JPWO2018198211A1 - スイッチング素子制御回路及びパワーモジュール - Google Patents
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Abstract
Description
また、スイッチング素子の閾値電圧がスイッチング素子の製造バラツキによって設計上の閾値電圧よりも高くなる方向に変動していた場合には、設計上の閾値電圧をわずかに超えるゲート電圧をゲート電極に印加してもスイッチング素子がオン状態にならない場合があるため、スイッチング素子のオン/オフ動作を制御することができないおそれがある、という問題もある。特に、GaNを含む材料により形成されたスイッチング素子等の場合のように絶対最大定格電圧と閾値電圧との差が小さい場合には、この問題がより顕著となる。
特に、スイッチング素子がGaNを含む材料により形成されたものである場合のように絶対最大定格電圧と閾値電圧との差が小さい場合であっても、実際の閾値電圧をわずかに超える第3電極電圧を第3電極に印加することができるため、閾値電圧(設計上の閾値電圧)をわずかに超える第3電極電圧を第3電極に印加してもスイッチング素子がオン状態にならない現象が発生することを防ぐことができ、その結果、スイッチング素子のオン/オフ動作を確実に制御することができる。
1.実施形態に係るパワーモジュール1及びスイッチング素子制御回路100の構成
実施形態に係るパワーモジュール1は、図1に示すように、スイッチング素子200と、スイッチング素子200のオン/オフ動作を制御する実施形態に係るスイッチング素子制御回路100とを備える。実施形態に係るパワーモジュール1は、高耐熱性・高絶縁性の樹脂やセラミックス等により形成されたパッケージで覆われている。実施形態に係るパワーモジュール1には、直流の電源電圧VDDを入力する(+)側入力端子T1、接地側の(−)側入力端子T2、(+)側出力端子T3、接地側の(−)側出力端子T4、及び、駆動信号(例えば、ゲートパルス)Pgを入力する制御端子T5が設けられている。
閾値電圧測定用スイッチ12としては、適宜のスイッチを用いることができ、例えば、フォトカプラを用いることができる。
ゲート電圧制御部20は、測定モードにおいては、ゲート電圧が段階的に高くなるようにゲート電圧を制御し、制御モードにおいて、スイッチング素子200のオン/オフ動作を制御するためにゲート電極に印加するゲート電圧を制御する。ゲート電圧制御部20は、制御モードにおいては、スイッチング素子200をオン状態とするときに、記憶部40に記憶された閾値電圧を含む情報に基づいてゲート電圧を制御する。
ゲート電圧制御部20は、後述するオン/オフ状態判定部30によってスイッチング素子200がオフ状態であることを判定したときは、ゲート電圧が一段階高くなるようにゲート電圧を制御する(図5参照。)。また、ゲート電圧制御部20は、後述するオン/オフ状態判定部30によってスイッチング素子200がオン状態であることを判定したときは、ゲート電極に印加したゲート電圧Vgsを閾値電圧として記憶部40へ送信する。
ドレイン電流検出部50は、測定モードにおいて、スイッチング素子200のドレイン電流Id(ソース電流)を検出し、検出結果をオン/オフ状態判定部30に送信する。ドレイン電流検出部50は、スイッチング素子200のソース電極に接続した抵抗に電流を流して電圧に返還することによって計測しているが、適宜の検出装置を用いてもよい。
オン/オフ状態判定部30は、測定モードにおいて、ドレイン電流検出部50から受信した検出結果に基づいてスイッチング素子200のオン/オフ状態を判定する。
記憶部40は、測定モードにおいて、オン/オフ状態判定部30によってスイッチング素子200がオン状態になったことを判定したときにゲート電極に印加したゲート電圧をスイッチング素子200の閾値電圧として記憶する。
実施形態に係るスイッチング素子制御回路100は、スイッチング素子の閾値電圧を測定する測定モードと、前記スイッチング素子のオン/オフ動作を制御する制御モードとを切り替えて実施する。
測定モードは、スイッチング素子制御回路100に接続されたスイッチング素子200の閾値電圧を測定するモードである。このモードは、スイッチング素子制御回路100及びスイッチング素子200を駆動させる前、又は、スイッチング素子制御回路100及びスイッチング素子200の駆動を一旦停止して行う。
まず、ゲート電圧制御部20は、想定されている閾値電圧よりも低い電圧をゲート電極に印加するようにゲート電圧を制御する。このとき、ドレイン電流検出部50によってドレイン電流は検出されない(ドレイン電流の値が0である)ため、オン/オフ状態判定部30は、スイッチング素子200がオフ状態であると判定する。オン/オフ状態判定部30によってスイッチング素子200がオフ状態であると判定すると、ゲート電圧制御部20は、ゲート電圧が一段階高くなるようにゲート電圧を制御する(図5参照。)。これを繰り返してゲート電圧を徐々に高くしていき、ドレイン電流検出部50によってドレイン電流が検出されたとき(ドレイン電流の値が0でなくなったとき)、オン/オフ状態判定部30は、スイッチング素子200がオン状態であると判定する。オン/オフ状態判定部30によってスイッチング素子200がオン状態であることを判定すると、ゲート電圧制御部20は、ゲート電極に印加したゲート電圧Vgsを閾値電圧として記憶部40へ送信する。そして、記憶部40では、ドレイン電流を検出したときにゲート電極に印加したゲート電圧Vgsを閾値電圧として記憶する。
制御モードは、閾値電圧測定用スイッチ12をオフにし負荷抵抗410及び駆動電源420を接続させた状態で制御端子T5からの駆動信号(例えば、ゲートパルス)Pgによりスイッチング素子200のオン/オフ動作を制御するモードである。制御モードにおいて、スイッチング素子200をオン状態とするときには、記憶部40に記憶された閾値電圧を含む情報に基づいて、閾値電圧よりもわずかに超えるゲート電圧をゲート電極に印加する(図3参照。)。スイッチング素子200をオフ状態とするときには、ゲート電極に印加するゲート電圧が、閾値電圧Vthを下回るようにする。
実施形態に係るスイッチング素子制御回路100及びパワーモジュール1によれば、測定モードにおいて、スイッチング素子制御回路100に実際に接続されたスイッチング素子200の実際の閾値電圧を測定することができ、制御モードにおいては、スイッチング素子200をオン状態とするときに、実際の閾値電圧を含む情報に基づいてゲート電極に印加するゲート電圧を制御することができる。このため、実際の閾値電圧がスイッチング素子200の製造バラツキによって設計上の閾値電圧から変動していた場合でも、スイッチング素子200をオン状態とするときに、実際の閾値電圧に基づいて実際の閾値電圧をわずかに超えるゲート電圧をスイッチング素子のゲート電極に印加することができる。従って、スイッチング素子のオン/オフ動作を確実に制御するために閾値電圧を大きく超えるゲート電圧をスイッチング素子のゲート電極に印加する場合(比較例。図4(a)参照。)と比較して、ターンオン期間及びターンオフ期間を短くすることができるため、スイッチング素子のスイッチング速度を速くすることができ、その結果、スイッチング素子のエネルギー損失を小さくすることができる。
特に、スイッチング素子200がGaNを含む材料により形成されたものである場合のように絶対最大定格電圧と閾値電圧との差が小さい場合であっても、実際の閾値電圧をわずかに超えるゲート電圧をゲート電極に印加することができるため、閾値電圧(設計上の閾値電圧)をわずかに超えるゲート電圧をゲート電極に印加してもスイッチング素子200がオン状態にならない現象が発生することを防ぐことができ、その結果、スイッチング素子200のオン/オフ動作を確実に制御することができる。
また、実施形態に係るパワーモジュール1によれば、スイッチング素子200がGaNを含む材料により形成されたものであるため、スイッチング素子200は、オン抵抗が低いスイッチング素子となるため、導通損失が小さいパワーモジュールとすることができる。
変形例に係るスイッチング素子制御回路(図示せず。)は、基本的には実施形態に係るスイッチング素子制御回路と同様の構成を有するが、測定モードにおけるゲート電圧の態様が実施形態に係るスイッチング素子制御回路100の場合とは異なる。すなわち、変形例に係るスイッチング素子制御回路において、ゲート電圧制御部20は、測定モードにおいては、ゲート電圧が、時間経過に伴って振幅の大きなパルスとなるパルス状の電圧になるように、ゲート電圧を制御する(図6参照。)。
Claims (7)
- 第1電極と、第2電極と、第3電極とを備えるスイッチング素子の閾値電圧を測定する測定モードと、前記スイッチング素子のオン/オフ動作を制御する制御モードとを切り替えて実施するスイッチング素子制御回路であって、
前記測定モードにおいて、前記スイッチング素子の前記第1電極に電流を供給する閾値電圧測定用電源と、
前記測定モードにおいては、第3電極電圧が段階的に高くなるように前記第3電極電圧を制御し、前記制御モードにおいては、前記スイッチング素子のオン/オフ動作を制御するために前記第3電極電圧を制御する第3電極電圧制御部と、
前記測定モードにおいて、前記スイッチング素子のオン/オフ状態を判定するオン/オフ状態判定部と、
前記測定モードにおいて、前記オン/オフ状態判定部によって前記スイッチング素子がオン状態になったことを判定したときに、前記第3電極に印加した前記第3電極電圧を前記スイッチング素子の閾値電圧として記憶する記憶部とを備え、
前記第3電極電圧制御部は、前記制御モードにおいて、前記スイッチング素子をオン状態とするときに、前記記憶部に記憶された前記閾値電圧を含む情報に基づいて前記第3電極電圧を制御することを特徴とするスイッチング素子制御回路。 - 前記スイッチング素子を流れる第1電極電流を検出する第1電極電流検出部をさらに備え、
前記測定モードにおいて、前記オン/オフ状態判定部は、前記第1電極電流検出部による前記第1電極電流の検出結果に基づいて前記スイッチング素子のオン/オフ状態を判定することを特徴とする請求項1に記載のスイッチング素子制御回路。 - 前記第3電極電圧制御部は、前記測定モードにおいては、前記第3電極電圧が時間経過に伴って階段状に高くなるように前記第3電極電圧を制御することを特徴とする請求項1又は2に記載のスイッチング素子制御回路。
- 前記第3電極電圧制御部は、前記測定モードにおいては、前記第3電極電圧が、時間経過に伴って振幅の大きなパルスとなるパルス状の電圧になるように、前記第3電極電圧を制御することを特徴とする請求項1又は2に記載のスイッチング素子制御回路。
- 前記スイッチング素子は、MOSFET、IGBT又はHEMTであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のスイッチング素子制御回路。
- 前記スイッチング素子は、GaN、SiC又はGa2O3を含む材料により形成されたものであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のスイッチング素子制御回路。
- 第1電極と、第2電極と、第3電極とを備えるスイッチング素子と、
前記スイッチング素子のオン/オフ動作を制御する、請求項1〜6のいずれかに記載のスイッチング素子制御回路とを備えることを特徴とするパワーモジュール。
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