以下、本発明に係る作業機を具体化した一実施形態に基づき図面を参照しつつ詳細に説明する。先ず、電子回路部品を基板に実装する部品実装機(作業機)10の概略構成について図1乃至図8に基づいて説明する。
<部品実装機の構成>
図1に、部品実装機10を示す。部品実装機10は、回路基材12に対する部品の実装作業を実行するための装置である。部品実装機10は、装置本体20、基材搬送保持装置22、部品装着装置24、マークカメラ(撮像装置)26、パーツカメラ28、ばら部品供給装置30、部品供給装置32、制御装置(図8参照)36を備えている。なお、回路基材12として、回路基板、三次元構造の基材等が挙げられ、回路基板として、プリント配線板、プリント回路板等が挙げられる。
装置本体20は、フレーム部40と、そのフレーム部40に上架されたビーム部42とによって構成されている。基材搬送保持装置22は、フレーム部40の前後方向の中央に配設されており、搬送装置50とクランプ装置52とを有している。搬送装置50は、回路基材12を搬送する装置であり、クランプ装置52は、回路基材12を保持する装置である。これにより、基材搬送保持装置22は、回路基材12を搬送するとともに、所定の位置において、回路基材12を固定的に保持する。なお、以下の説明において、回路基材12の搬送方向をX方向と称し、その方向に直角な水平の方向をY方向と称し、鉛直方向をZ方向と称する。つまり、部品実装機10の幅方向は、X方向であり、前後方向は、Y方向である。
部品装着装置24は、ビーム部42に配設されており、2台の作業ヘッド60、62と作業ヘッド移動装置64とを有している。各作業ヘッド60、62の下端面には、図2に示すように、部品保持具(保持具)66が着脱可能に設けられている。部品保持具66は、1対の爪67を有しており、後述のように、それら1対の爪67を接近させることで、部品を把持し、1対の爪67を離間させることで、把持した部品を離脱する。
また、作業ヘッド移動装置64は、X方向移動装置68とY方向移動装置70とZ方向移動装置72とを有している。そして、X方向移動装置68及びY方向移動装置70は、それぞれ、電磁モータ(図8参照)212、214を有しており、各電磁モータ212、214の作動により、2台の作業ヘッド60、62が、一体的にフレーム部40上の任意の位置に移動する。
また、各Z方向移動装置72は、電磁モータ(図8参照)216A、216Bを有しており、各電磁モータ216A、216Bの作動により、スライダ74、76が個別に上下方向に移動する。また、各作業ヘッド60、62は、図2に示すように、スライダ74、76に着脱可能に装着されており、Z方向移動装置72は、スライダ74、76を個別に上下方向に移動させる。つまり、作業ヘッド60、62は、各Z方向移動装置72によって、個別に上下方向に移動させられる。
尚、各電磁モータ212、214、216A、216Bは、エンコーダ(図示省略)を有しており、エンコーダによって各電磁モータ212、214、216A、216Bの回転角が検出される。そして、各電磁モータ212、214、216A、216Bの回転角が目標回転角となるように、各電磁モータ212、214、216A、216Bの作動が制御されることで、作業ヘッド60、62が目標位置まで移動する。
また、各作業ヘッド60、62は、電磁モータ(図8参照)218A、218Bを有しており、各電磁モータ218A、218Bの作動により、各作業ヘッド60、62の下端面に回動可能に取り付けられた各部品保持具66が鉛直軸回りに回動する。尚、各電磁モータ218A、218Bは、エンコーダ(図示省略)を有しており、エンコーダによって各電磁モータ2128、218Bの回転角が検出される。
そして、各電磁モータ218A、218Bの回転角が目標回転角度となるように、各電磁モータ218A、218Bの作動が制御されることで、各作業ヘッド60、62の下端面に回動可能に取り付けられた各部品保持具66が、原点位置から目標回転角度まで鉛直軸回りに回動される。つまり、各部品保持具66の一対の爪67によって把持された部品を鉛直軸回りに回動させることができる。
マークカメラ(撮像装置)26は、図2に示すように、下方を向いた状態でスライダ74に取り付けられており、作業ヘッド60とともに、X方向、Y方向およびZ方向に移動させられる。これにより、マークカメラ(撮像装置)26は、フレーム部40上の任意の位置を撮像する。パーツカメラ28は、図1に示すように、フレーム部40上の基材搬送保持装置22と部品供給装置32との間に、上を向いた状態で配設されている。これにより、パーツカメラ28は、作業ヘッド60、62の部品保持具66に把持された部品を撮像する。
ばら部品供給装置30は、フレーム部40の前後方向での一方側の端部に配設されている。ばら部品供給装置30は、ばらばらに散在された状態の複数の部品を整列させて、整列させた状態で部品を供給する装置である。つまり、任意の姿勢の複数の部品を、所定の姿勢に整列させて、所定の姿勢の部品を供給する装置である。
部品供給装置32は、フレーム部40の前後方向での他方側の端部に配設されている。部品供給装置32は、トレイ型部品供給装置78とフィーダ型部品供給装置80とを有している。トレイ型部品供給装置78は、トレイ上に載置された状態の部品を供給する装置である。フィーダ型部品供給装置80は、スティックフィーダ82によって部品を供給する装置である。以下に、スティックフィーダ82について詳しく説明する。なお、ばら部品供給装置30および、部品供給装置32によって供給される部品として、電子回路部品、太陽電池の構成部品、パワーモジュールの構成部品等が挙げられる。また、電子回路部品には、リードを有する部品,リードを有さない部品等が有る。
スティックフィーダ82は、フレーム部40の他方側の端部に固定的に設けられたフィーダ保持台86に着脱可能に装着されている。スティックフィーダ82は、部品収容スティック(図3参照)88から電子回路部品を押し出し、押し出した電子回路部品を部品供給位置において供給する装置である。
部品収容スティック88は、図3に示すように、スティックケース90と複数の電子回路部品92とによって構成されている。スティックケース90は、樹脂により形成されており、内部が空洞のスティック状とされている。つまり、スティックケース90は、両端部が開口するチューブ状とされている。スティックケース90の内部の形状は、電子回路部品92の形状と略同形状をなし、スティックケース90の内寸は、電子回路部品92の外寸より僅かに大きくされている。そして、スティックケース90の内部に、複数の電子回路部品92が一列に並んだ状態で収容されている。
これにより、電子回路部品92は、スティックケース90の内部において、殆どガタツクことなく、スティックケース90の軸方向に沿って移動する。なお、部品収容スティック88は、一般的に、スティックケース90内に複数の電子回路部品92が収容された状態で、市場で流通しているが、ユーザが、市場で流通しているスティックケース90を購入し、そのスティックケース90の内部に電子回路部品92を収容した部品収容スティック88もある。また、スティックケース90内に収容される電子回路部品92には、ヒューズ、ヒューズソケット、コネクタ、DIP(Dual Inline Packageの略)等が有る。
<スティックフィーダの構成>
また、スティックフィーダ82は、図4に示すように、フィーダ本体部100と、スティック保持部102と、部品バッファ部104と、部品供給部106と、部品送り装置108とによって構成されており、スティック保持部102により保持された部品収容スティック88から電子回路部品92を送り出し、送り出された電子回路部品92を部品供給部106において供給する装置である。
詳しくは、フィーダ本体部100は、部品実装機10のフレーム部40の端部に設けられたフィーダ保持台86に装着されるものである。フィーダ本体部100がフィーダ保持台86に装着された状態において、フィーダ本体部100の部品供給部106が設けられている前方側の部分は、部品実装機10の内部に位置し、フィーダ本体部100のスティック保持部102が設けられている後方側の部分は、部品実装機10の外部に位置する。
スティック保持部102は、1対の挟持部材110、112と保持装置114とによって構成されている。1対の挟持部材110、112の一方の挟持部材110は、フィーダ本体部100の後方側端部の上面に立設されており、他方の挟持部材112は、フィーダ本体部100の概して中央部の上面に立設されている。それら1対の挟持部材110、112は、互いに向かい合っており、それら1対の挟持部材110、112の間に、複数の部品収容スティック88が略水平に積層された状態で、フィーダ本体部100の上面に配設されている。
保持装置114は、1対の挟持部材110、112の間に配設された複数の部品収容スティック88を保持する装置であり、第1保持機構(図示省略)と第2保持機構(図示省略)とを含む。第1保持機構は、1対の挟持部材110、112の間で積層された複数の部品収容スティック88のうちの一番下の部品収容スティック88を保持するものである。そして、第1保持機構による部品収容スティック88の保持が解除されると、その部品収容スティック88は、フィーダ本体部100の上面に形成された穴(図示省略)を介して、フィーダ本体部100の下方に離脱する。
また、第2保持機構は、1対の挟持部材110、112の間で積層された複数の部品収容スティック88のうちの下から2番目の部品収容スティック88を、1番下の部品収容スティック88と離間した状態で保持するとともに、その2番目の部品収容スティック88の上に積層された部品収容スティック88も保持する機構である。そして、第1保持機構による部品収容スティック88の保持が解除され、その部品収容スティック88がフィーダ本体部100の下方に離脱した後に、第2保持機構による部品収容スティック88の保持が解除されると、下から2番目の部品収容スティック88が下方に移動し、第1保持機構により保持される。また、下から3番目以降の部品収容スティック88は、1段ずつ下方に移動した状態で、第2保持機構により保持される。
部品バッファ部104は、図4及び図5に示すように、本体部121と蓋部122とによって構成されている。本体部121は、概して四角棒形状の部材であり、その本体部121の上面には、それの軸方向に延びるように凹部123が形成されている。なお、凹部123は、本体部121の両端面に開口しており、その凹部123の幅寸法及び深さ寸法は、部品収容スティック88に収容されている電子回路部品92の幅寸法及び高さ寸法より僅かに大きくされている。
また、蓋部122は、平板状の部材であり、本体部121の凹部123を覆うように、本体部121に固定されている。そして、部品バッファ部104は、フィーダ本体部100の上面に、前後方向に延びる姿勢で固定されている。また、部品バッファ部104は、2個の装着ブロック125、126の上面に固定されている。但し、部品バッファ部104は、装着ブロック125、126に、ねじ等により着脱可能とされている。
装着ブロック125は、フィーダ本体部100の挟持部材112の前方側の上面に配設されており、装着ブロック126は、装着ブロック125から前方に向かって離れた状態で、フィーダ本体部100の上面に配設されている。尚、図5に示すように、装着ブロック125、126の上面に固定された部品バッファ部104の後方側の凹部123の開口と、スティック保持部102に保持された複数の部品収容スティック88のうちの最下端の部品収容スティック88のスティックケース90の前方側の開口とが対向する。また、装着ブロック125、126の上面に固定された部品バッファ部104は、その最下端の部品収容スティック88と平行とされている。
また、部品供給部106は、概して、ブロック状をなし、フィーダ本体部100の上面において、装着ブロック125、126の上面に固定された部品バッファ部104の前方側の凹部123の開口と対向する位置に配設されている。部品供給部106の上面には、収納凹部128が形成されており、その収納凹部128の内寸は、電子回路部品92の外寸より僅かに大きくされている。また、収納凹部128の後方側の壁面は開口しており、その収納凹部128の開口と部品バッファ部104の前方側の凹部123の開口とが対向している。
また、部品送り装置108は、図4に示すように、ワイヤ130と、ワイヤ送り機構132とによって構成されている。ワイヤ130は、可撓性を有しており、それの先端部が、フィーダ本体部100の後方から、1対の挟持部材110、112の間で積層された複数の部品収容スティック88のうちの最下端の部品収容スティック88のスティックケース90の内部に挿入されている(図5参照)。そして、そのワイヤ130は、フィーダ本体部100の後方において、フィーダ本体部100の下方に向かって湾曲されており、フィーダ本体部100の下方において、フィーダ本体部100の前方に向かって延在している。さらに、ワイヤ130の前方に向かう側の端部は、フィーダ本体部100の内部に挿入されている。
ワイヤ送り機構132は、ワイヤ130の端部が挿入されたフィーダ本体部100の内部に配設されており、2個のローラ(図示省略)を有している。そして、フィーダ本体部100の内部に挿入されたワイヤ130が、それら2個のローラによって挟持されており、それら2個のローラは、電磁モータ(図示省略)の作動により回転する。これにより、2個のローラが回転することで、それら2個のローラに挟持されたワイヤ130が送り出される。この際、最下端の部品収容スティック88のスティックケース90の内部に挿入されているワイヤ130の先端部は、スティックケース90の内部に向かって進入する。つまり、スティックケース90の内部に挿入されているワイヤ130の先端部は、スティックフィーダ82の前方に向かって移動する。
一方、電磁モータの作動により2個のローラが逆回転することで、それら2個のローラに挟持されたワイヤ130が、フィーダ本体部100の内部に引き戻される。この際、最下端の部品収容スティック88のスティックケース90の内部に挿入されているワイヤ130の先端部は、最下端の部品収容スティック88の内部から後退する方向に移動する。つまり、スティックケース90の内部に挿入されているワイヤ130の先端部は、スティックフィーダ82の後方に向かって移動する。
<スティックフィーダの作動>
このような構造のスティックフィーダ82では、ワイヤ130が最下端の部品収容スティック88の内部に進入することで、最下端の部品収容スティック88に収容されている電子回路部品92が、部品バッファ部104の凹部123に向かって押し出される。これにより、最下端の部品収容スティック88の前方側の開口から、部品バッファ部104の凹部123の内部に、電子回路部品92が押し出される。
そして、さらに、ワイヤ130が最下端の部品収容スティック88の内部に進入すると、最下端の部品収容スティック88から順次、電子回路部品92が部品バッファ部104の凹部123に押し出され、図5に示すように、先頭の電子回路部品92が、凹部123を経由して、部品供給部106の収納凹部128に押し出される。
このように、スティックフィーダ82では、最下端の部品収容スティック88から部品バッファ部104への電子回路部品92の押出しと、部品バッファ部104から部品供給部106への電子回路部品92の押出しとは、両方とも、ワイヤ130によって行われる。そして、部品バッファ部104から押し出された電子回路部品92が、部品供給部106の収納凹部128に収容される。これにより、スティックフィーダ82は、収納凹部128において電子回路部品92を供給し、収納凹部128において供給された電子回路部品92が、部品保持具66によって把持され、回路基材12に装着される。
そして、収納凹部128において電子回路部品92が部品保持具66によって把持される毎に、ワイヤ130の押し出しによって、電子回路部品92が、順次、収納凹部128に収納される。このように、収納凹部128への電子回路部品92の収納が繰り返し行われると、最下端の部品収容スティック88に収容されている電子回路部品92が無くなり、最下端の部品収容スティック88が空となる。そして、最下端の部品収容スティック88の内部からワイヤ130が引き出され、最下端の部品収容スティック88の交換が行われる。
<部品保持具の概略構成>
部品保持具66は、図6に示すように、アウターハウジング140と、アタッチメント142と、インナーハウジング144と、ピストン146と、リンク機構148と、押え部材150と、1対の爪67とを含む。
アウターハウジング140は、概して、有蓋円筒状をなし、アウターハウジング140の蓋部152の中央部に、アウターハウジング140の内部に向かって延び出すエア流通管154が配設されている。エア流通管154の内部には、それの軸方向に貫通する貫通穴156が形成されている。また、アタッチメント142は、概して円板状をなし、それの中央には、エア流通管154の貫通穴156と同径の貫通穴158が形成されている。そして、2つの貫通穴156、158が連通するように、アタッチメント142が、アウターハウジング140の蓋部152に固定されている。なお、部品保持具66は、アタッチメント142において各作業ヘッド60、62の下端面に装着される。
インナーハウジング144は、概して、有蓋円筒状をなし、インナーハウジング144の蓋部160の中央部に、上方に突出する凸部162が形成されている。凸部162の中央部には、上下方向に貫通する貫通穴164が形成されており、その貫通穴164の径は、アウターハウジング140のエア流通管154の外径より僅かに大きくされている。また、インナーハウジング144の外径は、アウターハウジング140の内径より僅かに小さくされている。
そして、インナーハウジング144の蓋部160が、アウターハウジング140の蓋部152と向かい合うように、アウターハウジング140内に挿入されている。さらに、インナーハウジング144の凸部162の貫通穴164に、アウターハウジング140のエア流通管154が挿入されている。これにより、インナーハウジング144の蓋部160が、アウターハウジング140の内部において、上下方向に移動する。
また、アウターハウジング140の蓋部152とインナーハウジング144の蓋部160との間には、コイルスプリング166が圧縮された状態で配設されている。これにより、インナーハウジング144は、コイルスプリング166の弾性力により下方に向かって付勢されている。なお、インナーハウジング144の外周面には、径方向に突出する大径部168が形成されており、アウターハウジング140の下端面には、円環状のストッパ170が取り付けられている。
そのストッパ170の内径は、インナーハウジング144の大径部168の外径より僅かに小さくされており、その大径部168は、ストッパ170の上方に位置している。このため、コイルスプリング166により付勢されたインナーハウジング144の下方への移動は、大径部168がストッパ170に接触することにより、規制される。
また、ピストン146は、概して、有底円筒状をなし、ピストン146の底部172の中央部に、凹部174が形成されている。ピストン146の外径は、インナーハウジング144の内径より僅かに小さくされており、ピストン146は、底部172を下方に向けた状態で、インナーハウジング144内に嵌入されている。これにより、ピストン146とインナーハウジング144とによって、エア室175が区画され、ピストン146は、インナーハウジング144の内部において、上下方向に移動する。また、インナーハウジング144の凸部162とピストン146の凹部174との間に、コイルスプリング176が圧縮された状態で配設されている。これにより、ピストン146は、コイルスプリング176の弾性力により下方に向かって付勢されている。
また、リンク機構148は、ベース178と、1対のスライダ180と、1対のブラケット182と、1対のアーム184と、ストッパ186とを含む。ベース178は、概して板状をなし、インナーハウジング144の下端部に固定されている。そのベース178の下端面には、インナーハウジング144の径方向に延びるようにレール188が形成されており、そのレール188に、1対のスライダ180がスライド可能に嵌合されている。なお、1対のスライダ180は、レール188の中央部を中心に対称的に配設されている。
また、1対のブラケット182は、ピストン146の凹部174の下端面に、僅かに離間した状態で並んで固定されている。なお、1対のブラケット182の並ぶ方向は、レール188の延びる方向と一致している。それら1対のブラケット182には、1対のアーム184の一端部が回動可能に連結されており、1対のアーム184の他端部は、互いに離れる方向に回動している。そして、それら1対のアーム184の他端部に、1対のスライダ180が回動可能に連結されている。これにより、ピストン146が上下方向に移動することで、1対のアーム184が回動し、1対のスライダ180が接近・離間する。
詳しくは、図7に示すように、ピストン146が上昇すると、1対のブラケット182に連結されている1対のアーム184の一端部も上昇する。その際、1対のアーム184の他端部が互いに接近し、1対のアーム184の他端部に連結されている1対のスライダ180も接近する。一方、ピストン146が下降すると、図6に示すように、1対のブラケット182に連結されている1対のアーム184の一端部も下降する。その際、1対のアーム184の他端部が互いに離間し、1対のアーム184の他端部に連結されている1対のスライダ180も離間する。
ちなみに、ピストン146は、上述したように、コイルスプリング176の弾性力によって下方に付勢されている。このため、通常、1対のブラケット182に連結されている1対のアーム184の一端部が下降し、他端部が離間することで、1対のスライダ180は離間している。なお、下降した状態の1対のアーム184の一端部の間には、ストッパ186が配設されている。このため、1対のアーム184の一端部が、最も接近する状態まで下降した際に、それら1対のアーム184の一端部は、ストッパ186に接触し、アーム184の回動が規制される。つまり、コイルスプリング176により付勢されたピストン146の下方への移動は、1対のアーム184の一端部がストッパ186に接触することにより、規制される。
また、1対の爪67は、1対のスライダ180の下端面に、下方に延び出すように固定されている。そして、それら1対の爪67の間に位置するように、押え部材150がベース178の下端面に、固定されている。
上記構造とされた部品保持具66では、エア室175からエアが吸引されることで、1対の爪67により、部品が把持され、エア室175にエアが供給されることで、1対の爪67に把持された部品が離脱する。詳しくは、エア室175にエアが供給されていない場合には、図6に示すように、ピストン146は、コイルスプリング176の弾性力により、下方に移動している。この際、上述したリンク機構148の動きにより、1対のスライダ180は離間しているため、1対の爪67も離間している。
そして、1対の爪67が離間した状態の部品保持具66が、把持対象の部品に向かって押し付けられることで、把持対象の部品に、押え部材150が接触する。なお、押え部材150が把持対象の部品に接触した際に、コイルスプリング166の弾性力に抗して、インナーハウジング144がアウターハウジング140の内部に移動するため、部品への押え部材150の接触の衝撃が緩和される。
押え部材150が把持対象の部品に接触すると、エア室175からエアが吸引される。詳しくは、アウターハウジング140のエア流通管154には、アタッチメント142の貫通穴156を介して、マニホールド(正負圧供給装置)(図8参照)208が接続されている。そして、マニホールド(正負圧供給装置)208により、エア流通管154に負圧が供給されることで、エア室175からエアが吸引され、図7に示すように、ピストン146が上方に移動する。この際、上述したリンク機構148の動きにより、1対のスライダ180が接近し、1対の爪67も接近する。これにより、1対の爪67が、把持対象の部品を把持する。
そして、部品保持具66により把持された部品が、後述のように下側部品上や回路基材12上に装着される際には、マニホールド(正負圧供給装置)208により、エア流通管154に僅かに正圧が供給される。これにより、エア室175にエアが供給され、図6に示すように、ピストン146が下方に移動する。この際、上述したリンク機構148の動きにより、1対のスライダ180が離間し、1対の爪67も離間する。これにより、1対の爪67により把持された部品が、離脱され、下側部品上や回路基材12上に部品が装着される。
また、制御装置36は、図8に示すように、コントローラ200、複数の駆動回路202、画像処理装置204、制御回路206を備えている。複数の駆動回路202は、上記搬送装置50、クランプ装置52、電磁モータ212、214、216A、216B、218A、218B、マニホールド(正負圧供給装置)208、トレイ型部品供給装置78、フィーダ型部品供給装置80、ばら部品供給装置30に接続されている。コントローラ200は、CPU221、RAM222、ROM223等を備え、コンピュータを主体とするものであり、複数の駆動回路202に接続されている。
これにより、CPU221は、ROM223に記憶されている各種のプログラムを実行することによって、基材搬送保持装置22、部品装着装置24等の作動を制御する。RAM222はCPU221が各種の処理を実行するための主記憶装置として用いられる。ROM223には、後述の上側部品実装処理(図9参照)のプログラム、制御プログラム、および各種のデータなどが記憶されている。
また、コントローラ200は、画像処理装置204にも接続されている。画像処理装置204は、マークカメラ26およびパーツカメラ28によって得られた画像データを処理するものであり、CPU221は、画像データから各種情報を取得する。更に、コントローラ200は、制御回路206を介して、表示装置210に接続されており、CPU221からの指令により、表示装置210に任意の画像が表示される。
<上側部品実装処理>
次に、上記のように構成されたコントローラ200のCPU221が実行する、上側部品用スティックフィーダ82Aによって供給された上側部品を、下側部品用スティックフィーダ82Bの部品供給部106上において下側部品に装着した後、この下側部品を実装基板に装着する「上側部品実装処理」について図9乃至図12に基づいて説明する。尚、CPU221は、予め入力された装着順データに従って、電子回路部品92を回路基材12(実装基板)上に実装するプログラムの実行を開始すると、部品保持具66が電子回路部品92を把持するために部品供給装置32、若しくは、ばら部品供給装置30へ移動する毎に、「上側部品実装処理」を実行する。
また、上側部品用スティックフィーダ82Aと下側部品用スティックフィーダ82Bは、上記スティックフィーダ82と同じ構成である。また、上側部品用スティックフィーダ82Aと下側部品用スティックフィーダ82Bは、フィーダ保持台86に並んで装着されている。但し、上側部品用スティックフィーダ82Aは、スティック保持部102により保持された部品収容スティック88に上側部品が収容されている。下側部品用スティックフィーダ82Bは、スティック保持部102により保持された部品収容スティック88に下側部品が収容されている。従って、以下の説明において、図4及び図5に示す上記スティックフィーダ82の構成等と同一符号は、上記スティックフィーダ82の構成等と同一あるは相当部分を示すものである。
図9に示すように、先ず、ステップ(以下、Sと略記する)11において、CPU221は、部品保持具66の一対の爪67で把持する電子回路部品92が、例えば、ヒューズソケット等の下側部品上に装着するヒューズ等の上側部品であるか否かを判定する判定処理を実行する。そして、部品保持具66の一対の爪67で把持する電子回路部品92が、上側部品でないと判定した場合には(S11:NO)、CPU221は、当該処理を終了する。従って、CPU221は、部品保持具66の一対の爪67で把持した電子回路部品92を回路基材12上に装着する。
一方、部品保持具66の一対の爪67で把持する電子回路部品92が、上側部品であると判定した場合には(S11:YES)、CPU221は、S12の処理に移行する。S12において、CPU221は、各電磁モータ212、214を駆動して、作業ヘッド60の下端面に装着されている部品保持具66を上側部品用スティックフィーダ82Aの部品供給部106の上方に移動させる。そして、CPU221は、電磁モータ216Aを駆動して作業ヘッド60を下方向に移動させて、部品保持具66の押え部材150を収納凹部128内に送り出された上側部品233(図11参照)に当接させる。続いて、CPU221は、マニホールド208を駆動して、部品保持具66のエア室175からエアを吸引して、一対の爪67によって上側部品233(図11参照)を把持する。
その後、S13において、CPU221は、一対の爪67によって上側部品233(図11参照)を把持した状態で、電磁モータ216Aを駆動して作業ヘッド60を上方向に移動させる。また、CPU221は、各電磁モータ212、214を駆動して、作業ヘッド60の下端面に装着されている部品保持具66をパーツカメラ28の上方に移動させる。そして、CPU221は、部品保持具66の一対の爪67によって把持された上側部品233をパーツカメラ28によって撮像し、この撮像された画像を画像処理装置(認識処理装置)204が認識処理して、上側部品233の部品保持具66に対する位置ズレ量、把持姿勢、落下状況等を認識して、各データをRAM222に記憶する。
続いて、S14において、CPU221は、認識異常がない場合には、各電磁モータ212、214を駆動して、スライダ74の下端部に取り付けられたマークカメラ26を下側部品用スティックフィーダ82Bの部品供給部106の上方に移動させる。そして、CPU221は、図10に示すように、マークカメラ26によって下側部品用スティックフィーダ82Bの部品供給部106を撮像し、この撮像された画像を画像処理装置(認識処理装置)204が認識処理して、部品供給部106の上端面に形成された基準マーク231の位置と収納凹部128の位置、形状をパターンマッチングによって認識して、各データをRAM222に記憶する。
そして、S15において、CPU221は、図10に示すように、マークカメラ26によって部品供給部106の収納凹部128に供給されているヒューズソケット等の下側部品232を撮像し、この撮像された画像を画像処理装置(認識処理装置)204が認識処理して、下側部品232の上面に形成された各挿入孔232A、232Bの位置、形状をパターンマッチングによって認識して、各データをRAM222に記憶する。
その後、S16において、CPU221は、上記S14でRAM222に記憶した基準マーク231の位置と収納凹部128の位置、形状のデータと、上記S15でRAM222に記憶した各挿入孔232A、232Bの位置、形状のデータとを読み出す。そして、CPU221は、図10に示すように、基準マーク231及び収納凹部128の外周縁に対する各挿入孔232A、232BのX、Y方向の位置ズレ量、X方向に対する傾き角度θ1等を算出して下側部品232の位置データとしてRAM222に記憶する。
続いて、S17において、CPU221は、図11に示すように、各電磁モータ212、214を駆動して、作業ヘッド60の下端面に装着されている部品保持具66を下側部品用スティックフィーダ82Bの部品供給部106の上方に移動させる。そして、CPU221は、各電磁モータ212、214を駆動して、部品保持具66の一対の爪67によって把持されたヒューズ等の上側部品233を、収納凹部128に供給された下側部品232の上方に移動させる。
そして、CPU221は、上記S16でRAM222に記憶した各挿入孔232A、232BのX方向に対する傾き角度θ1のデータを読み出し、電磁モータ218Aを駆動して部品保持具66を鉛直軸回りに回転し、上側部品233の各端子233A、233BのX方向に対する傾き角度が傾き角度θ1になるように位置補正する。続いて、CPU221は、上記S16でRAM222に記憶した各挿入孔232A、232BのX、Y方向の位置ズレ量のデータを読み出し、各電磁モータ212、214を駆動して、上側部品233の各端子233A、233Bが、各挿入孔232A、232Bの鉛直方向真上に位置するように移動させて位置補正する。
続いて、S18において、CPU221は、図11及び図12の上側左端に示すように、電磁モータ216Aを駆動して作業ヘッド60を下方向に移動させて、上側部品233の各端子233A、233Bの先端から略中央部までを、下側部品232の各挿入孔232A、232Bに挿入する。そして、CPU221は、図12の上側中央に示すように、マニホールド208を駆動して、部品保持具66のエア室175にエアを供給して、一対の爪67を離間して上側部品233から離脱させる。
CPU221は、その状態で、電磁モータ216Aを駆動して作業ヘッド60を更に所定高さ下方向に移動させて、押え部材150を介して上側部品233の各端子233A、233Bを下側部品232の各挿入孔232A、232Bに押し込んで、上側部品233の下端面を下側部品232の上端面に当接させて、下側部品232上に上側部品233を組み付けて装着する。
尚、図11及び図12に示すように、部品供給部106の収納凹部128の底面部には、Y方向に沿って、下側部品232の底面部から突出する各端子232Cが入り込む逃げ溝235が形成されている。これにより、下側部品232の底面部が、収納凹部128の底面部に確実の当接するため、上側部品233の各端子233A、233Bを下側部品232の各挿入孔232A、232Bに押し込んで、上側部品233の下端面を下側部品232の上端面に確実に当接させることができる。また、その際に、下側部品232の各端子232Cの変形を確実に防止することができる。
その後、S19において、CPU221は、図12の上側右端に示すように、部品保持具66の押え部材150を上側部品233の上端面に当接させた状態で、マニホールド208を駆動して、部品保持具66のエア室175からエアを吸引して、一対の爪67によって上側部品233を再度把持する。
続いて、S20において、CPU221は、図12の下側右端に示すように、一対の爪67によって上側部品233を把持した状態で、電磁モータ216Aを駆動して作業ヘッド60を上方向に移動させ、上側部品233及び下側部品232を部品供給部106から上方へ一体的に持ち上げる。また、CPU221は、各電磁モータ212、214を駆動して、作業ヘッド60の下端面に装着されている部品保持具66をパーツカメラ28の上方に移動させる。つまり、CPU221は、上側部品233及び下側部品232を一体的にパーツカメラ28の上方に移動させる。
そして、CPU221は、部品保持具66の一対の爪67によって把持された上側部品233及び下側部品232をパーツカメラ28によって撮像し、この撮像された画像を画像処理装置(認識処理装置)204が認識処理して、下側部品232の各端子232Cの部品保持具66に対する位置ズレ量、把持姿勢、落下状況等を認識して、各データをRAM222に記憶する。
続いて、S21において、CPU221は、図12の下側左端に示すように、認識異常がない場合には、各電磁モータ212、214を駆動して、スライダ74の下端部に取り付けられたマークカメラ26を実装基板241の下側部品232を装着する位置の上方に移動させる。そして、CPU221は、マークカメラ26によって実装基板241を撮像し、この撮像された画像を画像処理装置(認識処理装置)204が認識処理して、下側部品232の各端子232Cを挿入する各貫通孔の位置ズレ量、X方向に対する傾き角度等をパターンマッチングによって認識し、各データをRAM222に記憶する。
その後、CPU221は、下側部品232の各端子232Cを挿入する各貫通孔のX方向に対する傾き角度のデータを読み出し、電磁モータ218Aを駆動して部品保持具66を鉛直軸回りに回転し、下側部品232の各端子232CのX方向に対する傾き角度が各貫通孔の傾き角度になるように位置補正する。続いて、CPU221は、S19でRAM222に記憶した下側部品232の各端子232Cの部品保持具66に対する位置ズレ量のデータを読み出し、各電磁モータ212、214を駆動して、下側部品232の各端子232Cが、実装基板241の各端子232Cを挿入する各貫通孔の鉛直方向真上に位置するように移動させて位置補正する。
そして、CPU21は、図12の下側左端に示すように、電磁モータ216Aを駆動して作業ヘッド60を下方向に移動させて、上側部品233及び下側部品232を一体的に下方向に移動させる。そして、CPU221は、下側部品232の各端子232Cを実装基板241の貫通孔に挿入して、実装基板241上に上側部品233及び下側部品232を一体的に装着する。その後、CPU221は、マニホールド208を駆動して、部品保持具66のエア室175にエアを供給して、一対の爪67を離間して上側部品233から離脱させた後、当該処理を終了する。
ここで、部品実装機10は、作業機の一例である。回路基材12、実装基板241は、基板の一例である。下側部品232は、下側部品の一例である。下側部品用スティックフィーダ82Bは、下側部品供給装置の一例である。上側部品233は、上側部品の一例である。上側部品用スティックフィーダ82Aは、上側部品供給装置の一例である。部品保持具66は、保持具の一例である。各作業ヘッド60、62は、作業ヘッドの一例である。作業ヘッド移動装置64は、移動装置の一例である。制御装置36は、制御装置の一例である。S12の処理は、上側部品保持処理の一例である。S17の処理は、上側部品移動処理の一例である。S18の処理は、上側部品装着処理の一例である。
S21の処理は、下側部品移動処理、下側部品装着処理の一例である。スティックフィーダ82は、スティックフィーダの一例である。部品収容スティック88は、部品収容スティックの一例である。電子回路部品92、上側部品233、下側部品232は、部品の一例である。部品供給部106は、部品供給部の一例である。マークカメラ26は、撮像装置の一例である。画像処理装置204は、認識処理装置の一例である。基準マーク231は、基準マークの一例である。S16の処理は、位置補正処理の一例である。S17の処理は、補正移動処理の一例である。一対の爪67は、複数の爪の一例である。押え部材150は、押圧部材の一例である。
以上詳細に説明した通り、本実施形態に係る部品実装機10では、CPU221は、作業ヘッド60の下端面に装着されている部品保持具66を上側部品用スティックフィーダ82Aの部品供給部106の上方に移動させる。そして、CPU221は、部品供給部106に設けられた収納凹部128内に供給された上側部品233を一対の爪67によって把持する。その後、CPU221は、上側部品233を把持した部品保持具66を下側部品用スティックフィーダ82Bの部品供給部106の上方に移動させる。
そして、CPU221は、作業ヘッド60を下方に移動させて、部品保持具66に把持された上側部品233の各端子233A、233Bを、部品供給部106に設けられた収納凹部128に供給された下側部品232の各挿入孔232A、232Bに押し込んで、押え部材150を介して下側部品232上に上側部品233を押圧して装着する。
従って、下側部品用スティックフィーダ82Bの部品供給部106に設けられた収納凹部128上で、部品保持具66に把持された上側部品233を、押え部材150を介して下側部品232上に押圧して装着することができる。これにより、部品供給部106の機械的強度、つまり、収納凹部128の機械的強度を容易に大きくして、上側部品233を押さえる押圧荷重を大きくして、確実に上側部品233を下側部品232上に装着することが可能となる。
また、下側部品用スティックフィーダ82Bの部品供給部106に設けられた収納凹部128上で、上側部品233を下側部品232上に押圧して装着することができるため、実装基板241を変形させることなく、下側部品232上に上側部品233を装着することが可能となる。
また、CPU221は、部品保持具66の一対の爪67で、下側部品232上に装着された上側部品233を再度把持した後、作業ヘッド60を上方向に移動させ、上側部品233及び下側部品232を部品供給部106から上方へ一体的に持ち上げる。そして、CPU221は、上側部品233及び下側部品232を一体的に把持した部品保持具66を実装基板241上に移動させ、下側部品232の各端子232Cを実装基板241の貫通孔に挿入して、実装基板241上に上側部品233及び下側部品232を一体的に装着する。
これにより、実装基板241を変形させることなく、上側部品233が装着された下側部品232を実装基板241上に装着することができる。また、同じ部品保持具66の一対の爪67で、下側部品232上に装着された上側部品233を再度把持することが可能となり、部品保持具66の交換時間を短縮して実装基板241上に部品を実装する実装効率の向上を図ることが可能となる。
また、CPU221は、マークカメラ26によって下側部品用スティックフィーダ82Bの部品供給部106を撮像し、この撮像された画像を画像処理装置(認識処理装置)204が認識処理する。そして、CPU221は、基準マーク231及び収納凹部128の外周縁に対する各挿入孔232A、232BのX、Y方向の位置ズレ量、X方向に対する傾き角度θ1等を算出して下側部品232の位置データとしてRAM222に記憶する。
そして、CPU221は、下側部品232の位置データに基づいて、上側部品233の各端子233A、233Bが、各挿入孔232A、232Bの鉛直方向真上に位置するように移動させて位置補正する。これにより、上側部品233の各端子233A、233Bを下側部品232の各挿入孔232A、232Bにスムーズに挿入することが可能となり、取付精度の向上を図ることが可能となる。
尚、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることは勿論である。尚、以下の説明において、図1乃至図12に示す上記部品実装機10の構成等と同一符号は、上記部品実装機10の構成等と同一あるは相当部分を示すものである。
<他の実施形態1>
例えば、他の実施形態1に係る部品実装機10について図13及び図14に基づいて説明する。前記S14において、図13に示すように、CPU221は、マークカメラ26によって下側部品用スティックフィーダ82Bの部品供給部106を撮像し、この撮像された画像を画像処理装置(認識処理装置)204が認識処理して、部品供給部106の上端面に形成された基準マーク231の位置と収納凹部128の位置、形状をパターンマッチングによって認識して、各データをRAM222に記憶する。
そして、前記S15において、CPU221は、図13に示すように、マークカメラ26によって部品供給部106の収納凹部128に供給されている上側に開放された箱体状であって、内側底面部に小さな挿入孔245Aが複数列形成されたICソケット等の下側部品245を撮像し、この撮像された画像を画像処理装置(認識処理装置)204が認識処理して、下側部品245の矩形状の外周縁部の位置、形状をパターンマッチングによって認識して、各データをRAM222に記憶するようにしてもよい。
その後、前記S16において、CPU221は、S14でRAM222に記憶した基準マーク231の位置と収納凹部128の位置、形状のデータと、S15でRAM222に記憶した下側部品245の矩形状の外周縁部の位置、形状のデータとを読み出す。そして、CPU221は、図13に示すように、基準マーク231及び収納凹部128の外周縁に対する下側部品245の矩形状の外周縁部のX、Y方向の位置ズレ量、X方向に対する傾き角度θ2等を算出して下側部品245の位置データとしてRAM222に記憶するようにしてもよい。
続いて、前記S17において、CPU221は、図14に示すように、各電磁モータ212、214を駆動して、作業ヘッド60の下端面に装着されている部品保持具66を下側部品用スティックフィーダ82Bの部品供給部106の上方に移動させる。そして、CPU221は、各電磁モータ212、214を駆動して、部品保持具66の一対の爪67によって把持されたICチップ等の上側部品246を、収納凹部128に供給された下側部品245の上方に移動させる。
そして、CPU221は、上記S16でRAM222に記憶した下側部品245の矩形状の外周縁部のX方向に対する傾き角度θ2のデータを読み出し、電磁モータ218Aを駆動して部品保持具66を鉛直軸回りに回転し、上側部品246の各端子246Aの並び方向のX方向に対する傾き角度が傾き角度θ2になるように位置補正する。続いて、CPU221は、上記S16でRAM222に記憶した下側部品245の矩形状の外周縁部のX、Y方向の位置ズレ量のデータを読み出し、各電磁モータ212、214を駆動して、上側部品246の両側縁に列状に設けられた各端子246Aが、2列に配置された各挿入孔245Aの鉛直方向真上に位置するように移動させて位置補正するようにしてもよい。
続いて、前記S18において、CPU221は、図14に示すように、電磁モータ216Aを駆動して作業ヘッド60を下方向に移動させて、上側部品246の両側縁に列状に設けられた各端子246Aの先端から略中央部までを、下側部品245の2列に配置された各挿入孔245Aに挿入する。そして、CPU221は、マニホールド208を駆動して、部品保持具66のエア室175にエアを供給して、一対の爪67を離間して上側部品246から離脱させるようにしてもよい。
CPU221は、その状態で、電磁モータ216Aを駆動して作業ヘッド60を更に所定高さ下方向に移動させて、押え部材150を介して上側部品246の両側縁に列状に設けられた各端子246Aを下側部品245の2列に配置された各挿入孔245Aに押し込んで、上側部品246の下端面を下側部品245の内側底面に当接させて、下側部品245の内側底面上に上側部品246を組み付けて装着するようにしてもよい。
従って、下側部品用スティックフィーダ82Bの部品供給部106に設けられた収納凹部128上で、部品保持具66に把持された上側部品246を、押え部材150を介して下側部品245の内側底面上に押圧して装着することができる。これにより、部品供給部106の機械的強度、つまり、収納凹部128の機械的強度を容易に大きくして、上側部品246を押さえる押圧荷重を大きくして、確実に上側部品246を下側部品245の内側底面上に装着することが可能となる。
また、下側部品用スティックフィーダ82Bの部品供給部106に設けられた収納凹部128上で、上側部品246を下側部品245の内側底面上に押圧して装着することができるため、実装基板241を変形させることなく、下側部品245の内側底面上に上側部品246を装着することが可能となる。
また、CPU221は、マークカメラ26によって下側部品用スティックフィーダ82Bの部品供給部106を撮像し、この撮像された画像を画像処理装置(認識処理装置)204が認識処理する。そして、CPU221は、基準マーク231及び収納凹部128の外周縁に対する下側部品245の矩形状の外周縁部のX、Y方向の位置ズレ量、X方向に対する傾き角度θ2等を算出して下側部品245の位置データとしてRAM222に記憶することが可能となる。
そして、CPU221は、下側部品245の位置データに基づいて、上側部品246の両側縁に列状に設けられた各端子246Aが、下側部品245の2列に配置された各挿入孔245Aの鉛直方向真上に位置するように移動させて位置補正する。これにより、上側部品246の両側縁に列状に設けられた各端子246Aを、下側部品245の2列に配置された各挿入孔245Aにスムーズに挿入することが可能となり、取付精度の向上を図ることが可能となる。
また、図14に示すように、部品供給部106の収納凹部128の底面部には、Y方向に沿って、下側部品245の底面部から突出する各端子245Cが入り込む逃げ溝235が形成されている。これにより、下側部品245の底面部が、収納凹部128の底面部に確実の当接するため、上側部品246の各端子246Aを下側部品245の各挿入孔245Aに押し込んで、上側部品246の下端面を下側部品245の内側底面に確実に当接させることができる。また、その際に、下側部品245の各端子245Cの変形を確実に防止することができる。
<他の実施形態2>
また、例えば、作業ヘッド62に、下側部品232を把持可能な部品保持具66を取り付けて、前記S19において、CPU221は、この部品保持具66で上側部品233が装着された下側部品232を一対の爪67で把持するようにしてもよい。