JPWO2019013339A1 - 液晶配向剤、液晶配向膜及びそれを用いた液晶表示素子 - Google Patents
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Abstract
下記式(1)の構造を有するジアミン及び所定の側鎖構造を有するジアミンを含有するジアミン成分と、テトラカルボン酸成分と、から得られるポリイミド前駆体及び/又は該ポリイミド前駆体のイミド化物であるポリイミドの重合体を含有する。[化1](式(1)中、R1は水素、炭素数1〜5のアルキル基若しくはフルオロアルキル基、tert−ブトキシカルボニル基又は一価の有機基を表す。*は他の基に結合する部位を表す。ベンゼン環を形成する任意の水素原子は一価の有機基で置換されていてもよい。)
Description
本発明は、液晶配向剤、液晶配向膜及びそれを用いた液晶表示素子に関する。特に、基板に対して垂直に配向している液晶分子を電界によって応答させるVA方式の液晶表示素子に好適な液晶配向剤、液晶配向膜及びそれを用いた該液晶表示素子に関する。
液晶表示素子は、パソコン、携帯電話、スマートフォン、テレビ等の表示部として幅広く用いられている。液晶表示素子は、例えば、素子基板とカラーフィルタ基板との間に挟持された液晶層、液晶層に電界を印加する画素電極及び共通電極、液晶層の液晶分子の配向性を制御する配向膜、画素電極に供給される電気信号をスイッチングする薄膜トランジスタ(TFT)等を備えている。
このような液晶表示素子の駆動方式の一つに、基板に対して垂直に配向している液晶分子を電界によって応答させる方式(垂直配向(VA)方式ともいう)がある。垂直配向方式の液晶表示素子では、予め液晶組成物中に光重合性化合物を添加し、かつポリイミド系などの垂直配向膜を用い、液晶セルに電圧を印加しながら紫外線を照射することで、液晶の応答速度を速くする技術(PSA(Polymer Sustained Alignment)方式素子(例えば、特許文献1及び非特許文献1参照。)が知られている。
一方、この種の液晶表示素子では、静電気が液晶セル内に蓄積されたり、また、駆動によって生じる正負非対称電圧の印加によって液晶セル内に電荷が蓄積されたりすると、これらの蓄積された電荷が液晶配向の乱れや残像として表示に影響を与え、液晶素子の表示品位を著しく低下させる。
K.Hanaoka,SID 04 DIGEST、P1200−1202
本発明は、電圧保持率に優れ、蓄積電荷の緩和が早く、残像特性に優れる液晶配向膜を得ることができる液晶配向剤、液晶配向膜及びそれを用いた液晶表示素子を提供することを課題とする。
本発明者らは鋭意検討を行った結果、特定の構造を有するジアミンを重合体に含有せしめた液晶配向剤とすることにより上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成した。本発明は、かかる知見に基づくものであり、下記を要旨とするものである。
上記課題を解決する本発明の態様は、下記式(1)の構造を有するジアミン及び下記式[S1]〜[S3]で表される群から選ばれる側鎖構造を有する少なくとも1種のジアミンを含有するジアミン成分と、テトラカルボン酸成分(テトラカルボン酸誘導体成分を含む)と、から得られるポリイミド前駆体及び/又は該ポリイミド前駆体のイミド化物であるポリイミドの重合体を含有することを特徴とする液晶配向剤にある。
ここで、前記式(1)の構造を有するジアミンは、下記式(1−1)の構造を有することが好ましい。
また、前記式(1)の構造を有するジアミンは、下記式(1−4)の構造を有することが好ましい。
また、前記ジアミン成分は、前記式[S1]で表される側鎖構造を有するジアミンを含むことが好ましい。
また、前記式[S1]で表される側鎖構造が、下記式[S1−x1]〜[S1−x7]からなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
(式[S1−x1]〜[S1−x7]中、R1は炭素数1〜20のアルキル基を表す。Xpは、−(CH2)a−(aは1〜15の整数である)、−CONH−、−NHCO−、−CON(CH3)−、−NH−、−O−、−CH2O−、−COO−又は−OCO−を表す。A1は、酸素原子又は−COO−*(ただし、「*」を付した結合手が(CH2)a2と結合する)を表す。A2は、酸素原子又は*−COO−(ただし、「*」を付した結合手が(CH2)a2と結合する)を表す。a3は0又は1の整数であり、a1及びa2はそれぞれ独立して、2〜10の整数である。Cyは1,4−シクロへキシレン基又は1,4−フェニレン基を表す。)
また、前記式[S2]で表される側鎖構造を有するジアミンにおいて、X3は−CONH−、−NHCO−、−O−、−CH2O−、−COO−又は−OCO−であり、R2は炭素数3〜20のアルキル又は炭素数2〜20のアルコキシアルキルであることが好ましい。
また、前記式[S3]で表される側鎖構造が、下記式[S3−x]で表される構造を有することが好ましい。
前記特定側鎖構造を有するジアミン成分は、下記式[1]及び[2]で表されるジアミンから選ばれる少なくとも1種を含有することが好ましい。
上記課題を解決する本発明の他の態様は、上記いずれか一つに記載の液晶配向剤を用いて形成されてなることを特徴とする液晶配向膜にある。
上記課題を解決する本発明の更に他の態様は、上記の液晶配向膜により得られた液晶配向膜を具備することを特徴とする液晶表示素子にある。
本発明の液晶配向剤を用いることにより、電圧保持率に優れ、蓄積電荷の緩和が早く、残像特性に優れる液晶配向膜を提供でき、表示特性に優れた液晶表示素子を提供できる。すなわち、本発明の液晶配向膜及び液晶表示素子によれば、近年の高性能化に伴う液晶配向膜や液晶表示素子の特性に対する期待に応えることができる。
本発明の液晶配向剤は、下記式(1)の構造を有するジアミン及び下記式[S1]〜[S3]で表される群から選ばれる側鎖構造を有する少なくとも1種のジアミンを含有するジアミン成分と、テトラカルボン酸成分と、から得られるポリイミド前駆体及び/又は該ポリイミド前駆体のイミド化物であるポリイミドの重合体を含有する。
以下、式(1)の構造を有するジアミンを「特定構造を有するジアミン」又は「特定ジアミン」と称する場合がある。また、式[S1]〜[S3]で表される群から選ばれる側鎖構造を有する少なくとも1種のジアミンを「特定側鎖構造を有するジアミン」と称する場合がある。また、本発明の特定ジアミン及び特定側鎖構造を有するジアミンを含有せしめた重合体を「特定重合体」と称する場合がある。
<特定ジアミン>
特定ジアミンは、下記式(1)の構造を有する。
特定ジアミンは、下記式(1)の構造を有する。
上記式(1)中、R1は水素、炭素数1〜5のアルキル基若しくはフルオロアルキル基、tert−ブトキシカルボニル基又は一価の有機基を表す。*は他の基に結合する部位を表す。ベンゼン環を形成する任意の水素原子は一価の有機基で置換されていてもよい。ここにおける一価の有機基としては、炭素数が1〜10、好ましくは1〜3を有する、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、フルオロアルキル基、フルオロアルケニル基、又はフルオロアルコキシ基が挙げられる。なかでも、R1は、水素原子又はメチル基が好ましい。
上記式(1)において、ベンゼン環のピロール環に対する結合位置は電荷移動の点から、下記式(1−1)に表すようにピロール環上の窒素原子の隣にある炭素原子であるのが好ましい。
上記特定ジアミンの例は、例えば、下記式(1−2)で表すことができ、特に、下記式(1−3)で表されるジアミンが好ましく、更には、下記式(1−4)で表されるジアミンがより好ましい。
上記式(1−2)〜(1−4)中、R1は式(1)の場合と同様である。Q1及びQ2はそれぞれ独立して、単結合又は2価の有機基を表す。すなわち、Q1とQ2とは互いに異なる構造であってもよい。また、式(1−4)中、2つのQ2は互いに異なる構造であってもよい。更に、ベンゼン環を形成する任意の水素原子は、式(1)の場合と同様に、一価の有機基で置換されていてもよい。
上記特定ジアミンの好ましい例としては、下記式(2)で表されるジアミンを挙げることができ、より好ましくは下記式(2−1)で表されるジアミンである。
上記式(2)及び式(2−1)中、R1は式(1)の場合と同様である。2つのR2はそれぞれ独立して、単結合又は下記式(3)の構造を表す。なお、式(1)の場合と同様に、ベンゼン環を形成する任意の水素原子は一価の有機基で置換されていてもよい。
式(3)中、R3は単結合、−O−、−COO−、−OCO−、−(CH2)p−、−O(CH2)mO−、−CONH−、−NHCO−、−CON(CH3)−及び―N(CH3)CO−、−NR1−からなる群から選ばれる2価の有機基を表す。ここで、p及びmはそれぞれ独立して1〜14の整数、R1は式(1)の場合と同様である。なかでも、蓄積電荷を緩和する点から、R3は単結合、−O−、−COO−、−OCO−、−CONH−、−NHCO−又は−N(CH3)−が好ましい。また、*1は式(2)中のベンゼン環と結合する部位を表す。*2は式(2)中のアミノ基と結合する部位を表す。式(2)及び式(2−1)中のnは1〜3の整数であり、好ましくは1又は2である。
上記式(2)の具体例としては下記式(2−1−1)〜(2−1−16)が例示できるが、これらに限定されない。なかでも、蓄積電荷を緩和する点から、式(2―1―1)、式(2―1−2)、式(2―1−3)、式(2―1−5)、式(2―1−8)、式(2―1−9)、式(2―1−10)、式(2―1−11)、式(2―1−12)、式(2―1−13)、式(2―1−14)、式(2―1−15)又は式(2―1−16)が好ましく、式(2―1−1)、式(2―1−2)、式(2―1−3)、式(2―1−11)、又は式(2―1−12)、式(2―1−13)、式(2―1−14)、式(2―1−15)又は式(2―1−16)が特に好ましい。なお、下記式(2−1−6)及び(2−1−7)において、nは1〜14の整数である。
<特定ジアミンの合成方法>
上記特定ジアミンの合成方法は特に限定されない。例えば、下記式(4)で表されるジニトロ化合物を使用し、そのニトロ基を還元反応によりアミノ基に変換する方法が挙げられる。
上記特定ジアミンの合成方法は特に限定されない。例えば、下記式(4)で表されるジニトロ化合物を使用し、そのニトロ基を還元反応によりアミノ基に変換する方法が挙げられる。
式(4)中、R1は式(1)の場合と同様である。
上記還元反応に用いられる触媒は、市販品として入手できる活性炭担持金属が好ましく、例えば、パラジウム−活性炭、白金−活性炭、ロジウム−活性炭等が挙げられる。また、水酸化パラジウム、酸化白金、ラネーニッケル等も使用でき、必ずしも活性炭担持型の金属触媒でなくてもよい。一般的に広く使用されているパラジウム−活性炭が、良好な結果が得られやすいので好ましい。
還元反応をより効果的に進行させるため、活性炭の共存下で反応を実施することもある。この時、使用する活性炭の量は特に限定されないが、上記式(4)のジニトロ化合物に対して1〜30質量%が好ましく、10〜20質量%がより好ましい。同様の理由により、加圧下で反応を実施する場合もある。この場合、ベンゼン環とピロール環の還元を避けるため、大気圧から20気圧までの加圧範囲で行う。好ましくは大気圧から10気圧までの範囲で反応を実施する。
特定ジアミンの合成に用いる溶媒は、各原料と反応しない溶媒であれば、制限なく使用することができる。例えば、非プロトン性極性有機溶媒(ジメチルホルムアミド、ジメチルスホキシド、ジメチルアセテート、N−メチル−2−ピロリドン等);エーテル類(ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、t−ブチルメチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等);脂肪族炭化水素類(ペンタン、へキサン、ヘプタン、石油エーテル等);芳香族炭化水素類(ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ニトロベンゼン、テトラリン等);ハロゲン系炭化水素類(クロロホルム、ジクロロメタン、四塩化炭素、ジクロロエタン等);低級脂肪酸エステル類(酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル等);ニトリル類(アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル等);などが使用できる。これらの溶媒は、1種又は2種以上で使用できる。また、適当な脱水剤や乾燥剤を用いて溶媒を乾燥し、非水溶媒として使用できる。
溶媒の使用量(反応濃度)は特に限定されないが、上記式(4)のジニトロ化合物に対し、0.1〜100質量倍である。好ましくは0.5〜30質量倍であり、更に好ましくは1〜10質量倍である。反応温度は特に限定されないが、−100℃から使用する溶媒の沸点までの範囲、好ましくは、−50〜150℃である。反応時間は、通常0.05〜350時間、好ましくは0.5〜100時間である。
[式(4)のジニトロ化合物の製法]
上記式(4)のジニトロ化合物を合成する方法に特に制限はないが、例えば、下記式(5)で表される化合物(ジニトロ体)を合成し、そのジニトロ体のNH基に保護基R4を導入する方法が挙げられる。
上記式(4)のジニトロ化合物を合成する方法に特に制限はないが、例えば、下記式(5)で表される化合物(ジニトロ体)を合成し、そのジニトロ体のNH基に保護基R4を導入する方法が挙げられる。
R4を導入するにあたっては、式(5)のピロール環のNH部位と反応が可能な化合物であればよい。例えば、酸ハライド、酸無水物、イソシアネート類、エポキシ化合物類、オキセタン類、ハロゲン化アリール類、ハロゲン化アルキル類等が挙げられる。また、アルコールの水酸基をOMs(メシル基)、OTf(トリフラート基)、OTs(トシル基)等の脱離基に置換したアルコール類などが使用できる。
酸ハライドと反応させてR4を導入する場合、好ましくは塩基の存在下に行われる。酸ハライドの例としては、アセチルクロリド、プロピオン酸クロリド、クロロギ酸メチル、クロロギ酸エチル、クロロギ酸n−プロピル、クロロギ酸i−プロピル、クロロギ酸n−ブチル、クロロギ酸i−ブチル、クロロギ酸t−ブチル、クロロギ酸ベンジル、クロロギ酸−9−フルオレニル等が挙げられる。塩基としては、合成可能であれば特に限定はないが、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸セシウム、ナトリウムアルコキシド、カリウムアルコキシド、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水素化ナトリウム等の無機塩基、ピリジン、ジメチルアミノピリジン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン等の有機塩基等が使用できる。反応溶媒や反応温度は、式(4)のジニトロ化合物を合成する際の還元反応における場合と同様である。
酸無水物と反応させてR4を導入する場合、酸無水物の例としては、無水酢酸、無水プロピオン酸、二炭酸ジメチル、二炭酸ジエチル、二炭酸−ジ−ターシャリーブチル、二炭酸ジベンジル等が挙げられる。反応を促進させるために触媒として、ピリジン、コリジン、N,N−ジメチル−4−アミノピリジン等を使用してもよい。触媒量は上記式(5)の化合物に対し、0.0001モル〜1モルである。反応溶媒や反応温度は、上記酸ハライドにおける場合と同様である。
イソシアネート類を反応させてR4を導入する場合、イソシアネート類の例としては、メチルイソシアネート、エチルイソシアネート、n−プロピルイソシアネート、フェニルイソシアネート等が挙げられる。反応溶媒や反応温度は、上記酸ハライドにおける場合と同様である。
エポキシ化合物類やオキセタン化合物類を反応させてR4を導入する場合、エポキシ化合物類やオキセタン類の例としては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、1,2−ブチレンオキシド、トリメチレンオキシド等が挙げられる。反応溶媒や反応温度は、上記酸ハライドにおける場合と同様である。
アルコールの水酸基をOMs、OTf、OTs等の脱離基に置換したアルコール類を反応させてR4を導入する場合、好ましくは塩基の存在下に行われる。アルコール類の例としては、メタノール、エタノール、1−プロパノール等が挙げられ、これらのアルコール類と、メタンスルホニルクロリド、トリフルオロメタンスルホニルクロリド、パラトルエンスルホン酸クロリド等とを反応させることで、OMs、OTf、OTs等の脱離基に置換されたアルコールを得ることができる。塩基の例、反応溶媒や反応温度は、上記酸ハライドにおける場合と同様である。
ハロゲン化アルキルを反応させてR4を導入する場合、好ましくは塩基の存在下で行われる。ハロゲン化アルキル類の例としては、ヨウ化メチル、ヨウ化エチル、ヨウ化n−プロピル、臭化メチル、臭化エチル、臭化n−プロピル等が挙げられる。塩基の例としては前述の塩基に加え、カリウム−tert−ブトキシド、ナトリウム−tert−ブトキシド等の金属アルコキシド類を用いることができる。反応溶媒や反応温度は、上記酸ハライドにおける場合と同様である。
[式(5)の化合物の製法]
上記式(5)の化合物を合成する方法に特に制限はないが、上記式(5)の化合物のピロール環上の置換位置が2位及び4位である場合は、例えば、下記反応式1で表すように、ニトロ基を有するα−ハロケトンとニトロ基を有するケトンとを、好ましくは塩基の存在下で反応させることにより得ることができる。反応式1中、XはBr、I又はOTfを表す。
上記式(5)の化合物を合成する方法に特に制限はないが、上記式(5)の化合物のピロール環上の置換位置が2位及び4位である場合は、例えば、下記反応式1で表すように、ニトロ基を有するα−ハロケトンとニトロ基を有するケトンとを、好ましくは塩基の存在下で反応させることにより得ることができる。反応式1中、XはBr、I又はOTfを表す。
上記反応式1に用いられる塩基の例としては、前述の上記酸ハライドにおいて例示した塩基を用いることができる。反応溶媒や反応温度は、上記酸ハライドにおける場合と同様である。反応式1での反応速度を促進する目的で、塩化亜鉛、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム、ヨウ化テトラブチルアンモニウム等を促進剤として用いることができる。
一方、上記式(5)の化合物のピロール環における置換が2位及び4位以外の場合は、対応するハロゲン化ピロールと有機金属試薬とを、好ましくは金属触媒を用いるクロスカップリング反応させる反応式2により得ることができる。
上記反応式2のクロスカップリング反応(「鈴木−宮浦反応」とも呼ばれる)は、好ましくは金属錯体と配位子を触媒として使用するが、触媒なしでも反応が進行する。金属錯体の例としては、酢酸パラジウム、塩化パラジウム、塩化パラジウム−アセトニトリル錯体、パラジウム−活性炭、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム、ビス(アセトニトリル)ジクロロパラジウム、ビス(ベンゾニトリル)ジクロロパラジウム、CuCl、CuBr、CuI、CuCN等が挙げられる。配位子の例としては、トリフェニルホスフィン、トリ−o−トリルホスフィン、ジフェニルメチルホスフィン、フェニルジメチルホスフィン、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン、1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン、トリメチルホスファイト、トリエチルホスファイト、トリフェニルホスファイト、トリ−tert−ブチルホスフィン等が挙げられる。上記金属錯体の使用量は、いわゆる触媒量でよく、基質に対して20モル%以下で十分であり、好ましくは10モル%以下である。
<特定側鎖構造を有するジアミン>
本実施形態において、特定側鎖構造を有するジアミンは、例えば下記式[1]、[2]で表される。
本実施形態において、特定側鎖構造を有するジアミンは、例えば下記式[1]、[2]で表される。
上記式[2]中、Xは単結合、−O−、−C(CH3)2−、−NH−、−CO−、−NHCO−、−COO−、−(CH2)m−、−SO2−又はそれらの任意の組み合わせからなる2価の有機基を表す。なかでも、Xは、単結合、−O−、−NH−、−O−(CH2)m−O−であるのが好ましい。「それらの任意の組み合わせ」として、−O−(CH2)m−O−、−O−C(CH3)2−、−CO−(CH2)m−、−NH−(CH2)m−、−SO2−(CH2)m−、−CONH−(CH2)m−、−CONH−(CH2)m−NHCO−、−COO−(CH2)m−OCO−等が挙げられるが、これらに限定されない。mは1〜8の整数である。
また、上記式[1]、[2]中、Yは、それぞれ独立して、式[S1]〜[S3]で表される側鎖構造から選ばれる少なくとも1つを表す。式[S1]〜[S3]で表される側鎖構造の詳細は後述する。
また、上記式[2]中、Yは、Xの位置からメタ位であってもオルト位であってもよいが、好ましくはオルト位がよい。すなわち、上記式[2]は、下記式[2’]であるのが好ましい。
また、上記式[2]中、2つのアミノ基(−NH2)の位置は、ベンゼン環上のいずれの位置であってもよいが、下記式[2]−a1〜[2]−a3で表される位置が好ましく、下記式[2]−a1であるのがより好ましい。下記式中、Xは、上記式[2]における場合と同様である。なお、下記式[2]−a1〜[2]−a3は、2つのアミノ基の位置を説明するものであり、上記式[2]中で表されていたYの表記が省略されている。
従って、上記式[2’]及び[2]−a1〜[1]−a3に基づけば、上記式[2]は、下記式[2]−a1−1〜[2]−a3−2から選ばれるいずれかの構造であるのが好ましく、下記式[2]−a1−1で表される構造がより好ましい。下記式中、X及びYは、それぞれ式[2]における場合と同様である。
これらの上記式[2]で表される二側鎖ジアミンは、1種単独又は2種以上混合して用いることができる。液晶配向膜や液晶表示素子に要求される特性に応じて、1種単独か2種以上混合して用いるか、また、2種以上混合して用いる場合にはその割合等、適宜調整すればよい。
上記式[1]、[2]中、Yは下記式[S1]〜[S3]で表される群から選ばれる特定側鎖構造を表している。以下、かかる特定側鎖構造について、式[S1]〜[S3]の順に説明する。
特定側鎖構造の例として、下記式[S1]で表される特定側鎖構造を有するジアミンがある。
上記式[S1]中、X1及びX2はそれぞれ独立して、単結合、−(CH2)a−(aは1〜15の整数である)、−CONH−、−NHCO−、−CON(CH3)−、−NH−、−O−、−COO−、−OCO−又は−((CH2)a1−A1)m1−を表す。このうち、複数のa1はそれぞれ独立して1〜15の整数であり、複数のA1はそれぞれ独立して酸素原子又は−COO−を表し、m1は1〜2である。
なかでも、原料の入手性や合成の容易さの点からの観点から、X1及びX2はそれぞれ独立して、単結合、−(CH2)a−(aは1〜15の整数である)、−O−、−CH2O−又は−COO−が好ましい。より好ましいのは、X1及びX2はそれぞれ独立して、単結合、−(CH2)a−(aは1〜10の整数である)、−O−、−CH2O−又は−COO−である。
また、上記式[S1]中、G1及びG2はそれぞれ独立して、炭素数6〜12の2価の芳香族基又は炭素数3〜8の2価の脂環式基から選ばれる2価の環状基を表す。該環状基上の任意の水素原子は、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシル基、炭素数1〜3のフッ素含有アルキル基、炭素数1〜3のフッ素含有アルコキシル基又はフッ素原子で置換されていてもよい。m及びnはそれぞれ独立して、0〜3の整数であって、m及びnの合計は1〜4である。
また、上記式[S1]中、R1は炭素数1〜20のアルキル、炭素数1〜20のアルコキシ又は炭素数2〜20のアルコキシアルキルを表し、R1を形成する任意の水素はフッ素で置換されていてもよい。このうち、炭素数6〜12の2価の芳香族基の例としては、フェニレン、ビフェニレン、ナフタレン等が挙げられる。また、炭素数3〜8の2価の脂環式基の例としては、シクロプロピレン、シクロヘキシレン等を挙げられる。
従って、上記式[S1]の好ましい具体例として、下記式[S1−x1]〜[S1−x7]が挙げられるが、これらに限定されない。
上記式[S1−x1]〜[S1−x7]中、R1は、上記式[S1]の場合と同様である。Xpは、−(CH2)a−(aは1〜15の整数である)、−CONH−、−NHCO−、−CON(CH3)−、−NH−、−O−、−CH2O−、−COO−又は−OCO−を表す。A1は、酸素原子又は−COO−*(「*」を付した結合手が(CH2)a2と結合する)を表す。A2は、酸素原子又は*−COO−(「*」を付した結合手が(CH2)a2と結合する)を表す。a1は0又は1の整数であり、a2は2〜10の整数である。Cy、すなわちシクロヘキサン環の中に「Cy」と記載した基は、1,4−シクロへキシレン基又は1,4−フェニレン基を表す。
また、特定側鎖構造の例として、下記式[S2]で表される特定側鎖構造がある。
更に、特定側鎖構造の例として、下記式[S3]で表される特定側鎖構造がある。
上記式[S3]の例として下記式[S3−x]が挙げられるが、これに限定されない。
上記式[S3−x]中、Xは、上記式[X1]又は[X2]を表す。また、Colは、上記式[Col1]〜[Col3]からなる群から選ばれる少なくとも1種を表し、Gは、上記式[G1]〜[G4]からなる群から選ばれる少なくとも1種を表す。*は他の基に結合する部位を表す。
上記式[S3−x]における、X、Col及びGの好ましい組み合わせの例としては式[X1]と式[Col1]及び[G2]の組合せ、式[X1]と式[Col2]及び[G2]の組合せ、式[X2]と式[Col1]及び[G2]の組合せ、式[X2]と式[Col2]及び[G2]の組合せ、式[X1]と式[Col3]及び[G1]の組合せが挙げられる。
また、上記式[S3]の具体的としては、特開平4−281427号公報の段落[0024]に記載のステロイド化合物から水酸基(ヒドロキシ基)を除いた構造、同公報の段落[0030]に記載のステロイド化合物から酸クロライド基を除いた構造、同公報の段落[0038]に記載のステロイド化合物からアミノ基を除いた構造、同公報の段落[0042]にステロイド化合物からハロゲン基を除いた構造、及び特開平8−146421の段落[0018]〜[0022]に記載の構造等が挙げられる。
これらの上記式[S1]〜[S3]で表される特定側鎖構造を有するジアミンは、1種単独又は2種以上混合して用いることができる。液晶配向膜や液晶表示素子に要求される特性に応じて、1種単独か2種以上混合して用いるか、また、2種以上混合して用いる場合にはその割合等、適宜調整すればよい。
このように、本発明のジアミン成分は、上記式(1)で表される構造を有するジアミンと、上記式[S1]〜[S3]で表される群から選ばれる特定側鎖構造を有する少なくとも1種のジアミンと、を含有せしめたジアミンである。
このうち、上記式[S1]〜[S3]で表される群から選ばれる側鎖構造を有するジアミンとしては、例えば、それぞれ下記式[1−S1]〜[1−S3]、[2−S1]〜[2−S3]の構造を有するジアミンが挙げられる。
上記式[1−S1]、[2−S1]中、X1、X2、G1、G2、R1、m及びnは、上記式[S1]における場合と同様である。上記式[1−S2]、[2−S2]中、X3及びR2は、上記式[S2]における場合と同様である。上記式[1−S3]、[2−S3]中、X4及びR3は、上記式[S3]における場合と同様である。
このうち上記式[1−S1]〜[1−S3]で表されるジアミンとしては、例えば、以下に示すような具体的な構造を挙げることができるが、これに限定されるものではない。
上記式[2−S1]〜[2−S3]で表されるジアミンとしては、例えば、以下に示すような具体的な構造を挙げることができるが、これに限定されるものではない。
<その他のジアミン:光反応性側鎖を有するジアミン>
本実施形態のジアミン成分は、その他のジアミンとして、光反応性側鎖を有するジアミンを含有してもよい。ジアミン成分が、光反応性側鎖を有するジアミンを含有することで、特定重合体やそれ以外の重合体に、光反応性側鎖を導入できるようになる。
本実施形態のジアミン成分は、その他のジアミンとして、光反応性側鎖を有するジアミンを含有してもよい。ジアミン成分が、光反応性側鎖を有するジアミンを含有することで、特定重合体やそれ以外の重合体に、光反応性側鎖を導入できるようになる。
光反応性側鎖を有するジアミンとしては、例えば、下記式[VIII]又は[IX]で表されるものが挙げられるが、これらに限定されない。
上記式[VIII]及び[IX]中、2つのアミノ基(−NH2)の位置は、ベンゼン環上のいずれの位置であってもよく、例えば、側鎖の結合基に対し、ベンゼン環上の2,3の位置、2,4の位置、2,5の位置、2,6の位置、3,4の位置又は3,5の位置が挙げられる。ポリアミック酸を合成する際の反応性の点からは、2,4の位置、2,5の位置又は3,5の位置が好ましい。ジアミンを合成する際の容易性の点も加味すると、2,4の位置又は3,5の位置がより好ましい。
また、上記式[VIII]中、R8は単結合、−CH2−、−O−、−COO−、−OCO−、−NHCO−、−CONH−、−NH−、−CH2O−、−N(CH3)−、−CON(CH3)−又は−N(CH3)CO−を表す。特に、R8は単結合、−O−、−COO−、−NHCO−又は−CONH−であるのが好ましい。
また、上記式[VIII]中、R9は、単結合又はフッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜20のアルキレン基を表す。ここでのアルキレン基の−CH2−は、−CF2−又は−CH=CH−で任意に置換されていてもよく、次のいずれかの基が互いに隣り合わない場合、これらの基に置換されていてもよい;−O−、−COO−、−OCO−、−NHCO−、−CONH−、−NH−、二価の炭素環又は複素環。なお、この二価の炭素環又は複素環は、具体的には下記式(1a)のものを例示することができるが、これに限定されない。
また、上記式[VIII]中、R9は、通常の有機合成的手法で形成させることができるが、合成の容易性の点からは、単結合又は炭素数1〜12のアルキレン基が好ましい。
また、上記式[VIII]中、R10は、下記式(1b)からなる群から選択される光反応性基を表す。なかでも、R10は、光反応性の点から、メタクリル基、アクリル基又はビニル基が好ましい。
また、上記式[IX]中、Y1は、−CH2−、−O−、−CONH−、−NHCO−、−COO−、−OCO−、−NH−又は−CO−を表す。Y2は、炭素数1〜30のアルキレン基、二価の炭素環又は複素環を表す。ここでのアルキレン基、二価の炭素環または複素環における、1つ又は複数の水素原子は、フッ素原子又は有機基で置換されていてもよい。Y2は、次の基が互いに隣り合わない場合、−CH2−がこれらの基に置換されていてもよい;−O−、−NHCO−、−CONH−、−COO−、−OCO−、−NH−、−NHCONH−、−CO−。
また、上記式[IX]中、Y3は、−CH2−、−O−、−CONH−、−NHCO−、−COO−、−OCO−、−NH−、−CO−又は単結合を表す。Y4はシンナモイル基を表す。Y5は単結合、炭素数1〜30のアルキレン基、二価の炭素環又は複素環を表す。ここでのアルキレン基、二価の炭素環または複素環における、1つ又は複数の水素原子は、フッ素原子又は有機基で置換されていてもよい。Y5は、次の基が互いに隣り合わない場合、−CH2−がこれらの基に置換されていてもよい;−O−、−NHCO−、−CONH−、−COO−、−OCO−、−NH−、−NHCONH−、−CO−。Y6はアクリル基又はメタクリル基等の光重合性基を表す。
このような上記式[VIII]又は[IX]で表される光反応性側鎖を有するジアミンの具体例としては、下記式(1c)が挙げられるが、これに限定されない。
上記式(1c)中、X9及びX10は、それぞれ独立に、単結合、−O−、−COO−、−NHCO−又は−NH−である結合基を表す。Yは、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜20のアルキレン基を表す。
光反応性側鎖を有するジアミンとしては、下記式[VII]のジアミンも挙げられる。式[VII]のジアミンは、ラジカル発生構造を有する部位を側鎖に有している。ラジカル発生構造においては、紫外線照射により分解しラジカルが発生する。
上記式[VII]中、Arはフェニレン、ナフチレン及びビフェニレンからなる群から選ばれる少なくとも1種の芳香族炭化水素基を表し、それらの環の水素原子はハロゲン原子に置換されていてもよい。カルボニルが結合しているArは、紫外線の吸収波長に関与するため、長波長化する場合、ナフチレンやビフェニレンのような共役長の長い構造が好ましい。一方、Arがナフチレンやビフェニレンのような構造になると、溶解性が悪くなる場合があり、この場合、合成の難易度が高くなる。紫外線の波長が250nm〜380nmの範囲であればフェニル基でも十分な特性が得られるため、Arはフェニル基が最も好ましい。
上記Arにおいて、芳香族炭化水素基には置換基が設けられていてもよい。ここでの置換基の例としては、アルキル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アミノ基等、電子供与性の有機基が好ましい。
また、上記式[VII]中、R1及びR2は、それぞれ独立して、炭素原子数1〜10のアルキル基、アルコキシ基、ベンジル基又はフェネチル基を表す。アルキル基やアルコキシ基の場合、R1及びR2により環が形成されていてもよい。
また、上記式[VII]中、T1及びT2は、それぞれ独立して、単結合、−O−、−COO−、−OCO−、−NHCO−、−CONH−、−NH−、−CH2O−、−N(CH3)−、−CON(CH3)−又は−N(CH3)CO−の結合基を表す。
また、式[VII]中、Sは単結合、非置換又はフッ素原子によって置換されている炭素原子数1〜20のアルキレン基を表す。ここでのアルキレン基の−CH2−又は−CF2−は、−CH=CH−で任意に置換されていてもよく、次に挙げるいずれかの基が互いに隣り合わない場合、これらの基に置換されていてもよい;−O−、−COO−、−OCO−、−NHCO−、−CONH−、−NH−、二価の炭素環、二価の複素環。
また、式[VII]中、Qは、下記式(1d)から選ばれる構造を表す。
上記式(1d)中、Rは水素原子又は炭素原子数1〜4のアルキル基を表す。R3は、−CH2−、−NR−、−O−、又は−S−を表す。
また、上記式[VII]中、Qは、電子供与性の有機基が好ましく、上記Arの例でも挙げたような、アルキル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アミノ基等が好ましい。Qがアミノ誘導体の場合、ポリイミドの前駆体であるポリアミック酸の重合の際に、発生するカルボン酸基とアミノ基が塩を形成するなどの不具合が生じる可能性があるため、ヒドロキシル基又はアルコキシ基がより好ましい。
また、上記式[VII]中、2つのアミノ基(−NH2)の位置は、o−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン又はp−フェニレンジアミンのいずれでもよいが、酸二無水物との反応性の点では、m−フェニレンジアミン又はp−フェニレンジアミンが好ましい。
従って、上記式[VII]の好ましい具体的としては、合成の容易さ、汎用性の高さ、特性等の点から、下記式が挙げられる。なお、下記式中、nは2〜8の整数である。
これらの上記式[VII]、[VIII]又は[IX]で表される光反応性側鎖を有するジアミンは、1種単独又は2種以上混合して用いることができる。液晶配向膜とした際の液晶配向性、プレチルト角、電圧保持特性、蓄積電荷等の特性、液晶表示素子とした際の液晶の応答速度等に応じて、1種単独か2種以上混合して用いるか、また、2種以上混合して用いる場合にはその割合等、適宜調整すればよい。
本実施形態において、ジアミン成分に光反応性側鎖ジアミンが含まれる場合、該光反応性側鎖ジアミンは、全ジアミン成分の10〜70モル%が好ましく、10〜60モル%がより好ましい。
<その他のジアミン:上記以外のジアミン>
特定重合体を得るためのジアミン成分に含まれていてもよいその他のジアミンは、上記光反応性側鎖を有するジアミン等に限定されない。上記光反応性側鎖を有するジアミン以外のその他のジアミンの例としては、下記式[2]で表されるものが挙げられる。
特定重合体を得るためのジアミン成分に含まれていてもよいその他のジアミンは、上記光反応性側鎖を有するジアミン等に限定されない。上記光反応性側鎖を有するジアミン以外のその他のジアミンの例としては、下記式[2]で表されるものが挙げられる。
上記式[2]中、A1及びA2は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数2〜5のアルケニル基又は炭素数2〜5のアルキニル基を表す。なかでも、モノマーの反応性の点から、A1及びA2は、水素原子又はメチル基が好ましい。また、Y1の構造を例示すると、下記式(Y−1)〜(Y−160)、(Y162)〜(Y−168)及び(Y−170)〜(Y−174)が挙げられる。
上記式中、特にnの範囲の記載が無いものについては、nは1〜6の整数である。また、上記式中、Meはメチル基を表す。
上記式中、Bocは、tert−ブトキシカルボニル基を表す。
以上説明した、上記光反応性側鎖を有するジアミンを含むその他のジアミンは、1種又は2種以上組み合わせて用いることができる。ジアミン成分がその他のジアミンを含有する場合、特定重合体における、その他のジアミンに対する特定ジアミンは、特定ジアミンが5mol%〜80mol%、好ましくは10mol%〜70mol%、より好ましくは20mol%〜70mol%となる量がよい。
<テトラカルボン酸成分>
特定重合体を得るためのテトラカルボン酸成分の例としては、テトラカルボン酸、テトラカルボン酸二無水物、テトラカルボン酸ジハライド、テトラカルボン酸ジアルキルエステル又はテトラカルボン酸ジアルキルエステルジハライドが挙げられ、本発明では、これらを総称してテトラカルボン酸成分とも称する。
特定重合体を得るためのテトラカルボン酸成分の例としては、テトラカルボン酸、テトラカルボン酸二無水物、テトラカルボン酸ジハライド、テトラカルボン酸ジアルキルエステル又はテトラカルボン酸ジアルキルエステルジハライドが挙げられ、本発明では、これらを総称してテトラカルボン酸成分とも称する。
テトラカルボン酸成分としては、テトラカルボン酸二無水物や、その誘導体である、テトラカルボン酸、テトラカルボン酸ジハライド、テトラカルボン酸ジアルキルエステル、又はテトラカルボン酸ジアルキルエステルジハライド(これらを総称して、第1のテトラカルボン酸成分と称する)を用いることもできる。
テトラカルボン酸二無水物の例としては、脂肪族テトラカルボン酸二無水物、脂環式テトラカルボン酸二無水物、芳香族テトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。これらの具体例としては、以下の[1]〜[5]の群のもの等がそれぞれ挙げられる。
[1] 脂肪族テトラカルボン酸二無水物として、例えば1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物等;
[2] 脂環式テトラカルボン酸二無水物として、例えば下記式(X1−1)〜(X1−13)等の酸二無水物、
上記式(X1−1)〜(X1−4)中、R3からR23はそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数2〜6のアルケニル基、炭素数2〜6のアルキニル基、フッ素原子を含有する炭素数1〜6の1価の有機基又はフェニル基を表す。RMは水素原子又はメチル基を表す。また、上記式(X1−13)中、Xaは、下記式(Xa−1)〜(Xa−7)で表される4価の有機基を表す。
[3] 3−オキサビシクロ[3.2.1]オクタン−2,4−ジオン−6−スピロ−3’−(テトラヒドロフラン−2’,5’−ジオン)、3,5,6−トリカルボキシ−2−カルボキシメチルノルボルナン−2:3,5:6−二無水物、4,9−ジオキサトリシクロ[5.3.1.02,6]ウンデカン−3,5,8,10−テトラオン等;
[4] 芳香族テトラカルボン酸二無水物として、例えばピロメリット酸無水物、4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、下記式(Xb−1)〜(Xb−10)で表される酸二無水物等、及び
[5] 式(X1−44)〜(X1−52)で表される酸二無水物、特開2010−97188号公報に記載のテトラカルボン酸二無水物が挙げられる。
以上説明したテトラカルボン酸成分は、1種単独又は2種以上混合して用いることができる。液晶配向膜や液晶表示素子に要求される特性に応じて、1種単独か2種以上混合して用いるか、また、2種以上混合して用いる場合にはその割合等、適宜調整すればよい。
<特定重合体の製造方法>
特定重合体は、上記説明した本実施形態のジアミン成分(複数種のジアミンからなるジアミン成分)と、テトラカルボン酸成分と、を反応させる方法により得られる。該方法としては、例えば、1種又は複数種のジアミンからなるジアミン成分と、テトラカルボン酸二無水物及びそのテトラカルボン酸の誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種のテトラカルボン酸成分と、を反応させ、ポリアミド酸を得る方法が挙げられる。具体的には、1級又は2級のジアミンと、テトラカルボン酸二無水物と、を重縮合させてポリアミック酸を得る方法が用いられる。
特定重合体は、上記説明した本実施形態のジアミン成分(複数種のジアミンからなるジアミン成分)と、テトラカルボン酸成分と、を反応させる方法により得られる。該方法としては、例えば、1種又は複数種のジアミンからなるジアミン成分と、テトラカルボン酸二無水物及びそのテトラカルボン酸の誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種のテトラカルボン酸成分と、を反応させ、ポリアミド酸を得る方法が挙げられる。具体的には、1級又は2級のジアミンと、テトラカルボン酸二無水物と、を重縮合させてポリアミック酸を得る方法が用いられる。
ポリアミド酸アルキルエステルを得るためには、カルボン酸基をジアルキルエステル化したテトラカルボン酸と1級又は2級のジアミンとを重縮合させる方法、カルボン酸基をハロゲン化したテトラカルボン酸ジハライドと1級又は2級のジアミンとを重縮合させる方法、又はポリアミド酸のカルボキシ基をエステルに変換する方法が用いられる。ポリイミドを得るには、上記のポリアミド酸又はポリアミド酸アルキルエステルを閉環させてポリイミドとする方法が用いられる。
ジアミン成分とテトラカルボン酸成分との反応は、通常、溶媒中で行う。その際に用いる溶媒としては、生成したポリイミド前駆体が溶解するものであれば特に限定されない。ここでの溶媒の例としては、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン又はγ−ブチロラクトン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド又は1,3−ジメチル−イミダゾリジノン等が挙げられる。また、ポリイミド前駆体の溶媒溶解性が高い場合、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン又は下記式[D−1]〜[D−3]で表される溶媒等を用いることができる。
式[D−1]中、D1は炭素数1〜3のアルキル基を表す。式[D−2]中、D2は炭素数1〜3のアルキル基を表す。式[D−3]中、D3は炭素数1〜4のアルキル基を表す。
これらの溶媒は、1種単独又は2種以上混合して用いることができる。ポリイミド前駆体を溶解させない溶媒であっても、生成したポリイミド前駆体が析出しない範囲であれば、上記溶媒に混合して使用してもよい。また、溶媒中の水分は、重合反応を阻害し、更には、生成したポリイミド前駆体を加水分解させる原因となるので、溶媒は脱水乾燥させたものを用いることが好ましい。
ジアミン成分とテトラカルボン酸成分とを溶媒中で反応させる際には、ジアミン成分を溶媒に分散、或いは溶解させた溶液を撹拌させ、テトラカルボン酸成分をそのまま、又は溶媒に分散、或いは溶解させて添加する方法、逆にテトラカルボン酸成分を溶媒に分散、或いは溶解させた溶液にジアミン成分を添加する方法、ジアミン成分とテトラカルボン酸成分とを交互に添加する方法等が挙げられ、これらのいずれの方法を用いてもよい。また、ジアミン成分又はテトラカルボン酸成分を、それぞれ複数種用いて反応させる場合は、あらかじめ混合した状態で反応させてもよく、個別に順次反応させてもよく、更に個別に反応させた低分子量体を混合反応させ重合体としてもよい。
ジアミン成分とテトラカルボン酸成分とを重縮合せしめる温度は、−20〜150℃の任意の温度を選択することができるが、好ましくは−5〜100℃の範囲である。反応は任意の濃度で行うことができるが、濃度が低すぎると高分子量の重合体を得ることが難しくなり、濃度が高すぎると反応液の粘性が高くなり過ぎて均一な撹拌が困難となる。そのため、好ましくは1〜50質量%、より好ましくは5〜30質量%である。反応初期は高濃度で行い、その後、溶媒を追加することもできる。
ポリイミド前駆体の重合反応においては、ジアミン成分の合計モル数とテトラカルボン酸成分との合計モル数の比は、0.8〜1.2であることが好ましい。通常の重縮合反応と同様に、このモル比が1.0に近いほど、生成するポリイミド前駆体の分子量は大きくなる。
ポリイミドは、上記ポリイミド前駆体を閉環させて得られるポリイミドであり、このポリイミドにおいては、アミド酸基の閉環率(イミド化率ともいう)は、必ずしも100%である必要はなく、用途や目的に応じて任意に調整できる。ポリイミド前駆体をイミド化させる方法としては、ポリイミド前駆体の溶液をそのまま加熱する熱イミド化、又はポリイミド前駆体の溶液に触媒を添加する触媒イミド化が挙げられる。
ポリイミド前駆体を溶液中で熱イミド化させる場合の温度は、100〜400℃、好ましくは120〜250℃であり、イミド化反応により生成する水を系外に除きながら行う方法が好ましい。ポリイミド前駆体の触媒イミド化は、ポリイミド前駆体の溶液に、塩基性触媒と酸無水物とを添加し、−20〜250℃、好ましくは0〜180℃で撹拌することにより行うことができる。
塩基性触媒の量は、アミド酸基の0.5〜30モル倍、好ましくは2〜20モル倍であり、酸無水物の量は、アミド酸基の1〜50モル倍、好ましくは3〜30モル倍である。塩基性触媒としては、ピリジン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリブチルアミン、トリオクチルアミン等が挙げられる。なかでも、ピリジンは、反応を進行させるのに適度な塩基性を持つので好ましい。酸無水物としては、無水酢酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸等が挙げられる。特に、無水酢酸を用いると反応終了後の精製が容易となるので好ましい。触媒イミド化によるイミド化率は、触媒量と反応温度、反応時間を調節することにより制御することができる。
ポリイミド前駆体又はポリイミドの反応溶液から、生成したポリイミド前駆体又はポリイミドを回収する場合には、反応溶液を溶媒に投入して沈殿させればよい。沈殿に用いる溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、アセトン、ヘキサン、ブチルセルソルブ、ヘプタン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、トルエン、ベンゼン、水等が挙げられる。溶媒に投入して沈殿させたポリマーは、濾過して回収した後、常圧或いは減圧下で、又は常温或いは加熱して乾燥することができる。また、沈殿回収した重合体を、溶媒に再溶解させ、再沈殿回収する操作を2〜10回繰り返すと、重合体中の不純物を少なくすることができる。この際の溶媒として、例えば、アルコール類、ケトン類、炭化水素等が挙げられる。これら中から選ばれる3種類以上の溶媒を用いると、より一層精製の効率が上がるので好ましい。
本発明のポリアミド酸アルキルエステルを製造するための、より具体的な方法の例をそれぞれ、下記(1)〜(3)に示す。
(1)ポリアミド酸のエステル化反応で製造する方法
この方法は、例えば、ジアミン成分とテトラカルボン酸成分とからポリアミド酸を製造し、そのカルボキシ基(COOH基)に化学反応、すなわちエステル化反応を行い、ポリアミド酸アルキルエステルを製造する方法である。エステル化反応は、ポリアミド酸とエステル化剤を溶媒の存在下で、−20〜150℃(好ましくは0〜50℃)において、30分〜24時間(好ましくは1〜4時間)反応させる方法である。
この方法は、例えば、ジアミン成分とテトラカルボン酸成分とからポリアミド酸を製造し、そのカルボキシ基(COOH基)に化学反応、すなわちエステル化反応を行い、ポリアミド酸アルキルエステルを製造する方法である。エステル化反応は、ポリアミド酸とエステル化剤を溶媒の存在下で、−20〜150℃(好ましくは0〜50℃)において、30分〜24時間(好ましくは1〜4時間)反応させる方法である。
上記エステル化剤としては、エステル化反応後に、容易に除去できるものが好ましく、N,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタール、N,N−ジメチルホルムアミドジエチルアセタール、N,N−ジメチルホルムアミドジプロピルアセタール、N,N−ジメチルホルムアミドジネオペンチルブチルアセタール、N,N−ジメチルホルムアミドジ−t−ブチルアセタール、1−メチル−3−p−トリルトリアゼン、1−エチル−3−p−トリルトリアゼン、1−プロピル−3−p−トリルトリアゼン、4−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムクロリド等が挙げられる。エステル化剤の使用量は、ポリアミド酸の繰り返し単位1モルに対して、2〜6モル当量が好ましい。なかでも、2〜4モル当量が好ましい。
上記エステル化反応に用いる溶媒としては、ポリアミド酸の溶媒への溶解性の点から、上記ジアミン成分とテトラカルボン酸成分との反応に用いる溶媒が挙げられる。なかでも、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン又はγ−ブチロラクトンが好ましい。これら溶媒は、1種又は2種以上組み合わせて用いることができる。上記エステル化反応における溶媒中のポリアミド酸の濃度は、ポリアミド酸の析出が起こりにくい点から、1〜30質量%が好ましい。なかでも、5〜20質量%が好ましい。
(2)ジアミン成分とテトラカルボン酸ジエステルジクロリドとの反応で製造する方法
この方法は、例えば、ジアミン成分とテトラカルボン酸ジエステルジクロリドとを、塩基と溶媒の存在下で、−20〜150℃(好ましくは0〜50℃)において、30分〜24時間(好ましくは1〜4時間)反応させる方法である。塩基は、ピリジン、トリエチルアミン、4−ジメチルアミノピリジン等を用いることができる。なかでも、反応が穏和に進行するため、ピリジンが好ましい。塩基の使用量は、反応後に、容易に除去できる量が好ましく、テトラカルボン酸ジエステルジクロリドに対して2〜4倍モルが好ましく、2〜3倍モルがより好ましい。
この方法は、例えば、ジアミン成分とテトラカルボン酸ジエステルジクロリドとを、塩基と溶媒の存在下で、−20〜150℃(好ましくは0〜50℃)において、30分〜24時間(好ましくは1〜4時間)反応させる方法である。塩基は、ピリジン、トリエチルアミン、4−ジメチルアミノピリジン等を用いることができる。なかでも、反応が穏和に進行するため、ピリジンが好ましい。塩基の使用量は、反応後に、容易に除去できる量が好ましく、テトラカルボン酸ジエステルジクロリドに対して2〜4倍モルが好ましく、2〜3倍モルがより好ましい。
溶媒には、得られる重合体、すなわちポリアミド酸アルキルエステルの溶媒への溶解性の点から、上記ジアミン成分とテトラカルボン酸成分との反応に用いる溶媒が挙げられる。なかでも、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン又はγ−ブチロラクトンが好ましい。これらの溶媒は、1種単独又は2種以上混合して用いてもよい。
反応における溶媒中のポリアミド酸アルキルエステルの濃度は、ポリアミド酸アルキルエステルの析出が起こりにくい点から、1〜30質量%が好ましい。なかでも、5〜20質量%が好ましい。また、テトラカルボン酸ジエステルジクロリドの加水分解を防ぐため、ポリアミド酸アルキルエステルの作製に用いる溶媒は、できるだけ脱水されていることが好ましい。更に、反応は窒素雰囲気中で行い、外気の混入を防ぐのが好ましい。
(3)ジアミン成分とテトラカルボン酸ジエステルとの反応で製造する方法
この方法は、例えば、ジアミン成分とテトラカルボン酸ジエステルとを、縮合剤、塩基及び溶媒の存在下で、0〜150℃(好ましくは0〜100℃)において、30分〜24時間(好ましくは3〜15時間)重縮合反応させる方法である。
この方法は、例えば、ジアミン成分とテトラカルボン酸ジエステルとを、縮合剤、塩基及び溶媒の存在下で、0〜150℃(好ましくは0〜100℃)において、30分〜24時間(好ましくは3〜15時間)重縮合反応させる方法である。
縮合剤には、トリフェニルホスファイト、ジシクロヘキシルカルボジイミド、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩、N,N’−カルボニルジイミダゾール、ジメトキシ−1,3,5−トリアジニルメチルモルホリニウム、O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボラート、O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスファート、(2,3−ジヒドロ−2−チオキソ−3−ベンゾオキサゾリル)ホスホン酸ジフェニル等を用いることができる。縮合剤の使用量は、テトラカルボン酸ジエステルに対して、2〜3倍モルが好ましく、特に、2〜2.5倍モルが好ましい。
塩基には、ピリジン、トリエチルアミン等の3級アミンを用いることができる。塩基の使用量は、重縮合反応後に、容易に除去できる量が好ましく、ジアミン成分に対して、2〜4倍モルが好ましく、2〜3倍モルがより好ましい。重縮合反応に用いる溶媒は、得られる重合体、すなわち、ポリアミド酸アルキルエステルの溶媒への溶解性の点から、上記ジアミン成分とテトラカルボン酸成分との反応に用いる溶媒が挙げられる。なかでも、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン又はγ−ブチロラクトンが好ましい。これら溶媒は、1種又は2種以上混合して用いてもよい。
また、重縮合反応においては、ルイス酸を添加剤として加えることで、反応が効率的に進行する。ルイス酸としては、塩化リチウム、臭化リチウム等のハロゲン化リチウムが好ましい。ルイス酸の使用量は、ジアミン成分に対して、0.1〜10倍モルが好ましい。なかでも、2.0〜3.0倍モルが好ましい。
上記(1)〜(3)の手法で得られたポリアミド酸アルキルエステルの溶液から、ポリアミド酸アルキルエステルを回収する場合には、反応溶液を溶媒に投入して沈殿させればよい。沈殿に用いる溶媒としては、水、メタノール、エタノール、2−プロパノール、ヘキサン、ブチルセロソルブ、アセトン、トルエン等が挙げられる。溶媒に投入して沈殿させた重合体は、上記で使用した添加剤、触媒類を除去することを目的に、上記溶媒で、複数回洗浄操作を行うことが好ましい。洗浄し、ろ過して回収した後、重合体は常圧或いは減圧下、又は常温或いは加熱して乾燥することができる。また、沈殿回収した重合体を、溶媒に再溶解させ、再沈殿回収する操作を2〜10回繰り返すことにより、重合体中の不純物を少なくすることができる。ポリアミド酸アルキルエステルは、上記(2)又は(3)の製造方法が好ましい。
<液晶配向剤>
本発明の液晶配向剤は、上記の特定重合体を含有するが、異なる構造の特定重合体を2種以上含有していてもよい。また、特定重合体に加えて、その他の重合体、すなわち式(1)で表される2価の基を有さない重合体(式(1)で表される特定ジアミンを含有しないで得られる重合体)を含有していてもよい。重合体の形式としては、ポリアミック酸、ポリイミド、ポリアミック酸エステル、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレア、ポリオルガノシロキサン、セルロース誘導体、ポリアセタール、ポリスチレン又はその誘導体、ポリ(スチレン−フェニルマレイミド)誘導体、ポリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。本発明の液晶配向剤がその他の重合体を含有する場合、全重合体成分に対する特定重合体の割合は5質量%以上が好ましく、例えば5〜95質量%が挙げられる。
本発明の液晶配向剤は、上記の特定重合体を含有するが、異なる構造の特定重合体を2種以上含有していてもよい。また、特定重合体に加えて、その他の重合体、すなわち式(1)で表される2価の基を有さない重合体(式(1)で表される特定ジアミンを含有しないで得られる重合体)を含有していてもよい。重合体の形式としては、ポリアミック酸、ポリイミド、ポリアミック酸エステル、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレア、ポリオルガノシロキサン、セルロース誘導体、ポリアセタール、ポリスチレン又はその誘導体、ポリ(スチレン−フェニルマレイミド)誘導体、ポリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。本発明の液晶配向剤がその他の重合体を含有する場合、全重合体成分に対する特定重合体の割合は5質量%以上が好ましく、例えば5〜95質量%が挙げられる。
液晶配向剤は、均一な薄膜を形成させるという点から、一般的には塗布液の形態をとる。本発明の液晶配向剤も、上記重合体成分と、この重合体成分を溶解させる有機溶媒とを含有する塗布液であることが好ましい。その際、液晶配向剤中の重合体の濃度は、形成させようとする塗膜の厚みの設定によって適宜変更できる。均一で欠陥のない塗膜を形成させるという点からは、1質量%以上が好ましく、溶液の保存安定性の点からは、10質量%以下が好ましい。特に好ましい重合体の濃度は、2〜8質量%である。
液晶配向剤に含有される有機溶媒は、重合体成分が均一に溶解するものであれば特に限定されない。具体例を挙げるならば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン、1,3−ジメチル−イミダゾリジノン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン等である。なかでも、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、又はγ−ブチロラクトンを用いることが好ましい。
また、本発明の液晶配向剤に含有される有機溶媒は、上記溶媒に加えて、液晶配向剤を塗布する際の塗布性や塗膜の表面平滑性を向上させる溶媒を用いることもできる。かかる有機溶媒の具体例を下記に挙げるが、これらにされない。
例えば、エタノール、イソプロピルアルコール、1−ブタノール、2−ブタノール、イソブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、2−メチル−1−ブタノール、イソペンチルアルコール、tert−ペンチルアルコール、3−メチル−2−ブタノール、ネオペンチルアルコール、1−ヘキサノール、2−メチル−1−ペンタノール、2−メチル−2−ペンタノール、2−エチル−1−ブタノール、1−ヘプタノール、2−ヘプタノール、3−ヘプタノール、1−オクタノール、2−オクタノール、2−エチル−1−ヘキサノール、シクロヘキサノール、1−メチルシクロヘキサノール、2−メチルシクロヘキサノール、3−メチルシクロヘキサノール、2,6−ジメチル−4−ヘプタノール、1,2−エタンジオール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、ジイソプロピルエーテル、ジプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジヘキシルエーテル、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、1,2−ブトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、2−ペンタノン、3−ペンタノン、2−ヘキサノン、2−ヘプタノン、4−ヘプタノン、2,6−ジメチル−4−ヘプタノン、4,6−ジメチル−2−ヘプタノン、3−エトキシブチルアセタート、1−メチルペンチルアセタート、2−エチルブチルアセタート、2−エチルヘキシルアセタート、エチレングリコールモノアセタート、エチレングリコールジアセタート、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、2−(メトキシメトキシ)エタノール、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノイソアミルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、2−(ヘキシルオキシ)エタノール、フルフリルアルコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノブチルエーテル、1−(ブトキシエトキシ)プロパノール、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセタート、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセタート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセタート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセタート、エチレングリコールモノアセタート、エチレングリコールジアセタート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセタート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセタート、2−(2−エトキシエトキシ)エチルアセタート、ジエチレングリコールアセタート、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、乳酸メチル、乳酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸プロピレングリコールモノエチルエーテル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチルエチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸、3−メトキシプロピオン酸、3−メトキシプロピオン酸プロピル、3−メトキシプロピオン酸ブチル、乳酸メチルエステル、乳酸エチルエステル、乳酸n−プロピルエステル、乳酸n−ブチルエステル、乳酸イソアミルエステル、上記式[D−1]〜[D−3]で表される溶媒等が挙げられる。
なかでも、有機溶媒は、1−ヘキサノール、シクロヘキサノール、1,2−エタンジオール、1,2−プロパンジオール、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン、エチレングリコールモノブチルエーテル又はジプロピレングリコールジメチルエーテルを用いることが好ましい。このような溶媒の種類及び含有量は、液晶配向剤の塗布装置、塗布条件、塗布環境等に応じて適宜選択される。
本発明の液晶配向剤は、重合体成分及び有機溶媒以外の成分を追加的に含有してもよい。このような追加成分としては、液晶配向膜と基板との密着性や、液晶配向膜とシール材との密着性を高めるための密着助剤、液晶配向膜の強度を高めるための架橋剤、液晶配向膜の誘電率や電気抵抗を調整するための誘電体や導電物質等が挙げられる。これら追加成分の具体例としては、国際公開第2015/060357号の53頁段落[0104]〜60頁段落[0116]に開示される貧溶媒や架橋性化合物が挙げられる。
本発明の液晶配向剤には、上記の他、本発明に記載の特定重合体以外の重合体、液晶配向膜の誘電率や導電性等の電気特性を変化させる目的の誘電体、液晶配向膜と基板との密着性を向上させる目的のシランカップリング剤、液晶配向膜にした際の膜の硬度や緻密度を高める目的の架橋性化合物、更には塗膜を焼成する際にポリイミド前駆体の加熱によるイミド化を効率よく進行させる目的のイミド化促進剤等を含有せしめてもよい。
液晶配向膜と基板との密着性を向上させる化合物としては、官能性シラン含有化合物やエポキシ基含有化合物が挙げられ、例えば、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、2−アミノプロピルトリメトキシシラン、2−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、N−エトキシカルボニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−エトキシカルボニル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−トリエトキシシリルプロピルトリエチレントリアミン、N−トリメトキシシリルプロピルトリエチレントリアミン、10−トリメトキシシリル−1,4,7−トリアザデカン、10−トリエトキシシリル−1,4,7−トリアザデカン、9−トリメトキシシリル−3,6−ジアザノニルアセテート、9−トリエトキシシリル−3,6−ジアザノニルアセテート、N−ベンジル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ベンジル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−ビス(オキシエチレン)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ビス(オキシエチレン)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、2,2−ジブロモネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,3,5,6−テトラグリシジル−2,4−ヘキサンジオール、N,N,N’,N’,−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン又はN,N,N’,N’,−テトラグリシジル−4、4’−ジアミノジフェニルメタン等が挙げられる。
また、本発明の液晶配向剤には、液晶配向膜の機械的強度を上げるために以下のような添加物を添加してもよい。
上記の添加剤は、液晶配向剤に含有される重合体成分の100質量部に対して0.1〜30質量部であることが好ましい。0.1質量部未満であると効果が期待できず、30質量部を超えると液晶の配向性を低下させるため、より好ましくは0.5〜20質量部である。
<液晶配向膜>
本発明の液晶配向膜は、上記液晶配向剤から得られる。本発明の液晶配向剤の使用により、基板に対して垂直に配向している液晶分子を電界によって応答させるVA方式、特にPSAモードに特に好適であり、電圧保持率に優れ、蓄積電荷の緩和が早く、残像特性に優れる液晶配向膜や液晶表示素子を提供できる。液晶配向膜を得る方法の一例を挙げるなら、本発明の液晶配向剤を、基板に塗布した後、必要に応じて乾燥し、焼成を行うことで得られる硬化膜を、そのまま液晶配向膜として用いることもできる。また、この硬化膜をラビングしたり、偏光又は特定の波長の光等を照射したり、イオンビーム等の処理をしたり、PSA用配向膜として液晶充填後の液晶表示素子に電圧を印加した状態でUVを照射することも可能である。特に、PSA用配向膜として使用することが有用である。
本発明の液晶配向膜は、上記液晶配向剤から得られる。本発明の液晶配向剤の使用により、基板に対して垂直に配向している液晶分子を電界によって応答させるVA方式、特にPSAモードに特に好適であり、電圧保持率に優れ、蓄積電荷の緩和が早く、残像特性に優れる液晶配向膜や液晶表示素子を提供できる。液晶配向膜を得る方法の一例を挙げるなら、本発明の液晶配向剤を、基板に塗布した後、必要に応じて乾燥し、焼成を行うことで得られる硬化膜を、そのまま液晶配向膜として用いることもできる。また、この硬化膜をラビングしたり、偏光又は特定の波長の光等を照射したり、イオンビーム等の処理をしたり、PSA用配向膜として液晶充填後の液晶表示素子に電圧を印加した状態でUVを照射することも可能である。特に、PSA用配向膜として使用することが有用である。
液晶配向剤を塗布する基板としては、透明性の高い基板であれば特に限定されず、ガラス基板、窒化珪素基板とともに、アクリル基板やポリカーボネート基板等のプラスチック基板等を用いることもできる。その際、液晶を駆動させるためのITO電極などが形成された基板を用いると、プロセスの簡素化の点から好ましい。また、反射型の液晶表示素子では、片側の基板のみにならば、シリコンウエハー等の不透明な物でも使用でき、この場合の電極にはアルミニウム等の光を反射する材料も使用できる。
液晶配向剤の塗布方法は、特に限定されないが、工業的には、スクリーン印刷、オフセット印刷、フレキソ印刷、インクジェット法等が一般的である。その他の塗布方法としては、ディップ法、ロールコータ法、スリットコータ法、スピンナー法、スプレー法等があり、目的に応じてこれらを用いてもよい。液晶配向剤を基板上に塗布した後は、ホットプレート、熱循環型オーブン、IR(赤外線)型オーブン等の加熱手段により、溶媒を蒸発させ、焼成する。液晶配向剤を塗布した後の乾燥、焼成工程は、任意の温度と時間を選択できる。乾燥の工程は、必ずしも必要とされないが、塗布後から焼成までの時間が基板ごとに一定していない場合、又は塗布後ただちに焼成されない場合には、乾燥工程を行うことが好ましい。この乾燥は、基板の搬送等により塗膜形状が変形しない程度に溶媒が除去されていればよく、その乾燥手段については特に限定されない。例えば、温度40℃〜150℃、好ましくは60℃〜100℃のホットプレート上で、0.5分〜30分、好ましくは1分〜5分乾燥させる方法が挙げられる。
液晶配向剤を塗布することにより形成された塗膜の焼成温度は限定されず、例えば100〜350℃、好ましくは120〜300℃であり、さらに好ましくは150℃〜250℃である。焼成時間は5分〜240分、好ましくは10分〜90分であり、より好ましくは20分〜90分である。加熱は、通常公知の方法、例えば、ホットプレート、熱風循環炉、赤外線炉などで行うことができる。
焼成後の液晶配向膜の厚みは、薄すぎると液晶表示素子の信頼性が低下する場合があるので、5〜300nmが好ましく、10〜200nmがより好ましい。本発明の液晶配向膜は、VA方式、特にPSAモードの液晶表示素子の液晶配向膜として有用である。
<液晶表示素子及びその製造方法>
液晶表示素子は、上記の方法により、基板に液晶配向膜を形成した後、公知の方法で液晶セルを作製できる。液晶表示素子の具体例としては、対向するように配置された2枚の基板と、基板間に設けられた液晶層と、基板と液晶層との間に設けられ液晶配向剤により形成された上記液晶配向膜とを有する液晶セルを具備する垂直配向方式の液晶表示素子である。具体的には、液晶配向剤を2枚の基板上に塗布して焼成することにより液晶配向膜を形成し、この液晶配向膜が対向するように2枚の基板を配置し、この2枚の基板の間に液晶で構成された液晶層を挟持し、すなわち、液晶配向膜に接触させて液晶層を設け、液晶配向膜及び液晶層に電圧を印加しながら紫外線を照射することで作製される液晶セルを具備する垂直配向方式の液晶表示素子である。
液晶表示素子は、上記の方法により、基板に液晶配向膜を形成した後、公知の方法で液晶セルを作製できる。液晶表示素子の具体例としては、対向するように配置された2枚の基板と、基板間に設けられた液晶層と、基板と液晶層との間に設けられ液晶配向剤により形成された上記液晶配向膜とを有する液晶セルを具備する垂直配向方式の液晶表示素子である。具体的には、液晶配向剤を2枚の基板上に塗布して焼成することにより液晶配向膜を形成し、この液晶配向膜が対向するように2枚の基板を配置し、この2枚の基板の間に液晶で構成された液晶層を挟持し、すなわち、液晶配向膜に接触させて液晶層を設け、液晶配向膜及び液晶層に電圧を印加しながら紫外線を照射することで作製される液晶セルを具備する垂直配向方式の液晶表示素子である。
液晶表示素子の基板としては、透明性の高い基板であれば特に限定されないが、通常は、基板上に液晶を駆動するための透明電極が形成された基板である。具体例としては、上記液晶配向膜で記載した基板と同様のものを挙げることができる。従来の電極パターンや突起パターンが設けられた基板を用いてもよいが、液晶表示素子においては、本発明のポリイミド系重合体を含有する液晶配向剤を用いているため、片側基板に例えば1μmから10μmのライン/スリット電極パターンを形成し、対向基板にはスリットパターンや突起パターンを形成していない構造においても動作可能であり、この構造の液晶表示素子によって、製造時のプロセスを簡略化でき、高い透過率を得ることができる。
また、TFT型の素子のような高機能素子においては、液晶駆動のための電極と基板の間にトランジスタの如き素子が形成されたものが用いられる。
透過型の液晶表示素子の場合は、上記の如き基板を用いることが一般的であるが、反射型の液晶表示素子では、片側の基板のみにならばシリコンウエハー等の不透明な基板も用いることが可能である。その際、基板に形成された電極には、光を反射するアルミニウムの如き材料を用いることもできる。
液晶表示素子の液晶層を構成する液晶材料は特に限定されず、従来の垂直配向方式で使用される液晶材料、例えば、メルク社製のMLC−6608やMLC−6609、MLC−3023などのネガ型の液晶を用いることができる。また、PSAモードでは、例えば下記式で表されるような重合性化合物含有の液晶を使用することができる。
液晶層を2枚の基板の間に挟持させる方法としては、公知の方法を挙げることができる。例えば、液晶配向膜が形成された1対の基板を用意し、一方の基板の液晶配向膜上にビーズ等のスペーサーを散布し、液晶配向膜が形成された側の面が内側になるようにしてもう一方の基板を貼り合わせ、液晶を減圧注入して封止する方法が挙げられる。また、液晶配向膜が形成された1対の基板を用意し、一方の基板の液晶配向膜上にビーズ等のスペーサーを散布した後に液晶を滴下し、その後液晶配向膜が形成された側の面が内側になるようにしてもう一方の基板を貼り合わせて封止を行う方法でも液晶セルを作製できる。上記スペーサーの厚みは、好ましくは1〜30μm、より好ましくは2〜10μmである。
液晶配向膜及び液晶層に電圧を印加しながら紫外線を照射することにより液晶セルを作製する工程は、例えば基板上に設置されている電極間に電圧をかけることで液晶配向膜及び液晶層に電界を印加し、この電界を保持したまま紫外線を照射する方法が挙げられる。ここで、電極間にかける電圧としては、例えば5〜30Vp−p、好ましくは5〜20Vp−pである。紫外線の照射量は、例えば、1〜60J、好ましくは40J以下であり、紫外線照射量が少ないほうが、液晶表示素子を構成する部材の破壊により生じる信頼性低下を抑制でき、かつ紫外線照射時間を減らせることで製造効率が上がるので好適である。
上記のように、液晶配向膜及び液晶層に電圧を印加しながら紫外線を照射すると、重合性化合物が反応して重合体を形成し、この重合体により液晶分子が傾く方向が記憶されることで、得られる液晶表示素子の応答速度を速くすることができる。また、液晶配向膜及び液晶層に電圧を印加しながら紫外線を照射すると、液晶を垂直に配向させる側鎖と、光反応性の側鎖とを有するポリイミド前駆体、及び、このポリイミド前駆体をイミド化して得られるポリイミドから選択される少なくとも一種の重合体が有する光反応性の側鎖同士や、重合体が有する光反応性の側鎖と重合性化合物が反応するため、得られる液晶表示素子の応答速度を速くすることができる。
次に、偏光板の設置を行う。具体的には、2枚の基板の液晶層とは反対側の面に一対の偏光板を貼り付けることが好ましい。
なお、本発明の液晶配向膜及び液晶表示素子は、本発明の液晶配向剤を用いている限り上記の構成や製造方法に限定されるものではなく、その他の公知の手法で作製されたものであってもよい。液晶配向剤から液晶表示素子を得るまでの工程は、例えば、特開2015-135393号の17頁の段落[0074]〜19頁の段落[0082]等に開示されている。
重合体光反応性の側鎖を有する場合には、重合性化合物を重合させると共に、光反応性側鎖同士や、重合体が有する光反応性側鎖と重合性化合物を反応させることにより、より効率的に液晶の配向が固定化され、応答速度に優れた液晶表示素子となる。
以下に実施例を挙げ、本発明を更に詳しく説明するが、本発明は、これらに限定して解釈されるものではない。使用した化合物は、以下の通りである。
(液晶)MLC-3023(メルク社製、ネガ型重合性化合物含有液晶)
(特定ジアミン)
下記式[A1]〜[A6]で表される化合物
A1:式[A1]で表される化合物
A2:式[A2]で表される化合物
A3:式[A3]で表される化合物
A4:式[A4]で表される化合物
A5:式[A5]で表される化合物
A6:式[A6]で表される化合物
A7:式[A7]で表される化合物
下記式[A1]〜[A6]で表される化合物
A1:式[A1]で表される化合物
A2:式[A2]で表される化合物
A3:式[A3]で表される化合物
A4:式[A4]で表される化合物
A5:式[A5]で表される化合物
A6:式[A6]で表される化合物
A7:式[A7]で表される化合物
(その他のジアミン)
下記式[C1]〜[C5]で表される化合物
C1:式[C1]で表される化合物
C2:式[C2]で表される化合物
C3:式[C3]で表される化合物
C4:式[C4]で表される化合物
C5:式[C5]で表される化合物
下記式[C1]〜[C5]で表される化合物
C1:式[C1]で表される化合物
C2:式[C2]で表される化合物
C3:式[C3]で表される化合物
C4:式[C4]で表される化合物
C5:式[C5]で表される化合物
(テトラカルボン酸成分)
下記式[D1]〜[D3]で表される化合物
D1:1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物
D2:ビシクロ[3,3,0]オクタン−2,4,6,8−テトラカルボン酸二無水物
D3:3,3‘,4,4’-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物
D4:式[D4]で表される化合物
下記式[D1]〜[D3]で表される化合物
D1:1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物
D2:ビシクロ[3,3,0]オクタン−2,4,6,8−テトラカルボン酸二無水物
D3:3,3‘,4,4’-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物
D4:式[D4]で表される化合物
(溶媒)
NMP:N−メチル−2−ピロリドン
BCS:エチレングリコールモノブチルエーテル
γBL:γ−ブチロラクトン
NMP:N−メチル−2−ピロリドン
BCS:エチレングリコールモノブチルエーテル
γBL:γ−ブチロラクトン
<A2、A4及びA5の合成>
A2、A4及びA5は文献等未公開の新規化合物であり、以下に合成方法を詳述する。
A2、A4及びA5は文献等未公開の新規化合物であり、以下に合成方法を詳述する。
下記[合成例A−1]〜[合成例A−3]に記載の生成物は、1H−NMR分析により同定した(分析条件は下記の通り)。
装置:Varian NMR System 400 NB (400 MHz)
測定溶媒:CDCl3、DMSO−d6
基準物質:テトラメチルシラン(TMS)(δ0.0 ppm for 1H)
装置:Varian NMR System 400 NB (400 MHz)
測定溶媒:CDCl3、DMSO−d6
基準物質:テトラメチルシラン(TMS)(δ0.0 ppm for 1H)
[合成例A−1]:A4の合成
<反応式中の化合物[1]の合成>
塩化亜鉛(295.6g)を100℃にて1時間真空乾燥することで水分を除去した後、トルエン(742.0g)、ジエチルアミン(111.4g)、tert−ブチルアルコール(120.2g)、3′−ニトロアセトフェノン(251.8g)を加えて内温を42℃とした。続いて、テトラヒドロフラン(494.6g)に溶解させた2−ブロモ−3′−ニトロアセトフェノン (247.3g、1.01mol)を90分かけて滴下し、内温45℃にて16時間反応させた。反応終了後、硫酸(49.7g)と純水(939.7g)を反応液に注ぎ込み結晶を析出させ、ろ過、テトラヒドロフラン(247.3g)と純水(247.3g)の混合溶媒でろ物を3回洗浄し、乾燥することで化合物[1]を275.7g得た(収率:83%、性状:薄黄色結晶)。
塩化亜鉛(295.6g)を100℃にて1時間真空乾燥することで水分を除去した後、トルエン(742.0g)、ジエチルアミン(111.4g)、tert−ブチルアルコール(120.2g)、3′−ニトロアセトフェノン(251.8g)を加えて内温を42℃とした。続いて、テトラヒドロフラン(494.6g)に溶解させた2−ブロモ−3′−ニトロアセトフェノン (247.3g、1.01mol)を90分かけて滴下し、内温45℃にて16時間反応させた。反応終了後、硫酸(49.7g)と純水(939.7g)を反応液に注ぎ込み結晶を析出させ、ろ過、テトラヒドロフラン(247.3g)と純水(247.3g)の混合溶媒でろ物を3回洗浄し、乾燥することで化合物[1]を275.7g得た(収率:83%、性状:薄黄色結晶)。
<反応式中の化合物[2]の合成>
テトラヒドロフラン(110.7g)及びエタノール(84.6g)中、化合物[1](27.6g、84.1mmol)とメチルアミン(約7%テトラヒドロフラン溶液、 約2mol/L、100mL)を仕込み、窒素雰囲気氷冷条件下で酢酸(25.5g)を加えた。酢酸添加後、窒素雰囲気還流条件として24時間反応させた。反応終了後、純水(276.0g)を加えて結晶を析出させ、ろ過、メタノール(55.2g)でろ物を3回洗浄し、乾燥する事で化合物[2]を26.0g得た(収率:96%、性状:薄橙色結晶)。
テトラヒドロフラン(110.7g)及びエタノール(84.6g)中、化合物[1](27.6g、84.1mmol)とメチルアミン(約7%テトラヒドロフラン溶液、 約2mol/L、100mL)を仕込み、窒素雰囲気氷冷条件下で酢酸(25.5g)を加えた。酢酸添加後、窒素雰囲気還流条件として24時間反応させた。反応終了後、純水(276.0g)を加えて結晶を析出させ、ろ過、メタノール(55.2g)でろ物を3回洗浄し、乾燥する事で化合物[2]を26.0g得た(収率:96%、性状:薄橙色結晶)。
<A4の合成>
テトラヒドロフラン(216.2g)中、化合物[2](26.0g、80.5mmol)と5%パラジウムカーボン(2.1g)を仕込み、水素雰囲気40℃条件下で約3日間反応させた。反応終了後、ろ過、減圧濃縮する事で内部総重量を42.3gとした。続いて、メタノール(104.0g)を加えて結晶を析出させ、ろ過、乾燥する事でA4を17.4g得た(収率:82%、性状:白色結晶)。
1H−NMR(400MHz) in DMSO−d6: 3.53ppm(s,3H), 5.13ppm(s,4H),6.12ppm(s,2H), 6.50−6.53ppm(m,2H), 6.60−6.62ppm(m,2H), 6.67ppm(t,J=1.8Hz,2H), 7.07ppm(t,J=7.8Hz,2H)
テトラヒドロフラン(216.2g)中、化合物[2](26.0g、80.5mmol)と5%パラジウムカーボン(2.1g)を仕込み、水素雰囲気40℃条件下で約3日間反応させた。反応終了後、ろ過、減圧濃縮する事で内部総重量を42.3gとした。続いて、メタノール(104.0g)を加えて結晶を析出させ、ろ過、乾燥する事でA4を17.4g得た(収率:82%、性状:白色結晶)。
1H−NMR(400MHz) in DMSO−d6: 3.53ppm(s,3H), 5.13ppm(s,4H),6.12ppm(s,2H), 6.50−6.53ppm(m,2H), 6.60−6.62ppm(m,2H), 6.67ppm(t,J=1.8Hz,2H), 7.07ppm(t,J=7.8Hz,2H)
[合成例A−2]:A5の合成
<反応式中の化合物[3]の合成>
テトラヒドロフラン(1702g)中、化合物[1](243.2g、741mmol)と酢酸アンモニウム(286.0g)を仕込み、窒素雰囲気還流条件下にて22時間反応させた。反応終了後、純水(1702g)を加えて結晶を析出され、ろ過、テトラヒドロフラン(243g)と純水(243g)混合溶液でろ物で2回、続いてメタノール(365g)で2回洗浄し、乾燥することで化合物[3]を194.5g得た(収率:85%、性状:橙色結晶)。
テトラヒドロフラン(1702g)中、化合物[1](243.2g、741mmol)と酢酸アンモニウム(286.0g)を仕込み、窒素雰囲気還流条件下にて22時間反応させた。反応終了後、純水(1702g)を加えて結晶を析出され、ろ過、テトラヒドロフラン(243g)と純水(243g)混合溶液でろ物で2回、続いてメタノール(365g)で2回洗浄し、乾燥することで化合物[3]を194.5g得た(収率:85%、性状:橙色結晶)。
<反応式中の化合物[4]の合成>
テトラヒドロフラン(159.3g)中、化合物[3](22.7g、73.3mmol)と4−ジメチルアミノピリジン(0.44g)を仕込み、窒素雰囲気室温件下でテトラヒドロフラン(11.3g)に溶解させた二炭酸ジ−tert−ブチル(18.4g)滴下し、同温で5時間反応させた。反応終了後、メタノール(90.8g)を加えて氷冷条件下で撹拌し、ろ過、メタノール洗浄する事で化合物[4]を28.6g得た(収率:95%、性状:薄黄色結晶)。
テトラヒドロフラン(159.3g)中、化合物[3](22.7g、73.3mmol)と4−ジメチルアミノピリジン(0.44g)を仕込み、窒素雰囲気室温件下でテトラヒドロフラン(11.3g)に溶解させた二炭酸ジ−tert−ブチル(18.4g)滴下し、同温で5時間反応させた。反応終了後、メタノール(90.8g)を加えて氷冷条件下で撹拌し、ろ過、メタノール洗浄する事で化合物[4]を28.6g得た(収率:95%、性状:薄黄色結晶)。
<A5の合成>
テトラヒドロフラン(257.4g)中、化合物[4](28.6g、69.9mmol)と5%パラジウムカーボン(2.20g)を仕込み、水素雰囲気40℃条件下で約3日間反応させた。反応終了後、ろ過、減圧濃縮する事で内部総重量を41.6gとした。続いて、2−プロパノール(114.4g)を加えて結晶を析出させ、ろ過、乾燥する事でA5を12.8g得た(収率:52%、性状:白色結晶)。
1H−NMR(400MHz) in DMSO−d6: 1.23ppm(s,9H), 5.12ppm(s,4H), 6.14ppm(s,2H),6.44−6.46ppm(m,2H), 6.51−6.53ppm(m,4H), 6.99−7.03ppm(m,2H).
テトラヒドロフラン(257.4g)中、化合物[4](28.6g、69.9mmol)と5%パラジウムカーボン(2.20g)を仕込み、水素雰囲気40℃条件下で約3日間反応させた。反応終了後、ろ過、減圧濃縮する事で内部総重量を41.6gとした。続いて、2−プロパノール(114.4g)を加えて結晶を析出させ、ろ過、乾燥する事でA5を12.8g得た(収率:52%、性状:白色結晶)。
1H−NMR(400MHz) in DMSO−d6: 1.23ppm(s,9H), 5.12ppm(s,4H), 6.14ppm(s,2H),6.44−6.46ppm(m,2H), 6.51−6.53ppm(m,4H), 6.99−7.03ppm(m,2H).
[合成例A−3]:A2の合成
<反応式中の化合物[5]の合成>
原料である3′−ニトロアセトフェノンを4′−ニトロアセトフェノンに、2−ブロモ−3′−ニトロアセトフェノンを2−ブロモ−4′−ニトロアセトフェノンに変更した以外は、化合物[1]の合成と同様の方法で合成した。
原料である3′−ニトロアセトフェノンを4′−ニトロアセトフェノンに、2−ブロモ−3′−ニトロアセトフェノンを2−ブロモ−4′−ニトロアセトフェノンに変更した以外は、化合物[1]の合成と同様の方法で合成した。
<反応式中の化合物[6]の合成>
化合物[1]を化合物[5]に変更した以外は、化合物[3]の合成と同様の方法で合成した。
化合物[1]を化合物[5]に変更した以外は、化合物[3]の合成と同様の方法で合成した。
<化合物[7]の合成>
化合物[3]を化合物[6]に変更した以外は、化合物[4]の合成と同様の方法で合成した。
化合物[3]を化合物[6]に変更した以外は、化合物[4]の合成と同様の方法で合成した。
<A2の合成>
化合物[4]を化合物[7]に変更した以外は、A5の合成と同様の方法で合成した。
1H−NMR(400MHz) in CDCl3: 1.21ppm(s,9H), 3.69ppm(s,4H), 6.12ppm(s,2H),6.67−6.69ppm(m,4H), 7.17−7.26ppm(m,4H).
化合物[4]を化合物[7]に変更した以外は、A5の合成と同様の方法で合成した。
1H−NMR(400MHz) in CDCl3: 1.21ppm(s,9H), 3.69ppm(s,4H), 6.12ppm(s,2H),6.67−6.69ppm(m,4H), 7.17−7.26ppm(m,4H).
(ポリイミドのイミド化率の測定)
ポリイミド粉末20mgを、NMR(核磁気共鳴)サンプル管(NMRサンプリングチューブスタンダード,φ5(草野科学社製))に入れ、重水素化ジメチルスルホキシド(DMSO−d6,0.05質量%TMS(テトラメチルシラン)混合品)(0.53ml)を添加し、超音波をかけて完全に溶解させた。この溶液をNMR測定機(JNW−ECA500)(日本電子データム社製)にて、500MHzのプロトンNMRを測定した。イミド化率は、イミド化前後で変化しない構造に由来するプロトンを基準プロトンとして決め、このプロトンのピーク積算値と、9.5〜10.0ppm付近に現れるアミド酸のNH基に由来するプロトンピーク積算値とを用い、以下の計算式によって求めた。
イミド化率(%)=(1−α・x/y)×100
ポリイミド粉末20mgを、NMR(核磁気共鳴)サンプル管(NMRサンプリングチューブスタンダード,φ5(草野科学社製))に入れ、重水素化ジメチルスルホキシド(DMSO−d6,0.05質量%TMS(テトラメチルシラン)混合品)(0.53ml)を添加し、超音波をかけて完全に溶解させた。この溶液をNMR測定機(JNW−ECA500)(日本電子データム社製)にて、500MHzのプロトンNMRを測定した。イミド化率は、イミド化前後で変化しない構造に由来するプロトンを基準プロトンとして決め、このプロトンのピーク積算値と、9.5〜10.0ppm付近に現れるアミド酸のNH基に由来するプロトンピーク積算値とを用い、以下の計算式によって求めた。
イミド化率(%)=(1−α・x/y)×100
上記計算式において、xはアミド酸のNH基由来のプロトンピーク積算値、yは基準プロトンのピーク積算値、αはポリアミド酸(イミド化率が0%)の場合におけるアミド酸のNH基プロトン1個に対する基準プロトンの個数割合を表す。
(粘度測定)
合成例又は比較合成例において、ポリイミド系重合体の粘度は、E型粘度計TVE−22H(東機産業株式会社製)を用い、サンプル量1.1mL、コーンロータTE−1(1°34’、R24)、温度25℃で測定した。
合成例又は比較合成例において、ポリイミド系重合体の粘度は、E型粘度計TVE−22H(東機産業株式会社製)を用い、サンプル量1.1mL、コーンロータTE−1(1°34’、R24)、温度25℃で測定した。
<ポリイミド系重合体の合成>
[合成例1]
D2(2.50g,10.0mmol)、A1(3.49g,14.0mmol)、B1(2.28g,6.00mmol)をNMP(31.9g)及びγBL(8.0g)中で混合し、50℃で3時間反応させた後、D1(1.70g,8.66mmol)を加え、40℃で3時間反応させ、樹脂固形分濃度20質量%のポリアミド酸溶液を得た。このポリアミド酸溶液の粘度を測定したところ、759mPa・sであった。
[合成例1]
D2(2.50g,10.0mmol)、A1(3.49g,14.0mmol)、B1(2.28g,6.00mmol)をNMP(31.9g)及びγBL(8.0g)中で混合し、50℃で3時間反応させた後、D1(1.70g,8.66mmol)を加え、40℃で3時間反応させ、樹脂固形分濃度20質量%のポリアミド酸溶液を得た。このポリアミド酸溶液の粘度を測定したところ、759mPa・sであった。
得られたポリアミド酸溶液(20.0g)にNMPを加え、6.5質量%に希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(3.99g)及びピリジン(1.24g)を加え、50℃で3時間反応させた。この反応溶液をメタノール(234ml)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、60℃で減圧乾燥しポリイミド粉末(1)を得た。このポリイミドのイミド化率は54.1%であった。
[合成例2]
D2(2.50g,10.0mmol)、A1(3.99g,16.0mmol)、B2(1.74g,4.00mmol)をNMP(31.8g)及びγBL(7.9g)中で混合し、50℃で3時間反応させた後、D1(1.69g,8.60mmol)を加え、40℃で3時間反応させ、樹脂固形分濃度20質量%のポリアミド酸溶液を得た。このポリアミド酸溶液の粘度を測定したところ、1122mPa・sであった。
D2(2.50g,10.0mmol)、A1(3.99g,16.0mmol)、B2(1.74g,4.00mmol)をNMP(31.8g)及びγBL(7.9g)中で混合し、50℃で3時間反応させた後、D1(1.69g,8.60mmol)を加え、40℃で3時間反応させ、樹脂固形分濃度20質量%のポリアミド酸溶液を得た。このポリアミド酸溶液の粘度を測定したところ、1122mPa・sであった。
得られたポリアミド酸溶液(20.0g)にNMPを加え、6.5質量%に希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(4.01g)及びピリジン(1.24g)を加え、50℃で3時間反応させた。この反応溶液をメタノール(234ml)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、60℃で減圧乾燥しポリイミド粉末(2)を得た。このポリイミドのイミド化率は54.6%であった。
[合成例3]
D2(2.50g,10.0mmol)、A2(4.89g,14.0mmol)、B1(2.28g,6.00mmol)をNMP(45.8g)中で混合し、50℃で3時間反応させた後、D1(1.76g,8.98mmol)を加え、40℃で3時間反応させ、樹脂固形分濃度20質量%のポリアミド酸溶液を得た。このポリアミド酸溶液の粘度を測定したところ、728mPa・sであった。
D2(2.50g,10.0mmol)、A2(4.89g,14.0mmol)、B1(2.28g,6.00mmol)をNMP(45.8g)中で混合し、50℃で3時間反応させた後、D1(1.76g,8.98mmol)を加え、40℃で3時間反応させ、樹脂固形分濃度20質量%のポリアミド酸溶液を得た。このポリアミド酸溶液の粘度を測定したところ、728mPa・sであった。
得られたポリアミド酸溶液(20.0g)にNMPを加え、6.5質量%に希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(3.51g)及びピリジン(1.09g)を加え、50℃で3時間反応させた。この反応溶液をメタノール(232ml)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、60℃で減圧乾燥しポリイミド粉末(3)を得た。このポリイミドのイミド化率は46.9%であった。
[合成例4]
D2(2.50g,10.0mmol)、A3(3.49g,14.0mmol)、B1(2.28g,6.00mmol)をNMP(40.2g)中で混合し、50℃で3時間反応させた後、D1(1.76g,9.00mmol)を加え、40℃で3時間反応させ、樹脂固形分濃度20質量%のポリアミド酸溶液を得た。このポリアミド酸溶液の粘度を測定したところ、758mPa・sであった。
D2(2.50g,10.0mmol)、A3(3.49g,14.0mmol)、B1(2.28g,6.00mmol)をNMP(40.2g)中で混合し、50℃で3時間反応させた後、D1(1.76g,9.00mmol)を加え、40℃で3時間反応させ、樹脂固形分濃度20質量%のポリアミド酸溶液を得た。このポリアミド酸溶液の粘度を測定したところ、758mPa・sであった。
得られたポリアミド酸溶液(20.0g)にNMPを加え、6.5質量%に希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(3.99g)及びピリジン(1.24g)を加え、50℃で3時間反応させた。この反応溶液をメタノール(234ml)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、60℃で減圧乾燥しポリイミド粉末(4)を得た。このポリイミドのイミド化率は46.1%であった。
[合成例5]
D2(2.50g,10.0mmol)、A4(3.69g,14.0mmol)、B1(2.28g,6.00mmol)をNMP(41.7g)中で混合し、50℃で3時間反応させた後、D1(1.95g,9.94mmol)を加え、40℃で3時間反応させ、樹脂固形分濃度20質量%のポリアミド酸溶液を得た。このポリアミド酸溶液の粘度を測定したところ、805mPa・sであった。
D2(2.50g,10.0mmol)、A4(3.69g,14.0mmol)、B1(2.28g,6.00mmol)をNMP(41.7g)中で混合し、50℃で3時間反応させた後、D1(1.95g,9.94mmol)を加え、40℃で3時間反応させ、樹脂固形分濃度20質量%のポリアミド酸溶液を得た。このポリアミド酸溶液の粘度を測定したところ、805mPa・sであった。
得られたポリアミド酸溶液(20.0g)にNMPを加え、6.5質量%に希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(3.91g)及びピリジン(1.21g)を加え、50℃で3時間反応させた。この反応溶液をメタノール(233ml)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、60℃で減圧乾燥しポリイミド粉末(5)を得た。このポリイミドのイミド化率は56.4%であった。
[合成例6]
D2(2.50g,10.0mmol)、A5(4.89g,14.0mmol)、B1(2.28g,6.00mmol)をNMP(46.5g)中で混合し、50℃で3時間反応させた後、D1(1.95g,9.94mmol)を加え、40℃で3時間反応させ、樹脂固形分濃度20質量%のポリアミド酸溶液を得た。このポリアミド酸溶液の粘度を測定したところ、461mPa・sであった。
D2(2.50g,10.0mmol)、A5(4.89g,14.0mmol)、B1(2.28g,6.00mmol)をNMP(46.5g)中で混合し、50℃で3時間反応させた後、D1(1.95g,9.94mmol)を加え、40℃で3時間反応させ、樹脂固形分濃度20質量%のポリアミド酸溶液を得た。このポリアミド酸溶液の粘度を測定したところ、461mPa・sであった。
得られたポリアミド酸溶液(20.0g)にNMPを加え、6.5質量%に希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(3.51g)及びピリジン(1.09g)を加え、50℃で3時間反応させた。この反応溶液をメタノール(232ml)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、60℃で減圧乾燥しポリイミド粉末(6)を得た。このポリイミドのイミド化率は53.6%であった。
[合成例7]
D2(2.50g,10.0mmol)、A1(2.49g,10.0mmol)、B2(3.48g,8.00mmol)、C1(0.66g,2.00mmol)をNMP(43.6g)中で混合し、50℃で3時間反応させた後、D1(1.78g,9.06mmol)を加え、40℃で3時間反応させ、樹脂固形分濃度20質量%のポリアミド酸溶液を得た。このポリアミド酸溶液の粘度を測定したところ、693mPa・sであった。
D2(2.50g,10.0mmol)、A1(2.49g,10.0mmol)、B2(3.48g,8.00mmol)、C1(0.66g,2.00mmol)をNMP(43.6g)中で混合し、50℃で3時間反応させた後、D1(1.78g,9.06mmol)を加え、40℃で3時間反応させ、樹脂固形分濃度20質量%のポリアミド酸溶液を得た。このポリアミド酸溶液の粘度を測定したところ、693mPa・sであった。
得られたポリアミド酸溶液(20.0g)にNMPを加え、6.5質量%に希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(3.68g)及びピリジン(1.14g)を加え、50℃で3時間反応させた。この反応溶液をメタノール(232ml)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、60℃で減圧乾燥しポリイミド粉末(7)を得た。このポリイミドのイミド化率は55.9%であった。
[合成例8]
D2(2.50g,10.0mmol)、A6(3.79g,8.00mmol)、B1(2.28g,6.00mmol)、C2(0.91g,6.00mmol)をNMP(45.1g)中で混合し、50℃で3時間反応させた後、D1(1.79g,9.12mmol)を加え、40℃で3時間反応させ、樹脂固形分濃度20質量%のポリアミド酸溶液を得た。このポリアミド酸溶液の粘度を測定したところ、740mPa・sであった。
D2(2.50g,10.0mmol)、A6(3.79g,8.00mmol)、B1(2.28g,6.00mmol)、C2(0.91g,6.00mmol)をNMP(45.1g)中で混合し、50℃で3時間反応させた後、D1(1.79g,9.12mmol)を加え、40℃で3時間反応させ、樹脂固形分濃度20質量%のポリアミド酸溶液を得た。このポリアミド酸溶液の粘度を測定したところ、740mPa・sであった。
得られたポリアミド酸溶液(20.0g)にNMPを加え、6.5質量%に希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(3.57g)及びピリジン(1.11g)を加え、50℃で3時間反応させた。この反応溶液をメタノール(232ml)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、60℃で減圧乾燥しポリイミド粉末(8)を得た。このポリイミドのイミド化率は50.5%であった。
[合成例9]
D2(2.50g,10.0mmol)、A3(1.75g,7.00mmol)、B3(3.79g,5.00mmol)、C1(0.66g,2.00mmol)、C4(2.05g,6.00mmol)をNMP(50.3g)中で混合し、50℃で3時間反応させた後、D1(1.82g,9.4mmol)を加え、40℃で3時間反応させ、樹脂固形分濃度20質量%のポリアミド酸溶液を得た。このポリアミド酸溶液の粘度を測定したところ、755mPa・sであった。
D2(2.50g,10.0mmol)、A3(1.75g,7.00mmol)、B3(3.79g,5.00mmol)、C1(0.66g,2.00mmol)、C4(2.05g,6.00mmol)をNMP(50.3g)中で混合し、50℃で3時間反応させた後、D1(1.82g,9.4mmol)を加え、40℃で3時間反応させ、樹脂固形分濃度20質量%のポリアミド酸溶液を得た。このポリアミド酸溶液の粘度を測定したところ、755mPa・sであった。
得られたポリアミド酸溶液(20.0g)にNMPを加え、6.5質量%に希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(3.21g)及びピリジン(1.00g)を加え、80℃で3時間反応させた。この反応溶液をメタノール(230ml)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、60℃で減圧乾燥しポリイミド粉末(9)を得た。このポリイミドのイミド化率は71.0%であった。
[合成例10]
D2(2.50g,10.0mmol)、A1(1.99g,8.00mmol)、B3(1.51g,2.00mmol)、C4(3.41g,10.0mmol)をNMP(35.8g)及びγBL(9.0g)中で混合し、50℃で3時間反応させた後、D1(1.76g,9.00mmol)を加え、40℃で3時間反応させ、樹脂固形分濃度20質量%のポリアミド酸溶液(10A)を得た。このポリアミド酸溶液の粘度を測定したところ、797mPa・sであった。
D2(2.50g,10.0mmol)、A1(1.99g,8.00mmol)、B3(1.51g,2.00mmol)、C4(3.41g,10.0mmol)をNMP(35.8g)及びγBL(9.0g)中で混合し、50℃で3時間反応させた後、D1(1.76g,9.00mmol)を加え、40℃で3時間反応させ、樹脂固形分濃度20質量%のポリアミド酸溶液(10A)を得た。このポリアミド酸溶液の粘度を測定したところ、797mPa・sであった。
また、得られたポリアミド酸溶液(20.0g)にNMPを加え、6.5質量%に希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(3.59g)及びピリジン(1.11g)を加え、80℃で3時間反応させた。この反応溶液をメタノール(232ml)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、60℃で減圧乾燥しポリイミド粉末(10)を得た。このポリイミドのイミド化率は75.2%であった。
[合成例11]
D1(2.47g,12.6mmol)、A1(1.00g,4.00mmol)、B3(1.51g,2.00mmol)、C5(2.78g,14.0mmol)をNMP(31.0g)及びγBL(7.7g)中で混合し、室温で1時間反応させた後、D3(1.92g,6.00mmol)を加え、室温で5時間反応させ、樹脂固形分濃度20質量%のポリアミド酸溶液を得た。このポリアミド酸溶液の粘度を測定したところ、1129mPa・sであった。
D1(2.47g,12.6mmol)、A1(1.00g,4.00mmol)、B3(1.51g,2.00mmol)、C5(2.78g,14.0mmol)をNMP(31.0g)及びγBL(7.7g)中で混合し、室温で1時間反応させた後、D3(1.92g,6.00mmol)を加え、室温で5時間反応させ、樹脂固形分濃度20質量%のポリアミド酸溶液を得た。このポリアミド酸溶液の粘度を測定したところ、1129mPa・sであった。
[合成例12]
D2(2.50g,10.0mmol)、A7(3.49g,14.0mmol)、B1(2.28g,6.00mmol)をNMP(39.8g)中で混合し、50℃で3時間反応させた後、D1(1.69g,8.60mmol)を加え、40℃で3時間反応させ、樹脂固形分濃度20質量%のポリアミド酸溶液を得た。このポリアミド酸溶液の粘度を測定したところ、1023mPa・sであった。得られたポリアミド酸溶液(20.0g)に、NMPを加え6.5質量%に希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(3.99g)及びピリジン(1.24g)を加え、50℃で3時間反応させた。この反応溶液をメタノール(234ml)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、60℃で減圧乾燥しポリイミド粉末(12)を得た。このポリイミドのイミド化率は54.3%であった。
D2(2.50g,10.0mmol)、A7(3.49g,14.0mmol)、B1(2.28g,6.00mmol)をNMP(39.8g)中で混合し、50℃で3時間反応させた後、D1(1.69g,8.60mmol)を加え、40℃で3時間反応させ、樹脂固形分濃度20質量%のポリアミド酸溶液を得た。このポリアミド酸溶液の粘度を測定したところ、1023mPa・sであった。得られたポリアミド酸溶液(20.0g)に、NMPを加え6.5質量%に希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(3.99g)及びピリジン(1.24g)を加え、50℃で3時間反応させた。この反応溶液をメタノール(234ml)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、60℃で減圧乾燥しポリイミド粉末(12)を得た。このポリイミドのイミド化率は54.3%であった。
[合成例13]
A3(3.49g,14.0mmol)、B1(2.28g,6.00mmol)、D4(4.47g,19.94mmol)をNMP(41.0g)中で混合し、60℃で6時間反応させ、樹脂固形分濃度20質量%のポリアミド酸溶液を得た。このポリアミド酸溶液の粘度を測定したところ、410mPa・sであった。得られたポリアミド酸溶液(20.0g)に、NMPを加え6.5質量%に希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(3.98)及びピリジン(1.23g)を加え、80℃で3時間反応させた。この反応溶液をメタノール(334ml)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、60℃で減圧乾燥しポリイミド粉末(13)を得た。このポリイミドのイミド化率は60.0%であった。
A3(3.49g,14.0mmol)、B1(2.28g,6.00mmol)、D4(4.47g,19.94mmol)をNMP(41.0g)中で混合し、60℃で6時間反応させ、樹脂固形分濃度20質量%のポリアミド酸溶液を得た。このポリアミド酸溶液の粘度を測定したところ、410mPa・sであった。得られたポリアミド酸溶液(20.0g)に、NMPを加え6.5質量%に希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(3.98)及びピリジン(1.23g)を加え、80℃で3時間反応させた。この反応溶液をメタノール(334ml)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、60℃で減圧乾燥しポリイミド粉末(13)を得た。このポリイミドのイミド化率は60.0%であった。
[比較合成例1]
D2(2.50g,10.0mmol)、B1(2.28g,6.00mmol)、C2(2.13g,14.0mmol)をNMP(35.5g)中で混合し、50℃で3時間反応させた後、D1(1.95g,9.96mmol)を加え、40℃で3時間反応させ、樹脂固形分濃度20質量%のポリアミド酸溶液を得た。このポリアミド酸溶液の粘度を測定したところ、768mPa・sであった。
D2(2.50g,10.0mmol)、B1(2.28g,6.00mmol)、C2(2.13g,14.0mmol)をNMP(35.5g)中で混合し、50℃で3時間反応させた後、D1(1.95g,9.96mmol)を加え、40℃で3時間反応させ、樹脂固形分濃度20質量%のポリアミド酸溶液を得た。このポリアミド酸溶液の粘度を測定したところ、768mPa・sであった。
得られたポリアミド酸溶液(20.0g)にNMPを加え、6.5質量%に希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(4.60g)及びピリジン(1.43g)を加え、50℃で3時間反応させた。この反応溶液をメタノール(237ml)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、60℃で減圧乾燥しポリイミド粉末(R1)を得た。このポリイミドのイミド化率は53.1%であった。
[比較合成例2]
D2(2.50g,10.0mmol)、B3(3.79g,5.00mmol)、C1(0.66g,2.00mmol)、C4(4.44g,13.0mmol)をNMP(53.0g)中で混合し、50℃で3時間反応させた後、D1(1.87g,9.52mmol)を加え、40℃で3時間反応させ、樹脂固形分濃度20質量%のポリアミド酸溶液を得た。このポリアミド酸溶液の粘度を測定したところ、710mPa・sであった。
D2(2.50g,10.0mmol)、B3(3.79g,5.00mmol)、C1(0.66g,2.00mmol)、C4(4.44g,13.0mmol)をNMP(53.0g)中で混合し、50℃で3時間反応させた後、D1(1.87g,9.52mmol)を加え、40℃で3時間反応させ、樹脂固形分濃度20質量%のポリアミド酸溶液を得た。このポリアミド酸溶液の粘度を測定したところ、710mPa・sであった。
得られたポリアミド酸溶液(20.0g)にNMPを加え、6.5質量%に希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(3.06g)及びピリジン(0.95g)を加え、80℃で3時間反応させた。この反応溶液をメタノール(237ml)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、60℃で減圧乾燥しポリイミド粉末(R2)を得た。このポリイミドのイミド化率は75.6%であった。
[比較合成例3]
D2(2.50g,10.0mmol)、B3(3.03g,4.00mmol)、C1(0.66g,2.00mmol)、C3(2.39g,6.00mmol)、C5(1.59g,8.00mmol)をNMP(48.1g)中で混合し、50℃で3時間反応させた後、D1(1.86g,9.50mmol)を加え、40℃で3時間反応させ、樹脂固形分濃度20質量%のポリアミド酸溶液を得た。このポリアミド酸溶液の粘度を測定したところ、651mPa・sであった。
D2(2.50g,10.0mmol)、B3(3.03g,4.00mmol)、C1(0.66g,2.00mmol)、C3(2.39g,6.00mmol)、C5(1.59g,8.00mmol)をNMP(48.1g)中で混合し、50℃で3時間反応させた後、D1(1.86g,9.50mmol)を加え、40℃で3時間反応させ、樹脂固形分濃度20質量%のポリアミド酸溶液を得た。このポリアミド酸溶液の粘度を測定したところ、651mPa・sであった。
得られたポリアミド酸溶液(20.0g)にNMPを加え、6.5質量%に希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(3.37g)及びピリジン(1.04g)を加え、50℃で3時間反応させた。この反応溶液をメタノール(231ml)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、60℃で減圧乾燥しポリイミド粉末(R3)を得た。このポリイミドのイミド化率は50.0%であった。
<液晶配向剤の調製>
実施例及び比較例では、液晶配向剤の調製例を記載する。実施例及び比較例で得られた液晶配向剤を用い、液晶表示素子の作製、及び各種評価を行った。
実施例及び比較例では、液晶配向剤の調製例を記載する。実施例及び比較例で得られた液晶配向剤を用い、液晶表示素子の作製、及び各種評価を行った。
[実施例1]
合成例1で得られたポリイミド粉末(1)(3.00g)に、NMP(27.0g)を加え70℃にて24時間撹拌して溶解させた。この溶液に、BCS(20.0g)を加え、実施例1の液晶配向剤(V−1)を得た。
合成例1で得られたポリイミド粉末(1)(3.00g)に、NMP(27.0g)を加え70℃にて24時間撹拌して溶解させた。この溶液に、BCS(20.0g)を加え、実施例1の液晶配向剤(V−1)を得た。
[実施例2]〜[実施例9]
ポリイミド粉末(1)の代わりにそれぞれポリイミド粉末(2)〜(9)を用いた以外は、実施例1と同様にして、実施例2〜9の液晶配向剤(V−2)〜(V−9)を得た。
ポリイミド粉末(1)の代わりにそれぞれポリイミド粉末(2)〜(9)を用いた以外は、実施例1と同様にして、実施例2〜9の液晶配向剤(V−2)〜(V−9)を得た。
[実施例10]
合成例10で得られたポリイミド粉末(10)(3.00g)に、NMP(27.0g)を加え70℃にて24時間撹拌して溶解させた。この溶液に、BCS(20.0g)を加え、液晶配向剤(V−10)を得た。この液晶配向剤(V−10)(5.00g)と比較例2で得られた液晶配向剤(R−V2)(5.00g)を混合し、実施例10の液晶配向剤(B−10)を得た。
合成例10で得られたポリイミド粉末(10)(3.00g)に、NMP(27.0g)を加え70℃にて24時間撹拌して溶解させた。この溶液に、BCS(20.0g)を加え、液晶配向剤(V−10)を得た。この液晶配向剤(V−10)(5.00g)と比較例2で得られた液晶配向剤(R−V2)(5.00g)を混合し、実施例10の液晶配向剤(B−10)を得た。
[実施例11]
合成例10で得られたポリアミド酸溶液(10A)(15.0g)にNMP(15.0g)とBCS(20.0g)を加え、液晶配向剤(V−10A)を得た。この液晶配向剤(V−10A)5.00gと比較例2で得られた液晶配向剤(R−V2)5.00gを混合し、実施例11の液晶配向剤(B−11)を得た。
合成例10で得られたポリアミド酸溶液(10A)(15.0g)にNMP(15.0g)とBCS(20.0g)を加え、液晶配向剤(V−10A)を得た。この液晶配向剤(V−10A)5.00gと比較例2で得られた液晶配向剤(R−V2)5.00gを混合し、実施例11の液晶配向剤(B−11)を得た。
[実施例12]
合成例11で得られたポリアミド酸溶液(11A)(15.0g)にNMP(15.0g)とBCS(20.0g)を加え、液晶配向剤(V−11A)を得た。この液晶配向剤(V−11A)5.00gと比較例3で得られた液晶配向剤(R−V3)5.00gを混合し、実施例12の液晶配向剤(B−12)を得た。
合成例11で得られたポリアミド酸溶液(11A)(15.0g)にNMP(15.0g)とBCS(20.0g)を加え、液晶配向剤(V−11A)を得た。この液晶配向剤(V−11A)5.00gと比較例3で得られた液晶配向剤(R−V3)5.00gを混合し、実施例12の液晶配向剤(B−12)を得た。
上記の通り得られた液晶配向剤(V−1)〜(V−9)及び(B−10)〜(B−12)には、濁りや析出などの異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
得られた液晶配向剤(V−1)〜(V−9)、(B−10)〜(B−12)及び後述の(V−13)〜(V−14)を用いて、液晶表示素子を作製し、垂直配向性の評価、プレチルト角の評価、電圧保持率の評価、残像特性の評価を行った。
[実施例13]〜[実施例14]
ポリイミド粉末(1)に代えて、ポリイミド粉末(12)〜(13)とした以外は、実施例1と同様にして、液晶配向処理剤(V−13)〜(V−14)を得た。この液晶配向処理剤に、濁りや析出などの異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
ポリイミド粉末(1)に代えて、ポリイミド粉末(12)〜(13)とした以外は、実施例1と同様にして、液晶配向処理剤(V−13)〜(V−14)を得た。この液晶配向処理剤に、濁りや析出などの異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
[比較例1]
比較合成例1で得られたポリイミド粉末(R1)(3.00g)に、NMP(27.0g)及びBCS(20.0g)を加え、70℃で24時間撹拌して、液晶配向剤(R−V1)を得た。
比較合成例1で得られたポリイミド粉末(R1)(3.00g)に、NMP(27.0g)及びBCS(20.0g)を加え、70℃で24時間撹拌して、液晶配向剤(R−V1)を得た。
[比較例2]
比較合成例1で得られたポリイミド粉末(R1)の代わりにポリイミド粉末(R2)を用いた以外は、比較例1と同様の手法により、液晶配向剤(R−V2)を得た。
比較合成例1で得られたポリイミド粉末(R1)の代わりにポリイミド粉末(R2)を用いた以外は、比較例1と同様の手法により、液晶配向剤(R−V2)を得た。
[比較例3]
比較合成例1で得られたポリイミド粉末(R1)の代わりにポリイミド粉末(R3)を用いた以外は、比較例1と同様の手法により、液晶配向剤(R−V3)を得た。
比較合成例1で得られたポリイミド粉末(R1)の代わりにポリイミド粉末(R3)を用いた以外は、比較例1と同様の手法により、液晶配向剤(R−V3)を得た。
上記の通り得られた液晶配向剤(R−V1)〜(R−V3)には、濁りや析出などの異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。得られた液晶配向剤(R−V1)〜(R−V2)を用いて、液晶表示素子を作製、垂直配向性の評価、プレチルト角の評価、電圧保持率の評価、残像特性の評価を行った。
<電圧保持率及び残留DC電圧測定用液晶表示素子の作製>
実施例で得られた液晶配向剤(V−1)〜(V−9)、(B−10)〜(B−12)、(V−13)〜(V−14)及び比較例で得られた液晶配向剤(R−V1)〜(R−V2)を、細孔径1μmのメンブランフィルタで加圧濾過した。得られた溶液を純水及びIPA(イソプロピルアルコール)で洗浄した40mm×30mmのITO電極付きガラス基板(縦:40mm、横:30mm、厚さ:1.1mm)のITO面上にスピンコートし、ホットプレート上にて70℃で90秒間、熱循環型クリーンオーブンにて230℃で30分間の加熱処理をして、膜厚が100nmの液晶配向膜付きのITO基板を得た。得られた液晶配向膜付きのITO基板を2枚用意し、その一方の基板の液晶配向膜面に、直径4μmのビーズスペーサー(日揮触媒化成社製、真絲球、SW−D1)を塗布した。
実施例で得られた液晶配向剤(V−1)〜(V−9)、(B−10)〜(B−12)、(V−13)〜(V−14)及び比較例で得られた液晶配向剤(R−V1)〜(R−V2)を、細孔径1μmのメンブランフィルタで加圧濾過した。得られた溶液を純水及びIPA(イソプロピルアルコール)で洗浄した40mm×30mmのITO電極付きガラス基板(縦:40mm、横:30mm、厚さ:1.1mm)のITO面上にスピンコートし、ホットプレート上にて70℃で90秒間、熱循環型クリーンオーブンにて230℃で30分間の加熱処理をして、膜厚が100nmの液晶配向膜付きのITO基板を得た。得られた液晶配向膜付きのITO基板を2枚用意し、その一方の基板の液晶配向膜面に、直径4μmのビーズスペーサー(日揮触媒化成社製、真絲球、SW−D1)を塗布した。
次に、シール材(三井化学製XN−1500T)で周囲を塗布した。次いで、もう一方の基板の液晶配向膜が形成された側の面を内側にして、先の基板と張り合わせた後、シール材を硬化させて空セルを作成した。この空セルに液晶MLC−3023(メルク社製商品名)を減圧注入法によって注入し、液晶セルを作成した。この液晶セルに15VのDC電圧を印加した状態で、この液晶セルの外側から325nm以下カットフィルターを通した高圧水銀ランプのUVを10J/cm2照射した(1st−UV)。
その後、液晶セルに電圧を印加しない状態で蛍光UVランプ(FLR40SUV32/A−1)を用いて30分間照射し(2nd−UV)、液晶セル中に存在する未反応の重合性化合物を失活させた。なお、紫外線照射量の測定にはORC社製UV−M03AにUV−35の受光器を接続し用いた。
<プレチルト角及び残像評価用液晶表示素子の作製>
実施例で得られた液晶配向剤(V−1)〜(V−9)、(B−10)〜(B−12)、(V−13)〜(V−14)及び比較例で得られた液晶配向剤(R−V1)〜(R-V2)を、細孔径1μmのメンブランフィルタで加圧濾過した。得られた溶液を純水及びIPA(イソプロピルアルコール)で洗浄した、画素サイズが200μm×600μmでライン/スペースがそれぞれ3μmのITO電極パターンが形成されているITO電極基板(縦:35mm、横:30mm、厚さ:0.7mm)と、高さ3.2μmのフォトスペーサーがパターニングされているITO電極付きガラス基板(縦:35mm、横:30mm、厚さ:0.7mm)のITO面上にそれぞれスピンコートし、ホットプレート上にて70℃で90秒間、熱循環型クリーンオーブンにて230℃で30分間の加熱処理をして、膜厚が100nmの液晶配向膜付きのITO基板を得た。なお、このITO電極パターンが形成されているITO電極基板は、クロスチェッカー(市松)模様に4分割されており4つのエリアごとで別々に駆動ができるようになっている。
実施例で得られた液晶配向剤(V−1)〜(V−9)、(B−10)〜(B−12)、(V−13)〜(V−14)及び比較例で得られた液晶配向剤(R−V1)〜(R-V2)を、細孔径1μmのメンブランフィルタで加圧濾過した。得られた溶液を純水及びIPA(イソプロピルアルコール)で洗浄した、画素サイズが200μm×600μmでライン/スペースがそれぞれ3μmのITO電極パターンが形成されているITO電極基板(縦:35mm、横:30mm、厚さ:0.7mm)と、高さ3.2μmのフォトスペーサーがパターニングされているITO電極付きガラス基板(縦:35mm、横:30mm、厚さ:0.7mm)のITO面上にそれぞれスピンコートし、ホットプレート上にて70℃で90秒間、熱循環型クリーンオーブンにて230℃で30分間の加熱処理をして、膜厚が100nmの液晶配向膜付きのITO基板を得た。なお、このITO電極パターンが形成されているITO電極基板は、クロスチェッカー(市松)模様に4分割されており4つのエリアごとで別々に駆動ができるようになっている。
次に、シール材(三井化学製XN−1500T)で周囲を塗布した。次いで、もう一方の基板の液晶配向膜が形成された側の面を内側にして、先の基板と張り合わせた後、シール材を硬化させて空セルを作成した。この空セルに液晶MLC−3023(メルク社製商品名)を減圧注入法によって注入し、液晶セルを作成した。この液晶セルに15VのDC電圧を印加した状態で、この液晶セルの外側から325nm以下カットフィルターを通した高圧水銀ランプのUVを10J/cm2照射した(1st−UV)。
その後、液晶セルに電圧を印加しない状態で蛍光UVランプ(FLR40SUV32/A−1)を用いて30分間照射し(2nd−UV)、液晶セル中に存在する未反応の重合性化合物を失活させた。紫外線照射量の測定にはORC社製UV−M03AにUV−35の受光器を接続し用いた。
<評価>
(垂直配向性)
液晶表示素子の液晶配向性は、偏光顕微鏡(ECLIPSE E600WPOL)(ニコン社製)で観察し、液晶が垂直に配向しているかどうかを確認した。具体的には、液晶の流動による不良や配向欠陥による輝点が見られていないものを、良好とした。評価結果を表2に示す。
(垂直配向性)
液晶表示素子の液晶配向性は、偏光顕微鏡(ECLIPSE E600WPOL)(ニコン社製)で観察し、液晶が垂直に配向しているかどうかを確認した。具体的には、液晶の流動による不良や配向欠陥による輝点が見られていないものを、良好とした。評価結果を表2に示す。
(電圧保持率)
上記で作製した電圧保持率評価用の液晶表示素子に、1Vの電圧を60マイクロ秒の印加時間、1667ミリ秒の間隔で印加した後、印加解除から1667ミリ秒後の電圧保持率(%)を60℃で測定した。測定装置は東陽テクニカ製VHR−1を使用した。評価結果を表2に示す。
上記で作製した電圧保持率評価用の液晶表示素子に、1Vの電圧を60マイクロ秒の印加時間、1667ミリ秒の間隔で印加した後、印加解除から1667ミリ秒後の電圧保持率(%)を60℃で測定した。測定装置は東陽テクニカ製VHR−1を使用した。評価結果を表2に示す。
(プレチルト角)
LCDアナライザー(名菱テクニカ社製LCA−LUV42A)を使用して、上記で作製したプレチルト角評価用の液晶表示素子の内、液晶の流動による不良が見られていない液晶表示素子について測定を行った。評価結果を表2に示す。
LCDアナライザー(名菱テクニカ社製LCA−LUV42A)を使用して、上記で作製したプレチルト角評価用の液晶表示素子の内、液晶の流動による不良が見られていない液晶表示素子について測定を行った。評価結果を表2に示す。
(残像特性)
上記で作製した残像評価用液晶表示素子を用いて、4つの画素エリアのうち対角線の2つのエリアに60Hz、20Vp−pの交流電圧を印加し、23℃の温度下で168時間駆動させた。その後、4つの画素エリアすべてを5Vp−pの交流電圧で駆動させ、画素の輝度差を目視で観察した。輝度差がほぼ確認できない状態を良好とした。表中、良好であるものは○、特に良好であるものは◎で表している。評価結果を表2に示す。
上記で作製した残像評価用液晶表示素子を用いて、4つの画素エリアのうち対角線の2つのエリアに60Hz、20Vp−pの交流電圧を印加し、23℃の温度下で168時間駆動させた。その後、4つの画素エリアすべてを5Vp−pの交流電圧で駆動させ、画素の輝度差を目視で観察した。輝度差がほぼ確認できない状態を良好とした。表中、良好であるものは○、特に良好であるものは◎で表している。評価結果を表2に示す。
(残留DC電圧)
上記で製造した電圧保持率評価用の液晶表示素子に対し、直流2Vを重畳した30Hz、7.8Vppの矩形波を23℃で100時間印加し、直流電圧を切って1時間後の液晶セル内に残留した電圧(残留DC電圧)をフリッカー消去法により求めた。この値はDC蓄積により発生する残像の指標となり、この値がおおむね50mV以下であるとき、残像特性に優れていると判断した。
上記で製造した電圧保持率評価用の液晶表示素子に対し、直流2Vを重畳した30Hz、7.8Vppの矩形波を23℃で100時間印加し、直流電圧を切って1時間後の液晶セル内に残留した電圧(残留DC電圧)をフリッカー消去法により求めた。この値はDC蓄積により発生する残像の指標となり、この値がおおむね50mV以下であるとき、残像特性に優れていると判断した。
Claims (10)
- 下記式(1)の構造を有するジアミン及び下記式[S1]〜[S3]で表される群から選ばれる側鎖構造を有する少なくとも1種のジアミンを含有するジアミン成分と、
テトラカルボン酸成分と、
から得られるポリイミド前駆体及び/又は該ポリイミド前駆体のイミド化物であるポリイミドの重合体を含有することを特徴とする液晶配向剤。
- 前記ジアミン成分は、前記式[S1]で表される側鎖構造を有するジアミンを含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の液晶配向剤。
- 前記式[S1]で表される側鎖構造が、下記式[S1−x1]〜[S1−x7]からなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の液晶配向剤。
- 前記式[S2]で表される側鎖構造を有するジアミンにおいて、X3は−CONH−、−NHCO−、−O−、−CH2O−、−COO−又は−OCO−であり、R2は炭素数3〜20のアルキル又は炭素数2〜20のアルコキシアルキルであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の液晶配向剤。
- 請求項1〜8のいずれか一項に記載の液晶配向剤を用いて形成されてなることを特徴とする液晶配向膜。
- 請求項9に記載の液晶配向膜により得られた液晶配向膜を具備することを特徴とする液晶表示素子。
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