JPWO2018186002A1 - 樹脂組成物、及び樹脂組成物の製造方法 - Google Patents

樹脂組成物、及び樹脂組成物の製造方法 Download PDF

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Abstract

優れた樹脂物性を有する樹脂組成物を提供すること。芳香族ポリカーボネート樹脂100質量部と、架橋構造を有するポリウレタン樹脂0.01〜5.0質量部とを含み、該ポリウレタン樹脂が硬化樹脂である、樹脂組成物を提供する。

Description

本技術は、樹脂組成物、及び樹脂組成物の製造方法に関する。
ポリカーボネート樹脂を含有する樹脂組成物は、エクステリア、電子電気用途、光ディスク基板等など様々な分野で使用されている。
しかしながら、今後、OA・複写機分野、自動車分野、医療材料分野等に用途を広げるに伴って、ポリカーボネート樹脂を含有する樹脂組成物の更なる性能改良が望まれているのが現状である。
例えば、テレフタル酸およびテレフタル酸誘導体からなる群より選ばれる1種または2種以上のテレフタル酸系成分からなるジカルボン酸系重縮合成分と、1,4−シクロヘキサンジメタノールを40モル%以上含有するグリコール系重縮合成分とを重縮合させて得られるポリエステル樹脂60〜80重量部と、ポリカーボネート樹脂40〜20重量部とからなることを特徴とする屋外用途用透明面板が提案されている(特許文献1を参照)。
また、例えば、分子中に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物(A)、導電性微粒子(B)及び有機溶媒(C)を含有するポリカーボネート樹脂用硬化性塗料であって、前記有機溶媒(C)として、少なくとも溶解度パラメーターが8.0〜10.0(cal/cm1/2である化合物(C−1)を含有することを特徴とするポリカーボネート樹脂用硬化性塗料が提案されている(特許文献2を参照)。
特開2000−63641号公報 特開2011−74228号公報
しかしながら、特許文献1〜2で提案された技術では、樹脂物性の更なる向上が図れないおそれがある。
そこで、本技術では、優れた樹脂物性を有する樹脂組成物、及び優れた樹脂物性を有する樹脂組成物の製造方法を提供することを主目的とする。
本発明者らは、上述の目的を解決するために鋭意研究を重ねた結果、芳香族ポリカーボネート樹脂と、架橋構造を有するポリウレタン樹脂とを所定の組成比で用いることによって、驚くべきことに、樹脂物性を飛躍的に向上させることに成功し、本技術を完成するに至った。
すなわち、本技術では、芳香族ポリカーボネート樹脂100質量部と、架橋構造を有するポリウレタン樹脂0.01〜5.0質量部とを含み、該ポリウレタン樹脂が硬化樹脂である、樹脂組成物を提供する。
前記架橋構造を有するポリウレタン樹脂の粉体の平均粒径が0.5mm〜1.5mmでよい。
前記架橋構造を有するポリウレタン樹脂の全粉体に対して、前記架橋構造を有するポリウレタン樹脂の粉体の粒径が0.5mm〜1.5mmである割合が70%以上でよい。
前記架橋構造を有するポリウレタン樹脂が、ポリエステルポリオールとポリイソシアネートとの反応から得られてよい。
前記ポリエステルポリオールと前記ポリイソシアネートとの質量比が、100:50〜100:200でよい。
前記ポリエステルポリオールの水酸基価が30〜300でよい。
前記ポリエステルポリオールのポリスチレン換算の重量平均分子量が、10,000以上500,000以下でよい。
前記ポリイソシアネートが2つ以上のイソシアネート基を有してよい。
前記芳香族ポリカーボネート樹脂100質量部に対して、有機スルホン酸及び/又は有機スルホン酸金属塩化合物0.01〜3.0質量部を更に含んでよい。
前記有機スルホン酸金属塩化合物のポリスチレン換算の重量平均分子量が、30,000以上でよい。
前記有機スルホン酸金属塩化合物がスルホン酸金属塩基を含有してよく、該スルホン酸金属塩基の含有量が0.1〜10モル%でよい。
前記芳香族ポリカーボネート樹脂が、再生ポリカーボネート樹脂を含んでよく、該再生ポリカーボネート樹脂の含有量が、前記芳香族ポリカーボネート樹脂の全質量に対して1〜100質量%未満でよい。
本技術に係る樹脂組成物が、前記芳香族ポリカーボネート樹脂100質量部に、前記架橋構造を有するポリウレタン樹脂0.01〜5.0重量部を添加して、前記芳香族ポリカーボネート樹脂と前記架橋構造を有するポリウレタン樹脂とを混錬して得られてよい。
また、本技術では、芳香族ポリカーボネート樹脂100質量部に、架橋構造を有するポリウレタン樹脂0.01〜5.0重量部を添加することと、該芳香族ポリカーボネート樹脂と該架橋構造を有するポリウレタン樹脂とを混錬することとを含む、樹脂組成物の製造方法を提供する。
本技術に係る樹脂組成物の製造方法が、ポリエステルポリオールとポリイソシアネートとを反応させて前記架橋構造を有するポリウレタン樹脂を製造することを含んでよい。
本技術によれば、樹脂物性を向上させることができる。なお、ここに記載された効果は、必ずしも限定されるものではなく、本技術中に記載されたいずれかの効果であってもよい。
以下、本技術を実施するための好適な形態について説明する。以下に説明する実施形態は、本技術の代表的な実施形態の一例を示したものであり、これにより本技術の範囲が狭く解釈されることはない。
なお、説明は以下の順序で行う。
1.本技術の概要
2.第1の実施形態(樹脂組成物の例)
2−1.樹脂組成物
2−2.芳香族ポリカーボネート樹脂
2−3.ポリウレタン樹脂
2−4.ポリエステルポリオール
2−5.ポリイソシアネート
2−6.有機スルホン酸及び有機スルホン酸金属塩化合物
2−7.ドリップ防止剤
2−8.その他成分
3.第2の実施形態(樹脂組成物の製造方法の例)
3−1.樹脂組成物の製造方法
4.第3の実施形態(樹脂成形体の例)
4−1.樹脂成形体
4−2.樹脂成形体の製造方法
<1.本技術の概要>
まず、本技術の概要について説明をする。
本技術は、樹脂物性を向上させた、芳香族ポリカーボネート樹脂と架橋構造を有するポリウレタン樹脂とを含む樹脂組成物に関する。さらに、詳しくは、本技術は、表面にコーティング材をコートすることなく、耐溶剤性、耐薬品性、耐擦傷性等の表面物性を向上させ、かつ、芳香族ポリカーボネート樹脂が本来有する優れた耐衝撃性等の機械的物性などの性能を損なうことなく、流動性を向上させた樹脂組成物に関する。また、本技術は、その樹脂組成物の製造方法に関する。
ポリカーボネート樹脂(例えば、芳香族ポリカーボネート樹脂)を含有する樹脂組成物は、耐熱性、耐衝撃性、透明性等に優れる。しかしながら、ポリカーボネート樹脂(例えば、芳香族ポリカーボネート樹脂)を含有する樹脂組成物は、流動性が低く成形性が悪くなることがあり、また、耐溶剤性、耐薬品性等の表面物性が悪化することがある。ポリカーボネート樹脂(例えば、芳香族ポリカーボネート樹脂)を含有する樹脂組成物の流動性、耐溶剤性、耐薬品性等の表面物性の改良が望まれているのが現状である。
ポリカーボネート樹脂の流動性、耐薬品性を向上させる方法としては、ポリカーボネート樹脂にポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)やポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT)といったポリエステル系樹脂を溶融混練するという技術がある。しかし、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)やポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT)はポリカーボネート樹脂との相溶性に劣るため、溶融混練するとポリカーボネート樹脂の特徴である機械的物性が著しく損なわれ、さらに、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)やポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT)はガラス転移温度が低いため耐熱性も大幅に低下するということがある。
また、耐薬品性、耐擦傷性等を向上させる方法の技術として、成形後のポリカーボネート樹脂にコーティング材をコートして耐薬品性を向上させる方法がある。しかしながら、溶剤や材料の浸食によりポリカーボネート樹脂の機械的物性が著しく低下することがある。このため、コーティング方式においても、表面物性と機械的物性との両立は困難である。
本技術は、以上のような状況下に鑑みて、本発明者らが鋭意研究を重ねた結果の末になされたものである。本技術では、芳香族ポリカーボネート樹脂100質量部と、架橋構造を有するポリウレタン樹脂0.01〜5.0質量部とを含み、ポリウレタン樹脂が硬化樹脂である、樹脂組成物を提供する。また、本技術では、芳香族ポリカーボネート樹脂100質量部に、架橋構造を有するポリウレタン樹脂0.01〜5.0重量部を添加することと、芳香族ポリカーボネート樹脂と架橋構造を有するポリウレタン樹脂とを混錬することとを含む、樹脂組成物の製造方法を提供する。さらに、本技術では、本技術に係る樹脂組成物を成形加工して得られる樹脂成形体を提供する。
本技術によれば、耐衝撃性等の機械的物性を低下させることなく、流動性や、耐溶剤性、耐薬品性、耐擦傷性等の表面物性を向上させた樹脂組成物が提供される。また、本技術によれば、難燃剤(例えば有機スルホン酸、有機スルホン酸金属塩化合物等)を更に含むときは、難燃性を更に付与した樹脂組成物が提供される。
さらに、本技術は、廃光学ディスク等の回収ポリカーボネート樹脂を含む芳香族ポリカーボネート樹脂を用いてもよいので、廃光学ディスク等の回収ポリカーボネート樹脂を原料として有効利用することができるため、芳香族ポリカーボネート樹脂の省資源化に貢献することができる。
<2.第1の実施形態(樹脂組成物の例)>
[2−1.樹脂組成物]
以下、本技術に係る第1の実施形態(樹脂組成物の例)の樹脂組成物について詳細に説明をする。
本技術に係る第1の実施形態の樹脂組成物は、芳香族ポリカーボネート樹脂100質量部と、架橋構造を有するポリウレタン樹脂0.01〜5.0質量部とを含み、ポリウレタン樹脂が硬化樹脂である、樹脂組成物である。架橋構造を有するポリウレタン樹脂は、硬化性ポリウレタン系樹脂組成物を、光(例えば紫外光)で硬化した光硬化樹脂でもよいし、熱で硬化した熱硬化樹脂でもよい。
本技術に係る第1の実施形態の樹脂組成物によれば、耐衝撃性等の機械的物性の性能は維持されながら、流動性や、耐溶剤性、耐薬品性、耐擦傷性等の表面物性は向上する。なお、流動性の向上は、樹脂組成物の加工適性(成形性等)を良化させる。
樹脂組成物中の、架橋構造を有するポリウレタン樹脂の含有量は、芳香族ポリカーボネート樹脂100質量部に対して0.01〜5.0質量部であるが、機械的物性の更なる向上の観点から、0.05〜3.0質量部であることが好ましい。
[2−2.芳香族ポリカーボネート樹脂]
本技術に係る第1の実施形態の樹脂組成物は芳香族ポリカーボネート樹脂を含む。芳香族ポリカーボネート樹脂の含有量は、任意の量でよいが、樹脂組成物の全質量に対して、94.5〜99.5質量%であることが好ましく、96〜98質量%であることがより好ましい。
芳香族ポリカーボネート樹脂は、本技術に係る第1の実施形態の樹脂組成物の成形加工部品を製造するための原料として使用され、光学ディスクや家電の筐体用材料などの用途に使用される。通常、二価フェノールとカーボネート前駆体との反応により製造される芳香族ポリカーボネート樹脂を用いることが出来る。反応方法の一例として界面重合法、溶融エステル交換法、カーボネートプレポリマーの固相エステル交換法、および環状カーボネート化合物の開環重合法などを挙げることができる。これら二価フェノールとカーボネート前駆体については、特に制限は無く種々のものを使用することが出来る。
芳香族ポリカーボネート樹脂は、本技術の趣旨を損なわない範囲で、芳香族ジカルボン酸、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸あるいはその誘導体を共重合したポリエステルカーボネートであってもよい。また、本技術に係る第1の実施形態の樹脂組成物の樹脂物性を損なうことがない限り、芳香族ポリカーボネート樹脂以外の他の熱可塑性樹脂を配合することができる。この他の熱可塑性樹脂の配合量は、その種類および目的によって変わるが、通常、芳香族ポリカーボネート樹脂100質量部当たり、1〜30質量部が好ましく、2〜20質量部がより好ましい。他の熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリアルキルメタクリレート樹脂などに代表される汎用プラスチックス、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリアミド樹脂、環状ポリオレフィン樹脂、ポリアリレート樹脂(非晶性ポリアリレート、液晶性ポリアリレート)等に代表されるエンジニアリングプラスチックス、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリフェニレンサルファイドなどのいわゆるスーパーエンジニアリングプラスチックスと呼ばれるものを挙げることができる。さらにオレフィン系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー、ポリウレタン系熱可塑性エラストマーなどの熱可塑性エラストマーも使用することができる。
以下、芳香族ポリカーボネート樹脂について更に詳細に説明をする。
(分岐構造を有する芳香族ポリカーボネート樹脂)
本技術に係る第1の実施形態の樹脂組成物に含まれる芳香族ポリカーボネート樹脂は、分岐構造を有する芳香族ポリカーボネート樹脂(分岐状の芳香族ポリカーボネート樹脂ということもある。)を含んでもよい。
分岐状の芳香族ポリカーボネート(PC)樹脂は、分岐状の芳香族ポリカーボネート樹脂であれば特に限定されないが、例えば、下記一般式(I)で表される分岐剤から誘導された分岐核構造を有し、かつ粘度平均分子量が15,000〜40,000であって、好ましくは17,000〜30,000であって、より好ましくは17,000〜27,000であり、分岐剤の使用量は、二価フェノール化合物に対して、好ましくは0.01〜3モル%、より好ましくは0.1〜2.0モル%の範囲である分岐状の芳香族ポリカーボネート樹脂が挙げられる。
Figure 2018186002
Rは水素あるいは炭素数1〜5のアルキル基、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基などである。また、R1〜R6はそれぞれ独立に、水素、炭素数1〜5のアルキル基(例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基など)あるいはハロゲン原子(例えば塩素原子、臭素原子、フッ素原子など)である。
一般式(I)で表される分岐剤は、さらに具体的には1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)−メタン;1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)−エタン;1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)−プロパン;1,1,1−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−メタン;1,1,1−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−エタン;1,1,1−トリス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−メタン;1,1,1−トリス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−エタン;1,1,1−トリス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−メタン;1,1,1−トリス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−エタン;1,1,1−トリス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)−メタン;1,1,1−トリス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)エタン;1,1,1−トリス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)−メタン;1,1,1−トリス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)−エタン;1,1,1−トリス(3−ブロモ−4−ヒドロキシフェニル)−メタン;1,1,1−トリス(3−ブロモ−4−ヒドロキシフェニル)−エタン;1,1,1−トリス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)−メタン;1,1,1−トリス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)−エタン、4,4’−[1−[4−[1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]フェニル]エチリデン]ビスフェノール;α,α’,α”−トリス(4−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリイソプロピルベンゼン;1−[α−メチル−α−(4’−ヒドロキシフェニル)エチル]−4−[α’,α’−ビス(4”−ヒドロキシフェニル)エチル]ベンゼン;フロログリシン、トリメリト酸、イサチンビス(o−クレゾール)等の官能基を3つ以上有する化合物などである。上記のうち、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタンを用いることが入手性、反応性及び経済性の観点から好ましい。
これらの分岐剤はそれぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。また、分岐剤として1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタンを用いる場合には、その使用量は、二価フェノール化合物に対して0.2〜2.0モル%であることが好ましく、0.3〜2.0モル%であることがより好ましく、0.4〜1.9モル%であることが更に好ましい。0.2モル%以上であれば、配合の自由度が広くなり、2.0モル%以下であれば、重合中にゲル化しにくく、芳香族ポリカーボネート樹脂の製造が容易である。
分岐状の芳香族ポリカーボネート樹脂は、上記一般式(I)で表される分岐剤から誘導された分岐核構造を有し、具体的には下記の式で表されるものである。
Figure 2018186002
ここで、上記式中、a,b及びcは整数であり、PCはポリカーボネート部分を示す。
PCは、例えば原料成分としてビスフェノールAを使用した場合には、下記の式で表される繰り返し単位を示す。
Figure 2018186002
芳香族ポリカーボネート樹脂100質量部における、分岐状の芳香族ポリカーボネート樹脂の量(割合)は、10〜100質量部であることが好ましく、50〜100質量部であることがより好ましい。分岐状の芳香族ポリカーボネート樹脂の量が10質量部以上でないと、例えば、薄肉難燃性の効果が得られない場合がある。
(非分岐状ポリカーボネート樹脂)
芳香族ポリカーボネート樹脂は、分子構造中にハロゲンを含有しない非分岐状ポリカーボネート樹脂を含んでもよい。非分岐状ポリカーボネート樹脂は、好ましくは、下記式(II)で表される構造単位を有する重合体である。
Figure 2018186002
式(II)中、Xは、それぞれ水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、アミル基、イソアミル基、ヘキシル基など)であり、このXが複数の場合、それらは同一であってもよいし、異なっていてもよく、a及びbは、それぞれ1〜4の整数である。そして、Yは、単結合,炭素数1〜8のアルキレン基又は炭素数2〜8のアルキリデン基(例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンテリレン基、ヘキシレン基、エチリデン基、イソプロピリデン基など)、炭素数5〜15のシクロアルキレン基又は炭素数5〜15のシクロアルキリデン基(例えば、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基、シクロペンチリデン基、シクロヘキシリデン基など)、又は−S−、−SO−、−SO2 −、−O−、−CO−結合もしくは下記式(III)あるいは(III’)で表される結合を示す。このうち、Xは水素原子が好ましく、また、Yはエチレン基,プロピレン基が好ましい。
Figure 2018186002
この芳香族ポリカーボネート樹脂は、下記の式(IV)で表される二価フェノールとホスゲン又は炭酸ジエステル化合物とを反応させることによって容易に製造することができるものである。すなわち、例えば、塩化メチレンなどの溶媒中において、公知の酸受容体や粘度平均分子量調節剤の存在下、二価フェノールとホスゲンのようなカーボネート前駆体との反応により、あるいは二価フェノールとジフェニルカーボネートのようなカーボネート前駆体とのエステル交換反応などによって製造される。
Figure 2018186002
式(IV)中、X、Y、a及びbは、前記と同じである。
ここで、前記式(IV)で表される二価フェノールとしては、様々なものがある。例えば、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン;ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン;ビス(4−ヒドロキシフェニル)ナフチルメタン;ビス(4−ヒドロキシフェニル)−(4−イソプロピルフェニル)メタン;ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)メタン;ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)メタン;1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン;1−ナフチル−1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン;1−フェニル−1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン;1,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン;2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン〔通称:ビスフェノールA〕;2−メチル−1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン;2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン;1−エチル−1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン;2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン;1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン;2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン;1,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン;2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン;4−メチル−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン;2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサン;4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン;2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ノナン;1,10−ビス(4−ヒドロキシフェニル)デカン;1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン;などのジヒドロキシジアリールアルカン類、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン;1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロデカンなどのジヒドロキシジアリールシクロアルカン類、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン;ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)スルホンなどのジヒドロキシジアリールスルホン類、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル;ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)エーテルなどのジヒドロキシジアリールエーテル類、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン;3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノンなどのジヒドロキシジアリールケトン類、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド;ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)スルフィド;ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)スルフィドなどのジヒドロキシジアリールスルフィド類、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホキシドなどのジヒドロキシジアリールスルホキシド類、4,4’−ジヒロキシジフェニルなどのジヒドロキシジフェニル類、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンなどのジヒドロキシアリールフルオレン類などが挙げられる。これらの中では、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン〔通称:ビスフェノールA〕が好適である。
前記式(IV)で表される二価フェノール類以外の二価フェノールとしては、ヒドロキノン、レゾルシノール、メチルヒドロキノンなどのジヒドロキシベンゼン類、1,5−ジヒドロキシナフタレン;2,6−ジヒドロキシナフタレンなどのジヒドロキシナフタレン類等が挙げられる。これらの二価フェノールは、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、炭酸ジエステル化合物としては、ジフェニルカーボネート等のジアリールカーボネートやジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート等のジアルキルカーボネートが挙げられる。
そして、分子量調節剤としては、通常、ポリカーボネートの重合に用いられるものでよく、各種のものを用いることができる。具体的には、一価フェノールとして、例えば、フェノール、p−クレゾール、p−tert−ブチルフェノール、p−tert−オクチルフェノール、p−クミルフェノール、ノニルフェノールなどが挙げられる。更に、本発明で用いる芳香族ポリカーボネートは、2種以上の芳香族ポリカーボネートの混合物であってもよい。そして、該芳香族ポリカーボネートは、機械的強度及び成形性の点から、その粘度平均分子量が10,000〜100,000のものが好ましく、特に、20,000〜40,000のものが好適である。
(芳香族ポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体)
本技術に係る第1の実施形態の透過型樹脂組成物に含まれる芳香族ポリカーボネート樹脂は、芳香族ポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体を含んでもよい。
芳香族ポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体は、芳香族ポリカーボネート部とポリオルガノシロキサン部とからなり、下記の一般式(V)で示される芳香族ポリカーボネート構造単位及び一般式(VI)で示されるポリオルガノシロキサン構造単位を含むものである。
Figure 2018186002
上記式(V)において、R及びRは、それぞれハロゲン原子、炭素数1〜6(好ましくは炭素数1〜4)のアルキル基又は置換基を有してもよいフェニル基を示し、R及びRが複数個ある場合、それらはたがいに同一でも異なっていてもよい。Yは単結合、炭素数1〜20(好ましくは炭素数2〜10)のアルキレン基若しくはアルキリデン基、炭素数5〜20(好ましくは炭素数5〜12)のシクロアルキレン基もしくはシクロアルキリデン基、−O−、−S−、−SO−、−SO2−又は−CO−のいずれかを示し、好ましくはイソプロピリデン基である。p及びqは、それぞれ0〜4の整数(好ましくは0)であり、p及びqが複数個ある場合、それらはたがいに同一でも異なっていてもよい。mは1〜100の整数(好ましくは5〜90の整数)を示す。mが1〜100であることにより芳香族ポリカーボネートーポリオルガノシロキサン共重合体において適度な粘度平均分子量が得られる。
Figure 2018186002
上記式(VI)において、R〜R10はそれぞれ炭素数1〜6のアルキル基又は置換基を有してもよいフェニル基を示し、それらはたがいに同一でも異なっていてもよい。R〜R10の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、アミル基、イソアミル基及びヘキシル基などのアルキル基、フェニル基、トリル基、キシリル基及びナフチル基などのフェニル系アリールを挙げることができる。R11は脂肪族もしくは芳香族を含む有機残基を示し、好ましくはo−アリルフェノール残基、p−ヒドロキシスチレン残基及びオイゲノール残基などの二価の有機化合物残基である。
上記の芳香族ポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体の製造方法は、例えば、芳香族ポリカーボネートオリゴマーとポリオルガノシロキサン部を構成する末端に反応性基を有するポリオルガノシロキサンとを、塩化メチレン等の溶媒に溶解させ、トリエチルアミン等の触媒を用い、ビスフェノールAなどの二価フェノールを加え、界面重縮合反応することにより製造することができる。この芳香族ポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体は、例えば、特開平3−292359号公報、特開平4−202465号公報、特開平8−81620号公報、特開平8−302178号公報及び特開平10−7897号公報等に開示されている。
芳香族ポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体の芳香族ポリカーボネート構造単位の重合度は、3〜100、ポリオルガノシロキサン構造単位の重合度は2〜500程度のものが好ましく、より好ましくは2〜300程度のものであり、さらに好ましくは2〜140程度のものが用いられる。また、芳香族ポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体のポリオルガノシロキサンの含有量としては、通常0.1〜10質量%程度、好ましくは0.3〜6質量%の範囲である。本技術に係る第1の実施形態の透過型樹脂組成物に用いられる芳香族ポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体の粘度平均分子量は、通常5,000〜100,000程度、好ましくは10,000〜30,000、特に好ましくは12,000〜30,000である。ここで、これらの粘度平均分子量(Mv)は、上記のポリカーボネート樹脂と同様に求めることができる。
(再生ポリカーボネート樹脂)
以上に示した芳香族ポリカーボネート樹脂は、新たに製造されたバージン材でもよいし、製造工程において生じた廃材、端材、スプルー材、屑等、あるいは製品(例えば、デジタル多用途ディスク(DVD)、コンパクトディスク(CD)、MO、MD、ブルーレイディスク(BD)等の光学ディスク(基板))の回収物、廃材であってもよい(再生ポリカーボネート樹脂)。再生ポリカーボネート樹脂は、市場から回収した再生ポリカーボネート樹脂であることが好ましい。
すなわち、芳香族ポリカーボネート樹脂は、再生ポリカーボネート樹脂を含んでもよいし、再生ポリカーボネート樹脂から構成されてもよい。そして、再生ポリカーボネート樹脂の含有量が、芳香族ポリカーボネート樹脂の全質量に対して1〜100質量%未満であることが好ましい。
回収された光学ディスクを使用する場合、金属反射層、メッキ層、記録材料層、接着剤層、レーベル等の各種付着物があるが、本発明においては、これらを具備したまま使用してもよく、このような不純物や副材料を従来公知の方法により分離・除去した後のものを用いてもよい。
具体的には、Al、Au、Ag、Si等の金属反射層、シアニン系色素を含む有機色素、Te、Se、S、Ge、In、Sb、Fe、Tb、Co、Ag、Ce、Bi等の記録材料層、アクリル系アクリレート、エーテル系アクリレート、ビニル系のモノマーやオリゴマー、ポリマーの少なくとも一種以上からなる接着剤層、紫外線硬化型のモノマー、オリゴマー、ポリマーの少なくとも一種及び重合開始剤や顔料、補助剤が混入されているレーベルインキ層等が挙げられるが、これらに限定されるものではなく、光学ディスクにおいて通常使用される膜形成材料、塗装材料を含んでいてもよい。なお、リサイクルという観点においては、原料が低コストであることが望ましいため、樹脂に各種材料による不純物が含まれたまま再利用することが好適である。例えば光学ディスクを細かく破砕し、そのまま、あるいは所定の添加物と混練・溶融し、ペレット化してPC樹脂原料として用いることができる。あるいは、射出成型機の構造によっては、回収ディスクを、後述する各種添加剤と共に射出成型機のホッパー等に直接投入し、樹脂組成物よりなる成形体を得てもよい。なお、ポリカーボネート(PC)樹脂として、上記各種不純物を含まない状態のものを使用する場合には、金属反射層、記録材料層、接着剤層、表面硬化層、レーベル等の付着物は、例えば、特開平6−223416号公報、特開平10−269634公報、特開平10−249315号公報等において提案されている機械的あるいは化学的な方法で除去することができる。
なお、芳香族ポリカーボネート樹脂の重量平均分子量は、クロロホルム溶媒を用いたGPC(Gel Permeation Chromatography)測定にて、ポリスチレン分子量標準物質(サンプル)を基準とした、ポリスチレン換算として測定することができる。
芳香族ポリカーボネート樹脂の分子量は任意の値でよいが、分子量が重量平均分子量(ポリスチレン換算)で36000〜63000であることが好ましい。その理由は、芳香族ポリカーボネート樹脂の重量平均分子量が63000より大きい場合は、最終目的物の樹脂組成物の溶融時の流れ性(加工性)が悪くなる傾向になる場合がある。一方、36000よりも小さい場合は、耐溶剤性が低下しソルベントクラック(薬品によるクラック)が発生しやすくなる傾向になる場合があり、耐衝撃性が低下する傾向になる場合がある。
樹脂組成物中に含有される芳香族ポリカーボネート樹脂は、機械的強度及び成形性の点から、その重量平均分子量が40000〜59000であることがより好ましく、44000〜54000であることが更に好ましい。
[2−3.ポリウレタン樹脂]
本技術に係る第1の実施形態の樹脂組成物は、架橋構造を有する硬化樹脂のポリウレタン樹脂を、芳香族ポリカーボネート樹脂100質量部に対して0.01〜5.0質量部で含む。以下に、架橋構造を有するポリウレタン樹脂について、詳細に説明する。
本技術に係る第1の実施形態の樹脂組成物において、ポリウレタン樹脂は、架橋構造を有する硬化樹脂のポリウレタン樹脂であれば、特に限定されることはないが、耐薬品性等の表面物性に優れた塗膜を形成する観点から、ポリエステルポリオールと、ポリイソシアネートとを反応させて3次元的に架橋した架橋構造を有するポリウレタン樹脂であることが好ましい。反応させるポリエステルポリオールとポリイソシアネートとの質量比は任意の比でよいが、100:50〜100:200であることが好ましい。また、ポリウレタン樹脂は、ポリエステルポリオール由来の構成単位とポリイソシアネート由来の構成単位とを含むことが好ましい。
架橋構造を有するポリウレタン樹脂は、例えば、ポリエステルポリオールとポリイソシアネートとの2液を混合し、その後、熱硬化反応によって製造して得ることができる。ペレット状の芳香族ポリカーボネート樹脂を用いて、ポリエステルポリオールとポリイソシアネートとの2液を混合して、60〜200℃の範囲で数秒〜10分程度加熱することによって、芳香族ポリカーボネートの樹脂のペレット表面にポリウレタン樹脂の塗膜を形成させることができる。その後、例えば、2軸押し出し機によって混錬することにより、芳香族ポリカーボネート樹脂と、架橋構造を有するポリウレタンとを含む、本技術に係る第1の実施形態の樹脂組成物を製造することができる。
また、芳香族ポリカーボネート樹脂からなるカラープレート上に、ポリエステルポリオールとポリイソシアネートとの2液を塗布後、加熱によって作成したポリウレタン樹脂コートをした樹脂組成物を粉砕し、リペレットすることによっても、本技術に係る第1の実施形態の樹脂組成物を製造することができる。
なお、本技術に係る第1の実施形態の樹脂組成物の製造方法の詳細については後述する。
一方、ポリウレタン樹脂をカーボネート樹脂(例えば、芳香族カーボネート樹脂)にコートしたコート品は、特に制限はなく、従来公知の方法によればよい。例えば、カーボネート樹脂(例えば、芳香族カーボネート樹脂)の基材にポリウレタン樹脂を塗布した後、得られた2層の膜を同時に焼き付ける方法でよい。塗布するに際の方法は、使用するポリウレタン樹脂の形態やカーボネート樹脂(例えば、芳香族カーボネート樹脂)の基材の表面形状等を考慮して、従来公知の方法から適宜選択すればよく、特に制限はなく、例えば、エアースプレーやエアレススプレー、シャワー、カーテコーター、ベル、そのほか、通常の静電塗装などで塗布することができる。塗布したのち、得られたコート品に自然乾燥もしくは強制乾燥(例えば、温風乾燥、近赤外線乾燥、電磁波乾燥等)を施しておいてもよい。焼き付けを行う際の方法としては、特に制限はないが、焼き付けによりカーボネート樹脂(例えば、芳香族カーボネート樹脂)の基材の劣化が生じる恐れがある場合を考慮すると、焼付温度は、70〜110℃とすることが好ましく、80〜100℃とすることがより好ましく、そのときの焼付時間は、通常、焼付温度に依存し、エネルギー効率を考慮して適宜設定すればよいが、10〜60分間とすることが好ましく、15〜40分間とすることがより好ましい。
架橋構造を有するポリウレタン樹脂の粉体の平均粒径は任意の平均粒径でよいが、0.5mm〜1.5mmであることが好ましい。架橋構造を有するポリウレタン樹脂の平均粒径が0.5mm〜1.5mmであると、芳香族ポリカーボネート樹脂中で、ポリウレタン樹脂の分散性及び混合性がより良好となる。ポリウレタン樹脂の分散性及び混合性がより良好になると、樹脂組成物の機械的物性はより良好に維持されながら、表面物性(耐薬品性等)及び流動性は更に向上することとなる。
架橋構造を有するポリウレタン樹脂は、ポリウレタン樹脂の全粉体に対して、ポリウレタン樹脂の粉体の粒径が0.5mm〜1.5mmである割合は任意の割合でよいが、70%以上であることが好ましい。70%以上であると、芳香族ポリカーボネート樹脂中で、ポリウレタン樹脂の分散性及び混合性がより良好となる。ポリウレタン樹脂の分散性及び混合性がより良好になると、樹脂組成物の機械的物性はより良好に維持されながら、表面物性(耐薬品性等)及び流動性は更に向上することとなる。
ポリウレタン樹脂の粉体の粒度分布は以下のように測定することができる。粒度分布の測定は、ロータップ測定を用いた。ロータップ式とは、ふるいの目によって選別する方法であり、それぞれのふるい上に残った試料の質量を計測し、グラフに累積分布を記載して平均粒度分布を求める測定方法である。
架橋構造を有するポリウレタン樹脂の粉体の粒径は、粉砕条件を調節することによって粉体の粒径を変更することができる。ポリウレタン樹脂の全粉体に対して、粒径が0.5mm〜1.5mmである割合が70%以上であるポリウレタン樹脂は、凍結粉砕方法によってポリウレタン樹脂を粉砕して製造することができる。
ポリエステルポリオールとポリイソシアネートとの配合割合は、ポリエステルポリオール中の水酸基当量数とポリイソシアネート中のイソシアネート当量数の比(ポリエステルポリオール成分の水酸基当量数:ポリイソシアネートのイソシアネート当量数)が100:50〜100:200の範囲になるように設定するのが好ましく、100:80〜100:180の範囲になるように設定するのがより好ましい。ポリエステルポリオール中の水酸基当量数を100としたときに、ポリイソシアネート中のイソシアネートの当量数が50未満であると、ポリエステルポリオールとポリイソシアネートとの架橋反応がやや不充分となって、塗膜の速硬化性がやや低下したり、耐摩耗性、硬度、耐候性、耐水性、耐溶剤性、耐薬品性等の塗膜物性がやや低下したりするおそれがある。一方、ポリエステルポリオール中の水酸基当量数を100としたときに、ポリイソシアネート中のイソシアネートの当量数が200を超えると、余剰のポリイソシアネートが存在することにより物性がやや低下するおそれがある。
硬化性ポリウレタン系樹脂組成物は、ポリエステルポリオール及び/又はポリイソシアネートを溶解もしくは分散させるための溶剤を適宜含有していてもよい。溶剤は、ポリエステルポリオールとポリイソシアネートとのいずれか一方に含有させてもよいし、両方に含有させてもよい。また、溶剤を、ポリエステルポリオールとポリイソシアネートとを混合した後に、適当な粘度になるように希釈する目的で用いることもできる。溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、ソルベントナフサ、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサンなどの炭化水素系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸エチレングリコールモノメチルエーテルなどのエステル系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトンなどのケトン系溶剤;等が挙げられる。溶剤は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。また、ポリオール成分に用いる溶剤とポリイソシアネート成分に用いる溶剤は、同じであってもよいし、異なっていてもよい。
硬化性ポリウレタン系樹脂組成物には、必要に応じて、天然色素、有機合成色素、顔料、無機顔料または光輝材(塗膜にキラキラとした光輝感または光干渉性を付与するりん片状顔料)等の着色成分を含有させることができる。これら着色成分は、ポリエステルポリオールとポリイソシアネートとのどちらに含有させてもよいが、ポリエステルポリオールに含有させるのが好ましい。着色成分は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。なお、架橋構造を有するポリウレタン樹脂は、着色成分を含有しないクリヤー塗料であってもよいことは言うまでもない。
天然色素としては、例えば、カロチン、カロチナール、カプサンチン、リコピン、ビキシン、クロシン、カンタキサンチン、アナトーなどのカロチノイド系色素;シソニン、ラファニン、エノシアニンのようなアントシアニジン類、サフロールイエロー、ベニバナのようなカルコン類、ルチン、クエルセチンのようなフラボノール類、カカオ色素のようなフラボン類などのフラボノイド系色素;、リボフラビンなどのフラビン系色素;ラッカイン酸、カルミン酸(コチニール)、ケルメス酸、アリザリンのようなアントラキノン類、シコニン、アルカニン、エキノクロームのようなナフトキノン類などのキノン系色素;クロロフィル、血色素などのポリフィリン系色素;クルクミン(ターメリック)などのジケトン系色素;ベタニンなどのベタシアニジン系色素;等が挙げられる。
有機合成色素または顔料としては、厚生省令第30号で定められているものが挙げられる。例えば、赤色202号(リソールルビンBCA)、赤色203号(レーキレッドC)、赤色204号(レーキレッドCBA)、赤色205号(リソールレッド)、赤色206号(リソールレッドCA)、赤色207号(リソールレッドBA)、赤色208号(リソールレッドSR)、赤色219号(ブリリアントレーキレッドR)、赤色220号(ディープマルーン)、赤色221号(トルイジンレッド)、赤色228号(パーマトンレッド)、だいだい色203号(パーマネントオレンジ)、だいだい色204号(ベンチジンオレンジG)、黄色205(ベンチジンエローG)、赤色404号(ブリリアントファストスカーレット)、赤色405号(パーマネントレッドF5R)、だいだい色401号(ハンザオレンジ)、黄色401号(ハンザエロー)、青色404号(フタロシアニンブルー)等が挙げられる。
無機顔料としては、例えば、無水ケイ酸、ケイ酸マグネシウム、タルク、カオリン、ベントナイト、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化チタン、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸マグネシウム、重質炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、黄酸化鉄、ベンガラ、黒酸化鉄、グンジョウ、酸化クロム、水酸化クロム、カーボンブラック、カラミン等が挙げられる。光輝材としては、例えば、りん片状のアルミニウム、蒸着アルミニウム、酸化アルミニウム、塩化オキシビスマス、雲母、酸化チタン被覆雲母、酸化鉄被覆雲母、雲母状酸化鉄、酸化チタン被覆シリカ、酸化チタン被覆アルミナ、酸化鉄被覆シリカ、酸化鉄被覆アルミナ、ガラスフレーク、着色ガラスフレーク、蒸着ガラスフレーク、ホログラムフィルム等が挙げられる。これら光輝材の大きさは、特に制限されないが、長手方向が1〜30μm、厚さが0.001〜1μmであるのが好ましい。
硬化性ポリウレタン系樹脂組成物には、必要に応じて、その他の天然物由来樹脂が含有されていてもよい。その場合、その他の天然物由来樹脂は、ポリエステルポリオールとポリイソシアネートとのどちらに含有させてもよいが、ポリエステルポリオールに含有させるのが好ましい。その他の天然物由来樹脂は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
その他の天然物由来樹脂としては、特に制限されないが、例えば、植物性繊維、セルロース樹脂、ポリ乳酸に代表されるポリヒドロキシカルボン酸、ポリカプロラクタム、変性ポリビニルアルコールなどのほか、ポリカプロラクトンに代表される生分解性脂肪族ポリエステル等が挙げられる。その他の天然物由来樹脂としては、特に、上述した溶剤に可溶であるものが好ましく、なかでもセルロース由来の樹脂が好適である。例えば、セロース、ニトロセルロース、およびセルロースアセテートブチレートから選ばれる1種以上を少量含有させることにより、得られる硬化塗膜の表面硬度等の物性をより向上させることができる。その他の天然物由来樹脂として用いることのできる好ましい市販品としては、ニトロセルロースでは、仏国ベルジュラックNC社製の工業用硝化綿「BNC−HIG−2」、韓国CNC社製の工業用硝化綿「RS1−4」、(株)協鮮洋行製の「スワンセルHM1−4」、旭化成ケミカルズ(株)製の「セルノバBTH1−4」)等が挙げられ、セルロースアセテートブチレートでは、米国イーストマンケミカルプロダクツ社製の「CAB381−0.1」、「CAB381−0.5」、「CAB381−2」、「CAB531−1」、「CAB551−0.01」、「CAB551−0.2」等が挙げられる。
硬化性ポリウレタン系樹脂組成物には、必要に応じて、従来公知の表面調整剤(ワックス、ハジキ防止剤、消泡剤など)、可塑剤、紫外線安定剤、酸化防止剤、流動性調整剤、垂れ止め剤、つや消し剤、艶出し剤、防腐剤等の各種添加物を適宜含有させることができる。これら添加物は、ポリエステルポリオールとポリイソシアネートとのどちらに含有させてもよいが、ポリエステルポリオールに含有させるのが好ましい。
架橋構造を有するポリウレタン樹脂は、少なくともポリエステルポリオールとポリイソシアネートとを含む硬化性ポリウレタン系樹脂組成物を硬化させた硬化物であり、ポリエステルポリオールをポリイソシアネートで硬化させてなる樹脂ある。架橋構造を有するポリウレタン樹脂は、例えば、上記でも述べたように、ポリエステルポリオールとポリイソシアネートとを混合して得られる。そして、得られた架橋構造を有するポリウレタン樹脂をポリカーボネート樹脂に添加(ドライブレンド)し、その後、混練することにより、本技術に係る第1の実施形態の樹脂組成物を得ることができる。
[2−4.ポリエステルポリオール]
架橋構造を有するポリウレタン樹脂の原料となるポリエステルポリオールについて説明する。
ポリエステルポリオールの水酸基価は任意の値を有してよいが、30〜300であることが好ましい。ポリエステルポリオールの水酸基価が30未満であると、得られるポリウレタン樹脂は、架橋密度がやや低くなる場合があり、結果として、芳香族ポリカーボネート樹脂に添加、混錬した樹脂組成物の耐薬品性、耐摩耗性、耐候性、耐水性、耐溶剤性がやや不充分になる場合がある。一方、ポリエステルポリオールの水酸基価が300を超えると、逆に、架橋がやや進行しすぎることから、芳香族ポリカーボネート樹脂との相溶性がやや悪くなり、機械的物性、耐薬品性がやや低下する場合がある。水酸基価は、JIS K−1557−1に記載の方法により測定を実施して得ることができる。
ポリエステルポリオールの重量平均分子量は任意の値を有してよいが、10,000〜500,000であることが好ましい。ポリエステルポリオールの重量平均分子量が10,000未満であると、架橋構造を有するポリウレタン構造を形成し、ポリカーボネート樹脂に添加、混錬された樹脂組成物の耐薬品性がやや不充分になるおそれがある。一方、ポリエステルポリオールの重量平均分子量が500,000を超えると、粘度が高くなり、ポリカーボネート樹脂に添加、混錬された時に分散性がやや悪くなり物性低下につながる傾向がある。
ポリエステルポリオールは、例えば、低分子量ポリオールとポリカルボン酸とを反応させる方法や、ε−カプロラクトン等の環状エステル化合物を開環重合反応する方法等で製造することができる。
低分子量ポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコ−ル、1,3−プロパンジオ−ル、1,4−ブタンジオ−ル、1,5−ペンタンジオ−ル、1,6−ヘキサンジオ−ル、ネオペンチルグリコ−ル、1,8−オクタンジオ−ル、ジエチレングリコ−ル、トリエチレングリコ−ル、テトラエチレングリコ−ル、ポリエチレングリコ−ル(分子量300〜6000)、ジプロピレングリコ−ル、トリプロピレングリコ−ル、ビスヒドロキシエトキシベンゼン、1,4−シクロヘキサンジオ−ル、1,4−シクロヘキサンジメタノ−ル、ビスフェノ−ルA、水素添加ビスフェノ−ルA、ハイドロキノンおよびそれらのアルキレンオキシド付加体等を使用することができる。
また、ポリカルボン酸としては、例えばコハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、マレイン酸、フマル酸、1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、2,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ナフタル酸、ビフェニルジカルボン酸、1,2−ビス(フェノキシ)エタン−p,p’−ジカルボン酸、及びこれらの無水物またはエステル形成性誘導体などを使用することができる。
また、ポリエステルポリオールは、植物油由来原料を用いて得られるポリエステルポリオールでもよい。
植物油由来原料は、植物油またはその脂肪酸、植物油を原料として製造されるカルボン酸、および、植物油由来の水酸基を有する原料からなる群より選ばれる1種以上であることが好ましい。植物油または植物油脂肪酸としては、例えば、支那桐油(脂肪酸)、亜麻仁油(脂肪酸)、脱水ひまし油(脂肪酸)、トール油脂肪酸、綿実油(脂肪酸)、大豆油(脂肪酸)、オリーブ油(脂肪酸)、サフラワー油(脂肪酸)、ひまし油(脂肪酸)米糠油(脂肪酸)、水添やし油(脂肪酸)、やし油(脂肪酸)、パーム油(脂肪酸)等が挙げられる。
植物油を原料として製造されるカルボン酸としては、例えば、ひまし油から製造される12−ヒドロキシステアリン酸、ヘプチル酸、ウンデシレン酸、セバシン酸;松ヤニより精製されるロジン、その水素化物である水添ロジン、およびその重合体である重合ロジントール油脂肪酸等の乾性植物油脂肪酸から製造されるダイマー酸、およびその水素化物である水添ダイマー酸;ダイマー酸製造時に副生されるイソステアリン酸;等が挙げられる。植物油由来の水酸基を有する原料としては、例えば、ひまし油から製造されるヘプタナール、オクタノール、1,10−デカンジオール;各植物油から精製されるグリセリン;等が挙げられる。
ポリエステルポリオールは、上述した植物油由来原料を用いて得られるものであってもよく、その製造方法は特に制限されないが、例えば、前記植物油由来原料と、必要に応じて、エステル化反応に、一般に使用される酸成分および/またはアルコール成分とを、エステル化反応させることにより、得ることができる。
ポリエステルポリオールを得る際に用いることのできる酸成分としては、例えば、安息香酸、p−tert−ブチル安息香酸、イソフタル酸、無水フタル酸、テレフタル酸、オルソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、アゼライン酸、セバシン酸、イソセバシン酸、シュウ酸、トリメリット酸、(無水)コハク酸、(無水)マレイン酸、フマル酸、(無水)イタコン酸、ドデカンオン酸、テトラヒドロ(無水)フタル酸、ヘキサヒイドロ(無水)フタル酸、ヘキサハイドロイソフタル酸、ヘキサハイドロテレフタル酸、テトラクロロ(無水)フタル酸、ヘキサクロロ(無水)フタル酸、テトラブロモ(無水)フタル酸、グルタール酸、アジピン酸、ピメリン酸、ユベリン酸、水添フタル酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等が挙げられる。なお、酸成分は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
ポリエステルポリオールを得る際に用いることのできるアルコール成分としては、例えば、エチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、テトラメチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、2,3,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、3−メチルペンテン−1,5−ジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールAまたは水素化ビスフェノールAのエチレンオキシドもしくはプロピレノキシド、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリブチレングリコール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2−n−ブチル−エチル−1,3−プロパンジオール、トリシクロデカンジメタノール、シクロヘキサンジカルボン酸、シクロヘキサンジメタノール、シクロヘキサンジオールなどの2価アルコール成分;合成グリセリン(植物油由来ではない)、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタンなどの3価アルコール成分;ペンタエリスリトールなどの4価アルコール;等が挙げられる。なお、アルコール成分は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
ポリエステルポリオールを得るにあたり、植物油由来原料の使用量は、得られるポリエステルポリオール中に占める植物油由来原料の含有割合は随意でよいが、30〜100質量%となるように設定することが好ましい。ポリエステルポリオール中に占める植物油由来原料の含有割合が30質量%未満であると、カーボンニュートラルな材料を利用することにより得られる地球温暖化防止効果がやや小さくなる傾向がある。なお、ポリエステルポリオールを得る際のエステル化反応は、従来公知のエステル化方法や条件等を適宜採用して行えばよい。
[2−5.ポリイソシアネート]
架橋構造を有するポリウレタン樹脂の原料となるポリイソシアネートについて説明する。
ポリイソシアネートは、少なくとも1つのイソシアネート基を有し、2つ以上のイソシアネート基を有することが好ましい。
ポリイソシアネートとしては、例えば、芳香族系ポリイソシアネート、脂肪族系ポリイソシアネート、環式脂肪族系ポリイソシアネート、脂環式ポリイソシアネート、またはこれらポリイソシアネートとポリオールとの反応生成物等が挙げられる。これらの中でも、トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ポリフェニルメタンポリイソシアネート(クルードMDI)、変性ジフェニルメタンジイソシアネート(変性MDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)などの芳香族系ポリイソシアネートあるいはこれらポリイソシアネートの三量体化合物や、これらポリイソシアネートとポリオールとの反応生成物等が好ましい。本技術に係る第1の実施形態の樹脂組成物において、ポリイソシアネートとして、1種のみのポリイソシアネートを用いてもよいし、2種以上のポリイソシアネートを用いてもよい。
[2−6.有機スルホン酸及び有機スルホン酸金属塩化合物]
本技術に係る第1の実施形態の樹脂組成物は、有機スルホン酸及び/又は有機スルホン酸金属塩化合物を、芳香族ポリカーボネート樹脂100質量部に対して0.01〜3.0質量部で更に含んでもよい。以下に、有機スルホン酸及び有機スルホン酸金属塩化合物について、詳細に説明する。
有機スルホン酸は、特に限定されないが、芳香族有機スルホン酸であることが好ましい。有機スルホン酸金属塩化合物は、特に限定されないが、芳香族スルホン酸金属塩化合物であることが好ましい。芳香族スルホン酸金属塩化合物は、スルホン酸金属塩基を含有し、スルホン酸金属塩基の含有量は、適宜調整されて任意の量でよいが、0.1〜10モル%であることが好ましい。有機スルホン酸及び有機スルホン酸金属塩化合物において、低分子量の化合物としては、例えばパーフルオロアルカンスルホン酸、アルキルベンゼンスルホン酸、ハロゲン化アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルスルホン酸、ナフタレンスルホン酸等、又はそれらのアルカリ金属塩若しくはアルカリ土類金属塩、また、高分子量の化合物としては、例えば、特許4196862及び特許4196861に記載されている、芳香族環を有するポリマーにスルホン酸および/又はその金属塩が所定量含まれているものが挙げられる。芳香族環を有するポリマーとしては、例えば、ポリスチレン(PS)スルホン酸若しくはポリスチレン(PS)スルホン酸金属塩、ハイインパクトポリスチレン(HIPS)スルホン酸若しくはハイインパクトポリスチレン(HIPS)スルホン酸金属塩、又はスルホン酸基及び/若しくはスルホン酸塩基含有のスチレン・アクリロニトリル共重合樹脂(AS)が挙げられる。
有機スルホン酸又は有機スルホン酸金属塩化合物として、以上に記載した通り低分子量のものから高分子量のものまで各種あるものの、一般的には高分子量の方が芳香族ポリカーボネート樹脂に混練した場合の分散性が良好であることや、高温高湿条件下での保存安定性が優れることから好ましい。
更に好ましくは、粒子表層部にスルホン酸基が結合しているコア・シェル型のスチレン系ポリマーおよびそのアルカリ金属塩やアルカリ土類金属塩などであり、具体的には例えばポリスチレンスルホン酸やそのカリウム塩がある。これらの中から選ばれる一つまたは複数を適切な比率で混合して用いてもよいが、ポリスチレンスルホン酸やそのカリウム塩を用いると、極少量の添加量で高い難燃効果を得られるため、好ましい。また、それらの重量平均分子量(ポリスチレン換算)が30000以上であることが好ましく、40000以上300000以下であると耐溶剤性と相溶性のバランスが更に保たれるため、より好ましい。
有機スルホン酸又は有機スルホン酸金属塩化合物の含有量としては、上述のとおり、芳香族ポリカーボネート樹脂100質量部に対して0.01〜3.0質量部であるが、0.05〜1.5質量部である場合に難燃効果が更に強まり、0.05〜1質量部であるとより更に強い難燃効果を得られるため、より好ましい。0.05質量部未満の場合、難燃効果が得られにくい場合があり、また、1.5質量部超の場合、芳香族ポリカーボネート樹脂との相溶性が低下する場合があり、負の難燃効果、すなわち不含有の場合よりも難燃レベルが低下する場合がある。
[2−7.ドリップ防止剤]
本技術に係る第1の実施形態の樹脂組成物はドリップ防止剤を更に含んでもよい。ドリップ防止剤の含有量は、芳香族ポリカーボネート樹脂100質量部に対して、0.8質量部以下でよい。本技術に係る第1の実施形態の樹脂組成物が難燃性樹脂組成物として用いられる場合、有機スルホン酸及び有機スルホン酸金属塩化合物(難燃剤)の他に、ドリップ防止剤を含ませて、燃焼時のドリップ現象を抑制することできる。ドリップ防止剤は、例えば、フルオロオレフィン樹脂等が挙げられる。
ドリップ現象を抑制することできるフルオロオレフィン樹脂としては、例えばジフルオロエチレン重合体、テトラフルオロエチレン重合体、テトラフルオロエチレン-ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン-エチレン系モノマーとの共重合体等が挙げられ、これらのうちの何れか一種若しくは複数種を混合して用いることが可能である。
これらのフルオロオレフィン樹脂の中でも、特にテトラフルオロエチレン重合体等を用いることが好ましく、その平均分子量は50000以上であり、好ましくは100000〜20000000の範囲である。なお、フルオロオレフィン樹脂としては、フィブリル形成能を有するものがより好ましい。
フルオロオレフィン樹脂等のドリップ防止剤の含有量は、芳香族ポリカーボネート樹脂100質量部に対して、上述したとおり、0.8質量部以下でよく、0.001〜0.8質量部の範囲が好ましく、0.01〜0.5質量部の範囲がより好ましく、0.05〜0.3質量部の範囲が更に好ましい。
フルオロオレフィン樹脂等のドリップ防止剤の含有量が、芳香族ポリカーボネート樹脂100質量部に対して0.001質量部より少なくなると、ドリップ現象を抑制させることが困難になる場合がある。一方、フルオロオレフィン樹脂等のドリップ防止剤の含有量が0.8質量部より多くなると、成形物はやや白化し、透明性がやや損なわれる場合がある。
[2−8.その他成分]
本技術に係る第1の実施形態の樹脂組成物は、上述した他に、その他成分(他の添加剤)として、例えば、酸化防止剤(ヒンダードフェノール系、リン系、硫黄系)、帯電防止剤、紫外線吸収剤(ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、ヒドロキシフェニルトリアジン系、環状イミノエステル系、シアノアクリレート系)、光安定化剤、可塑剤、相溶化剤、着色剤(顔料、染料)、光安定剤、結晶核剤、抗菌剤、流動改質剤、赤外線吸収剤、蛍光体、加水分解防止剤、離型剤、シリコーン系の難燃剤あるいは表面処理剤などを含有していてもよい。これにより、射出成形性、耐衝撃性、外観、耐熱性、耐候性、色あるいは剛性などが改善される。特にシリコーン系の難燃剤として下記のシリコーン化合物を挙げることができる。
シリコーン化合物は、本技術に係る第1の実施形態の樹脂組成物に難燃性を付与するために用いられる。樹脂組成物中におけるシリコーン系の難燃剤の添加量は、樹脂組成物に対する質量比で0.001〜0.02(0.1〜2質量%)であることが好ましい。シリコーン系の難燃剤の添加量が、樹脂組成物に対する質量比で0.001(0.1質量%)より少なくなると、樹脂組成物に難燃性を付与する効果が十分ではない場合がある。一方、添加量が0.02(2質量%)より多くなると、効率の低下によって経済性が悪くなる場合があり、難燃性を付与する効果も飽和して効率が低下する場合がある。
<3.第2の実施形態(樹脂組成物の製造方法の例)>
[3−1.樹脂組成物の製造方法]
以下、本技術に係る第2の実施形態(樹脂組成物の例)の樹脂組成物の製造方法について詳細に説明をする。
本技術に係る第2の実施形態(樹脂組成物の例)の樹脂組成物の製造方法は、芳香族ポリカーボネート樹脂100質量部に、架橋構造を有するポリウレタン樹脂0.01〜5.0重量部を添加することと、芳香族ポリカーボネート樹脂と架橋構造を有するポリウレタン樹脂とを混錬することとを含む、樹脂組成物の製造方法である。架橋構造を有するポリウレタン樹脂は、硬化樹脂であることが好ましく、光硬化樹脂でもよいし、熱硬化樹脂でもよい。なお、本技術に係る第2の実施形態の樹脂組成物の製造方法で用いられる芳香族ポリカーボネート樹脂及び架橋構造を有するポリウレタン樹脂については、下記に述べること以外は、本技術に係る第1の実施形態の樹脂組成物に含まれる芳香族ポリカーボネート樹脂及び架橋構造を有するポリウレタン樹脂の内容が、本技術に係る第2の実施形態の樹脂組成物の製造方法で用いられる芳香族ポリカーボネート樹脂及び架橋構造を有するポリウレタン樹脂にそのまま適用され得る。
本技術に係る第2の実施形態の樹脂組成物の製造方法によって製造される樹脂組成物によれば、耐衝撃性等の機械的物性の性能を維持させながら、流動性や、耐溶剤性、耐薬品性、耐擦傷性等の表面物性を向上させることができる。なお、流動性の向上は、樹脂組成物の加工適性を良化させる。
芳香族ポリカーボネート樹脂100質量部に、架橋構造を有するポリウレタン樹脂を添加する量は、芳香族ポリカーボネート樹脂100質量部に対して0.01〜5.0質量部であるが、機械的物性の更なる向上の観点から、0.05〜3.0質量部であることが好ましい。
本技術に係る第2の実施形態の樹脂組成物の製造方法は、例えば、以下のとおりである。
100質量部の芳香族ポリカーボネート樹脂の成分に、0.01〜5.0質量部の架橋構造を有するポリウレタン樹脂の成分、並びに樹脂組成物の用途等の必要性に応じて、<2.第1の実施形態(樹脂組成物の例)>で述べた、有機スルホン酸及び/又は有機スルホン酸金属塩化合物、ドリップ防止剤、その他成分及び/又はシリコーン化合物の各成分を所定量で添加して、混合する。混合後、例えば、ヘンシェルミキサーやタンブラーにて略均一に分散させる。その後、単軸あるいは二軸押し出し機によって溶融混練して、得られるストランドをペレタイザーでカットしてペレットを作製して樹脂組成物が得られる。なお、本技術に係る第2の実施形態の樹脂組成物の製造方法によって製造される樹脂組成物は、ペレット状に加工したものに限られず、各成分を混合した状態(粉末状態や流体状態)やペレットとは異なる形態(シート状等)に加工したものも含む。
100質量部の芳香族ポリカーボネート樹脂の成分に、0.01〜5.0質量部の架橋構造を有するポリウレタン樹脂の成分等を添加する方法は、例えば、100質量部の芳香族ポリカーボネートの樹脂のペレット表面に、塗膜が形成されるように、0.01〜5.0質量部のポリウレタン樹脂の成分等を添加する方法、100質量部の芳香族ポリカーボネート樹脂からなるカラープレート上に、0.01〜5.0質量部のポリウレタン樹脂の成分等をコートするように添加する方法が挙げられる。芳香族ポリカーボネート樹脂からなるカラープレート上に、ポリウレタン樹脂の成分等をコートするように添加する方法の場合は、コート後に、得られた樹脂組成物を粉砕し、リペレットすることが必要な場合がある。
本技術に係る第2の実施形態の樹脂組成物の製造方法は、ポリエステルポリオールとポリイソシアネートとを反応させて架橋構造を有するポリウレタン樹脂を製造することを含むことが好ましい。ポリエステルポリオールとポリイソシアネートとを反応させて架橋構造を有するポリウレタン樹脂を製造する方法は、例えば、ポリエステルポリオールとポリイソシアネートとの2液を混合することと、その後、熱硬化反応すること又は光硬化することを含む、製造方法である。
<4.第3の実施形態(樹脂成形体の例)>
[4−1.樹脂成形体]
本技術に係る第3の実施形態の樹脂成形体は、本技術に係る第1の実施形態の樹脂組成物を成形加工して得られる樹脂成形体である。また、本技術に係る第3の実施形態の樹脂成形体は、本技術に係る第1の実施形態の樹脂組成物を含んでなる樹脂成形体でもよい。本技術に係る第1の実施形態の樹脂組成物は、機械的物性を低下させることなく、流動性の向上により加工適性が良化し、さらに、耐薬品性等の表面物性が向上するので、OA機器・複写機向けや、車載、医療系用途の好適な樹脂成形体を得ることができる。
[4−2.樹脂成形体の製造方法]
本技術に係る第3の実施形態の樹脂成形体は、例えば、以下のようにして製造することができる。本技術に係る第1の実施形態の樹脂組成物からなるペレット等、又は本技術に係る第2の実施形態の樹脂組成物の製造方法から製造された樹脂組成物からなるペレット等を、射出成形、射出圧縮成形、押出成形、ブロー成形、真空成形、プレス成形、発泡成形、あるいは超臨界成形などといった成形法により所定の形状(例えば、家電、自動車、情報機器、事務機器、電話機、文房具、家具、あるいは繊維などの各種製品の筐体や部品材)に成形して、樹脂成形体を得ることができる。
本技術は、上記各実施形態にのみ限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲内において変更することが可能である。
なお、本明細書に記載された効果はあくまでも例示であって限定されるものではなく、また他の効果があってもよい。
また、本技術は、以下のような構成も取ることができる。
[1]
芳香族ポリカーボネート樹脂100質量部と、架橋構造を有するポリウレタン樹脂0.01〜5.0質量部とを含み、
該ポリウレタン樹脂が硬化樹脂である、樹脂組成物。
[2]
前記架橋構造を有するポリウレタン樹脂の粉体の平均粒径が0.5mm〜1.5mmである、[1]に記載の樹脂組成物。
[3]
前記架橋構造を有するポリウレタン樹脂の全粉体に対して、前記架橋構造を有するポリウレタン樹脂の粉体の粒径が0.5mm〜1.5mmである割合が70%以上である、[1]又は[2]に記載の樹脂組成物。
[4]
前記架橋構造を有するポリウレタン樹脂が、ポリエステルポリオールとポリイソシアネートとの反応から得られる、[1]から[3]のいずれか1つに記載の樹脂組成物。
[5]
前記ポリエステルポリオールと前記ポリイソシアネートとの質量比が、100:50〜100:200である、[4]に記載の樹脂組成物。
[6]
前記ポリエステルポリオールの水酸基価が30〜300である、[4]又は[5]に記載の樹脂組成物。
[7]
前記ポリエステルポリオールのポリスチレン換算の重量平均分子量が、10,000以上500,000以下である、[4]から[6]のいずれか1つに記載の樹脂組成物。
[8]
前記ポリイソシアネートが2つ以上のイソシアネート基を有する、[4]から[7]のいずれか1つに記載の樹脂組成物。
[9]
前記芳香族ポリカーボネート樹脂100質量部に対して、有機スルホン酸及び/又は有機スルホン酸金属塩化合物0.01〜3.0質量部を更に含む、[1]から[8]のいずれか1つに記載の樹脂組成物。
[10]
前記有機スルホン酸金属塩化合物のポリスチレン換算の重量平均分子量が、30,000以上である、[9]に記載の樹脂組成物。
[11]
前記有機スルホン酸金属塩化合物がスルホン酸金属塩基を含有し、該スルホン酸金属塩基の含有量が0.1〜10モル%である、[9]又は[10]に記載の樹脂組成物。
[12]
前記芳香族ポリカーボネート樹脂が、再生ポリカーボネート樹脂を含み、該再生ポリカーボネート樹脂の含有量が、前記芳香族ポリカーボネート樹脂の全質量に対して1〜100質量%未満である、[1]から[11]のいずれか1つに記載の樹脂組成物。
[13]
前記芳香族ポリカーボネート樹脂100質量部に、前記架橋構造を有するポリウレタン樹脂0.01〜5.0重量部を添加して、前記芳香族ポリカーボネート樹脂と前記架橋構造を有するポリウレタン樹脂とを混錬して得られる、[1]から[12]のいずれか1つに記載の樹脂組成物。
[14]
芳香族ポリカーボネート樹脂100質量部に、架橋構造を有するポリウレタン樹脂0.01〜5.0重量部を添加することと、
該芳香族ポリカーボネート樹脂と該架橋構造を有するポリウレタン樹脂とを混錬することとを含む、樹脂組成物の製造方法。
[15]
ポリエステルポリオールとポリイソシアネートとを反応させて前記架橋構造を有するポリウレタン樹脂を製造することを含む、[14]に記載の樹脂組成物の製造方法。
以下に、実施例を挙げて、本技術の効果について具体的に説明をする。なお、本技術の範囲は実施例に限定されるものではない。
実施例1−1〜1−10及び実施例2−1〜2−10に係る樹脂組成物、並びに比較例1−1〜1−5及び比較例2−1〜2−4に係る樹脂組成物を準備し、各々の樹脂組成物について評価を実施した。なお、比較例1−5はコート品であり、以下のように製造をした。
比較例1−5(コート品)は、コーティング材をロールコーター法、スプレー法、又はディッピング法の方法で、基材表面に塗装した。塗装後は、必要に応じて、60〜120℃の範囲で数秒〜10分程度加熱乾燥することによって、基材表面に所望の塗膜を形成した。コーティング材は、ポリエステルポリオール(プラクセルPCL305(ダイセル化学工業(株)製))成分とポリイソシアネート系硬化剤(デュラネートTPA−100(旭化成工業(株)製))のイソシアネート当量数=100:100となるように組み合わせて、二液硬化型塗料組成物とした。
実施例1−1〜1−10の樹脂組成物の各成分の組成(質量部)と、流動性(g/10min)、引張強度(%)、耐薬品性及び折り曲げ強度の評価結果とを下記の表1に示す。また、比較例1−1〜1−5の樹脂組成物の各成分の組成(質量部)と、流動性(g/10min)、引張強度(%)、耐薬品性及び折り曲げ強度の評価結果とを下記の表2に示す。
実施例2−1〜2−10の樹脂組成物の各成分の組成(質量部)と、流動性(g/10min)、引張強度(%)、耐薬品性、難燃性(UL94、1.6mm)及び折り曲げ強度の評価結果とを下記の表3に示す。また、比較例2−1〜2−4の樹脂組成物の各成分の組成(質量部)と、流動性(g/10min)、引張強度(%)、耐薬品性、難燃性(UL94、1.6mm)及び折り曲げ強度の評価結果とを下記の表4に示す。
[実施例1−1〜1−10及び実施例2−1〜2−10に係る樹脂組成物、並びに比較例1−1〜1−5及び2−1〜2−4に係る樹脂組成物の構成]
実施例1−1〜1−10及び実施例2−1〜2−10に係る樹脂組成物、並びに比較例1−1〜1−5及び2−1〜2−4に係る樹脂組成物に含有される各成分について説明する。なお、各成分(A成分、B成分、C成分、D成分、E成分及びF成分)は、上記の本技術に係る第1の実施形態の樹脂組成物において説明した、芳香族ポリカーボネート樹脂、架橋構造を有するポリウレタン樹脂、ポリエステルポリオール、ポリイソシアネート、有機スルホン酸及び/又は有機スルホン酸金属塩化合物、並びにドリップ防止剤のそれぞれと対応する。
(A成分:芳香族ポリカーボネート樹脂)
A成分である芳香族ポリカーボネート樹脂として、以下のA−1〜A−4の成分を用いた。
・A−1:市販の中分子量PC樹脂(L-1225L:帝人化成品、PS換算のMw45000)。
・A−2:市販の低分子量PC樹脂(L-1225LLL:帝人化成品、PS換算のMw33000)。
・A−3:使用済み建材用シートを粗粉砕し、二軸押し出し機にて溶融・混練の後ペレット化したPC樹脂(PS換算のMw:46000)。
・A−4:使用済みCDを粉砕処理(2〜20mm)したものをアルカリ性の熱水溶液で処理することにより塗装膜(記録材料層、レーベル、接着剤層、硬化層、金属反射層等)を除去した後、二軸押し出し機にて溶融・混練の後ペレット化したPC樹脂(PS換算のMw:32000)。
(B成分:架橋構造を有するポリウレタン樹脂)
B成分である架橋構造を有するポリウレタン樹脂として、以下の熱硬化樹脂であるB−1〜B−3の成分を用いた。なお、B−3の成分で用いられたC−1成分及びD−1成分は下記に示す。
・B−1:ネオラバサンN781(武蔵塗料(株)製)。
・B−2:ネオラバサンソフトNS781(武蔵塗料(株)製)。
・B−3:C−1及びD−1を、100質量部:100質量部(C−1:D−1)で混合後、80℃で10分間加熱して反応させてなる架橋構造を有するポリウレタン樹脂。
(C成分:ポリエステルポリオール)
C成分であるポリエステルポリオールとして、以下のC−1の成分を用いた。
・C−1:プラクセルPCL305(ダイセル化学工業(株)製)。
(D成分:ポリイソシアネート)
D成分であるポリイソシアネートとして、以下のD−1の成分を用いた。
・D−1:デュラネートTPA−100(旭化成工業(株)製)。
(E成分:有機スルホン酸及び有機スルホン酸金属塩化合物)
E成分である有機スルホン酸及び有機スルホン酸金属塩化合物として、以下のE−1〜E−2の成分を用いた。
・E−1:有機スルホン酸金属塩化合物、ポリスチレンの表層部にスルホン酸カリウム塩を導入したもの(ソニー(株)製:PSS-K)。
・E−2:有機スルホン酸、ポリスチレンの表層部にスルホン酸を導入したもの(ソニー(株)製:PSS-H)。
(F成分:ドリップ防止剤)
F成分であるドリップ防止剤として、以下のF−1の成分を用いた。
・F−1:フィブリル形成能を有するポリテトラフルオロエチレンとして市販のPTFE(ダイキン工業株式会社製:ポリフロンFA500H)。
[実施例1−1〜1−10及び実施例2−1〜2−10に係る樹脂組成物、並びに比較例1−1〜1−5及び2−1〜2−4に係る樹脂組成物の成形]
以上に示した各種成分(A−1〜A−4の成分、B−1〜B−3の成分、E−1〜E−2の成分、及びF−1の成分)を、表1(実施例1−1〜実施例1−10)、表2(比較例1−1〜比較例1−5)、表3(実施例2−1〜実施例2−10)及び表4(比較例2−1〜比較例2−4)に示される各々の配合比にて配合を行い、タンブラーにてブレンドした後、二軸同方向回転混連押出機(東洋精機製作所製:ラボプラストミル、二軸押し出しユニット使用)を用いて溶融混練しペレットを得た。押出条件は吐出量4kg/h、スクリュー回転数48rpmであり、また押出温度は第1供給口からダイス部分まで270℃とした。得られたペレットを120℃で8時間、熱風循環式乾燥機にて乾燥した後、射出成形機を用いて、シリンダー温度290℃および金型温度70℃で、下記に示される試験方法で用いられる試験片を成形した。
次に、以下の試験方法にしたがって、上記で作製した試験片を用いて、流動性(g/10min)、引張強度(%)、耐薬品性及び難燃性の評価を行った。
[流動性(g/10min)(MFR:メルトフローレート)の試験方法]
JIS K7210に従い、樹脂温度280℃、荷重2.16Kgの条件で、溶融時の樹脂組成物の流れ性の測定を行った。流動性(g/10min)の評価結果を下記の表1〜表4に示す。
[引張強度(%)の試験方法]
試験片について、JIS K7162法に従って引張試験を行い、引張強度を測定した。引張強度(%)の評価結果を下記の表1〜表4に示す。
[耐薬品性の試験方法]
試験片を用いて、3点曲げ試験法にて、1%歪みをかけた後、日焼け止めクリーム:サンプレイスーパーブロックd(ロート製薬(株)製)を含浸させた布をかけ、23℃で72時間放置した後に、外観変化の有無を確認した。耐薬品性の評価結果を下記の表1〜表4に示す。なお、評価は下記の基準で実施した。
(耐薬品性の評価基準)
○:外観変化が見られないもの。
△:微細なクラックの発生が見られるもの。
×:破断にいたるような大きなクラックが見られるもの。
[難燃性の試験方法]
UL規格94の垂直燃焼試験を、厚み1.6mmで行いその等級を評価し、V−1以上を良好として判定した。UL94V規格と判定基準を下記の表5に示す。難燃性の評価結果を下記の表3〜表4に示す。なお、UL94V規格と判定基準を下記の表5に示す。
[折り曲げ強度の試験方法]
折り曲げ試験は、作製した試験片(長さ110mm、横幅13mm、厚さ1.0mm)を折り曲げていき、破壊した角度を測定することで、耐衝撃性を定性評価する試験の一種である。本評価では、破壊した角度が90℃以上である場合、○とし、90℃以内である場合、×とした。
下記の表1に実施例1−1〜1−10の結果、及び表2に比較例1−1〜1−5の結果を示す。
表1及び表2から明らかなように、実施例1−1〜1−10に係る樹脂組成物は、薄肉成形品に対応可能であった。また、実施例1−1〜1−10に係る樹脂組成物は、比較例1−1〜1−5に係る樹脂組成物と比べて、成形性(流動性)、機械的物性(引張強度及び折り曲げ強度)及び表面物性(耐薬品性)に優れる樹脂組成物であった。
実施例と比較例とを芳香族ポリカーボネート樹脂の同分子量で比較すると、すなわち、実施例1−1〜1−3及び実施例1−7〜1−8並びに比較例1−1の比較、実施例1−4及び比較例1−2の比較、実施例1−5及び比較例1−3の比較、並びに実施例1−6及び比較例1−4の比較をすると、実施例は比較例に対して、機械的物性(引張強度及び折り曲げ強度)は略同等であったが、流動性、表面物性(耐薬品性)は優れていた。
実施例1−1〜1−10と比較例1−5とを比較した。比較例1−5は、耐薬品性の向上を目的とした、ポリウレタン樹脂をカーボネート樹脂にコートしたコート品である。実施例1−1〜1−10に係る樹脂組成物は、比較例1−5に係る樹脂組成物に対して、機械的物性(引張強度及び折り曲げ強度)を低下させることなく、表面物性(耐薬品性)を付与することができるため、優れていた。また、実施例1−1〜1−10に係る樹脂組成物は、比較例1−5に係る樹脂組成物に対して、成形(流動性)の自由度が向上する点も非常に優れていた。
下記の表3に実施例2−1〜2−10の結果、及び表4に比較例2−1〜2−4の結果を示す。
表3及び表4から明らかなように、実施例2−1〜2−10に係る樹脂組成物は、薄肉成形品に対応可能であった。また、有機スルホン酸又は有機スルホン酸金属塩化合物(難燃剤)を添加した実施例2−1〜2−10に係る樹脂組成物は、比較例2−1〜2−4に係る樹脂組成物と比べて、成形性(流動性)、機械的物性(引張強度及び折り曲げ強度)及び表面物性(耐薬品性)並びに難燃性に優れる樹脂組成物であった。
Figure 2018186002
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Claims (15)

  1. 芳香族ポリカーボネート樹脂100質量部と、架橋構造を有するポリウレタン樹脂0.01〜5.0質量部とを含み、
    該ポリウレタン樹脂が硬化樹脂である、樹脂組成物。
  2. 前記架橋構造を有するポリウレタン樹脂の粉体の平均粒径が0.5mm〜1.5mmである、請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 前記架橋構造を有するポリウレタン樹脂の全粉体に対して、前記架橋構造を有するポリウレタン樹脂の粉体の粒径が0.5mm〜1.5mmである割合が70%以上である、請求項1に記載の樹脂組成物。
  4. 前記架橋構造を有するポリウレタン樹脂が、ポリエステルポリオールとポリイソシアネートとの反応から得られる、請求項1に記載の樹脂組成物。
  5. 前記ポリエステルポリオールと前記ポリイソシアネートとの質量比が、100:50〜100:200である、請求項4に記載の樹脂組成物。
  6. 前記ポリエステルポリオールの水酸基価が30〜300である、請求項4に記載の樹脂組成物。
  7. 前記ポリエステルポリオールのポリスチレン換算の重量平均分子量が、10,000以上500,000以下である、請求項4に記載の樹脂組成物。
  8. 前記ポリイソシアネートが2つ以上のイソシアネート基を有する、請求項4に記載の樹脂組成物。
  9. 前記芳香族ポリカーボネート樹脂100質量部に対して、有機スルホン酸及び/又は有機スルホン酸金属塩化合物0.01〜3.0質量部を更に含む、請求項1に記載の樹脂組成物。
  10. 前記有機スルホン酸金属塩化合物のポリスチレン換算の重量平均分子量が、30,000以上である、請求項9に記載の樹脂組成物。
  11. 前記有機スルホン酸金属塩化合物がスルホン酸金属塩基を含有し、該スルホン酸金属塩基の含有量が0.1〜10モル%である、請求項9に記載の樹脂組成物。
  12. 前記芳香族ポリカーボネート樹脂が、再生ポリカーボネート樹脂を含み、該再生ポリカーボネート樹脂の含有量が、前記芳香族ポリカーボネート樹脂の全質量に対して1〜100質量%未満である、請求項1に記載の樹脂組成物。
  13. 前記芳香族ポリカーボネート樹脂100質量部に、前記架橋構造を有するポリウレタン樹脂0.01〜5.0重量部を添加して、前記芳香族ポリカーボネート樹脂と前記架橋構造を有するポリウレタン樹脂とを混錬して得られる、請求項1に記載の樹脂組成物。
  14. 芳香族ポリカーボネート樹脂100質量部に、架橋構造を有するポリウレタン樹脂0.01〜5.0重量部を添加することと、
    該芳香族ポリカーボネート樹脂と該架橋構造を有するポリウレタン樹脂とを混錬することとを含む、樹脂組成物の製造方法。
  15. ポリエステルポリオールとポリイソシアネートとを反応させて前記架橋構造を有するポリウレタン樹脂を製造することを含む、請求項14に記載の樹脂組成物の製造方法。
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