JPWO2019194159A1 - アルミナを含有する樹脂組成物及び放熱部材 - Google Patents

アルミナを含有する樹脂組成物及び放熱部材 Download PDF

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Abstract

本発明は、3枚以上の平板状アルミナにより形成され、固着したカードハウス構造を有する、平均粒子径が3〜1000μmである新規アルミナ(A)と、樹脂(B)とを必須成分として含有してなる樹脂組成物、及び当該樹脂組成物を所望の形状に成形した放熱部材を提供するものである。
好適には、前記新規アルミナ粒子(A)としては、更に、3枚以上の平板状アルミナが、2箇所以上の複数箇所で交差し集合したものであり、交差した互いの平板の面方向は無秩序に配置された状態にあるものを用いる。

Description

本発明は、アルミナを含有する樹脂組成物及び放熱部材に関する。
放熱フィラーによる放熱絶縁コンパウンドや放熱接着絶縁シート(共に放熱性フィラー/樹脂組成物)は、電気自動車等での熱対策用途で今後の需要拡大が見込まれる。その性能向上を図るため、種々放熱フィラーによる組成物が検討されているが、中でも窒化ホウ素(板状フィラー)を利用した場合にはコスト面での制約及び機械物性の低下などが懸念され好適とは言えない。次いで、安価なアルミナに着眼しそのアルミナによる組成物も公知技術として開示されているものの、フィラーそのものの熱伝導率が低いがために、その樹脂組成物による成形体の熱伝導率を高めることが困難であることが課題となっていた。
特開平7−304946号公報
本発明は、これまで検討されてきた、アルミナによる組成物を用いた成形体の熱伝導性に課題がある従来技術(特許文献1)に対して、鋭意検討を重ねた結果到達したものである。
本発明者らは、アルミナによる樹脂組成物を用いた成形体が高い熱伝導性となることを目指すべく、上記実情に鑑みて鋭意検討したところ、従来技術で検討されている球形あるいは不定形の形状を有するアルミナとは異なり、3枚以上の平板状アルミナにより形成され、固着したカードハウス構造を有するアルミナ粒子、を含有する樹脂組成物が、従来技術の課題を解決できることを見い出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明による、カードハウス構造を有するアルミナ粒子、を含有する樹脂組成物が、成形体の熱伝導率が向上できるとの格別顕著な技術的効果を奏する。
3枚以上の平板状アルミナからなる、カードハウス構造を有するアルミナ粒子の模式図である。 合成例1で得られた、本発明のアルミナ粒子の走査型電子顕微鏡写真である(a)。 合成例1で得られた、本発明のアルミナ粒子の拡大走査型電子顕微鏡写真である(b)。 合成例5で得られた、本発明のアルミナ粒子の拡大走査型電子顕微鏡写真である。
<カードハウス構造を有するアルミナ粒子>
本発明のアルミナ粒子は、それを構成する粒子が、3枚以上の平板状アルミナにより形成され、固着したカードハウス構造である点に特徴を有する。以下、3枚以上の平板状アルミナにより形成され、固着したカードハウス構造を有するアルミナ粒子を、単にアルミナ粒子と略記することがある。尚、本発明において、平板状とは、立体的には六面体の板の形であって、二次元の投影面の形状が角が四つの典型的な四角形であるか(四角板状)、または二次元の投影面の形状が角が五つ以上の多角形(以下、後者を多角板状と称する場合がある)を言う。
アルミナ粒子の形態は、走査型電子顕微鏡(SEM)により確認することができる。カードハウス構造とは、例えば板状粒子が配向せず複雑に配置した構造であるものを言う。本発明におけるカードハウス構造とは、3枚以上の平板状アルミナにより形成され、固着したものを言い、より具体的には、3枚以上の平板状アルミナが、2箇所以上の複数箇所で交差し集合したものであり、交差した互いの平板の面方向は無秩序に配置された状態のことをいう(図1参照)。交差する位置は平板状アルミナの如何なる位置であっても構わない。無秩序に配置された状態とは、互いの面が交差する向きがX軸、Y軸、Z軸何れの方位においても制限がなく、また、互いの面が交差する角度は如何なる角度であっても構わないことをいう。「平板状アルミナ」の詳細については後に詳記する。
必要とするアルミナ粒子の平均粒子径により異なるが、フィラー(充填剤)として用いる場合は、一つのアルミナ粒子当たり、例えば3〜10000枚、中でも10〜5000枚、特に15〜3000枚であることが、性能上でも容易に製造できる上でも好ましい。
平板状アルミナの交差は、3枚以上の平板状アルミナが、何らかの相互作用、例えば、焼成工程により結晶形成する過程で固着して集合したことで発現する。結果として貫入型に見える場合もある。平板状アルミナが互いに強固に固着することでカードハウス構造の強度が増すことになる。
また、交差とは、2つ以上の面が一つの箇所で交わることを表わし、互いの面が交わる位置・径・面積等に制限はない。また、交差した箇所を起点とした面の方位数は3方位であっても、4方位以上であっても構わない。
また、当カードハウス構造に含まれる平板状アルミナ自体の面の長径、短径、および厚みは如何なるサイズでも良い。また、複数のサイズの平板状アルミナからなるものでも良い。
上記した通り「平板状アルミナ」は、四角板状のアルミナ、または多角板状のアルミナであっても良い。単一のアルミナ粒子内において、四角板状のアルミナと多角板状のアルミナが片方のみ存在しても、両方存在しても構わず、その比率においても制限は無い。
また、本来の目的である熱伝導性向上の効果を損なわない範囲において、カードハウス構造以外に、2枚の平板状アルミナが交差した略X字型、略T字型、略L字型などの粒子や、1枚からなる平板状アルミナを、如何なる状態で含んでいても構わない。勿論、優れた熱伝導性を得るためには、これらの含有割合は少ない方が好ましく、3枚以上の平板状アルミナにより形成され、固着したカードハウス構造の粒子の含有割合が重量基準で80%以上が好ましい。より好ましくは90%以上である。平板状アルミナは篩分級、風力分級など、一般的な分級操作で容易に含有割合を調整することが可能である。
本発明におけるアルミナ粒子は、カードハウス構造を有するものであるが、このアルミナ粒子を用いた樹脂組成物は、従来検討されてきた球状あるいは不定形アルミナによるそれと比較して高い熱伝導率を発現する。その理由としては、カードハウス構造を構成する平板状アルミナは形状に異方性を有しているが故、近接するアルミナ粒子同士での熱伝達経路を形成しやすくなっている、ということが考えられる。また、本発明におけるアルミナ粒子は、カードハウス構造を有することで、樹脂マトリックス中に平板状アルミナが配向し難く、樹脂組成物または成形物の物性(例えば熱伝導率)の異方性を抑制することが可能となる。
本発明におけるアルミナ粒子は、その特異な構造に基づき、粉体としての流動性に優れ、工業製品として応用する為の、ホッパーやフィーダー等、機械搬送の際に用いる供給機の吐出を上げる事が可能となる。本発明におけるアルミナ粒子は、その特有の構造により内部に空隙を持つ為、かさ比重は板状アルミナ粒子と大きくは変わらないが、板状アルミナ粒子と比較し、転がりによる搬送のし易さに与える効果が高いと推測される。
本発明に用いるアルミナ粒子は、カードハウス構造を有する。カードハウス構造は上記説明したとおりであるが、このアルミナ粒子は、好ましくは平板状アルミナが四角板状であって、平面部と端面部ならびに端面部同士が接触しているカードハウス構造を有するアルミナ粒子であり、より好ましくは平板状アルミナが多角板状であって、平面部と端面部、ならびに端面部同士が接触しているカードハウス構造を有するアルミナ粒子である。
[結晶形・α結晶化率]
本発明におけるアルミナ粒子は酸化アルミニウムであり、結晶形は特に制限されず、例えば、γ、δ、θ、κ等の各種の結晶形の遷移アルミナであっても、または遷移アルミナ中にアルミナ水和物を含んでであっても良いが、より機械的な強度または熱伝導性に優れる点で、基本的にα結晶形であることが好ましい。
本発明におけるアルミナ粒子のα結晶化率は、XRD測定により求めることができる。 例えば、株式会社リガク製広角X線回折装置[Rint−Ultma]を用い、作製した試料を測定試料用ホルダーにのせセットし、Cu/Kα線、40kV/30mA、スキャンスピード1.0°/分、走査範囲5〜80°の条件で測定し、ピーク強度の強度比からα結晶化度を求める。α結晶化率は焼成条件や使用する原料により異なり、流動性が高いアルミナ粒子は、α結晶化率が90%以上である。更に好ましくは95%以上である。なお、測定に供する試料は、アルミナ粒子であっても、何らかの機械処理によりカードハウス構造を解して得た平板状アルミナであっても良い。
<アルミナ粒子の平均粒子径>
本発明におけるアルミナ粒子(A)の大きさ(平均粒子径)は3〜1000μmであることが好ましい。3μmよりも小さくなると、樹脂組成物の流動性が低下してしまい所望の成形体を得ることが難しくなり、また、1000μmよりも平均粒子径が大きくなると粒子の比表面積が小さくなり、その結果樹脂との接触面積も減少し、複合材料としての機械強度に悪影響を与える。
尚、ここでいう平均粒子径は、3枚以上の平板状アルミナにより形成され、固着したカードハウス構造を有するアルミナ粒子そのものをレーザー回折式粒度分布計を用いて測定した乾式法により求めた値である。
また、上記平均粒子径は、例えば、これを適当な溶剤に分散させ、具体的には、分散安定剤としてヘキサメタリン酸ナトリウム等を含有する純水媒体中にアルミナ粒子を分散させた試料を、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置にて測定する、湿式法により推測することもできる。
[平板状アルミナのアスペクト比]
平板状アルミナは、多角板状であり、かつ厚みに対する粒子径の比率であるアスペクト比が2〜500であることが好ましい。アスペクト比が2以上であると、平板状アルミナ特有の性能を保持した状態でのカードハウス構造の形成に有利であり好ましく、アスペクト比が500以下であると、アルミナ粒子の平均粒子径の調整が容易に行える上、熱伝導フィラーや高輝度顔料などの種々の用途において、カードハウス構造が露出することによる外観不良の発生や機械的強度低下が抑制でき、好ましい。より好ましくは、アスペクト比が5〜300、更に好ましくは7〜100である。アスペクト比が7〜100であると、平板状アルミナの熱的特性や輝度をはじめとする光学特性に優れ、かつ流動性の高いカードハウス構造を有するアルミナ粒子が得られ、実用性の点で好ましい。
なお、本明細書において、平板状アルミナの厚みは、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて、10個の厚みを測定した平均値を採用するものとする。
また、平板状アルミナの粒子径は、板の輪郭線上の2点間の距離のうち、最大の長さの算術平均値を意味し、その値は走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて測定された値を採用するものとする。
平均粒子径の値は、任意の100個の平板状アルミナ粒子の粒子径を走査型電子顕微鏡(SEM)により得られたイメージから測定、算出された値を意味する。
尚、平板状アルミナの平均粒子径を求める方法は、例えば、アルミナ粒子をSEMで観察し、アルミナ粒子中央に位置する平板状アルミナの最大の長さを測定する方法を用いる。あるいは、アルミナ粒子に風力分級操作を行うことで得られる単片の最大の長さを、SEMで測定する方法を用いても良い。または、平板状アルミナ自体を破壊しない条件下において、何らかの機械処理によりカードハウス構造を解して単片を得て、SEMで最大の長さを測定する方法を用いても良い。
[珪素原子及び/又は無機珪素化合物]
また、3枚以上の平板状アルミナにより形成され、固着したカードハウス構造を有するアルミナ粒子は、珪素原子及び/又は無機珪素化合物を、当該平板状アルミナの表面に含有している。中でも特に、表面に局在的に含有している方が、それを内部に含有しているよりも、より少量で、例えばバインダーとの親和性を効果的に向上させるためには好ましい。
珪素原子及び/又は無機珪素化合物を含む平板状アルミナの、表面にどの程度の量、珪素原子及び/又は無機珪素化合物が偏在しているかについては、例えば、蛍光X線分析装置(XRF)を用いた分析、ならびに、X線光電子分光法(XPS)を用いた分析で測定することができる。
一般的に、蛍光X線分析法(XRF)はX線の照射により発生する蛍光X線を検出し、波長と強度を測定することにより材料のバルク組成の定量分析を行う手法である。また、一般的に、X線光電子分光法(XPS)は試料表面にX線を照射し、試料表面から放出される光電子の運動エネルギーを計測することで、試料表面を構成する元素組成の分析を行う手法である。珪素原子及び/又は珪素化合物が、平板状アルミナの表面及びその近傍に偏って存在することは、具体的には、生成物のXRF分析結果により求められる[Si]/[Al](バルク)と比較し、XPS分析結果により求められる[Si]/[Al](表面)は大きい値を示すか否かから推定できると考えられる。これは、珪素原子及び/又は珪素化合物を配合することによって得られた平板状アルミナ表面は、珪素原子及び/又は珪素化合物の量が、平板状アルミナの最内部と比較し多い事を意味するからである。尚、上記した様なXRF分析は、株式会社リガク製、波長分散型 ZSX Primus IV等を用いて行うことができる。また、XPS分析はアルバックファイ社製 Quantera SXM等を用いて行うことができる。
本発明におけるアルミナ粒子としては、好ましくは、それを構成する平板状アルミナの表面に珪素原子及び/又は無機珪素化合物が局在的に含有していれば良いが、上記XPS測定による珪素濃度とアルミニウム濃度の比[Si]/[Al]が2.0〜50.0%の平板状アルミナからなるアルミナ粒子であることが、例えばバインダーとの親和性をより良好とすることができる。
平板状アルミナ表面に珪素原子及び/又は無機珪素化合物の量が多いことで、それが存在しない場合に比べて、平板状アルミナからなるアルミナ粒子の表面性状をより疎水化することができるだけでなく、フィラーとして用いた際の有機化合物や種々のバインダーやマトリックスとの親和性を向上させる事が可能となる。更に、アルミナ粒子表面に存在する珪素原子及び/又は珪素化合物を反応点として、有機シラン化合物をはじめとする各種カップリング剤との反応へも寄与し、アルミナ表面の表面状態を容易に調整することも可能となる。
[モリブデン]
3枚以上の平板状アルミナにより形成され、固着したカードハウス構造を有するアルミナ粒子は、モリブデンを含有している。
モリブデンは触媒機能、光学的機能を有する。また、モリブデンを活用することにより、後述するように製造方法において、熱伝導性に優れたアルミナ粒子を製造することができる。
当該モリブデンとしては、特に制限されないが、モリブデン金属の他、酸化モリブデンや一部が還元されたモリブデン化合物等が含まれる。
モリブデンの含有形態は、特に制限されず、カードハウス構造を有するアルミナ粒子の平板状アルミナの表面に付着する形態で含まれていても、アルミナの結晶構造のアルミニウムの一部に置換された形態で含まれていてもよいし、これらの組み合わせであってもよい。
本発明のアルミナ粒子中のモリブデンの含有量は、三酸化モリブデン換算で、好ましくは、10質量%以下であり、焼成温度、焼成時間、フラックス条件を調整する事で、より好ましくは、0.001〜8質量%であり、さらに好ましくは、0.01〜5質量%以下である。モリブデンの含有量が10質量%以下であると、アルミナのα単結晶品質を向上させることから好ましい。
[粉体の流動性]
本発明におけるアルミナ粒子の粉体は、それを構成するアルミナ自体が特有の構造であること及び特定の平均粒子径を有していることにより、板状アルミナ粒子などに比べ、樹脂組成物としての流動性に優れるが、より流動性を高める為に、一単位のカードハウス構造を成すアルミナ粒子は、当該粒子を構成する全ての平板状アルミナを包摂する様に囲んだ際の体積基準の最大の包囲面の形状が、球状または略球状である事が好ましい。また、必要ならば、更に、流動性向上の為に滑剤や微粒子シリカなどを任意に添着させても構わない。
本発明は、3枚以上の平板状アルミナにより形成され、固着したカードハウス構造を有する、平均粒子径が3〜1000μmであることを特徴とするアルミナ粒子に関するものであるが、より好適には、前記アルミナ粒子の内部構造に、固着したカードハウス構造として、前記3枚以上の平板状アルミナが、2箇所以上の複数箇所で交差し集合したものであり、交差した互いの平板の面方向は無秩序に配置された状態にあるアルミナ粒子であることが好ましい。
[比表面積]
3枚以上の平板状アルミナにより形成され、固着したカードハウス構造を有するアルミナ粒子の粉体の比表面積は、通常50〜0.001m/gの範囲であるが、好ましくは10m/g〜0.01m/gの範囲、より好ましくは5.0m/g〜0.05m/gの範囲である。上記の範囲にあると、カードハウス構造をなす平板状アルミナの数が適切であり、アルミナが本来もつ機能が十分に得られ、粘度の著しい増大もなく加工性に優れる。
なお、この比表面積は、JIS Z 8830:BET1点法(吸着ガス:窒素)等で測定することができる。
[空隙率]
本アルミナ粒子は、3枚以上の平板状アルミナにより形成され、固着したカードハウス構造を有することにより、アルミナ粒子内に空隙をもつが、空隙の割合が小さいと形状が不均一となり流動性を損ねる為、当該空隙率は10体積%以上である事が好ましい。より好ましくは30体積%以上である。また、空隙の割合が大きいと、当発明による樹脂組成物から得られる成形体の機械強度が低くなる為、空隙率は90体積%以下が好ましい。より好ましくは70体積%以下である。空隙率がこの範囲であると、かさ比重が適当であり、本来の目的である流動性を損なわず、かつハンドリング性も良好である。この空隙率は、JIS Z 8831などの、ガス吸着法や水銀圧入法等の測定により求めることができる。
簡便には、上記空隙率は、アルミナ粒子を、エポキシ化合物や(メタ)アクリルモノマー等の液状硬化性化合物と混合した後に硬化し、その後断面を切削・研磨後、SEM観察することにより空隙率を推測することができる。
<アルミナ粒子の製造方法>
本発明のアルミナ粒子は、カードハウス構造を有し、好ましくは上記物性を満たすものであれば、その製造方法は限定されない。以下に、アルミナ粒子の製造方法の詳細を例示する。
本発明のアルミナ粒子における、その平均粒子径、流動性、比表面積、機械強度、空隙率、平板状アルミナの厚みやアスペクト比等は、後に詳述する製造方法において、調整することができる。製造方法として、例えば、フラックス法を採用する場合には、フラックス剤であるモリブデン化合物と、アルミニウム化合物種、アルミニウム化合物の平均粒子径、アルミニウム化合物の純度、珪素化合物の使用割合、その他形状制御剤の種類、その他形状制御剤との使用割合、珪素化合物とアルミニウム化合物との存在状態、その他形状制御剤とアルミニウム化合物との存在状態を選択することにより調整することができる。
本発明に係るアルミナ粒子は、3枚以上の平板状アルミナにより形成され、固着したカードハウス構造ができ、かつ特定の平均粒子径にできさえすれば、どの様な製造方法に基づいて得たものであっても良い。しかしながら、既存構造のアルミナを用いて、後処理にて、カードハウス構造という特異構造であって、かつ、珪素原子及び/又は無機珪素化合物を含有するアルミナを得ることは、製造工程が多段となり生産性が劣るので好ましくない。例えば、既存のアルミナの原料から、構造として選択的にカードハウス構造を形成することができ、かつ、モリブデンを容易にそこに含有させることができ、更には珪素原子及び/又は無機珪素化合物を容易にそこに含有させることができる、一挙に両者が満たされるアルミナ粒子の製造方法を採用することが、生産性の観点からも好ましい。
即ち本発明のアルミナ粒子を得るに当たっては、より平板状アルミナのアスペクト比が高く、よりアルミナ粒子の流動性や分散性に優れ、より生産性に優れる点で、モリブデン化合物と、珪素原子及び/又は珪素化合物、及びその他形状制御剤の存在下で、アルミニウム化合物を焼成する事により得ることが好ましい。モリブデン化合物や珪素化合物として有機化合物を用いた場合には、焼成によりその有機成分は焼失する。すなわち、アルミナ粒子は、モリブデン化合物がアルミニウム化合物と高温で反応し、モリブデン酸アルミニウムを形成した後、このモリブデン酸アルミニウムが、さらに、より高温でアルミナと酸化モリブデンに分解する際に、モリブデンをアルミナ粒子内に取り込む事で、より容易に得られる。酸化モリブデンは昇華するが、これを回収して、再利用することもできる。以下、この製造方法をフラックス法という。このフラックス法については、後に詳記する。
珪素化合物、及びその他形状制御剤は板状結晶成長に重要な役割を果たす。一般的に行なわれるモリブデン化合物を用いたフラックス法では酸化モリブデンがアルミナのα結晶の[113]面に選択的に吸着し、結晶成分は[113]面に供給されにくくなり、[001]面の出現を完全に抑制できるとするものであることから、六角両錘型をベースした多面体粒子を形成する。上記製造方法では、形状制御剤を用いて、フラックス剤である酸化モリブデンが[113]面に選択的な吸着を抑制することで、[001]面の発達した熱力学的に最も安定的な稠密六方格子の結晶構造を有する平板状形態を形成することができる。モリブデン化合物をフラックス剤として用いることで、α結晶化率が高い、中でもα結晶化率が90%以上の、モリブデンを含む平板状アルミナからなる、アルミナ粒子をより容易に形成できる。
前記アルミナ粒子は、モリブデン化合物を活用することにより、アルミナは高いα結晶率を有し、自形を持つことから、マトリックスに対する優れた分散性と機械強度、高熱伝導性を実現することができる。
また、上記製造方法で得たアルミナ粒子は、粒子にモリブデンを含むことから、通常のアルミナに比べてゼータ電位の等電点が酸性側にシフトしているため、分散性に優れる。また、アルミナ粒子に含まれたモリブデンの特性を利用して、酸化反応触媒、光学材料の用途に適用することが可能となりうる。
[フラックス法によるアルミナ粒子の製造方法]
アルミナ粒子の製造方法は、特に制限されないが、相対的に低温で高α結晶化率を有するアルミナを好適に制御することができる観点から、好ましくはモリブデン化合物を利用したフラックス法での製造方法が適用されうる。
より詳細には、アルミナ粒子の好ましい製造方法は、モリブデン化合物および珪素化合物、及び必要に応じ形状制御剤の存在下で、アルミニウム化合物を焼成する工程を含む。
本発明者らは、フラックス法において、モリブデン化合物をフラックス剤として用い、形状制御剤として珪素化合物を併用して、これらをアルミニウム化合物と混合して焼成する製造方法を採用する際には、原料アルミニウムの大きさ、モリブデン化合物の使用量、珪素化合物の使用量が、本発明のアルミナ粒子を選択的に生成できる重要因子であることを、新たに見い出した。
(アルミニウム化合物)
本発明におけるアルミニウム化合物は、本発明の3枚以上の平板状アルミナにより形成され、固着したカードハウス構造を有する、特定平均粒子径のアルミナ粒子の原料であり、熱処理によりアルミナになるものであれば特に限定されず、例えば、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、塩基性酢酸アルミニウム、水酸化アルミニウム、ベーマイト、擬ベーマイト、遷移アルミナ(γ−アルミナ、δ−アルミナ、θ−アルミナなど)、α−アルミナ、二種以上の結晶相を有する混合アルミナなどが使用できる。
また、アルミニウム化合物は、アルミニウム化合物のみからなるものであっても、アルミニウム化合物と有機化合物との複合体であってもよい。例えば、有機シラン化合物を用いて、アルミニウム化合物を修飾して得られる有機/無機複合体、ポリマーを吸着したアルミニウム化合物複合体などであっても好適に用いることができる。有機化合物は、焼成により有機成分は焼失するので、これらの複合体を用いる場合、有機化合物の含有率としては、特に制限はないが、カードハウス構造を有するアルミナ粒子を効率的に製造できる観点より、当該含有率は60質量%以下であることが好ましく、30質量%以下であることがより好ましい。
アルミニウム化合物の比表面積は特に限定されるものではない。フラックス剤のモリブデン化合物が効果的に作用するため、比表面積が大きい方が好ましいが、焼成条件やモリブデン化合物の使用量を調整する事で、いずれの比表面積のものでも原料として使用することができる。
本発明におけるアルミナ粒子の形状は、下で詳記するフラックス法によれば、原料のアルミニウム化合物の形状を反映する。球状、無定形、アスペクトのある構造体(ワイヤ、ファイバー、リボン、チューブなど)、シートなどのいずれであっても用いることができるが、粉体の流動性を向上させるという点において、球状のアルミニウム化合物を用いることが、得られるアルミナ粒子が球状により近くなる為好ましい。
また、アルミナ粒子の平均粒子径も、基本的には原料のアルミニウム化合物の粒子径を反映する。
下で詳記するフラックス法によれば、焼成工程において、主に、原料アルミニウム化合物粒子内に平板状アルミナの結晶形成、および近接する3枚以上の平板状アルミナの交差が進行し、固着することで、カードハウス構造となると推測される。これより、得られるカーハウス構造を有するアルミナ粒子の平均粒子径は、主に原料アルミニウム粒子の平均粒子径を反映すると推測される。
従って、原料として、平均粒子径がより小さいアルミニウム化合物を用いた場合、平均粒子径がより小さいアルミナ粒子が得られ易くなり、平均粒子径がより大きいアルミニウム化合物を用いた場合、平均粒子径がより大きいアルミナ粒子が得られ易くなる。
本発明におけるアルミナ粒子は、平均粒子径が3〜1000μmであるアルミナ粒子であることから、前記範囲内で、生成させたい特定の平均粒子径のアルミナ粒子に相当する、それと同一ないし略同一の特定平均粒子径のアルミニウム化合物を用いるようにすれば良い。
カードハウス構造を有するアルミナ粒子は、例えば、モリブデン化合物、および珪素化合物、ならびに必要に応じその他形状制御剤の存在下でアルミニウム化合物を焼成する工程を含むアルミナ粒子の製造方法にて、平板状アルミナを形成させ、その3枚以上の平板状アルミナを、形成と同時に複数箇所で互いの結晶面と接触させ、交差させ、固着させることにより得る事ができる。その固着により、カードハウス構造が、圧力等の外部応力によって容易には壊れない(解れない)、それが固定された状態が得られる。
モリブデン化合物の量がより少ないほど、アルミニウム化合物粒子内に3枚以上の平板状アルミナの固着が早くなり、また頻度も高くなるため、強固なカードハウス構造を得ることができる。
フラックス法においては、モリブデン化合物をフラックス剤として用い、形状制御剤として珪素化合物を併用して、これらをアルミニウム化合物と混合して焼成するアルミナ粒子の製造方法において、1)特定の平均粒子径の原料アルミニウム化合物を用いて、2)モリブデン化合物の使用量を特定範囲に制限し、かつ、3)珪素化合物の使用量を特定範囲に制限することで、特定の平均粒子径の範囲にある、3枚以上の平板状アルミナにより形成され、固着したカードハウス構造を有することを特徴とするアルミナ粒子を選択的に生成できるので好ましい。
フラックス法に着眼した本発明者等の知見によれば、具体的には例えば、1)原料のアルミニウム化合物として、平均粒子径が2μm以上、中でも4μm以上の、得たいアルミナ粒子の粒子径に対応したアルミニウム化合物を用いて、かつ2)フラックス剤としてのモリブデン化合物の量を、アルミニウム化合物のアルミニウム金属1モルに対して、モリブデン化合物のモリブデン金属として0.005〜0.236モルとし、かつ3)形状制御剤としての珪素化合物の量を、アルミニウム化合物のアルミニウム金属1モルに対して、珪素化合物の珪素金属として0.003〜0.09モルとした場合、より流動性の高く、より圧壊強度の高いカードハウス構造を有するアルミナ粒子が得られる。
フラックス法に着眼した本発明者等の知見によれば、具体的には例えば、原料のアルミニウム化合物として、平均粒子径が2μm以上、中でも4μm以上の、得たいアルミナ粒子の粒子径に対応したアルミニウム化合物を用いて、かつフラックス剤としてのモリブデン化合物の量を、アルミニウム化合物のアルミニウム金属1モルに対して、モリブデン化合物のモリブデン金属として0.005〜0.236モルとし、かつ形状制御剤としての珪素化合物の量を、アルミニウム化合物のアルミニウム金属1モルに対して、珪素化合物の珪素金属として0.003〜0.09モルとした場合、より流動性の高く、より強度の高いカードハウス構造を有するアルミナ粒子が得られる。
また、カードハウス構造を有するアルミナ粒子は、後術する解砕工程、分級工程により平均粒子径や形状を任意に調整することが可能である。
(モリブデン化合物)
モリブデン化合物は、後述するように、相対的に低温においてアルミナのα結晶成長にフラックス機能を有する。モリブデン化合物としては、特に制限されないが、酸化モリブデン、モリブデン金属が酸素との結合からなる酸根アニオン(MoO n−)を含有する化合物が挙げられる。
前記酸根アニオン(MoO n−)を含有する化合物としては、特に制限されないが、モリブデン酸、モリブデン酸ナトリウム、モリブデン酸カリウム、モリブデン酸リチウム、HPMo1240、HSiMo1240、NHMo12、二硫化モリブデン等が挙げられる。
モリブデン化合物にナトリウムまたはシリコンを含むことも可能であり、その場合、該ナトリウムまたはシリコンを含むモリブデン化合物がフラックス剤と形状制御剤と両方の役割を果たす。
上述のモリブデン化合物のうち、コストの観点から、酸化モリブデンを用いることが好ましい。また、上述のモリブデン化合物は、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
モリブデン化合物の使用量は、特に制限されないが、アルミニウム化合物のアルミニウム金属1モルに対して、モリブデン化合物のモリブデン金属として0.005〜0.236モルであることが好ましく、0.007〜0.09モルであることがより好ましく、0.01〜0.04モルであることが更に好ましい。モリブデン化合物の使用量が上記範囲にあると、高アスペクト比と優れた分散性を有する平板状アルミナからなるカードハウス構造のアルミナ粒子が得られやすいことから好ましい。また、フラックス法を採用した際に、フラックス剤としてモリブデン化合物を用いた場合には、アルミナ粒子に、モリブデンを含むことから、それを証左に、未知のアルミナ粒子がどの様な製造方法で製造されたかを特定できる。
(珪素化合物)
本発明に係るアルミナ粒子の製造方法においては、さらに珪素化合物を形状制御剤として用い、結果的に得られるアルミナ粒子の流動性等がより良好となる点で、好ましい。珪素化合物は、モリブデン化合物の存在下でアルミナ化合物を焼成する事による、アルミナの平板状結晶成長に重要な役割を果たす。
珪素化合物の珪素はアルミナのα結晶の[113]面に選択的に吸着し、フラックス剤である酸化モリブデンの[113]面への選択的な吸着を抑制することで、[001]面の発達した熱力学的に最も安定的な稠密六方格子の結晶構造を有する平板状形態を形成することができる。これより珪素の量が大きくなる程、[001]面の結晶形成を助長すると推測され、厚みが薄い平板状アルミナが得られる。
また、珪素は、アルミナのα結晶の[113]面に選択的に吸着し得る十分な量が存在することで、酸化モリブデンの[113]面への選択的な吸着を抑制し、[001]面の発達した熱力学的に最も安定的な稠密六方格子の結晶構造を有する平板状形態を形成することができる。これより珪素の量が大きくなる程、互いの平板状アルミナの交差箇所も、他の箇所と同様に熱力学的に最も安定的な稠密六方格子の結晶構造を有し、強固な固着となり得ると推測される。
珪素化合物の種類は特に制限されず、珪素原子のみならず珪素化合物であれば公知のものが使用されうる。これらの具体例としては、金属シリコン(珪素原子)、有機シラン化合物、シリコーン樹脂、シリカ(SiO)微粒子、シリカゲル、メソポーラスシリカ、SiC、ムライト等の人工合成シリコン化合物;バイオシリカ等の天然シリコン化合物等が挙げられる。これらのうち、アルミニウム化合物との複合、混合がより均一的に形成できる観点から、有機シラン化合物、シリコーン樹脂、シリカ微粒子を用いることが好ましい。なお、上記したものは、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
この珪素化合物が有機珪素化合物の場合は、焼成することで、有機成分が焼失し、珪素原子または無機珪素化合物となって、アルミナ粒子に含有されることになる。珪素化合物が無機珪素化合物の場合は、焼成することで、珪素原子または焼成時の高温で分解しない無機珪素化合物はそのままで、平板状アルミナの表面に局在的に含有されることになる。上記の観点から、同一分子量ならばより少量で珪素原子の含有率を高められる、珪素原子及び/又は無機珪素化合物を用いることが好ましい。
珪素化合物の形状は、特に制限されず、例えば、球状、無定形、アスペクトのある構造体(ワイヤ、ファイバー、リボン、チューブなど)、シートなどを好適に用いることができる。
珪素化合物の使用量は特に制限されないが、アルミナのα結晶の[113]面に選択的に吸着し得る十分な量を用いる様にすること好ましく、原料とするアルミニウム化合物のアルミニウム金属1モルに対して、珪素化合物の珪素金属としては0.003〜0.09モルであることが好ましく、0.005〜0.04モルであることがより好ましく、0.007〜0.03モルが更に好ましい。珪素化合物の使用量が上記範囲にあると、平板状アルミナのアスペクト比が高く、優れた分散性を有するアルミナ粒子が得られやすいことから好ましい。珪素化合物の量が不十分であると、フラックス剤である酸化モリブデンの[113]面への吸着が十分に抑制できないことが多く、平板状アルミナのアスペクト比が小さく、かつ不均一な平板状アルミナとなる傾向がある。更に。珪素化合物の量が不十分であると、生成するアルミナ粒子が、本発明のカードハウス構造でない、多面体状のアルミナとなりやすくなるので好ましくない。また珪素化合物の量が多過ぎると、余剰な珪素が単独で酸化物となる他、3Al・2SiOの様なアルミナ以外の異種結晶を含むこととなるので、好ましくない。
また、珪素化合物は、上記した通り、アルミニウム化合物に任意に添加しても良いが、アルミニウム化合物中に不純物として含まれていても良い。
上記製造方法において、珪素化合物の添加方法に特に制限はなく、粉体として直接添加混合するドライブレンド方式や、混合機を用いた混合、または予め溶媒やモノマー等に分散させ添加する方式を用いても良い。
モリブデン化合物および珪素化合物の存在下で、アルミニウム化合物を焼成する工程を経る事で、珪素原子及び/又は無機珪素化合物が平板状アルミナの表面及びその近傍に偏在した、カードハウス構造を有するアルミナ粒子を容易に得ることができる。本発明者らの知見では、仕込み時における珪素化合物の使用は、カードハウス構造を容易に得るための重要な要素、一方、焼成により生成したアルミナ粒子の表面及びその近傍に偏在した珪素原子及び/又は無機珪素化合物の存在は、元来、活性点に乏しいアルミナの表面状態に大きな変化をもたらし、それ自体で優れたアルミナの特性を最大限に引き出すだけでなく、更にその活性点を起点とした、反応による表面処理剤との一体化でのより優れた表面状態付与が可能となるといった重要な要素、となる。
(珪素化合物以外の形状制御剤)
本発明におけるカードハウス構造を有するアルミナ粒子において、珪素原子及び/又は無機珪素化合物を含むことによる平板状アルミナの形成を阻害しない限りにおいて、必要に応じ、流動性や分散性、機械強度、および平均粒子径や平板状アルミナのアスペクト比等を調整する為に、珪素化合物以外の形状制御剤を用いても良い。珪素化合物以外の形状制御剤は珪素化合物と同様に、モリブデン化合物の存在下でアルミナ化合物を焼成する事による、アルミナの板状結晶成長に寄与する。
珪素化合物以外の形状制御剤の存在状態は、アルミニウム化合物との接触ができれば、特に制限されない。例えば、形状制御剤とアルミニウム化合物と物理混合物、形状制御剤がアルミニウム化合物の表面または内部に均一または局在に存在した複合体などが好適に用いることができる。
また、珪素化合物以外の形状制御剤は、アルミニウム化合物に任意に添加しても良いが、アルミニウム化合物中に不純物として含まれていても良い。
珪素化合物以外の形状制御剤の添加方法に特に制限はなく、粉体として直接添加混合するドライブレンド方式や、混合機を用いた混合、または予め溶媒やモノマー等に分散させ添加する方式を用いても良い。
珪素化合物以外の形状制御剤の種類については、珪素化合物と同様に、モリブデン化合物の存在下、高温焼成中、酸化モリブデンがα−アルミナの[113]面に選択的な吸着を抑制し、板状形態を形成することが出来れば、特に制限されない。より平板状アルミナのアスペクト比が高く、よりアルミナ粒子の流動性や分散性に優れ、より生産性に優れる点で、モリブデン化合物とアルミニウム化合物を除く金属化合物を用いることが好ましい。または、ナトリウム原子及び/又はナトリウム化合物を用いることがより好ましい。
ナトリウム原子及び/又はナトリウム化合物としては、特に制限されず、公知のものが使用されうる。これらの具体例としては、炭酸ナトリウム、モリブデンナトリウム、酸化ナトリウム、硫酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、硝酸ナトリウム、塩化ナトリウム、金属ナトリウム等が挙げられる。これらのうち、工業的に容易入手と取扱いし易さの観点から炭酸ナトリウム、モリブデン酸ナトリウム、酸化ナトリウム、硫酸ナトリウムを用いることが好ましい。なお、ナトリウムあるいはナトリウム原子を含む化合物は、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ナトリウム原子及び/又はナトリウム化合物の形状は、特に制限されず、例えば、球状、無定形、アスペクトのある構造体(ワイヤ、ファイバー、リボン、チューブなど)、シートなどを好適に用いることができる。
ナトリウム原子及び/又はナトリウム化合物の使用量は特に制限されないが、アルミニウム化合物のアルミニウム金属1モルに対して、ナトリウム金属として0.0001〜2モルであることが好ましく、0.001〜1モルであることがより好ましい。ナトリウム原子及び/又はナトリウム化合物の使用量が上記範囲にあると、高アスペクト比と優れた分散性を有するアルミナ粒子が得られやすいことから好ましい。
(焼成工程)
焼成工程は、好適には、モリブデン化合物および珪素化合物、ならびに必要に応じ珪素化合物以外の形状制御剤の存在下で、アルミニウム化合物を焼成する工程である。
本発明におけるアルミナ粒子は、例えば、モリブデン化合物および形状制御剤の存在下で、アルミニウム化合物を焼成することで得られる。上記した通り、この製造方法はフラックス法と呼ばれる。モリブデン化合物の存在下でアルミニウム化合物を焼成すると、モリブデン化合物がアルミニウム化合物と高温で反応し、モリブデン酸アルミニウムを形成した後、このモリブデン酸アルミニウムが、さらに、より高温でアルミナと酸化モリブデンに分解し、形状制御剤の存在下でアルミナの板状結晶を成長させることで、本発明のカードハウス構造を有するアルミナ粒子が容易に得られる。上記したフラックス法に基づくと、平板状アルミナの形成と、3枚以上の左記平板状アルミナの固着に伴うカードハウス構造の形成とは、並行的に進むものと推定される。
また、本発明におけるカードハウス構造を有するアルミナ粒子は、平均粒子径3〜1000μmであることから、それを構成する、平板状アルミナは、例えば、厚みが0.01〜5μm、平均粒子径が0.1〜500μm、厚みに対する粒子径の比率であるアスペクト比が2〜500であることが好ましい。なかでも、このアルミナ粒子を充填剤として用いる場合には、その使い勝手が良好なことから、平板状アルミナの厚みが0.03〜3μmであり、平均粒子径が0.5〜100μmであり、厚みに対する粒子径の比率であるアスペクト比が5〜300であることがより好ましい。更に好ましくはアスペクト比が7〜200である。
焼成の方法は、特に限定はなく、公知慣用の方法で行う事ができる。焼成温度が700℃を超えると、アルミニウム化合物と、モリブデン化合物が反応して、モリブデン酸アルミニウムを形成する。さらに、焼成温度が900℃以上になると、モリブデン酸アルミニウムが分解し、珪素化合物、および形状制御剤の作用で平板状アルミナを形成する。また、平板状アルミナは、モリブデン酸アルミニウムが分解することで、アルミナと酸化モリブデンになる際に、モリブデンを酸化アルミニウム粒子内に取り込む事で得られる。
また、焼成する時に、アルミニウム化合物と、珪素化合物と、更には珪素化合物以外の形状制御剤と、モリブデン化合物の状態は特に限定されず、モリブデン化合物と珪素化合物、及び珪素化合物以外の形状制御剤がアルミニウム化合物に作用できる程度に近接して存在する状態であればよい。具体的には、モリブデン化合物と珪素化合物、及び珪素化合物以外の形状制御剤とアルミニウム化合物との粉体を混ぜ合わせる簡便な混合、粉砕機等を用いた機械的な混合、乳鉢等を用いた混合であっても良く、乾式状態、湿式状態での混合であっても良い。
焼成温度の条件に特に限定は無く、目的とする本発明のアルミナ粒子の平均粒子径、流動性、分散性、平板状アルミナのアスペクト比等により、適宜、決定される。通常、焼成の温度については、最高温度がモリブデン酸アルミニウム(Al(MoO)の分解温度である900℃以上であればよい。
一般的に、焼成後に得られるα−アルミナの形状を制御しようとすると、α−アルミナの融点に近い2000℃以上の高温焼成を行う必要があるが、焼成炉へ負担や燃料コストの点から、産業上利用する為には大きな課題がある。
本発明におけるアルミナ粒子の上記した様な好適な製造方法は、2000℃を超えるような高温であっても実施可能であるが、1600℃以下というα−アルミナの融点よりかなり低い温度であっても、α結晶化率が高くアスペクト比の高い平板状アルミナからなるアルミナ粒子を形成することができる。
上記した様な好適な製造方法に依れば、最高焼成温度が900℃〜1600℃の条件であっても、平板状アルミナのアスペクト比が高く、α結晶化率が90%以上であるアルミナ粒子の形成を簡便かつ低コストで効率的に行うことができ、最高温度が920〜1500℃での焼成がより好ましく、最高温度が950〜1400℃の範囲の焼成が最も好ましい。
焼成温度が高温となるほど、平板状アルミナの交差箇所のα結晶化も、他の箇所と同様に向上し、機械強度に優れるカードハウス構造を有するアルミナ粒子が得られる。
焼成の時間については、所定最高温度への昇温時間を15分〜10時間の範囲で行い、且つ焼成最高温度における保持時間を5分〜30時間の範囲で行うことが好ましい。平板状アルミナの形成を効率的に行うには、10分〜15時間程度の時間の焼成保持時間であることがより好ましい。
焼成最高温度における保持時間が長時間となるほど、平板状アルミナの交差箇所のα結晶化も、他の箇所と同様に向上し、強固なカードハウス構造を有するアルミナ粒子が得られる。
焼成の雰囲気としては、本発明の効果が得られるのであれば特に限定されないが、例えば、空気や酸素のといった含酸素雰囲気や、窒素やアルゴンといった不活性雰囲気が好ましく、コストの面を考慮した場合は空気雰囲気がより好ましい。
焼成するための装置としても必ずしも限定されず、いわゆる焼成炉を用いることができる。焼成炉は昇華した酸化モリブデンと反応しない材質で構成されていることが好ましく、さらに酸化モリブデンを効率的に利用するように、密閉性の高い焼成炉を用いる事が好ましい。
上記した好適な製造方法では、3枚以上の平板状アルミナにより形成され、固着したカードハウス構造を有するアルミナ粒子が選択的に得られ、当該アルミナ粒子を全体の60%以上の割合で含んだ粉体が容易に得られる。前記製造方法の中でより好適な条件を選択して製造することにより、前記アルミナ粒子の中でも、前記3枚以上の平板状アルミナが、2箇所以上の複数箇所で交差し集合したものであり、交差した互いの平板の面方向は無秩序に配置された状態にあるカードハウス構造を有するアルミナ粒子を全体の80%以上の割合で含んだ粉体が、より容易に得ることができるので好ましい。
[モリブデン除去工程]
アルミナ粒子の製造方法は、焼成工程後、必要に応じてモリブデンの少なくとも一部を除去するモリブデン除去工程をさらに含んでいてもよい。
上述のように、焼成時において酸化モリブデンは昇華を伴うことから、焼成時間、焼成温度等を制御することで、アルミナ粒子に含まれるモリブデンの存在部位やそれらの含有量を制御することができる。
モリブデンは、アルミナ粒子の表面に付着しうる。アルミナ表面における不要な当該モリブデンは水、アンモニア水溶液、水酸化ナトリウム水溶液、酸性水溶液で洗浄することにより除去することができる。
この際、使用する水、アンモニア水溶液、水酸化ナトリウム水溶液、酸性水溶液の濃度、使用量、および洗浄部位、洗浄時間等を適宜変更することで、モリブデン含有量を制御することができる。
[粉砕工程]
焼成物はアルミナ粒子が凝集して、本発明に好適な粒子径の範囲を満たさない場合がある。そのため、アルミナ粒子は、必要に応じて、本発明に好適な粒子径の範囲を満たすように粉砕してもよい。
焼成物の粉砕の方法は特に限定されず、ボールミル、ジョークラッシャー、ジェットミル、ディスクミル、スペクトロミル、グラインダー、ミキサーミル等の従来公知の粉砕方法を適用できる。
[分級工程]
アルミナ粒子は、平均粒子径を調整し、粉体の流動性を向上するため、好ましくは分級処理する。
分級は湿式、乾式のいずれでも良いが、生産性の観点からは、乾式の分級が好ましい。乾式の分級には、篩による分級のほか、遠心力と流体抗力の差によって分級する風力分級などがあるが、分級精度の観点からは、風力分級が好ましく、コアンダ効果を利用した気流分級機、旋回気流式分級機、強制渦遠心式分級機、半自由渦遠心式分級機などの分級機を用いて行うことができる。
上記した粉砕工程や分級工程は、後述する有機化合物層形成工程の前後を含めて、必要な段階において行うことができる。これら粉砕や分級の有無やそれらの条件選定により、例えば、得られるアルミナ粒子の平均粒子径を調整することができる。アルミナ粒子の平均粒子径は、その安息角と密接な関係にあり、上記した様なアルミナ粒子自体の製造方法や製造条件だけで充分に調整が行えなかった場合であっても、分級等の条件選定によりアルミナ粒子の平均粒子径を変化させる(間接的に安息角を変化させる)ことにより、アルミナ粒子の流動性を調整することができる。
具体的には、例えば、目的とする平均粒子径のカードハウス構造を有するアルミナ粒子が無い場合には、より大きな平均粒子径のアルミナ粒子を分級等することで、より小さな平均粒子径を有する、同一平均粒子径同士の対比においては、公知のアルミナ粒子より流動性が優れた、カードハウス構造を有するアルミナ粒子が得られる。
[有機化合物層形成工程]
一実施形態において、上記したアルミナ粒子の製造方法は、平板状アルミナの表面に有機化合物層形成工程をさらに含んでいてもよい。当該有機化合物層形成工程は、必要であれば、当該有機化合物が分解しない温度、通常、焼成工程の後、またはモリブデン除去工程の後に行われる。
アルミナ粒子の平板状アルミナの表面に有機化合物層を形成する方法としては、特に制限されず、公知の方法が適宜採用されうる。例えば、有機化合物を含む溶液又は分散液をモリブデンを含むアルミナ粒子に接触させ、乾燥する方法等が挙げられる。
なお、この有機化合物層の形成に使用されうる有機化合物としては、例えば有機シラン化合物が挙げられる。
(有機シラン化合物)
本発明におけるカードハウス構造を有するアルミナ粒子は、珪素原子及び/又は無機珪素化合物含む場合には、それを含まない場合に比べて上記した様な表面改質効果が期待できるが、更に、珪素原子及び/又は無機珪素化合物を含むアルミナ粒子と、有機シラン化合物との反応物とした上で用いることもできる。珪素原子及び/又は無機珪素化合物を含有しかつカードハウス構造を有するアルミナ粒子に比べて、それと有機シラン化合物との反応物であるカードハウス構造を有するアルミナ粒子の方が、アルミナ粒子を構成する平板状アルミナ粒子表面に局在化する珪素原子及び/又は無機珪素化合物と、有機シラン化合物との反応に基づき、マトリックスとの親和性をより良好とすることができ好ましい。
前記有機シラン化合物としては、例えば、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、iso−プロピルトリメトキシシラン、iso−プロピルトリエトキシシラン、ペンチルトリメトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン等のアルキル基の炭素数が1〜22までのアルキルトリメトキシシランまたはアルキルトリクロロシラン類、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、トリデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロオクチル)トリクロロシラン類、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、p−クロロメチルフェニルトリメトキシシラン、p−クロロメチルフェニルトリエトキシシラン類等、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のエポキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン等のアミノシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のメルカプトシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等のビニルシラン、さらに、エポキシ系、アミノ系、ビニル系の高分子タイプのシランが挙げられる。なお、上記有機シラン化合物は、単独で含まれていても、2種以上を含んでいてもよい。
有機シラン化合物は、反応により、アルミナ粒子の平板状アルミナの表面の珪素原子及び/又は無機珪素化合物の少なくとも一部又は全部と共有結合により連結されていればよく、アルミナ一部だけでなく全体が上記反応物で被覆されていてもよい。アルミナ表面への提供方法としては、浸漬による付着や化学蒸着(CVD)を採用することができる。
有機シラン化合物の使用量は、アルミナ粒子の平板状アルミナの表面に含有される珪素原子又は無機珪素化合物の質量に対して、珪素原子基準で、20質量%以下であることが好ましく、10〜0.01質量%であることがさらに好ましい。有機シラン化合物の使用量が20質量%以下であると、アルミナ粒子由来の物性発現が容易にできることから好ましい。
珪素原子及び/又は無機珪素化合物を含むアルミナ粒子と、有機シラン化合物との反応は、公知慣用のフィラーの表面改質方法により行なう事ができ、例えば、流体ノズルを用いた噴霧方式、せん断力のある攪拌、ボールミル、ミキサー等の乾式法、水系または有機溶剤系等の湿式法を採用することができる。
乾式法における系内温度ないしは湿式法における処理後の乾燥温度は、有機シラン化合物の種類に応じ、それが熱分解しない領域で適宜決定される。例えば、上記した様な有機シラン化合物で処理する場合は、80〜150℃の温度が望ましい。
[後加工工程]
カードハウス構造を有するアルミナ粒子は、その効果を損なわない限り、その製造の途中に任意工程を追加したり、後処理工程を追加し、任意に粒度や形状等を調整しても良い。例えば、転動造粒や圧縮造粒等の造粒工程、結着剤をバインダーとしたスプレードライ製法による造粒などが挙げられ、市販の機器を用いて容易に得る事ができる。
本発明においては、アルミナ粒子(A)に平板状フィラー(C)を併用することができる。アルミナ粒子(A)は、さも球状粒子のような輪郭をしているため、平板状フィラーであって放熱性を有するものを併用することにより、アルミナ粒子(A)によって平板状フィラーが成形体中で配向することを阻害する効果を有する。そして、その阻害効果が発揮されることにより、成形体の熱伝導率の異方性を低減することが可能となる。
アルミナ粒子(A)と平板状フィラー(C)の割合は、成形体の熱伝導率の異方性を低減しうるためには、10/90〜100/0の範囲であることが好ましい。
併用する平板状フィラー(C)としては、熱伝導率が高いことが必要なことから、平板状窒化ホウ素、平板状アルミナが好ましい。
<樹脂(B)>
本発明で使用される樹脂(B)は、ポリマーであってもオリゴマーであってもモノマーであってもよく、熱硬化性樹脂または活性エネルギー線硬化性樹脂、または熱可塑性樹脂である。
<熱硬化性樹脂>
本発明で使用する熱硬化性樹脂は、加熱または放射線や触媒などの手段によって硬化される際に実質的に不溶かつ不融性に変化し得る特性を持った樹脂である。例えば、成形材料等に使用される公知慣用の樹脂である。具体的には、例えば、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂等のノボラック型フェノール樹脂;未変性のレゾールフェノール樹脂、桐油、アマニ油、クルミ油等で変性した油変性レゾールフェノール樹脂等のレゾール型フェノール樹脂等のフェノール樹脂;ビスフェノールAエポキシ樹脂、ビスフェノールFエポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂;脂肪鎖変性ビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラックエポキシ樹脂、クレゾールノボラックエポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂;ビフェニル型エポキシ樹脂、ポリアルキレングルコール型エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂;ユリア(尿素)樹脂、メラミン樹脂等のトリアジン環を有する樹脂;(メタ)アクリル樹脂やビニルエステル樹脂等のビニル樹脂:不飽和ポリエステル樹脂、ビスマレイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、シリコーン樹脂、ベンゾオキサジン環を有する樹脂、シアネートエステル樹脂等が挙げられ、ポリマーであってもオリゴマーであってもモノマーであってもかまわない。
上記した熱硬化性樹脂は、硬化剤とともに用いてもかまわない。その際に用いられる硬化剤は、熱硬化性樹脂と公知慣用の組み合わせで用いる事ができる。例えば、熱硬化性樹脂がエポキシ樹脂の場合、硬化剤として常用されている化合物は何れも使用することができ、例えば、アミン系化合物、アミド系化合物、酸無水物系化合物、フェノ−ル系化合物などが挙げられる。具体的には、アミン系化合物としてはジアミノジフェニルメタン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ジアミノジフェニルスルホン、イソホロンジアミン、イミダゾ−ル、BF3−アミン錯体、グアニジン誘導体等が挙げられ、アミド系化合物としては、ジシアンジアミド、リノレン酸の2量体とエチレンジアミンとより合成されるポリアミド樹脂等が挙げられ、酸無水物系化合物としては、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸等が挙げられ、フェノール系化合物としては、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂変性フェノール樹脂、ジシクロペンタジエンフェノール付加型樹脂、フェノールアラルキル樹脂(ザイロック樹脂)、レゾルシンノボラック樹脂に代表される多価ヒドロキシ化合物とホルムアルデヒドから合成される多価フェノールノボラック樹脂、ナフトールアラルキル樹脂、トリメチロールメタン樹脂、テトラフェニロールエタン樹脂、ナフトールノボラック樹脂、ナフトール−フェノール共縮ノボラック樹脂、ナフトール−クレゾール共縮ノボラック樹脂、ビフェニル変性フェノール樹脂(ビスメチレン基でフェノール核が連結された多価フェノール化合物)、ビフェニル変性ナフトール樹脂(ビスメチレン基でフェノール核が連結された多価ナフトール化合物)、アミノトリアジン変性フェノール樹脂(メラミン、ベンゾグアナミンなどでフェノール核が連結された多価フェノール化合物)やアルコキシ基含有芳香環変性ノボラック樹脂(ホルムアルデヒドでフェノール核及びアルコキシ基含有芳香環が連結された多価フェノール化合物)等の多価フェノール化合物が挙げられる。これらの硬化剤は、単独でも2種類以上の併用でも構わない。
本発明の樹脂組成物における、熱硬化性樹脂と前記の硬化剤の配合量は、特に限定されないが、例えば、硬化性樹脂がエポキシ樹脂である場合は、得られる硬化物特性が良好である点から、エポキシ樹脂のエポキシ基の合計1当量に対して、硬化剤中の活性基が0.7〜1.5当量になる量の使用が好ましい。
また必要に応じて、本発明の樹脂組成物における、熱硬化性樹脂に硬化促進剤を適宜併用することもできる。例えば、硬化性樹脂がエポキシ樹脂の場合、硬化促進剤としては種々のものが使用できるが、例えば、リン系化合物、第3級アミン、イミダゾール、有機酸金属塩、ルイス酸、アミン錯塩等が挙げられる。
また必要に応じて、本発明における、熱硬化性樹脂に、硬化触媒を適時併用することもでき、公知慣用の熱重合開始剤や活性エネルギー線重合開始剤が挙げられる。
熱硬化性樹脂としての追加具体例には、硬化剤を使用しないラジカル重合性樹脂、アニオン重合性樹脂、あるいはカチオン重合性樹脂を挙げることもできる。ラジカル重合性樹脂を例示すると、
ラジカル重合性樹脂;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸i−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸s−ブチル、(メタ)アクリル酸n−アミル、(メタ)アクリル酸s−アミル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−エトキシエチル、(メタ)アクリル酸フェノキシエチル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル、(メタ)アクリル酸N,N−ジメチルアミノエチル、α−ヒドロキシメチルアクリル酸メチル、α−ヒドロキシメチルアクリル酸エチル、α−ヒドロキシメチルアクリル酸t−ブチル、α−ヒドロキシメチルアクリル酸t−アミル等の他、1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカ−2−イルメタアクリル酸、(メタ)アクリロイルモルホリン、テトラヒドロフルフリルアクリレート、4−(メタ)アクリロイルオキシメチル−2−メチル−2−エチル−1,3−ジオキソラン、4−(メタ)アクリロイルオキシメチル−2−メチル−2−イソブチル−1,3−ジオキソラン、4−(メタ)アクリロイルオキシメチル−2−メチル−2−シクロヘキシル−1,3−ジオキソラン、4−(メタ)アクリロイルオキシメチル−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン(メタ)アクリル酸エステル系骨格を有するモノマー、オリゴマーあるいはポリマー、あるいはエポキシアクリレート系樹脂、オキセタン系環状骨格を有する樹脂、等が挙げられる。
<熱可塑性樹脂>
本発明で使用する熱可塑性樹脂は、成形材料等に使用される公知慣用の樹脂である。具体的には、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリメタクリル酸メチル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリフェニレンオキシド樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリアリルスルホン樹脂、熱可塑性ポリイミド樹脂、熱可塑性ウレタン樹脂、ポリアミノビスマレイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ビスマレイミドトリアジン樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、フッ化樹脂、液晶ポリマー、オレフィン−ビニルアルコール共重合体、アイオノマー樹脂、ポリアリレート樹脂、アクリロニトリル−エチレン−スチレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、アクリロニトリル−スチレン共重合体、フェノキシ樹脂、シクロオレフィン樹脂などが挙げられる。少なくとも1種の熱可塑性樹脂が選択されて使用されるが、目的に応じて、2種以上の熱可塑性樹脂を組み合わせての使用も可能である。
上記した樹脂(B)としては、本発明で用いるアルミナ粒子(A)と組み合わせて樹脂組成物とした際に、樹脂成分を溶融して所望の形状となし冷却して部材を製造する、押出成形や射出成形といった成形方法において、よりアルミナとの親和性を高めることができ流動性向上効果に優れ、かつ優れた熱伝導性も得られる、熱可塑性樹脂を用いることが好ましい。
上記した樹脂(B)としては、部材などの成形物の寸法安定性や耐熱性に優れる点で、ポリアリーレンスルフィド樹脂がより好ましい。中でも、樹脂(B)としては、より成形が難しくアルミナとの親和性に劣るポリフェニレンスルフィド樹脂が、成形時における樹脂組成物の親和性に基づく流動性向上効果に優れ、かつ優れた熱伝導性も得られるので最適である。
本発明の樹脂組成物は、必要に応じてその他の配合物を含有してもよく、発明の効果を損ねない範囲で、外部滑剤、内部滑剤、酸化防止剤、難燃剤、光安定剤、紫外線吸収剤、ガラス繊維、カーボン繊維等の補強材、フィラー、各種の着色剤等を添加してもよい。また、シリコーンオイル、液状ゴム、ゴム粉末、アクリル酸メチル−ブタジエン−スチレン共重合体、メタクリル酸メチル−ブタジエン−スチレン共重合体などのブタジエン系共重合体ゴムやシリコーン系化合物などの低応力化剤(応力緩和剤)の使用も可能である。
本発明の樹脂組成物は、アルミナ粒子(A)と樹脂(B)、さらに必要に応じてその他の配合物を混合することにより得られる。その混合方法に特に限定はなく、公知慣用の方法により、混合される。
樹脂(B)が熱硬化性樹脂である場合の一般的な手法としては、所定の配合量の熱硬化性樹脂と、本発明で用いるアルミナ粒子(A)、必要に応じてその他の成分をミキサー等によって充分に混合した後、三本ロール等で混練し、流動性ある液状の組成物として、あるいは、所定の配合量の熱硬化性樹脂と、本発明で用いるアルミナ粒子(A)、必要に応じてその他の成分をミキサー等によって充分に混合した後、ミキシングロール、押出機等で、溶融混練した後、冷却する事で、固形の組成物として得られる。その混合状態は、硬化剤や触媒等を配合した場合は、硬化性樹脂とそれらの配合物が充分に均一に混合されていれば良いが、本発明で用いるアルミナ粒子(A)も均一に分散混合された方がより好ましい。
樹脂(B)が熱可塑性樹脂である場合の一般的な手法としては、熱可塑性樹脂、本発明で用いるアルミナ粒子(A)、および必要に応じてその他の成分を、例えばタンブラーやヘンシェルミキサーなどの各種混合機を用い予め混合した後、バンバリーミキサー、ブラベンダー、単軸混練押出機、二軸混練押出機、ニーダー、混合ロールなどの混合機で溶融混練する方法が挙げられる。なお、溶融混練の温度は特に制限されないが、通常240〜320℃の範囲である。
本発明の樹脂組成物を調製するに当たっての、本発明で用いるアルミナ粒子(A)と、樹脂(B)の不揮発分との混合割合は特に制限されるものではないが、樹脂(B)の不揮発分の質量換算100部当たり、40〜900部の範囲から選択することが好ましい。本発明の樹脂組成物の調製に当たっては、勿論、アルミナ粒子(A)のみでなく、それ以外の針状、球状、多面体状のアルミナや、珪素を、原子及び/又は無機化合物として含まないアルミナ等の公知慣用のアルミナを併用することもできる。
また、アルミナ粒子(A)のみを用いる場合における、アルミナ粒子(A)の、本発明の樹脂組成物中の含有量は特に限定されず、それぞれの用途で求められる熱伝導率の程度に応じて混合されるが、好ましくは、樹脂組成物の100容量部中、本発明で用いるアルミナ粒子(A)の含有量は15〜90容量部である。
本発明で用いるアルミナ粒子(A)の含有量が15容量部未満であると、その樹脂硬化物あるいは樹脂成形物について、熱伝導性が不充分となるので好ましくない。一方、本発明で用いるアルミナ粒子(A)の含有量が90容量部を超えると、例えば、金属等の基材間を接着するために樹脂組成物を使用した場合、硬化物や成形物と基材の接着力が不足して、電子部品の反りが大きくなったり、冷熱サイクル下等においてクラック又は電子部品の剥離が生じたり、接着界面で剥離が生じたりすることがあるので好ましくない。また、本発明で用いるアルミナ粒子(A)の含有量が90容量部を超えると、樹脂組成物の粘度が高くなって塗布性や作業性等が低下したりすることがあるので好ましくない。本発明で用いるアルミナ粒子(A)の熱伝導性フィラーとしての機能を効果的に発現させ、高い熱伝導性を得るためには、本発明で用いるアルミナ粒子(A)が高充填されている方が好ましく、20〜90容量部の使用が好ましい。硬化性樹脂組成物の場合、その流動性を考慮すると、より好ましくは、20〜85容量部使用である。
本発明で用いるアルミナ粒子(A)としては、樹脂組成物の調製時に、2種類以上の粒子径の異なるものを併用したり、これらを予め混合した混合物を用いることが好ましく、これにより大粒子径の、本発明で用いるアルミナ粒子(A)の空隙に小粒子径の本発明で用いるアルミナ粒子(A)がパッキングされることによって、単一粒子径の本発明で用いるアルミナ粒子(A)を使用するよりも密に充填されるために、より高い熱伝導率を発揮することが可能である。例えば、平均粒子径4〜150μm(大粒子径)の本発明で用いるアルミナ粒子(A)と、平均粒子径10〜20μm(小粒子径)の本発明で用いるアルミナ粒子(A)とを併用することが上記理由で好ましく、より具体的には、平均粒子径40〜150μm(大粒子径)の本発明で用いるアルミナ粒子(A)を45〜75容量%、平均粒子径10〜20μm(小粒子径)の本発明で用いるアルミナ粒子(A)を25〜55容量%の範囲の割合で併用すると、熱伝導率の温度依存性が小さくなるなどの効果が得られる。
本発明で用いるアルミナ粒子(A)としては、上記した様に、珪素原子及び/又は無機珪素化合物を含ませただけでなく、それと有機シラン化合物とを反応させた反応物を使用する事もできる。その際、必要なら、アルミナ粒子に対して、有機シラン化合物と異なるカップリング剤、例えば、チタネート系およびアルミネート系カップリング剤などで、表面改質されたものを併用する事もできる。
樹脂組成物の流動性やその樹脂成形物あるいは樹脂硬化物の熱伝導率をより一層高められるためには、アルミナ粒子(A)は、珪素原子及び/又は無機珪素化合物を含むアルミナ粒子と、有機シラン化合物との反応物であることが好ましく、更に前記の有機シラン化合物以外のカップリング剤で表面処理された、本発明で用いるアルミナ粒子(A)を用いた方が良い場合もある。具体的には、例えば、更なる表面処理により、樹脂成形物あるいは樹脂硬化物における樹脂(B)と本発明で用いるアルミナ粒子(A)との密着性が更に高められ、樹脂(B)と本発明で用いるアルミナ粒子(A)との間での界面熱抵抗が低下し、熱伝導性が向上させられる場合がある。
本発明で用いるアルミナ粒子(A)としては、上記した様に、2種類以上の粒子径の異なるもの準備し、それぞれを、上記した様に、予めカップリング剤にて表面処理した上で、これらを併用して、本発明の樹脂組成物を調製し、硬化あるいは成形することが、得られる硬化物や成形物が、最も熱伝導性に優れたものとなる上、その温度依存性も小さく出来る点から、最も好ましい。
熱伝導性を向上するために、本発明で用いるアルミナ粒子(A)に加えて、その他の熱伝導性フィラーを使用する事ができる。その様な熱伝導性フィラーとして、公知慣用の金属系ファイラー、無機化合物フィラー、炭素系フィラー等が使用できる。具体的には、例えば、銀、銅、アルミニウム、鉄等の金属系フィラー、アルミナ、マグネシア、ベリリア、シリカ、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、炭化ケイ素、炭化ホウ素、炭化チタン、無水炭酸マグネシウム等の無機系フィラー、ダイヤモンド、黒鉛、グラファイト、炭素繊維等の炭素系フィラーなどが挙げられる。結晶形、粒子サイズ等が異なる1種あるいは複数種の熱伝導性フィラーを組み合わせて使用する事も可能である。電子機器等の用途で放熱性が必要とされる場合には、電気絶縁性が求められる事が多く、これらのフィラーの内、体積固有抵抗の高いアルミナ、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、ベリリア、シリカ、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、ダイヤモンド、無水炭酸マグネシウムから選択される熱伝導性フィラーの使用が好ましい。これらの熱伝導性フィラーとして、表面処理を行ったものを使用する事もできる。例えば、無機系フィラーなどは、シラン系およびまたはチタネート系カップリング剤などで表面改質されたものを使用する事ができる。
<塗料>
本発明の樹脂組成物を塗料として用いてもよい。本発明の樹脂組成物は熱伝導性に優れることから、当該樹脂組成物を含有する塗料は、放熱塗料として好適に使用可能である。
本発明の塗料としては、本発明の樹脂組成物をそのまま塗料として用いてもよいし、希釈剤や溶剤等で粘度を低下させて用いて塗料としても構わない。
溶剤としては有機溶剤が挙げられ、例えばメチルエチルケトン、アセトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、トルエン、ジメチルホルムアミド、メチルイソブチルケトン、メトキシプロパノール、シクロヘキサノン、メチルセロソルブ、エチルジグリコールアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等が挙げられ、その選択や適正な使用量は用途によって適宜選択すればよい。
希釈剤としては、液状有機ポリマーや液状モノマー等を用いることができる。
塗料の塗装方法としては特に限定はなく、公知慣用の方法を用いればよい。例えば基材に対し直接塗装する場合、塗装方法としては特に限定は無く、スプレー法、スピンコート法、ディップ法、ロールコート法、ブレードコート法、ドクターロール法、ドクターブレード法、カーテンコート法、スリットコート法、スクリーン印刷法、インクジェット法等が挙げられ、用途に応じて適宜選択すればよい。
<樹脂成形体>
本発明の樹脂組成物を所望の形状に成形することで、放熱部材として適用し得る樹脂成形体を得ることができる。樹脂成形体を得るには、公知慣用の方法で行うことができる。
例えば本発明の樹脂(B)が熱硬化性樹脂である場合、一般的なエポキシ樹脂組成物等の熱硬化性の樹脂組成物の硬化方法に準拠すればよいが、例えば、樹脂(B)がエポキシ樹脂である樹脂組成物などは、熱で硬化を行う事ができ、その際の加熱温度条件は、組み合わせる硬化剤の種類や用途等によって、適宜選択すれば良く、室温〜250℃程度の温度範囲で加熱すればよい。活性エネルギー線硬化性樹脂の場合、紫外線や赤外線といった活性エネルギー線を照射することで硬化成形することができる。
また、本発明の樹脂が熱可塑性樹脂の場合も、公知慣用の方法にて成形物とすることができる。例えば、射出成形法、超高速射出成形法、射出圧縮成形法、二色成形法、ガスアシスト等の中空成形法、断熱金型を使用した成形法、急速加熱金型を使用した成形法、発泡成形(超臨界流体も含む)、インサート成形、IMC(インモールドコーティング成形)成形法、押出成形法、シート成形法、回転成形法、積層成形法、プレス成形法などが挙げられる。また、ホットランナー方式を使用した成形法を用いることも出来る。成形品の形状、模様、色彩、寸法などに制限はなく、その成形品の用途に応じて任意に設定すればよい。
本発明の樹脂組成物は、特に、射出成形用に用いた際に、従来のアルミナを用いた樹脂組成物に比べて、アルミナの異方性がより出難い、面に対して垂直方向も同平行方向もどちらにおいても熱伝導率に優れた成形物(硬化物)が得られるので好ましい。
上記した樹脂組成物又は硬化物を所望の形状とした層それ自体、或いは他の支持体に左記の層を含ませることで、例えば、放熱部材とすることができる。
本発明の樹脂組成物は、基材と基材を接着するいわゆるサーマルインターフェースマテリアル(TIM)として基材間の界面の熱伝導性を向上する材料として、あるいは、樹脂硬化物、樹脂成形物との形態で、それ自体を所望の形状に成形された放熱部材として使用する事ができる。
例えば、パワーモジュールなどの電気・電子機器の放熱させたい部位と放熱部材(例えば、金属板やヒートシンク)を接着させ、良好な放熱を発現させるために使用される接着剤として用いる事ができる。その際の使用される樹脂組成物の形態には特に制限はないが、液状あるいはペースト状に設計した樹脂組成物の場合は、液状あるいはペースト状の樹脂組成物を接着面の界面に注入後、接着し、硬化させれば良い。固形状に設計されたものは、粉体状、チップ状あるいはシート状にしたものを、接着面の界面に置いたうえで接着し、硬化させれば良い。
また、本発明の樹脂組成物は、プリント配線基板等の樹脂基板に使用する事ができ、樹脂放熱基板材としても有用である。
また、本発明の樹脂組成物は、樹脂製のヒートシンク等の放熱部品等に成形して使用する事ができ、LED等の放熱部材として有用である。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、特に断わりがない限り、「%」は「質量%」を表わす。
合成例1;アルミナ粒子の合成
水酸化アルミ(日本軽金属工業製;平均粒子径44.8μm)の146.15質量部と、シリカ粒子(関東化学株式会社製)の0.95質量部と、三酸化モリブデン(太陽鉱工株式会社製)の5質量部とを乳鉢で混合し、混合物を得た。得られた混合物を坩堝に入れ、セラミック電気炉にて1100℃で3時間焼成を行なった。降温後、坩堝を取り出し、105.0質量部の薄青色の粉末を得た。得られた粉末を乳鉢で、106μm篩を通るまで解砕した。続いて、得られた前記薄青色粉末の100gを0.5%アンモニア水の150mLに分散し、分散溶液を室温(25〜30℃)で0.5時間攪拌後、ろ過によりアンモニア水を除き、水洗浄と乾燥を行う事で、粒子表面に残存するモリブデンを除去し、98gの粉末を得た。続いて、コアンダ効果を利用した気流分級機((株)パウダーシステムズ製ハイプレック分級機 HPC−ZERO型)で微粒成分を除去し、次いで篩にて分級処理して薄青色のアルミナ粒子(EF1)を得た。得られたアルミナ粒子は、SEM観察により、複数の平板状アルミナからなる、カードハウス構造を有するアルミナ粒子であることを確認した(図2と図3)。
合成例2〜4;アルミナ粒子の合成
合成例1での篩による分級処理をする際、篩の条件を変更することにより、表1,2に記載の平均粒径を有するアルミナ粒子(EF2〜4)を各種取得した。
合成例2〜4で得られたアルミナ粒子は、SEM観察により、複数の平板状アルミナからなる、カードハウス構造を有するアルミナ粒子であることを確認した。
合成例5;平板状アルミナの合成
水酸化アルミ(日本軽金属工業製;平均粒子径9.4μm)の100質量部と、シリカ粒子(関東化学株式会社製)の0.65質量部と、三酸化モリブデン(太陽鉱工株式会社製)の3.44質量部とを乳鉢で混合し、混合物を得た。得られた混合物を坩堝に入れ、セラミック電気炉にて1100℃で10時間焼成を行なった。その後坩堝から取り出して解砕をしたのち、0.5%のアンモニア水溶液で常温のもと30分間浸漬することで洗浄を行い、次いでコアンダ効果を利用した気流分級機((株)パウダーシステムズ製ハイプレック分級機 HPC−ZERO型)で粗粒子成分を除去して、薄青色の粉末(EF5)を得た。
得られた粉末は、SEM観察により、形状が多角で、厚みが400nm,平均粒子径が10μm、アスペクト比が25であり、平板状であることが確認された(図4)。
[蛍光X線(XRF)によるアルミナ粒子の組成分析]
作製した試料約100mgをろ紙にとり、PPフィルムをかぶせて、株式会社リガク製 ZSX100e を用いて行った。
[XPS表面分析]
アルミナ粒子及び平板状アルミナの表面元素分析は、アルバック・ファイ社製QUANTERA SXMを用い、X線源に単色化Al−Kαを使用し、X線光電子分光法(XPS:Xray Photoelectron Spectroscopy)の測定を行った。測定範囲は1000μm四方のエリア測定で、n=3測定の平均値を取得した。そして、それらの値から、アルミナ粒子及び平板状アルミナに含まれるケイ素(Si)濃度とアルミニウム(Al)の比「[Si]/[Al]」%を計算した。
得られた粉末EF1〜EF4の、上記の方法によるX線光電子分光法(XPS)で分析した、アルミナ粒子の平板状アルミナの表面組成の[Si]/[Al]%、および蛍光X線定量分析のバルク組成の[Si]/[Al]%の各々の値は以下の表1、2に記載のとおりであり、値より大幅に高く、珪素原子及び/又は無機珪素化合物が平板状アルミナの表面に偏在することを確認した。
また、合成例で得られた各アルミナ粒子を構成する平板状アルミナの数は、いずれも一つのアルミナ粒子当たり、15〜1500枚の範囲にあった。
[放熱フィラーの濡れ性評価;接触角]
放熱フィラーの水に対する接触角は、以下のWashburn法により測定を行った。
底にメッシュ状の空孔を有する円筒状セルの内部底面に、内径がほぼ同一の円形状ろ紙をセットし、そこへ放熱フィラー粉体を所定量充填させ、更に放熱フィラーの充填上面から同寸法のろ紙をセットして放熱フィラーを固定した。
KRUSS製表面張力計K100にその円筒状セルをセットし、n−ヘキサンにおける浸透速度を測定し、その結果から毛管係数を見積もった。次いで同じセルに対して水の浸透速度を測定し、毛管係数を利用して放熱フィラー粉体の接触角を見積もった。
[樹脂組成物及び成形体の作製]
各実施例及び比較例における熱可塑性樹脂と放熱フィラーは、以下の量に従って混合した。
熱可塑性樹脂としてDIC−PPS LR100G(DIC株式会社製ポリフェニレンスルフィド樹脂)の7.29質量部、実施例1〜4においては合成例1〜4で製造した熱伝導性フィラーEF1〜EF4の14.22質量部(実施例5においてはEF1とEF5をそれぞれ7.11質量部)、比較例1においては球状アルミナ(デンカ株式会社製DAW−45;CF1とする)14.16質量部、を均一にドライブレンドした後、Xplore社製溶融混練装置MC15により混練温度300℃、回転数100rpmの条件で溶融混練処理し、熱伝導性フィラーの充填率が40容量%のポリフェニレンスルフィド樹脂組成物8.9gを得た。
前述の方法にて得られた放熱フィラー組成物をXplore社製射出成形機IM12により、組成物温度320℃、金型温度140℃、射出圧力10bar、保圧11bar、にて射出成形を行い、ダンベル型成形体を得た。
[熱伝導率の測定(キセノンフラッシュ法)]
作製したダンベル型成形体から10mm×10mmのテストピースを切り出し、熱伝導率測定装置(LFA467 HyperFlash、NETZSCH社製)を用いて、25℃における面に対し垂直方向に伝熱する熱拡散率及び比熱の測定を行った。次いで、アルキメデス法により、成形体の密度を測定した。得られた熱拡散率、比熱、そして密度の積から、成形体の熱伝導率を見積もった。
[熱伝導率の測定(ホットディスク法)]
前述の方法で得られた放熱フィラー組成物を用いて6cm×6cm×2mmの試験片を射出成形によって取得し、ホットディスク法によって面に平行方向に伝熱する熱伝導率を測定した。
Figure 2019194159
Figure 2019194159
表中のN.D.は検出限界以下であったことを示す。
実施例6、及び比較例2;熱硬化性樹脂組成物
熱硬化性樹脂組成物及び成形体を、以下の手順に従って作製した。
<樹脂混合物の調製>
エポキシ樹脂(DIC製;エピクロンHP−4032D)6.0質量部、EX−201(レゾルシノールジグリシジルエーテル、ナガセケムテックス(株)製、エポキシ当量117g/eq.)1.3質量部、および、フェノキシ樹脂溶液(大阪ガスケミカル製フルオレン系フェノキシ樹脂)8.9質量部を混合することによって、固形分量62質量%の樹脂混合物(R1)を調製した。
次いで、実施例1及び5、そして比較例1で使用した各フィラーを、表5の組成にて配合を行うことにより、熱硬化性樹脂組成物を作製した。配合には自転−公転型混練装置で混練を行った。
次に、厚さ75μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの片面がシリコーン化合物で剥離処理された離型フィルムの表面に、前記熱硬化性樹脂組成物を、棒状の金属アプリケータを用いて、乾燥後の厚さが100μmになるように塗工した。
次に、前記塗工物を50℃の乾燥器に2分間投入した後、85℃の乾燥器に3分間投入し乾燥した後、その塗工面に、厚さ38μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの片面がシリコーン化合物で剥離処理された離型フィルムを貼付した。
次に、前記貼付物の表面への圧力が0.2MPaとなるように、前記貼付物を、90℃に熱した熱ロールと、樹脂ロールとの間に、分速1.5mでとおすことによって、厚さ100μmの熱伝導性接着シートが前記2種の離型フィルムによって挟持された積層体を得た。
前記離型フィルムを除去して得た熱伝導性接着シートを200℃環境下に90分静置し熱硬化させた。得られた硬化物を10mm角に裁断したものを試験サンプルとし、熱伝導率測定装置(LFA467 HyperFlash、NETZSCH社製)を用いて、25℃における熱伝導率の測定を行った。
Figure 2019194159
<熱硬化性樹脂組成物に使用されている各原料>
DAW45;デンカ製アルミナ、平均粒径45μm
AA04;住友化学製、平均粒径0.4μm
AH−154;味の素ファインテクノ製
2P4MHZ−PW;四国化成製
KBM−4803;信越化学製
表1,2および3による実施例及び比較例での対比から分かるとおり、本発明のアルミナ粒子を含有する組成物を用いた成形体の方が、球状アルミナを含有する成形体よりも熱伝導率に優れていることが明白である。
本発明の樹脂組成物は、放熱性に極めて優れることから、放熱材料として好適に使用可能である。特に、放熱塗料や放熱接着材等の放熱部材として好適に使用可能である。

Claims (7)

  1. 3枚以上の平板状アルミナにより形成され、固着したカードハウス構造を有することを特徴とするアルミナ粒子(A)と、樹脂(B)とを必須成分として含有してなる樹脂組成物。
  2. アルミナ粒子(A)の平均粒子径が3〜1000μmであることを特徴とする、請求項1記載の樹脂組成物。
  3. アルミナ粒子(A)と平板状アルミナ(C)を含有し、アルミナ粒子(A)と平板状アルミナ(C)の体積割合が、10/90〜100/0の範囲であることを特徴とする、請求項1または2に記載の樹脂組成物。
  4. 樹脂(B)が熱可塑性樹脂であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項記載の成形用樹脂組成物。
  5. 樹脂(B)が熱硬化性樹脂であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項記載の成形用樹脂組成物。
  6. 射出成形用である請求項1〜5のいずれか一項記載の樹脂組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項記載の樹脂組成物又は硬化物を所望の形状とした層を含む放熱部材。
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