JPWO2019049826A1 - リチウム硫黄電池 - Google Patents

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Abstract

本発明は、高性能なリチウム硫黄二次電池を提供することを目的とする。本発明の、電池(10)は、硫黄系正極活物質を有する正極(11)と、リチウム、リチウム合金またはリチウムを吸蔵脱離する負極活物質を有する負極(12)と、溶媒とリチウム塩と含む電解液(14)と、を具備し、前記溶媒がスルホニル基を有する化合物であり、前記電解液の前記リチウム塩1モルに対する前記溶媒の量が、1.3モル以上4モル以下である。

Description

本発明は、硫黄系正極活物質を有する正極と、リチウムを吸蔵脱離する負極活物質を有する負極と、溶媒とリチウム塩と含む電解液と、を具備するリチウム硫黄電池に関する。
近年、携帯電話端末の普及、環境問題に対応した電気自動車およびハイブリッド電気自動車の研究開発に伴い、高容量の二次電池が要望されている。二次電池としては、リチウムイオン二次電池が広く普及している。
一方、リチウムイオン電池よりさらに高容量の二次電池として、リチウム硫黄電池が着目されている。正極活物質として硫黄を有するリチウム硫黄電池の理論容量は、1672mAh/gであり、正極活物質としてLiCoOを有するリチウムイオン電池の理論容量137mAh/gの10倍と非常に高い。また硫黄は、低コストで資源が豊富である。
自動車用二次電池の特性として、特に、レート特性、すなわち、高電流放電特性は重要である。また、実際に報告されているリチウム硫黄電池の容量は理論容量よりもかなり低かった。さらに、エネルギー効率(クーロン効率)も実用化のために重要な特性である。
また、リチウム硫黄電池においては、放電時には正極において例えば、単体硫黄(S8)が、S8 2-, S6 2-, S4 2-, S2 2-へと順次、還元され多硫化物アニオンとなり、最終的にLi2Sが生成する。一方、負極では、リチウムがリチウムイオンとして放出され、電解液を経由して正極へと到達し、Li2S生成のためのLi源となる。
すなわち、硫黄系正極活物質を含む正極は、放電中は多硫化リチウムを含み、放電終了時には硫化リチウム(LiS)を含む。
硫黄の還元中間生成物である、S8 2-, S6 2-, S4 2-, S2 2-等の多硫化物とリチウムとからなる多硫化リチウムは有機溶媒に溶解しやすく電解液にも溶出する。多硫化リチウムが溶出すると正極活物質が減少するため、電池の充放電容量が低下してしまう。
さらに、充電中に、電解液に溶出した多硫化アニオンは、負極表面に到達すると還元され、正極表面に到達すると酸化され、電解液中で、物質移動による短絡が起こる。すると、充電電流を加え続けても充電されないという、いわゆるシャトル効果によって充放電効率が著しく低下してしまう。このため、リチウム硫黄電池においては、多硫化リチウムの電解液への溶出防止も重要な課題である。
日本国特開2014−41811号公報には、エーテル化合物とリチウムイオンとが錯体を形成している溶媒和イオン液体に、フッ素系溶媒を添加した電解液を有するリチウム硫黄二次電池が開示されている。溶媒和イオン液体は、多硫化リチウムの溶解度が小さく、サイクル試験における充放電容量の減少および充放電効率の低下が小さい。さらに溶媒和イオン液体を補助溶媒であるフッ素系溶媒により希釈することで、電解液の粘度が低下しイオン導電率が向上している。
リチウム硫黄電池の更なる高性能化、すなわち、レート特性、放電容量、または、エネルギー効率、さらには、充放電特性(サイクル特性)の向上が求められていた。
なお、米国特許第9614252号明細書(日本国特開2016−122657号公報)には、リチウム塩1モルに対して非水溶媒の量が3モル以下の高濃度電解液を含むリチウム電池が開示されている。高濃度電解液を用いることで、正極活物質に酸素を用いても、負極の炭素材料への可逆的なリチウムイオンの挿入/離脱を実現している。電解液の溶媒としては、ジメトキシエタン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、ブチロラクトン、およびスルホラン等のリチウム二次電池用として一般的な非プロトン性有機溶媒が列挙されている。
特開2014−41811号公報 特開2016−122657号公報
本発明の実施形態は、高性能なリチウム硫黄二次電池を提供することを目的とする。
実施形態のリチウム硫黄二次電池は、硫黄系正極活物質を有する正極と、リチウム、リチウム合金またはリチウムを吸蔵脱離する負極活物質を有する負極と、溶媒とリチウム塩と含む電解液と、を具備し、前記溶媒がスルホニル基を有する化合物であり、前記電解液の前記リチウム塩1モルに対する前記溶媒の量が、1.3モル以上4モル以下である。
本発明の実施形態によれば、高性能なリチウム硫黄二次電池を提供できる。
実施形態の二次電池の構成を示す断面図である。 第1実施形態の二次電池の電解液の濃度に対するイオン導電率および粘度を示す図である。 第1実施形態の二次電池の電解液の濃度に対する自己拡散係数を示す図である。 第1実施形態および比較例の二次電池の電解液の拡散限界電流を示す図である。 第1実施形態の二次電池の電解液の濃度に対するリチウムイオンと溶媒との自己拡散係数比を示す図である。 第1実施形態の別の二次電池の電解液の濃度に対するイオン導電率および粘度を示す図である。 第1実施形態の各種の二次電池の電解液の濃度に対するリチウムイオンと溶媒との自己拡散係数比を示す図である。 第1実施形態の各種の二次電池の電解液の濃度に対するリチウムイオンと溶媒との自己拡散係数比を示す図である。 第1実施形態の各種の二次電池の電解液の濃度に対するリチウムイオンと溶媒との自己拡散係数比を示す図である。 比較例の二次電池の各種の電解液の濃度に対するリチウムイオンと溶媒との自己拡散係数比を示す図である。 第1実施形態の二次電池の電解液の構造の模式図である。 第1実施形態および比較例の二次電池のレート特性およびサイクル特性を示す図である。 第1実施形態および比較例の二次電池の充放電曲線を示す図である。 第1実施形態の変形例の二次電池のレート特性およびサイクル特性を示す図である。 第1実施形態の変形例の二次電池の充放電曲線を示す図である。 第2実施形態の二次電池の補助溶媒添加量に対するイオン導電率および粘度を示す図である。 第1実施形態および第2実施形態の二次電池のレート特性およびサイクル特性を示す図である。 第1実施形態および第2実施形態比較例の二次電池の充放電曲線を示す図である。 第2実施形態の変形例1の二次電池の補助溶媒添加量に対するイオン導電率および粘度を示す図である。 第2実施形態の変形例1の二次電池のレート特性およびサイクル特性を示す図である。 第2実施形態の変形例1の二次電池の充放電曲線を示す図である。 第2実施形態の変形例2の二次電池のレート特性およびサイクル特性を示す図である。 第2実施形態の変形例2の二次電池の充放電曲線を示す図である。 第2実施形態の変形例3の二次電池のレート特性およびサイクル特性を示す図である。 第2実施形態の変形例3の二次電池の充放電曲線を示す図である。 第3実施形態の二次電池の放電曲線を示す図である。 第3実施形態の変形例の二次電池のレート特性およびサイクル特性を示す図である。 第3実施形態の変形例の二次電池の放電曲線を示す図である。
<第1実施形態>
図1に示すように本実施形態のリチウム硫黄二次電池(以下「電池」という)10は、カソード(正極)11と、アノード(負極)12と、セパレータ13と、電解液14と、を具備する。
コイン型の電池10では、カソード11とアノード12とが電解液14が注入されたセパレータ13を介して積層されて、コインセルケース15に封入されている。すなわち、アノード12の上にスプリング16が配設され、蓋17でコインセルケース15は封止されている。コインセルケース15の側壁にはガスケット18が介装されている。
カソード11は、硫黄系正極活物質を有する。アノード12は、リチウムを吸蔵脱離するアノード活物質である金属リチウムを有する。セパレータ13は、電解液14を吸収し保持する機能を有する。
電池10の電解液14は、溶媒とリチウム塩と含む。溶媒は、スルホニル基を有する化合物である。リチウム塩は、ホウフッ化リチウム(LiBF)、または、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)アミド(Li[TFSA])等である。以下に説明するように、本発明の電池10は、電解液14の溶媒および塩濃度が従来のリチウム硫黄電池の電解液と異なる。
<電解液の特性>
最初に、電解液14の特性について説明する。なお、以下の評価は全て30℃で行った。また、比較のため、リチウム電池の電解液の溶媒として知られている、スルホニル基を有する化合物ではない各種の溶媒を用いた電解液も評価した。
イオン導電率σは、複素インピーダンス法により測定機器(Biologic社製、VMP2)を用いて測定した。測定は、周波数範囲を500kHzから1Hzとし、印加電圧を10mVとした。電解液をグローブボックス中で白金黒電極セル(東亜ディーケーケー社製、CG−511B)を投入し測定した。尚、白金黒電極セルは、測定前に予め標準塩酸水溶液を用いてセル定数を算出した。
粘度ηおよび密度は、スタビンガー粘度計(ANTON Paar社製、SMV3000)を用いて測定した。単結晶X線回折は、結晶X線構造解析装置(リガク製、XtaLAB)を用いて測定した。ラマン分光測定は、レーザーラマン分光計(日本分光製、NRS−4100)を用いて行った。
自己拡散係数Dは、核磁気共鳴装置(JEOL社製、ECX400)を用いて、磁場勾配とスピンエコー法を用いた公知のパルス磁場勾配NMR法により測定した。すなわち、磁場勾配強度を変化させてエコーシグナル強度の変化を求め、Stejskal-Tannerの式にしたがって自己拡散係数を算出した。
図2に、電解液のリチウム塩濃度に対するイオン導電率および粘度を示す図である。電解液は、溶媒がスルホニル基を有する化合物であるスルホラン(SL)であり、リチウム塩がホウフッ化リチウム(LiBF)である。
例えば、リチウム塩1モルに対して溶媒の量が2モルの相対濃度は、体積モル濃度4.3M(モル/リットル)に相当する。なお、リチウム塩1モルに対して溶媒が1.3モル(LiBF4:SL=1:1.3)の電解液が飽和溶液であった。このため、リチウム塩1モルに対する溶媒の下限は、30℃における溶解限度である、1.3モル以上である。
リチウム塩の濃度増加に応じて、粘度は急激に増加した。これに対して、イオン導電率は、リチウム塩の濃度が増加すると最大値を示した後は、緩やかに減少した。すなわち、電解質であるリチウム塩の濃度増加によりイオン導電率は増加する。しかし、リチウム塩の濃度が高すぎると、粘度が上昇するため、電解質の移動が困難となり、イオン導電率は減少する。
ただし、本電解液では、粘度の急激な上昇に対してイオン導電率の減少は緩やかである。例えば、濃度1Mの電解液は、粘度が25.5mPa・s、イオン導電率が1.63mS/cmであるのに対して、濃度5.8Mの電解液は、粘度が3029mPa・s、イオン導電率が0.33mS/cmである。すなわち、濃度増加により、粘度は、120倍(12000%)に増加したが、イオン導電率は、5分の1(20%)にしか減少していない。
図3に、電解液の濃度と、Liイオン、SL、およびBF の自己拡散係数との関係を示す。濃度が高くなると、自己拡散係数は低下している。例えば、Liイオンの自己拡散係数Dは、1M電解液では、4.5×10−7cm−2−1だったが、4.3M電解液では、0.40×10−7cm−2−1であり、5.8M電解液では、0.15×10−7cm−2−1であった。
次に、図4に、電解液の濃度と拡散限界電流との関係を示す。実施形態の高濃度電解液14は、リチウム塩1モルに対する溶媒の量が2モル(モル濃度4.3M)であり、比較例の電解液114はリチウム塩1モルに対する溶媒の量が10モル(モル濃度1.0M)である。
モル濃度は、リチウム塩1モルに対する溶媒のモル数と電解液の密度と分子量とから換算できる。例えば、スルホラン2モルに対して、リチウム塩(LiBF)を1モル含む電解液14の場合、密度が、1.4236g/cmで、分子量が、334.1g/モル(:93.75+120.17×2)なので、モル濃度は、4.3Mになる。
1M電解液では、電圧が450mVで、2.5mA/cmの拡散限界電流に達した。これに対して4.3M電解液では、電圧700mVで、3.5mA/cmの拡散限界電流に達した。
以上の説明のように、4.3M電解液14は、1M電解液114と比較すると、Liイオンの自己拡散係数Dは、1/10以下まで低下した。しかし、前述のように、イオン導電率は、5分の1にしか減少していない。そして、4.3M電解液14は、1M電解液114よりも、Liイオンの自己拡散係数Dが小さく、かつ、イオン導電率が低いにも関わらず、拡散限界電流が高いという特異な挙動を示した。
この原因を解明するために、Liイオンと溶媒の自己拡散係数比(D−SOl/D−Li)を算出した。電解液を構成しているリチウムイオンの自己拡散係数(D−Li)に対する溶媒(SL)の自己拡散係数(D−SOl)の比が、自己拡散係数比(D−SOl/D−Li)である。自己拡散係数比(D−SOl/D−Li)が1未満の電解液では、リチウムイオンの自己拡散係数が、溶媒の自己拡散係数よりも大きいことを示している。
図5に示すように、リチウム塩(LiBF)1モルに対する溶媒(スルホラン:SL)の量が3モル以下の高濃度電解液では、自己拡散係数比(D−SOl/D−Li)が1未満となっている。すなわち、リチウムイオンの拡散が、溶媒の拡散よりも速い。
高濃度電解液14の特異な挙動の原因を更に解明するために、ホウフッ化リチウム(LiBF)とは異なるリチウム塩を用いた電解液の特性を測定した。
図6は、溶媒がスルホラン(SL)の電解液における、リチウム塩が(Li[TFSA])の電解液の塩濃度と、イオン導電率および粘度との関係を示している。
図2に示した、(ホウフッ化リチウム+SL)電解液の特性と同じように、塩濃度に対して、粘度は対数関数的に増加しているが、イオン導電率は、1次関数(直線)的にしか減少していない。
次に、図7は、溶媒がスルホラン(SL)であり、リチウム塩が、Li[TFSA]、リチウムビス(フルオロスルホニル)アミド(Li[FSA])、(LiBF)、または過塩素酸リチウム(LiClO)の各電解液のLiイオンとSLの自己拡散係数比(D−SOl/D−Li)を示している。
図7からリチウム塩の種類によらず、塩濃度が高濃度になると、Liイオンと溶媒の自己拡散係数比(D−SOl/D−Li)が、1未満となっている。以上の結果から、実施形態の電解液の特異な挙動の原因は、リチウム塩の種類ではなく、濃度にあることが明確となった。
すなわち、図8に示すように、電解液のリチウム塩1モルに対する溶媒の量が、溶解限度以上の、例えば1.3モル以上で、かつ、3モル以下であれば、リチウム塩の種類によらず、Liイオンと溶媒の自己拡散係数比(D−SOl/D−Li)が、1未満となっている。
また、リチウム塩が、Li[FSA]および(LiClO)の場合には、電解液のリチウム塩1モルに対する溶媒の量が4モル以下であれば、自己拡散係数比(D−SOl/D−Li)が、1未満となっている。すなわち、リチウム塩の種類によっては、電解液は、リチウム塩1モルに対する溶媒の量が3モル超であっても、4モル以下であれば、イオン導電率が低いにも関わらず、拡散限界電流が高いという特異な挙動を示す。
次に、溶媒の異なる電解液の測定を行った。図9は、溶媒としてスルホニル基を有する化合物であるエチルメチルスルホン(EMS)を用い、リチウム塩として、Li[FSA]、または(LiClO)を用いた電解液の塩濃度と、LiイオンとEMS(溶媒)の自己拡散係数比(D−SOl/D−Li)と、の関係を示す。
溶媒がSLの場合(図5、図7および図8)と同じように、溶媒がEMSであっても、電解液は、リチウム塩が高濃度になると、自己拡散係数比(D−SOl/D−Li)が1未満となっている。
一方、図10は、溶媒がスルホニル基を有していない電解液の濃度と、Liイオンと溶媒の自己拡散係数比(D−SOl/D−Li)と、の関係を示している。リチウム塩は、(Li[TFSA])である。溶媒は、DEC(ジエチルカーボネート)、THF(テトラヒドロフラン)、AN(アセトニトリル)、DMSO(ジメチルスルホキシド)、または、PC(ポリカーボネート)である。いずれの溶媒も、リチウム電池の溶媒として、スルホラン等とともに一般的に使用されている。
図10に示すように、溶媒がスルホニル基を有していない電解液では、リチウム塩が高濃度になっても、自己拡散係数比(D−SOl/D−Li)が1未満とはならなかった。
以上のように、リチウム電池の電解液の溶媒として知られている多くの溶媒の中で、スルホラン(SL)またはエチルメチルスルホン(EMS)が溶媒の電解液だけが、電解液のリチウム塩が高濃度になると、自己拡散係数比(D−SOl/D−Li)が1未満となった。解析の結果、この現象は、溶媒のスルホニル基とリチウムイオンとが特別な構造を形成するためであった。
すなわち、図11に示すように、溶媒が、スルホニル基を有する化合物の場合には、電解液のリチウム塩が高濃度になると、溶媒(化合物)の分子のスルホニル基の2つの酸素が、それぞれリチウムイオンを介して、隣り合う溶媒分子のスルホニル基の酸素と配位結合することで、架橋構造が形成される。リチウムイオンは、隣のリチウムイオンが配位しているサイトに、ホッピングすることで、容易に移動できる。このため、架橋構造が形成された電解液では、リチウムイオンと溶媒の自己拡散係数比(D−SOl/D−Li)が1未満となる。
すなわち、電解液から得られた単結晶をX線回折法にて解析すると、溶媒分子のスルホニル基の2つの酸素が、それぞれリチウムイオンを介して、隣り合う溶媒分子のスルホニル基の酸素と配位結合することで、架橋構造が形成されていることが確認された。また、ラマン分光法によりスルホニル基由来のピークが、リチウム塩が高濃度になると、シフトすることから確認された。すなわち、スルホニル基のピークシフトは、リチウム塩が高濃度になると、スルホニル基がリチウムイオンと強く配位していることを示している。
スルホニル基を有する溶媒に高濃度にリチウム塩が溶解した電解液14における特殊な挙動は、特殊な架橋構造が原因であった。そして、電解液14はその架橋構造により、拡散限界電流が高いことが判明した。
<電池の製造方法>
次に、実施形態の電池10の製造方法を簡単に説明する。
最初に、単体硫黄(S)を硫黄系電極活物質とし、導電剤としてケッチェンブラック(KB)と単体硫黄(S)とを、1:2の重量混合比で混合し、さらに155℃、アルゴン雰囲気下で6時間の加熱処理を行うことで、S/KB(硫黄/ケッチェンブラック)複合体が作製された。
なお、導電剤としては、アセチレンブラック等の安価な球状炭素材料を用いてもよい。
S/KB複合体に結着剤としてカルボキシメチルセルロース(ダイセルファインケム社製、CMC−2200)を、10重量%添加し、適量の水を分散溶媒として加え、スラリー状に混錬した。得られたスラリーを、20μm厚のアルミニウム箔(集電体)に塗布した後、乾燥して水を蒸発させた後、プレスすることにより、S/KBを含むカソード11が作製された。
なお、カソード11は、単体硫黄、金属硫化物、金属多硫化物、及び有機硫黄化合物からなる群から選択される少なくとも一つを含む硫黄系正極活物質を有していればよい。金属硫化物としては、リチウム多硫化物;Li2S(1≦n≦8)が挙げられ、金属多硫化物としては、TS (T=Ni, Co, Cu, Fe, Mo, Ti、1≦n≦4) が挙げられる。又、有機硫黄化合物としては、有機ジスルフィド化合物、カーボンスルフィド化合物が挙げられる。
カソード11は、上記硫黄系活物質に加えて、結着剤及び導電剤を含んでもよい。そして、これら電極材料のスラリー(ペースト)を、導電性の担体(集電体)に塗布して乾燥することにより、電極材料を担体に担持させて正極が製造される。集電体としては、アルミニウム、ニッケル、銅、ステンレス鋼などの導電性の金属を、箔、メッシュ、エキスパンドグリッド(エキスパンドメタル)、パンチドメタルなどに形成したものが挙げられる。また、導電性を有する樹脂又は導電性フィラーを含有させた樹脂を集電体として使用してもよい。集電体の厚さは、例えば5〜30μmであるが、この範囲に限定されない。
正極電極活物質の複合体中の含有量は、好ましくは50〜98質量%であり、より好ましくは80〜98質量%である。活物質の含有量が前記範囲であれば、エネルギー密度を高くすることができるため好適である。電極材料の厚さ(塗布層の片面の厚さ)は、好ましくは、10〜500μmであり、より好ましくは20〜300μmであり、さらに好ましくは10〜50μmである。
結着剤としては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエーテルニトリル(PEN)、ポリイミド(PI)、ポリアミド(PA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリメチルアクリレート(PMA)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリアクリル酸(PAA)、ポリアクリル酸リチウム(PAALi)、エチレンオキシド若しくは一置換エポキサイドの開環重合物などのポリアルキレンオキサイド、又はこれらの混合物が挙げられる。
アノード12は、厚さ200μmのリチウム金属板を、厚さ500μmのステンレスディスクに、貼り付けることで作製した。
なお、アノード12は、リチウム、リチウム合金、リチウムを吸蔵脱離可能な炭素もしくは金属、リチウム/不活性硫黄の複合物、ナトリウム合金からなる群から選択される1又は2以上の負極活物質を含んでいればよい。アノード12に含まれる負極活物質は、リチウムイオンを吸蔵脱離するよう作用する。
負極活物質としては、チタン酸リチウム、リチウム金属、ナトリウム金属、リチウムアルミ合金、リチウムスズ合金、リチウムケイ素合金、ナトリウムケイ素合金、リチウムアンチモン合金等の金属材料、天然黒鉛、人造黒鉛、カーボンブラック、アセチレンブラック、グラファイト、活性炭、カーボンファイバー、コークス、ソフトカーボン、ハードカーボンなどの結晶性炭素材や非結晶性炭素材等の炭素材料といった従来公知の負極材料を用いることができる。
このうち、容量、入出力特性に優れた電池を構成できることから、炭素材料、リチウム、または、リチウム遷移金属複合酸化物を用いるのが望ましい。
セパレータ13は、電解液14を吸収保持する機能を有する厚さ200μmのガラスフィルタ(東洋濾紙社製:GA−55)、または、1〜4枚の厚さ25μmのポリプロピレン膜(Polypore社製:Celgard(登録商標)3501)である。セパレータ13としては、例えば、電解液を吸収保持するガラス繊維製セパレータ、ポリマーからなる多孔性シート及び不織布を挙げることができる。
多孔性シートは、例えば、微多孔質のポリマーで構成される。このような多孔性シートを構成するポリマーとしては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)などのポリオレフィン;PP/PE/PPの3層構造をした積層体、ポリイミド、アラミドが挙げられる。特にポリオレフィン系微多孔質セパレータ及びガラス繊維製セパレータは、有機溶媒に対して化学的に安定であるという性質があり、電解液との反応性を低く抑えることができることから好ましい。
多孔性シートからなるセパレータの厚みは限定されないが、車両のモータ駆動用二次電池の用途においては、単層又は多層で全体の厚み4〜60μmであることが好ましい。また、多孔性シートからなるセパレータの微細孔径は、最大で10μm以下(通常、10〜100nm程度)、空孔率は20〜80%であることが好ましい。
電解液14は、溶媒にリチウム塩を溶解して調製される。リチウム塩の濃度が高い電解液14は、融点が高く、室温で固体の溶媒を用いても、凝固点降下効果により液体化する。溶媒は、スルホニル基を有する化合物、例えば、スルホラン(SL)、3−メチルスルホラン、エチルメチルスルホン(EMS)、および、エチルイソプロピルスルホンの少なくともいずれかである。
リチウム塩は、従来のリチウムイオン電池に用いられているリチウム塩、例えば、(LiBF)、(Li[TFSA])、(Li[FSA]]、(LiClO)等である。なお、すでに説明したように、電解液のリチウム塩1モルに対する溶媒(SL)の量が3モル超の場合には、リチウム塩としては、Li[FSA]または(LiClO)を用いる。
アルゴン雰囲気下のグローブボックス内で、カソード11に電解液14を適量加え、60℃で60分間、電解液14をカソード11に浸漬させた。カソード11とアノード12とを、セパレータ13を介して積層し、さらに電解液14を注入した後、2032型のコインセルケース15(SUS304製の厚さ3.2mm)に封入し、アノード12の上にスプリング16を配置した。スプリング16の上から蓋17でコインセルケース15を封止した。
なお、電池10は、コイン型に限られるものではなく、公知の各種の構造、例えば、巻回型、またはラミネート型等でもよい。また電池10は複数の単位セル(カソード/電解液/アノード)を有していてもよいし、複数の単位セルからなるユニットを複数個有していてもよい。
<電池特性>
<電池10および電池110>
上記方法で作製した、(Li[TFSA]:SL=1:2)の3M電解液14を有する電池10の特性評価結果を以下に示す。なお、比較のため、(Li[TFSA]:SL=1:9)と、低濃度の1M電解液114を有する比較例の電池110も作製し、同様に評価を行った。なお、以下の図において、明らかに測定誤差と判断された測定データは図示していない。
例えば、レート特性および充放電サイクル評価は、電流密度をC/10レート(10時間率:電極活物質の理論容量をn(時間) で放電または充電する電流値をC/nと表す)とした。なお、C/10レートは、電極の単位面積当たり100μA/cmの電流密度に相当する。
電池の充放電は、電流密度、1/10C、充放電電圧1.0V〜3.3Vにて行った。
レート特性の評価について、1/10Cの電流密度で10サイクルの充放電を行い、次に、充電電流は1/10Cで放電電流を増加しながら、それぞれの電流で5サイクルの放電を行った。サイクル特性は、所定の回数の充放電サイクル試験の後に、1/10Cで再び充放電を行い評価した。充放電サイクルの各サイクルで、クーロン効率(%)=放電容量/充電容量を求めた。クーロン効率(エネルギー効率)は、充電した電気量を放電でどれだけ取りだせるかを示す値であり、値が100(%)に近いほど良い。
図12に示すように、電池10のクーロン効率は、いずれのレートにおいても98%以上であった。なお、低レートにおけるクーロン効率が100%以上となっているのは測定誤差のためである。
これに対して、電池110のクーロン効率は、低レートでも96%以下であり、レートが1.5Cでは94%以下であった。
さらに、電池10は、高レートでも、放電容量が大きくは低下しなかった。すなわち、0.1Cにおける放電容量695mAhg−1−Sに対して、1.5Cにおける放電容量は、490mAhg−1−Sであり、0.1Cにおける放電容量の71%(:=490/695)であった。これに対して、電池110では、0.1Cにおける放電容量に対する、1.5Cにおける放電容量は、47%(:=330/695)であった。
次に、図13に、電池10および電池110の、40サイクル後の充放電曲線(放電レート:1.5C)を示す。
電池10では過電圧V−3Mが、0.5V未満の0.3Vであるのに対して、電池110では過電圧V−1Mは、0.6Vであった。過電圧は、理論電圧と、実際に反応が進行する電圧との差であり過電圧が大きいと、充電時の電力ロスが多くなり、エネルギー効率が低下する。すなわち、過電圧から、電池10は電池110よりもエネルギー効率、すなわち、クーロン効率が高いことは明らかである。
別途、作製したリチウム塩の濃度が異なる複数の電池の評価から、リチウム塩1モルに対する溶媒の量が3モル以下の場合に、電池の容量が高くなることが判明した。すでに説明したように、リチウム塩1モルに対する溶媒の量が3モル以下の電解液は、リチウムイオンと溶媒の自己拡散係数比(D−SOl/D−Li)が1未満の電解液は、拡散限界電流が高いという特異な挙動を示す。リチウム塩1モルに対する溶媒の量が3モル以下の電解液を含む電池は、拡散限界電流が高いために、高容量が得られる。
特に、リチウム塩1モルに対する溶媒の量が1.8モル以上2.0モル以下の電解液は、粘度と導電率とのバランスが良いため、この電解液を含む電池は、特に高容量で、かつ、レート特性、サイクル特性も良好である。
<第1実施形態の変形例>
第1実施形態の変形例の電池10Aは、電解液14Aが、(Li[TFSA]:EMS=1:2)である。変形例のリチウム硫黄電池10Aは、リチウム硫黄電池10と類似し、同じ効果を有しているので、同じ機能の構成要素には同じ符号を付し説明は省略する。
図14および図15に電池10Aの特性を示す。
溶媒がエチルメチルスルホンの電池10Aは、溶媒がスルホランの電池10と同じように、クーロン効率は、いずれのレートにおいても98%以上であった。また、電池10Aは、過電圧Vが、電池10と同じ0.3Vであった。
さらに、溶媒が、スルホニル基を有する化合物である、3−メチルスルホランまたは、エチルイソプロピルスルホンの少なくともいずれかであれば、電池10と略同じ電池特性が確認された。また、上記溶媒を用いても、リチウム塩1モルに対する溶媒の量が4モル超の低濃度電解液では、電池110と略同じ電池特性であった。
以上の説明のように、本実施形態の電池10、10Aは、低濃度電解液を有する電池110よりも、レート特性およびエネルギー効率が優れている。電池10、10Aと電池110との相違点は電解液だけである。このため、電池10、10Aが高性能なのは、電解液14は、リチウムイオンの拡散が溶媒の拡散よりも速い、すなわち、リチウムイオンと溶媒の自己拡散係数比(D−SOl/D−Li)が1未満であるためである。電解液14では、スルホニル基の2つの酸素が、それぞれリチウムイオンを介して、隣り合う前記化合物のスルホニル基の酸素と配位結合し、架橋構造が形成されているため、電池10、10Aは高性能である。
言い替えれば、電解液のリチウム塩(Li[TFSA])1モルに対する溶媒(SL)の量が1.3モル以上3モル以下である電池10、10Aは、充放電サイクル試験における過電圧が、0.5V未満であり、1.5Cにおける放電容量が、0.1Cにおける放電容量の50%以上である。
なお、すでに説明したように日本国特開2016−122657号公報(米国特許第9614252号明細書)には、リチウム塩1モルに対する非水溶媒の量が3モル以下の高濃度電解液が開示されている。しかし、このリチウム電池は、リチウムイオン空気電池であり、かつ、低濃度電解液、すなわち、リチウム塩1モルに対する溶媒の量が3モル超では、充放電不可能であった。これに対して、本発明では、低濃度電解液を有する比較例の電池110においても充放電はもちろん可能である点に留意すべきである。
これは、本発明はリチウム硫黄電池であるためと考えられる。すなわち、正極が硫黄系正極活物質を有するリチウム硫黄電池は、上記公報のリチウムイオン空気電池とは、少なくとも電解液の濃度による影響が全く異なる。高濃度電解液14を有するリチウム硫黄電池10は、電解液のリチウムイオンと溶媒の自己拡散係数比(D−SOl/D−Li)が1未満となり、低濃度電解液114を有する電池110よりも、レート特性、サイクル特性、およびエネルギー効率が優れる高性能電池であることは、従来知られていない予測不可能な優れた効果である。
<第2実施形態>
第2実施形態のリチウム硫黄電池10Bは、リチウム硫黄電池10と類似し、同じ効果を有しているので、同じ機能の構成要素には同じ符号を付し説明は省略する。
例えば、溶媒和イオン液体を溶媒とするリチウム硫黄電池では、電解液に補助溶媒としてフッ素系溶媒を添加することで粘度が低下し、イオン導電率が増加することが知られている。
電池10Bの電解液14Bの基本組成は、電池10の電解液14と略同じ(Li[TFSA]:SL=1:2)の高濃度溶液である。電解液14Aには、さらに補助溶媒が添加されている。
補助溶媒は、以下に示すフッ素系溶媒であるハイドロフルオロエーテル(HFE)である。
HFCFCHC−O−CFCF
図16は、補助溶媒(HFE)の添加量xと、電解液のイオン導電率および粘度との関係を示す。
補助溶媒の添加により、粘度は大きく低下し、イオン導電率も上昇したが、HFE添加量が1以上の電解液では、粘度およびイオン導電率は大きくは変化しなかった。イオン導電率は、(Li[TFSA]:SL:HFE=1:2:2)の電解液14Bが最大となった。すなわち、電解液14Bでは、イオン導電率σ=0.9mS/cm、粘度η=25mPa
sであった。
なお、図示しないが、HFEを添加していない比較例の低濃度電解液14A(1M:Li[TFSA]:SL=1:1)では、イオン導電率σ=2.7mS/cm、粘度η=28mPa sであった。
図17および図18に、電解液14Bを有する電池10Bおよび電解液14を有する電池10の、レート特性および充放電特性(図17)、充放電曲線(図18)、を示す。
電池10Bは、電池10よりも、電解液のイオン導電率が高いことから容量が大きい、一方、過電圧に大きな変化は見られなかった。例えば、電池10Bでは、1/10C(10サイクル後)における放電容量が、930mAh/gである。一方、電池10Bのレート特性は、1.5Cでは、1/10Cの70%(650/930)と、電池10と略同じである。また、サイクル特性および図17に示す過電圧も、電池10Bと電池10とは略同じである。
電池10Bの容量が大きいのは電池10よりも電解液の粘度が100倍以上小さく、より速いイオン/物質輸送が起こるためと推定される。
すでに説明したように、スルホニル基を有する溶媒を含む高濃度電解液14では、特殊な架橋構造が形成されているため、イオン導電率が比較的低くても、拡散限界電流が高く、電池10はレート特性が優れていた。
電池10Bでもレート特性が優れているのは、補助溶媒の添加により粘度が低下しても、特殊な架橋構造が少なくとも部分的には維持されているためである。
ただし、クーロン効率は、電池110Aでは98%以上であったのに対して電池10Bでは97.5%であった。すなわち、図17に示す過電圧から推定される効率と、充放電試験から得られた効率とは異なっている。これは、負極での副反応が関係していると推定される。
次に、電解液への多硫化リチウムの溶解度を測定した。
溶解度は、電解液への多硫化リチウムの溶解度は以下の方法で測定した。S8 (和光純薬工業社製の粉末)と、LiS(Aldrich社製の粉末)を混合し、その過剰量を電解液に添加する。そして電解液を、60℃で100時間撹拌し、さらに室温で48時間静置後に遠心分離し、上澄み溶液を飽和溶液として採取する。この飽和溶液を電気化学的にすべてS8に酸化させ、S8の紫外可視吸収スペクトルから、全S濃度として溶解度を算出した。なお、多硫化リチウムの中でも、Liは、有機溶媒への溶解度が最も高い。
多硫化リチウムの溶解度は、HFE=0モルの電解液14(Li[TFSA]:SL:HFE=1:2:0)では、230mMであった。これに対して、HFE=2モルの電解液14A(Li[TFSA]:SL:HFE=1:2:2)の溶解度は、10mMであった。さらに、HFE=4モルの電解液14A(Li[TFSA]:SL:HFE=1:2:4)の溶解度は、1.4mMであった。
すなわち、補助溶媒HFEの添加により、電解液14Bの多硫化リチウム(Li)の溶解度は、補助溶媒を含まない電解液114Aの溶解度の1/10以下の、1/20以下、または1/160以下となっている。
サイクル特性においては、70サイクル程度では、電池10と電池10Bとに大きな差はなかった。しかし、多硫化リチウムの溶解度が少ない電池10Bは、より多くの回数のサイクル試験においては、電池10よりも高性能となる。
なお、補助溶媒として、以下に示すハイドロフルオロエーテルを用いた電池でも、電池10Bと略同じ効果が得られた。
CHC−O−CFCF
なお、補助溶媒を主溶媒1モルに対して1モル以上5モル以下添加した電解液を含む電池は、電池10Aと略同じ充放電特性であった。補助溶媒の添加が主溶媒1モルに対して1モル未満では効果が顕著ではなく、5モル超では、レート特性が劣化することがある。
<第2実施形態の変形例>
第2実施形態の変形例のリチウム硫黄電池10C−10Eは、リチウム硫黄電池10Bと類似し、同じ効果を有しているので、同じ機能の構成要素には同じ符号を付し説明は省略する。
<第2実施形態の変形例1>
本変形例の電池10Cは、電解液14Cが、(Li[TFSA]:EMS:HFE=1:2:2)である。用いたHFEは、電池10Bと同じである。
図19に、補助溶媒の添加量xと、EMSを主溶媒とする電解液のイオン導電率および粘度との関係を示す。
EMSを主溶媒とする電解液でも、SLを主溶媒とする電解液と同じように(図16参照)、補助溶媒の添加により、粘度は大きく低下し、イオン導電率も上昇したが、EMS添加量が1以上の電解液では、粘度およびイオン導電率は大きくは変化しなかった。イオン導電率は、(Li[TFSA]:EMS:HFE=1:2:3)の電解液が最大となった。
図20および図21に、電解液14Cを有する電池10Cの、レート特性および充放電特性(図20)、充放電曲線(図21)、を示す。
主溶媒がEMSの電池10Cは、主溶媒がSLの電池10Bと同じように、補助溶媒を含まない電池10よりも容量が大きく過電圧が低かった。
<第2実施形態の変形例2>
本変形例の電池10Dの電解液14Dは、補助溶媒として、主溶媒であるSLと同じ2モルのイオン液[P13][TFSA]を含んでいる。P13は、N−メチル−N−プロピルピロリジニウム−ビズ(トリフルオロメタンスルホニル)アミドである。電解液14Dの組成は、(Li(SL)[TFSA]+2[P13][TFSA]である。
図22および図23に、電解液14Dを有する電池10Dの、レート特性および充放電特性(図22)、充放電曲線(図23)、を示す。
補助溶媒がイオン液体[P13][TFSA]の電池10Dは、補助溶媒がHFEの電池10B、10Cと同じように、補助溶媒を含まない電池10よりもレート特性が良く、容量が大きかった。
<第2実施形態の変形例3>
本変形例の電池10Eの電解液14Eは、補助溶媒として、イオン液体である[DEME] [TFSA](N,N−ジエチル−N−(2−メトキシエチル)−N−メチルアンモニウム−ビス(トリフルオロメチルスルホニル)アミド)を有する。電池10Eの電解液14Eの組成は、(Li(SL)[TFSA]+2[DME] [TFSA]である。
図24および図25に、電解液14Eを有する電池10Eの、レート特性および充放電特性(図24)、充放電曲線(図25)、を示す。
補助溶媒がイオン液体[DEME] [TFSA]の電池10Eは、補助溶媒を含まない電池10よりもレート特性は良くは無いが、容量は大きかった。
電解液が、スルホニル基を有する主溶媒に加えて、補助溶媒としてフッ素系溶媒およびイオン液体の少なくともいずれかを更に含んでいるリチウム硫黄電池は、補助溶媒を含まない電池よりも、高性能である。
<第3実施形態>
第3実施形態のリチウム硫黄電池10Fは、リチウム硫黄電池10と類似し、同じ効果を有しているので、同じ機能の構成要素には同じ符号を付し説明は省略する。
リチウム硫黄電池10Fは、単体硫黄を正極活物質とするカソード11Aが、導電剤として、円筒状のグラファイト(グラフェンシート)であるカーボンナノチューブ(CNT)を含む。なお、電解液14Fは、(Li[TFSA]:SL:HFE=1:2:4)である。
具体的には、15重量%のCNTと22重量%の硫黄粉末と63重量%の電解液14とを混練することで、結着剤(バイダー)および分散溶媒を有していなくとも活物質はゲル状となり、集電体に塗布してカソード11を製造した。正極の硫黄担持量は7.9mg/cmである。
図26に、電池10Fの放電曲線を示す。電池10Fは容量が1086mAh/gである。電池10Fを構成している部材(セルを除く)の重量から算出したエネルギー密度は、213Wh/kgに達した。
なお、電池10Fと同じ構成で正極の硫黄担持量を、9.9mg/cmとした電池では、容量は1100mAh/gに達した。
CNTは高い電子伝導性を有し、かつ、表面積が広いため、硫黄担持量が多い。さらに、カソード11がバインダーを含んでいないため、高容量が実現した。
CNTとしては、グラフェンが1層だけ筒状になっている単層チューブ、または、炭素の層が複数層積層した状態で筒状になっている多層チューブのいずれも用いることができる。また、CNTは、直径は0.4〜50nm、平均長さが100nm〜2000μmであればよい。
<第3実施形態の変形例>
第3実施形態の変形例のリチウム硫黄電池10Gは、リチウム硫黄電池10Fと類似し、同じ効果を有しているので、同じ機能の構成要素には同じ符号を付し説明は省略する。
リチウム硫黄電池10Gは、単体硫黄を正極活物質とするカソード11Bが、導電剤として、円筒状のグラファイト(グラフェンシート)であるカーボンナノチューブ(CNT)と導電性カーボンであるケッチェンブラック(KB)を含む。すなわち、電池10Gの正極活物質は、電池10Fと同じ15重量%の導電剤を含み、CNT:KB(重量比)=1:1である。
なお、リチウム硫黄電池10Gの電解液14Gは、電解液14Fと同じ、(Li[TFSA]:SL:HFE=1:2:4)である。
図27および図28に、電池10Gの、レート特性および充放電特性(図27)、放電曲線(図28)、を示す。
電池10Gは、高レート(1/8C)においても、800mAh/gの高容量であり、かつ、充放電サイクル試験では100サイクル後にも、容量低下が起こっていない。CNTにKBを加えたことによって、CNTとKBとの複合による電子伝導経路と、導電剤の隙間のイオン伝導経路とが、良好に機能しているためと考えられる。
なお、すでに説明した実施形態のリチウム硫黄電池10、10A−10Eにおいても、単体硫黄を正極活物質とするカソード11が、導電剤としてカーボンナノチューブ(CNT)、または、CNTとKB、を含んでいれば、リチウム硫黄電池10F、10Gと同じ効果が有られる。
本発明は、上述した各実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲内において種々の変更、組み合わせ、及び応用が可能である。
本出願は、2017年9月7日に日本国に出願された特願2017−172006号を優先権の基礎として出願するものであり、上記開示内容は、本願明細書、請求の範囲、図面に引用されたものとする。
10、10A−10G・・・リチウム硫黄電池
11・・・カソード
12・・・アノード
13・・・セパレータ
14・・・電解液
実施形態のリチウム硫黄二次電池は、単体硫黄とカーボンナノチューブとを含み、バインダーを含んでいない正極と、リチウム、リチウム合金またはリチウムを吸蔵脱離する負極活物質を有する負極と、溶媒とリチウム塩と含む電解液と、を具備し、前記溶媒がスルホニル基を有する化合物であり、前記電解液の前記リチウム塩1モルに対する前記溶媒の量が、1.3モル以上4モル以下である。

Claims (10)

  1. 硫黄系正極活物質を有する正極と、
    リチウム、リチウム合金またはリチウムを吸蔵脱離する負極活物質を有する負極と、
    溶媒とリチウム塩と含む電解液と、を具備し、
    前記溶媒がスルホニル基を有する化合物であり、
    前記電解液は、前記リチウム塩1モルに対する前記溶媒の量が、1.3モル以上4モル以下であることを特徴とするリチウム硫黄電池。
  2. 充放電サイクル試験における過電圧が、0.5V未満であり、1.5Cにおける放電容量が、0.1Cにおける放電容量の50%以上であることを特徴とする請求項1に記載のリチウム硫黄電池。
  3. 前記正極が、単体硫黄とカーボンナノチューブとを含むことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のリチウム硫黄電池。
  4. 前記正極が、バインダーを含んでいないことを特徴とする請求項3に記載のリチウム硫黄電池。
  5. 前記リチウム塩1モルに対する前記溶媒の量が4モル超の電解液を含むリチウム硫黄電池よりも、充放電試験における過電圧が小さく、高いレート特性であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のリチウム硫黄電池。
  6. 前記溶媒が、スルホラン、3−メチルスルホラン、エチルメチルスルホン、および、エチルイソプロピルスルホンの少なくともいずれかであることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のリチウム硫黄電池。
  7. 前記電解液は、リチウムイオンの自己拡散係数が前記溶媒の自己拡散係数よりも大きいことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のリチウム硫黄電池。
  8. 前記電解液において、前記化合物のスルホニル基の2つの酸素が、それぞれリチウムイオンを介して、隣り合う前記化合物のスルホニル基の酸素と配位結合し、架橋構造が形成されていることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のリチウム硫黄電池。
  9. 前記電解液が、前記溶媒に加えて、補助溶媒としてフッ素系溶媒およびイオン液体の少なくともいずれかを更に含み、
    前記電解液の多硫化リチウム(Li)の溶解度が、前記補助溶媒を含まない電解液の前記溶解度の1/10以下であることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1項に記載のリチウム硫黄電池。
  10. 硫黄系正極活物質を有する正極と、
    リチウム、リチウム合金またはリチウムを吸蔵脱離する負極活物質を有する負極と、
    溶媒とリチウム塩と含む電解液と、を具備するリチウム硫黄電池であって、
    前記溶媒が、スルホランまたはエチルメチルスルホンであり、
    前記電解液は、前記リチウム塩1モルに対する前記溶媒の量が、1.3モル以上3モル以下であり、
    さらに、前記電解液は、補助溶媒としてハイドロフルオロエーテルを含んでおり、前記補助溶媒の量が、前記溶媒1モルに対して、1モル以上5モル以下であることを特徴とするリチウム硫黄電池。
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