JPWO2019188836A1 - 多層配線板の製造方法 - Google Patents

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Abstract

回路密着性に優れながらも、レーザー加工による内層回路の貫通を極めて効果的に防止することが可能な、多層配線板の製造方法が提供される。この多層配線板の製造方法は、(a)第1金属箔上に第1絶縁層及び第2金属箔を順に積層して第1積層体を形成する工程と、(b)第2配線層を形成する工程と、(c)第2絶縁層及び第3金属箔を順に積層して第2積層体を形成する工程と、(d)第1ビアホールと第2ビアホールとを形成する工程と、(e)第1配線層、第2配線層及び第3配線層を含む多層配線板を形成する工程とを含み、第2金属箔の少なくとも第1絶縁層と対向する面は、フーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)により測定される波長10.6μmのレーザーの反射率が80%以上であり、かつ、ISO25178に準拠して測定される山の頂点密度Spdが7000個/mm2以上15000個/mm2以下である。

Description

本発明は、多層配線板の製造方法に関する。
近年、プリント配線板の実装密度を上げて小型化するために、プリント配線板の多層化が広く行われるようになってきている。このような多層プリント配線板は、携帯用電子機器の多くで、軽量化や小型化を目的として利用されている。そして、この多層プリント配線板には、層間絶縁層の更なる厚みの低減、及び配線板としてのより一層の薄型化及び軽量化が要求されている。
このような要求を満足させる技術として、コアレスビルドアップ法を用いた多層プリント配線板の製造方法が採用されている。コアレスビルドアップ法とは、いわゆるコア基板を用いることなく、絶縁層と配線層とを交互に積層(ビルドアップ)して多層化する方法である。コアレスビルドアップ法においては、支持体と多層プリント配線板との剥離を容易に行えるように、キャリア付金属箔を使用することが提案されている。例えば、特許文献1(特許第4460013号公報)には、キャリア付金属箔の金属箔側に絶縁層及び厚さ18μmの金属層を順に積層し、金属層を加工して内層回路(第1導体パターン)を形成し、内層回路に更なる絶縁層及び金属箔を順に積層し、キャリアを剥離して内層回路の両面側に金属箔を具備する基板を形成し、その後、基板両面の金属箔と内層回路とをビアを介して電気的に接続する配線基板の製造方法が開示されている。また、特許文献1には、基板の両面からレーザー加工を行って金属箔及び絶縁層を貫通して内層回路に到達するビアホールを各々形成し、基板両面の金属箔にドライフィルムでパターニングを施し、その後、電気めっきによってビアホールをめっき金属で充填するとともに、外層回路(導体パターン)を基板の両面に形成することも開示されている。
特許第4460013号公報
近年、多層プリント配線板に要求される更なる薄型化に伴い、多層配線板の内層回路に用いられる金属箔(以下、「内層金属箔」とする)の厚さも低減している。この点、特許文献1に記載されるような配線基板の製造においても、極薄化した内層金属箔を用いることが望まれる。しかしながら、既存の極薄銅箔(例えば厚さ6μm以上12μm以下)を内層金属箔として用いた場合、層間接続用のビアホールを形成する工程において、両面(外層)の金属箔及び絶縁層のみならず内層回路までもがレーザー加工により貫通して穴が生じてしまうという問題がある。
本発明者らは、今般、波長10.6μmのレーザーの反射率及び山の頂点密度Spdが所定の条件を満たす特定面を備えた金属箔を内層金属箔として用いて多層配線板の製造を行うことにより、回路密着性に優れながらも、レーザー加工による内層回路の貫通を極めて効果的に防止することができるとの知見を得た。
したがって、本発明の目的は、回路密着性に優れながらも、レーザー加工による内層回路の貫通を極めて効果的に防止することが可能な、多層配線板の製造方法を提供することにある。
本発明の一態様によれば、多層配線板の製造方法であって、
(a)第1金属箔上に第1絶縁層及び第2金属箔を順に積層して第1積層体を形成する工程と、
(b)前記第2金属箔にパターニングを施して第2配線層を形成する工程と、
(c)前記第2配線層が形成された前記第1積層体上に第2絶縁層及び第3金属箔を順に積層して第2積層体を形成する工程と、
(d)前記第2積層体に対して前記第1金属箔及び前記第3金属箔の各々からレーザー加工を施して、前記第1金属箔及び前記第1絶縁層を貫通して前記第2配線層に到達する第1ビアホールと、前記第3金属箔及び前記第2絶縁層を貫通して前記第2配線層に到達する第2ビアホールとを形成する工程と、
(e)前記第2積層体の両面に対して、前記第1ビアホール、前記第2配線層及び前記第2ビアホールを介した電気的接続が形成されるようにめっき及びパターニングを施して、前記第1絶縁層に隣接する第1配線層、前記第2金属箔に由来する第2配線層、及び前記第2絶縁層に隣接する第3配線層を含む多層配線板を形成する工程と、
を含み、
前記第2金属箔の少なくとも前記第1絶縁層と対向する面は、フーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)により測定される波長10.6μmのレーザーの反射率が80%以上であり、かつ、ISO25178に準拠して測定される山の頂点密度Spdが7000個/mm以上15000個/mm以下である、方法が提供される。
本発明の製造方法の一例における、初期の工程(工程(i)〜(iii))を示す工程流れ図である。 本発明の製造方法の一連における、図1に示される工程に続く工程(工程(iv)〜(v))を示す工程流れ図である。 本発明の製造方法の一連における、図2に示される工程に続く工程(工程(vi)〜(vii))を示す工程流れ図である。
定義
本発明を特定するために用いられるパラメータの定義を以下に示す。
本明細書において「波長10.6μmのレーザーの反射率」とは、フーリエ変換赤外光度計(FT−IR)により測定される、波長10.6μmのレーザーを試料(金属箔)表面に照射した際の、基準板(例えばAu蒸着ミラー)で反射した光の量に対する、試料で反射した光の量の比率である。波長10.6μmのレーザーの反射率の測定は、市販のフーリエ変換赤外光度計を用いて、本明細書の実施例に記載される諸条件に従って行うことができる。なお、レーザー加工に典型的に用いられる炭酸ガスレーザーの波長が10.6μmであるため、フーリエ変換赤外光度計のレーザー波長を10.6μmとした。
本明細書において「山の頂点密度Spd」とは、ISO25178に準拠して測定される、単位面積当たりの山頂点の数を表すパラメータである。この値が大きいと他の物体との接触点の数が多いことを示唆する。山の頂点密度Spdは、金属箔表面における所定の測定面積(例えば107μm×143μmの領域)の表面プロファイルを市販のレーザー顕微鏡で測定することにより算出することができる。
本明細書において「十点平均粗さRz」とは、JIS B 0601−1994に準拠して決定されうるパラメータであり、基準長さの粗さ曲線において、最高の山頂から高い順に5番目までの山高さの平均と、最深の谷底から深い順に5番目までの谷深さの平均との和をいう。
多層配線板の製造方法
本発明は、多層配線板の製造方法に関する。本発明の方法は、(1)第1積層体の形成、(2)第2配線層の形成、(3)第2積層体の形成、(4)所望により行われるキャリアの剥離、(5)第1及び第2ビアホールの形成、(6)第1及び第3配線層の形成の各工程を含む。
以下、図1〜3を参照しながら、工程(1)〜(6)の各々について説明する。
(1)第1積層体の形成
図1(i)及び(ii)に示されるように、第1金属箔16を用意し、この第1金属箔16上に第1絶縁層18及び第2金属箔20を順に積層して第1積層体22を形成する。第1金属箔16はキャリア付金属箔10の形態で供されてもよい。キャリア付金属箔10は、典型的には第1キャリア12、第1剥離層14、及び第1金属箔16を順に備える。また、第1キャリア12の両面に上下対称となるように各種層を順に備えてなる構成としてもよい。あるいは、キャリア付金属箔10の第1キャリア12側がプリプレグ等の仮支持体(図示せず)に貼り付けられて剛性が付与されてもよい。この場合、仮支持体の両面にキャリア付金属箔10が上下対称に貼り付けられ、得られた積層体の両面に上下対称となるように後述する各層が形成され、その後仮支持体が第1キャリア12とともに除去されるのが好ましい。なお、プリプレグとは、合成樹脂板、ガラス板、ガラス織布、ガラス不織布、紙等の基材に合成樹脂を含浸させた複合材料の総称である。
第1キャリア12は第1金属箔16を支持してそのハンドリング性を向上させるための箔ないし層である。第1キャリア12の好ましい例としては、アルミニウム箔、銅箔、ステンレス(SUS)箔、樹脂フィルム、表面を銅等でメタルコーティングした樹脂フィルム、樹脂板、ガラス板、及びそれらの組合せが挙げられる。第1キャリア12の厚さは典型的には5μm以上250μm以下であり、好ましくは9μm以上200μm以下である。
第1剥離層14は第1キャリア12の剥離を可能とする層であるかぎり、材質は特に限定されない。例えば、第1剥離層14は、キャリア付金属箔の剥離層として採用される公知の材料で構成されることができる。第1剥離層14は、有機剥離層及び無機剥離層のいずれであってもよく、有機剥離層と無機剥離層との複合剥離層であってもよい。剥離層の厚さは、典型的には1nm以上1μm以下であり、好ましくは5nm以上500nm以下、より好ましくは6nm以上100nm以下である。
第1金属箔16は、コアレスビルドアップ法の配線層用金属箔に採用される公知の構成であることができる。例えば、第1金属箔16は、無電解めっき法及び電解めっき法等の湿式成膜法、スパッタリング及び化学蒸着等の乾式成膜法、又はそれらの組合せにより形成したものであってよい。第1金属箔16の例としては、アルミニウム箔、銅箔、ステンレス(SUS)箔、ニッケル箔等が挙げられ、好ましくは銅箔である。銅箔は圧延銅箔及び電解銅箔のいずれであってもよい。また、第1金属箔16の好ましい厚さは0.1μm以上12μm以下であり、より好ましくは0.5μm以上9μm以下、さらに好ましくは1μm以上7μm以下、特に好ましくは1.5μm以上5μm以下である。このような範囲内であると、後述するビアホール形成工程において、第1金属箔16から直接レーザー加工を行ってビアホールを形成することが容易になる。また、第1金属箔16が配線層の形成に用いられる場合、上述した厚さの範囲内であると微細回路形成性にも優れる。
第1絶縁層18は、コアレスビルドアップ法の絶縁層に採用される公知の構成であってよく、特に限定されない。例えば、第1絶縁層18は、プリプレグや樹脂シート等の絶縁樹脂材料を第1金属箔16上に積層し、その後、熱間プレス成形を施すことにより好ましく形成することができる。使用するプリプレグに含浸される絶縁性樹脂の好ましい例としては、エポキシ樹脂、シアネート樹脂、ビスマレイミドトリアジン樹脂(BT樹脂)、ポリフェニレンエーテル樹脂、フェノール樹脂等が挙げられる。また、樹脂シートを構成する絶縁性樹脂の好ましい例としては、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂等が挙げられる。さらに、第1絶縁層18には絶縁性を向上する等の観点からシリカ、アルミナ等の各種無機粒子からなるフィラー粒子等が含有されていてもよい。第1絶縁層18の厚さは特に限定されないが、1μm以上100μm以下が好ましく、より好ましくは5μm以上40μm以下、さらに好ましくは10μm以上30μm以下である。第1絶縁層18は複数の層で構成されていてもよい。
第2金属箔20の少なくとも第1絶縁層18と対向する面は、フーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)により測定される波長10.6μmのレーザーの反射率が80%以上であり、かつ、ISO25178に準拠して測定される山の頂点密度Spdが7000個/mm以上15000個/mm以下である。このような条件を満たす金属箔を内層金属箔(すなわち第2金属箔20)として用いて多層配線板の製造を行うことにより、回路密着性に優れながらも、レーザー加工による内層回路(すなわち第2配線層24)の貫通を極めて効果的に防止することが可能となる。
すなわち、第2金属箔20の第1絶縁層18と対向する面におけるフーリエ変換赤外分光光度計により測定される波長10.6μmのレーザーの反射率を80%以上と高くしたことで、ビアホール形成に用いられるレーザー光の吸収を効果的に妨げることが可能となる。その結果、第2金属箔20に由来する第2配線層24のレーザー加工による貫通を極めて効果的に防止することができる。この波長10.6μmのレーザーの反射率は第2金属箔20の表面を平滑にするほど大きくなるといえる。しかしながら、レーザー反射率を大きくするために第2金属箔20の表面を単に平滑にした場合、第2金属箔20と第1絶縁層18との密着性が低下してしまい、回路剥がれが生じやすくなる。このように、レーザー加工による内層回路の貫通防止と、回路密着性とを両立することは容易なことではない。この点、本発明においては、第2金属箔20の第1絶縁層18と対向する面において、波長10.6μmのレーザー反射率向上に寄与する平滑性を保ちつつ、山の頂点密度Spdを7000個/mm以上15000個/mm以下と高くすることで、第2金属箔20の第1絶縁層18への食い込みを多くの接点数で確保することができる。その結果、高い回路密着性を確保しながらも、レーザー加工による内層回路の貫通を極めて効果的に防止することが可能となる。
上記観点から、第2金属箔20の第1絶縁層18と対向する面は、フーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)により測定される波長10.6μmのレーザーの反射率が80%以上であり、好ましくは85%以上、より好ましくは90%以上、さらに好ましくは95%以上である。上限値は特に限定されるものでなく100%であってもよいが、典型的には98%以下である。また、第2金属箔20の第1絶縁層18と対向する面は、ISO25178に準拠して測定される山の頂点密度Spdが7000個/mm以上15000個/mm以下であり、好ましくは10000個/mm以上15000個/mm以下、より好ましくは13000個/mm以上15000個/mm以下である。上記好ましい範囲内であると、高い回路密着性をより一層確保しながら、レーザー加工時における第2配線層24の貫通をより効果的に防止できる。
好ましくは、第2金属箔20における第1絶縁層18と対向する面の十点平均粗さRzが0.2μm以上2.0μm以下であり、より好ましくは0.5μm以上1.8μm以下、さらに好ましくは0.8μm以上1.5μm以下である。このような範囲内であると微細回路形成性をより一層向上することができる。
第2金属箔20の第1絶縁層18と対向する面における上記範囲内の波長10.6μmのレーザー反射率、山の頂点密度Spd及び十点平均粗さRzは、銅箔表面に公知ないし所望の条件で粗化処理を施すことにより実現することができる。したがって、第2金属箔20の第1絶縁層18と対向する面は粗化面であることが好ましい。また、上記諸条件を満たす表面を有する市販の銅箔を選択的に入手してもよい。
第2金属箔20は、無電解めっき法及び電解めっき法等の湿式成膜法、スパッタリング及び化学蒸着等の乾式成膜法、又はそれらの組合せにより形成したものであってよい。第2金属箔20の例としては、アルミニウム箔、銅箔、ステンレス(SUS)箔等が挙げられ、好ましくは銅箔である。銅箔は圧延銅箔及び電解銅箔のいずれであってもよい。第2金属箔20の好ましい厚さは0.1μm以上12μm以下であり、より好ましくは1μm以上9μm以下、さらに好ましくは5μm以上7μm以下である。このような範囲内であると、微細回路形成を行うのに極めて適したものとなる。また、第2金属箔20は第2キャリア(図示せず)、第2剥離層(図示せず)、及び第2金属箔20を順に備えたキャリア付金属箔の形態で供されてもよく、この場合には第2金属箔20を第1絶縁層18上に積層後、第2配線層24を形成する前に、第2キャリアを第1積層体22から剥離すればよい。第2キャリア及び第2剥離層の構成は上述した第1キャリア12及び第1剥離層14にそれぞれ準じたものとすればよく、特に限定されない。
(2)第2配線層の形成
図1(iii)に示されるように、第2金属箔20にパターニングを施することにより第2配線層24を形成する。パターニングは公知の手法によって行えばよい。好ましい回路形成手法は、第2金属箔20をそのまま又は一部として用いて第2配線層24を形成する手法であり、より好ましくは、第2金属箔20上にめっき等を行わずに、第2金属箔20をそのまま用いて第2配線層24を形成する手法が挙げられる。このような回路形成が可能な手法の好ましい例としてはサブトラクティブ法が挙げられる。サブトラクティブ法による回路形成の一例としては、まず第2金属箔20の表面にドライフィルムを貼り付け、所定のパターンで露光及び現像を行い、エッチングレジスト(図示せず)を形成する。次いで、第2金属箔20を構成する金属を溶解可能なエッチング液で処理することにより、エッチングレジスト間から露出した金属を溶解除去した後、エッチングレジストを剥離して第2配線層24とすることができる。
第2配線層24の形成工程は、第2配線層24に内層処理を施す工程をさらに含むのが好ましい。内層処理はCZ処理等の粗化処理を含むのが好ましく、CZ処理は有機酸系マイクロエッチング剤(例えばメック株式会社製、品番CZ−8101)を用いて、第2配線層24表面に微細粗化を施すことにより好ましく行うことができる。こうすることで、第2配線層24表面に微細凹凸を形成し、後述する第2積層体の形成工程における第2配線層24と第2絶縁層26との密着性を向上させることができる。
第2配線層24の厚さは3μm以上12μm以下が好ましく、より好ましくは5μm以上10μm以下、さらに好ましくは5μm以上8μm以下である。このような範囲内であると、多層プリント配線板に要求される薄型化に極めて有利となる。また、本発明の方法によれば、第2配線層24の厚さが上記のように薄い場合であっても、レーザー加工に伴う貫通を効果的に防止することができる。なお、第2配線層24に上述の内層処理を施す場合には、内層処理後における第2配線層24の厚さが上記範囲内であることが望ましい。
(3)第2積層体の形成
図2(iv)に示されるように、第2配線層24が形成された第1積層体22上に第2絶縁層26及び第3金属箔28を積層して第2積層体30を形成する。こうすることで、第2配線層24が第1絶縁層18と第2絶縁層26の間に埋め込まれた内層回路となる。第2絶縁層26及び第3金属箔28の構成は第1絶縁層18及び第1金属箔16の各々に準じたものとすればよい。したがって、第1金属箔16及び第1絶縁層18に関する好ましい態様は第3金属箔28及び第2絶縁層26の各々にもそのまま当てはまる。また、第3金属箔28は第3キャリア(図示せず)、第3剥離層(図示せず)及び第3金属箔28を順に備えたキャリア付金属箔の形態で供されてもよい。第3キャリア及び第3剥離層の構成は上述した第1キャリア12及び第1剥離層14に準じたものとすればよく、特に限定されない。
第2配線層24の第2絶縁層26と対向する面は、フーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)により測定される波長10.6μmのレーザーの反射率が80%以上であるのが好ましく、より好ましくは85%以上、さらに好ましくは90%以上、特に好ましくは95%以上である。上限値は特に限定されるものでなく100%であってもよいが、典型的には98%以下である。また、第2配線層24の第2絶縁層26と対向する面は、ISO25178に準拠して測定される山の頂点密度Spdが7000個/mm以上15000個/mm以下であるのが好ましく、より好ましくは10000個/mm以上15000個/mm以下、さらに好ましくは13000個/mm以上15000個/mm以下である。このような範囲内であると、第2配線層24と第2絶縁層26との高い密着性を確保できるとともに、第3金属箔28からのレーザー加工時においても第2配線層24の貫通を防止することができる。第2配線層24の第2絶縁層26と対向する面における上記範囲内の波長10.6μmのレーザー反射率及び山の頂点密度Spdは、第2金属箔20の表面が予め備えていてもよいが、上述した内層処理(例えばCZ処理等の粗化処理)により第2配線層24の表面に事後的に付与されてもよい。したがって、第2配線層24の第2絶縁層26と対向する面は粗化面であることが好ましい。
好ましくは、第2配線層24の厚さTに対する第1金属箔16の厚さTの比であるT/Tが0.23以上であり、且つ/又は第2配線層24の厚さTに対する第3金属箔28の厚さTの比であるT/Tが0.23以上である。より好ましくはT/T及びT/Tの両方が0.23以上である。本発明によれば、第2金属箔20に由来した第2配線層24がレーザー光を吸収しにくい表面を有するため、上記範囲を満足するように第2金属箔20を極薄化しても、内層回路である第2配線層24のレーザー加工による損傷を抑制することが可能となる。T/T及び/又はT/Tは1.0以下であるのが好ましく、より好ましくは0.50以下であり、さらに好ましくは0.33以下である。なお、レーザー加工を施す前に金属箔ないし配線層に表面処理を行う(すなわち金属箔ないし配線層の厚さを変化させる)場合には、上記T、T及びTは、当該表面処理後における第1金属箔16の厚さ、第2配線層24の厚さ、及び第3金属箔28の厚さをそれぞれ指すものとする。例えば、第2配線層24に上述した内層処理を施す場合には、Tは内層処理後における第2配線層24の厚さとなる。
(4)キャリアの剥離(任意工程)
第1金属箔16及び/又は第3金属箔28がキャリア付金属箔の形態で供される場合には、図2(v)に示されるように、第1キャリア12及び/又は第3キャリア(図示せず)を第2積層体30から剥離する。こうすることで、後述する第1及び第2ビアホールの形成工程において、第1金属箔16及び第3金属箔28の各々からレーザー加工を施すことが可能となる。また、第2積層体30は第1絶縁層18及び第2絶縁層26により剛性が増大しているため、キャリアを剥離した状態でも十分なハンドリング性を確保することができる。なお、前述したようにキャリア付金属箔がプリプレグ等の仮支持体(図示せず)に貼り付けられている場合には、仮支持体は第1キャリア12及び/又は第3キャリア(図示せず)とともに第2積層体30から除去されることになる。
(5)第1及び第2ビアホールの形成
図3(vi)に示されるように、第2積層体30に対して第1金属箔16及び第3金属箔28の各々からレーザー加工を施すことにより、第1金属箔16及び第1絶縁層18を貫通して第2配線層24に到達する第1ビアホール32と、第3金属箔28及び第2絶縁層26を貫通して第2配線層24に到達する第2ビアホール34とを形成する。レーザー加工には炭酸ガスレーザー、エキシマレーザー、UVレーザー、YAGレーザー等の様々なレーザーが使用可能であるが、炭酸ガスレーザーを用いるのが特に好ましい。本発明の方法によれば、ビアホールの形成工程において、レーザー加工による第2配線層24の貫通を極めて効果的に防止することが可能となる。
第1及び第2ビアホールの形成工程は、レーザー加工でビアホールを形成した際に生じるビアホール底部の樹脂残渣(スミア)を除去する処理として、クロム酸塩溶液及び過マンガン酸塩溶液の少なくともいずれか一方を用いたデスミア工程をさらに含むのが好ましい。デスミア工程は膨潤処理、クロム酸処理又は過マンガン酸処理、及び還元処理という処理をこの順に行う処理であり、公知の湿式プロセスが採用されうる。クロム酸塩の例としてはクロム酸カリウムが挙げられる。過マンガン酸塩の例としては、過マンガン酸ナトリウム、過マンガン酸カリウム等が挙げられる。特に、デスミア処理液の環境負荷物質の排出低減、電解再生性等の点から、過マンガン酸塩を用いるのが好ましい。
第1ビアホール32及び第2ビアホール34の直径はいずれも30μm以上80μm以下であるのが好ましく、より好ましくは30μm以上60μm以下、さらに好ましくは30μm以上40μm以下である。このような範囲内であると、多層プリント配線板の高密度化に極めて有利となる。また、上記のような小さい直径を有するビアホールを形成するためには、レーザーのビーム径(スポット径)を小さくすることが望まれる。この場合、第2配線層24のレーザー照射部分にレーザーのエネルギーが集中しやすくなるため、本来的には第2配線層24の貫通が生じやすくなるといえる。この点、本発明の方法によれば、第2金属箔20に由来した第2配線層24がレーザー光を吸収しにくい表面を有するため、レーザーのエネルギーが集中した場合においても、第2配線層24の貫通を効果的に防止することが可能となる。
(6)第1及び第3配線層の形成
図3(vii)に示されるように、第2積層体30の両面に対して、第1ビアホール32、第2配線層24及び第2ビアホール34を介した電気的接続が形成されるようにめっき及びパターニングを施して、第1絶縁層18に隣接する第1配線層38、第2金属箔20に由来する第2配線層24、及び第2絶縁層26に隣接する第3配線層40を含む多層配線板42を形成する。第1配線層38は典型的には第1金属箔16に由来するものであり、第1金属箔16に由来の金属を典型的には含むが、第1金属箔16の表面プロファイルのみを引き継いだ新たな配線層(第1金属箔16に由来の金属を含まない)として形成されてもよい。同様に、第3配線層40は典型的には第3金属箔28に由来するものであり、第3金属箔28に由来の金属を典型的には含むが、第3金属箔28の表面プロファイルのみを引き継いだ新たな配線層(第3金属箔28に由来の金属を含まない)として形成されてもよい。第1配線層38及び第3配線層40の形成方法についての工法は特に限定されず、サブトラクティブ法、MSAP(モディファイド・セミ・アディティブ・プロセス)法、SAP(セミアディティブ)法等の公知の手法が使用可能である。ここで、図3(vii)はMSAP法により回路形成を行ったものである。MSAP法による回路形成の一例としては、まず第1金属箔16及び第3金属箔28の表面にフォトレジスト(図示せず)を所定のパターンで形成する。フォトレジストは感光性フィルムであるのが好ましく、この場合は露光及び現像により所定の配線パターンをフォトレジストに付与すればよい。次いで、第1金属箔16及び第3金属箔28の露出表面(すなわちフォトレジスト層でマスキングされていない部分)、並びに第1ビアホール32及び第2ビアホール34に電気めっき層36を形成する。このとき、第1ビアホール32及び第2ビアホール34にめっき金属が充填されるため、第2積層体30の両面が第1ビアホール32、第2配線層24及び第2ビアホール34を介して電気的に接続される。電気めっきは公知の手法により行えばよく、特に限定されない。フォトレジスト層を剥離した後、第1金属箔16、第3金属箔28及び電気めっき層36をエッチング加工することにより、第1配線層38及び第3配線層40が形成された多層配線板42を得ることができる。
多層配線板42上に更なるビルドアップ配線層を形成してもよい。すなわち、多層配線板42上にさらに絶縁層と配線パターンを含む配線層とを交互に積層配置することで、第n配線層(nは4以上の整数、好ましくは5、7、9等の奇数)まで形成された多層配線板を得ることができる。この工程の繰り返しは所望の層数のビルドアップ配線層が形成されるまで行えばよい。また、必要に応じて、外層面にソルダーレジストや、ピラー等の実装用のバンプ等を形成してもよい。
本発明を以下の例によってさらに具体的に説明する。
例1〜6
多層配線板の内層金属箔として用いるための銅箔を6種類用意し、各種評価を行った。具体的な手順は以下のとおりである。
(1)銅箔の用意
表1に示される各パラメータを少なくとも一方の面に有する厚さ12μmの電解銅箔を6種類用意した。これらの銅箔のうち幾つかは市販品であり、その他は公知の方法に基づき別途作製したものである。用意した銅箔の各パラメータの測定ないし算出方法は以下のとおりである。
(FT−IRにおける波長10.6μmのレーザーの反射率)
赤外分光光度計(Thermo Fisher SCIENTIFIC社製、Nicolet Nexus 640 FT−IR Spectrometer)を用いて、銅箔表面に対して下記条件にて測定を行い、IRスペクトルデータを取得した。取得したIRスペクトルデータを解析することにより、波長10.6μmのレーザーの反射率を算出した。
<測定条件>
‐測定法:正反射法
‐バックグラウンド:Au蒸着ミラー
‐分解能:4cm−1
‐スキャン回数:64scan
‐検出器:DTGS(Deuterium Tri−Glycine Sulfate)検出器
(山の頂点密度Spd)
レーザー顕微鏡(株式会社キーエンス製、VK−X100)を用い、Sフィルターによるカットオフ波長0.8μm、倍率2000倍(測定面積107μm×143μm)の条件で、ISO25178に準拠して銅箔表面の山の頂点密度Spdを測定した。
(十点平均粗さRz)
レーザー顕微鏡(株式会社キーエンス製、VK−X100)を用い、倍率2000倍、カットオフ値0.8μm、測定長さ100μmの条件で、JIS B 0601−1994に準拠して銅箔表面の十点平均粗さRzを測定した。
(2)銅箔の評価
用意した銅箔について、各種特性の評価を以下のとおり行った。
<レーザー加工性>
上記(1)で用意した銅箔を内層金属箔として用いてレーザー加工性評価用積層体を以下のように作製した。まず、厚さ2μmの銅箔を第1金属箔16として用意し、第1金属箔16上に第1絶縁層18として厚さ0.02mmのプリプレグ(三菱瓦斯化学株式会社製、GHPL−830NSF)を積層した。次いで、第2金属箔20として、上記(1)で用意した銅箔を、表1に示される各パラメータを有する側の面が第1絶縁層18上に当接するように積層し、圧力4.0MPa、温度220℃で90分間の熱間プレス成形を行って第1積層体22を得た。第2金属箔20の表面をマイクロエッチング液で1μmエッチングした後、ドライフィルムを貼り付け、所定のパターンで露光及び現像を行い、エッチングレジストを形成した。第2銅箔表面を塩化銅エッチング液で処理して、エッチングレジスト間から銅を溶解除去した後、エッチングレジストを剥離して第2配線層24を形成した。第2配線層24表面に対して粗化処理(CZ処理)を施した。粗化処理後における第2配線層24の厚さは9μmであった。したがって、第2配線層の厚さT(9μm)に対する第1金属箔の厚さT(2μm)の比であるT/Tは2/9=約0.22であった。その後、第2配線層24が形成された第1積層体22上に厚さ0.02mmのプリプレグ(三菱瓦斯化学株式会社製、GHPL−830NSF)及び厚さ2μmの銅箔をそれぞれ第2絶縁層26及び第3金属箔28として順に積層し、圧力4.0MPa、温度220℃で90分間の熱間プレス成形を行った。このようにして、レーザー加工性評価用積層体を得た。得られたレーザー加工性評価用積層体に対して、炭酸ガスレーザーを用いて9.5MW/cmの出力密度で第1金属箔16側からレーザー加工を施し、第1金属箔16及び第1絶縁層18を貫通して第2配線層24に到達する直径65μmのビアホールを形成した。このビアホールを第1金属箔16側から金属顕微鏡にて観察し、第2配線層24の貫通の有無を判定した。各例につきビアホールの形成及び貫通判定を88穴ずつ行い、ビアホールの形成数及び第2配線層24の貫通数から、レーザー加工後における第2配線層24の貫通率を算出した。
<回路密着性>
厚さ0.1mmのプリプレグ(三菱瓦斯化学株式会社製、GHPL−830NSF)3枚を積層し、積層したプリプレグに上記(1)で用意した銅箔を、表1に示される各パラメータを有する側の面が当接するように積層し、圧力4.0MPa、温度220℃で90分間の熱間プレス成形を行って銅張積層板サンプルを作製した。この銅張積層板サンプルの両面にドライフィルムを張り合わせて、エッチングレジスト層を形成した。そして、その両面のエッチングレジスト層に、0.8mm幅の剥離強度測定試験用の回路を露光現像し、エッチングパターンを形成した。その後、銅エッチング液で回路エッチングを行い、エッチングレジストを剥離して回路を得た。こうして形成された回路(厚み12μm、回路幅0.8mm)をJIS C 6481−1996に準拠してプリプレグ表面に対して90°方向に剥離してピール強度(kgf/cm)を測定した。
<回路形成性>
上述の銅張積層板サンプルの表面に回路高さが20μmになるまで電気めっきを行った。こうして形成された電気めっき層の表面にドライフィルムを貼り付け、露光及び現像を行い、エッチングレジストを形成した。塩化銅エッチング液で処理することにより、エッチングレジスト間から銅を溶解除去し、回路高さ20μm、ライン/スペース=25μm/25μmの直線状配線パターンを形成した。こうして得られた直線状配線パターンを倍率1000倍の条件で真上(観察角度0°)からSEMで観察した。取得したSEM画像をデジタルマイクロスコープ(株式会社キーエンス製、VHX500)に取り込み、回路ボトム幅を100点測長した。測長結果から、中央値を平均値の代わりに用いて標準偏差σ(μm)を算出し、3σ−(−3σ)、すなわち6σを回路直線性の値として採用した。
例7〜12
厚さ12μmの電解銅箔の代わりに、表1に示される各パラメータを少なくとも一方の面に有する厚さ9μmの電解銅箔を用いたこと以外は、例1〜6と同様にして各種特性の評価を行った。なお、レーザー加工性評価用積層体における粗化処理(CZ処理)後の第2配線層24の厚さは7μmであり、T/Tは2/7=約0.29であった。
例13〜16
厚さ12μmの電解銅箔の代わりに、表1に示される各パラメータを少なくとも一方の面に有する厚さ7μmの電解銅箔を用いたこと以外は、例1〜6と同様にして各種特性の評価を行った。なお、レーザー加工性評価用積層体における粗化処理(CZ処理)後の第2配線層24の厚さは5μmであり、T/Tは2/5=0.40であった。
結果
例1〜16において得られた評価結果は表1に示されるとおりであった。
Figure 2019188836
例17
1)第1金属箔16及び第3金属箔28として厚さ2μmの銅箔の代わりに、厚さ3μmの銅箔をそれぞれ用いたこと、2)エッチング量を調整して粗化処理(CZ処理)後の第2配線層24の厚さを5μmとした(すなわちT/Tを3/5=0.60とした)こと、及び3)炭酸ガスレーザーの出力密度を9.5MW/cmから9.75MW/cmに変更したこと以外は、例11と同様にしてレーザー加工性の評価を行った。
例18
1)第1金属箔16及び第3金属箔28として厚さ2μmの銅箔の代わりに、厚さ3μmの銅箔をそれぞれ用いたこと、及び2)炭酸ガスレーザーの出力密度を9.5MW/cmから9.75MW/cmに変更したこと以外は、例16と同様にしてレーザー加工性の評価を行った。なお、レーザー加工性評価用積層体における粗化処理(CZ処理)後の第2配線層24の厚さは5μmであり、T/Tは3/5=0.60であった。
例19
1)第1金属箔16及び第3金属箔28として厚さ2μmの銅箔の代わりに、厚さ3μmの銅箔を用いたこと、及び2)炭酸ガスレーザーの出力密度を9.5MW/cmから9.75MW/cmに変更したこと以外は、例14と同様にしてレーザー加工性の評価を行った。なお、レーザー加工性評価用積層体における粗化処理(CZ処理)後の第2配線層24の厚さは5μmであり、T/Tは3/5=0.60であった。
例20
1)第1金属箔16及び及び第3金属箔28として厚さ3μmの銅箔の代わりに、厚さ5μmの銅箔をそれぞれ用いたこと、及び2)炭酸ガスレーザーの出力密度を9.75MW/cmから10.25MW/cmに変更したこと以外は、例17と同様にしてレーザー加工性の評価を行った。なお、レーザー加工性評価用積層体における粗化処理(CZ処理)後の第2配線層24の厚さは5μmであり、T/Tは5/5=1.0であった。
例21
1)第1金属箔16及び及び第3金属箔28として厚さ3μmの銅箔の代わりに、厚さ5μmの銅箔をそれぞれ用いたこと、及び2)炭酸ガスレーザーの出力密度を9.75MW/cmから10.25MW/cmに変更したこと以外は、例18と同様にしてレーザー加工性の評価を行った。なお、レーザー加工性評価用積層体における粗化処理(CZ処理)後の第2配線層24の厚さは5μmであり、T/Tは5/5=1.0であった。
例22
1)第1金属箔16及び及び第3金属箔28として厚さ3μmの銅箔の代わりに、厚さ5μmの銅箔を用いたこと、及び2)炭酸ガスレーザーの出力密度を9.75MW/cmから10.25MW/cmに変更したこと以外は、例19と同様にしてレーザー加工性の評価を行った。なお、レーザー加工性評価用積層体における粗化処理(CZ処理)後の第2配線層24の厚さは5μmであり、T/Tは5/5=1.0であった。
結果
例17〜22において得られた評価結果は表2に示されるとおりであった。
Figure 2019188836

Claims (10)

  1. 多層配線板の製造方法であって、
    (a)第1金属箔上に第1絶縁層及び第2金属箔を順に積層して第1積層体を形成する工程と、
    (b)前記第2金属箔にパターニングを施して第2配線層を形成する工程と、
    (c)前記第2配線層が形成された前記第1積層体上に第2絶縁層及び第3金属箔を順に積層して第2積層体を形成する工程と、
    (d)前記第2積層体に対して前記第1金属箔及び前記第3金属箔の各々からレーザー加工を施して、前記第1金属箔及び前記第1絶縁層を貫通して前記第2配線層に到達する第1ビアホールと、前記第3金属箔及び前記第2絶縁層を貫通して前記第2配線層に到達する第2ビアホールとを形成する工程と、
    (e)前記第2積層体の両面に対して、前記第1ビアホール、前記第2配線層及び前記第2ビアホールを介した電気的接続が形成されるようにめっき及びパターニングを施して、前記第1絶縁層に隣接する第1配線層、前記第2金属箔に由来する第2配線層、及び前記第2絶縁層に隣接する第3配線層を含む多層配線板を形成する工程と、
    を含み、
    前記第2金属箔の少なくとも前記第1絶縁層と対向する面は、フーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)により測定される波長10.6μmのレーザーの反射率が80%以上であり、かつ、ISO25178に準拠して測定される山の頂点密度Spdが7000個/mm以上15000個/mm以下である、方法。
  2. 前記第2金属箔における前記第1絶縁層と対向する面の十点平均粗さRzが0.2μm以上2.0μm以下である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記第2配線層の前記第2絶縁層と対向する面は、フーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)により測定される波長10.6μmのレーザーの反射率が80%以上であり、かつ、ISO25178に準拠して測定される山の頂点密度Spdが7000個/mm以上15000個/mm以下である、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記第2配線層の厚さが3μm以上12μm以下である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記第1金属箔、前記第2金属箔及び前記第3金属箔がいずれも銅箔である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記第1金属箔及び前記第3金属箔の各々の厚さが0.1μm以上12μm以下である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記第2配線層の厚さTに対する前記第1金属箔の厚さTの比であるT/Tが0.23以上である、且つ/又は前記第2配線層の厚さTに対する前記第3金属箔の厚さTの比であるT/Tが0.23以上である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記T/Tが1.0以下である、且つ/又は前記T/Tが1.0以下である、請求項7に記載の方法。
  9. 前記第1ビアホール及び前記第2ビアホールの直径がいずれも30μm以上80μm以下である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記第1金属箔が、第1キャリア、第1剥離層、及び前記第1金属箔を順に備えたキャリア付金属箔の形態で供され、前記第2積層体の形成後で、かつ、前記第1金属箔に対するレーザー加工前に、前記第1キャリアが前記第2積層体から剥離される、かつ/又は
    前記第3金属箔が、第3キャリア、第3剥離層、及び前記第3金属箔を順に備えたキャリア付金属箔の形態で供され、前記第2積層体の形成後で、かつ、前記第3金属箔に対するレーザー加工前に、前記第3キャリアが前記第2積層体から剥離される、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
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