JP6807272B2 - 食器用洗浄剤 - Google Patents
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Description
そのため、食器用洗浄剤には、水で希釈して使用する場合と水で希釈せずに使用する場合との両方において、充分な洗浄力を有し、かつ洗浄中に消泡しにくいこと(良好な泡弾力性)が求められる。
特許文献2には、アニオン界面活性剤と、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルと、ポリオキシアルキレンアルキルアミンとを組み合わせることで、油汚れに対する洗浄力に加えて泡持ちに優れる台所用洗浄剤組成物が開示されている。
特許文献3には、ポリオキシアルキレンアルキルアミンと、アニオン界面活性剤と、両性界面活性剤またはノニオン界面活性剤と、可溶化剤とを組み合わせることで、希釈前後で適度な粘度を有する液体洗浄剤組成物が開示されている。
[1] 下記(A)成分、(B)成分及び(C)成分を含有し、(A)成分/(C)成分で表される質量比が0.1〜25である、食器用洗浄剤。
(A)成分:スルホコハク酸アルキルエステルおよびその塩からなる群より選ばれる少なくとも1種。
(B)成分:前記(A)成分以外のアニオン界面活性剤。
(C)成分:ポリオキシアルキレンアルキルアミン。
[2] 前記(B)成分は下記(b−1)成分を含む、[1]に記載の食器用洗浄剤。
(b−1)成分:直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩。
[3] 前記(B)成分は下記(b−2)成分を含む、[1]又は[2]に記載の食器用洗浄剤。
(b−2)成分:下記一般式(3)で表される化合物。
R4−O−[(PO)s/(EO)t]−SO3Mc ・・・(3)
(一般式(3)中、R4は炭素数8〜18の直鎖又は分岐鎖のアルキル基であり、かつ酸素原子と結合している炭素原子は第一級炭素原子であり、POはオキシプロピレン基を表し、EOはオキシエチレン基を表し、sはPOの平均繰り返し数を表し、0≦s<1を満たす数であり、tはEOの平均繰り返し数を表し、0≦t≦4を満たす数であり、Mcは無機又は有機の陽イオンである。)
[4] (A)成分/(B)成分で表される質量比が0.02〜2.2である、[1]〜[3]のいずれか1つに記載の食器用洗浄剤。
[5] 下記(D)成分をさらに含有する、[1]〜[4]のいずれか1つに記載の食器用洗浄剤。
(D)成分:両性界面活性剤及び半極性界面活性剤からなる群より選ばれる少なくとも1種。
[6] ((A)成分+(B)成分)/((C)成分+(D)成分)で表される質量比が2.25〜50である、[5]に記載の食器用洗浄剤。
[7] 前記(b−1)成分の含有量が、食器用洗浄剤の総質量に対して2〜20質量%である、[2]に記載の食器用洗浄剤。
[8] 前記(b−2)成分の含有量が、食器用洗浄剤の総質量に対して0.5〜20質量%である、[3]に記載の食器用洗浄剤。
[9] 前記(D)成分の含有量が、食器用洗浄剤の総質量に対して0.1〜10質量%である、[5]又は[6]のいずれか1つに記載の食器用洗浄剤。
[10] 前記(A)成分の含有量が、食器用洗浄剤の総質量に対して0.5〜15質量%である、[1]〜[9]のいずれか1つに記載の食器用洗浄剤。
[11] 前記(B)成分の含有量が、食器用洗浄剤の総質量に対して0.5〜40質量%である、[1]〜[10]のいずれか1つに記載の食器用洗浄剤。
[12] 前記(C)成分の含有量が、食器用洗浄剤の総質量に対して0.2〜10質量%である、[1]〜[11]のいずれか1つに記載の食器用洗浄剤。
本発明の食器用洗浄剤は、以下に示す(A)成分、(B)成分及び(C)成分を含有する。また、食器用洗浄剤は、以下に示す(D)成分をさらに含有することが好ましい。
(A)成分は、スルホコハク酸アルキルエステルおよびその塩からなる群より選ばれる少なくとも1種である。
食器用洗浄剤が(A)成分を含有することで、(B)成分及び(C)成分との相互作用により水で希釈して使用する場合でも、洗浄力及び泡弾力性に優れる。
(A)成分としては、下記一般式(1)で表される化合物が挙げられる。
一般式(1)中、A1、A2はそれぞれ独立して炭素数2〜4のアルキレン基である。すなわち、EO、PO及びBO(オキシブチレン基)のいずれかである。(OA1)n及び(A2O)mはそれぞれ、EO、PO又はBOのみの繰り返し構造でもよく、EO、PO及びBOの2つ以上が混在して配列していてもよい。EO、PO及びBOの2つ以上が混在する場合、これらはランダム状に混在してもよく、ブロック状に混在してもよい。
Maとしては、ナトリウムイオン、カリウムイオン、マグネシウムイオンが好ましい。
(A)成分は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。
(B)成分は、(A)成分以外のアニオン界面活性剤である。
食器用洗浄剤が(B)成分を含有することで、(A)成分及び(C)成分との相互作用により水で希釈して使用する場合でも、洗浄力及び泡弾力性に優れる。
(B)成分は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。
(B)成分としては、下記(b−1)成分、(b−2)成分が好ましい。
食器用洗浄剤が(b−1)成分を含有することで、洗浄力が特に高まる傾向にある。
(b−1)成分としては、例えば下記一般式(2)で表される化合物が挙げられる。
一般式(2)中、uは1〜3の数であり、1または2の数が好ましい。uが2以上の場合、複数存在するR3は、同じであってもよいし、それぞれ異なっていてもよい。
一般式(2)中、Mbは無機又は有機の陽イオンであり、具体的にはMaの説明において先に例示したものが挙げられる。
(b−1)成分としては、例えば直鎖アルキル(C10〜14)ベンゼンスルホン酸塩が好ましい。
食器用洗浄剤が(b−2)成分を含有することで、泡弾力性が特に高まる傾向にある。
R4−O−[(PO)s/(EO)t]−SO3Mc ・・・(3)
(一般式(3)中、R4は炭素数8〜18の直鎖又は分岐鎖のアルキル基であり、かつ酸素原子と結合している炭素原子は第一級炭素原子であり、POはオキシプロピレン基を表し、EOはオキシエチレン基を表し、sはPOの平均繰り返し数を表し、0≦s<1を満たす数であり、tはEOの平均繰り返し数を表し、0≦t≦4を満たす数であり、Mcは無機又は有機の陽イオンである。)
一般式(3)中、Mcは無機又は有機の陽イオンであり、具体的にはMaの説明において先に例示したものが挙げられる。
一般式(3)中、tは0〜4であり、0〜2が好ましい。
s及びtが0の場合、一般式(3)で表される化合物はアルキル硫酸エステル塩である。
s+t>0の場合、一般式(3)で表される化合物はポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩である。POとEOが混在する場合、これらはランダム状に混在してもよく、ブロック状に混在してもよい。すなわち、一般式(3)中の[(PO)s/(EO)t]はPOとEOがランダム状又はブロック状に混在することを意味する。
(b−2)成分としては、例えばポリオキシエチレン(1)直鎖アルキル(C12)硫酸エステルナトリウム塩、ポリオキシエチレン(2)直鎖アルキル(C12)硫酸エステルナトリウム塩、ポリオキシエチレン(3)直鎖アルキル(C12)硫酸エステルナトリウム塩、ポリオキシプロピレン(0.4)ポリオキシエチレン(1.5)直鎖アルキル(C12)硫酸エステルナトリウム塩、ポリオキシエチレン(1)直鎖アルキル(C12/14=75/25;天然油脂由来)硫酸エステルナトリウム塩、ポリオキシエチレン(2)直鎖アルキル(C12/14=75/25;天然油脂由来)硫酸エステルナトリウム塩、ポリオキシエチレン(3)直鎖アルキル(C12/14=75/25;天然油脂由来)硫酸エステルナトリウム塩、ポリオキシプロピレン(0.4)ポリオキシエチレン(1.5)直鎖アルキル(C12/14=75/25;天然油脂由来)硫酸エステルナトリウム塩、アルキル(C12)硫酸エステルナトリウム塩、アルキル(C12/14=75/25;天然油脂由来)硫酸エステルナトリウム塩などが挙げられる。
「C12/14=75/25;天然油脂由来」とは、炭素数12の直鎖アルキル基を有するものと、炭素数14の直鎖アルキル基を有するものとの混合物(混合比率:質量比で75/25)であること、天然油脂由来の直鎖状のアルキル基であることを意味する。
(C)成分は、ポリオキシアルキレンアルキルアミンである。
食器用洗浄剤が(C)成分を含有することで、(A)成分及び(B)成分との相互作用により水で希釈して使用する場合でも、洗浄力及び泡弾力性に優れる。
(C)成分としては、下記一般式(4)で表される化合物が挙げられる。
一般式(3)中、A3、A4はそれぞれ独立して炭素数2〜4のアルキレン基である。すなわち、EO、PO及びBOのいずれかであり、EO、POが好ましく、EOがより好ましい。(A3O)p及び(A4O)qはそれぞれ、EO、PO又はBOのみの繰り返し構造でもよく、EO、PO及びBOの2つ以上が混在して配列していてもよい。EO、PO及びBOの2つ以上が混在する場合、これらはランダム状に混在してもよく、ブロック状に混在してもよい。
p+q=1〜15が好ましく、1〜10がより好ましく、1〜5がさらに好ましい。
なお、カッコ内の数値は、pとqの合計である。
(D)成分は、両性界面活性剤及び半極性界面活性剤からなる群より選ばれる少なくとも1種である。
食器用洗浄剤が(D)成分を含有することで、水で希釈して使用する場合でも、泡弾力性により優れる。
なお、「半極性界面活性剤」とは、半極性界面活性剤が溶解する溶液又は分散する分散系のpHにより、陽イオン性、非イオン性となるものをいう。
両性界面活性剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。
ラウリン酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタインの市販品としては、ライオン株式会社製の商品名「エナジーコール L−30B」などが挙げられる。ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタインの市販品としては、Evonic社製の商品名「Tego Betain L7」などが挙げられる。
アルキルヒドロキシスルホベタインの市販品としては、花王株式会社製の商品名「AMPHITOL 20HD」などが挙げられる。
両性界面活性剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。
アミンオキシド型界面活性剤としては、例えばアルキルアミンオキシド、アルキルアミドプロピルジメチルアミンオキシドなどが挙げられ、これらの中でも下記一般式(5)で表される化合物が好ましい。
一般式(5)中、R7、R8としては、それぞれ炭素数1〜3のアルキル基が好ましく、メチル基がより好ましく、R7及びR8がいずれもメチル基であることがさらに好ましい。
一般式(5)中、rは、0又は1の数であり、0が好ましい。
半極性界面活性剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。
(A)成分/(C)成分で表される質量比(以下、「A/C比」ともいう。)は0.1〜25であり、0.25〜9が好ましく、0.65〜4がより好ましい。A/C比が上記範囲内であれば、洗浄力及び泡弾力性が向上する。
本発明の食器用洗浄剤は、製造時のハンドリングのし易さ、使用する際の水への溶解性等の観点から、溶剤として水を含有することが好ましい。
食器用洗浄剤は、本発明の効果を損なわない範囲内であれば、(A)成分、(B)成分、(C)成分及び(D)成分以外の成分(任意成分)を必要に応じて含有してもよい。
任意成分としては、食器洗い用、台所用、硬質表面用等の洗浄剤組成物に用いられている成分が挙げられ、例えば、ノニオン界面活性剤、ハイドロトロープ剤、2価金属の無機塩などが挙げられる。
ノニオン界面活性剤としては特に限定されず、公知のものを使用することができ、例えば下記一般式(6)で表されるポリオキシアルキレン付加型ノニオン界面活性剤、脂肪酸アルカノールアミド、アルキルグリコシド、ソルビタン脂肪酸エステルなどが挙げられる。
R10−O−(R11O)v−H ・・・(6)
(一般式(6)中、R10は炭素数8〜18の直鎖又は分岐鎖の炭化水素基であり、R11は炭素数1〜3の炭化水素基であり、vは(R11O)の平均繰り返し数を示し、1≦v≦20である。)
一般式(6)中、R11の炭化水素基としては、アルキレン基が好ましく、エチレン基、プロピレン基がより好ましい。また、(R11O)としては、オキシエチレン基、オキシプロピレン基が混在してもよい。オキシエチレン基、オキシプロピレン基が混在する場合、これらはランダム状に混在してもよく、ブロック状に混在してもよい。
一般式(6)中、vは1〜20であり、5〜20が好ましく、5〜15がより好ましい。
一般式(6)で表されるポリオキシアルキレン付加型ノニオン界面活性剤としては、ポリオキシアルキレン(炭素数2〜3)アルキル(炭素数8〜18)エーテル(アルキレンオキシド平均付加モル数5〜15)がより好ましい。
食器用洗浄剤がハイドロトロープ剤を含有することにより、主として、食器用洗浄剤の保存安定性(特に低温安定性)が向上して、透明外観をより安定に確保しやすくなる。
ハイドロトロープ剤としては、炭素数2〜4の1価アルコール、炭素数4〜10のグリセリルエーテル、トルエンスルホン酸、トルエンスルホン酸塩、クメンスルホン酸、クメンスルホン酸塩、安息香酸、安息香酸塩などが挙げられる。
ハイドロトロープ剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。
炭素数2〜4の1価アルコールはとしては、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、セカンダリーブタノール、ターシャルブタノールが挙げられる。
炭素数4〜10のグリセリルエーテルとしてはグリセリン、ヘキシルグリセリルエーテルなどが挙げられる。
ハイドロトロープ剤の含有量は、食器用洗浄剤の総質量に対し、0.1〜20質量%が好ましく、0.3〜15質量%がより好ましく、1〜10質量%がさらに好ましい。
2価金属の無機塩は、増粘剤、洗浄力ブースター(促進剤)としての役割を果たす。
2価の金属としては、マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属;銅、鉄、ニッケル、マンガン等の遷移金属;亜鉛などが挙げられる。これらの塩としては、塩化物塩、臭化物塩、ヨウ化物塩、水酸化物塩、酢酸塩、硝酸塩、炭酸塩、硫酸塩、燐酸塩などが挙げられる。
2価金属の無機塩は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。
2価金属の無機塩の含有量は、食器用洗浄剤の総質量に対し、金属分として0.03〜1質量%が好ましく、0.05〜0.5質量%がより好ましい。
本発明の食器用洗浄剤は、例えば、上述した(A)成分、(B)成分及び(C)成分と、必要に応じて(D)成分や任意成分とを、水等の溶媒に溶解し、pH調整剤を用いて所定のpHに調整することによって製造できる。
本発明の食器用洗浄剤の25℃でのpHは、6〜8が好ましい。
本発明において、食器用洗浄剤のpH(25℃)は、JIS Z 8802:1984「pH測定方法」に準拠した方法により測定される値を示す。
食器用洗浄剤のpHは、pH調整剤を用いて調整すればよい。
以上説明した本発明の食器用洗浄剤においては、(A)成分と、(B)成分と、(C)成分とを含有し、かつA/C比を規定しているので、水で希釈して使用する場合であっても、洗浄力および泡弾力性に優れる。
本発明の食器用洗浄剤は、食器はもちろんのこと、調理器具等の台所用品を洗浄する際の洗浄剤として好適である。また、本発明の食器用洗浄剤であれば、親水面に付着した油汚れはもちろんのこと、一般的に落ちにくいとされている疎水面に付着した油汚れも充分に洗浄できる。表面が親水面である洗浄対象物としては、ガラス製、陶器製等の食器などが挙げられる。一方、表面が疎水面である洗浄対象物としては、樹脂製の食器などが挙げられる。
本発明の食器用洗浄剤を用いて台所用品を洗浄する際には、本発明の食器用洗浄剤を水で希釈して使用してもよいし、水で希釈せずに使用してもよい。本発明の食器用洗浄剤は、水で希釈して使用する場合であっても洗浄力及び泡弾力性に優れ、充分な洗浄実感が得られるので、水で希釈して使用する食器用洗浄剤として特に好適に用いられる。
本発明の食器用洗浄剤を水で希釈して使用する場合、1Lの水に本発明の食器用洗浄剤を5〜15g程度溶解させて使用することが好ましい。
本発明の食器用洗浄剤を希釈せずに使用する場合、スポンジ等の洗浄具に1〜10g程度取って使用することが好ましい。
(A)成分として、以下に示す化合物を用いた。
・A−1:ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム(DSS;ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製、商品名「リパール870P」、純度:70質量%)。上記一般式(1)中、R1=炭素数8の分岐鎖のアルキル基(2−エチルヘキシル基)、R2=炭素数8の分岐鎖のアルキル基(2−エチルヘキシル基)、n=0、m=0、Ma=ナトリウムイオン。
・A−2:ポリオキシエチレンアルキルエーテルスルホコハク酸モノエステル2ナトリウム(MSS;ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製、商品名「リパールMSC」、純度:35質量%)。上記一般式(1)中、R1=炭素数12〜14の直鎖のアルキル基、R2=ナトリウムイオン、A1=エチレン基、n=3、m=0、Ma=ナトリウムイオン。
・B−1:直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム(LAS;ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製、商品名「ライポンLS−250」、純度:50質量%)。上記一般式(2)中、R3=炭素数10〜14の直鎖のアルキル基、u=1、Mb=ナトリウムイオン。
・B−2:ラウリル硫酸ナトリウム(SLS;ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製、商品名「サンノール LM−1130」、純度:33質量%)。上記一般式(3)中、R4=炭素数12の直鎖のアルキル基、s=0、t=0、Mc=ナトリウムイオン。
・B−3:ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム(AES;新日本理化株式会社製、商品名「シノリン SPE−1250」、純度:70質量%)。上記一般式(3)中、R4=炭素数12〜14の直鎖のアルキル基(C12/C14=75%/25%、質量比)、s=0、t=2、Mc=ナトリウムイオン。
・B−4:α−オレフィンスルホン酸ナトリウム(テトラデセンスルホン酸ナトリウム)(AOS;ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製、商品名「リポランLB−440」)。
・C−1:ポリオキシエチレン(1.9)オクチルアミン(CAA;川研ファインケミカル株式会社製、商品名「フォーマイト2E8」、純度:100質量%)。上記一般式(4)中、R5=炭素数8の分岐鎖のアルキル基(2−エチルへキシル基)、A3=エチレン基、A4=エチレン基、p+q=1.9。
・C−2:ポリオキシエチレン(5)ヤシアルキルアミン(CAA;ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製、商品名「リポノールC/15」、純度:100質量%)。上記一般式(4)中、R5=炭素数8〜18の直鎖のアルキル基、A3=エチレン基、A4=エチレン基、p+q=5。
・C−3:ポリオキシエチレン(15)ヤシアルキルアミン(CAA;ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製、商品名「リポノールC/25」、純度:100質量%)。上記一般式(4)中、R5=炭素数8〜18の直鎖のアルキル基、A3=エチレン基、A4=エチレン基、p+q=15。
・C−4:ポリオキシエチレン(5)牛脂アルキルアミン(CAA;ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製、商品名「リポノールT/15」、純度:100質量%)。上記一般式(4)中、R5=炭素数14〜18の直鎖のアルキル基、A3=エチレン基、A4=エチレン基、p+q=5。
・C−5:ポリオキシエチレン(15)牛脂アルキルアミン(CAA;ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製、商品名「リポノールT/25」、純度:100質量%)。上記一般式(4)中、R5=炭素数14〜18の直鎖のアルキル基、A3=エチレン基、A4=エチレン基、p+q=15。
・D−1:ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン(CAPB;Evonic社製、商品名「Tego Betain L7」、純度:30質量%)。
・D−2:ラウリルヒドロキシスルタイン(HSB;花王株式会社製、商品名「AMPHITOL 20HD」、純度:30質量%)。
・D−3:ドデシルジメチルアミンオキシド(AX;ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製、商品名「カデナックス DM12D−W(C)」、純度:33質量%)。上記一般式(5)中、R6=炭素数12の直鎖のアルキル基、R7=メチル基、R8=メチル基、r=0。
<ハイドロトロープ剤>
・pTS−H:パラトルエンスルホン酸一水和物(東京化成工業株式会社製、純度:98質量%)。
<2価金属の無機塩>
・MgSO4・7H2O:硫酸マグネシウム七水和物、和光純薬工業株式会社製、純度:98質量%)。
<pH調整剤>
・pH調整剤:水酸化ナトリウム(関東化学株式会社製、1mol/l水酸化ナトリウム溶液(1N))及び硫酸(関東化学株式会社製、1mol/l硫酸(2N))の少なくとも一方。
表1〜4に示す配合組成に従って、以下に示す製造方法(未配合の成分がある場合、その成分は配合しない)により、各例の食器用洗浄剤をそれぞれ調製した。
表1〜4中の配合量の単位は質量%であり、いずれの成分も純分換算量を示す。なお、各例の食器用洗浄剤は、表1〜4に記載の各成分の合計が100質量%となるようにイオン交換水でバランスして調製した。
1Lビーカーに(A)成分と、(B)成分と、(C)成分と、(D)成分と、任意成分とを入れ、スリーワンモータ(新東科学株式会社製、製品名「FBL600」)で均一になるまで撹拌した。全体量が95質量%になるまでイオン交換水を加え、得られた混合液の25℃でのpHが7.0になるように、pH調整剤を適量添加した後、全体量が100質量%になるようにイオン交換水をさらに加え、均一になるまで撹拌し、食器用洗浄剤を得た。
上記pHは、混合液を25℃に調温し、ガラス電極式pHメーター(東亜ディーケーケー株式会社製、製品名「HM−30G」)を用い、ガラス電極を混合液に直接に浸漬し、1分間経過後に示すpHを測定した。測定方法は、JIS Z 8802:1984「pH測定方法」に準拠して行った。
各例の食器用洗浄剤について、以下のようにして、洗浄力及び泡弾力性を評価した。結果を表1〜4に示す。
牛脂(和光純薬工業株式会社製)300mgをポリプロピレン製の直径25cmの円形平板皿に均一に塗布し、25℃で1時間以上放置し、汚垢皿とした。
直径20cm、深さ10cmのプラスチック製のボウルに25℃の水道水を1L加え、各例の食器用洗浄剤をボウルの中央部に10g滴下した。その直後に予め重量を測定しておいた食器洗い用スポンジ(住友スリーエム株式会社製、商品名「スコッチブライト」)をボウル内に浸して、食器用洗浄剤が完全に溶解するまで目視で確認しながら充分に撹拌した。撹拌後、スポンジに染み込んだ溶液量が40gになるように電子天秤で計量しながらスポンジを取り出し、取り出したスポンジを牛脂が付着した上記汚垢皿の上で5回揉んで泡立てた後、その汚垢皿を泡立てたスポンジで円を10周描くように動かして擦り洗いを行った。その後、汚垢皿を水道水ですすいだ。すすぎ後の皿を1時間風乾させた後、以下の評価基準に従って汚れ落ち具合を評価した(5段階評価)。
◎◎:牛脂の汚れ残りが目視では確認されず、指で皿を擦った際にヌルついていない。
◎:牛脂の汚れ残りが目視では確認されないが、指で皿を擦った際に僅かにヌルつく。
○:牛脂の汚れ残りは目視では確認できないが、指で皿を擦った際にややヌルつく。
△:牛脂の汚れ残りが目視で僅かに確認され、指で皿を擦った際にややヌルつく。
×:牛脂の汚れ残りが目視でかなり確認され、指で皿を擦った際にかなりヌルつく。
洗浄力の評価と同様にして汚垢皿を擦り洗いした。洗浄中の泡質、弾力性及び消泡性を目視にて確認し、以下の評価基準に従って泡弾力性を評価した(5段階評価)。
◎◎:泡質が非常にクリーミィで弾力があり、洗浄中も殆ど消泡しない。
◎:泡質がかなりクリーミィで弾力があるが、洗浄中にわずかに消泡する。
○:泡質がクリーミィで弾力があるが、洗浄中にやや消泡する。
△:泡質がかなり粗く、洗浄中にかなり消泡する。
×:泡質が非常に粗く、洗浄中に非常に消泡する。
また、「A/C比」は、(A)成分/(C)成分で表される質量比である。「A/B比」は、(A)成分/(B)成分で表される質量比である。「(A+B)/(C+D)比」は、((A)成分+(B)成分)/((C)成分+(D)成分)で表される質量比である。
一方、表4から明らかなように、(A)成分、(B)成分及び(C)成分のいずれかを含まない比較例1〜3の食器用洗浄剤は、水で希釈して使用した場合、泡弾力性に劣っていた。特に、(B)成分又は(C)成分を含まない比較例2、3の食器用洗浄剤は、洗浄力にも劣っていた。
A/C比が25超である比較例4、5の食器用洗浄剤は、水で希釈して使用した場合、洗浄力及び泡弾力性に劣っていた。
A/C比が0.1未満である比較例6の食器用洗浄剤は、水で希釈して使用した場合、泡弾力性に劣っていた。
Claims (6)
- 下記(A)成分、(B)成分及び(C)成分を含有し、(A)成分/(C)成分で表される質量比が0.1〜25である、食器用洗浄剤。
(A)成分:スルホコハク酸アルキルエステルおよびその塩からなる群より選ばれる少なくとも1種。
(B)成分:前記(A)成分以外のアニオン界面活性剤。
(C)成分:ポリオキシアルキレンアルキルアミン。 - 前記(B)成分は下記(b−1)成分を含む、請求項1に記載の食器用洗浄剤。
(b−1)成分:直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩。 - 前記(B)成分は下記(b−2)成分を含む、請求項1又は2に記載の食器用洗浄剤。
(b−2)成分:下記一般式(3)で表される化合物。
R4−O−[(PO)s/(EO)t]−SO3Mc ・・・(3)
(一般式(3)中、R4は炭素数8〜18の直鎖又は分岐鎖のアルキル基であり、かつ酸素原子と結合している炭素原子は第一級炭素原子であり、POはオキシプロピレン基を表し、EOはオキシエチレン基を表し、sはPOの平均繰り返し数を表し、0≦s<1を満たす数であり、tはEOの平均繰り返し数を表し、0≦t≦4を満たす数であり、Mcは無機又は有機の陽イオンである。) - (A)成分/(B)成分で表される質量比が0.02〜2.2である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の食器用洗浄剤。
- 下記(D)成分をさらに含有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の食器用洗浄剤。
(D)成分:両性界面活性剤及び半極性界面活性剤からなる群より選ばれる少なくとも1種。 - ((A)成分+(B)成分)/((C)成分+(D)成分)で表される質量比が2.25〜50である、請求項5に記載の食器用洗浄剤。
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