JPWO2020008960A1 - 加飾フィルム、加飾方法、加飾成型体の製造方法、及び、加飾成型フィルム - Google Patents

加飾フィルム、加飾方法、加飾成型体の製造方法、及び、加飾成型フィルム Download PDF

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Abstract

発明が解決しようとする課題は、色変化性に優れる加飾フィルム、前記加飾フィルムを用いた加飾方法及び加飾成型体の製造方法、並びに色変化性に優れる加飾成型フィルムを提供することである。本発明の加飾フィルムは、仮支持体(22)、着色層(24)、樹脂及び重合性化合物よりなる群から選ばれた少なくとも1種の化合物を含む色変化層A(28)並びに色変化層B(30)をこの順に有し、前記色変化層B(30)が、前記色変化層A(28)よりも屈折率が0.1以上低い層である加飾フィルム(10)である。本発明の加飾成型フィルムは、基材(16)、着色層(24)、樹脂及び重合性化合物よりなる群から選ばれた少なくとも1種の化合物を含む色変化層A(28)並びに色変化層B(30)をこの順に有し、前記色変化層B(30)が、前記色変化層A(28)よりも屈折率が0.1以上低い層である加飾成型フィルム(40)である。

Description

本開示は、加飾フィルム、加飾方法、加飾成型体の製造方法、及び、加飾成型フィルムに関する。
樹脂成型体の表面に加飾フィルムを配置して、表面を所望の色相に着色したり、表面に所望の模様を設けたりした加飾成型体が知られている。
加飾成型体は、例えば、金型内に加飾成型フィルムを予め配置して、その金型内に基材樹脂を射出成型することにより得られ、樹脂成型体の表面に加飾フィルムが一体化された構造を有する。
本開示において、加飾成型フィルムとは、成型用基材に加飾フィルムが貼り付けられたものをいう。
ここで、金型内に加飾成型フィルムを予め配置した後、基材樹脂の射出成型を行うことを、一般に、フィルムインサート成型、或いは、単にインサート成型と称することがある。
また、加飾成型体は、成型後の成型体に加飾フィルムを貼り付けることにより製造してもよい。
また、従来のインモールド用ハードコート転写箔としては、特許文献1に、離型性基材シートの離型面上に、転写層を有するインモールド用転写箔において、上記転写層が、少なくとも、第1の透明架橋硬化樹脂層、印刷絵柄層、第2の透明架橋硬化樹脂層、金属光沢層又は金属調印刷層、及び、接着剤層を順次積層してなり、上記第2の透明架橋型硬化樹脂層が、厚さ20μm〜100μmであることを特徴とするインモールド用ハードコート転写箔が記載されている。
更に、従来の加飾積層体としては、特許文献2に、少なくとも、第1の基材層、離型層、色変化層B、および第2の基材層が順に積層された加飾シートであって、JIS B0601:2001に基づいて、カットオフ値を0.8mmとして、上記加飾シートが被転写体へ転写された場合の転写層の表面を測定したときの凹凸の平均間隔Smが、上記転写層の表面の少なくとも一部の領域において、0.05mm以上0.20mm以下である、加飾シートが記載されている。
特許文献1:特開2011−11376号公報
特許文献2:特開2017−47597号公報
本発明の一実施形態が解決しようとする課題は、色変化性に優れる加飾フィルムを提供することである。
また、本発明の他の一実施形態が解決しようとする課題は、上記加飾フィルムを用いた加飾方法、及び、加飾成型体の製造方法を提供することである。
また、本発明の更に他の一実施形態が解決しようとする課題は、色変化性に優れる加飾成型フィルムを提供することである。
上記課題を解決するための手段には、以下の態様が含まれる。
<1> 仮支持体、着色層、樹脂及び重合性化合物よりなる群から選ばれた少なくとも1種の化合物を含む色変化層A、並びに、色変化層Bをこの順に有し、上記色変化層Bが、上記色変化層Aよりも屈折率が0.1以上低い層である加飾フィルム。
<2> 上記着色層が、樹脂及び重合性化合物よりなる群から選ばれた少なくとも1種の化合物を含む<1>に記載の加飾フィルム。
<3> 上記着色層の厚みが、3μm以上である<1>又は<2>に記載の加飾フィルム。
<4> 上記着色層が、着色剤として、顔料を含む<1>〜<3>のいずれか1つに記載の加飾フィルム。
<5> 上記着色層が、ウレタン結合、及び、炭素数2又は3のアルキレンオキシ基よりなる群から選ばれる少なくとも1種の部分構造を有する2官能又は3官能重合性化合物を少なくとも硬化してなる層である<1>〜<4>のいずれか1つに記載の加飾フィルム。<6> 上記色変化層Bが、上記色変化層Aよりも屈折率が0.25以上低い層である<1>〜<5>のいずれか1つに記載の加飾フィルム。
<7> 上記色変化層Aの屈折率が、1.6以上である<1>〜<6>のいずれか1つに記載の加飾フィルム。
<8> 上記色変化層Aが、酸化ジルコニウム又は酸化チタンを更に含む<1>〜<7>のいずれか1つに記載の加飾フィルム。
<9> 上記色変化層Bの屈折率が、1.4以下である<1>〜<8>のいずれか1つに記載の加飾フィルム。
<10> 上記色変化層Bが、空隙を有するシロキサン樹脂、フッ素樹脂、及び、中空シリカ粒子よりなる群から選ばれた少なくとも1つを含む<1>〜<9>のいずれか1つに記載の加飾フィルム。
<11> 上記色変化層Aの厚みが5μm以上であるか、又は、上記色変化層Bの厚みが5μm以上である<1>〜<10>のいずれか1つに記載の加飾フィルム。
<12> 上記色変化層Aの厚みが5μm以上であり、かつ上記色変化層Bの厚みが1μm以下である<1>〜<11>のいずれか1つに記載の加飾フィルム。
<13> 上記色変化層Aの厚みが1μm以下であり、かつ上記色変化層Bの厚みが5μm以上である<1>〜<11>のいずれか1つに記載の加飾フィルム。
<14> 成型用加飾フィルムである<1>〜<13>のいずれか1つに記載の加飾フィルム。
<15> <1>〜<14>のいずれか1つに記載の加飾フィルムから上記仮支持体を剥離する工程と、上記仮支持体を剥離した上記加飾フィルムを上記着色層側から基材に貼り付ける工程とを含む加飾方法。
<16> 上記仮支持体を剥離した上記加飾フィルムにおける上記仮支持体を剥離した面に粘着層を形成する工程を更に含む<15>に記載の加飾方法。
<17> 上記基材が、成型用基材である、<15>又は<16>に記載の加飾方法。
<18> <1>〜<14>のいずれか1つに記載の加飾フィルムから上記仮支持体を剥離する工程と、上記仮支持体を剥離した上記加飾フィルムを上記着色層側から成型用基材に貼り付ける工程と、上記加飾フィルムが貼り付いた上記成型用基材を成型する工程とを含む加飾成型体の製造方法。
<19> 基材、着色層、樹脂及び重合性化合物よりなる群から選ばれた少なくとも1種の化合物を含む色変化層A、並びに、色変化層Bをこの順に有し、上記色変化層Bが、上記色変化層Aよりも屈折率が0.1以上低い層である加飾成型フィルム。
本発明の一実施形態によれば、色変化性に優れる加飾フィルムを提供することができる。
また、本発明の他の一実施形態によれば、上記加飾フィルムを用いた加飾方法、及び、加飾成型体の製造方法を提供することができる。
また、本発明の更に他の一実施形態によれば、色変化性に優れる加飾成型フィルムを提供することができる。
本開示に係る加飾フィルムの一例を示す概略断面図である。 本開示に係る加飾フィルムの他の一例を示す概略断面図である。 本開示に係る加飾成型フィルムの一例を示す概略断面図である。
以下、本開示に係る加飾フィルムの製造方法の一実施形態について説明する。但し、本発明は、以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本開示の目的の範囲内において、適宜変更を加えて実施することができる。
本開示における基(原子団)の表記について、置換及び無置換を記していない表記は、置換基を有さないものと共に置換基を有するものをも包含する。例えば、「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含する。また、本明細書中における「有機基」とは、少なくとも1個の炭素原子を含む基をいう。
本開示における「活性光線」又は「放射線」とは、例えば、水銀灯の輝線スペクトル、エキシマレーザーに代表される遠紫外線、極紫外線(EUV光: Extreme Ultraviolet)、X線、及び電子線(EB:Electron Beam)等を意味する。本明細書中における「光」とは、活性光線又は放射線を意味する。
本開示における「露光」とは、特に断らない限り、水銀灯の輝線スペクトル、エキシマレーザーに代表される遠紫外線、極紫外線、X線、及びEUV光等による露光のみならず、電子線、及びイオンビーム等の粒子線による露光も含む。
本開示において、「〜」とはその前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用される。
本開示において、(メタ)アクリレートはアクリレート及びメタクリレートを表し、(メタ)アクリルはアクリル及びメタクリルを表す。
本開示において、樹脂成分の重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)、及び分散度(分子量分布ともいう)(Mw/Mn)は、GPC(Gel Permeation
Chromatography)装置(東ソー(株)製HLC−8120GPC)によるGPC測定(溶媒:テトラヒドロフラン、流量(サンプル注入量):10μL、カラム:東ソー(株)製TSK gel Multipore HXL−M、カラム温度:40℃、流速:1.0mL/分、検出器:示差屈折率検出器(Refractive Index Detector))によるポリスチレン換算値として定義される。
本明細書において組成物中の各成分の量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する該当する複数の物質の合計量を意味する。
本明細書において「工程」との語は、独立した工程だけでなく、他の工程と明確に区別できない場合であっても工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。
本明細書において「全固形分」とは、組成物の全組成から溶剤を除いた成分の総質量をいう。また、「固形分」とは、上述のように、溶剤を除いた成分であり、例えば、25℃において固体であっても、液体であってもよい。
本明細書において、「質量%」と「重量%」とは同義であり、「質量部」と「重量部」とは同義である。
また、本明細書において、2以上の好ましい態様の組み合わせは、より好ましい態様である。
(加飾フィルム)
本開示に係る加飾フィルムは、仮支持体、着色層、樹脂及び重合性化合物よりなる群から選ばれた少なくとも1種の化合物を含む色変化層A、並びに、色変化層Bをこの順に有し、上記色変化層Bが、上記色変化層Aよりも屈折率が0.1以上低い層である。
本開示に係る加飾フィルムの用途としては、特に制限はなく、具体的には、例えば、自動車、家電製品、オーディオ製品、コンピュータ、ディスプレイ、車載製品、時計、アクセサリー、光学部品、扉、窓ガラス、建材等の加飾に用いることができる。
中でも、本開示に係る加飾フィルムは、自動車外装の加飾に使用する加飾フィルムとして好適に用いることができる。
また、本開示に係る加飾フィルムは、立体成型性にも優れることから、立体成型、インサート成型等の成型に用いられる、成型用加飾フィルムとして好適であり、立体成型用加飾フィルムとしてより好適である。
例えば、本開示に係る加飾フィルムは、仮支持体を剥離し、後述する粘着層を設け、後述する成型用基材に貼り付けて加飾成型フィルムとする用途、又は、粘着層を成型体に貼り付けて加飾成型体とする用途に好適に用いられる。
従来、家電、電子機器、携帯電話などに使用されている表面加飾には、印刷、塗装、蒸着、めっき等が用いられてきた。
しかしながら、機能性付与、環境負荷の問題や、貼り替え可能などの側面から、加飾フィルムを使用することによる加飾技術が多く用いられるようになってきた。
一方で、使用者の嗜好の広がりから、新規な意匠性が求められている。
色(例えば、色味、微細な色合い)の変化(「色変化性」ともいう。)が生じる意匠を、今回、本発明者らは新規に見出し、加飾技術としての導入を検討した。
また、本開示において、色変化性は、単純な色の変化だけでなく、視認方向に応じた色の変化であってもよく、上記色の変化の度合いが大きいほうが、上記色変化性に優れる。
本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、上記構成の加飾フィルムとすることにより、色変化性に優れることを見出した。
詳細な上記効果の発現機構は不明であるが、以下のように推定している。仮支持体、着色層、樹脂及び重合性化合物よりなる群から選ばれた少なくとも1種の化合物を含む色変化層A、並びに、色変化層Bをこの順に有し、上記色変化層Aと上記色変化層Bとの屈折率差が0.1以上であることにより、上記色変化層Aと上記色変化層Bとの界面における光の反射、上記色変化層Bの表面における光の反射、上記色変化層Aと上記着色層との界面における光の反射等により、光学干渉が生じることにより、上記着色層を上記色変化層A及び上記色変化層Bを介して視認すると上記色の変化が生じ、一例としては、構造色のような特殊な意匠性を示すと推定している。
以下、本開示に係る加飾フィルムについて、詳細に説明する。
〔色変化層A及び色変化層Bの屈折率〕
本開示に係る加飾フィルムは、上記色変化層Bが、上記色変化層Aよりも屈折率が0.1以上低い層である。
本開示において、屈折率は、25℃における550nmの波長の光に対する屈折率である。
また、本開示における各層の屈折率は、無アルカリガラスOA−10G(日本電気硝子(株)製)上に形成した色変化層A、色変化層Bの単独膜に対して分光光度計で透過スペクトルを測定し、前記測定で得られた透過率と、光干渉法により計算で算出した透過率と、を用い、フィッティング解析を行うことにより、各層の膜厚及び屈折率を求めるか、又は、カルニュー精密屈折計(KPR−3000、(株)島津製作所製)を用いて測定するものとする。
上記色変化層Aの屈折率は、色変化性、及び、黒しまり性(外部からの反射光による映り込み抑制性、例えば、蛍光灯の映り込みの抑制性)の観点から、1.5以上であることが好ましく、1.6以上であることがより好ましく、1.65以上であることが更に好ましく、1.70以上であることが特に好ましい。また、上限は、2.3以下であることが好ましく、1.9以下であることがより好ましい。
上記色変化層Bの屈折率は、色変化性、及び、黒しまり性の観点から、1.5以下であることが好ましく、1.5未満であることがより好ましく、1.4以下であることが更に好ましく、1.35以下であることが特に好ましく、1.32以下であることが最も好ましい。また、下限は、1.1以上であることが好ましく、1.2以上であることがより好ましく、1.28以上であることが特に好ましい。
上記色変化層Bは、上記色変化層Aよりも、屈折率が0.1以上低い層であり、色変化性、及び、黒しまり性の観点から、屈折率が0.15以上低い層であることが好ましく、屈折率が0.2以上低い層であることがより好ましく、屈折率が0.25以上低い層であることが更に好ましく、屈折率が0.25以上0.60以下低い層であることが特に好ましい。
また、色変化性、黒しまり性、及び、耐傷性の観点から、上記色変化層Aの屈折率が1.6以上であり、かつ上記色変化層Bの屈折率が1.5以下であることが好ましく、上記色変化層Aの屈折率が1.65以上であり、かつ上記色変化層Bの屈折率が1.4以下であることがより好ましい。
更に、色変化性、及び、黒しまり性の観点からは、上記色変化層Aの屈折率が1.5以上であり、かつ上記色変化層Bの屈折率が1.4以下であることが好ましい。
〔各層の好ましい厚み〕
本開示に係る加飾フィルムは、本開示に係る加飾フィルムは、仮支持体、着色層、色変化層A、並びに、色変化層Bをこの順に有する。
上記仮支持体の厚みは、特に制限はないが、剥離性の観点から、10μm〜500μmが好ましく、20μm〜300μmがより好ましく、50μm〜150μmが特に好ましい。
上記着色層の厚みは、特に制限はないが、色変化性及び立体成型性の観点から、0.5μm以上であることが好ましく、3μm以上であることがより好ましく、3μm〜50μmであることが更に好ましく、3μm〜20μmであることが特に好ましい。
上記色変化層A及び上記色変化層Bの厚みはそれぞれ独立に、色変化性の観点から、50nm〜50μmであることが好ましく、80nm〜30μmであることがより好ましく、100nm〜20μmであることが特に好ましい。
色変化性の観点から、上記色変化層Aの厚さと上記色変化層Bの厚さとは異なることが好ましい。
また、色変化性、及び、黒しまり性の観点から、上記色変化層Aの厚みが5μm以上であるか、又は、上記色変化層Bの厚みが5μm以上であることが好ましく、上記色変化層Aの厚みが5μm以上であり、かつ上記色変化層Bの厚みが1μm以下であるか、又は、上記色変化層Aの厚みが1μm以下であり、かつ上記色変化層Bの厚みが5μm以上であることがより好ましく、上記色変化層Aの厚みが7μm以上であり、かつ上記色変化層Bの厚みが0.8μm以下であるか、又は、上記色変化層Aの厚みが0.8μm以下であり、かつ上記色変化層Bの厚みが7μm以上であることが特に好ましい。上限は100μm以下であることが好ましい。
色変化性の観点から、上記色変化層Aの厚さと屈折率、上記色変化層Bの厚さと屈折率、及び、着色層の膜厚の組合せは、以下の態様が好ましい。
本開示に係る本開示に係る加飾フィルムにおける好ましい第1の態様としては、色変化層Bの屈折率が1.5以下(1.45以下がより好ましく、1.4以下が更に好ましく、1.35以下が特に好ましい。)であり、かつ色変化層Aの屈折率が1.6以上(1.65以上がより好ましく、1.7以上が更に好ましい。)である態様が好ましく挙げられる。
また、第1の態様としては、色変化性の観点から、色変化層Bの膜厚が5μm以上(より好ましくは10μm以上)であり、色変化層Aの膜厚が1μm以下であり、かつ着色層が3μm以上であることが好ましい。
第1の態様において、色変化層Aの膜厚は、青色の反射を強くするには、120nm〜150nm、240nm〜280nm、390nm〜430nm、又は、530nm〜560nmであることが好ましく、黄色の反射を強くするには、180nm〜200nm、320nm〜340nm、470nm〜490nm、又は、600nm〜620nmであることが好ましく、赤色の反射を強くするには、200nm〜220nm、340nm〜370nm、490nm〜510nm、又は、620nm〜640nmであることが好ましく、紫色の反射を強くするには、90nm〜120nm、220nm〜240nm、370nm〜390nm、又は、510nm〜530nmであることが好ましく、緑色の反射を強くするには、150nm〜180nm、280nm〜320nm、430nm〜470nm、又は、560nm〜600nmであることが好ましい。
本開示に係る本開示に係る加飾フィルムにおける好ましい第2の態様としては、色変化層Bの屈折率が1.4以下であり、かつ色変化層Aの屈折率が1.5以上である態様が好ましく挙げられる。
また、第2の態様としては、色変化性の観点から、色変化層Bの膜厚が1μm以下であり、色変化層Aの膜厚が5μm以上であり、かつ着色層が3μm以上であることが好ましい。
第2の態様において、色変化層Bの膜厚は、青色の反射を強くするには、120nm〜160nm、又は、320nm〜370nmであることが好ましく、黄色の反射を強くするには、210nm〜260nm、又は、420〜450nmであることが好ましく、赤色の反射を強くするには、260nm〜290nmであることが好ましく、紫色の反射を強くするには、90nm〜120nm、又は、290nm〜320nmであることが好ましく、緑色の反射を強くするには、160nm〜210nm、又は、370nm〜420nmであることが好ましい。
各層の厚みは、加飾フィルムをフィルム表面に垂直な方向で切断し、切断面を走査型電子顕微鏡(SEM)又は光学顕微鏡で観察し、その範囲での層の厚さを計測する断面観察法、また、加飾フィルム、また剥離可能であれば剥離した層を、ノギスや膜厚計等により直接測定する方法等にて測定することができる。
〔仮支持体〕
仮支持体としては、特に制限なく公知の樹脂フィルムが使用され、可撓性を有し、かつ、加圧下、又は、加圧及び加熱下において、著しい変形、収縮又は伸びを生じないフィルムを好適に用いることができる。
仮支持体としては、シクロオレフィンコポリマーフィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、トリ酢酸セルロースフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリメチルメタクリレートフィルム等の樹脂フィルムが好ましく、ポリエチレンテレフタレートフィルムがより好ましい。
また、仮支持体の着色層からの剥離性が優れる点から、剥離層付き有機フィルムがより好ましい。
仮支持体の市販品としては、例えば、「ユニピール(登録商標)」シリーズ(ユニチカ(株)製)、「セラピール(登録商標)」シリーズ(東レフィルム加工(株)製)等の剥離層付きPETフィルムなどが挙げられる。
−全光透過率−
本開示において用いられる仮支持体は、後述する露光工程において仮支持体側から露光を行う場合には、全光透過率が80%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。
全光透過率は、分光光度計(例えば、(株)島津製作所製、分光光度計UV−2100)により測定することができる。
〔剥離層〕
仮支持体は、着色層からの剥離性の向上のため、剥離層を有することが好ましい。
また、本開示に係る加飾フィルムは、仮支持体と着色層との間に、仮支持体と着色層との剥離性の向上のため、剥離層を有することが好ましい。
更に、本開示に係る加飾フィルムが上記剥離層を有する場合、仮支持体を剥離した際に、仮支持体とともに上記剥離層が着色層から剥がれるものであることが好ましい。
剥離層としては、特に限定されず、転写フィルム等の分野で公知の剥離層を使用することが可能である。
剥離層としては、例えば、熱可塑性樹脂を含む層が挙げられ、特許第4502784号公報の段落0026に記載の熱可塑性樹脂層等が剥離層として好適に用いられる。
仮支持体が剥離層を有する場合、着色層を形成する工程において、着色層は剥離層上に形成されることが好ましい。
〔着色層〕
本開示に係る加飾フィルムは、着色層を有する。
着色層の色は、特に制限はなく、有色の(無色透明でない)層であればよいが、不透明な着色層(好ましくは全光透過率が10%以下である着色層)であることが好ましい。
また、着色層は、黒、灰、白、赤、橙、黄、緑、青、紫等、種々の色であればよいが、黒色の着色層であると、反射光の強度が小さく、色変化がより強調されるため、好ましい。
着色層は、強度、及び、耐傷性の観点から、樹脂及び重合性化合物よりなる群から選ばれた少なくとも1種の化合物を含むことが好ましい。
樹脂としては、後述するパインダー樹脂が好適に挙げられる。
また、着色層は、重合性化合物を硬化してなる層であってもよく、重合性化合物及び重合開始剤を含む層であってもよいが、保存性、及び、着色層と他の層との密着性の観点から、重合性化合物を硬化してなる層であることが好ましく、ウレタン結合、及び、炭素数2又は3のアルキレンオキシ基よりなる群から選ばれる少なくとも1種の部分構造を有する2官能又は3官能重合性化合物を少なくとも硬化してなる層であることがより好ましい。
−着色剤−
着色層は、視認性の観点から、着色剤を含むことが好ましく、耐久性の観点から、着色剤として、顔料を含むことがより好ましい。
着色剤としては、特に制限はなく、目的とする色相の着色剤を適宜選択して用いることができる。
着色剤としては、顔料、染料等が挙げられ、顔料が好ましい。
また、顔料は、粒子形状の顔料であることが好ましい。
顔料としては、従来公知の種々の無機顔料及び有機顔料を用いることができる。
無機顔料としては、例えば、特開2005−7765号公報の段落0015及び段落0114に記載の無機顔料が挙げられる。
具体的な無機顔料としては、例えば、二酸化チタン、酸化亜鉛、リトポン、軽質炭酸カルシウム、ホワイトカーボン、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、及び硫酸バリウムなどの白色顔料、並びに、カーボンブラック、チタンブラック、チタンカーボン、酸化鉄、及び黒鉛などの黒色顔料が挙げられる。
例えば、酸化鉄、バリウムイエロー、カドミウムレッド、クロムイエロー、等の公知の有彩色顔料も使用できる。
有機顔料としては、例えば、特開2009−256572号公報の段落0093に記載の有機顔料が挙げられる。
具体的な有機顔料としては、例えば、C.I.Pigment Red 177、179、224、242、254、255、264等の赤色顔料、C.I.Pigment Yellow 138、139、150、180、185等の黄色顔料、C.I.Pigment Orange 36、38、71等の橙色顔料、C.I.Pigment Green 7、36、58等の緑色顔料、C.I.Pigment Blue 15:6等の青色顔料、C.I.Pigment Violet 23等の紫色顔料が挙げられる。
その他、顔料としては、光透過性及び光反射性を有する顔料(所謂、光輝性顔料)の粒子を含んでいてもよい。
上記光輝性顔料は、後述する露光する工程を含む場合には、露光による硬化を妨げない範囲において用いられることが好ましい。
着色剤は、それぞれ、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、無機顔料の粒子と有機顔料の粒子とを併用してもよい。
着色層中の着色剤の含有量は、目的とする色相の発現(例えば、白化の抑制)、着色層の金型に対する形状追従性の維持等の点から、着色層の全質量に対して、1質量%〜50質量%が好ましく、5質量%〜50質量%がより好ましく、10質量%〜40質量%が更に好ましい。
ここで、本開示における「白化」とは、着色層が、マット感が付与されたような白っぽい色味を呈するように変化することを指す。
−重合性化合物−
本開示において用いられる着色層は、重合性化合物を含むことが好ましい。
重合性基としては、エチレン性不飽和基、エポキシ基等が挙げられ、硬化性等の観点から、エチレン性不飽和基が好ましく、(メタ)アクリロキシ基がより好ましい。
また、重合性基としては、ラジカル重合性基が好ましい。
重合性化合物としては、ウレタン結合、ウレア結合、炭素数2又は3のアルキレンオキシ基、及び、炭素数6〜12の炭化水素基よりなる群から選ばれた少なくとも1種の部分構造を有する2官能又は3官能重合性化合物(以下、「特定重合性化合物」ともいう。)が好ましく、ウレタン結合、及び、炭素数2又は3のアルキレンオキサイド基よりなる群から選ばれた少なくとも1種の部分構造を有する2官能又は3官能重合性化合物がより好ましい。
特定重合性化合物においては、部分構造と重合性基との間には、必要に応じて、連結基を有していてもよい。また、特定重合性化合物は、ウレタン結合、ウレア結合、炭素数2又は3のアルキレンオキシ基、及び、炭素数6〜12の炭化水素基からなる群より選択される2種以上の部分構造を有していてもよい。
<ウレタン結合を有する2官能又は3官能重合性化合物>
ウレタン結合を有する2官能又は3官能重合性化合物(以下、「特定重合性化合物1」ともいう。)としては、ウレタンオリゴマーが好ましい。
上記ウレタン結合における窒素原子は、2置換(窒素原子上の基の1つが水素原子)であっても、3置換であってもよい。
また、特定重合性化合物1は、ウレタン樹脂鎖を有することが好ましい。
ウレタンオリゴマーとしては、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーが好ましく、脂肪族系ウレタン(メタ)アクリレート、芳香族系ウレタン(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
詳しくは、オリゴマーハンドブック(古川淳二監修、(株)化学工業日報社)を参照することができ、ここに記載のウレタンオリゴマーは、目的に応じて適宜選択し、本工程における着色層の形成に用いることができる。
特定重合性化合物1であるウレタンオリゴマーの分子量は、800〜2,000であることが好ましく、1,000〜2,000であることがより好ましい。
特定重合性化合物1であるウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーとしては、市販品を用いてもよい。
ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーの市販品としては、例えば、新中村化学工業(株)製のU−2PPA、UA−122P、等;サートマー・ジャパン(株)製のCN964A85、CN964、CN959、CN962、CN963J85、CN965、CN982B88、CN981、CN983、CN991、CN991NS、CN996、CN996NS、CN9002、CN9007、CN9178、CN9893;ダイセル・オルネクス(株)製のEBECRYL230、EBECRYL270、EBECRYL284、EBECRYL4858、EBECRYL210、EBECRYL8402、EBECRYL8804、EBECRYL8800−20R等(以上、商品名)が挙げられる。なお、「EBECRYL」はいずれも登録商標である。
<ウレア結合を有する2官能又は3官能重合性化合物>>
ウレア結合を有する2官能又は3官能重合性化合物(以下、「特定重合性化合物2」ともいう。)としては、ウレア結合を有する2官能又は3官能エチレン性不飽和化合物が挙げられる。
上記ウレア結合における窒素原子は、2置換(窒素原子上の基の1つが水素原子)であっても、3置換であってもよい。
また、特定重合性化合物2は、ウレア樹脂鎖を有することが好ましい。
ウレア結合を有する2官能又は3官能エチレン性不飽和化合物として、具体的には、例えば、エチレン性不飽和基を有するイソシアネート化合物とアミン化合物とを反応させて得られた合成物が挙げられる。
エチレン性不飽和基を有するイソシアネート化合物としては、例えば、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート(市販品であれば、昭和電工(株)製のカレンズMOI(登録商標))、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートのイソシアネート基をメチルエチルケトンオキシムでブロックしたもの(メタクリル酸2−(O−[1’−メチルプロピリデンアミノ]カルボキシアミノ)エチル、市販品であれば、昭和電工(株)製のカレンズMOI−BM(登録商標))、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートのイソシアネート基をピラゾールでブロックしたもの(2−[(3,5−ジメチルピラゾリル)カルボニルアミノ]エチルメタクリレート、市販品であれば、昭和電工(株)製のカレンズMOI−BP(登録商標))等を用いることができる。
また、アミン化合物としては、例えば、2つ以上の活性水素原子を有するアミン化合物、具体的には、ジメチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジイソプロピルアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン等を用いることができる。
なお、特定重合性化合物2は、この方法により得られるものに限定されない。
特定重合性化合物2の具体例としては、エトキシ化イソシアヌル酸ジアクリレート、エトキシ化イソシアヌル酸トリアクリレート、ε−カプロラクトン変性トリス(2−アクリロキシエチル)イソシアヌレート等が挙げられる。
ここで、エトキシ化イソシアヌル酸ジアクリレート、エトキシ化イソシアヌル酸トリアクリレート、及び、ε−カプロラクトン変性トリス(2−アクリロキシエチル)イソシアヌレートは、エチレンオキシ基を有する化合物でもある。
特定重合性化合物2は、市販品として入手可能である。
市販品の具体例としては、例えば、新中村化学工業(株)製のNKエステルA−9300、A−9300−1CL;東亞合成(株)製のアロニックス(登録商標)M−215、313、315(以上、商品名)等を挙げることができる。
<炭素数2又は3のアルキレンオキシ基を有する2官能又は3官能重合性化合物>
炭素数2又は3のアルキレンオキシ基(「アルキレンオキサイド基」ともいう。)を有する2官能又は3官能重合性化合物(以下、「特定重合性化合物3」ともいう。)は、1分子内に、例えば、エチレンオキシ基又はプロピレンオキシ基を1つ以上有し、かつ、重合性基を分子末端に2つ又は3つ有する。
プロピレンオキシ基は、−CH−CH−CH−O−、−CH−CH(CH)O−又は−CH(CH)−CHO−が挙げられ、−CH−CH(CH)O−又は−CH(CH)−CHO−であることが好ましい。
ここで、特定重合性化合物3における重合性基としては、例えば、アクリロイルオキシ基、アクリロイル基、メタクリロイルオキシ基及びメタクリロイル基よりなる群から選ばれる少なくとも1種のエチレン性不飽和基が挙げられる。
特定重合性化合物3の具体例としては、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジメタクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリメタクリレート、エトキシ化グリセリントリアクリレート、エトキシ化グリセリントリメタクリレート等が挙げられる。
これらの化合物が有するエチレンオキシ基又はプロピレンオキシ基の数は、金型に対する形状追従性がより良好となるという観点から、3以上が好ましく、9〜40がより好ましく、15〜30が特に好ましい。
また、金型に対する形状追従性が更に良好となる観点から、特定重合性化合物3は、エチレンオキシ基又はプロピレンオキシ基を2つ以上繰り返して有する、ポリエチレンオキシ基又はポリプロピレンオキシ基を有することが好ましい。ポリエチレンオキシ基又はポリプロピレンオキシ基におけるエチレンオキシ基又はプロピレンオキシ基の繰り返し数は、3以上であることが好ましく、5以上であることが特に好ましい。
特定重合性化合物3は、市販品として入手が可能である。
市販品の具体例としては、例えば、新中村化学工業(株)製のNKエステルA−200、A−400、A−600、A−1000、1G、2G、3G、4G、9G、14G、23G、ABE−300、A−BPE−4、A−BPE−6、A−BPE−10、A−BPE−20、A−BPE−30、BPE−80N、BPE−100N、BPE−200、BPE−500、BPE−900、BPE−1300N、A−GLY−3E、A−GLY−9E、A−GLY−20E、A−TMPT−3EO、A−TMPT−9EO;日本化薬(株)製のPEG400DA;東亞合成(株)製のアロニックス(登録商標)M−220、M−350;サートマー・ジャパン(株)製のSR415、SR454、SR9035(以上、商品名)等を挙げることができる。
<炭素数6〜12の炭化水素基を有する2官能又は3官能重合性化合物>>
炭素数6〜12の炭化水素基を有する2官能又は3官能重合性化合物(以下、「特定重合性化合物4」ともいう。)は、炭素数が6〜12であって、鎖状、環状、分岐状のいずれかの炭化水素基と、2つ又は3つの重合性基と、を有する。
ここで、特定重合性化合物4における炭化水素基としては、具体的には、炭素数6〜12の炭化水素鎖であり、直鎖でも、分岐があってもよい。
中でも、金型に対する形状追従性がより良好となるという観点から、炭化水素基としては、直鎖のものが好ましい。
また、重合性基としては、重合性基としては、例えば、アクリロイルオキシ基、アクリロイル基、メタクリロイルオキシ基及びメタクリロイル基よりなる群から選ばれる少なくとも1種のエチレン性不飽和基が挙げられる。
特定重合性化合物4の具体例としては、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,7−ヘプタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,8−オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールAのジ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールFのジ(メタ)アクリレートが挙げられる。
上記化合物の中でも、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレートが好ましく用いられる。
重合性化合物としては、加熱時の柔軟性が高められること等により、立体成型性を向上させる観点から、ウレタン結合及び炭素数2又は3のアルキレンオキサイド基よりなる群より選択される少なくとも一種の部分構造を有する2官能又は3官能重合性化合物であることが好ましい。
着色層は、特定重合性化合物以外の、その他の重合性化合物を含んでいてもよい。
その他の重合性化合物としては、特定重合性化合物と同様の重合性基を含む化合物であれば、特に制限なく用いることができる。
重合性化合物の含有量は、層間密着性の向上、着色層の柔軟性付与の点から、未硬化の着色層の全質量に対して、10質量%〜50質量%であることが好ましく、20質量%〜40質量%であることが更に好ましい。
特定重合性化合物及びその他の重合性化合物は、それぞれ、1種のみを単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本開示において用いられる重合性化合物は、それぞれ、分子量(分子量分布を有する場合は重量平均分子量)が200〜3,000であることが好ましく、250〜2,600であることがより好ましく、280〜2,200であることが特に好ましい。
−分散剤−
着色層に含まれる顔料の分散性を向上する観点から、着色層は、分散剤を含有してもよい。
分散剤を含むことにより、形成される着色層における顔料の分散性が向上し、得られる加飾フィルムにおける色相の均一化が図れる。
分散剤としては、顔料の種類、形状などに応じて適宜選択して用いることができるが、高分子分散剤であることが好ましい。
高分子分散剤としては、シリコーンポリマー、アクリルポリマー、ポリエステルポリマー等が挙げられる。
加飾フィルムに耐熱性を付与したい場合には、例えば、分散剤として、グラフト型シリコーンポリマー等のシリコーンポリマーを用いることが好適である。
分散剤の重量平均分子量としては、1,000〜5,000,000であることが好ましく、2,000〜3,000,000であることがより好ましく、2,500〜3,000,000であることが特に好ましい。重量平均分子量が1,000以上であると、顔料の分散性がより向上する。
分散剤としては、市販品を用いてもよい。市販品としては、BASFジャパン社のEFKA 4300(アクリル系高分子分散剤)、花王(株)製のホモゲノールL−18、ホモゲノールL−95、ホモゲノールL−100、日本ルーブリゾール(株)製の、ソルスパース20000、ソルスパース24000、ビックケミー・ジャパン(株)製の、DISPERBYK−110、DISPERBYK−164、DISPERBYK−180、DISPERBYK−182等が挙げられる。
なお、「ホモゲノール」、「ソルスパース」、及び「DISPERBYK」はいずれも登録商標である。
着色層が分散剤を含む場合、分散剤は、1種のみを含んでもよく、2種以上を含んでもよい。
分散剤の含有量は、着色剤100質量部に対して、1質量部〜30質量部であることが好ましい。
−重合開始剤−
着色層は、硬化感度を上げ、層間密着性を更に向上させるため、重合開始剤を含むことが好ましく、重合性化合物及び重合開始剤を含むことがより好ましい。
重合開始剤としては、露光に対する感度を高める点から、光重合開始剤が好ましい。
光重合開始剤としては、特開2011−95716号公報の段落0031〜0042に記載の重合開始剤、特開2015−014783号公報の段落0064〜0081に記載のオキシム系重合開始剤を用いることができる。
光重合開始剤として具体的には、例えば、1−[4−(フェニルチオ)]−1,2−オクタンジオン−2−(O−ベンゾイルオキシム)(例えば、IRGACURE(登録商標)OXE−01、BASF社製)、[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]エタン−1−オン−1−(O−アセチルオキシム)(例えば、IRGACURE(登録商標)OXE−02、BASF社製)、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン(例えば、IRGACURE(登録商標)379EG、BASF社製)、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン(例えば、IRGACURE(登録商標)907、BASF社製)、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオニル)ベンジル]フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン(例えば、IRGACURE(登録商標)127、BASF社製)、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタノン−1(例えば、IRGACURE(登録商標)369、BASF社製)、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(例えば、IRGACURE(登録商標)1173、BASF社製)、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(例えば、IRGACURE(登録商標)184、BASF社製)、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン(例えば、IRGACURE(登録商標)651、BASF社製)、オキシムエステル系重合開始剤である商品名:Lunar 6(DKSHジャパン(株)製)、2,4−ジエチルチオキサントン(例えば、カヤキュアDETX−S、日本化薬(株)製)、フルオレンオキシム系重合開始剤であるDFI−091、DFI−020(ともにダイトーケミックス社製)が挙げられる。
中でも、トリクロロメチルトリアジン系化合物などのハロゲン含有重合開始剤以外の他の開始剤を用いることが硬化感度を高める観点から好ましく、α−アミノアルキルフェノン系化合物、α−ヒドロキシアルキルフェノン系化合物、オキシムエステル系化合物などのオキシム系重合開始剤がより好ましい。
重合開始剤の含有量は、重合性化合物100質量部に対し、0.1質量部〜15質量部であることが好ましく、0.5質量部〜10質量部であることがより好ましい。
−バインダー樹脂−
着色層は、着色層の硬化収縮を低減させる等の観点から、バインダー樹脂を含むことが好ましい。
バインダー樹脂としては、特に制限されず、公知の樹脂を適宜選択できる。バインダー樹脂としては、目的とする色相を得る点から、透明な樹脂であることが好ましく、具体的には、全光透過率が80%以上の樹脂が好ましい。
全光透過率は、分光光度計(例えば、(株)島津製作所製、分光光度計UV−2100)により測定することができる。
バインダー樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、及び、オレフィン樹脂が挙げられる。
中でも、透明性の観点から、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、又は、ポリエステル樹脂が好ましく、アクリル樹脂、又は、シリコーン樹脂がより好ましい。更に、耐熱性の観点からは、シリコーン樹脂が好ましい。
本開示において「アクリル樹脂」とは、(メタ)アクリロイル基を有するアクリルモノマーに由来する構成単位を含む樹脂を指す。(メタ)アクリロイル基とは、メタクリロイル基及びアクリロイル基を包含する概念である。
アクリル樹脂には、例えば、アクリル酸の単独重合体、メタクリル酸の単独重合体、アクリル酸エステルの単独重合体、メタクリル酸エステルの単独重合体、アクリル酸と他のモノマーとの共重合体、メタクリル酸と他のモノマーとの共重合体、アクリル酸エステルと他のモノマーとの共重合体、メタクリル酸エステルと他のモノマーとの共重合体、ウレタン骨格を側鎖に有するウレタン変性の共重合体などが包含される。
アクリル樹脂としては、シクロヘキシルメタクリレート/メチルメタクリレート/メタクリル酸共重合体のグリシジルメタクリレート付加物、ベンジルメタクリレート/メタクリル酸のランダム共重合体、アリルメタクリレート/メタクリル酸の共重合体、ベンジルメタクリレート/メタクリル酸/ヒドロキシエチルメタクリレートの共重合体などが挙げられる。
シリコーン樹脂としては、公知のシリコーン樹脂を用いることができ、例えば、メチル系ストレートシリコーン樹脂、メチルフェニル系ストレートシリコーン樹脂、アクリル樹脂変性シリコーン樹脂、エステル樹脂変性シリコーン樹脂、エポキシ樹脂変性シリコーン樹脂、アルキッド樹脂変性シリコーン樹脂及びゴム系のシリコーン樹脂が挙げられる。
中でも、メチル系ストレートシリコーン樹脂、メチルフェニル系ストレートシリコーン樹脂、アクリル樹脂変性シリコーン樹脂、又は、ゴム系のシリコーン樹脂が好ましく、メチル系ストレートシリコーン樹脂、メチルフェニル系ストレートシリコーン樹脂、又は、ゴム系のシリコーン樹脂がより好ましい。
シリコーン樹脂は市販品を用いてもよく、市販品としては、信越化学工業(株)製のKR−300、KR−311、KR−251、X−40−2406M、KR−282等が挙げられる。
ポリエステル樹脂としては、例えば、芳香族二塩基酸又はそのエステル形成性誘導体とジオール又はそのエステル形成性誘導体とから合成される線状飽和ポリエステルが挙げられる。
線状飽和ポリエステルの具体例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ(1,4−シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート)、ポリエチレン−2,6−ナフタレートなどが挙げられる。
バインダー樹脂の含有量は、着色層の硬化収縮を低減させる点から、着色層の全質量に対して、5質量%〜70質量%が好ましく、10質量%〜60質量%がより好ましく、20質量%以上60質量%が更に好ましい。
また、特定重合性化合物を含む重合性化合物の総量に対するバインダー樹脂の総量の割合、即ち、重合性化合物の総量/バインダー樹脂の総量は、0.3〜1.5が好ましく、0.5〜1.0がより好ましい。
−その他の成分−
着色層は、上記の成分以外にも、必要に応じて添加剤を含んでいてもよい。
添加剤としては、公知の添加剤を用いることができ、例えば、特許第4502784号公報の段落0017、特開2009−237362号公報の段落0060〜0071に記載の界面活性剤、特許第4502784号公報の段落0018に記載の熱重合防止剤(重合禁止剤ともいう。好ましくはフェノチアジン)、更に、特開2000−310706号公報の段落0058〜0071に記載のその他の添加剤が挙げられる。
−着色層の形成−
着色層の形成方法は、特に制限はないが、着色層形成用組成物を用いて形成することが好ましい。
着色層形成用組成物は、着色剤を含み、着色剤及び有機溶剤を含むことが好ましい。
また、着色層形成用組成物は、上述した他の成分を更に含んでもよい。
着色層形成用組成物は、例えば、有機溶剤と、着色剤等の着色層に含まれる成分と、を混合することにより調製することができる。
着色層に含まれる成分の含有量については、着色層の全質量に対する含有量(質量%)として記載されているが、これらの成分が着色層形成用組成物に含まれる場合、その含有量を、着色層形成用組成物の全固形分に対する含有量(質量%)と読み替えるものとする。
また、着色層形成用組成物が着色剤として顔料を含む場合、予め、顔料とその分散剤とを含む顔料分散液を調製しておき、この顔料分散液を用いて、着色層形成用組成物を調製することが、顔料の均一分散性、及び、分散安定性をより高める観点から好ましい。
着色層形成用組成物は、上記方法により予め調製したものを使用してもよいし、市販品等を使用してもよいし、塗布の直前に着色層形成用組成物を調製してもよい。
<有機溶剤>
有機溶剤としては、通常用いられる有機溶剤を特に制限なく用いることができる。具体的には、例えば、エステル類、エーテル類、ケトン類、芳香族炭化水素類等の有機溶剤が挙げられる。
また、米国特許出願公開第2005/282073号明細書の段落0054、0055に記載のSolventと同様のメチルエチルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、シクロヘキサノン、シクロヘキサノール、メチルイソブチルケトン、乳酸エチル、乳酸メチル等も、着色層形成用組成物における有機溶剤として好適に用いることができる。
中でも、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、エチルセロソルブアセテート、乳酸エチル、酢酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、2−ヘプタノン、シクロヘキサノン、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート(エチルカルビトールアセテート)、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート(ブチルカルビトールアセテート)、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、メチルエチルケトン等が着色層形成用組成物における有機溶剤として好ましく用いられる。
これらの有機溶剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、有機溶剤の含有量は、特に制限はないが、着色層形成用組成物(塗布液)の全質量に対して、5質量%〜90質量%が好ましく、30質量%〜70質量%がより好ましい。
〔色変化層A〕
本開示に係る加飾フィルムは、樹脂及び重合性化合物よりなる群から選ばれた少なくとも1種の化合物を含む色変化層Aを有し、上記色変化層Aは、上記色変化層Bよりも屈折率が0.1以上高い層である。
上記色変化層Aは、バインダーとして、樹脂及び重合性化合物よりなる群から選ばれた少なくとも1種の化合物を含み、耐傷性の観点から、樹脂を含むことが好ましい。
樹脂としては、耐傷性の観点から、熱硬化性樹脂、及び、光硬化性樹脂よりなる群から選ばれた少なくとも1種の樹脂を含むことが好ましい。
熱硬化性樹脂としては、シロキサン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、不飽和/飽和ポリエステル、ポリイミドが挙げられる。シロキサン樹脂としては、2官能〜4官能のアルコキシシランの加水分解縮合物等が挙げられる。架橋エポキシ樹脂としては、2つ以上の重合性エポキシ基を有する化合物と架橋剤を重合して形成される樹脂等が挙げられる。
光硬化性樹脂としては、重合性基を有する架橋アクリル樹脂が挙げられる。なお、架橋アクリル樹脂とは、2つ以上の重合性(メタ)アクリレート基を有する化合物を重合して形成される樹脂をいう。
重合性化合物としては、特に制限はなく、公知のモノマー、オリゴマー等を用いることができる。また、重合性化合物としては、上述した着色層における重合性化合物を好適に用いることができる。
また、重合性化合物としては、耐傷性の観点から、多官能重合性化合物を少なくとも含むことが好ましい。
多官能重合性化合物としては、特に制限はなく、公知のものを用いることができるが、多官能アクリルモノマー、多官能アクリルオリゴマー、多官能ウレタンアクリレート等が好ましく挙げられる。
更に、重合性化合物としては、耐傷性の観点から、エチレン性不飽和化合物が好ましく、(メタ)アクリレート化合物がより好ましい。
また、上記色変化層Aは、耐傷性の観点から、樹脂として、重合性化合物を重合してなる樹脂を含むことが好ましく、多官能重合性化合物を少なくとも重合してなる樹脂を含むことがより好ましく、多官能エチレン性不飽和化合物を少なくとも重合してなる樹脂を含むことが更に好ましく、多官能(メタ)アクリレート化合物を少なくとも重合してなる樹脂を含むことが特に好ましい。
上記色変化層Aは、重合性化合物を含む場合、硬化性、及び、耐傷性の観点から、重合開始剤を含むことが好ましい。
重合開始剤としては、上記着色層において上述したものを好適に用いることができる。
また、上記色変化層Aは、耐傷性の観点から、ハードコート性を有していることが好ましい。
ハードコート性を有する材料としては、例えば、特開2013−45045号公報、特開2013−43352号公報、特開2012−232459号公報、特開2012−128157号公報、特開2011−131409号公報、特開2011−131404号公報、特開2011−126162号公報、特開2011−75705号公報、特開2009−286981号公報、特開2009−263567号公報、特開2009−75248号公報、特開2007−164206号公報、特開2006−96811号公報、特開2004−75970号公報、特開2002−156505号公報、特開2001−272503号公報、国際公開第2012/018087号、国際公開第2012/098967号、国際公開第2012/086659号、国際公開第2011/105594号に記載のハードコート層の作製に使用する材料を用いることができる。
また、上記色変化層Aは、重合性化合物を硬化してなる層であってもよく、重合性化合物及び重合開始剤を含む層であってもよいが、保存性、及び、上記色変化層Aと他の層との密着性の観点から、重合性化合物を硬化してなる層であることが好ましく、ウレタン結合、及び、炭素数2又は3のアルキレンオキシ基よりなる群から選ばれる少なくとも1種の部分構造を有する2官能又は3官能重合性化合物を少なくとも硬化してなる層であることがより好ましい。
また、上記色変化層Aは、耐傷性、及び、屈折率を高める観点から、フィラーを含むことが好ましく、無機フィラーを含むことがより好ましく、屈折率1.55以上の高屈折率粒子を含むことが特に好ましい。
更に、上記色変化層Aは、耐傷性、及び、屈折率を高める観点から、金属酸化物を含むことが好ましく、酸化ジルコニウム(ジルコニア)又は酸化チタン(チタニア)を含むことがより好ましい。
また、上記フィラーの形状は、特に制限はないが、粒子状であることが好ましい。
上記屈折率1.55以上の高屈折率粒子(以下、「高屈折率粒子」ともいう。)は、凝集抑制性、及び、層の透明性の観点から、体積平均粒径が2nm以上100nm以下の無機粒子であることが好ましく、体積平均粒径が5nm以上80nm以下の無機粒子であることがより好ましく、体積平均粒径が10nm以上60nm以下の無機粒子であることが特に好ましい。
上記フィラーは、1種単独、又は、2種以上混合して用いることができる。
なお、フィラー及び粒子の体積平均粒径は、コールターカウンターにより測定される。
高屈折率粒子としては、耐傷性、及び、屈折率を高める観点から、アルミニウム、ジルコニウム、チタン、亜鉛、ゲルマニウム、インジウム、スズ、アンチモン、及び、セリウムよりなる群から選ばれる少なくとも1つの元素の酸化物粒子であることが好ましく、酸化ジルコニウム粒子、又は、酸化チタン粒子であることがより好ましい。また両者のうちでは、耐光性の観点からは、光触媒作用のない酸化ジルコニウム粒子が好ましいが、光触媒作用を抑制した酸化チタン粒子を用いることも好ましい。
高屈折率粒子の屈折率は、屈折率を高める観点から、1.60〜3.00であることが好ましく、1.80〜2.90であることがより好ましく、1.90〜2.80であることが特に好ましい。
また、高屈折率粒子の分散には、下記の各種の分散剤も好ましく用いることができる。
分散剤は、更に架橋又は重合性官能基を含有することが好ましい。架橋又は重合性官能基としては、ラジカル種による付加反応・重合反応が可能なエチレン性不飽和基(例えば(メタ)アクリロイル基、アリル基、スチリル基、ビニルオキシ基等)、カチオン重合性基(エポキシ基、オキサタニル基、ビニルオキシ基等)、重縮合反応性基(加水分解性シリル基等、N−メチロール基)等が挙げられ、好ましくはエチレン性不飽和基を有する官能基である。
高屈折率粒子の分散、特にTiOを主成分とする無機粒子の分散にはアニオン性基を有する分散剤を用いることが好ましく、アニオン性基、及び架橋又は重合性官能基を有することがより好ましく、該架橋又は重合性官能基を側鎖に有する分散剤であることが特に好ましい。架橋又は重合性官能基の具体例としては、上述の官能基が挙げられる。
アニオン性基としては、カルボキシ基、スルホン酸基(スルホ基)、リン酸基(ホスホノ基)、スルホンアミド基等の酸性プロトンを有する基、又は、その塩が好ましく、カルボキシ基、スルホン酸基、リン酸基又はその塩がより好ましく、カルボキシ基、又は、リン酸基が特に好ましい。1分子当たりの分散剤に含有されるアニオン性基の数は、1分子中に複数種類が含有されていてもよいが、平均で2個以上であることが好ましく、より好ましくは5個以上、特に好ましくは10個以上である。また、分散剤に含有されるアニオン性基は、1分子中に複数種類が含有されていてもよい。
側鎖にアニオン性基を有する分散剤において、アニオン性基含有モノマー単位の組成は、全モノマー単位のうちの10−4mol%〜100mol%の範囲であることが好ましく、1mol%〜50mol%であることがより好ましく、5mol%〜20mol%であることが特に好ましい。
1分子当たりの分散剤に含有される架橋又は重合性官能基の数は、平均で2個以上であることが好ましく、より好ましくは5個以上、特に好ましくは10個以上である。また、分散剤に含有される架橋又は重合性官能基は、1分子中に複数種類が含有されていてもよい。
好ましい分散剤において、側鎖にエチレン性不飽和基を有するモノマー単位の例としては、ポリ−1,2−ブタジエン及びポリ−1,2−イソプレン構造あるいは、(メタ)アクリル酸のエステル又はアミドの繰返し単位であって、それに特定の残基(−COOR又は−CONHRのR基)が結合しているものが利用できる。上記特定の残基(R基)の例としては、−(CH−CR21=CR2223、−(CHO)n−CHCR 21=CR2223、−(CHCHO)−CHCR21=CR2223、−(CH−NH−CO−O−CHCR21=CR2223、−(CH)n−O−CO−CR21=CR2223及び−(CHCHO)−X(R21〜R23はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数が1〜20のアルキル基、アリール基、アルコキシ基又はアリールオキシ基を表し、R21とR22又はR23とは互いに結合して環を形成してもよく、nは1〜10の整数を表し、Xはジシクロペンタジエニル残基を表す。)を挙げることができる。エステル残基のRの具体例には、−CHCH=CH (特開昭64−17047号公報記載のアリル(メタ)アクリレートのポリマーに相当)、−CHCHO−CHCH=CH、−CHCHOCOCH=CH、−CHCHOCOC(CH)=CH、−CHC(CH)=CH、−CHCH=CH−C、−CHCHOCOCH=CH−C、−CHCH−NHCOO−CHCH=CH及び−CHCHO−X(Xはジシクロペンタジエニル残基)が含まれる。アミド残基のRの具体例には、−CHCH=CH、−CHCH−Y(Yは1−シクロヘキセニル残基)及び−CHCH−OCO−CH=CH、−CHCH−OCO−C(CH)=CHが含まれる。
上記のエチレン性不飽和基を有する分散剤においては、その不飽和結合基にフリーラジカル(重合開始ラジカル又は重合性化合物の重合過程の生長ラジカル)が付加し、分子間で直接、又は重合性化合物の重合連鎖を介して付加重合して、分子間に架橋が形成されて硬化する。あるいは、分子中の原子(例えば不飽和結合基に隣接する炭素原子上の水素原子)がフリーラジカルにより引き抜かれてポリマーラジカルが生成し、それが互いに結合することによって、分子間に架橋が形成されて硬化する。
アニオン性基、及び架橋又は重合性官能基を有し、かつ該架橋又は重合性官能基を側鎖に有する分散剤の重量平均分子量(Mw)は、特に限定されないが、1,000以上であることが好ましく、2,000〜1,000,000であることがより好ましく、5,000〜200,000であることが更に好ましく、10,000〜100,000であることが特に好ましい。
架橋又は重合性官能基の含有単位は、アニオン性基含有モノマー単位以外の全てのモノマー単位を構成していてもよいが、好ましくは全モノマー単位のうちの5mol%〜50mol%であり、特に好ましくは5mol%〜30mol%である。
分散剤は、架橋又は重合性官能基、アニオン性基を有するモノマー以外の適当なモノマーとの共重合体であってもよい。共重合成分に関しては特に限定はされないが、分散安定性、他のモノマー成分との相溶性、形成皮膜の強度等種々の観点から選択される。好ましい例としては、メチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、t‐ブチル(メタ)アクリレート、シクロへキシル(メタ)アクリレート、スチレン等が挙げられる。
分散剤の形態は、特に制限はないが、ブロック共重合体又はランダム共重合体であることが好ましく、コスト及び合成的な容易さの観点から、ランダム共重合体であることが特に好ましい。
上記色変化層Aにおける分散剤の含有量は、高屈折率粒子の全質量に対し、1質量%〜50質量%であることが好ましく、5質量%〜30質量%であることがより好ましく、5質量%〜20質量%であることが特に好ましい。また、分散剤は2種類以上を併用してもよい。好ましく用いられる分散剤に関しては、特開2007−293313号公報に詳細な記載がある。
高屈折率粒子の分散媒体への分散方法は、特に制限はないが、分散機を用いて分散することができる。分散機の例としては、サンドグラインダーミル(例、ピン付きビーズミル)、高速インペラーミル、ペッブルミル、ローラーミル、アトライター及びコロイドミル等が挙げられる。中でも、サンドグラインダーミル又は高速インペラーミルが特に好ましい。また、予備分散処理を実施してもよい。予備分散処理に用いる分散機の例には、ボールミル、三本ロールミル、ニーダーおよびエクストルーダーが含まれる。
高屈折率粒子は、分散媒体中でなるべく微細化されていることが好ましく、好ましい体積平均粒径は上述の粒径に順ずるものである。
上記色変化層Aにおけるフィラーの含有量は、所望の強度及び屈折率に応じ適宜調整することができるが、色変化性、耐傷性、及び、屈折率を高める観点から、上記色変化層Aの全質量に対し、10質量%〜95質量%であることが好ましく、15質量%〜90質量%であることがより好ましく、20質量%〜85質量%であることが更に好ましく、30質量%〜80質量%であることが特に好ましい。
〔色変化層B〕
本開示に係る加飾フィルムは、色変化層Bを有し、上記色変化層Bが、上記色変化層Aよりも屈折率が0.1以上低い層である。
上記色変化層Bは、色変化性、及び、黒しまり性の観点から、反射防止能を有する層であることが好ましい。
また、上記色変化層Bは、耐傷性の観点からは、上記色変化層Aよりも厚い層であることが好ましい。
上記色変化層Bの材質としては、特に制限はないが、以下に示す成分を含むことが好ましい。
上記色変化層Bは、耐傷性の観点から、バインダーとして、樹脂及び重合性化合物よりなる群から選ばれた少なくとも1種の化合物を含むことが好ましく、樹脂を含むことがより好ましく、樹脂及び重合性化合物を含むことが更に好ましい。
樹脂としては、耐傷性の観点から、熱硬化性樹脂、及び、光硬化性樹脂よりなる群から選ばれた少なくとも1種の樹脂を含むことが好ましい。
熱硬化性樹脂、及び、光硬化性樹脂としては、上記色変化層Aにて上述したものを、屈折率を適宜選択し、好適に用いることができる。
重合性化合物としては、特に制限はなく、公知のモノマー、オリゴマー等を用いることができる。また、重合性化合物としては、上述した着色層における重合性化合物を好適に用いることができる。
また、重合性化合物としては、上記色変化層Aにて上述したものを、硬化前又は硬化後における屈折率を適宜選択し、好適に用いることができる。
上記色変化層Bは、重合性化合物を含む場合、硬化性、及び、耐傷性の観点から、重合開始剤を含むことが好ましい。
重合開始剤としては、上記着色層において上述したものを好適に用いることができる。
上記色変化層Bは、上記色変化層Aよりも屈折率が0.1以上低い層であるため、屈折率の低い材料を含むことが好ましい。
上記色変化層Bは、色変化性の点から屈折率が1.5以下であることが好ましく、1.4以下であることがより好ましい。屈折率を1.5以下とする点で、上記色変化層Bは、空隙を有するシロキサン樹脂、フッ素樹脂、低屈折率粒子よりなる群から選ばれた少なくとも1つを含むことが好ましく、空隙を有するシロキサン樹脂、フッ素樹脂、及び、中空シリカ粒子よりなる群から選ばれた少なくとも1つを含むことが含むことがより好ましい。
フッ素樹脂としては、特に制限ないが、特開2009−217258号公報の段落0076〜0106や、特開2007−229999号公報の段落0083〜0127に記載のもの等が挙げられる。
フッ素樹脂の例としては、オレフィン中の水素をフッ素に置換したフッ化アルキル樹脂が挙げられ、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニルやパーフルオロアルコキシアルカン、パーフルオロエチレンプロペン、エチレンテトラフルオロエチレンなどの共重合体、又は、乳化剤や水との親和性を高める成分と共重合体化して水分散化したフッ素樹脂ディスパージョンなどがある。このようなフッ素樹脂の具体例としては、旭硝子(株)製ルミフロン、オブリガート、ダイキン工業(株)製ゼッフル、ネオフロン、デュポン社製テフロン、アルケマ社カイナーなどが挙げられる。
また、重合性官能基及び架橋性官能基のうちの少なくとも1つの基を有し、かつフッ素原子を含む化合物を用いてもよく、パーフルオロアルキル(メタ)アクリレート、フッ化ビニルモノマー、フッ化ビニリデンモノマーのようなラジカル重合性のモノマーや、パーフルオロオキセタンのようなカチオン重合性のモノマーなどが挙げられる。このようなフッ素化合物の具体例としては、共栄社化学(株)製LINC3A、ダイキン工業(株)製オプツール、荒川化学工業(株)製オプスター、ダイキン工業(株)製などテトラフルオロオキセタン等が挙げられる。
低屈折率粒子、好ましくは屈折率1.45以下の粒子としては、特に制限はないが、特開2009−217258号公報の段落0075〜0103に記載のものが挙げられる。
低屈折率粒子の例としては、シリカなどの無機酸化物粒子やアクリルなどの樹脂粒子を用いた中空粒子、粒子表面に多孔質構造を有する多孔質粒子、素材自体の屈折率が低いフッ化物粒子などが挙げられる。
このような中空粒子の具体例としては、日揮触媒化成(株)製スルーリア、日鉄鉱業(株)製シリナックス等の中空シリカ粒子、積水化成品工業(株)製テクポリマーMBX、SBX等の多中空樹脂粒子等が挙げられる。多孔質粒子の具体例としては、日産化学工業(株)製ライトスター等が、フッ化物粒子の具体例としては、(株)希少金属材料研究所製フッ化マグネシウムナノ粒子等が挙げられる。
上記空隙を有するシロキサン樹脂としては、樹脂基材の熱変形等の劣化を抑制する点、及び、色変化層B表面に既述のような開口部が形成され難い点から、中空粒子又はコアシェル粒子を用いて、シロキサン樹脂を含んで構成されるマトリックス中に閉鎖空隙を形成する方法を用いることが好ましい。中空粒子を含む組成物を塗布して色変化層Bを形成する方法としては、例えば、特開2009−103808号公報の段落0028〜0029に記載の方法、又は特開2008−262187号公報の段落0030〜0031に記載の方法を適用できる。特に、空隙径及び空隙率の調整が容易である点から、コアシェル粒子を用いて色変化層Bを形成する方法が好ましい。
以下に、コアシェル粒子を用いた色変化層Bの形成方法について好ましい一態様を説明するが、本開示における色変化層Bは、この形成方法にて形成されたものに限定されない。
コアシェル粒子を用いた色変化層Bの形成方法には、コアシェル粒子及びシロキサン化合物を含む塗布液(以下、「色変化層B形成塗布液」ともいう。)が用いられることが好ましい。
−コアシェル粒子−
色変化層B形成塗布液は、コアシェル粒子を含むことが好ましい。
コアシェル粒子としては、閉鎖空隙の形成し易さの点から、有機溶剤をコア材として含むことが好ましく、特に、有機溶剤の20質量%以上が、沸点90℃以上350℃以下の非極性溶剤であることが好ましい。
なお、本開示における「沸点」は、1気圧(101,325Pa)における沸点である。また、本開示における「非極性溶剤」とは、水への溶解度が20℃において0.1質量%以下であり、比誘電率の値が10以下である溶剤をいう。
沸点90℃以上350℃以下の非極性溶剤としては、炭化水素化合物、フッ化炭化水素化合物、及び、シリコーン化合物等が挙げられるが、色変化層Bの光透過性及びヘーズの観点から、炭化水素化合物であることが好ましい。
コアシェル粒子のシェルの材質は、特に制限はないが、色変化層Bの強度、光透過性及びヘーズの観点から、ポリシロキサン化合物を含むことが好ましく、後述する式1で表されるシロキサン化合物の加水分解縮合物を含むことがより好ましく、後述する式1で表されるシロキサン化合物の加水分解縮合物を、シェルの全質量に対し、50質量%以上含むことが更に好ましく、後述する式1で表されるシロキサン化合物の加水分解縮合物からなることが特に好ましい。
コアシェル粒子の体積平均粒子径は、色変化層Bの強度、光透過性及びヘーズの観点から、0.05μm〜1.5μmであることが好ましく、0.08μm〜1.0μmであることがより好ましく、0.1μm〜0.6μmであることが更に好ましく、0.1μm〜0.4μmであることが特に好ましい。
本開示における粒子の体積平均粒子径は、レーザー回折・散乱式粒子径分布測定装置(型番:マイクロトラックMT3300EXII、マイクロトラックベル(株)製)を用いて測定するものとする。なお、本開示において平均粒子径は、メジアン径を意味する。
また、本開示におけるコアシェル粒子の粒子径の変動係数は、上記測定において測定した粒子径の体積分布における標準偏差を、メジアン径で除算することにより算出する。
コアシェル粒子におけるコアの大きさ(最大径)は、色変化層Bの強度、光透過性及びヘーズの観点から、40nm以上であることが好ましく、40nm〜1,000nmであることがより好ましく、60nm〜600nmであることが特に好ましい。
コアシェル粒子におけるコアの大きさ(最大径)は、既述の色変化層Bの空隙の径の測定方法と同様の方法により測定することができる。
−シロキサン化合物−
色変化層B形成用塗布液は、シロキサン化合物を含むことが好ましい。
特に、シロキサン化合物としては、下記式1で表されるシロキサン化合物、及び、下記式1で表されるシロキサン化合物の加水分解縮合物よりなる群から選ばれた少なくとも1種の化合物(以下、特定シロキサン化合物ともいう。)が好ましい。
Figure 2020008960
式1中、R、R及びRはそれぞれ独立に、炭素数1〜6のアルキル基、又は、アルケニル基を表し、Rは複数の場合はそれぞれ独立に、アルキル基、ビニル基、又は、ビニル基、エポキシ基、ビニルフェニル基、(メタ)アクリロキシ基、(メタ)アクリルアミド基、アミノ基、イソシアヌレート基、ウレイド基、メルカプト基、スルフィド基、ポリオキシアルキル基、カルボキシ基及び第四級アンモニウム基よりなる群から選ばれる基を有するアルキル基を表し、mは、0〜2の整数を表し、nは1〜20の整数を表す。
式1で表されるシロキサン化合物の加水分解縮合物とは、式1で表されるシロキサン化合物と、式1で表されるシロキサン化合物におけるケイ素原子上の置換基の少なくとも一部が加水分解して、シラノール基となっている化合物とが縮合した化合物をいう。
式1におけるR、R及びRにおける炭素数1〜6のアルキル基、又は、アルケニル基は、直鎖状であっても、分岐を有していても、環構造を有していてもよい。炭素数1〜6のアルキル基、またはアルケニル基としては、保護層の強度、光透過性及びヘーズの観点から、アルキル基であることが好ましい。
炭素数1〜6のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基等が挙げられ、メチル基又はエチル基であることが好ましく、メチル基であることがより好ましい。

式1におけるRは、保護層の強度、光透過性及びヘーズの観点から、複数の場合はそれぞれ独立に、アルキル基であることが好ましく、炭素数1〜8のアルキル基であることがより好ましい。
また、式1におけるRの炭素数は、1〜40であることが好ましく、1〜20であることがより好ましく、1〜8であることが特に好ましい。
式1におけるmは、保護層の強度、光透過性及びヘーズの観点から、1又は2であることが好ましく、2であることがより好ましい。
式1におけるnは、保護層の強度、光透過性及びヘーズの観点から、2〜20の整数であることが好ましい。
特定シロキサン化合物の例としては、信越化学工業(株)製のKBE−04、KBE−13、KBE−22、KBE−1003、KBM−303、KBE−403、KBM−1403、KBE−503、KBM−5103、KBE−903、KBE−9103P、KBE−585、KBE−803、KBE−846、KR−500、KR−515、KR−516、KR−517、KR−518、X−12−1135、X−12−1126、X−12−1131;エボニックジャパン(株)製のDynasylan4150;三菱ケミカル(株)製のMKCシリケートMS51、MS56、MS57、MS56S;コルコート(株)製のエチルシリケート28、N−プロピルシリケート、N−ブチルシリケート、SS−101;等が挙げられる。
−界面活性剤−
色変化層B形成用塗布液は、界面活性剤を含むことが好ましい。
界面活性剤としては、ノニオン界面活性剤、イオン性界面活性剤であるアニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられ、いずれも本開示に好適に用いることができる。
中でも、上述の特定シロキサン化合物と相互作用的な引力によりコアシェル粒子が効率的に形成される点、保存安定性、並びに、色変化層Bの光透過性及びヘーズの観点から、ノニオン界面活性剤、及び、カチオン界面活性剤よりなる群から選ばれた少なくとも1種の界面活性剤が好ましく、カチオン界面活性剤がより好ましい。
−その他の成分−
色変化層B形成用塗布液は、既述の成分に加え、目的に応じて他の成分を含有することができる。
他の成分としては、公知の添加剤を用いることができ、例えば、帯電防止剤、シロキサン化合物の縮合触媒、防腐剤等が挙げられる。
・帯電防止剤
色変化層B形成用塗布液は、帯電防止剤を含有してもよい。
帯電防止剤は、色変化層Bに帯電防止性を付与することで、汚染物質の付着を抑制する目的で用いられる。
帯電防止性を付与するための帯電防止剤としては、特に制限はない。
本開示に用いられる帯電防止剤としては、金属酸化物粒子、金属ナノ粒子、導電性高分子、及び、イオン液体よりなる群から選ばれる少なくとも1種を好ましく用いることができる。帯電防止剤は2種以上を併用してもよい。
金属酸化物粒子は帯電防止性を与えるために比較的多量の添加が必要であるが、無機粒子であるために、金属酸化物粒子を含有することで、色変化層Bの防汚性をより高めることができる。
金属酸化物粒子には、特に制限はないが、酸化スズ粒子、アンチモンドープ酸化スズ粒子、スズドープ酸化インジウム粒子、酸化亜鉛粒子、シリカ粒子等が挙げられる。
金属酸化物粒子は屈折率が大きく、粒子径が大きいと透過光の散乱による光透過性の低下が懸念されるため、金属酸化物粒子の平均一次粒子径は100nm以下であることが好ましく、50nm以下であることがより好ましく、30nm以下であることが特に好ましい。また、下限値は、2nm以上であることが好ましい。
また粒子の形状は特に限定されず、球状であっても、板状であっても、針状であってもよい。
金属酸化物粒子の平均一次粒子径は、分散した粒子を透過型電子顕微鏡により観察し、得られた写真から求めることができる。写真の画像より、粒子の投影面積を求め、そこから円相当径を求め平均粒子径(平均一次粒子径)とする。本明細書における平均一次粒子径は、300個以上の粒子について投影面積を測定して、円相当径を求めて算出した値を用いている。
なお、金属酸化物粒子の形状が球状ではない場合にはその他の方法、例えば動的光散乱法を用いて求めてもよい。
帯電防止剤は、色変化層B形成用塗布液に1種のみ含有してもよく、2種以上含有してもよい。金属酸化物粒子を2種以上含有する場合、平均一次粒子径、形状、素材が互いに異なるものを2種以上使用してもよい。
色変化層B形成用塗布液においては、帯電防止剤の含有量は色変化層B形成用塗布液の全固形分に対し、40質量%以下であることが好ましく、30質量%以下であることがより好ましく、20質量%以下であることが特に好ましい。
帯電防止剤の含有量を上記範囲とすることにより、色変化層B形成用塗布液の製膜性を低下させることなく、色変化層Bに効果的に帯電防止性を付与することができる。
また、帯電防止剤として金属酸化物粒子を用いる場合の含有量は、色変化層B形成用塗布液の全質量に対し、30質量%以下であることが好ましく、20質量%以下であることがより好ましく、10質量%以下であることが特に好ましい。
金属酸化物粒子の含有量を上記範囲とすることで、色変化層B形成用塗布液における金属酸化物粒子の分散性が良好となり、凝集の発生が抑制され、必要な帯電防止性を色変化層Bに付与することができる。
・縮合触媒
色変化層B形成用塗布液は、シロキサン化合物の縮合を促進する縮合触媒を含有することが好ましい。
色変化層B形成用塗布液が縮合触媒を含有することにより、より耐久性に優れた色変化層Bを形成することができる。
−色変化層B形成用塗布液の調製−
色変化層B形成用塗布液の調製方法は、特に制限はなく、例えば、有機溶剤、界面活性剤、及び、水を混合して、有機溶剤を水中に分散し、特定シロキサン化合物を添加して一部加水分解縮合して分散した有機溶剤の表面にシェル層を形成してコアシェル粒子を作製し、色変化層B形成用塗布液を製造する方法、有機溶剤をコア材として含むコアシェル粒子、特定シロキサン化合物、界面活性剤、及び、水を混合して製造する方法等が挙げられる。
−色変化層Bの形成−
以上説明した色変化層B形成用塗布液は、色変化層Bの下層上に塗布し、乾燥させることで、色変化層Bが形成される。
色変化層B形成用塗布液を塗布する方法としては、特に限定されず、例えば、スプレー塗布、刷毛塗布、ローラー塗布、バー塗布、ディップ塗布等の公知の塗布法をいずれも適用することができる。
また、色変化層B形成用塗布液を塗布する前に、色変化層B形成用塗布液が塗布される下層に対し、コロナ放電処理、グロー処理、大気圧プラズマ処理、火炎処理、紫外線照射処理等の表面処理を施してもよい。
色変化層B形成用塗布液の乾燥は、室温(25℃)で行ってもよく、加熱して行ってもよい。色変化層B形成用塗布液に含まれる有機溶剤を十分揮発させ、空隙を形成する塗布液の場合には、空隙を形成し、また、色変化層Bの光透過性及び着色抑制の観点、更には、樹脂基材の分解温度以下の温度で加熱する点から、40℃〜200℃に加熱して行うことが好ましい。また、樹脂基材の熱変形を抑制する観点では、40℃〜120℃に加熱して行うことがより好ましい。
また、加熱を行う場合には、加熱時間は、特に制限はないが、1分〜30分であることが好ましい。
以上、コアシェル粒子を含む色変化層B形成用塗布液と、この色変化層B形成用塗布液による色変化層Bの形成について説明したが、コアシェル粒子の代わりに中空粒子を含む色変化層B形成用塗布液を用いて、色変化層Bを形成してもよい。
ここで、中空粒子としては、屈折率を1.5以下とする点において、シリカを主成分とする中空シリカ粒子を用いることが好ましい。
中空シリカ粒子としては、特開2013−237593号公報、国際公開第2007/060884号などに記載される中空粒子などが挙げられる。
また、中空シリカ粒子としては、表面が未修飾の中空シリカ粒子であっても、表面が変性されている中空シリカ粒子であってもよい。
また、中空粒子は、色変化層B形成用塗布液中で、分散安定化を図るために、又はシロキサン樹脂との親和性、結合性を高めるために、プラズマ放電処理、コロナ放電処理等の物理的表面処理、界面活性剤、カップリング剤等による化学的表面処理がなされていてもよい。
上記色変化層Bにおける空隙率は、光透過性、及び、耐傷性の観点から、10%〜80%であることが好ましく、15%〜75%であることがより好ましく、20%〜55%であることが特に好ましい。
上記色変化層Bにおける空隙の径(以下、「空隙径」ともいう)は、強度、光透過性、及びヘーズの観点から、25nm以上であることが好ましく、30nm以上であることがより好ましい。空隙径の上限は、耐傷性の観点から、80nm以下であることが好ましく、70nm以下であることがより好ましい。
上記色変化層Bの空隙径、及び、空隙率の測定方法は、以下の通りである。
上記色変化層Bが設けられた加飾フィルムをフィルム表面と直交する方向に切断し、切断面を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察することにより、空隙径、及び、空隙率を測定する。
切断面のSEM画像(倍率50,000倍)において、任意に選択した200個の空隙に対して、それぞれ円相当径を算出し、その平均値を空隙径とする。
また、空隙率は、切断面のSEM画像(倍率50,000倍)について、画像処理ソフト(ImageJ)を用いて、空隙部分とマトリックス部分(即ち、シロキサン樹脂を含む空隙以外の部分)とを画像処理(二値化)を行い分離し、空隙部分の割合を算出して空隙率とする。
なお、空隙の径に異方性がない場合、空隙率はシロキサン樹脂中における空隙の体積分率として求められる。
〔樹脂層〕
本開示に係る加飾フィルムは、上記着色層と上記色変化層Aとの密着性を向上させる観点から、上記着色層と上記色変化層Aとの間に、樹脂層を更に有することが好ましい。
上記樹脂層は、上記色変化層Aとは異なる種類の樹脂を含む層であることが好ましい。
上記樹脂層としては、色変化性の観点から、透明樹脂層であることが好ましく、透明フィルムからなる層であることがより好ましい。透明フィルム上に、上記色変化層Aを形成し、着色層にラミネートすることで、加飾フィルムを容易に作製することができる。
透明フィルムとしては、必要な強度と耐傷性とを有する透明フィルムであれば特に制限されない。
本開示において、透明フィルムにおける「透明」とは、全光透過率が85%以上であることを指す。透明フィルムの全光透過率は、既述の仮支持体の全光透過率と同様の方法により測定することができる。
透明フィルムは、透明な樹脂を製膜して得られたフィルムが好ましく、具体的には、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、ポリエチレンナフタレート(PEN)樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート(PC)樹脂、トリアセチルセルロース(TAC)、シクロオレフィンポリマー(COP)等の樹脂を含む樹脂フィルムが挙げられる。
特に、金型に対する形状追従性の点から、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、又はポリエチレンテレフタレート樹脂を、透明フィルムに含まれる全樹脂成分に対して60質量%以上(より好ましくは80質量%以上、更に好ましくは100質量%)含む樹脂フィルムが好ましい。特に、アクリル樹脂を透明フィルムに含まれる全樹脂成分に対して60質量%以上(より好ましくは80質量%以上、更に好ましくは100質量%)含む樹脂フィルムがより好ましい。
また、上記樹脂層の厚みは、特に制限はないが、50μm〜150μmが好ましい。
透明フィルムとしては、市販品を用いてもよく、市販品としては、例えば、アクリプレン(登録商標)HBS010(アクリル樹脂フィルム、三菱ケミカル(株)製)、テクノロイ(登録商標)S001G(アクリル樹脂フィルム、住友化学(株)製)、C000(ポリカーボネート樹脂フィルム、住友化学(株)製)、C001(アクリル樹脂/ポリカーボネート樹脂積層フィルム、住友化学(株)製)等が挙げられる。
−樹脂層の形成−
樹脂層の形成方法としては、特に制限はないが、透明フィルムを上記着色層にラミネートする方法が好ましく挙げられる。
透明フィルムをラミネートする際に用いられる装置としては、ラミネーター、真空ラミネーター、及び、より生産性を高めることができるオートカットラミネーター等の公知のラミネーターを使用することができる。
ラミネーターはゴムローラーなどの任意の加熱可能なローラーを備え、加圧及び加熱ができるものであることが好ましい。
ラミネーターからの加熱により、透明フィルム及び着色層の少なくとも一方が一部溶融し、着色層と透明フィルムとの間の密着性を更に高めることができる。
透明フィルムをラミネートする際の温度は、透明フィルムの材質及び着色層の溶融温度等に応じて決定されればよいが、透明フィルムの温度を、60℃〜150℃としうる温度であることが好ましく、65℃〜130℃としうる温度であることがより好ましく、70℃〜100℃としうる温度であることが特に好ましい。
また、透明フィルムをラミネートする際、透明フィルムと着色層との間には、線圧60N/cm〜200N/cmをかけることが好ましく、線圧70N/cm〜160N/cmをかけることがより好ましく、線圧80N/cm〜120N/cmをかけることが特に好ましい。
〔粘着層〕
本開示に係る加飾フィルムは、上記仮支持体と上記着色層との間に、加飾フィルムを貼り付ける基材への接着性の観点から、粘着層を有していてもよい。
また、後述するように、基材への貼り付けの前に、上記仮支持体を剥離し、上記仮支持体を剥離した上記加飾フィルムの上記着色層側の最外層上に、粘着層を形成し、その後、基材へ貼り付けてもよい。
粘着層の材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる
例えば、公知の粘着剤又は接着剤を含む層が挙げられる。
−粘着剤−
粘着剤の例としては、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤などが挙げられる。また、粘着剤の例として、「剥離紙・剥離フィルムおよび粘着テープの特性評価とその制御技術」、情報機構、2004年、第2章に記載のアクリル系粘着剤、紫外線(UV)硬化型粘着剤、シリコーン粘着剤等が挙げられる。なお、アクリル系粘着剤とは、(メタ)アクリルモノマーの重合体((メタ)アクリルポリマー)を含む粘着剤をいう。
粘着剤を含む場合には、更に、粘着付与剤が含まれていてもよい。
−接着剤−
接着剤としては、例えば、ウレタン樹脂接着剤、ポリエステル接着剤、アクリル樹脂接着剤、エチレン酢酸ビニル樹脂接着剤、ポリビニルアルコール接着剤、ポリアミド接着剤、シリコーン接着剤等が挙げられる。接着強度がより高いという観点から、ウレタン樹脂接着剤又はシリコーン接着剤が好ましい。
−粘着層の形成方法−
粘着層の形成方法としては、特に限定されず、粘着層が形成された保護フィルムを、粘着層と着色層とが接するようにラミネートする方法、粘着層を単独で着色層に接するようにラミネートする方法、上記粘着剤又は接着剤を含む組成物を着色層上に塗布する方法等が挙げられる。ラミネート方法又は塗布方法としては、上述の透明フィルムのラミネート方法又は着色層形成用組成物の塗布方法と同様の方法が好ましく挙げられる。
加飾フィルムにおける粘着層の厚みとしては、粘着力及びハンドリング性の両立の点で、5μm〜100μmが好ましい。
〔その他の層〕
本開示に係る加飾フィルムは、上述した以外のその他の層を有していてもよい。
その他の層としては、加飾フィルムにおいて公知の層である、反射層、自己修復層、帯電防止層、防汚層、防電磁波層、導電性層などが挙げられる。
本開示に係る加飾フィルムにおけるその他の層は公知の方法により形成することができる。例えば、これらの層に含まれる成分を含む組成物(層形成用組成物)を層状に付与し、乾燥する方法等が挙げられる。
−カバーフィルム−
本開示に係る加飾フィルムは、上記色変化層B側の最外層として、汚れの防止等を目的として、カバーフィルムを有していてもよい。
カバーフィルムとしては、可撓性を有し、剥離性が良好な材料であれば特に制限なく使用され、ポリエチレンフィルム等の樹脂フィルム等が挙げられる。
カバーフィルムの貼り付け方法としては、特に制限されず、公知の貼り付け方法が挙げられ、カバーフィルムを色変化層B上にラミネートする方法等が挙げられる。
(加飾成型フィルム)
本開示に係る加飾成型フィルムは、基材、着色層、色変化層A、及び、色変化層Bをこの順に有し、上記色変化層Bが、上記色変化層Aよりも屈折率が0.1以上低い層である。
本開示に係る加飾成型フィルムにおける着色層、色変化層A、及び、色変化層Bは、本開示に係る加飾フィルムにおける着色層、色変化層A、及び、色変化層Bと同様であり、また、好ましい態様も同様である。更に、その他の層についての好ましい態様も同様である。
本開示に係る加飾成型フィルムにおける基材は、フィルム基材であることが好ましい。
また、本開示に係る加飾成型フィルムにおける基材は、成型用基材であることが特に好ましい。基材としては、後述する基材と同様であり、好ましい態様も同様である。
また、本開示に係る加飾成型フィルムの製造方法は、後述する本開示に係る加飾方法における基材に貼り付ける方法を参照することができる。
(加飾方法、及び、加飾物)
本開示に係る加飾方法は、本開示に係る加飾フィルムを用いた加飾方法であれば、特に制限はないが、本開示に係る加飾フィルムから上記仮支持体を剥離する工程と、上記仮支持体を剥離した上記加飾フィルムを上記着色層側から基材に貼り付ける工程とを含むことが好ましく、上記仮支持体を剥離した上記加飾フィルムにおける上記仮支持体を剥離した面に粘着層を形成する工程を更に含むことがより好ましい。
本開示に係る加飾物は、本開示に係る加飾フィルムを用いた加飾物であり、本開示に係る加飾方法により得られた加飾物であることが好ましい。
−上記仮支持体を剥離する工程−
本開示に係る加飾方法は、本開示に係る加飾フィルムから上記仮支持体を剥離する工程を含むことが好ましい。
剥離方法としては、特に制限はなく、公知の方法により剥離すればよい。例えば、仮支持体の一部を指又はピンセット等の基材を用いて把持して剥離する方法が挙げられる。
−粘着層を形成する工程−
本開示に係る加飾方法は、上記仮支持体を剥離した上記加飾フィルムにおける上記仮支持体を剥離した面に粘着層を形成する工程(単に、「粘着層を形成する工程」ともいう。)を含むことが好ましい。
粘着層、及び、粘着層の形成方法としては、上述した粘着層、及び、粘着層の形成方法と同様であり、好ましい態様も同様である。
−基材に貼り付ける工程−
本開示に係る加飾方法は、上記仮支持体を剥離した上記加飾フィルムを上記着色層側から基材に貼り付ける工程(単に、「基材に貼り付ける工程」ともいう。)を含むことが好ましい。
上記基材に貼り付ける工程においては、上記仮支持体を剥離した上記加飾フィルムを上記着色層側の最外層と基材とを貼り付ければよく、例えば、上記仮支持体を剥離した上記加飾フィルムの上記着色層又は上記粘着層と基材とを貼り付ければよい。
上記基材としては、特に制限はなく、所望の基材を用いることができる。具体的には、例えば、自動車、家電製品、オーディオ製品、コンピュータ、ディスプレイ、車載製品、時計、アクセサリー、光学部品、扉、窓ガラス、建材等が挙げられる。
中でも、本開示に係る加飾方法は、自動車外装の加飾方法として好適に用いることができる。
また、上記基材としては、成型用基材を好適に用いることができる。
成型用基材は、立体成型、インサート成型等の成型に用いられる基材として従来公知のものが特に制限なく使用でき、加飾フィルムの用途、インサート成型への適性等に応じて、適宜、選択されればよい。
また、成型用基材の形状及び材質は、特に制限はなく、所望に応じ適宜選択すればよいが、インサート成型容易性の観点から、フィルム基材であることが好ましい。
成型用基材として具体的には、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、ポリエチレンナフタレート(PEN)樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート(PC)樹脂、トリアセチルセルロース(TAC)、シクロオレフィンポリマー(COP)、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン共重合樹脂(ABS樹脂)等の樹脂を含む樹脂フィルムが挙げられる。
成型用基材は、立体成型、インサート成型への適性、特に金型への追従性に優れる点から、成型用基材に含まれる全樹脂成分に対して60質量%以上のアクリロニトリル/ブタジエン/スチレン共重合樹脂(ABS樹脂)を含む樹脂フィルムが好ましい。成型用基材に含まれる全樹脂成分に対するABS樹脂の含有量は、80質量%以上がより好ましく、100質量%(即ち、樹脂成分の全てがABS樹脂)であってもよい。
成型用基材は、必要に応じ、上述した樹脂以外の添加物を含有していてもよい。
このような添加物としては、例えば、鉱油、炭化水素、脂肪酸、アルコール、脂肪酸エステル、脂肪酸アミド、金属石けん、天然ワックス、シリコーンなどの潤滑剤、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等の無機難燃剤、ハロゲン系、リン系等の有機難燃剤、金属粉、タルク、炭酸カルシウム、チタン酸カリウム、ガラス繊維、カーボン繊維、木粉等の有機又は無機の充填剤、酸化防止剤、紫外線防止剤、滑剤、分散剤、カップリング剤、発泡剤、着色剤等の添加剤、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂等であって、上述した樹脂以外のエンジニアリングプラスチックなどが挙げられる。
成型用基材は、市販品を用いてもよい。
市販品としては、例えば、ABSフィルム(オカモト(株)製)、ABSシート(積水成型工業(株)製)、テフレックス(登録商標)シリーズ(PETフィルム、帝人フィルムソリューション(株)製)、ルミラー(登録商標)易成型タイプ(PETフィルム、東レ(株)製)等を挙げることができる。
成型用基材の厚みは、作製する加飾成型体の用途、インサート成型への適性、シートの取り扱い性等に応じて決定され、特に制限はないが、100μm〜800μmが好ましく、150μm〜600μmがより好ましい。
−貼り付け方法−
基材に貼り付ける方法としては、特に限定されず、公知の方法を用いることができる。
例えば、必要に応じて粘着層の保護フィルムを剥離した後に、粘着層に基材をラミネートする方法が挙げられる。
ラミネート方法としては、特に制限されず、例えば、上述した透明フィルムのラミネート方法と同様の方法が用いられる。
−露光工程−
本開示に係る加飾方法においては、必要に応じて、着色層を露光する工程、色変化層Aを露光する工程、又は、色変化層Bを露光する工程(あわせて、「露光工程」ともいう。)を含んでもよい。
着色層を露光する場合、着色層は重合性化合物及び光重合開始剤を含むことが好ましい。重合性化合物及び光重合開始剤を含む着色層を露光することにより、硬化した着色層を得ることができる。
また、着色層が重合性化合物及び光重合開始剤を含む場合、加飾フィルムの製造方法においては露光を行わずに、基材と粘着層とが接するように保護フィルム剥離後の加飾フィルムを貼り付けた後に露光してもよい。上記方法によれば、基材と保護フィルム剥離後の加飾フィルムとの密着力により優れる。
着色層について述べたが、色変化層A及び色変化層Bについても、同様である。
−露光タイミング−
本開示に係る加飾方法が露光工程を含む場合、露光工程を行うタイミングは特に制限はなく、上記仮支持体を剥離する工程の前であっても、上記粘着層を形成する工程の前であっても、上記基材に貼り付ける工程の前であっても、上記基材に貼り付ける工程の後であってもよいが、各層間における密着性を向上させる観点から、上記仮支持体を剥離する工程の前に行われることが好ましい。
また、粘着層のラミネート性の観点からは、露光工程は、上記粘着層を形成する工程の前に行われることが好ましい。
更に、加熱時の延性が必要な場合における成型容易性の観点からは、露光工程は、基材に貼りつける工程の後に行われることが好ましい。
−露光方法−
露光工程における露光は、上記色変化層A又は上記樹脂層と硬化後の着色層との密着性を向上させる観点からは、上記色変化層Bの側から行うことが好ましい。
また、上記仮支持体を有する状態(仮支持体の剥離前)で露光する場合、上記仮支持体側から露光を行ってもよいし、上記色変化層B側と上記仮支持体側の両面から露光を行ってもよい。上記仮支持体側から露光が行われる場合、上述の通り、仮支持体の全光透過率は80%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。
上記仮支持体を剥離する工程の後に露光を行う場合、剥離された上記仮支持体の側から露光を行ってもよいし、上記色変化層B側と剥離された仮支持体側の両面から露光を行ってもよい。この場合、剥離された仮支持体側には粘着層が形成されていてもよいし、更に保護フィルムを有していてもよい。
保護フィルムを通して露光が行われる場合、上述の通り、保護フィルムの全光透過率は80%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。
露光方法としては、例えば、特開2006−23696号公報の段落0035〜0051に記載の方法を本開示においても好適に用いることができる。
露光の光源としては、重合性化合物を硬化しうる波長域の光(例えば、365nm、405nm)を照射できる光源であれば適宜選定して用いることができる。
具体的には、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、メタルハライドランプ等が挙げられる。
露光量としては、特に制限はなく、適宜設定すればよく、5mJ/cm〜2,000mJ/cmであることが好ましく、10mJ/cm〜1,000mJ/cmであることがより好ましい。
なお、本工程においては、例えば、着色層中の全ての重合性化合物が反応する必要はなく、露光後の着色層中には、未重合の重合性化合物と重合性化合物の重合体とが共存する状態であってもよい。
露光後の着色層中に、特定重合性化合物と特定重合性化合物の重合体とが共存する状態、成型後に得られた加飾成型体を更に露光することで、層間密着性(上記着色層と上記色変化層Bとの間及び上記着色層と基材との間の密着性)を更に向上させてもよい。
色変化層A及び色変化層Bについても、同様である。
ここで、加飾フィルムの層構成の一例について図1を用いて説明する。
図1は、本開示に係る加飾フィルムの層構成の一例を示す概略断面図である。
加飾フィルム20は、仮支持体22上に着色層24を有し、着色層24上に樹脂層26を有する。また、樹脂層26は、着色層24と反対側の面に色変化層A28と色変化層B30とを有する。樹脂層26は任意の層であり、加飾フィルム20に含まれていなくともよい。
また、図示は省略したが、仮支持体22と着色層24との間には、上述の剥離層を有していてもよい。
図2は、本開示に係る加加飾フィルムの他の一例を示す概略断面図である。
加飾フィルム10は、粘着層12上に着色層24を有し、着色層24上に樹脂層26と、色変化層A28と、色変化層B30とをこの順に有する。
また、粘着層12の着色層24と反対側には保護フィルム14を有する。
粘着層12と、保護フィルム14と、樹脂層26とは任意の層であり、加飾フィルム10に含まれていなくともよい。
図3は、本開示に係る加飾成型フィルムの一例を示す概略断面図である。
加飾成型フィルム40は、成型用基材16上に粘着層12と、着色層24と、樹脂層26と、色変化層A28と、色変化層B30とをこの順に有する。
粘着層12と樹脂層26とは任意の層であり、加飾成型フィルム40に含まれていなくともよい。
(加飾成型体の製造方法、及び、加飾成型体)
本開示に係る加飾成型体の製造方法は、本開示に係る加飾フィルムを用い加飾及び成型を行い加飾成型体を製造する方法であればよく、本開示に係る加飾フィルムから上記仮支持体を剥離する工程と、上記仮支持体を剥離した上記加飾フィルムを上記着色層側から成型用基材に貼り付ける工程と、上記加飾フィルムが貼り付いた上記成型用基材を成型する工程とを含むことが好ましい。
本開示に係る加飾成型体は、本開示に係る加飾フィルム又は本開示に加飾成型フィルムを用いて得られた加飾成型体であり、本開示に係る加飾成型体の製造方法により製造されたものであることが好ましい。
本開示に係る加飾フィルムは、立体成型性にも優れるため、加飾成型体の製造に好適に用いることができ、例えば、立体成型、及び、インサート成型よりなる群から選ばれた少なくとも1種の成型により加飾成型体を製造する際に特に好適である。
また、本開示に係る加飾フィルムは、成型後の成型体に貼り付けることにより加飾成型体とすることも可能である。
本開示に係る加飾成型フィルムは、立体成型性にも優れるため、加飾成型体の製造に好適に用いることができる。例えば、成型体が樹脂である場合には、例えば、立体成型、及び、インサート成型よりなる群から選ばれた少なくとも1種の成型により加飾成型体を製造する際に特に好適である。また、成型体が金属などの溶融しない材料である場合には、立体成型より加飾成型体を製造する際に特に好適である。
加飾成型体の作製に際して、本開示に係る加飾フィルムを用いることで、より複雑な形状、より小さな形状等の金型にも適用可能となり、加飾成型体の用途の幅を広げることができる。
以下、インサート成型を例に挙げて加飾成型体の作製方法について詳述する。
インサート成型において、加飾成型体は、例えば、金型内に加飾成型フィルムを予め配置して、その金型内に基材樹脂を射出成型することにより得られる。このインサート成型により、樹脂成型体の表面に加飾フィルムが一体化された加飾成型体が得られる。
また、加飾成型体の作製に際して、加飾成型フィルムと樹脂成型体との間には、接着剤層を設けてもよい。
接着剤層を形成する接着剤としては、公知の接着剤を適宜選択することができる。具体的には、例えば、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体及びアクリル樹脂を含む接着剤が挙げられる。
接着剤は市販品を用いてもよく、市販品としては、帝国インキ社のIMB−003などが挙げられる。
以下、インサート成型による加飾成型体の作製方法の一実施態様を説明する。
加飾成型体の作製方法は、射出成型用の金型内に、一定寸法の四辺形に形成されている加飾成型フィルムを配置して型閉めを行う工程、その後、溶融樹脂を金型内に射出する工程、更に、射出樹脂が固化したところで取り出す工程を含む。
加飾成型体の製造に用いる射出成型用の金型(即ち、成型金型)は、凸形状を有する金型(即ち、雄型)と凸形状に対応する凹形状を有する金型(即ち、雌型)を備えており、雌型の内周面となる成型面に加飾成型フィルムを配置した後に、型閉めを行う。
ここで、成型金型内に加飾成型フィルムを配置する前には、加飾成型フィルムを、成型金型を用いて加飾成型フィルムを成型(プレフォーム)することにより、加飾成型フィルムに予め三次元形状を付与しておき、成型金型に供給することも可能である。
また、成型金型内に加飾フィルムを配置する際には、成型金型へ加飾成型フィルムを挿入した状態で、加飾成型フィルムと成型金型との位置合わせが必要になる。
成型金型へ加飾成型フィルムを挿入した状態で、加飾成型フィルムと成型金型との位置合わせを行う方法としては、雌型が有する位置合わせ穴へ、雄型が有する固定ピンを挿入して保持する方法がある。
ここで、位置合わせ穴は、雌型において、加飾成型フィルムの端部(成型後に三次元形状が付与されない位置)予め形成されている。
また、固定ピンは、雄型において、位置合わせ穴と嵌合する位置に、予め形成されている。
また、成型金型へ加飾成型フィルムを挿入した状態で、加飾成型フィルムと成型金型との位置合わせを行う方法としては、位置合わせ穴へ固定ピンを挿入する方法以外にも、以下の方法を用いることが可能である。
例えば、加飾成型フィルムのうち成型後に三次元形状が付与されない位置に予め付した位置合わせマークに目標として、加飾成型フィルムの搬送装置側の駆動により微調整して合わせ込む方法が挙げられる。この方法の場合、位置合わせマークは、射出成型品(加飾成型体)の製品部分から見て、対角2点以上で認識するのが好ましい。
加飾成型フィルムと成型金型との位置合わせを行い、成型金型を型閉じした後に、加飾成型フィルムを挿入した成型金型内に溶融樹脂を射出する。射出時には、加飾成型フィルムの成型用基材側に溶融樹脂を射出する。
成型金型内に射出される溶融樹脂の温度は、使用する樹脂の物性等に応じて設定する。例えば、使用する樹脂がアクリル樹脂であれば、溶融樹脂の温度は、240℃以上260℃以下の範囲内とすることが好ましい。
なお、雄型が有する注入口(射出口)の位置を、溶融樹脂を成型金型内へ射出する際に発生する熱やガスにより、加飾成型フィルムが異常に変形することを抑制する目的で、成型金型の形状や溶融樹脂の種類に合わせて設定してもよい。
加飾成型フィルムを挿入した成型金型内に射出した溶融樹脂が固化した後、成型金型を型開きして、成型金型から、固化した溶融樹脂である成型基材に加飾成型フィルムが固定化された中間加飾成型体を取り出す。
中間加飾成型体は、最終的に製品(加飾成型体)となる加飾部の周囲に、バリと、加飾成型体のダミー部分が一体化している。ここで、ダミー部分には、上述した位置合わせにおいて、固定ピンが挿通されて形成された挿通孔が存在している。
このため、仕上げ加工前の中間加飾成型体における加飾部から、上記のバリとダミー部分を取り除く仕上げ加工を施すことにより、加飾成型体を得ることができる。
上記のようにして得られた加飾成型体を露光して、加飾フィルム中の着色層の硬化度を高めてもよい。
この露光を行うことで、着色層と透明フィルムとの間及び着色層と加飾成型体との間の密着性が更に高まり、熱等に対する耐久性が更に向上する。
本開示に係る加飾フィルム及び加飾成型フィルムは、立体成型も好適に挙げられる。
立体成型は、熱成型、真空成型、圧空成型、真空圧空成型などが好適に挙げられる。
真空成型する方法としては、特に制限されるものではないが、立体成型を、真空下の加熱した状態で行う方法が好ましい。
真空とは、室内を真空引きし、100Pa以下の真空度とした状態を指す。
立体成型する際の温度は、用いる成型用基材に応じ適宜設定すればよいが、60℃以上の温度域が好ましく、80℃以上の温度域がより好ましく、100℃以上の温度域が更に好ましい。立体成型する際の温度の上限は、200℃が好ましい。
立体成型する際の温度とは、立体成型に供される成型用基材の温度を指し、成型用基材の表面に熱電対を付すことで測定される。
上記の真空成型は、成型分野で広く知られている真空成型技術を利用して行うことができ、例えば、日本製図器工業(株)製のFormech508FSを用いて真空成型してもよい。
上記のようにして得られた加飾成型体の用途としては、特に制限はなく、種々の物品に用いることができるが、自動車の内外装、電気製品の内外装、包装容器等が特に好適に挙げられる。
以下に実施例を挙げて本開示を更に具体的に説明する。本開示の範囲は以下に示す具体例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」及び「%」は質量基準である。
<加飾フィルム形成用の各組成物の調製>
〔着色層形成用組成物の調製〕
下記の組成を有する着色層形成用組成物1を調製した。
黒色顔料分散液:302.9質量部
バインダー樹脂:253.9質量部
重合性化合物:74.4質量部
重合開始剤:0.9質量部
界面活性剤:0.4質量部
有機溶剤:367.5質量部
上記各化合物の詳細を、以下に示す。
・バインダー樹脂:ベンジルメタクリレート/メタクリル酸(モル比70/30)の共重合体(重量平均分子量Mw:29,000)の40質量%1−メトキシ−2−プロピルアセテート溶液
・重合性化合物:サートマー・ジャパン(株)製、ウレタンアクリレートオリゴマー、CN−996NS(固形分:100質量%)
・重合開始剤:BASF社製、OXE−02(1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]エタノン−1−(O−アセチルオキシム))・界面活性剤:DIC(株)製、メガファック(登録商標)F−551、パーフルオロアルキル基含有リン酸エステル型アミン中和物のメチルイソブチルケトン溶液(固形分:30質量%)
・有機溶剤:メチルエチルケトン
〔黒色顔料分散液の調製〕
以下の黒色顔料分散液の組成となるようにカーボンブラック、分散剤、ポリマー及び溶剤を混合し、3本ロールとビーズミルを用いて黒色顔料分散液を得た。なお、マイクロトラックFRA(ハネウェル社)を用いて測定した平均粒子径(メジアン径)は、163nmであった。
−黒色顔料分散液の組成−
・特許第5320652号公報の段落0036〜0042の記載に従って作製した樹脂被覆カーボンブラック:20.0質量%
・分散剤1(下記構造):1.0質量%
・ポリマー(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=72/28モル比のランダム共重合体物、重量平均分子量3.0万):6.0質量%
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート:73.0質量%
Figure 2020008960
<加飾フィルムの作製>
〔仮支持体の準備〕
仮支持体として、剥離層付きPETフィルム(ユニピールTR−6,厚さ75μm、ユニチカ(株)製)を準備した。
〔着色層の形成(着色層を形成する工程)〕
エクストルージョンコーターを使用し、仮支持体の剥離層塗布面上に、着色層形成用組成物1を、乾燥後の厚さが8μmとなるように塗布して、着色層形成用組成物層を形成し、これを110℃2分乾燥させて着色層を形成した。その後、カバーフィルムとしてポリエチレンフィルム(厚さ35μm、タマポリ(株)製GF−8)を接着させた。
その後、形成された着色層及び仮支持体の積層体の両面から、露光量500mJ/cm (i線)で全面露光した。
〔透明フィルムの準備〕
透明フィルムとして、テクノロイS001G(厚さ100μmのアクリル樹脂フィルム、住化アクリル販売(株)製)を準備した。
<樹脂層及び色変化層Aの作製>
〔透明フィルム(樹脂層)の面上への色変化層Aの形成〕
後述する色変化層A形成用組成物を用い、上記透明フィルムの上に、表1に記載の屈折率及び厚みを有する色変化層Aを形成した。
具体的には、透明フィルムの上に、エクストルージョンコーターを使用し、透明フィルムの一方の面に、色変化層A形成用組成物である塗布液を、表1に記載の厚み(乾燥後の厚み)となる量で塗布して、これを80℃2分乾燥させることにより色変化層Aを形成した。その後、形成された色変化層A側から、露光量300mJ/cm(i線)で全面露光した。
〔色変化層Bの形成〕
次いで、上記色変化層A上に表1に記載の屈折率及び厚みを有する色変化層Bを形成した。
具体的には、エクストルージョンコーターを使用し、色変化層A上に色変化層B形成用組成物である塗布液を、表1に記載の厚み(乾燥後の厚み)となる量で塗布して、これを80℃2分乾燥させることにより色変化層Bを形成した。その後、形成された色変化層B側から、露光量300mJ/cm(i線)で全面露光した。ただし、実施例3については、露光していない。
〔着色層と透明フィルム(樹脂層)とのラミネート〕
着色層からカバーフィルムを剥離した後に、透明フィルムの非塗布面が着色層に接するようにラミネートした。
ラミネート条件は、ロール温度:90℃、線圧100N/cm、搬送速度0.1m/分で行った。
〔粘着層の作製〕
露光後の積層体から仮支持体を剥離した後、両面に保護フィルムを有する粘着シート(G25、日栄化工(株)製)の片面の保護フィルムを剥離した後、仮支持体を剥離した面に粘着シートをラミネートした(温度:30℃、線圧100N/cm、搬送速度0.1m/分)。片面の保護フィルムは剥離しなかった。
これにより、保護フィルム、粘着層、着色層、樹脂層、色変化層A及び色変化層Bからなる実施例1〜実施例18の加飾フィルムが形成された。
以下に各実施例比較例で使用した色変化層A形成用組成物、及び、色変化層B形成用組成物の詳細を示す。
以下の実施例において、以下の略語はそれぞれ以下の化合物を表す。
エトキシ化O−フェニルフェノールアクリレート:新中村化学工業(株)製
SZR−M:酸化ジルコニウム分散液、堺化学工業(株)製SZR−M、30質量%メタノール溶液、メジアン径:3nm
SZR−CW:酸化ジルコニウム分散液、堺化学工業(株)製SZR−CW、30質量%水溶液、メジアン径:6nm
HTD−780T:酸化チタン粒子、テイカ(株)製HTD−780T
Irgacure2959(1%メタノール希釈):重合開始剤、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、BASF社製、1質量%メタノール希釈液
Irgacure2959(粉体):重合開始剤、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、BASF社製、粉体
F−444(1%メタノール希釈):フッ素系界面活性剤、DIC(株)製、1質量%メタノール希釈液
F−444(原液):フッ素系界面活性剤、DIC(株)製、原液
F−444(1%蒸留水希釈):フッ素系界面活性剤、DIC(株)製、1質量%蒸留水希釈液
PET−30:多官能アクリルモノマー、日本化薬(株)製PET−30、ペンタエリスリトールトリアクリレートとペンタエリスリトールテトラアクリレートとの混合物
エポクロスWS−700:(株)日本触媒製 エポクロスWS−700、オキサゾリン基含有ポリマー
プラスコートZ687:互応化学工業(株)製 ポリエステル樹脂
ハイドランHW−350:DIC(株)製 ポリウレタン樹脂
M−510:多官能アクリルオリゴマー、東亞合成(株)製M−510、多塩基酸変性アクリルオリゴマー
M−1200:東亞合成(株)製M−1200、2官能ウレタンアクリレート
M−270:東亞合成(株)製M−270、2官能ウレタンアクリレート
スルーリア4110:中空シリカ粒子、日揮触媒化成(株)製スルーリア4110、平均粒子径60nm
MEK:メチルエチルケトン(富士フイルム和光純薬(株)製)
(実施例1)
〔色変化層A形成用組成物の組成〕
・エトキシ化O−フェニルフェノールアクリレート:3.65質量部
・SZR−M:18.41質量部
・Irgacure2959(1%メタノール希釈):3.65質量部
・F−444(1%メタノール希釈):2.72質量部
・メタノール:71.56質量部
〔色変化層B形成用組成物の組成〕
・多官能アクリルモノマー PET−30:67.28質量部
・MEK:29.92質量部
・F−444(1%メタノール希釈):2.80質量部
(実施例2)
色変化層A形成用組成物は、実施例1と同じものを使用した。
〔色変化層B形成用組成物の組成〕
・多官能アクリルオリゴマー(M−510):6.26質量部
・中空シリカ粒子(スルーリア4110):93.06質量部
・Irgacure2959(粉体):0.66質量部
・F−444(原液):0.02質量部
(実施例3)
色変化層A形成用組成物は、実施例1の色変化層B形成用組成物と同じものを使用した。
〔色変化層B形成用組成物の調製〕
−エマルジョン粒子分散液1の組成−
・ヘキサデカン(n−ヘキサデカン、富士フイルム和光純薬(株)製):2.77部
・Ca−1(ヘキサデシルピリジニウムクロリド10%蒸留水希釈、カチオン界面活性剤、富士フイルム和光純薬(株)製):4.42部
・蒸留水:42.81部
エマルジョン粒子分散液1の調製は、詳細には、以下の手順で行った。
ヘキサデカン、Ca−1及びイオン交換水を混合し、日本エマソン(株)製超音波ホモジナイザーSonifier450を用いて、氷水で冷やし、かつ撹拌しながら30分間処理することにより、水中にヘキサデカンのエマルションが存在する分散液を得た。
−コアシェル粒子分散液1の組成−
・エマルジョン粒子分散液1:35.94部
・蒸留水:2.84部
・酢酸(5%蒸留水希釈):1.26部
・MS−51(式1で表される化合物、三菱ケミカル(株)製)9.96部
なお、MS−51は、上記式1におけるR、R及びRがメチル基であり、mが2であり、nが平均5である化合物である。
次いで、エマルジョン粒子分散液1に、MS−51、酢酸、蒸留水を添加し、添加後更に25℃で16時間撹拌することにより、非極性溶剤をコア材として含むコアシェル粒子、式1で表される化合物、界面活性剤及び水を含むコアシェル粒子分散液1を得た。
−色変化層B形成用組成物の組成−
・コアシェル粒子分散液1:15.04部
・イオン交換水:79.46部
・F−444(1%蒸留水希釈):5.50部
次いで、コアシェル粒子分散液1にイオン交換水、F−444を添加し、25℃で2日間撹拌することにより、実施例3の色変化層B形成用組成物を得た。
(実施例4)
色変化層A形成用組成物は、実施例1の色変化層B形成用組成物と同じものを使用した。
〔色変化層B形成用組成物の組成〕
・多官能アクリルオリゴマー(M−510):0.60質量部
・中空シリカ粒子(スルーリア4110):8.95質量部
・Irgacure2959(粉体):0.06質量部
・F−444(1%メタノール希釈):4.87質量部
・メタノール:85.51質量部
(実施例5〜7)
色変化層A形成用組成物は、実施例1の色変化層B形成用組成物と同じものを使用した。
色変化層B形成用組成物は、実施例4と同じものを使用した。
(実施例8〜10)
色変化層A形成用組成物は、実施例1と同じものを使用した。
色変化層B形成用組成物は、実施例2と同じものを使用した。
(実施例11)
〔色変化層A形成用組成物の組成〕
・エトキシ化O−フェニルフェノールアクリレート:5.90質量部
・酸化ジルコニウム分散液(SZR−M):10.83質量部
・Irgacure2959(1%メタノール希釈):5.90質量部
・F−444(1%メタノール希釈):4.54質量部
・メタノール:72.83質量部
色変化層B形成用組成物は、実施例2と同じものを使用した。
(実施例12)
〔色変化層A形成用組成物の組成〕
・エトキシ化O−フェニルフェノールアクリレート:7.74質量部
・酸化ジルコニウム分散液(SZR−M):4.64質量部
・Irgacure2959(1%メタノール希釈):7.74質量部
・F−444(1%メタノール希釈):4.54質量部
・メタノール:75.34質量部
色変化層B形成用組成物は、実施例2と同じものを使用した。
(実施例13)
色変化層A形成用組成物は、実施例12と同じものを使用した。
色変化層B形成用組成物は、実施例1と同じものを使用した。
(実施例14)
〔色変化層A形成用組成物の組成〕
・エトキシ化O−フェニルフェノールアクリレート:8.20質量部
・酸化チタン粒子(HTD−780T):3.09質量部
・Irgacure2959(1%メタノール希釈):8.20質量部
・F−444(1%メタノール希釈):4.54質量部
・メタノール:75.97質量部
色変化層B形成用組成物は、実施例4と同じものを使用した。
(実施例15)
色変化層A形成用組成物は、実施例1と同じものを使用した。
〔色変化層B形成用組成物の組成〕
・多官能アクリルオリゴマー(M−510):10.37質量部
・中空シリカ粒子(スルーリア4110):70.28質量部
・Irgacure2959(粉体):1.09質量部
・F−444(原液):0.04質量部
・メタノール:18.22質量部
(実施例16)
色変化層A形成用組成物は、実施例1と同じものを使用した。
〔色変化層B形成用組成物の組成〕
・多官能アクリルオリゴマー(M−510):14.63質量部
・中空シリカ粒子(スルーリア4110):46.74質量部
・Irgacure2959(粉体):1.54質量部
・F−444(原液):0.04質量部
・メタノール:37.05質量部
(実施例17)
色変化層A形成用組成物は、実施例3と同じものを使用した。
〔色変化層B形成用組成物の組成〕
・多官能アクリルオリゴマー(M−510):2.79質量部
・中空シリカ粒子(スルーリア4110):8.91質量部
・Irgacure2959(粉体):0.29質量部
・F−444(原液):0.05質量部
・メタノール:87.96質量部
(実施例18)
〔色変化層A形成用組成物の組成〕
・ウレタンアクリレートモノマー(M−1200):67.14質量部
・MEK:29.86質量部
・Irgacure2959(粉体):0.20質量部
・F−444(1%メタノール希釈):2.78質量部
色変化層B形成用組成物は、実施例4と同じものを使用した。
(実施例19)
実施例1において、残った粘着シートの保護フィルムを剥離した後、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS)フィルム(ABSバッカーともいう。)をラミネート(厚さ250μm、オカモト(株)製、ラミネート温度:30℃、線圧100N/cm、搬送速度0.1m/分)することにより、ABS、粘着層、着色層、透明フィルム、樹脂層が順に並んだ、実施例19の加飾成型フィルムを作製した。
(実施例20)
〔色変化層A形成用組成物の組成〕
・ポリエステル樹脂(プラスコートZ687):146.24質量部
・酸化ジルコニウム分散液(SZR−CW):185.19質量部
・フッ素系界面活性剤(ナトリウム=ビス(3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロヘキシル)=2−スルホナイトオキシスクシナート、富士フイルムファインケミカルズ(株)製、1%水希釈):27.23質量部
・イオン交換水:257.09質量部
・エタノール(95):384.25質量部
〔色変化層B形成用組成物の組成〕
・アクリレートモノマー(M−270):555.12質量部
・MEK:444.10質量部
・Irgacure2959(粉体):0.56質量部
・F−444(1%メタノール希釈):0.22質量部
(実施例21)
〔色変化層A形成用組成物の組成〕
・ポリウレタン樹脂(ハイドランHW−350):121.86質量部
・酸化ジルコニウム分散液(SZR−CW):185.19質量部
・フッ素系界面活性剤(ナトリウム=ビス(3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロヘキシル)=2−スルホナイトオキシスクシナート、富士フイルムファインケミカルズ(株)製、1%水希釈):27.23質量部
・イオン交換水:281.47質量部
・エタノール(95):384.25質量部
〔色変化層B形成用組成物の組成〕
色変化層B形成用組成物は、実施例20と同じものを使用した。
(実施例22)
〔色変化層A形成用組成物の組成〕
・アクリル樹脂(エポクロスWS−700):109.76質量部
・酸化ジルコニウム分散液(SZR−CW):215.58質量部
・フッ素系界面活性剤(ナトリウム=ビス(3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロヘキシル)=2−スルホナイトオキシスクシナート、富士フイルムファインケミカルズ(株)製、1%水希釈):27.23質量部
・イオン交換水:263.17質量部
・エタノール(95):384.25質量部
〔色変化層B形成用組成物の組成〕
色変化層B形成用組成物は、実施例20と同じものを使用した。
(比較例1)
色変化層A形成用組成物は、実施例1の色変化層B形成用組成物と同じものを使用した。
〔色変化層B形成用組成物の組成〕
・多官能アクリルオリゴマー(M−510):3.46質量部
・中空シリカ粒子(スルーリア4110):5.46質量部
・Irgacure2959(粉体):0.36質量部
・F−444(1%メタノール希釈):4.75質量部
・メタノール:85.97質量部
(比較例2)
色変化層A形成用組成物は、実施例1の色変化層B形成用組成物と同じものを使用した。
また、色変化層Bは、形成しなかった。
(比較例3)
色変化層A形成用組成物は、実施例1の色変化層B形成用組成物と同じものを使用した。
〔色変化層B形成用組成物の組成〕
・多官能アクリルモノマー(PET−30):4.91質量部
・MEK:90.34質量部
・F−444(1%メタノール希釈):4.75質量部
(比較例4)
色変化層B形成用組成物は、比較例1と同じものを使用した。
また、色変化層Aは、形成しなかった。
各実施例比較例において得られた加飾フィルムを使用し、以下の評価を行った。評価結果をまとめて表1に示す。
〔立体成型性の評価〕
自動車のエンブレムを想定し、直径10cm、高さ3mmの円柱状のステンレス製部材に対し、延伸時のひび割れ等発生しないか立体成型性の評価を行った。試験に先立ち、ABSをラミネートした実施例19は、得られたフィルムをそのまま用い、それ以外の実施例及び比較例については、粘着シートの保護シートを剥離後、ABSフィルムをラミネート(厚さ250μm、オカモト(株)をラミネート温度:30℃、線圧100N/cm、搬送速度0.1m/分)した後に試験を行った。
円柱状部材を用いて、得られた加飾フィルムを、加熱温度を120℃にて、真空成型し、表面に割れが発生したか否かを目視にて評価した。
A:表面に割れが発生しなかった
B:表面に割れが発生した
〔意匠性(色変化性)の評価〕
得られた加飾フィルムを、日本分光(株)製紫外可視赤外分光光度計V−560、及び、絶対反射率測定装置ARV−474を用いて、正反射率を測定することにより意匠性を評価した。
意匠性評価には、得られた加飾フィルムの可視光(波長380nm〜780nm)における反射率の最高値Rmaxを波長700nmにおける反射率R700nmで除算した値Rdesを用いた。Rdesが大きいほど、色変化性に優れることを意味する。
評価基準は、Rdesの値に応じ、以下の通りである。A〜Cであることが好ましい。
A:2%以上
B:1.5%以上2%未満
C:1%以上1.5%未満
D:0.5%以上1%未満
E:0.5%未満
〔黒しまり性の評価〕
得られた加飾フィルムについて、フィルムと垂直方向を0°とした際、45°の角度から視認し、蛍光灯を反射させた際のフィルムの黒さについて、官能評価行った。評価基準を以下に示す。また、評価結果としては、Aが好ましい。
A:蛍光灯の反射が抑えられている。
B:蛍光灯が強く映り込み、全体に白っぽく見える。
〔耐傷性の評価〕
得られた加飾フィルムの耐傷性評価は、新東科学(株)製表面性測定機Heidon Type 18Sを用いたスチールウール擦り試験により行った。スチールウール擦り試験は、30mmφの日本スチールウール(株)製ボンスター業務用等級#0000を加飾フィルム表面に押し当て(荷重50g)、揺動ストローク50mm、揺動速度1000mm/分、10往復の条件で行った後に外観を目視評価することにより評価した。評価基準を以下に示す。評価結果としては、Aが好ましい。
A:傷の本数が20本以下である
B:傷の本数が20本より多い
Figure 2020008960
なお、表1における略称の詳細は、以下の通りである。
アクリル1:エトキシ化O−フェニルフェノールアクリレート、又は、その重合体
アクリル2:日本化薬(株)製PET−30、又は、その重合体
シロキサン1:MS−51(三菱化学(株)製)の加水分解縮合物
アクリル4:東亞合成(株)製M−510、又は、その重合体
アクリル5:東亞合成(株)製M−510、又は、その重合体
アクリル6:東亞合成(株)製M−510、又は、その重合体
アクリル7:東亞合成(株)製M−270、又は、その重合体
アクリル8:(株)日本触媒製エポクロスWS−700
ウレタン:M−1200、又は、その重合体
ポリエステル:互応化学工業(株)製プラスコートZ687
ポリウレタン:DIC(株)製ハイドランHW−350
ZrO−A:SZR−M
ZrO−B:SZR−CW
TiO:HTD−780T
中空シリカ:日揮触媒化成(株)製スルーリア4110
表1に記載の結果より、実施例1〜18及び20〜22の加飾フィルム、並びに、実施例19の加飾成型フィルムは、比較例1〜4の加飾フィルムに比べ、色変化性(意匠性)に優れる。
また、表1に記載の結果より、実施例1〜18及び20〜22の加飾フィルム、並びに、実施例19の加飾成型フィルムは、立体成型性、黒しまり性、及び、耐傷性にも優れる。
2018年7月2日に出願された日本国特許出願第2018−126373号の開示は、その全体が参照により本明細書に取り込まれる。
本明細書に記載された全ての文献、特許出願、及び、技術規格は、個々の文献、特許出願、及び、技術規格が参照により取り込まれることが具体的かつ個々に記された場合と同程度に、本明細書中に参照により取り込まれる。
10:加飾フィルム、12:粘着層、14:保護フィルム、16:成型用基材、20:積層体、22:仮支持体、24:着色層、26:樹脂層、28:色変化層A、30:色変化層B、40:加飾成型フィルム

Claims (19)

  1. 仮支持体、
    着色層、
    樹脂及び重合性化合物よりなる群から選ばれた少なくとも1種の化合物を含む色変化層A、並びに、
    色変化層Bをこの順に有し、
    前記色変化層Bが、前記色変化層Aよりも屈折率が0.1以上低い層である
    加飾フィルム。
  2. 前記着色層が、樹脂及び重合性化合物よりなる群から選ばれた少なくとも1種の化合物を含む請求項1に記載の加飾フィルム。
  3. 前記着色層の厚みが、3μm以上である請求項1又は請求項2に記載の加飾フィルム。
  4. 前記着色層が、着色剤として、顔料を含む請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の加飾フィルム。
  5. 前記着色層が、ウレタン結合、及び、炭素数2又は3のアルキレンオキシ基よりなる群から選ばれる少なくとも1種の部分構造を有する2官能又は3官能重合性化合物を少なくとも硬化してなる層である請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の加飾フィルム。
  6. 前記色変化層Bが、前記色変化層Aよりも屈折率が0.25以上低い層である請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の加飾フィルム。
  7. 前記色変化層Aの屈折率が、1.6以上である請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の加飾フィルム。
  8. 前記色変化層Aが、酸化ジルコニウム又は酸化チタンを更に含む請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の加飾フィルム。
  9. 前記色変化層Bの屈折率が、1.4以下である請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の加飾フィルム。
  10. 前記色変化層Bが、空隙を有するシロキサン樹脂、フッ素樹脂、及び、中空シリカ粒子よりなる群から選ばれた少なくとも1つを含む請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載の加飾フィルム。
  11. 前記色変化層Aの厚みが5μm以上であるか、又は、前記色変化層Bの厚みが5μm以上である請求項1〜請求項10のいずれか1項に記載の加飾フィルム。
  12. 前記色変化層Aの厚みが5μm以上であり、かつ前記色変化層Bの厚みが1μm以下である請求項1〜請求項11のいずれか1項に記載の加飾フィルム。
  13. 前記色変化層Aの厚みが1μm以下であり、かつ前記色変化層Bの厚みが5μm以上である請求項1〜請求項11のいずれか1項に記載の加飾フィルム。
  14. 成型用加飾フィルムである請求項1〜請求項13のいずれか1項に記載の加飾フィルム。
  15. 請求項1〜請求項14のいずれか1項に記載の加飾フィルムから前記仮支持体を剥離する工程と、
    前記仮支持体を剥離した前記加飾フィルムを前記着色層側から基材に貼り付ける工程とを含む
    加飾方法。
  16. 前記仮支持体を剥離した前記加飾フィルムにおける前記仮支持体を剥離した面に粘着層を形成する工程を更に含む請求項15に記載の加飾方法。
  17. 前記基材が、成型用基材である、請求項15又は請求項16に記載の加飾方法。
  18. 請求項1〜請求項14のいずれか1項に記載の加飾フィルムから前記仮支持体を剥離する工程と、
    前記仮支持体を剥離した前記加飾フィルムを前記着色層側から成型用基材に貼り付ける工程と、
    前記加飾フィルムが貼り付いた前記成型用基材を成型する工程とを含む
    加飾成型体の製造方法。
  19. 基材、
    着色層、
    樹脂及び重合性化合物よりなる群から選ばれた少なくとも1種の化合物を含む色変化層A、並びに、
    色変化層Bをこの順に有し、
    前記色変化層Bが、前記色変化層Aよりも屈折率が0.1以上低い層である
    加飾成型フィルム。
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