピレンオキシド付加物
等の非イオン界面活性剤（ただし、エステル型、糖骨格
のもの、アミン型、アミド型の活性剤は除く）；スルホ
ベタイン、カルボベタイン、アルキルジメチルアミンオ
キシド等の両性界面活性剤；アルキルトリメチルアンモ
ニウムクロライド等の陽イオン界面活性剤を挙げること
ができる。

【００１６】これらの中でも特に次の一般式（II）：Ｒ³Ｏ−（ＣＨ₂ＣＨ₂Ｏ）_m−ＳＯ₃Ｍ（II） [式中、Ｒ³は直鎖又は分岐鎖の炭素数６〜１８のアルキ
ル基を示し、ｍは１〜２０の数を示し、Ｍは陽イオン原
子を示す。]で表される陰イオン界面活性剤が好まし
い。

【００１７】一般式（II）において、Ｒ³としては、デ
シル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル
基、オクタデシル基のほか、パーム油、ヤシ油等に含ま
れる脂肪酸混合物から誘導された炭素数の異なるアルキ
ル基であってもよい。これらの中でもＲ³としてはドデ
シル基、テトラデシル基が好ましい。Ｍの陽イオン原子
としては、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属、マ
グネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属等を挙げ
ることができ、これらの中でもナトリウムが好ましい。

【００１８】一般式（II）で表される陰イオン界面活性
剤としては、ポリオキシエチレン（ｍ=３）ラウリルア
ルコールエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレン
（ｍ=７）ラウリルアルコールエーテル硫酸ナトリウ
ム、ポリオキシエチレン（ｍ=３）ミリスチルアルコー
ルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレン（ｍ=
７）ミリスチルアルコールエーテル硫酸ナトリウム等を
挙げることができる。

【００１９】（ｃ）成分の組成物中における含有量は、
充分な洗浄漂白力を付与し、（ａ）成分の安定性を高め
るため、０．１〜５重量％であり、好ましくは０．１〜
３重量％である。

【００２０】本発明で用いる（ｄ）成分はハイドロトロ
ープ剤として作用する成分であり、クメンスルホン酸、
キシレンスルホン酸、トルエンスルホン酸及びこれらの
アルカリ金属塩から選ばれる１種又は２種以上を挙げる
ことができる。アルカリ金属塩としては、ナトリウム
塩、カリウム塩等を挙げることができる。

【００２１】（ｄ）成分の組成物中における含有量は、
噴霧時における起泡力を高め、（ａ）成分の安定性を高
めるため、０．１〜５重量％であり、好ましくは０．１
〜３重量％である。

【００２２】本発明で用いる（ｅ）成分は、下記一般式
（Ｉ）：

【００２３】

【化３】

【００２４】[式中、Ｒ¹及びＲ²は、同一でも異なって
いてもよく、水素原子又は直鎖もしくは分岐鎖の炭素数
１〜５のアルキル基を示す。]で表されるジフェニルス
ルホン酸誘導体である。

【００２５】一般式（Ｉ）で表されるジフェニルスルホ
ン酸誘導体としては、下記の式（III）又は(IV)で表さ
れるものを挙げることができる。

【００２６】

【化４】

【００２７】

【化５】

【００２８】（ｅ）成分の組成物中における含有量は、
（ａ）成分の安定性を高めるため、（ｄ）成分１００重
量部に対して０．００１〜０．３重量部であり、好まし
くは０．００５〜０．２重量部である。

【００２９】本発明の硬質体用漂白剤組成物には、さら
に本発明の目的を損なわない範囲で、通常の漂白剤に配
合されている各種添加剤、リン酸塩、ケイ酸塩、無機
塩、アミノホスホン酸−Ｎ−オキシド等のキレート剤、
着色料、香料等を配合することができる。

【００３０】本発明の硬質体用漂白剤組成物は、上記し
た各成分とともに水を配合してなるものであり、（ａ）
成分の安定性を向上させるため、ｐＨが１０以上が好ま
しく、１１以上が特に好ましく、１２以上がさらに好ま
しい。

【００３１】本発明の硬質体用漂白剤組成物は、各種用
途に適用することができるが、特に硬質体用として好ま
しい。この硬質体としては、プラスチック、ゴム、金
属、タイル、レンガ、コンクリート、セメント、ガラ
ス、木等からなる床、階段、壁等の固定物のほか、それ
らからなる各種器械、器具、道具、家具、食器等の人が
接触するもの全般を挙げることができる。よって、本発
明の硬質体用漂白剤組成物は、浴室用洗浄剤、台所まわ
り用洗浄剤、床用洗浄剤、食器用洗浄剤、全自動洗濯機
洗濯槽の洗浄剤、排水パイプの洗浄剤、台所や洗面所の
小物の洗浄剤等として適用することができ、特にカビ取
り剤として好ましいものである。本発明の硬質体用漂白
剤組成物の使用法としては、一般的な吐出法、噴霧法、
塗布法等を適用することができるが、特に霧状及び泡状
噴霧の切り替え方式の噴霧器を用いた噴霧法が好まし
い。

【００３２】

【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳しく説
明するが、本発明はこれらにより限定されるものではな
い。

【００３３】実施例１〜５、比較例１〜６表１に示す成分（重量％基準。ただし、（ｅ）成分は
（ｄ）成分１００重量部に対する割合）を用い、硬質体
用漂白剤組成物を得た。これらの組成物について、下記
の方法により、漂白力、起泡力及び保存安定性を試験し
た。結果を表１に示す。

【００３４】（１）漂白力試験クラスドポリウム・ヘルバルム（Cladosporium herbaru
m）を接種し、３０℃で１４日間培養したプラスチック
板（ＡＢＳ樹脂製）をモデルプレートとして用意した。
各組成物４０μｌをモデルプレート上に滴下し、５分放
置後、水洗し風乾した。その後、日本電気工業株式会社
製の測色計ＮＤ−３００Ａを用いて明度（Ｌ値）を測定
した。なお、プラスチック板の元々のＬ値は９２．４で
あり、モデルプレートのＬ値は６０〜７０であった。よ
って、Ｌ値が高いほど、カビの除去率が高い、即ち、漂
白性能が高いことを示している。

【００３５】（２）起泡力試験組成物を市販の噴霧器を用いて窓ガラスに噴霧し、その
ときの起泡力を１０名のパネルによる官能評価によっ
て、表１に記載の基準に該当する評価を下した人数によ
り表示した。

【００３６】（３）保存安定性試験組成物を４０℃で６か月間保存した後の有効塩素残存率
を下記式から求め、保存安定性を評価した。有効塩素残存率(%)=[保存後の有効塩素濃度／保存前の
有効塩素濃度]×100

【００３７】

【表１】

【００３８】

【発明の効果】本発明の硬質体用漂白剤組成物は、保存
中における次亜塩素酸アルカリ金属塩の分解を抑制する
ことができる。よって、高い漂白力を長期間維持するこ
とができ、しかも起泡力が高いため、特に噴霧型の容器
に充填して処理対象に噴霧付着させて使用する場合に適
している。

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】（ａ）次亜塩素酸アルカリ金属塩０．
５〜１０重量％、（ｂ）アルカリ金属水酸化物０．１
〜５重量％、（ｃ）界面活性剤０．１〜５重量％、
（ｄ）クメンスルホン酸、キシレンスルホン酸、トルエ
ンスルホン酸及びこれらのアルカリ金属塩から選ばれる
１種以上０．１〜５重量％並びに（ｅ）下記一般式
（Ｉ）：【化１】 [式中、Ｒ¹及びＲ²は、同一でも異なっていてもよく、
水素原子又は直鎖もしくは分岐鎖の炭素数１〜５のアル
キル基を示す。]で表されるジフェニルスルホン酸誘導
体（ｄ）成分１００重量部に対して０．００１〜０．
３重量部を含有することを特徴とする硬質体用漂白剤組
成物。
【請求項２】（ｃ）成分の界面活性剤が、次の一般式
（II）：Ｒ³Ｏ−（ＣＨ₂ＣＨ₂Ｏ）_m−ＳＯ₃Ｍ（II） [式中、Ｒ³は直鎖又は分岐鎖の炭素数６〜１８のアルキ
ル基を示し、ｍは１〜２０の数を示し、Ｍは陽イオン原
子を示す。]で表されるものである請求項１記載の硬質
体用漂白剤組成物。