JPWO2019176329A1 - 動力伝達装置およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
また、ワイヤーハーネスを短くしたいという要請もある。よって、例えば、高温の作動油に曝されにくく、且つワイヤーハーネスを短くするために自動変速機の変速機構が配置される部屋と区画された別室を形成し、当該別室に変速機コントローラを配置することが考えられる。
本発明は、変速機コントローラの組み付けを行った後に、コネクタの電気的な接続を行うことができる構造とその製造方法を提供することを目的とする。
収容室と、
コントローラと、
前記コントローラと接続される雄コネクタ部と、
前記雄コネクタ部と接続される雌コネクタ部と、
前記雌コネクタ部と接続されるワイヤーハーネスと、
前記収容室の少なくとも一部を構成する蓋部と、を有し、
前記コントローラと前記雄コネクタ部とは前記蓋部に設置され、
前記雌コネクタ部と前記ワイヤーハーネスは前記収容室内に設置され、
前記雄コネクタ部と前記雌コネクタ部とは、前記雄コネクタ部と前記雌コネクタ部との電気的な接続が行われる接続領域内を貫通する接合ネジにより螺合されている構成の動力伝達装置とした。
図1は、自動変速機1の各構成要素の変速機ケース10内での配置を模式的に示した図である。なお、図1では、変速機ケース10内に配置されたバリエータ2と、ギヤ列Rと、ファイナルギヤFと、差動装置Dを、簡略的に仮想線で示している。
図2は、変速機ケース10における電動オイルポンプ21と後述する変速機コントローラ9の配置を模式的に示した図である。図2の(a)は、図1の変速機ケース10の電動オイルポンプ21周りの拡大図である。図2の(b)は、変速機ケース10を、同図(a)におけるA−A矢視方向から見た斜視図である。
動力伝達部材Vは、両側にスリットを有する板状のエレメント(図示せず)を積層して環状に配置し、エレメントの各々を、スリットを挿通させた環状リングで結束して構成されたベルトである。
セカンダリプーリ4は、回転軸X1に平行な回転軸X2(セカンダリプーリの軸中心)回りに回転可能に設けられている。
これにより、プライマリプーリ3に入力された回転駆動力が、所望の変速比で変速されて、セカンダリプーリ4に伝達される。
本実施の形態では、バリエータ2と、ギヤ列Rと、ファイナルギヤFとで、変速機構部を構成している。
変速機ケース10の内部では、プライマリプーリ3が、セカンダリプーリ4よりも鉛直線方向における下側に配置されている。
図1に示す変速機ケース10は、紙面手前側と奥側に奥行きを持っており、変速機ケース10よりも紙面奥側に、図示しない駆動源が位置している。
第3室S3内には、コントロールバルブユニット17が位置している。コントロールバルブユニット17もまた、変速機ケース10の下部に固定されており、コントロールバルブユニット17に付設されたオイルストレーナ18は、オイルパン15内に貯留された作動油OL内に位置している。
この第1室S1には、バリエータ2の収容空間や、ギヤ列RとファイナルギヤFの収容空間が含まれる。
変速機ケース10内の空間は、周壁11の下部に設けた区画壁111により、オイルパン15側の第3室S3と、変速機構部(バリエータ2)側の第1室S1とに区画されている。
仕切壁部12の外周には、オイルクーラ20と電動オイルポンプ21が付設されている。仕切壁部12において電動オイルポンプ21は、オイルクーラ20よりもオイルパン15側(鉛直線方向における下側)に設けられている。
回転軸X1方向から見て区画壁111は、仕切壁部12の第1壁121の表面121a(外周面)よりも外側(図中、左側)まで及ぶ範囲に設けられている。
区画壁111では、第1壁121の表面121a(外周面)よりも外側に位置する領域が、膨出領域111aとなっている。
壁部123は、第1壁121と第2壁122との境界部から、変速機ケース10の外側に向けて延出している。壁部123は、水平線H1に対して略平行に設けられている。
なお、図3の(a)では、端子ピン50e、端子孔60eの記載は省略してある。また、図3の(a)では、説明の便宜上、座ぐり部52、貫通孔55、ネジ穴65及び接合ネジ8の大きさを誇張して記載している。
図4は、変速機ケース10と変速機コントローラ9との配置を示した図であり、図2の(b)における蓋部7周りの分解斜視図である。
以下、図3,4を参照しながら蓋部7を説明する。
蓋部7は、第2室S2に対向する底壁701と、当該底壁701を全周に亘って囲む周壁702と、から構成される有底筒状の基部70を有する。
蓋部7は、底壁701の厚み方向を軸線Y方向に沿わせた状態で変速機ケース10に設置される。周壁702は、軸線Y方向における底壁701を挟んだ第2室S2と反対側で、底壁701から離れる方向に延出している。蓋部7はボルト79で変速機ケース10に固定される。
変速機コントローラ9は板状の基板である。変速機コントローラ9には、当該変速機コントローラ9を厚み方向に貫通する貫通孔95が形成されている。貫通孔95の中心線は、軸線Yと同軸である。また、変速機コントローラ9は、厚み方向における一方の面9aに雄コネクタ部5を備える。貫通孔95の孔径は、後記する座ぐり部52の内径と略整合する。
図3の(a)に示すように、雄コネクタ部5は変速機コントローラ9から離れる方向に延出している。雄コネクタ部5は、蓋部7の底壁701に形成された貫通孔701aを貫通して第2室S2に露出している。
図3の(a)に示すように、雄コネクタ部5は、基部50の他端面50b側で、雌コネクタ部6と接続している。
長壁部601,601の長さL3は、先に説明した雄コネクタ部5の長壁部511,511の内周側の長さL1より僅かに短い長さである(L1>L3)。
短壁部602,602の長さL4は、先に説明した雄コネクタ部5の短壁部512,512の内周側の長さL2より僅かに短い長さである(L2>L4)。
なお、このネジ穴65は、軸線Y方向に所定の深さで基部60に形成されているが、軸線Y方向に基部60を貫通していても良い。
これら他端面50bと一端面60aとが当接する領域が、雄コネクタ部5と雌コネクタ部6との電気的な接続が行われる接続領域Eとなる(図3の(c),(d)のハッチング部参照)。接続領域E内で端子ピン50eが端子孔60eに挿入される。接続領域E内で基部50の貫通孔55と基部60のネジ穴65とが連通する。
図3の(b)に示すように、接合ネジ8は、軸線Y方向における軸部81の一端81aに頭部82を有している。接合ネジ8は、軸線Y方向における蓋部7の外側から取り付けられる。軸部81は、一端81a側が雄コネクタ部5の貫通孔55に挿入され、他端81b側が雌コネクタ部6のネジ穴65に螺入される(図3の(a)参照)。
第2大径部822と軸部81との境界は段部86となっている。段部86は、軸線Yに直交する平坦面となっている。第2大径部822の外径r4は、雄コネクタ部5の座ぐり部52の内径r2より小径である(r2>r4)。
従って、雄コネクタ部5と雌コネクタ部6には、接合ネジ8による締付力が作用する。これにより、雄コネクタ部5と雌コネクタ部6とは、接続した状態が維持される。
なお、図5の(a)では、雄コネクタ部5を仮想線で記載してある。
この他端面60bは、軸線Yに直交する平坦面である。この他端面60bには、一対の係止部66(66a,66b)が設けられている。
図5の(a),(b)に示すように、一対の係止部66(66a,66b)は、軸線Y方向から見て、基部60の長手方向に沿う直線Lm1上で間隔L5を空けて設けられている。この直線Lm1は、鉛直線V1,V2と平行である(図1参照)。
これら腕部661a,661bは、それぞれ腕部661a,661bの先端から直線Lm1方向で互いに近づく方向に延びる係止片662a,662bを有する(図中、上下方向)。
図5の(a),(c)に示すように、一対の係止部22(22a,22b)は、直線Lm1に平行な直線Lm2上で、間隔L7を空けて設けられている。この間隔L7は、先に説明した一対の係止部66の間隔L5と整合する(L5=L7)。
これら腕部221a,221bは、それぞれ腕部221a,221bの先端から直線Lm2方向で互いに近づく方向に延びる係止片222a,222bを有する(図中、上下方向)。
図5の(a)に示すように、ブラケットBは、帯状の金属板を、長手方向における一端Baと他端Bbの略中間位置で、直角に折り曲げて形成したものである。ブラケットBは、上面視において略L字形状をなしている。なお、ブラケットBは金属板でなくとも良い。例えば、L字形状に成形された樹脂板であっても良い。
直線Ln1方向における一端Ba側の長さL9は、係止部66の長さL6よりも長い(L9>L6)。これにより、ブラケットBの係止部66からの脱落が防止される。
直線Ln2方向における他端Bb側の長さL10は、係止部22の長さL8よりも長い長さである(L10>L8)。これにより、ブラケットBの係止部22からの脱落が防止される。
つまり、雌コネクタ部6は、ブラケットBを介して電動オイルポンプ21に対して、対向面21cに直交する方向及び軸線Y方向に摺動可能に支持されている。
以下、かかる構成を有する自動変速機1における、変速機ケース10に変速機コントローラ9を組み付ける手順について説明する。
図6,7は、変速機コントローラ9と変速機ケース10との組み付けを説明する図である。
図6の(a)〜(d)及び図7の(a),(b)は、組み付けの過程を順番に示すものである。なお、説明の便宜上、雄コネクタ部5と雌コネクタ部6は模式的な断面図で示してある。
図6の(a)は、変速機コントローラ9(蓋部7)と変速機ケース10とが離間した状態を示す図である。図6の(b)は、雄コネクタ部5と雌コネクタ部6とが僅かに嵌合した状態を説明する図である。図6の(c)は、第2室S2の開口が蓋部7で封止された状態を説明する図である。図6の(d)は、接合ネジ8と雌コネクタ部6とが螺合する直前の状態を説明する図である。
図7の(a)は、接合ネジ8が雄コネクタ部5に位置決めされた状態を説明する図である。図7の(b)は、接合ネジ8と雌コネクタ部6との螺合が終了した状態を説明する図である。
具体的には、ブラケットBの一端Ba側を、雌コネクタ部6の他端面60bと一対の係止部66a,66bとで囲まれた空間内に挿入する。ブラケットBの他端Bb側を、電動オイルポンプ21の対向面21cと一対の係止部22a,22bとで囲まれた空間に挿入する(図5参照)。
雌コネクタ部6は、電動オイルポンプ21にブラケットBを介して取り付けられると、軸線Yに直交する方向(図5の(a)中、上下方向)の移動が規制される。
この場合において、雌コネクタ部6は、電動オイルポンプ21の対向面21cに直交する方向(図中、前後方向)に移動させることができる。前述したとおり、雌コネクタ部6は、ブラケットBを介して電動オイルポンプ21に対して、対向面21cに直交する方向に摺動可能に支持されているからである(図5の(a)参照)。
これにより、軸線Y方向で、雌コネクタ部6の基部60の一端面60aと雄コネクタ部5の基部50の他端面50bとを互いに対向させることができる。雌コネクタ部6は、雄コネクタ部5と接続可能な位置に配置される。
そして、図6の(c)に示すように、第2室S2の開口は、蓋部7で封止される。この場合において、蓋部7は、ボルト79で変速機ケース10の膨出領域111aと壁部123に固定される(図4参照)。
なお、雄コネクタ部5の基部50の他端面50bと、雌コネクタ部6の基部60の一端面60aとはまだ接触していない。
これにより、接合ネジ8のみが軸線Y方向の雌コネクタ部6側に進む(図中、矢印参照)。
ここで、蓋部7(雄コネクタ部5)は、変速機ケース10の膨出領域111aと壁部123で位置決めされている。また、段部86はワッシャ87を介して座面52aに当接している。そうすると、接合ネジ8は、蓋部7に対して位置決めが完了しているので、これ以上軸線Y方向の雌コネクタ部6側に進むことはできない。
前述したとおり、雌コネクタ部6は、ブラケットBを介して電動オイルポンプ21に対して、軸線Y方向に摺動可能に支持されているからである(図5の(a)参照)。
従って、カバー板72を基部70に取り付けた後は、第2大径部822は座ぐり部52内で保持される。これにより、例えば電動オイルポンプ21から発生される振動等の影響により締付力が弱まったとしても、接合ネジ8が蓋部7から脱落することが防止される。
(1)自動変速機1は、第2室S2(収容室)と、
変速機コントローラ9(コントローラ)と、
変速機コントローラ9と接続される雄コネクタ部5と、
雄コネクタ部5と接続される雌コネクタ部6と、
雌コネクタ部6と接続されるワイヤーハーネス128と、
第2室S2の少なくとも一部を構成する蓋部7と、を有している。
変速機コントローラ9と雄コネクタ部5とは蓋部7に設置されている。
雌コネクタ部6とワイヤーハーネス128は第2室S2内に設置されている。
雄コネクタ部5と雌コネクタ部6とは、電気的に接続されている。
雄コネクタ部5と雌コネクタ部6とは、接合ネジ8により螺合されている。
接合ネジ8は、雄コネクタ部5と雌コネクタ部6との接続領域E内を通る。
つまり、雄コネクタ部5と雌コネクタ部6の電気的な接続を行った後に蓋部7で蓋をすると、ワイヤーハーネス128の遊びが必要になり、且つ蓋をするときに断線の虞が生じるが、蓋部7で蓋をした後に雄コネクタ部5と雌コネクタ部6の電気的な接続を行うことが可能な構造とすることにより、断線を防止することが可能になる。
そこで、上記のように構成して、雌コネクタ部6を摺動可能に支持することによって、螺合時の雌コネクタ部6の移動による電気的な接続を可能にすることができると共に、螺合時の位置合わせを容易にすることができる。
雌コネクタ部6は、電動オイルポンプ21に対して摺動可能に支持されている。
更に、第2室S2内に支持用の別部材を設ける場合と比較した場合、電動オイルポンプ21の一部材(例えば、係止部22)を利用するのでコストの増加を抑えることができる。
そこで、上記のように構成すると、変速機コントローラ9が高温の作動油OLに曝されることを抑制することができ、変速機コントローラ9の耐久性の低下を抑制することができる。
そこで、上記のように構成すると、変速機コントローラ9が大量の作動油OLに曝されることを抑制することができ、変速機コントローラ9の耐久性の低下を抑制することができる。
連通孔112は、第2室S2と第3室S3とを、最短距離で連通させている。
すなわち、
(7)自動変速機1は、第2室S2(収容室)と、
変速機コントローラ9(コントローラ)と、
変速機コントローラ9と接続される雄コネクタ部5と、
雄コネクタ部5と接続される雌コネクタ部6と、
雌コネクタ部6と接続されるワイヤーハーネス128と、
第2室S2の少なくとも一部を構成する蓋部7と、を有し、
変速機コントローラ9と雄コネクタ部5とは蓋部7に設置され、
雌コネクタ部6とワイヤーハーネス128は第2室S2内に設置された自動変速機1の製造方法であって、
蓋部7の取り付けを行った状態で、雄コネクタ部5と雌コネクタ部6との電気的な接続が行われる接続領域E内を貫通する接合ネジ8により、雄コネクタ部5と雌コネクタ部6を蓋部7の外側から螺合する工程を経て組み立てが行われる。
これにより、ワイヤーハーネスと変速機コントローラとを外部で接続させた後、変速機コントローラを設置する、という従来の作業は必要としない。よって、変速機コントローラ9を変速機ケースに設置するにあたり、ワイヤーハーネス128の遊びを少なくして、当該ワイヤーハーネス128が断線することを防止できる。
Claims (5)
- 収容室と、
コントローラと、
前記コントローラと接続される雄コネクタ部と、
前記雄コネクタ部と接続される雌コネクタ部と、
前記雌コネクタ部と接続されるワイヤーハーネスと、
前記収容室の少なくとも一部を構成する蓋部と、を有し、
前記コントローラと前記雄コネクタ部とは前記蓋部に設置され、
前記雌コネクタ部と前記ワイヤーハーネスは前記収容室内に設置され、
前記雄コネクタ部と前記雌コネクタ部とは、前記雄コネクタ部と前記雌コネクタ部との電気的な接続が行われる接続領域内を貫通する接合ネジにより螺合されている動力伝達装置。 - 請求項1に記載の動力伝達装置において、
前記雌コネクタ部は、前記収容室内において前記蓋部が取り付けられる方向に向かって摺動可能に支持されている動力伝達装置。 - 請求項2に記載の動力伝達装置において、
前記収容室内に電動オイルポンプを有し、
前記雌コネクタ部は前記電動オイルポンプに対して摺動可能に支持されている動力伝達装置。 - 請求項1〜3のいずれか一項に記載の動力伝達装置において、
駆動力伝達機構が収容される他の収容室を有している動力伝達装置。 - 収容室と、
コントローラと、
前記コントローラと接続される雄コネクタ部と、
前記雄コネクタ部と接続される雌コネクタ部と、
前記雌コネクタ部と接続されるワイヤーハーネスと、
前記収容室の少なくとも一部を構成する蓋部と、を有し、
前記コントローラと前記雄コネクタ部とは前記蓋部に設置され、
前記雌コネクタ部と前記ワイヤーハーネスは前記収容室内に設置された動力伝達装置の製造方法であって、
前記蓋部の取り付けを行った状態で、前記雄コネクタ部と前記雌コネクタ部との電気的な接続が行われる接続領域内を貫通する接合ネジにより、前記雄コネクタ部と前記雌コネクタ部を前記蓋部の外側から螺合する工程を経て組み立てが行われる動力伝達装置の製造方法。
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