JPWO2019124483A1 - 神経系疾患治療剤 - Google Patents

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Abstract

神経系疾患の治療において有用な薬剤を提供することを課題とする。本発明に係るビタミンB12を有効成分とする薬剤は、M2マクロファージ/ミクログリア誘導促進作用、M1マクロファージ/ミクログリア誘導抑制作用、神経再生促進作用等を有し、神経系疾患、特に脳梗塞、認知症、脊髄損傷等の中枢神経系疾患の治療剤として非常に有用性が高いものである。

Description

本発明は、神経系疾患治療剤等に関する。
神経系疾患とは脳、脊髄、末梢神経、筋肉に起きる疾患である。このうち、脳、脊髄に起きる疾患は中枢神経系疾患と呼ばれる。脳に起きる中枢神経系疾患の代表的なものとして、脳梗塞、認知症等がある。また、脊髄に起きる中枢神経系疾患の代表的なものとして、脊髄損傷等がある。
脳梗塞は平成26年1年間の死因第4位である脳血管障害の約6割を占め、罹患後に介護が必要になる可能性が高く、医療費の面でも社会に及ぼす影響の大きい疾患である。脳梗塞の範囲は、血流が完全に遮断された虚血中心部(ischemic core、単にcore、核ともいう)と側副血行路により血流が得られる周辺部ペナンブラ(penumbra、半影帯)に分けられる。Core部の神経細胞は速やかに死滅するため(1次損傷)、この部分のレスキューは困難であるが、penumbra部は細胞死を免れている部分であるため生き残る可能性があり、この部分をいかにレスキューするかが脳梗塞の急性期治療の肝となる。脳梗塞病変部の組織学的な変化としては、(1)神経細胞のアポトーシス、(2)炎症の惹起、(3)血液脳関門(BBB)の崩壊などが起こっている。わが国で現在使用されている脳梗塞治療薬としては、ウロキナーゼや抗凝固・抗血小板剤の他、血液を希釈するもの、浮腫を軽減するものなどがある。フリーラジカルを除去する薬剤としてエダラボン(商品名ラジカット)が2001年にわが国において承認されたが、欧米等ではまだ承認されていない。2005年からは血栓溶解療法(t-PA)が承認されたが、使用が発症から4.5時間以内に限定されている。このように2005年以降は、脳梗塞の新しい治療薬が出てきていない状況である。
脊髄損傷は本邦で年間5000人程度が新規受傷すると報告されており、疼痛や痺れ、運動機能障害などによりQOLを大きく低下させる原因となる。脊髄損傷の病態としては、受傷時の直達外力による神経細胞や血管組織のダメージ(一次損傷)に引き続き、血液脊髄関門の破綻に伴った一連の反応(二次損傷)が起こる事で損傷範囲が拡大する。一次損傷は避けようの無いものであり、二次損傷をいかに軽減するかが急性期〜亜急性期脊髄損傷治療において重要となる。しかし現在臨床で急性期脊髄損傷に対し安全に使用できる有効な治療薬は存在せず、従来使用されてきたメチルプレドニゾロン大量療法も、その副作用の重篤さからアメリカの急性期脊髄損傷治療ガイドラインでは『ルーティーンで使用すべきではない』と明記され、脊髄損傷に対しては有効な新規治療薬が切望されている状況である。
末梢神経は損傷後の再生能を有しているが、神経機能の回復は十分とはいえない。神経が損傷すると、ワーラー変性により軸索と髄鞘は貪食除去される。次いで、再生過程において、未分化なシュワン細胞で形成されるビュングナー帯(Bungner’s band)内を再生軸索が遠位方向へ伸長し、目標となる筋肉の再神経化が起こる。最終的には、再生軸索の周囲を取り巻いたシュワン細胞による髄鞘が形成される。しかし、再生神経の伸長速度は非常に遅く、目標となる筋肉までの距離が長い場合には筋萎縮が生じて十分な機能回復が望めなくなる。ところで、前述した再生過程の各段階においては、マクロファージが重要な役割を担っていることが近年明らかになり注目されている。マクロファージの炎症を起こす働きはよく知られているが、これとは逆に抗炎症性の働きを持つ表現型も持っており、それぞれM1型、M2型と呼ばれ、その表現型間には連続性がある(M1-M2間のシフトが起きる)と考えられている。そして、一般的に、抗炎症性の表現型であるM2マクロファージを増加させた方が神経再生は促進されると言われている。
一方、中枢神経においては末梢神経と比べて再生能力が乏しいことが知られている。中枢神経損傷後には、軸索周囲に髄鞘を形成する細胞であるオリゴデンドロサイトに軸索伸展阻害物質が発現し、またマクロファージ/ミクログリア、アストロサイトなどがグリア瘢痕を形成し軸索伸展に抑制的に働くことが知られている。そのため、中枢神経損傷後においてもマクロファージ/ミクログリアの炎症作用を抑制することが重要であり、末梢神経と同様に抗炎症性の表現型であるM2マクロファージ/ミクログリアを増加させた方が神経再生は促進されると言われている。
ビタミンB12はビタミンB12欠乏症の治療に有効であり、ビタミンB12欠乏症では末梢神経炎、脊髄変化といった神経学的変化も起こりうることが知られている(特許文献1)。
また、脳虚血患者は健常者と比較して血中のホモシステイン濃度が高くなっており、血中のホモシステイン濃度と脳虚血の関連が示唆されている。そして、葉酸、ビタミンB6、B12投与で血中ホモシステイン濃度が減少することが明らかになっており、ホモシステイン濃度低下が脳虚血のリスクを低下させる可能性が示唆されている(非特許文献1)。
さらに、アクチビン類がM2マクロファージ誘導によって抗炎症作用を示すこと(特許文献2)、脂肪組織由来間葉系幹細胞を含有する免疫抑制剤がM2マクロファージ誘導作用を示すこと(特許文献3)が知られている。
しかしながら、ビタミンB12によってM2マクロファージ/ミクログリア誘導が促進され、M1マクロファージ/ミクログリア誘導が抑制されること、並びに脳梗塞等の神経疾患を改善することは開示されていない。
特表第2016−513694号公報 国際公開第2011/149036号公報 国際公開第2011/043136号公報
Current Medicinal Chemistry, 2007, Vol. 14, No. 3, p249-263
本発明は、神経系疾患治療剤を提供することを課題とする。好ましくは、本発明は、アポトーシス抑制作用、ネクローシス抑制作用、軸索伸展促進作用、M2マクロファージ/ミクログリア誘導促進作用、M1マクロファージ/ミクログリア誘導抑制作用、及び神経再生促進作用からなる群より選択される少なくとも1種を有する神経系疾患治療剤を提供することを課題とする。
本発明者は、上記課題に鑑みて鋭意研究を進めた結果、ビタミンB12が神経系疾患治療効果を有することを見出した。さらに、ビタミンB12がアポトーシス抑制作用、ネクローシス抑制作用、軸索伸展促進作用、M2マクロファージ/ミクログリア誘導促進作用、M1マクロファージ/ミクログリア誘導抑制作用、神経再生促進作用等を有することをも見出した。これらの知見に基づいてさらに研究を進めた結果、本発明が完成した。
即ち、本発明は、下記の態様を包含する:
項1. ビタミンB12を含有する、神経系疾患治療剤。
項1A. 神経系疾患治療を必要とする患者にビタミンB12を投与することを含む、神経系疾患の治療方法。
項1B1. 神経系疾患の治療における使用のための、ビタミンB12
項1B2. 神経系疾患の治療における使用のための、ビタミンB12含有組成物。
項1C. 神経系疾患治療剤の製造のための、ビタミンB12の使用。
項2. M2マクロファージ/ミクログリア誘導促進剤である、項1に記載の神経系疾患治療剤。
項3. M1マクロファージ/ミクログリア誘導抑制剤である、項1に記載の神経系疾患治療剤。
項4. 神経再生促進剤である、項1〜3のいずれかに記載の神経系疾患治療剤。
項5. 前記神経系疾患が、中枢神経系疾患である、項1〜4のいずれかに記載の神経系疾患治療剤。
項6. 前記中枢神経系疾患が、脳血管疾患である、項5に記載の神経系疾患治療剤。
項7. 前記脳血管疾患が、脳梗塞、脳出血、脳血栓症、脳動脈硬化症及び認知症からなる群より選択される少なくとも1種である、項6に記載の神経系疾患治療剤。
項8. 前記神経系疾患が神経損傷である、項1〜4のいずれかに記載の神経系疾患治療剤。
項9. 前記神経損傷が中枢神経損傷である、項8に記載の神経系疾患治療剤。
項10. 前記中枢神経損傷が脊髄損傷である、項9に記載の神経系疾患治療剤。
項11. 前記ビタミンB12がメチルコバラミン、シアノコバラミン、ヒドロキソコバラミン、スルフィトコバラミン、アデノシルコバラミン、及びそれらの塩からなる群より選択される少なくとも1種である、項1〜10のいずれかに記載の神経系疾患治療剤。
項12. 前記ビタミンB12がメチルコバラミンである、項1〜11のいずれかに記載の神経系疾患治療剤。
項13. 持続的に投与して用いられる、項1〜12のいずれかに記載の神経系疾患治療剤。
項14. 点滴静注用製剤である、項13に記載の神経系疾患治療剤。
項15. 発症から12〜24時間経過以降に投与を開始するように用いられる、項1〜14のいずれかに記載の神経系疾患治療剤。
項16. 発症直後から12時間以内に投与を開始するように用いられる、項1〜14のいずれかに記載の神経系疾患治療剤。
実施例1のTUNELアッセイの結果を示す。縦軸は、アポトーシス細胞割合を示す。横軸は、添加した薬剤の種類及びその有(+)無(−)を示す。**は、Tukey-Kramer法による統計解析の結果、p値が0.01未満であったことを示す。 実施例2のLDHアッセイの結果を示す。縦軸は、ネクローシスの指標となるLDH活性の高コントロールに対しての割合を示す。横軸は、添加した薬剤の種類及びその有(10μM)無(−)を示す。*は、Student T検定法による統計解析の結果、p値が0.05未満であったことを示す。 実施例3の神経突起伸展アッセイの結果を示す。縦軸は、30個以上の神経軸索の平均値を示す。横軸は、添加した薬剤の濃度(CTRは未添加)を示す。*は、CTRに対するDunnet検定法による統計解析の結果、p値が0.05未満であったことを示し、**は同結果のp値が0.01未満であったことを示す。 実施例4のTTC染色結果を示す。縦軸は、梗塞体積を示す。横軸は、添加した薬剤の種類及びその有(MeCbl)無(Control)を示す。**は、Student T検定法による統計解析の結果、p値が0.01未満であったことを示す。 実施例5のウエスタンブロットの結果を示す。縦軸は、GAPDHタンパク質量に対するM1マーカー(左図:IL-1βタンパク質、右図:iNOSタンパク質)量の比を示す。横軸は、添加した薬剤の種類及びその有(+又は濃度)無(−)を示す。*は、Dunnet検定法による統計解析の結果、p値が0.05未満であったことを示し、**は同結果のp値が0.01未満であったことを示す。 実施例5のウエスタンブロットの結果を示す。縦軸は、GAPDHタンパク質量に対するM2マーカー(左図:Arginase I(Arg1)タンパク質、右図:CD206タンパク質)量の比を示す。横軸は、添加した薬剤の種類及びその有(+又は濃度)無(−)を示す。*は、Dunnet検定法による統計解析の結果、p値が0.05未満であったことを示し、**は同結果のp値が0.01未満であったことを示す。 実施例5の免疫組織学的評価の結果を示す。縦軸は、左図:M1マクロファージの割合(iNOS陽性細胞の割合)、右図:M2マクロファージの割合(Arg1陽性細胞の割合)を示す。横軸は、添加した薬剤の種類及びその有(+又は濃度)無(−)を示す。**は、Dunnet検定法による統計解析の結果、p値が0.01未満であったことを示す。 実施例6のウエスタンブロットの結果を示す。縦軸は、AKTタンパク質量に対するリン酸化AKTタンパク質量の比を示す。横軸は、添加した薬剤の種類及びその有(+又は濃度)無(−)を示す。*は、Tukey-Kramer法による統計解析の結果、p値が0.05未満であったことを示し、**は同結果のp値が0.01未満であったことを示し、***は同結果のp値が0.001未満であったことを示す。 実施例6のウエスタンブロットの結果を示す。縦軸は、4EBP1タンパク質量に対するリン酸化4EBP1タンパク質量の比を示す。横軸は、添加した薬剤の種類及びその有(+又は濃度)無(−)を示す。*は、Tukey-Kramer法による統計解析の結果、p値が0.05未満であったことを示し、**は同結果のp値が0.01未満であったことを示し、***は同結果のp値が0.001未満であったことを示す。 実施例6のウエスタンブロットの結果を示す。縦軸は、S6Kタンパク質量に対するリン酸化S6Kタンパク質量の比を示す。横軸は、添加した薬剤の種類及びその有(+又は濃度)無(−)を示す。*は、Tukey-Kramer法による統計解析の結果、p値が0.05未満であったことを示し、**は同結果のp値が0.01未満であったことを示し、***は同結果のp値が0.001未満であったことを示す。 実施例7の免疫組織学的評価の結果を示す。各列の図は、左側から、近位2.5mm、損傷部、遠位2.5mm、遠位5.0mm、遠位7.5mmの結果を示す。縦軸は、上段の図は、マクロファージ数を示し、中段の図はM1マクロファージ数を示し、下段の図はM1マクロファージ割合を示す。横軸は、坐骨神経損傷後の経過日数を示す。CTRは未治療群を示し、MeCblはメチルコバラミン投与群を示し、Shamは坐骨神経展開のみを行った非損傷群を示す。*は、Tukey-Kramer法による統計解析(CTR v.s. MeCbl)の結果、p値が0.05未満であったことを示し、#は、Student T検定法による統計解析(CTR v.s. MeCbl)の結果、p値が0.05未満であったことを示す。 実施例7の免疫組織学的評価の結果を示す。各列の図は、左側から、近位2.5mm、損傷部、遠位2.5mm、遠位5.0mm、遠位7.5mmの結果を示す。縦軸は、上段の図は、マクロファージ数を示し、中段の図はM2マクロファージ数を示し、下段の図はM2マクロファージ割合を示す。横軸は、坐骨神経損傷後の経過日数を示す。CTRは未治療群を示し、MeCblはメチルコバラミン投与群を示し、Shamは坐骨神経展開のみを行った非損傷群を示す。*は、Tukey-Kramer法による統計解析(CTR v.s. MeCbl)の結果、p値が0.05未満であったことを示し、#は、Student T検定法による統計解析(CTR v.s. MeCbl)の結果、p値が0.05未満であったことを示す。 実施例8の免疫組織学的評価の結果を示す。縦軸は、上段の図は、軸索数を示し、中段の図は髄鞘化軸索数を示し、下段の図は髄鞘化率を示す。横軸は、神経横断切片を作製した位置(左側から、近位2.5mm、損傷部、遠位2.5mm、遠位5.0mm、遠位7.5mm)を示す。CTRは未治療群を示し、MeCblはメチルコバラミン投与群を示し、Shamは坐骨神経展開のみを行った非損傷群を示す。*は、Tukey-Kramer法による統計解析(CTR v.s. MeCbl)の結果、p値が0.05未満であったことを示す。 実施例9のBBBスコア測定結果を示す。縦軸は、BBBスコアを示す。横軸は、脊髄損傷モデル作製の手術後の経過日数(0は手術前)を示す。CTRは未治療群を示し、MeCblはメチルコバラミン投与群を示し、Shamは坐骨神経展開のみを行った非損傷群を示す。*は、Steel-Dwass test法による統計解析(CTR v.s. MeCbl)の結果、p値が0.05未満であったことを示す。 実施例9のThermal algesimetry testの結果を示す。縦軸は、右足底に赤外線熱刺激を与え、熱さで後肢を引くまでの時間を示す。横軸は、脊髄損傷モデル作製の手術後の経過日数(0は手術前)を示す。CTRは未治療群を示し、MeCblはメチルコバラミン投与群を示し、Shamは坐骨神経展開のみを行った非損傷群を示す。*は、Steel-Dwass test法による統計解析(CTR v.s. MeCbl)の結果、p値が0.05未満であったことを示す。 実施例10のM1マーカー(IL-1βタンパク質及びiNOSタンパク質)のウエスタンブロットの結果を示す。縦軸は、GAPDHタンパク質量に対するM1マーカー(IL-1βタンパク質又はiNOSタンパク質)量の比を示す。横軸は、添加した薬剤の種類及びその有(+又は濃度)無(−)を示す。*は、Dunnet検定法による統計解析の結果、p値が0.05未満であったことを示し、**は同結果のp値が0.01未満であったことを示す。 実施例10のM2マーカー(Arg1タンパク質及びCD206タンパク質)のウエスタンブロットの結果を示す。縦軸、横軸、各記号については、図14と同様である。 実施例11の術後7日の免疫蛍光染色の結果を示す。各グラフは、部位による変化を表す。各図の横軸は、損傷部からの方向及び距離を示す。縦軸は、上段の図はマクロファージ数を示し、中段の図はM1又はM2マクロファージ数を示し、下段の図はM1又はM2マクロファージ割合を示す。CTRは未治療群を示し、MeCblはメチルコバラミン投与群を示す。*は、Mann Whitney U testによる統計解析(CTR v.s. MeCbl)の結果、p値が0.05未満であったことを示し、**はp値が0.01未満であったことを示す。 実施例11の術後14日の免疫蛍光染色の結果を示す。その他は、図16と同様である。 実施例11の術後28日の免疫蛍光染色の結果を示す。その他は、図16と同様である。 実施例11のM1マクロファージに関する免疫蛍光染色の結果を示す。各グラフは、術後の経過日数による変化を表す。各列の図は、左側から、損傷部からの方向及び距離について、頭側2mm、頭側1mm、尾側1mm、尾側2mmの結果を示す。縦軸は、上段の図はマクロファージ数を示し、中段の図はM1マクロファージ数を示し、下段の図はM1マクロファージ割合を示す。横軸は、脊髄損傷モデル作製の手術後の経過日数を示す。CTRは未治療群を示し、MeCblはメチルコバラミン投与群を示す。*は、Mann Whitney U testによる統計解析(CTR v.s. MeCbl)の結果、p値が0.05未満であったことを示し、**はp値が0.01未満であったことを示す。 実施例11のM2マクロファージに関する免疫蛍光染色の結果を示す。その他は、図19と同様である。 実施例11のM1/M2比に関する免疫蛍光染色の結果を示す。各グラフは、術後の経過日数による変化を表す。左側から、損傷部からの方向及び距離について、頭側2mm、頭側1mm、尾側1mm、尾側2mmの結果を示す。縦軸は、M1/M2比を示す。横軸は、脊髄損傷モデル作製の手術後の経過日数を示す。CTRは未治療群を示し、MeCblはメチルコバラミン投与群を示す。*は、Mann Whitney U testによる統計解析(CTR v.s. MeCbl)の結果、p値が0.05未満であったことを示し、**はp値が0.01未満であったことを示す。 実施例11のM1/M2比に関する免疫蛍光染色の結果を示す。各グラフは、部位による変化を表す。左側から、脊髄損傷モデル作製の手術後7日、14日、28日経過後の結果を示す。縦軸は、M1/M2比を示す。横軸は、脊髄損傷モデル作製の手術後の経過日数を示す。横軸は損傷部からの方向及び距離を示す。CTRは未治療群を示し、MeCblはメチルコバラミン投与群を示す。*は、Mann Whitney U testによる統計解析(CTR v.s. MeCbl)の結果、p値が0.05未満であったことを示し、**はp値が0.01未満であったことを示す。 実施例12のロタロッドテストの結果を示す。横軸は脳梗塞術後の経過日数を示し、縦軸はロタロッドから落ちるまでの時間の相対値を示す。CTRは未治療群を示し、MeCblはメチルコバラミン投与群を示す。**は、Mann Whitney U testによる統計解析(CTR v.s. MeCbl)の結果、p値が0.01未満であったことを示す。
本願において、「含有」及び「含む」なる表現については、「含有」、「含む」、「実質的にからなる」及び「のみからなる」という概念を含む。
本願において、「マクロファージ/ミクログリア」は、「マクロファージ及び/又はミクログリア」を意味し、「マクロファージ及びミクログリア」の意、「マクロファージ又はミクログリア」の意の両方を含む用語である。
本発明は、その一態様において、ビタミンB12を含有する、神経系疾患治療剤、アポトーシス抑制剤、ネクローシス抑制剤、軸索伸展促進剤、M2マクロファージ/ミクログリア誘導促進剤、M1マクロファージ/ミクログリア誘導抑制剤、神経再生促進剤等(本明細書において、「本発明の剤」と示すこともある。)に関する。以下、これらについて説明する。
1.有効成分
ビタミンB12には、コバラミン、その誘導体、及びそれらの塩が含まれる。ビタミンB12として、具体的には、コバラミン、コバラミンのコバルトイオンが置換されたもの、及びそれらの誘導体が挙げられる。より具体的な例としては、メチルコバラミン、シアノコバラミン、ヒドロキソコバラミン、スルフィトコバラミン、アデノシルコバラミン、それらの塩等が挙げられる。これらの中でも、メチルコバラミン、シアノコバラミン、ヒドロキソコバラミン、それらの塩が好ましく、メチルコバラミン、その塩がより好ましい。
コバラミン及びその誘導体の塩は、薬学的に許容される塩である限り特に限定されず、酸性塩、塩基性塩のいずれも採用することができる。例えば酸性塩の例としては、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩等の無機酸塩; 酢酸塩、プロピオン酸塩、酒石酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、リンゴ酸塩、クエン酸塩、メタンスルホン酸塩、パラトルエンスルホン酸塩等の有機酸塩; アスパラギン酸塩、グルタミン酸塩等のアミノ酸塩等が挙げられる。また、塩基性塩の例として、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩; カルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩等が挙げられる。
ビタミンB12は溶媒和物の形態であってもよい。溶媒は、薬学的に許容されるものであれば特に限定されず、例えば水、エタノール、グリセロール、酢酸等が挙げられる。
ビタミンB12は1種単独であってもよいし、2種以上の組み合わせであってもよい。
2.用途
ビタミンB12は、神経系疾患治療効果を有する。このため、ビタミンB12は、神経系疾患治療剤の有効成分として利用することができる。
ビタミンB12は、アポトーシス抑制作用、ネクローシス抑制作用、軸索伸展促進作用、M2マクロファージ/ミクログリア誘導促進作用、M1マクロファージ/ミクログリア誘導抑制作用、神経再生促進作用等を有する。このため、ビタミンB12は、アポトーシス抑制剤、ネクローシス抑制剤、軸索伸展促進剤、M2マクロファージ/ミクログリア誘導促進剤、M1マクロファージ/ミクログリア誘導抑制剤、M1:M2比(M2マクロファージ/ミクログリアに対するM1マクロファージ/ミクログリアの比)抑制剤、神経再生促進剤等の有効成分として利用することができる。
さらに、ビタミンB12は、神経系疾患治療剤の好ましい1態様、すなわちアポトーシス抑制作用、ネクローシス抑制作用、軸索伸展促進作用、M2マクロファージ/ミクログリア誘導促進作用、M1マクロファージ/ミクログリア誘導抑制作用、及び神経再生促進作用からなる群より選択される少なくとも1種に基づいた神経系疾患治療剤の有効成分として利用することができる。
神経系疾患としては、特に制限されず、中枢神経系疾患、末梢神経系疾患が含まれる。中枢神経系疾患としては、例えば脳血管疾患、神経損傷等が挙げられる。
脳血管疾患としては、脳梗塞、脳出血、脳血栓症、脳動脈硬化症、認知症等が挙げられる。
神経損傷は、末梢神経損傷、及び中枢神経損傷のいずれであってもよい。中枢神経損傷には脊髄損傷も含まれる。神経損傷の原因も特に限定されず、外傷、ギプスによる圧迫、電撃傷、椎間板ヘルニア、放射線暴露等の種々の原因による神経損傷が適用対象となる。また、適用対象となる神経損傷の程度も特に限定されず、軸索は温存されているが脱髄が起こっている場合、ワーラー変性を伴う場合、神経が解剖学的に断裂している場合等のいずれも、適用対象となる。また、神経損傷には、これに伴う各種症状、例えば、損傷を受けた神経支配領域での、運動障害(上下肢の運動麻痺・筋力低下等)、感覚障害(感覚鈍麻、しびれ、疼痛等)、自律神経障害(発汗異常、皮膚の色調変化 等)等も包含される。
神経系疾患は、好ましくは、アポトーシス抑制作用、ネクローシス抑制作用、軸索伸展促進作用、M2マクロファージ/ミクログリア誘導促進作用、M1マクロファージ/ミクログリア誘導抑制作用、及び神経再生促進作用からなる群より選択される少なくとも1種に基づいて治療可能な神経系疾患である。
本発明の剤は、ビタミンB12(本明細書において、単に「有効成分」ということがある。)を含有する限りにおいて特に制限されず、必要に応じてさらに他の成分を含んでいてもよい。他の成分としては、薬学的に許容される成分であれば特に限定されるものではない。他の成分としては、薬理作用を有する成分のほか、添加剤も含まれる。添加剤としては、例えば基剤、担体、溶剤、分散剤、乳化剤、緩衝剤、安定剤、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、増粘剤、保湿剤、着色料、香料、キレート剤等が挙げられる。
なお、ビタミンB12は、単独で、神経系疾患治療効果、アポトーシス抑制作用、ネクローシス抑制作用、軸索伸展促進作用、M2マクロファージ/ミクログリア誘導促進作用、M1マクロファージ/ミクログリア誘導抑制作用(なお、M1マクロファージ/ミクログリアからM2マクロファージ/ミクログリアへのシフト作用であることも否定されない。)、神経再生促進作用等を発揮し得る。そのため、本発明の剤は、これらの効果及び/又は作用を有する他の成分を含まなくとも、その所望の効果を発揮することができるが、薬理作用を有する他の成分が含有されていてもよい。
本発明の剤の使用態様は、特に制限されず、その種類に応じて適切な使用態様を採ることができる。本発明の剤は、その用途に応じて、例えばin vitroで使用する(例えば、培養細胞の培地に添加する。)こともできるし、in vivoで使用する(例えば、動物に投与する。)こともできる。
本発明の剤の適用対象は特に限定されないが、哺乳動物では、例えば、ヒト、サル、マウス、ラット、イヌ、ネコ、ウサギ、ブタ、ウマ、ウシ、ヒツジ、ヤギ、シカ等が挙げられる。また、細胞としては、動物細胞等が挙げられる。細胞の種類も特に制限されず、例えば血液細胞、造血幹細胞・前駆細胞、配偶子(精子、卵子)、線維芽細胞、上皮細胞、血管内皮細胞、神経細胞、肝細胞、ケラチン生成細胞、筋細胞、表皮細胞、内分泌細胞、ES細胞、iPS細胞、組織幹細胞、がん細胞等が挙げられる。
本発明の剤は、任意の剤形、例えば錠剤(口腔内側崩壊錠、咀嚼可能錠、発泡錠、トローチ剤、ゼリー状ドロップ剤などを含む)、丸剤、顆粒剤、細粒剤、散剤、硬カプセル剤、軟カプセル剤、ドライシロップ剤、液剤(ドリンク剤、懸濁剤、シロップ剤を含む)、ゼリー剤などの経口製剤形態や、注射用製剤(例えば、点滴注射剤(例えば点滴静注用製剤等)、静脈注射剤、筋肉注射剤、皮下注射剤、皮内注射剤)、外用剤(例えば、軟膏剤、パップ剤、ローション剤)、坐剤吸入剤、眼剤、眼軟膏剤、点鼻剤、点耳剤、リポソーム剤等の非経口製剤形態を採ることができる。
本発明の剤の投与経路としては、所望の効果が得られる限り特に制限されず、経口投与、経管栄養、注腸投与等の経腸投与、経静脈投与、経動脈投与、筋肉内投与、心臓内投与、皮下投与、皮内投与、腹腔内投与等の非経口投与等が挙げられる。
本発明の剤中の有効成分の含有量は、使用態様、適用対象、適用対象の状態等に左右されるものであり、限定はされないが、例えば0.0001〜100重量%、好ましくは0.001〜50重量%とすることができる。
本発明の剤を動物に投与する場合の投与量は、薬効を発現する有効量であれば特に限定されず、通常は、有効成分の重量として、一般に経口投与の場合には一日あたり0.1〜1000 mg/kg体重、好ましくは一日あたり0.5〜500 mg/kg体重であり、非経口投与の場合には一日あたり0.01〜100 mg/kg体重、好ましくは0.05〜50 mg/kg体重である。上記投与量は、年齢、病態、症状により適宜増減することもできる。
本発明の剤は、M2マクロファージ/ミクログリア誘導促進作用、M1マクロファージ/ミクログリア誘導抑制作用、神経再生促進作用等をより効果的に発揮させるという観点から、持続的に投与して用いられることが好ましい。これにより、投与対象内の細胞(例えば、神経系疾患患部の細胞、好ましくはマクロファージ/ミクログリア)に作用する有効成分濃度を、M2マクロファージ/ミクログリア誘導促進作用、M1マクロファージ/ミクログリア誘導抑制作用、神経再生促進作用の発揮に適した濃度(例えば5nM〜100μM、好ましくは10nM〜50μM、より好ましくは20nM〜10μM、さらに好ましくは50nM〜5μM、よりさらに好ましくは100nM〜1μM)に保つことができ、より効果的にこれらの作用を発揮させることができる。また、本発明の剤は、その適用対象にもよるが、点滴注射剤であることが好ましく、点滴静注用製剤であることがより好ましい。
本発明の剤の投与タイミングは、特に制限されない。
一例として、本発明の剤は、発症から例えば12〜24時間経過以降に投与を開始するように用いられる。発症は、その疾患の症状又はそれを引き起こす直接要因が確認可能な時点であり、例えば脳梗塞等の虚血性脳血管疾患の場合であれば、虚血部位の発生時点である。本発明の剤は、虚血部位発生から比較的遅いタイミングで働き得る修復機構に作用することができるので(M2マクロファージ/ミクログリア誘導促進作用、M1マクロファージ/ミクログリア誘導抑制作用、神経再生促進作用)、脳梗塞等の虚血性脳血管疾患に適用する場合、上記タイミング(発症から12〜24時間経過以降)で投与しても、治療効果を発揮することが可能である。
別の一例として、本発明の剤は、神経損傷(好ましくは脊髄損傷)等の神経系疾患の急性期(例えば、発症直後〜発症から12時間以内)に投与を開始するように用いられる。発症は、その疾患の症状又はそれを引き起こす直接要因が確認可能な時点であり、例えば脊髄損傷等の神経損傷の場合であれば、神経に損傷が発生した時点である。
以下に、実施例に基づいて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
実施例1.大脳皮質神経細胞のアポトーシス抑制作用
メチルコバラミンを用いて、大脳皮質神経細胞のアポトーシス抑制作用をTUNELアッセイで調べた。具体的には以下のとおりである。
<実施例1-1.大脳皮質神経の調製>
大脳皮質神経は定法に従って採取培養した。Sprague Dawley(SD)ラット(妊娠18日目)の胎仔から大脳皮質を切離し、10%ウシ胎児血清(FBS)及び1%ペニシリン/ストレプトマイシンを含有し、氷冷したダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)に回収した。軟膜及び血管を除去し、DMEM(FBS未添加、1%ペニシリン/ストレプトマイシン含有)へ移して剪刀で1 mm大に細断した。細胞混合液にパパイン(最終濃度2 mg/ml)を添加し、37℃で30分間反応させた。Dnase I(70 U/ml)を添加し30秒間反応させたのち、10% FBS及び1%ペニシリン/ストレプトマイシンを含有したDMEMを添加し反応を停止させた。細胞混合液を800rpmで遠心分離したのち、10% FBS及び1%ペニシリン/ストレプトマイシンを含有したDMEMで再懸濁し、Poly-L lysine(PLL)でコーティングしたdishに播種した。細胞播種4時間後に、培地をNeurobasal 培地(10% B27サプリメント、1%ペニシリン/ストレプトマイシン含有)に交換した。
<実施例1-2.TUNELアッセイ>
PLLコーティングした8 well chamber slideで培養した大脳皮質神経(実施例1-1)に20mMのグルタミン酸、10μMのメチルコバラミン(MeCbl)を添加し、18時間後にPromega deadend fluorometric TUNEL systemでアポトーシス細胞割合を評価した。4%パラホルムアルデヒド(PFA)で4℃25分間固定した。0.2% TritonX-100で5分間透過処理を行った後、incubation bufferを添加して37℃遮光下に60分間置き、標識を行った。核はDAPIで標識した。全細胞数、TUNEL陽性細胞数を計測した。
<実施例1-3.結果>
結果を図1に示す。また、図1の数値を表1に表す。TUNELアッセイにおいて、メチルコバラミン単独添加ではアポトーシス細胞割合(%)はコントロールと同様であった。グルタミン酸単独添加ではアポトーシス細胞割合の有意な増加が見られたが、グルタミン酸にメチルコバラミンを併用することにより、コントロールレベルまで有意にアポトーシス細胞割合が減少した。
Figure 2019124483
実施例2.大脳皮質神経細胞のネクローシス抑制作用
メチルコバラミンを用いて、大脳皮質神経細胞のネクローシス抑制作用をLDHアッセイで調べた。具体的には以下のとおりである。
<実施例2-1.LDHアッセイ>
PLLコーティングした6 well chamber slideで培養した大脳皮質神経(実施例1-1)に、酸素−グルコース欠乏(OGD)負荷を行う30分前に10μMのメチルコバラミンを添加した。基準となる高コントロールにはN−メチル−Dアスパラギン酸(NMDA)を添加した。培地をearle’s balanced salt solution(EBSS)に交換し、酸素濃度1%の環境下に3時間のOGD負荷を行った。通常の培地、酸素濃度環境下に戻し24時間後に上清を採取、cytotoxicity detection kit plus(SIGMA)を用いてLDH活性を測定した。コントロール群、メチルコバラミン添加群のLDH活性度は、高コントロールのLDH活性に対する割合(%)で算出した。
<実施例2-2.結果>
結果を図2に示す。また、図2の数値を表2に表す。OGD負荷によるLDHアッセイにおいて、ネクローシスの指標となるLDH活性の高コントロールに対しての割合が、メチルコバラミン添加群でコントロール群に比し有意な低下が見られた。
Figure 2019124483
実施例3.大脳皮質神経細胞の軸索伸展促進作用
メチルコバラミンを用いて、大脳皮質神経細胞の軸索伸展促進作用を神経突起伸展アッセイで調べた。具体的には以下のとおりである。
<実施例3-1.神経突起伸展アッセイ>
大脳皮質神経(実施例1-1)を播種して24時間後に各種薬剤を添加した。添加薬剤濃度はメチルコバラミン(1nM、10nM、100nM、1μM、10μM、100μM)とした。細胞播種72時間後に、抗TuJ1抗体で免疫蛍光染色し、軸索長(the longest neurite length per neuron)を計測した。ただし、別の神経と接していない細胞のみ計測し、各評価において少なくとも30個以上の神経軸索を測定し、その平均値を算出し計測値とした。
<実施例3-2.結果>
結果を図3に示す。また、図3の数値を表3に表す。神経突起伸展アッセイにおいて、10μM濃度をピークに濃度依存性に軸索伸展が促進される傾向を認め、1μM及び10μMにおいては薬剤未添加のコントロール群と比較し、有意差を持って軸索伸展の促進を認めた。
Figure 2019124483
実施例4.脳梗塞体積の縮小作用
メチルコバラミンを用いて、脳梗塞体積の縮小作用をTTC(2,3,5-Triphenyltetrazolium chloride)染色法で調べた。具体的には以下のとおりである。
<実施例4-1.一時的中大脳動脈閉塞(tMCAO)モデルの作製、及び薬剤投与>
8-9週齢の雄のC57BL/6Jマウス(24g前後)を使用した。右頭蓋骨上にレーザードプラ血流計用のプローブを装着し、中大脳動脈の血流をモニタリングできるようにした。右頚部を展開し、外頚動脈を結紮後、総頸動脈に切開を加えナイロン糸を挿入、血流モニタを見ながら先端を進めた。先端が中大脳動脈分岐部まで進み血流が低下したのを確認し、その状態で1時間、直腸温37℃で待機した後、ナイロン糸を抜去し総頚動脈を結紮した。メチルコバラミンは持続投与のため、浸透圧ミニポンプを背部皮下に留置し1mg/kg/dayの用量でモデル完成後に投与した。未治療群では同様の方法で生食を投与した。術後は麻酔から覚醒するまで直腸温37℃で維持した。
<実施例4-2.TTC染色法>
術後2日のマウス(実施例4-1)をサクリファイスし、大脳を摘出した。1mm毎に冠状断でスライスし、2% TTC溶液に30分漬けた。実体顕微鏡で撮影した後、それぞれのスライスの梗塞面積を算出、全大脳スライスの梗塞面積を加える事で梗塞体積を算出した。1つのスライスでの梗塞面積は、(健側半球面積−患側健常部面積)で計算した。
<実施例4-3.結果>
結果を図4に示す。また、図4の数値を表4に表す。マウスに対するtMCAO手術後2日に、TTC染色で脳梗塞体積を評価した。メチルコバラミン投与群ではコントロール群に比し、1/2程度の有意な梗塞体積の縮小が見られた。
Figure 2019124483
実施例5.M2マクロファージ誘導促進作用及びM1マクロファージ誘導抑制作用
メチルコバラミンを用いて、M2マクロファージ誘導促進作用及びM1マクロファージ誘導抑制作用を、ウエスタンブロット法及び免疫組織学的評価法により調べた。具体的には以下のとおりである。
<実施例5-1.マクロファージ細胞株の準備>
マウス由来マクロファージ細胞株J774A.1(JCRB9108)を、大阪府のJCRB細胞バンク(培養資源研究室)より購入した。培養は10% FBS 及び1%ペニシリン/ストレプトマイシンを含有したDMEMで行った。
<実施例5-2.ウエスタンブロット法>
J774A.1細胞(実施例5-1)を直径6cmのディッシュに播種し、4日後にprotease inhibitor cocktailを溶解したcell lysis bufferを用いてタンパク質を収集した。BCAアッセイでタンパク質濃度を測定した後、サンプル50μgずつをSDS-PAGEで電気泳動し、polyvinylidene difluoride membraneに転写した。Blocking bufferで1時間のblockingを行った後、一次抗体と4℃ over nightで反応させた。二次抗体は室温で1時間反応させ、ECLウェスタンブロッティング検出システムで検出した。M1マーカーであるiNOS及びIL-1βの検出時は、タンパク質収集の24時間前にリポ多糖(LPS)(100ng/ml)及びメチルコバラミンを添加した。M2マーカーであるArg1及びCD206の検出時は、タンパク質収集の72時間前にIL-4(20ng/ml)及びメチルコバラミンを添加した。
一次抗体は抗IL-1βウサギポリクローナル抗体(Santa Cruz)、抗iNOSウサギモノクローナル抗体(Abcam)、抗Arg1ウサギポリクローナル抗体(Santa Cruz)、抗CD206ウサギモノクローナル抗体(Abcam)、二次抗体はanti-rabbit IgG horseradish peroxidase linked whole antibody from donkey(GE Healthcare Life Sciences)を使用した。
<実施例5-3.免疫組織学的評価法>
J774A.1細胞(実施例5-1)を直径6cmのディッシュに播種し、4日後に4% PFAで20分間固定した。30分間ブロッキングし、一次抗体は4℃ over nightで反応させた。二次抗体は室温で1時間反応させ、核をDAPIで標識した。M1マーカーであるiNOSの検出時は、細胞固定の24時間前にLPS(100ng/ml)及びメチルコバラミンを添加した。M2マーカーであるArg1の検出時は、細胞固定の72時間前にIL-4(20ng/ml)及びメチルコバラミンを添加した。
一次抗体は抗iNOSウサギモノクローナル抗体(Abcam)、抗Arg1ウサギポリクローナル抗体(Santa Cruz)、二次抗体はAlexa 488標識ヤギ抗ウサギIgG抗体(Lifetechnologies)もしくはAlexa 568標識ヤギ抗ウサギIgG抗体(Lifetechnologies)を使用した。
<実施例5-4.結果>
ウエスタンブロット法の結果を図5及び6に示す。また、図5の数値を表5に、図6の数値を表6に表す。M1マーカーではLPS単独添加に比し、IL-1βは100nM、iNOSは100nMから10μMで有意なタンパク質量の減少が見られた。M2マーカーではIL-4単独添加に比し、Arg1は100nMと1μMで有意なタンパク質量の増加が見られた。CD206では100nMから1μMをピークとした傾向が見られた。
Figure 2019124483
Figure 2019124483
免疫組織学的評価法の結果を図7に示す。また、図7の数値を表7に表す。M1マーカーであるiNOSではLPS単独添加に比し、メチルコバラミンを10nMから100μMを加えたもので、iNOS陽性細胞率が有意に減少した。またM2マーカーであるArg1では、IL-4単独添加に比し、メチルコバラミン10nMから1μMを加えたもので、Arg1陽性細胞率が有意に増加した。
前述のウエスタンブロットと同様に、免疫蛍光染色においても100nM付近をピークにM2方向へのシフトが見られた。
Figure 2019124483
実施例6.マクロファージ誘導作用のメカニズムの解析
メチルコバラミンによるマクロファージ誘導作用(実施例5)のメカニズムを解析した。具体的には、IL-4、メチルコバラミン(100nM及び1mM)を添加後30分のAkt-mTOR経路(M2遺伝子を誘導する主なシグナル経路の一つ)におけるAkt、4EBP1及びS6Kの活性化をウエスタンブロットで評価した。該経路においては、上流からのシグナルによって、Aktのリン酸化が起こり、さらに下流でmTORC1を介して、4EBP1のリン酸化及びS6Kのリン酸化が起こる。S6Kのリン酸化はシグナル上流にネガティブフィードバック作用をもたらす。ウエスタンブロットは、タンパク質収集の30分前にIL-4(20ng/ml)、メチルコバラミン、RAD001(200nM)を添加し、検出する一次抗体を変える以外は、実施例5-2と同様にして行った。
結果を図8−1、図8−2、及び図8−3に示す。また、図8−1、図8−2、及び図8−3の数値を表8に表す。IL-4添加によりAkt、下流の4EBP1、S6Kとも活性化を認めた。IL-4とメチルコバラミン100nMを併用すると、IL-4単独添加の場合よりそれぞれの活性化が増強したが、メチルコバラミンを1mMにすると、4EBP1とS6Kの活性化に反し、上流のAktの活性は低下した。これに更にmTORの抑制剤であるRAD001を添加すると、上流のAktの活性はレスキューされ、下流の4EBP1及びS6K活性の抑制が見られた。以上より、高濃度メチルコバラミン添加では下流からのネガティブフィードバック機構により、M2遺伝子誘導に向かう上流Akt活性が抑制される機構が示唆された。
Figure 2019124483
実施例7.坐骨神経損傷後のマクロファージ動態の解析
坐骨神経損傷後のマクロファージ動態にメチルコバラミンが与える影響を免疫組織学的評価法で解析した。具体的には、坐骨神経損傷後1、3、7、14日での近位2.5mm、損傷部、遠位2.5mm、5.0mm、7.5mmの神経横断切片で、蛍光免疫染色でマクロファージを評価した。なお、近位は軸索上の損傷部から細胞体側を意味し、遠位は軸索上の損傷部から軸索末端側を意味し、それぞれの距離は損傷部からの距離を示す(実施例8においても同様である)。マクロファージはCD68、M1マーカーとしてiNOS、M2マーカーとしてCD206で標識した。M1マクロファージ割合(%)=M1マーカー陽性マクロファージ数(個/mm2 )/マクロファージ数(個/mm2)×100で算出した。より具体的には以下のとおりである。
<実施例7-1.外科的処置(坐骨神経圧挫損傷モデルラット)>
6週齢の雄のWistarラット(200 g前後)を使用した。左坐骨神経を展開し、坐骨神経の近位側に鑷子で圧挫損傷を加えた。圧挫時間は10秒間、圧挫回数は3回とし、圧挫操作の間隔は10秒間とした。筋膜及び皮膚を3-0 nylonで縫合した。坐骨神経展開のみを行った非損傷群と未治療群、メチルコバラミン投与群を比較検討した。メチルコバラミンは持続投与のため、浸透圧ミニポンプを背部皮下に留置し1mg/kg/dayの用量で投与した。未治療群では同様の方法で生食を投与した。
<実施例7-2.Morphological and histological analysis>
術後1日、3日、7日、14日経過したラットを麻酔薬で鎮静をかけ、左坐骨神経を採取して4% PFAで7日間、20%スクロースで24時間固定後に凍結包埋した。包埋した組織を神経短軸方向に5μm厚でスライスしglass slideに置いた。スライス部位として損傷の近位2.5mm、損傷部位、遠位2.5mm、遠位5.0mm、遠位7.5mmの5箇所で行った。1時間乾燥させて、95%メタノールで30分間固定した。ブロッキング後に1次抗体を4℃ over nightで反応させた。二次抗体は室温で1時間反応させ、核をDAPIで標識した。
一次抗体は抗CD68マウスモノクローナル抗体(Abcam)、抗iNOSウサギモノクローナル抗体(Abcam)、抗CD206ウサギモノクローナル抗体(Abcam)、抗neurofilament 200(NF200)ウサギポリクローナル抗体(SIGMA)及び抗myelin Basic Protein(MBP)マウスモノクローナル抗体(CALBIOCHEM)、二次抗体はAlexa 488標識ヤギ抗マウスIgG抗体(Lifetechnologies)、Alexa 488標識ヤギ抗ウサギIgG抗体(Lifetechnologies)、Alexa 568標識ヤギ抗マウスIgG抗体(Lifetechnologies)及びAlexa 568標識ヤギ抗ウサギIgG抗体(Lifetechnologies)を使用した。
<実施例7-3.結果>
結果を図9及び10に示す。また、図9の数値を表9−1、表9−2、及び表9−3に、図10の数値を表10−1、表10−2、及び表10−3に表す。メチルコバラミン投与群は未治療群と比較して、損傷部においては術後3、7、14日で集積マクロファージ数の有意な減少を認めた。遠位では損傷部に遅れるようにマクロファージ数が増加していったが、術後14日で有意差を認めた。
M1マクロファージ数は全評価日でメチルコバラミン投与群で有意な減少を認めた。遠位は術後7、14日で有意差を認めた。M1マクロファージ割合も同様の傾向が見られた。
M2マクロファージ数は損傷部においては、術後1、7、14日のメチルコバラミン投与群で有意な増加を認め、遠位5mmでは術後7日、遠位7.5mmでは術後7及び14日で有意差を認めた。M2マクロファージ割合も同様の傾向が見られた。
Figure 2019124483
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Figure 2019124483
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実施例8.坐骨神経損傷後の神経再生動態の解析
坐骨神経損傷後の神経再生動態にメチルコバラミンが与える影響を免疫組織学的評価法で解析した。具体的には、坐骨神経損傷2週後の損傷坐骨神経の横断切片を評価した。評価部位はマクロファージ評価と同様に、近位2.5mm、損傷部、遠位2.5mm、5.0mm、7.5mmとした。再生軸索はNF200で標識、髄鞘をMBPで標識した。再生軸索の髄鞘化率を計算するため、髄鞘化率(%)=髄鞘化軸索数(個/mm2)/軸索数(個/mm2)×100として算出した。より具体的には、実施例7と同様の方法で行った。
結果を図11に示す。また、図11の数値を表11−1、表11−2、及び表11−3に表す。損傷部では軸索数及び髄鞘化軸索数においてメチルコバラミン投与群で有意な改善を認め、軸索数では遠位5.0mm及び7.5mmで、髄鞘化軸索数では遠位2.5mm、5.0mm及び7.5mmで、髄鞘化率では遠位5.0mm及び7.5mmで有意差が見られた。この結果と実施例7の結果より、メチルコバラミンが実際の神経再生過程においてM1マクロファージを減少させ、M2マクロファージを増加させて、抗炎症性に働くことによって、神経再生を促進していることが示唆された。
Figure 2019124483
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実施例9.脊髄損傷の治療作用
メチルコバラミンを用いて、脊髄損傷の治療作用をBBB(Basso-Beattie-Bresnahan)スコア、及びThermal algesimetry testにより調べた。具体的には以下のとおりである。
<実施例9-1.ラット脊髄損傷モデル(Lateral Hemisection model)の作製、及び薬剤投与>
6週齢、メスのWistarラットを使用した。ラットは日本チャールスリバー(横浜市、日本)から購入した。麻酔方法は3種混合麻酔薬を生理食塩水で1:10に希釈して腹腔内注射にて投与した。1回当たりの麻酔投与量はミダゾラム0.2mg/kg、メデトミジン0.015mg/kg、ブトルファノール0.25mg/kgとした。手術台に腹臥位に置き、背部正中を展開した。T10椎弓を切除し脊髄後面を露出させ、スピッツメスで左脊髄を半切した。皮膚を4-0ナイロン糸で縫合し手術を終了した。メチルコバラミン投与群、未治療群およびSham群の3群を比較した。メチルコバラミン投与群、未治療群は術直後に左背部皮下にそれぞれメチルコバラミン(1mg/kg/day)、生理食塩水を充填した浸透圧ミニポンプを留置した。Sham群はTh10椎弓の切除のみを行った。
<実施例9-2.BBBスコアの測定>
ラットを個別にケージ内に入れ自由に歩かせ、5分間観察した。定法に従って、左下肢の機能で0点(運動なし)から21点(通常の運動)の間でスコアリングを行った。評価は術前、術後1, 7, 14, 21, 28日に行った。
<実施例9-3.Thermal algesimetry test>
ラットを個別に専用のケージ内に入れ、右足底に赤外線熱刺激を与え、熱さで後肢を引くまでの時間を測定した。皮膚へのダメージを避けるため、刺激時間は最大15秒とした。評価は術前、術後7, 14, 21, 28日に行った。
<実施例9-4.結果>
BBBスコアを図12に示す。また、図12の数値を表12に表す。メチルコバラミン投与群において未治療群に比し、術後14, 21, 28日目に左下肢運動機能の有意な改善を認めた。
Figure 2019124483
Thermal algesimetry testの結果を図13に示す。また、図13の数値を表13に表す。メチルコバラミン投与群で術後21, 28日目に右下肢知覚過敏の有意な改善を認めた。
Figure 2019124483
実施例10.M2ミクログリア誘導促進作用及びM1ミクログリア誘導抑制作用
メチルコバラミンを用いて、M2ミクログリア誘導促進作用及びM1ミクログリア誘導抑制作用を、ウエスタンブロット法により調べた。具体的には以下のとおりである。
<実施例10-1.ウエスタンブロット法>
ミクログリア細胞株(6-3細胞)に対し、LPS(100ng/ml)、抗炎症性サイトカインとしてIL-4(20ng/ml)を添加し、そこへ各種濃度(1nM〜1mM)に調整したメチルコバラミンを加え、それぞれ添加後1日、3日でタンパク質を回収した。電気泳動、メンブレンへの転写を行い、ブロッキング後、それぞれM1マーカー(iNOS, IL-1β)、M2マーカー(Arg1, CD206)に対する1次抗体を4℃ over nightで反応させた。二次抗体は室温で1時間反応させ、検出器でバンド検出を行った。
一次抗体は抗iNOS抗体、抗IL-1β抗体、抗Arg1抗体、抗CD206抗体(Mannose Receptor)、二次抗体はAnti-Rabbit IgG, HRP-Linked Whole Ab Sheepを使用した。
<実施例10-2.結果>
ウエスタンブロット法の結果を図14〜15に示す。また、図14の数値を表14に、図15の数値を表15に表す。ミクログリアの炎症性(M1)マーカーではLPS単独添加に比し、IL-1βは1μM、iNOSは10nM以上のメチルコバラミン添加で有意な蛋白質量の減少が見られた。抗炎症性(M2)マーカーではIL-4単独添加に比し、Arg1は1nMから10μMのメチルコバラミン添加で有意な蛋白質量の増加が見られた。CD206では10nMから100nMのメチルコバラミン添加で有意な増加が見られた。
Figure 2019124483
Figure 2019124483
実施例11.M2マクロファージ誘導促進作用及びM1マクロファージ誘導抑制作用
メチルコバラミンを用いて、M2マクロファージ誘導促進作用及びM1マクロファージ誘導抑制作用を調べた。具体的には以下のとおりである。
<実施例11-1.免疫蛍光染色>
実施例9-1のラット脊髄損傷モデルについて、術後7、14、28日経過したラットを麻酔薬で鎮静をかけ、4% PFAで灌流固定の後、損傷部を含んだ脊髄を採取して、20%スクロースで24時間固定後に凍結包埋した。包埋した組織を神経短軸方向に5μm厚でスライスしglass slideに置いた。1時間乾燥させて、100%メタノールで30分間固定した。ブロッキング後に1次抗体を4℃ over nightで反応させた。二次抗体は室温で1時間反応させ、核をDAPIで標識した。
損傷部より頭側2mm、頭側1mm、尾側1mm、尾側2mmにおける患側脊髄横断切片で、単位面積あたりのマクロファージ数、M1(炎症性タイプ)マクロファージ数、M1マクロファージ割合、M2(抗炎症性タイプ)マクロファージ数、M2マクロファージ割合、M1/M2比を計測した。
一次抗体は抗CD68抗体、抗iNOS抗体、抗Arg1抗体、二次抗体はAlexa 488標識ヤギ抗ウサギIgG抗体とAlexa 568標識ヤギ抗マウスIgG抗体を使用した。
<実施例11-2.結果>
免疫蛍光染色の結果を図16〜22に示す。図16〜18は、単位面積あたりのマクロファージ数、M1(炎症性タイプ)マクロファージ数、M1マクロファージ割合、M2(抗炎症性タイプ)マクロファージ数、M2マクロファージ割合についての部位による変化を表し、図19〜20はこれらの術後の経過日数による変化を表す。図21は、M1/M2比についての術後の経過日数による変化を表し、図22はこの部位による変化を表す。また、図16〜18の数値を、順に、表16〜18に表し、図22の数値を表19に表す。
メチルコバラミン投与群では未治療群に比し、単位面積あたりの集積マクロファージ数が少ない傾向にあり、またそのphenotypeにおいてはM1マクロファージが減少し、M2マクロファージが増加している傾向にあった。一部では有意差を認めた。
Figure 2019124483
Figure 2019124483
Figure 2019124483
Figure 2019124483
実施例12.光凝固脳梗塞モデルにおけるメチルコバラミンの機能回復促進効果について
<実施例12-1.対象と方法>
8-10週齢の雄のC57BL/6Jマウス(24g前後)を使用し、ローズベンガルを投与後、レーザー光を照射することによる光凝固脳梗塞モデルを作製した。このモデルにおいては、マウスの頭蓋骨を大泉門より外側2mmを中心として、頭蓋骨にドリルを用いて穴を開け開頭し、光感受性色素であるローズベンガルの投与5分後に右運動野中心にレーザー光を照射し、右側運動野に脳梗塞を作製する。このように脳梗塞を作製した直後より、浸透圧ポンプ(ALZET Osmotic pumps:2週間用)を埋め込み、メチルコバラミン投与群(N=3)と未治療群(N=4)に分けて、脳梗塞術後、2日後、4日後、7日後、9日後、11日後、14日後にロタロッドテスト(accelerating velocity:加速方式)を施行した。マウスが、ロタロッドから落ちるまでの時間を計測し、Max 300秒をbaselineとして、その比率を算出した。
<実施例12-2.結果>
結果を図23に示す。また、図23の数値を表20に表す。脳梗塞術後2,4,9日後において、メチルコバラミン投与群は未治療群に比して、有意にロタロッドテストによる脳機能改善を認めた。
Figure 2019124483

Claims (18)

  1. ビタミンB12を含有する、神経系疾患治療剤。
  2. M2マクロファージ/ミクログリア誘導促進剤である、請求項1に記載の神経系疾患治療剤。
  3. M1マクロファージ/ミクログリア誘導抑制剤である、請求項1に記載の神経系疾患治療剤。
  4. 神経再生促進剤である、請求項1〜3のいずれかに記載の神経系疾患治療剤。
  5. 前記神経系疾患が、中枢神経系疾患である、請求項1〜4のいずれかに記載の神経系疾患治療剤。
  6. 前記中枢神経系疾患が、脳血管疾患である、請求項5に記載の神経系疾患治療剤。
  7. 前記脳血管疾患が、脳梗塞、脳出血、脳血栓症、脳動脈硬化症及び認知症からなる群より選択される少なくとも1種である、請求項6に記載の神経系疾患治療剤。
  8. 前記神経系疾患が神経損傷である、請求項1〜4のいずれかに記載の神経系疾患治療剤。
  9. 前記神経損傷が中枢神経損傷である、請求項8に記載の神経系疾患治療剤。
  10. 前記中枢神経損傷が脊髄損傷である、請求項9に記載の神経系疾患治療剤。
  11. 前記ビタミンB12がメチルコバラミン、シアノコバラミン、ヒドロキソコバラミン、スルフィトコバラミン、アデノシルコバラミン、及びそれらの塩からなる群より選択される少なくとも1種である、請求項1〜10のいずれかに記載の神経系疾患治療剤。
  12. 前記ビタミンB12がメチルコバラミンである、請求項1〜11のいずれかに記載の神経系疾患治療剤。
  13. 持続的に投与して用いられる、請求項1〜12のいずれかに記載の神経系疾患治療剤。
  14. 点滴静注用製剤である、請求項13に記載の神経系疾患治療剤。
  15. 発症から12〜24時間経過以降に投与を開始するように用いられる、請求項1〜14のいずれかに記載の神経系疾患治療剤。
  16. 発症直後から12時間以内に投与を開始するように用いられる、請求項1〜14のいずれかに記載の神経系疾患治療剤。
  17. 請求項1〜16のいずれかに記載の神経系疾患治療剤の製造のための、ビタミンB12の使用。
  18. 神経系疾患の治療における使用のための、ビタミンB12含有組成物。
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