JPWO2019156099A1 - 馬鈴薯澱粉及び馬鈴薯澱粉組成物 - Google Patents
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Abstract
水溶きせずにとろみ付け材として使用でき、かつ揚げ物の衣材としても好適な馬鈴薯澱粉の提供。差角が8〜35度である馬鈴薯澱粉。当該馬鈴薯澱粉を50質量%以上含有し、差角が8〜35度である馬鈴薯澱粉組成物。
Description
本発明は、料理のとろみ付け材や揚げ物の衣材として使用できる馬鈴薯澱粉および馬鈴薯澱粉組成物に関する。
馬鈴薯澱粉は、調理や食品製造において、スープやソース等の液状食品のとろみ付け、から揚げ等の揚げ物の衣材として、または麺や練り物の粘性付与などに広く使用されている。しかし、馬鈴薯澱粉は、飛散して周辺に散らばりやすく、一方で粒子同士が凝集しやすいため、操作性に難点がある。例えば、馬鈴薯澱粉を温めた食品に直接添加すると、澱粉の粉末が食品中に均等に分散せずに凝集して、いわゆるダマが生じる。そのため、従来、馬鈴薯澱粉を液状食品のとろみ付け材として使用する場合には、一旦少量の水に分散させて(いわゆる「水溶き」して)から、液状食品に添加するという手間を要していた。
特許文献1には、馬鈴薯澱粉を脱水、造粒、整粒、乾燥、篩分けすることで製造した顆粒馬鈴薯澱粉が、水にすぐ溶けてダマにならず、料理に直接添加することでとろみ付けに使用できること、また35〜60メッシュの比率が高い粒度のものがより効果が期待できることが記載されている。特許文献2には、顆粒状α化澱粉と粉末状α化澱粉とを所定の割合で含む混合物に熱湯を注ぐことでダマのできにくい滑らかなペースト状ソースが得られることが記載されている。
一方、馬鈴薯澱粉を揚げ物の衣材に使用した場合でも、その飛散性、凝集性のために具材にムラなく付着させることは難しく、その結果、得られる揚げ物は色ムラのある見劣りする外観になりやすかった。また、具材への衣づけの際に馬鈴薯澱粉が調理場に飛散して、調理場を汚したり、無駄遣いしてしまうことも多かった。さらに、馬鈴薯澱粉を具材にまぶして得られるから揚げは、表面が白く粉をふいたような外観(いわゆる「粉吹き」)を有するものが好まれる。しかし、従来の馬鈴薯澱粉でそのような見栄えよく粉吹きしたから揚げを得ることは、必ずしも容易ではなかった。
特許文献3には、95重量%以上が粒径20μm以上である馬鈴薯澱粉を主体とするから揚げ粉により、サクミがあり、口溶けの良いから揚げが得られることが記載されている。特許文献4には、粉砕され平均粒子径が20μm以下である穀粉または澱粉を含む打ち粉またはバッター液を用いて、衣がサクサクとし、具材がジューシーな油ちょう食品が得られることが記載されている。特許文献5には、実質的に粒子径が50μm以下の馬鈴薯澱粉を含有する衣材を用いることで、衣の透明性のあるフライ類が得られることが記載されている。また特許文献6には、鉱酸によって酸処理された馬鈴薯澱粉が、吸湿性が低く、調味料の粉体化基材として適していることが記載されている。一方で、これらの文献では、衣材の操作性やから揚げの粉吹きについては着目されていない。
本発明は、食品のとろみ付け材や揚げ物の衣材として好適な馬鈴薯澱粉および馬鈴薯澱粉組成物を提供する。より詳細には、とろみ付け材として使用した場合、予め水溶きせずとも、液状食品に直接添加すれば、ダマを生じることなく食品をとろみ付けでき、また衣材として使用すれば、表面の粉吹きが明瞭であり、かつ粉吹き部分と周りの揚げ色との色合いのバランスがよい良好な外観を有するから揚げを製造することができる、馬鈴薯澱粉および馬鈴薯澱粉組成物を提供する。
本発明者らは、馬鈴薯澱粉の差角を特定の範囲に調整することで、上記のような性質を有し、とろみ付け材や揚げ物の衣材として好適に使用できる馬鈴薯澱粉が得られることを見出した。さらに本発明者らは、この馬鈴薯澱粉が、振出し容器から振り出して使用することにも適していること、これを振出し容器から振り出して使用することで、馬鈴薯澱粉を使用した調理の操作を一層容易にすることを見出した。
したがって、本発明は、差角が8〜35度である馬鈴薯澱粉を提供する。
また本発明は、前記馬鈴薯澱粉を50質量%以上含有し、差角が8〜35度である馬鈴薯澱粉組成物を提供する。
また本発明は、前記馬鈴薯澱粉または前記馬鈴薯澱粉組成物を、とろみ付けする対象食品に直接添加して混合することを含む、食品のとろみ付け方法を提供する。
また本発明は、前記馬鈴薯澱粉または前記馬鈴薯澱粉組成物を具材にまぶして付着させることを含む、から揚げの製造方法を提供する。
また本発明は、食品のとろみ付け材またはから揚げ用衣材としての、前記馬鈴薯澱粉または前記馬鈴薯澱粉組成物の使用を提供する。
また本発明は、前記馬鈴薯澱粉を50質量%以上含有し、差角が8〜35度である馬鈴薯澱粉組成物を提供する。
また本発明は、前記馬鈴薯澱粉または前記馬鈴薯澱粉組成物を、とろみ付けする対象食品に直接添加して混合することを含む、食品のとろみ付け方法を提供する。
また本発明は、前記馬鈴薯澱粉または前記馬鈴薯澱粉組成物を具材にまぶして付着させることを含む、から揚げの製造方法を提供する。
また本発明は、食品のとろみ付け材またはから揚げ用衣材としての、前記馬鈴薯澱粉または前記馬鈴薯澱粉組成物の使用を提供する。
本発明の馬鈴薯澱粉および馬鈴薯澱粉組成物は、とろみ付け材として使用した場合、予め水溶きせずとも、液状食品に直接添加するだけで、ダマを生じることなく食品をとろみ付けできる。また本発明の馬鈴薯澱粉および馬鈴薯澱粉組成物を衣材として使用すれば、表面の粉吹きが明瞭であり、かつ粉吹き部分と周りの揚げ色との色合いのバランスがよい良好な外観を有するから揚げを製造することができる。さらに、本発明の馬鈴薯澱粉および馬鈴薯澱粉組成物は、振出し容器から少量ずつ振り出して使用することにも適しているため、調理での操作性、および経済性に優れている。
本発明は、特定の範囲の差角を有する馬鈴薯澱粉を提供する。本発明の馬鈴薯澱粉の差角は、8〜35度である。差角が上記範囲を外れると、馬鈴薯澱粉中の澱粉粒子同士の付着性が変わり、結果としてとろみ付けに使用する際の操作性が低下するか、衣材に使用した際には揚げ物がよい色合いにならない。より詳細には、本発明の馬鈴薯澱粉の差角は、8度以上、好ましくは10度以上、より好ましくは15度以上、さらに好ましくは17度以上、さらに好ましくは18度以上であり、一方、35度以下、好ましくは30度以下、より好ましくは28度以下、さらに好ましくは25度以下である。また本発明の馬鈴薯澱粉の差角の範囲は、例えば、8〜35度、8〜30度、8〜28度、8〜25度、10〜35度、10〜30度、10〜28度、10〜25度、15〜35度、15〜30度、15〜28度、15〜25度、17〜35度、17〜30度、17〜28度、17〜25度、18〜35度、18〜30度、18〜28度、又は18〜25度であり得る。好ましくは、本発明の馬鈴薯澱粉の差角は10〜30度、より好ましくは15〜25度、さらに好ましくは17〜30度、さらに好ましくは18〜25度である。なお、一般的な馬鈴薯澱粉の差角はおおよそ6度である。
好適には、本発明の馬鈴薯澱粉は、その体積平均径(MV)が、好ましくは43〜300μm、より好ましくは45〜250μm、さらに好ましくは50〜230μm、さらに好ましくは65〜200μmである。MVがこの範囲であると、調理に使用したときの操作性がより向上する。一般的な馬鈴薯澱粉は、植物としての馬鈴薯が生産する澱粉結晶の大きさや特性から、そのほとんどが粒径5〜120μmの範囲であり、またMVは30〜40μm程度である。本発明の馬鈴薯澱粉は、一般的な馬鈴薯澱粉に比べて、より大きな粒径の粒子の含有率が高い。
本明細書における粉体の差角とは、該粉体の安息角と崩潰角の差の角度をいう。本明細書における粉体の安息角は、JIS R 9301−2−2(アルミナ粉末−第2部:物性測定方法−2:安息角)に準じて測定された値である。また粉体の崩潰角とは、該安息角を保った粉体の堆積物を一定の衝撃によって崩したときに得られる崩潰後の該粉体の堆積物の角度である。安息角が同じ粉体であっても、それらの崩れやすさが互いに異なれば崩潰角が異なるため、それらの差角は異なる。粉体の安息角および崩壊角は、具体的にはそれぞれ下記の手法で測定することができ、また該粉体の差角は、下記の手法で測定された該粉体の安息角と崩潰角の差によって得られる。
(安息角)
円形テーブル(直径8cm)をセット後、試料粉体100gを、目開き1.7mmのメッシュに通し、振幅1.5mmで振動させながら、開口部の径5mmの漏斗を用いて、該テーブル面の中央部7.5cm上から円形テーブル上に落下させ堆積させる。このとき、テーブルの端部から粉体があふれる程度に堆積させる。このときのテーブル上に堆積した粉体の稜線と円形テーブル面との間に形成された角度をレーザー光で測定した値を安息角とする。
(崩潰角)
安息角測定後、円形テーブルを乗せているバットにショッカーで3回衝撃を加える。その後テーブルに残った粉体の稜線と円形テーブル面との間に形成された角度をレーザー光を用いて測定した値を崩潰角とする。
また、安息角、崩潰角および差角の測定は、好ましくはパウダテスタPT−X(ホソカワミクロン製)を用いて、取扱い説明書に従って行うことができる。
(安息角)
円形テーブル(直径8cm)をセット後、試料粉体100gを、目開き1.7mmのメッシュに通し、振幅1.5mmで振動させながら、開口部の径5mmの漏斗を用いて、該テーブル面の中央部7.5cm上から円形テーブル上に落下させ堆積させる。このとき、テーブルの端部から粉体があふれる程度に堆積させる。このときのテーブル上に堆積した粉体の稜線と円形テーブル面との間に形成された角度をレーザー光で測定した値を安息角とする。
(崩潰角)
安息角測定後、円形テーブルを乗せているバットにショッカーで3回衝撃を加える。その後テーブルに残った粉体の稜線と円形テーブル面との間に形成された角度をレーザー光を用いて測定した値を崩潰角とする。
また、安息角、崩潰角および差角の測定は、好ましくはパウダテスタPT−X(ホソカワミクロン製)を用いて、取扱い説明書に従って行うことができる。
本明細書において、粒子の「粒径」および「体積平均径」(MV)とは、乾式のレーザー回折・散乱法により測定される値をいう。また、粒子の含有量に関する「体積基準」とは、乾式のレーザー回折・散乱法により測定される体積基準をいう。粒子の粒径、体積平均径、および所定の粒子の体積基準での含有量は、市販のレーザー回折式粒度分布測定装置(例えば、日機装株式会社製、マイクロトラックMT3000II)を用いて常法に従って測定することができる。
本発明の馬鈴薯澱粉は、一般的な馬鈴薯澱粉を分級しながら適時上記の方法で差角の測定を行い、差角が所定の範囲となる馬鈴薯澱粉の画分を取り分けることによって製造することができる。あるいは、本発明の馬鈴薯澱粉は、一般的な馬鈴薯澱粉の表面性状を変えて、差角が上記範囲となるように改質することによって製造することができる。澱粉の表面性状を変える方法としては、澱粉に賦形剤を混合する方法、澱粉を造粒する方法などが挙げられる。さらに、当該表面性状を改質された澱粉を上述のように分級しながら、その差角を調整してもよい。例えば、一般的な馬鈴薯澱粉を造粒して粒径の大きな澱粉粒子を調製し、これを必要に応じて分級して差角を調整することによって本発明の馬鈴薯澱粉を製造することができる。あるいは、上記の分級や改質によって得られた馬鈴薯澱粉を適宜混合するか、またはそれらをさらに他の馬鈴薯澱粉と混合して、所望の差角を有する馬鈴薯澱粉を調製してもよい。例えば、造粒馬鈴薯澱粉および非造粒馬鈴薯澱粉を混合して本発明の馬鈴薯澱粉を製造することができる。
好ましくは、本発明の馬鈴薯澱粉は造粒澱粉を含む。より好ましくは、本発明の馬鈴薯澱粉は造粒澱粉である。造粒澱粉を含むことにより、本発明の馬鈴薯澱粉の水への分散性が向上する。
本発明の馬鈴薯澱粉を製造する際の分級や造粒処理には、公知の手法を用いることができる。分級の手法としては、例えば、篩を用いた分級や気流式分級機を用いた分級などが挙げられる。造粒の手法としては、例えば、馬鈴薯澱粉を、必要に応じて他の成分とともに水やバインダーを加えて混合し、乾燥させる方法;馬鈴薯澱粉を、必要に応じて他の成分とともにそのまま圧縮し、次いで破砕する方法、などが挙げられる。また造粒の手法としては、転動造粒、流動層造粒、攪拌造粒、噴霧乾燥造粒などを用いることができ、特に限定されないが、簡便性の点からは攪拌造粒が好ましい。上記に挙げた造粒の手法は、いずれも市販の造粒装置を用いることで実施することができる。さらに造粒後に、必要に応じて、整粒処理や乾燥処理を行うこともできる。本発明の馬鈴薯澱粉の製造に用いられる造粒の手法の好ましい例としては、例えば、特開2015−200207号公報、および特開2015−200208号公報(これらの全体が本明細書において参照により援用される)に開示されるものを挙げることができる。
本発明の馬鈴薯澱粉の原料となる馬鈴薯(ジャガイモ)の品種は、特に限定されないが、澱粉製造用に栽培されている品種が好ましい。そのような馬鈴薯品種の例としては、紅丸、コナユタカ、コナフブキ、ナツフブキ、サクラフブキ、アスタルテ、アーリースターチ、エニワ等が挙げられる。上記の馬鈴薯品種のいずれか1種または2種以上を、本発明の馬鈴薯澱粉の原料として使用することができる。本発明の馬鈴薯澱粉は、未加工の澱粉であっても、加工澱粉であっても、またはそれらの組み合わせであってもよい。加工澱粉としては、例えばα化澱粉、エーテル化澱粉、エステル化澱粉、アセチル化澱粉、架橋処理澱粉等、およびこれらのいずれかの組み合わせが挙げられる。
本発明の馬鈴薯澱粉は、馬鈴薯澱粉組成物の形態で提供されてもよい。該本発明の馬鈴薯澱粉組成物は、本発明の馬鈴薯澱粉と、それ以外の他の成分、例えば、馬鈴薯以外に由来する澱粉、穀粉、またはその他の原料を含有する。当該馬鈴薯以外に由来する澱粉としては、タピオカ澱粉、コーンスターチ、ワキシーコーンスターチ、小麦澱粉などの澱粉、およびこれらのα化澱粉、エーテル化澱粉、エステル化澱粉、アセチル化澱粉、架橋処理澱粉などの加工澱粉が挙げられる。当該穀粉としては、小麦粉、大麦粉、ライ麦粉、米粉、トウモロコシ粉、ソルガム粉、豆粉などが挙げられる。当該その他の原料としては、活性グルテン等の蛋白質;デキストリン、水飴、糖アルコール等の糖類;塩等の調味料;増粘剤;乳化剤;膨張剤;酵素等が挙げられる。本発明の馬鈴薯澱粉組成物は、上記に挙げた馬鈴薯以外に由来する澱粉、穀粉およびその他の原料から選択される成分のいずれか1種を単独で含有していてもよく、またはいずれか2種以上を含有していてもよい。
本発明の馬鈴薯澱粉組成物における当該他の成分の種類および含有量は、該組成物の用途に応じて適宜設定することができる。また本発明の馬鈴薯澱粉組成物において、当該他の成分は、本発明の馬鈴薯澱粉とは別個の粉体として含有されていてもよく、または本発明の馬鈴薯澱粉とともに造粒されていてもよい。本発明の馬鈴薯澱粉組成物における当該他の成分の含有量は、該組成物全量中、好ましくは50質量%以下、より好ましくは40質量%以下、さらに好ましくは30質量%以下である。該馬鈴薯澱粉組成物が衣材である場合、好ましくは、当該他の成分のうち50質量%〜100質量%が上述した穀粉または馬鈴薯以外に由来する澱粉である。したがって、本発明の馬鈴薯澱粉組成物における馬鈴薯澱粉の含有量は、該組成物全量中、好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上、さらに好ましくは70質量%以上である。
本発明の馬鈴薯澱粉組成物は、8〜35度の差角を有する。差角が上記範囲を外れると、組成物中の粒子同士の付着性が変わり、結果としてとろみ付けに使用する際の操作性が低下するか、衣材に使用した際には揚げ物がよい色合いにならない。より詳細には、本発明の馬鈴薯澱粉組成物の差角は、8度以上、好ましくは10度以上、より好ましくは15度以上、さらに好ましくは17度以上、さらに好ましくは18度以上であり、一方、35度以下、好ましくは30度以下、より好ましくは28度以下、さらに好ましくは25度以下である。また本発明の馬鈴薯澱粉組成物の差角の範囲は、例えば、8〜35度、8〜30度、8〜28度、8〜25度、10〜35度、10〜30度、10〜28度、10〜25度、15〜35度、15〜30度、15〜28度、15〜25度、17〜35度、17〜30度、17〜28度、17〜25度、18〜35度、18〜30度、18〜28度、又は18〜25度であり得る。好ましくは、本発明の馬鈴薯澱粉組成物の差角は、10〜30度、より好ましくは15〜25度、さらに好ましくは17〜30度、さらに好ましくは18〜25度である。本発明の馬鈴薯澱粉組成物の体積平均径(MV)は、好ましくは43〜300μm、より好ましくは45〜250μm、さらに好ましくは50〜230μm、さらに好ましくは65〜200μmである。
本発明の馬鈴薯澱粉またはそれを含む馬鈴薯澱粉組成物(まとめて、本発明の馬鈴薯澱粉または組成物と称する)は、調理用の澱粉として使用され得る。例えば、本発明の馬鈴薯澱粉または組成物は、食品のとろみ付け材として、例えばスープやソースの製造等に使用することができる。また本発明の馬鈴薯澱粉または組成物は、ムニエル等の焼き物もしくはから揚げやフライ等の揚げ物の衣材として、揚げ物の具材の打ち粉として、または加熱調理前の食材のコーティング材として使用することができる。しかし、これらの用途に限定されることなく、本発明の馬鈴薯澱粉または組成物は、調理用の澱粉の一般的な用途に使用することができる。好ましくは、本発明の馬鈴薯澱粉または組成物は、食品のとろみ付け材または揚げ物(好ましくはから揚げ)用の衣材として使用される。
本発明の馬鈴薯澱粉または組成物を用いて食品をとろみ付けする場合、本発明の馬鈴薯澱粉または組成物をとろみ付けする対象食品に直接添加し、混合すればよい。とろみ付けする対象食品に対する該馬鈴薯澱粉または組成物の添加量は、好ましくは対象食品100質量部に対して0.5〜10質量部程度である。とろみ付けの際、該対象食品に添加する本発明の馬鈴薯澱粉または組成物を予め水に分散させておく(水溶きする)必要はない。とろみ付けする対象食品の例としては、特に限定されないが、スープ、ソースなどの液状食品が挙げられる。好ましくは、該対象食品は、本発明の馬鈴薯澱粉または組成物を添加する前に加熱されている。この熱せられた食品に直接本発明の馬鈴薯澱粉または組成物を添加し、混合すれば、ダマを生じることなく該食品をとろみ付けすることができる。
本発明の馬鈴薯澱粉または組成物を用いてから揚げを製造する場合、本発明の馬鈴薯澱粉または組成物を、具材に直接または打ち粉した具材にまぶして付着させ、次いで、本発明の馬鈴薯澱粉または組成物が付着した具材を油ちょうすればよい。本発明の馬鈴薯澱粉または組成物の具材に対する付着量は、具材100質量部に対して、好ましくは3〜30質量部程度である。本発明の馬鈴薯澱粉または組成物は、まぶしタイプの衣材(から揚げ粉)として使用される。衣材として本発明の馬鈴薯澱粉または組成物を用いることで、表面の粉吹きが明瞭であり、かつ粉吹き部分と周りの揚げ色との色合いのバランスがよい良好な外観を有するから揚げを製造することができる。本明細書において、から揚げの「粉吹き」とは、揚げ上がったから揚げの表面に白く粉をふいたような部位がある状態をいう。また本明細書において、から揚げの「粉吹きが明瞭」とは、から揚げ表面で粉吹き部分と通常の揚げ色(暗灰色、キツネ色、濃茶色、褐色、黒色等)の付いた部分との境界が明瞭であることをいい、「粉吹き部分と周りの揚げ色との色合いのバランスがよい」とは、通常の揚げ色の付いた衣表面中に粉吹き部分が適度な割合(例えば面積比約30〜70%、好ましくは約40〜60%)で分布していることをいう。このようなから揚げは、表面における粉吹きした部位の白っぽい色とそれ以外の部位の色とのコントラストのためにより立体的に見えることから、より食欲をそそる外観となる。
本発明の馬鈴薯澱粉または組成物は、従来の澱粉と同様に包装袋などの容器から取り出して使用することができる。さらに、本発明の馬鈴薯澱粉または組成物を振出し容器に充填し、そこから振り出して使用すると、必要な分量を簡便に容器から取り出して食品に適用することができるため、調理での操作性がさらに向上する。本発明の馬鈴薯澱粉または組成物は、容器から取り出すときに粉の飛散が少なく、また振出し容器の振出し孔を目詰まりさせることもないため、振出し容器から少量ずつ振り出して使用することに適している。
本発明の馬鈴薯澱粉または組成物を充填する振出し容器としては、振出し孔を1つ以上有する振出し容器を例示することができる。当該振出し容器は、片手で持ち上げて内部の馬鈴薯澱粉の振出し操作を行うことのできる大きさおよび形状の容器であればよく、例えば、一般的な調味料容器や香辛料容器のような大きさおよび形状の容器が好ましい。より詳細には、直径または一辺の長さが20〜100mm、高さ80〜200mm程度の円柱状、楕円柱状、角柱状、またはそれらを組み合わせた形状で、50〜500g程度の本発明の馬鈴薯澱粉または組成物を充填できる大きさを有する自立型の容器であることが好ましい。容器の素材としては、粉体を保存可能であって、かつ振出し操作の際に変形しない素材であれば特に限定されず、例えばプラスチック、金属、紙などが挙げられる。
当該振出し容器の1つ以上の振出し孔の形状は、特に限定されないが、円形、三角形、四角形、多角形などが挙げられる。該1つ以上の振出し孔の各々の大きさは、最大幅として、好ましくは2〜20mm、より好ましくは3〜12mm、さらに好ましくは4〜8mmであり、また該振出し孔の数は、好ましくは2〜9個、より好ましくは4〜7個である。該振出し孔の大きさが小さすぎる場合や孔の数が少ない場合、振出し量が過少になりやすいか、または孔が粉体で詰まりやすくなり、逆に該振出し孔の大きさが多すぎる場合や孔の数が多い場合、一度の振出し操作で多量の粉体が振り出されて、粉体が対象に過剰に振りかかるかまたは必要以上に使用されて経済性が低下するだけでなく、粉体が飛散して周辺を汚損しやすくなる。
好適な例において、当該振出し容器は、直径2〜20mmの円形の振出し孔を2〜9個、好ましくは4〜7個有し、より好ましくは直径3〜12mmの円形の振出し孔を2〜9個、さらに好ましくは4〜7個有し、なお好ましくは直径4〜8mmの円形の振出し孔を4〜7個有する。別の好適な例において、本発明に使用される振出し容器は、対角線長さ2〜20mmの略四角形もしくは略多角形の振出し孔を2〜9個、好ましくは4〜7個有し、より好ましくは対角線長さ3〜12mmの略四角形もしくは略多角形の振出し孔を2〜9個、さらに好ましくは4〜7個有し、なお好ましくは対角線長さ4〜8mmの略四角形もしくは略多角形の振出し孔を4〜7個有する。
さらに、当該振出し容器は、上記1つ以上の振出し孔とは別に、スプーン取出し部を備えていてもよい。当該スプーン取出し部は、該容器から計量スプーンや茶さじなどにより内部の粉体を取出す際に、あるいはまとまった量の粉体を該容器から振り出す際の取出し口として使用され得る。好ましくは、当該振出し容器において、該スプーン取出し部は、該1つ以上の振出し孔とは離れた位置に配置される。例えば、振出し容器の天面上で、一端に振出し孔を配置し、そこから90〜180°ずれた側にスプーン取出し部を設けることができる。
当該振出し容器の1つ以上の振出し孔およびスプーン取出し部は、好ましくは開閉可能である。好ましくは、該振出し孔およびスプーン取出し部は、開閉可能な蓋を備えている。当該蓋は、該振出し容器に充填された粉体の吸湿を防止することができ、また昆虫などの異物が容器内に侵入することを防止することができる。当該蓋の種類は特に限定されないが、片手で簡便に開閉可能な蓋、例えば、スライド蓋やフラップ蓋が好ましい。また好ましくは、該振出し孔の蓋は、複数の振出し孔を一度に開閉することができる1つの蓋である。該1つ以上の振出し孔の蓋と該スプーン取出し部の蓋とは、共通の蓋であっても独立した別々の蓋であってもよいが、いずれの場合も、該1つ以上の振出し孔と該スプーン取出し部とが同時に開口しないようにできる構造であることが好ましい。例えば、該1つ以上の振出し孔の蓋と該スプーン取出し部の蓋とは、独立して開閉可能な2つのフラップ蓋である。またあるいは、該1つ以上の振出し孔の蓋と該スプーン取出し部の蓋は、該振出し孔と該スプーン取出し部の少なくとも一方が閉じるように動く1つの共通したスライド蓋である。
好ましくは、本発明の馬鈴薯澱粉または組成物を当該振出し容器から振り出した場合、容器を振り下ろすことなく容器を180度回転させてその振出し孔のある面を真上から真下に向ける1回の振出し操作で、振出し孔より15cm直下の食品に本発明の馬鈴薯澱粉または組成物を適用するのに丁度よい範囲と量で、例えば直径約10cmの円の範囲内に約1.5〜4g程度、振り出すことができる。より多くの量でまたはより広範囲に本発明の馬鈴薯澱粉または組成物を容器から振り出す場合は、振出し操作を繰り返したり、より強く振出し操作を行えばよい。
次に本発明をさらに具体的に説明するために実施例を掲げるが、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。なお、以下の実施例において、粉体の差角はパウダテスタPT−X(ホソカワミクロン製)を用いて測定された値であり、体積平均径(MV)はマイクロトラックMT3000II(日機装株式会社)を用いた乾式のレーザー回折・散乱法により算出された値である。
〔製造例〕
(馬鈴薯澱粉の調製:製造例1〜15)
原料の馬鈴薯澱粉(市販品;差角5.7度、体積平均径(MV)36.7μm)1kgを容器に入れ、ハンドミキサーで攪拌しながら霧吹きで加水し、その後恒温槽で乾燥して、以下の造粒馬鈴薯澱粉A〜Dを製造した。
_________________________________
差角(度) 体積平均径(MV)
造粒馬鈴薯澱粉A: 37 287μm
造粒馬鈴薯澱粉B: 23 217μm
造粒馬鈴薯澱粉C: 18 185μm
造粒馬鈴薯澱粉D: 8 113μm
これらの造粒馬鈴薯澱粉粉A〜Dと原料の馬鈴薯澱粉とを混合して、表1に記載の差角を有する馬鈴薯澱粉を調製した(製造例1〜15)。
(馬鈴薯澱粉の調製:製造例1〜15)
原料の馬鈴薯澱粉(市販品;差角5.7度、体積平均径(MV)36.7μm)1kgを容器に入れ、ハンドミキサーで攪拌しながら霧吹きで加水し、その後恒温槽で乾燥して、以下の造粒馬鈴薯澱粉A〜Dを製造した。
_________________________________
差角(度) 体積平均径(MV)
造粒馬鈴薯澱粉A: 37 287μm
造粒馬鈴薯澱粉B: 23 217μm
造粒馬鈴薯澱粉C: 18 185μm
造粒馬鈴薯澱粉D: 8 113μm
これらの造粒馬鈴薯澱粉粉A〜Dと原料の馬鈴薯澱粉とを混合して、表1に記載の差角を有する馬鈴薯澱粉を調製した(製造例1〜15)。
(馬鈴薯澱粉組成物の調製:製造例16〜20)
製造例10の馬鈴薯澱粉と小麦粉(薄力粉:差角12度、体積平均径(MV)56.7μm)を混合して、表2に記載の差角を有する馬鈴薯澱粉組成物を調製した(製造例16〜20)。
製造例10の馬鈴薯澱粉と小麦粉(薄力粉:差角12度、体積平均径(MV)56.7μm)を混合して、表2に記載の差角を有する馬鈴薯澱粉組成物を調製した(製造例16〜20)。
〔試験例〕
下記試験例1および2により、製造例1〜20の馬鈴薯澱粉および馬鈴薯澱粉組成物を評価した。
(試験例1:食品のとろみ付けにおける性能評価)
直径15cmの鍋に200mLの水を張り、ガスコンロで沸騰するまで加熱した後、弱火にして軽く煮立った状態を維持した。この鍋に、製造例1〜20の馬鈴薯澱粉または馬鈴薯澱粉組成物を大さじ1杯、水面全体に万遍なく散らばるように投入し、すぐに菜箸で2回/秒で20回転撹拌した。参考例として、製造例で用いた原料の馬鈴薯澱粉を用いて同様の操作を行った。得られたとろみの状態を下記基準に従って評価した。とろみの製造および評価は、10名の専門パネラーが行った。10名の専門パネラーによる評価結果の平均点を、表1および2に示す。
下記試験例1および2により、製造例1〜20の馬鈴薯澱粉および馬鈴薯澱粉組成物を評価した。
(試験例1:食品のとろみ付けにおける性能評価)
直径15cmの鍋に200mLの水を張り、ガスコンロで沸騰するまで加熱した後、弱火にして軽く煮立った状態を維持した。この鍋に、製造例1〜20の馬鈴薯澱粉または馬鈴薯澱粉組成物を大さじ1杯、水面全体に万遍なく散らばるように投入し、すぐに菜箸で2回/秒で20回転撹拌した。参考例として、製造例で用いた原料の馬鈴薯澱粉を用いて同様の操作を行った。得られたとろみの状態を下記基準に従って評価した。とろみの製造および評価は、10名の専門パネラーが行った。10名の専門パネラーによる評価結果の平均点を、表1および2に示す。
(とろみの状態の評価基準)
5点:ダマが生じることなく、あんかけ状のとろみが付く。極めて良好。
4点:ダマがほとんど生じず、あんかけ状のとろみが付く。良好。
3点:部分的にダマが溶けずに残るが、あんかけ状のとろみはある。やや良好。
2点:溶けないダマが多く残り、とろみは緩い。やや不良。
1点:投入した澱粉のほとんどがダマや塊になり、とろみはほとんど付かない。不良。
5点:ダマが生じることなく、あんかけ状のとろみが付く。極めて良好。
4点:ダマがほとんど生じず、あんかけ状のとろみが付く。良好。
3点:部分的にダマが溶けずに残るが、あんかけ状のとろみはある。やや良好。
2点:溶けないダマが多く残り、とろみは緩い。やや不良。
1点:投入した澱粉のほとんどがダマや塊になり、とろみはほとんど付かない。不良。
(試験例2:揚げ物の衣材としての性能評価)
鶏もも肉を1個20gとなるよう切り分けて具材とした。この具材に、製造例1〜20の馬鈴薯澱粉または馬鈴薯澱粉組成物を肉100gあたりの付着量が15gになるよう振り掛けて付着させ、次いで170℃に熱したサラダ油で3分間油ちょうしてから揚げを製造した。参考例として、製造例で用いた原料の馬鈴薯澱粉を用いて同様の手順でから揚げを製造した。得られたから揚げの外観を、10名の専門パネラーにより下記評価基準で評価した。10名の専門パネラーによる評価結果の平均点を、表1および2に示す。
鶏もも肉を1個20gとなるよう切り分けて具材とした。この具材に、製造例1〜20の馬鈴薯澱粉または馬鈴薯澱粉組成物を肉100gあたりの付着量が15gになるよう振り掛けて付着させ、次いで170℃に熱したサラダ油で3分間油ちょうしてから揚げを製造した。参考例として、製造例で用いた原料の馬鈴薯澱粉を用いて同様の手順でから揚げを製造した。得られたから揚げの外観を、10名の専門パネラーにより下記評価基準で評価した。10名の専門パネラーによる評価結果の平均点を、表1および2に示す。
(から揚げの外観の評価基準)
5点:表面積の40〜60%を白く粉吹きした部分が占め、粉吹きした部分と周囲との境界が明瞭で、色のバランスが非常に良い。極めて良好な外観。
4点:表面積の30%〜40%未満または60%超〜70%を白く粉吹きした部分が占め、粉吹きした部分と周囲との境界が明瞭で、色のバランスが良い。良好な外観。
3点:表面積の30〜70%を白く粉吹きした部分が占めるが、粉吹きした部分の境界がやや不明瞭。やや良好な外観。
2点:表面の粉吹き部分が斑点状であり、その境界も不明瞭。やや不良な外観。
1点:表面に粉吹きした部分がほとんどない。不良な外観。
5点:表面積の40〜60%を白く粉吹きした部分が占め、粉吹きした部分と周囲との境界が明瞭で、色のバランスが非常に良い。極めて良好な外観。
4点:表面積の30%〜40%未満または60%超〜70%を白く粉吹きした部分が占め、粉吹きした部分と周囲との境界が明瞭で、色のバランスが良い。良好な外観。
3点:表面積の30〜70%を白く粉吹きした部分が占めるが、粉吹きした部分の境界がやや不明瞭。やや良好な外観。
2点:表面の粉吹き部分が斑点状であり、その境界も不明瞭。やや不良な外観。
1点:表面に粉吹きした部分がほとんどない。不良な外観。
(試験例3:振出し容器入り馬鈴薯澱粉)
製造例6の馬鈴薯澱粉を、直径50mm、高さ120mmの上部が開放した円筒容器に100g充填した後、該容器の天面に表3に記載の直径と振出し孔数を有する直径50mm、厚さ0.2mmの円形プラスチック板をはめ込み、振出し容器入り馬鈴薯澱粉を製造した。この振出し容器入り馬鈴薯澱粉を用いて、試験例1と同様の手順でとろみを製造し、その際の操作性を下記基準に従って評価した。とろみの製造では、鍋に大さじ1杯の馬鈴薯澱粉を投入する代わりに、鍋の15cm上で振出し容器からの振出し操作(容器を180度回転させて振出し孔を下に向ける操作)を5回行って馬鈴薯澱粉を投入した。参考例として、製造例で用いた原料の馬鈴薯澱粉を用いて同様の評価を行った。とろみの製造および評価は、10名の専門パネラーが行った。10名の専門パネラーによる評価結果の平均点を、表3に示す。
製造例6の馬鈴薯澱粉を、直径50mm、高さ120mmの上部が開放した円筒容器に100g充填した後、該容器の天面に表3に記載の直径と振出し孔数を有する直径50mm、厚さ0.2mmの円形プラスチック板をはめ込み、振出し容器入り馬鈴薯澱粉を製造した。この振出し容器入り馬鈴薯澱粉を用いて、試験例1と同様の手順でとろみを製造し、その際の操作性を下記基準に従って評価した。とろみの製造では、鍋に大さじ1杯の馬鈴薯澱粉を投入する代わりに、鍋の15cm上で振出し容器からの振出し操作(容器を180度回転させて振出し孔を下に向ける操作)を5回行って馬鈴薯澱粉を投入した。参考例として、製造例で用いた原料の馬鈴薯澱粉を用いて同様の評価を行った。とろみの製造および評価は、10名の専門パネラーが行った。10名の専門パネラーによる評価結果の平均点を、表3に示す。
(とろみ製造時の操作性の評価基準)
5点:振り出された粉が鍋内の直径10cm程度の範囲に散らばり、ダマのないあんかけ状のとろみが得られた。極めて良好。
4点:振り出された粉が鍋内に散らばり、ダマのないほぼあんかけ状のとろみが得られた。良好。
3点:振り出された粉がやや狭い範囲に散らばるか、またはわずかに鍋の外に飛散する。とろみはやや緩いもしくはやや強いか、またはわずかにダマがある。やや良好。
2点:振り出された粉が狭い範囲に散らばるか、または鍋の外に飛散する。とろみは緩いもしくは強いか、またはダマがある。やや不良。
1点:振り出された粉が狭い範囲に集中して大きなダマになるか、または鍋の外に広く飛散する。とろみはほとんど付かない。不良。
5点:振り出された粉が鍋内の直径10cm程度の範囲に散らばり、ダマのないあんかけ状のとろみが得られた。極めて良好。
4点:振り出された粉が鍋内に散らばり、ダマのないほぼあんかけ状のとろみが得られた。良好。
3点:振り出された粉がやや狭い範囲に散らばるか、またはわずかに鍋の外に飛散する。とろみはやや緩いもしくはやや強いか、またはわずかにダマがある。やや良好。
2点:振り出された粉が狭い範囲に散らばるか、または鍋の外に飛散する。とろみは緩いもしくは強いか、またはダマがある。やや不良。
1点:振り出された粉が狭い範囲に集中して大きなダマになるか、または鍋の外に広く飛散する。とろみはほとんど付かない。不良。
Claims (15)
- 差角が8〜35度である馬鈴薯澱粉。
- 造粒澱粉を含む、請求項1記載の馬鈴薯澱粉。
- 体積平均径が43〜300μmである、請求項1又は2記載の馬鈴薯澱粉。
- 振出し容器に充填されている、請求項1〜3のいずれか1項記載の馬鈴薯澱粉。
- 前記振出し容器が最大幅2〜20mmの振出し孔を2〜9個有する、請求項4記載の馬鈴薯澱粉。
- 請求項1〜3のいずれか1項記載の馬鈴薯澱粉を50質量%以上含有し、差角が8〜35度である馬鈴薯澱粉組成物。
- 振出し容器に充填されている、請求項6記載の馬鈴薯澱粉組成物。
- 前記振出し容器が最大幅2〜20mmの振出し孔を2〜9個有する、請求項7記載の馬鈴薯澱粉組成物。
- 請求項1〜3のいずれか1項記載の馬鈴薯澱粉または請求項6記載の馬鈴薯澱粉組成物を対象食品に直接添加して混合することを含む、食品のとろみ付け方法。
- 請求項1〜3のいずれか1項記載の馬鈴薯澱粉または請求項6記載の馬鈴薯澱粉組成物を具材にまぶして付着させることを含む、から揚げの製造方法。
- 前記馬鈴薯澱粉または馬鈴薯澱粉組成物を振出し容器から振出して使用する、請求項9又は10記載の方法。
- 前記振出し容器が最大幅2〜20mmの振出し孔を2〜9個有する、請求項11記載の方法。
- 食品のとろみ付け材またはから揚げ用衣材としての、請求項1〜3のいずれか1項記載の馬鈴薯澱粉または請求項6記載の馬鈴薯澱粉組成物の使用。
- 前記馬鈴薯澱粉または馬鈴薯澱粉組成物を振出し容器から振出して使用する、請求項13記載の使用。
-
前記振出し容器が最大幅2〜20mmの振出し孔を2〜9個有する、請求項14記載の使用。
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