JP2022501413A - 炎症性神経障害を処置するための組成物及び方法 - Google Patents

炎症性神経障害を処置するための組成物及び方法 Download PDF

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Abstract

本出願は、中枢神経系(CNS)における炎症の増強を特徴とする状態を処置するための方法及び組成物に関する。この方法は、CNSにおける増強された炎症の治療を必要とする対象に、CNSに存在する炎症性細胞におけるアミノ酸トランスポーターの阻害剤を投与することを含む。本発明の組成物は、炎症性細胞におけるアミノ酸トランスポーターの阻害剤、またはその薬学的に許容される塩を含む組成物に関し、この組成物は、哺乳動物のCNSへの直接投与用に処方される。【選択図】なし

Description

連邦政府が後援する研究開発に関する声明
本発明の開発中に実施された研究の一部では、国立衛生研究所助成金番号5R21NS091890−02及び1R01NS107523−01の下で米国政府の資金を利用した。米国政府は、本発明に特定の権利を有する。
本出願は、中枢神経系(CNS)における炎症の増強を特徴とする状態を処置するための方法及び組成物に関する。方法及び組成物は、CNSに存在する炎症性細胞におけるアミノ酸トランスポーターの阻害剤の使用に関連している。
多発性硬化症(MS)は、脱ミエリン化、軸索損傷、及び進行性神経変性を特徴とするCNSの慢性炎症性障害である。興味深いことに、疾患の初期ステージでは、オリゴデンドロサイトは自発的に再生し、損傷後にミエリンを回復することができる。「再ミエリン化」と呼ばれるこのプロセスは、成人のCNSに豊富であり広く分布しているオリゴデンドロサイト前駆細胞(OPC)が損傷領域に移動し、オリゴデンドロサイトに分化し、以前に脱ミエリン化した軸索の周りでミエリンを再生することができるために可能である。しかし、疾患の進行ステージでは、再ミエリン化はますます非効率的になり、最終的に再ミエリン化はできない。ミエリンを再生することができないことにより、軸索機能の障害及び進行性神経変性が生じ、患者に不可逆的な障害の蓄積がもたらされる。
CNSへの末梢免疫細胞浸潤を標的とする現在の免疫調節療法は、再発寛解型の疾患における再発及び疾患の重症度を軽減するのに有効であり得る。しかし、これらの治療法は、CNS炎症が閉鎖された血液脳関門の後ろの脳区画内に「閉じ込められている」ように見える進行型の疾患ではほとんど効果がない。確かに、末梢における炎症と比較して、CNSにおいて発生する炎症には明確な違いがある。例えば、CNS炎症は、ミクログリア/マクロファージ及びT細胞リンパ球の活性化を伴うが、末梢炎症は循環する単球/マクロファージ及びリンパ球の活性化を伴う。
一次進行性MS(PPMS)及び二次進行性MS(SPMS)などの進行型のMCでは、ミクログリア/マクロファージ活性化による病変の緩徐拡大を特徴とするくすぶり型炎症が、疾患の進行に寄与する。確かに、進行性MS患者からの死後の脳切片の分析によって、高度の炎症、活性脱ミエリン化、不完全な再ミエリン化、及び深刻な軸索喪失を呈する緩徐に拡大するプラークが明らかになる。MSの進行期に再ミエリン化ができない正確な理由は、十分に理解されていないままである。MSにおいて再ミエリン化が損なわれる理由にはいくつかの可能性があり、高齢、制御不能な炎症、非効率的な細胞/ミエリン残屑クリアランス、軸索ジストロフィー、またはOPCの分化不能を含む。
いくつかの以前の研究は、CNS炎症が、すなわち、ミクログリア/マクロファージ活性化を介して、再ミエリン化の成功において重要な役割を果たすことを実証している。例えば、脱髄のマウスモデルへのクロドロネート−リポソームまたはミノサイクリンの注射によるマクロファージの枯渇は、病変におけるオリゴデンドロサイト系統細胞の進行を妨げることによって再ミエリン化を著しく阻害する。さらに、慢性的に脱ミエリン化した軸索において炎症が誘発されることにより、OPCの分化及び再ミエリン化が引き起こされる。逆説的に、炎症はまた、再ミエリン化ができないことに関係している。特に、高悪性度または慢性炎症が、不十分な成熟オリゴデンドロサイト及び再ミエリン化を示す進行性MS病変において頻繁に観察されている。さらに、脱ミエリン化マウスCNSにMS患者からのリンパ球を移植すると、ミクログリア/マクロファージの活性化が増強され、OPC増殖がもたらされるが、再ミエリン化のためにオリゴデンドロサイトに分化することはできないことが示されている。確かに、慢性MS病変は、脱ミエリン化損傷に応答して病変に動員された豊富なOPCを示すが、炎症が未収束である環境下では再ミエリン化オリゴデンドロサイトに分化できなかった可能性がある。まとめると、これらの研究は、OPCが結集して病変へ動員され、病変において増殖する際に炎症の有益な効果があるにもかかわらず、効率的なオリゴデンドロサイト系統細胞の進行及び再ミエリン化を確実にするために炎症を最終的に収束させなければならないことを示唆している。
本出願は、CNSにおける炎症の増強を特徴とする状態を処置するための方法および組成物に関する。この方法は、CNSにおける炎症の増強の処置を必要とする対象に、CNSに存在する炎症性細胞におけるアミノ酸トランスポーターの阻害剤を投与することを含む。
本出願はまた、炎症誘発性細胞におけるアミノ酸トランスポーターの阻害剤、またはその薬学的に許容される塩を含む組成物に関し、この組成物は、哺乳動物のCNSへの直接投与用に処方される。
CNS病変の免疫細胞におけるSlc7a5の発現を示す。 実験的自己免疫性脳脊髄炎(EAE)が誘発されたマウスへの腹腔内注射による、JPH203の5日間の連続投与を示す。 CNS病変におけるJPH203によるSlc7a5の薬理学的阻害を示す。
当技術分野において多くの場合「未収束の炎症」と呼ばれる炎症の増強は、急性炎症の2つの相対立する経路、すなわち、抗炎症経路と炎症誘発性経路との間の不均衡であり、免疫システムの全体的な保護特性の破壊をもたらす。「炎症の増強」及び「未収束の炎症」という用語は、本明細書では交換可能に使用される。持続性の未収束の炎症によって慢性炎症が生じる可能性があり、それによりまた合併症または病状が生じる可能性がある。当業者は、本明細書で使用される未収束の炎症または炎症の増強という用語を容易に理解するであろう。
しかし、炎症は、抗炎症性応答及び炎症誘発性応答の場所に応じて、異なる形態をとることがある。したがって、未収束の炎症及び慢性炎症もまた、炎症の部位に応じて異なる形態をとることがある。例えば、CNS内の炎症には、CNS中にのみ見られる別個の免疫細胞であるミクログリアが関与する。一方、ミクログリアはCNS中にのみ見られるため、CNS外の炎症にはミクログリアが関与することはできない。
ミクログリアは、CNSの「常在免疫細胞」であり、CNS外では見られない。ミクログリアは、CNS外の他のタイプの免疫細胞と表現型及び機能が異なっている。例えば、ミクログリアは通常、CNS外の他のマクロファージ集団において典型的に発現するmRNA転写物を、発現しないか、または低レベルで発現する。しかし、ミクログリアは通常、酸化的代謝に関連する遺伝子に関してmRNAが異常に高い発現レベルを示す。参照により組み込まれる、Perry, V. and Teeling, J., Semin. Immunopathol., 35(5): 601−612 (2013)を参照のこと。
CNS炎症におけるミクログリアの役割は十分には理解されておらず、CNS炎症中のミクログリアの有益または有害な効果に関する矛盾するデータがある。例えば、Yin, J, et al., J. Immunology Res., Vol. 2017, Article ID 5150678, (doi: 10.1155/2017/5150678)は、最近の総説の中で、活性化ミクログリアがMSの際に神経保護効果をもたらすことがあると報告している。Bogie, F., et al., Acta Neuro−Pathologica, 128(2):191−213 (2014)を参照のこと。一方、活性化ミクログリアは、MSの進行中に神経毒性作用を及ぼす可能性もある。現時点では、ミクログリアの活性を阻害するとCNS内の炎症に罹患している患者に治療的緩和がもたらされるのか、またはミクログリアの増殖及び/または活性化を促進するとCNS内の炎症に罹患している患者に治療的緩和がもたらされるのかは、不明なままである。
本出願は、CNSにおける炎症の増強を特徴とする状態を処置するための方法(治療法)及び組成物に関する。治療法は、CNSにおける炎症の増強の処置を必要とする対象に、CNSに存在する炎症性細胞におけるアミノ酸トランスポーターの阻害剤を投与することを含む。1つの特定の実施形態では、治療法は、CNSにおける炎症の増強の処置を必要とする対象に、ミクログリア細胞におけるアミノ酸トランスポーターの阻害剤を投与することを含む。
一実施形態では、CNSにおける炎症の増強を特徴とする状態は、CNSの白質または灰白質のいずれかにおけるニューロンの脱ミエリン化を特徴とする。脱ミエリン化のプロセスは当技術分野では周知であり、ニューロンを取り囲むミエリン鞘の分解、損傷、または完全性の喪失に関連する病状である。一実施形態では、脱ミエリン化は、正常で健康なミエリンが、その完全性を喪失する、及び/または化学毒素、ウイルスもしくは細菌感染、または免疫系の不均衡などであるがこれらに限定されない傷害によって破壊される脱ミエリン化ミエリン破壊性疾患である。脱ミエリン化ミエリン破壊性疾患のいずれにおいても、少なくとも最初は炎症反応が存在し、この炎症は、次に、未収束となり、または増強して、より広範囲の脱ミエリン化をもたらす。
選択された実施形態では、本発明の方法を使用して処置され得る、脱ミエリン化が起こるCNSにおける炎症の増強を特徴とする状態としては、限定されないが、臨床的単一症発症型(clinically isolated syndrome)(CIS)、再発性進行性MS、一次進行性MS、二次進行性MS、腫瘤形成性MS、空洞性病変を伴うMS、脊髄皮質(myelocortical)MS、デビック病、バロ同心性硬化症、シルダーびまん性硬化症、及びマールブルグMS、を含む、MSが挙げられる。
本発明の方法を使用して処置され得る、脱ミエリン化が起こるCNSにおける炎症の増強を特徴とする他の状態としては、視神経脊髄炎(NMO)、視神経脊髄炎スペクトル障害(NMOSD)、自己免疫性脳炎、急性散在性脳脊髄炎、急性出血性白質脳炎、ミエリンオリゴデンドロサイト糖タンパク質抗体関連脱髄(Anti−MOG)、HTLV−I関連脊髄症(HAM)、横断性脊髄炎、慢性再発性炎症性視神経炎(CRION)、及び参照により組み込まれる、Hoftberger, R. and Lassmann, H., “Inflammatory demyelinating diseases of the central nervous system” in Handbook of Clinical Neurology, Kovacs, G. and Alafuzoff, I., Eds., Vol 145, pp. 263−283 (2018)、において考察されている他の炎症性脱ミエリン化疾患、などであるが、これらに限定されない炎症性脱ミエリン化疾患を含む。
本発明の方法を使用して処置され得る、CNSにおける炎症の増強を特徴とする他の状態としては、限定されないが、がん治療後の放射線誘発損傷、脳卒中、外傷性脳損傷(TBI)、ウイルス感染、脊髄損傷、視神経損傷、及び脳性麻痺、などであるが、これらに限定されない、脱ミエリン化が必ずしも起こらない状態が挙げられる。もちろん、脱ミエリン化は、CNSにおける潜在的炎症のために列挙された状態のいずれかにおいて発生する場合がある。
本発明はまた、対象のCNSにおける炎症の増強の影響を低減する方法(予防的方法)に関する。予防的方法は、CNSにおける炎症の増強の影響を低減するための処置を必要とする対象に、CNSに存在する炎症性細胞におけるアミノ酸トランスポーターの阻害剤を投与することを含む。1つの特定の実施形態では、予防的方法は、CNSにおける炎症の増強の影響を低減するための処置を必要とする対象に、ミクログリア細胞におけるアミノ酸トランスポーターの阻害剤を投与することを含む。
本発明はさらに、対象のCNSにおける炎症を軽減する方法;CNSにおける炎症の増強を特徴とする状態を有する対象のCNSにおけるニューロンの再ミエリン化を増加させる方法;及びCNSにおける炎症の増強を特徴とする状態を有する対象のCNSにおいて、オリゴデンドロサイトの再ミエリン化オリゴデンドロサイトへの分化を増加させる方法、に関する。これらの方法は、本発明の実施形態に従って、対象に、CNSに存在する炎症性細胞におけるアミノ酸トランスポーターの阻害剤を投与することを含む。
追加の実施形態では、治療法及び/または予防的方法は、は、CNSにおける炎症の増強の処置を必要とする対象に、CNSに存在する他のタイプの炎症性細胞、例として、これらに限定されないが、マクロファージ、T細胞、B細胞、及び内皮細胞におけるアミノ酸トランスポーターの阻害剤を投与することを含む。CNSに存在するこれらのタイプのマクロファージ、T細胞、B細胞、及び内皮細胞は、それらの表現型及び機能に関して当業者によって容易に識別可能である。
特定の実施形態では、対象に投与される化合物または組成物は、ミクログリア細胞においてのみアミノ酸トランスポーターを阻害する。別の特定の実施形態では、対象に投与される化合物または組成物は、ミクログリア、ならびにマクロファージ、T細胞、B細胞、及び内皮細胞などであるがこれらに限定されない、CNSに存在する少なくとも1つの他のタイプの炎症性細胞におけるアミノ酸トランスポーターを阻害する。別の特定の実施形態では、対象に投与される化合物または組成物は、CNSに存在するミクログリアならびにマクロファージにおけるアミノ酸トランスポーターを阻害する。別の特定の実施形態では、対象に投与される化合物または組成物は、CNSに存在するミクログリアならびにT細胞におけるアミノ酸トランスポーターを阻害する。別の特定の実施形態では、対象に投与される化合物または組成物は、CNSに存在するミクログリアならびにB細胞におけるアミノ酸トランスポーターを阻害する。別の特定の実施形態では、対象に投与される化合物または組成物は、CNSに存在するミクログリアならびに内皮細胞におけるアミノ酸トランスポーターを阻害する。
一実施形態では、本発明の治療的及び/または予防的方法は、CNSに存在する炎症性細胞にアミノ酸トランスポーターの阻害剤を投与することを含み、対象または患者は哺乳動物である。本明細書では、対象及び患者という用語は、交換可能に使用される。1つの特定の実施形態では、本発明の治療的及び/または予防的方法は、CNSに存在する炎症性細胞にアミノ酸トランスポーターの阻害剤を投与することを含み、対象または患者は、ヒト、非ヒト霊長類、マウス、ラット、イヌまたはネコである。アミノ酸トランスポーターの阻害剤が投与される非ヒト対象は、一般に、動物モデル研究において炎症が誘発された動物である。
本発明の治療的及び/または予防的方法は、CNSに存在する炎症性細胞にアミノ酸トランスポーターの阻害剤を投与することを含む。一実施形態では、阻害されるアミノ酸トランスポーターは、大型アミノ酸トランスポーターの小サブユニット1(LAT1)である。
LAT1タンパク質は、Slc7a5遺伝子によってコードされる、フェニルアラニン、チロシン、ロイシン、アルギニン、及びトリプトファンなどの「大型」中性アミノ酸のナトリウム非依存性の高親和性トランスポーターである。参照により組み込まれているワールドワイドウェブ上のuniprot.org/uniprot/Q01650で入手可能なUniProtレコードQ01650を参照のこと。LAT1タンパク質は、「成人の肺、肝臓、脳、骨格筋、胎盤、骨髄、精巣、静止リンパ球、単球、及び胎児の肝臓」において豊富に発現している。UniProtレコードQ01650。LAT1タンパク質はまた、「胸腺、角膜、網膜、末梢白血球、脾臓、腎臓、結腸、及びリンパ節」においてはるかに少ない程度で発現している。UniProtレコードQ01650。LAT1タンパク質はオリゴデンドロサイトにおいては発現しておらず、ミクログリアにおけるLAT1タンパク質の発現を実証する既知の報告またはデータは、現在存在しない。さらに、CNSに位置するマクロファージ、T細胞、またはB細胞におけるLAT1タンパク質の発現を実証する既知の報告は、存在しない。
もちろん、本治療法及び/または予防的方法を非ヒト哺乳動物で実施する場合、その方法は、ヒトLAT1のオルソログの阻害剤を投与することを含む。
一実施形態では、治療または予防を必要とする対象に投与されるアミノ酸トランスポーターの阻害剤は、JPH203またはその薬学的に許容される塩である。JPH203化合物は、(S)−2−アミノ−3−(4−((5−アミノ−2−フェニルベンゾ[d]オキサゾール−7−イル)メトキシ)−3,5−ジクロロフェニル)プロパン酸であり、C2319Clである。JPH203化合物は、塩酸塩の形態で発生する可能性もある。一実施形態では、治療を必要とする対象に投与されるアミノ酸トランスポーターの阻害剤は、JPH203である。一実施形態では、治療を必要とする対象に投与されるアミノ酸トランスポーターの阻害剤は、JPH203塩である。1つの特定の実施形態では、治療を必要とする対象に投与されるアミノ酸トランスポーターの阻害剤は、JPH203塩酸塩である。本明細書で使用される場合、「JPH203」という用語は、化合物またはその医薬塩を意味すると理解される。
本発明の治療法及び/または予防的方法で使用される化合物またはその塩は、CNSに全身または局所投与することができる。1つの特定の実施形態では、JPH203またはその薬学的に許容される塩は、CNSに全身または局所投与される。化合物またはその薬学的に許容される塩を全身投与する場合、本発明の方法は、静脈内、経口、腹腔内、筋肉内、皮内、髄腔内、皮下、及び経鼻を含むがこれらに限定されない投与経路を介して、化合物またはその薬学的に許容される塩を投与することを含む。1つの特定の実施形態では、JPH203またはその薬学的に許容される塩は、静脈内、経口、腹腔内、筋肉内、皮内、髄腔内、皮下、及び経鼻を含むがこれらに限定されない投与経路を介して全身投与される。
本明細書で使用される場合、「処置」または「処置すること」は、CNSにおける炎症またはその少なくとも1つの検出可能な症状の改善を指す。あるいは、「処置」または「処置すること」は、ニューロンの脱ミエリン化などであるがこれに限定されない、CNSにおける炎症によってもたらされる、患者によって必ずしも認識可能ではない、少なくとも1つの測定可能な物理的パラメータの改善を指す。別の実施形態では、「処置」または「処置すること」は、物理的、例えば、認識可能な症状の安定化、生理学的、例えば、物理的パラメータの安定化のいずれかにより、またはその両方により、疾患または障害の進行を阻害することを指す。
ある特定の実施形態では、本発明の組成物は、CNSにおける炎症の影響に対する予防措置として、患者、例えばヒトに投与される。本明細書で使用される場合、「予防する」という用語は、CNSにおける炎症に関連するので、活性化合物を対象に投与して影響を少なくとも部分的に阻害するか、または対象がCNSにおける炎症の影響を受ける可能性を低減することを示す。もちろん、「予防する」という用語はまた、CNSの炎症に関連する症状の出現が検出可能に現れることを完全に妨げることを包含する。
化合物(複数可)を治療目的で対象に投与する場合、対象は、CNSにおける炎症、例えば、MSを特徴とする状態とすでに診断されている。治療法は、CNSにおける炎症の進行またはCNSにおける炎症の影響を少なくとも緩徐させることを目的としている。CNSにおける炎症に関連する「進行を緩徐させる」という句は、CNSにおける炎症の1つまたは複数の症状をすでに呈している患者における1つまたは複数の症状の検出可能な出現を少なくとも部分的に阻害するように設計された手順を意味するために使用され、すでに存在する、CNSにおける炎症の症状が、対象において悪化するのを少なくとも部分的に阻害することを意味するためにも使用される。もちろん、本発明の治療方法はまた、CNSにおける炎症の進行またはCNSにおける炎症の影響を停止させまたは逆転さえさせることも目的とすることができる。
化合物(複数可)を、予防目的で対象に投与する場合、化合物(複数可)を、脱ミエリン化の検出可能な症状の発症前に、一般に投与する。したがって、CNSに存在する炎症誘発性細胞にアミノ酸トランスポーターの阻害剤を投与することにより、対象を「前処置」することができる。したがって、本発明はまた、対象のCNSにおける炎症の増強の影響を前処置する方法であって、CNSにおける炎症の増強の前処置を必要とする対象に、CNSに存在する炎症性細胞におけるアミノ酸トランスポーターの阻害剤を投与することを含む、方法に関する。
本発明の前処置方法は、一般に、対象がCNSにおける炎症の症状を呈していない場合に、アミノ酸トランスポーターの阻害剤、例えば、JPH203またはその薬学的に許容される塩を投与することを含む。選択された実施形態では、アミノ酸トランスポーターの阻害剤、例えば、JPH203またはその薬学的に許容される塩の投与は、対象がCNSにおける炎症を誘発することが知られている損傷に罹患した後に起こり得る、すなわち、アミノ酸トランスポーターの阻害剤を投与する前に、対象は、CNSにおける炎症を誘発することが知られている損傷に罹患している。
前処置方法の選択された実施形態では、CNSにおいて炎症を誘発することが知られている損傷は、がん治療後の放射線誘発損傷、脳卒中、外傷性脳損傷(TBI)、ウイルス感染、脊髄損傷、および視神経損傷、のうちの1つであり得る。
前処置方法の選択された実施形態では、アミノ酸トランスポーターの阻害剤、例えば、JPH203またはその薬学的に許容される塩を、損傷から約7日以内に対象に投与する。より具体的な実施形態では、アミノ酸トランスポーターの阻害剤、例えば、JPH203またはその薬学的に許容される塩を、損傷から約6日以内、損傷から約5日以内、損傷から約4日以内、損傷から約3日以内、損傷から約48時間以内、損傷から約36時間以内、損傷から約24時間以内、損傷から約12時間以内、損傷から約6時間以内、損傷から約2時間、または損傷から約1時間以内に、対象に投与する。
JPH203またはその塩の作用機序は、本発明の処置及び/または前処置方法にとって重要ではない。しかし、1つの特定の実施形態では、JPH203またはその薬学的に許容される塩は、CNSにおける炎症の処置または前処置を必要とする対象に投与される場合、CNSに存在する炎症性細胞におけるmTOR(ラパマイシンの機械的標的)シグナル伝達を選択的に阻害する。しかし、1つの特定の実施形態では、JPH203またはその塩は、CNSにおける炎症の処置または前処置を必要とする対象に投与される場合、ミクログリアにおけるmTORシグナル伝達を選択的に阻害する。当業者が認識しているように、mTORは、細胞周期、増殖、及び細胞生存の調節に関与するキナーゼである。mTORの活性化の効果は細胞タイプに特異的であるが、mTORの活性化にはアミノ酸が必要である。
したがって、1つの特定の実施形態では、本発明の処置及び/または前処置方法は、JPH203またはその薬学的に許容される塩を対象に投与することによって、CNSにおける炎症の処置を必要とする対象において、CNSに存在する炎症細胞におけるmTORキナーゼの活性を阻害することを含む。より具体的な実施形態では、本発明の方法は、JPH203またはその塩を対象に投与することによって、CNSにおける炎症の処置を必要とする対象において、CNSのミクログリアにおけるmTORキナーゼの活性を阻害することを含む。追加の特定の実施形態では、本発明の方法は、JPH203またはその塩を対象に投与することによって、CNSにおける炎症の処置を必要とする対象において、CNSのマクロファージ、T細胞、B細胞、及び/または内皮細胞におけるmTORキナーゼの活性を阻害することを含む。
処置または前処置を必要とする対象に、CNSの炎症性細胞におけるアミノ酸トランスポーターの阻害剤を投与することによって、対象のCNS内のオリゴデンドロサイト前駆細胞(OPC)(またはオリゴデンドロサイト前駆体細胞)の再ミエリン化オリゴデンドロサイトへの分化が増加または促進され得る。オリゴデンドロサイト細胞は、当業者に周知であり、神経軸索を覆うミエリンの生成に関与する細胞である。オリゴデンドロサイトの大部分は胚形成中に形成されるが、成人ではOPCがCNSにおける病変に動員され、より成熟したミエリン産生オリゴデンドロサイトに分化する可能性がある。
しかし、慢性炎症または持続性の未収束の炎症の場合、OPCは、それらが病変に動員されたとしても、ミエリン産生オリゴデンドロサイトに分化することができないことがある。CNSに存在する活性化ミクログリアまたは他の活性化炎症細胞は、OPCが成熟オリゴデンドロサイトへ分化するのをブロックするように見える。したがって、1つの特定の実施形態では、本発明の方法は、JPH203またはその薬学的に許容される塩を対象に投与することによって、CNSにおける炎症の処置を必要とする対象において、CNSにおける再ミエリン化オリゴデンドロサイトへのOPCの分化を促進することを含む。
したがって、本発明の処置及び/または前処置方法はまた、JPH203またはその薬学的に許容される塩を対象に投与することによって、CNSにおける炎症の処置を必要とする対象において、CNSにおけるニューロンの再ミエリン化を促進することを含み得るということになる。脳及び脊髄のミエリン含有量を測定または視覚化することとしては、ミエリン水画分、磁化伝達比(MTR)、制限的プロトン画分f(restricted proton fraction f)(定量的MTRから取得)、拡散テンソルイメージング(DTI)メトリック、及び陽電子放出断層撮影(PET)イメージングが挙げられるが、これらに限定されない。脱ミエリン化及び/または再ミエリン化のレベル及び程度を評価するという観点から、ミエリン含有量を測定するためのこれらの技術は、当技術分野において周知である。参照により組み込まれている、Mallik, S., et al., J. Neurol. Neurosurg. Psychiatry, 85:1396−1404 (2014) (doi: 10.1136/jnnp−2014−307650)を参照のこと。
当技術分野において周知であるように、神経軸索の再ミエリン化により、神経ジストロフィーが減少し、及び/または神経変性が減少する。したがって、1つの特定の実施形態では、本発明の処置及び/または前処置方法は、JPH203またはその薬学的に許容される塩を対象に投与することによって、CNSにおける炎症の処置または前処置を必要とする対象において、CNSにおける神経ジストロフィーを減少させること及び/または神経変性を減少させることを含む。
本出願はまた、炎症誘発性細胞におけるアミノ酸トランスポーターの阻害剤、またはその薬学的に許容される塩を含む組成物に関し、この組成物は、哺乳動物のCNSへの投与用に処方される。1つの特定の実施形態では、CNSの炎症誘発性細胞におけるアミノ酸トランスポーターの阻害剤は、JPH203またはその薬学的に許容される塩である。本明細書で使用される場合、「化合物」という用語は、JPH203などのアミノ酸トランスポーターの活性阻害剤、及びその薬学的に許容される塩を意味するために使用される。
本明細書で使用される場合、「CNSへの投与」という句は、CNSへの活性化合物の直接の局所投与を意味することができ、または活性化合物が血液脳関門を通過してCNSにはいることができるという条件で、化合物の全身投与を意味することもできる。例えば、JPH203及びその薬学的に許容される塩は、血液脳関門を通過することができる。
投与経路に関係なく、本発明の活性化合物の好適な投与量範囲は、一般に、体重1キログラムあたり約0.0001ミリグラム〜2000ミリグラムの本発明の化合物である。1つの特定の実施形態では、用量は、体重1キログラムあたり約0.001ミリグラム〜約1500ミリグラム、より具体的には、体重1キログラムあたり約0.01ミリグラム〜約1000ミリグラム、より具体的には、体重1キログラムあたり約0.1ミリグラム〜約500ミリグラム、さらにより具体的には、体重1キログラムあたり約1ミリグラム〜約100ミリグラム、である。
本発明の化合物及び組成物はまた、任意の経路によって、例えば、注入またはボーラス注射によって、上皮または皮膚粘膜内層(例えば、口腔粘膜、直腸及び腸粘膜など)を介した吸収によって投与してもよく、それらは別の生物学的に活性な薬剤と一緒に投与してもよい。投与は、全身的または局所的であり得る。種々の送達システム、例えば、リポソーム、微粒子、マイクロカプセル、カプセルなどへの封入が知られており、これらを使用して本発明の化合物または組成物を投与することができる。
特定の実施形態では、本発明の1つまたは複数の化合物または組成物を、処置を必要とする領域に局所的に投与することが望ましいことがある。これは、例えば、限定としてではなく、硬膜外注射などの局所注入によって;皮膚または粘膜層を通って吸収され得る局所適用;カテーテルなどを介した注射によって;座薬によって;またはインプラントによって達成することができ、インプラントは、多孔質、非多孔質、またはゼラチン状の材料であり、これには、シラスティック膜などであるがこれに限定されない膜、または繊維が含まれる。
経肺投与もまた、例えば、吸入器またはネブライザー、及びエアロゾル化剤を用いた製剤の使用によって、またはフルオロカーボンもしくは合成肺サーファクタントにおける灌流を介して使用することができる。ある特定の実施形態では、本発明の化合物は、従来の結合剤及びビヒクル、例としてトリグリセリド、を用いて、座薬として処方することができる。
本組成物は、好適な量の薬学的に許容されるビヒクルと共に、治療有効量のJHP203またはその薬学的に許容される塩などのアミノ酸トランスポーターの阻害剤を含有して、患者への適切な投与のための形態を提供する。
「薬学的に許容される」という用語は、動物、より詳細にはヒトにおいて使用するために、連邦または州政府の規制機関によって承認されているか、または米国薬局方または一般に認められている他の薬局方に列挙されていることを意味する。「ビヒクル」という用語は、それと共に本発明の化合物を投与する、希釈剤、アジュバント、賦形剤または担体を指す。そのような薬学的ビヒクルは、例として、水、及び石油、動物、植物または合成油由来のものを含む油、例として、ピーナッツ油、大豆油、鉱油、もしくはごま油など、の液体であり得る。薬学的ビヒクルは、生理食塩水、アラビアゴム、ゼラチン、デンプンペースト、タルク、ケラチン、コロイダルシリカ、尿素などであり得る。加えて、補助剤、安定化剤、増粘剤、潤滑剤及び着色剤を使用してもよい。患者に投与する場合、本発明の化合物及び薬学的に許容されるビヒクルは、好ましくは減菌である。本発明の化合物を静脈内投与する場合、滅菌水はビヒクルとなり得る。生理食塩水及び水性デキストロース及びグリセロール溶液も、特に注射液のための液体ビヒクルとして使用することができる。好適な薬学的ビヒクルとしてはまた、賦形剤、例えばスターチ、グルコース、乳糖、スクロース、ゼラチン、麦芽、米、小麦粉、チョーク、シリカゲル、ステアリン酸ナトリウム、モノステアリン酸グリセロール、タルク、塩化ナトリウム、乾燥スキムミルク、グリセロール、プロピレン、グリコール、水、エタノールなどが挙げられる。本組成物は、所望であれば、少量の湿潤剤もしくは乳化剤、またはpH緩衝剤を含有することもできる。
本製剤は、溶液、懸濁液、エマルション、錠剤、丸薬、ペレット、カプセル、液体を含有するカプセル、粉末、徐放性製剤、座薬、エマルション、エアロゾル、スプレー、懸濁液、または使用に好適な任意の他の形態をとることができる。
別の実施形態では、本発明の化合物及び/または組成物は、ヒトへの静脈内投与に適合した医薬組成物として、定型的な手順に従って処方される。典型的には、静脈内投与のための本発明の化合物及び/または組成物は、減菌水性等張緩衝液中の溶液である。必要な場合、組成物は、可溶化剤を含むこともできる。静脈内投与のための組成物は、注射部位で痛みを緩和するために、リグノカインなどの局所麻酔剤を任意に含み得る。一般に、本発明の製剤の成分は、単位剤形で、例えば、活性薬剤の量を示すアンプルもしくはサシェなどの気密封止容器内に乾燥した凍結乾燥粉末または水不含濃縮物として、別々に供給されるか、あるいは一緒に混合されて供給される。本発明の化合物を注入によって投与する場合、それは、例えば、減菌の医薬品グレードの水または生理食塩水を含有する注入ボトルを用いて分注することができる。本発明の化合物を注射によって投与する場合、投与の前に成分を混合することができるように、注射用の滅菌水または生理食塩水のアンプルを提供することができる。
1つの特定の実施形態では、本発明の組成物は、経口投与することができる。経口送達のための製剤は、錠剤、ロゼンジ、水性もしくは油性懸濁液、顆粒、粉末、エマルション、カプセル、シロップ、またはエリキシルの形態であり得る。経口投与される組成物は、薬学的に口当たりの良い製剤を提供するために、1つまたは複数の任意の薬剤、例えば、フルクトース、アスパルテームまたはサッカリンなどの甘味剤;ペパーミント、ウインターグリーン油、またはチェリーなどの香料添加剤;着色剤;および保存剤を含有してもよい。さらに、錠剤または丸剤の形態では、組成物は、胃腸管における崩壊及び吸収を遅らせるためにコーティングされてもよく、それにより長期間にわたって持続作用を提供する。浸透圧活性駆動化合物を取り囲む選択的透過性膜も、本発明の経口投与化合物に好適である。1つの特定のプラットフォームでは、カプセルを取り囲む環境からの流体が推進化合物によって吸収され、駆動化合物は膨潤して、薬剤または薬剤組成物を開口部を通って移動させる。これらの送達プラットフォームは、即時放出製剤のスパイクプロファイルとは対照的に、本質的にゼロ次送達プロファイルを提供することができる。モノステアリン酸グリセロールまたはステアリン酸グリセロールのような時間遅延材料を使用することもできる。経口組成物は、マンニトール、ラクトース、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、サッカリンナトリウム、セルロース、炭酸マグネシウムなどの標準的なビヒクルを含むことができる。
CNSにおける炎症の処置に有効である本発明の化合物の量は、炎症の性質または程度に依存し、標準的な臨床技術によって決定することができる。加えて、インビトロまたはインビボアッセイを使用して、最適な投与量範囲を特定することができる。本発明の製剤に使用される正確な用量はまた、投与経路及び状態の程度に依存し、投薬は、医師の判断及び各患者の状況に従って決定されるべきである。本発明の特定の実施形態では、CNSの炎症誘発性細胞におけるアミノ酸トランスポーター(amino acid transported)の阻害剤の経口用量は少なくとも、体重1キログラムあたり約0.01ミリグラム〜約100ミリグラム、または体重1キログラムあたり約0.1ミリグラム〜約50ミリグラム、または体重1キログラムあたり約0.5ミリグラム〜約20ミリグラム、または体重1キログラムあたり約1ミリグラム〜約10ミリグラムである。
非経口投与、例えば、静脈内投与のための活性化合物の好適な投与量範囲は、体重1キログラムあたり0.01ミリグラム〜100ミリグラム、体重1キログラムあたり0.1ミリグラム〜35ミリグラム、及び体重1キログラムあたり1ミリグラム〜10ミリグラムであり得る。鼻腔内投与ための活性化合物の好適な投与量範囲は、一般に約0.01pg/kg体重〜1mg/kg体重である。座薬は、一般に、体重1キログラムあたり、0.01ミリグラム〜50ミリグラムの本発明の活性化合物を含有する。局所投与ための活性化合物の好適な用量は、化合物が投与される領域に応じて、0.001ミリグラム〜1ミリグラムの範囲である。有効用量は、インビトロまたは動物モデルの試験システムから得られた用量反応曲線から推定することができる。そのような動物モデル及びシステムは、当該技術分野において周知である。
本発明はまた、本発明の活性化合物を充填した1つまたは複数の容器を含む医薬パックまたはキットを提供する。医薬品または生物学的製品の製造、使用、または販売を規制する政府機関が定めた形式の通知が、このような容器(複数可)に任意に付属し得、この通知は、ヒトへの投与に対する製造、使用、または販売の政府機関による承認を表す。
[実施例1−LAT1をコードするmRNAの発現]
局所脱ミエリン化を、いずれかの性別の8〜12週齢のC57Bl/6マウスの前索に、1%リゾレシチン(Sigma−Aldrich)を注射することによって誘発した。病変後(dpl)5日及び10日目に、4%(w/v)パラホルムアルデヒド(PFA;Sigma)を、マウスの心臓内に灌流させた。
損傷及び非損傷脊髄切片におけるSlc7a5 mRNAの発現を定量するために、蛍光インサイチュハイブリダイゼーション(RNAscope)(Advanced Cell Diagnostics, ACD, Hayward, CA)を使用して、GenBankアクセッション番号NM_011404.3の配列を標的とするように設計された特定のプローブによって標識したslc7a5 mRNAを検出した。固定凍結組織切片のRNAscope マルチプレックス蛍光アッセイを、製造元の指示(Advanced Cell Diagnostics, ACD, Hayward, CA)に従って実施した。要約すると、損傷脊髄の厚さ12.5μmの冠状切片(5及び10dplで収集)を含有するスライドを、沸騰した1×標的賦活化緩衝液(ACD)中に5〜10分間浸し、続いてプロテアーゼIII処理(ACD)を40℃にて30分間行った。ハイブリダイゼーション及びシグナル増幅ステップのためのACDプロトコルに続いて、スライドを、T細胞(CD−3)及びミクログリア/マクロファージ(CX3CR1−GFP)−特異的マーカーを用いたその後の免疫組織化学(IHC)に供した。Zeiss LSM880共焦点顕微鏡を使用して画像を取得した。mRNA蛍光輝点は、Imarisソフトウェア(Bitplane, Oxford Instruments)を使用して定量化した。
IHCを実施するために、マウスを4%PFA(シグマ)により灌流固定した。脊髄を切開し、4℃にて4%PFA中で30分間、後固定し(postfixed)、PBS中の20%(w/v)スクロース(Sigma)中で一晩凍結保護した後、ドライアイスの表面上のO.C.T.中で凍結した。クリオスタット(Leica CM1900)を使用して、厚さ12マイクロメートルの脊髄切片を切り取り、SuperFrostPlusスライド(VWR International)上に収集し、30分間乾燥させた後、−80℃で保存した。IHC用に、切片をブロッキング溶液(PBS中0.1%TritonTM X−100及び10%FBS)中で、室温(RT)にて1時間インキュベートした。一次抗体をブロッキング溶液で希釈し、4℃で一晩適用した。蛍光色素コンジュゲート二次抗体はLife Technologiesから入手し、製造元の指示に従って使用した。
図1は、分析の結果を示す。図1Aは、Slc7a5 mRNAの定量化を示しており、対側の非病変白質と比較して、5dpl及び10dplで病変の密度が増加していることを示している(n=2)。図1B及び1Cは、5dplでのSlc7a5転写産物との共免疫染色を示し、CNS病変内の(1B)CD−3+T細胞及び(1C)Cx3cr1−GFP+ミクログリア/マクロファージにおけるSlc7a5の検出を示している。図1Dは、隣接する非病変組織における静止ミクログリアにおいて検出されたSlc7a5蛍光輝点が非常に少ないことを示している。スケールバーは10μmである。
[実施例2−実験動物モデルにおけるJPH203投与の分析]
10〜12週齢のC57BL/6雌マウス(Charles River)を7日間馴化させた後、実験的自己免疫性脳脊髄炎(EAE)を誘発させた。EAEを、EAEキット(Hooke Laboratories、カタログ番号:EK−2110)を使用して、Hooke Laboratoriesプロトコル(ワールドワイドウェブ上のhookelabs. com/protocols/eaeAI_C57BL6.html)に従って誘発させた。要約すると、完全フロイントアジュバント(CFA)中のMOG35−55のエマルションを2つの部位に皮下注射してマウスを免疫し(0日目)、続いて百日咳毒素(PTX)を最初に免疫付与の日(0日目)に、次に翌日(1日目)に再び、腹腔内投与した。2回のPTX投与のそれぞれに、およそ115ngのPTXを使用した。
Hook Laboratoriesからのプロトコルに従って、EAE7日目から少なくともEAE30日目まで、マウスを盲検的にかつ毎日スコア化した。使用したスコア化システムは、以下のとおりであった:0.0=運動機能に明白な変化はない;0.5=尾の先端はだらりとしている;1.0=だらりとした尾;1.5=だらりとした尾、及び後肢抑制;2.0=だらりとした尾、及び後肢の衰弱、または頭部傾斜の兆候;2.5=だらりとした尾、及び後肢の引きずり、または強い頭部傾斜;3.0=だらりとした尾、及び後肢の完全な麻痺、または一方の前脚及び一方の後肢の麻痺を伴うだらりとした尾。3.5=だらりとした尾、及び後肢の完全な麻痺、加えてマウスを横にすると起き上がることができなくなる;4.0=だらりとした尾、後肢の完全な麻痺、及び前脚の部分的な麻痺、マウスの動きは最小限であるが、警戒しているように見え、餌は食べる;4.5=後肢の完全な麻痺、及び前脚の部分的な麻痺、ケージ内の周りでの動きなし、マウスは警戒していない;5.0=麻痺によりマウスが死亡しているのが見つかる、または重度の麻痺によりマウスを安楽死させる。
マウスの臨床スコア及び体重を、実験が終了するまで毎日記録した。EAEから自発的に回復したマウス、またはスコア3.0に達しなかったマウスは、治療研究の分析では考慮されなかった。各実験について、各群からの8〜10匹のマウスを分析した。
EAEマウスを、スコア1.0及び3.0で開始して、L型アミノ酸トランスポーター1(LAT1)阻害剤JPH203二塩酸塩で処置した。図2を参照のこと。PBS中に溶解したJPH203二塩酸塩を、25mg/kgの用量、200ul/動物の注入量で、腹腔内注射により5日間毎日投与した。対照群は、同量の1×PBSで処置した。各群からの動物の臨床スコアを、最初の注射から1〜7日後に記録した。
JPH203の処置有効性を、臨床スコア3.0で開始してマウスにおいて試験した(図2A)。JPH203の予防有効性を、臨床スコア1.0で開始してマウスにおいて試験した(図2B)。両スコアで、JPH203の投与によって、PBS対照と比較して運動回復がもたらされた(群あたりn=6)。さらに、JPH203予防的処置は、スコア1.0で開始して、スコア3.0以上に進行したPBS対照と比較して、EAEがより高いスコアに進行するのを阻止した(図2B)。
[実施例3−CNS病変におけるJPH203の薬理学的効果]
1%リゾレシチンを注射することによって局所脱ミエリン化を誘発し、JPH203またはPBS対照に、5〜9dplで腹腔内を介して注射した。4%PFA(Sigma)を用いた心臓内灌流により、マウスを10dplで犠死させた。IHCを、先に記載したように実施した。クリオスタット(Leica CM1900)を使用して、厚さ12マイクロメートルの固定脊髄切片を切り取り、SuperFrostPlusスライド(VWR International)上に収集し、30分間乾燥させた後、−80℃で保存した。IHC用に、切片をブロッキング溶液(PBS中0.1%TritonTM X−100及び10%FBS)中で、室温(RT)にて1時間インキュベートした。一次抗体をブロッキング溶液で希釈し、4℃で一晩適用した。一次抗体の供給元及び希釈率は以下のとおりである:ウサギ抗Olig2(1:300;Millipore)、マウス抗CC1(1:200;Sigma)。蛍光色素コンジュゲート二次抗体はLife Technologiesから入手し、製造元の指示に従って使用した。
Olig2に対して抗原賦活化を使用し、CC1に対して、M.O.M.(商標)キット(Vector Laboratories)を用いてマウスオンマウス抗原賦活化を使用した。DAPI核対比染色を使用した後、フルオロマウント−G(Southern−Biotech)を用いて切片をマウントした。ImageJ(NIH)を使用して、Olig2+CC1+細胞を定量化した。
図3は、PBS対照(3A)と比較して、JPH203注射が病変における成熟オリゴデンドロサイトの数の増加をもたらした(3B)ことを示している。図3Cはまた、オリゴデンドロサイトの2倍の増加の定量化を示し、図3Dは、多数の活性化Iba1+iNOS+ミクログリア/マクロファージを含有するPBS処置病変を示している。図3Eは、炎症誘発性iNOS発現の劇的な低下を示すJPH203処置病変を示している。高倍率では、(3F)対照病変では、iNOS+マクロファージは、丸みを帯びたアメーバ/泡沫状の外観を呈していたが、JPH203処置病変(3G)では、マクロファージは、iNOS標識をほとんど示しておらず、より分岐した外観を呈しており、これは、炎症活性の低下を示していた(1処置群につきn=3)。*P<0.05
[実施例4]
炎症及び再ミエリン化に対するSlc7a5阻害の効果を特徴決定するために、脱ミエリン化前(予防的アプローチ)対脱ミエリン化後(治療的アプローチ)のJPH203の全身投与を実施する。さらに、Slc7a5はオリゴデンドロサイト系統細胞では発現しないため、このアプローチでは、オリゴデンドロサイト系統細胞に影響を与えることなく、CNS病変のミクログリア/マクロファージを選択的に標的とすることにより、JPH203が再ミエリン化を促進するかどうかを判断することができる。予防的処置のために、JPH203(群1)またはビヒクル(群2)を、リゾレシチン誘発性脱ミエリン化の前に2日間連続して腹腔内注射によって野生型マウスに送達し、脱ミエリン化後、3日間連続して野生型マウスに送達し、その後10dplで犠死させる。治療的処置のために、JPH203(群3)またはビヒクル(群4)を、脱ミエリン化後5〜9dplで腹腔内注射によって送達し、10dplで犠死させる。10dplの時点を選択して、JPH203がオリゴデンドロサイトの分化を促進するかどうかを決定する。マウスはまた、病変の同定及び分析のためにニュートラルレッド(NR)注射を受け、その2時間後にマウスを犠死させる。

Claims (35)

  1. 対象の中枢神経系(CNS)における炎症の増強を特徴とする状態を処置する方法であって、そのような処置を必要とする対象に、前記CNSに存在する炎症性細胞におけるアミノ酸トランスポーターの阻害剤を投与することを含む、前記方法。
  2. 前記CNSにおける炎症の増強を特徴とする前記状態が、多発性硬化症(MS)、炎症性脱髄疾患、脳卒中、外傷性脳損傷(TBI)、ウイルス感染、脊髄損傷、視神経損傷、及び脳性麻痺、からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
  3. 前記CNSにおける炎症の増強を特徴とする前記状態が、炎症性脱ミエリン化疾患である、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記炎症性脱ミエリン化疾患が自己免疫性脳炎である、請求項3に記載の方法。
  5. 前記CNSに存在する前記炎症性細胞が、ミクログリア、マクロファージ、T細胞、B細胞、及び内皮細胞からなる群から選択される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 前記CNSに存在する前記炎症性細胞がミクログリアである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 阻害される前記アミノ酸トランスポーターが、大型アミノ酸トランスポーターの小サブユニット1(LAT1)である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 前記アミノ酸トランスポーターの前記阻害剤が、JPH203またはその薬学的に許容される塩である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 前記アミノ酸トランスポーターの前記阻害剤が全身投与される、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 全身投与の経路が、静脈内、経口、腹腔内、筋肉内、皮内、髄腔内、皮下及び経鼻からなる群から選択される、請求項9に記載の方法。
  11. 前記アミノ酸トランスポーターの前記阻害剤が前記CNSに局所投与される、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
  12. 前記対象が哺乳動物である、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
  13. アミノ酸トランスポーターの前記阻害剤の前記投与により、前記対象の前記CNS内におけるオリゴデンドロサイトの再ミエリン化オリゴデンドロサイトへの分化の増加がもたらされる、請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法。
  14. アミノ酸トランスポーターの前記阻害剤の前記投与により、前記対象の前記CNSにおけるニューロンの再ミエリン化の増加がもたらされる、請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法。
  15. アミノ酸トランスポーターの前記阻害剤の前記投与により、神経ジストロフィーの減少または神経変性の減少がもたらされる、請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法。
  16. アミノ酸トランスポーターの前記阻害剤の前記投与により、前記対象の前記CNSにおける炎症の減少がもたらされる、請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法。
  17. アミノ酸トランスポーターの前記阻害剤の前記投与により、前記CNSに存在する炎症性細胞におけるmTORシグナル伝達が選択的に阻害される、請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法。
  18. アミノ酸トランスポーターの前記阻害剤が2回以上投与される、請求項1〜17のいずれか1項に記載の方法。
  19. 炎症誘発性細胞におけるアミノ酸トランスポーターの阻害剤、またはその薬学的に許容される塩を含む組成物であって、哺乳動物の中枢神経系(CNS)への投与用に処方される、前記組成物。
  20. 阻害される前記アミノ酸トランスポーターが、大型アミノ酸トランスポーターの小サブユニット1(LAT1)である、請求項19に記載の医薬組成物。
  21. 炎症誘発性細胞におけるアミノ酸トランスポーターの前記阻害剤が、JPH203またはその薬学的に許容される塩である、請求項19または20に記載の医薬組成物。
  22. 対象の中枢神経系(CNS)における炎症の増強の影響を前処置する方法であって、そのような処置を必要とする対象に、前記CNSに存在する炎症性細胞におけるアミノ酸トランスポーターの阻害剤を投与することを含む、前記方法。
  23. 前記対象が、アミノ酸トランスポーターの前記阻害剤の投与前に、前記CNSにおける炎症を誘発することが知られている損傷に罹患している、請求項22に記載の方法。
  24. 前記対象が、アミノ酸トランスポーターの前記阻害剤の投与前に、前記CNSにおける炎症のいかなる症状も呈していない、請求項23に記載の方法。
  25. 前記損傷が、がん治療後の放射線誘発損傷、脳卒中、外傷性脳損傷(TBI)、ウイルス感染、脊髄損傷、及び視神経損傷、からなる群から選択されるものである、請求項24に記載の方法。
  26. アミノ酸トランスポーターの前記阻害剤が、前記損傷から約48時間以内に前記対象に投与される、請求項25に記載の方法。
  27. アミノ酸トランスポーターの前記阻害剤が、前記損傷後1時間未満で前記対象に投与される、請求項26に記載の方法。
  28. アミノ酸トランスポーターの前記阻害剤が、前記対象に2回以上投与される、請求項22〜27のいずれか1項に記載の方法。
  29. アミノ酸トランスポーターの前記阻害剤が最初に前記対象に投与されたときに、前記対象が前記CNSにおけるニューロンの脱ミエリン化の症状を呈していない、請求項22〜28のいずれか1項に記載の方法。
  30. 阻害される前記アミノ酸トランスポーターが、大型アミノ酸トランスポーターの小サブユニット1(LAT1)である、請求項22〜29のいずれか1項に記載の方法。
  31. 前記アミノ酸トランスポーターの前記阻害剤が、JPH203またはその薬学的に許容される塩である、請求項22〜30のいずれか1項に記載の方法。
  32. 前記アミノ酸トランスポーターの前記阻害剤が全身投与される、請求項22〜31のいずれか1項に記載の方法。
  33. 全身投与の経路が、静脈内、経口、腹腔内、筋肉内、皮内、髄腔内、皮下及び経鼻からなる群から選択される、請求項32に記載の方法。
  34. 前記アミノ酸トランスポーターの前記阻害剤が前記CNSに局所投与される、請求項22〜31のいずれか1項に記載の方法。
  35. 前記対象が哺乳動物である、請求項22〜34のいずれか1項に記載の方法。
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