JPWO2019155600A1 - リップシール、シールリング、シールリング装置及び船舶 - Google Patents

リップシール、シールリング、シールリング装置及び船舶 Download PDF

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    • F16J15/16Sealings between relatively-moving surfaces
    • F16J15/32Sealings between relatively-moving surfaces with elastic sealings, e.g. O-rings
    • F16J15/3204Sealings between relatively-moving surfaces with elastic sealings, e.g. O-rings with at least one lip

Abstract

組み付け性に優れ、接続強度の高いメカニカルジョイントを有するリップシールから形成されるシールリングを提供する。環状のハウジングに固定され、ハウジング内で回転自在なシャフトに摺接してシャフトとの間でシール構造を形成するシールリング用のリップシールであって、ハウジングに固定されるキー部と、キー部から前記シャフト側に屈曲しながら延設するアーム部と、アーム部の先端に位置してシャフトに摺接するリップ部と、を有し、シールリングが相互に係合する二つの端部を有する弾性部材からなり、一方の端部は、リップ部からキー部に亘って連続するとともにリップシールの軸方向に突出する一つの雄部を有し、他方の端部は、リップ部からキー部に亘って連続するとともにリップシールの軸方向に陥没して雄部が軸方向に嵌まり込む雌部を有している。

Description

本発明は、ハウジングと、ハウジング内で回転するシャフトとの間をシールするシールリングと、シールリングを形成するリップシールと、シールリングを有するシールリング装置と、シールリング装置を船尾管に備えた船舶に関する。
例えば、船舶の船尾管に装備されるシールリング装置は、船体などの構造体の内部へ海水等の流体が浸入することを防止し、構造体の内部からの流体の流出による機能上の障害を回避するために備えられている。例えば船舶に適用されるシール装置では、船尾管に装着されたハウジングにプロペラシャフト等のシャフトが回転自在に挿通され、リップシールがリング状に組み立てられて形成されるシールリングがハウジングとシャフトの間に装着されている。
従来のシールリングは、1本の弾性部材からなるリップシールをハウジングの内側にてリング状に変形させ、特殊な固定治具でリップシールの両端部を固定した状態で、両端部を接着剤等で接着することによって形成され、ハウジングに取り付けられている。しかし、この取り付け方法は、シールリングの取り付けに際して特殊な固定治具を要することや、接着剤による固定に手間と時間を要すること、一定の技量を要することといった様々な課題を有している。そこで、リップシールの両端部をメカニカルジョイントで繋いで形成されるシールリングが提案されている。具体的には、リップシールの両端部のうち、一方の端部に2つの雌部が設けられ、他方の端部にこれら2つの雌部に係合する2つの雄部が設けられている。リップシールをリング状に変形させた状態で、リング状に変形されたリップシールの周方向に直交する方向(リングの径方向)に2つの雄部と雌部をパズルのように嵌め合せることによってメカニカルジョイントが形成され、シールリングが形成される(例えば、特許文献1参照)。
国際公開第2017/080570号公報
しかしながら、特許文献1に記載のシールリングは、以下のような課題を有している。すなわち、このシールリングは、リップシールの一方の端部にある複数の雌部と、他方の端部にあって各雌部に対応する複数の雄部とを、リップシールの軸方向(周方向)ではなく、リップシールの周方向に直交する径方向に嵌め込んでメカニカルジョイントを形成し、シールリングを形成する。そのため、この嵌め込み方向である径方向に例えば雌部から雄部が抜け出る可能性がある。また、リップシールの端部に複数の雌部と雄部を成形することから、製作手間がかかる。さらに、複数の雌部と雄部が係合して形成されるメカニカルジョイントでは、雌部と雄部の間に形成され得る隙間(溝)がオイルや海水等の水道となり易い。
本発明は上記する問題に鑑みてなされたものであり、組み付け性に優れ、接続強度の高いメカニカルジョイントを有するリップシールから形成されるシールリングと、このシールリングを有するシールリング装置を提供することを目的としている。
前記目的を達成すべく、本発明によるリップシールの一態様は、環状のハウジングに固定され、該ハウジング内で回転自在なシャフトに摺接して該シャフトとの間でシール構造を形成するシールリング用のリップシールであって、
前記ハウジングに固定されるキー部と、
前記キー部から前記シャフト側に屈曲しながら延設するアーム部と、
前記アーム部の先端に位置して前記シャフトに摺接するリップ部と、を有し、
前記リップシールが相互に係合する二つの端部を有する弾性部材からなり、
一方の前記端部は、前記リップ部から前記キー部に亘って連続するとともに前記リップシールの軸方向に突出する一つの雄部を有し、
他方の前記端部は、前記リップ部から前記キー部に亘って連続するとともに前記リップシールの軸方向に陥没して前記雄部が該軸方向に嵌まり込む一つの雌部を有していることを特徴とする。
本発明の一態様によれば、組み付け性に優れ、接続強度の高いメカニカルジョイントを有する、リップシールから形成されたシールリングを提供することができる。
第1の実施形態に係るシールリングを示す斜視図である。 第1の実施形態に係るリップシールの両端部が嵌め合わされる前の状態を示す斜視図である。 第1の実施形態に係るリップシールの両端部が嵌め合わされて、第1の実施形態に係るシールリングが形成された状態を示す斜視図である。 第2の実施形態に係るシールリングを示す斜視図である。 第2の実施形態に係る2本のリップシールを示す斜視図である。 第3の実施形態に係るシールリングを示す斜視図である。 第3の実施形態に係るリップシールの両端部が嵌め合わされる前の状態を示す斜視図である。 第3の実施形態に係るリップシールの両端部が嵌め合わされて、第3の実施形態に係るシールリングが形成された状態を示す斜視図である。 第4の実施形態に係るリップシールの両端部が嵌め合わされる前の状態を示す斜視図である。 第4の実施形態に係るリップシールの両端部が嵌め合わされて、第4の実施形態に係るシールリングが形成された状態を示す斜視図である。 実施形態に係るシールリング装置の縦断面図である。 図8のIX部の拡大図である。 エア漏れ実験の実験装置を示す模式図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係るリップシールとシールリング、及びシールリング装置について、添付の図面を参照しながら説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の構成要素については、同一の符号を付することにより重複した説明を省く場合がある。
[第1の実施形態に係るリップシールとシールリング]
はじめに、図1及び図2を参照して、第1の実施形態に係るシールリング用(シールリングを形成するため)のリップシールとシールリングを説明する。なお、本明細書において、「軸方向」とは、リップシールやシールリングの長手方向を示し、「周方向」とは、例えば直線状のリップシールがリング状のシールリングを形成した際のシールリングの長手方向を示す。従って、シールリングにおける「軸方向」と「周方向」は同義である。図1は、第1の実施形態に係るシールリングを示す斜視図である。また、図2Aは、第1の実施形態に係るリップシールの両端部が嵌め合わされる前の状態を示す斜視図であり、図2Bは、第1の実施形態に係るリップシールの両端部が嵌め合わされて、第1の実施形態に係るシールリングが形成された状態を示す斜視図である。図1に示すように、シールリング100は、弾性部材からなる1本のリップシール10の2つの端部10a,10bが、軸方向であるL方向に相互に嵌め合いされることによって形成されるメカニカルジョイント20を有している。
リップシール10は、図2A及び図2Bに示すように、キー部11と、キー部11から屈曲しながら延設するアーム部12と、アーム部12の先端に位置するリップ部13とを有する。リップシール10は直線状もしくは曲線状の弾性部材からなり、例えば2つの端部10a,10bの周辺を把持してリング状に変形させた後、2つの端部10a,10bを相互に軸方向(L方向もしくは周方向)に嵌め合いすることにより、図1に示すようにメカニカルジョイント20を有するシールリング100が形成される。例えば、リップシール10が当初からリング状を呈していて2つの端部10a,10bを有している場合は、リップシール10をリング状に変形させる必要はなく、2つの端部10a,10bを相互に軸方向に嵌め合いするだけでシールリング100が形成される。また、リップシール10が直線状の弾性部材からなる場合は、シールリング100の形成の際にリング状に変形させることを要するものの、直線状の弾性部材であることから搬送性に優れており、例えば狭い隙間を作業員が通ってリップシール10の取り換えを行う等の際に有意となる。
リップシール10のうち、一方の端部10aは、リップ部13からキー部11に亘って連続するとともにシールリング100の周方向に突出する一つの雄部30を有する。雄部30は、第1雄部31と第2雄部32と第3雄部とが連続して形成され、キー部11とアーム部12とリップ部13からなる連続体の断面形状と相似な断面形状を有する。
リップ部13は、不図示のシールリング装置にシールリング100が装着された際に、シールリング装置を構成する不図示のシャフトと摺接する第一側面13a(摺接面)と、第一側面13aの反対側にある第二側面13bとを有し、第二側面13bにスプリング溝14が形成されている。シールリング装置を構成するシールリング100において、環状のスプリング溝14には、不図示の環状スプリングが嵌め込まれる。なお、シールリング装置の構成については以下で詳説する。
一方、リップシール10のうち、他方の端部10bは、リップ部13からキー部11に亘って連続するとともにシールリング100の周方向(L方向)に陥没する一つの雌部40を有する。雌部40は、第1雌部41と第2雌部42と第3雌部43が連続して形成され、各部に第1雄部31と第2雄部32と第3雄部がそれぞれ嵌まり込むようになっている。すなわち、雄部30と雌部40の断面形状は相補的な形状である。
雄部30の軸方向への突出長はt1であり、雌部40の軸方向への陥没長はt2であり、t1>t2の関係を有するように双方が成形されているのが望ましい。雄部30の突出長t1と雌部40の陥没長t2がこのような関係を有していることにより、雌部40に雄部30を周方向に嵌め合いしてメカニカルジョイント20を形成した際に、雌部40の周方向の端面に雄部30の周方向の端面が接触し、さらに押圧された状態で双方が係合される。メカニカルジョイント20において、雄部30の端面は周方向に圧縮されて雌部40の端面と押圧状態で接触し、かつ、雄部30の全側面と雌部40の全内周面は相互に密着して摩擦係合する。
特に、リップシール10の有する雄部30が、キー部11からリップ部13に亘る一つの連続体であることから、特許文献1に記載のリップシールの有する複数の雄部に比べて雄部30の剛性は格段に高くなる。そのため、シールリング100の周方向の圧縮力が雄部30に作用し、雄部30の端面が雌部40の端面から押圧された際に雄部30が雌部40内で折れ曲がり、雌部40の内周面に対してエッジ接触した状態で係合するといった恐れがない。そのため、雄部30の全側面と雌部40の全内周面が相互に面接触することが保証され、雄部30と雌部40の間の高い壁面摩擦力が担保される。
このように、雄部30が雌部40に対してシールリング100の周方向に嵌め合いされ、双方の軸方向端面が相互に押圧され、かつ双方の側面が摩擦係合していることにより、高い接続強度を有するメカニカルジョイント20が形成される。そして、雄部30と雌部40の端面同士及び側面同士が相互に摩擦係合していることにより、シールリング100がシールリング装置に装備された際に、メカニカルジョイント20が流体の水道となる恐れがない。
また、雄部30が雌部40に対してシールリング100の周方向に嵌め合いされてメカニカルジョイント20が形成されていることから、特許文献1に記載のシールリング(雌部と雄部がシールリングの周方向に直交する径方向に嵌め込まれて形成されるメカニカルジョイントを有するシールリング)のように、雌部から雄部が抜け出る可能性はない。
また、雄部30は第1雄部31と第2雄部32と第3雄部が連続した一つの突起であり、雌部40は第1雌部41と第2雌部42と第3雌部43が連続した一つの溝であることから、複数の突起や溝を有する特許文献1に記載のリップシールと比べて成形が容易となる。なお、リップシール10は、一つの金型のキャビティにゴム等の樹脂材料を流し込んで成形する方法等により、製作できる。この際、雄部30が一つの連続した突起であり、雌部40が一つの連続した溝であることから、金型の有するキャビティの形状は比較的シンプルになり、金型の製作コストも削減できる。
また、図示するシールリング100の全周長は、シールリング装置の有する環状のハウジングに設けられた環状溝の周長よりも長く設定されるのが望ましい。ハウジングの環状溝に対して相対的に周長の長いシールリング100を周方向に圧縮させながら環状溝に嵌め込むことにより、ハウジングに対して強固にシールリング100を取付けることが可能になる。この際に、一つの雄部30に対して一つの雌部40が嵌め合いされてメカニカルジョイント20が形成されることから、特許文献1に記載のリップシールの有する複数の雄部と雌部の嵌め合い構成に比べて、リップシールの組み付け性が良好になる。そして、このように良好な組み付け性を有していることは、シールリング100の迅速かつ簡易なメンテナンスに繋がり、リップシール10(製品)の販売促進にも繋がる重要な要素となり得る。
ここで、弾性部材であるリップシール10の成形材料として、ゴム材料や、ゴム以外の樹脂材料を挙げることができる。ゴム材料としては、天然ゴム(NR)やイソブレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)、ブチルゴム(IIR)、ニトリルゴム(NBR)、エチレン・プロピレンゴム(EPM、EP、EPDM)、クロロプレンゴム(CR)、アクリルゴム(ACR、ACM、ANM)、クロロスルホン化ポリエチレンゴム(CSM)、ウレタンゴム(PUR、U)、シリコーンゴム(Si、Q、VMQ、SR、フッ素ゴム(FKM、FPM)、エチレン・酢酸ビニルゴム(EVA)、エピクロルヒドリンゴム(CO、ECO)、多流化ゴム(T)などを挙げることができる。一方、ゴム以外の樹脂材料としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)やポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、フッ素樹脂、ポリアミド(PA)などを挙げることができる。中でも、フッ素ゴムとニトリルゴムが、適度なJIS硬さ、耐摩耗性、耐油性、耐候性、耐熱性等の機械特性や物理特性、さらには材料コストや材料入手容易性等の観点から好ましい材料である。なお、フッ素ゴムとニトリルゴムのJIS硬さはいずれも、Hs50乃至Hs100程度(JISスプリング式硬度で、Hs:Hardness spring)であり、優れたシール性能を発揮できる適度な硬さを有している。
[第2の実施形態に係るリップシールとシールリング]
次に、図3及び図4を参照して、第2の実施形態に係るリップシールとシールリングを説明する。図3は、第2の実施形態に係るシールリングを示す斜視図であり、図4は、第2の実施形態に係る2本のリップシールを示す斜視図である。図3に示すように、シールリング100Aは、2本のリップシール10A、10A’を相互に変形させ、双方の端部10c、10eと、端部10d、10fとをそれぞれ軸方向に嵌め合いすることにより形成される2つのメカニカルジョイント20を有する。
一方のリップシール10Aは両端部に雄部30を有し、他方のリップシール10A’は両端部に雌部40を有しており、双方の軸方向長さは例えば同じである。なお、双方のリップシールが両端部に雄部30と雌部40を有し、双方の雄部30と雌部40同士を軸方向に嵌め合いしてメカニカルジョイント20を形成する形態であってもよい。また、2つのリップシール10A、10A’が軸方向に異なる長さを有していてもよい。
図3,4に示すリップシール10A、10A’の軸方向の長さは、図1,2に示すリップシール10の軸方向の長さの例えば半分程度である。従って、リップシール10A、10A’の成形に使用する金型の規模を、リップシール10の成形に使用する金型の規模の半分程度にすることができる。また、リップシール10A、10A’の軸方向の長さが短いことから、シールリングのメンテナンスの際にリップシール10A、10A’をシールリング装置の取り付け箇所に搬送する搬送性が良好になる。
なお、図示を省略するが、3本以上のリップシールを相互に軸方向に嵌め合いしてシールリングが形成されてもよい。この形態では、例えばそれぞれのリップシールが両端に雄部と雌部を有し、隣接する2つのリップシールの端部の雄部と雌部を軸方向に嵌め合いして3つ以上のメカニカルジョイントが形成されることにより、シールリングが形成される。
[第3の実施形態に係るリップシールとシールリング]
次に、図5及び図6を参照して、第3の実施形態に係るリップシールとシールリングを説明する。図5は、第3の実施形態に係るシールリングを示す斜視図である。また、図6Aは、第3の実施形態に係るリップシールの両端部が嵌め合わされる前の状態を示す斜視図であり、図6Bは、第3の実施形態に係るリップシールの両端部が嵌め合わされて、第3の実施形態に係るシールリングが形成された状態を示す斜視図である。図5に示すように、シールリング100Bは、両端部に雄部を有する雄部品50と、雌部を有する雌部品60を有するリップシール10Bがリング状に変形され、雄部品50と雌部品60から形成されるメカニカルジョイント20を有している。
図6A及び図6Bに示すように、リップシール10Bの両端部にはそれぞれ、雄部品50と雌部品60が接着層70を介して接続されている。雄部品50は、図2に示すリップシール10の端部10aと同様の形状を有しており、雌部品60も、図2に示すリップシール10の端部10bと同様の形状を有している。また、雄部品50と雌部品60は、リップシール10Bと異なる材料にて成形されていてもよいが、リップシール10Bと同材料にて成形されているのが好ましい。雄部品50と雌部品60とリップシール10Bを形成する弾性部材とが異なる材料から成形されている場合は、図5に示すシールリング100Bを形成した際に、真円のリングを形成し難くなるが、これらが同材料にて成形されていると真円のシールリング100Bを形成し易くなるからである。
ここで、接着層70を形成する接着剤としては、エポキシ樹脂系接着剤や変成シリコーン系接着剤、スチレンブタジエンゴム溶液系接着剤、クロロプレンゴム系接着剤、ポリウレタン樹脂接着剤等を挙げることができる。
[第4の実施形態に係るリップシールとシールリング]
次に、図7を参照して、第4の実施形態に係るリップシールとシールリングを説明する。図7Aは、第4の実施形態に係るリップシールの両端部が嵌め合わされる前の状態を示す斜視図であり、図7Bは、第4の実施形態に係るリップシールの両端部が嵌め合わされて、第4の実施形態に係るシールリングが形成された状態を示す斜視図である。図7A及び図7Bに示すように、シールリング100Cは、図5及び図6に示す雄部品50と雌部品60に改良を加えた雄部品50Aと雌部品60Aを両端部に有するリップシール10Cがリング状に変形され、雄部品50Aと雌部品60Aからなるメカニカルジョイント20Aを有している。
雄部品50Aは、第1雄部31と第2雄部32の側面に、それぞれ複数の係合突起34を有する雄部30Aを有している。この第1雄部31と第2雄部32の側面は、シールリング装置に対してシールリング100Cがリップ部13をプロペラ側に向けた状態で装着された際に、プロペラ側に向いた側面である。一方、雌部品60Aは、第1雌部41と第2雌部42の内周面のうち、複数の係合突起34に対応する位置に複数の係合溝44を有する雌部40Aを有している。図7Bに示すように、雌部40Aに雄部30Aをシールリング100Cの周方向に押圧した状態で嵌め合いした際に、複数の係合溝44に対してそれぞれ対応する係合突起34が係合し、メカニカルジョイント20Aが形成される。
図示するメカニカルジョイント20Aによれば、雄部30Aの全周面と雌部40Aの全内周面との間の壁面摩擦力に加えて、係合溝44と係合突起34の係合による係合力が加わることにより、より一層高い接続強度のメカニカルジョイントが形成される。従って、このメカニカルジョイント20Aによれば、より一層優れたシール性能が保証される。
なお、図示例のシールリング100Cは、雄部30Aの第1雄部31と第2雄部32の一方の側面(図示例は、シールリング装置に対してシールリング100Cがリップ部13をプロペラ側に向けた状態で装着された際にプロペラ側に向いた側面)にのみ係合突起34が設けられ、雌部品60Aの第1雌部41と第2雌部42の内周面において各係合突起34に対応する複数の係合溝44が設けられる形態であるが、これ以外の形態であってもよい。具体的には、雄部30Aにおいて図示する側面と反対側の側面(シールリング装置に対してシールリング100Cがリップ部13をプロペラ側に向けた状態で装着された際にプロペラと反対の船体側に向いた側面)において複数の係合突起34が設けられ、雌部品60Aの内周面において各係合突起34に対応する複数の係合溝44が設けられる形態であってもよい。また、雄部30Aにおいて図示する側面(プロペラ側に向いた側面)と、反対側の側面(船体側に向いた側面)と、の両側面においてそれぞれ複数の係合突起34が設けられ、雌部品60Aの内周面において各係合突起34に対応する複数の係合溝44が設けられる形態であってもよい。このように雄部30Aの両側面にそれぞれ複数の係合突起34が設けられ、雌部品60Aの内周面にこれら各係合突起34に対応する複数の係合溝44が設けられた形態では、より一層高い係合力が得られ、より一層優れたシール性能が得られる。また、雄部が係合溝を有し、雌部が係合突起を有する形態であってもよい。さらに、第1雄部31と第2雄部32と第3雄部33の全てにそれぞれ複数の係合突起34が設けられ、第1雌部41と第2雌部42と第3雌部43の全ての内周面に複数の係合溝44が設けられてもよい。
[実施形態に係るシールリング装置]
次に、図8及び図9を参照して、実施形態に係るシールリング装置の一例を説明する。図8は、実施形態に係るシールリング装置の縦断面図であり、図9は、図8のIX部の拡大図である。なお、図示例のシールリング装置は、船舶の船尾管に装着されたプロペラシャフトの周りに配設されるシールリング装置であるが、ハウジングと、ハウジング内に回転自在に挿通されるシャフトとの間のシール構造を形成する様々な構造体や機器、システム等に本実施形態に係るシールリング装置が適用可能である。また、図示するシールリング装置を形成するシールリングの数は多様であり、シールリングとシャフト周りのライナーにて形成される空間は空気室であってもよいし、水室等の液室であってもよい。
シールリング装置200は、船舶の船尾管400において、プロペラ310を端部に備えたシャフト300と軸受410との間に供給される潤滑油が、シャフト300を覆う船尾管400から船外又は船内に漏洩するのを防止するためのシール装置である。
シールリング装置200は、環状のハウジング202、第1シールリング100a、第2シールリング100b、第3シールリング100c、第4シールリング100dを有し、船外から船尾管400に連結されている。なお、図示例のように、4つの第1シールリング100a乃至第4シールリング100dを有する代わりに、3つの第1シールリング100a乃至第3シールリング100cを有する形態であってもよい。
ハウジング202は、不図示のボルト等によって連結された複数の筒状部材で構成され、シャフト300が挿通されている。また、ハウジング202は、第1シールリング100a、第2シールリング100b、第3シールリング100c、及び第4シールリング100dを保持し、船外からボルト等によって船尾管400の船尾側に連結されている。
第1シールリング100a、第2シールリング100b、第3シールリング100c、及び第4シールリング100dは、図1乃至図7に示すシールリング100,100A,100B,100Cのいずれかであり、それぞれ内周面がライナー320の外周面に摺接してシール構造を形成する。ライナー320は、金属材料で形成された円筒状部材であり、シャフト300に外嵌してボルト等によってプロペラ310に固定され、シャフト300とともに回転する。
シールリング装置200は、ハウジング202、第1シールリング100a、第2シールリング100b、第3シールリング100c、第4シールリング100d、及び漁網防止リング101を有する。
ハウジング202は、船尾側から順に、第1分割ハウジング202a、第2分割ハウジング202b、第3分割ハウジング202c、第4分割ハウジング202d、第5分割ハウジング202e、及び第6分割ハウジング202fを有する。
分割ハウジング202a乃至202fは、それぞれ円筒状の部材であり、互いに嵌合して積層された状態で船尾管400に固定される。また、分割ハウジング202a乃至202fは、それぞれ隣接する分割ハウジングとの間に環状溝を形成し、シールリング100a乃至100d、及び漁網防止リング101を保持する。
ハウジング202は、第1分割ハウジング202aと第2分割ハウジング202bとの間で、漁網防止リング101を保持する。漁網防止リング101は、円環状の弾性部材から形成され、ライナー320に外嵌している。漁網防止リング101は、ライナー320とともに回転してハウジング202に摺接し、漁網等の異物がシールリング装置200及び船尾管400に侵入するのを防止する。
また、ハウジング202は、第2分割ハウジング202bと第3分割ハウジング202cとの間で第1シールリング100aを保持し、第3分割ハウジング202cと第4分割ハウジング202dとの間で第2シールリング100bを保持する。さらに、ハウジング202は、第4分割ハウジング202dと第5分割ハウジング202eとの間で第3シールリング100cを保持し、第5分割ハウジング202eと第6分割ハウジング202fとの間で第4シールリング100dを保持する。
第2分割ハウジング202bには、シールリング装置200に供給された空気が排出される空気孔202b1が形成されている。第4分割ハウジング202d、第5分割ハウジング202e、及び第6分割ハウジング202fには、第1空気供給路220が形成されている。第3分割ハウジング202c、第4分割ハウジング202d、第5分割ハウジング202e、及び第6分割ハウジング202fには、第2空気供給路230が形成されている。なお、第2空気供給路230は、水供給路であってもよい。
第5分割ハウジング202e及び第6分割ハウジング202fには、第2循環路240が形成されている。また、第3分割ハウジング202c、第4分割ハウジング202d、第5分割ハウジング202e、及び第6分割ハウジング202fには、排出路250が形成されている。
図9は、シールリングの断面形状を拡大して示すとともに、シールリングとシャフト周りのライナー、及びハウジングとの間で形成される空気室を示している。なお、第2空気供給路230が水供給路の場合は、空気室の代わりに水室が形成される。図1を参照して既に説明したように、第1シールリング100aは、キー部11と、アーム部12と、リップ部13とを有する。
キー部11は、第1シールリング100aの外周側端部に形成され、隣接する第2分割ハウジング202bの溝202b2と第3分割ハウジング202cの溝202c1とで形成される環状溝に嵌合して保持される。
アーム部12は、キー部11からシャフト300側(ライナー320側)に向かって延伸し、さらに屈曲して船尾側に延伸するように形成されている。
リップ部13は、アーム部12の内周側端部に形成され、その第一側面13aが摺接面となってライナー320の外周面に摺接する。また、リップ部13は、ライナー320とは反対側の第二側面13bにスプリング溝14を有し、スプリング溝14に嵌められている環状スプリング260によって締め付けられるようにライナー320に向かって押圧されている。リップ部13が環状スプリング260に押圧されることにより、摺接面である第一側面13aが弾性変形してライナー320の外周面に摺接する。
第1シールリング100aは、上記するように、キー部11が第2分割ハウジング202bと第3分割ハウジング202cとの間に保持され、リップ部13の第一側面13aがライナー320の外周面に摺接する。
第2シールリング100b、第3シールリング100c、及び第4シールリング100dは、第1シールリング100aと同様の形状を有し、それぞれハウジング202に保持されてライナー320の外周面に摺接するように設けられている。
図8に戻り、第2シールリング100bは、第1シールリング100aと同様に、キー部が第3分割ハウジング202cと第4分割ハウジング202dとの間に形成される環状溝に嵌合して保持され、リップ部がライナー320の外周面に摺接する。第4分割ハウジング202dには、第2シールリング100bのヒール部及びアーム部を支持するバックアップリングが形成されている。
また、第3シールリング100cは、キー部が第4分割ハウジング202dと第5分割ハウジング202eとの間に形成される環状溝に嵌合して保持され、リップ部がライナー320の外周面に摺接する。第5分割ハウジング202eには、第3シールリング100cのヒール部及びアーム部を支持するバックアップリングが形成されている。
第1シールリング100a、第2シールリング100b、及び第3シールリング100cは、それぞれアーム部がヒール部から船尾側に向かって延伸し、リップ部がハウジング202に保持されるキー部よりも船尾側でライナー320に摺接するように設けられている。
第4シールリング100dは、キー部が第5分割ハウジング202eと第6分割ハウジング202fとの間に形成される環状溝に嵌合して保持され、リップ部がライナー320の外周面に摺接する。第5分割ハウジング202eには、第4シールリング100dのヒール部及びアーム部を支持するバックアップリングが形成されている。
第4シールリング100dは、アーム部がヒール部から船首側に向かって延伸し、リップ部がハウジング202に保持されるキー部よりも船首側でライナー320に摺接するように設けられている。
第1シールリング100aと第2シールリング100bとの間には、第1空気室207aが形成される。第1空気室207aには、不図示の空調ユニットのフローコントローラから、空気圧が第1シールリング100aの船尾側の海水圧以上に調整された空気が、第2空気供給路230を介して一定の流量で供給される。なお、第1空気室207aが水室の場合は、水圧が第1シールリング100aの船尾側の海水圧以上に調整された水が一定の流量で供給される。
第1空気室207aに供給された空気は、海水圧に抗して船尾側に向かって延伸するアーム部12を押し上げるようにして、第1シールリング100aのリップ部13とライナー320との間から漁網防止リング101側に流出する。第1空気室207aから流出した空気は、第2分割ハウジング202bに形成されている空気孔202b1からシールリング装置200の外部に排出される。
また、第1空気室207aの空気圧が海水圧以上となることにより、第1シールリング100aのリップ部とライナー320との間から第1空気室207aの室内への海水の流入が防止される。第1空気室207aに海水や潤滑油が侵入した場合には、侵入した海水や潤滑油は排出路250から排出され、不図示の排出ユニットにて回収される。
第2シールリング100bと第3シールリング100cとの間には、第2空気室207bが形成される。第2空気室207bには、第1空気室207aと同様に、空調ユニットのフローコントローラから、空気圧が第1シールリング100aの船尾側の海水圧以上に調整された空気が、第1空気供給路220を通じて一定の流量で供給される。
第2空気室207bに供給された空気は、外部に空気が流出して第2空気室207bよりも低圧となる第1空気室207aに流れ、最終的には第1空気室207aとライナー320との間から漁網防止リング101側に流出して空気孔202b1から排出されるように流れる。
なお、第3シールリング100cが正常に機能している状態では、不図示のバルブを閉じて第1空気室207aに空気を供給せず、第2空気室207bのみに空気を供給してもよい。また、第3シールリング100cの故障時には、不図示のバルブを閉じて第2空気室207bへの空気供給を停止し、不図示のバルブを開けて第1空気室207aに空気を供給する。
第3シールリング100cと第4シールリング100dとの間には、第1潤滑油室208aが形成される。第1潤滑油室208aには、油圧が第1シールリング100aの船尾側の海水圧未満となるように調整された潤滑油が、第2循環路240を通じて供給される。
第1潤滑油室208aには油圧が海水圧未満となるように調整された潤滑油が供給されるのに対して、第2空気室207bには空気圧が海水圧以上となるように調整された空気が供給される。このため、第3シールリング100cには、高圧側となる第2空気室207bから低圧側となる第1潤滑油室208aに向かう方向に圧力がかかり、船尾側に向かって延伸するアーム部及びリップ部がライナー320に向かって押圧される。このように第3シールリング100cが差圧により押圧されると、リップ部がライナー320に圧接して第2空気室207bと第1潤滑油室208aとの間を封止する。このように、第3シールリング100cによって第2空気室207bと第1潤滑油室208aとの間が封止されることで、第1潤滑油室208aから第2空気室207bへの潤滑油の漏洩が防止される。
第1潤滑油室208aでは、供給された潤滑油が第3シールリング100cによって封止されることにより、室内の油圧が船尾管400の内部の潤滑油の油圧以上となる。このため、第1潤滑油室208aに供給された潤滑油は、第4シールリング100dとライナー320との間から船尾管400側に流出する。
第1潤滑油室208aから船尾管400の内部に流出した潤滑油は、船尾管400に供給された潤滑油とともに、循環路を通じて不図示の潤滑油タンクに戻り、再び船尾管400及びシールリング装置200に供給されるように循環する。
ここで、例えば第3シールリング100cが故障した場合には、第2シールリング100bが、第1空気室207aと潤滑油で満たされる第2空気室207bとの間を封止し、潤滑油が第1空気室207a及び船外に漏洩するのを防止する。
この場合、第2シールリング100bには、高圧側となる第1空気室207aから潤滑油が満たされて低圧側となる第2空気室207bに向かう方向に圧力がかかり、船尾側に向かって延伸するアーム部及びリップ部がライナー320に向かって押圧される。第2シールリング100bが差圧により押圧されると、リップ部がライナー320に圧接して第1空気室207aと第2空気室207bとの間を封止する。このように、第2シールリング100bが第1空気室207aと第2空気室207bとの間を封止することにより、第2空気室207bに流出した潤滑油の第1空気室207aへの漏洩が防止される。
また、第3シールリング100cに加えて第2シールリング100bも故障した場合には、不図示の循環部が船尾管400に供給する油圧を上げる。船尾管400の内部で潤滑油の油圧が上がることにより、第4シールリング100dには第1潤滑油室208aに向かう方向に圧力がかかり、船首側に向かって延伸するアーム部及びリップ部がライナー320に向かって押圧される。第4シールリング100dが差圧により押圧されると、リップ部がライナー320に圧接して船尾管320の内部と第1潤滑油室208aとの間を封止する。このように、第4シールリング100dによって船尾管400の内部と第1潤滑油室208aとの間が封止されることにより、船尾管400の内部から船外への潤滑油の漏洩が防止される。
上記するように、本実施形態に係るシールリング装置200によれば、第3シールリング100cが故障した場合であっても、第2シールリング100bが海水側予備シールとして機能し、潤滑油の船外への漏洩が防止される。また、第2シールリング100b及び第3シールリング100cが故障した場合であっても、船尾管400に供給する潤滑油の油圧を高めることにより、船尾管400の内部から第1潤滑油室208aを通じて船尾側に潤滑油が漏洩するのを防止できる。
[エア漏れ実験とその結果]
<実験概要>
本発明者等は、本実施形態に係るシールリングのシール性能を検証するべく、エア漏れ実験を行った。図10に、エア漏れ実験にて使用した実験装置の概要を示す。図10に示すように、実験装置は、ライナーと、相互に積層した複数のハウジング(分割ハウジング)との間に環状のシールリングを嵌め込み、シールリングに隣接するようにダミーリングを嵌め込み、ライナーとハウジングとシールリングとダミーリングとで密封された空気室を有している。ハウジングには空気供給路を設けておき、この空気供給路を介して加圧空気を空気室に導入し、空気室内の圧力を所定の圧力雰囲気とした。この圧力状態で空気室を15分間保持した後、空気室内に設置してある圧力センサにて空気室内の圧力を計測した。
このエア漏れ実験では、実施例1乃至3に係るシールリングと、比較例に係るシールリングを用意し、図10に示す実験装置のシールリングに適用した。
実施例1のシールリングは、図5に示すシールリング100Bである。一方、実施例2のシールリングは、図7に示すシールリング100Cであり、より具体的には、雄部と雌部の内周面側(ライナー側)に係合突起と係合溝による係合部を備えたシールリングである。一方、実施例3のシールリングは、図7に示すシールリング100Cであり、より具体的には、雄部と雌部の外周面側(ハウジング側)に係合突起と係合溝による係合部を備えたシールリングである。一方、比較例のシールリングは、特許文献1に記載のシールリングであり、複数の雄部と雌部がシールリングの周方向に直交する径方向に嵌め合いされたメカニカルジョイントを有する。
<実験結果>
実験の結果、比較例のシールリングを有する実験装置では、空気室を15分間密封することができず、空気室内の圧力を所定の圧力雰囲気とした数分後に空気室内の圧力が0MPaとなり、エア漏れが生じる結果となった。
一方、実施例1乃至3のシールリングを有する実験装置はいずれも、空気室内の圧力を所定の圧力雰囲気とした15分後においても、空気室内の圧力は変化せず、従って、エア漏れが生じていない結果となった。
本実験により、本実施形態に係るリップシールから形成されるシールリングを備えたシールリング装置が優れたシール性を有することが実証されている。
なお、上記実施形態に挙げた構成等に対し、その他の構成要素が組み合わされるなどした他の実施形態であってもよく、また、本発明はここで示した構成に何等限定されるものではない。この点に関しては、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更することが可能であり、その応用形態に応じて適切に定めることができる。
10、10A,10A’ :リップシール
10B,10C :リップシール
11 :キー部
12 :アーム部
13 :リップ部
14 :スプリング溝
10a,10b :端部
20、20A :メカニカルジョイント
30、30A :雄部
31 :第1雄部
32 :第2雄部
33 :第3雄部
34 :係合突起
40,40A :雌部
41 :第1雌部
42 :第2雌部
43 :第3雌部
44 :係合溝
50,50A :雄部品
60,60A :雌部品
70 :接着層
100,100A :シールリング
100B,100C :シールリング
200 :シールリング装置
202 :ハウジング
260 :環状スプリング
300 :シャフト
320 :ライナー
400 :船尾管

Claims (10)

  1. 環状のハウジングに固定され、該ハウジング内で回転自在なシャフトに摺接して該シャフトとの間でシール構造を形成するシールリング用のリップシールであって、
    前記ハウジングに固定されるキー部と、
    前記キー部から前記シャフト側に屈曲しながら延設するアーム部と、
    前記アーム部の先端に位置して前記シャフトに摺接するリップ部と、を有し、
    前記リップシールが相互に係合する二つの端部を有する弾性部材からなり、
    一方の前記端部は、前記リップ部から前記キー部に亘って連続するとともに前記リップシールの軸方向に突出する一つの雄部を有し、
    他方の前記端部は、前記リップ部から前記キー部に亘って連続するとともに前記リップシールの軸方向に陥没して前記雄部が該軸方向に嵌まり込む一つの雌部を有していることを特徴とする、リップシール。
  2. 前記リップシールは、前記弾性部材の両端部において、前記雄部を有する雄部品と、前記雌部を有する雌部品とが接着層を介して接続されていることを特徴とする、請求項1に記載のリップシール。
  3. 前記雄部は、該雄部の側面に係合突起を有し、
    前記雌部は、該雌部の内周面において前記係合突起が係合する係合溝を有していることを特徴とする、請求項1又は2に記載のリップシール。
  4. 前記雌部は、該雌部の内周面に係合突起を有し、
    前記雄部は、該雄部の側面において前記係合突起が係合する係合溝を有していることを特徴とする、請求項1又は2に記載のリップシール。
  5. 前記雄部は2つの側面を有し、該2つの側面の双方に係合突起もしくは係合溝を有し、
    前記雌部は、該雌部の内周面において、前記雄部の前記2つの側面にある前記係合突起もしくは前記係合溝が係合する係合溝もしくは係合突起を有していることを特徴とする、請求項1又は2に記載のリップシール。
  6. リング状に組み立てられてシールリングを形成する2本のリップシールであって、
    一方の前記リップシールの両端が、他方の前記リップシールの両端と嵌め合いされる前記雄部と前記雌部を有していることを特徴とする、請求項1乃至5のいずれか一項に記載のリップシール。
  7. 請求項1乃至6のいずれか一項に記載のリップシールがリング状に組み立てられて形成されるシールリングであって、
    前記リップ部のうち、前記シャフトと摺接する第一側面の反対側にある第二側面においてスプリング溝が形成されており、
    前記スプリング溝に環状スプリングが嵌め込まれていることを特徴とする、シールリング。
  8. 前記シャフトの軸方向に積層する少なくとも二つの前記ハウジングであって、該二つのハウジングが積層した状態において前記シールリングの前記キー部が固定される環状溝が形成されているハウジングと、
    前記環状溝に前記キー部が固定されている請求項7に記載のシールリングと、を有することを特徴とする、シールリング装置。
  9. 前記環状溝の周長よりも長い周長の前記シールリングが、周方向に圧縮された状態で該環状溝に固定されていることを特徴とする、請求項8に記載のシールリング装置。
  10. 請求項8又は9に記載のシールリング装置を、船尾管におけるプロペラを端部に備えた前記シャフトの周囲に備えていることを特徴とする、船舶。
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