JPWO2019194159A1 - アルミナを含有する樹脂組成物及び放熱部材 - Google Patents
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Abstract
好適には、前記新規アルミナ粒子(A)としては、更に、3枚以上の平板状アルミナが、2箇所以上の複数箇所で交差し集合したものであり、交差した互いの平板の面方向は無秩序に配置された状態にあるものを用いる。
Description
本発明のアルミナ粒子は、それを構成する粒子が、3枚以上の平板状アルミナにより形成され、固着したカードハウス構造である点に特徴を有する。以下、3枚以上の平板状アルミナにより形成され、固着したカードハウス構造を有するアルミナ粒子を、単にアルミナ粒子と略記することがある。尚、本発明において、平板状とは、立体的には六面体の板の形であって、二次元の投影面の形状が角が四つの典型的な四角形であるか(四角板状)、または二次元の投影面の形状が角が五つ以上の多角形(以下、後者を多角板状と称する場合がある)を言う。
本発明におけるアルミナ粒子は酸化アルミニウムであり、結晶形は特に制限されず、例えば、γ、δ、θ、κ等の各種の結晶形の遷移アルミナであっても、または遷移アルミナ中にアルミナ水和物を含んでであっても良いが、より機械的な強度または熱伝導性に優れる点で、基本的にα結晶形であることが好ましい。
本発明におけるアルミナ粒子のα結晶化率は、XRD測定により求めることができる。 例えば、株式会社リガク製広角X線回折装置[Rint−Ultma]を用い、作製した試料を測定試料用ホルダーにのせセットし、Cu/Kα線、40kV/30mA、スキャンスピード1.0°/分、走査範囲5〜80°の条件で測定し、ピーク強度の強度比からα結晶化度を求める。α結晶化率は焼成条件や使用する原料により異なり、流動性が高いアルミナ粒子は、α結晶化率が90%以上である。更に好ましくは95%以上である。なお、測定に供する試料は、アルミナ粒子であっても、何らかの機械処理によりカードハウス構造を解して得た平板状アルミナであっても良い。
本発明におけるアルミナ粒子(A)の大きさ(平均粒子径)は3〜1000μmであることが好ましい。3μmよりも小さくなると、樹脂組成物の流動性が低下してしまい所望の成形体を得ることが難しくなり、また、1000μmよりも平均粒子径が大きくなると粒子の比表面積が小さくなり、その結果樹脂との接触面積も減少し、複合材料としての機械強度に悪影響を与える。
平板状アルミナは、多角板状であり、かつ厚みに対する粒子径の比率であるアスペクト比が2〜500であることが好ましい。アスペクト比が2以上であると、平板状アルミナ特有の性能を保持した状態でのカードハウス構造の形成に有利であり好ましく、アスペクト比が500以下であると、アルミナ粒子の平均粒子径の調整が容易に行える上、熱伝導フィラーや高輝度顔料などの種々の用途において、カードハウス構造が露出することによる外観不良の発生や機械的強度低下が抑制でき、好ましい。より好ましくは、アスペクト比が5〜300、更に好ましくは7〜100である。アスペクト比が7〜100であると、平板状アルミナの熱的特性や輝度をはじめとする光学特性に優れ、かつ流動性の高いカードハウス構造を有するアルミナ粒子が得られ、実用性の点で好ましい。
尚、平板状アルミナの平均粒子径を求める方法は、例えば、アルミナ粒子をSEMで観察し、アルミナ粒子中央に位置する平板状アルミナの最大の長さを測定する方法を用いる。あるいは、アルミナ粒子に風力分級操作を行うことで得られる単片の最大の長さを、SEMで測定する方法を用いても良い。または、平板状アルミナ自体を破壊しない条件下において、何らかの機械処理によりカードハウス構造を解して単片を得て、SEMで最大の長さを測定する方法を用いても良い。
また、3枚以上の平板状アルミナにより形成され、固着したカードハウス構造を有するアルミナ粒子は、珪素原子及び/又は無機珪素化合物を、当該平板状アルミナの表面に含有している。中でも特に、表面に局在的に含有している方が、それを内部に含有しているよりも、より少量で、例えばバインダーとの親和性を効果的に向上させるためには好ましい。
3枚以上の平板状アルミナにより形成され、固着したカードハウス構造を有するアルミナ粒子は、モリブデンを含有している。
本発明におけるアルミナ粒子の粉体は、それを構成するアルミナ自体が特有の構造であること及び特定の平均粒子径を有していることにより、板状アルミナ粒子などに比べ、樹脂組成物としての流動性に優れるが、より流動性を高める為に、一単位のカードハウス構造を成すアルミナ粒子は、当該粒子を構成する全ての平板状アルミナを包摂する様に囲んだ際の体積基準の最大の包囲面の形状が、球状または略球状である事が好ましい。また、必要ならば、更に、流動性向上の為に滑剤や微粒子シリカなどを任意に添着させても構わない。
3枚以上の平板状アルミナにより形成され、固着したカードハウス構造を有するアルミナ粒子の粉体の比表面積は、通常50〜0.001m2/gの範囲であるが、好ましくは10m2/g〜0.01m2/gの範囲、より好ましくは5.0m2/g〜0.05m2/gの範囲である。上記の範囲にあると、カードハウス構造をなす平板状アルミナの数が適切であり、アルミナが本来もつ機能が十分に得られ、粘度の著しい増大もなく加工性に優れる。
なお、この比表面積は、JIS Z 8830:BET1点法(吸着ガス:窒素)等で測定することができる。
本アルミナ粒子は、3枚以上の平板状アルミナにより形成され、固着したカードハウス構造を有することにより、アルミナ粒子内に空隙をもつが、空隙の割合が小さいと形状が不均一となり流動性を損ねる為、当該空隙率は10体積%以上である事が好ましい。より好ましくは30体積%以上である。また、空隙の割合が大きいと、当発明による樹脂組成物から得られる成形体の機械強度が低くなる為、空隙率は90体積%以下が好ましい。より好ましくは70体積%以下である。空隙率がこの範囲であると、かさ比重が適当であり、本来の目的である流動性を損なわず、かつハンドリング性も良好である。この空隙率は、JIS Z 8831などの、ガス吸着法や水銀圧入法等の測定により求めることができる。
本発明のアルミナ粒子は、カードハウス構造を有し、好ましくは上記物性を満たすものであれば、その製造方法は限定されない。以下に、アルミナ粒子の製造方法の詳細を例示する。
アルミナ粒子の製造方法は、特に制限されないが、相対的に低温で高α結晶化率を有するアルミナを好適に制御することができる観点から、好ましくはモリブデン化合物を利用したフラックス法での製造方法が適用されうる。
本発明におけるアルミニウム化合物は、本発明の3枚以上の平板状アルミナにより形成され、固着したカードハウス構造を有する、特定平均粒子径のアルミナ粒子の原料であり、熱処理によりアルミナになるものであれば特に限定されず、例えば、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、塩基性酢酸アルミニウム、水酸化アルミニウム、ベーマイト、擬ベーマイト、遷移アルミナ(γ−アルミナ、δ−アルミナ、θ−アルミナなど)、α−アルミナ、二種以上の結晶相を有する混合アルミナなどが使用できる。
モリブデン化合物は、後述するように、相対的に低温においてアルミナのα結晶成長にフラックス機能を有する。モリブデン化合物としては、特に制限されないが、酸化モリブデン、モリブデン金属が酸素との結合からなる酸根アニオン(MoOx n−)を含有する化合物が挙げられる。
本発明に係るアルミナ粒子の製造方法においては、さらに珪素化合物を形状制御剤として用い、結果的に得られるアルミナ粒子の流動性等がより良好となる点で、好ましい。珪素化合物は、モリブデン化合物の存在下でアルミナ化合物を焼成する事による、アルミナの平板状結晶成長に重要な役割を果たす。
本発明におけるカードハウス構造を有するアルミナ粒子において、珪素原子及び/又は無機珪素化合物を含むことによる平板状アルミナの形成を阻害しない限りにおいて、必要に応じ、流動性や分散性、機械強度、および平均粒子径や平板状アルミナのアスペクト比等を調整する為に、珪素化合物以外の形状制御剤を用いても良い。珪素化合物以外の形状制御剤は珪素化合物と同様に、モリブデン化合物の存在下でアルミナ化合物を焼成する事による、アルミナの板状結晶成長に寄与する。
焼成工程は、好適には、モリブデン化合物および珪素化合物、ならびに必要に応じ珪素化合物以外の形状制御剤の存在下で、アルミニウム化合物を焼成する工程である。
アルミナ粒子の製造方法は、焼成工程後、必要に応じてモリブデンの少なくとも一部を除去するモリブデン除去工程をさらに含んでいてもよい。
焼成物はアルミナ粒子が凝集して、本発明に好適な粒子径の範囲を満たさない場合がある。そのため、アルミナ粒子は、必要に応じて、本発明に好適な粒子径の範囲を満たすように粉砕してもよい。
焼成物の粉砕の方法は特に限定されず、ボールミル、ジョークラッシャー、ジェットミル、ディスクミル、スペクトロミル、グラインダー、ミキサーミル等の従来公知の粉砕方法を適用できる。
アルミナ粒子は、平均粒子径を調整し、粉体の流動性を向上するため、好ましくは分級処理する。
具体的には、例えば、目的とする平均粒子径のカードハウス構造を有するアルミナ粒子が無い場合には、より大きな平均粒子径のアルミナ粒子を分級等することで、より小さな平均粒子径を有する、同一平均粒子径同士の対比においては、公知のアルミナ粒子より流動性が優れた、カードハウス構造を有するアルミナ粒子が得られる。
一実施形態において、上記したアルミナ粒子の製造方法は、平板状アルミナの表面に有機化合物層形成工程をさらに含んでいてもよい。当該有機化合物層形成工程は、必要であれば、当該有機化合物が分解しない温度、通常、焼成工程の後、またはモリブデン除去工程の後に行われる。
本発明におけるカードハウス構造を有するアルミナ粒子は、珪素原子及び/又は無機珪素化合物含む場合には、それを含まない場合に比べて上記した様な表面改質効果が期待できるが、更に、珪素原子及び/又は無機珪素化合物を含むアルミナ粒子と、有機シラン化合物との反応物とした上で用いることもできる。珪素原子及び/又は無機珪素化合物を含有しかつカードハウス構造を有するアルミナ粒子に比べて、それと有機シラン化合物との反応物であるカードハウス構造を有するアルミナ粒子の方が、アルミナ粒子を構成する平板状アルミナ粒子表面に局在化する珪素原子及び/又は無機珪素化合物と、有機シラン化合物との反応に基づき、マトリックスとの親和性をより良好とすることができ好ましい。
カードハウス構造を有するアルミナ粒子は、その効果を損なわない限り、その製造の途中に任意工程を追加したり、後処理工程を追加し、任意に粒度や形状等を調整しても良い。例えば、転動造粒や圧縮造粒等の造粒工程、結着剤をバインダーとしたスプレードライ製法による造粒などが挙げられ、市販の機器を用いて容易に得る事ができる。
本発明で使用される樹脂(B)は、ポリマーであってもオリゴマーであってもモノマーであってもよく、熱硬化性樹脂または活性エネルギー線硬化性樹脂、または熱可塑性樹脂である。
本発明で使用する熱硬化性樹脂は、加熱または放射線や触媒などの手段によって硬化される際に実質的に不溶かつ不融性に変化し得る特性を持った樹脂である。例えば、成形材料等に使用される公知慣用の樹脂である。具体的には、例えば、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂等のノボラック型フェノール樹脂;未変性のレゾールフェノール樹脂、桐油、アマニ油、クルミ油等で変性した油変性レゾールフェノール樹脂等のレゾール型フェノール樹脂等のフェノール樹脂;ビスフェノールAエポキシ樹脂、ビスフェノールFエポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂;脂肪鎖変性ビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラックエポキシ樹脂、クレゾールノボラックエポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂;ビフェニル型エポキシ樹脂、ポリアルキレングルコール型エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂;ユリア(尿素)樹脂、メラミン樹脂等のトリアジン環を有する樹脂;(メタ)アクリル樹脂やビニルエステル樹脂等のビニル樹脂:不飽和ポリエステル樹脂、ビスマレイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、シリコーン樹脂、ベンゾオキサジン環を有する樹脂、シアネートエステル樹脂等が挙げられ、ポリマーであってもオリゴマーであってもモノマーであってもかまわない。
ラジカル重合性樹脂;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸i−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸s−ブチル、(メタ)アクリル酸n−アミル、(メタ)アクリル酸s−アミル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−エトキシエチル、(メタ)アクリル酸フェノキシエチル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル、(メタ)アクリル酸N,N−ジメチルアミノエチル、α−ヒドロキシメチルアクリル酸メチル、α−ヒドロキシメチルアクリル酸エチル、α−ヒドロキシメチルアクリル酸t−ブチル、α−ヒドロキシメチルアクリル酸t−アミル等の他、1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカ−2−イルメタアクリル酸、(メタ)アクリロイルモルホリン、テトラヒドロフルフリルアクリレート、4−(メタ)アクリロイルオキシメチル−2−メチル−2−エチル−1,3−ジオキソラン、4−(メタ)アクリロイルオキシメチル−2−メチル−2−イソブチル−1,3−ジオキソラン、4−(メタ)アクリロイルオキシメチル−2−メチル−2−シクロヘキシル−1,3−ジオキソラン、4−(メタ)アクリロイルオキシメチル−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン(メタ)アクリル酸エステル系骨格を有するモノマー、オリゴマーあるいはポリマー、あるいはエポキシアクリレート系樹脂、オキセタン系環状骨格を有する樹脂、等が挙げられる。
本発明で使用する熱可塑性樹脂は、成形材料等に使用される公知慣用の樹脂である。具体的には、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリメタクリル酸メチル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリフェニレンオキシド樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリアリルスルホン樹脂、熱可塑性ポリイミド樹脂、熱可塑性ウレタン樹脂、ポリアミノビスマレイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ビスマレイミドトリアジン樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、フッ化樹脂、液晶ポリマー、オレフィン−ビニルアルコール共重合体、アイオノマー樹脂、ポリアリレート樹脂、アクリロニトリル−エチレン−スチレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、アクリロニトリル−スチレン共重合体、フェノキシ樹脂、シクロオレフィン樹脂などが挙げられる。少なくとも1種の熱可塑性樹脂が選択されて使用されるが、目的に応じて、2種以上の熱可塑性樹脂を組み合わせての使用も可能である。
本発明の樹脂組成物を塗料として用いてもよい。本発明の樹脂組成物は熱伝導性に優れることから、当該樹脂組成物を含有する塗料は、放熱塗料として好適に使用可能である。
本発明の塗料としては、本発明の樹脂組成物をそのまま塗料として用いてもよいし、希釈剤や溶剤等で粘度を低下させて用いて塗料としても構わない。
本発明の樹脂組成物を所望の形状に成形することで、放熱部材として適用し得る樹脂成形体を得ることができる。樹脂成形体を得るには、公知慣用の方法で行うことができる。
また、本発明の樹脂組成物は、樹脂製のヒートシンク等の放熱部品等に成形して使用する事ができ、LED等の放熱部材として有用である。
水酸化アルミ(日本軽金属工業製;平均粒子径44.8μm)の146.15質量部と、シリカ粒子(関東化学株式会社製)の0.95質量部と、三酸化モリブデン(太陽鉱工株式会社製)の5質量部とを乳鉢で混合し、混合物を得た。得られた混合物を坩堝に入れ、セラミック電気炉にて1100℃で3時間焼成を行なった。降温後、坩堝を取り出し、105.0質量部の薄青色の粉末を得た。得られた粉末を乳鉢で、106μm篩を通るまで解砕した。続いて、得られた前記薄青色粉末の100gを0.5%アンモニア水の150mLに分散し、分散溶液を室温(25〜30℃)で0.5時間攪拌後、ろ過によりアンモニア水を除き、水洗浄と乾燥を行う事で、粒子表面に残存するモリブデンを除去し、98gの粉末を得た。続いて、コアンダ効果を利用した気流分級機((株)パウダーシステムズ製ハイプレック分級機 HPC−ZERO型)で微粒成分を除去し、次いで篩にて分級処理して薄青色のアルミナ粒子(EF1)を得た。得られたアルミナ粒子は、SEM観察により、複数の平板状アルミナからなる、カードハウス構造を有するアルミナ粒子であることを確認した(図2と図3)。
合成例1での篩による分級処理をする際、篩の条件を変更することにより、表1,2に記載の平均粒径を有するアルミナ粒子(EF2〜4)を各種取得した。
水酸化アルミ(日本軽金属工業製;平均粒子径9.4μm)の100質量部と、シリカ粒子(関東化学株式会社製)の0.65質量部と、三酸化モリブデン(太陽鉱工株式会社製)の3.44質量部とを乳鉢で混合し、混合物を得た。得られた混合物を坩堝に入れ、セラミック電気炉にて1100℃で10時間焼成を行なった。その後坩堝から取り出して解砕をしたのち、0.5%のアンモニア水溶液で常温のもと30分間浸漬することで洗浄を行い、次いでコアンダ効果を利用した気流分級機((株)パウダーシステムズ製ハイプレック分級機 HPC−ZERO型)で粗粒子成分を除去して、薄青色の粉末(EF5)を得た。
得られた粉末は、SEM観察により、形状が多角で、厚みが400nm,平均粒子径が10μm、アスペクト比が25であり、平板状であることが確認された(図4)。
作製した試料約100mgをろ紙にとり、PPフィルムをかぶせて、株式会社リガク製 ZSX100e を用いて行った。
アルミナ粒子及び平板状アルミナの表面元素分析は、アルバック・ファイ社製QUANTERA SXMを用い、X線源に単色化Al−Kαを使用し、X線光電子分光法(XPS:Xray Photoelectron Spectroscopy)の測定を行った。測定範囲は1000μm四方のエリア測定で、n=3測定の平均値を取得した。そして、それらの値から、アルミナ粒子及び平板状アルミナに含まれるケイ素(Si)濃度とアルミニウム(Al)の比「[Si]/[Al]」%を計算した。
放熱フィラーの水に対する接触角は、以下のWashburn法により測定を行った。
底にメッシュ状の空孔を有する円筒状セルの内部底面に、内径がほぼ同一の円形状ろ紙をセットし、そこへ放熱フィラー粉体を所定量充填させ、更に放熱フィラーの充填上面から同寸法のろ紙をセットして放熱フィラーを固定した。
KRUSS製表面張力計K100にその円筒状セルをセットし、n−ヘキサンにおける浸透速度を測定し、その結果から毛管係数を見積もった。次いで同じセルに対して水の浸透速度を測定し、毛管係数を利用して放熱フィラー粉体の接触角を見積もった。
各実施例及び比較例における熱可塑性樹脂と放熱フィラーは、以下の量に従って混合した。
熱可塑性樹脂としてDIC−PPS LR100G(DIC株式会社製ポリフェニレンスルフィド樹脂)の7.29質量部、実施例1〜4においては合成例1〜4で製造した熱伝導性フィラーEF1〜EF4の14.22質量部(実施例5においてはEF1とEF5をそれぞれ7.11質量部)、比較例1においては球状アルミナ(デンカ株式会社製DAW−45;CF1とする)14.16質量部、を均一にドライブレンドした後、Xplore社製溶融混練装置MC15により混練温度300℃、回転数100rpmの条件で溶融混練処理し、熱伝導性フィラーの充填率が40容量%のポリフェニレンスルフィド樹脂組成物8.9gを得た。
前述の方法にて得られた放熱フィラー組成物をXplore社製射出成形機IM12により、組成物温度320℃、金型温度140℃、射出圧力10bar、保圧11bar、にて射出成形を行い、ダンベル型成形体を得た。
作製したダンベル型成形体から10mm×10mmのテストピースを切り出し、熱伝導率測定装置(LFA467 HyperFlash、NETZSCH社製)を用いて、25℃における面に対し垂直方向に伝熱する熱拡散率及び比熱の測定を行った。次いで、アルキメデス法により、成形体の密度を測定した。得られた熱拡散率、比熱、そして密度の積から、成形体の熱伝導率を見積もった。
前述の方法で得られた放熱フィラー組成物を用いて6cm×6cm×2mmの試験片を射出成形によって取得し、ホットディスク法によって面に平行方向に伝熱する熱伝導率を測定した。
熱硬化性樹脂組成物及び成形体を、以下の手順に従って作製した。
エポキシ樹脂(DIC製;エピクロンHP−4032D)6.0質量部、EX−201(レゾルシノールジグリシジルエーテル、ナガセケムテックス(株)製、エポキシ当量117g/eq.)1.3質量部、および、フェノキシ樹脂溶液(大阪ガスケミカル製フルオレン系フェノキシ樹脂)8.9質量部を混合することによって、固形分量62質量%の樹脂混合物(R1)を調製した。
DAW45;デンカ製アルミナ、平均粒径45μm
AA04;住友化学製、平均粒径0.4μm
AH−154;味の素ファインテクノ製
2P4MHZ−PW;四国化成製
KBM−4803;信越化学製
Claims (7)
- 3枚以上の平板状アルミナにより形成され、固着したカードハウス構造を有することを特徴とするアルミナ粒子(A)と、樹脂(B)とを必須成分として含有してなる樹脂組成物。
- アルミナ粒子(A)の平均粒子径が3〜1000μmであることを特徴とする、請求項1記載の樹脂組成物。
- アルミナ粒子(A)と平板状アルミナ(C)を含有し、アルミナ粒子(A)と平板状アルミナ(C)の体積割合が、10/90〜100/0の範囲であることを特徴とする、請求項1または2に記載の樹脂組成物。
- 樹脂(B)が熱可塑性樹脂であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項記載の成形用樹脂組成物。
- 樹脂(B)が熱硬化性樹脂であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項記載の成形用樹脂組成物。
- 射出成形用である請求項1〜5のいずれか一項記載の樹脂組成物。
- 請求項1〜6のいずれか一項記載の樹脂組成物又は硬化物を所望の形状とした層を含む放熱部材。
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