以下、適宜図面を参照しながら、本開示に係る投影指示装置、投影指示システムおよびプランデータ管理システムを具体的に開示した実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。なお、添付図面および以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるのであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することは意図されていない。
図1は、実施の形態1に係る投影指示システム5の構成の一例を示すブロック図である。投影指示システム5は、荷物仕分けシステム100と、サーバ200とを少なくとも含む構成である。投影指示システム5は、トラック輸送管理装置300と、倉庫制御装置400とを更に含む構成としてよい。
荷物仕分けシステム100は、例えば物流センタに設置される。荷物仕分けシステム100は、ラベルリーダ10と、画像センサ20と、投影指示装置30と、プロジェクタ40(画像投影装置の一例)とを備える。荷物仕分けシステム100は、搬送コンベヤにより搬送されてくる1以上の荷物のそれぞれを配送先(行き先)ごとに区分して仕分ける作業員の作業を支援する。搬送コンベヤは、例えばベルトコンベアあるいはローラコンベア等でよい。
荷物仕分けシステム100が設置される物流センタは、例えば小売業者、卸売業者、インターネット流通業者などが所有する。仕分け対象の荷物は、一般的には、配送される商品等が梱包された略直方体の形状を有する段ボールであるが、その外形は特に限定はされず、荷物の種類も特に限定されない。なお、荷物仕分けシステム100の構成は図1に示す構成に限定されない。例えば、一台のラベルリーダ10に複数の画像センサ20と、投影指示装置30と、プロジェクタ40を接続させるなど、各構成要素の数量は、仕分けの目的に応じて適宜変更可能である。
ラベルリーダ10は、レンズ、イメージセンサ等の光学部品を含む装置である。ラベルリーダ10を用いることで、搬送コンベヤにより搬送されてくる荷物に貼付されたラベルから、この荷物に関する各種の情報を記録したラベル記録情報を読み取ることができる。読み取られたラベル記録情報を用いることで、この荷物を特定することが可能である。ラベルから読み取られた情報によって、荷物特定情報(特に更新前の荷物特定情報)が定義づけられる。
画像センサ20は、レンズ、イメージセンサ等の光学部品を含む撮像装置である。画像センサ20は、一般的には撮像カメラとして構成される。撮像カメラは3次元カメラ、複数台の2次元カメラなどである。画像センサ20は、距離画像センサ22と色画像センサ24とを含む。
距離画像センサ22は、搬送コンベヤにより搬送されてくる荷物を撮像し、距離画像を生成する。生成された距離画像は、荷物の位置、荷物までの距離、荷物のサイズ等を示す情報として使用される。「距離画像」とは、撮像位置から各画素が示す位置(荷物の表面を含む)までの距離を示す距離情報を収容した画像のことをいう(つまり本開示において「画像」の語は距離画像を含む)。また、「距離画像」という文言には、距離を示す数値を列挙したテーブルなど、人の目で画像として認識できないものも含まれる。すなわち、「距離画像」は、撮像した領域内における座標と距離との関係を示す情報であればよく、そのデータ構造は問わない。本開示において距離画像センサ22は荷物の位置を特定するために用いられる。よって距離画像センサ22は、他のセンシングデバイス(超音波センサ、赤外線センサ、ステレオカメラ、単眼ビデオカメラ)が代替することもできる。
色画像センサ24は、距離画像が生成された荷物を撮像し、色画像を生成する。「色画像」とは、荷物の表面の色を所定の階調で表現した画像のことをいい、「階調」にはRGBの256階調のみならず、グレースケール等あらゆるものが含まれる。本開示において色画像センサ24は、距離画像センサ22が特定した荷物について、各荷物を追跡するために用いられる。色画像センサ24も、他のセンシングデバイス(超音波センサ、赤外線センサ、ステレオカメラ、単眼ビデオカメラ)で代替することができる。
つまり、本開示において「画像」の語は距離画像と色画像の双方を含む。本開示においては距離画像センサおよび色画像センサを含むセンシングデバイスとしての画像センサから出力される情報をセンシング情報と呼ぶ。本実施の形態においてはセンシングデバイスの一例として画像センサ20(距離画像センサ22および色画像センサ24を含む)を用いて説明を行う。また本実施の形態においては、センシング情報の例として、距離画像センサ22の出力である距離画像、色画像センサ24の出力である色画像を用いて説明を行う。
投影指示装置30は、荷物仕分けシステム100における演算装置としての役割を果たす。投影指示装置30は、バスを介して接続された入力部32、プロセッサ34、メモリ36、出力部38を備える。入力部32は、ラベルリーダ10が読み込んだラベル記録情報から取得した荷物の特定が可能な荷物特定情報、距離画像センサ22が生成した距離画像、色画像センサ24が生成した色画像を受け取る。プロセッサ34は一般的な演算装置によって構成され、荷物特定情報、距離画像および色画像に基づき、荷物に投影する投影画像を生成する。記憶装置としてのメモリ36は、プロセッサ34が各種処理に必要な制御プログラムの読み込み、データの退避等の操作を行う。すなわち、プロセッサ34とメモリ36は協働して投影指示装置30による各種処理を制御する。出力部38は、プロセッサ34が生成した投影画像をプロジェクタ40に出力する。なお、本開示において「プロセッサ」は単一のプロセッサのみを意味するものではない。「プロセッサ」は、複数の同一目的のプロセッサや、目的の異なるプロセッサ(例えば、汎用CPU(Central Processing Unit)とGPU(Graphical Processing Unit))が共同して処理を行う場合の動作主体を意味する語としても使用される。
プロジェクタ40は、一般的な画像投影装置により構成され、投影指示装置30から受信した投影画像を含む投影光を荷物に投影し、荷物上に表示する。
荷物仕分けシステム100は、ラベルリーダ10と、画像センサ20(距離画像センサ22および色画像センサ24)と、投影指示装置30と、プロジェクタ40とを有線通信または無線通信で繋ぎ合わすことにより構築できる。また、ラベルリーダ10と、画像センサ20と、投影指示装置30と、プロジェクタ40のうちいずれかの二台以上の装置を一体型の装置として構築することもできる。例えば、画像センサ20とプロジェクタ40とを合わせて、一体型の撮像投影装置として構築することもできる(図2参照)。
サーバ200は、プロセッサ210、メモリ211、表示部212、出力部213、および受信部214を有する。サーバ200は、記録装置等の記憶部(図示略)を更に有してもよい。プロセッサ210は、サーバ200の動作を統括的に制御する。例えば、プロセッサ210がメモリ211に保持されたプログラムを実行することで、信号処理、入出力処理、演算処理、記憶処理等を含む各種機能を実現する。プロセッサ210は、MPU(Micro Processing Unit)、CPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、GPU(Graphical Processing Unit)、等を含んでよい。
メモリ211は、一次記憶装置(例えばRAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory))を含む。記憶部(図示略)は、二次記憶装置(例えばHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive))や三次記憶装置(例えば光ディスク、SDカード)を含んでよい。メモリ211は、各種データ、情報、およびプログラムを記憶する。
表示部212は、液晶表示デバイス、有機EL(Electronic Luminescent)デバイス、またはその他の表示デバイスを含んでよい。表示部は、各種データおよび情報を表示する。
出力部213および受信部214は、出力部213が送信処理を行い、かつ受信部214が受信処理を行う通信回路を構成する。通信回路は、無線または有線を介して通信する。通信回路による通信方式は、例えば、WAN(Wide Area Network)、LAN(Local Area Network)、電力線通信、近距離無線通信(例えばBluetooth(登録商標)通信)、携帯電話用の通信等の通信方式を含んでよい。通信回路は、各種データ、および情報を通信する。通信回路は、ネットワークNWに接続可能なネットワークインターフェース、近距離無線通信インターフェース等を含む。
出力部213および受信部214は、ネットワークNW1を介して荷物仕分けシステム100と通信を行う。また、出力部213および受信部214は、ネットワークNW2を介してトラック輸送管理装置300と通信を行う。また、出力部213および受信部214は、ネットワークNW3を介して倉庫制御装置400と通信を行う。
また、サーバ200は、外部機関(例えば、気象庁、日本道路交通情報センタ)から天気情報、交通情報(渋滞情報を含む)を受け取り可能である。サーバ200は、外部機関とネットワークNW1,NW2,NW3のいずれかを介して接続される。また、サーバ200は、トラック輸送管理装置300からトラック手配状況情報、各トラックのルード情報、仕分け(積み込み)中のトラックの積載量情報を受け取り可能である。トラックの積載量情報は、リアルタイムの他、日毎の情報でもよい。また、サーバ200は、倉庫制御装置400から倉庫における作業員の人数、作業レベル、配送先ごとの荷物数等の情報を受け取り可能である。作業レベルは、各作業員の仕分けレベル、スピード、仕分け量、平均コンベア速度等を含む。なお、これらの情報は、荷物仕分けシステム100が作成して保持し、サーバ200に提供してもよい。
サーバ200は、荷物仕分けシステム100から荷物の荷物容量(配送先ごとの荷物容量、トラックの積載率情報を含んでよい)、リアルタイムの仕分け状況、達成度の情報を受け取り可能である。荷物容量は、荷物のサイズから計算される荷物の大きさを表す値である。また、サーバ200は、荷物情報として、荷物の注意情報(取扱い注意、ワレモノ等)、宛先情報(宛先は途中で変更されることもある)を受け取り可能である。
トラック輸送管理装置300は、プロセッサ310、表示部312、出力部313、および受信部311を有する。プロセッサ310は、トラック輸送管理装置300の動作を統括的に制御する。プロセッサ310は、メモリを内蔵し、例えば、メモリに記憶されたプログラムを実行することで、各種機能を実現する。プロセッサは、MPU(Micro Processing Unit)、CPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、GPU(Graphical Processing Unit)、等を含んでよい。
出力部313および受信部311は、出力部313が送信処理を行い、かつ受信部311が受信処理を行う通信回路を構成する。通信回路は、無線または有線を介して通信する。通信回路による通信方式は、例えば、WAN(Wide Area Network)、LAN(Local Area Network)、電力線通信、近距離無線通信(例えばBluetooth(登録商標)通信)、携帯電話用の通信等の通信方式を含んでよい。通信回路は、各種データおよび情報を通信する。通信回路は、ネットワークNWに接続可能なネットワークインターフェース、近距離無線通信インターフェース等を含む。出力部313および受信部311は、ネットワークNW2を介してサーバ200と通信を行う。
表示部312は、トラックの積載状況を表示するUI(User Interface)画面350(図4参照)を表示する。表示部312は、液晶表示デバイス、有機EL(Electronic Luminescent)デバイス、またはその他の表示デバイスを含んでよい。表示部312は、その他の各種データおよび情報を表示する。
倉庫制御装置400は、プロセッサ410、表示部412、出力部413、および受信部411を有する。プロセッサ410は、倉庫制御装置400の動作を統括的に制御する。プロセッサ410は、メモリを内蔵し、例えば、メモリに記憶されたプログラムを実行することで、各種機能を実現する。プロセッサは、MPU(Micro Processing Unit)、CPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、GPU(Graphical Processing Unit)、等を含んでよい。
出力部413および受信部411は、出力部413が送信処理を行い、かつ受信部411が受信処理を行う通信回路を構成する。通信回路は、無線または有線を介して通信する。通信回路による通信方式は、例えば、WAN(Wide Area Network)、LAN(Local Area Network)、電力線通信、近距離無線通信(例えばBluetooth(登録商標)通信)、携帯電話用の通信等の通信方式を含んでよい。通信回路は、各種データおよび情報を通信する。通信回路は、ネットワークNWに接続可能なネットワークインターフェース、近距離無線通信インターフェース等を有する。出力部413および受信部411は、ネットワークNW3を介してサーバ200と通信を行う。
表示部412は、倉庫の状況を表示する。表示部412は、液晶表示デバイス、有機EL(Electronic Luminescent)デバイス、またはその他の表示デバイスを含んでよい。表示部412は、その他の各種データおよび情報を表示する。
なお、実施の形態1では、投影指示システム5は、サーバ200、トラック輸送管理装置300および倉庫制御装置400を別々の装置として含む構成であったが、サーバがトラック輸送管理装置および倉庫制御装置を包含する構成であってもよい。また、本実施形態では、ネットワークNW1,NW2,NW3は、別々のネットワークで構成されたが、同一のネットワークで構成されてもよい。
図2は、物流センタに設置された荷物仕分けシステム100が稼働している状況を示す概念図である。搬送コンベヤ50の上方に配置されたラベルリーダ10が、搬送コンベヤ50により搬送されてくる各荷物Pに貼付されたラベルを読み取る。ラベルには、この荷物に関する各種の情報を含むラベル記録情報が記載されている。ラベル記録情報は、この荷物に個別に付与される荷物特定番号、発送人の氏名、住所、電話番号、受取人の氏名、住所、電話番号、荷物の種類、等に類似する情報を含む。なお、ラベルの読み込みは、担当の作業者がラベル内のバーコードに、ラベルリーダ10としてのバーコードリーダを手で当てて読み込むことで行われてもよい。
さらに画像センサ20が、搬送コンベヤ50により搬送されてくる荷物Pの画像(距離画像および色画像)を撮像し、荷物Pの位置、荷物Pまでの距離、荷物Pのサイズ(荷物Pが直方体の場合は3辺の長さ)、荷物Pの色、荷物Pの模様等の情報を取得する。なお、ラベルリーダ10、画像センサ20の配置位置や、センシングデバイスの種類、処理の順序は特に図示した形態に限定されない。この例では、画像センサ20とプロジェクタ40が一体型の撮像投影装置60として構築され、搬送コンベヤ50の上方に配置されている。
投影指示装置30は、例えば搬送コンベヤ50の近傍や、別の部屋に配置されたコンピュータにより構成され、ラベルリーダ10が獲得した荷物を特定する情報と、画像センサ20が生成した距離画像および色画像に基づき、荷物P(荷物Pが直方体の場合は例えば上面)に表示する投影画像を生成する。投影指示装置30は投影画像を荷物Pに投影すべき投影指示をプロジェクタ40に送る。投影指示を受けた、プロジェクタ40は、投影指示装置30が生成した投影画像を含む投影光を荷物Pに投影し、荷物P上に投影画像を表示する。
なお、本開示において「画像投影装置」とは光線を直接荷物に投影するものに限定されない。本開示において「画像投影装置」には画像を表示可能な眼鏡も含む。つまり本開示において、荷物に投影光を投影する、荷物に画像を表示する、荷物に画像を投影する、などと表現した場合は、その表現は画像を表示可能な眼鏡を介して、擬似的に、荷物に投影光が投影されているかのように作業者に認識させることも含む。つまり、作業者が画像を表示可能な特殊な眼鏡を装着している場合、眼鏡を介して視認される荷物Pの像に、ここでの投影画像を重ねあわせてもよい。
搬送コンベヤ50の脇には、荷物を拾い上げる担当の作業員Mが立っており、自身の領域に到達した荷物を搬送コンベヤ50から拾い上げ、待機しているトラックに積み込む。
例えば、荷物P1に貼付されたラベルには、ラベル記録情報として、例えば「AAA111」の荷物特定情報が含まれる。「AAA111」の荷物特定情報は、特定領域で仕分けの対象となる旨が特定されている。したがって、プロセッサ34は、荷物P1が特定領域に到着すると、荷物P1の荷物特定情報を基に生成した投影画像のデータをプロジェクタ40に送信する。プロジェクタ40は投影画像を荷物P1に投影する。
(動作の概要)
以下、荷物仕分けシステム100の基本的な動作を説明する。図16は、実施の形態1に係る投影指示装置30、特に投影指示装置30のプロセッサ34が主として行う動作の概要手順例を示すフローチャートである。
図16において、先ず、ラベルリーダ10による荷物のラベルのラベル記録情報の読み取り後、投影指示装置30の入力部32がラベルリーダ10から、ラベル記録情報に対応した荷物特定情報を取得する(S1)。荷物特定情報とは、当該荷物に個別に付与される荷物特定番号、発送人の氏名、住所、電話番号、受取人の氏名、住所、電話番号、荷物の種類、等に類似する情報の少なくとも一つ含む情報である。プロセッサ34は、当該荷物特定情報に対して、当該荷物を特定する荷物特定番号としてのIDを付与し、IDを付与した時刻に対応する時刻情報とともにメモリ36に記録する(S2)。メモリ36に記録するIDは、荷物特定情報に元から記録されていた荷物特定番号でもよいし、投影指示装置30が新しいIDを生成して付与してもよい。
一方、ステップS1およびステップS2と並行して、画像センサ20による荷物の画像の撮像後、投影指示装置30の入力部32が画像センサ20からセンシング情報としての画像を取得する(S20)。プロセッサ34は、当該画像に存在する荷物に対応するIDがメモリ36に存在するか否かを判定する(S30)。
当該画像に存在する荷物に対応するIDがメモリ36に存在するか否かを判定する手法の一例としては、次のような手順によることが挙げられる。すなわち、プロセッサ34は、ラベルリーダ10と画像センサ20との間の距離(既知とする)、および搬送コンベヤ50の速度から、荷物がラベルリーダ10と画像センサ20との間を移動するために要する時間を計算する。そして、プロセッサ34は、画像を取得した時刻から当該計算された時間を引く(つまり減算する)ことで、画像に存在する荷物がラベルリーダ10(およびプロセッサ34)によりIDを付与された時刻が推定できる。そして、プロセッサ34は、当該推定した時刻に近接して付与されたIDが、当該画像に存在する荷物に対応するIDであると推定できる。また、他の一例としては、ラベルリーダ10近辺に他の画像センサを設置する手法が挙げられる。すなわち、ラベルリーダ10がID(およびプロセッサ34)を付与した際から、ラベルリーダ10近辺に設置した他の画像センサを用いて当該IDが付与された荷物を追跡することで、時刻毎に当該荷物(およびID)とラベルリーダ10との距離を計測する。プロセッサ34は、計測された荷物(およびID)とラベルリーダ10との距離と、ステップS20で取得された画像における荷物の距離と、2つの画像センサとの距離(既知とする)から所定のステップS20で取得された画像における荷物のIDを推定することができる。
このようにして、プロセッサ34は当該画像に含まれる荷物に対応するIDがメモリ36に存在するか否かを判定する(S30)。すなわち、ステップS2で述べたように、メモリ36には、荷物特定情報、ID、IDを付与した時刻に対応する時刻情報が予め記録されている。一方、プロセッサ34は、例えば上述したように、画像を取得した時刻から荷物がラベルリーダ10と画像センサ20との間を移動するために要する時間を引く(つまり減算する)ことで、画像に存在する荷物がラベルリーダ10(およびプロセッサ34)によりIDを付与された時刻が推定できる。プロセッサ34は、予めメモリ36に記録された時刻情報と推定した時刻とを比較し、これらの値が近い場合は(例えば時間差が所定の閾値時間以下の場合など)、画像に含まれる荷物に対応するIDがメモリ36に存在すると判定することができる。メモリ36に荷物に対応するIDが存在すると判定した場合(S30;Yes)、ステップS60以降の処理に進む。
メモリ36に荷物に対応するIDが存在しないと判定した場合(S30;No)、プロセッサ34は、当該荷物にIDが付与されていないことを前提として、当該荷物の位置を改めて特定し(S40)、荷物にIDを付与する(S50)。ステップS30〜ステップS50については、さらにその詳細について後述する。
さらにプロセッサ34は、所定の間隔をおいて入力部32が取得する画像センサ20からの画像に基づき、搬送コンベヤ50により搬送されて移動するID付きの荷物を追跡する(S60)。また、プロセッサ34は、荷物の追跡と並行して投影画像を生成し、プロジェクタ40に送信する(S70)。なお、投影画像は常時生成するのではなく、荷物が拾い上げられるべき領域に存在する場合のみに生成されるものとしてもよい。また、荷物が拾い上げられたか否かに応じて荷物が作業者により拾い上げられたか否かに応じて、荷物に投影する画像を切り替えても良い。荷物が拾い上げられたか否かの判定は画像センサ20が撮影した画像を解析することによって判定できる。また、荷物が拾い上げられた場合に投影する画像の一例としては、当該荷物の詳細情報が挙げられる。
投影指示装置30から投影画像を取得したプロジェクタ40は、当該投影画像を対応する荷物に投影する。
(投影位置の補正)
図16に示したとおり、荷物仕分けシステム100では、荷物の追跡(S60)と、投影画像の生成(S70)および投影の処理は並行して行われる。その一方、荷物の追跡に要する処理は、画像の取得および解析を行う処理を含むため、一般的に投影画像の生成の処理よりも負荷が大きい。そのため、荷物の追跡によって更新される荷物の位置に合わせて投影画像を投影した場合、投影画像が投影される位置は、荷物の追跡の更新頻度でしか更新されない。その結果、作業者の視点からは、投影画像が一定期間(荷物の追跡による位置の更新に要する期間)停止した後、急に移動するように見えてしまう。
図17は、この問題を模式的に示した図である。図17は、荷物への投影位置の一例の説明図である。図17において、上段の実線にて実際の荷物の位置を、上段および下段の破線にて荷物仕分けシステム100が荷物の追跡の処理によって認識している荷物の位置を示す。また、TS1〜TS4は、時刻を示すタイムスタンプである。
図17は、荷物の追跡の周期が3時刻ごと、荷物の投影の処理が毎時刻行われると仮定した場合の遷移を示している。すなわち、時刻TS2および時刻TS3では、荷物の位置は更新されない(図17の下段にて斜線で示している)一方、荷物は随時移動し、投影画像は毎時刻投影される。その結果、図17の上段に示した通り、時刻TS2および時刻TS3では、投影画像が投影される位置が荷物の実際の位置からずれていく。そして、時刻TS4にて荷物の位置が更新されると、投影画像が投影される位置が急に移動する。
この問題を解決するため、荷物仕分けシステム100では、荷物の投影位置を補正する処理を行う。
具体的には、荷物の移動速度(搬送コンベヤ50による搬送速度)がvである場合、荷物が移動した移動距離Dは、(現在の時刻−直近で荷物の位置が更新された時刻)×vによって計算することができる。なお、プロセッサ34は、移動距離Dを方向付きの距離(例:東方向へ2cmなど)として算出しても良いし、荷物の移動方向が搬送コンベヤ50の搬送方向と実質的に同じである場合は特に方向を定めない距離として算出してもよい(つまり、移動距離Dを方向つきの距離として算出するためにはvを方向付きの速度で定めればよい)。投影画像を投影すべき荷物の予測投影位置は、画像の位置に対しDを加えることで求めることができる。なお、以下では、特に区別しない限り、「距離」および「速度」という表現は、方向付きのものと方向なしのものの総称として説明する。
上述した距離Dの算出を可能にするために、速度vの値を推定もしくは実測によって定める必要がある。速度vの値を定めるには以下のような手法をとることができる。
手法1)荷物の追跡(ステップS60)を行っている際に、時間当たりの移動距離および方向からvを算出する。
手法2)所定の速度および方向へ荷物が移動するものとみなして、当該速度をvとする。
手法3)コンベヤの搬送速度および方向をモータの出力等から監視し、当該速度をvとする(荷物の速度はコンベヤと等速であると仮定する)。
また、vの値は、手法1)〜手法3)のいずれか1つの手法によって算出するのではなく、各手法で算出された結果を総合的に評価して決定しても良い。例えば、手法1)〜手法3)のそれぞれによって算出された結果の平均値をvとすることが考えられる。
また、予め荷物の速度及び方向を所定のものだとみなす手法2)、および、コンベアの搬送速度から速度を算出する手法3)は、荷物仕分けシステム100の動作が開始した当初から速度を推測できるのに対し、荷物の追跡結果から速度を算出する手法1)ではある程度の時間が経過しなくては速度を推測することができない。一方、手法1)では、コンベヤの搬送方向等と無関係に実際の荷物の移動を速度vに反映することができるため、荷物同士の衝突による移動や、荷物に作業者が触れたことによって、荷物がコンベアの搬送方向と異なる方向に移動した場合であっても、実際の移動に追従した位置に投影位置を補正することができる。具体的には、手法1)では、コンベアの搬送方向に対して垂直あるいは斜めに移動したり、荷物がコンベアの搬送方向に逆行したりしたとしても投影位置を補正することができる。
これらの各手法の特性を考慮し、たとえば、経過した時間に応じて使用すべき手法を切り替えたり、重みづけ平均の重みを変えるなど評価に反映する程度を変更したりしてもよい。すなわち、荷物仕分けシステム100の起動の直後は手法2)及び手法3)を主に使用し、時間が経過すれば手法1)を主に使用することで、各手法の利点を活用することができる。
このように投影画像を投影すべき位置を補正することにより、実施の形態1によれば、プロジェクタ40が、荷物に対し、その動きに沿ってより正確に投影画像を投影することが可能になり、人間の目から見ても画像の投影が滑らかに見えるようになる。
なお、DをD=(現在の時刻+Δt−直近で荷物の位置が更新された時刻)×vによって算出してもよい。ここでΔtは投影指示装置30からプロジェクタ40への投影画像の伝送時間とすることができる。またはΔtはプロジェクタ内部での処理による遅延時間とすることもできる。またはΔtは投影指示装置30からプロジェクタ40への投影画像の伝送時間にプロジェクタ内部での処理による遅延時間を加えた時間とすることもできる。このようにΔtを定めることで予測投影位置をより精密に算出することができる。
図3は、荷物の上面に文字、数字等の情報を含む投影画像を投影した状態を示す図である。作業員Mは、荷物P1に投影された投影画像を見て、自身が担当する荷物であることを確認すると、すぐさま到着した荷物P1をトラックに積み込む。したがって、仕分け作業が効率良く行える。なお、荷物P2についても同様である。
図4は、トラック輸送管理装置300の表示部312に表示されたUI画面350を示す図である。投影指示装置30は、投影画像が投影された荷物のトラックへの積載が済んだことの検出(例えば作業員からの入力操作、画像センサ20の出力に基づく判断)があると、画像センサ20によって検出される荷物の容量情報を含む荷物特定情報をサーバ200に送る。サーバ200は、荷物仕分けシステム100からネットワークNW1を介して荷物の容量情報を含む荷物特定情報を取得し、配送先が異なるトラックごとにトラックの現在占有容量をリアルタイムに計算する。サーバ200は、トラックごとにトラックの現在占有容量を計算した結果を表すUI画面350を作成し、トラック輸送管理装置300または倉庫制御装置400に送る。トラック輸送管理装置300は、UI画面350のデータを受けると、表示部312にUI画面350を表示する。また、倉庫制御装置400は、UI画面350のデータを受けると、表示部412にUI画面350を表示する。
UI画面350には、例えば5台のトラックに対し、それぞれトラックアイコン、トラック情報、トラックの占有容量を表すバー表示、積載された荷物のサイズから計算される現在の荷物容量比、および積載された荷物の個数から計算される現在の荷物量比が複数段に表示される。例えば、最上段の1台目のトラックの場合、トラックアイコン、トラック情報の他、トラックの占有容量をオレンジ色のグラデーションで表すバー表示、荷物容量比:31%、荷物量比:32/100が示される。
トラックの配送管理者または仕分けの作業員は、UI画面350を見ることで、トラックの荷台に積み込まれている荷物のサイズ感を直感的に把握できる。例えば、トラックの配送管理者または仕分けの作業員は、搬送される荷物のどこまでを現在のトラックに積み込み、どこから次のトラックに積み込むかを大まかに把握でき、自身の作業効率を向上できる。また、トラックの配送管理者は、トラックの現在占有容量を基に、荷物の積み込みに必要なトラックの台数、つまりトラックの手配数をより正確に計画できる。例えば、荷物が多い場合、トラックの配送管理者は、次のトラックを準備できる。一方、荷物が少ない場合、トラックの配送管理者は、待機させるトラックを準備しなくて済む。したがって、トラックの手配に無駄が無くなる。
なお、トラックの現在占有容量を表すUI画面を表示する表示デバイスは、トラック輸送管理装置300の表示部312に限らず、サーバ200の表示部212、サーバ200に接続可能なスマートフォン、タブレット端末等のディスプレイ、あるいは投影指示装置30に接続されるモニタであってもよい。
また、トラックの配送管理者は、UI画面に表示されるトラックの積載状況を基に、荷物が多い場合に、その多くの荷物を運搬するトラックの運転者の収入が動的に増えるように、ダイナミックプライシング(言い換えると、トラックの運転者への賃金の動的増加)を行ってもよい。また、荷物が多い場合、投影指示装置30は、プロジェクタ40によって投影される投影画像に、荷物に重ならないようベルトコンベア上に、例えば「ガンバレ」、「あと2分で休憩」等のメッセージを挿入し、仕分けを行う作業員のモチベーションを向上させる、あるいは気分転換を図る等の措置を施してもよい。
次に、実施の形態1に係る投影指示システム5の動作を示す。
ここでは、投影指示システム5が、荷物特定情報を基に荷物の仕分け動作を行う場合を示す。なお、仕分け情報を含む荷物特定情報の変更は、追加、変更、削除を概念的に含む意味である。
[投影指示システムの利用例1]
(通常の荷物の仕分け)
図5は、投影指示システム5における荷物の仕分け動作の手順を示す図である。通常の荷物の仕分けでは、原則、行き先ごとに異なる担当者が荷物の仕分けを行う。各担当者は、荷物の上面に投影される投影画像を基に、荷物の行き先を判断する。投影画像は、荷物の上面に投影される円画像である。円画像は、行き先ごとに異なる色で塗り潰される。円画像の中心には、担当者を識別するための担当者番号が記述される。本実施の形態では、円画像の色が「青色」、「緑色」、「黄色」である場合、行き先がそれぞれ「東京」、「大阪」、「北海道」であることを表す。また、担当者番号が「1」、「2」、「3」である場合、それぞれ東京行きの荷物を仕分ける担当者M1,大阪行きの荷物を仕分ける担当者M2,北海道行きの荷物を仕分ける担当者M3であることを表す(図6参照)。特に仕分け先を区別しない場合、仕分けを行う担当者を単に作業員Mと称する。投影画像の一例として円画像を例示しているが、この円画像は、必ずしも円形である必要はなく、四角形、多角形など、いかなる形状でもよい。
投影指示装置30は、ラベルリーダ10によって搬送コンベヤで搬送される荷物に貼付されたラベルを読み込み、荷物の行き先等の情報を含む荷物特定情報を取得する。また、投影指示装置30は、画像センサ20によって搬送コンベヤで搬送される荷物を撮像し、荷物の数量、荷物容量等の情報を取得する。投影指示装置30は、通信回路39によってネットワークNW1に接続されたサーバ200に対し、荷物の行き先、荷物の数量、荷物容量等の情報を送信する(T1)。
サーバ200のプロセッサ210は、通常の荷物を仕分ける担当者情報として、担当者M1が東京行きの荷物を仕分けし、担当者M2が大阪行きの荷物を仕分けし、担当者M3が北海道行きの荷物を仕分けすることをメモリ211に登録する。なお、荷物仕分けシステム100が通常の荷物を仕分ける担当者情報をメモリに登録してもよい。
一方、サーバ200のプロセッサ210は、外部情報として、外部機関から天気情報および交通情報を定期的に取得する(T2)。例えば、天気情報において東京に台風が来ると予想される場合、東京行きの荷物を急いで仕分けしたい状況が起きる。交通情報は、渋滞情報を含む。
また、サーバ200のプロセッサ210は、ネットワークNW3を介して、倉庫制御装置400から荷物情報を取得する(T3)。例えば、明日の荷物は、東京行きの荷物が多い、今から1時間東京行きの荷物が多くなる等の場合、同様に、東京行きの荷物を急いで仕分けしたい状況が起きる。
また、サーバ200のプロセッサ210は、ネットワークNW2を介して、トラック輸送管理装置300からトラックの手配情報、予定されているトラックの積載容量、および配送ルート情報を取得する(T4)。
サーバ200のプロセッサ210は、手順T1で投影指示装置30から受信した荷物の行き先、荷物の数量、荷物容量等の情報を基に、作業員に対する仕分け作業の変更を判断する。プロセッサ210は、変更後の仕分け情報を含む荷物特定情報を荷物仕分けシステム100に出力する。変更後の荷物特定情報において、プロセッサ210は、例えば、東京行きの荷物を急いで仕分けるように、大阪行きの荷物の仕分けを行う担当者M2に対し、大阪行きの荷物の他に、東京行きの荷物を仕分けるように、ネットワークNW1を介して荷物仕分けシステム100に指示する(T5)。
荷物仕分けシステム100の投影指示装置30は、通信回路39を介してこの指示を受信すると、プロジェクタ40に対し、変更後の仕分け情報を含む荷物特定情報として、担当者M1が東京行きの荷物を仕分けし、担当者M2が大阪行きおよび東京行きの荷物を仕分けし、担当者M3が北海道行きの荷物を仕分けするように、投影画像の投影を指示する。
図6は、荷物の上面に投影される投影パターンQ1の一例を示す図である。通常、荷物の仕分けでは、翌日の予測やリアルタイム情報から、配送先の荷物の仕分けに偏りが生じ易い。例えば、担当者M1が仕分けする東京行きの荷物が多いと、大阪行きの担当者M2に手伝ってもらうことも可能である。投影パターンQ1では、プロジェクタ40は、大阪行きの担当者M2が東京行きの荷物を仕分けるように、ヘルプを含む投影画像を荷物の上面に投影する。
ここで、変更前の仕分け情報を含む荷物特定情報では、プロジェクタ40は、搬送コンベヤで最初に搬送される東京行きの荷物に対し、青色塗り潰し(図中、ドット表示)、担当者番号「1」の円画像である投影画像Gbを投影する。プロジェクタ40は、搬送コンベヤで2番目に搬送される、大阪行きの荷物に対し、緑色塗り潰し(図中、ハッチング表示)、担当者番号「2」の円画像である投影画像Gbを投影する。プロジェクタ40は、搬送コンベヤで3番目に搬送される、北海道行きの荷物に対し、黄色塗り潰し(図中、白色表示)、担当者番号「3」の円画像である投影画像Gbを投影する。
変更後の仕分け情報を含む荷物特定情報では、プロジェクタ40は、搬送コンベヤで最初に搬送される東京行きの荷物に対し、青色で塗り潰し、担当者番号「1」の円画像である投影画像Gaを投影する。プロジェクタ40は、搬送コンベヤで2番目に搬送される、大阪行きの荷物に対し、緑色で塗り潰し、担当者番号「2」の円画像である投影画像Gaを投影する。さらに、プロジェクタ40は、搬送コンベヤで3番目に搬送される、東京行きの荷物に対し、青色で塗り潰し、担当者番号「2」の円画像である投影画像Gaを投影する。これにより、通常大阪行きの荷物を仕分ける、担当者番号「2」の担当者M2は、東京行きの荷物と大阪行きの荷物の両方を仕分けることになる。なお、大阪行きの荷物の仕分けを行う担当者に、東京行きの荷物の仕分けを手伝って貰うためのヘルプ画面として、ここでは、青色で塗り潰し、担当者番号「2」の円画像である投影画像Gaを投影したが、青色で塗り潰しの代わりに、青色が点滅する投影画像であってもよい。プロジェクタ40は、搬送コンベヤで4番目に搬送される、北海道行きの荷物に対し、黄色で塗り潰し、担当者番号「3」の円画像である投影画像Gaを投影する。
サーバ200のプロセッサ210は、変更後の仕分け情報を含む荷物特定情報にしたがい、トラック輸送管理装置300に対し、ネットワークNW2を介してトラックの手配を指示する(T6)。トラック輸送管理装置300は、この指示を受信すると、表示部312にトラックの手配情報を表示し、また、トラックの配送を指示する。
また、サーバ200のプロセッサ210は、ネットワークNW3を介して倉庫制御装置400に対し、変更後の仕分け情報を出力する(T7)。倉庫制御装置400は、変更後の仕分け情報を表示部412に表示する。
このように、投影指示システム5では、荷物の上面に仕分け情報を含む投影画像を投影する際、投影される円画像に重畳される番号で仕分け担当者を表現し、円画像の色で仕分け先を表現する。これにより、仕分けを行う作業員は、仕分けされる荷物の担当者および配送先を容易に認識できる。また、特定の荷物の仕分け先の荷物の仕分け量が多い場合、投影指示装置は、別の仕分け先の荷物を仕分けする作業員を特定の荷物の仕分けに割り当て、特定の荷物を仕分ける作業員をサポートするように指示できる。したがって、投影指示装置は、仕分けを行う作業員の労働を均一化できる。また、特定の仕分け先への荷物の仕分けの遅延が抑制される。
図7は、荷物の上面に投影される投影パターンの他の一例を示す図である。多くの東京行きの荷物を仕分ける場合、サーバ200のプロセッサ210は、荷物仕分けシステム100に対し、空いている担当者M2を一時的に東京行きの荷物を仕分けるように割り当ててもよい。この場合、投影指示装置30は、プロジェクタ40に対し、青色で塗り潰し、担当者番号:「2」の円画像を荷物の上面に投影するように指示する。これにより、東京行きの荷物を仕分ける担当者が1人増えることになり、東京行きの荷物の仕分け作業が捗る。
図8は、荷物の上面に投影される投影パターンの別の他の一例を示す図である。大阪行きの荷物を仕分ける担当者M1と北海道行きの荷物を仕分ける担当者M2がいる状況において、東京行きの荷物を仕分ける仕分け作業が入った場合、サーバ200のプロセッサ210は、大阪行きの荷物が少なかった場合、大阪行きの荷物を仕分ける担当者M1に対し、東京行きの荷物を仕分けるように、割り当ててもよい。この場合、投影指示装置30は、プロジェクタ40に対し、緑色で塗り潰し、担当者番号:「1」の円画像を大阪行きの荷物の上面に投影し、青色で塗り潰し、担当者番号:「1」の円画像を東京行きの荷物の上面に投影するように指示する。これにより、1人の担当者が大阪行きの荷物と東京行きの荷物の両方を仕分けることができる。
(緊急を要する荷物の仕分け)
図9は、投影指示システム5における緊急を要する荷物の仕分け動作の手順を示す図である。荷物仕分けシステム100の投影指示装置30は、ラベルリーダ10によって搬送コンベヤで搬送される荷物に貼付されたラベルを読み込み、行き先ごとの荷物量、積載率および荷物取り扱い情報を取得する(T11)。投影指示装置30は、通信回路39によってネットワークNW1に接続されたサーバ200に対し、取得した情報を送信する。
サーバ200のプロセッサ210は、外部情報として、外部機関から天気情報および交通情報を定期的に取得する。例えば、天気情報において北海道に台風が来ると予想される場合、北海道行きの荷物を急いで仕分けしたい状況が起きる。プロセッサ210は、特定の行き先(ここでは北海道)行きの荷物を緊急(urgent)に指定する(T12)。緊急指定する場合として、天気情報により台風の接近が迫っている場合の他、配送ルートの近隣でイベントが開催され、交通渋滞が予想される場合等が挙げられる。
サーバ200のプロセッサ210は、ネットワークNW3を介して、倉庫制御装置400から荷物情報を取得する(T13)。例えば、荷物情報として、プロセッサ210は、仕分け量、現在あるいは日毎の荷物の個数、および作業員情報が挙げられる。作業員情報は、作業員の人数および熟練度を含む。
サーバ200のプロセッサ210は、ネットワークNW2を介して、トラック輸送管理装置300からトラックの手配情報、予定されているトラックの積載容量、および配送ルート情報を取得する(T14)。
サーバ200のプロセッサ210は、手順T12で緊急指定した情報を基に、変更後の仕分け情報として、北海道行きの荷物に対し、緊急指定するように荷物仕分けシステム100に指示する(T15)。
荷物仕分けシステム100の投影指示装置30は、通信回路39を介してこの指示を受信すると、プロジェクタ40に対し、変更後の仕分け情報として、担当者M1が東京行きの荷物を仕分けし、担当者M2が大阪行きの荷物を仕分けし、担当者M3が北海道行きの荷物を仕分けする際、北海道行きの荷物を緊急指定して投影画像を投影するように、指示する。
図10は、緊急を要する荷物の上面に投影される投影パターンQ2を示す図である。この投影パターンQ2では、プロジェクタ40は、搬送コンベヤで最初に搬送される東京行きの荷物に対し、青色で塗り潰し、担当者番号「1」の円画像である投影画像Gaを投影する。プロジェクタ40は、搬送コンベヤで2番目に搬送される、大阪行きの荷物に対し、緑色で塗り潰し、担当者番号「2」の円画像である投影画像Gaを投影する。プロジェクタ40は、搬送コンベヤで3番目に搬送される、北海道行きの荷物に対し、通常の場合、黄色で塗り潰し、担当者番号「3」の円画像である投影画像Gbを投影する。しかし、緊急指定の場合、プロジェクタ40は、赤色で塗り潰し(図中、クロス表示)、「Urgent」の文字、担当者番号「3」の円画像である投影画像Gaを投影する。北海道行きの荷物を仕分ける担当者M3は、荷物の上面に投影された、通常とは異なって目立つ、赤色塗り潰し、「Urgent」の文字の円画像である投影画像Gaを視認することで、緊急時の仕分けに素早く対応できる。
サーバ200のプロセッサ210は、緊急指定された荷物の情報を含む、変更後の仕分け情報にしたがい、トラック輸送管理装置300に対し、ネットワークNW2を介してトラックの手配を指示する(T16)。トラック輸送管理装置300は、この指示を受信すると、表示部312にトラックの手配情報を表示し、また、トラックの配送を指示する。
また、サーバ200のプロセッサ210は、ネットワークNW3を介して倉庫制御装置400に対し、北海道の荷物を優先して仕分けるように変更された変更後の仕分け情報を出力する(T17)。倉庫制御装置400は、変更後の仕分け情報を表示部412に表示する。
このように、投影指示システム5では、投影指示装置は、急がなければならない仕分け先の業務を優先するように指示できる。
(トラックの手配を考慮した荷物の仕分け)
図11は、投影指示システム5におけるトラックの手配を考慮した荷物の仕分け動作の手順を示す図である。荷物仕分けシステム100の投影指示装置30は、ラベルリーダ10によって搬送コンベヤで搬送される荷物に貼付されたラベルを読み込み、行き先ごとの荷物量、積載率および荷物取り扱い情報を取得する(T21)。投影指示装置30は、通信回路39によってネットワークNW1に接続されたサーバ200に対し、取得した情報を送信する。
サーバ200のプロセッサ210は、外部情報として、外部機関から天気情報および交通情報を定期的に取得する(T22)。
サーバ200のプロセッサ210は、ネットワークNW3を介して、倉庫制御装置400から荷物情報を取得する(T23)。例えば、荷物情報として、プロセッサ210は、仕分け量、現在あるいは日毎の荷物の個数、および作業員情報が挙げられる。作業員情報は、作業員の人数、熟練度を含む。
サーバ200のプロセッサ210は、ネットワークNW2を介して、トラック輸送管理装置300からトラックの手配情報、予定されているトラックの積載容量、および配送ルート情報を取得する(T24)。
サーバ200のプロセッサ210は、手順T24で取得したトラックの手配情報、予定されているトラックの積載容量、および配送ルート情報を基に、変更後の仕分け情報を含む荷物特定情報として、荷物の行き先に対応したトラックの荷台への積み込み位置を指定するように荷物仕分けシステム100に指示する(T25)。例えば、トラックの配送ルートが出発地:大阪、経由地:横浜、到着地:東京である場合、プロセッサ210は、トラックの荷台の奧に東京行きの荷物の積み込み位置を指定し、手前に横浜行きの荷物の積み込み位置を指定する。
荷物仕分けシステム100の投影指示装置30は、通信回路39を介してこの指示を受信すると、プロジェクタ40に対し、変更後の仕分け情報として、手前に横浜行きの荷物の積み込み位置を指定した円画像である投影画像、および奧に東京行きの荷物の積み込み位置を指定した円画像である投影画像を投影するように、指示する。
図12は、積み込み位置が指定された荷物の上面に投影される投影パターンQ3を示す図である。この投影パターンQ3では、プロジェクタ40は、搬送コンベヤで最初に搬送される横浜行きの荷物に対し、青色で塗り潰し、「前」の文字、担当者番号「1」の円画像である投影画像を投影する。「前」の文字は、荷物の積み込み位置が荷台の手前であることを表す。また、プロジェクタ40は、搬送コンベヤで2番目に搬送される、東京行きの荷物に対し、青色で塗り潰し、「後」の文字、担当者番号「1」の円画像である投影画像を投影する。プロジェクタ40は、搬送コンベヤで3番目に搬送される、大阪行きの荷物に対し、緑色で塗り潰し、担当者番号「2」の円画像である投影画像を投影する。なお、ここでは、トラックの荷台に対する荷物の積み込み位置を、「前」、「後」の単なる文字で表したが、イラスト(手前を表すイラスト、奧を表すイラスト)、色、フォント等で表現してもよい。
サーバ200のプロセッサ210は、積み込み位置が指定された荷物の情報を含む、変更後の仕分け情報にしたがい、トラック輸送管理装置300に対し、ネットワークNW2を介して同一のトラックで積み込み位置の異なる荷物を積み込むように、トラックの手配を指示する(T26)。トラック輸送管理装置300は、この指示を受信すると、表示部312にトラック手配情報を表示し、また、トラックの配送を指示する。
また、サーバ200のプロセッサ210は、ネットワークNW3を介して倉庫制御装置400に対し、同一のトラックで積み込み位置の異なる荷物を積み込むように、変更後の仕分け情報を出力する(T27)。倉庫制御装置400は、変更後の仕分け情報を表示部412に表示する。
このように、荷物仕分けシステム100では、例えば、出発地:大阪、経由地:横浜、到着地:東京である東京行きのトラックに荷物を積載する場合を想定する。投影指示装置は、横浜行きの荷物の上面に、トラックの荷台の手前に荷物を載置するように促す、「前」の文字が入った投影画像を荷物の上面に投影するように指示する。また、投影指示装置は、トラックの荷台の奧に荷物を載置するように促す、「後」の文字が入った投影画像を荷物の上面に投影するように指示する。荷物の仕分けを行う作業員は、「前」の文字が入った投影画像が投影されている荷物を、トラックの荷台の手前に積み込む。また、作業員は、「後」の文字が入った投影画像が投影されている荷物を、トラックの荷台の奧に積み込む。これにより、出発地、経由地、到着地を配送ルートとする場合、トラックを配送する運転者が現地で荷物を下す際、積み下ろしの作業効率が上がる。
(荷物取り扱い情報を考慮した荷物の仕分け)
投影指示システム5では、荷物仕分けシステム100のラベルリーダ10が荷物に貼付されているラベルを読み取り、投影指示装置30が読み取った行き先ごとの荷物量、積載率および荷物取り扱い情報をサーバ200に送信する。サーバ200のプロセッサ210は、荷物仕分けシステム100から取得した荷物取り扱い情報を基に、荷物の取り扱いを考慮して仕分け情報を含む荷物特定情報を変更する。プロセッサ210は、変更後の仕分け情報を含む荷物特定情報を投影指示装置30に送信する。投影指示装置30は、変更後の仕分け情報を基に、荷物取り扱い情報を考慮した投影画像を荷物に投影するように、プロジェクタ40に指示する。
なお、サーバ200のプロセッサ210は、荷物取り扱い情報を、倉庫制御装置400、トラック輸送管理装置300等から取得してもよい。
図13は、荷物取り扱い情報を考慮した荷物の上面に投影される投影パターンQ4を示す図である。この投影パターンQ4では、プロジェクタ40は、搬送コンベヤで最初に搬送される東京行きの荷物に対し、青色で塗り潰し、「注意」の文字、担当者番号「1」の円画像である投影画像Gaを投影する。「注意」の文字は、荷物の仕分けに注意を要することを表す。また、プロジェクタ40は、搬送コンベヤで2番目に搬送される、大阪行きの荷物に対しては、通常どおり、緑色で塗り潰し、担当者番号「2」の円画像である投影画像Gaを投影する。なお、ここでは、「注意」の文字が円画像の一部として投影されたが、荷物の取扱い情報として、「丁寧に扱う」、「ワレモノ」等の他の文字、注意を表すイラストあるいは記号が投影されてもよい。また、円画像を点滅させることで、荷物取り扱い情報が表現されてもよい。
このように、投影指示システムでは、投影指示装置は、要人(VIP:Very Important Person)の荷物、割れ物が梱包されている荷物等、特に仕分けに注意しなければならない荷物に対し、注意喚起を促すことができる。
(次のトラックに積み込む際の荷物の仕分け)
投影指示システム5では、サーバ200のプロセッサ210は、トラック輸送管理装置300から受け取ったトラックの積載容量およびトラックの手配情報を基に、配送される荷物を次のトラックの荷台に積み込むように、仕分け情報を変更する。プロセッサ210は、変更後の仕分け情報を含む荷物特定情報を投影指示装置30に送信する。投影指示装置30は、変更後の仕分け情報を含む荷物特定情報を基に、次のトラックに積み込むように指示した投影画像を荷物に投影するように、プロジェクタ40に指示する。
図14は、次のトラックに積み込む際の荷物の上面に投影される投影パターンQ5を示す図である。この投影パターンQ5では、プロジェクタ40は、搬送コンベヤで搬送される東京行きの荷物に対し、青色塗り潰し、「NEXT」の文字、担当者番号「1」の円画像である投影画像Gaを投影する。「NEXT」の文字は、現在のトラックが満載になるので、次のトラックに荷物を積み込むように促すことを表す。
また、プロジェクタ40は、搬送コンベヤで2番目に搬送される、大阪行きの荷物に対しては、通常どおり、緑色塗り潰し、担当者番号「2」の円画像である投影画像Gaを投影する。なお、ここでは、「NEXT」の文字が円画像の一部として投影されたが、次のトラック情報として、「ここから次のトラックだよ」、「トラック変更」等の他の文字、次のトラック情報を表すイラストあるいは記号が投影されてもよい。また、円画像を点滅させることで、次のトラック情報が表現されてもよい。この場合、円画像の点滅パターンを、荷物取り扱い情報の点滅パターンと異なるようにすることで、仕分けを行う作業員は、次のトラック情報を認識し易くなる。
このように、荷物仕分けシステム100では、投影指示装置は、現在、積み込みが行われているトラックが満載となり、次のトラックに仕分けされる荷物を積み込むことを、リアルタイムに作業員に指示できる。したがって、作業員は、次のトラックへの積み込みであることを容易に認識して荷物の仕分けを行うことができる。これにより、仕分け作業の効率が上がる。
(搬送コンベヤで搬送される荷物の隙間に投影)
荷物仕分けシステム100は、搬送コンベヤで搬送される荷物の隙間に投影画像を投影し、情報を提供することも可能である。サーバ200のプロセッサ210は、例えば、搬送コンベヤの停止、作業員へのメッセージ等の情報を、投影指示装置30に送信する。投影指示装置30は、この情報(提供情報)を含む投影画像をプロジェクタ40に投影するように指示する。プロジェクタ40は、荷物にかぶらないように、荷物の隙間に提供情報を含む投影画像を投影する。なお、投影位置あるいは投影するタイミングは、投影指示装置30がプロジェクタ40に指示することで決定される。なお、プロジェクタ40があらかじめ決められた投影位置にあるいはタイミングで投影画像を投影してもよい。
ここで、提供情報が搬送コンベヤの停止を表す情報である場合、荷物仕分けシステム100は、搬送コンベヤが停止する前に、作業員に搬送コンベヤがまもなく停止することの注意喚起を行うことができる。また、提供情報が作業員へのメッセージである場合、作業員へのメッセージとして、例えば、仕分けスコア(作業員スコア)、仕分けレベルを作業員へ知らせる事が挙げられる。また、作業員への励ましとして、「あいさつ」、「感謝」、「おはよう」、「よくできている」、「さすが」、「ありがとう」等のメッセージが挙げられる。また、心の準備として、忙しくなることをあらかじめ知らせる場合、「3分後から約10分間、東京行荷物が増量」、「何分後に、あなたは忙しくなります」等のメッセージが挙げられる。
図15は、搬送コンベヤで運搬される荷物の隙間に、円画像である投影画像Gaとは別に提供情報を含む投影画像Gmが投影される投影パターンQ6を示す図である。この投影パターンQ6では、プロジェクタ40は、搬送コンベヤで搬送される東京行きの荷物と搬送コンベヤで次に搬送される大阪行きの荷物との隙間に、注意喚起として「ベルトコンベヤ停止」のメッセージを含む投影画像Gmを投影する。
なお、ここでは、荷物と荷物との隙間に、情報提供となる文字を含む投影画像Gmが投影されたが、荷物がかからない搬送コンベヤの表面、搬送コンベヤの周囲等に投影画像Gmが投影されてもよい。また、投影画像Gmとしては、文字に限らず、提供情報を表すイラスト、記号等であってもよい。
このように、投影指示システム5では、投影指示装置は、荷物の仕分け情報を含む投影画像Gaとは別に、荷物の仕分けに直接関係しない、作業員のモチベーションを上げるような、「がんばろー」、「終業まであと1時間」等のメッセージを含む投影画像Gmを投影できる。
なお、荷物の隙間に投影画像Gmを投影する投影パターンは、緊急指定された荷物に対し赤色塗り潰し、「Urgent」の文字を含む投影画像Gaを投影する際、緊急指定された荷物の前後いずれかの隙間など荷物にかぶらない領域に投影画像Gmを投影してもよい。この場合、緊急指定された理由等の情報を、投影画像Gmに含めることができる。
以上により、実施の形態1に係る投影指示システム5では、投影指示装置30は、荷物への投影画像をプロジェクタ40(画像投影装置の一例)に指示する。投影指示装置30は、プロセッサ34と、配送される複数の荷物のそれぞれを特定する荷物特定情報を保存するメモリ36と、サーバ200との間で通信を行う通信回路39と、を備える。プロセッサ34は、メモリ36と協働して、メモリ36に保存されている荷物ごとの荷物特定情報に基づいて、対応する荷物の仕分けを指し示す投影画像Gb(第1の投影画像の一例)を生成し、プロジェクタ40に投影画像Gbの投影を指示する。プロセッサ34は、荷物特定情報の変更を含む外部指示をサーバ200から受信した場合に、変更後の荷物特定情報に基づいて、対応する荷物の仕分けを指し示す投影画像Ga(第2の投影画像の一例)を生成し、プロジェクタ40に投影画像Gaの投影を指示する。
これにより、投影指示装置30は、仕分け作業の対象となる荷物に関する情報の追加、変更、削除等の外部指示があった場合でも、荷物の仕分け作業ならびに配送の効率化を適応的に支援し、荷物の物流の効率化に寄与できる。
また、サーバ200は、倉庫制御装置400から荷物情報を取得する。荷物情報は、例えば仕分け量、現在あるいは日毎の荷物の個数(仕分け個数の一例)、および作業員情報を含む。プロセッサ34は、作業員の仕分け量および仕分け個数の情報を取得した、サーバ200から送られた変更後の仕分け情報を含む荷物特定情報に基づいて、特定の仕分け先の荷物の仕分け量が1人の作業員の仕分け上限値を超えると判定した場合に、特定の仕分け先への仕分けのヘルプを指し示す画像を投影画像Gaの一部として生成する。例えば、プロセッサ34は、搬送コンベヤで搬送される、東京行きの荷物に対し、青色で塗り潰し、大阪行きの仕分けを行う担当者を表す担当者番号「2」の円画像である投影画像Gaを生成する。これにより、特定の荷物の仕分け先の荷物の仕分け量が多い場合、投影指示装置30は、別の仕分け先の荷物を仕分けする作業員を特定の荷物の仕分けに割り当て、特定の荷物を仕分ける作業員をサポートするように指示できる。したがって、投影指示装置30は、仕分けを行う作業員の労働を均一化できる。また、特定の仕分け先への荷物の仕分けの遅延が抑制される。
また、サーバ200は、外部機関から天気情報(天気予報情報の一例)あるいは交通情報を取得する。プロセッサ34は、天気情報あるいは交通情報を取得した、サーバ200から送られた変更後の仕分け情報を含む荷物特定情報に基づいて、特定の仕分け先の荷物の配送時刻を当初予定時刻より早めると判定した場合に、特定の仕分け先へ仕分けされる荷物を緊急で配送する旨を示す画像を投影画像Gaの一部として生成する。例えば、プロセッサ34は、緊急指定の場合、赤色塗り潰し、「Urgent」の文字、担当者番号「3」の円画像である投影画像Gaを生成する。これにより、投影指示装置30は、急がなければならない仕分け先の業務を優先するように指示できる。
また、サーバ200は、特定の荷物の取り扱いに注意が必要である旨の情報を取得する。プロセッサ34は、特定の荷物の取り扱いに注意が必要である旨の情報を取得した、サーバ200から送られた変更後の仕分け情報を含む荷物特定情報に基づいて、特定の荷物の取り扱いには注意が必要であると判定した場合に、特定の荷物の仕分けの際に注意が必要である旨を示す画像を投影画像Gaの一部として生成する。例えば、プロセッサ34は、東京行きの荷物に対し、青色塗り潰し、「注意」の文字、担当者番号「1」の円画像である投影画像Gaを生成する。これにより、投影指示装置30は、要人の荷物、割れ物が梱包されている荷物等、特に仕分けに注意しなければならない荷物に対し、注意喚起を促すことができる。
また、サーバ200は、特定のトラック(配送車両の一例)における荷物の現在積載量の情報を取得する。プロセッサ34は、トラックにおける荷物の現在積載量の情報を取得した、サーバ200から送られた変更後の仕分け情報に基づいて、トラックへの積載が不可と判定した場合に、直前に仕分けされた荷物の次以降の荷物の仕分けを他のトラックに行う旨を示す画像を投影画像Gaの一部として生成する。例えば、プロセッサ34は、東京行きの荷物に対し、青色で塗り潰し、「NEXT」の文字、担当者番号「1」の円画像である投影画像Gaを生成する。これにより、投影指示装置30は、現在、積み込みが行われているトラックが満載となり、次のトラックに仕分けされる荷物を積み込むことを、リアルタイムに作業員に指示できる。したがって、作業員は、次のトラックへの積み込みであることを事前に認識して荷物の仕分けを行うことができる。仕分け作業が効率化する。
また、投影指示装置30は、荷物に貼付されたラベルから荷物特定情報を読み取るラベルリーダ10と更に接続される。プロセッサ34は、ラベルリーダ10から入力される荷物仕分け情報をメモリ36に保存する。これにより、投影指示装置30は、ラベルリーダ10が荷物に貼付されているラベルから荷物特定情報を取得するので、荷物特定情報が変更された場合、変更後に貼り変えられたラベルから変更後の荷物特定情報を取得できる。この場合、サーバ200が変更後の仕分け情報を含む投影画像を生成しなくてもよい。投影指示装置30は、サーバ200を介在させることなく、荷物の上面に仕分け情報を含む投影画像を投影するように、プロジェクタ40に指示できる。したがって、荷物仕分けシステム100の構成が簡単になる。
また、サーバ200のプロセッサ34は、提供される情報を含む投影画像Gm(第3の投影画像)を生成する。投影指示装置30は、順に配送される複数の荷物の隙間に、投影画像Gmを投影するように、プロジェクタ40に指示する。これにより、投影指示装置30は、作業員への注意喚起として「搬送コンベヤ停止」のメッセージを含む投影画像Gmを投影でき、また、作業員のモチベーションを上げるような、「がんばろー」、「終業まであと1時間」等のメッセージを含む投影画像Gmを投影できる。
また、サーバ200は、荷物の配送先の情報を取得する。プロセッサ34は、荷物の配送先の情報を取得した、サーバ200から送られた変更後の仕分け情報に基づいて、トラックへの荷物の積み込み位置を判定した場合に、荷物の積み込み位置を示す画像を投影画像Gaの一部として生成する。例えば、プロセッサ34は、横浜行きの荷物の上面に、トラックの荷台の手前に荷物を載置するように促す、「前」の文字が入った投影画像Gaを生成する。また、プロセッサ34は、トラックの荷台の奧に荷物を載置するように促す、「奧」の文字が入った投影画像Gaを生成する。これにより、出発地、経由地、到着地を配送ルートとする、トラックを配送する運転者が現地で荷物を下す際、積み下ろしの作業効率が上がる。
また、投影指示システム5では、荷物への投影画像をプロジェクタ40に指示する投影指示装置30と、サーバ200とが通信可能に接続される。投影指示装置30は、配送される複数の荷物のそれぞれを特定する荷物特定情報を保存するメモリ36を有する。投影指示装置30は、メモリ36に保存されている荷物ごとの、仕分け情報を含む荷物特定情報に基づいて、対応する荷物の仕分けを指し示す投影画像Gb(第1の投影画像の一例)を生成し、プロジェクタ40に投影画像Gbの投影を指示する。サーバ200は、荷物特定情報の変更を含む外部指示をプロジェクタ40に送る。プロジェクタ40は、外部指示をサーバ200から受信した場合に、変更後の仕分け情報を含む荷物特定情報に基づいて、対応する荷物の仕分けを指し示す投影画像Ga(第2の投影画像の一例)を生成し、プロジェクタ40に投影画像Gaの投影を指示する。これにより、投影指示装置30は、仕分け作業の対象となる荷物に関する情報の追加、変更、削除等の外部指示があった場合でも、荷物の仕分け作業ならびに配送の効率化を適応的に支援し、荷物の物流の効率化に寄与できる。
また、投影指示装置30は、投影画像Gaが投影された荷物のトラックへの積載を検出する度に、積載した(対応する)荷物の容量情報を含む荷物特定情報をサーバ200に送る。サーバ200のプロセッサ210は、投影指示装置30から送られる荷物特定情報に基づいて、配送先が異なる複数のトラックの現在の占有容量を算出する。サーバ200のプロセッサ210は、複数のトラックに対しそれぞれの現在の占有容量の算出結果を示すUI画面350を生成し、トラック輸送管理装置300の表示部312および倉庫制御装置400の表示部412(表示デバイスの一例)に表示する。これにより、トラックの配送管理者、または各配送先への仕分けを行う各作業員は、トラックへの荷物の積み込み状況、例えば荷物のどこまでが現在のトラックに積み込み、どこからが次のトラックに積み込むかを容易に把握できる。
[投影指示システムの利用例2]
サーバ200は、荷物仕分けシステム100から仕分けした荷物に関する情報として、荷物の荷物容量および仕分け進捗情報を取得し、トラック配送プランおよび人員配置プランを策定・変更する。この利用例2では、サーバ200および荷物仕分けシステム100は、トラック配送プランおよび人員配置プランを管理するプランデータ管理システムを構築する。
始めに、荷物容量は、荷物仕分けシステム100に含まれる画像センサ20を用いて測定可能である。画像センサ20は、距離画像センサ22として3Dセンサを用いることができる、3Dセンサは、2台のカメラの画像間でマッチングを行うことで距離を計測する。
サーバ200は、荷物仕分けシステム100から取得した荷物の荷物容量を基にトラック配送プラン(例えばトラックの手配に係わるプラン)をリアルタイムに更新する。サーバ200は、更新したトラック配送プランを、トラック輸送管理装置300および倉庫制御装置400に出力する。
トラック輸送管理装置300は、リアルタイムに更新されるトラック配送プランを用いてトラックを手配する。例えば、トラック輸送管理装置300は、倉庫において、東京行きのトラック2台を予定していたが、想定よりサイズの小さい荷物ばかりだった場合、東京行きのトラック2台をトラック1台に変更(トラック1台をキャンセル)できる。また、大阪行きのトラック1台を予定していたが、想定よりもサイズの大きな荷物ばかりだった場合、急遽、トラック1台を追加できる。これにより、トラック輸送管理装置は、トラックを効率良く手配し、トラックの運用コストを削減できる。
また、サーバ200は、荷物仕分けシステム100から取得した荷物の容量情報を基に、トラック配送プラン(例えば配送料金に係わるプラン)をリアルタイムに更新する。サーバ200は、更新したトラック配送プランを、トラック輸送管理装置300に出力する。
例えば、サーバ200は、未来(翌日等)の仕分けを予測し、本日受付、翌日の料金を動的に変更してもよい。これにより、トラック輸送管理装置300は、荷物の多寡にかかわらず、つまりトラックの台数によらず、料金が一定である不都合を解消できる。このように、仕分けされた荷物の荷物容量により必要なトラック数を決定する、ダイナミックプライシングが実現可能となる。したがって、トラック輸送管理装置は、東京行きのトラックが少なくて済んだ日、東京行きの荷物の配達料を安く設定することもできる。なお、トラック輸送管理装置は、未来(翌日等)の料金を動的に予測してもよいし、その日の荷物量によって配送料金を後から決定してもよい。
次に、仕分け進捗情報は、荷物仕分けシステム100が画像センサ20を用いて測定可能である。画像センサ20として色画像センサ24を用いることができる。色画像センサは、搬送コンベヤで搬送される荷物を撮像し、荷物の上面に投影された投影画像の塗り潰し色を検出する。荷物仕分けシステム100は、仕分け先ごとに異なる色の投影画像を基に、仕分け進捗情報を取得する。
サーバ200は、荷物仕分けシステム100から取得した仕分け進捗情報を基に人員配置プランをリアルタイムに更新する。サーバ200は、更新した人員配置プランを倉庫制御装置400に出力する。
例えば、サーバ200は、荷物仕分けシステム100から取得した荷物の仕分け進捗情報を基に、人員配置プランをリアルタイムに変更し、変更した人員配置プランの情報を倉庫制御装置400に出力する。倉庫制御装置400は、この人員配置プランにしたがい、作業員を配置する。例えば、東京行きの荷物が異様に多い日、多い時間帯でも、東京行き荷物の担当者が1人で仕分けしなければならない場合、仕分け作業は非効率的である。このような場合、倉庫制御装置400は、東京行きの荷物が異様に多い日、時間帯には、熟練度の高い担当者を東京行きの荷物の仕分けに一時的に配置させることで、東京行きの荷物の担当者をサポートできる。これにより、仕分け作業の効率が改善される。
以上により、実施の形態1に係る投影指示システム5は、画像センサ20が接続される投影指示装置30(センサ装置の一例)と、サーバ200とが通信可能に接続されるプランデータ管理システムに適用される。投影指示装置30は、搬送コンベヤ50(搬送装置の一例)上で搬送される複数の荷物のそれぞれに対応する荷物に関する情報(荷物の容量情報、仕分け進捗情報)を検出してサーバ200に送る。サーバ200は、複数の荷物のそれぞれの配送に関するプランデータ(例えばトラック配送プラン、人員配置プラン)を保存するメモリ211を有する。サーバ200は、投影指示装置30から送られた荷物に関する情報に基づいて、メモリ211に保存されているプランデータを更新する。サーバ200は、サーバ200と接続される外部制御機器(例えばトラック輸送管理装置300、倉庫制御装置400)に更新後のプランデータを出力する。
これにより、サーバ200は、投影指示装置30から取得した荷物に関する情報、例えば荷物の荷物容量を用いて、トラック配送プランを策定あるいは更新できる。また、サーバ200は、投影指示装置30から取得した仕分け進捗情報を用いて、人員配置プランを策定あるいは更新できる。
また、投影指示装置30は、画像センサ20に含まれる距離画像センサ22を用いて、荷物に関する情報として、配送される(対応する)荷物の容量情報を検出する。サーバ200は、複数の荷物のそれぞれの容量情報に基づいて、トラック配送プラン(荷物を配送する配送トラックの手配プランデータの一例)をプランデータとして更新する。これにより、サーバ200は、投影指示装置30から荷物の容量情報を受け取り、リアルタイムにトラック配送プランの変更情報をトラック輸送管理装置300に出力することができる。トラック輸送管理装置300は、このトラック配送プランに従ってトラックを手配できる。したがって、トラック輸送管理装置300は、トラックを効率良く手配し、トラックの運用コストを削減できる。また、サーバ200は、投影指示装置30から荷物の容量情報を受け取り、リアルタイムにトラック配送プランを変更し、配送料金を変更できる。
また、投影指示装置30は、画像センサ20に含まれる色画像センサ24を用いて、荷物に関する情報として、トラックに積載された(対応する)荷物の仕分け進捗情報を取得する。サーバ200は、複数の荷物のそれぞれの仕分け進捗情報に基づいて、人員配置プラン(荷物を仕分けする作業員の配置プランデータの一例)をプランデータとして更新する。これにより、サーバ200は、投影指示装置30から荷物の仕分け進捗情報を受け取り、リアルタイムに人員配置プランの変更情報を倉庫制御装置に出力する。倉庫制御装置は、この人員配置プランに従って作業員を配置する。倉庫制御装置は、例えば東京行きの荷物が異様に多い時間には、熟練度の高い担当者を東京行きの配置に変更することで、東京行きの荷物の担当者をサポートできる。
以上、図面を参照しながら各種の実施の形態について説明したが、本開示はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例、修正例、置換例、付加例、削除例、均等例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。また、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した各種の実施の形態における各構成要素を任意に組み合わせてもよい。
例えば、上述した実施の形態1では、プロジェクタ40が荷物の上面に投影する投影画像は、円画像であったが、矩形、三角等の多角形の画像であってもよい。また、投影画像は、静止画像に限らず、アニメーションであっても構わない。アニメーションとして、投影画像を点滅させたり、拡大・縮小させたり、色を変化させることが挙げられる。また、プロジェクタは、荷物の上面に限らず、作業員が仕分け作業をし易くなるような、荷物の面(正面、背面、側面等)に投影画像を投影してもよい。