JPWO2019167668A1 - ビニルピロリドン系重合体溶液の製造方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、経時安定性に優れる高濃度の低K値ビニルピロリドン系重合体溶液の製造方法を提供する。本発明は、重合体濃度が40〜70質量%であり、フィケンチャー法によるK値が10〜28のビニルピロリドン系重合体溶液を製造する方法であって、該製造方法は、反応器にN−ビニルピロリドンを含む単量体成分と過酸化水素を含む重合開始剤とを添加して重合させる工程を含み、該過酸化水素の使用量が、全単量体の使用量100質量%に対して、1.6〜4.0質量%であり、該単量体成分の添加終了後のアンモニアの使用量が全単量体の使用量100質量%に対して、0〜0.3質量%であることを特徴とするビニルピロリドン系重合体溶液の製造方法である。

Description

本発明は、ビニルピロリドン系重合体溶液の製造方法に関する。より詳しくは、化粧品、医薬品、洗剤、農業・園芸等の用途に有用なビニルピロリドン系重合体溶液の製造方法に関する。
代表的な環状アミド基含有重合体であるポリビニルピロリドンやビニルピロリドン共重合体は、生体適合性、安全性、親水性等の長所、利点があることから、化粧品、医薬品、洗剤、農業・園芸、繊維改質剤、粘接着剤、塗料、分散剤、染料可溶化剤、インキ、電子部品等の種々の分野で広く用いられている。
従来は、容積面での有利性から、一旦粉体としてから貯蔵や輸送を行い、使用時に溶媒に溶解させて溶液として使用していた。しかしながら、溶液であれば、一旦粉体とする必要がないため、効率の点において望ましく、高濃度のビニルピロリドン系重合体溶液の製造方法も開発されている。
例えば特許文献1には、フィケンチャー法によるK値が60以下であるビニルピロリドン系重合体の濃度40〜60重量%の溶液を製造する方法であって、N−ビニルピロリドンを必須とする単量体成分と過酸化水素とアンモニアとを銅触媒を含む水系溶媒中に逐次添加して55〜90℃で重合反応させることとし、N−ビニルピロリドンに対して、アンモニアの使用量は0.1〜0.37重量%となる量とし、過酸化水素の使用量は0.4〜7重量%となる量とし、銅触媒の使用量は、該銅触媒に含まれる銅イオン量がN−ビニルピロリドンに対して20〜300ppbとなる量とし、該銅触媒は、硫酸銅、塩化銅、硝酸銅、酢酸銅のいずれかであることを特徴とするビニルピロリドン系重合体溶液の製造方法が開示されている。
特許文献2〜4にもビニルピロリドン系重合体の製造方法が開示されている。
特許第5268256号公報 特開2002−155108号公報 特開2007−262159号公報 特開2015−187225号公報
上記のとおり、従来より種々のビニルピロリドン系重合体の製造方法が報告されているものの、従来の製造方法で得られた高濃度でK値が低いビニルピロリドン系重合体溶液は、長期間保存した場合にK値が増大し、経時安定性において問題があった。
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、経時安定性に優れる高濃度の低K値ビニルピロリドン系重合体溶液の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、ビニルピロリドン系重合体の製造方法について種々検討したところ、過酸化水素の使用量を特定の範囲として低K値ビニルピロリドン系重合体を製造する方法において、単量体成分の添加終了後のアンモニアの使用量を特定の範囲とすることにより、高濃度の重合体溶液の経時安定性が向上することを見いだした。具体的には、単量体成分の添加終了後のアンモニアの使用量(反応器への添加量)を特定の範囲とすることにより、重合工程後半の反応器内の溶液のpHを調整して重合性を制御し、さらに、重合後の溶液中の、分子量が増大する反応を促進するアンモニアの残存量を低減することができるため、長期間保存した場合であってもK値が増大することを抑制し、高濃度であっても重合体溶液は経時安定性に優れるものとなることを見出し、上記課題をみごとに解決することができることに想到し、本発明に到達したものである。
すなわち本発明は、重合体濃度が40〜70質量%であり、フィケンチャー法によるK値が10〜28のビニルピロリドン系重合体溶液を製造する方法であって、上記製造方法は、反応器にN−ビニルピロリドンを含む単量体成分と過酸化水素を含む重合開始剤とを添加して重合させる工程を含み、上記過酸化水素の使用量が、全単量体の使用量100質量%に対して、1.6〜4.0質量%であり、上記単量体成分の添加終了後のアンモニアの使用量が全単量体の使用量100質量%に対して、0〜0.3質量%であるビニルピロリドン系重合体溶液の製造方法である。
上記製造方法は、単量体成分の添加終了後の過酸化水素の使用量が全単量体の使用量100質量%に対して、0.2〜2.5質量%であることが好ましい。
上記製造方法は、アンモニア及び過酸化水素の添加終了後の反応器内の溶液のpHが4.5以下であることが好ましい。
上記製造方法は、上記単量体成分の添加終了前にもアンモニアを使用することが好ましい。
上記製造方法は、重金属化合物の使用量は金属イオンの量に換算して、単量体成分に対して0.01〜5質量ppmであることが好ましい。
上記製造方法は、単量体成分添加終了後の反応器内の溶液の温度を単量体成分添加終了前の温度よりも上げることが好ましい。
本発明はまた、ビニルピロリドン系重合体溶液であって、上記重合体溶液は、ビニルピロリドン系重合体の濃度が40〜70質量%であり、フィケンチャー法によるK値が10〜28であり、重合体溶液中の2−ピロリドンの含有量が35000質量ppm未満であり、pHが4.5以下であるビニルピロリドン系重合体溶液でもある。
上記ビニルピロリドン系重合体溶液は、23℃で60日間保存した際の、60日間保存後のK値が保存開始時のK値100%に対して92〜108%であることが好ましい。
上記ビニルピロリドン系重合体溶液のK値として好ましくは10〜27である。
本発明のビニルピロリドン系重合体溶液の製造方法は、上述の構成よりなり、重合体濃度が高濃度であっても経時安定性に優れる重合体溶液を得ることができるため、得られた重合体を種々の用途に好適に用いることができる。
以下に本発明の好ましい形態について具体的に説明するが、本発明は以下の記載のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において適宜変更して適用することができる。なお、以下に記載される本発明の個々の好ましい形態を2又は3以上組み合わせた形態も、本発明の好ましい形態に該当する。
<ビニルピロリドン系重合体溶液の製造方法>
本発明のビニルピロリドン系重合体溶液の製造方法は、反応器にN−ビニルピロリドンを含む単量体成分と過酸化水素を含む重合開始剤とを添加して重合させる工程を含み、上記過酸化水素の使用量が全単量体の使用量100質量%に対して、1.6〜4.0質量%であり、上記単量体成分の添加終了後のアンモニアの使用量が全単量体の使用量100質量%に対して、0〜0.3質量%である。
単量体成分の添加終了後のアンモニアの使用量(反応器への添加量)を0.3質量%以下とすることにより、重合工程後半の反応器内の溶液のpHを調整することにより重合性を制御し、さらに、重合後の溶液中の、分子量が増大する反応を促進するアンモニアの残存量を低減することができるため、得られる重合体溶液の経時安定性が向上する。更に、単量体成分の添加終了後のアンモニアの使用量を0.01質量%以上とすることが好ましく、これにより、重合工程後半の重合反応を効率的に行うことができるため、単量体成分の添加終了後のアンモニアの使用量が0質量%の場合よりも反応時間を短縮することができ、また、副生成物としての2−ピロリドンの量を低減することができる。好ましくは0.02〜0.2質量%であり、より好ましくは0.03〜0.15質量%であり、更に好ましくは0.04〜0.1質量%である。
本発明の製造方法は、重合開始剤として過酸化水素を使用するものである。上記製造方法における過酸化水素の使用量は、本発明の製造方法で使用される過酸化水素の総量であり、これを全単量体の使用量100質量%に対して、1.6〜4.0質量%とすることにより、重合反応速度を好適な範囲とすることができ、フィケンチャー法によるK値(以下、単にK値ともいう)が10〜28のビニルピロリドン系重合体を得ることができる。また、過酸化水素の使用量を全単量体の使用量100質量%に対して1.6質量%以上とすることにより、得られる重合体溶液の経時安定性が向上する。また、過酸化水素の使用量を4.0質量%以下とすることにより、副生成物としての2−ピロリドンの量を充分に低減することができ、重合体の性能を充分に発揮させることができる。重合体の製造後に2−ピロリドンを除くことは工業的に困難であるため、2−ピロリドンの量を充分に低減することができる点においても、本発明の製造方法は技術的意義を有する。
上記過酸化水素の使用量として好ましくは2.0〜3.9質量%であり、より好ましくは2.5〜3.8質量%であり、更に好ましくは3.0〜3.7質量%である。
本発明の製造方法は、重合開始剤として更に重金属化合物を用いることが好ましい。重金属化合物としては、銅のアンミン錯塩、硫酸銅、塩化銅、硝酸銅、酢酸銅、硫酸鉄(II)、硫酸鉄(II)アンモニウム等が挙げられる。重金属化合物は、1種のみであってもよいし2種以上であってもよい。重金属化合物の中でも銅化合物が好ましく、より好ましくは銅のアンミン錯塩である。
銅のアンミン錯塩としては、例えば、ジアンミン銅塩([Cu(NHSO・HO、[Cu(NH]Cl等)、テトラアンミン銅塩([Cu(NH]SO・HO、[Cu(NH]Cl等)等が挙げられる。
重合開始剤として銅のアンミン錯塩を用いる場合、上記銅のアンミン錯塩を反応器に添加してもよいが、硫酸銅、塩化銅、硝酸銅、酢酸銅等の銅塩とアンモニアとを反応器に添加して銅のアンミン錯塩を形成することが好ましい。銅塩として好ましくは硫酸銅である。
上記重金属化合物の使用量は、特に制限されないが、単量体成分に対して金属イオンの量が0.01〜5質量ppmとすることが好ましい。すなわち、重金属化合物の使用量は金属イオンの量に換算して、単量体成分に対して0.01〜5質量ppmであることが好ましい。金属イオンの量としてより好ましくは0.01〜3質量ppmである。これにより、過酸化水素の分解速度を好適な範囲とすることができる。
また、上記金属イオンの量としては、単量体成分に対して、0.001〜0.35ミリモル%とするのが好ましく、0.001〜0.21ミリモル%とするのがより好ましい。
上記製造方法は、上記単量体成分の添加終了後のアンモニアの使用量が上記範囲であれば特に制限されないが、上記単量体成分の添加終了前にも使用することが好ましい。これにより、反応器内の溶液のpHを好適な範囲とすることができ、重合反応をより充分に進行させることができる。また、上述の銅塩とともにアンモニアを反応器に添加することにより銅のアンミン塩を形成することができる。
単量体成分の添加終了前のアンモニアの使用量は、全単量体の使用量100質量%に対して、0.01〜0.5質量%であることが好ましい。より好ましくは0.05〜0.3質量%であり、更に好ましくは0.1〜0.2質量%である。
上記製造方法において、過酸化水素の使用量の総量が上記範囲であれば特に制限されないが、単量体成分の添加終了後の過酸化水素の使用量(反応器への添加量)が全単量体の使用量100質量%に対して、0.2〜2.5質量%であることが好ましい。これにより、得られる重合体の経時安定性がより向上し、残存モノマーの量を低減させることもできる。単量体成分の添加終了後の過酸化水素の使用量としてより好ましくは0.3〜2.5質量%であり、更により好ましくは0.35〜2.0質量%であり、更に好ましくは0.4〜1.0質量%である。
本発明の製造方法は、上述のとおり、単量体成分の添加終了後にアンモニア及び過酸化水素を全単量体の使用量100質量%に対してそれぞれ0〜0.3質量%、0.2〜2.5質量%の割合で使用することが好ましく、この場合、アンモニア及び過酸化水素の添加終了後の反応器内の溶液のpHが4.5以下であることが好ましい。これにより、得られる重合体溶液の経時安定性がより向上する。より好ましくはpH2.5〜4.4であり、更に好ましくはpH3.0〜4.2である。
本発明の製造方法における単量体成分は、N−ビニルピロリドンを含むものであれば特に制限されないが、N−ビニルピロリドンの使用量は、単量体成分100質量%に対して、30〜100質量%であることが好ましい。より好ましくは50〜100質量%であり、更に好ましくは70〜100質量%であり、一層好ましくは80〜100質量%であり、特に好ましくは90〜100質量%であり、最も好ましくは100質量%である。
上記単量体成分は、N−ビニルピロリドン以外のその他の単量体を含んでいてもよい。その他の単量体は、N−ビニルピロリドンと共重合できる限り特に制限されないが、例えば、(i)アクリル酸、メタアクリル酸等の不飽和モノカルボン酸及びこれらの塩;(ii)フマル酸、マレイン酸、メチレングルタル酸、イタコン酸等の不飽和ジカルボン酸及びこれらの塩(一塩であっても二塩であっても良い);(iii)3−アリルオキシ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸、(メタ)アリルスルホン酸、イソプレンスルホン酸等の不飽和スルホン酸及びこれらの塩;(iv)ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−(メタ)アリルオキシ−1,2−ジヒドロキシプロパン、(メタ)アリルアルコール、イソプレノール等不飽和アルコール及びこれらの水酸基にアルキレンオキシドを付加したアルキレンオキシド付加物;(v)(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル等の(メタ)アクリル酸エステル類;(vi)(メタ)アクリルアミド、N−モノメチル(メタ)アクリルアミド、N−モノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド等のN置換若しくは無置換の(メタ)アクリルアミド;(vii)スチレン、インデン、ビニルアニリン等のビニルアリール単量体;(viii)エチレン、プロピレン、ブタジエン、イソブチレン、オクテン等のアルケン類;(ix)酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のカルボン酸ビニル類;(x)N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ビニルピリジン、ビニルイミダゾールおよびこれらの塩またはこれらの4級化物等の不飽和アミン;(xi)ビニルホルムアミド、ビニルアセトアミド、ビニルオキサゾリドン等のビニルアミド類;(xii)無水マレイン酸、無水イタコン酸等の不飽和無水物類;(xiii)ビニルエチレンカーボネート及びその誘導体;(xiv)(メタ)アクリル酸−2−スルホン酸エチル及びその誘導体;(xv)メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル等のビニルエーテル類;(xvi)N−ビニル−5−メチルピロリドン、N−ビニルピペリドン、N−ビニルカプロラクタム、1−(2−プロペニル)−2−ピロリドン等のN−ビニルピロリドン以外のN−ビニルラクタム等が挙げられる。
上記単量体成分に含まれるその他の単量体の割合は、全単量体成分100質量%に対して、0〜70質量%であることが好ましい。より好ましくは0〜50質量%であり、更に好ましくは0〜30質量%であり、一層好ましくは0〜20質量%であり、特に好ましくは0〜10質量%であり、最も好ましくは0質量%である。
本発明の製造方法では、溶媒を用いて重合を行ってもよい。溶媒として水や有機溶媒を用いることができ、これらを混合してもよい。有機溶媒としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール等のアルコール類;グリコールエーテル、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ポリエチレングリコール等のエーテル類;ブチルアミン、シクロヘキシルアミン、ピリジン、モルホリン、2−アミノエタノール、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、アミノエチルエタノールアミン等のアミン類;等が挙げられる。
溶媒として好ましくは水である。
溶媒の使用量は、重合反応によって生じるビニルピロリドン系重合体の濃度が40〜70 質量%となるように、適宜設定すればよいが、全単量体の使用量100質量%に対して、45〜150質量%とすることが好ましく、65〜100質量%とすることがより好ましい。
本発明の製造方法において、単量体成分の添加終了後にアンモニアを上記の使用量で添加する限り、各原料の添加方法は特に制限されないが、逐次添加することが好ましい。これにより、重合反応により生じる発熱の問題を回避し、安全に製造することができる。また、重合反応中の単量体に対する開始剤量を適切な範囲に保つことができるため、残存単量体をより充分に低減することができる。逐次添加として具体的には、連続的な添加(例えば、一定時間をかけて滴下する態様)であってもよいし、断続的な添加(例えば、各原料(単量体成分、過酸化水素、アンモニア等)を複数回に分けて投入する態様)であってもよいし、両者を組み合わせた添加であってもよい。
上記製造方法におけるアンモニアの添加方法としては、単量体成分の添加終了までの間、連続的に添加する方法が好ましい。単量体成分の添加終了後は、一括添加であってもよいが、逐次添加することが好ましい。
上記製造方法における過酸化水素の添加方法としては、単量体成分の添加終了までの間、連続的に添加する方法が好ましい。単量体成分の添加終了後も、逐次添加することが好ましく、より好ましくはアンモニアの添加終了後に断続的に添加することであり、更に好ましくはアンモニアの添加終了後に2〜6回に分けて添加することである。
上記製造方法における重合温度は、50〜100℃であることが好ましい。より好ましくは52〜90℃であり、更に好ましくは55〜85℃である。
また、単量体成分添加終了後の反応器内の溶液の温度を単量体成分添加終了前の温度よりも上げることが好ましい。より好ましくはアンモニアの添加終了後に温度を上げることであり、更に好ましくはアンモニアの添加終了後に過酸化水素を添加する際に温度を上げることである。
また、単量体成分添加終了後に温度を上げる場合、単量体成分添加終了前の反応器内の溶液の温度よりも5〜35℃上げることが好ましい。
単量体成分添加終了後の反応器内の溶液の温度としては、65〜95℃であることが好ましい。より好ましくは70〜90℃であり、更に好ましくは75〜85℃である。
<ビニルピロリドン系重合体溶液>
本発明はまた、ビニルピロリドン系重合体溶液であって、上記重合体溶液は、ビニルピロリドン系重合体の濃度が40〜70質量%であり、フィケンチャー法によるK値が10〜28であり、重合体溶液中の2−ピロリドンの含有量が35000質量ppm未満であり、pHが4.5以下であるビニルピロリドン系重合体溶液でもある。
上記ビニルピロリドン系重合体の濃度は50〜70質量%が好ましい。
上記K値は、重合体の分子量を示す指標となるものであり、例えば、以下のように求めることができる。
<K値の求め方>
重合体を水に1質量%の濃度で溶解させ、その溶液の粘度を25℃において毛細管粘度計によって測定し、この測定値を用いて次のフィケンチャー式;
(logηrel)/C=〔(75Ko)/(1+1.5KoC)〕+Ko
K=1000Ko
(但し、Cは、溶液100ml中の重合体のg数を表す。ηrelは、溶媒に対する溶液の粘度を表す。)から計算した。なお、得られる数値が高いほど、分子量が高いことを示す。
上記ビニルピロリドン系重合体のK値は28以下であり、これにより溶液の粘性が高くなりすぎることを抑制し、溶液の取扱い性が良好となる。
上記ビニルピロリドン系重合体のK値として好ましくは10〜27であり、更に好ましくは13〜27であり、特に好ましくは13〜25であり、より好ましくは15〜25であり、最も好ましくは15〜20である。
なお、K値は製造条件で制御することができ、重合開始剤として用いる過酸化水素の使用量によって制御することができる。例えば本発明の実施例1では過酸化水素の使用量が3.30%でK値17.1のビニルピロリドン系重合体が得られているが、過酸化水素の使用量を2/3に減らすことでK値が25程度のビニルピロリドン系重合体を得ることができる。また、過酸化水素の使用量を増やすことでK値を10まで低下させることができるが、2−ピロリドンやオリゴマーの含有量がやや増えていく傾向がある。
上記ビニルピロリドン系重合体溶液中の2−ピロリドンの含有量は、35000質量ppm未満である。これにより、不純物量を低減でき、経時的な着色や、熱黄変を抑制することができる。2−ピロリドンの含有量として好ましくは33000質量ppm以下であり、より好ましくは30000質量ppm以下である。
上記2−ピロリドンの含有量は、実施例に記載の方法により測定することができる。
上記ビニルピロリドン系重合体溶液中の残存N−ビニルピロリドンの含有量は、200質量ppm以下であることが好ましい。これにより、安全性により優れることとなる。残存N−ビニルピロリドンの含有量としてより好ましくは100質量ppm以下であり、更に好ましくは50質量ppm以下であり、最も好ましくは10質量ppm以下である。
上記残存N−ビニルピロリドンの含有量は、実施例に記載の方法により測定することができる。
上記ビニルピロリドン系重合体溶液は、23℃で60日間保存した際の、60日間保存後のK値が保存開始時のK値100%に対して92〜108%であることが好ましい。より好ましくは98〜106%である。保存後のK値を上記範囲にすることで、溶液の粘性が高くなりすぎることを抑制し、溶液の取扱い性が良好となる。
上記ビニルピロリドン系重合体溶液は、50℃で60日間保存した際の、60日間保存後のK値が保存開始時のK値100%に対して90〜130%であることが好ましい。より好ましくは95〜120%である。
上記ビニルピロリドン系重合体溶液は、pHが4.5以下であり、pH4.4以下であることが好ましい。これにより、重合体の経時安定性がより向上することとなる。また、保存時に防腐剤の添加が不要、もしくは、添加量を少なくできる。より好ましくはpH2.5〜4.4であり、更に好ましくはpH3.0〜4.2である。
上記ビニルピロリドン系重合体溶液の製造方法は特に制限されないが、上記本発明のビニルピロリドン系重合体溶液の製造方法により製造することが好ましい。
<ビニルピロリドン系重合体の用途>
上記ビニルピロリドン系重合体溶液は、高濃度で経時安定性に優れるため、種々の用途に用いることができ、例えば、化粧品用途;崩壊剤、溶解補助剤、錠剤の結合剤、ヨウ素との複合体等の医薬品・医薬品用添加剤用途;食品用途;再汚染防止剤、色移り防止剤等の洗剤添加剤用途;金属微粒子や有機/無機顔料等の分散剤、粘接着剤、フォトレジスト等の感光性電子材料やインク用添加剤、導電性層や固体電解質、濾過膜製造時の添加剤等の工業用途;種子コーティング剤等の農業・園芸用途等に用いることができる。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は「質量部」を、「%」は「質量%」、「ppm」は「質量ppm」を意味するものとする。
<K値の測定>
重合体溶液に脱イオン水を添加して、固形分換算で1質量%の濃度になるように希釈し、その溶液の粘度を25±0.2℃において、ウベローデ型粘度計を用いて測定した。溶液が2つの印線の間を流れる時間を測定した。数回測定し、平均値をとった。相対粘度を測定するために、脱イオン水についても同様に測定した。2つの得られた流動時間をハーゲンバッハ−キュッテ(Hagenbach−Couette)の補正に基づいて補正した。
Figure 2019167668
上記式中、Zは濃度Cの溶液の相対粘度(ηrel)、Cは濃度(%:g/100ml)である。
相対粘度ηrelは次式により得た。
ηrel=(溶液の流動時間)÷(水の流動時間)
<固形分の測定>
底面の直径が約5cmの秤量缶(質量W1(g))に、約1gの重合体溶液を量り取り(質量W2(g))、150℃の定温乾燥機中において1時間静置し、乾燥させた。乾燥後の秤量缶+重合体の質量(W3(g))を測定し、以下の式より固形分を求めた。
固形分(質量%)=((W3(g)−W1(g))/W2(g))×100
<pHの測定>
重合体溶液に脱イオン水を添加して、固形分換算で5質量%の濃度になるように希釈し、その溶液のpHを測定した。
<経時安定性評価>
重合体溶液をPP製バイアル(容量22ml)に10gずつ量りとり、密閉した。23℃及び50℃で60日間経過前後のK値を測定した。
<N−ビニルピロリドン及び2−ピロリドンの定量>
以下の条件で、液体クロマトグラフにより定量分析した。
装置:資生堂「NANOSPACE SI−2」(UV/VIS検出器使用)
カラム:資生堂「CAPCELLPAK C18 UG120(内径1.5mm、長さ250mm)」、40℃
溶離液:LC用メタノール(和光純薬工業株式会社製)/超純水=1/24(質量比)、1−ヘプタンスルホン酸ナトリウム 0.04質量%添加
流速:100μL/min
<実施例1>
マックスブレンド型攪拌翼(SUS304製)、温度計、還流管、ジャケットを備えた1L反応器(SUS304製)に、0.05%硫酸銅水溶液0.44部(N−ビニルピロリドンに対する硫酸銅の量は0.47ppm)、脱イオン水269.2部仕込んだ。250rpmで撹拌しながら、200ml/分で30分間窒素置換を行い溶存酸素を除去した。次いで、窒素導入を30ml/分にし、250rpmで撹拌しながら、反応器の内温が60℃になるように加熱した。次いで、60℃を維持しながら、83%N−ビニルピロリドン(株式会社日本触媒製、以下、VPとも称する)水溶液(VP475部を脱イオン水95部で希釈)570部、35%過酸化水素水(東京化成工業株式会社製)38部(VPに対する過酸化水素の量は2.8%)、7.7%アンモニア水溶液(25%アンモニア水溶液(和光純薬工業株式会社製)3.9部を脱イオン水8.7部で希釈)8.6部(VPに対するアンモニアの量は0.14%)を、別々にそれぞれ180分間かけて滴下した。
前記原料の逐次滴下終了後、7.7%アンモニア水溶液3.9部(VPに対するアンモニアの量は0.06%)を30分かけて滴下した。
VPの滴下開始から240分後、80℃に昇温を開始し、20%過酸化水素水(35%過酸化水素水6.8部を脱イオン水4.5部で希釈)5.9部(VPに対する過酸化水素の量は0.25%)を30分かけて滴下した。
次いで、VPの滴下開始から330分後、20%過酸化水素水5.9部(VPに対する過酸化水素の量は0.25%)を30分かけて滴下し(過酸化水素水添加終了後の反応器内の溶液のpHは4.1)、さらに80℃で1時間保持して、ポリビニルピロリドン水溶液を得た。
得られたポリビニルピロリドン水溶液の物性を確認したところ、濃度が52.5%、K値が17.1、pHが4.0、残存N−ビニルピロリドン量が7ppm、2−ピロリドン量が22600ppmであった。
<比較例1>
マックスブレンド型攪拌翼(SUS304製)、温度計、還流管、ジャケットを備えた20L反応器(SUS304製)に、脱イオン水5780.5部仕込んだ。250rpmで撹拌しながら、2L/分で30分間窒素置換を行い溶存酸素を除去した。次いで、窒素導入を50ml/分にし、250rpmで撹拌しながら、反応器の内温が60℃になるように加熱した。次いで、60℃を維持しながら、83%VP水溶液(VP10200部を脱イオン水2040部で希釈)12240部、35%過酸化水素水874.3部(VPに対する過酸化水素の量は3.0%)、16.3%アンモニア/硫酸銅水溶液(25%アンモニア水溶液265.2部を脱イオン水84.2部で希釈し、0.025%硫酸銅水溶液を56.8部添加)93.8部(VPに対するアンモニアの量は0.15%、硫酸銅の量は0.32ppm)を、別々にそれぞれ180分間かけて滴下した。
前記原料の逐次滴下終了後、16.3%アンモニア/硫酸銅水溶液312.5部(VPに対するアンモニアの量は0.5%、硫酸銅の量は1.07ppm)を180分かけて滴下した。
VPの滴下開始から300分後、20%過酸化水素水(35%過酸化水素水157.4部を脱イオン水114.6部で希釈)272部(VPに対する過酸化水素の量は0.54%)を60分かけて滴下し(過酸化水素水添加終了後の反応器内の溶液のpHは7.6)、さらに60℃で2時間保持して、ポリビニルピロリドン水溶液を得た。
得られたポリビニルピロリドン水溶液の物性を確認したところ、濃度が52.2%、K値が17.7、pHが7.4、残存N−ビニルピロリドン量が9ppm、2−ピロリドン量が29920ppmであった。
<実施例2及び比較例2> 経時安定性評価(23℃)
実施例1及び比較例1で得られたポリビニルピロリドン水溶液の経時安定性を上述の方法により評価した。結果を表1に示す。
Figure 2019167668
<実施例3及び比較例3> 経時安定性評価(50℃)
実施例1及び比較例1で得られたポリビニルピロリドン水溶液の50℃での経時安定性を評価した。保存温度を50℃に変更した以外は、上述の経時安定性評価と同様の方法により評価を行った。結果を表2に示す。
Figure 2019167668
<比較例4>
マックスブレンド型攪拌翼(SUS304製)、温度計、還流管、ジャケットを備えた1L反応器(SUS304製)に、脱イオン水426.3部仕込んだ。250rpmで撹拌しながら、200ml/分で30分間窒素置換を行い溶存酸素を除去した。次いで、窒素導入を30ml/分にし、250rpmで撹拌しながら、反応器の内温が60℃になるように加熱した。次いで、60℃を維持しながら、VP450部、35%過酸化水素水57部(VPに対する過酸化水素の量は4.4%)、25%アンモニア水溶液3.6部(VPに対するアンモニアの量は0.2%)、硫酸銅0.00023部(VPに対する硫酸銅の量は0.51ppm)を、別々にそれぞれ180分間かけて滴下した。
前記原料の逐次滴下終了後、25%アンモニア水溶液9.0部(VPに対するアンモニアの量は0.5%)を180分かけて滴下した。
VPの滴下開始から360分後、35%過酸化水素水2.4部(VPに対する過酸化水素の量は0.19%)を添加後、さらに60℃で1時間保持して、ポリビニルピロリドン水溶液を得た。
得られたポリビニルピロリドン水溶液の物性を確認したところ、濃度が50%、K値が16、pHが6.0、残存N−ビニルピロリドン量が10ppm以下、2−ピロリドン量が36071ppmであった。
<比較例5〜6> 経時安定性評価(80℃)
比較例4で得られたポリビニルピロリドン水溶液、及び、比較例4で得られたポリビニルピロリドン水溶液を濃度30%に希釈した水溶液の80℃での経時安定性を評価した。保存温度を80℃、保存期間を14日間に変更した以外は、上述の経時安定性評価と同様の方法により評価を行った。結果を表3に示す。表3の結果から、経時安定性は40%以上の高濃度の時に問題になるといえる。
Figure 2019167668
<実施例4>
マックスブレンド型攪拌翼(SUS304製)、温度計、還流管、ジャケットを備えた1L反応器(SUS304製)に、0.05%硫酸銅水溶液0.44部(VPに対する硫酸銅の量は0.47ppm)、脱イオン水269.2部仕込んだ。250rpmで撹拌しながら、200ml/分で30分間窒素置換を行い溶存酸素を除去した。次いで、窒素導入を30ml/分にし、250rpmで撹拌しながら、反応器の内温が60℃になるように加熱した。次いで、60℃を維持しながら、90%VP水溶液(VP475部を脱イオン水53部で希釈)528部、35%過酸化水素水(東京化成工業株式会社製)38部(VPに対する過酸化水素の量は2.8%)、4.6%アンモニア水溶液(25%アンモニア水溶液(和光純薬工業株式会社製)3.9部を脱イオン水17部で希釈)14.4部(VPに対するアンモニアの量は0.14%)を、別々にそれぞれ180分間かけて滴下した。
前記原料の逐次滴下終了後、4.6%アンモニア水溶液6.4部(VPに対するアンモニアの量は0.06%)を30分かけて滴下した。
VPの滴下開始から240分後、80℃に昇温を開始し、20%過酸化水素水(35%過酸化水素水3.4部を脱イオン水2.5部で希釈)5.9部(VPに対する過酸化水素の量は0.25%)を30分かけて滴下し、さらに80℃で150分間保持して、ポリビニルピロリドン水溶液を得た。
得られたポリビニルピロリドン水溶液の物性を確認したところ、濃度が55.5%、K値が17.8、pHが4.0、残存N−ビニルピロリドン量が15ppm、2−ピロリドン量が17910ppmであり、経時安定性は良好であった。
<実施例5>
マックスブレンド型攪拌翼(SUS304製)、温度計、還流管、ジャケットを備えた1L反応器(SUS304製)に、0.05%硫酸銅水溶液0.44g(VPに対する硫酸銅の量は0.47ppm)、脱イオン水269.2g仕込んだ。250rpmで撹拌しながら、200ml/分で30分間窒素置換を行い溶存酸素を除去した。次いで、窒素導入を30ml/分にし、250rpmで撹拌しながら、反応器の内温が60℃になるように加熱した。次いで、60℃を維持しながら、90%VP水溶液(VP475gを脱イオン水53gで希釈)475g、35%過酸化水素水(東京化成工業株式会社製)38g(VPに対する過酸化水素の量は3.1%)、4.6%アンモニア水溶液(25%アンモニア水溶液(和光純薬工業株式会社製)3.9gを脱イオン水17gで希釈)14.4g(VPに対するアンモニアの量は0.16%)を、別々にそれぞれ180分間かけて滴下した。
前記原料の逐次滴下終了後、4.6%アンモニア水溶液6.4g(VPに対するアンモニアの量は0.07%)を30分かけて滴下した。
VPの滴下開始から240分後、80℃に昇温を開始し、20%過酸化水素水(35%過酸化水素水6.8gを脱イオン水5gで希釈)5.9g(VPに対する過酸化水素の量は0.28%)を30分かけて滴下した。
次いで、VPの滴下開始から330分後、20%過酸化水素水5.9g(VPに対する過酸化水素の量は0.28%)を30分かけて滴下し(過酸化水素水添加終了後の反応器内の溶液のpHは4.0)、さらに80℃で1時間保持して、ポリビニルピロリドン水溶液を得た。
得られたポリビニルピロリドン水溶液の物性を確認したところ、濃度が52.6%、K値が17.0、pHが3.9、残存N−ビニルピロリドン量が13ppm、2−ピロリドン量が33740ppmであり、経時安定性は良好であった。
<実施例6>
パドル翼(SUS316製)、温度計、還流コンデンサー、ジャケットを備えた1000L反応器(SUS316製)に、0.06%硫酸銅水溶液0.4kg(VPに対する硫酸銅の量は0.47ppm)、脱イオン水288kg仕込んだ。撹拌しながら、1晩窒素置換を行い溶存酸素を除去した。次いで、窒素導入、撹拌しながら、反応器の内温が60℃になるように加熱した。次いで、60℃を維持しながら、90%VP水溶液(VP550kgを脱イオン水61kgで希釈)611kg、35%過酸化水素水45kg(VPに対する過酸化水素の量は2.9%)、8.3%アンモニア水溶液(25%アンモニア水溶液5kgを脱イオン水55kgで希釈)41.7kg(VPに対するアンモニアの量は0.16%)を、別々にそれぞれ180分間かけて滴下した。VP水溶液滴下終了後、滴下ライン洗浄用の脱イオン水22kgを添加した。
前記原料の逐次滴下終了後、8.3%アンモニア水溶液18.3kg(VPに対するアンモニアの量は0.07%)を30分かけて滴下した。
VPの滴下開始から240分後、80℃に昇温を開始し、35%過酸化水素水4.16kg(VPに対する過酸化水素の量は0.27%)を30分かけて滴下した。
次いで、VPの滴下開始から330分後、35%過酸化水素水4.16kg(VPに対する過酸化水素の量は0.27%)を30分かけて滴下し、さらに80℃で1時間保持した。
次いで、脱イオン水を63.4kg添加し、ポリビニルピロリドン水溶液を得た。
得られたポリビニルピロリドン水溶液の物性を確認したところ、濃度が49.7%、K値が17.3、pHが3.9、残存N−ビニルピロリドン量が6ppm、2−ピロリドン量が30133ppmであり、経時安定性は良好であった。
<比較例7>
攪拌翼(ポリテトラフルオロエチレン製)、温度計、還流管、ジャケットを備えた反応器(ガラス製)に、硫酸銅0.000046部(VPに対する硫酸銅の量は0.05ppm)、脱イオン水938部仕込み、撹拌しながら、反応器の内温が60℃になるように加熱した。次いで、60℃を維持しながら、VP1000部、35%過酸化水素水34部(VPに対する過酸化水素の量は1.2%)、25%アンモニア水溶液6部(VPに対するアンモニアの量は0.15%)を、別々にそれぞれ180分間かけて滴下した。
前記原料の逐次滴下終了後、25%アンモニア水溶液2部(VPに対するアンモニアの量は0.05%)を30分かけて滴下した。
VPの滴下開始から240分後、80℃に昇温を開始し、35%過酸化水素水5部(VPに対する過酸化水素の量は0.18%)を添加した。
次いで、VPの滴下開始から330分後、35%過酸化水素水5部(VPに対する過酸化水素の量は0.18%)を添加し、さらに80℃で1時間保持して、ポリビニルピロリドン水溶液を得た。
得られたポリビニルピロリドン水溶液の物性を確認したところ、濃度が50%、K値が29、残存N−ビニルピロリドン量が10ppm以下であった。実施例1のポリビニルピロリドン水溶液に比べて経時安定性が若干低下した。
<比較例8>
攪拌翼、温度計、還流管、ジャケットを備えた反応器に、硫酸銅0.00023部(VPに対する硫酸銅の量は0.51ppm)、脱イオン水426.3部仕込み、撹拌しながら、反応器の内温が95℃になるように加熱した。次いで、95℃を維持しながら、VP450部、35%過酸化水素水15部(VPに対する過酸化水素の量は1.2%)、25%アンモニア水溶液3.6部(VPに対するアンモニアの量は0.2%)を、別々にそれぞれ180分間かけて滴下した。
前記原料の逐次滴下終了後、35%過酸化水素水4.5部(VPに対する過酸化水素の量は0.35%)を5回に均等に分けて1時間間隔で添加し、5回目の添加後、さらに95℃で1時間保持して、ポリビニルピロリドン水溶液を得た。
得られたポリビニルピロリドン水溶液の物性を確認したところ、濃度が50%、K値が30、残存N−ビニルピロリドン量が10ppm以下であった。実施例1のポリビニルピロリドン水溶液に比べて経時安定性が若干低下した。また、実施例1よりK値が高いので同濃度での溶液の粘性は高くなり取扱い性が低下する傾向を確認できた。

Claims (5)

  1. 重合体濃度が40〜70質量%であり、フィケンチャー法によるK値が10〜28のビニルピロリドン系重合体溶液を製造する方法であって、
    該製造方法は、反応器にN−ビニルピロリドンを含む単量体成分と過酸化水素を含む重合開始剤とを添加して重合させる工程を含み、
    該過酸化水素の使用量が、全単量体の使用量100質量%に対して、1.6〜4.0質量%であり、
    該単量体成分の添加終了後のアンモニアの使用量が全単量体の使用量100質量%に対して、0〜0.3質量%であることを特徴とするビニルピロリドン系重合体溶液の製造方法。
  2. 前記製造方法は、単量体成分の添加終了後の過酸化水素の使用量が全単量体の使用量100質量%に対して、0.2〜2.5質量%であることを特徴とする請求項1に記載のビニルピロリドン系重合体溶液の製造方法。
  3. 前記製造方法は、アンモニア及び過酸化水素の添加終了後の反応器内の溶液のpHが4.5以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載のビニルピロリドン系重合体溶液の製造方法。
  4. ビニルピロリドン系重合体溶液であって、
    該重合体溶液は、ビニルピロリドン系重合体の濃度が40〜70質量%であり、フィケンチャー法によるK値が10〜28であり、重合体溶液中の2−ピロリドンの含有量が35000質量ppm未満であり、pHが4.5以下であることを特徴とするビニルピロリドン系重合体溶液。
  5. 前記ビニルピロリドン系重合体溶液は、23℃で60日間保存した際の、60日間保存後のK値が保存開始時のK値100%に対して92〜108%であることを特徴とする請求項4に記載のビニルピロリドン系重合体溶液。
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