JPWO2019181385A1 - 塩素含有粉体の脱塩処理方法及び塩素含有粉体の脱塩処理装置 - Google Patents

塩素含有粉体の脱塩処理方法及び塩素含有粉体の脱塩処理装置 Download PDF

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Abstract

海水等を利用して焼却灰等の塩素含有粉体を脱塩処理するにあたり、その処理を効率的に行う方法を提供する。この脱塩処理装置1は、第1脱塩用洗液供給装置22と、塩素含有粉体P1に第1脱塩用洗液W1を混合してスラリーにするとともに、塩素を溶出させるための溶出槽2と、溶出槽2で処理されたスラリーS1を固液分離して第1脱塩ケーキを得る処理を行なう第1固液分離装置3と、溶出槽2で処理されたスラリーS1を第1固液分離装置3に搬送するためのスラリー搬送装置4と、第1脱塩ケーキを洗浄して第2脱塩ケーキを得る処理を行なうよう、第2脱塩用洗液W2を供給するための第2脱塩用洗液供給装置31と、第1固液分離装置3からの第1ろ液W3及び/又は第2ろ液W4を第1脱塩用洗液供給装置22に送液するための第1送液装置5と、第1脱塩用洗液W1の塩素イオン濃度を監視するための第1塩素イオン濃度監視装置7とを備える。

Description

本発明は、焼却灰等の塩素含有粉体を脱塩処理して、これをセメント原料として有効利用するのに有用な、塩素含有粉体の脱塩処理方法及び塩素含有粉体の脱塩処理装置に関する。
セメント原料化による廃棄物のリサイクル処理において、塩素を含有する廃棄物は、その塩素によってセメント製造設備の閉塞等の問題を引き起こす虞がある。よって、塩素を含有する廃棄物、例えば焼却灰等をセメント原料化するには、脱塩処理により焼却灰の含有塩素量を低減してから使用することが行われている。
焼却灰等の脱塩処理に関しては、例えば特許文献1には、焼却灰に水を添加して塩素を溶出させてから脱水する方法が開示されている。また、例えば特許文献2には、水との混合と脱水を繰り返すことで焼却灰を複数回洗浄して脱塩する方法が開示されている。
しかしながら、特許文献1や特許文献2などの方法では、焼却灰の脱塩に多量の水を要することから、多量の工水(真水)を使用できない地域であったり、コスト面等で工水(真水)の使用が制限されたりする場合などには、その方法を利用するのが困難であった。
このような問題に関し、例えば特許文献3には、セメント原料化の目的で焼却飛灰等の塩素含有粉体を脱塩処理するにあたり、海水を利用する方法が開示されている。
特開2002−338312号公報 特開2003−211129号公報 特開2013−166135号公報
しかしながら、特許文献3の方法は、多量の工水(真水)を使用しないという目的には適うものの、塩素含有粉体の脱塩処理を効率的に行うためには、さらなる検討が必要であった。また、その脱塩処理で生じる排液の処理の問題もあった。
よって、本発明の目的は、海水等を利用して塩素含有粉体を脱塩処理するにあたり、その処理を効率的に行って無駄な排液を生じさせることのない、脱塩処理方法及び脱塩処理装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明は、第1に、
塩素含有粉体に第1脱塩用洗液を混合してスラリーにするスラリー化工程と、
前記スラリー中で前記塩素含有粉体に含まれる塩素を液相中に溶出させる塩素溶出工程と、
前記塩素を溶出させた該スラリーから液相の一部又は全部を分離して第1脱塩ケーキと第1ろ液を得る脱塩ケーキ形成工程と、
前記第1脱塩ケーキを、前記第1脱塩用洗液とは別個の第2脱塩用洗液で洗浄して第2脱塩ケーキと第2ろ液を得る脱塩ケーキ洗浄工程とを備え、
前記脱塩ケーキ形成工程で得られる前記第1ろ液、及び/又は前記脱塩ケーキ洗浄工程で得られる前記第2ろ液は、少なくともその一部を前記第1脱塩用洗液として循環利用して、前記第1脱塩用洗液の塩素イオン濃度を制御しつつ、前記スラリー化工程と、前記塩素溶出工程と、前記脱塩ケーキ形成工程と、前記脱塩ケーキ洗浄工程とを、供給される塩素含有粉体ごとに繰り返すことを特徴とする塩素含有粉体の脱塩処理方法を提供するものである。
上記の塩素含有粉体の脱塩処理方法によれば、塩素含有粉体に第1脱塩用洗液を混合してスラリーにし、塩素含有粉体に含まれる塩素をスラリーの液相中に溶出させたうえ、該スラリーから液相の一部又は全部を分離して第1脱塩ケーキを得て、さらにその第1脱塩ケーキを第1脱塩用洗液とは別個の第2脱塩用洗液で洗浄することにより、十分に塩素が除かれた第2脱塩ケーキを得ることができる。よって、塩素を含有する焼却灰等のセメント原料化などに有用である。また、脱塩ケーキ形成工程で得られる第1ろ液、及び/又は脱塩ケーキ洗浄工程で得られる第2ろ液は、少なくともその一部を第1脱塩用洗液として循環利用するので、供給される塩素含有粉体ごとに上記の処理を繰り返して行うことで、1の塩素含有粉体あたりに第1脱塩用洗液として利用する洗い水の使用量を低減させることができる。そして、第1ろ液及び/又は第2ろ液を第1脱塩用洗液の一部又は全部として循環利用すると、該第1脱塩用洗液の塩素イオン濃度が上昇傾向となるが、第1脱塩用洗液は、その塩素イオン濃度が例えば海水の塩素イオン濃度を超えるような場合でも、所定の上限濃度までは塩素含有粉体からの塩素除去効率に大きく影響しないので、洗い水の使用量の低減のメリットと塩素除去の効率とを両立させることが可能である。さらには、第1脱塩用洗液の塩素イオン濃度を制御しつつ処理を行うので、該第1脱塩用洗液の塩素イオン濃度が処理に適しなくなったときには、適切なタイミングで是正することが可能である。
上記目的を達成するため、本発明は、第2に、上記塩素含有粉体の脱塩処理方法において、前記第1脱塩用洗液の塩素イオン濃度が第1閾値を超えた場合、前記第1脱塩用洗液を、新たな第1脱塩用洗液により前記第1閾値を満足するように制御する、該脱塩処理方法を提供するものである。
上記の構成によれば、第1ろ液及び/又は第2ろ液を第1脱塩用洗液の一部又は全部として循環利用すると、該第1脱塩用洗液の塩素イオン濃度が上昇傾向となり、ひいては所定の上限濃度を超えると、場合によっては塩素除去効率に影響が出ることがあるが、その塩素除去効率の低下を未然に防ぐことができる。この場合、第1閾値としては、試運転の評価に基づく等して、適宜所望の値を設定すればよい。より典型的には、例えば、塩素含有粉体とのスラリーを構成する第1脱塩用洗液の塩素イオン濃度として15質量%である。その塩素イオン濃度が15質量%を超えなければ、塩素含有粉体からスラリーの液相中への塩素の溶出効率にそれほど影響がなく、すなわち、塩素除去効率にそれほど影響することがない。一方、第1脱塩用洗液の塩素イオン濃度が15質量%を超えると、塩素除去効率に影響が出る場合がある。
上記目的を達成するため、本発明は、第3に、上記塩素含有粉体の脱塩処理方法において、前記塩素含有粉体に加える初回の第1脱塩用洗液として海水を利用し、前記第1脱塩用洗液の塩素イオン濃度が15質量%を超えないようにする、該脱塩処理方法を提供するものである。
上記の構成によれば、海水の塩素イオン濃度はおよそ3質量%前後であるので、第1脱塩用洗液を主に海水だけで構成した場合でも、その塩素イオン濃度をおおむね3質量%〜15質量%程度の範囲に保つことが容易であり、供給される塩素含有粉体ごとに少なくとも2回以上の複数回の処理が可能である。よって、工水(真水)等の使用量の低減のメリットが得られる。また、第1脱塩用洗液として海水を用いると、海水の緩衝液としての作用効果と考えられるが、焼却飛灰等からの重金属類(具体的には、Pb、Zn等である。)の溶出が抑えられるという効果がみられる。これによれば、重金属類を含む排水の処理コストが軽減される。さらには、第1脱塩用洗液の塩素イオン濃度が15質量%を超えると、場合によっては塩素除去効率に影響が出ることがあるが、その塩素除去効率の低下を未然に防ぐことができる。
上記目的を達成するため、本発明は、第4に、上記塩素含有粉体の脱塩処理方法において、前記脱塩ケーキ洗浄工程で得られる前記第2ろ液は、少なくともその一部を前記第2脱塩用洗液として循環利用して、前記第2脱塩用洗液の塩素イオン濃度を制御しつつ、前記スラリー化工程と、前記塩素溶出工程と、前記脱塩ケーキ形成工程と、前記脱塩ケーキ洗浄工程とを、供給される塩素含有粉体ごとに繰り返す、該脱塩処理方法を提供するものである。
上記の構成によれば、脱塩ケーキ洗浄工程で得られる第2ろ液は、少なくともその一部を第2脱塩用洗液として循環利用するので、供給される塩素含有粉体ごとに上記の処理を繰り返して行うことで、1の塩素含有粉体あたりに第2脱塩用洗液として利用する洗い水の使用量を低減させることができる。そして、第2ろ液を第2脱塩用洗液の一部又は全部として循環利用すると、該第2脱塩用洗液の塩素イオン濃度が上昇傾向となり、ひいては第2脱塩ケーキ中に残る塩素イオン濃度が上昇傾向となり、例えばそのままではセメント原料としての使用が困難となる傾向となるが、第2脱塩用洗液の塩素イオン濃度を制御しつつ処理を行うので、該第2脱塩用洗液の塩素イオン濃度が処理に適しなくなったときには、適切なタイミングで是正することが可能である。
上記目的を達成するため、本発明は、第5に、上記第4の塩素含有粉体の脱塩処理方法において、前記第2脱塩用洗液の塩素イオン濃度が前記第1閾値とは別個の第2閾値を超えた場合、前記第2脱塩用洗液を、新たな第2脱塩用洗液により前記第2閾値を満足するように制御する、該脱塩処理方法を提供するものである。
上記の構成によれば、第2ろ液を第2脱塩用洗液の一部又は全部として循環利用すると、該第2脱塩用洗液の塩素イオン濃度が上昇傾向となり、ひいては第2脱塩ケーキ中に残る塩素イオン濃度が上昇傾向となり、例えばそのままではセメント原料としての使用が困難となる傾向となるが、その塩素イオン濃度が所定の上限濃度を超えるのを未然に防ぐことができる。この場合、第2閾値としては、試運転の評価に基づく等して、適宜所望の値を設定すればよい。より典型的には、例えば、第1脱塩ケーキを洗浄するための第2脱塩用洗液の塩素イオン濃度として3.5質量%である。その塩素イオン濃度が3.5質量%以下であれば、得られる第2脱塩ケーキ中に残る塩素イオン濃度として、例えばそのままセメント原料として使用できるものと成すことが可能である。一方、第2脱塩用洗液の塩素イオン濃度が3.5質量%を超えると、場合によっては、セメント原料として使用できるものと成すには、より塩素イオン濃度が低い洗液、例えば工水(真水)等による追加的な洗浄が必要になる。
上記目的を達成するため、本発明は、第6に、上記第4又は第5の塩素含有粉体の脱塩処理方法において、前記第2脱塩用洗液の塩素イオン濃度が3.5質量%を超えないようにする、該脱塩処理方法を提供するものである。
上記の構成によれば、第1脱塩ケーキを洗浄するための第2脱塩用洗液としては、その塩素イオン濃度が3.5質量%を超えないようにするので、得られる第2脱塩ケーキ中に残る液相の塩素イオン濃度も該濃度付近を超えないので、例えばそのままセメント原料として使用できる。
上記目的を達成するため、本発明は、第7に、上記塩素含有粉体の脱塩処理方法において、更に下記(1)〜(3)の工程を備える、該脱塩処理方法を提供するものである。
(1)前記第1ろ液、前記第2ろ液、前記第1脱塩用洗液として循環利用後の該第1脱塩用洗液、及び前記第2脱塩用洗液として循環利用後の該第2脱塩用洗液からなる群から選ばれた1種又は2種以上のうち、前記第1脱塩用洗液又は前記第2脱塩用洗液として再度利用しないものを排液として回収する排液回収工程
(2)前記工程(1)で回収した排液に重金属捕集剤を添加して、該排液に含まれる重金属を凝集フロック状に不溶化する重金属不溶化工程
(3)前記工程(2)で不溶化した重金属を含む凝集フロック含有液から液相の一部又は全部を分離して第1凝集ケーキと第3ろ液を得る重金属凝集ケーキ形成工程
上記の構成によれば、焼却飛灰等を脱塩処理した排液中には、通常、重金属類が含まれているが、その排液を回収したうえ重金属捕集剤を添加して、凝集フロック状に不溶化させて、重金属凝集ケーキとして除くことで、重金属類を含んだままの排液が系外に排出されることを防ぐことができる。また、得られた重金属凝集ケーキは、セメント原料として有効利用することができる。
上記目的を達成するため、本発明は、第8に、上記第7の塩素含有粉体の脱塩処理方法において、更に下記(4)の工程を備える、該脱塩処理方法を提供するものである。
(4)前記第1凝集ケーキを、前記第1脱塩用洗液及び前記第2脱塩用洗液とは別個の第3脱塩用洗液で洗浄して第2凝集ケーキと第4ろ液を得る重金属凝集ケーキ洗浄工程
上記の構成によれば、重金属凝集ケーキ形成工程で得られる第1凝集ケーキを、第3脱塩用洗液で洗浄することにより、十分に塩素が除かれた第2凝集ケーキを得ることができる。よって、得られた重金属凝集ケーキは、セメント原料としてより好適に利用しやすい。
上記目的を達成するため、本発明は、第9に、上記第7又は第8の塩素含有粉体の脱塩処理方法において、前記重金属不溶化工程は、前記排液のpHを7〜11とする、該脱塩処理方法を提供するものである。
上記の構成によれば、重金属の不溶化をより効果的に行うことができる。
上記目的を達成するため、本発明は、第10に、上記第8の塩素含有粉体の脱塩処理方法において、前記重金属凝集ケーキ洗浄工程で得られる前記第4ろ液は、少なくともその一部を前記第1脱塩用洗液として循環利用する、該脱塩処理方法を提供するものである。
上記の構成によれば、重金属凝集ケーキ洗浄工程で得られる第4ろ液は、少なくともその一部を第1脱塩用洗液として循環利用するので、第1脱塩用洗液として利用する洗い水の使用量を低減させることができる。
上記目的を達成するため、本発明は、第11に、上記第10の塩素含有粉体の脱塩処理方法において、前記脱塩ケーキ洗浄工程で得られる前記第2ろ液は、少なくともその一部を前記第3脱塩用洗液として利用し、及び/又は前記重金属凝集ケーキ洗浄工程で得られる前記第4ろ液は、少なくともその一部を前記第3脱塩用洗液として循環利用し、前記第3脱塩用洗液の塩素イオン濃度を制御しつつ、前記重金属凝集ケーキ洗浄工程における洗浄処理を行う、該脱塩処理方法を提供するものである。
上記の構成によれば、脱塩ケーキ洗浄工程で得られる第2ろ液は、少なくともその一部を第3脱塩用洗液として利用し、及び/又は重金属凝集ケーキ洗浄工程で得られる第4ろ液は、少なくともその一部を第3脱塩用洗液として循環利用するので、第3脱塩用洗液として利用する洗い水の使用量を低減させることができる。そして、第2ろ液を第3脱塩用洗液の一部又は全部として利用し、及び/又は第4ろ液を第3脱塩用洗液の一部又は全部として循環利用すると、該第3脱塩用洗液の塩素イオン濃度が上昇傾向となり、ひいては第2凝集ケーキ中に残る塩素イオン濃度が上昇傾向となり、例えばそのままではセメント原料としての使用が困難となる傾向となるが、第3脱塩用洗液の塩素イオン濃度を制御しつつ処理を行うので、該第3脱塩用洗液の塩素イオン濃度が処理に適しなくなったときには、適切なタイミングで是正することが可能である。
上記目的を達成するため、本発明は、第12に、上記第11の塩素含有粉体の脱塩処理方法において、前記第3脱塩用洗液の塩素イオン濃度が前記第1閾値及び前記第2閾値とは別個の第3閾値を超えた場合、前記第3脱塩用洗液を、新たな第3脱塩用洗液により前記第3閾値を満足するように制御する、該脱塩処理方法を提供するものである。
上記の構成によれば、第2ろ液を第3脱塩用洗液の一部又は全部として利用し、及び/又は第4ろ液を第3脱塩用洗液の一部又は全部として循環利用すると、該第3脱塩用洗液の塩素イオン濃度が上昇傾向となり、ひいては第2凝集ケーキ中に残る塩素イオン濃度が上昇傾向となり、例えばそのままではセメント原料としての使用が困難となる傾向となるが、その塩素イオン濃度が所定の上限濃度を超えるのを未然に防ぐことができる。この場合、第3閾値としては、試運転の評価に基づく等して、適宜所望の値を設定すればよい。より典型的には、例えば、第1凝集ケーキを洗浄するための第3脱塩用洗液の塩素イオン濃度として3.5質量%である。その塩素イオン濃度が3.5質量%以下であれば、得られる第2凝集ケーキ中に残る塩素イオン濃度として、例えばそのままセメント原料として使用できるものと成すことが可能である。一方、第3脱塩用洗液の塩素イオン濃度が3.5質量%を超えると、場合によっては、セメント原料として使用できるものと成すには、より塩素イオン濃度が低い洗液、例えば工水(真水)等による追加的な洗浄が必要になる。
上記目的を達成するため、本発明は、第13に、上記第11の塩素含有粉体の脱塩処理方法において、前記第3脱塩用洗液の塩素イオン濃度が3.5質量%を超えないようにする、該脱塩処理方法を提供するものである。
上記の構成によれば、第1凝集ケーキを洗浄するための第3脱塩用洗液としては、その塩素イオン濃度が3.5質量%を超えないようにするので、得られる第2凝集ケーキ中に残る液相の塩素イオン濃度も該濃度付近を超えないので、例えばそのままセメント原料として使用できる。
上記目的を達成するため、本発明は、第14に、上記塩素含有粉体の脱塩処理方法において、前記塩素含有粉体が、焼却飛灰、溶融飛灰、及び塩素バイパスダストから選ばれた1種又は2種以上を含むものである、該脱塩処理方法を提供するものである。
上記の構成によれば、塩素を含有する廃棄物である、焼却飛灰、溶融飛灰、塩素バイパスダスト等のセメント原料化などに有用である。
上記目的を達成するため、本発明は、第15に、
第1脱塩用洗液を供給するための第1脱塩用洗液供給装置と、
塩素含有粉体を前記第1脱塩用洗液供給装置からの前記第1脱塩用洗液と混合してスラリーにするとともに、前記スラリー中で前記塩素含有粉体に含まれる塩素を液相中に溶出させるための溶出槽と、
前記塩素を溶出させた該スラリーから液相の一部又は全部を分離して第1脱塩ケーキと第1ろ液を得る処理を行なう第1固液分離装置と、
前記溶出槽で処理された前記スラリーを前記第1固液分離装置に搬送するためのスラリー搬送装置と、
前記第1固液分離装置において、前記第1脱塩用洗液とは別個の第2脱塩用洗液で前記第1脱塩ケーキを洗浄して第2脱塩ケーキと第2ろ液を得る処理を行なうよう、その第2脱塩用洗液を供給するための第2脱塩用洗液供給装置と、
前記第1固液分離装置でなされる前記第1脱塩ケーキの形成処理で得られる前記第1ろ液、及び/又は前記第1固液分離装置でなされる前記第1脱塩ケーキの洗浄処理で得られる前記第2ろ液を、少なくともその一部を前記第1脱塩用洗液として循環利用するため、前記第1脱塩用洗液供給装置に送液するための第1送液装置と、
前記第1脱塩用洗液の塩素イオン濃度を監視するための第1塩素イオン濃度監視装置を備えたことを特徴とする塩素含有粉体の脱塩処理装置を提供するものである。
上記の塩素含有粉体の脱塩処理装置によれば、上述した塩素含有粉体の脱塩処理方法を効果的に実施することが可能である。特に、第1送液装置を備えたことにより、第1固液分離装置でなされる第1脱塩ケーキの形成処理で得られる第1ろ液、及び/又は第1固液分離装置でなされる第1脱塩ケーキの洗浄処理で得られる第2ろ液を、少なくともその一部を第1脱塩用洗液として循環利用し、供給される塩素含有粉体ごとに処理を繰り返し行うので、1の塩素含有粉体あたりに第1脱塩用洗液として利用する洗い水の使用量を低減させることができる。また、第1ろ液及び/又は第2ろ液を第1脱塩用洗液の一部又は全部として循環利用すると、該第1脱塩用洗液の塩素イオン濃度が上昇傾向となり、第1脱塩用洗液の塩素イオン濃度が所定の上限濃度を超えると、場合によっては塩素除去効率に影響が出ることがあるが、第1脱塩用洗液の塩素イオン濃度を監視するための第1塩素イオン濃度監視装置を備えたことにより、該第1脱塩用洗液の塩素イオン濃度が処理に適しなくなったときには、適切なタイミングで是正することが可能である。
上記目的を達成するため、本発明は、第16に、上記塩素含有粉体の脱塩処理装置において、
前記塩素含有粉体の脱塩処理装置は、更に、前記第1脱塩用洗液供給装置に前記第1脱塩用洗液として新たな第1脱塩用洗液を供給するための新たな第1脱塩用洗液の供給装置を備え、
前記第1脱塩用洗液供給装置は、該第1脱塩用洗液供給装置から前記溶出槽への前記第1脱塩用洗液の供給量を可変可能にするとともに、該第1脱塩用洗液供給装置から排液することを可能にする第1供給調整弁を備え、
前記新たな第1脱塩用洗液の供給装置は、前記第1脱塩用洗液供給装置への該洗液の供給量を可変可能にする第2供給調整弁を備え、
前記第1脱塩用洗液の塩素イオン濃度が第1閾値を超えた場合、前記第1供給調整弁を制御することにより、前記第1脱塩用洗液供給装置からの前記第1脱塩用洗液の前記溶出槽への供給を止め又は減少させ、前記第1脱塩用洗液供給装置から前記第1脱塩用洗液の一部又は全部を排液したうえ、前記新たな第1脱塩用洗液の供給装置の前記第2供給調整弁を制御することにより、前記第1脱塩用洗液供給装置に、前記第1脱塩用洗液として前記第1閾値を満足するように前記新たな第1脱塩用洗液を供給するように構成された、該脱塩処理装置を提供するものである。
上記の構成によれば、上述した塩素含有粉体の脱塩処理方法を効果的に実施することが可能である。特に、新たな第1脱塩用洗液の供給装置を備え、第1塩素イオン濃度監視装置による監視のもとに、第1閾値を超えた場合、その第1閾値を満足するように、第1脱塩用洗液供給装置に新たな第1脱塩用洗液を供給するようにしたので、第1脱塩用洗液の塩素イオン濃度が所定の上限濃度を超えると、場合によっては塩素除去効率に影響が出ることがあるが、その塩素除去効率の低下を未然に防ぐことができる。この場合、第1閾値としては、試運転の評価に基づく等して、適宜所望の値を設定すればよい。より典型的には、例えば、塩素含有粉体とのスラリーを構成する第1脱塩用洗液の塩素イオン濃度として15質量%である。その塩素イオン濃度が15質量%を超えなければ、塩素含有粉体からスラリーの液相中への塩素の溶出効率にそれほど影響がなく、すなわち、塩素除去効率にそれほど影響することがない。一方、第1脱塩用洗液の塩素イオン濃度が15質量%を超えると、塩素除去効率に影響が出る場合がある。
上記目的を達成するため、本発明は、第17に、上記塩素含有粉体の脱塩処理装置において、前記塩素含有粉体の脱塩処理装置は、更に、
前記第1固液分離装置でなされる前記第1脱塩ケーキの洗浄処理で得られる前記第2ろ液を、少なくともその一部を前記第2脱塩用洗液として循環利用するため、前記第2脱塩用洗液供給装置に送液するための第2送液装置と、
前記第2脱塩用洗液の塩素イオン濃度を監視するための第2塩素イオン濃度監視装置とを備える、該脱塩処理装置を提供するものである。
上記の構成によれば、上述した塩素含有粉体の脱塩処理方法を効果的に実施することが可能である。特に、第2送液装置を備えたことにより、第1固液分離装置でなされる第1脱塩ケーキの洗浄処理で得られる第2ろ液を、少なくともその一部を第2脱塩用洗液として循環利用し、供給される塩素含有粉体ごとに処理を繰り返し行うので、1の塩素含有粉体あたりに第2脱塩用洗液として利用する洗い水の使用量を低減させることができる。また、第2ろ液を第2脱塩用洗液の一部又は全部として循環利用すると、該第2脱塩用洗液の塩素イオン濃度が上昇傾向となり、ひいては第2脱塩ケーキ中に残る塩素イオン濃度が上昇傾向となり、例えばそのままではセメント原料としての使用が困難となる傾向となるが、第2脱塩用洗液の塩素イオン濃度を監視するための第2塩素イオン濃度監視装置を備えたことにより、該第2脱塩用洗液の塩素イオン濃度が処理に適しなくなったときには、適切なタイミングで是正することが可能である。
上記目的を達成するため、本発明は、第18に、上記第17の塩素含有粉体の脱塩処理装置において、
前記塩素含有粉体の脱塩処理装置は、更に、前記第2脱塩用洗液供給装置に前記第2脱塩用洗液として新たな第2脱塩用洗液を供給するための新たな第2脱塩用洗液の供給装置を備え、
前記第2脱塩用洗液供給装置は、該第2脱塩用洗液供給装置から前記第1脱塩ケーキへの前記第2脱塩用洗液の供給量を可変可能にするとともに、該第2脱塩用洗液供給装置から排液することを可能にする第3供給調整弁を備え、
前記新たな第2脱塩用洗液の供給装置は、前記第2脱塩用洗液供給装置への該洗液の供給量を可変可能にする第4供給調整弁を備え、
前記第2脱塩用洗液の塩素イオン濃度が前記第1閾値とは別個の第2閾値を超えた場合、前記第3供給調整弁を制御することにより、前記第2脱塩用洗液供給装置からの前記第2脱塩用洗液の前記第1脱塩ケーキへの供給を止め又は減少させ、前記第2脱塩用洗液供給装置から前記第2脱塩用洗液の一部又は全部を排液したうえ、前記新たな第2脱塩用洗液の供給装置の前記第4供給調整弁を制御することにより、前記第2脱塩用洗液供給装置に、前記第2脱塩用洗液として前記第2閾値を満足するように前記新たな第2脱塩用洗液を供給するように構成された、該脱塩処理装置を提供するものである。
上記の構成によれば、上述した塩素含有粉体の脱塩処理方法を効果的に実施することが可能である。特に、新たな第2脱塩用洗液の供給装置を備え、第2塩素イオン濃度監視装置による監視のもとに、第2閾値を超えた場合、その第2閾値を満足するように、第2脱塩用洗液供給装置に新たな第2脱塩用洗液を供給するようにしたので、第2脱塩用洗液の塩素イオン濃度が所定の上限濃度を超えると、場合によっては、得られる脱塩ケーキをそのままセメント原料として使用できるものと成し難くなるが、その塩素イオン濃度が所定の上限濃度を超えるのを未然に防ぐことができる。この場合、第2閾値としては、試運転の評価に基づく等して、適宜所望の値を設定すればよい。より典型的には、例えば、第1脱塩ケーキを洗浄するための第2脱塩用洗液の塩素イオン濃度として3.5質量%である。その塩素イオン濃度が3.5質量%以下であれば、得られる第2脱塩ケーキ中に残る塩素イオン濃度として、例えばそのままセメント原料として使用できるものと成すことが可能である。一方、第2脱塩用洗液の塩素イオン濃度が3.5質量%を超えると、場合によっては、セメント原料に使用できるものと成すには、より塩素イオン濃度が低い洗液、例えば工水(真水)等による追加的な洗浄が必要になる。
上記目的を達成するため、本発明は、第19に、上記第15又は第17の第塩素含有粉体の脱塩処理装置において、前記塩素含有粉体の脱塩処理装置は、更に、
前記第1ろ液及び前記第2ろ液のうち、前記第1脱塩用洗液又は前記第2脱塩用洗液として再度利用しないもの、前記第1脱塩用洗液供給装置から排液として送液された前記第1脱塩用洗液、及び前記第2脱塩用洗液供給装置から排液として送液された前記第2脱塩用洗液からなる群から選ばれた1種又は2種以上を排液として回収して収容し、これに重金属捕集剤を添加することにより、該排液に含まれる重金属を凝集フロック状に不溶化させるための重金属不溶化反応槽と、
前記不溶化した重金属を含む凝集フロック含有液から液相の一部又は全部を分離して第1凝集ケーキと第3ろ液を得る処理を行なう第2固液分離装置と、
前記重金属不溶化反応槽で処理された前記凝集フロック含有液を前記第2固液分離装置に搬送するための凝集フロック含有液搬送装置とを備える、該脱塩処理装置を提供するものである。
上記の構成によれば、上述した塩素含有粉体の脱塩処理方法を効果的に実施することが可能である。特に、重金属不溶化反応槽を備えたことにより、焼却飛灰等を脱塩処理した排液中には、通常、重金属類が含まれているが、その排液を回収したうえ重金属捕集剤を添加して、凝集フロック状に不溶化させることができる。そして、第2固液分離装置を備えたことにより、不溶化した重金属を重金属凝集ケーキとして除くことで、重金属類を含んだままの排液が系外に排出されることを防ぐことができる。また、得られた重金属凝集ケーキは、セメント原料として有効利用することができる。
上記目的を達成するため、本発明は、第20に、上記第19の塩素含有粉体の脱塩処理装置において、前記塩素含有粉体の脱塩処理装置は、更に、
前記第2固液分離装置において、前記第1脱塩用洗液及び前記第2脱塩用洗液とは別個の第3脱塩用洗液で洗浄して第2凝集ケーキと第4ろ液を得る処理を行なうよう、その第3脱塩用洗液を供給するための第3脱塩用洗液供給装置を備える、該脱塩処理装置を提供するものである。
上記の構成によれば、上述した塩素含有粉体の脱塩処理方法を効果的に実施することが可能である。特に、第3脱塩用洗液を供給するための第3脱塩用洗液供給装置を備え、その第3脱塩用洗液により、重金属凝集ケーキ形成工程で得られる第1凝集ケーキを洗浄することで、十分に塩素が除かれた第2凝集ケーキを得ることができる。よって、得られた重金属凝集ケーキは、セメント原料としてより好適に利用しやすい。
上記目的を達成するため、本発明は、第21に、上記第19の塩素含有粉体の脱塩処理装置において、前記塩素含有粉体の脱塩処理装置は、更に、
前記第2固液分離装置でなされる前記第1凝集ケーキの洗浄処理で得られる前記第4ろ液を、少なくともその一部を前記第1脱塩用洗液として循環利用するため、前記第1脱塩用洗液供給装置に送液するための第3送液装置を備える、該脱塩処理装置を提供するものである。
上記の構成によれば、上述した塩素含有粉体の脱塩処理方法を効果的に実施することが可能である。特に、第3送液装置を備えたことにより、第2固液分離装置でなされる第1凝集ケーキの洗浄処理で得られる第4ろ液を、少なくともその一部を第1脱塩用洗液として循環利用するので、第1脱塩用洗液として利用する洗い水の使用量を低減させることができる。
上記目的を達成するため、本発明は、第22に、上記第19の塩素含有粉体の脱塩処理装置において、前記塩素含有粉体の脱塩処理装置は、更に、
前記第1固液分離装置でなされる前記第1脱塩ケーキの洗浄処理で得られる前記第2ろ液を、少なくともその一部を前記第3脱塩用洗液として利用するため、前記第3脱塩用洗液供給装置に送液するための第4送液装置と、及び/又は、
前記第2固液分離装置でなされる前記第1凝集ケーキの洗浄処理で得られる前記第4ろ液を、少なくともその一部を前記第3脱塩用洗液として循環利用するため、前記第3脱塩用洗液供給装置に送液するための第5送液装置と、
前記第3脱塩用洗液の塩素イオン濃度を監視するための第3塩素イオン濃度監視装置とを備える、該脱塩処理装置を提供するものである。
上記の構成によれば、上述した塩素含有粉体の脱塩処理方法を効果的に実施することが可能である。特に、第4送液装置を備えたことにより、脱塩ケーキ洗浄工程で得られる第2ろ液は、少なくともその一部を第3脱塩用洗液として利用し、及び/又は第5送液装置を備えたことにより、重金属凝集ケーキ洗浄工程で得られる第4ろ液は、少なくともその一部を第3脱塩用洗液として循環利用するので、第3脱塩用洗液として利用する洗い水の使用量を低減させることができる。また、第2ろ液を第3脱塩用洗液の一部又は全部として利用し、及び/又は第4ろ液を第3脱塩用洗液の一部又は全部として循環利用すると、該第3脱塩用洗液の塩素イオン濃度が上昇傾向となり、ひいては第2凝集ケーキ中に残る塩素イオン濃度が上昇傾向となり、例えばそのままではセメント原料としての使用が困難となる傾向となるが、第3脱塩用洗液の塩素イオン濃度を監視するための第3塩素イオン濃度監視装置を備えたことにより、該第3脱塩用洗液の塩素イオン濃度が処理に適しなくなったときには、適切なタイミングで是正することが可能である。
上記目的を達成するため、本発明は、第23に、上記第22の塩素含有粉体の脱塩処理装置において、前記塩素含有粉体の脱塩処理装置は、更に、前記第3脱塩用洗液供給装置に前記第3脱塩用洗液として新たな第3脱塩用洗液を供給するための新たな第3脱塩用洗液の供給装置を備え、
前記第3脱塩用洗液供給装置は、該第3脱塩用洗液供給装置から前記第1凝集ケーキへの前記第3脱塩用洗液の供給量を可変可能にするとともに、該第3脱塩用洗液供給装置から排液することを可能にする第5供給調整弁を備え、
前記新たな第3脱塩用洗液の供給装置は、前記第3脱塩用洗液供給装置への該洗液の供給量を可変可能にする第6供給調整弁を備え、
前記第3脱塩用洗液の塩素イオン濃度が前記第1閾値及び前記第2閾値とは別個の第3閾値を超えた場合、前記第5供給調整弁を制御することにより、前記第3脱塩用洗液供給装置からの前記第3脱塩用洗液の前記第1凝集ケーキへの供給を止め又は減少させ、前記第3脱塩用洗液供給装置から前記第3脱塩用洗液の一部又は全部を排液したうえ、前記新たな第3脱塩用洗液の供給装置の前記第6供給調整弁を制御することにより、前記第3脱塩用洗液供給装置に、前記第3脱塩用洗液として前記第3閾値を満足するように前記新たな第3脱塩用洗液を供給するように構成された、該脱塩処理装置を提供するものである。
上記の構成によれば、上述した塩素含有粉体の脱塩処理方法を効果的に実施することが可能である。特に、新たな第3脱塩用洗液の供給装置を備え、第3塩素イオン濃度監視装置による監視のもとに、第3閾値を超えた場合、その第3閾値を満足するように、第3脱塩用洗液供給装置に新たな第3脱塩用洗液を供給するようにしたので、第3脱塩用洗液の塩素イオン濃度が所定の上限濃度を超えると、場合によっては、得られる重金属凝集ケーキをそのままセメント原料として使用できるものと成し難くなるが、その塩素イオン濃度が所定の上限濃度を超えるのを未然に防ぐことができる。この場合、第3閾値としては、試運転の評価に基づく等して、適宜所望の値を設定すればよい。より典型的には、例えば、第1凝集ケーキを洗浄するための第3脱塩用洗液の塩素イオン濃度として3.5質量%である。その塩素イオン濃度が3.5質量%以下であれば、得られる第2凝集ケーキ中に残る塩素イオン濃度として、例えばそのままセメント原料として使用できるものと成すことが可能である。一方、第3脱塩用洗液の塩素イオン濃度が3.5質量%を超えると、場合によっては、セメント原料に使用できるものと成すには、より塩素イオン濃度が低い洗液、例えば工水(真水)等による追加的な洗浄が必要になる。
上記目的を達成するため、本発明は、第24に、上記第19の塩素含有粉体の脱塩処理装置において、前記第1固液分離装置と前記第2固液分離装置とは、同一の装置でそれぞれによる処理を行う、該脱塩処理装置を提供するものである。
上記の構成によれば、使用する固液分離装置を共通化して装置構成を簡略化することができる。
以上のように、本発明によれば、海水等を利用して塩素含有粉体を脱塩処理するにあたり、その処理を効率的に行って無駄な排液を生じさせることがない。よって、焼却灰等の廃棄物を脱塩処理して、これをセメント原料として有効利用することができる。
本発明に係る塩素含有粉体の脱塩処理方法の第1の実施形態を表わすフロー図である。 本発明に係る塩素含有粉体の脱塩処理方法の第2の実施形態を表わすフロー図である。 本発明に係る塩素含有粉体の脱塩処理装置の第1の実施形態を表わす全体構成図である。 本発明に係る塩素含有粉体の脱塩処理装置の第2の実施形態を表わす全体構成図である。 本発明に係る塩素含有粉体の脱塩処理方法の第3の実施形態を表わすフロー図である。 本発明に係る塩素含有粉体の脱塩処理方法の第4の実施形態を表わすフロー図である。 本発明に係る塩素含有粉体の脱塩処理方法の第5の実施形態を表わすフロー図である。 本発明に係る塩素含有粉体の脱塩処理方法の第6の実施形態を表わすフロー図である。 本発明に係る塩素含有粉体の脱塩処理方法の第7の実施形態を表わすフロー図である。 本発明に係る塩素含有粉体の脱塩処理装置の第3の実施形態を表わす全体構成図である。 本発明に係る塩素含有粉体の脱塩処理装置の第4の実施形態を表わす全体構成図である。 本発明に係る塩素含有粉体の脱塩処理装置の第5の実施形態を表わす全体構成図である。 本発明に係る塩素含有粉体の脱塩処理方法及び塩素含有粉体の脱塩処理装置を更に説明的に表わす全体構成フロー図である。 本発明に係る塩素含有粉体の脱塩処理装置において、第1固液分離装置と第2固液分離装置とを同一の装置とした場合の全体構成図である。 本発明に係る塩素含有粉体の脱塩処理方法及び塩素含有粉体の脱塩処理装置において、第1固液分離装置と第2固液分離装置とを同一の装置とした場合を更に説明的に表わす全体構成フロー図である。
本発明の脱塩処理対象物としては、塩素を含有する粉体であればよく、特に制限はないが、例えば焼却飛灰、溶融飛灰、塩素バイパスダスト等が挙げられる。これらは、従来、脱塩の処理の後にセメント原料として有効利用されている廃棄物であり、典型的な都市ごみ焼却飛灰、すなわち家庭ごみ廃棄物を焼却処理する際に発生する飛灰(本明細書では単に「焼却飛灰」と称するものとする。)には、一般に、塩素(Cl)が10質量%〜30質量%程度の濃度で含まれており、また、ガス化溶融炉から発生した飛灰(本明細書では単に「溶融飛灰」と称するものとする。)には、一般に、塩素が10質量%〜40質量%程度の濃度で含まれている。一方、セメントキルン抽気ガスに含まれるダストである塩素バイパスダストには、一般に、塩素が10質量%〜40質量%程度の濃度で含まれている。
本発明によれば、上記のような塩素含有粉体の塩素の濃度を3質量%以下程度、より典型的には2質量%以下程度にまで低減し、これを例えばセメント原料として有効利用することができる。塩素含有粉体の塩素の濃度は、周知の方法で測定することができ、例えば、ISO 29581−2 Cement−Test methods−Part2:Chemical analysis by X−ray fluorescence、又はセメント協会標準試験方法JCAS I−05「蛍光X線分析によるセメント中の塩素の定量方法」等を準用した、蛍光X線分析法などが好ましく例示される。
以下、本発明についてより具体的に説明するために図面を参照するが、本発明は、これら図面とともに説明する態様に限定されるものではない。
図1には、本発明に係る塩素含有粉体の脱塩処理方法の第1の実施形態を表わすフロー図を示す。
この実施形態に示されるように、本発明による脱塩処理は、塩素含有粉体に第1脱塩用洗液を混合してスラリーにするスラリー化工程と、そのスラリー中で前記塩素含有粉体に含まれる塩素を液相中に溶出させる塩素溶出工程と、塩素を溶出させた該スラリーから液相の一部又は全部を分離して第1脱塩ケーキと第1ろ液を得る脱塩ケーキ形成工程と、得られた第1脱塩ケーキを、前記第1脱塩用洗液とは別個の第2脱塩用洗液で洗浄して第2脱塩ケーキと第2ろ液を得る脱塩ケーキ洗浄工程とを備えるものである。
そして、脱塩ケーキ形成工程で得られる第1ろ液、及び/又は脱塩ケーキ洗浄工程で得られる第2ろ液は、少なくともその一部を第1脱塩用洗液として循環利用して、供給される塩素含有粉体ごとに、上記のスラリー化工程と、塩素溶出工程と、脱塩ケーキ形成工程と、ケーキ洗浄工程とを繰り返す。これにより、一度使用した第1脱塩用洗液及び/又は第2脱塩用洗液の少なくとも一部が循環利用されるので、洗い水の節約に資する。
また、繰り返し利用される第1脱塩用洗液の塩素イオン濃度は、繰り返し回数につれて上昇するので、これを監視し、制御する。ここで「監視」とは、例えば、第1脱塩用洗液の塩素イオン濃度を常時モニターしたり、あるいは、逐次所定の時間をおいて、もしくは任意に時間をおいてサンプリングして、当該濃度の測定を行なったりすることをも含む意味である。また「制御」とは、例えば、前記第1脱塩用洗液の塩素イオン濃度を所定の閾値を超えないようにフィードバック制御したり、あるいは、予め定められたタイミングや量で新たに第1脱塩用洗液、第2脱塩用洗液、海水、工水(真水)等を添加して、第1脱塩用洗液の塩素イオン濃度が所定の閾値を超えないように調整したりすることをも含む意味である。また、「監視」もしくは「制御」の対象である「第1脱塩用洗液」とは、塩素含有粉体とのスラリーを形成する洗液の状態を直接監視したり制御したりするだけではなく、供給された塩素含有粉体に添加する前の第1脱塩用洗液の塩素イオン濃度を対象にしたり、所定の配合割合で新たな洗液等と調合したうえで循環利用する場合には、その調合前のものの塩素イオン濃度を対象にしたりしてもよい。すなわち、供給された塩素含有粉体とのスラリーを構成する第1脱塩用洗液の塩素イオン濃度を、実質的に監視し、制御すればよい。
以上により、系内を廻る第1脱塩用洗液の塩素イオン濃度が上昇し過ぎて、塩素含有粉体からの塩素除去効率が低下することを防ぐことができる。例えば、スラリーを構成する第1脱塩用洗液の塩素イオン濃度が所定の閾値を超えるような場合には、系内を廻る第1脱塩用洗液の塩素イオン濃度を任意に調整したり、第1脱塩用洗液を新たにしたうえ、供給される塩素含有粉体ごとに処理を実施すればよい。系内を廻る第1脱塩用洗液の循環利用回数の目安としては、脱塩処理する対象物によっても異なるが、脱塩処理対象物が焼却飛灰、溶融飛灰、又は塩素バイパスダストであって、繰り返し処理の初回の第1脱塩用洗液として海水そのもの(海水が100%を占める)を使用し、なお且つ、第1脱塩用洗液として第2脱塩用洗液からの循環利用分もなく、初回のものを繰り返し使用した場合、2回〜4回程度、より典型的には、2回〜3回程度、第1脱塩用洗液を新たに調整することなく、供給される塩素含有粉体の処理を繰り返すことが可能である。
図2には、本発明に係る塩素含有粉体の脱塩処理方法の第2の実施形態を表わすフロー図を示す。
この実施形態では、図1に示した実施形態に加えて、上記した脱塩ケーキ洗浄工程からの第2ろ液について、少なくともその一部を第2脱塩用洗液として循環利用する。これにより、一度使用した第2脱塩用洗液の少なくとも一部が循環利用されるので、洗い水の節約に資する。
また、繰り返し利用される第2脱塩用洗液の塩素イオン濃度は、繰り返し回数につれて上昇するので、これを監視し、制御する。ここで「監視」及び「制御」とは、上記第1脱塩用洗液の場合と同様の意義である。また、「監視」もしくは「制御」の対象である「第2脱塩用洗液」とは、第1脱塩ケーキを洗浄する状態を直接監視したり制御したりするだけではなく、所定の配合割合で新たな洗液等と調合したうえで循環利用する場合には、その調合前のものの塩素イオン濃度を対象にしたりしてもよい。すなわち、第1脱塩ケーキを洗浄する洗液を構成する第2脱塩用洗液の塩素イオン濃度を、実質的に監視し、制御すればよい。
以上により、系内を廻る第2脱塩用洗液の塩素イオン濃度が上昇し過ぎて、第1脱塩ケーキの洗浄後に得られる第2脱塩ケーキ中に塩素イオンが高濃度に残存してしまい、ひいてはそのままではセメント原料としての使用が困難となることを防ぐことができる。例えば、第1脱塩ケーキを洗浄するための第2脱塩用洗液の塩素イオン濃度が所定の閾値を超えるような場合には、系内を廻る第2脱塩用洗液の塩素イオン濃度を任意に調整したり、第2脱塩用洗液を新たにしたうえ、供給される塩素含有粉体ごとに処理を実施すればよい。系内を廻る第2脱塩用洗液の循環利用回数の目安としては、脱塩処理する対象物によっても異なるが、脱塩処理対象物が焼却飛灰、溶融飛灰、又は塩素バイパスダストであって、第2脱塩用洗液として工水(真水)を使用した場合、2回〜4回程、より典型的には、2回〜3回程度、第2脱塩用洗液を新たに調整することなく、供給される塩素含有粉体の処理を繰り返すことが可能である。
本発明に用いられる第1脱塩用洗液としては、工水(真水)等の海水以外の水や、これに必要に応じて任意にNaCl、KCl等の塩素イオン濃度の調整剤を添加して塩素イオン濃度を調整した塩素含有水を用いてもよいが、多量の工水(真水)を使用できない地域であったり、コスト面等で工水(真水)の使用が制限されたりする場合などにおいては、海水を利用することが便宜である。海水を利用する場合には、第1脱塩用洗液として、その100質量%を海水が占めるようにしてもよく、あるいは、海水と海水以外の水との混合液であってもよい。その場合には、第1脱塩用洗液として、海水が少なくとも50質量%以上を海水が占めるようにすることが好ましく、75質量%以上を海水が占めるようにすることがより好ましい。海水を母体とすることにより、海水の緩衝液としての作用効果によって、重金属類が含まれた廃棄物である焼却飛灰等の塩素含有粉体を処理する場合に、その重金属類であるPb、Zn等が上記第1脱塩用洗液で構成したスラリーの液相中に溶出しにくくなり、ひいては重金属類を含む排水の処理コストの軽減に寄与する。すなわち、例えば、後述する重金属類の不溶化処理に必要となる酸化還元電位調整剤、無機凝集剤、高分子凝集剤等の使用量を軽減することが可能となる。
ただし、繰り返し処理の初回に加える第1脱塩用洗液の塩素イオン濃度としては、2質量%〜5質量%であることが好ましく、2質量%〜4質量%であることがより好ましく、2質量%〜3質量%であることが最も好ましい。特には、繰り返し処理の初回に加える第1脱塩用洗液として、海水そのもの(海水が100質量%占める)を用いてもよく、その場合、塩素イオン濃度としては3質量%程度となる。繰り返し処理の初回に加える第1脱塩用洗液の塩素イオン濃度が上記範囲未満であると、第1脱塩用洗液として海水をそのまま利用することが困難となる。また、繰り返し処理の初回に加える第1脱塩用洗液の塩素イオン濃度が上記範囲を超えると、繰り返し処理の回数を稼ぐことができずに、洗い水の使用量の節約にあまり資するところがない。
一方、複数回繰り返し処理後には、塩素含有粉体とのスラリーを構成する第1脱塩用洗液の塩素イオン濃度としては、3質量%〜15質量%が好ましく、3質量%〜10質量%がより好ましく、3質量%〜5質量%が特に好ましい。この範囲を超えると、その第1脱塩用洗液で構成したスラリーの液相中への塩素の溶出効率が悪く、ひいては塩素除去効率を損ねる結果となる場合があるからでる。
本発明に用いられる第2脱塩用洗液としては、海水を利用してもよい点など、第1脱塩用洗液と同様である。ただし、第2脱塩用洗液を循環利用する場合には、繰り返し処理の初回に脱塩ケーキを洗浄する第2脱塩用洗液の塩素イオン濃度としては、3.5質量%以下であることが好ましく、3質量%以下であることがより好ましく、2.5質量%以下であることが最も好ましい。また、複数回繰り返し処理の後に脱塩ケーキを洗浄する第2脱塩用洗液の塩素イオン濃度としても、同様である。塩素イオン濃度が上記範囲を超えると、脱塩ケーキ洗浄工程後に得られる脱塩ケーキ中に塩素イオンが高濃度に残存してしまい、ひいてはそのままではセメント原料に使用できるものと成すことができなくなるからである。
図3には、本発明に係る塩素含有粉体の脱塩処理装置の第1の実施形態を表わす全体構成図を示す。この実施形態に係る脱塩処理装置1には、塩素含有粉体供給装置21から供給される塩素含有粉体P1と、第1脱塩用洗液供給装置22から供給される第1脱塩用洗液W1とを収容する溶出槽2が備わる。溶出槽2では塩素含有粉体P1に第1脱塩用洗液W1を混合してスラリーにして、そのスラリーを所定の時間混合、撹拌することにより、塩素含有粉体P1に含有される塩素を液相に溶解させて溶出するようにしている。この実施形態では、溶出槽2には撹拌装置24が備わり、その撹拌翼24aを回転させることにより、上記スラリーを所定の時間混合、撹拌できるようになっている。また、溶出槽2から排出され、スラリー搬送装置4で搬送されたスラリーS1を固液分離する第1固液分離装置3が備わる。第1固液分離装置3では、スラリーS1から液相の一部又は全部を分離して第1脱塩ケーキC1と第1ろ液W3が得られる。なお、この実施形態では第1固液分離装置3としてフィルタープレスを使用している。
第1固液分離装置3においては、また、得られた第1脱塩ケーキC1を、第2脱塩用洗液供給装置31から供給される第2脱塩用洗液W2で洗浄できるようにしている。具体的には、溶出槽2で処理されたスラリーS1を第1固液分離装置3に搬送する経路の途中には、バルブ機構Vaを設け、一方、第2脱塩用洗液供給装置31から第2脱塩用洗液W2を第1固液分離装置3に流通させる経路の途中にも、他のバルブ機構Vbを設けて、スラリーS1と第2脱塩用洗液W2とを選択的に第1固液分離装置3に仕向けることを可能にし、そして、まずはスラリーS1を第1固液分離装置3に仕向けて、第1固液分離装置3で処理して第1脱塩ケーキC1を得、その後に、第2脱塩用洗液W2を第1固液分離装置3に仕向けて、これで第1脱塩ケーキC1を洗浄して第2脱塩ケーキC2と第2ろ液W4を得ることができるようにしている。また、その第1固液分離装置3において、上記した脱塩ケーキ形成工程により生じた第1ろ液W3や、上記した脱塩ケーキ洗浄工程により生じた第2ろ液W4は、所定のバルブ機構Vcを介し、所定の送液ポンプ機構からなる第1送液装置5により、第1脱塩用洗液供給装置22の貯留部に送液して、第1脱塩用洗液W1として循環利用することができるようになっている。なお、所望の場合、例えば第1ろ液W3の塩素イオン濃度が高くなり過ぎた場合などには、第1ろ液W3の一部又は全部を、所定のバルブ機構Vdを介して系外に向けた排液W5に仕向けるようにしてもよい。
また、第1脱塩用洗液供給装置22の貯留部には、第1塩素イオン濃度監視装置7が設けられ、第1脱塩用洗液供給装置22の貯留部に貯留される第1脱塩用洗液W1の塩素イオン濃度を監視するようにしている。この実施形態では、第1塩素イオン濃度監視装置7として塩素イオンメータを使用している。第1塩素イオン濃度監視装置7としては、他にも、適当な倍率の希釈水について、イオンクロマトグラフィー等の汎用の分析方法を用いてもよい。また、第1塩素イオン濃度監視装置7の配置位置としては、この実施形態のように、第1脱塩用洗液供給装置22の貯留部内の内容物の塩素イオン濃度を直接に測定可能に配置してもよく、第1脱塩用洗液供給装置22の貯留部に入る直前の位置に測定可能に配置してもよい。すなわち、いずれの配置であっても、第1脱塩用洗液W1における塩素イオン濃度を見積ることができればよい。
また、第1脱塩用洗液供給装置22には所定の調整弁機構からなる第1供給調整弁22aが備わり、第1脱塩用洗液供給装置22に備わる貯留槽内の内容物を第1脱塩用洗液W1として溶出槽2に仕向けるか、系外に向けた排液W5に仕向けるかを、第1供給調整弁22aにより振り分けることを可能にしており、また、それらに仕向ける液量を調整することができるようにしている。
更に、この実施形態に係る脱塩処理装置1には、第1脱塩用洗液供給装置22に新たな第1脱塩用洗液W1aを供給するための新たな第1脱塩用洗液の供給装置23が備わり、所定の調整弁機構からなる第2供給調整弁23aを介して、所望の場合には、系内の第1脱塩用洗液の一部として添加したり、複数回繰り返し用いられた第1脱塩用洗液の一部又は全部を入れ替えることができるようになっている。この場合、第1脱塩用洗液供給装置22の貯留部の内容物は、適宜、新たな第1脱塩用洗液W1aが供給された分量に応じた分量を、系外に向けた排液W5に仕向けるようにしてもよい。
一方、第2脱塩用洗液供給装置31には所定の調整弁機構からなる第3供給調整弁31aが備わり、第2脱塩用洗液供給装置31に備わる貯留槽内の内容物を第2脱塩用洗液W2として第1固液分離装置3に仕向けるか、系外に向けた排液W5に仕向けるかを、第3供給調整弁31aにより振り分けることを可能にしており、また、それらに仕向ける液量を調整することができるようにしている。
更に、この実施形態に係る脱塩処理装置1には、第2脱塩用洗液供給装置31に新たな第2脱塩用洗液W2aを供給するための新たな第2脱塩用洗液の供給装置32が備わり、所定の調整弁機構からなる第4供給調整弁32aを介して、所望の場合には、系内の第2脱塩用洗液の一部として添加したり、複数回繰り返し用いられた第2脱塩用洗液の一部又は全部を入れ替えることができるようになっている。この場合、第2脱塩用洗液供給装置31の貯留部の内容物は、適宜、新たな第2脱塩用洗液W2aが供給された分量に応じた分量を、系外に向けた排液W5に仕向けるようにしてもよい。
なお、第1脱塩用洗液供給装置22及び/又は第2脱塩用洗液供給装置31の貯留部の内容物の系外に向けた排出の態様としては、スラリーS1を処理しないタイミング等の所望のタイミングで、溶出槽2及び/又は第1固液分離装置3への経路に仕向けて、第1固液分離装置3に備わる排液経路から所定のバルブ機構Vdを介して排出するようにしてもよい。また、排液W5は、後述するように、重金属の除去の処理を施したうえで、系外に排出するようにしてもよい。
溶出槽2では、塩素含有粉体P1と第1脱塩用洗液W1とを混合、撹拌してスラリーS1を発生させるが、この際の塩素含有粉体P1と第1脱塩用洗液W1との質量比(W1/P1)は、4〜10が好ましく、4〜7がより好ましく、4〜5が特に好ましい。質量比(W1/P1)が4よりも小さい場合、塩素含有粉体P1からの塩素の溶出が不充分となる場合がある。また、質量比(W1/P1)が10よりも大きい場合、次工程の第1固液分離装置3において発生する排水量が多くなる。
上述したとおり、溶出槽2において塩素含有粉体P1と混合され、スラリーS1を構成する第1脱塩用洗液W1の塩素イオン濃度は、3質量%〜15質量%が好ましく、3質量%〜10質量%がより好ましく、3質量%〜5質量%が特に好ましい。すなわち、第1脱塩用洗液W1には海水よりも塩素濃度の高い水を用いることができるので、後工程のスラリーS1の固液分離で排出される液相の塩素濃度が15質量%以下であるならば、かかる液相を第1脱塩用洗液W1として利用することができるため、塩素含有粉体の脱塩処理から発生する排水量を有効に抑制することができる。それに対して、第1脱塩用洗液W1の塩素イオン濃度が上記範囲を超える場合、塩素含有粉体P1からの塩素の溶出量が抑制され、ひいては塩素除去効率を損ねる場合がある。
上述したとおり、第1脱塩用洗液W1の塩素濃度の下限の3質量%は、かかる第1脱塩用洗液W1が、海水を使用することにより定まる値である。ここで、塩素含有粉体P1の脱塩に用いる第1脱塩用洗液W1を、海水を母体とすることにより、炭酸塩系のpH緩衝液としての効果を有する海水によってスラリーS1のpHは、11〜12の弱アルカリ域に安定化される。このスラリーS1のpHの安定化によって、塩素含有粉体P1が含有しているPbやZn等の両性金属成分の液相への溶出が抑制されると考えられる。
溶出槽2における、撹拌翼24aによるスラリーS1の撹拌時間は、好ましくは10分間〜3時間、より好ましくは10分間〜2時間、さらに好ましくは15分間〜1時間である。スラリーS1の撹拌時間が10分間よりも短い場合、塩素含有粉体P1からの塩素の溶出が不充分となる場合がある。また、スラリーS1の撹拌時間が3時間よりも長い場合、単位時間における塩素含有粉体P1の脱塩処理量が少なくなる。
溶出槽2においてスラリーS1を処理する温度条件としては、高い程、塩素含有粉体P1からの塩素の溶出量が多くなるが、処理に係るコストの観点からは、5℃〜30℃の常温域が好ましく、15℃〜30℃がより好ましい。その場合、溶出槽2には、ヒーター等、所定の温度管理装置が備わってもよい。
溶出槽2からスラリーS1を第1固液分離装置3へ搬送するためのスラリー搬送装置4としては、スクリューポンプやモーノポンプ等の汎用のスラリーポンプを使用すればよい。
第1固液分離装置3において、スラリーS1は第1脱塩ケーキC1と第1ろ液W3に分離される。ここで、分離された第1脱塩ケーキC1中の塩分含有率(CCl(質量%))は、第1脱塩ケーキC1の含水率(C(質量%))、分離された第1ろ液W3の塩分含有率(WCl(質量%))、及び第1脱塩ケーキC1中の非水溶性塩分量(CCl-NS(質量%))を用いて、以下の式(1)で近似できる。
Cl≒C×WCl+CCl-NS・・・(1)
ここで、一般的な塩素含有粉体P1の非水溶性塩分含有率(CCl-NS)は、0.8質量%〜1.2質量%である。
すなわち、溶出槽2において塩素含有粉体P1の塩素のほとんどは第1ろ液W3に溶解するため、スラリーS1を固液分離して得られた第1脱塩ケーキC1は、塩素をほとんど含有しない固相と塩素が溶解した液相から構成され、かかる第1脱塩ケーキC1に含まれる上記液相は、固液分離で分離された第1ろ液W3と同じであるので、上記近似式(1)が成立することから、第1脱塩ケーキC1中の塩分含有率(CCl)を低減するためには、第1脱塩ケーキC1の含水率(C)を小さくすればよい。
以上の理由から、第1固液分離装置3には、得られる第1脱塩ケーキC1の含水率を小さくできる装置が用いられ、この実施形態のように、特にフィルタープレスが好ましく用いられる。フィルタープレスで、塩素含有粉体P1からなるスラリーS1を固液分離した場合に得られる第1脱塩ケーキC1の含水率は、通常50質量%以下である。
かかる第1固液分離装置3では、一旦固液分離して得られた含水率が50質量%程度の第1脱塩ケーキC1に対して、第2脱塩用洗液W2を用いて洗浄を行い、かかる第1脱塩ケーキC1が含有する液相のほとんど全てを、第2脱塩用洗液W2に置換する。
具体的には、第1固液分離装置3(フィルタープレス)のろ室に存する含水率が50質量%程度の第1脱塩ケーキC1に対して、かかるろ室を構成する脱塩ケーキ側面のろ板から、第2脱塩用洗液供給装置31から供給された第2脱塩用洗液W2を圧入し、第1脱塩ケーキC1に第2脱塩用洗液W2を透過させ、ろ室を構成するもう一方の側面のろ板から排出することによって、第1脱塩ケーキC1が含有する液相は第2脱塩用洗液W2に置換され、これが第2脱塩ケーキC2をなす。なお、この洗浄は、脱塩ケーキの含水率が50質量%程度のまま行われる。
上述したように、第2脱塩用洗液W2には、海水や真水、又は第2ろ液W4を循環利用する場合にはその第2ろ液W4を含め、それらのいずれか1つ、もしくはそれらの任意の組合せの混合水を用いればよい。ここで、塩素イオン濃度が3.5質量%以下の第2脱塩用洗液W2を使用することで、得られる第2脱塩ケーキC2の塩素含有率を、ケーキの湿潤質量の全体の少なくとも2質量%以下にすることができる。なお、第2脱塩用洗液W2に真水を使用した場合であっても、上記洗浄で第1脱塩ケーキC1を第2脱塩用洗液W2が透過する時間は、相対的に非常に短時間であるので、上記スラリーからの溶出工程とは異なり、第1脱塩ケーキC1の固相に固定されている両性金属成分の液相への溶出はほとんど生じない。
上記脱塩ケーキ洗浄工程での第2脱塩用洗液W2の使用量は、第1脱塩ケーキC1中の塩素含有粉体P1の1倍量以上が好ましく、2倍量以上がより好ましく、4倍量以上が特に好ましい。第2脱塩用洗液W2の使用量が塩素含有粉体P1の1倍量未満の場合、含水率が50質量%程度の第1脱塩ケーキC1中の液相を、第2脱塩用洗液W2に十分に置換できない場合がある。また、第2脱塩用洗液W2の使用量が塩素含有粉体P1の4倍量を超える場合、脱塩ケーキ洗浄工程から発生する排水量が多くなる。
第1脱塩ケーキC1中の液相が第2脱塩用洗液W2に切り替わったことの確認は、脱塩ケーキ洗浄工程で排出される第2ろ液W4の塩素イオン濃度をモニターし、その塩素濃度が第2脱塩用洗液W2の塩素イオン濃度と同じか、近い値であることを確認すればよい。具体的には、第2ろ液W4を直接か、あるいは適当な倍率の希釈水を調製したうえ、イオンクロマトグラフィーや塩素イオンメータ等の汎用の分析方法を用いればよい。
図3に示す実施形態では、第1固液分離装置3からの第1ろ液W3、及び/又は第2ろ液W4は、第1送液装置5によって第1脱塩用洗液供給装置22の貯留部に送られて、第1脱塩用洗液W1として循環利用されるようになっている。すなわち、この実施形態では、第1脱塩用洗液W1は循環利用を基本とし、これにより排出される工程排水量が抑制される。なお、図3に示す実施形態では、第1固液分離装置3からの第1ろ液W3、及び/又は第2ろ液W4は、第1送液装置5によって第1脱塩用洗液供給装置22の貯留部に送られるようにしているが、溶出槽2に直接的に送られるようにしてもよい。また、第1脱塩用洗液W1は循環利用を基本とするが、その一部を、上述した新たな第1脱塩用洗液の供給装置23から第2供給調整弁23aを介して第1脱塩用洗液供給装置22に供給される、新たな第1脱塩用洗液W1aにより塩素イオン濃度を薄めつつ、循環利用してもよい。その場合、1の循環に対し、新たな第1脱塩用洗液W1aを添加するタイミングや配合割合は、試運転の評価に基づく等して、適宜所望のタイミングや配合割合を設定すればよい。
上述した通り、第1脱塩用洗液供給装置22には、貯留部の内容物を排液W5として系外に向け排出することを可能にする、所定の調整弁機構からなる第1供給調整弁22aが備わり、なお且つ、第1固液分離装置3からの第1ろ液W3や第2ろ液W4については、所定のバルブ機構Vdを介して排液W5として系外に向け排出する経路が設けられている。よって、新たな第1脱塩用洗液W1aを添加した量、あるいは場合によっては新たな第2脱塩用洗液W2aを添加した量、に相当する量の系外に向けた排液W5を生じさせることにより、総じて循環利用する第1脱塩用洗液W1の系内量の範囲は、適宜、調整可能となっている。
また、図3に示す実施形態では、制御装置201を備え、第1塩素イオン濃度監視装置7からの測定信号を受信し、それに基づき、所定の指令信号を、第1脱塩用洗液供給装置22に備わる第1供給調整弁22aや、新たな第1脱塩用洗液の供給装置23に備わる第2供給調整弁23aや、第1送液装置5に送信できるようにしている。これによれば、例えば、第1塩素イオン濃度監視装置7による測定値が、所定の閾値を超えた場合に、その測定結果に基づいて制御装置201が送信する、第1送液装置5に対する指令信号により、第1送液装置5の動作による第1ろ液W3や第2ろ液W4の送液を止めたり、第1供給調整弁22aや第2供給調整弁23aに対する指令信号により、これら調整弁機構が上述した動作を行って、系内を循環する第1脱塩用洗液W1に新たな第1脱塩用洗液W1aを供給して塩素イオン濃度を下げる制御を行うなど、フィードバック制御を行うことができる。また、第1塩素イオン濃度監視装置7による測定値に相応した、新たな第1脱塩用洗液W1aの供給量が自動的に決定されるようにしてもよく、その供給動作が自動的、且つ、連続的になされるようにすることも可能である。
なお、図中には示されないが、図3に示す実施形態において、制御装置201は、所定のバルブ機構を制御して、そのバルブ機構を介した送液の液量(又はスラリー量)の調整が行われるようにしてもよく、これにより、例えばバルブ機構Vcを制御して、上記したフィードバック制御時の第1ろ液W3や第2ろ液W4の送液をコントロールしてもよい。
図3に示す実施形態では、第1固液分離装置3から排出された第2脱塩ケーキC2は、脱塩ケーキ搬送装置9によってセメント製造装置に搬送するようにしている。この場合、脱塩ケーキ搬送装置9には、含水率が50質量%程度のケーキが搬送できるものであれば特に限定されず、ベルトコンベア等の汎用の装置が使用できる。また、脱塩処理装置による処理の実施場所とセメント製造装置の実施場所が相当距離離れていているような場合には、ベルトコンベア等の運搬設備の他に、トラックや船舶等の運搬手段を採用することも可能である。
一方、図4には、本発明に係る塩素含有粉体の脱塩処理装置の第2の実施形態を表わす全体構成図を示す。この実施形態に係る脱塩処理装置10では、上記図3に示した脱塩処理装置の構成に加えて、第1固液分離装置3における脱塩ケーキ洗浄工程で排出される第2ろ液W4を第2脱塩用洗液として循環利用するための経路を設けている。すなわち、第1固液分離装置3における脱塩ケーキ形成工程及び/又は脱塩ケーキ洗浄工程により生じた、上記第1ろ液W3、及び/又は上記第2ろ液W4は、所定のバルブ機構Veを介して、所定の送液ポンプ機構からなる第1送液装置5により、第1脱塩用洗液供給装置22の貯留部に送液して、第1脱塩用洗液W1として循環利用することができるようになっている一方、第1固液分離装置3における脱塩ケーキ洗浄工程で排出される第2ろ液W4は、所定のバルブ機構Vfを介して、所定の送液ポンプ機構からなる第2送液装置6により、第2脱塩用洗液供給装置31の貯留部に送液して、第2脱塩用洗液W2としても循環利用することができるようになっている。なお、所望の場合、例えば第2ろ液W4の塩素イオン濃度が高くなり過ぎた場合などには、第2ろ液W4の一部又は全部を、所定のバルブ機構Vcを介して、系外に向けた排液W5に仕向けるようにしてもよい。
また、第2脱塩用洗液供給装置31の貯留部には、第2塩素イオン濃度監視装置8が設けられ、第2脱塩用洗液供給装置31の貯留部に貯留される第2脱塩用洗液W2の塩素イオン濃度を監視するようにしている。第2塩素イオン濃度監視装置8としては、上述した第1塩素イオン濃度監視装置7と同様のものを使用すればよく、塩素イオン濃度の測定においては、適当な倍率の希釈水について測定を行ってもよい。例えば、塩素イオンメータ、イオンクロマトグラフィー等の汎用の分析方法を用いればよい。この実施形態では塩素イオンメータを使用している。また、第2塩素イオン濃度監視装置8の配置位置としては、第2脱塩用洗液供給装置31の貯留部内の内容物の塩素イオン濃度を直接に測定可能に配置してもよく、あるいは第2脱塩用洗液供給装置31の貯留部に入る直前の位置に測定可能に配置してもよく、すなわち、いずれの配置であっても、第2脱塩用洗液W2における塩素イオン濃度を見積ることができればよい。
図4に示す実施形態では、第1固液分離装置3からの第2ろ液W4は、第2送液装置6によって第2脱塩用洗液供給装置31の貯留部に送られて、第2脱塩用洗液W2として循環利用されるようになっている。すなわち、この実施形態では、第2脱塩用洗液W2は循環利用を基本とし、これにより排出される工程排水量が抑制される。なお、第2脱塩用洗液W2は循環利用を基本とするが、その一部を、上述した新たな第2脱塩用洗液の供給装置32から第4供給調整弁32aを介して第2脱塩用洗液供給装置31に供給される、新たな第2脱塩用洗液W2aにより塩素イオン濃度を薄めつつ、循環利用してもよい。その場合、1の循環に対し、新たな第2脱塩用洗液W2aを添加するタイミングや配合割合は、試運転の評価に基づく等して、適宜所望のタイミングや配合割合を設定すればよい。
上述した通り、第2脱塩用洗液供給装置31には、貯留部の内容物を排液W5として系外に向け排出することを可能にする、所定の調整弁機構からなる第3供給調整弁31aが備わり、なお且つ、第1固液分離装置3からの第1ろ液W3、及び/又は第2ろ液W4については、所定のバルブ機構Vcを介して排液W5として系外に向け排出する経路が設けられている。よって、新たな第2脱塩用洗液W2aを添加した量、あるいは場合によっては新たな第1脱塩用洗液W1aを添加した量、に相当する量の系外に向けた排液W5を生じさせることにより、総じて循環利用する第2脱塩用洗液W2の系内量の範囲は、適宜、調整可能となっている。
また、図4に示す実施形態では、図3に示した実施形態と同様に、制御装置201を備え、上述した第1塩素イオン濃度監視装置7によるフィードバック制御とともに、あるいはそれと独立して、第2塩素イオン濃度監視装置8によるフィードバック制御を可能にしている。すなわち、第2塩素イオン濃度監視装置8の測定信号を受信し、それに基づき、所定の指令信号を、第2脱塩用洗液供給装置31に備わる第3供給調整弁31aや、新たな第2脱塩用洗液の供給装置32に備わる第4供給調整弁32aや、第2送液装置6に送信できるようにしている。これによれば、例えば、第2塩素イオン濃度監視装置8による測定値が、所定の閾値を超えた場合に、その測定結果に基づいて制御装置201が送信する、第2送液装置6に対する指令信号により、第2送液装置6の動作による第2ろ液W4の送液を止めたり、第3供給調整弁31aや第4供給調整弁32aに対する指令信号により、これら弁機構が上述した動作を行って、系内を循環する第2脱塩用洗液W2に新たな第2脱塩用洗液W2aを供給して塩素イオン濃度を下げる制御を行うなど、フィードバック制御を行うことができる。また、第2塩素イオン濃度監視装置8による測定値に相応した、新たな第2脱塩用洗液W2aの供給量が自動的に決定されるようにしてもよく、その供給動作が自動的、且つ、連続的になされるようにすることも可能である。
なお、図中には示されないが、図4に示す実施形態において、制御装置201は、所定のバルブ機構を制御して、そのバルブ機構を介した送液の液量(又はスラリー量)の調整が行われるようにしてもよく、これにより、例えばバルブ機構Veを制御して、上記したフィードバック制御時の第1ろ液W3や第2ろ液W4の送液をコントロールしてもよく、例えばバルブ機構Vfを制御して、上記したフィードバック制御時の第2ろ液W4の送液をコントロールしてもよい。
一般に、焼却灰等の脱塩処理により生じる排液中には、溶出させた塩素と共にCr、Pb、Zn等の重金属類を含有しており、そのままでは環境基準を満たすように系外に排出することが困難である。そこで、図5〜図9には、本発明に係る塩素含有粉体の脱塩処理方法の更に他の実施形態を表わすフロー図を示す。これらの実施形態では、本発明による脱塩処理で生じる排液中に含まれる重金属を除去する処理を施す。
図5には、本発明に係る塩素含有粉体の脱塩処理方法の第3の実施形態を表わすフロー図を示す。この実施形態においては、上記した脱塩処理により生じる第1ろ液、第2ろ液、第1脱塩用洗液として循環利用後の該第1脱塩用洗液、及び第2脱塩用洗液として循環利用後の該第2脱塩用洗液からなる群から選ばれた1種又は2種以上のうち、第1脱塩用洗液又は前記第2脱塩用洗液として再度利用しないものについて、これを排液として回収する排液回収工程と、回収した排液に重金属捕集剤を添加して、該排液に含まれる重金属を凝集フロック状に不溶化する重金属不溶化工程と、不溶化した重金属を含む凝集フロック含有液から液相の一部又は全部を分離して重金属凝集ケーキ(以下、「第1凝集ケーキ」ともいう。)と第3ろ液を得る重金属凝集ケーキ形成工程とを備えている。これにより、本発明による脱塩処理で生じる排液中に含まれる重金属を、その排液の液相から重金属凝集ケーキとして分離し、除去することができる。また、得られた重金属凝集ケーキは、セメント原料として有効利用することができる。
具体的には、まず、上記した脱塩処理における第1脱塩用洗液又は前記第2脱塩用洗液として再度利用しないものを排液として回収し、これに重金属捕集剤を添加して、回収した排液に含まれる重金属を凝集フロック状に不溶化する。重金属捕集剤としては、pH調整剤及び/又は酸化還元電位調整剤と無機凝集剤、高分子凝集剤などの1種以上の凝集剤との組合せが挙げられる。
この重金属不溶化工程においては、上記回収した排液の酸化還元電位(ORP)は−200mV以下とすることが好ましく、−450mV〜−200mVとすることがより好ましい。上記回収した排液の酸化還元電位を−200mV以下とすることによって、塩素を高濃度に含んでいても、溶存する重金属類を効率的に不溶化することができる。酸化還元電位調整剤としては汎用のものを用いればよいが、例えば、硫化水素ナトリウム(水硫化ソーダ)が好ましい。一方、無機凝集剤や有機凝集剤は、酸化還元電位の調整によって微小に不溶化させた重金属を、より大径の凝集フロック状にして、液相からの分離を容易にするために用いられる。無機凝集剤としては、塩化鉄(FeCl)やポリ塩化アルミニウム(PAC)などが挙げられる。これらは、2種以上を併用してもよい。無機凝集剤としてこれらの塩化鉄やポリ塩化アルミニウムを用いることによって、塩素を高濃度に含んでいても、微小に不溶化させた重金属を効率的にフロック状に凝集させることができる。この際、当該液相への無機凝集剤の添加量は、処理対象液での事前評価による最適添加量を把握することが望ましいが、事前評価等が困難である場合は、酸化還元電位調整剤の添加量と同程度のモル当量相当量であればよい。更に、有機凝集剤は、無機凝集剤で形成された重金属類を含有する小径のフロックを大径化するために用いられる。高分子凝集剤としては、ポリアクリルアミドを主成分とするアニオン系凝集剤などアルカリ性領域での固液分離に用いられる凝集剤を用いればよい。この際、当該液相への高分子凝集剤の添加量は、上記無機凝集剤の添加量の場合と同様に、処理対象液での事前評価による最適添加量を把握することが望ましいが、事前評価等が困難である場合は、回収した排液の20ppm〜30ppmの量を添加すれば十分である。
また、重金属不溶化工程において、上記回収した排液のpHは7〜11とするのが好ましく、pHは7.5〜10.5とすることがより好ましく、pHは8〜10.5とすることが最も好ましい。上記回収した排液のpHが7〜11である場合、重金属の不溶化を効果的に行うことができる。具体的には、例えば、酸化還元電位を揃えて、上記の無機凝集剤及び高分子凝集剤の使用量も同じとした場合に、回収した排液のpHと排液からのPbの除去率の関係の一例を挙げると、pHが6の場合のPb除去率が84.2%、pHが12の場合のPb除去率が98.9%、pHが10.5の場合のPb除去率が99.8%などとなる。なお、上記回収した排液のpH調整に用いるpH調整剤としては、汎用のものでよく、例えば硫酸や水酸化ナトリウムなどの汎用のpH調整剤を用いればよい。
重金属不溶化工程の典型的な態様を挙げれば、上記回収した排液は、必要に応じてpH調整剤によりpHを調整したうえ、酸化還元電位調整剤を添加して5分間〜20分間撹拌混合して、該排液中に含まれている重金属を微小な不溶物にする。その後、無機凝集剤を添加して5分間〜20分間撹拌混合し、更に高分子凝集剤を添加して5分間〜20分間撹拌混合する。これにより、不溶化した重金属がより大径の凝集フロック状になり、一方で液相には塩素が高濃度に溶解しており重金属を含む凝集フロックがその液相に浮遊している。そして、そのような構成の凝集フロック含有液は、通常、スラリー状をなす。
一方、重金属凝集ケーキ形成工程においては、上記した塩素含有粉体の脱塩処理に使用したのと同様、フィルタープレス等の固液分離手段を用いて、不溶化した重金属を含む凝集フロック含有液から液相の一部又は全部を分離して重金属凝集ケーキ(第1凝集ケーキ)と第3ろ液を得る。
図6には、本発明に係る塩素含有粉体の脱塩処理方法の第4の実施形態を表わすフロー図を示す。この実施形態では、図5に示した実施形態に加えて、重金属凝集ケーキ洗浄工程を備え、第1凝集ケーキを第3脱塩用洗液で洗浄して、洗浄後の重金属凝集ケーキ(以下、「第2凝集ケーキ」ともいう。)と第4ろ液を得る。これにより、十分に塩素が除かれた第2凝集ケーキを得ることができ、セメント原料としてより好適に利用しやすい。
図7には、本発明に係る塩素含有粉体の脱塩処理方法の第5の実施形態を表わすフロー図を示す。この実施形態では、図6に示した実施形態に加えて、重金属凝集ケーキ洗浄工程で得られる第4ろ液は、少なくともその一部を、上記した脱塩処理に用いる第1脱塩用洗液として循環利用するようにしている。これにより、第1脱塩用洗液として利用する洗い水の使用量を低減させることができる。
図8には、本発明に係る塩素含有粉体の脱塩処理方法の第6の実施形態を表わすフロー図を示す。この実施形態では、図6に示した実施形態に加えて、上記した脱塩処理における脱塩ケーキ洗浄工程で得られる第2ろ液は、少なくともその一部を、重金属凝集ケーキ洗浄のための第3脱塩用洗液として利用して、その第3脱塩用洗液の塩素イオン濃度を制御しつつ、重金属凝集ケーキ洗浄工程における洗浄処理を行うようにしている。これにより、第3脱塩用洗液として利用する洗い水の使用量を低減させることができる。そして、第2ろ液を第3脱塩用洗液の一部又は全部として利用すると、該第3脱塩用洗液の塩素イオン濃度が上昇傾向となり、ひいては第2凝集ケーキ中に残る塩素イオン濃度が上昇傾向となり、例えばそのままではセメント原料としての使用が困難となる傾向となるが、第3脱塩用洗液の塩素イオン濃度を制御しつつ処理を行うので、該第3脱塩用洗液の塩素イオン濃度が処理に適しなくなったときには、適切なタイミングで是正することが可能である。
図9には、本発明に係る塩素含有粉体の脱塩処理方法の第7の実施形態を表わすフロー図を示す。この実施形態では、図6に示した実施形態に加えて、重金属凝集ケーキ洗浄工程で得られる前記第4ろ液は、少なくともその一部を前記第3脱塩用洗液として循環利用して、その第3脱塩用洗液の塩素イオン濃度を制御しつつ、重金属凝集ケーキ洗浄工程における洗浄処理を行うようにしている。これにより、第3脱塩用洗液として利用する洗い水の使用量を低減させることができる。そして、第4ろ液を第3脱塩用洗液の一部又は全部として循環利用すると、該第3脱塩用洗液の塩素イオン濃度が上昇傾向となり、ひいては第2凝集ケーキ中に残る塩素イオン濃度が上昇傾向となり、例えばそのままではセメント原料としての使用が困難となる傾向となるが、第3脱塩用洗液の塩素イオン濃度を制御しつつ処理を行うので、該第3脱塩用洗液の塩素イオン濃度が処理に適しなくなったときには、適切なタイミングで是正することが可能である。
本発明に用いられる第3脱塩用洗液としては、海水を利用してもよい点など、上記した脱塩処理に用いられる第1脱塩用洗液や第2脱塩用洗液と同様である。ただし、第3脱塩用洗液を循環利用する場合には、繰り返し処理の初回に脱塩ケーキを洗浄する第3脱塩用洗液の塩素イオン濃度としては、3.5質量%以下であることが好ましく、3質量%以下であることがより好ましく、2.5質量%以下であることが最も好ましい。また、複数回繰り返し処理の後に脱塩ケーキを洗浄する第3脱塩用洗液の塩素イオン濃度としても、同様である。塩素イオン濃度が上記範囲を超えると、重金属凝集ケーキ洗浄工程後に得られる脱塩ケーキ中に塩素イオンが高濃度に残存してしまい、ひいてはそのままではセメント原料に使用できるものと成すことができなくなるからである。
また、上記図8で説明した実施形態のように、上記した脱塩処理における脱塩ケーキ洗浄工程で得られる第2ろ液を第3脱塩用洗液として利用する場合、その第3脱塩用洗液の塩素イオン濃度は、上記した脱塩処理における第2ろ液の循環利用の繰り返し回数に応じて上昇するので、これを監視し、制御する。また、上記図9で説明した実施形態のように、繰り返し利用される第3脱塩用洗液の塩素イオン濃度は、繰り返し回数につれて上昇するので、これを監視し、制御する。ここで「監視」及び「制御」とは、上記した脱塩処理における第1脱塩用洗液や第2脱塩用洗液の場合と同様の意義である。また、「監視」もしくは「制御」の対象である「第3脱塩用洗液」とは、第1凝集ケーキを洗浄する状態を直接監視したり制御したりするだけではなく、所定の配合割合で新たな洗液等と調合したうえで循環利用する場合には、その調合前のものの塩素イオン濃度を対象にしたりしてもよい。すなわち、第1凝集ケーキを洗浄する洗液を構成する第3脱塩用洗液の塩素イオン濃度を、実質的に監視し、制御すればよい。
以上により、系内を廻る第3脱塩用洗液の塩素イオン濃度が上昇し過ぎて、第1凝集ケーキの洗浄後に得られる第2凝集ケーキ中に塩素イオンが高濃度に残存してしまい、ひいてはそのままではセメント原料としての使用が困難となることを防ぐことができる。例えば、第1凝集ケーキを洗浄するための第3脱塩用洗液の塩素イオン濃度が所定の閾値を超えるような場合には、系内を廻る第3脱塩用洗液の塩素イオン濃度を任意に調整したり、第3脱塩用洗液を新たにしたうえ、供給される塩素含有粉体ごとに処理を実施すればよい。
以下では、図10〜図12を参照しつつ、本発明に係る塩素含有粉体の脱塩処理方法及び塩素含有粉体の脱塩処理装置について、更に説明する。
図10には、本発明に係る塩素含有粉体の脱塩処理装置の第3の実施形態を表わす全体構成図を示す。この実施形態に係る脱塩処理装置20では重金属不溶化反応槽11を備え、上記した脱塩処理における第1ろ液、第2ろ液、第1脱塩用洗液として循環利用後の該第1脱塩用洗液、及び第2脱塩用洗液として循環利用後の該第2脱塩用洗液からなる群から選ばれた1種又は2種以上のうち、第1脱塩用洗液又は第2脱塩用洗液として再度利用しないものを排液として回収して収容することができるようにしている。
より具体的に図10に示す実施形態では、上記した脱塩処理における固液分離装置3から、第1ろ液W3及び/又は第2ろ液W4が、所定のバルブ機構Vdを介して、排液W5として系外に向けて仕向けられる場合に、これを重金属不溶化反応槽11に回収して収容することができる。また、上記した脱塩処理における第1脱塩用洗液供給装置22の貯留部から、再度利用しない第1脱塩用洗液が、第1供給調整弁22aを介して、更に所定のバルブ機構Vg及びVhを介して、排液W5として系外に向けて仕向けられる場合に、これを重金属不溶化反応槽11に回収して収容することができる。また、上記した脱塩処理における第2脱塩用洗液供給装置31の貯留部から、再度利用しない第2脱塩用洗液が、第1供給調整弁31aを介して、更に所定のバルブ機構Vi及びVhを介して、排液W5として系外に向けて仕向けられけられる場合に、これを重金属不溶化反応槽11に回収して収容することができる。更に、上述したように、上記した脱塩処理において第1脱塩用洗液供給装置22及び/又は第2脱塩用洗液供給装置31の貯留部の内容物の系外に向けた排出の態様としては、スラリーS1を処理しないタイミング等の所望のタイミングで、溶出槽2及び固液分離装置3への経路に仕向けて、固液分離装置3に備わる排液経路から所定のバルブ機構Vdを介して排出するようにしてもよいので、そのような排液W5も重金属不溶化反応槽11に回収して収容することができる。
また、この実施形態では、重金属不溶化反応槽11にORP調整剤供給装置111が備わり、重金属不溶化反応槽11に酸化還元電位調整剤A1が適宜供給可能とされている。また、無機凝集剤供給装置112が備わり、重金属不溶化反応槽11に無機凝集剤A2が適宜供給可能とされている。また、高分子凝集剤供給装置113が備わり、重金属不溶化反応槽11に高分子凝集剤A3が適宜供給可能とされている。また、pH調整剤供給装置114が備わり、重金属不溶化反応槽11にpH調整剤A4が適宜供給可能とされている。また、重金属不溶化反応槽11には撹拌装置115が備わり、その撹拌翼115aを回転させることにより、槽内の貯留物を所定の時間混合、撹拌できるようになっている。
重金属不溶化反応槽11では、上記回収した排液に酸化還元電位調整剤、無機凝集剤、高分子凝集剤等の重金属捕集剤を添加して、好ましくは、上述したように酸化還元電位調整剤、無機凝集剤、高分子凝集剤の順に添加して該排液中の重金属を、凝集フロック状に不溶化し、スラリー状の凝集フロック含有液(以下、「スラリーS2」とする。)を形成させる。より具体的に、重金属不溶化反応槽11では、撹拌装置115の撹拌翼115aを回転させることにより、第1ろ液W3又は第2ろ液W4からなる排液W5と、酸化還元電位調整剤A1、無機凝集剤A2、高分子凝集剤A3、pH調整剤A4とを所定の時間混合、撹拌してスラリーS2を形成させることができる。この場合、撹拌翼115aによるスラリーS2を形成させるための撹拌時間は、酸化還元電位調整剤、無機凝集剤、及び高分子凝集剤を添加毎に好ましくは5分間〜20分間、より好ましくは10分間〜20分間、更に好ましくは15分間〜20分間である。スラリーS2の撹拌時間が5分間よりも短い場合、上記回収した排液中で重金属の不溶化や凝集が不充分となる場合がある。また、スラリーS2の撹拌時間が20分間よりも長い場合、単位時間における処理量が少なくなる。
重金属不溶化反応槽11においてスラリーS2を処理する温度条件としては、特に限定されず、処理に係るコストの観点からは、5℃〜30℃の常温域が好ましく、15℃〜30℃がより好ましい。
なお、図10に示す実施形態では、重金属不溶化反応槽11には、酸化還元電位監視装置161が設けられ、重金属不溶化反応槽11に貯留される上記回収した排液の酸化還元電位を監視するようにしている。酸化還元電位監視装置161としては、公知の測定機器を用いればよく、重金属不溶化反応槽11のスラリー濃度が高い場合には、高濃度懸濁液用の測定機器を用いればよい。
更に、図10に示す実施形態では、重金属不溶化反応槽11には、pH監視装置164が設けられ、重金属不溶化反応槽11に貯留される上記回収した排液のpHを監視するようにしている。pH監視装置164としては、公知の測定機器を用いればよく、また、酸化還元電位の測定も可能であれば、上記酸化還元電位監視装置161と同一の測定機器であってもよい。
また、図10に示す実施形態では、ORP調整剤供給装置111には所定の調整弁機構からなるORP調整剤供給調整弁111aが備わり、ORP調整剤供給装置111から重金属不溶化反応槽11に供給する酸化還元電位調整剤A1の供給量を調整することが可能となっている。同様に、無機凝集剤供給装置112には所定の調整弁機構からなる無機凝集剤供給調整弁112aが備わり、無機凝集剤供給装置112から重金属不溶化反応槽11に供給する無機凝集剤A2の供給量を調整することが可能となっており、高分子凝集剤供給装置113には所定の調整弁機構からなる高分子凝集剤供給調整弁113aが備わり、高分子凝集剤供給装置113から重金属不溶化反応槽11に供給する高分子凝集剤A3の供給量を調整することが可能となっており、また、pH調整剤供給装置114には所定の調整弁機構からなるpH調整剤供給調整弁114aが備わり、pH調整剤供給装置114から重金属不溶化反応槽11に供給するpH調整剤A4の供給量を調整することが可能となっている。
図10に示す実施形態では、上記した脱塩処理の塩素イオン濃度のフィードバック制御にも共通して機能し得る制御装置201が備わり、その制御装置201には、更に、酸化還元電位監視装置161の測定結果、及びpH監視装置164の測定結果が、随時送信されるようになっている。この送信結果を受け、酸化還元電位監視装置161による測定値が、所定の管理範囲を外れている場合に、その測定結果に基づいて制御装置201が送信する、ORP調整剤供給調整弁111aに対する指令信号により、反応槽11に酸化還元電位調整剤A1を供給して酸化還元電位を下げる制御を行うなど、フィードバック制御を行うことができるようにしている。また、同様に、pH監視装置164による測定値が、所定の管理範囲を外れている場合に、その測定結果に基づいて制御装置201が送信する、pH調整剤供給調整弁114aに対する指令信号により、反応槽11にpH調整剤A4を供給してpHを調整する制御を行うなど、フィードバック制御を行うことができるようにしている。
図10に示す実施形態では、重金属不溶化反応槽11から排出され、スラリー搬送装置12で搬送されたスラリーS2を固液分離する第2固液分離装置13が備わる。第2固液分離装置13では、スラリーS2から液相の一部又は全部を分離して重金属凝集ケーキ(以下、「第1凝集ケーキC3」という。)と第3ろ液W6が得られる。なお、第2固液分離装置13としては、上記した脱塩処理において第1固液分離装置3として使用した、フィルタープレス等を使用することが可能である。また、スラリー搬送装置12としては、スクリューポンプやモーノポンプ等の汎用のスラリーポンプを使用すればよい。
また、この実施形態では、第2固液分離装置13から排出された第1凝集ケーキC3は、重金属凝集ケーキ搬送装置15によってセメント製造装置に搬送するようにしている。この場合、重金属凝集ケーキ搬送装置15には、上記した脱塩処理において使用した脱塩ケーキ搬送装置9と同様であり、含水率が50質量%程度のケーキが搬送できるものであれば特に限定されず、ベルトコンベア等の汎用の装置が使用できる。また、脱塩処理装置による処理の実施場所とセメント製造装置の実施場所が相当距離離れていているような場合には、ベルトコンベア等の運搬設備の他に、トラックや船舶等の運搬手段を採用することも可能である。
図11には、本発明に係る塩素含有粉体の脱塩処理装置の第4の実施形態を表わす全体構成図を示す。この実施形態に係る脱塩処理装置30には、上記図10に示した脱塩処理装置の構成に加えて、第2固液分離装置13において、第1凝集ケーキC3を、第3脱塩用洗液供給装置141から供給される第3脱塩用洗液W7で洗浄できるようにしている。具体的には、重金属不溶化反応槽11で処理されたスラリーS2を第2固液分離装置13に搬送する経路の途中には、バルブ機構Vjを設け、一方、第3脱塩用洗液供給装置141から第3脱塩用洗液W3を第2固液分離装置13に流通させる経路の途中にも、他のバルブ機構Vkを設けて、スラリーS2と第3脱塩用洗液W7とを選択的に第2固液分離装置13に仕向けることを可能にし、そして、まずはスラリーS2を第2固液分離装置13に仕向けて、第2固液分離装置13で処理して第1凝集ケーキC3を得、その後に、第3脱塩用洗液W3を第2固液分離装置13に仕向けて、これで第1凝集ケーキC3を洗浄して第2凝集ケーキC4と第4ろ液W8を得ることができるようにしている。また、その第2固液分離装置13において、上記した重金属凝集ケーキ形成工程により生じた第3ろ液W6や、上記した重金属凝集ケーキ洗浄工程により生じた第4ろ液W8は、所定のバルブ機構Vlを介して排液W9として系外に排出することができるようになっている。一方、所望の場合に、上記した重金属凝集ケーキ洗浄工程により得られた第4ろ液W8を、所定のバルブ機構Vmを介して、所定の送液ポンプ機構からなる第3送液装置16により、第1脱塩用洗液供給装置22の貯留部に送液して、第1脱塩用洗液W1として循環利用することができるようにしている。
また、図11に示す実施形態では、第3脱塩用洗液供給装置141には所定の調整弁機構からなる第5供給調整弁141aが備わり、第3脱塩用洗液供給装置141に備わる貯留槽内の内容物を第3脱塩用洗液W7として第2固液分離装置13に仕向けるか、系外に向けた排液W9に仕向けるかを、第5供給調整弁141aにより振り分けることを可能にしており、また、それらに仕向ける液量を調整することができるようにしている。更に、第3脱塩用洗液供給装置141に新たな第3脱塩用洗液W7aを供給するための新たな第3脱塩用洗液の供給装置142が備わり、所定の調整弁機構からなる第6供給調整弁142aを介して、所望の場合には、系内の第3脱塩用洗液の一部として添加したり、複数回繰り返し用いられた第3脱塩用洗液の一部又は全部を入れ替えることができるようになっている。この場合、第3脱塩用洗液供給装置141の貯留部の内容物は、適宜、新たな第3脱塩用洗液W7aが供給された分量に応じた分量を、系外に向けた排液W9に仕向けるようにしてもよい。
なお、第3脱塩用洗液供給装置141の貯留部の内容物の系外に向けた排出の態様としては、スラリーS2を処理しないタイミング等の所望のタイミングで、第2固液分離装置13への経路に仕向けて、第2固液分離装置13に備わる排液経路から所定のバルブ機構Vlを介して排出するようにしてもよい。
更に、図11に示す実施形態では、上記した脱塩処理の塩素イオン濃度のフィードバック制御や、さらには上記図10で説明した実施形態におけるフィードバック制御にも共通して機能し得る制御装置201が備わり、その制御装置201には、第1塩素イオン濃度監視装置7からの測定信号を受信し、それに基づき、更に、第3送液装置16も送信できるようにしている。これによれば、例えば、第1塩素イオン濃度監視装置7による測定値が、所定の閾値を超えた場合に、その測定結果に基づいて制御装置201が送信する、第3送液装置16に対する指令信号により、第3送液装置16の動作による第4ろ液W8の送液を止めたり、第1供給調整弁22aや第2供給調整弁23aに対する指令信号により、これら調整弁機構が上述した動作を行って、系内を循環する第1脱塩用洗液W1に新たな第1脱塩用洗液W1aを供給して塩素イオン濃度を下げる制御を行うなど、フィードバック制御を行うことができるようにしている。また、第1塩素イオン濃度監視装置7による測定値に相応した、新たな第1脱塩用洗液W1aの供給量が自動的に決定されるようにしてもよく、その供給動作が自動的、且つ、連続的になされるようにすることも可能である。
なお、図中には示されないが、図11に示す実施形態において、制御装置201は、バルブ機構を制御して、そのバルブ機構を介した送液の液量(又はスラリー量)の調整が行われるようにしてもよく、これにより、例えばバルブ機構Vmを制御して、上記したフィードバック制御時の第4ろ液W8の送液をコントロールしてもよい。
図12には、本発明に係る塩素含有粉体の脱塩処理装置の第5の実施形態を表わす全体構成図を示す。この実施形態に係る脱塩処理装置40には、上記図11に示した脱塩処理装置の構成に加えて、上記した脱塩処理における脱塩ケーキ洗浄工程により生じた第2ろ液W4は、所定のバルブ機構Vnを介して、所定の送液ポンプ機構からなる第4送液装置17により、第3脱塩用洗液供給装置141の貯留部に送液する経路を設けて、第3脱塩用洗液W7としても利用することができるようしている。更に、上記した重金属凝集ケーキ洗浄工程で生じた第4ろ液W8は、所定のバルブ機構Voを介して、所定の送液ポンプ機構からなる第5送液装置18により、第3脱塩用洗液供給装置141の貯留部に送液する経路を設けて、第3脱塩用洗液W7として循環利用することができるようしている。
図12に示す実施形態においては、第3脱塩用洗液供給装置141の貯留部には、第3塩素イオン濃度監視装置19が設けられ、第3脱塩用洗液供給装置141の貯留部に貯留される第3脱塩用洗液W7の塩素イオン濃度を監視するようにしている。第3塩素イオン濃度監視装置19としては、上述した第1塩素イオン濃度監視装置7及び第2塩素イオン濃度監視装置8と同様のものを使用すればよく、塩素イオン濃度の測定においては、適当な倍率の希釈水について測定を行ってもよい。例えば、塩素イオンメータ、イオンクロマトグラフィー等の汎用の分析方法を用いればよい。この実施形態では塩素イオンメータを使用している。また、第3塩素イオン濃度監視装置19の配置位置としては、第3脱塩用洗液供給装置141の貯留部内の内容物の塩素イオン濃度を直接に測定可能に配置してもよく、あるいは第3脱塩用洗液供給装置141の貯留部に入る直前の位置に測定可能に配置してもよく、すなわち、いずれの配置であっても、第3脱塩用洗液W7における塩素イオン濃度を見積ることができればよい。
更に、図12に示す実施形態では、上記した脱塩処理の塩素イオン濃度のフィードバック制御や、さらには上記図10及び図11で説明した実施形態におけるフィードバック制御にも共通して機能し得る制御装置201が備わり、その制御装置201には、更に、第3塩素イオン濃度監視装置19からの測定信号を受信し、それに基づき、第4送液装置17や第5送液装置18にも送信できるようにしている。これによれば、例えば、第3塩素イオン濃度監視装置19による測定値が、所定の閾値を超えた場合に、その測定結果に基づいて制御装置201が送信する、第4送液装置17及び/又は第5送液装置18に対する指令信号により、第4送液装置17の動作による第2ろ液W4の送液を止めたり、第5送液装置18の動作による第4ろ液W8の送液を止めたり、第5供給調整弁141aや第6供給調整弁142aに対する指令信号により、これら調整弁機構が上述した動作を行って、系内を循環する第3脱塩用洗液W7に新たな第3脱塩用洗液W7aを供給して塩素イオン濃度を下げる制御を行うなど、フィードバック制御を行うことができるようにしている。また、第3塩素イオン濃度監視装置19による測定値に相応した、新たな第3脱塩用洗液W7aの供給量が自動的に決定されるようにしてもよく、その供給動作が自動的、且つ、連続的になされるようにすることも可能である。
なお、図中には示されないが、図12に示す実施形態において、制御装置201は、所定のバルブ機構を制御して、そのバルブ機構を介した送液の液量(又はスラリー量)の調整が行われるようにしてもよく、これにより、例えばバルブ機構Vnを制御して、上記したフィードバック制御時の第2ろ液W4の送液をコントロールしてもよい。また、バルブ機構Voを制御して、上記したフィードバック制御時の第4ろ液W8の送液をコントロールしてもよい。
以上に説明したように、本発明により提供される技術は、例えば焼却飛灰、溶融飛灰、塩素バイパスダスト等をセメント原料化するための、セメント原料の供給システムを構成しているということもできる。ここで図13には、上記図12に示した塩素含有粉体の脱塩処理装置の構成に沿って、本発明により提供される塩素含有粉体の脱塩処理方法及び塩素含有粉体の脱塩処理装置を更に説明的に表わす全体構成フロー図を示す。ただし、本発明を構成するにおいて、この図13に示した構成の一部は、上記に説明した範囲で適宜省略可能であることは勿論である。また、第1固液分離装置と第2固液分離装置とは、同一の装置でそれぞれによる処理を行うようにしてもよい。図14には、第1固液分離装置と第2固液分離装置とを同一の装置とした脱塩処理装置50を示す。また、図15には、その実施形態に係る全体構成フロー図を示す。ここで図14、図15の図中に示す説明書きや符号が表わす構造、機能等は、上記した図10〜図13と同様である。この態様によれば、使用する固液分離装置を共通化して装置構成を簡略化することができる。
以下、本発明についてさらに詳細に説明するために具体的な試験例を示すが、本発明はこれら試験例の態様に限定されるものではない。
塩素含有粉体P1として、ガス化溶融炉から発生した溶融飛灰を用いた。表1にはその化学組成を示す。
Figure 2019181385
溶融飛灰P1と混合してスラリーにするための第1脱塩用洗液W1として、表2に示す各水準の塩分濃度の異なる水を準備した。
Figure 2019181385
第1脱塩ケーキを洗浄するための第2脱塩用洗液W2として、表3に示す各水準の塩分濃度の異なる水を準備した。
Figure 2019181385
図3に示した塩素含有粉体の脱塩処理装置1の構成による溶融飛灰P1の処理において、各洗液の塩分濃度が溶融飛灰P1の処理にどのように影響を与えるか、表1に示した水準Aの溶融飛灰を用い、表2に示した各水準の塩分濃度の第1脱塩用洗液W1と、表3に示した各水準の塩分濃度の第2脱塩用洗液W2とを、表4に示す組合せで使用して、溶融飛灰P1の処理を行ない、評価した。なお、全ての組合せで、スラリーS1の固液比(「第1脱塩用洗液W1/溶融飛灰P1」の質量比)は4、スラリーS1の撹拌は撹拌装置24の撹拌翼24aの回転数400rpmで30分間撹拌、第1固液分離装置3における処理により得られる第1脱塩ケーキC1及び第2脱塩ケーキC2の含水率はともに50質量%、第2脱塩用洗液W2による洗浄の際の第2脱塩ケーキC2を固液比(「第2脱塩用洗液W2/溶融飛灰P1」の質量比)は1、との諸条件で溶融飛灰P1の処理を行なった。また、第1固液分離装置3としてはフィルタープレスを使用した。
Figure 2019181385
スラリーS1を30分間撹拌後、第1脱塩用洗液W1に由来する液相を固液分離して得られた第1ろ液W3のCl濃度、Pb濃度及びZn濃度を、JIS K 0102「工場排水試験方法」に準拠して行った。具体的には、Cl濃度は電位差滴定法を、Pb濃度及びZn濃度はICP質量分析法(使用装置:Agilent Technologies製Agilent 7900 ICP−MS(商品名))を用いた。また、第2脱塩用洗液W2による洗浄後の第2脱塩ケーキC2の塩素含有率は、試料を硝酸と過酸化水素で分解した後、電位差滴定法を用いて測定した。
結果を表5に示す。
Figure 2019181385
表5から分かるとおり、試験例1−1〜8では、第2脱塩用洗液W2による洗浄後の第2脱塩ケーキC2のCl濃度は2.0質量%以下であった。また、溶融飛灰P1を塩素濃度が3質量%もしくは5質量%の第1脱塩用洗液W1と混合してスラリーにして処理した試験例1−1〜4では、スラリーS1を30分間撹拌後、第1脱塩用洗液W1に由来する液相を固液分離して得られた第1ろ液W3のPb濃度及びZn濃度は、1ppm以下と低い値を示した。これに対し、溶融飛灰P1を第1脱塩用洗液W1として真水と混合してスラリーにして処理した試験例1−9及び試験例1−10では、スラリーS1を30分間撹拌後、第1脱塩用洗液に由来する液相を固液分離して得られた第1ろ液W3のPb濃度及びZn濃度は、比較的高い値を示した。また溶融飛灰P1を第1脱塩用洗液W1として塩素濃度が18質量%の高塩素濃度水と混合してスラリーにして処理した試験例1−11及び試験例1−12では、その高塩素濃度水への溶融飛灰P1からの塩素の溶出が十分でなく、第2脱塩ケーキC2のCl濃度を十分に低減することができなかった。
次に、図10に示した塩素含有粉体の脱塩処理装置20の構成による系外に向けた排液W5の処理において、排液W5のpHが処理にどのように影響を与えるかを評価した。具体的には、表1に示した水準Bの溶融飛灰を用い、上記した表4の水準2−bと同じ処理(第1脱塩用洗液W1:海水、第2脱塩用洗液W2:海水)で得られた第1ろ液W3と第2ろ液W4の混合液に、pH調整剤を添加して5つの異なるpHとした系外に向けた排液W5について、酸化還元電位が−200mVとなるようにORP調整剤(NaSH)を添加して15分間撹拌した後、当該ORP調整剤の添加量と同じモル当量相当量の無機凝集剤(FeCl)を添加して15分間撹拌した。その後、高分子凝集剤(ダイヤフロック、三菱ケミカル(株)製)30ppmを添加した。そうして得られた処理排液を吸引ろ過によって固液分離して、各pHでの系外排液W9(第3ろ液W6に相当)を得た。表6に、pH調整前の系外に向けた排液W5(参考例)と各pHでの系外排液W9(第3ろ液W6に相当)の重金属成分量を示す。また、表6には、本邦の一律排水基準値も参考として記す。
Figure 2019181385
表6から分かるとおり、pHを9に調整した試験例2−1やpHを10.5に調整した試験例2−2では、評価した重金属類の全てについて、本邦の一律排水基準を満足する値であった。一方で、pHをより酸性側に調整した試験例2−3、4や、参考例同様にアルカリ側に調整された試験例2−5においては、特にPbの一律排水基準が逸脱していた。このように、本発明にかかる塩素含有粉体の脱塩処理方法及び塩素含有粉体の脱塩処理装置にあって、その排液から重金属を除く処理を行う場合には、重金属凝集ケーキ形成の際のpHを調整することによって、排水への重金属溶出をより十分に抑制できることが明らかとなった。
1、10、20、30、40、50 塩素含有粉体の脱塩処理装置
2 溶出槽
3 第1固液分離装置
4、12 スラリー搬送装置
5 第1送液装置(ポンプ機構)
6 第2送液装置(ポンプ機構)
7 第1塩素イオン濃度監視装置
8 第2塩素イオン濃度監視装置
9 脱塩ケーキ搬送装置
11 重金属不溶化反応槽
15 重金属凝集ケーキ搬送装置
16 第3送液装置(ポンプ機構)
17 第4送液装置(ポンプ機構)
18 第5送液装置(ポンプ機構)
19 第3塩素イオン濃度監視装置
21 塩素含有粉体供給装置
22 第1脱塩用洗液供給装置
22a 第1供給調整弁(調整弁機構)
23 新たな第1脱塩用洗液の供給装置
23a 第2供給調整弁(調整弁機構)
24、115 撹拌装置
24a、115a 撹拌翼
31 第2脱塩用洗液供給装置
31a 第3供給調整弁(調整弁機構)
32 新たな第2脱塩用洗液の供給装置
32a 第4供給調整弁(調整弁機構)
111 ORP調整剤供給装置
111a ORP調整剤供給調整弁
112 無機凝集剤供給装置
112a 無機凝集剤供給調整弁
113 高分子凝集剤供給装置
113a 高分子凝集剤供給調整弁
114 pH調整剤供給装置
114a pH調整剤供給調整弁
141 第3脱塩用洗液供給装置
141a 第5供給調整弁(調整弁機構)
142 新たな第1脱塩用洗液の供給装置
142a 第6供給調整弁(調整弁機構)
201 制御装置
Va〜Vo バルブ機構
P1 塩素含有粉体
S1、S2 スラリー
C1 第1脱塩ケーキ
C2 第2脱塩ケーキ
C3 第1凝集ケーキ
C4 第2凝集ケーキ
W1 第1脱塩用洗液
W1a 新たな第1脱塩用洗液
W2 第2脱塩用洗液
W2a 新たな第2脱塩用洗液
W3 第1ろ液
W4 第2ろ液
W5 系外に向けた排液
W6 第3ろ液
W7 第3脱塩用洗液
W7a 新たな第3脱塩用洗液
W8 第4ろ液
W9 系外排液

Claims (24)

  1. 塩素含有粉体に第1脱塩用洗液を混合してスラリーにするスラリー化工程と、
    前記スラリー中で前記塩素含有粉体に含まれる塩素を液相中に溶出させる塩素溶出工程と、
    前記塩素を溶出させた該スラリーから液相の一部又は全部を分離して第1脱塩ケーキと第1ろ液を得る脱塩ケーキ形成工程と、
    前記第1脱塩ケーキを、前記第1脱塩用洗液とは別個の第2脱塩用洗液で洗浄して第2脱塩ケーキと第2ろ液を得る脱塩ケーキ洗浄工程とを備え、
    前記脱塩ケーキ形成工程で得られる前記第1ろ液、及び/又は前記脱塩ケーキ洗浄工程で得られる前記第2ろ液は、少なくともその一部を前記第1脱塩用洗液として循環利用して、前記第1脱塩用洗液の塩素イオン濃度を制御しつつ、前記スラリー化工程と、前記塩素溶出工程と、前記脱塩ケーキ形成工程と、前記脱塩ケーキ洗浄工程とを、供給される塩素含有粉体ごとに繰り返すことを特徴とする塩素含有粉体の脱塩処理方法。
  2. 前記第1脱塩用洗液の塩素イオン濃度が第1閾値を超えた場合、前記第1脱塩用洗液を、新たな第1脱塩用洗液により前記第1閾値を満足するように制御する、請求項1に記載の塩素含有粉体の脱塩処理方法。
  3. 前記塩素含有粉体に加える初回の第1脱塩用洗液として海水を利用し、前記第1脱塩用洗液の塩素イオン濃度が15質量%を超えないようにする、請求項1に記載の塩素含有粉体の脱塩処理方法。
  4. 前記脱塩ケーキ洗浄工程で得られる前記第2ろ液は、少なくともその一部を前記第2脱塩用洗液として循環利用して、前記第2脱塩用洗液の塩素イオン濃度を制御しつつ、前記スラリー化工程と、前記塩素溶出工程と、前記脱塩ケーキ形成工程と、前記脱塩ケーキ洗浄工程とを、供給される塩素含有粉体ごとに繰り返す、請求項1に記載の塩素含有粉体の脱塩処理方法。
  5. 前記第2脱塩用洗液の塩素イオン濃度が前記第1閾値とは別個の第2閾値を超えた場合、前記第2脱塩用洗液を、新たな第2脱塩用洗液により前記第2閾値を満足するように制御する、請求項4に記載の塩素含有粉体の脱塩処理方法。
  6. 前記第2脱塩用洗液の塩素イオン濃度が3.5質量%を超えないようにする、請求項4又は5に記載の塩素含有粉体の脱塩処理方法。
  7. 更に下記(1)〜(3)の工程を備える、請求項1に記載の塩素含有粉体の脱塩処理方法。
    (1)前記第1ろ液、前記第2ろ液、前記第1脱塩用洗液として循環利用後の該第1脱塩用洗液、及び前記第2脱塩用洗液として循環利用後の該第2脱塩用洗液からなる群から選ばれた1種又は2種以上のうち、前記第1脱塩用洗液又は前記第2脱塩用洗液として再度利用しないものを排液として回収する排液回収工程
    (2)前記工程(1)で回収した排液に重金属捕集剤を添加して、該排液に含まれる重金属を凝集フロック状に不溶化する重金属不溶化工程
    (3)前記工程(2)で不溶化した重金属を含む凝集フロック含有液から液相の一部又は全部を分離して第1凝集ケーキと第3ろ液を得る重金属凝集ケーキ形成工程
  8. 更に下記(4)の工程を備える、請求項7記載の塩素含有粉体の脱塩処理方法。
    (4)前記第1凝集ケーキを、前記第1脱塩用洗液及び前記第2脱塩用洗液とは別個の第3脱塩用洗液で洗浄して第2凝集ケーキと第4ろ液を得る重金属凝集ケーキ洗浄工程
  9. 前記重金属不溶化工程は、前記排液のpHを7〜11とする、請求項7又は8に記載の塩素含有粉体の脱塩処理方法。
  10. 前記重金属凝集ケーキ洗浄工程で得られる前記第4ろ液は、少なくともその一部を前記第1脱塩用洗液として循環利用する、請求項8に記載の塩素含有粉体の脱塩処理方法。
  11. 前記脱塩ケーキ洗浄工程で得られる前記第2ろ液は、少なくともその一部を前記第3脱塩用洗液として利用し、及び/又は前記重金属凝集ケーキ洗浄工程で得られる前記第4ろ液は、少なくともその一部を前記第3脱塩用洗液として循環利用し、前記第3脱塩用洗液の塩素イオン濃度を制御しつつ、前記重金属凝集ケーキ洗浄工程における洗浄処理を行う、請求項10に記載の塩素含有粉体の脱塩処理方法。
  12. 前記第3脱塩用洗液の塩素イオン濃度が前記第1閾値及び前記第2閾値とは別個の第3閾値を超えた場合、前記第3脱塩用洗液を、新たな第3脱塩用洗液により前記第3閾値を満足するように制御する、請求項11に記載の塩素含有粉体の脱塩処理方法。
  13. 前記第3脱塩用洗液の塩素イオン濃度が3.5質量%を超えないようにする、請求項11に記載の塩素含有粉体の脱塩処理方法。
  14. 前記塩素含有粉体が、焼却飛灰、溶融飛灰、及び塩素バイパスダストから選ばれた1種又は2種以上を含むものである、請求項1又は7に記載の塩素含有粉体の脱塩処理方法。
  15. 第1脱塩用洗液を供給するための第1脱塩用洗液供給装置と、
    塩素含有粉体を前記第1脱塩用洗液供給装置からの前記第1脱塩用洗液と混合してスラリーにするとともに、前記スラリー中で前記塩素含有粉体に含まれる塩素を液相中に溶出させるための溶出槽と、
    前記塩素を溶出させた該スラリーから液相の一部又は全部を分離して第1脱塩ケーキと第1ろ液を得る処理を行なう第1固液分離装置と、
    前記溶出槽で処理された前記スラリーを前記第1固液分離装置に搬送するためのスラリー搬送装置と、
    前記第1固液分離装置において、前記第1脱塩用洗液とは別個の第2脱塩用洗液で前記第1脱塩ケーキを洗浄して第2脱塩ケーキと第2ろ液を得る処理を行なうよう、その第2脱塩用洗液を供給するための第2脱塩用洗液供給装置と、
    前記第1固液分離装置でなされる前記第1脱塩ケーキの形成処理で得られる前記第1ろ液、及び/又は前記第1固液分離装置でなされる前記第1脱塩ケーキの洗浄処理で得られる前記第2ろ液を、少なくともその一部を前記第1脱塩用洗液として循環利用するため、前記第1脱塩用洗液供給装置に送液するための第1送液装置と、
    前記第1脱塩用洗液の塩素イオン濃度を監視するための第1塩素イオン濃度監視装置を備えたことを特徴とする塩素含有粉体の脱塩処理装置。
  16. 前記塩素含有粉体の脱塩処理装置は、更に、前記第1脱塩用洗液供給装置に前記第1脱塩用洗液として新たな第1脱塩用洗液を供給するための新たな第1脱塩用洗液の供給装置を備え、
    前記第1脱塩用洗液供給装置は、該第1脱塩用洗液供給装置から前記溶出槽への前記第1脱塩用洗液の供給量を可変可能にするとともに、該第1脱塩用洗液供給装置から排液することを可能にする第1供給調整弁を備え、
    前記新たな第1脱塩用洗液の供給装置は、前記第1脱塩用洗液供給装置への該洗液の供給量を可変可能にする第2供給調整弁を備え、
    前記第1脱塩用洗液の塩素イオン濃度が第1閾値を超えた場合、前記第1供給調整弁を制御することにより、前記第1脱塩用洗液供給装置からの前記第1脱塩用洗液の前記溶出槽への供給を止め又は減少させ、前記第1脱塩用洗液供給装置から前記第1脱塩用洗液の一部又は全部を排液したうえ、前記新たな第1脱塩用洗液の供給装置の前記第2供給調整弁を制御することにより、前記第1脱塩用洗液供給装置に、前記第1脱塩用洗液として前記第1閾値を満足するように前記新たな第1脱塩用洗液を供給するように構成された、請求項15に記載の塩素含有粉体の脱塩処理装置。
  17. 前記塩素含有粉体の脱塩処理装置は、更に、
    前記第1固液分離装置でなされる前記第1脱塩ケーキの洗浄処理で得られる前記第2ろ液を、少なくともその一部を前記第2脱塩用洗液として循環利用するため、前記第2脱塩用洗液供給装置に送液するための第2送液装置と、
    前記第2脱塩用洗液の塩素イオン濃度を監視するための第2塩素イオン濃度監視装置とを備える、請求項15に記載の塩素含有粉体の脱塩処理装置。
  18. 前記塩素含有粉体の脱塩処理装置は、更に、前記第2脱塩用洗液供給装置に前記第2脱塩用洗液として新たな第2脱塩用洗液を供給するための新たな第2脱塩用洗液の供給装置を備え、
    前記第2脱塩用洗液供給装置は、該第2脱塩用洗液供給装置から前記第1脱塩ケーキへの前記第2脱塩用洗液の供給量を可変可能にするとともに、該第2脱塩用洗液供給装置から排液することを可能にする第3供給調整弁を備え、
    前記新たな第2脱塩用洗液の供給装置は、前記第2脱塩用洗液供給装置への該洗液の供給量を可変可能にする第4供給調整弁を備え、
    前記第2脱塩用洗液の塩素イオン濃度が前記第1閾値とは別個の第2閾値を超えた場合、前記第3供給調整弁を制御することにより、前記第2脱塩用洗液供給装置からの前記第2脱塩用洗液の前記第1脱塩ケーキへの供給を止め又は減少させ、前記第2脱塩用洗液供給装置から前記第2脱塩用洗液の一部又は全部を排液したうえ、前記新たな第2脱塩用洗液の供給装置の前記第4供給調整弁を制御することにより、前記第2脱塩用洗液供給装置に、前記第2脱塩用洗液として前記第2閾値を満足するように前記新たな第2脱塩用洗液を供給するように構成された、請求項17に記載の塩素含有粉体の脱塩処理装置。
  19. 前記塩素含有粉体の脱塩処理装置は、更に、
    前記第1ろ液及び前記第2ろ液のうち、前記第1脱塩用洗液又は前記第2脱塩用洗液として再度利用しないもの、前記第1脱塩用洗液供給装置から排液として送液された前記第1脱塩用洗液、及び前記第2脱塩用洗液供給装置から排液として送液された前記第2脱塩用洗液からなる群から選ばれた1種又は2種以上を排液として回収して収容し、これに重金属捕集剤を添加することにより、該排液に含まれる重金属を凝集フロック状に不溶化させるための重金属不溶化反応槽と、
    前記不溶化した重金属を含む凝集フロック含有液から液相の一部又は全部を分離して第1凝集ケーキと第3ろ液を得る処理を行なう第2固液分離装置と、
    前記重金属不溶化反応槽で処理された前記凝集フロック含有液を前記第2固液分離装置に搬送するための凝集フロック含有液搬送装置とを備える、請求項15又は17に記載の塩素含有粉体の脱塩処理装置。
  20. 前記塩素含有粉体の脱塩処理装置は、更に、
    前記第2固液分離装置において、前記第1脱塩用洗液及び前記第2脱塩用洗液とは別個の第3脱塩用洗液で洗浄して第2凝集ケーキと第4ろ液を得る処理を行なうよう、その第3脱塩用洗液を供給するための第3脱塩用洗液供給装置を備える、請求項19に記載の塩素含有粉体の脱塩処理装置。
  21. 前記塩素含有粉体の脱塩処理装置は、更に、
    前記第2固液分離装置でなされる前記第1凝集ケーキの洗浄処理で得られる前記第4ろ液を、少なくともその一部を前記第1脱塩用洗液として循環利用するため、前記第1脱塩用洗液供給装置に送液するための第3送液装置を備える、請求項19に記載の塩素含有粉体の脱塩処理装置。
  22. 前記塩素含有粉体の脱塩処理装置は、更に、
    前記第1固液分離装置でなされる前記第1脱塩ケーキの洗浄処理で得られる前記第2ろ液を、少なくともその一部を前記第3脱塩用洗液として利用するため、前記第3脱塩用洗液供給装置に送液するための第4送液装置と、及び/又は、
    前記第2固液分離装置でなされる前記第1凝集ケーキの洗浄処理で得られる前記第4ろ液を、少なくともその一部を前記第3脱塩用洗液として循環利用するため、前記第3脱塩用洗液供給装置に送液するための第5送液装置と、
    前記第3脱塩用洗液の塩素イオン濃度を監視するための第3塩素イオン濃度監視装置とを備える、請求項19に記載の塩素含有粉体の脱塩処理装置。
  23. 前記塩素含有粉体の脱塩処理装置は、更に、前記第3脱塩用洗液供給装置に前記第3脱塩用洗液として新たな第3脱塩用洗液を供給するための新たな第3脱塩用洗液の供給装置を備え、
    前記第3脱塩用洗液供給装置は、該第3脱塩用洗液供給装置から前記第1凝集ケーキへの前記第3脱塩用洗液の供給量を可変可能にするとともに、該第3脱塩用洗液供給装置から排液することを可能にする第5供給調整弁を備え、
    前記新たな第3脱塩用洗液の供給装置は、前記第3脱塩用洗液供給装置への該洗液の供給量を可変可能にする第6供給調整弁を備え、
    前記第3脱塩用洗液の塩素イオン濃度が前記第1閾値及び前記第2閾値とは別個の第3閾値を超えた場合、前記第5供給調整弁を制御することにより、前記第3脱塩用洗液供給装置からの前記第3脱塩用洗液の前記第1凝集ケーキへの供給を止め又は減少させ、前記第3脱塩用洗液供給装置から前記第3脱塩用洗液の一部又は全部を排液したうえ、前記新たな第3脱塩用洗液の供給装置の前記第6供給調整弁を制御することにより、前記第3脱塩用洗液供給装置に、前記第3脱塩用洗液として前記第3閾値を満足するように前記新たな第3脱塩用洗液を供給するように構成された、請求項22に記載の塩素含有粉体の脱塩処理装置。
  24. 前記第1固液分離装置と前記第2固液分離装置とは、同一の装置でそれぞれによる処理を行う、請求項19に記載の塩素含有粉体の脱塩処理装置。


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