以下に、本発明の実施の形態に係る輸送管理システム、輸送管理装置、輸送管理方法およびプログラムについて図面を参照して詳細に説明する。なお、図中同一または相当する部分には同じ符号を付す。
本実施の形態の輸送管理システムでは、製品を生産する生産拠点を含む複数の拠点間で製品を輸送する輸送車両が車載装置を有する。車載装置は、自身が搭載された輸送車両の状態を示す車両状態情報、および、自身が搭載された輸送車両の位置を示す緯度経度情報を取得し、輸送管理装置に送信する。生産拠点で使用される生産拠点端末は、製品の完成時刻を示す完成時刻情報を取得し、輸送管理装置に送信する。輸送管理装置は、受信した完成時刻情報、車両状態情報および緯度経度情報と、予め記憶する情報とに基づいて、生産拠点に到着した輸送車両が次の拠点までの輸送で自動車専用道路を使用するか否かを判定し、当該輸送車両の車載装置に判定結果を表示させる。自動車専用道路とは、一般道よりも定められた最高速度が早い道路である。例えば、中国およびタイではエクスプレスウェイ、アメリカではハイウェイ、ドイツではアウトバーンがこれに当たる。
ここで、図1を用いて本発明の実施の形態に係る輸送管理システムの構成について説明する。図1に示すように、輸送管理システム100は、輸送管理装置1と、生産拠点端末2と、車載装置3とを備える。生産拠点端末2は、機能構成として、製品が完成した日時を示す完成時刻情報の入力を受け付ける入力部21と、完成時刻情報を送信する通信部22とを備える。担当者は、生産拠点において1ロットの製品が完成するごとに、完成時刻情報を入力部21に入力する。1ロットの製品の完成とは、1ロットの製品が製造され、梱包され、倉庫まで搬送されることを含む。入力部21は、担当者が入力した完成時刻情報を通信部22に送る。通信部22は入力部21から受け取った完成時刻情報を輸送管理装置1に送信する。入力部21および通信部22はそれぞれ、本発明における完了時刻情報取得部および第1送信部の例である。
車載装置3は、機能構成として、輸送車両の状態を示す車両状態情報の入力を受け付ける入力部31と、現在位置の緯度経度を計測して輸送車両の位置を示す緯度経度情報を生成する計測部32と、車両状態情報および緯度経度情報を送信する通信部33と、通信部33が受信した情報を表示する表示部34とを備える。輸送車両の状態が変化すると、輸送車両の運転手が入力部31に輸送車両の状態を入力する。ここでは、輸送車両の状態は、作業、移動、待機、および、休憩の4つの状態があることとする。作業は、到着した拠点の荷積みまたは荷下ろしを行うバースで、作業者が作業をしている状態を示す。移動は、拠点間を移動している状態を示す。待機は、到着した拠点のバースに先着の輸送車両が存在しており待機している状態を示す。休憩は、輸送車両を停車して休憩中の状態を示す。入力部31は、運転手が入力した日時と輸送車両の状態とを示す車両状態情報を生成し、通信部33に送る。通信部33は車両状態情報を受け取ると、輸送管理装置1に送信する。
計測部32は、一定の間隔で現在位置の緯度経度を計測する。例えば1秒間に1回測位する1Hz測位、1秒間に10回測位する10Hz測位などがある。計測部32は、定期的に計測日時と計測した緯度経度とを示す緯度経度情報を生成し、通信部33に送る。本実施の形態では、計測部32は、1分おきに緯度経度情報を生成し、通信部33に送る。通信部33は緯度経度情報を受け取ると、輸送管理装置1に送信する。入力部31、計測部32および通信部33はそれぞれ、本発明における車両状態情報取得部、位置情報取得部および第2送信部の例である。
輸送管理装置1は、機能構成として、生産拠点端末2および車載装置3と情報の送受信をする通信部11、製品の生産に関する情報を記憶する生産関連記憶部12、および、製品の輸送に関する情報を記憶する輸送関連記憶部13を備える。また、輸送管理装置1は、生産拠点で当日製造される製品の容積および床面積を予測する容積床面積予測部14、生産拠点に到着した輸送車両の各拠点への到着時刻および各拠点からの出発時刻を予測する発着時刻予測部15、各拠点のバースの使用状況を予測するバース使用状況予測部16、および、生産拠点に到着した輸送車両が次の拠点までの移動に自動車専用道路を利用するか否かを判定する利用道路判定部17を備える。
通信部11は、生産拠点端末2から完成時刻情報を取得し、車載装置3から車両状態情報および緯度経度情報を取得する。通信部11は、取得した完成時刻情報を生産関連記憶部12に記憶し、取得した車両状態情報および緯度経度情報を輸送関連記憶部13に記憶する。通信部11は、本発明における受信部の例である。
生産関連記憶部12には、通信部11によって記憶された完成時刻情報に加え、生産拠点における製品の生産計画を示す生産計画情報と、製品の仕様を示す製品情報とが記憶されている。生産計画情報および製品情報は、予め記憶されていてもよいし、ユーザが入力する構成にしてもよいし、外部のサーバから取得する構成にしてもよい。生産関連記憶部12は、本発明における第1記憶部の例である。
ここで、図2を用いて、生産関連記憶部12が記憶する製品情報について説明する。図2に示す製品情報は、製品の名称を示す「製品」と、1ロットの製品を製造するのにかかる時間であるリードタイムを示す「リードタイム」と、1ロットの製品の製造に着手してから次の1ロットの製品の製造に着手するまでにかかる時間であるサイクルタイムを示す「サイクルタイム」と、1ロットの製品の大きさを示す「幅」、「奥行き」および「高さ」である「1ロットサイズ」と、製品のロットの段積み可能数を示す「段積み可能数」と、1ロットの製品の個数を示す「ロット個数」との項目を有する。図2の製品情報では、例えば、製品Paの、リードタイムは2時間30分、サイクルタイムは3分、1ロットの製品の大きさは幅800mm・奥行き1000mm・高さ1200mm、段積み可能数は2段、1ロットの製品の個数は1個である。「製品」の項目は、製品の名称に限らず、製品を識別する情報であればよい。
続いて、図3を用いて、生産関連記憶部12が記憶する生産計画情報について説明する。図3に示す生産計画情報は、製品を製造する日付を示す「日付」と、製造する製品の名称を示す「製品」と、使用する製造ラインを示す「製造ライン」と、製造する製品の個数を示す「製造個数」と、製造に着手する予定時刻を示す「着手予定時刻」と、予め決められた1日の休憩時間を示す「休憩時間」との項目を有する。図3の生産計画情報では、例えば、2018/03/01に製造する製品Paについて、製造ラインはL1、製造個数は10個、着手予定時刻は9:00、休憩時間は0:45である。「製品」の項目は、製品の名称に限らず、製品を識別する情報であればよい。「製造個数」の項目は、製造する製品のロット数であってもよい。「製造個数」の項目が製造する製品のロット数である場合には、製品情報に「ロット個数」の項目は含まなくてもよい。また、生産拠点の製造ラインが1つの場合、「製造ライン」の項目はなくてもよい。
続いて、図4を用いて、生産関連記憶部12が記憶する完成時刻情報について説明する。図4に示す完成時刻情報は、当日の日付を示す「日付」と、製造した製品の名称を示す「製品」と、当日製造される同じ製品の各ロットに対して製造される順に連番で付与される番号である「ロットNO.」と、当該ロットが完成した時刻を示す「完成時刻」との項目を有する。「製品」の項目は、製品の名称に限らず、製品を識別する情報であればよい。「ロットNO.」の項目は、連番に限らず、ロットを識別する情報であればよい。図4の完成時刻情報では、製品PaのロットNO.1〜4のロットがすでに完成しており、ロットNO.5〜10のロットはまだ完成していない。
図1に戻り、容積床面積予測部14は、完成時刻情報が生産関連記憶部12に記憶されると、生産拠点において当日生産される製品の容積および床面積を予測する。以下の説明において、当日は2018/03/01とする。容積床面積予測部14は、当日の生産計画情報を参照し、完成時刻情報が示す製品の製造ロット数を算出する。容積床面積予測部14は、製品の各ロットに、ロットを識別する情報を付与する。容積床面積予測部14は、製品情報に基づいて、製品の1ロットの容積および床面積を算出する。
具体的には、容積床面積予測部14は、生産計画情報および製品情報に基づいて、生産計画における製品の各ロットの完成予定時刻を算出する。容積床面積予測部14は、完成時刻情報が示す完成済のロットの最新の完成時刻と完成予定時刻との差である生産実績差を算出する。容積床面積予測部14は、生産実績差を用いて未完成のロットの完成予定時刻を調整した調整時刻を算出する。容積床面積予測部14は、完成済のロットの完成時刻および未完成のロットの調整時刻に、完成する1ロットの製品の容積および床面積が増えるものとして、生産拠点で当日製造される製品の容積および床面積を予測する。以下、容積床面積予測部14が予測した容積を予測容積、予測した床面積を予測床面積という。
容積床面積予測部14は、予測容積および予測床面積を示す予測容積床面積情報を生成し、利用道路判定部17に送る。また、容積床面積予測部14は、生産計画情報において完成時刻情報が示す製品と同じ製造ラインで製造される製品の着手予定時刻を生産実績差に基づいて補正し、生産計画情報を更新する。容積床面積予測部14は、本発明における物量予測部の例である。なお、製品の各ロットの完成予定時刻は、予め計算されていてもよいし、生産計画情報に含んでもよい。
ここで、図5を用いて、容積床面積予測部14が生成する予測容積床面積情報について説明する。図5に示す予測容積床面積情報は、当日の日付を示す「日付」と、製造する製品の名称を示す「製品」と、各ロットを識別する「ロットNO.」と、製品の段積み可能数を示す「段積み可能数」と、当該ロットの製造に着手する予定時刻を示す「ロット着手予定時刻」と、当該ロットの製造中の休憩時間を示す「休憩時間」と、当該ロットが完成する予定時刻を示す「完成予定時刻」と、1ロットの製品の容積を示す「容積」と、1ロットの製品を置いた場合に占有する床面積を示す「床面積」と、当該ロットが完成した時刻を示す「完成時刻」と、当該ロットが未完成の場合に完成済のロットの最新の完成時刻に基づいて完成予定時刻を調整した調整時刻を示す「調整時刻」と、「調整時刻」の時点で完成済の製品のロットの予測容積を示す「予測容積」と、「調整時刻」の時点で完成済の製品のロットの予測床面積を示す「予測床面積」との項目を有する。当該ロットが完成済みの場合は、「調整時刻」の項目には完成時刻が記録される。図中の括弧書きの時刻は完成時刻である。「製品」の項目は、製品の名称に限らず、製品を識別する情報であればよい。「ロットNO.」の項目は、ロットNO.に限らず、ロットを識別する情報であればよい。
図5に示す予測容積床面積情報は、生産拠点において当日製造される製品Paの予測容積および予測床面積を示している。図5に示す予測容積床面積情報を生成するにあたり、容積床面積予測部14は、図2に示す製品情報の中から「製品」が製品Paの製品情報を参照する。容積床面積予測部14は、図3に示す生産計画情報の中から、「日付」が2018/03/01で「製品」が製品Paの生産計画情報を参照する。容積床面積予測部14は、図4に示す完成時刻情報を参照する。
容積床面積予測部14は、生産計画情報の製品Paの「製造個数」の値を製品情報の「ロット個数」の値で除算して、製品Paの製造ロット数を算出する。ここでは、10÷1=10個のロットを製造する。容積床面積予測部14は、当日製造する製品Paの10個のロットに対し連番で1〜10までの番号を付与し、「ロットNO.」の項目に記録する。容積床面積予測部14は、「段積み可能数」の項目には、製品情報の製品Paの「段積み可能数」の値を記録する。容積床面積予測部14は、製品情報の製品Paの「1ロットサイズ」の値に基づいて、製品Paの1ロットの容積および床面積を算出し、算出した値を「容積」および「床面積」の項目に記録する。容積は、幅(mm)÷1000×奥行き(mm)÷1000×高さ(mm)÷1000=容積(m3)の式で求める。床面積は、幅(mm)÷1000×奥行き(mm)÷1000=床面積(m2)の式で求める。ここでは、容積が0.960(m3)、床面積が0.800(m2)である。
容積床面積予測部14は、生産計画情報の製品Paの「着手予定時刻」から、各ロットの製造に着手する予定時刻である着手予定時刻を算出する。各ロットの着手予定時刻は、生産計画情報の製品Paの「着手予定時刻」を最初のロットの着手予定時刻とし、順に製品情報の製品Paの「サイクルタイム」の値を加えていった時刻である。ここでは、生産計画情報の製品Paの「着手予定時刻」が9:00、製品情報の製品Paの「サイクルタイム」の値が0:03:00であるので、ロットNO.1〜10の着手予定時刻は、9:00から順に0:03ずつ経過した時刻である。容積床面積予測部14は、算出した各ロットの着手予定時刻を「ロット着手予定時刻」の項目に記録する。
容積床面積予測部14は、各ロットの着手予定時刻から製品情報の製品Paの「リードタイム」の値を加えた時刻までの間に予め指定された休憩時間帯がある場合には、「休憩時間」の項目に、生産計画情報の製品Paの「休憩時間」の値を記録する。各ロットの着手予定時刻から製品情報の製品Paの「リードタイム」の値を加えた時刻までの間に予め指定された休憩時間帯がない場合には、「休憩時間」の項目には0:00が記録される。ここでは、休憩時間帯は12:00〜12:45とし、各ロットの「休憩時間」の項目はすべて0:00である。容積床面積予測部14は、各ロットの着手予定時刻に、製品情報の製品Paの「リードタイム」の値と「休憩時間」の値を加えた時刻を算出し、「完成予定時刻」の項目に記録する。
容積床面積予測部14は、「完成時刻」の項目には、完成時刻情報の製品PaのロットNO.1〜10の「完成時刻」の値を記録する。完成時刻情報の「完成時刻」の値は秒単位であるが、容積床面積予測部14は、「完成予定時刻」の項目に合わせて「完成時刻」の値を分単位にして記録する。容積床面積予測部14は、「完成時刻」の項目に値がある場合、当該ロットの「調整時刻」の項目に「完成時刻」の値を記録する。容積床面積予測部14は、「完成時刻」の項目に値がない場合、最新の「完成時刻」の値に基づいて完成予定時刻を調整した調整時刻を算出する。図5に示す予測容積床面積情報では、ロットNO.1〜4のロットの「完成時刻」には値があり、ロットNO.5〜10のロットの「完成時刻」には値がない。
ここで、「完成時刻」の項目に値がない場合の調整時刻の算出方法について具体的に説明する。容積床面積予測部14は、まず、最新の「完成時刻」のロットに着目して、進捗の遅れや前倒しを示す生産実績差を算出する。ここでは、最新の「完成時刻」は、13:59である。容積床面積予測部14は、当該ロットの「ロット着手予定時刻」から最新の「完成時刻」までの間に予め指定された休憩時間帯がある場合には、当該ロットの製造中に休憩時間をとったものとして、生産計画情報の製品Paの「休憩時間」の値を実績休憩時間とする。容積床面積予測部14は、「ロット着手予定時刻」から最新の「完成時刻」までの間に予め指定された休憩時間帯がない場合には、当該ロットの製造中に休憩時間をとっていないものとして、実績休憩時間を0:00とする。ここでは、9:09〜13:59の間に休憩時間帯があるので、実績休憩時間は0:45とする。容積床面積予測部14は、最新の「完成時刻」の値と「完成予定時刻」の値との差から実績休憩時間の値を減算して生産実績差を算出する。最新の「完成時刻」が「完成予定時刻」よりも早くなっている場合、生産実績差はマイナスの値になる。一方、最新の「完成時刻」が「完成予定時刻」よりも遅くなっている場合は、生産実績差はプラスの値になる。ここでは、最新の「完成時刻」が13:59、「完成予定時刻」が11:39、実績休憩時間が0:45であるので、生産実績差は、+1:35である。
容積床面積予測部14は、「完成時刻」の項目に値がない各ロットについて、「完成予定時刻」に生産実績差を加算した時刻を算出する。「ロット着手予定時刻」から「完成予定時刻」に生産実績差を加算した時刻までの間に予め指定された休憩時間帯がある場合には、当該ロットの製造中に休憩時間をとるものとして、「完成予定時刻」に生産実績差を加算した時刻に、生産計画情報の製品Paの「休憩時間」の値をさらに加算して調整時刻を算出する。「ロット着手予定時刻」から「完成予定時刻」に生産実績差を加算した時刻までの間に予め指定された休憩時間帯がない場合には、当該ロットの製造中に休憩時間をとらないものとして、「完成予定時刻」に生産実績差を加算した時刻を調整時刻とする。例えば、図5に示すロットNO.5のロットの場合、「完成予定時刻」11:42:00に生産実績差+1:35を加算すると、13:17になる。9:12〜13:17の間に休憩時間帯があるので、容積床面積予測部14は、13:17に休憩時間0:45を加算した14:02をロットNO.5のロットの調整時刻とする。容積床面積予測部14は、算出した各ロットの調整時刻を「調整時刻」の項目に記録する。
容積床面積予測部14は、1ロット製造されるごとに「容積」の値を加算して、予測容積を算出する。容積床面積予測部14は、算出した予測容積を「予測容積」の項目に記録する。製品Paは「段積み可能数」が2であるので、容積床面積予測部14は、2ロット製造されるごとに「床面積」の値を加算して、予測床面積を算出する。容積床面積予測部14は、算出した予測床面積を「予測床面積」の項目に記録する。「予測容積」の項目は、「調整時刻」の時点で完成済の製品Paの予測容積を示しており、「予測床面積」の項目は、「調整時刻」の時点で完成済の製品Paの予測床面積を示している。図5に示す予測容積床面積情報では、例えば、製品PaのNo.1〜No.10のロットをすべて生産した時点14:17の予測容積は9.600m3であって、予測床面積は4.000m2である。
容積床面積予測部14は、生産計画情報において製品Paと同じ製造ラインL1で製造される製品Pbの「着手予定時刻」から「着手予定時刻」に生産実績差を加算した時刻までの間に予め指定された休憩時間帯がない場合には、製品Pbの「着手予定時刻」に生産実績差を加算する。一方、製品Pbの「着手予定時刻」から「着手予定時刻」に生産実績差を加算した時刻までの間に予め指定された休憩時間帯がある場合には、製品Pbの「着手予定時刻」に生産実績差および決められた休憩時間の値を加算する。容積床面積予測部14は、この処理を、製品Paと同じ製造ラインL1で製造される製品Pcおよび製品Pdについても行い、生産計画情報を更新する。
図5では、理解を容易にするため、予測容積および予測床面積の計算に用いる「製品」、「ロットNO.」、「段積み可能数」、「容積」、「床面積」、「ロット着手予定時刻」、「休憩時間」、「完成予定時刻」および「完成時刻」の項目を含む予測容積床面積情報の例を示したが、予測容積床面積情報は、少なくとも「日付」、「調整時刻」、「予測容積」および「予測床面積」の項目を含んでいればよい。
生産拠点で製造された製品を保管する倉庫には、保管可能な製品の容積の上限の値である設定容積と、保管可能な製品の床面積の上限の値である設定床面積とがある。容積床面積予測部14が算出する予測容積および予測床面積は、製品が製造されるごとに増加していき、それぞれ設定容積および設定床面積を超える可能性がある。
図6を用いて、容積床面積予測部14が算出した予測容積が設定容積を超える状態について説明する。図6は、当日生産拠点で製造されるすべての製品の合計の予測容積の時間推移を示すグラフである。図6のグラフは、便宜上5分間隔で表示しているが、予測容積の計算は1分単位で行われる。図6のグラフでは、生産拠点の倉庫の設定容積は200m3であって、予測容積は製品が製造されるごとに増加していき、10時の時点で予測容積が設定容積を超える。生産拠点で生産されるすべての製品の合計の予測床面積も同様に、設定床面積を超える可能性がある。実際には、生産拠点に輸送車両が到着し、倉庫から製品を搬出するので、輸送車両が到着するたびに倉庫にある製品の容積および床面積は搬出された分だけ減る。輸送車両の生産拠点への到着時刻は、発着時刻予測部15が予測する。
発着時刻予測部15は、輸送関連記憶部13が記憶する情報を用いて輸送車両の生産拠点への到着時刻を予測する。そこで、まず輸送関連記憶部13が記憶する情報について説明する。図1に戻り、輸送関連記憶部13には、通信部11によって記憶された車両状態情報および緯度経度情報に加え、輸送車両の拠点間の運行計画を示す運行計画情報と、拠点の所在地を示す拠点情報と、輸送車両の積載可能量を示す積載量情報とが記憶されている。運行計画情報、拠点情報および積載量情報は、予め記憶されていてもよいし、ユーザが入力する構成にしてもよいし、外部のサーバから取得する構成にしてもよい。輸送関連記憶部13は、本発明における第2記憶部の例である。
以下、図7〜図10を参照して、輸送関連記憶部13が記憶する運行計画情報、拠点情報、車両状態情報および緯度経度情報の順に詳しく説明する。まず、図7を用いて、運行計画情報について説明する。図7に示す運行計画情報は、製品を輸送する日付を示す「日付」と、輸送車両の名称を示す「輸送車両」と、輸送車両の目的地の拠点を示す「拠点」と、輸送車両の拠点での状態を示す「状態」と、拠点への到着予定時刻を示す「到着予定時刻」と、拠点からの出発予定時刻を示す「出発予定時刻」との項目を有する。図7に示す2018/03/01の運行計画では、例えば、トラックT1は9:00に工場に到着し、作業者が作業を行った後、9:20に外部倉庫に向けて出発する予定である。
輸送車両は、生産拠点である工場と他の拠点との間を移動して製品を輸送する。「状態」の項目は、車載装置3に入力される輸送車両の状態のうち、作業および休憩に対応している。「輸送車両」の項目は、輸送車両の名称に限らず、輸送車両を識別する情報であればよい。「拠点」の項目は、拠点の名称に限らず、拠点を識別する情報であればよい。図7に図示された範囲では、トラックT1の運行計画の一部が表示されているが、運行計画情報には、日別のすべての輸送車両の運行計画が記録されている。
続いて、図8を用いて、拠点情報について説明する。図8に示す拠点情報は、拠点の名称を示す「拠点」と、拠点の所在地の最小緯度を示す「最小緯度」と、拠点の所在地の最大緯度を示す「最大緯度」と、拠点の所在地の最小経度を示す「最小経度」と、拠点の所在地の最大経度を示す「最大経度」と、拠点の倉庫の設定容積を示す「設定容積」と、拠点の倉庫の設定床面積を示す「設定床面積」と、拠点が有するバースの数を示す「バース数」との項目を有する。図8に示す拠点情報では、例えば、工場の所在地の最小緯度は34.686727、最大緯度は34.688591、最小経度は135.524743、最大経度は135.527078である。また、工場の設定容積は200m3、設定床面積は80m2である。さらに、工場は、2つのバースを有する。本実施の形態では、工場にのみ製品を保管する倉庫があるものとする。拠点間の移動経路には自動車専用道路である高速道路Xおよび高速道路Yが存在する。「拠点」の項目は、拠点の名称に限らず、拠点を識別する情報であればよい。また、拠点が有するバースの数を示す情報、および、拠点間の移動経路に存在する自動車専用道路を示す情報は、拠点情報に含まれてもよいし、拠点情報とは別に記憶してもよい。
続いて、図9を用いて、車両状態情報について説明する。図9に示す車両状態情報は、輸送車両の名称を示す「輸送車両」と、当日の日付を示す「日付」と、状態が入力された時刻を示す「時刻」と、入力された輸送車両の状態を示す「状態」との項目を有する。「輸送車両」の項目は、輸送車両の名称に限らず、輸送車両を識別する情報であればよい。図9は、当日にトラックT1の車載装置3から取得した車両状態情報の例を示している。図9に示す車両状態情報では、例えば、トラックT1は、8:50:23から作業者が作業を開始し、9:10:55に次の拠点へ出発している。輸送関連記憶部13にはすべての輸送車両の車両状態情報が記憶される。
続いて、図10を用いて、緯度経度情報について説明する。図10に示す緯度経度情報は、輸送車両の名称を示す「輸送車両」と、当日の日付を示す「日付」と、輸送車両の現在位置の緯度経度が計測された時刻を示す「時刻」と、計測された緯度を示す「緯度」と、計測された経度を示す「経度」との項目を有する。「輸送車両」の項目は、輸送車両の名称に限らず、輸送車両を識別する情報であればよい。図10の例では、当日にトラックT1の車載装置3から取得した緯度経度情報を示している。例えば、トラックT1は、8:40:00の時点で、緯度34.2545、経度135.2353の位置にいる。輸送関連記憶部13にはすべての輸送車両の緯度経度情報が記憶される。積載量情報については後ほど説明する。
図1に戻り、発着時刻予測部15は、まず、緯度経度情報に基づいて、生産拠点に到着した輸送車両(以下、対象輸送車両という)があるか否かを判定する。発着時刻予測部15は、対象輸送車両があると判定すると、対象輸送車両の「作業」を示す車両状態情報が輸送関連記憶部13に記録されたか否かを判定する。対象輸送車両の「作業」を示す車両状態情報が輸送関連記憶部13に記録されたと判定すると、発着時刻予測部15は、過去の車両状態情報、過去の緯度経度情報および拠点情報に基づいて、同じ拠点で対象輸送車両と同じ輸送車両が同じ状態「作業」であった場合の平均作業時間を算出する。以下、輸送関連記憶部13に記録された対象輸送車両の「作業」を示す車両状態情報が示す時刻を状態開始時刻という。発着時刻予測部15は、状態開始時刻に算出した平均作業時間を加算して、状態終了予定時刻を算出する。生産拠点は、荷積拠点の例である。
発着時刻予測部15は、算出した状態終了予定時刻を分単位にした時刻を、対象輸送車両の生産拠点からの出発時刻と予測する。以下、発着時刻予測部15が予測した出発時刻を予測出発時刻という。発着時刻予測部15は、対象輸送車両の過去の車両状態情報、過去の緯度経度情報、運行計画情報および拠点情報に基づいて、生産拠点から次の拠点への平均移動時間を算出する。発着時刻予測部15は、状態終了予定時刻に算出した平均移動時間を加算して分単位にした時刻を、対象輸送車両の次の拠点への到着時刻と予測する。以下、発着時刻予測部15が予測した到着時刻を予測到着時刻という。なお、発着時刻予測部15が参照する過去の車両状態情報および過去の緯度経度は、例えば過去20日分、過去1年分といったように期間を限定してもよい。また、過去の車両状態情報または過去の緯度経度情報がない場合には、予め設定された初期値を用いてもよい。
次に、発着時刻予測部15は、運行計画情報の該当する運行計画における対象輸送車両の生産拠点への「到着予定時刻」を、対象輸送車両が生産拠点に到着したことを示す緯度経度情報の時刻にする。該当する運行計画は、車両状態情報および緯度経度情報を参照して特定する。発着時刻予測部15は、該当する運行計画における対象輸送車両の生産拠点からの「出発予定時刻」を、算出した対象輸送車両の到着した生産拠点からの予測出発時刻にする。発着時刻予測部15は、該当する運行計画における対象輸送車両の次の拠点への「到着予定時刻」を、算出した次の拠点への予測到着時刻にする。
発着時刻予測部15は、対象輸送車両の次の拠点への予測到着時刻と該当する運行計画における対象輸送車両の次の拠点への元の「到着予定時刻」との差である輸送実績差を算出する。発着時刻予測部15は、次の拠点の「出発予定時刻」の項目以降の運行計画の「到着予定時刻」および「出発予定時刻」を、それぞれ「到着予定時刻」および「出発予定時刻」の元の時刻に輸送実績差を加算した時刻にして、運行計画情報を更新する。発着時刻予測部15は、本発明における発着時刻予測部の例である。
ここで、図11および図12を用いて、発着時刻予測部15が実行する処理について詳しく説明する。図11の例では、当日の8:50:00にトラックT1が生産拠点である工場に到着している。図7に示す運行計画情報を参照するとトラックT1の次の拠点は外部倉庫である。図11に戻り、発着時刻予測部15は、トラックT1が工場に到着したと判定すると、トラックT1の「作業」を示す車両状態情報が輸送関連記憶部13に記録されるのを待機する。
発着時刻予測部15は、トラックT1の「作業」を示す車両状態情報が輸送関連記憶部13に記録されると、トラックT1の「作業」を示す車両状態情報が示す時刻8:50:23を状態開始時刻とする。発着時刻予測部15は、輸送関連記憶部13に記憶された過去の車両状態情報、過去の緯度経度情報および拠点情報に基づいて、工場でトラックT1の状態が「作業」であった場合の平均作業時間を算出し、状態開始時刻に加算して、状態終了予定時刻9:10:57を算出する。発着時刻予測部15は、状態終了予定時刻を分単位にした9:10を工場からの予測出発時刻とする。発着時刻予測部15は、輸送関連記憶部13に記憶された過去の車両状態情報、過去の緯度経度情報および拠点情報に基づいて、工場から外部倉庫への平均移動時間を算出し、状態終了予定時刻9:10:57に加算して、分単位にした外部倉庫への予測到着時刻10:00を算出する。
図12は、図11の例で発着時刻予測部15が算出した対象輸送車両の予測出発時刻および予測到着時刻を用いて、図7に示す運行計画情報を更新した例を示している。図12では、トラックT1が工場を目的地とする最初の運行計画が該当する運行計画である。まず、発着時刻予測部15は、運行計画情報の該当する運行計画の「到着予定時刻」の項目に、工場に到着したことを示す緯度経度情報が示す時刻8:50を記録する。図12の例では、実際の到着時刻を括弧書きで表示している。発着時刻予測部15は、該当する運行計画の「出発予定時刻」の項目に、算出した予測出発時刻9:10を記録し、次の拠点である外部倉庫の「到着予定時刻」の欄に、算出した予測到着時刻10:00を記録する。
発着時刻予測部15は、次の拠点である外部倉庫の予測到着時刻10:00と「到着予定時刻」の元の時刻10:10との差である輸送実績差−10分を算出する。次の拠点である外部倉庫の「出発予定時刻」の項目以降の運行計画の「到着予定時刻」および「出発予定時刻」の項目に、それぞれ「到着予定時刻」および「出発予定時刻」の時刻に輸送実績差−10分を加算した時刻を記録して、運行計画情報を更新する。発着時刻予測部15が運行計画情報を更新すると、バース使用状況予測部16が各拠点のバースの使用状況を予測する。
図1に戻り、バース使用状況予測部16は、発着時刻予測部15が更新した運行計画情報を参照し、各拠点に到着する輸送車両の数とバースを使用する時間帯とを算出する。バース使用状況予測部16は、到着する輸送車両の数がバースの数を超えるバースバッティングが発生するか否かを判定する。バースバッティングが発生しない場合、バース使用状況予測部16は、各拠点に到着する輸送車両の数とバースを使用する時間帯とを示すバース使用状況情報を生成する。
バースバッティングが発生する場合、バース使用状況予測部16は、発着時刻予測部15が更新した運行計画情報の、バースバッティングにより待機する輸送車両の到着予定時刻を、先着の輸送車両の出発予定時刻に変更し、待機する輸送車両の出発予定時刻を到着予定時刻に合わせて変更する処理を、すべてのバースバッティングが解消するまで繰り返す。すべてのバースバッティングが解消すると、バース使用状況予測部16は、拠点に到着する輸送車両の数とバースを使用する時間帯とを示すバース使用状況情報を生成する。バース使用状況予測部16は、生成したバース使用状況情報を利用道路判定部17に送る。バース使用状況予測部16は、本発明におけるバース使用状況予測部の例である。
ここで、図13Aおよび図13Bを用いて、バース使用状況予測部16が各拠点のバースの使用状況を予測する処理について詳しく説明する。図13Aおよび図13Bには、バース使用状況予測部16が生成した当日のバース使用状況情報の例を示している。図13Aは、バースバッティングが発生しているバース使用状況情報の例である。図13Bは、バースバッティングを解消したバース使用状況情報の例である。図13Aおよび図13Bの例では、便宜上5分間隔で表示しているが、バースの使用状況の計算は1分単位で行われる。
まず、バース使用状況予測部16は、バース使用状況情報の「拠点」および「バース数」の項目にそれぞれ、拠点情報(図8参照)の「拠点」および「バース数」の項目の値を記録する。次に、バース使用状況予測部16は、発着時刻予測部15が更新した運行計画情報(図12参照)を参照し、各拠点に到着した輸送車両がバースを使用する時間帯、つまり、輸送車両の拠点への到着予定時刻から拠点からの出発予定時刻までの時間帯の項目に「1」を加算する。図13Aに示すように、10時20分〜35分の15分間は、工場のバース数「2」を越えた3台の輸送車両が到着するバースバッティングが発生している。
バースバッティングが発生すると、バース使用状況予測部16は、運行情報の、バースバッティングにより待機する輸送車両の到着予定時刻を先着の輸送車両の出発予定時刻に変更し、待機する輸送車両の出発予定時刻を到着予定時刻に合わせて変更する処理を、すべてのバースバッティングが解消するまで、つまり待機する輸送車両がなくなるまで繰り返し、運行情報を更新する。バース使用状況予測部16は、図13Bに示すバースバッティングが解消したバース使用状況情報を生成し、利用道路判定部17に送る。
バース使用状況予測部16は、図13Aに示すような、バースバッティングが発生する時間帯を強調表示したバース使用状況情報を生成し、通信部11を介して輸送車両の車載装置3に送信してもよい。このとき、バースバッティングが発生する時間帯を強調表示したバース使用状況情報を各輸送車両に送信してもよいし、待機する輸送車両に送信してもよい。強調表示の方法は、図13Aの例のように、バースバッティングが発生する時間帯のセルの色を反転させる方法に限らず、太字にしてもよいし、文字色や背景色を変えてもよい。
図1に戻り、利用道路判定部17は、バース使用状況予測部16からバース使用状況情報を受け取ると、まず、運行計画情報および拠点情報を参照し、対象輸送車両が到着した生産拠点から次の拠点までの経路に自動車専用走路があるか否かを判定する。自動車専用走路がない場合には、利用道路判定部17は処理を終了する。自動車専用走路がある場合には、利用道路判定部17は、積載量情報および運行計画情報に基づいて、生産拠点に到着する輸送車両の積載可能量の範囲内で最大量になる生産拠点の倉庫にある製品の組み合わせの容積および床面積(以下、それぞれ搬出容積および搬出床面積という)を算出する。利用道路判定部17は、容積床面積予測部14から受け取った予測容積床面積情報の、生産拠点に輸送車両が到着する時刻の予測容積および予測床面積の値から、それぞれ搬出容積および搬出床面積の値を減算する。利用道路判定部17は、当日に生産拠点に到着するすべての輸送車両についてこの処理を行い、予測容積床面積情報を更新する。
ここで、図14を用いて、輸送関連記憶部13が記憶する積載量情報について説明する。図14に示す積載量情報は、輸送車両の名称を示す「輸送車両」と、輸送車両の荷台の大きさを示す「幅」、「奥行き」および「高さ」である「荷台サイズ」との項目を有する。例えば、トラックT1の荷台の大きさは幅2000mm・奥行き6000mm・高さ2800mmである。ここでの高さは、荷台に屋根がある場合は床面から屋根までの高さ、荷台に屋根がない場合は、積載可能な床面からの高さの最大値を示す。「輸送車両」の項目は、輸送車両の名称に限らず、輸送車両を識別する情報であればよい。また、積載量情報は、荷台の大きさを示す情報に限らず、輸送車両の積載可能量を示す情報であればよい。
続いて、図15を用いて、利用道路判定部17が、予測容積床面積情報の、輸送車両が生産拠点に到着する時刻の予測容積から搬出容積を減算する処理について説明する。図15は、当日に生産拠点で製造するすべての製品の合計の予測容積の9時〜12時の3時間の時間推移を示すグラフである。図15のグラフは、便宜上5分間隔で表示しているが、予測容積から搬出容積を減算する処理は1分単位で行われる。図15の例では、生産拠点の倉庫の設定容積は200m3である。利用道路判定部17は、輸送車両の到着予定時刻から出発予定時刻の間に予測容積から搬出容積を減算している。これにより、9時〜12時の予測容積は、設定容積を超えていない。利用道路判定部17は、予測床面積についても同様に、予測容積床面積情報の、輸送車両が生産拠点に到着する時刻の予測床面積から搬出床面積を減算する。
図1に戻り、利用道路判定部17は、予測容積および予測床面積からそれぞれ搬出容積および搬出床面積を減算して予測容積床面積情報を更新する処理を行うと、更新した予測容積床面積情報に基づいて、対象輸送車両が到着した時刻以降の予測容積が設定容積を超えるタイミングまたは予測床面積が設定床面積を超えるタイミングがあるか否かを判定する。設定容積または設定床面積を超えるタイミングがない場合、利用道路判定部17は、対象輸送車両が次の拠点までの移動に自動車専用道路を利用しないと判定する。このとき、利用道路判定部17は、自動車専用道路を利用するべきでないと判定してもよい。判定設定容積または設定床面積を超えるタイミングがある場合、利用道路判定部17は、対象輸送車両が次の拠点までの移動に自動車専用道路を利用した場合の移動時間で次の拠点への予測到着時刻を計算し直す。利用道路判定部17は、自動車専用道路を利用した場合の移動時間を予め保持していてもよいし、過去の車両状態情報および過去の緯度経度情報から算出してもよい。
利用道路判定部17は、バース使用状況予測部16から受け取ったバース使用状況情報を参照し、自動車専用道路を利用した場合の予測到着時刻に次の拠点に到着した場合、バースが空いているか否かを判定する。バースが空いていない場合、利用道路判定部17は、対象輸送車両が次の拠点までの移動に自動車専用道路を利用しないと判定する。バースが空いている場合、利用道路判定部17は、対象輸送車両が次の拠点までの移動に自動車専用道路を利用すると判定する。このとき、利用道路判定部17は、自動車専用道路を利用するべきと判定してもよい。利用道路判定部17は、自動車専用道路を利用するか否かの判定結果を示す判定結果情報を生成し、通信部11に送る。通信部11は、利用道路判定部17から受け取った判定結果情報を対象輸送車両の車載装置3に送信する。利用道路判定部17は、自動車専用道路を利用する判定の場合にのみ判定結果情報を対象輸送車両の車載装置3に送信することにしてもよい。利用道路判定部17は、本発明における利用道路判定部の例である。
車載装置3の通信部33は、輸送管理装置1から判定結果情報を受信すると、表示部34に表示させる。ここで、表示部34に表示される判定結果情報の例を図16に示す。図16の判定結果情報では、対象輸送車両であるトラックT1に対し、次の拠点である外部倉庫への移動に自動車専用道路である高速道路を利用することが指示されている。
次に、輸送管理装置1のハードウェア構成について図17を用いて説明する。図17に示すように、輸送管理装置1は、一時記憶部101、記憶部102、計算部103、入力部104、外部出力部105および表示部106を備える。一時記憶部101、記憶部102、入力部104、外部出力部105および表示部106はいずれもBUSを介して計算部103に接続されている。
計算部103は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。計算部103は、記憶部102に記憶されている制御プログラムに従って、輸送管理装置1の通信部11、容積床面積予測部14、発着時刻予測部15、バース使用状況予測部16および利用道路判定部17の各処理を実行する。
一時記憶部101は、例えばRAM(Random-Access Memory)である。一時記憶部101は、記憶部102に記憶されている制御プログラムをロードし、計算部103の作業領域として用いられる。
記憶部102は、フラッシュメモリ、ハードディスク、DVD−RAM(Digital Versatile Disc - Random Access Memory)、DVD−RW(Digital Versatile Disc - ReWritable)などの不揮発性メモリである。記憶部102は、輸送管理装置1の処理を計算部103に行わせるためのプログラムを予め記憶し、また、計算部103の指示に従って、このプログラムが記憶するデータを計算部103に供給し、計算部103から供給されたデータを記憶する。生産関連記憶部12および輸送関連記憶部13は、記憶部102に構成される。
入力部104は、キーボード、ポインティングデバイスなどの入力装置と、キーボード、ポインティングデバイスなどの入力装置をBUSに接続するインタフェース装置である。例えば、生産計画情報、製品情報、運行計画情報、拠点情報または積載量情報をユーザが入力する構成の場合、ユーザが輸送管理装置1に情報を入力すると、入力部104を介して、入力された情報が計算部103に供給される。
外部出力部105は、ネットワークに接続する網終端装置または無線通信装置、およびそれらと接続するシリアルインタフェースまたはLAN(Local Area Network)インタフェースである。外部出力部105は、通信部11として機能する。
表示部106は、CRT(Cathode Ray Tube)、LCD(Liquid Crystal Display)などの表示装置である。例えば、生産計画情報、製品情報、運行計画情報、拠点情報または積載量情報をユーザが入力する構成の場合、表示部106は、操作画面を表示する。
図1に示す輸送管理装置1の通信部11、生産関連記憶部12、輸送関連記憶部13、容積床面積予測部14、発着時刻予測部15、バース使用状況予測部16および利用道路判定部17の処理は、制御プログラムが、一時記憶部101、計算部103、記憶部102、入力部104、外部出力部105および表示部106などを資源として用いて処理することによって実行する。
その他、上述のハードウェア構成やフローチャートは一例であり、任意に変更および修正が可能である。
計算部103、一時記憶部101、記憶部102、入力部104、外部出力部105、表示部106などの輸送管理装置1の処理を行う中心となる部分は、専用のシステムによらず、通常のコンピュータシステムを用いて実現可能である。例えば、上述の動作を実行するためのコンピュータプログラムを、フレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disc - Read Only Memory)、DVD−ROM(Digital Versatile Disc - Read Only Memory)などのコンピュータが読み取り可能な記録媒体に格納して配布し、当該コンピュータプログラムをコンピュータにインストールすることにより、上述の処理を実行する輸送管理装置1を構成してもよい。また、インターネットなどの通信ネットワーク上のサーバ装置が有する記憶装置に当該コンピュータプログラムを格納しておき、通常のコンピュータシステムがダウンロードなどすることで輸送管理装置1を構成してもよい。
また、輸送管理装置1の機能を、OS(Operating System)とアプリケーションプログラムの分担、またはOSとアプリケーションプログラムとの協働により実現する場合などには、アプリケーションプログラム部分のみを記録媒体や記憶装置に格納してもよい。
また、搬送波にコンピュータプログラムを重畳し、通信ネットワークを介して提供することも可能である。例えば、通信ネットワーク上の掲示板(BBS, Bulletin Board System)に上述のコンピュータプログラムを掲示し、通信ネットワークを介して上述のコンピュータプログラムを提供してもよい。そして、このコンピュータプログラムを起動し、OSの制御下で、他のアプリケーションプログラムと同様に実行することにより、上述の処理を実行できる構成してもよい。
続いて、輸送管理装置1が実行する各処理の流れを説明する。まず、輸送管理装置1が実行する容積床面積予測処理について、図2〜図5および図18を用いて説明する。図18に示す容積床面積予測処理は、輸送管理装置1の電源が投入されたことで開始する。輸送管理装置1の通信部11は、生産拠点端末2から、完成時刻情報を取得しない場合(ステップS11;NO)、ステップS11を繰り返して完成時刻情報の取得を待機する。通信部11は、生産拠点端末2から、完成時刻情報を取得した場合(ステップS11;YES)、通信部11は、取得した完成時刻情報を生産関連記憶部12に記憶する。
容積床面積予測部14は、完成時刻情報が生産関連記憶部12に記憶されると、当日の生産計画情報を参照し、完成時刻情報が示す製品の製造ロット数を算出する(ステップS12)。容積床面積予測部14は、各ロットにロットを識別する情報を付与する(ステップS13)。容積床面積予測部14は、製品情報に基づいて、完成時刻情報が示す製品の1ロットの容積および床面積を算出する(ステップS14)。
ステップS11で、通信部11が図4に示す完成時刻情報を取得した場合、ステップS12で、容積床面積予測部14は、図3に示す生産計画情報の製品Paの「製造個数」の値を図2に示す製品情報の「ロット個数」の値で除算して、製品Paの製造ロット数を算出する。ここでは、10÷1=10個のロットを製造する。ステップS13で、容積床面積予測部14は、図5に示すように当日製造する製品Paの10個のロットに対し連番で1〜10までの番号を付与する。ステップS14で、容積床面積予測部14は、図2に示す製品情報の製品Paの「1ロットサイズ」の値に基づいて、製品Paの1ロットの容積および床面積を算出する。ここでは、製品Paの1ロットの容積が0.960(m3)、床面積が0.800(m2)である。
図18に戻り、容積床面積予測部14は、生産計画情報および製品情報に基づいて、当日の生産計画の完成時刻情報が示す製品の各ロットの完成予定時刻を算出する(ステップS15)。
ステップS14で、容積床面積予測部14が、製品Paの1ロットの容積および床面積を算出した場合、ステップS15で、容積床面積予測部14は、図3に示す生産計画情報の製品Paの「着手予定時刻」を最初のロットの着手予定時刻とし、図2に示す製品情報の製品Paの「サイクルタイム」の値を順に加えていった時刻を、各ロットの着手予定時刻として算出する。ここでは生産計画情報の製品Paの「着手予定時刻」が9:00:00、製品情報の製品Paの「サイクルタイム」の値が0:03:00であるので、ロットNO.1〜10の着手予定時刻は、図5に示すように、9:00:00から順に0:03:00ずつ経過した時刻である。
容積床面積予測部14は、各ロットの着手予定時刻から図2に示す製品情報の製品Paの「リードタイム」の値を加えた時刻までの間に、予め指定された休憩時間帯12:00〜12:45があるか否かを判定する。容積床面積予測部14は、各ロットの着手予定時刻から「リードタイム」の値2:30:00を加えた時刻までの間に休憩時間帯12:00〜12:45がないので、NO.1〜10のロットを製造中の休憩時間はすべて0:00とする。容積床面積予測部14は、NO.1〜10のロットの着手予定時刻に製品情報の製品Paの「リードタイム」の値を加えた時刻を、各ロットの完成予定時刻として算出する。
図18に戻り、容積床面積予測部14は、最新の完成済のロットの完成予定時刻と完成時刻との差である生産実績差に基づいて、未完成のロットの完成予定時刻を調整した調整時刻を算出する(ステップS16)。
ステップS15で、容積床面積予測部14が、製品PaのNO.1〜10のロットの完成予定時刻を算出した場合、ステップS16で、容積床面積予測部14は、まず、製品Paの最新の完成時刻のロットに着目して、進捗の遅れや前倒しを示す生産実績差を算出する。図5に示すように、製品Paのロットの最新の完成時刻はロットNo.4のロットの13:59である。容積床面積予測部14は、ロットNo.4のロットのロット着手予定時刻9:09から完成時刻13:59までの間に予め指定された休憩時間帯12:00〜12:45があるので、実績休憩時間は0:45とする。容積床面積予測部14は、最新の「完成時刻」の値と「完成予定時刻」の値との差から実績休憩時間の値を減算して生産実績差を算出する。図5の例では、最新の「完成時刻」が13:59、「完成予定時刻」が11:39、実績休憩時間が0:45であるので、生産実績差は、+1:35である。
容積床面積予測部14は、「完成時刻」の項目に値がない各ロットについて、「完成予定時刻」に生産実績差を加算した時刻を算出する。容積床面積予測部14は、「ロット着手予定時刻」から「完成予定時刻」に生産実績差を加算した時刻までの間に予め指定された休憩時間帯があるか否かを判定する。容積床面積予測部14は、休憩時間帯がある場合、当該ロットの製造中に休憩時間をとるものとして、「完成予定時刻」に生産実績差を加算した時刻に、図3に示す生産計画情報の製品Paの「休憩時間」の値をさらに加算して調整時刻を算出する。休憩時間帯がない場合、容積床面積予測部14は、当該ロットの製造中に休憩時間をとらないものとして、「完成予定時刻」に生産実績差を加算した時刻を調整時刻とする。例えば、図5に示す製品PaのロットNO.5のロットの場合、「完成予定時刻」11:42:00に生産実績差+1:35を加算すると、13:17になる。9:12〜13:17の間に休憩時間帯があるので、容積床面積予測部14は、13:17に実績休憩時間0:45を加算した14:02をロットNO.5のロットの調整時刻とする。
図18に戻り、容積床面積予測部14は、完成済のロットの完成時刻および未完成のロットの調整時刻に、完成する1ロットの製品の容積および床面積が増えるものとして、予測容積および予測床面積を算出する(ステップS17)。
ステップS16で、容積床面積予測部14が、製品Paの未完成のロットの完成予定時刻を調整した調整時刻を算出した場合、ステップS17で、容積床面積予測部14は、1ロット製造されるごとに「容積」の値を加算して、予測容積を算出する。製品Paは「段積み可能数」が2であるので、容積床面積予測部14は、2ロット製造されるごとに「床面積」の値を加算して、予測床面積を算出する。つまり、図5に示す予測容積は、調整時刻の時点で完成済の製品Paの予測容積を示しており、予測床面積は、調整時刻の時点で完成済の製品Paの予測床面積を示している。図5の例では、製品PaのNo.1〜No.10のロットをすべて生産した時点14:17の予測容積は9.600m3であって、予測床面積は4.000m2である。
図18に戻り、容積床面積予測部14は、生産計画情報において、完成時刻情報が示す製品と同じ製造ラインで製造される製品の着手予定時刻を生産実績差に基づいて補正し、生産計画情報を更新する(ステップS18)。容積床面積予測部14は、算出した予測容積および予測床面積を示す予測容積床面積情報を生成し(ステップS19)、利用道路判定部17に送る。
ステップS17で、容積床面積予測部14が、製品Paの予測容積および予測床面積を算出した場合、ステップS18で、容積床面積予測部14は、以下の処理を行う。容積床面積予測部14は、生産計画情報において製品Paと同じ製造ラインL1で製造される製品Pbの「着手予定時刻」から「着手予定時刻」に生産実績差を加算した時刻までの間に予め指定された休憩時間帯がない場合には、製品Pbの「着手予定時刻」に生産実績差を加算する。一方、製品Pbの「着手予定時刻」から「着手予定時刻」に生産実績差を加算した時刻までの間に予め指定された休憩時間帯がある場合には、製品Pbの「着手予定時刻」に生産実績差および決められた休憩時間の値を加算する。容積床面積予測部14は、この処理を、製品Paと同じ製造ラインL1で製造される製品Pcおよび製品Pdについても行い、生産計画情報を更新する。ステップS19で、容積床面積予測部14は、図5に示す予測容積床面積情報を生成し、利用道路判定部17に送る。
図18に戻り、輸送管理装置1の電源がOFFになっていない場合(ステップS20;NO)、処理はステップS11に戻り、ステップS11〜ステップS20を繰り返す。輸送管理装置1の電源がOFFになると(ステップS20;YES)、処理を終了する。
続いて、輸送管理装置1が実行する発着時刻予測処理について、図9〜図12および図19を用いて説明する。図19に示す発着時刻予測処理は、輸送管理装置1の電源が投入されたことで開始する。輸送管理装置1の発着時刻予測部15は、輸送関連記憶部13に緯度経度情報が記憶される度に、生産拠点に到着した対象輸送車両があるか否かを判定する(ステップS21)。発着時刻予測部15は、対象輸送車両がないと判定すると(ステップS21;NO)、ステップS21を繰り返して輸送車両の到着を待機する。
発着時刻予測部15は、対象輸送車両があると判定すると(ステップS21;YES)、対象輸送車両の「作業」を示す車両状態情報が輸送関連記憶部13に記録されたか否かを判定する(ステップS22)。対象輸送車両の「作業」を示す車両状態情報が輸送関連記憶部13に記録されていないと判定すると(ステップS22;NO)、発着時刻予測部15は、ステップS22を繰り返して対象輸送車両の「作業」を示す車両状態情報が輸送関連記憶部13に記録されるのを待機する。
ステップS21で、発着時刻予測部15が図10に示す緯度経度情報を参照し、図11に示すように、8:50:00に生産拠点に到着したトラックT1を対象輸送車両と判定すると、ステップS22で、発着時刻予測部15は、トラックT1の「作業」を示す車両状態情報が輸送関連記憶部13に記録されるのを待機する。
図19に戻り、対象輸送車両の「作業」を示す車両状態情報が輸送関連記憶部13に記録されたと判定すると(ステップS22;YES)、発着時刻予測部15は、車両状態情報、緯度経度情報および拠点情報に基づいて、「作業」の状態終了予定時刻を到着した生産拠点からの予測出発時刻として算出する(ステップS23)。発着時刻予測部15は、車両状態情報、緯度経度情報および拠点情報に基づいて、対象輸送車両の次の拠点への予測到着時刻を算出する(ステップS24)。発着時刻予測部15は、該当する運行計画における対象輸送車両の生産拠点への「到着予定時刻」を、対象輸送車両が生産拠点に到着したことを示す緯度経度情報の時刻にする。発着時刻予測部15は、該当する運行計画における対象輸送車両の生産拠点からの「出発予定時刻」を、ステップS23で算出した対象輸送車両の到着した生産拠点からの予測出発時刻にする。発着時刻予測部15は、該当する運行計画における対象輸送車両の次の拠点への「到着予定時刻」を、ステップS24で算出した次の拠点への予測到着時刻にする。
ステップS22で、発着時刻予測部15が、図9に示す1つ目のトラックT1の「作業」を示す車両状態情報が輸送関連記憶部13に記録されたと判定すると、ステップS23で、発着時刻予測部15は、図11に示すように、トラックT1の「作業」を示す車両状態情報が示す時刻8:50:23を状態開始時刻とする。発着時刻予測部15は、輸送関連記憶部13に記憶された過去の車両状態情報、過去の緯度経度情報および拠点情報に基づいて、工場でのトラックT1の状態が「作業」であった場合の平均作業時間を算出し、状態開始時刻に加算して、状態終了予定時刻9:10:57を算出する。発着時刻予測部15は、発着時刻予測部15は、状態終了予定時刻を分単位にした9:10を工場からの予測出発時刻とする。
ステップS24で、発着時刻予測部15は、図11に示すように、輸送関連記憶部13に記憶された過去の車両状態情報、過去の緯度経度情報および拠点情報に基づいて、工場から外部倉庫への平均移動時間を算出する。発着時刻予測部15は、予測出発時刻9:10:57に平均移動時間を加算して分単位にした、次の拠点である外部倉庫への予測到着時刻10:00を算出する。
発着時刻予測部15は、図12に示すように、運行計画情報の該当する運行計画の「到着予定時刻」の項目に、工場に到着したことを示す緯度経度情報が示す時刻8:50を記録する。図12の例では、実際の到着時刻を括弧書きで表示している。発着時刻予測部15は、該当する運行計画の「出発予定時刻」の項目に、算出した予測出発時刻9:10を記録し、次の拠点である外部倉庫の「到着予定時刻」の欄に、算出した予測到着時刻10:00を記録する。
図19に戻り、発着時刻予測部15は、対象輸送車両の運行計画の次の拠点の「出発予定時刻」の項目以降の「到着予定時刻」および「出発予定時刻」を、それぞれ「到着予定時刻」および「出発予定時刻」の元の時刻に輸送実績差を加算した時刻にして、運行計画情報を更新し(ステップS25)、処理を終了する。
ステップS24で、発着時刻予測部15が、対象輸送車両の次の拠点である外部倉庫への予測到着時刻10:00を算出すると、ステップS25で、発着時刻予測部15は、の拠点である外部倉庫の予測到着時刻10:00と「到着予定時刻」の元の時刻10:10との差である輸送実績差−10分を算出する。発着時刻予測部15は、図12に示すように、図7に示す元の運行計画情報の次の拠点である外部倉庫の「出発予定時刻」の項目以降の運行計画の「到着予定時刻」および「出発予定時刻」の項目に、それぞれ「到着予定時刻」および「出発予定時刻」の時刻に輸送実績差−10分を加算した時刻を記録して、運行計画情報を更新する。
輸送管理装置1は、発着時刻予測処理が終了すると、各拠点のバースの使用状況を予測するバース使用状況予測処理を行う。ここから、輸送管理装置1が実行するバース使用状況予測処理について、図12、図13A、図13Bおよび図20を用いて説明する。図20に示すバース使用状況予測処理は、発着時刻予測処理が終了すると開始する。輸送管理装置1のバース使用状況予測部16は、発着時刻予測部15が運行計画情報を更新すると、当日の運行計画情報を参照し、各拠点に到着する輸送車両の数とバースを使用する時間帯とを算出する(ステップS31)。次に、バース使用状況予測部16は、バースバッティングが発生するか否かを判定する(ステップS32)。バースバッティングが発生しない場合(ステップS32;NO)、バース使用状況予測部16は、拠点に到着する輸送車両の数とバースを使用する時間帯とを示すバース使用状況情報を生成する(ステップS34)。
ステップS31で、バース使用状況予測部16が、図12に示す運行計画情報を参照し、各拠点に到着する輸送車両の数とバースを使用する時間帯とを算出し、輸送車両の拠点への到着時刻から拠点からの出発時刻までの時間帯の項目に「1」を加算した図13Aに示すバース使用状況情報を生成すると、ステップS32で、バース使用状況予測部16は、図13Aに示すバース使用状況情報について10時20分〜35分の15分間は、工場のバース数「2」を越えた3台の輸送車両が到着するバースバッティングが発生していると判定する。
図20に戻り、バースバッティングが発生する場合(ステップS32;YES)、バース使用状況予測部16は、バースバッティングにより待機する輸送車両の到着予定時刻を、先着の輸送車両の出発予定時刻に変更し、待機する輸送車両の出発予定時刻を到着予定時刻に合わせて変更して、運行計画情報を更新する(ステップS33)。バース使用状況予測部16は、すべてのバースバッティングが解消するまでステップS32およびステップS33を繰り返す。すべてのバースバッティングが解消すると(ステップS32;NO)、バース使用状況予測部16は、拠点に到着する輸送車両の数とバースを使用する時間帯とを示すバース使用状況情報を生成する(ステップS34)。バース使用状況予測部16は、生成したバース使用状況情報を利用道路判定部17に送り、処理を終了する。
ステップS32で、バース使用状況予測部16は、図13Aに示すバース使用状況情報についてバースバッティングが発生していると判定すると、ステップS33で、バース使用状況予測部16は、バースバッティングにより待機する輸送車両の到着予定時刻を先着の輸送車両の出発予定時刻に変更し、待機する輸送車両の出発予定時刻を到着予定時刻に合わせて変更して、発着時刻予測部15が更新した運行情報を更新する。待機する輸送車両の出発予定時刻を到着予定時刻に合わせて変更する処理を、すべてのバースバッティングが解消するまで繰り返し、運行情報を更新する。ステップS34で、バース使用状況予測部16は、図13Bに示すバースバッティングが解消したバース使用状況情報を生成し、利用道路判定部17に送る。
輸送管理装置1は、バース使用状況予測処理が終了すると、対象輸送車両が次の拠点までの移動に自動車専用道路を利用するか否かを判定して判定結果を対象輸送車両に表示させる利用道路判定処理を行う。ここから、輸送管理装置1が実行する利用道路判定処理について、図8、図11、図14、図16および図21を用いて説明する。図21に示す利用道路判定処理は、バース使用状況予測処理が終了すると開始する。
輸送管理装置1の利用道路判定部17は、バース使用状況予測部16からバース使用状況情報を受け取ると、運行計画情報および拠点情報を参照し、対象輸送車両が到着した生産拠点から次の拠点までの経路に自動車専用走路があるか否かを判定する(ステップS41)。利用道路判定部17は、対象輸送車両が到着した生産拠点から次の拠点までの経路に自動車専用走路がない場合には(ステップS41;NO)、処理を終了する。利用道路判定部17は、対象輸送車両が到着した生産拠点から次の拠点までの経路に自動車専用走路がある場合には(ステップS41;YES)、積載量情報および運行計画情報に基づいて、予測容積床面積情報の輸送車両が到着する時刻の予測容積および予測床面積の値から搬出容積および搬出床面積の値を減算する(ステップS42)。利用道路判定部17は、当日に生産拠点に到着するすべての輸送車両についてステップS42の処理を行い、予測容積床面積情報を更新する(ステップS43)。
ステップS41で、利用道路判定部17が、バース使用状況予測部16が更新した運行計画情報および図8に示す拠点情報に基づいて、図11に示すトラックT1について、工場から外部倉庫までの経路に高速道路Yがあると判定すると、ステップS42で、利用道路判定部17は、図14に示す積載量情報およびバース使用状況予測部16が更新した運行計画情報に基づいて、予測容積床面積情報の輸送車両が到着する時刻の予測容積の値から搬出容積の値を減算する。利用道路判定部17は、予測床面積についても同様に、予測容積床面積情報の輸送車両が生産拠点に到着する時刻の予測床面積から搬出床面積を減算する。ステップS43で、利用道路判定部17は、当日に生産拠点に到着するすべての輸送車両について、予測容積床面積情報の輸送車両が到着する時刻の予測容積および予測床面積の値から搬出容積および搬出床面積の値を減算する処理を行い、予測容積床面積情報を更新する。
図21に戻り、利用道路判定部17は、更新した予測容積床面積情報に基づいて、対象輸送車両が到着した時刻以降の予測容積または予測床面積が、それぞれ設定容積または設定床面積を超えるタイミングがあるか否かを判定する(ステップS44)。設定容積または設定床面積を超えるタイミングがない場合(ステップS44;NO)、利用道路判定部17は、対象輸送車両が次の拠点までの移動に自動車専用道路を利用しないと判定する(ステップS45)。設定容積または設定床面積を超えるタイミングがある場合(ステップS44;YES)、利用道路判定部17は、対象輸送車両が次の拠点までの移動に自動車専用道路を利用した場合の移動時間で次の拠点への予測到着時刻を計算し直す(ステップS46)。
ステップS44で、利用道路判定部17が、更新した予測容積床面積情報に基づいて、トラックT1が工場に到着した時刻以降の予測容積または予測床面積が、それぞれ設定容積または設定床面積を超えるタイミングがあると判定すると、ステップS46で、利用道路判定部17は、トラックT1が外部倉庫までの移動に高速道路Yを利用した場合の移動時間で外部倉庫への予測到着時刻を計算し直す。
図21に戻り、利用道路判定部17は、バース使用状況予測部16から受け取ったバース使用状況情報を参照し、自動車専用道路を利用した場合の予測到着時刻に次の拠点のバースが空いているか否かを判定する(ステップS47)。次の拠点のバースが空いていない場合(ステップS47;NO)、利用道路判定部17は、対象輸送車両が次の拠点までの移動に自動車専用道路を利用しないと判定する(ステップS45)。次の拠点のバースが空いている場合(ステップS47;YES)、利用道路判定部17は、対象輸送車両が次の拠点までの移動に自動車専用道路を利用すると判定する(ステップS48)。
ステップS47で、図13Bに示すバース使用状況情報を参照し、利用道路判定部17が、計算し直した予測到着時刻に外部倉庫のバースが空いていると判定した場合、ステップS48で、利用道路判定部17は、トラックT1が外部倉庫までの移動に高速道路を利用すると判定する。
図21に戻り、利用道路判定部17は、自動車専用道路を利用するか否かの判定結果を示す判定結果情報を生成し(ステップS49)、通信部11に送る。通信部11は、利用道路判定部17から受け取った判定結果情報を車載装置3に送信し(ステップS50)、処理を終了する。ステップS45の後、処理を終了し、利用道路判定部17は、自動車専用道路を利用する判定の場合にのみ判定結果情報を車載装置3に送信することにしてもよい。
ステップS49で、利用道路判定部17が、トラックT1が外部倉庫までの移動に高速道路を利用することを示す判定結果情報を生成し、ステップS50で、通信部11がこの判定結果情報を対象輸送車両の車載装置3に送信すると、車載装置3の表示部34には、図16に示す画面が表示される。
本実施の形態に係る輸送管理システム100によれば、製造業において、輸送管理装置1が生産拠点端末2および車載装置3から得た情報に基づいて、当日製品が製造される物量を予測し、当日製品が製造される物量が設定された上限の値を超える場合には、自動車専用道路を利用する指示を対象輸送車両の車載装置3に表示することで輸送回数を増やし、輸送物量が少ないときには自動車専用道路を利用しないことで、製品の輸送に必要な数の輸送車両を確保しつつ、物流費を削減することができる。
上記の実施の形態では、輸送対象物が工業製品である場合について説明したが、本発明における輸送対象物は、拠点から他の拠点へ輸送される物品であればよい。例えば、輸送対象物は、荷姿が特定可能な梱包された農産物、水産物、原材料、物質、工芸品、集配物などでもよく、個体でも、液体でも、気体でも、それらの混合物でもよい。さらに、荷姿は必ずしも特定可能である必要はない。
従って、上述の生産拠点は、広くは、輸送対象物が準備・集積される任意の拠点でよく、所謂、集配所、物流センターなどを含む。この場合、実施の形態の生産拠点端末2は拠点端末と理解される。拠点端末の形態は、実施の形態で説明した機能を実現できるならば、専用の端末である必要はない。また、拠点端末は、拠点の情報を入力・送信できればよく、拠点に設置される必要はなく、その機能を有するものが何れかの場所に用意されていればよい。拠点端末の機能が分散して配置されていてもよい。
輸送車両は、自動車に限らず、鉄道車両、鉄道貨車、船舶、飛行機などの、物品を輸送できる全てのものを含む。ただし、相対的に低速で低コストの輸送経路と相対的に高速で高コストの輸送経路とが選択可能であることを前提とする。
車載装置3は、専用の装置に限定されず、タブレット装置、携帯端末装置、PDA(Personal Data Assistance)などでもよい。また、車載装置3に、自動車専用道路を使用するか否かの判定結果を送信して報知させたが、拠点に設置された表示装置に表示して報知させたり、ドライバーの携帯端末に電子メール、音声電話、SNSなどを使って通知することにより報知させたりしてもよい。報知の手法自体は任意である。
製品の仕様を示す製品情報は、広くは、輸送対象物の仕様を示す輸送対象物情報と理解される。
生産計画情報は、広くは、輸送対象物の製造、生産、梱包、倉庫までの搬送などを含む用意をする準備計画を示す準備計画情報に相当すると理解される。
製品の完成時刻情報は、広くは、輸送対象物の輸送のための用意が完了する時刻を示す完了時刻情報と理解される。担当者が完了時刻情報を拠点端末に入力するタイミングは、輸送対象物が実際に用意された時でもよいし、輸送対象物が用意できる時刻が確定した時でもよい。
生産実績差は、広くは、完了時刻情報が示す輸送対象物の用意が完了した最新の時刻と、準備計画における完了予定時刻との差である実績差に相当すると理解される。
バースは、拠点に設置された荷積みと荷下ろしが可能な空間を広く意味する。
上記の実施の形態では、予測物量を予測容積および予測床面積としたが、予測する物量は容積および床面積に限らず、例えば、生産拠点において当日生産される製品の段積み後の高さをさらに予測してもよい。また、物量を重量とすることも可能である。
上記の実施の形態では、利用道路判定部17は、対象輸送車両が到着した時刻以降の予測容積が設定容積を超えるタイミングまたは予測床面積が設定床面積を超えるタイミングがあるか否かを判定した。しかし、予測物量が超えたか否かの判定基準となる閾値は、保管可能な製品の物量の上限の値に限らず、保管可能な製品の物量の上限の値以下の任意の値にユーザが設定してもよい。
上記の実施の形態では、予測物量が閾値を超えるタイミングがあり、かつ、次の拠点までの輸送で自動車専用道路を利用した場合の予測到着時刻に次の拠点のバースが空いている場合に、次の拠点までの輸送で自動車専用道路を利用する或いは利用するべきと判定した。しかし、自動車専用道路に限らず、輸送費、渋滞する時間帯などの他の条件を加味して、予め決められたルートを変更する或いは変更するべきと判定してもよい。即ち、予め定められた条件を満たし、かつ、次の拠点まで自動車専用道路を含む他のルートを利用した場合の予測到着時刻に、次の拠点のバースが空いている或いは待ち時間が基準時間以下であるといった、予め定められた判定基準を満たす場合に、次の拠点までの輸送に自動車専用道路を含む他のルートを利用する或いは利用すべきと判定する構成にしてもよい。
上記の実施の形態では、日を単位に物量を予測する例を示したが、より短い単位時間、例えば、12時間、8時間などを単位時間として物量を予測してもよい。同様に、より長い時間を単位時間としてもよい。
上記の実施の形態では、位置情報が緯度経度情報である場合について説明したが、本発明における位置情報は、車載装置3が取得可能な輸送車両の位置を示す情報であればよい。
上記の実施の形態では、完成時刻情報、車両状態情報、緯度経度情報、予測容積床面積情報、および、バース使用状況情報に「日付」の項目を含むが、輸送管理装置1がタイマを備え、当日の日付を保持している場合には、これらの情報に「日付」の項目を含まなくてもよい。
上記の実施の形態では、輸送車両の状態が変化すると、輸送車両の運転手が車載装置3に輸送車両の状態を必ず入力することを前提に説明した。しかし、運転手が車載装置3に輸送車両の状態を入力し忘れる可能性もあるため、輸送管理装置1が入力忘れの発生を検出して、入力し忘れた状態を判定して車両状態情報を更新する構成にしてもよい。この場合、拠点情報に拠点が有するバースの領域を示す情報を含む。輸送管理装置1は、車両状態情報が示す輸送車両の状態が「移動」のまま、緯度経度情報が示す輸送車両の位置が拠点のバースの中にある状態が決められた時間継続した場合、「作業」の入力忘れを検出し、当該輸送車両の「作業」の状態を示す車両状態情報を記録する。輸送管理装置1は、車両状態情報が示す輸送車両の状態が「作業」のまま、緯度経度情報が示す輸送車両の位置が拠点のバースの外にある状態が決められた時間継続した場合、「移動」の入力忘れを検出し、当該輸送車両の「移動」の状態を示す車両状態情報を記録する。
輸送管理装置1は、車両状態情報が示す輸送車両の状態が「移動」のまま、緯度経度情報が示す輸送車両の位置が拠点の所在地の中のバース以外の位置にある状態が決められた時間継続した場合、「待機」の入力忘れを検出し、当該輸送車両の「待機」の状態を示す車両状態情報を記録する。輸送管理装置1は、車両状態情報が示す輸送車両の状態が「待機」のまま、緯度経度情報が示す輸送車両の位置が拠点のバースの中にある状態が決められた時間継続した場合、「作業」の入力忘れを検出し、当該輸送車両の「作業」の状態を示す車両状態情報を記録する。
輸送管理装置1は、車両状態情報が示す輸送車両の状態が「移動」のまま、緯度経度情報が示す輸送車両の位置が拠点の所在地以外の位置で決められた時間変化しない場合、「休憩」の入力忘れを検出し、当該輸送車両の「休憩」の状態を示す車両状態情報を記録する。輸送管理装置1は、車両状態情報が示す輸送車両の状態が「休憩」のまま、緯度経度情報が示す輸送車両の位置が変化している状態が決められた時間継続した場合、「移動」の入力忘れを検出し、当該輸送車両の「移動」の状態を示す車両状態情報を記録する。
上記の実施の形態では、発着時刻予測部15は、発着時刻予測処理において、対象輸送車両の「作業」を示す車両状態情報が輸送関連記憶部13に記録されたか否かを判定した。しかし、拠点情報に拠点が有するバースの領域を示す情報を含む場合には、発着時刻予測部15は、輸送関連記憶部13に記憶される緯度経度情報に基づいて、対象輸送車両がバース内に進入したか否かを判定してもよい。この場合、発着時刻予測部15は、対象輸送車両がバース内に進入したと判定すると、過去の車両状態情報、過去の緯度経度情報および拠点情報に基づいて、同じ拠点で対象輸送車両と同じ輸送車両の状態が「作業」であった場合の平均作業時間を算出する。
上記の実施の形態では、発着時刻予測部15は、車両状態情報に基づいて、輸送車両の作業、移動、待機、および、休憩のいずれの状態であるかを判別している。これに限らず、発着時刻予測部15は、位置情報に基づいて、輸送車両の状態を判別してもよい。この場合、発着時刻予測部15は、位置情報に基づいて、拠点のバース内で輸送車両が停止している場合は、「作業」と判別する。拠点の所在地の外で輸送車両が停止している場合は、「休憩」と判別する。拠点の所在地の中のバース外で輸送車両が停止している場合は、「待機」と判別する。輸送車両が移動している場合は、「移動」と判別する。
上記の実施の形態では、運行計画情報は、輸送管理装置1に予め記憶されている、輸送管理装置1にユーザが入力する、または、輸送管理装置1が外部のサーバから取得する。これに限らず、輸送管理装置1は、容積床面積予測部14が算出した調整時刻、各輸送車両の状態、緯度経度情報、積載量情報、拠点情報などに基づいて、運行計画を決定し、運行計画情報を作成してもよい。具体的には、輸送管理装置1は、各輸送車両の状態、緯度経度情報、積載量情報、拠点情報などに基づいて、容積床面積予測部14が算出した調整時刻に完成する製品のロットの輸送先と輸送車両と輸送日時とを決定し、運行計画情報を作成する。この場合、輸送関連記憶部13は、運行計画情報を記憶しなくてもよい。また、発着時刻予測部15が、容積床面積予測部14が算出した調整時刻、各輸送車両の状態、緯度経度情報、積載量情報、拠点情報などに基づいて、運行計画を決定してもよい。この場合、発着時刻予測部15は、運行計画における対象輸送車両の生産拠点への「到着予定時刻」、生産拠点からの「出発予定時刻」、次の拠点への「到着予定時刻」をそれぞれ、対象輸送車両が生産拠点に到着したことを示す緯度経度情報の時刻、予測出発時刻、予測到着時刻にして、運行計画情報を作成する。
上記の実施の形態では、利用道路判定部17は、生産拠点に到着した対象輸送車両について、生産拠点に到着した時刻以降の予測容積が設定容積を超えるタイミングまたは予測床面積が設定床面積を超えるタイミングがある場合、自動車専用道路を利用した場合の予測到着時刻に次の拠点のバースが空いていれば、次の拠点までの移動に自動車専用道路を利用すると判定する。これに限らず、生産拠点以外の拠点に到着した輸送車両について、次の拠点が生産拠点である場合は対象輸送車両とし、該拠点に到着した時刻以降の予測容積が設定容積を超えるタイミングまたは予測床面積が設定床面積を超えるタイミングがある場合、自動車専用道路を利用した場合の予測到着時刻に次の生産拠点のバースが空いていれば、次の生産拠点までの移動に自動車専用道路を利用すると判定してもよい。つまり、生産拠点から次の拠点までの移動だけでなく、他の拠点からの生産拠点までの移動についても自動車専用道路を利用するか否かを判定してもよい。この場合、利用道路判定処理は、図21に示すフローチャートからステップS42およびステップ43を省略した処理になる。
本発明は、本発明の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施の形態および変形が可能とされるものである。また、上述した実施の形態は、本発明を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。本発明の範囲は、実施の形態ではなく、請求の範囲によって示される。そして、請求の範囲内およびそれと同等の発明の意義の範囲内で施される様々な変形が、本発明の範囲内とみなされる。
本出願は、2018年6月15日に出願された、日本国特許出願特願2018−114311号に基づく。本明細書中に日本国特許出願特願2018−114311号の明細書、特許請求の範囲、図面全体を参照として取り込むものとする。