JPWO2018198904A1 - ポリウレタン用着色防止剤及びその製造方法、並びにポリウレタン成形体 - Google Patents

ポリウレタン用着色防止剤及びその製造方法、並びにポリウレタン成形体

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Abstract

本発明のポリウレタン用着色防止剤は、下記一般式(3)で表される構成単位を有する重合体組成物からなるポリウレタン用着色防止剤であって、前記重合体組成物の数平均分子量(Mn)が、10000≦Mn≦80000であり、且つ、前記数平均分子量(Mn)及び重量平均分子量(Mw)から算出される分子量分布度(Mw/Mn)が、1.30以上2.55以下である。−[(O−R1)i−N(R3)−(R2−O)j−CONHR4NHCO]− ・・・(3)(式中、R1及びR2はそれぞれ独立に炭素数2〜5のアルキレン基であり、R3は炭素数1〜10のアルキル基であり、R4は有機ジイソシアナートの残基であり、iは1〜4の整数であり、jは1〜4の整数である。)

Description

本発明はポリウレタン用着色防止剤及びその製造方法、並びにポリウレタン成形体に関する。より詳しくは、ポリウレタン弾性繊維、ポリウレタンフィルム等のポリウレタン成形体に用いることのできるポリウレタン用着色防止剤に関する。
本願は、2017年4月28日に日本に出願された特願2017−090558号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
ポリウレタン弾性繊維、ポリウレタンフィルム等のポリウレタン成形体は、排気ガス、熱、紫外線、塩素漂白剤やプールの殺菌用塩素剤等により、表面が変色したり劣化したりしやすい。
例えば、ポリウレタン弾性繊維を使用した布帛を染色する際に、その前工程で,染色や仕上げ作業を順調にして布帛の仕上がりをよくするために,あらかじめ,染色仕上げ前の布帛(生機(キバタ))に付着した繊維用油剤や編み・織機から飛散した機械油などのよごれを除く精錬(せいれん)工程が必要とされる。精錬工程が不十分な場合には、生地の染色仕上がり時に部分的に油付着部分が染色されずに白抜きと言われる点欠点を発生し商品価値が大きく低下するおそれがある。
精錬工程は、通常、界面活性剤入りの温水が使用されるが、繊維油剤や機械油は難水溶性である為に、通常の界面活性剤入りの水では十分に落とすことが難しい場合がある。そこで、汚染の程度がひどい場合には、これらの油を良く溶かすパークロロエチレン等の有機溶剤を用いて精錬工程を行う方法が用いられている。また、ポリウレタン弾性繊維を用いたアウターやジーンズ、又はポリウレタン透湿防水フィルムを用いた雨具やアウトドア外着衣は、消費者が、衣服着用時に、日常生活で生じた食用油や口紅や皮脂汚れなどの付着染みを、家庭内の洗剤だけでは落ちにくい汚れを落とす場合に、ドライクリーニング洗濯に出す場合がある。同じ衣料に年に数度ドライクリーニング洗濯を行う場合もある。
精錬工程やドライクリーニング洗濯で用いるパークロロエチレン等の有機溶媒は、非常に溶解力が強いため、汚染物質だけでなく、耐久性向上を目的にポリウレタン繊維中にあらかじめ添加されている安定化剤なども繊維やフィルム中から溶出させてしまい、衣料製品の消費耐久性を大きく低下させてしまうおそれがある。
ポリウレタン弾性繊維の変色の原因は、大気中に存在するNOxガスや紫外線によるポリウレタン弾性繊維の糸表面への攻撃によって弾性繊維の表面に変色や劣化が起こることである。よって、着色防止用安定剤は、繊維やフィルムの中心部に存在するよりも表面部付近に、厚く分布し存在する方が効果的である。
このため、ポリウレタン重合体に添加された着色防止剤が繊維やフィルムの内部から短期間に表面に移行しやすい比較的低分子量の第三級窒素基を有するポリウレタン用着色防止剤の提案がなされている(特許文献1〜3)。
しかしながら、紙管に巻かれた繊維やフィルムは、生地に加工される工程で、ローラーや筬やビーム表面、編み針、ガイドを通過する際に摩擦を受ける。その際に着色防止剤が表面に厚く存在する場合には、表面から摩擦によって削り落とされ、ローラーや筬や編み針にスカム(糸カス)が蓄積する。これがポリウレタン弾性繊維の場合抵抗となって、繊維の張力斑が生じて、編み上がった生地の表面が不均一となり生地品位が低下し、生地の商品価値が低下したり、編成中に糸キレを起こしたりするなどのトラブルの原因となる。
また、ドライクリーニング洗濯、繰り返しの洗濯などによっても、着色防止剤が比較的低分子量の場合、表面から着色防止剤が脱落し易く、洗濯やドライクリーニングを繰り返す度に耐着色性能が低下してしまう。
これに対して、末端にセミカルバジド基を有する比較的高分子量の化合物からなる着色防止剤を用いる場合には、精錬工程や、ドライクリーニング洗濯、繰り返しの洗濯などによる表面からの着色防止剤の脱落を抑制でき欠点を補うことができる(特許文献4)。
特公平6−78483号公報 特公平4−55223号公報 特公平5−68490号公報 特公平2−34985号公報
しかしながら、特許文献4に開示されたポリウレタン組成物を用いた場合では、高分子量である為に、ウレタンポリマー中から表面への移行スピードが遅いので、紡糸後の即効性が乏しく、たとえば、出荷前の倉庫に保管時に紙管に巻かれた加工前のフィルムや繊維や染色前の生地が、倉庫内の運搬車両の比較的高濃度排気ガスに晒されるような場合には着色するおそれがある。
また、末端セミカルバジド基を有する化合物は、繰り返しの洗濯によって安定剤が脱落し易く、安定化性能が十分ではなく、更に洗濯する際に使用される塩素系漂白剤によって、繊維が変色したり脆化したりする問題がある。
また更に、末端セミカルバジド基を有する化合物を合成する際に使用するジアルキルヒドラジンは高価である。
また更に、マレイミド構造化合物は、製造工程において、無水マレイン酸骨格へのジアミンの反応が複雑で、かつ反応が不完全な場合が多く、それによる微小なゲルが発生しやすい。その場合、紡糸工程でフィルターを詰まらせたりや紡糸工程で糸切れを起こす問題があった。
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、着色防止の即効性があり、かつ、繰り返しの洗濯やドライクリーニング洗濯をしても、長期に渡って着色防止効果に持続性のあるポリウレタン用着色防止剤及びその製造方法、並びにポリウレタン成形体を提供するものである。
本発明者らは、繊維やフィルムの様に、薄くて、細いポリウレタン成形体の着色防止効果を充分に発揮させうる着色防止剤について、鋭意検討を進めた。その結果、特定の化学構造、特定の数平均分子量、特定の幅広い分子量分布の3つの特徴を同時に有するポリウレタン化合物を用いる事で、着色防止剤をポリウレタン成形体内部から表面への移行速度を調整できることを見出し、本発明のポリウレタン用着色防止剤を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下の態様を含む。
[1] 下記一般式(3)で表される構成単位を有する重合体組成物からなるポリウレタン用着色防止剤であって、前記重合体組成物の数平均分子量(Mn)が、10000≦Mn≦80000であり、且つ、前記数平均分子量(Mn)及び重量平均分子量(Mw)から算出される分子量分布度(Mw/Mn)が、1.30以上2.55以下であるポリウレタン用着色防止剤。
−[(O−R−N(R)−(R−O)−CONHRNHCO]− ・・・(3)
(式中、R及びRはそれぞれ独立に炭素数2〜5のアルキレン基であり、Rは炭素数1〜10のアルキル基であり、Rは有機ジイソシアナート(B)の残基であり、iは1〜4の整数であり、jは1〜4の整数である。)
[2] 前記有機ジイソシアナート(B)が、直鎖状脂肪族ジイソシアナート、分岐鎖状脂肪族ジイソシアナート、環状脂肪族ジイソシアナート、芳香環を有する脂肪族ジイソシアナート、又は芳香族ジイソシアナートである、前記[1]に記載のポリウレタン用着色防止剤。
[3] 前記一般式(3)中のRが炭素数3〜7のアルキル基である、前記[1]又は[2]に記載のポリウレタン用着色防止剤。
[4] 前記一般式(3)中のiが1であり、jが1である、前記[1]〜[3]のいずれか一項に記載のポリウレタン用着色防止剤。
[5] 下記一般式(3)で表される構成単位を有するポリウレタン化合物(C1)と、下記一般式(3)で表される構成単位を有し、前記ポリウレタン化合物(C1)の数平均分子量(Mn)よりも小さい数平均分子量(Mn)のポリウレタン化合物(C2)とを混合する、ポリウレタン用着色防止剤の製造方法。
−[(O−R−N(R)−(R−O)−CONHRNHCO]− ・・・(3)
(式中、R及びRはそれぞれ独立に炭素数2〜5のアルキレン基であり、Rは炭素数1〜10のアルキル基であり、Rは有機ジイソシアナート(B)の残基であり、iは1〜4の整数であり、jは1〜4の整数である。)
[6] 前記[1]〜[4]のいずれか1項に記載のポリウレタン用着色防止剤と、ポリウレタン重合体と、を含有するポリウレタン成形体。
[7] 前記ポリウレタン成形体が、ポリウレタン弾性繊維又はポリウレタンフィルムである、前記[6]に記載のポリウレタン成形体。
[8] 下記一般式(3)で表される構成単位を有する重合体組成物の、ポリウレタン成形体の製造における着色防止剤としての使用であって、
前記重合体組成物の数平均分子量(Mn)が、10000≦Mn≦80000であり、且つ、前記数平均分子量(Mn)及び重量平均分子量(Mw)から算出される分子量分布度(Mw/Mn)が、1.30以上2.55以下である、着色防止剤としての使用。
−[(O−R−N(R)−(R−O)−CONHRNHCO]− ・・・(3)
(式中、R及びRはそれぞれ独立に炭素数2〜5のアルキレン基であり、Rは炭素数1〜10のアルキル基であり、Rは有機ジイソシアナート(B)の残基であり、iは1〜4の整数であり、jは1〜4の整数である。)
本発明のポリウレタン用着色防止剤は、着色防止の即効性があり、かつ、繰り返しの洗濯やドライクリーニング洗濯をしても、長期に渡って着色防止効果に持続性がある。
[ポリウレタン用着色防止剤]
本発明のポリウレタン用着色防止剤は、下記一般式(3)で表される構成単位を有する重合体組成物からなり、前記重合体組成物の数平均分子量(Mn)が、10000≦Mn≦80000であり、且つ、前記数平均分子量(Mn)及び重量平均分子量(Mw)から算出される分子量分布度(Mw/Mn)が、1.30以上2.55以下である。
−[(O−R−N(R)−(R−O)−CONHRNHCO]− ・・・(3)
(式中、R及びRはそれぞれ独立に炭素数2〜5のアルキレン基であり、Rは炭素数1〜10のアルキル基であり、Rは有機ジイソシアナート(B)の残基であり、iは1〜4の整数であり、jは1〜4の整数である。)
本発明のポリウレタン用着色防止剤を構成する重合体は、一般式(3)で表されるとおり、繰り返し構成単位中に第三級窒素基を有するので、優れた着色防止効果を有する。また、前記重合体は、直鎖のポリウレタン化合物であるので、ポリウレタン成形体用に、ポリウレタン重合体と混合する際に、ポリウレタン重合体との親和性も良好である。
前記重合体組成物の数平均分子量(Mn)は、10000≦Mn≦80000であり、好ましくは、15000≦Mn≦70000であり、さらに好ましくは、18000≦Mn≦60000である。前記重合体組成物の数平均分子量(Mn)が、10000未満であると、前記重合体組成物からなる着色防止剤を用いたポリウレタン弾性繊維のドライクリーニング時にポリウレタン用着色防止剤が脱落しやすく、80000より大きいと、着色防止剤が成形体中から成形体表面に移行しづらくなり、着色防止効果が低下する。
前記重合体組成物の分子量分布度(Mw/Mn)の下限値は、1.30以上であり、好ましくは1.32以上であり、更に好ましくは、1.35以上であり、1.40以上であってもよく、1.45以上であってもよく、上限値は、2.55以下であり、好ましくは2.20以下であり、更に好ましくは、2.00以下であり、1,90以下であってもよく、1,80以下であってもよく、1,70以下であってもよい。
前記重合体組成物は、特定の数平均分子量(Mn)と比較的大きな分子量分布度(Mw/Mn)を有するので、前記重合体組成物中には比較的小さい分子量の重合体成分と、比較的大きな分子量の重合体成分とが併存する。前記重合体組成物をポリウレタン用着色防止剤として用いたとき、前記重合体組成物中の比較的小さい分子量の重合体成分は、対象物の中から表面に迅速に析出して、即効性の着色防止効果を奏することができる。また、前記重合体組成物中の比較的大きな分子量の重合体成分は、有機溶剤に対する耐抽出性があり、対象物の中に留まり、ゆるやかにポリウレタンの表面に移行する。よって、前記重合体組成物からなるポリウレタン用着色防止剤は、繰り返しの洗濯やドライクリーニング洗濯をしても、長期に渡って着色防止効果の持続性を奏することができる。
前記重合体組成物の分子量分布度(Mw/Mn)が1.30未満であると、着色防止効果が不十分になり、分子量分布度(Mw/Mn)が、2.55より大きいと、着色防止剤の成形体中から成形体表面への移行速度にばらつきが生じるため、着色防止効果が不十分になる。この場合、添加量を増量してこの欠点を補うことも可能であるが、経済的でないばかりでなく、ポリウレタン弾性繊維の、特徴である伸長時の弾性回復性が低下する。
本発明のポリウレタン用着色防止剤を構成する重合体は、炭素数1〜10のアルキルアミン又はその誘導体に、炭素数2〜5のアルキレンオキサイドを反応させて得られる下記一般式(1)で表される第三級窒素含有ジオール(A)と下記一般式(2)で表される有機ジイソシアナート(B)とを反応させることによって得られる。
H−(O−R−N(R)−(R−O)−H ・・・(1)
OCNRNCO ・・・(2)
(式中、R及びRはそれぞれ独立に炭素数2〜5のアルキレン基であり、Rは炭素数1〜10のアルキル基であり、Rは有機ジイソシアナートの残基であり、iは1〜4の整数であり、jは1〜4の整数である。)
本発明のポリウレタン用着色防止剤を構成する重合体組成物において、前記一般式(1)中のi及びjが1である重合体が主成分であることが好ましい。アルキレンオキサイドを反応させていることから、i及び/又はjが2の重合体が含まれていてもよく、i及び/又はjが3の重合体が含まれていてもよく、i及び/又はjが4の重合体が含まれていてもよい。「重合体が主成分である」とは、当該組成物中の50質量%以上が当該重合体であることをいう。
前記第三級窒素含有ジオール(A)中、R及びRは炭素数2〜5のアルキレン基であり、Rは炭素数1〜10のアルキル基である。炭素数がこれらよりも大きくなると充分な着色防止効果が得られなくなる。
前記第三級窒素含有ジオール(A)中、Rは、炭素数3〜10のアルキル基であってもよく、炭素数3〜7のアルキル基であってもよく、炭素数4〜10のアルキル基であってもよく、炭素数4〜7のアルキル基であってもよい。
前記第三級窒素含有ジオール(A)の好ましいものとして、N−ブチル−ビス(2−ヒドロキシエチル)アミン(すなわち、N−n−ブチル−N,N−ジエタノールアミンである。)、N−t−ペンチル−ビス(2−ヒドロキシプロピル)アミン、N−ブチル−ビス(2−ヒドロキシプロピル)アミン、N−ブチル−ビス(2−ヒドロキシブチル)アミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−イソブチルアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシプロピル)−イソブチルアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシブチル)−イソブチルアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−t−ブチルアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシプロピル)−t−ブチルアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシブチル)−t−ブチルアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−1,1−ジメチルプロピルアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシプロピル)−1,1−ジメチルプロピルアミン(すなわち、N−t−ペンチル−N,N−ジプロパノールアミンである。)、N,N−ビス(2−ヒドロキシブチル)−1,1−ジメチルプロピルアミンなどがあげられる。これらを単独で、又は複数種類を混合して用いてもよい。
前記有機ジイソシアナート(B)として、直鎖状脂肪族ジイソシアナートであってもよく、分岐鎖状脂肪族ジイソシアナートであってもよく、環状脂肪族ジイソシアナートであってもよく、芳香環を有する脂肪族ジイソシアナートであってもよく、芳香族ジイソシアナートであってもよい。
直鎖状脂肪族ジイソシアナートとして、好ましくは、トリメチレンジイソシアナート、テトラメチレンジイソシアナート、ペンタメチレンジイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナートなどが挙げられ、好ましい分岐鎖状脂肪族ジイソシアナートとして、好ましくは、3−メチルヘキサン−1,6−ジイソシアナート、3−3′−ジメチルペンタン−1,5−ジイソシアナートなどが挙げられ、環状脂肪族ジイソシアナートとして、好ましくは、1,3−シクロヘキシレン−ジイソシアナート、1,4−シクロヘキシレン−ジイソシアナート、イソホロンジイソシアナート、4−4′−メチレンジシクロヘキシル−ジイソシアナートなどが挙げられ、芳香環を有する脂肪族ジイソシアナートとして、好ましくは、m−キシリレンジイソシアナート、p−キシリレンジイソシアナート、α,α,α′,α′−テトラメチル−p−キシリレンジイソシアナートなどが挙げられ、芳香族ジイソシアナートとして、好ましくは、2,2′−ジフェニルメタンジイソシアナート、2,4′−ジフェニルメタンジイソシアナート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアナート、トリレン−2,6−ジイソシアナート、トリレン−2,4−ジイソシアナートなどが挙げられる。これらを単独で、又は複数種類を混合して用いてもよい。
前記有機ジイソシアナート(B)は、着色防止性能の観点から、直鎖状脂肪族ジイソシアナート、分岐鎖状脂肪族ジイソシアナート又は環状脂肪族ジイソシアナートであることが好ましい。
[ポリウレタン用着色防止剤の製造方法]
前記ポリウレタン用着色防止剤及び重合体組成物は、下記一般式(3)で表される構成単位を有するポリウレタン化合物(C1)と、下記一般式(3)で表される構成単位を有し、前記ポリウレタン化合物(C1)の数平均分子量(Mn)よりも小さい数平均分子量(Mn)のポリウレタン化合物(C2)とを混合することで、製造することができる。
より詳しくは、前記ポリウレタン用着色防止剤及び重合体組成物は、下記一般式(1)で表される第三級窒素含有ジオール(A)と下記一般式(2)で表される有機ジイソシアナート(B)とを重合して、下記一般式(3)で表される構成単位を有するポリウレタン化合物(C1)を合成し、同じく、下記一般式(1)で表される第三級窒素含有ジオール(A)と下記一般式(2)で表される有機ジイソシアナート(B)とを重合して、下記一般式(3)で表される構成単位を有し、前記ポリウレタン化合物(C1)の数平均分子量(Mn)よりも小さい数平均分子量(Mn)のポリウレタン化合物(C2)を合成し、前記ポリウレタン化合物(C1)と前記ポリウレタン化合物(C2)とを混合することで、製造することができる。
H−(O−R−N(R)−(R−O)−H ・・・(1)
OCNRNCO ・・・(2)
−[(O−R−N(R)−(R−O)−CONHRNHCO]− ・・・(3)
(式中、R及びRはそれぞれ独立に炭素数2〜5のアルキレン基であり、Rは炭素数1〜10のアルキル基であり、Rは有機ジイソシアナート(B)の残基であり、iは1〜4の整数であり、jは1〜4の整数である。)
前記ポリウレタン化合物(C1)を合成するときの、第三級窒素含有ジオール(A)と有機ジイソシアナート(B)との仕込みモル比((A)/(B))は、1.000〜1.100であってもよく、1.002〜1.080であってもよく、1.004〜1.060であってもよく、1.006〜1.040であってもよく、1.008〜1.020であってもよい。前記仕込みモル比((A)/(B))が1.000に近いほど、高分子量のポリウレタン化合物(C1)を容易に合成することができる。
前記ポリウレタン化合物(C1)の数平均分子量(Mn)は、30000≦Mn≦200000であってもよく、40000≦Mn≦150000であってもよく、50000≦Mn≦100000であってもよい。
前記ポリウレタン化合物(C1)の分子量分布度(Mw/Mn)は、1.00以上1.45以下であってもよく、1.080以上1.40以下であってもよく、1.16以上1.35以下であってもよく、1.24以上1.30以下であってもよい。
前記ポリウレタン化合物(C2)を合成するときの、第三級窒素含有ジオール(A)と有機ジイソシアナート(B)との仕込みモル比((A)/(B))は、1.104〜1.250であってもよく、1.108〜1.240であってもよく、1.112〜1.230であってもよく、1.116〜1.220であってもよく、1.120〜1.210であってもよい。前記仕込みモル比((A)/(B))が1.000よりも大きくすればするほど、低分子量のポリウレタン化合物(C2)となる。
前記ポリウレタン化合物(C2)の数平均分子量(Mn)は、4000≦Mn≦40000であってもよく、6000≦Mn≦30000であってもよく、8000≦Mn≦20000であってもよい。
前記ポリウレタン化合物(C2)の分子量分布度(Mw/Mn)は、1.00以上1.45以下であってもよく、1.080以上1.40以下であってもよく、1.16以上1.35以下であってもよく、1.24以上1.30以下であってもよい。
前記ポリウレタン化合物(C1)及び前記ポリウレタン化合物(C2)の数平均分子量(Mn)及び分子量分布度(Mw/Mn)をあらかじめ測定しておき、適宜、混合割合を調整することにより、所望の数平均分子量(Mn)及び分子量分布度(Mw/Mn)にすることができる。そして、2種以上の異なる数平均分子量の、第三級窒素基を有するポリウレタン化合物を混合し、幅広い分子量分布を持たせることによって、着色防止の即効性があり、かつ、長期に渡って着色防止効果に持続性のあるポリウレタン用着色防止剤を得ることができる。
一般式(3)で表される構成単位を有し、分子量分布度(Mw/Mn)の大きな重合体組成物からなるポリウレタン用着色防止剤は、前記ポリウレタン化合物(C1)の数平均分子量(Mn)を上述のように比較的大きく調整し、前記ポリウレタン化合物(C2)の数平均分子量(Mn)を上述のように比較的小さく調整し、それぞれを異なった製造バッチで製造した後に、混合することで容易に製造することができる。
前記ポリウレタン化合物(C1)の合成、及び、前記ポリウレタン化合物(C2)の合成は、いずれを先にしてもよい。すなわち、前記ポリウレタン化合物(C1)を合成した後に、前記ポリウレタン化合物(C2)を合成してもよく、前記ポリウレタン化合物(C2)を合成した後に、前記ポリウレタン化合物(C1)を合成してもよい。
[ポリウレタン成形体]
本発明のポリウレタン成形体は、前記ポリウレタン用着色防止剤と、ポリウレタン重合体と、を含有する。
前記ポリウレタン用着色防止剤を構成する重合体は、一般式(3)で表されるとおり、繰り返し構成単位中に第三級窒素を有する直鎖のポリウレタン化合物であるので、ポリウレタン重合体と混合する際に、ポリウレタン重合体との親和性も良好である。また、前記ポリウレタン用着色防止剤を構成する重合体の製造はプロセスも単純で製造も容易であり、ゲル化物の発生が少ないため、前記ポリウレタン用着色防止剤と、ポリウレタン重合体とを混合したとき相分離し難い。
前記ポリウレタン成形体は、前記ポリウレタン重合体の100質量部に対する前記ポリウレタン用着色防止剤の固形分の含有割合が、下限値として、0.01質量部以上であってもよく、0.05質量部以上であってもよく、0.10質量部以上であってもよく、0.20質量部以上であってもよく、上限値として、10質量部以下であってもよく、8質量部以下であってもよく、1質量部以下であってもよく、0.5質量部以下であってもよい。前記下限値以上、上限値以下の量を含有せしめることにより効果が発揮される。
本明細書において、ポリウレタン重合体とは、ポリウレタン弾性繊維、ポリウレタンフィルム等の一般のポリウレタン成形体に用いられるポリウレタンウレア重合体であってもよく、ポリウレタンのみからなる重合体であってもよい。ただし、一般式(3)で表される構成単位を有する重合体は除かれる。
ポリウレタン重合体を製造する方法に関しては、プレポリマー法やワンショット法といった公知のポリウレタン化反応の技術を用いることができる。例えば、高分子ポリオールとジイソシアナートをジイソシアナート過剰の条件下で反応させ、末端にイソシアナート基を有するウレタンプレポリマーを合成し、次いで、このウレタンプレポリマーを低分子ジオールで鎖伸長反応を行い、ポリウレタン化合物を得ることができる。
ポリウレタンウレア重合体は、例えば、高分子ポリオール、ジイソシアナート、ジアミン、及び単官能性活性水素原子を有する末端停止剤を反応させて得ることができる。
ポリウレタン重合体の製造に用いるジイソシアナートとしては、芳香族ジイソシアナート化合物が挙げられ、この他、脂肪族又は脂環式ジイソシアナート化合物であってもよい。
本発明のポリウレタン成形体において、前記ポリウレタン用着色防止剤における一般式(3)で表される構成単位を有する重合体及び前記ポリウレタン重合体のそれぞれの製造に用いられるジイソシアナートのタイプは同じでもよく異なっていてもよく、前記有機ジイソシアナート(B)として例示したジイソシアナートを用いることができる。
前記ポリウレタン重合体の製造に用いられるジイソシアナートとしては、着色防止性能の観点から、直鎖状脂肪族ジイソシアナート、分岐鎖状脂肪族ジイソシアナート又は環状脂肪族ジイソシアナートであることが好ましく、ポリウレタン弾性繊維、ポリウレタンフィルム等のポリウレタン成形体の耐熱性の観点から、芳香族ジイソシアナートであることが好ましい。
ここで用いられるポリウレタン重合体としては、例えば、ポリマーグリコールとジイソシアナート化合物を反応させてソフトセグメントとなるウレタン中間重合体を合成後、鎖延長剤でハードセグメントを重合するといった公知の技術を用いることができる。鎖延長剤として、ジオール化合物を用いるとハードセグメントがウレタン結合からなるポリウレタン重合体となり、また、ジアミン化合物を用いるとハードセグメントがウレア結合からなるポリウレタンウレア重合体を得ることができる。
ポリマーグリコールとしては、例えば、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシテトラメチレングリコール、ポリオキシペンタメチレングリコール等のポリエーテルジオール、又は、アジピン酸、セバチン酸、マレイン酸、イタコン酸、アゼライン酸、マロン酸等の二塩基酸の一種または二種以上とエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール,1,3−プロピレングリコール, 2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール,1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、ヘキサメチレングリコール、ジエチレングリコール、1,10−デカンジオール、1,3−ジメチロールシクロヘキサン、1,4−ジメチロールシクロヘキサン等のグリコールの一種または二種以上とから得られたポリエステルジオール、又は、ポリエステルアミドジオール、ポリエステルエーテルジオール、又はポリ−ε−カプロラクトンジオール、ポリバレロラクトンジオール等のポリラクトンジオール、ポリカーボネートジオール、ポリアクリルジオール、ポリチオエーテルジオール、ポリチオエステルジオール、又はこれらジオールの共重合物、混合物等が挙げられ、これらは単独で、又は複数種類を混合して用いることもできる。
イソシアナート化合物としては、例えば、メチレン−ビス(4−フェニルイソシアナート)、メチレン−ビス(3−メチル−4−フェニルイソシアナート)、2,4−トリレンジイソシアナート、2、6−トリレンジイソシアナート、m−−キシリレンジイソシアナート、p−キシリレンジイソシアナート、α,α,α’,α’−テトラメチル−キシリレンジイソシアナート、m−フェニレンジイソシアナート、p−フェニレンジイソシアナート、4,4’−ジメチル−1,3−キシリレンジイソシアナート、1−アルキルフェニレン−2,4−ジイソシアナート、1−アルキルフェニレン−2,6−ジイソシアナート、3−(α−イソシアナートエチル) フェニルイソシアナート、2,6−ジエチルフェニレン−1,4−ジイソシアナート、ジフェニル−ジメチルメタン−4,4−ジイソシアナート、ジフェニルエーテル−4,4’−ジイソシアナート、ナフチレン−1,5−ジイソシアナート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアナート、メチレン−ビス(4−シクロヘキシルイソシアナート)、1,3−シクロヘキシレンジイソシアナート、1,4−シクロヘキシレンジイソシアナート、トリメチレンジイソシアナート、テトラメチレンジイソシアナート、ペンタメチレンジイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナート、イソフォロンジイソシアナート等が挙げられ、これらは単独で、又は複数種類を混合して用いることもできる。
鎖延長剤に用いるジアミン化合物としては、例えば、ヒドラジン、エチレンジアミン、1,2プロピレンジアミン、1,3−シクロヘキサンジアミン、1,4−シクロヘキサンジアミン、ウレア基を有するジアミン類等のジアミン化合物等が挙げられ、これらは単独で、又は複数種類を混合して用いることもできる。
鎖延長剤に用いるジオール化合物としては、例えば、エチレングリコール、1 ,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、ヘキサメチレングリコール、ジエチレングリコール、1,10−デカンジオール、1,3−ジメチロールシクロヘキサン、1,4 −ジメチロールシクロヘキサン等が挙げられ、これらは単独で、又は複数種類を混合して用いることもできる。
本発明のポリウレタン成形体としては、ポリウレタン弾性繊維であってもよく、ポリウレタンフィルムであってもよい。
本発明のポリウレタン弾性繊維は、前記ポリウレタン用着色防止剤と、前記ポリウレタン重合体と、を含有する原料溶液を紡糸することにより製造することができる。
前記ポリウレタン用着色防止剤を構成する重合体は、一般式(3)で表されるとおり、繰り返し構成単位中に第三級窒素を有する直鎖のポリウレタン化合物であるので、ポリウレタン重合体との親和性も良好であり、ゲル化物の発生が少なく、相分離し難い。したがって、紡糸工程において、紡糸安定性に優れ、繊維表面へのマイグレーションの発生が少なく、スカムの発生が抑制され、すなわち糸カスの発生も少なく、糸切れも少ない。
また、前記重合体組成物は、特定の数平均分子量(Mn)と比較的大きな分子量分布度(Mw/Mn)を有することで、前記重合体組成物中には比較的小さい分子量の重合体成分と、比較的大きな分子量の重合体成分とが併存するので、前記重合体組成物からなるポリウレタン用着色防止剤のうち、小さい分子量のものは即効性の着色防止効果を発揮し、大きい分子量のものは、生地加工時の有機溶剤による精錬工程や、生地製品の繰り返しの洗濯やドライクリーニングをしても、耐抽出性を有し、成形体表面に緩やかに移行するので、長期に渡って着色防止効果の持続性を奏することができる。
長鎖のポリウレタン重合体を原料として用いてポリウレタン弾性繊維を紡糸するときやフィルムにするときに用いる溶媒としては、ジメチルアセトアミド(DMAc)、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン等が挙げられるが、DMAc又はDMFが好ましい。原料溶液の全質量を基準にして、長鎖のポリウレタン重合体の濃度を20〜50質量%、特に30〜40質量%とするのが、溶媒を用いた乾式紡糸法に好適である。又フィルムに成型する場合は乾式又は湿式法が好ましい。
本発明のポリウレタン用着色防止剤をポリウレタン重合体に添加する場合、種々の方法によって容易に添加できる。例えば、ポリウレタンの重合前、重合中もしくは重合後の紡糸や成型工程前に混合することができる。また、本発明のポリウレタン成形体は、前記ポリウレタン化合物(C1)の数平均分子量(Mn)を上述のように比較的大きく調整し、前記ポリウレタン化合物(C2)の数平均分子量(Mn)を上述のように比較的小さく調整し、それぞれを異なった製造バッチで製造した後に、前記ポリウレタン重合体に、前記ポリウレタン化合物(C1)及びポリウレタン化合物(C2)を個別に混合することで、結果的に、前記ポリウレタン用着色防止剤と、前記ポリウレタン重合体と、を含有するものとすることもできる。
通常、鎖伸長剤としてジオールを用いた場合、ポリウレタン弾性繊維は溶融紡糸法、乾式紡糸法又は湿式紡糸法等により紡糸され、また鎖伸長剤としてジアミンを用いた場合、ポリウレタン弾性繊維は乾式紡糸法により紡糸される。本発明において、紡糸法は特に制限されないが、溶媒を用いた乾式紡糸法が好ましい。
更に、ポリウレタン重合体に有用な公知の有機化合物又は無機化合物の熱安定剤、酸化防止剤、紫外線防止剤、熱変色防止剤およびハイドロタルサイト、フンタイト、酸化亜鉛等のプール水の殺菌用塩素剤に対するポリウレタンの安定剤等を添加しても良い。本発明のポリウレタン弾性繊維は、本発明の効果を阻害しない程度であれば、必要に応じ各種安定剤や顔料などが含有されていてもよい。たとえば、BASF社製「チヌビン(登録商標)」等のベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系薬剤、「イルガノックス(登録商標)」フェノール系酸化防止剤、住友化学(株)製の「スミライザー(登録商標)」P−16等のリン系薬剤、各種のヒンダードアミン系薬剤、酸化チタン、カーボンブラック等の無機顔料、フッ素系樹脂粉体またはシリコーン系樹脂粉体、ステアリン酸マグネシウム等の金属石鹸、また、銀や亜鉛やこれらの化合物などを含む殺菌剤、消臭剤、またシリコーン、鉱物油などの滑剤、硫酸バリウム、酸化セリウム、ベタインやリン酸系などの各種の帯電防止剤などが添加され、またポリマーと反応して存在することが挙げられる。そして、特に光や各種の酸化窒素などへの耐久性をさらに高めるには、ポリウレタン重合体に有効な公知の酸化窒素捕捉剤、例えば(株)日本ファインケム製のHN−150、熱酸化安定剤、光安定剤、例えば、住友化学(株)製の「スミソーブ(登録商標)」300、サボ社製スタブUV62などの光安定剤などを更に追加して含有させてもよい。
この様にして得られたポリウレタン重合体組成物は、従来公知の成形方法により繊維状やフィルム状に成形し得る。
ポリウレタン弾性繊維の紡糸時には、公知のポリウレタン弾性繊維用油剤を外部よりオイリング装置を用いて付着させてもよい。ここで用いられる油剤成分は、エーテル変性シリコーンの他に、ポリエステル変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、ポリアミノ変性シリコーン、ポリオルガノシロキサン、鉱物油、タルク、シリカ、コロイダルアルミナ等の鉱物性微粒子、ステアリン酸マグネシウムおよびステアリン酸カルシウム等の高級脂肪酸金属塩粉末、高級脂肪族カルボン酸、高級脂肪族アルコール、パラフィンポリエチレン等の常温で固体のワックスなど種々のものを組み合わせて使用して良い。
この様にして得られたポリウレタン弾性繊維は、実用上は、そのまま裸糸として使用しても良く、また他の繊維、例えば、ポリアミド繊維、ウール、綿、再生繊維、ポリエステル繊維など、従来公知の繊維で被覆して被覆弾性繊維として使用することもできる。特に、ナイロン、エステル、アクリル、天然繊維およびセルロース誘導体からなる群から選ばれた繊維素材と組み合わせて用いることが好ましい。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。各種評価は以下の条件にて行った。
[赤外線吸収スペクトル分析]
実施例中の赤外線吸収スペクトルの分析は、以下の測定条件にて測定した。
装置:島津製作所製 IRAffinity-IS型
検出器:MIRacle 10
試料台:ATRプリズムプレート(ダイヤモンド/ZnSe)
[分子量測定]
各種のポリウレタン化合物、及びこれらのポリウレタン化合物を混合して得られた重合体組成物のGPCの分析は、以下の測定条件にて測定し、ポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)及び分子量分布度(Mw/Mn)を求めた。
試料濃度 :0.1質量%(DMF溶液)
注入量 :50μL
送液ポンプ :島津製作所社製 LC−20AD
カラムオーブン:同上 CTO−20A
検出器 :同上 RID−20A
溶離液 :DMF(LiBr 5mM/L)
流量 :1mL/min
カラム温度 :40℃
カラム :昭和電工社製 Shodex(登録商標) GPC KD−804(内径8mm×長さ300mm)+KD-803(内径8mm×長さ300mm)
[高分子量ポリウレタン化合物(A−1)の合成]
162.6質量部のN−n−ブチル−N,N−ジエタノールアミン(Mw161)及び222質量部のイソホロンジイソシアナート(Mw222)及び381質量部の乾燥ジメチルアセトアミドの溶液を乾燥窒素ガス中、室温で撹拌下に、触媒としてジブチル錫ジラウレート0.1質量部を添加して、2時間撹拌後、系内を70℃に昇温し、さらに6時間反応させ、赤外線吸収スペクトルで反応溶液中に未反応のイソシアナート基の2270cm−1における吸収が消失したことを確認してから反応を終了した。
本合成化合物(A−1)のGPCによる分子量の分析結果は、ポリスチレン換算で数平均分子量(Mn)が52400、重量平均分子量(Mw)が65918、分子量分布度(Mw/Mn)が1.258であった。
[高分子量ポリウレタン化合物(A−2)〜(A−4)の合成]
同様にして合成した各種高分子量ポリウレタン化合物(A−2、A−3、A−4)の、仕込みモル比と分子量測定結果を表1に示した。
Figure 2018198904
[低分子量ポリウレタン化合物(B−1)の合成]
185.2質量部のN−n−ブチル−N,N−ジエタノールアミン(Mw161)及び222質量部のイソホロンジイソシアナート(Mw222)及び407.2質量部の乾燥ジメチルアセトアミドの溶液を乾燥窒素ガス中、室温で撹拌下に、触媒としてジブチル錫ジラウレート0.1質量部を添加して、2時間撹拌後、系内を70℃に昇温し、さらに5時間反応させ、赤外線吸収スペクトルで反応溶液中に未反応のイソシアナート基の2270cm−1における吸収が消失したことを確認してから反応を終了した。
本合成化合物(B−1)のGPCによる分子量の分析結果は、ポリスチレン換算で数平均分子量Mnが18,052、重量平均分子量(Mw)が22,310、分子量分布度(Mw/Mn)が1.236であった。
[低分子量ポリウレタン化合物(B−2)〜(B−4)の合成]
同様にして合成した各種低分子量ポリウレタン化合物(B−2、B−3、B−4)を表1に示した。
[ポリウレタン用着色防止剤の製造例]
(ポリウレタン用着色防止剤(AB−1)〜(AB−11))
上記の高分子量ポリウレタン化合物(A−1)〜(A−4)と低分子量ポリウレタン化合物(B−1)〜(B−4)とを表2記載の混合質量比で混合して、表2記載の分子量分布度(Mw/Mn)のポリウレタン用着色防止剤(AB−1)〜(AB−11)を調製した。GPCによる分子量の分析結果を、表2に示した。
(ポリウレタン用着色防止剤(C−1)〜(C−10))
上記の高分子量ポリウレタン化合物(A−1)〜(A−4)と低分子量ポリウレタン化合物(B−1)〜(B−4)とを表2記載の混合質量比で混合して、表2記載の分子量分布度(Mw/Mn)のポリウレタン用着色防止剤(C−1)〜(C−10)を調製した。
GPCによる分子量の分析結果を、表2に示した。
Figure 2018198904
(ポリウレタン用着色防止剤(C−11))
特公平6−78483号公報の実施例1に沿って、次のとおり、ポリウレタン化合物(ポリウレタン用着色防止剤(C−11))を合成した。
100質量部のN,N−ビス(2−ヒドロキシプロピル)−1,1−ジメチルプロピルアミン及び79.3質量部のN−ブチル−ビス(2−ヒドロキシエチル)アミン及び198.7質量部のイソホロンジイソシアナート及び378質量部のN,N−ジメチルアセトアミドの溶液を乾燥窒素ガス中、室温で撹拌下に、触媒としてジブチル錫ジラウレート0.15質量部を添加して、1時間撹拌後、系内を70℃にし、さらに5時間反応させ、赤外線吸収スペクトルで反応溶液中に未反応のイソシアナート基の2270cm−1における吸収が消失したことを確認してから反応を終了する。
本合成化合物(C−11)のGPCによる分子量の分析結果は、表2に記載のとおり、ポリスチレン換算で数平均分子量Mnが26,723、重量平均分子量(Mw)が34,072、分子量分布度(Mw/Mn)が1.275であった。本合成化合物(C−11)をポリウレタン用着色防止剤(C−11)として用いた。
[ポリウレタンウレア原液の製造]
数平均分子量1,800のポリテトラメチレンエーテルジオール400質量部と4,4’−ジフェニルメタンジイソシアナート91.7質量部とを乾燥窒素雰囲気下、80℃で3時間、攪拌下で反応させて、両末端にイソシアナート基を有するウレタンプレポリマーを得た。これを室温に冷却した後、720質量部のDMAcを加えて溶解し、ウレタンプレポリマー溶液を調整した。一方、エチレンジアミン8.11質量部及びジエチルアミン1.37質量部をDMAc390質量部に溶解し、これを前記ウレタンプレポリマー溶液に室温下で激しく攪拌しながら添加して、粘度370Pa・s(30℃)のポリウレタンウレア原液(A)(濃度31.1質量%)を得た。
ポリウレタンウレア原液(A)のポリウレタンウレア固形分100質量部に対して、1質量部%の1,3,5−トリス(2,6−ジメチル−3−ヒドロキシ−4−t−ブチルベンゾイル)イソシアヌレート(ソンウォン社製 商品名ソングノックス(登録商標)1790)を撹拌均一に混合したポリウレタンウレア紡糸用原液(PUUB)を作成した。
[ポリウレタン弾性繊維の製造例]
(実施例1)
前記のポリウレタンウレア紡糸用原液(PUUB)の固形分100質量部に対して表2のポリウレタン用着色防止剤(AB−1)の固形分3.0質量部を均一に攪拌混合して得られた紡糸用原液を脱泡した後、16個の紡糸口金(各々の口金は4個の細孔を有する。
)の細孔から熱風約230℃中に押しだしてDMAc溶剤を蒸発させた。乾燥された糸条を仮撚りし、ゴッデトローラを経てオイリングローラ上でジメチルシリコンを主成分とする油剤を付与し、毎分700m/分の速度で紙管に巻き取り、44デシテックス/4フィラメントのポリウレタン弾性繊維を得た。
(実施例2〜11)
実施例1で用いたポリウレタン用着色防止剤(AB−1)を、ポリウレタン用着色防止剤(AB−2)〜(AB−11)に変更した他は、実施例1と同様にして、実施例2〜11の44デシテックス/4フィラメントのポリウレタン弾性繊維を得た。
(比較例1)
実施例1で用いたポリウレタン用着色防止剤(AB−1)を用いずに、前記のポリウレタンウレア紡糸用原液(PUUB)のみを紡糸用原液とした他は、実施例1と同様にして、比較例1の44デシテックス/4フィラメントのポリウレタン弾性繊維を得た。
(比較例2〜12)
実施例1で用いたポリウレタン用着色防止剤(AB−1)を、ポリウレタン用着色防止剤(C−1)〜(C−11)に変更した他は、実施例1と同様にして、比較例2〜12の44デシテックス/4フィラメントのポリウレタン弾性繊維を得た。
[ポリウレタン弾性繊維の評価]
このようにして製造し得られたポリウレタン弾性繊維は、次の方法に従って、各種の評価を行った。
(紡糸安定性)
前記記載の方法で製造した紡糸用原液を用いて、40時間紡糸してその糸切れ回数(回/時間)を測定した結果を表3に示した。糸切れ回数が少ないほど生産性が安定している。
(スカム量)
44デシテックス/4フィラメントのポリウレタン弾性繊維を、45℃、65%RHの雰囲気で30日間放置後、紙管を梨地ローラー上に置き、ローラーを回転させながら、ローラー表面速度40m/分で、弾性繊維を送り出す。送り出された弾性繊維を50cm離れた所に設置された同じ径の梨地ローラー上に巻き取る。送り出す弾性糸から25cmの中間地点にかみそり刃を糸角115度になるように設定して立てておき、巻き取るローラー上の表面速度を70m/分に設定した。かみそり刃上に弾性繊維を1時間走行させた後、かみそり刃(エヌティー(株)製:NT−L型刃品番L−300)上に付着した白色スカム量を目視によって1級から5級の判断をした。結果を表3に示した。
5級:かみそり刃に全く付着無し。
4級:かみそり刃にほんのわずか付着あり。
3級:かみそり刃に若干付着あり。
2級:かみそり刃にやや付着量多し。
1級:かみそり刃に多量の付着物あり。
(ポリウレタン弾性繊維の糸強度)
得られた44デシテックス/4フィラメントのポリウレタン弾性繊維について、引張試験機(オリエンテック(株)製:UTM−3−100型)により、20℃、65%RH雰囲気下で、糸試料長5cmで1000%/分の歪み速度の条件にて、破断強度(すなわち、糸強度)を測定した。結果を表3に示した。
(熱切断秒数)
44デシテックス/4フィラメントのポリウレタン弾性繊維を50%伸長下で190℃の熱体に押し当ててから、切断までの時間(秒)を測定した。結果を表3に示した。
(洗濯処理(糸処理A))
紡糸終了1週間後の44デシテックス/4フィラメントのポリウレタン弾性繊維の糸を50%伸長下で1時間ボイルした後、界面活性剤(花王社製ワンパックアタック 高活性バイオEX)を1.0g/Lの濃度で溶解した洗濯液中で、40℃で40分間洗濯した後、水洗し、45℃で15分間乾燥する方法で実施した。
(耐光試験後の強度保持率)
洗濯処理(糸処理A)した後のポリウレタン弾性繊維について、耐光試験を実施し、耐光試験前後の糸強度を測定することにより、強度保持率を評価した。耐光試験はフェードメーター(スガ試験機株式会社製U48AU−B型)を用いて、ポリウレタン弾性繊維に25時間紫外線を照射した。引張試験機(オリエンテック(株)製:UTM−3−100型)を用いて、20℃、65%RH雰囲気下で、糸試料長5cmで1000%/分の歪み速度の条件にて、破断強度(すなわち、糸強度)を測定した。ここで、強度保持率は次式により求めた。
強力保持率(%) =(紫外線照射後の糸強度/紫外線照射前の糸強度)× 100
結果を表3に示した。
(NOxガス着色度)
洗濯処理(糸処理A)した後のポリウレタン弾性繊維をかせに巻いた糸について、NOxガスによる着色度を評価した。
JIS L 0855−2005に準じて5ユニットの強試験を行った。着色度は、1級・・・褐色、2級・・・黄褐色、3級・・・黄色、4級・・・淡黄色、5級・・・無着色の5ランクに分けて目視判別した。ただし、色相が各級の中間にある場合には、上の級から0.5級を減じる方法で表示した。結果を表3に示した。
(燃焼ガス着色度)
洗濯処理(糸処理A)した後のポリウレタン弾性繊維をかせに巻いた糸について、AATCC−23に従って燃焼ガスによる着色度を評価した。
燃焼ガス暴露後の着色度を、1級…黄褐色、2級…黄色、3級…淡黄色、4級…わずかに黄色、5級…無着色の5ランクに分けて目視判定した。ただし色相が各級の中間にある場合には上の級から0.5級を減じる方法で表示した。結果を表3に示した。
(塩素系漂白剤着色度)
洗濯処理(糸処理A)した後のポリウレタン弾性繊維をかせに巻いた糸について、イオン交換水で1時間煮沸し、次いで花王(株)製の塩素系の衣料用漂白剤(商品名:ハイター(登録商標))10 mLを水1Lに混ぜた溶液に、25℃の条件下で10時間浸漬後、1時間流水中で洗浄後、室温で乾燥させたのち、着色度を評価した。着色度は、1級・・・赤褐色、2級・・・赤色、3級・・・淡赤色、4級・・・わずかに着色、5級・・・無着色の5ランクに分けて目視判別し、表示した。ただし、色相が各級の中間にある場合には、上の級から0.5級を減じる方法で表示した。結果を表3に示した。
Figure 2018198904
(洗濯処理(糸処理A)の後、続いてドライクリーニング処理(糸処理B))
実施例1〜11及び比較例1〜12のポリウレタン弾性繊維に、前記洗濯処理(糸処理A)を施し、続けて、50%伸長下で、50℃のパークロロエチレン液中に2時間浸漬した後、45℃で15分間乾燥した(ドライクリーニング処理(糸処理B))。パークロロエチレン液中の浸漬の浴比は1:1000とした。
このドライクリーニング処理(糸処理B)を施したポリウレタン弾性繊維について、NOxガス着色度、燃焼ガス着色度、塩素系漂白剤着色度を、上述の例と同様に評価した。
結果を表4に示した。
(糸処理A,糸処理Bの後、60日間放置(糸処理C))
前記洗濯処理(糸処理A)、ドライクリーニング処理(糸処理B)を施したポリウレタン弾性繊維を、20℃、65%RH雰囲気下で、60日間放置(糸処理C)した。
この60日間放置(糸処理C)を施したポリウレタン弾性繊維について、NOxガス着色度、燃焼ガス着色度、塩素系漂白剤着色度を、上述の例と同様に評価した。結果を表4に示した。
本発明のポリウレタン用着色防止剤は、着色防止の即効性があり、かつ、繰り返しの洗濯やドライクリーニング洗濯をしても、長期に渡って着色防止効果に持続性があることを確認した。
Figure 2018198904
本発明によれば、着色防止の即効性があり、かつ、繰り返しの洗濯やドライクリーニング洗濯をしても、長期に渡って着色防止効果に持続性があるポリウレタン用着色防止剤を提供できる。
本発明において、一般式(3)で表される構成単位を有する重合体組成物は、ポリウレタン成形体の製造における着色防止剤として使用することができる。

Claims (7)

  1. 下記一般式(3)で表される構成単位を有する重合体組成物からなるポリウレタン用着色防止剤であって、前記重合体組成物の数平均分子量(Mn)が、10000≦Mn≦80000であり、且つ、前記数平均分子量(Mn)及び重量平均分子量(Mw)から算出される分子量分布度(Mw/Mn)が、1.30以上2.55以下であるポリウレタン用着色防止剤。
    −[(O−R−N(R)−(R−O)−CONHRNHCO]− ・・・(3)
    (式中、R及びRはそれぞれ独立に炭素数2〜5のアルキレン基であり、Rは炭素数1〜10のアルキル基であり、Rは有機ジイソシアナートの残基であり、iは1〜4の整数であり、jは1〜4の整数である。)
  2. 前記有機ジイソシアナート(B)が、直鎖状脂肪族ジイソシアナート、分岐鎖状脂肪族ジイソシアナート、環状脂肪族ジイソシアナート、芳香環を有する脂肪族ジイソシアナート、又は芳香族ジイソシアナートである、請求項1に記載のポリウレタン用着色防止剤。
  3. 前記一般式(3)中のRが炭素数3〜7のアルキル基である、請求項1または2に記載のポリウレタン用着色防止剤。
  4. 前記一般式(3)中のiが1であり、jが1である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のポリウレタン用着色防止剤。
  5. 下記一般式(3)で表される構成単位を有するポリウレタン化合物(C1)と、下記一般式(3)で表される構成単位を有し、前記ポリウレタン化合物(C1)の数平均分子量(Mn)よりも小さい数平均分子量(Mn)のポリウレタン化合物(C2)とを混合する、ポリウレタン用着色防止剤の製造方法。−[(O−R−N(R)−(R−O)−CONHRNHCO]− ・・・(3)
    (式中、R及びRはそれぞれ独立に炭素数2〜5のアルキレン基であり、Rは炭素数1〜10のアルキル基であり、Rは有機ジイソシアナート(B)の残基であり、iは1〜4の整数であり、jは1〜4の整数である。)
  6. 請求項1〜4のいずれか一項に記載のポリウレタン用着色防止剤と、ポリウレタン重合体と、を含有するポリウレタン成形体。
  7. 前記ポリウレタン成形体が、ポリウレタン弾性繊維又はポリウレタンフィルムである、請求項6に記載のポリウレタン成形体。
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