JPWO2020022069A1 - 基板加熱装置及び基板加熱方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】基板を加熱するにあたり、当該基板の周囲の雰囲気を速やかに低酸素雰囲気とすること。【解決手段】加熱板の全周に亘って当該加熱板との間に隙間が形成されるように、当該加熱板の側方を囲む環状部と、前記隙間が連通すると共に基板を加熱処理するための処理空間が当該加熱板及び環状部との間に形成されるように、加熱板及び環状部に対向して設けられる処理空間形成部と、前記基板を加熱するときに前記処理空間を低酸素雰囲気とするための低酸素雰囲気形成ガスを前記処理空間の一端部から他端部へ向けて供給し、前記基板の幅をカバーすると共に当該基板の一端部から他端部へ向かう気流を形成するためのガス供給部と、当該処理空間の他端部に設けられた排気口と、気流の形成前に前記隙間に溜まるガスを、基板を加熱するまでに低酸素形成雰囲気形成ガスに置換するための置換部と、を備えるように装置を構成する。【選択図】図1

Description

本開示は、基板加熱装置及び基板加熱方法に関する。
半導体デバイスの製造工程においては、基板である半導体ウエハ(以下、ウエハと記載する)を加熱装置により加熱する処理が行われ、基板にガスを供給した状態でこの加熱処理が行われるように当該加熱装置が構成される場合がある。特許文献1には、載置された基板を加熱する加熱部と、加熱部の上方を覆う蓋部と、基板の加熱中に蓋部と基板との間に不活性ガスを供給して不活性ガス雰囲気を形成するガス供給部と、を備える加熱装置について記載されている。特許文献2には、基板が載置されるホットプレートと、ホットプレートの一端から他端へ向かう気流を形成するようにホットプレートを覆うカバーと、を備える加熱装置について記載されている。特許文献3には、熱板上に整流用の天板を配置し、熱板の一端側から他端側へ向かう気流を形成してウエハを加熱する加熱装置について記載されている。
特開2017−107904号公報 特開2004−293942号公報 特開2006−269920号公報
本開示は、基板を加熱するにあたり、当該基板の周囲の雰囲気を速やかに低酸素雰囲気とすることができる技術を提供する。
本開示の基板加熱装置は、基板を載置して加熱する加熱板と、
前記加熱板の全周に亘って当該加熱板との間に隙間が形成されるように、当該加熱板の側方を囲む環状部と、
前記隙間が連通すると共に前記基板を加熱処理するための処理空間が当該加熱板及び環状部との間に形成されるように、前記加熱板及び環状部に対向して設けられる処理空間形成部と、
前記基板を加熱するときに前記処理空間を低酸素雰囲気とするための低酸素雰囲気形成ガスを前記処理空間の一端部から他端部へ向けて供給し、前記基板の幅をカバーすると共に当該基板の一端部から他端部へ向かう気流を形成するためのガス供給部と、
前記処理空間における前記低酸素雰囲気ガスを吸引排気して前記気流を形成するために、当該処理空間の他端部に設けられた排気口と、
前記気流の形成前に前記隙間に溜まるガスを、前記基板を加熱するまでに前記低酸素形成雰囲気形成ガスに置換するための置換部と、
を備える。
本開示によれば、基板を加熱するにあたり、当該基板の周囲の雰囲気を速やかに低酸素雰囲気とする技術を提供することができる。
本開示の一実施形態による基板加熱装置の縦断側面図である。 前記基板加熱装置の横断平面図である。 前記基板加熱装置に設けられる水冷板を示す斜視図である。 冷却プレートを示す斜視図である。 前記加熱装置における冷却プレートを示す縦断正面図である。 前記加熱装置における加熱部を示す縦断正面図である。 前記加熱部を構成する熱板の横断平面図である。 前記基板加熱装置に設けられる基板搬送機構の斜視図である。 前記基板加熱装置の作用を示す説明図である。 前記基板加熱装置の作用を示す説明図である。 前記基板加熱装置の作用を示す説明図である。 前記基板加熱装置の作用を示す説明図である。 前記基板加熱装置の他の構成例を示す縦断側面図である。 前記基板加熱装置のさらに他の構成例を示す縦断側面図である。 本開示の装置に係る評価試験の結果を示すグラフ図である。
本開示の実施の形態である基板加熱装置1について、図1の縦断側面図、図2の横断平面図を夫々参照しながら説明する。この基板加熱装置1は大気雰囲気に設けられ、矩形で横長の筐体10を備えている。筐体10は、水冷板2により内部が上下に区画されており、筐体10内の上部側でウエハWが加熱処理される。この基板加熱装置1に搬送されるウエハWには例えばSOC(Spin On carbon)膜が形成されており、加熱処理されることにより当該SOC膜中で架橋反応が起こり、当該SOC膜が硬化する。そのように硬化するSOC膜の緻密性を高くして後のエッチング工程での耐性を高くするために、その周囲が低酸素雰囲気とされた状態で、ウエハWは例えば450℃以上、より具体的には600℃以上で加熱処理される。上記の低酸素雰囲気は、大気雰囲気よりも酸素濃度が低い雰囲気であり、例えば酸素濃度が400ppm以下、好ましくは50ppm以下の雰囲気である。以下に示す例では、筐体10内を窒素(N)ガスによる不活性ガス雰囲気とすることで、低酸素濃度雰囲気を形成する。
上記の筐体10の長さ方向を前後方向とすると、筐体10の前方側の端面における水冷板2よりも上方の位置には、ウエハWを搬入出するための搬入出口11が形成されている。搬入出口11には搬入出口11を開閉するシャッタ12が設けられ、シャッタ12は、筐体10の内側であって、水冷板2の下方に設けられたシャッタ開閉機構13により、開閉するように構成されている。
水冷板2について、図3の斜視図を参照して説明する。遮熱板である水冷板2は、矩形の金属板で形成され、その内部に例えば冷却水を通流させるための冷却流路22が引き回されている。冷却流路22は、当該冷却流路22に例えば冷却水を通流させるためのチラー23に接続されており、これら冷却流路22及びチラー23が、水冷板2を冷却するための冷却機構29として構成される。水冷板2における左右寄りの位置には、水冷板2を厚さ方向に貫通し、前後方向に伸びる切り欠き21が各々形成されている。また水冷板2の前方寄りの位置には、後述する加熱部4に設けられる昇降ピン58を昇降させるための孔部24が周方向に3カ所形成されている。また水冷板2の上面には、冷却流路22からの水漏れを検知するためのリークセンサー25が設けられている。
図1に戻って説明すると、水冷板2の上方には、搬入出口11から見て手前側(前方側)から奥側(後方側)に向かって、ウエハWを冷却する冷却部3と、ウエハWを加熱する加熱部4とがこの順で並べて設けられている。つまり水冷板2は、冷却部3の下方側から加熱部4に亘って設けられている。
上記の冷却部3について、図4の斜視図、図5の縦断正面図も参照して説明する。図4に示すように冷却部3は、円形の金属板30を備え、金属板30の下面には、冷却流路31が下面全体を引き回されるように設けられている。なお図面が繁雑になることを避けるため、図1、図5では、金属板30のみ記載し、冷却流路31の記載は省略している。冷却流路31には、チラー32が接続されており、冷却流路31に例えば冷却水を通流させることにより、金属板30上に載置されたウエハWを冷却する。
また冷却部3の表面には、ウエハWと冷却部3との間を一定に保つための例えば15個のギャップピン33が分散して配置されると共に、冷却部3の中心を囲む円環状の凸状部34が形成されている。凸状部34は、反りが発生しているウエハWについても、ウエハWの中心部が確実に冷却部3に接するようするにために設けられている。また凸状部34は、ウエハWの中心部のみを局所的に冷却することを避けるため、円環状に構成されている。
図4、図5に示すように冷却部3には、厚さ方向に貫通する貫通孔35が、周方向に3か所形成されており各貫通孔35には各々昇降部材である昇降ピン36が配置されている。昇降ピン36は昇降機構37により昇降し、冷却部3の表面にて突没するように構成されており、基板加熱装置1の外部の搬送機構、冷却部3及び後述の基板搬送機構26との間でウエハWを受け渡す。また昇降機構37は水冷板2上に設けられ、水冷板2により冷却されるように構成されている。図中38は、水冷板2上に冷却部3を支持する支持部材である。なお、上記のように昇降ピン36によりウエハWを受け渡す構成とするのは、ウエハWが冷却部3に載置されたときに、ウエハWの面内における冷却部3に重なる面積を大きくし、速やかに且つ高い均一性をもってウエハWを冷却することを目的としている。詳しく述べると、冷却部3に各搬送機構の形状に対応した切り欠きを設けると共に各搬送機構を冷却部3に対して昇降させてウエハWを受け渡すものとする。その場合、ウエハWが冷却部3に載置されたときに、その切り欠きの大きさの分だけウエハWの面内のうちの冷却部3に重なる面積が小さくなり、ウエハWの冷却性が下がる。昇降ピン36による受け渡しとすることで、冷却部3にそのような切り欠きを設ける必要を無くしている。
図1に示すように冷却部3の上方には、当該冷却部3に向けてNガスを供給するガス供給部39が設けられている。ガス供給部39は、扁平な角筒状に構成され、下面が複数の孔部39Aが形成されたパンチングプレートで構成されている。ガス供給部39は、ガス供給路14を介してNガス供給源15に接続されている。図1中のM1、V1は夫々ガス供給路14に介設された流量調整部、バルブであり、バルブV1の開閉により、ガス供給部39へのNガスの給断が行われる。
続いて加熱部4について、上記の図1及び図2に加えて、図6の縦断正面図及び図7の横断平面図も参照しながら説明する。加熱部4は冷却部3から離れて設けられ、加熱板40と、下方支持部44と、環状部47と、プレート51と、処理空間形成部をなす天板61と、を備えている。加熱板40は扁平な円柱形状をなし、各々円形の加熱本体部41と断熱部材42とが、上方からこの順に積層されて構成されている。加熱本体部41は例えばSiC(炭化シリコン)などのセラミックにより構成されている。加熱本体部41の上端部は外方へと広がり、円形のフランジ43をなす。そして、加熱本体部41の上面(表面)には、ウエハWを当該上面から離れて支持するための図示しない突起が分散して設けられており、ウエハWは、これらの突起上に水平に支持される。
加熱本体部41の上面におけるフランジ43の内側には、当該加熱本体部41に載置されるウエハWの位置ずれを防止するための複数のずれ防止ピン67が、加熱本体部41の周に沿って、互いに間隔を空けて設けられている。このずれ防止ピン67に囲まれる領域にウエハWが載置される。加熱本体部41にはヒーターが含まれており、上記のように載置されたウエハWが当該加熱本体部41により加熱される。断熱部材42は加熱本体部41の下方側を断熱するために、下方支持部44にその下方側が支持されるように設けられている。
下方支持部44は、支柱45を介して水冷板2上に加熱板40を支持し、加熱板40の底面を覆うように形成された円板部材として構成されている。下方支持部44の周縁部は加熱板40の外側に位置しており、当該周縁部上に環状部47が設けられている。環状部47は、加熱板40の側方を囲むように円環をなし、例えば中空である断熱部材として構成されている。また、環状部47と加熱板40の側面との間には、加熱板40の全周に亘って平面視円環状の隙間48が形成されている。さらに、上記の下方支持部44の周縁部には、平面視円環をなす垂直な立て板である環状板49が、隙間48を同心円状に2分割するように設けられている。環状板49の上端は、上記の加熱板40に設けられるフランジ43から若干離れて、当該フランジ43の下方に位置している。
上記の環状部47上に、例えばSUS(ステンレス鋼)などの金属により構成されるプレート51が設けられている。このプレート51は加熱板40上に形成される後述の気流をガイドし、筐体10内の後方側の上下を区画するように、加熱板40の上端部と略同じ高さに水平に設けられている。また、プレート51は、加熱板40の表面(上面)を露出させるための円形の開口部52を備えている。この開口部52の下方側は上方側に比べて拡径されており、当該開口部52の上方側及び下方側は、縦断面で見て段をなしている。
開口部52の下方側の開口縁の側面は、上記の加熱板40のフランジ43の側面に間隔を空けて対向している。開口部52の上方側の開口縁は、フランジ43の上方に位置すると共に、当該フランジ43に近接するように重なる円環状の隙間被覆部53として構成されている。つまり、隙間被覆部53は、隙間48の上方を覆うように設けられている。この隙間被覆部53の役割については後述する。このようにフランジ43及び隙間被覆部53が構成されるため、上記の隙間48は、加熱板40の上方空間(後述する処理空間63)に連通する。なお、図を見やすくするために、フランジ43と隙間被覆部53との間に形成される微小な隙間について、実際の大きさよりも大きく示している。
例えば、下方支持部44には、例えば上記のように環状板49によって同心円状に分割される隙間48のうちの外側の円をなす領域に開口するように、排気口(隙間用の排気口)54が形成されている。図7に示すように排気口54は環状部47の周方向に間隔を空けて例えば4つ設けられている。排気口54には排気管55の一端が接続されており、排気管55の他端はバルブV2を介して排気部56に接続され、バルブV2の開閉によって隙間48の吸引排気のオンオフが切り替えられる。
上記の加熱板40及び下方支持部44には、これらを厚さ方向に貫通する貫通孔57が、加熱板40の周方向に沿って3か所形成されており、この3つの貫通孔57には各々昇降ピン58が配置されている。3つの昇降ピン58は前述の水冷板2に形成された3つの孔部24に各々挿入され、水冷板2の下方であって、筐体10の底板の上面に設けられた昇降機構59に接続されている。昇降機構59により昇降ピン58は昇降し、加熱板40の上面にて突没する。昇降機構59は、このように水冷板2の下方に配置されているので、加熱部4による輻射熱が昇降機構59へ及ぶことが抑制される。
加熱板40及びプレート51の上方には、これら加熱板40及びプレート51に対向するように、矩形状の水平な天板61が設けられている。なお、天板61はプレート51を介して環状部47にも対向している。図1、図6に示すように天板61の左右の縁部は下方に伸びて脚部62をなし、プレート51上に支持されている。天板61、脚部62、加熱板40及びプレート51に囲まれる空間は、扁平な処理空間63として構成される。上記の天板61及び脚部62は、耐熱性が高く且つ線膨張係数が小さい材料により構成することが好ましい。これは、ウエハWの処理中に熱によってこれらの部材が変形して処理空間63の高さが変化することによる、ウエハW上の気流の変化を防ぐためである。具体的には例えば石英や、SiCなどのセラミックなどの材料により、天板61及び脚部62を構成することが好ましい。
図1、図2に示すように処理空間63の手前側の筐体10の天井部には、低酸素雰囲気形成ガスであるNガスを吐出するガス供給部7が設けられている。ガス供給部7は、左右方向に伸びるように形成されたガスノズルであり、当該左右方向に沿って多数のガス供給口71を備え、斜め後方、即ち処理空間63の一端部に向けてNガスを吐出する。後述のように処理空間63の排気を行うことで当該処理空間63に気流を形成するときに、このように吐出されたNガスは、ウエハWの左右の幅をカバーするように供給される。つまり、ウエハWの左右の各部の全ての箇所にNガスが供給されるように、ガス供給口71が開口している。図1中に示したNガスの供給源15は、ガス供給路73を介してガス供給部7に接続されている。M2、V3は、夫々ガス供給路73に介設された流量調整部、バルブであり、バルブV3の開閉により、ガス供給部7へのNガスの給断が行われる。
そして処理空間63の後方側を塞ぐように、筐体10内の雰囲気を排気する排気ブロック74が、プレート51上に設けられている。この排気ブロック74は、左右方向に多数、前方へ向けて開口した排気口75を備えている。つまり、処理空間63の他端部に排気口75が設けられている。そして排気ブロック74の下流側は、バルブV4を介して排気部56に接続されており、バルブV4の開閉により、排気ブロック74による吸引排気のオンオフが切り替えられる。なお、排気部56は、例えば基板加熱装置1が設けられる工場において常時排気が行われる排気路と、当該排気路を排気するファンやブロアなどの排気機構とにより構成されている。また、上記の加熱板40の外側の隙間48の単位時間あたりの排気量よりも、この排気ブロック74による処理空間63の単位時間あたりの排気量の方が大きくなるように装置が構成されている。
上記のガス供給部7からNガスを吐出すると共にこの排気ブロック74から排気を行うことによって、処理空間63を前方から後方へ向けてウエハWの表面に沿って流れる気流が形成される。ウエハWが加熱される空間である処理空間63にそのように気流を形成するのは、ウエハWの周囲の酸素濃度を低下させると共に、加熱されるウエハWから発生する昇華物を除去するためである。以下、この処理空間63にて形成される気流を一方向流として記載する。既述したようにガス供給部7、排気ブロック74には、左右方向において複数のガス供給口71、複数の排気口75が夫々設けられている。それによって、処理空間63の左右方向に均一性高い一方向流が形成され、ウエハWの面内で均一性高い加熱処理が行われるように構成されている。なお、ガス供給口71及び排気口75はこの例のように左右方向に複数設けることに限られず、例えば左右に細長の1つのスリットとして形成してもよい。また、補足しておくと、既述のように冷却部3側に設けられたガス供給部39から筐体10内に供給されたNガスについてもこの処理空間63に流れ込み、当該排気口75から排気される。
また図1、図6に示すように、天板61の上方には例えば2枚の断熱板64と、扁平な断熱部材65とが、下側からこの順に互いに間隔を空けて重なるように、各々水平に設けられている。断熱部材65は、筐体10内の上方領域と加熱部4とを断熱するために設けられ、例えばその内部は空洞で真空雰囲気とされている。2枚の断熱板64は、加熱部4から断熱部材65への熱輻射を緩和し、当該断熱部材65の変形及び破損を防止するために設けられている。なお、断熱板64の枚数は2枚であることには限られず、例えば3枚以上であってもよい。また図2、図6に示すように、筐体10内における加熱部4の左右の側壁には、筐体10の側壁と加熱部4とを断熱するための断熱パネル66が各々設けられている。
基板加熱装置1は冷却部3と、加熱部4との間でウエハWを搬送する基板搬送機構26を備えており、この基板搬送機構26について図8の斜視図も参照して説明する。なお、図8においては水冷板2の一部を簡略化して示している。基板搬送機構26は、冷却部3の左側及び右側の位置に各々上下に伸びる支持部27A、27Bを備え、支持部27A、27Bは互いに対向している。支持部27A、27Bの上方側端部は、先端が夫々右側及び左側に向かって梁出すように形成されている。また支持部27A、27Bの先端の上面には、耐熱性が比較的高い例えばセラミック、あるいは石英で構成され、冷却部3から見て加熱部4側に向かって(後方に向かって)伸び、ウエハWの下面における左側周縁部及び右側周縁部を夫々保持する板状の左側保持部材28A及び右側保持部材28Bが設けられている。
このようにウエハWを左側保持部材28A及び右側保持部材28Bの両方によって、その左右を夫々保持することで、保持されたウエハWがその重量によって傾き、位置ずれすることを防ぐことができる。これら左側保持部材28A及び右側保持部材28Bを、基板保持部28と記載する場合が有る。なお、基板保持部28を構成する上記のセラミックや石英は加工が難しく、昇降ピン36、58と基板搬送機構26とが互いに干渉しないようにスリットを設けるなどの複雑な形状にすることが難しい。しかし、基板保持部28は上記のように板状であるため、容易に製造することができる。
図8に示すように上記の支持部27A、27Bが、水冷板2に形成された切欠き21に各々挿入されている。そして図1、図5に示すように、各支持部27A、27Bの基端側は、水冷板2よりも下方側に設けられた共通の移動機構16に接続されている。移動機構16は、例えば図示しないベルト駆動機構などにより、水冷板2の下方にて前後方向に伸びるガイドレール17に沿って移動するように構成されている。なお、図中18はガイドレール17の高さを調整するための台部である。この移動機構16をガイドレール17に沿って移動させることにより、基板保持部28が、図1中に実線で示す冷却部3の上方位置(手前側位置とする)と、図1中に点線で示す加熱板40の上方位置(奥側位置とする)との間を移動する。この移動機構16及びガイドレール17は、筐体10の前方側、且つ水冷板2の下方に設けられることで、加熱板40からの輻射熱の供給が抑えられるようになっている。また図2に示すように、前後に移動する基板保持部28と、冷却部3側の昇降ピン36及び加熱板40側の昇降ピン58と、は平面的に干渉しないレイアウトとなっている。
後述の基板加熱装置1の作用で基板搬送機構26の動作を詳細に示すが、筐体10内の各部におけるウエハWの受け渡しの妨げにならない限り、当該基板搬送機構26は手前側位置に位置する。つまり、奥側位置に位置する時間が長くなることが抑制されるように動作する。これは、加熱部4から輻射される熱が基板搬送機構26へ蓄積されることを抑制し、故障やメンテナンス周期が短くなることを防ぐためである。
ところで図1、図2に示すように、処理空間63を形成するプレート51の上面には、処理空間63に形成される一方向流の下流側の濃度を検出することができるように、酸素濃度検出部19が埋設されている。具体的には、加熱板40の前後の中心から後方側に向かって見たときに、上記の隙間48の後方で排気ブロック74の近傍に位置している。従って、前後方向に見たときに酸素濃度検出部19は処理空間63の下流側、即ちガス供給部7よりも排気ブロック74寄りの位置に設けられている。酸素濃度検出部19は検出した酸素濃度に対応する信号を、後述の制御部5に送信し、制御部5はこの信号に基づいて当該酸素濃度を表示できるように構成される。
ウエハWの加熱処理前に行われる試験において、ウエハWの加熱処理時と同様にガス供給部7、39からのNガス供給及び排気ブロック74からの排気が行われる。そして、このガス供給及び排気を開始してから、検出される酸素濃度が基準値以下となるまでの時間が測定される。そして、この測定された時間に基づき、Nガスの供給及び排気の開始後、後述するようにウエハWを昇降ピン36上から加熱板40への搬送を行うまでの待機時間が制御部5において設定される。上記の酸素濃度が基準値以下になるまでの時間の測定、及びこの測定された時間に基づいた待機時間の設定は、基板加熱装置1のユーザーが行う。ただし、ユーザーが制御部5から所定の操作を行うと自動で上記の試験が行われ、基準値以下になるまでの時間の測定及び待機時間の設定が自動で行われるようにしてもよい。
なお、処理空間63の左右方向(幅方向)の各部に一方向流は均一性高く形成されるので、酸素濃度についても処理空間63の左右の各部における差は比較的小さい。つまり、図2に示す例では、酸素濃度検出部19を処理空間63の左右の中心から若干外れた位置に設けているが、この位置に設けることには限られない。なお、一方向流により当該排気ブロック74へと処理空間63の酸素が流されるため、上記のように酸素濃度検出部19を排気ブロック74寄りの位置に設けている。つまり、酸素濃度検出部19をこのように排気ブロック74寄りに配置することで、ウエハW周囲の酸素濃度が基準値以下か否かを、より正確に判断することができるようにしている。
上記の加熱板40及びその周囲の各部の構成について、さらに詳しく説明する。既述のように加熱板40の周囲には、断熱部材である環状部47が設けられている。さらに、この環状部47と加熱板40との間には、断熱効果を得るために隙間48が形成されている。詳しく説明すると、そのように隙間48が設けられることで、加熱板40にてヒーターを備える加熱本体部41の側周が他の部材と接触しない構成とされるため、加熱本体部41から加熱本体部41以外の部材への熱伝導を防ぎ、断熱効果が得られるようにしている。その結果として、上記のように450℃以上と当該加熱本体部41を比較的高い温度に保ち、ウエハWを加熱することができる。なお、この隙間48は上記のように環状板49によって同心円状の内側領域と外側領域とに区画されて2層の気体の層を形成することによって、より高い断熱効果が得られるように構成されている。
また、ウエハWの処理時において加熱板40の周囲に設けた部材及び加熱板40は、各々熱膨張する。この熱膨張によって、加熱板40の周囲の部材と加熱本体部41とが接触すると、加熱本体部41が破損してしまい、ウエハWの処理に影響するおそれが有る。上記の隙間48を設けることは、そのような破損を防ぐ役割も果たしている。
ところで、加熱中のウエハWの表面に低酸素雰囲気を形成するための気流を形成するにあたっては、上記の処理空間63に一方向流を形成する装置構成以外の装置構成とすることも考えられる。具体的には、ウエハWを搬入出するための開閉機構付きの処理容器を筐体10内に設ける。そして、その処理容器内の天井の中央部及びウエハWの外周付近の一方から排気を行うと共に、他方からNガスの供給を行う。それにより、処理容器内にウエハWの外周側から中央側へ向かうか、あるいは中央側から外周側に向かう気流が形成されるような装置構成とすることが考えられる。その一方で処理空間63に一方向流を形成する装置構成は、上記の開閉機構を不要とすることができる。従って、この開閉機構に供給される熱を防ぐための対策を取る必要が無いため、上記のように比較的高い温度でウエハWを加熱するにあたり、一方向流を形成する構成とすることが有利である。
しかし、上記のように加熱板40の周囲には、上方側が処理空間63に開放される隙間48が設けられる。そして、基板加熱装置1は大気雰囲気に設置されることで、一方向流の形成前から隙間48には大気が溜まっている。そのように隙間48に大気が溜まっていること、及び一方向流は隙間48の上側に形成されることから、当該一方向流をなすNガスは隙間48に進入し難い。即ち、隙間48においては大気からNガスへの置換が起こり難く、この隙間48から処理空間63へ大気が漏れ出すことによって、ウエハWの周囲の酸素濃度が、基準値より低くなるまでに比較的長い時間がかかるおそれがある。
そこで、この基板加熱装置1においては、一方向流が形成される際に隙間48内の大気が排気されて、ウエハWの周囲の酸素濃度を速やかに低下させながら、処理空間を流れる一方向流を形成するNガスを隙間48内に誘導できるように構成されている。さらに、加熱板40の外側全周に亘って設けられる隙間48の下面に対して局所的に開口する排気口54から隙間48を排気するにあたり、隙間48の上方を被覆する隙間被覆部53を設けている。隙間被覆部53を設けることで、処理空間63から隙間48へ流れるNガスについて比較的高い圧力損失が生じる、即ちNガスの隙間48への流入が制限される。これによって排気口54からは処理空間63から流れ込んだNが排気されることが抑制されることになり、排気口54から排気されるガスの比率として大気の比率が大きくなる。つまり隙間被覆部53により、隙間48内の大気が当該排気口54から速やかに且つ確実に除去される。また、隙間48の排気が処理空間63を流れる一方向流を乱すリスクも低減される。
ところで、加熱板40のフランジ43が設けられず、隙間被覆部53の先端(内周端)と加熱板40の側壁とが対向して、これらの間に微小な隙間が形成される構成としてもよい。このような構成によっても、隙間48の排気時に上記の隙間48と処理空間63との間を流れるNガスに圧力損失が生じる。ただし、加熱板40については縦方向の寸法よりも横方向の寸法の方が大きいことから、熱膨張した際に、縦方向よりも横方向における長さの上昇率が大きい。つまり、上記のように隙間被覆部53の先端と加熱板40の側壁とが対向する構成とする場合、これら隙間被覆部53と加熱板40とが熱膨張により互いに干渉するおそれが有る。
従って、隙間被覆部53が加熱板40の周縁部の上方に位置し、これら隙間被覆部53と加熱板40との間に微小な隙間が形成される構成とすることが好ましい。そして、上記の例では当該加熱板40のフランジ43上に隙間被覆部53が位置しているが、このフランジ43が設けられず、図示した例よりも隙間被覆部53の内周端が加熱板40の中心寄りに位置する構成であってもよい。そのような構成とする場合には、隙間被覆部53とずれ防止ピン67との干渉が起こらないようにすればよい。この干渉を防ぐには、ずれ防止ピン67の位置や大きさを調整すればよい。その他、隙間被覆部53の内周縁部がずれ防止ピン67が設けられる位置まで延伸されると共に、当該内周縁部に上方へ向かい、ずれ防止ピン67が格納される凹部が設けられる構成としてもよい。また、ずれ防止ピン67を設けず、隙間被覆部53の内周端によってウエハWの位置が規制される構成としてもよい。ただし、上記のようにフランジ43が設けられ、その上方を隙間被覆部53が覆う構成とすることで、そのようにずれ防止ピン67との干渉を考慮する必要が無くなる。つまり、フランジ43が設けられる場合、上記の圧力損失を生じさせるための装置の設計が容易になるので好ましい。
また図1に示すように基板加熱装置1は、基板加熱装置1を制御する制御部5を備えている。制御部5には、例えばコンパクトディスク、ハードディスク、MO(光磁気ディスク)、メモリーカード及びDVDなどの記憶媒体に格納されたプログラムがインストールされる。インストールされたプログラムは、基板加熱装置1の各部に制御信号を送信して後述の作用の説明に示す基板加熱装置1の動作を制御するように命令(各ステップ)が組み込まれている。
続いて基板加熱装置1の作用について、図9〜図12を用いて説明する。基板加熱装置1において、加熱板40が例えば600℃に加熱され、冷却部3には冷却水が通流された状態とされる。このとき筐体10内は大気雰囲気となっており、図1に実線で示したように基板保持部28は手前側位置で待機した状態となっている。このような状態の基板加熱装置1に、表面に薬液が塗布されることでSOC膜が形成されたウエハWが、搬送機構である搬送アームA1に支持されて搬送される。シャッタ12が開くと共に基板保持部28が奥側位置に移動し、筐体10内に搬送アームA1が進入すると、冷却部3側の昇降ピン36が上昇して、ウエハWが当該昇降ピン36に支持される。そして、搬送アームA1が筐体10内から退避する(図9)。
シャッタ12が閉じられた後にバルブV1〜V4が開かれて、ガス供給部7、39からのNガスの吐出と、排気ブロック74からの排気と、隙間48の排気とが開始される。ガス供給部7からのNガスの吐出と排気ブロック74からの排気とによって、処理空間63に前方から後方に流れる一方向流が形成される。図10中の実線の矢印は、筐体10内におけるNガスの流れを示している。また、図10中に点線の矢印で示すように、隙間48が排気されることで当該隙間48に溜まっていた大気が除去されると共に、隙間48には処理空間63からNガスが流入する。このように、一方向流を形成するのみでは気体の置換が起こり難い隙間48においても当該置換が起きるため、筐体10内の酸素濃度が速やかに低下し、低酸素雰囲気が形成される。
筐体10内がNガスで満たされて処理空間63の酸素濃度が基準値以下となり、既述したように筐体10内におけるNガスの吐出及び排気とを開始してから予め設定された待機時間が経過すると、基板保持部28が手前側位置に移動する。そして、昇降ピン36が下降してウエハWが基板保持部28に受け渡され、当該基板保持部28は奥側位置へと移動する。その後、加熱板40の昇降ピン58が上昇して基板保持部28からウエハWを受け取り、基板保持部28の手前側位置への移動後、当該昇降ピン58が下降して、ウエハWが加熱板40に載置されて、例えば60秒間加熱される(図11)。
そして基板保持部28が奥側位置に移動し、加熱板40への受け渡し時とは逆の動作で、ウエハWは加熱板40から基板保持部28に受け渡される。そして、当該基板保持部28は手前側位置に移動し、昇降ピン36がウエハWを突き上げる。基板保持部28が奥側位置に移動すると昇降ピン36が下降して、ウエハWが冷却部3に載置されて冷却され(図12)、基板保持部28は手前側位置に戻る。ウエハWが例えば70秒間冷却されて110℃以下になると、バルブV1〜V4が閉鎖され、ガス供給部7、39からのNガスの供給、排気ブロック74による排気及び隙間48の排気が停止する。然る後、基板保持部28が奥側位置に移動し、シャッタ12が開かれる。そして、筐体10内に進入した搬送アームA1と昇降ピン36との協働により、ウエハWは当該搬送アームA1に受け渡され、筐体10外に搬出される。その後、シャッタ12が閉じられると共に基板保持部28は手前側位置に戻る。
上記の基板加熱装置1によれば、加熱板40上に前方から後方に向かう一方向流が形成されてウエハWが加熱される。そして、この加熱板40の外周を囲むことで断熱する環状部47の側壁と加熱板40の側壁との間に形成される隙間48が、排気部56により排気される。従って、加熱板40の周囲の酸素濃度を速やかに低下させることができるので、ウエハWを基板加熱装置1に搬入後、ウエハWの加熱を開始するまでの時間を短くすることができる。それ故に、この基板加熱装置1によればスループットを高くすることができる。既述した例ではウエハWを比較的高い温度で加熱しているが、そのような温度でウエハWを加熱することには限られず、例えば100℃程度にウエハWを加熱する場合にも基板加熱装置1を用いることができる。ただし450℃以上にウエハWを加熱する場合は、上記のように一方向流を形成することが有利であるため、この基板加熱装置1の構成が特に有効である。
なお、上記の特許文献1の加熱装置は、基板加熱装置1のような一方向流を形成する装置ではないし、加熱部と環状部との間に隙間が設けられる構成でもない。特許文献2、3の加熱装置についても、ホットプレート、熱板の外側に夫々隙間が設けられる構成ではない。つまり、各引用文献1〜3の装置の構成は、本開示の装置の構成とは異なり、基板加熱装置1についての上記の効果が得られるものでは無い。
既述の処理例ではガス供給部7、39からのNガスの吐出と排気ブロック74からの排気とが行われる間、隙間48が排気され続ける。しかし、ウエハWの加熱を開始するまでに、ウエハWの周囲の酸素濃度が基準値以下となっていればよいので、そのような期間、隙間48を排気することには限られない。例えば、ガス供給部7、39からのNガスの吐出と排気ブロック74からの排気とを開始してからウエハWを加熱板40に載置されるまでの間のみ、隙間48が排気されてもよい。また、隙間48を排気するための排気口54としては、上記の位置に設けられなくてもよい。例えば、環状部47を横方向に貫通するように設けてもよい。ところで基板加熱装置1は、SOC膜が形成されたウエハWを加熱処理することに限られず、レジストや反射防止膜形成用の薬液が塗布されたウエハWを加熱するために用いられてもよい。なお、筐体10内に供給する低酸素雰囲気形成ガスとしては、上記のNガスには限られず、例えばAr(アルゴン)ガスなどの他の不活性ガスであってもよい。
ところで隙間48の酸素濃度を低下させることができればよいため、隙間48を排気することには限られず、当該隙間48にパージガスを供給する構成であってもよい。図13は、基板加熱装置1において隙間48を排気する代わりに、そのようにパージガスを供給可能に構成した例を示している。この例では、既述の構成例で排気口54として用いられる孔を、ガス供給口91としている。このガス供給口91にはガス供給管92の一端が接続されており、ガス供給管92の他端はバルブV5を介して、上記のNガス供給源15に接続されている。そしてバルブV5の開閉により、隙間48へパージガスとしてのNガスの給断が行われる。例えば、この隙間48へのNガスの供給は隙間48の排気と同様に、一方向流の形成開始から形成終了まで行ってもよいし、加熱板40にウエハWを載置するまで行ってもよい。なお、隙間48を大気雰囲気から低酸素雰囲気に置換できればよいため、パージガスとしては処理空間63に供給されるガスと同じガスを用いることに限られず、例えばNガス以外の不活性ガスをパージガスとして用いてもよい。つまり、一方向流を形成する低酸素雰囲気形成ガスと、隙間48の雰囲気の置換に用いる低酸素雰囲気形成ガスとは同じガスであることには限られない。
また、図14に示すように排気口54が、排気管55及び排気部56に接続されない構成であってもよい。この図14に示す例では排気口54が、下方支持部44の下方に位置する外側空間(図中93として表示している)に連通している。この外側空間93は、上記の排気管55内のガス流路と同様に、環状部47及び下方支持部44に囲まれる領域の外側に位置すると共に処理空間63とは別個に設けられる空間である。このように排気口54が外側空間93に連通する構成とした場合、一方向流の風圧により隙間48に溜まった大気が当該外側空間93に排出されて、ウエハWの周囲の酸素濃度を速やかに低下させることができる。ただし、上記のように隙間48に排気部56を接続して当該隙間48が吸引排気される構成や、隙間48にパージガスを供給する構成とすることで、より速やかに当該酸素濃度を低下させることができるため好ましい。
なお、今回開示された実施形態は、全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。上記の実施形態は、添付の特許請求の範囲及びその趣旨を逸脱することなく、様々な形態で省略、置換、変更されてもよい。
(評価試験)
本開示に関連して実施された評価試験について説明する。評価試験1として、図1で説明した基板加熱装置1を用いて、筐体10内が大気雰囲気とされた状態から既述したように、ガス供給部7によるNガスの供給、排気ブロック74による排気、隙間48の排気を各々行った。そして、このガス供給及び排気を行う間、酸素濃度検出部19により検出値をモニターし、ガス供給及び排気を開始してから、酸素濃度が目標濃度であるAppm以下になるまでの時間を測定した(Aは実数である)。4つの排気口54からの排気量は、各々0.5L/分となるように隙間48の排気を行った。また、比較試験1として隙間48の排気を行わないことを除き、評価試験1と同様の試験を行った。
図15のグラフは、評価試験1、比較試験1で各々測定された酸素濃度の推移の概略を示している。グラフの縦軸は酸素濃度を示しており、下側に向かうほど酸素濃度が小さい。グラフの横軸は、ガス供給及び排気を開始してからの経過時間を示す。グラフにおける実線が評価試験1の結果を、鎖線が比較試験1の結果を夫々示している。グラフに示すように経過時間が比較的短いうちは、評価試験1、比較試験1について同様に時間と共に酸素濃度が低下する。しかし経過時間が比較的長くなると、評価試験1の方が比較試験1より時間あたりの経過時間の低下量が大きくなり、目標濃度であるAppmに比較的速やかに到達した。具体的に、比較試験1ではガス供給及び排気を開始してから目標濃度に達するまでに300秒以上を要したが、評価試験1では100秒経過前に目標濃度に達した。従って、この評価試験1から隙間48に大気が溜まること、及びこの大気を除去して酸素濃度を速やかに低下させるために、当該隙間48を排気する構成とすることが有効であることが確認された。つまり、基板加熱装置1の装置の効果が確認された。
W ウエハ
1 基板加熱装置
40 加熱板
47 環状部
48 隙間
61 天板
63 処理空間
7 ガス供給部
75 排気口

Claims (9)

  1. 基板を載置して加熱する加熱板と、
    前記加熱板の全周に亘って当該加熱板との間に隙間が形成されるように、当該加熱板の側方を囲む環状部と、
    前記隙間が連通すると共に前記基板を加熱処理するための処理空間が当該加熱板及び環状部との間に形成されるように、前記加熱板及び環状部に対向して設けられる処理空間形成部と、
    前記基板を加熱するときに前記処理空間を低酸素雰囲気とするための低酸素雰囲気形成ガスを前記処理空間の一端部から他端部へ向けて供給し、前記基板の幅をカバーすると共に当該基板の一端部から他端部へ向かう気流を形成するためのガス供給部と、
    前記ガス供給部から前記低酸素雰囲気形成ガスが供給されるときに前記処理空間における前記低酸素雰囲気ガスを吸引排気して前記気流を形成するために、当該処理空間の他端部に設けられた排気口と、
    前記気流の形成前に前記隙間に溜まるガスを、前記基板を加熱するまでに前記低酸素形成雰囲気形成ガスに置換するための置換部と、
    を備える基板加熱装置。
  2. 前記置換部は、前記環状部により囲まれる領域の外側に位置すると共に前記処理空間とは別個に設けられる空間へと排出するための隙間用の排気口を備える請求項1記載の基板加熱装置。
  3. 前記隙間用の排気口は当該隙間の気体を吸引排気する排気部に接続され、
    前記処理空間とは別個に設けられる空間は、当該隙間用の排気口と前記排気部とを接続するガス流路である請求項2記載の基板加熱装置。
  4. 前記処理空間から前記隙間に向かう低酸素雰囲気ガスに圧力損失を生じさせるように、当該隙間の上方を覆う隙間被覆部が設けられる請求項2記載の基板加熱装置。
  5. 前記置換部は、前記隙間に前記低酸素雰囲気形成ガスを供給し、前記気流の形成前に前記隙間に溜まるガスを前記処理空間へパージするガス供給口を備える請求項1記載の基板加熱装置。
  6. 前記気流が流れる方向を前後方向とすると、前記処理空間をこの前後方向に見て、前記ガス供給部に比べて前記排気口に近い位置に当該処理空間の酸素濃度を検出するための酸素濃度検出部が設けられた請求項1記載の基板加熱装置。
  7. 前記加熱板は、前記基板を450℃以上の温度に加熱する請求項1記載の基板加熱装置。
  8. 前記環状部に対して横方向に離れて設けられ、前記加熱板による加熱処理後の基板が載置されて冷却される冷却部と、
    前記加熱板の下方側から前記冷却部の下方側へ亘って設けられた遮熱板と、
    前記遮熱板を冷却するための冷却機構と、
    前記基板を保持する基板保持部を備え、前記冷却部と前記加熱板との間で前記基板を搬送する基板搬送機構と、
    前記基板搬送機構を構成し、前記基板保持部を横方向に移動させるために前記遮熱板よりも下方側に設けられた移動機構と、
    を備える請求項1記載の基板加熱装置。
  9. 環状部によってその側方が囲まれ、当該環状部との間に全周に亘って隙間が形成される加熱板に基板を載置して加熱する工程と、
    前記加熱板及び環状部に対向して設けられる処理空間形成部により当該加熱板及び環状部との間に前記隙間が連通するように形成された、前記基板を加熱処理するための処理空間において、前記基板を加熱するときに低酸素雰囲気を形成する工程と、
    前記低酸素雰囲気を形成するための低酸素雰囲気形成ガスによって前記基板の幅をカバーすると共に当該基板の一端部から他端部へ向かう気流を形成するために、ガス供給部により前記処理空間の一端部から他端部へ向けて当該低酸素雰囲気形成ガスを供給する工程と、
    前記ガス供給部から前記低酸素雰囲気形成ガスが供給されるときに、前記処理空間の他端部に設けられた排気口から当該処理空間における低酸素雰囲気ガスを吸引排気して、前記気流を形成する工程と、
    置換部により前記気流の形成前に前記隙間に溜まるガスを、前記基板を加熱するまでに前記低酸素形成雰囲気形成ガスに置換する工程と、
    を備える基板加熱方法。

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