JPWO2018229874A1 - モータ駆動装置、電動送風機、電気掃除機及びハンドドライヤ - Google Patents

モータ駆動装置、電動送風機、電気掃除機及びハンドドライヤ Download PDF

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Abstract

モータ駆動装置(2)は、単相モータ(12)に交流電圧を印加する単相インバータ(11)と、単相モータ(12)に取り付けられ、単相モータ(12)のロータ磁極位置を検出して位置センサ信号(21a)を出力する位置センサ(21)と、単相モータ(12)へ流れるモータ電流値を検出する電流センサ(22)と、電圧指令と位置センサ信号(21a)とに基づいて、複数のスイッチング素子をパルス幅変調制御する制御部(25)とを備え、制御部(25)は、位置センサ信号(21a)と単相インバータの出力電圧との位相差を変化させることによって、モータ電流値を、バッテリの電圧に対応付けて設定される目標電流値にさせる。

Description

本発明は、単相モータを駆動するモータ駆動装置、モータ駆動装置によって駆動される単相モータを搭載した電動送風機、電気掃除機及びハンドドライヤに関する。
単相モータには、相数が3つの三相モータと比較して以下の利点がある。
(1)三相モータには、三相インバータを用いる必要があるのに対し、単相モータには、三相インバータよりも構成が簡素化された単相インバータを用いればよい。
(2)フルブリッジインバータを用いた三相インバータは、6つのスイッチング素子が必要であるのに対し、単相モータは、フルブリッジインバータを用いたとしても、4つのスイッチング素子で構成できる。
(3)上記(1)及び(2)の特徴により、単相モータを用いた装置は、三相モータを用いた装置に比べて、小型化が可能である。
単相モータを単相インバータで駆動する場合、単相インバータには、単相モータに流れる電流の高調波成分を低減することが求められる。
特許文献1には、高調波成分を低減するため、単相モータに供給する電圧を制御することによって、単相モータに流す電流を正弦波状に制御するパルス幅変調(Pulse Width Modulation:PWM)制御する技術が開示されている。
特許文献2には、位置センサ信号の切り替わりに応じて出力電圧パルスを切り替える方法が開示されている。
特許文献3には、三相のセンサレスDCブラシレスモータの制御駆動装置において、直流電流を検出して得た消費電力の値に応じて、通電位相の遅延角度を変化させることが開示されている。
特開2012−257457号公報 特許第5524925号公報 特許第3183071号公報
しかしながら、例えば電気掃除機に搭載されるモータ、すなわち小径でありかつ高速回転が要求されるモータを駆動するモータ駆動装置では、位置センサの取り付け位置にずれが生じた場合、位置センサ信号とモータ誘起電圧との間に位相差が生じてしまい、モータの駆動回転数、すなわちモータ出力にばらつきが発生する。特許文献1,2,3に開示される技術では、このような位相差に起因したモータ出力のばらつきを抑制できないといった課題があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、位置センサの位置ずれに起因した出力のばらつきを抑制できるモータ駆動装置を得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係るモータ駆動装置は、バッテリを電源として単相モータを駆動するモータ駆動装置であって、複数のスイッチング素子を備え、単相モータに交流電圧を印加する単相インバータと、単相モータに取り付けられ、単相モータのロータ磁極位置を検出して磁極位置検出信号を出力する位置センサと、単相モータへ流れる電流であるモータ電流値を検出する電流センサと、電圧指令と磁極位置検出信号とに基づいて、複数のスイッチング素子をパルス幅変調制御する制御部とを備え、制御部は、磁極位置検出信号と単相インバータの出力電圧との位相差を変化させることによって、モータ電流値を、バッテリの電圧に対応付けて設定される目標電流値にさせる。
本発明に係るモータ駆動装置は、位置センサの位置ずれに起因した出力のばらつきを抑制できる、という効果を奏する。
実施の形態に係るモータ駆動装置を備えるモータ駆動システムの構成を示すブロック図 図1に示す単相インバータの回路構成図 PWM信号を生成するための機能構成を示す図 図3に示すキャリア比較部及びキャリア生成部を詳細に示す図 図4に示される正側の電圧指令と、負側の電圧指令と、PWM信号と、モータ印加電圧とのそれぞれの波形例を示すタイムチャート 変調率に応じたインバータ出力電圧の変化を示す図 図3及び図4に示したキャリア生成部及びキャリア比較部へ入力される進角位相を算出するための機能構成を示す図 進角位相の算出方法の一例を示す図 位置センサとステータとロータとの位置関係を示す第1の図 位置センサとステータとロータとの位置関係を示す第2の図 位置センサ信号とモータ誘起電圧とを示す図 バッテリ電圧とモータ電流との関係を示す図 進角位相を決定するための動作を説明するフローチャート 位置センサ信号と、ロータ機械角と、基準位相と、電圧指令との関係を示す図 電圧振幅指令の時間変化を示す図 インバータ出力電圧の極性によるモータ電流の経路を示す第1の図 インバータ出力電圧の極性によるモータ電流の経路を示す第2の図 インバータ出力電圧の極性によるモータ電流の経路を示す第3の図 MOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)の概略構造を示す模式的断面図 実施の形態に係るモータ駆動装置を備えた電気掃除機の構成図 実施の形態に係るモータ駆動装置を備えたハンドドライヤの構成図 実施の形態に係るモータ駆動装置における変調制御を説明するための図
以下に、本発明の実施の形態に係るモータ駆動装置、電動送風機、電気掃除機及びハンドドライヤを図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態.
図1は実施の形態に係るモータ駆動装置を備えるモータ駆動システムの構成を示すブロック図である。図1に示すモータ駆動システム1は、単相モータ12と、単相モータ12に交流電力を供給して単相モータ12を駆動するモータ駆動装置2と、モータ駆動装置2に直流電力を供給する直流電源である電源10と、電源10からモータ駆動装置2に出力される直流電圧Vdcを検出する電圧センサ20とを備える。
また図1に示すモータ駆動システム1は、単相モータ12に内蔵されるロータ12aの磁極位置であるロータ磁極位置を検出する位置センサ21と、モータ電流を検出する電流センサ22とを備える。モータ電流は、単相インバータ11から単相モータ12へ供給される交流電流であり、単相モータ12のステータ12bに巻かれる不図示の巻線に流れる交流電流に等しい。電流センサ22には、シャント抵抗を用いて電流を検出する電流検出器、又はCT(Current Transformer)を用いて電流を検出する電流検出器を例示できる。なお本実施の形態に係るモータ駆動システム1は、単相インバータ11から単相モータ12へ供給されるモータ電流を検出してモータ制御に利用しているが、モータ電流の代わりに、電源10から単相インバータ11へ供給される直流電流を検出してモータ制御に利用してもよい。
単相モータ12は、不図示の電動送風機を回転させる回転電機として利用され、当該電動送風機及び単相モータ12は、電気掃除機及びハンドドライヤといった装置に搭載される。
なお本実施の形態では、電圧センサ20が直流電圧Vdcを検出しているが、電圧センサ20の検出対象は、電源10から出力される直流電圧Vdcに限定されず、モータ駆動装置2の出力電圧であるインバータ出力電圧でもよい。「インバータ出力電圧」は、単相インバータ11から単相モータ12に向けて出力される交流電圧に等しく、また後述する「モータ印加電圧」と同義である。
モータ駆動装置2は、単相インバータ11及びアナログディジタル変換器30を備える。単相インバータ11は、単相モータ12に接続され、単相モータ12に交流電圧を印加する。アナログディジタル変換器30は、電圧センサ20により検出された直流電圧Vdcであるアナログデータをディジタルデータに変換して出力する。
またモータ駆動装置2は、PWM信号Q1,Q2,Q3,Q4を生成する制御部25と、駆動信号生成部32とを備える。駆動信号生成部32は、制御部25から出力されるPWM信号Q1,Q2,Q3,Q4に基づいて、単相インバータ11内のスイッチング素子を駆動するための駆動信号を生成する。
制御部25は、アナログディジタル変換器30で変換された直流電圧30aと、位置センサ21から出力される磁極位置検出信号である位置センサ信号21aとに基づいて、PWM信号Q1,Q2,Q3,Q4を生成する。位置センサ信号21aは、モータ誘起電圧の値と相関性のある二値のディジタル信号である。当該ディジタル信号の値は、ロータ12aで発生する磁束の方向に応じて変化する。位置センサ信号21aは、制御部25に入力される。
制御部25は、プロセッサ31、キャリア生成部33及びメモリ34を有する。プロセッサ31は、PWM制御によりPWM信号Q1,Q2,Q3,Q4を生成する。プロセッサ31は、PWM制御及び進角制御に関する各種演算を行う処理部である。プロセッサ31には、CPU(Central Processing Unit、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、プロセッサ、DSP(Digital Signal Processor)ともいう)、又はシステムLSI(Large Scale Integration)を例示できる。
メモリ34には、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリー、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)といった不揮発性又は揮発性の半導体メモリを例示できる。またメモリ34は、これらに限定されず、磁気ディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、又はDVD(Digital Versatile Disc)でもよい。
メモリ34には、プロセッサ31で読みとられるプログラムが保存される。メモリ34は、プロセッサ31が演算処理を行う際の作業領域として使用される。キャリア生成部33の構成の詳細は後述する。
駆動信号生成部32は、プロセッサ31から出力されたPWM信号Q1,Q2,Q3,Q4を、単相インバータ11を駆動するための駆動信号に変換して、単相インバータ11に出力する。
単相モータ12はブラシレスモータである。単相モータ12のロータ12aには、不図示の複数個の永久磁石が周方向に配列されている。これらの複数個の永久磁石は、着磁方向が周方向に交互に反転するように配置され、ロータ12aの複数個の磁極を形成する。単相モータ12のステータ12bには不図示の巻線が巻かれている。当該巻線に流れる交流電流が前述した「モータ電流」に相当する。本実施の形態ではロータ12aの磁極数が4極とされるが、ロータ12aの磁極数は4極以外でもよい。
図2は図1に示す単相インバータの回路構成図である。単相インバータ11は、ブリッジ接続された複数のスイッチング素子51,52,53,54を有する。図2には、単相インバータ11が有する複数のスイッチング素子51,52,53,54の他にも、単相インバータ11に接続される単相モータ12が示される。高電位側に位置する2つのスイッチング素子51,53のそれぞれは、上アームのスイッチング素子と称される。低電位側に位置する2つのスイッチング素子52,54のそれぞれは、下アームのスイッチング素子と称される。
スイッチング素子51及びスイッチング素子52の接続端11−1と、スイッチング素子53及びスイッチング素子54の接続端11−2は、ブリッジ回路における交流端を構成し、接続端11−1及び接続端11−2には単相モータ12が接続される。
複数のスイッチング素子51,52,53,54のそれぞれは、金属酸化膜半導体電界効果型トランジスタであるMOSFETが使用される。MOSFETはFET(Field-Effect Transistor)の一例である。
スイッチング素子51には、スイッチング素子51のドレインとソースとの間に並列接続されるボディダイオード51aが形成される。スイッチング素子52には、スイッチング素子52のドレインとソースとの間に並列接続されるボディダイオード52aが形成される。スイッチング素子53には、スイッチング素子53のドレインとソースとの間に並列接続されるボディダイオード53aが形成される。スイッチング素子54には、スイッチング素子54のドレインとソースとの間に並列接続されるボディダイオード54aが形成される。ボディダイオード51a,52a,53a,54aのそれぞれは、MOSFETの内部に形成される寄生ダイオードであり、還流ダイオードとして使用される。
複数のスイッチング素子51,52,53,54のそれぞれは、シリコン系材料により形成されたMOSFETに限定されず、複数のスイッチング素子51,52,53,54の内の少なくとも1つは、炭化珪素、窒化ガリウム系材料又はダイヤモンドといったワイドバンドギャップ半導体により形成されたMOSFETでもよい。
一般的にワイドバンドギャップ半導体はシリコン半導体に比べて耐電圧及び耐熱性が高い。そのため、複数のスイッチング素子51,52,53,54の内の少なくとも1つにワイドバンドギャップ半導体を用いることにより、スイッチング素子51,52,53,54の耐電圧性及び許容電流密度が高くなり、スイッチング素子51,52,53,54を組み込んだ半導体モジュールを小型化できる。またワイドバンドギャップ半導体は、耐熱性も高いため、半導体モジュールで発生した熱を放熱するための放熱部の小型化が可能であり、また半導体モジュールで発生した熱を放熱する放熱構造の簡素化が可能である。
図3はPWM信号を生成するための機能構成を示す図である。図4は図3に示すキャリア比較部及びキャリア生成部を詳細に示す図である。前述したように、PWM信号Q1,Q2,Q3,Q4を生成する機能は、図3に示すキャリア生成部33及びキャリア比較部38によって実現できる。
キャリア比較部38の機能は図1に示すプロセッサ31により実現される。キャリア比較部38の構成の詳細は後述する。キャリア比較部38には、図4に示す電圧指令Vを生成するときに用いる、進角制御された進角位相θと、基準位相θとが入力される。進角位相θは、後述する進角位相算出部44で算出される。基準位相θは、後述する回転速度算出部42で算出される。
基準位相θは、ロータ12aの基準位置からの角度であるロータ機械角θを、電気角に換算した位相である。ここで、「進角位相」とは、電圧指令の「進み角」である「進角」を位相で表したものである。また、「進み角」とは、単相インバータ11がステータ巻線に印加するモータ印加電圧と、不図示のステータ巻線に誘起されるモータ誘起電圧との間の位相差である。なお、モータ印加電圧がモータ誘起電圧よりも進んでいるときに「進み角」は正の値をとる。
またキャリア比較部38には、進角位相θ及び基準位相θ以外にも、キャリア生成部33で生成されたキャリアと、直流電圧Vdcと、電圧指令Vの振幅値である電圧振幅指令V*とが入力される。キャリア比較部38は、キャリア、進角位相θ、基準位相θ、直流電圧Vdc及び電圧振幅指令V*に基づいて、PWM信号Q1,Q2,Q3,Q4を生成する。
図4に示すように、キャリア生成部33には、キャリアの周波数であるキャリア周波数f[Hz]が設定される。図4には、キャリアの一例である三角波の波形が示される。三角波は、その山の値が“1”であり、その谷の値が“0”となる信号波である。なお単相インバータ11のPWM制御には、同期PWM制御と非同期PWM制御とがある。非同期PWM制御の場合、進角位相θにキャリアを同期させる必要はない。
図4に示すように、キャリア比較部38は、絶対値演算部38a、除算部38b、乗算部38c、乗算部38d、乗算部38f、加算部38e、比較部38g、比較部38h、出力反転部38i及び出力反転部38jを有する。
絶対値演算部38aでは、電圧振幅指令V*の絶対値|V*|が演算される。除算部38bでは、絶対値|V*|が、電圧センサ20で検出された直流電圧Vdcによって除算される。電源10がバッテリである場合、バッテリ電圧が変動するが、絶対値|V*|を直流電圧Vdcで除算することにより、バッテリ電圧の低下によってモータ印加電圧が低下しないように、変調率を増加させることができる。バッテリ電圧は、バッテリの出力電圧を意味する。
乗算部38cでは、基準位相θ及び進角位相θの正弦値が演算される。演算された進角位相θの正弦値は、除算部38bの出力である絶対値|V*|に乗算される。乗算部38dでは、乗算部38cの出力である電圧指令Vに、1/2が乗算される。加算部38eでは、乗算部38dの出力に1/2が加算される。
ここで、加算部38eの出力は、複数のスイッチング素子51,52,53,54の内、2つのスイッチング素子51,52を駆動するための正側の電圧指令Vm1として、比較部38gに入力される。また加算部38eの出力は、複数のスイッチング素子51,52,53,54の内、2つのスイッチング素子53,54を駆動するための正側の電圧指令Vm1として、乗算部38fに入力される。
乗算部38fでは、加算部38eの出力に−1が乗算される。乗算部38fの出力は、下アームの2つのスイッチング素子52,54を駆動するための負側の電圧指令Vm2として、比較部38hに入力される。
比較部38gの出力は、スイッチング素子51へのPWM信号Q1となる。出力反転部38iは、比較部38gの出力を反転する。出力反転部38iの出力は、スイッチング素子52へのPWM信号Q2となる。出力反転部38iにより、スイッチング素子51とスイッチング素子52とが同時にオンすることはない。
比較部38hの出力は、スイッチング素子53へのPWM信号Q3となる。出力反転部38jは、比較部38hの出力を反転する。出力反転部38jの出力は、スイッチング素子54へのPWM信号Q4となる。出力反転部38jにより、スイッチング素子53とスイッチング素子54とが同時にオンすることはない。
図5は図4に示される正側の電圧指令と、負側の電圧指令と、PWM信号と、モータ印加電圧とのそれぞれの波形例を示すタイムチャートである。図5には、上から順に、加算部38eから出力される電圧指令Vm1の波形と、乗算部38fから出力される電圧指令Vm2の波形と、PWM信号Q1,Q2,Q3,Q4の波形と、モータ印加電圧の波形とが示される。
図4に示すキャリア比較部38は、図5に示す電圧指令Vm1,Vm2を用いて、PWM信号Q1,Q2,Q3,Q4を生成する。図1に示すモータ駆動装置2は、キャリア比較部38で生成されたPWM信号Q1,Q2,Q3,Q4を使用して、単相インバータ11内の複数のスイッチング素子51,52,53,54を制御する。これにより、図5に示されるモータ印加電圧、すなわちPWM制御された電圧パルスが、単相モータ12に印加される。
ところでPWM信号Q1,Q2,Q3,Q4を生成する際に使用する変調方式には、正又は負の電位で変化する電圧パルスを出力するバイポーラ変調と、ユニポーラ変調とが知られている。ユニポーラ変調は、電源半周期ごとに3つの電位で変化する電圧パルス、すなわち正の電位と負の電位と零の電位とに変化する電圧パルスを出力する変調方式である。
図5に示すPWM信号Q1,Q2,Q3,Q4の波形はユニポーラ変調によるものである。本実施の形態に係るモータ駆動装置2には、何れの変調方式を用いてもよい。なお、モータ電流波形をより正弦波に制御する必要がある用途では、バイポーラ変調よりも、高調波含有率が少ないユニポーラ変調を採用することが好ましい。
図6は変調率に応じたインバータ出力電圧の変化を示す図である。図6の上段部には、変調率=1.0である場合の電圧指令Vとキャリアとインバータ出力電圧とが示される。図6の中段部には、変調率=1.2である場合の電圧指令Vとキャリアとインバータ出力電圧とが示される。図6の下段部には、変調率=2.0である場合の電圧指令Vとキャリアとインバータ出力電圧とが示される。
図4で説明したように、電圧指令Vm1は、比較部38gにおいてキャリアと比較され、電圧指令Vm2は、比較部38hにおいてキャリアと比較される。電圧指令Vm1,2の値がキャリアの値よりも大きいときは、単相インバータ11のスイッチング素子がオンとなる。電圧指令Vm1,2の値がキャリアの値よりも小さいときは、単相インバータ11のスイッチング素子がオフとなる。このため、図6に示すように、PWM制御されたインバータ出力電圧が、単相モータ12に印加される。
なお、変調率の定義には種々なものが存在するが、ここでは、電圧振幅指令V*と三角波キャリアの振幅との比率、すなわち「電圧振幅指令V*/三角波キャリア振幅」を変調率と定義する。図6の上段部には、変調率=1.0の場合の波形が示されるが、変調率が1.0未満の場合も同様な波形となる。変調率が1.0未満の場合、三角波キャリアの周波数に応じてインバータ出力電圧が生成されるため、インバータ出力電圧もキャリア周波数に応じた電圧パルスが出力される。
一方、変調率が1.0を超える場合、図6の中段部及び下段部に示すような波形となる。なお、変調率が1.0を超える場合は「過変調」と称され、変調率が1.0を超える領域は「過変調領域」と称される。過変調領域では、電圧指令Vがキャリアの振幅を超えるため、キャリア周波数に応じてインバータ駆動信号を生成することができない区間が発生する。この区間では、インバータ出力電圧は、正の電源電圧又は負の電源電圧に固定されるため、インバータ出力電圧は変調率が1.0のときに比べ、大きな出力電圧を得ることができる。
ここで図1に示す電源10にバッテリが用いられている場合の問題点を説明する。バッテリは構造として内部インピーダンスを有しており、バッテリ出力電圧は、バッテリから出力される電流に応じて大きく変化する。具体的には、公称電圧が20[V]のバッテリにおいて、20[A]の電流を流した場合、バッテリ出力電圧はおよそ17[V]まで低下することが知られている。また前述した変調率が1.0以上の領域の場合、出力電圧パルスが少なくなることで、電圧指令に対して出力電圧が正確に得られないという問題が生じる。更に、インバータによるスイッチングの影響により、バッテリ電流は脈動した電流となるため、バッテリから出力される電圧も脈動することが知られている。それらの問題に対して、進角を一定とすることなく逐次変化させることによって、バッテリからインバータに供給される電圧のばらつきと、インバータが出力する電圧のばらつきとの両方を抑制することができる。
次に本実施の形態における進角制御について説明する。図7は図3及び図4に示したキャリア生成部及びキャリア比較部へ入力される進角位相を算出するための機能構成を示す図である。図7に示す回転速度算出部42及び進角位相算出部44のそれぞれの機能は、図1に示すプロセッサ31及びメモリ34で実現される。すなわち、プロセッサ31が回転速度算出部42及び進角位相算出部44のそれぞれとして動作するためのプログラムをメモリ34に格納しておき、メモリ34に格納されているプログラムをプロセッサ31が読み出して実行することにより、回転速度算出部42及び進角位相算出部44が実現される。
回転速度算出部42は、位置センサ信号21aに基づいて単相モータ12の回転速度ωを算出する。更に回転速度算出部42は、ロータ12aの基準位置からの角度であるロータ機械角θを、電気角に換算した基準位相θを算出する。進角位相算出部44は、回転速度算出部42で算出された回転速度ω及び基準位相θに基づいて、進角位相θを算出する。
図8は進角位相の算出方法の一例を示す図である。図8の横軸は回転数であり、図8の縦軸は進角位相である。進角位相θは、図8に示すように、回転数Nの増加に対して進角位相θが増加する関数を用いて決定することができる。図8の例では、1次の線形関数により進角位相θが決定されているが、これに限らず、回転数の増加に応じて、進角位相θが同じになる関係、又は進角位相θが大きくなる関係であれば、1次の線形関数以外の関数を用いてもよい。進角調整幅Δθdelは、位置センサ21の取り付け位置のばらつき範囲を示す。
図9は位置センサとステータとロータとの位置関係を示す第1の図である。図10は位置センサとステータとロータとの位置関係を示す第2の図である。図9及び図10には、ロータ12aの回転方向D1に配列される複数のティース12b1と、複数のティース12b1の中央に配置されるロータ12aと、位置センサ21とが示される。中心線CLは、ロータ12aの回転方向D1に隣接する2つのティース12b1の間の中心と、ロータ12aの中心軸AXとを通る線である。
図9に示される位置センサ21は2つのティース12b1の間に配置され、位置センサ21の回転方向D1の中心は、中心線CL上に位置する。図10に示される位置センサ21は2つのティース12b1の間に配置され、位置センサ21の回転方向D1の中心は、中心線CL上からずれている。
一般的にモータ制御では、隣接するティース12b1の間の中心と位置センサ21の回転方向D1の中心とが一致するように、位置センサ21が配置されていることを想定して、位相演算が行われる。ただし、実際の単相モータ12の組み立て工程では、位置センサ21の回転方向D1の中心が隣接するティース12b1の間の中心からずれた位置で、位置センサ21が固定される。そのため、この位置のずれ量によって、位置センサ信号21aと誘起電圧との間には、位相のずれ、すなわち位相差が発生する。なお位置センサ21の回転方向D1の中心が、隣接するティース12b1の間の中心からずれていることが予め分かっている場合、そのずれ量が考慮されて位相の算出が行われる。
図11は位置センサ信号とモータ誘起電圧とを示す図である。図11の上段には、位置センサ信号21aの波形が示される。図11の下段には、モータ誘起電圧の波形が示される。図11には、2種類のモータ誘起電圧の波形が示される。
点線のモータ誘起電圧の波形は、図9に示すように、隣接するティース12b1の間の中心と位置センサ21の回転方向D1の中心とが一致するように位置センサ21が配置されている場合、すなわち位置ずれが生じていない場合の波形である。実線のモータ誘起電圧の波形は、図10に示すように、隣接するティース12b1の間の中心に対して、位置センサ21の回転方向D1の中心がずれて位置センサ21が配置されている場合、すなわち位置ずれが生じている場合の波形である。図11では、点線のモータ誘起電圧の波形に「位置ずれなし」と表記され、実線のモータ誘起電圧の波形に「位置ずれあり」と表記される。
位置ずれが生じていない場合、位置センサ信号21aのエッジはモータ誘起電圧のゼロクロス点と一致し、位置センサ信号21aとモータ誘起電圧との位相差が0となる。なお位置センサ信号21aのエッジは、信号の立ち上がり時点又は信号の立ち下がり時点を示す。ところが位置センサ21の位置ずれが生じている場合、位置センサ信号21aのエッジはモータ誘起電圧のゼロクロス点と一致せず、位置センサ信号21aとモータ誘起電圧との間に位相差が生じる。
位置センサ21の位置ずれに起因するモータ制御への影響は、制御対象である単相モータ12に設けられたロータ12aのロータ径と、ロータ12aの磁極数とに応じて、その度合いが変化する。ロータ径が小さくなるほど、ロータ外周面の円弧の距離に応じた位相の変化が大きい。また磁極数が多くなるほど、ロータ12aの1回転中の電気角変化率が大きくなる。そのためロータ径が小さく、かつ、磁石の磁極数が多くなるほど、位相差が大きくなる。
位置センサ21の位置ずれに起因して、誘起電圧と位置センサ信号21aとの間に位相差が生じることで、モータ制御上設定された回転数に対する進角位相が与えられても、与えられた進角位相とは異なる位相でモータに電圧が印加される。異なる位相で電圧が印加された場合、回転数が特定の値まで増加しないといった問題が発生する。
本実施の形態に係るモータ駆動装置2は、電流センサ22で検出されたモータ電流値が、目標電流値Im_refと一致しないとき、位置センサ信号21aとモータ誘起電圧との位相差を、進角調整幅Δθdelの範囲内で変化させ、目標電流値Im_refになる位相に固定する。目標電流値Im_refは、バッテリ電圧に対応付けて予め設定された電流値である。これにより、位置センサ21の位置ずれが生じた場合でも、特定の出力を得ることができる。
図12はバッテリ電圧とモータ電流との関係を示す図である。横軸はモータ電流、縦軸はバッテリ電圧である。例えば、18.5[V]のバッテリ電圧が印加されたときに流れるモータ電流は20[A]であり、19[V]のバッテリ電圧が印加されたときに流れるモータ電流は22[A]であり、20[V]のバッテリ電圧が印加されたときに流れるモータ電流は25[A]である。
このようにバッテリ電圧の値とモータ電流の値には相関性がある。そのため、バッテリ電圧に対応するモータ電流を予め決定し、決定されたモータ電流が、目標電流値Im_refとして、例えば図1に示すメモリ34に記録される。メモリ34への目標電流値Im_refの記録方法には、バッテリ電圧と目標電流値Im_refとを対応付けたテーブルとして記録する方法を例示できる。なお、目標電流値Im_refには、特定の関数にバッテリ電圧を代入することで決定したモータ電流を用いてもよい。
また、複数のモータのそれぞれの誘起電圧と位置センサ信号21aとの位相差を予め把握することによって、位置センサ21の位置ずれの最大値を進角調整幅Δθdelとすることができる。進角調整幅Δθdelの最大値を設定しない場合、モータ制御では、回転数を進角調整幅Δθdelの最大値よりも上げようとするため、制御が困難になるおそれがある。従って進角調整幅Δθdelを予め決定することにより、安定した制御を実現できる。
図13は進角位相を決定するための動作を説明するフローチャートである。制御部25は、位置センサ21のエッジ間の時間に応じて決定される回転数を演算する(ステップS1)。制御部25は、予め決められた回転数に応じた進角位相θを算出し、算出した進角位相θをキャリア比較部38に設定する(ステップS2)。
電圧センサ20ではバッテリ電圧である直流電圧Vdcが検出され、また電流センサ22ではモータ電流が検出され(ステップS3)、制御部25は、検出されたバッテリ電圧に対応する目標電流値Im_refをメモリ34から読み出し、電流センサ22で検出されたモータ電流と、読み出した目標電流値Im_refとを比較する(ステップS4)。
検出されたモータ電流値Imが目標電流値Im_refを超えている場合(ステップS4:Yes)、制御部25は、位相調整角θadjから、予め決められた位相調整角Δθadjを差し引くことにより、位相調整角θadjを更新する(ステップS5)。位相調整角θadjから差し引かれる位相調整角Δθadjの値は、位置センサ信号21aとモータ誘起電圧との位相差よりも小さい値であればよく、当該位相差の半分の値でもよい、当該位相差の1/4の値でもよい。
検出されたモータ電流値Imが目標電流値Im_ref未満の場合(ステップS4:No)、制御部25は、位相調整角θadjに、予め決められた位相調整角Δθadjを加算することにより、位相調整角θadjを更新する(ステップS6)。位相調整角θadjに加算される位相調整角Δθadjの値は、位置センサ信号21aとモータ誘起電圧との位相差よりも小さい値であればよく、当該位相差の半分の値でもよい、当該位相差の1/4の値でもよい。
次に制御部25は、位相調整角θadjと進角調整幅Δθdelを比較する(ステップS7)。位相調整角θadjが進角調整幅Δθdel以上の場合(ステップS7:Yes)、制御部25は、位相調整角θadjが進角調整幅Δθdelよりも大きくなることを防ぐため、位相調整角θadjを進角調整幅Δθdelに固定する(ステップS8)。そして、制御部25は、ステップS5又はステップS6で求められた位相調整角θadjを、進角位相θに加算する(ステップS9)。これにより制御部25は、最終的な電圧指令Vを導出する(ステップS10)。
位相調整角θadjが進角調整幅Δθdel未満の場合(ステップS7:No)、制御部25は、ステップS9の処理を実行して、最終的な電圧指令Vを導出する(ステップS10)。
これらの進角位相θの設定により、検出されたモータ電流値Imが目標電流値Im_refよりも小さい場合には、位相を進めることでモータ出力を大きくでき、検出されたモータ電流値Imが目標電流値Im_refよりも大きい場合には、位相を遅らせることで出力を小さくすることができる。
本実施の形態では、モータ電流値Imが目標電流値Im_refに追従するような制御をする場合の例を説明したが、本実施の形態の制御例は、モータ電流値Imが目標電流値Im_refに追従するような制御に限定されず、最大回転数を得るように進角位相θを調整する制御でもよい。
三相のセンサレスDCブラシレスモータにおいては、ロータ12aの位置を直接検出することができず、モータ電流からロータ磁極位置を推定する方式が一般的に用いられている。この場合、推定されたロータ磁極位置と実際のロータ磁極位置との誤差が発生するため、モータ制御で進角を調整することは公知である。
一方、位置センサ付DCブラシレスモータでは、位置センサ信号を直接読むことができるため、磁極間の位置把握が可能となる。ロータ磁極位置を把握することが容易となるため、位置センサ付DCブラシレスモータでは、位置センサ21の取り付け位置のばらつきに起因する補正を、モータ制御で実施する事例は少ない。位置センサ付DCブラシレスモータで進角補正をすることによって、位置センサ21の取り付け位置のばらつきに起因するモータ制御への影響が抑制され、ロータ位置に応じた高精度な制御を実現することができる。
バッテリ電圧が満充電に近い状態であるとき、バッテリから出力可能な電力も大きいため、インバータによって、バッテリから最大に近い状態で電力を取り出そうとした場合、変調率が1.0を超えて、出力電圧誤差が大きくなる。その状態においては、制御部25は、進角位相による回転数変動の影響が大きくなるため、位相調整角θadjを小さくする。また、バッテリ電圧が低下した場合、放電電流の制限により最大出力電力が低下してしまう。そこで制御部25は、バッテリ電圧が低下した場合には位相調整角θadjを大きくすることで、最大回転数になるまでの時間を早くすることができる。
図14は位置センサ信号と、ロータ機械角と、基準位相と、電圧指令との関係を示す図である。図14の最下段部には、ロータ12aが時計方向に回転したときのロータ機械角θが0°、45°、90°、135°及び180°である単相モータ12が示される。単相モータ12のロータ12aには4つの磁石が設けられている。ロータ12aの外周に4つのティース12b1が設けられている。ロータ12aが時計方向に回転した場合、制御部25では、ロータ機械角θに応じた位置センサ信号21aが検出され、検出された位置センサ信号21aに応じて電気角に換算された基準位相θが算出される。
図14の中段部に「例1」として示される電圧指令Vは、進角位相θ=0の場合の電圧指令である。進角位相θ=0の場合、基準位相θと同相の正弦波状の電圧指令Vが出力される。このときの電圧指令Vの振幅は、前述した電圧振幅指令V*に基づいて決定される。
図14の中段部に「例2」として示される電圧指令Vは、進角位相θ=π/4の場合の電圧指令である。進角位相θ=π/4の場合、基準位相θから進角位相θの成分、すなわちπ/4進めた正弦波状の電圧指令Vが出力される。
次に、電圧振幅指令V*の与え方について説明する。図15は電圧振幅指令の時間変化を示す図である。本実施の形態において、電圧振幅指令V*は、図示のように、時間tに応じて段階的に変化する動作態様とする。具体的に説明すると、まず、起動時には予め設定した一定の第1電圧Vが与えられ、加速後の定常運転時には、第1電圧Vよりも大きな一定の第2電圧Vが与えられる。また、第1電圧Vから第2電圧Vに変化させる加速時には、予め設定した加速レートが得られるように電圧振幅指令V*を上昇させる。すなわち、本実施の形態では、起動時及び定常運転時には、電圧振幅指令V*を一定とするように制御している。なお、起動時において、第1電圧Vを与える時間τ1は制御系の安定時間を考慮した任意の時間を設定することができる。
次に、電圧振幅指令V*が一定であることの効果について説明する。定常運転時において、電圧振幅指令V*を一定に制御することにより、以下の効果が得られる。
(1)負荷が急変した場合においても位置センサ信号21aから検出された位相を元に、一定の電圧指令を出力できる。
(2)回転数が変動した場合においても電圧指令に影響が及ばないため、出力電圧を安定に保つことができる。
上記の効果は、電気掃除機のように、電気掃除機の吸込口と床面との接触面積に応じて負荷が変動するアプリケーションの場合に有効である。
一般的な電動送風機で実施されている回転数一定制御では、モータに過電流が流れる場合がある。過電流が流れる理由は、負荷変動の際に回転数を一定に保とうとするため、電流が急激に変動するからである。より詳細に説明すると、「負荷が軽い状態」すなわち「負荷トルクが小さい状態」から、「負荷が重い状態」すなわち「負荷トルクが大きい状態」に遷移した際に回転数一定制御を行うと、同一回転数を維持しようしてモータ出力トルクを大きくしなければならず、モータ電流の変化量が大きくなるからである。
一方、本実施の形態の制御では、前述したように、定常運転時において、電圧振幅指令V*を一定とする制御を行っている。ここで、電圧振幅指令V*を一定とする場合、負荷が重くなった際には、電圧振幅指令V*は変化させないので、負荷トルクが大きくなった分、モータ回転数は低下する。この制御により、モータ電流の急峻な変化と過電流とを防止できるので、モータに接続される羽根が安定して回転する電動送風機及び電機掃除機を実現することができる。
なお、電動送風機の場合、負荷トルクは、モータの負荷である羽根の回転数の増加に伴って増加すると共に、風路の径が広くなるに従って増加する。風路の径とは、電機掃除機を例とした場合、吸込口の広さを表している。風路の径が広いとき、吸込口に何も接触していない場合、風を吸込む力が必要となるため、同一回転数で羽根が回転している際の負荷トルクは大きくなる。一方、風路の径が狭いとき、吸込口が何かと接触して塞がれている状態では、風を吸込む力が必要なくなるため、同一回転数で羽根が回転している際の負荷トルクは小さくなる。
次に、進角制御による効果について説明する。まず、回転数の増加に応じて進角位相θを増加させることにより、回転数範囲を広げることができる。進角位相θを「0」とした場合には、モータ印加電圧とモータ誘起電圧とが釣り合う所で回転数が飽和する。回転数を更に増加させるためには、進角位相θを進め、電機子反作用によるステータに発生させる磁束を弱めることにより、モータ誘起電圧の増加が抑制され、回転数が増加する。よって、進角位相θを回転数に応じて選択することで、広い回転数領域を得ることができる。
次に、進角制御に進角調整幅Δθdelを設けることによる効果について説明する。まず、進角調整幅Δθdelを設けることで、製造時に位置センサ21の位置ずれが生じた場合においても、安定して特定の回転数を得ることができる。また、位置センサ固有の感度の特性ずれが発生した場合においても特定の回転数を得ることができる。よって、製造工程上で位置センサ21の取り付け位置のばらつきを無くすように調整するためのコストの発生を抑制できる。
本実施の形態による進角制御御を電気掃除機に適用する場合には、吸込口の塞ぎ状態の変化によらず、すなわち負荷トルクに関係なく、電圧指令を一定とし、回転速度の増加に応じて電圧指令の進み角である進角位相θを増加させるようにすればよい。このように制御すれば、広い回転速度範囲において安定した駆動が可能となる。また、進角調整幅を設けることにより、位置センサ21の位置ずれが発生した場合においても、駆動回転数の低下を抑制できる。
次に、図16から図19を参照して本実施の形態における損失低減手法について説明する。図16はインバータ出力電圧の極性によるモータ電流の経路を示す第1の図である。図17はインバータ出力電圧の極性によるモータ電流の経路を示す第2の図である。図18はインバータ出力電圧の極性によるモータ電流の経路を示す第3の図である。図19は、MOSFETの概略構造を示す模式的断面図である。
ここでは、図19を参照してMOSFETの概略の構造を説明した後に、図16から図18を参照してモータ電流の経路を説明する。n型MOSFETの場合、図19に示すように、p型の半導体基板が用いられる。p型の半導体基板上には、ソース電極(S)、ドレイン電極(D)及びゲート電極(G)が形成される。ソース電極(S)及びドレイン電極(D)と接する部位には、高濃度の不純物がイオン注入されてn型の領域が形成される。また、p型の半導体基板において、n型の領域が形成されない部位とゲート電極(G)との間には、酸化絶縁膜が形成される。すなわち、ゲート電極(G)と、半導体基板におけるp型の領域との間には、酸化絶縁膜が介在している。
ゲート電極(G)に正電圧が印加されると、半導体基板におけるp型の領域と酸化絶縁膜との間の境界面に電子が引き寄せられ、当該境界面が負に帯電する。電子が集まった所は、電子の密度がホール密度よりも高くなりn型化する。このn型化した部分は電流の通り道となりチャネルと呼ばれる。当該チャネルは、図19の例では、n型チャネルである。MOSFETがオンに制御されることにより、通流する電流は、寄生ダイオード側よりもチャネル側の方に多く流れる。
インバータ出力電圧の極性が正の場合、図16の太実線(a)で示すように、電流は、第1相の上アームであるスイッチング素子51のチャネルを通って単相モータ12に流れ込み、第2相の下アームであるスイッチング素子54のチャネルを通って単相モータ12から流れ出す。また、インバータ出力電圧の極性が負の場合、図16の太破線(b)で示すように、電流は、第2相の上アームであるスイッチング素子53のチャネルを通って単相モータ12に流れ込み、第1相の下アームであるスイッチング素子52のチャネルを通って単相モータ12から流れ出す。
次に、インバータ出力電圧が零、すなわち単相インバータ11から零電圧が出力された場合の電流経路について説明する。正のインバータ出力電圧が生成された後にインバータ出力電圧が零になると、図17の太実線(c)で示すように、電源側からは電流が流れず、単相インバータ11と単相モータ12との間で電流が行き来する還流モードとなる。このとき、単相モータ12に直前に流れている電流の向きは変わらないため、単相モータ12から流れ出した電流は、第2相の下アームであるスイッチング素子54のチャネルと、第1相の下アームであるスイッチング素子52のボディダイオード52aとを通って単相モータ12に戻る。なお、負のインバータ出力電圧が生成された後にインバータ出力電圧が零になる場合は、直前に流れていた電流の向きが逆であるため、図17の太破線(d)で示すように、還流電流の向きは逆となる。具体的に説明すると、単相モータ12から流れ出した電流は、第1相の上アームであるスイッチング素子51のボディダイオード51aと、第2相の上アームであるスイッチング素子53のチャネルとを通って単相モータ12に戻る。
上記の説明の通り、単相モータ12と単相インバータ11との間で電流が還流する還流モードでは、第1相及び第2相の内の何れか一方の相ではボディダイオードに電流が流れる。一般的に、ダイオードの順方向に電流を流すことに比べ、MOSFETのチャネルに電流を流した方が、導通損失が小さくなることが知られている。そこで、本実施の形態では、還流電流が流れる還流モードにおいて、ボディダイオードに流れる通流電流を小さくすべく、当該ボディダイオードを有する側のMOSFETがオンに制御される。
還流モードにおいて、図17の太実線(c)で示す還流電流が流れるタイミングでは、スイッチング素子52がオンに制御される。このように制御すれば、図18の太実線(e)で示すように、還流電流の多くは抵抗値の小さいスイッチング素子52のチャネル側を流れる。これにより、スイッチング素子52での導通損失が低減される。また、図17の太破線(d)で示す還流電流が流れるタイミングでは、スイッチング素子51がオンに制御される。このように制御すれば、図18の太破線(f)で示すように、還流電流の多くは抵抗値の小さいスイッチング素子51のチャネル側を流れる。これにより、スイッチング素子51での導通損失が低減される。
前述のように、ボディダイオードに還流電流が流れるタイミングにおいて、当該ボディダイオードを有する側のMOSFETがオンに制御されることにより、スイッチング素子の損失を低減することができる。このため、MOSFETの形状を表面実装タイプにして基板にて放熱可能な構造とし、また、スイッチング素子の一部又は全部をワイドバンドギャップ半導体で形成することにより、基板のみでMOSFETの発熱を抑制する構造を実現する。なお、基板のみで放熱が可能であれば、ヒートシンクが不要となるため、インバータの小型化に寄与し、製品の小型化にも繋げることができる。
前述の放熱方法に加え、基板を風路に設置することで、更なる放熱効果をも得ることができる。ここで、風路とは、電動送風機のように空気の流れを発生させるファンを周囲の空間、又は電動送風機が発生する風が流れる通路である。基板を風路に設置することにより、電動送風機が発生する風によって基板上の半導体素子を放熱できるので、半導体素子の発熱を大幅に抑制することができる。
次に、実施の形態に係るモータ駆動装置の適用例について説明する。図20は実施の形態に係るモータ駆動装置を備えた電気掃除機の構成図である。電気掃除機61は、直流電源であるバッテリ67と、図1に示されるモータ駆動装置2と、図1に示される単相モータ12により駆動される電動送風機64と、集塵室65と、センサ68と、吸込口体63と、延長管62と、操作部66とを備える。バッテリ67は図1に示す電源10に相当する。
電気掃除機61を使用するユーザは、操作部66を持ち、電気掃除機61を操作する。電気掃除機61のモータ駆動装置2は、バッテリ67を電源として電動送風機64を駆動する。電動送風機64が駆動することにより、吸込口体63からごみの吸込みが行われ、吸込まれたごみは、延長管62を介して集塵室65へ集められる。
電気掃除機61は、モータ回転数が0[rpm]から10万以上[rpm]まで変動する製品である。このように単相モータ12が高速回転する製品を駆動する際には、前述した実施の形態に係る制御手法が好適である。電圧振幅指令V*を一定とし、回転速度に応じて進角位相θを変更することで、低速から高速回転領域まで回転数駆動範囲を広げつつ、負荷の急変に対応することができる。また、PWM制御によってモータ電流を正弦波状に制御することで高効率な駆動ができるため、運転時間の長時間化が可能である。
また電気掃除機61のように小型モータを搭載した製品は、位置センサ21の取り付け位置のばらつきによる位相差の影響が大きく、制御に大きな影響を与えてしまう。そのため、一般的には製造上で予め位置センサ21の位置ずれ量が測定され、電気掃除機61では位置センサ21の位置のずれ量を考慮した制御が実施される。ただし、この場合、製造工程で位置センサ21の位置ずれ量を測定する工程が発生するため、製造コストが増大するといった課題がある。そのため、位置センサ21の位置ずれ量を測定することなく、位置センサ21の位置ずれによる影響を抑制するモータ制御を実現することで、安価で製品品質の向上を図ることができる。
また実施の形態に係る電気掃除機61は、前述した放熱部品の削減により小型化及び軽量化することができる。更に電気掃除機61は、電流を検出する電流センサが必要なく、高速なアナログディジタル変換器も必要ないことから、コストを抑制することができる。
図21は実施の形態に係るモータ駆動装置を備えたハンドドライヤの構成図である。ハンドドライヤ90は、モータ駆動装置2と、ケーシング91と、手検知センサ92と、水受け部93と、ドレン容器94と、カバー96と、センサ97と、吸気口98と、電動送風機95とを備える。ここで、センサ97は、ジャイロセンサ及び人感センサの何れかである。ハンドドライヤ90では、水受け部93の上部にある手挿入部99に手が挿入されることにより、電動送風機95による送風で水が吹き飛ばされ、吹き飛ばされた水は、水受け部93で集められた後、ドレン容器94に溜められる。
ハンドドライヤ90は、図20に示す電気掃除機61と同様に、モータ回転数が0[rpm]から10万[rpm]まで変動する製品である。このため、ハンドドライヤ90においても、前述した実施の形態に係る制御手法が好適であり、電気掃除機61と同様な効果を得ることができる。
図22は実施の形態に係るモータ駆動装置における変調制御を説明するための図である。同図の左側には、回転数と変調率の関係が示される。また同図の右側には、変調率が1.0以下のときのインバータ出力電圧の波形と、変調率が1.0を超えるときのインバータ出力電圧の波形とが示される。一般的に、回転数の増加に伴い回転体の負荷トルクは大きくなる。このため、回転数の増加に伴いモータ出力トルクを増加させる必要がある。また、一般的にモータ出力トルクはモータ電流に比例して増加し、モータ電流の増加にはインバータ出力電圧の増加が必要である。よって、変調率を上げてインバータ出力電圧を増加させることで、回転数を増加させることができる。
次に、本実施の形態における回転数制御について説明する。なお、以下の説明では、負荷として電動送風機を想定し、電動送風機の運転域を以下の通り区分する。
(A)低速回転域(低回転数領域):0[rpm]から8万[rpm]
(B)高速回転域(高回転数領域):8万[rpm]以上
なお、上記(A)と上記(B)に挟まれた領域はグレーゾーンであり、用途に応じて、低速回転域に含まれる場合もあれば、高速回転域に含まれる場合もある。
まず、低速回転域での制御について説明する。低速回転域では変調率を1.0以下としてPWM制御される。なお、変調率を1.0以下とすることで、モータ電流を正弦波に制御し、モータの高効率化を図ることができる。なお、低速回転域と高速回転域とで同じキャリア周波数で動作させた場合、キャリア周波数は高速回転域に合わせたキャリア周波数となるため、低速回転域ではPWMパルスが必要以上に多くなる傾向にある。このため、低速回転域ではキャリア周波数を低下させ、スイッチング損失を低下させる手法を用いてもよい。また、回転数に同期させてキャリア周波数を変化させることで、回転数に応じてパルス数が変化しないように制御してもよい。
次に、高速回転域での制御について説明する。高速回転域では、変調率が1.0より大きな値に設定される。変調率を1.0より大きくすることで、インバータ出力電圧を増加させつつ、インバータ内のスイッチング素子が行うスイッチング回数を低減させることで、スイッチング損失の増加を抑えることができる。ここで、変調率が1.0を超えることによって、モータ出力電圧は増加するが、スイッチング回数が低下するため、電流の歪が懸念される。しかしながら、高速回転中においては、モータのリアクタンス成分が大きくなり、モータ電流の変化成分であるdi/dtが小さくなるため、低速回転域に比べて電流歪は小さくなり、波形の歪に対する影響は小さくなる。よって、高速回転域では、変調率を1.0より大きな値に設定し、スイッチングパルス数を低減させる制御を行う。この制御により、スイッチング損失の増加を抑制し、高効率化を図ることができる。
なお、上記の通り、低速回転域と高速回転域の境界は曖昧である。このため、制御部25には、低速回転域と高速回転域との境界を決める第1回転速度が設定され、制御部25は、モータ又は負荷の回転速度が第1回転速度以下の場合には変調率を1.0以下に設定し、モータ又は負荷の回転速度が第1回転速度を超えた場合には1を超える変調率に設定するように制御すればよい。
以上の説明の通り、本実施の形態では、電気掃除機61及びハンドドライヤ90にモータ駆動装置2を適用した構成例を説明したが、モータ駆動装置2は、モータが搭載された電気機器に適用することができる。モータが搭載された電気機器は、焼却炉、粉砕機、乾燥機、集塵機、印刷機械、クリーニング機械、製菓機械、製茶機械、木工機械、プラスチック押出機、ダンボール機械、包装機械、熱風発生機、物体輸送、吸塵用、一般送排風、又はOA機器といった機器である。
以上の実施の形態に示した構成は、本発明の内容の一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。
1 モータ駆動システム、2 モータ駆動装置、10 電源、11 単相インバータ、11−1,11−2 接続端、12 単相モータ、12a ロータ、12b ステータ、12b1 ティース、20 電圧センサ、21 位置センサ、21a 位置センサ信号、22 電流センサ、25 制御部、30 アナログディジタル変換器、30a 直流電圧、31 プロセッサ、32 駆動信号生成部、33 キャリア生成部、34 メモリ、38 キャリア比較部、38a 絶対値演算部、38b 除算部、38c,38d,38f 乗算部、38e 加算部、38g,38h 比較部、38i,38j 出力反転部、42 回転速度算出部、44 進角位相算出部、51,52,53,54 スイッチング素子、51a,52a,53a,54a ボディダイオード、61 電気掃除機、62 延長管、63 吸込口体、64,95 電動送風機、65 集塵室、66 操作部、67 バッテリ、68 センサ、90 ハンドドライヤ、91 ケーシング、92 手検知センサ、93 水受け部、94 ドレン容器、96 カバー、97 センサ、98 吸気口、99 手挿入部。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係るモータ駆動装置は、バッテリを電源として単相モータを駆動するモータ駆動装置であって、複数のスイッチング素子を備え、単相モータに交流電圧を印加する単相インバータと、単相モータに取り付けられ、単相モータのロータ磁極位置を検出して磁極位置検出信号を出力する位置センサと、単相モータへ流れる電流であるモータ電流値を検出する電流センサと、を備え、電圧指令と磁極位置検出信号とに基づいて、複数のスイッチング素子をパルス幅変調制御すると共に、磁極位置検出信号とモータ誘起電圧との位相差を変化させることによって、モータ電流値を、バッテリの電圧に対応付けて設定される目標電流値にさせ、磁極位置検出信号とモータ誘起電圧との位相差を調整するための位相調整角が、単相モータへの位置センサの取り付け位置のばらつき範囲に相当する進角調整幅以上のとき、位相調整角を、電圧指令の演算に用いられ特定の回転数に対する進角位相に加算する

Claims (11)

  1. バッテリを電源として単相モータを駆動するモータ駆動装置であって、
    複数のスイッチング素子を備え、前記単相モータに交流電圧を印加する単相インバータと、
    前記単相モータに取り付けられ、前記単相モータのロータ磁極位置を検出して磁極位置検出信号を出力する位置センサと、
    前記単相モータへ流れる電流であるモータ電流値を検出する電流センサと、
    電圧指令と前記磁極位置検出信号とに基づいて、複数の前記スイッチング素子をパルス幅変調制御する制御部と
    を備え、
    前記制御部は、前記磁極位置検出信号と前記単相インバータの出力電圧との位相差を変化させることによって、前記モータ電流値を、前記バッテリの電圧に対応付けて設定される目標電流値にさせるモータ駆動装置。
  2. 前記制御部は、前記モータ電流値が前記目標電流値よりも小さいときには、前記電圧指令の演算に用いられ特定の回転数に対する進角位相を進め、前記モータ電流値が前記目標電流値よりも大きいときには、前記進角位相を遅らせる請求項1に記載のモータ駆動装置。
  3. 前記制御部は、前記磁極位置検出信号と前記単相インバータの出力電圧との位相差を調整するための位相調整角が、前記単相モータへの前記位置センサの取り付け位置のばらつき範囲に相当する進角調整幅以上のとき、前記位相調整角を前記進角位相に加算する請求項2に記載のモータ駆動装置。
  4. 前記制御部は、前記パルス幅変調制御を行うためのパルス幅変調信号を、ユニポーラ変調によって生成する請求項1から3の何れか一項に記載のモータ駆動装置。
  5. 起動時には、前記電圧指令の振幅である電圧振幅指令に予め設定した一定の第1電圧が与えられ、
    加速後の定常運転時には、前記第1電圧よりも大きな一定の第2電圧が与えられる請求項1から4の何れか一項に記載のモータ駆動装置。
  6. 前記制御部は、低速回転域と高速回転域の境界を決める第1回転速度を設定し、
    前記単相モータの回転速度が前記第1回転速度以下の場合には、前記パルス幅変調制御の変調率を1以下に設定し、前記回転速度が前記第1回転速度を超えた場合には、前記変調率を、1を超える値に設定する請求項1から4の何れか一項に記載のモータ駆動装置。
  7. 複数の前記スイッチング素子の内の少なくとも1つはワイドバンドギャップ半導体で形成されている請求項1から6の何れか一項に記載のモータ駆動装置。
  8. 前記ワイドバンドギャップ半導体は、炭化珪素、窒化ガリウム又はダイヤモンドである請求項7に記載のモータ駆動装置。
  9. 請求項1から8の何れか一項に記載のモータ駆動装置を備えた電動送風機。
  10. 請求項9に記載の電動送風機を備えた電気掃除機。
  11. 請求項9に記載の電動送風機を備えたハンドドライヤ。
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