JPWO2018212162A1 - ジアミノベンゼン化合物の製造方法 - Google Patents

ジアミノベンゼン化合物の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JPWO2018212162A1
JPWO2018212162A1 JP2019518793A JP2019518793A JPWO2018212162A1 JP WO2018212162 A1 JPWO2018212162 A1 JP WO2018212162A1 JP 2019518793 A JP2019518793 A JP 2019518793A JP 2019518793 A JP2019518793 A JP 2019518793A JP WO2018212162 A1 JPWO2018212162 A1 JP WO2018212162A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
compound
formula
alkali metal
reaction
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Ceased
Application number
JP2019518793A
Other languages
English (en)
Inventor
雅彦 関
雅彦 関
健次 田中
健次 田中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokuyama Corp
Original Assignee
Tokuyama Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tokuyama Corp filed Critical Tokuyama Corp
Publication of JPWO2018212162A1 publication Critical patent/JPWO2018212162A1/ja
Ceased legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C227/00Preparation of compounds containing amino and carboxyl groups bound to the same carbon skeleton
    • C07C227/14Preparation of compounds containing amino and carboxyl groups bound to the same carbon skeleton from compounds containing already amino and carboxyl groups or derivatives thereof
    • C07C227/16Preparation of compounds containing amino and carboxyl groups bound to the same carbon skeleton from compounds containing already amino and carboxyl groups or derivatives thereof by reactions not involving the amino or carboxyl groups
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C229/00Compounds containing amino and carboxyl groups bound to the same carbon skeleton
    • C07C229/52Compounds containing amino and carboxyl groups bound to the same carbon skeleton having amino and carboxyl groups bound to carbon atoms of six-membered aromatic rings of the same carbon skeleton
    • C07C229/54Compounds containing amino and carboxyl groups bound to the same carbon skeleton having amino and carboxyl groups bound to carbon atoms of six-membered aromatic rings of the same carbon skeleton with amino and carboxyl groups bound to carbon atoms of the same non-condensed six-membered aromatic ring
    • C07C229/56Compounds containing amino and carboxyl groups bound to the same carbon skeleton having amino and carboxyl groups bound to carbon atoms of six-membered aromatic rings of the same carbon skeleton with amino and carboxyl groups bound to carbon atoms of the same non-condensed six-membered aromatic ring with amino and carboxyl groups bound in ortho-position
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C229/00Compounds containing amino and carboxyl groups bound to the same carbon skeleton
    • C07C229/52Compounds containing amino and carboxyl groups bound to the same carbon skeleton having amino and carboxyl groups bound to carbon atoms of six-membered aromatic rings of the same carbon skeleton
    • C07C229/54Compounds containing amino and carboxyl groups bound to the same carbon skeleton having amino and carboxyl groups bound to carbon atoms of six-membered aromatic rings of the same carbon skeleton with amino and carboxyl groups bound to carbon atoms of the same non-condensed six-membered aromatic ring
    • C07C229/60Compounds containing amino and carboxyl groups bound to the same carbon skeleton having amino and carboxyl groups bound to carbon atoms of six-membered aromatic rings of the same carbon skeleton with amino and carboxyl groups bound to carbon atoms of the same non-condensed six-membered aromatic ring with amino and carboxyl groups bound in meta- or para- positions
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D235/00Heterocyclic compounds containing 1,3-diazole or hydrogenated 1,3-diazole rings, condensed with other rings
    • C07D235/02Heterocyclic compounds containing 1,3-diazole or hydrogenated 1,3-diazole rings, condensed with other rings condensed with carbocyclic rings or ring systems
    • C07D235/04Benzimidazoles; Hydrogenated benzimidazoles
    • C07D235/24Benzimidazoles; Hydrogenated benzimidazoles with hetero atoms or with carbon atoms having three bonds to hetero atoms with at the most one bond to halogen, e.g. ester or nitrile radicals, directly attached in position 2
    • C07D235/26Oxygen atoms
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/55Design of synthesis routes, e.g. reducing the use of auxiliary or protecting groups

Abstract

本発明は安価で簡便な方法でジアミノベンゼン化合物、およびベンズイミダゾール化合物を製造する方法を提供することを目的とする。本発明では、下記式(1)(式中、nは1〜4の整数であり、R1は、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数2〜6のアシルオキシ基、炭素数2〜6のアルコキシカルボニル基、ニトロ基、又はハロゲン原子あり、n≧2の場合には、複数個のR1は互いに同一であっても異なっていてもよく、RAは、水素原子、又は保護基である。)で示されるアミノニトロベンゼン化合物又はN−保護ニトロベンゼン化合物と、亜ジチオン酸のアルカリ金属塩とを接触させることにより、下記式(2)(式中、R1、RAおよびnは、前記式(1)におけるものと同義である。)で示されるジアミノベンゼン化合物又はN−保護アミノベンゼン化合物を製造する方法、および必要に応じて、脱保護反応を行う方法を提供する。

Description

本発明は、化学製品、原薬等の中間体として有用なジアミノベンゼン化合物の新規な製造方法に関する。さらには、該製造方法でジアミノベンゼン化合物を製造した後、得られたジアミノベンゼン化合物からベンズイミダゾール誘導体を製造する新規な方法に関する。
ベンズイミダゾール誘導体は、化学製品、原薬の中間体として非常に利用価値が高い。例えば、下記式(5)
Figure 2018212162
(式中、
1は、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数2〜6のアシルオキシ基、炭素数2〜6のアルコキシカルボニル基、ニトロ基、又はハロゲン原子であり、
2は、炭素数1〜6のアルキル基、又は炭素数1〜6のアルコキシ基である。)で示されるベンズイミダゾール誘導体は、カンデサルタンシレキセチル等のサルタン系原薬の中間体として、その工業的利用価値が非常に高い(例えば、特許文献1〜3参照。)。
通常、前記式(5)で示されるベンズイミダゾール誘導体は、以下の方法で合成されている。先ず、下記式(6)
Figure 2018212162
(式中、
1は、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数2〜6のアシルオキシ基、炭素数2〜6のアルコキシカルボニル基、ニトロ基、又はハロゲン原子あり、
Aは、水素原子、又は保護基である。)で示されるアミノニトロベンゼン化合物又はN−保護ニトロベンゼン化合物のニトロ基を還元し、下記式(7)
Figure 2018212162
(式中
1、およびRAは、前記式(6)におけるものと同義である。)で示されるジアミノベンゼン化合物又はN−保護アミノベンゼン化合物を合成する。この際、RAがtert−ブトキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、フルオレニルメトキシカルボニル基、2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル基、ホルミル基、アセチル基、トシル基、又はノシル基等の保護基(以下、この保護基を「RA1」とする場合もある。)であるN−保護アミノベンゼン化合物である場合には、脱保護反応を行い、ジアミノベンゼン化合物とする。
次いで、得られたジアミノベンゼン化合物と所望の基を有するオルトエステル誘導体と反応させて、縮合、環化反応を行うことにより、前記式(5)で示されるベンズイミダゾール誘導体が合成されている。
前記式(6)で示されるアミノニトロベンゼン化合物のニトロ基を還元する場合、従来技術においては、高価なニッケル触媒(特許文献1参照)やパラジウム触媒(特許文献2参照)を使用したり、毒性の高い錫化合物(特許文献3参照)を使用しているのが現状であった。
ジアミノベンゼン化合物、および前記式(5)で示されるベンズイミダゾール誘導体からカンデサルタンシレキセチルのような原薬を製造するためには、この後、非常に多くの工程を必要とする。そのため、これら中間体は、なるべく安価で、取り扱いやすい試薬を用いて合成されることが望まれている。従来技術においては、この点で改善の余地があった。
国際公開第2006/015134号 国際公開第2015/173970号 国際公開第2012/018325号
したがって、本発明の目的は、より安価な材料を使用して、より簡便にジアミノベンゼン化合物、およびベンズイミダゾール誘導体を製造できる方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた。その結果、安価な亜ジチオン酸([S222-)のアルカリ金属塩を使用しても、前記式(6)で示されるアミノニトロベンゼン化合物又はN−保護ニトロベンゼン化合物の還元反応が進行することを見出した。さらには、該還元反応を、非プロトン性極性溶媒を含む反応溶媒(水を含んでいてもよい反応溶媒)中で行ったり、炭酸アルカリ金属塩の存在下で行うことにより、得られるジアミノベンゼン化合物又はN−保護アミノベンゼン化合物の純度、および収率を高められることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、(1)第一の本発明は、下記式(1)
Figure 2018212162
(式中、
nは1〜4の整数であり、
1は、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数2〜6のアシルオキシ基、炭素数2〜6のアルコキシカルボニル基、ニトロ基、又はハロゲン原子あり、n≧2の場合には、複数個のR1は互いに同一であっても異なっていてもよく、
Aは、水素原子、又は保護基である。)で示されるアミノニトロベンゼン化合物又はN−保護ニトロベンゼン化合物と、
亜ジチオン酸のアルカリ金属塩とを接触させることにより、
下記式(2)
Figure 2018212162
(式中
1、RAおよびnは、前記式(1)におけるものと同義である。)で示されるジアミノベンゼン化合物又はN−保護アミノベンゼン化合物を製造する方法である。
以下、前記式(1)においてRAが水素原子である化合物を、単に「アミノニトロベンゼン化合物」とする場合もある。また、前記式(1)においてRAが保護基の場合の化合物を、単に「N−保護ニトロベンゼン化合物」とする場合もある。さらに、「アミノニトロベンゼン化合物」と「N−保護ニトロベンゼン化合物」とを総称する場合には、単に「ニトロベンゼン化合物」とする場合もある。
同様に、前記式(2)においてRAが水素原子である化合物を、単に「ジアミノベンゼン化合物」とする場合もある。また、前記式(2)においてRAが保護基の場合の化合物を、単に「N−保護アミノベンゼン化合物」とする場合もある。さらに、「ジアミノベンゼン化合物」と「N−保護アミノベンゼン化合物」とを総称する場合には、単に「アミノベンゼン化合物」とする場合もある。
なお、前記の通り、前記式(1)、前記式(2)において、RAがtert−ブトキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、フルオレニルメトキシカルボニル基、2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル基、ホルミル基、アセチル基、トシル基、又はノシル基等の保護基を「RA1」とする場合もある。
(2)第一の本発明においては、非プロトン性極性溶媒を含む反応溶媒中で、前記式(1)で示されるアミノニトロベンゼン化合物又はN−保護ニトロベンゼン化合物と前記亜ジチオン酸のアルカリ金属塩とを接触させることが好ましい。
(3)第一の本発明においては、前記反応溶媒が水を含み、亜ジチオン酸のアルカリ金属塩を1モルとしたとき、該水の量が1〜3モルであることが好ましい。
第一の本発明において、(2)(3)の態様を満足することにより、前記亜ジチオン酸のアルカリ金属塩の分解を抑制するとともに、基質および反応剤の溶解を促進し、前記アミノベンゼン化合物の純度、収率を高くすることができる。
(4)第一の本発明においては、炭酸アルカリ金属塩の存在下において、前記式(1)で示されるアミノニトロベンゼン化合物又はN−保護ニトロベンゼン化合物と前記亜ジチオン酸のアルカリ金属塩とを接触させることが好ましい。炭酸アルカリ金属塩が存在することにより、ベンゼン環のスルホン化などの副反応を抑制できるものと考えられる。また、反応で生じる硫酸水素アルカリ金属塩または亜硫酸水素アルカリ金属塩を中和し反応を促進できると考えられる。さらに、前記アミノベンゼン化合物の抽出単離を容易とすることができる。
(5)第一の本発明においては、前記式(1)で示されるアミノニトロベンゼン化合物又はN−保護ニトロベンゼン化合物を1モルとしたとき、前記亜ジチオン酸のアルカリ金属塩の使用量が1〜5モルであることが好ましい。前記亜ジチオン酸のアルカリ金属塩の使用量を前記範囲とすることにより、前記アミノベンゼン化合物の収率を高くすることができる。
(6)第一の本発明においては、前記式(1)、前記式(2)において、RAの保護基が、tert−ブトキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、フルオレニルメトキシカルボニル基、2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル基、4−ニトロベンジルオキシカルボニル基、ホルミル基、アセチル基、トシル基、又はノシル基であることが好ましい。これら保護基であれば、その脱保護反応が容易となる。
(7)前記(6)の方法において、N−保護アミノベンゼン化合物を製造した後、得られたN−保護アミノベンゼン化合物は、酸、塩基、又は水素と接触させて、ジアミノベンゼン化合物にすることが好ましい。
(8)第二の本発明は、第一の本発明により、前記ジアミノベンゼン化合物を製造した後、酸の存在下、得られた該ジアミノベンゼン化合物と、
下記式(3)
Figure 2018212162
(式中、
2は、炭素数1〜6のアルキル基、又は炭素数1〜6のアルコキシ基であり、
3は、炭素数1〜6のアルキル基であり、同一であっても、異なる基であってもよい。)で示されるオルトエステル誘導体(以下、単に「オルトエステル誘導体」とする場合もある。)とを反応させることにより、
下記式(4)
Figure 2018212162
(式中、
1およびnは、前記式(1)におけるものと同義であり、
2は、前記式(3)におけるものと同義である。)で示されるベンズイミダゾール誘導体(以下、単に「ベンズイミダゾール誘導体」とする場合もある。)を製造する方法である。
本発明によれば、従来使用していた還元剤よりも、安価で安全な亜ジチオン酸のアルカリ金属塩を使用して、ジアミノベンゼン化合物を製造することができる。この亜ジチオン酸のアルカリ金属塩を使用することにより、従来のパラジウム触媒を用いた方法よりも、得られるジアミノベンゼン化合物の単離精製が容易となる。
また、非プロトン性極性溶媒を含む反応溶媒中で、前記ニトロベンゼン化合物と前記亜ジチオン酸のアルカリ金属塩とを接触させることにより、前記亜ジチオン酸のアルカリ金属塩の分解を抑制するとともに基質および反応剤の溶解を促進し、前記アミノベンゼン化合物の純度、収率を高くすることができる。また、この場合、前記反応溶媒は水を含んでもよく、水を含むことにより、上記効果がより顕著に発揮される
さらに、炭酸アルカリ金属塩を反応系内に存在させることにより、ベンゼン環がスルホン化された副生物(極性不純物)の生成をより一層抑制できる。また、非プロトン性極性溶媒を含む反応溶媒を使用することにより、得られるジアミノベンゼン化合物の純度、収率をより高くすることができる。
さらに、前記N−保護ニトロベンゼン化合物を使用することにより、ベンゼン環がスルホン化された副生物(以下、この副生物を「極性不純物」とする場合もある)の生成を抑制することもできる。また、得られる前記N−保護アミノベンゼン化合物は、非水溶性有機溶媒への溶解度が高くなる。その結果、水洗・抽出の操作により、より簡便に高純度化することが可能となる。
得られた前記ジアミノベンゼン化合物は、オルトエステル誘導体と反応させることにより、容易にベンズイミダゾール誘導体を製造することができる。得られたベンズイミダゾール誘導体は、様々な化学製品、原薬の中間体として使用することができるため、本発明の工業的利用価値は非常に高い。
本発明は、前記ニトロベンゼン化合物のニトロ基を亜ジチオン酸のアルカリ金属塩でアミノ基に還元し、前記アミノベンゼン化合物を製造する方法である。還元するためには、前記ニトロベンゼン化合物と亜ジチオン酸のアルカリ金属塩とを混合すればよい。以下、順を追って説明する。
(原料化合物;ニトロベンゼン化合物)
本発明において、原料として使用するニトロベンゼン化合物は、下記式(1)
Figure 2018212162
で示される化合物である。
前記式(1)中、nは1〜4の整数であり、好ましくは1であり、R1は、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数2〜6のアシルオキシ基、炭素数2〜6のアルコキシカルボニル基、ニトロ基、又はハロゲン原子であり、n≧2の場合、複数個のR1は互いに同一であっても異なっていてもよい。中でも、様々な物質、原薬の中間体として使用するためには、炭素数2〜6のアルコキシカルボニル基であることが好ましい。また、前記ニトロベンゼン化合物のR1が炭素数1〜6のアルキル基、炭素数2〜6のアルコキシカルボニル基である場合には、カンデサルタンシレキセチルの原料として使用することができる。また、サルタン系原薬の中間体として使用するためには、前記式(1)中、n=1であり、R1が炭素数1〜6のアルキル基であることが好ましく、カンデサルタンシレキセチルの原料として使用するためには炭素数2〜6のアルコキシカルボニル基であることが特に好ましい。
また、R1の位置は、特に制限されるものではない。中でも、カンデサルタンシレキセチルの原料として使用するのであれば、NHRA基と結合している炭素原子の隣の炭素原子とR1とが結合していることが好ましい。そのため、R1が1位の炭素原子と結合し、2−アミノ−3−ニトロベンゼン化合物又は2−N−保護アミノ−3−ニトロベンゼン化合物であることが好ましい。
Aは、水素原子、又は保護基である。RAが水素原子である場合には、工程(脱保護反応)を簡略化することができる。
一方、RAが保護基である場合には、得られる化合物が前記N−保護アミノベンゼン化合物となり、水洗・抽出操作等により、容易に純度を高くすることができる。加えて、保護基を有することにより、ベンゼン環がスルホン化された副生物(極性不純物)の生成を抑制できる。保護基を具体的に例示すれば、tert−ブトキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、フルオレニルメトキシカルボニル基、2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル基、ホルミル基、アセチル基、トシル基、又はノシル基などの保護基(RA1)が挙げられる。これらの保護基であれば、容易に脱保護反応を進めることができ、ジアミノベンゼン化合物とすることができる。これら具体的な保護基の中でも、不純物抑制効果、および脱保護反応の容易さ等を考慮すると、RA(RA1)は、tert−ブトキシカルボニル基であることが好ましい。
前記ニトロベンゼン化合物は、公知の方法を利用して製造できる。
(亜ジチオン酸のアルカリ金属塩)
本発明においては、亜ジチオン酸のアルカリ金属塩によって、前記ニトロベンゼン化合物のニトロ基をアミノ基に還元する。該亜ジチオン酸のアルカリ金属塩を使用することによって、従来知られていたパラジウム系触媒よりも、安価であって、得られた前記アミノベンゼン化合物を単離精製することが容易となる。すなわち、反応終了後、亜ジチオン酸のアルカリ金属塩は、パラジウム系触媒よりも除去がし易い。
亜ジチオン酸のアルカリ金属塩において、該アルカリ金属は、ナトリウム、カリウムであることが好ましく、入手し易く、取り扱いやすいとういう点では、ナトリウムであることが好ましい。亜ジチオン酸のアルカリ金属塩を具体的に例示すれば、ハイドロサルファイトナトリウム、ハイドロサルファイトカリウムが挙げられ、ハイドロサルファイトナトリウムであることが好ましい。
亜ジチオン酸のアルカリ金属塩は、市販のものを使用することができる。市販のものの中には、不純物として、二亜硫酸ナトリウム、炭酸カリウムを含むものもあるが、本発明ではこれらも使用することもできる。また、亜ジチオン酸のアルカリ金属塩は、特に制限されるものではないが、70質量%以上100質量%以下の純度であるものを使用できる。中でも、純度が70質量%以上95質量%以下である亜ジチオン酸のアルカリ金属塩が工業的に入手し易く、本発明においても使用し易い。
亜ジチオン酸のアルカリ金属塩の使用量は、特に制限されるものではない。ただし、還元反応を比較的に短い時間で行い、後処理を容易とするためには、前記ニトロベンゼン化合物1モルに対して、亜ジチオン酸のアルカリ金属塩を1〜10モル使用することが好ましく、1〜5モル使用することがより好ましく、1〜4モル使用することがさらに好ましい。
本発明においては、反応系内に、亜ジチオン酸のアルカリ金属塩を存在させるだけで還元反応を進行させることができる。ただし、反応を、円滑に、短時間で、しかも副反応を抑制しつつ進行させるためには、反応系内に、さらに炭酸アルカリ金属塩を存在させることが好ましい。
(炭酸アルカリ金属塩)
本発明においては、前記亜ジチオン酸のアルカリ金属塩の他、反応系内に炭酸アルカリ金属塩を存在させることにより、反応を円滑に、短時間で、しかも副反応を抑制しつつ進行させることができる場合がある。具体的には、炭酸アルカリ金属塩が存在することにより、ベンゼン環のスルホン化などの副反応を抑制できるものと考えられる。また、反応で生じる硫酸水素アルカリ金属塩または亜硫酸水素アルカリ金属塩を中和し反応を促進させることができると考えられる。さらには、無機塩であるため、前記亜ジチオン酸のアルカリ金属塩と同様に、反応終了後、除去が容易である。なお、この炭酸アルカリ金属塩は、本発明における必須成分ではなく、使用しなくとも反応(還元反応)は進行させることができる。特に、前記N−保護ニトロベンゼン化合物を使用した場合には、炭酸アルカリ金属塩を使用しなくとも、反応を良好に進めることができる。
通常、亜ジチオン酸のアルカリ金属塩を使用した還元反応においては、中和反応させるために、アンモニア水のような塩基を使用する。本発明においては、アンモニア水を使用して反応を進めることもできるが、炭酸アルカリ金属塩を使用することにより、反応を円滑に、より早く進行することができる。
本発明において、炭酸アルカリ金属塩は、公知のものを使用することができる。具体的には、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、炭酸ルビジウムなどが挙げられる。中でも、コスト、反応性、溶解度などを考慮すると、炭酸カリウム、炭酸ナトリウムが好ましい。
本発明において、炭酸アルカリ金属塩を使用する場合、その使用量は、特に制限されるものではない。中でも、高収率に目的物を得るためには、前記ニトロベンゼン化合物1モルに対して、該炭酸アルカリ金属塩の使用量は0.5〜5モルであることが好ましく、1.0〜3.0モルであることがより好ましい。
(還元する際の反応条件)
(反応溶媒)
本発明において、前記ニトロベンゼン化合物を前記亜ジチオン酸のアルカリ金属塩で還元するためには、両者が十分に接触できるようにすればよい。そのため、前記ニトロベンゼン化合物と前記亜ジチオン酸のアルカリ金属塩とを反応溶媒中で攪拌混合して、両者を十分に接触させることが好ましい。
本発明において、使用する反応溶媒は、前記ニトロベンゼン化合物、および前記亜ジチオン酸のアルカリ金属塩に悪影響を及ぼさず、還元反応を円滑に進められる溶媒であれば、特に制限されるものではない。中でも、前記ニトロベンゼン化合物、 亜ジチオン酸のアルカリ金属塩、必要に応じて使用される炭酸アルカリ金属塩、および得られるアミノベンゼン化合物の溶解度等の点を考慮すると、
水;
アルコール;
アセトン、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMA)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)等の非プロトン性極性溶媒;
トルエン等の芳香族溶媒;
塩化メチレン等のハロゲン系溶媒;
などが挙げられる。これら溶媒は、混合溶媒として使用することもできる。
これら中でも、得られるアミノベンゼン化合物の純度、収率を高めるためには、DMF、DMA、DMSO、NMPなど非プロトン性極性溶媒を含む反応溶媒を使用することが好ましい。特に、収率、純度の点からDMFを使用することが好ましい。
また、本発明においては、前記反応溶媒は水を含むことが好ましい。反応溶媒に含まれる水の量は、特に制限されるものではない。中でも、亜ジチオン酸のアルカリ金属塩の溶解度を高くし、前記極性不純物の副生を抑制するためには、水の量は、亜ジチオン酸のアルカリ金属塩1モルに対して、1〜3モルであることが好ましい。
本発明で使用する好適な反応溶媒としては、DMF、DMA、DMSO、NMPなど非プロトン性極性溶媒、および水を含む混合溶媒が挙げられる。特に、DMF、および水を含む混合溶媒を使用することが好ましい。この混合溶媒を使用する場合でもあっても、水の量は、亜ジチオン酸のアルカリ金属塩1モルに対して、1〜3モルであることが好ましい。反応溶媒がDMFのような非プロトン性極性溶媒を含むことにより、不純物(推定であるが、亜ジチオン酸のアルカリ金属塩から生じたスルホ基が置換された副生物(極性不純物))の生成を抑制できる。また、反応溶媒が水を含むことにより、亜ジチオン酸のアルカリ金属塩の溶解量を多くすることができる。ただし、反応溶媒において、水の量が多くなり過ぎると、例えば、亜ジチオン酸のアルカリ金属塩1モルに対して、3モルを超える量となると、前記極性不純物の生成量が増える傾向にある。
また、混合溶媒を反応溶媒として使用する場合、水と前記非プロトン性極性溶媒との混合溶媒に、さらに、トルエンのような芳香族溶媒を配合することもできる。芳香族溶媒が含まれることにより、原料であるニトロベンゼン化合物、生成物であるアミノベンゼン化合物の溶解量を高めることができるため、撹拌効率を上げることができる。この場合、混合溶媒の配合割合は、前記ニトロベンゼン化合物1gに対して、非プロトン性極性溶媒を1〜100ml、芳香族溶媒を1〜100ml使用することが好ましく、さらに、非プロトン性極性溶媒を2〜25ml、芳香族溶媒を2〜25ml使用することが好ましい。ただし、この場合においても、反応溶媒において、水の量が多くなると、前記不純物の生成量が増える傾向にあるため、水の量は、亜ジチオン酸のアルカリ金属塩1モルに対して、1〜3モルとすることが好ましい。
本発明において、反応溶媒を使用する場合には、各成分が十分に混合できるような量を使用することが好ましい。具体的には、23℃の温度において、前記ニトロベンゼン化合物1gに対して、反応溶媒を1〜250ml使用することが好ましく、2〜80ml使用することがより好ましく、2〜25ml使用することがさらに好ましい。なお、反応溶媒として混合溶媒を使用する場合には、混合溶媒の全量が前記範囲を満足すれよい。
(反応系内への導入方法)
本発明において、前記ニトロベンゼン化合物、亜ジチオン酸のアルカリ金属塩、および必要に応じて使用する炭酸アルカリ金属塩を反応系内(反応容器内等の反応を行う場所)へ導入する方法は、特に制限されるものではない。すなわち、どのような導入順序であってもよい。そのため、予め反応系内に反応溶媒を仕込んでおき、前記ニトロベンゼン化合物、亜ジチオン酸のアルカリ金属塩、および必要に応じて使用する炭酸アルカリ金属塩を同時に該反応系内に導入することもできる。また、必要に応じて反応溶媒で希釈した亜ジチオン酸のアルカリ金属塩を撹拌して分散させた後、必要に応じて反応溶媒に溶解させた前記ニトロベンゼン化合物を反応系内に導入することもできる。さらに、この逆の方法で両者を反応系内に導入することもできる。この時、必要に応じて使用される炭酸アルカリ金属塩は、前記ニトロベンゼン化合物と一緒に存在させてもよいし、亜ジチオン酸のアルカリ金属塩と一緒に存在させてもよいし、これらとは別に反応系内導入してもよい。また、反応溶媒は、水、および/又は非プロトン性極性溶媒を含んでいてもよい。
また、前記N−保護ニトロベンゼン化合物を使用する場合には、以下の方法で反応系内へ導入することが好ましい。具体的には、非プロトン性極性溶媒を含む反応溶媒中に亜ジチオン酸のアルカリ金属塩を反応系内で攪拌しながら分散(溶解)させた後、非プロトン性極性溶媒を含む反応溶媒に溶解させた前記N−保護ニトロベンゼン化合物を該反応系内に導入(添加)することが好ましい。この場合、水は、前記N−保護ニトロベンゼン化合物を溶解させた反応溶媒に含まれることが好ましい。
(反応温度)
反応温度は、使用する溶媒によって適宜決定すればよい。具体的には、0℃以上、前記ニトロベンゼン化合物、亜ジチオン酸のアルカリ金属塩、および必要に応じて使用する炭酸アルカリ金属塩を含んだ状態の反応溶媒の還流温度以下であることが好ましい。より具体的には、20℃以上150℃以下であることが好ましく、50℃以上120℃以下であることがより好ましく、60℃以上100℃以下であることが特に好ましい。当該温度で反応を実施することで、より高純度のアミノベンゼン化合物を取得することができる。
(その他の条件)
本発明において、その他の反応条件は、以下の条件を採用することが好ましい。反応時間は、前記ニトロベンゼン化合物の消費量、前記アミノニトロベンゼン化合物の生成量、反応のスケール等に応じて適宜決定すればよいが、通常、30分間以上10時間以下であればよい。
本発明において、反応雰囲気下は、特に制限されるものではなく、空気雰囲気下、不活性ガス雰囲気下、又は水素雰囲気下の何れの雰囲気下であってもよい。中でも、操作性等を考慮すると、空気雰囲気下であることが好ましい。
また、反応系内は、大気圧下、加圧下、減圧下の何れであってよい。中でも、大気圧下で実施することが好ましい。
(アミノベンゼン化合物の精製・取り出し方法)
以上のような条件下で反応を実施することにより、前記ニトロベンゼン化合物を、
下記式(2)
Figure 2018212162
(式中
nは1〜4の整数であり、好ましくは1であり、
1、およびRAは、前記式(1)におけるものと同義である。)で示されるアミノベンゼン化合物(ジアミノベンゼン化合物又はN−保護アミノベンゼン化合物)にすることができる。
前記式(2)中、R1、およびRAは、前記式(1)におけるものと同義である。当然のことながら、R1の好ましい位置、置換基も前記ニトロベンゼン化合物と同じである。そのため、R1が1位の炭素原子と結合し、2,3−ジアミノベンゼン化合物又は2−N−保護アミノ−3−アミノベンゼン化合物となることが好ましい。RAが水素原子の場合には、下記式(2’’)で示されるジアミノベンゼン化合物を直接得ることができるため、工程を少なくすることができる。
前記反応条件によって得られたアミノベンゼン化合物は、以下の方法によって反応系内から取り出すことが好ましい。具体的には、酢酸エチル、塩化メチレンのような難水溶性有機溶媒を、得られた反応溶液と接触させ、該難水溶性有機溶媒で前記アミノベンゼン化合物を抽出することが好ましい。その後、前記アミノベンゼン化合物が含まれる難水溶性有機溶媒を水で洗浄して、亜ジチオン酸のアルカリ金属塩、必要に応じて使用される炭酸塩を除去することが好ましい。
このような水洗・抽出の作業においては、下記式(2’)
Figure 2018212162
(式中、
nは1〜4の整数であり、好ましくは1であり、
1は、前記式(1)におけるものと同義であり、
A1は、保護基であり、具体的には、tert−ブトキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、フルオレニルメトキシカルボニル基、2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル基、ホルミル基、アセチル基、トシル基、又はノシル基であることが好ましい。)で示されるN−保護ジアミノベンゼン化合物が有利となる。すなわち、下記式(2’’)
Figure 2018212162
(式中、
nは1〜4の整数であり、好ましくは1であり、
1は、前記式(1)におけるものと同義である。)で示されるジアミノベンゼン化合物(式(2)においてRAが水素原子であるとなる化合物)と比較して、該N−保護ジアミノベンゼン化合物は該難水溶性有機溶媒に溶解し易く、水洗により容易に純度を高めることができる。
本発明においては、亜ジチオン酸のアルカリ金属塩、および必要に応じて使用される炭酸アルカリ金属塩等は、無機塩であるため、水洗により容易に除去することができる。しかも、水洗により高純度の前記アミノベンゼン化合物を得ることができる。
また、得られたアミノベンゼン化合物は、再結晶、カラム分離等の公知の方法により、より高純度化することもできる。
(N−保護アミノベンゼン化合物をジアミノベンゼン化合物とする方法)
本発明において、前記N−保護ニトロベンゼン化合物を使用した場合には、下記式(2’)
Figure 2018212162
(式中、
nは1〜4の整数であり、好ましくは1であり、
1は、前記式(1)におけるものと同義であり、
A1は、tert−ブトキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、フルオレニルメトキシカルボニル基、2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル基、ホルミル基、アセチル基、トシル基、又はノシル基である。)で示されるN−保護ジアミノベンゼン化合物が得られる。このN−保護ジアミノベンゼン化合物は、容易に下記式(2’’)
Figure 2018212162
(式中、
nは1〜4の整数であり、好ましくは1であり、
1は、前記式(1)におけるものと同義である。)で示されるジアミノベンゼン化合物とすることができる。具体的には、前記N−保護アミノベンゼン化合物と、酸、塩基、又は水素とを接触させることにより、脱保護反応を実施することができる。そして、前記式(2’’)で示されるジアミノベンゼン化合物となる。好適な化合物としては、R1が1位の炭素原子と結合し、2,3−ジアミノベンゼン化合物となることが好ましい。
本発明において、保護基を脱離させるために使用する酸としては、公知の酸を使用することができる。具体的には、塩酸、硫酸、臭化水素酸、メタンスルホン酸などが挙げられる。中でも、操作性の観点からは塩酸を使用することが好ましい。
本発明において、酸の使用量は、特に制限されるものではないが、前記N−保護アミノベンゼン化合物1モルに対して、0.1〜100モルであることが好ましく、1〜10モルであることがさらに好ましい。
また、保護基を脱離するために使用する塩基としては、公知の塩基を使用することができる。具体的には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化バリウム等の無機塩基、ピペリジン、モルホリン等の有機塩基、チオフェノールカリウム塩などの塩が挙げられる。中でも、操作性の観点からは、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の無機塩基、ピペリジンのような有機塩基を使用することが好ましい。
本発明において、塩基の使用量は、特に制限されるものではないが、前記N−保護アミノベンゼン化合物1モルに対して、0.1〜100モルであることが好ましく、1〜10モルであることがさらに好ましい。
また、保護基を脱離するために使用する水素としては、水素ガス、水素ガスを発生する化合物が挙げられる。水素を使用する場合には、パラジウム触媒を使用することが好ましい。具体的な態様としては、パラジウム触媒存在下、水素ガス、ギ酸、ギ酸塩などを存在させて、水素により還元して保護基を脱離することが好ましい。中でも、操作性の観点からは、パラジウム炭素および水素を使用することが好ましい。
本発明において、パラジウム触媒を使用する場合には、その使用量は、特に制限されるものではないが、前記N−保護アミノベンゼン化合物1モルに対して、0.001〜0.5モルであることが好ましく、0.01〜0.1モルであることがさらに好ましい。水素も、還元するのに十分な量であれば、特に制限されるものではない。例えば、ギ酸を使用した場合には、前記N−保護アミノベンゼン化合物1モルに対して、ギ酸を1.0〜10モル使用することが好ましい。
本発明において、前記脱保護反応を行うためには、前記N−保護アミノベンゼン化合物と、酸、塩基、又は水素とを接触させるためには、両者を撹拌混合することが好ましい。攪拌混合する際には、溶媒中で実施することが好ましい。使用する溶媒としては、前記N−保護アミノベンゼン化合物と酸又は塩基とに影響を与えないものであれば、特に制限されるものではない。具体的には、水、メタノール、エタノール、トルエン、THF(テトラヒドロフラン)、ジオキサンなどが挙げられる。
前記N−保護アミノベンゼン化合物と酸又は塩基とを反応系内で攪拌混合する際、該系内に両者を導入する順番は、特に制限されるものではない。必要に応じて溶媒で希釈した前記N−保護アミノベンゼン化合物と、酸又は塩基とを同時に反応系内に導入することもできるし、必要に応じて溶媒で希釈した一方のものを該系内に先に導入しておき、必要に応じて溶媒で希釈した他方のものを該系内に添加することもできる。中でも、より円滑に脱保護反応を行うためには、必要に応じて溶媒で希釈した前記N−保護アミノベンゼン化合物を反応系内に先に導入しておき、次いで、必要に応じて溶媒で希釈した酸又は塩基を該系内に添加することが好ましい。
脱保護反応を行う際の温度は、特に制限されるものではなく、0〜200℃であること好ましく、5〜120℃であることがさらに好ましい。反応時間も、特に制限されるものではなく、前記ジアミノベンゼン化合物の生成量に応じて適宜決定すればよい。雰囲気も特に制限されるものではなく、空気雰囲気下、又は不活性ガス雰囲気下の何れの雰囲気下であってもよい。中でも、操作性等を考慮すると、空気雰囲気下であることが好ましい。
また、反応系内は、大気圧下、加圧下、減圧下の何れであってよい。中でも、大気圧下で実施することが好ましい。
本発明においては、以上のような条件に従い脱保護反応を実施することが好ましい。脱保護反応が終了した後は、水洗等により酸又は塩基等を除去すればよい。また、得られジアミノベンゼン化合物は、再結晶、カラム分離等の公知の方法により、より高純度化することもできる。
次に、得られたジアミノベンゼン化合物とオルトエステル誘導体とを、酸の存在下で反応させて、ベンズイミダゾール誘導体を製造する方法について説明する。ジアミノベンゼン化合物とオルトエステル誘導体との反応自体は公知であり、特許文献1等に記載の方法を採用することができる。
(オルトエステル誘導体)
前記式(2)のRAが水素原子であるジアミノベンゼン化合物は、前記式(1)のRAが水素原子であるアミノニトロベンゼン化合物を使用することで得られる。また、前記式(2’’)で示されるジアミノベンゼン化合物は、前記の通り、脱保護反応を実施することで得られる。なお、当然のことであるが、前記式(2)のRAが水素原子であるジアミノベンゼン化合物と、前記式(2’’)で示されるジアミノベンゼン化合物とは同じ化合物である。
本発明において、前記ジアミノベンゼン化合物と反応させるオルトエステル誘導体は、下記式(3)
Figure 2018212162
で示される。
前記式中、R2は、炭素数1〜6のアルキル基、又は炭素数1〜6のアルコキシ基である。R2がアルコキシ基の場合には、アルコキシ基を四つ有する化合物となる。R2の中でも、得られるベンズイミダゾール誘導体をカンデサルタンシレキセチルの中間体として使用するためには、エトキシ基であることが好ましい。
3は、炭素数1〜6のアルキル基であり、同一であっても、異なる基であってもよい。
このようなオルトエステル誘導体は、市販のものを使用することができる。
前記ジアミノベンゼン化合物と前記オルトエステル誘導体との反応において、該オルトエステル誘導体の使用量は、特に制限されるものではないが、前記ジアミノベンゼン化合物を1モルに対して、0.5〜10モルとすることが好ましく、0.95〜2モルとすることがさらに好ましい。
(酸)
前記ジアミノベンゼン化合物と前記オルトエステル誘導体との反応は、酸の存在下で行うが、この酸は、特に制限されるものではなく、塩酸、硫酸等の無機酸、蟻酸、酢酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸などの有機酸を使用することができる、中でも、取り扱いの容易さから、酢酸等の有機酸を使用することが好ましい。この際、使用する酸を反応溶媒とすることもできる。
酸の使用量は、特に制限されるものではないが、酸を反応溶媒として使用する場合には過剰量加えればよい。ただし、反応後の後処理等を考慮すると、前記ジアミノベンゼン化合物1gに対して、酸を0.5〜10mL使用することが好ましく、0.5〜5mL使用することがより好ましい。また、反応溶媒として有機溶媒を使用する場合には反応進行性、後処理等を考慮すると、前記ジアミノベンゼン化合物1モルに対して、0.1〜10モルとすることが好ましく、0.5〜3モルとすることがさらに好ましい。
(ベンズイミダゾール誘導体の製造条件)
本発明においては、前記ジアミノベンゼン化合物と前記オルトエステル誘導体とを、酸が存在する雰囲気下で、十分に接触させればよい。
反応溶媒として有機溶媒を使用する場合には、前記ジアミノベンゼン化合物、前記酸、および前記オルトエステル誘導体に悪影響を及ぼさないものであれば特に制限されるものではない。ただし、反応温度を高め、反応時間を短くし、後処理を容易にするためには、溶媒は、酢酸エチル、トルエン、テトラヒドロフラン(THF)などであることが好ましく、特に、トルエンであることが好ましい。
前記ジアミノベンゼン化合物と前記オルトエステル誘導体との反応は、アミノ基とアルコキシ基との縮合反応が起こり、次いで、環化反応が生じて、下記式(4)
Figure 2018212162
(式中、
nは1〜4の整数であり、好ましくは1であり、
1は、前記式(1)におけるものと同義であり、
2は、前記式(3)におけるものと同義である。)で示されるベンズイミダゾール誘導体が得られる。R1の好ましい位置、置換基も前記ニトロベンゼン化合物と同じである。
本反応において、反応温度は、設定した反応条件によって適宜決定すれば良いが、0〜150℃であることが好ましく、10〜100℃であることがより好ましく、10〜50℃であることが特に好ましい。当該範囲を満たすことにより、反応で副生する不純物量を低減することができる。また、反応時間は、0.5〜5時間であれば十分である。雰囲気も、特に制限されるのではなく、空気雰囲気下であればよい。さらに、減圧下、加圧下、大気圧下の何れの状態でも反応を進めることができる。
得られたベンズイミダゾール誘導体は、公知の方法で反応系内から取り出せばよい。また、該ベンズイミダゾール誘導体は、公知の方法で精製することができる。
また、得られたベンズイミダゾール誘導体は、カンデサルタンシレキセチルのようなサルタン系原薬の中間体(原料)として、好適に使用することができる。
以下に実施例を挙げて、本発明を詳細に説明するが、具体例であって、本発明はこれらにより限定されるものではない。
なお、実施例における純度評価は、以下の高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いた方法で行った。
<HPLCの測定条件>
装置:高速液体クロマトグラフィー(HPLC)
機種:2695−2489−2998(Waters社製)
検出器:紫外吸光光度計(測定波長:210nm)
カラム:Kromasil C18、内径4.6mm、長さ15cm(粒子径5μm)
(AkzoNobel社製)
カラム温度:30℃一定
サンプル温度:25℃一定
移動相A:アセトニトリル
移動相B:15mMリン酸二水素カリウム水溶液(pH=2.5 リン酸にて調整)
移動相の送液:移動相A,Bの混合比を下記表1のように変えて濃度勾配制御する。
流速:1.0mL/min
測定時間:40分
Figure 2018212162
上記条件において、2−アミノ−3−ニトロ安息香酸メチル(前記2-アミノ−3−ニトロベンゼン化合物)は約11.4分、2,3−ジアミノ安息香酸メチル(前記2,3−ジアミノベンゼン化合物)は約2.6分、2−tert−ブチルオキシカルボニルアミノ−3−ニトロ安息香酸メチル(前記N−保護ニトロベンゼン化合物)は約19.1分、2−エトキシ−1H−ベンズイミダゾール−7−カルボン酸メチル(前記ベンズイミダゾール誘導体)は約4.0分にピークが確認される。
以下の実施例において、前記2-アミノ−3−ニトロベンゼン化合物、前記N−保護ニトロベンゼン化合物、前記2,3−ジアミノベンゼン化合物、前記ベンズイミダゾール誘導体の各純度は、すべて、上記条件で測定される全ピークの面積値(溶媒由来のピークを除く)の合計に対する各化合物のピーク面積値の割合である。
実施例1(アミノニトロベンゼン化合物を使用してジアミノベンゼン化合物を製造した例)
下記式の反応を行った。
Figure 2018212162
2−アミノ−3−ニトロ安息香酸メチル(1.0g、5.1mmol;2-アミノ−3−ニトロベンゼン化合物)、亜ジチオン酸ナトリウム(純度80質量%)(3.33g、15.3mmol((純度から算出した亜ジチオン酸ナトリウムのモル数);和光純薬社製、亜ジチオン酸のアルカリ金属塩)、炭酸カリウム(1.4g、10.2mmol;炭酸アルカリ金属塩)を、ジメチルホルムアミド(DMF)(4ml)、水(0.367ml、20.4mmol)、トルエン(3ml)の混合溶媒(反応溶媒)中、反応温度100℃で4時間(反応時間)、撹拌混合した。
得られた反応液に水(14mL)を加え、次いで、得られた反応液と水との混合液を酢酸エチル(5mL)で抽出した。この酢酸エチル(5ml)による抽出を5回繰り返した。該酢酸エチル溶液(合計25ml)を水洗した後、減圧濃縮することにより、目的物である2,3−ジアミノ安息香酸メチル(0.72g、2,3−ジアミノベンゼン化合物;質量から求めた収率:85%、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)で求めたアミノニトロベンゼン化合物の転化率は100%であった。)を得た。また、HPLCで確認した2,3−ジアミノ安息香酸メチルの純度は94.0%であり、極性不純物(推定ではあるが、5位にスルホ基を有する化合物(2,3−ジアミノ−5−スルホ安息香酸メチル))は、2.2%であった。2,3−ジアミノ安息香酸メチルの分析値は以下の通りであった。
IR(KBr)1693cm-1
1H−NMR(CDCl3) δ7.30−7.80(m,1H),6.40−7.10(m.2H),1.45(brs,2H),3.85(s,3H),3.40(brs,2H)。
実施例2(アミノニトロベンゼン化合物を使用してジアミノベンゼン化合物を製造した例)
実施例1において、亜ジチオン酸ナトリウム(純度80質量%)(2.22g、10.2mmol((純度から算出したハイドロサルファイトナトリウムのモル数);和光純薬社製、亜ジチオン酸のアルカリ金属塩)を使用し、反応時間を5時間とした以外は、実施例1と同様の操作を行った。転化率は10%であった。極性不純物は確認できなかった。
実施例3(アミノニトロベンゼン化合物を使用してジアミノベンゼン化合物を製造した例)
実施例1において、反応溶媒をDMF(7ml)、水(0.099ml、5.1mmol)の混合溶媒とした以外は、実施例1と同様の操作を行った。2,3−ジアミノ安息香酸メチルの収率は94%であった。転化率は100%であった。また、HPLCで確認した2,3−ジアミノ安息香酸メチルの純度は95.4%であり、極性不純物は2.5%であった。得られた2,3−ジアミノ安息香酸メチルの分析結果は実施例1と同様であった。
実施例4(アミノニトロベンゼン化合物を使用してジアミノベンゼン化合物を製造した例)
実施例1において、反応溶媒としてDMFを7ml使用した以外は、実施例1と同様の操作を行った。2,3−ジアミノ安息香酸メチルの収率は94%であった。転化率は100%であった。また、HPLCで確認した2,3−ジアミノ安息香酸メチルの純度は97.5%であり、極性不純物は確認できなかった。
実施例5(アミノニトロベンゼン化合物を使用してジアミノベンゼン化合物を製造した例)
実施例1において、炭酸カリウム、および反応溶媒の代わりに、15規定 アンモニア水(2.55ml、NH3 38.3mmol)を使用した以外は、実施例1と同様の操作を行った。転化率は21.5%であった。また、極性不純物は確認できなかった。
実施例6(N−保護ニトロベンゼン化合物を使用してジアミノベンゼン化合物を製造した例 還元反応、および脱保護反応)
下記式の反応を行った。還元、および脱保護反応をまとめて示した。
Figure 2018212162
(還元反応)
亜ジチオン酸ナトリウム(純度80質量%)(12.5g、57.5mmol)のDMF(25mL)溶液を100℃で30分攪拌した。この溶液に2−tert−ブチルオキシカルボニルアミノ−3−ニトロ安息香酸メチル(5g、16.9mmol、N−保護ニトロベンゼン化合物)、DMF(15mL)、水(1.4mL、77.8mmol)を含む溶液を1時間かけて滴下した。100℃で2時間反応した(攪拌混合した)後、反応液にトルエン(30m)および水(1000ml)を加えた。この混合物に24質量%水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを8.20とした後、酢酸エチルで(30ml)で生成物を抽出した。この抽出を合計4回行った。その後、抽出に使用した酢酸エチル溶液を合計し、水(80ml)で洗浄を3回行った。洗浄後の酢酸エチル溶液を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)で確認したところ、転化率は100%であった。また、2−tert−ブチルオキシカルボニル−2,3−ジアミノ安息香酸メチル(N−保護アミノベンゼン化合物)の純度は97.9%であった。極性不純物は確認できなかった。
(脱保護反応)
2−tert−ブチルオキシカルボニル−2,3−ジアミノ安息香酸メチルを含む酢酸エチル溶液に、メタノール(50ml)、濃塩酸(5.1g、51mmol)を加え、50℃で8時間撹拌した。その後、この反応液を、水(200ml)で希釈して、24質量%水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを8.8とした。pHが8.8の混合液を分液して、水層を酢酸エチル(30mL)で4回抽出した。pHが8.8の混合液から分液した最初の有機層と抽出液(酢酸エチル)を合計し、水(80mL)で4回洗浄した。得られた有機層を減圧濃縮することにより、2,3−ジアミノ安息香酸メチル(2.4g、2,3−ジアミノベンゼン化合物、質量から求めた収率:85.7%)を得た。
実施例7(ジアミノベンゼン化合物とオルトエステル誘導体との反応)
下記式の反応を行った。
Figure 2018212162
実施例4で得られた2,3−ジアミノ安息香酸メチル(0.70g、4.21mmol;2,3−ジアミノベンゼン化合物)をトルエン(1mL)に溶かし、テトラエトキシメタン(0.81g、4.21mmol;オルトエステル誘導体)、酢酸(0.25g、4.21mmol;酸)を順次室温で加えた後100℃で2時間反応を行った。反応液へ水(5mL)を加えて結晶化、濾過することにより2−エトキシ−1H−ベンズイミダゾール−7−カルボン酸メチル(742mg、収率:80%)を得た。また、HPLCで確認した2−エトキシ−1H−ベンズイミダゾール−7−カルボン酸メチルの純度は96.7%であった。
実施例8(N−保護ニトロベンゼン化合物を使用してベンズイミダゾール誘導体を製造した例)
(還元反応;N−保護アミノベンゼン化合物の合成)
直径7.5cmの二枚撹拌翼を備えた500mL四つ口フラスコに2−tert−ブチルオキシカルボニルアミノ−3−ニトロ安息香酸メチル(20g、67.50mmol、N−保護ニトロベンゼン化合物)を量りとり、DMF(60mL)、亜ジチオン酸ナトリウム(純度80質量%)(27.7g、135.01mmol)、水(4.9mL、270.01mmol)を加えて60℃で6時間撹拌しながら反応を行った。反応後の溶液にトルエン(200mL)を加えて抽出した後、1規定水酸化ナトリウム(200ml)で、2回有機層の洗浄を行った。さらに、水(200mL)で1回有機層の洗浄を行った。洗浄後のトルエン溶液を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)で確認したところ、2−tert−ブチルオキシカルボニルアミノ−3−ニトロ安息香酸メチル(N−保護ニトロベンゼン化合物)の転化率は100%であった。また、2−tert−ブチルオキシカルボニル−2,3−ジアミノ安息香酸メチルの純度は98.0%であった。極性不純物は確認できなかった。
(脱保護反応;ジアミノベンゼン化合物の合成)
2−tert−ブチルオキシカルボニル−2,3−ジアミノ安息香酸メチルを含むトルエン溶液に、濃塩酸(15g、150mmol)を加え、50℃で3時間反応を行った。その後、1規定水酸化ナトリウム水溶液(150mL)を加えてpHを約9とした。混合液を分液し、得られた有機層を水(100mL)で2回洗浄した。得られた有機層を減圧濃縮することにより、残渣として2,3−ジアミノ安息香酸メチル(9.9g、2,3−ジアミノベンゼン化合物、質量から求めた収率:88.3%)を得た。
(縮合、環化反応;ベンズイミダゾール誘導体の合成)
上記、2,3−ジアミノ安息香酸メチルの残渣(9.9g)に酢酸(40mL)、テトラエトキシメタン(12.98g、67.50mmol;オルトエステル誘導体)を加え、20℃で3時間反応を行った。反応後の溶液を冷却した後、14%アンモニア水(120mL)を加えて、中和により2−エトキシ−1H−ベンズイミダゾール−7−カルボン酸メチルを結晶化した。得られたスラリー液を減圧濾過して析出した結晶を分取し、40℃で減圧乾燥して、2−エトキシ−1H−ベンズイミダゾール−7−カルボン酸メチル(11.3g、収率:86%)を得た。また、HPLCで確認した2−エトキシ−1H−ベンズイミダゾール−7−カルボン酸メチルの純度は99.6%であった。

Claims (8)

  1. 下記式(1)
    Figure 2018212162
    (式中、
    nは1〜4の整数であり、
    1は、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数2〜6のアシルオキシ基、炭素数2〜6のアルコキシカルボニル基、ニトロ基、又はハロゲン原子あり、n≧2の場合には、複数個のR1は互いに同一であっても異なっていてもよく、
    Aは、水素原子、又は保護基である。)で示されるアミノニトロベンゼン化合物又はN−保護ニトロベンゼン化合物と、
    亜ジチオン酸のアルカリ金属塩とを接触させることにより、
    下記式(2)
    Figure 2018212162
    (式中
    1、RAおよびnは、前記式(1)におけるものと同義である。)で示されるジアミノベンゼン化合物又はN−保護アミノベンゼン化合物を製造する方法。
  2. 非プロトン性極性溶媒を含む反応溶媒中で、前記式(1)で示されるアミノニトロベンゼン化合物又はN−保護ニトロベンゼン化合物と前記亜ジチオン酸のアルカリ金属塩とを接触させることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 前記反応溶媒が水を含み、亜ジチオン酸のアルカリ金属塩を1モルとしたとき、該水の量が1〜3モルであることを特徴とする請求項2に記載の方法。
  4. 炭酸アルカリ金属塩の存在下において、前記式(1)で示されるアミノニトロベンゼン化合物又はN−保護ニトロベンゼン化合物と前記亜ジチオン酸のアルカリ金属塩とを接触させることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の方法。
  5. 前記式(1)で示されるアミノニトロベンゼン化合物又はN−保護ニトロベンゼン化合物を1モルとしたとき、前記亜ジチオン酸のアルカリ金属塩の使用量が1〜5モルであることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の方法。
  6. 前記式(1)、および(2)において、
    Aの保護基が、tert−ブトキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、フルオレニルメトキシカルボニル基、2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル基、4−ニトロベンジルオキシカルボニル基、ホルミル基、アセチル基、トシル基、又はノシル基であることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の方法。
  7. 請求項6に記載の方法により、
    下記式(2’)
    Figure 2018212162
    (式中、
    1およびnは、前記式(1)におけるものと同義であり、
    A1は、tert−ブトキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、フルオレニルメトキシカルボニル基、2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル基、ホルミル基、アセチル基、トシル基、又はノシル基であり
    nは1〜4の整数である。)で示されるN−保護アミノベンゼン化合物を製造した後、
    得られたN−保護アミノベンゼン化合物と、酸、塩基、又は水素とを接触させて、
    下記式(2’’)
    Figure 2018212162
    (式中、
    1およびnは、前記式(1)におけるものと同義である。)で示されるジアミノベンゼン化合物を製造する方法。
  8. 請求項1〜5、および7の何れかに記載の方法により、前記式(2)又は前記式(2’’)で示されるジアミノベンゼン化合物を製造した後、
    酸の存在下、得られた該ジアミノベンゼン化合物と、
    下記式(3)
    Figure 2018212162
    (式中、
    2は、炭素数1〜6のアルキル基、又は炭素数1〜6のアルコキシ基であり、
    3は、炭素数1〜6のアルキル基であり、同一であっても、異なる基であってもよい。)で示されるオルトエステル誘導体とを反応させることにより、
    下記式(4)
    Figure 2018212162
    (式中、
    1およびnは、前記式(1)におけるものと同義であり、
    2は、前記式(3)におけるものと同義である。)で示されるベンズイミダゾール誘導体を製造する方法。
JP2019518793A 2017-05-17 2018-05-15 ジアミノベンゼン化合物の製造方法 Ceased JPWO2018212162A1 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017098083 2017-05-17
JP2017098083 2017-05-17
PCT/JP2018/018703 WO2018212162A1 (ja) 2017-05-17 2018-05-15 ジアミノベンゼン化合物の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPWO2018212162A1 true JPWO2018212162A1 (ja) 2020-03-19

Family

ID=64273778

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019518793A Ceased JPWO2018212162A1 (ja) 2017-05-17 2018-05-15 ジアミノベンゼン化合物の製造方法

Country Status (4)

Country Link
JP (1) JPWO2018212162A1 (ja)
KR (1) KR20200009001A (ja)
CN (1) CN110621652A (ja)
WO (1) WO2018212162A1 (ja)

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006015134A1 (en) * 2004-07-28 2006-02-09 Dr. Reddy's Laboratories Ltd. Process for preparing candesartan cilexetil
WO2008060301A1 (en) * 2006-11-16 2008-05-22 Pharmacopeia , Llc 7-substituted purine derivatives for immunosuppression
WO2011112731A2 (en) * 2010-03-10 2011-09-15 Kalypsys, Inc. Heterocyclic inhibitors of histamine receptors for the treatment of disease
US20120225900A1 (en) * 2009-11-10 2012-09-06 Pfizer Inc. N2-pyrazolospiroketone acetyl-coa carboxylase inhibitors
US20130274243A1 (en) * 2012-02-03 2013-10-17 Pfizer Limited Chemical Compounds
CN103539659A (zh) * 2013-10-23 2014-01-29 东南大学 2,4-二苄氧基苯甲酸衍生物及其制备方法与应用
CN103724276A (zh) * 2013-12-13 2014-04-16 成都丽璟科技有限公司 一种由硝基苯胺制备苯并咪唑类化合物的新方法

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2601188B1 (en) 2010-08-04 2017-10-18 Bristol-Myers Squibb Company Hepatitis c virus inhibitors
KR20170001962A (ko) 2014-05-15 2017-01-06 제이 파마 가부시끼가이샤 항 악성 종양제 조성물

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006015134A1 (en) * 2004-07-28 2006-02-09 Dr. Reddy's Laboratories Ltd. Process for preparing candesartan cilexetil
WO2008060301A1 (en) * 2006-11-16 2008-05-22 Pharmacopeia , Llc 7-substituted purine derivatives for immunosuppression
US20120225900A1 (en) * 2009-11-10 2012-09-06 Pfizer Inc. N2-pyrazolospiroketone acetyl-coa carboxylase inhibitors
WO2011112731A2 (en) * 2010-03-10 2011-09-15 Kalypsys, Inc. Heterocyclic inhibitors of histamine receptors for the treatment of disease
US20130274243A1 (en) * 2012-02-03 2013-10-17 Pfizer Limited Chemical Compounds
CN103539659A (zh) * 2013-10-23 2014-01-29 东南大学 2,4-二苄氧基苯甲酸衍生物及其制备方法与应用
CN103724276A (zh) * 2013-12-13 2014-04-16 成都丽璟科技有限公司 一种由硝基苯胺制备苯并咪唑类化合物的新方法

Non-Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
AVDYUNINA, N. I. ET AL.: "Development of synthesis technology for the selective anxiolytic drug afobazole", PHARMACEUTICAL CHEMISTRY JOURNAL, vol. 45, no. 9, JPN6018030919, 2011, pages 564 - 567, XP055560172, ISSN: 0004748198, DOI: 10.1007/s11094-011-0680-1 *
FRAY, M. JONATHAN ET AL.: "Structure-Activity Relationships of 1,4-Dihydro-(1H,4H)-quinoxaline-2,3-diones as N-Methyl-D-asparta", J. MED. CHEM., vol. 44, no. 12, JPN6018030920, 2001, pages 1951 - 1962, XP055560174, ISSN: 0004748199, DOI: 10.1021/jm001124p *
FUKUZUMI, MASAHIRO ET AL.: "Synthesis of ortho-Phenylenebis(guanidine) Derivatives with Potential Chirality", HELVETICA CHIMICA ACTA, vol. 97, no. 11, JPN6018030916, 2014, pages 1453 - 1468, XP055560164, ISSN: 0004748196, DOI: 10.1002/hlca.201400053 *
GAO, YONG ET AL.: "Synthesis of 3,4-diaminophenylacetic acid", HUAXUE SHIJI, vol. 27, no. 2, JPN6018030918, 2005, pages 113 - 114, ISSN: 0004748197 *

Also Published As

Publication number Publication date
CN110621652A (zh) 2019-12-27
KR20200009001A (ko) 2020-01-29
WO2018212162A1 (ja) 2018-11-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
ES2585221T3 (es) Un proceso para la preparación de 6-(7-((1-aminociclopropil)metoxi)-6-metoxiquinolin-4-iloxi)-n-metil-1-naftamida y productos intermedios sintéticos de la misma
US10040771B2 (en) Method for preparing prostacyclin receptor agonist 4-[N-(5,6-diphenylpyrazin-2-yl)-N-isopropylamino]-1-butanol
CN104177292A (zh) 一种工业化生产甲苯磺酸索拉非尼多晶型ⅰ的方法
EP1873151B1 (en) Improved process for producing moxonidine
RU2505533C2 (ru) Способ получения сложного алкилового эфира бендамустина, бендамустина, а также его производных
JP2008266172A (ja) 3−o−アルキル−5,6−o−(1−メチルエチリデン)−l−アスコルビン酸の製造方法および5,6−o−(1−メチルエチリデン)−l−アスコルビン酸の製造方法
JPWO2018212162A1 (ja) ジアミノベンゼン化合物の製造方法
WO2019049824A1 (ja) 保護l-カルノシン誘導体、l-カルノシン、および結晶性l-カルノシン亜鉛錯体の製造方法
JPWO2011001976A1 (ja) スレオ−3−(3,4−ジヒドロキシフェニル)−l−セリンの製造法
WO2022202982A1 (ja) ビオチンの製造方法、並びに、ビオチンのl-リシン塩及びその製造方法
CN114751836A (zh) 3-(4-甲基-1h-咪唑-1-基)-5-(三氟甲基)苯胺合成方法及其中间体
KR101525493B1 (ko) 고순도 탐술로신 또는 이의 염 제조방법
JPWO2006048935A1 (ja) 2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノビフェニルの製造方法
JP5243303B2 (ja) ビス(3−ニトロ−4−ヒドロキシフェニル)類の製造方法
KR20130134407A (ko) 게피티닙의 제조방법 및 이의 제조에 사용되는 중간체
KR102242238B1 (ko) 치환된 또는 비치환된 4-브로모-2-플루오로퀴놀린 화합물, 이의 제조 방법 및 이를 포함하는 2,4 치환된 퀴놀린 화합물
WO2023082145A1 (en) Intermediate compound of quinoxaline and preparation process thereof
JP5197439B2 (ja) ビス(3−ニトロ−4−ヒドロキシフェニル)類の製造方法
KR102188341B1 (ko) 아픽사반의 제조방법
JPWO2015166557A1 (ja) 3−クロロ−4−メトキシベンジルアミン塩酸塩含有組成物およびその製造方法
JP4587139B2 (ja) アミノアルコキシカルボスチリル誘導体の製造方法。
JP2019135220A (ja) L−カルノシン及びその誘導体の製造方法
TW202000640A (zh) 二胺基苯甲酸酯的製造方法
WO2020004043A1 (ja) α-アジドアニリン誘導体又はα,α'-ジアジド誘導体の製造方法
JP2021080214A (ja) ビオチンの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210408

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220412

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220530

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220830

A045 Written measure of dismissal of application [lapsed due to lack of payment]

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A045

Effective date: 20221220