JPWO2019181058A1 - 精神機能の低下抑制用組成物 - Google Patents

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Abstract

本発明は、精神機能の低下抑制等に有効な新規な組成物の提供を目的とする。本発明によれば、ホップ酸化反応産物を含んでなる、精神機能の低下抑制用組成物が提供される。精神機能の低下としては、うつに関連する状態および不安に関連する状態からなる群から選択される状態が挙げられる。本発明の組成物は、食品組成物の形態で提供することができ、精神機能が低下した対象または精神機能の低下のリスクがある対象に摂取させることができる。ホップ酸化反応産物として、S−フラクションを用いることができる。

Description

関連出願の参照
本願は、先行する日本国出願である特願2018−55948(出願日:2018年3月23日)の優先権の利益を享受するものであり、その開示内容全体は引用することにより本明細書の一部とされる。
本発明は、精神機能の低下抑制等のための組成物に関する。
現代社会においては若年層から老年層まで幅広い世代が日常的に慢性的な疲労やストレスに曝されている。慢性的な疲労やストレスは精神機能に影響を及ぼすことがあり、意欲の低下や抑うつ症状等の精神機能の低下が見られることがある。このメカニズムとして、脳内の炎症が関与していることが近年明らかにされつつある(非特許文献1)。
ところで、ビール中の苦味成分の起源であるホップは、古くから民間薬としても用いられており、鎮静効果、健胃効果等の様々な健康機能が知られている。このホップから得られる抽出物を飲食品に対して一定量以上配合すると独特の強烈な苦味が生じてしまい、嗜好性を損なう恐れがあるが、ホップを酸化処理することにより、ホップ特有の苦味を抑制しつつ、その脂質代謝改善機能を維持しうることが報告されている(特許文献1)。しかし、ホップ由来成分やその酸化処理物と精神機能との関係についてはこれまで報告がなされていない。
国際公開第2012/081675号
門司 晃、精神経誌(2012年)114巻2号124-133頁
本発明者らは、今般、ホップ酸化反応産物が、抑うつ状態および意欲低下の改善に有効であるとともに、脳内炎症の緩和に有効であることを見出した。本発明者らはまた、ホップ酸化反応産物が、ヒトの気分状態および精神状態の改善に有効であることを見出した。本発明はこれらの知見に基づくものである。
すなわち、本発明は精神機能の低下抑制等に有効な新規な組成物を提供することを目的とする。
本発明によれば以下の発明が提供される。
[1]ホップ酸化反応産物を含んでなる、精神機能の低下抑制用組成物および精神機能の低下抑制剤。
[2]精神機能の低下が、うつに関連する状態および不安に関連する状態からなる群から選択される1種または2種以上の状態である、上記[1]に記載の組成物および用剤。
[3]精神機能の低下が、気分状態の低下または精神状態の低下である、上記[1]に記載の組成物および用剤。
[4]精神機能が低下した対象または精神機能の低下のリスクがある対象に摂取させる、上記[1]〜[3]のいずれかに記載の組成物および用剤。
[5]精神機能の低下が、ストレスまたは慢性疲労によるものである、上記[1]〜[4]のいずれかに記載の組成物および用剤。
[6]食品組成物である、上記[1]〜[5]のいずれかに記載の組成物および用剤。
[7]1回摂取に適した単位包装形態である、上記[1]〜[6]のいずれかに記載の組成物および用剤。
[8]ホップ酸化反応産物がS−フラクションである、上記[1]〜[7]のいずれかに記載の組成物および用剤。
[9]S−フラクションを乾燥質量換算で1回当たりの摂取量で1〜500mgで含んでなる、上記[8]に記載の組成物および用剤。
[10]ホップ酸化反応産物を含んでなる、うつおよび/または不安の治療、予防または改善用組成物およびうつおよび/または不安の治療、予防または改善剤。
上記[1]と上記[10]の組成物を本明細書において「本発明の組成物」と、上記[1]と上記[10]の用剤を本明細書において「本発明の用剤」と、それぞれいうことがある。
本発明によれば、精神機能の低下抑制等の機能を発揮することができるホップ酸化反応産物を含有する組成物が提供される。ホップ酸化反応産物はヒトが食品として長年摂取してきたホップ由来の成分を利用することから、本発明はヒトを含む哺乳類に安全な機能性素材として利用できる点で有利である。
参考例1におけるホップ酸化反応産物についてのHPLC分析結果(HPLCクロマトグラム)を示した図である。 図2は、実施例2の試験の概要を示す図である。 図3は、尾懸垂試験における対照群および試験群の無動状態の時間(無動時間)を示すグラフである。*はP<0.05、**はP<0.01、***はP<0.001を示す。 図4は、対照群および試験群から採材した海馬組織における炎症性サイトカイン(IL−1β)量を示すグラフである。**はP<0.01、***はP<0.001を示す。 図5は、対照群および試験群から採材した大脳皮質における炎症性サイトカイン(IL−1β)量を示すグラフである。*はP<0.05、***はP<0.001を示す。
発明の具体的説明
ホップ酸化反応産物
本発明において、ホップ酸化反応産物とは、ホップまたはその加工物(ホップペレット、ホップエキス等)を酸化処理して得られるものをいう。本発明により提供されるホップ酸化反応産物は、例えば、ホップを空気中の酸素に接触させて酸化することにより得ることができる。
ホップ酸化反応産物は、例えば、特許文献1に記載の方法に従い、ホップを酸化処理することにより製造することができる。酸化処理は、好ましくはホップを空気中で加熱することにより行われる。加熱温度は特に限定されないが、好ましい上限は100℃であり、より好ましい上限は80℃である。加熱温度を100℃以下とする場合には異性化よりも酸化を優先的に進行させる上で有利である。また、好ましい加熱温度の下限は60℃である。加熱温度を60℃以上とする場合には酸化反応を効率的に進行させる上で有利である。また、反応期間も特に限定されるものではなく、ホップの品種や反応温度により適宜決定することができる。例えば、60℃であれば48〜120時間、80℃であれば8〜24時間が好ましい。酸化反応に付される際のホップの形態は空気中の酸素と接触できれば特に限定されるものではないが、好ましくは粉末状にすることにより、反応時間を短縮できる。
本発明においてホップは、ルプリン部を含有するものであれば任意の形態のものでよく、収穫して乾燥させる前のもの、収穫して乾燥したもの、圧縮したもの、粉砕したもの、またはペレット状に加工したもの等用いてもよいが、好ましくはホップペレットの形態である。ホップペレットは、市販品を使用してもよく、例えば、ホップ毬花を圧縮しペレット状にしたもの(Type90ペレット)、ルプリン部分が選択的に濃縮されたペレット(Type45ペレット)、または異性化処理したホップペレット(例えば、Isomerized Pellets (HopSteiner社))等が挙げられる。
ホップエキスを酸化処理に付すことにより生成したホップエキス酸化反応物を本発明におけるホップ酸化反応産物として提供してもよい。ホップエキス酸化反応物は、例えば、特許文献1記載の方法に従い、ホップエキスを酸化処理することにより製造することができる。
ホップには、α酸(フムロン類)、β酸(ルプロン類)、イソα酸(イソフムロン類)等の酸性樹脂成分が含まれている。本発明において「フムロン類」は、フムロン、アドフムロン、コフムロン、ポストフムロン、およびプレフムロンを含む意味で用いられる。また、本発明において「ルプロン類」はルプロン、アドルプロン、コルプロン、ポストルプロンおよびプレルプロンを含む意味で用いられる。さらに、本発明において「イソフムロン類」は、イソフムロン、イソアドフムロン、イソコフムロン、イソポストフムロン、イソプレフムロン、Rho−イソフムロン、Rho−イソアドフムロン、Rho−イソコフムロン、Rho−イソポストフムロン、Rho−イソプレフムロン、テトラハイドロイソフムロン、テトラハイドロイソアドフムロン、テトラハイドロイソコフムロン、テトラハイドロイソプレフムロン、テトラハイドロイソポストフムロン、ヘキサハイドロイソフムロン、ヘキサハイドロイソアドフムロン、ヘキサハイドロイソコフムロン、ヘキサハイドロイソポストフムロン、ヘキサハイドロイソプレフムロンを含む意味で用いられる。なお、イソフムロン類にはシスおよびトランス立体異性体が存在するが、特に断りがない限りその両者を含む意味で用いられる。
ホップを酸化処理に付すことによりα酸、β酸、イソα酸の含有量が低減され、これら以外の成分の含有量が増加する。このようなホップ酸化反応産物の例としては、実施例1と同様のHPLC分析を実施した場合に、酸化反応産物のうちHPLC総ピーク面積に対するα酸、β酸およびイソα酸のピーク面積の割合が20%以下、好ましくは10%以下であるものが挙げられる。
本発明の酸化反応産物に含まれるα酸、β酸、イソα酸以外の成分は、HPLC等の周知の分析手段により容易に検出することができる。例えば、特許文献1の実施例1と同様の手順で調製されるホップ酸化反応産物には、α酸、β酸およびイソα酸以外の成分が含まれており、この成分に対応するピーク(本明細書において「S−フラクション(S−Fr)」ともいう)は生理活性を奏しうる。特許文献1における実施例1の図1Aにおいて矢印で示される範囲のピーク(α酸、β酸のピークを除く)がS−フラクションに該当する。
特許文献1と同様の条件で調製したホップ酸化反応産物について実施したHPLC分析とその結果(HPLCクロマトグラム)は参考例1および図1に示される通りである。矢印A1およびA2で示される範囲のピーク(α酸、β酸のピークを除く)がS−フラクションに該当する。ここで、図1において、矢印A1およびA2で分画される範囲のピーク面積値は、保持時間3分から25分までのA1のピーク面積値と、保持時間32分から39分までのA2のピーク面積値(α酸、β酸のピークを除く)との総和である。ここで、A1における「保持時間25分まで」とは、trans−イソコフムロンと同定されているピークの出現までを意味する。また、図1のA1で分画される範囲には、保持時間9.7分付近、保持時間11.8分付近、保持時間12.3分付近に特徴的なピークが認められた。また、図1のA2で分画される範囲には、ショルダーピークが認められ、その始点が保持時間32分付近、そのトップ点(α酸、β酸のピークを除く)は保持時間35分〜36分付近、終点は保持時間39分付近であった。
ホップ酸化反応産物は、好ましくはα酸酸化物、イソα酸酸化物およびβ酸酸化物を含有しており、このような酸化物として、例えば、「トリシクロオキシイソフムロン類」を含有する。ここで、「トリシクロオキシイソフムロン類」とは、トリシクロオキシイソコフムロン A(tricyclooxyisocohumulone A)(TCOIcoH A:下記式1参照、IUPAC名:(3aS,5aS,7S,8aS)-3,3a-dihydroxy-7-(1-hydroxy-1-methylethyl)-6,6-dimethyl-2-(2-methylpropanoyl)-5a,6,7,8-tetrahydro-3aH,5H-cyclopenta[c]pentalene-1,4-dione)、トリシクロオキシイソフムロン A(tricyclooxyisohumulone A)(TCOIH A:下記式2参照、IUPAC名:(3aS,5aS,7S,8aS)-3,3a-dihydroxy-7-(1-hydroxy-1-methylethyl)-6,6-dimethyl-2-(3-methylbutyryl)-5a,6,7,8-tetrahydro-3aH,5H-cyclopenta[c]pentalene-1,4-dione)、トリシクロオキシイソアドフムロン A(tricyclooxyisoadhumulone A)(TCOIadH A:下記式3参照、IUPAC名:(3aS,5aS,7S,8aS)-3,3a-dihydroxy-7-(1-hydroxy-1-methylethyl)-6,6-dimethyl-2-(2-methylbutanoyl)-5a,6,7,8-tetrahydro-3aH,5H-cyclopenta[c]pentalene-1,4-dione)を含む化合物群である。本明細書では、以下、TCOIcoH A、TCOIH AおよびTCOIadH AをまとめてTCOIHsAということがある。TCOIHsAの含有量は後記実施例1に記載の方法で測定する。
Figure 2019181058
Figure 2019181058
Figure 2019181058
ホップ酸化反応産物(好ましくはS−フラクション)に含まれる「トリシクロオキシイソフムロン類」以外の酸化物としては、スコルピオフムリノールAおよびスコルピオコフムリノールAが挙げられる。
本発明においては、ホップ酸化反応産物を水性媒体抽出物として提供してもよい。水性媒体は通常食品製造に使用されるものであれば特に限定されるものではないが、好ましくは、水またはエタノールであり、より好ましくは水である。また、抽出温度は特に限定されないが、好ましくは60℃以下であり、抽出効率を勘案すれば、50〜60℃がより好ましい。
本発明に使用するホップ酸化反応産物(好ましくは、ホップ酸化反応産物の水性媒体抽出物)は、トリシクロオキシイソフムロンAおよびトリシクロオキシイソコフムロンAの合計量の、スコルピオフムリノールAおよびスコルピオコフムリノールAの合計量に対する比率(乾燥質量換算)で特徴付けることができ、例えば、この比率が1〜30の範囲であるホップ酸化反応産物の水性媒体抽出物を、好ましくは、2〜20の範囲であるホップ酸化反応産物の水性媒体抽出物を用いることができる。
また、本発明に使用するホップ酸化反応産物は、S−フラクションに占める TCOIHsの含有比率(乾燥質量換算)により特徴付けることができ、例えば、この含有比率が5〜15質量%、好ましくは5〜12質量%であるホップ酸化反応産物(好ましくは、ホップ酸化反応産物の水性媒体抽出物)を用いることができる。ホップ酸化反応産物のS−フラクションが図1中に示される矢印A1画分の成分で主に構成される場合は、Biosci.,Biotechnol.,Biochem.,2015 (79):1684-1694記載のmatured hop bitter acidsと同様の測定法により、その含有量を測定することができる。
ホップ酸化反応産物の水性媒体抽出物のBrix値は、特に制限されないが、例えば、3以下であり、好ましくは1.5〜3である。ホップ酸化反応産物の水性媒体抽出物は、デカンテーションまたはろ紙等により不溶性成分を除去してもよい。ホップ酸化反応産物の水性媒体抽出物はまた、活性炭処理を施してもよい。
本発明の組成物および用剤は、ホップ酸化反応産物に加えて、精神機能の低下の抑制を意図した1種または2種以上の別の成分を含んでいてもよい。精神機能の低下の抑制を意図した成分としては、例えば、トリプトファンが挙げられる。
用途
後記実施例に示されるように、ホップ酸化反応産物(好ましくは、S−フラクション)は、抑うつ状態および意欲低下の改善作用を有するとともに、気分状態および精神状態の改善作用を有し、さらには脳内炎症の緩和作用を有する。抑うつ状態、意欲低下、気分状態低下および精神状態低下は精神機能の低下の代表例であり、脳内炎症は抑うつ状態や意欲低下に関与していることが明らかになっていることから(非特許文献1)、ホップ酸化反応産物は精神機能の低下抑制用組成物および精神機能低下抑制剤の有効成分として使用することができる。
本発明において「精神機能」は、情意機能(感情や意志の機能)および精神活力を含む意味で用いられる。「精神機能の低下」は、ストレスまたは慢性疲労に起因する精神機能の低下や、脳内炎症に起因する精神機能の低下を含む意味で用いられる。「精神機能の低下」の例としては、うつに関連する状態および不安に関連する状態が挙げられる。うつに関連する状態としては、例えば、抑うつ状態、意欲低下、モチベーション低下、気力低下、活力低下、悲壮感、孤独感、落ち込み、絶望感、好奇心低下が挙げられる。不安に関連する状態としては、例えば、不安感、精神的疲労感、心細い感じ、落ち着かない気持ち、うろたえ、恐怖感、あれこれ心配な感じが挙げられる。「精神機能の低下」の例としてはまた、抑うつ状態、意欲低下、気分状態の低下および精神状態の低下が挙げられる。気分状態の低下および精神状態の低下としては、例えば、総合的気分状態の低下が挙げられ、「総合的気分状態」は、怒り−敵意、混乱−当惑、抑うつ−落込み、疲労−無気力、緊張−不安、活気−活力および友好を含むような気分状態を意味する。
本発明において「精神機能の低下抑制」は、精神機能が低下した対象において精神機能を改善することのみならず、精神機能の低下のリスクがある対象において該リスクを低減することを含む意味で用いられる。すなわち、本発明の組成物および用剤は、精神機能が低下した対象または精神機能の低下のリスクがある対象に摂取させるか、あるいは投与することができる。ここで、「精神機能の低下のリスクがある対象」は、精神機能が低下していないが、将来において精神機能の低下の恐れがある対象を意味する。また、「リスクの低減」は、精神機能の低下を緩和することを含む。なお、摂取または投与対象は後述のようにヒトを含む哺乳動物である。
上記のように、ホップ酸化反応産物は精神機能の低下の抑制に使用することができる。精神機能の低下は抑うつ状態や不安状態の発症および進展に関与していることから、ホップ酸化反応産物はうつおよび不安の治療、予防または改善用組成物およびうつおよび不安の治療、予防または改善剤の有効成分として使用することができる。すなわち、本発明によれば、ホップ酸化反応産物を含んでなる、うつおよび/または不安の治療、予防または改善用組成物と、ホップ酸化反応産物を含んでなる、うつおよび/または不安の治療、予防または改善剤が提供される。
本発明の組成物および用剤は、医薬品(例えば、医薬組成物)、医薬部外品、食品、飼料(ペットフード含む)等の形態で提供することができ、下記の記載に従って実施することができる。
本発明の有効成分であるホップ酸化反応産物は、ヒトおよび非ヒト動物に経口投与することができる。経口剤としては、顆粒剤、散剤、錠剤(糖衣錠を含む)、丸剤、カプセル剤、シロップ剤、乳剤、懸濁剤が挙げられる。これらの製剤は、当分野で通常行われている手法により、薬学上許容される担体を用いて製剤化することができる。薬学上許容される担体としては、賦形剤、結合剤、希釈剤、添加剤、香料、緩衝剤、増粘剤、着色剤、安定剤、乳化剤、分散剤、懸濁化剤、防腐剤等が挙げられる。
本発明の有効成分であるホップ酸化反応産物を食品として提供する場合には、これらをそのまま食品として提供することができ、あるいはこれらを食品に含有させて提供することができる。このようにして提供された食品はホップ酸化反応産物を有効量含有した食品である。本明細書において、ホップ酸化反応産物を「有効量含有した」とは、個々の食品において通常喫食される量を摂取した場合に後述するような範囲でホップ酸化反応産物(好ましくは、S−フラクション)が摂取されるような含有量をいう。また「食品」とは、健康食品、機能性食品、栄養補助食品、サプリメント、保健機能食品(例えば、特定保健用食品、栄養機能食品、機能性表示食品)、特別用途食品(例えば、幼児用食品、妊産婦用食品、病者用食品)を含む意味で用いられる。なお、本発明の有効成分であるホップ酸化反応産物をヒト以外の動物に摂取させる場合には、本発明でいう食品が飼料として使用されることはいうまでもない。
本発明の組成物および用剤並びにホップ酸化反応産物は精神機能の低下抑制作用を有するため、日常摂取する食品、さらにはサプリメントとして摂取する食品に含有させて提供することができる。この場合、本発明の組成物および用剤並びにホップ酸化反応産物は、1食当たりに摂取する量が予め定められた単位包装形態で提供することができる。1食当たりの単位包装形態としては、例えば、パック、包装、缶、ボトル等で一定量を規定する形態が挙げられる。本発明の組成物および用剤並びにホップ酸化反応産物の各種作用をよりよく発揮させるためには、後述する、ホップ酸化反応産物の1回当たりの摂取量に従って1食当たりの摂取量を決定できる。本発明の食品は、摂取量に関する説明事項が包装に表示されるか、あるいは説明事項が記載された文書等と一緒に提供されてもよい。
前述の通り、本発明の食品は、日常摂取する食品やサプリメントとして摂取する食品にホップ酸化反応産物を含有させて提供することができるが、ホップ酸化反応産物は、健康食品や機能性食品、好適には、精神機能の低下抑制を意図した1種または2種以上の他の成分を含有する食品に含有させることができる。あるいは、ホップ酸化反応産物を含有する本発明の食品には、精神機能の低下抑制を意図した1種または2種以上の他の成分がさらに添加されてもよい。精神機能の低下抑制を意図した他の成分としては前記と同様のものが挙げられる。
「食品」の形態は特に限定されるものではなく、例えば、飲料の形態であっても、半液体やゲル状の形態であってもよい。また、サプリメントとしては、ホップ酸化反応産物の乾燥粉末に賦形剤、結合剤等を加え練り合わせた後に打錠することにより製造された錠剤やタブレット、さらには、カプセル等に封入されたカプセル剤が挙げられる。
本発明で提供される食品としては、本発明の有効成分であるホップ酸化反応産物を含有する限り、特に限定されるものではないが、例えば、清涼飲料水、炭酸飲料、果汁入り飲料、野菜汁入り飲料、果汁および野菜汁入り飲料、牛乳、豆乳、乳飲料、ドリンクタイプのヨーグルト、ドリンクタイプのゼリー、コーヒー、ココア、茶飲料、栄養ドリンク、エナジー飲料、スポーツドリンク、ミネラルウォーター、ニア・ウォーター、ノンアルコールのビールテイスト飲料等の非アルコール飲料;飯類、麺類、パン類およびパスタ類等炭水化物含有飲食品;クッキー、ケーキ、チョコレート等の洋菓子類、饅頭や羊羹等の和菓子類、キャンディー類、ガム類、ヨーグルト、ゼリーやプリン等の冷菓や氷菓、スナック菓子等の各種菓子類;ウイスキー、バーボン、スピリッツ、リキュール、ワイン、果実酒、日本酒、中国酒、焼酎、ビール、アルコール度数1%以下のノンアルコールビール、発泡酒、その他雑酒、酎ハイ等のアルコール飲料;卵を用いた加工品、魚介類や畜肉(レバー等の臓物を含む)の加工品(珍味を含む)、スープ類等の加工食品、濃厚流動食等の流動食等を例示することができるが、これらに限定されるものではない。なお、ミネラルウォーターは、発泡性および非発泡性のミネラルウォーターのいずれもが包含される。
茶飲料としては、発酵茶、半発酵茶および不発酵茶のいずれもが包含され、例えば、紅茶、緑茶、麦茶、玄米茶、煎茶、玉露茶、ほうじ茶、ウーロン茶、ウコン茶、プーアル茶、ルイボスティー、ローズ茶、キク茶、イチョウ葉茶、ハーブ茶(例えば、ミント茶、ジャスミン茶)が挙げられる。
果汁入り飲料や果汁および野菜汁入り飲料に用いられる果物としては、例えば、リンゴ、ミカン、ブドウ、バナナ、ナシ、モモ、マンゴー、アサイー、ブルーベリーおよびウメが挙げられる。また、野菜汁入り飲料や果汁および野菜汁入り飲料に用いられる野菜としては、例えば、トマト、ニンジン、セロリ、カボチャ、キュウリおよびスイカが挙げられる。
本発明の有効成分であるホップ酸化反応産物はヒトが食品として長年摂取してきたホップ由来の成分を利用することから、毒性も低く、それを必要とする哺乳動物(例えば、ヒト、マウス、ラット、ウサギ、イヌ、ネコ、ウシ、ウマ、ブタ、サル等)に対し安全に用いることができる。ホップ酸化反応産物の摂取量または投与量は、受容者の性別、年齢および体重、症状、投与時間、剤形、投与経路並びに組み合わせる薬剤等に依存して決定できる。本発明におけるホップ酸化反応産物の成人1回当たりの摂取量および投与量(乾燥質量換算)を例示すると、0.5〜16000mg(好ましくは0.5〜8000mg、より好ましくは0.5〜4000mg)であり、S−フラクションの成人1回当たりの摂取量および投与量(乾燥質量換算)を例示すると、0.1〜2000mg(好ましくは0.1〜1000mg、より好ましくは0.1〜500mg、特に好ましくは0.2〜100mg)である。なお、上記の本発明の有効成分であるホップ酸化反応産物の摂取量並びに下記摂取タイミングおよび摂取期間は、ホップ酸化反応産物を非治療目的および治療目的のいずれで使用する場合にも適用があり、治療目的の場合には摂取は投与に読み替えることができる。
ホップ酸化反応産物は、対象によっては数回に分けて摂取させ、あるいは投与してもよい。中長期的な効果を期待する場合には、上記量での摂取または投与を1ヶ月(好ましくは3ヶ月、より好ましくは6ヶ月)間、週に1回以上(好ましくは、3日に1回以上、より好ましくは毎日継続)とすることができる。
ホップ酸化反応産物はまた、精神機能の低下の原因となる事象の前に、および/または、精神機能の低下の原因となる事象の後に、対象に摂取させるか、あるいは投与することができる。摂取または投与の回数は、事象の前後それぞれにおいて、1回以上とすることができ、好ましくは3回以上、4回以上、5回以上または6回以上である。精神機能の低下の原因となる事象としては、例えば、ストレスおよび慢性疲労が挙げられる。
本発明の組成物および用剤並びに食品には、精神機能の低下抑制効果を有する旨の表示が付されてもよい。この場合、消費者に理解しやすい表示とするため本発明の組成物および用剤並びに食品には以下の一部または全部の表示が付されてもよい。なお、本発明において「精神機能の低下抑制」が以下の表示を含む意味で用いられることはいうまでもない。
・いろいろなことが心配な方に
・やる気が落ちやすい方に
・意欲、モチベーションまたは気力の低下が気になる方に
・落ち込みやすい方に
・前向きでいたい方に
本発明によれば、有効量のホップ酸化反応産物またはそれを含む組成物を、それを必要としている対象に摂取させるか、あるいは投与することを含んでなる、精神機能の低下抑制方法が提供される。摂取または投与対象は、ヒトを含む哺乳動物であり、好ましくはヒトである。本発明の精神機能の低下抑制方法は、本発明の組成物および用剤並びに本発明の有効成分に関する記載に従って実施することができる。
本発明によれば、有効量のホップ酸化反応産物またはそれを含む組成物を、それを必要としている対象に摂取させるか、あるいは投与することを含んでなる、うつおよび/または不安の治療、予防または改善方法が提供される。摂取または投与対象は、ヒトを含む哺乳動物であり、好ましくはヒトである。本発明の治療、予防または改善方法は、本発明の組成物および用剤並びに本発明の有効成分に関する記載に従って実施することができる。
本発明によれば、精神機能の低下抑制用組成物の製造のための、または、精神機能の低下抑制剤の製造のための、ホップ酸化反応産物またはそれを含む組成物の使用が提供される。本発明によればまた、精神機能の低下抑制のための、または、精神機能の低下抑制剤としての、ホップ酸化反応産物またはそれを含む組成物の使用が提供される。本発明によればまた、精神機能の低下抑制に用いるための、ホップ酸化反応産物が提供される。本発明の使用および本発明のホップ酸化反応産物は、本発明の組成物および用剤並びに本発明の有効成分に関する記載に従って実施することができる。
本発明によれば、うつおよび/または不安の治療、予防または改善用組成物の製造のための、または、うつおよび/または不安の治療、予防または改善剤の製造のための、ホップ酸化反応産物またはそれを含む組成物の使用が提供される。本発明によればまた、うつおよび/または不安の治療、予防または改善のための、または、うつおよび/または不安の治療、予防または改善剤としての、ホップ酸化反応産物またはそれを含む組成物の使用が提供される。本発明によればまた、うつおよび/または不安の治療、予防または改善に用いるための、ホップ酸化反応産物が提供される。本発明の使用および本発明のホップ酸化反応産物は、本発明の組成物および用剤並びに本発明の有効成分に関する記載に従って実施することができる。
本発明の方法および本発明の使用は、ヒトを含む哺乳類における使用であってもよく、治療的使用と非治療的使用のいずれもが意図される。本明細書において、「非治療的」とはヒトを手術、治療または診断する行為(すなわち、ヒトに対する医療行為)を含まないことを意味し、具体的には、医師または医師の指示を受けた者がヒトに対して手術、治療または診断を行う方法を含まないことを意味する。
以下の例に基づき本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
参考例1:ホップペレット酸化反応産物の調製
ホップとしては、ペレット状のハラタウペルレ種(HPE種)を用いた。このホップをミルで粉砕し、80℃で24時間まで加熱反応時間を保持した。得られた生成物について以下のように前処理を実施した後、HPLC分析に供した。
[反応物分析前処理]
採取した生成物を10%w/vとなるようエタノールに添加し、50℃で1時間抽出を行った。得られた抽出液をエタノールで10倍に希釈した。
[HPLC構成装置]
ホンプ:LC-10ADvp×3(SHIMADZU)
デガッサー:DGU-20A5(SHIMADZU)
システムコントローラー:CBM-20A(SHIMADZU)
オートサンプラー:SIL-20ACHT(SHIMADZU)
カラムオーブン:CTO-20AC(SHIMADZU)
フォトダイオードアレー検出器:SPD-M20A(SHIMADZU)
波形解析ソフトウェア:LCSolution(SHIMADZU)
[HPLC条件]
カラム:Alltima C18 2.1mm I.D. x100mm 粒子径3μm
流速:0.6mL/分
溶出溶媒A:水/リン酸、1000/0.2, (v/v) + EDTA(free) 0.02%(w/v)
溶出溶媒B:アセトニトリル
溶出溶媒C:水
注入量:3μL
カラム温度:40℃
検出波長:270nm(酸化反応産物、イソα酸、α酸、β酸)
グラジエントプログラム:
Figure 2019181058
上記分析条件にて、検出波長270nmで検出される全ピークの合計面積値(mAU・min)中のα酸、β酸、イソα酸のピークの面積値の比率(%)を算出した。波形解析にあたって、溶媒ピークやインジェクションショックによる負ピークが生じる領域は解析除外領域とした。上記生成物の分析時のHPLCクロマトグラムは図1に示される通りであった。
実施例1:ホップ酸化反応産物の調製
(1)ホップ酸化処理工程
ハラタウペルレ種(HPE種)のホップをペレットミルで粉砕し、得られたホップ粉砕物を大気下で攪拌しながら60℃で120時間程度加熱した。得られた加熱済みホップ(熟成ホップペレット)に、固形分濃度5w/v%となるように水に添加し、50℃で30分間抽出処理を行った。得られた抽出液をデカンテーションにより固液分離し、固液分離液(Brix 約2)を得た。
(2)活性炭処理工程
上記(1)で得られた固液分離液に、活性炭(Y180C、味の素ファインケミカル社製;対固液分離液0.5w/v%)およびポリビニルポリピロリドン(ポリクラール10、ISPジャパン社製;対固液分離液0.4w/v%)を添加して2時間静置した。得られた混合液に濾過助剤(珪藻土)を添加し、濾過処理を行い、濾液(Brix値約1.5)を得た。得られた濾液をホップ酸化反応産物水抽出物として以下の実施例で使用した。
(3)ホップ酸化反応産物の成分分析
上記(2)で得られた濾液(ホップ酸化反応産物水抽出液)について、以下の条件にてHPLC−MSMS分析を行い、ホップ酸化反応産物に含まれる各種成分の含有量を測定した。なお、ホップ酸化反応産物には、α酸酸化物、イソα酸酸化物またはβ酸酸化物として、スコルピオフムリノールA、スコルピオコフムリノールA、トリシクロオキシイソフムロンA、トリシクロオキシイソコフムロンAが含まれることが知られている(Biosci.,Biotechnol.,Biochem.,2015 (79):1684-1694、J.,Agric.,Food Chem., 2015:63:10181-10191)。また、分析に際して使用した標準品はJ.,Agric.,Food Chem., 2015:63:10181-10191およびJ. Nat. Prod. 2014, 77, 1252-1261に記載の方法に準じて調製した。
[HPLC条件]
カラム:Unison UK−C18 100×2mm i.d. 粒子径3μm
流速:0.25mL/分
カラム温度:40℃
移動相A:1%ギ酸含有水
移動相B::1%ギ酸含有アセトニトリル
注入量:3μL
グラジエント:0→30分、15→31%B
30→40分、31→80%B
40→43分、80%B
以降は、洗浄および平衡化工程
[MSMS条件]
質量分析装置:AB SCIEX 4000Q Trap
イオンソース:ESI−ネガティブイオンモード
イオンスプレー電圧:−4500V
分析パラメータ:
Figure 2019181058
上記(1)および(2)を3回実施して濾液を得て、スコルピオフムリノールA、スコルピオコフムリノールA、トリシクロオキシイソフムロンAおよびトリシクロオキシイソコフムロンAの含有量を測定した結果、トリシクロオキシイソフムロンAおよびトリシクロオキシイソコフムロンAの合計量の、スコルピオフムリノールAおよびスコルピオコフムリノールAの合計量に対する比率((トリシクロオキシイソフムロンA+トリシクロオキシイソコフムロンA)/(スコルピオフムリノールA+スコルピオコフムリノールA))は以下の通りであった。
ロット1:3.2
ロット2:6.8
ロット3:12.1
以上の結果から、ホップ酸化反応産物においては、トリシクロオキシイソフムロンおよびトリシクロオキシイソコフムロンの合計量の、スコルピオフムリノールおよびスコルピオコフムリノールの合計量に対する比率は2〜20程度であることが分かった。
実施例2:抑うつ状態および意欲低下に対するホップ酸化反応産物の効果
(1)試験の概要
実施例1(2)で得られたホップ酸化反応産物水抽出物の乾燥物(S−Frを含む)を被験物質とした。被験物質を投与したマウスに、リポ多糖(LPS)を投与して脳内炎症を惹起させ、再度被験物質を投与した後、尾懸垂試験を実施することにより抑うつおよび意欲・モチベーション低下に対する被験物質の改善効果を評価した。また、試験後のマウスから脳組織を採材し、脳組織中の炎症性サイトカインを定量することにより脳内炎症を評価した。試験の概要は図2に示す通りである。
(2)ホップ酸化反応産物(S−Fr)の投与(I)
5週齢のICR(CD−1)雄マウス(日本チャールズリバー社)を、体重の平均値が均等になるように表3に示す5群に分けた。1週間の馴化飼育の後、「S‐Fr1mg投与群」、「S‐Fr10mg投与群」および「S‐Fr50mg投与群」には、ホップ酸化反応産物をS−Frとして乾燥質量換算で1、10、50mg/kg体重となるように胃内へ強制経口投与した。投与したS−Frを含むホップ酸化反応産物は、投与直前に実施例1(2)で得られたホップ酸化反応産物水抽出物の乾燥物に蒸留水を添加することにより調製したものである。具体的には、投与する液量が10mL/kg体重となるよう蒸留水で調製したS−Fr水溶液を1日1回、6日間連続で胃内へ強制経口投与した。また、「対照群」(非炎症惹起群)および「S‐Fr非投与群」には、投与する液量が10mL/kg体重となるように希釈溶媒(蒸留水)を1日1回、6日間連続で胃内へ強制経口投与した。なお、2005年FDAガイドラインに従って、マウスに対するS−Fr投与量1、10、50mg/kg体重を体表面換算によりヒト(体重60kg)への投与量に換算すると、それぞれ5、49、243mgである(Guidance for Industry Estimating the Maximum Safe Starting Dose in Initial Clinical Trials for Therapeutics in Adult Healthy Volunteers、URL:https://www.fda.gov/downloads/drugs/guidances/ucm078932.pdf)。
Figure 2019181058
(3)脳内炎症の惹起
LPS(SIGMA−ALDRICH社製)を蒸留水に溶解させて1.5mg/mLのLPS水溶液を調製した。試験群(S‐Fr非投与群、S‐Fr投与群)に対して、S−Fr投与6日目におけるS−Frまたは蒸留水投与から1時間後に、マウス1匹につきLPS0.5mgとなるようにLPS水溶液を脳室内投与した。また、対照群(非炎症惹起群)に対して、マウス1匹につき10μLの蒸留水を脳室内投与した。
(4)ホップ酸化反応産物(S−Fr)の投与(II)
上記(3)に記載のLPSまたは蒸留水の投与から23時間後に、各群のマウスに表3に示す量のS−Frまたは蒸留水を胃内へ強制経口投与した。
(5)体重測定
尾懸垂試験の前日(およそ7週齢時)に各群の体重を測定した。測定結果(平均値±標準偏差)は、対照群(非炎症惹起群)が35.0±0.7gであり、S‐Fr非投与群が34.4±0.5gであり、S‐Fr1mg投与群が35.9±0.7gであり、S‐Fr10mg投与群が35.0±0.6gであり、S‐Fr50mg投与群が34.5±0.5gであり、群間に体重の偏りは認められなかった。
(6)尾懸垂試験
上記(4)に記載のS−Frまたは蒸留水投与から1時間後に尾懸垂試験を実施した。具体的には、照度60ルクス、温度23.5±1℃の個別ケージ内で、逆さの状態のマウスの頭部がケージ底面から45〜50cmの高さになるように、ケージ上面にテープ(幅1cm、長さ15cm)の一方の端を固定し、他方の端2cmを、マウスの尾(尾の先端から1cmの部位)に巻き付けてテープを尾に固定し、マウスを6分間吊るした(尾懸垂)。尾懸垂状態となったマウスをビデオカメラとモニタを用いて別室から目視し、6分間中の無動状態となった時間(無動時間)(秒)を測定した。なお、無動状態とは「マウスの四肢の動きが止まり、力み(りきみ)が無くなった状態」である。
ここで、尾懸垂試験は抑うつ様行動を評価する方法として開発されたものである(Cryan JF, et al. Neurosci Biobehav Rev. 2005; 29: 571-625)。マウスの尾を固定し逆さの状態で吊すと、逃避行動の後に無動状態(動作を示さずぶら下がっている状態)が認められるため、一定時間中に認められる無動状態の発現時間を抑うつ様行動として評価する。尾懸垂試験で認められる無動状態は、実験動物が暴露された環境からの逃避を放棄した絶望状態、すなわち回避意欲の消失を意味するものと考えられており、意欲の指標ともなる。実際に、臨床上有効性が認められている既存の抗うつ薬が、LPSにより誘発される無動状態を抑制することが知られている(Park et al. Journal of Neuroinflammation 2011, 8:12)。
(7)脳内炎症の評価
尾懸垂試験の終了から3時間後に各群のマウスを安楽死させ、海馬および大脳皮質を採材した。次いで、海馬および大脳皮質中の炎症性サイトカイン量を測定した。具体的には、採材した海馬および大脳皮質をそれぞれRIPAバッファー(和光純薬工業社製)中でビーズ破砕し、Mouse IL−1β ELISA Ready−SET−Go!ELISAキット(eBioscience社製)を用いて、炎症性サイトカインであるインターロイキン−1β(IL−1β)を定量した。得られたIL−1β定量値は、BCA Protein Assayキット(Thermo Fisher Science社製)を用いてBCA法(ビシンコニン酸法)により定量した破砕液中の総タンパク質濃度で除し、海馬または大脳皮質における単位タンパク質質量あたりのIL−1β含量として評価した。
(8)結果
尾懸垂試験の結果および脳内炎症の評価結果は、図3〜5に示される通りであった。なお、検定は全てS−Fr非投与群を対照としたダネットの検定によって行った。
図3に示される通り、尾懸垂試験の無動時間は、炎症を惹起させたS‐Fr非投与群では、対称群(非炎症惹起群)と比較して有意に増加した。一方で、S−Fr投与群では、S‐Fr非投与群と比較して、無動時間が減少する傾向が確認され、特にS−Fr10mg投与群およびS−Fr50mg投与群では、無動時間が有意に減少することが示された。このことからS−Fr投与によって、抑うつ状態および意欲低下が改善し、無動時間が減少したことが確認された。
また、図4および図5に示される通り、海馬および大脳皮質中のIL−1β量は、炎症を惹起させたS‐Fr非投与群では、対照群(非炎症惹起群)と比較して有意に増加した。一方で、S−Fr投与群では、S‐Fr非投与群と比較して、IL−1β量が減少する傾向が確認され、特に海馬では、S−Fr1mg投与群およびS−Fr10mg投与群において(図4)、大脳皮質ではS−Fr50mg投与群において(図5)、IL−1β量が有意に減少することが示された。これらの結果から、S−Fr投与によって、脳内炎症を緩和することができ、これを介して抑うつ状態が改善されるとともに、意欲やモチベーション(気力)の低下が改善されることが示された。
実施例3:気分状態および精神状態に対するホップ酸化反応産物の効果
(1)試験の概要
ホップ酸化反応産物が精神機能(特に気分状態や精神状態)に及ぼす効果を検証するヒト試験を実施した。本試験は、プラセボを対照とした無作為化二重盲検並行群間比較試験とした。試験期間は12週間とし、試験期間中は試験食品または対照食品を摂取させた。具体的には、45歳以上64歳以下の健康な男女に試験食品として「ホップ酸化反応産物含有カプセル」を、対照食品として「ホップ酸化反応産物非含有カプセル」をそれぞれ摂取させて、ホップ酸化反応産物(特にS‐Fr)の気分状態および精神状態に対する効果を確認した。
(2)被験者
事前検査において医師から健常と判断された者を試験食品群(30名)と対照食品群(30名)に無作為に割り付けた。解析対象者は、試験食品群では27名(男性13名、女性14名)、対照食品群では30名(男性14名、女性16名)であり、解析対象者の年齢(平均値±標準偏差)は試験食品群が54.6±5.4歳、対照食品群が55.4±5.3歳であった。被験者には、試験期間中は試験期間前と同様の生活を継続させた。
(3)被験食品
試験期間中(12週間)、試験食品群には3粒の試験食品を、対照食品群には3粒の対照食品を1日1回水またはぬるま湯と共に毎日摂取させた。試験食品としては、「ホップ酸化反応産物含有カプセル」(カプセル3粒中にS−Frを乾燥質量換算で35mgを含む)を用いた。また、対象食品としてはS−Frに代えて、デキストリン(パインデックス#100:松谷化学工業社製)を配合する以外は同様の方法によって製造した「ホップ酸化反応産物非含有カプセル」を用いた。1粒あたりの試験食品の処方は表4に示す通りである。
Figure 2019181058
(4)測定
ア 測定項目
測定項目として以下の検査を行った。
・Profile of Mood States 2nd Edition(短縮版)(本明細書において、「POMS2検査」ということがある。)
イ 測定時期
POMS2検査は、被験食品摂取開始前、摂取開始後6週時および摂取開始後12週時の被験者の来院時に1回実施した。なお、6週時および12週時において、被験食品の摂取は測定の30分前を目安に行った。
ウ 測定方法
POMS2検査は次のように行った。すなわち、被験者が感じた過去1週間の気分状態ついて合計35問の質問に答えさせた。回答を項目ごとに「怒り−敵意」、「混乱−当惑」、「抑うつ−落込み」、「疲労−無気力」、「緊張−不安」、「活気−活力」および「友好」の7尺度と、「総合的気分状態」について算出し、過去1週間の気分状態を評価した。各尺度の点数はT得点(世代平均が50、標準偏差が10の正規分布に近似するように変換された値)で評価した。
(5)評価と解析
POMS2検査で評価される各指標において、各測定時点におけるスコア(実測値)を得、そのスコアから、対応する摂取開始前のスコアを減じた値を変化量とした。両群の実測値および変化量について2標本t検定によって検定を行った。
(6)結果
結果は表5に示される通りであった。
Figure 2019181058
「緊張−不安」の項目に関して、試験食品群においてのみ、実測値と変化量が摂取開始後6週時点と12週時点の両方の時点で改善する傾向が認められ、両群の実測値の差について摂取開始後12週時点で有意差が認められた(P<0.05)。
「混乱−当惑」、「抑うつ−落込み」、「疲労−無気力」および「総合的気分状態」の各項目に関して、試験食品群においてのみ、実測値と変化量が摂取開始後6週時点と12週時点の両方の時点で改善する傾向が認められた。また、これらの項目のうち「抑うつ−落込み」を除く各項目について摂取開始後6週時点の変化量について、試験食品摂取群の改善が対照食品摂取群と比較して有意傾向であった(P<0.1)。
なお、POMS2試験は「怒り−敵意」、「混乱−当惑」、「抑うつ−落込み」、「疲労−無気力」、「緊張−不安」および「総合的気分状態」については実測値の数値が小さい方が、「活気−活力」および「友好」については実測値の数値が大きい方がよい状態であることを意味する。従って、本試験では、「怒り−敵意」、「混乱−当惑」、「抑うつ−落込み」、「疲労−無気力」、「緊張−不安」および「総合的気分状態」について変化量の数値の小さい方が摂取開始前よりも状態の改善が大きく、「活気−活力」「友好」について変化量の数値の大きい方が摂取開始前よりも状態の改善が大きいこととなる。
以上の結果から、被験者がホップ酸化反応産物含有カプセルを摂取することにより、気分状態や精神状態を評価する検査であるPOMS2検査の「緊張−不安」の項目が改善(有意差有)し、さらには、「混乱−当惑」、「疲労−無気力」および「総合的気分状態」の項目も改善(有意傾向)したことから、ホップ酸化反応産物(特にS−Fr)は気分状態や精神状態を改善する効果を有することが示された。

Claims (9)

  1. ホップ酸化反応産物を含んでなる、精神機能の低下抑制用組成物。
  2. 精神機能の低下が、うつに関連する状態および不安に関連する状態からなる群から選択される1種または2種以上の状態である、請求項1に記載の組成物。
  3. 精神機能の低下が、気分状態の低下または精神状態の低下である、請求項1に記載の組成物。
  4. 精神機能が低下した対象または精神機能の低下のリスクがある対象に摂取させる、請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物。
  5. 精神機能の低下が、ストレスまたは慢性疲労によるものである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物。
  6. 食品組成物である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の組成物。
  7. 1回摂取に適した単位包装形態である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の組成物。
  8. ホップ酸化反応産物がS−フラクションである、請求項1〜7のいずれか一項に記載の組成物。
  9. S−フラクションを乾燥質量換算で1回当たりの摂取量で1〜500mgで含んでなる、請求項8に記載の組成物。

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