JPWO2018173616A1 - 芳香族ポリカーボネート樹脂成形品の製造方法 - Google Patents

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Abstract

成形による黄変が少なく、著しく優れた色相を有する芳香族ポリカーボネート樹脂成形品を製造する。粘度平均分子量10,000〜30,000の芳香族ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対し、少なくとも1種類の安定剤(B)を0.01〜0.5質量部含むポリカーボネート樹脂組成物のペレットを、ベントを有すると共に、第2ステージのスクリューが3条以上の多条フライト構造とされた射出成形機で成形して芳香族ポリカーボネート樹脂成形品を製造する。該ペレットを、該射出成形機のペレット供給部に飢餓状態で供給すると共に、該ベント及びペレット供給部の一方に不活性ガスを供給し、他方に不活性ガスを供給するか或いは減圧しながら射出成形する。

Description

本発明は、芳香族ポリカーボネート樹脂成形品の製造方法に関する。詳しくは、本発明は、射出成形時の黄変の問題を改善し、著しく色相に優れた芳香族ポリカーボネート樹脂成形品を製造する方法に関する。
自動車のヘッドランプ及びリアランプに常時点灯するデイライトを設置することにより、昼間の歩行者や対向車からの視認性を高める、自動車のデイライト化が進んでいる。デイライトは一般に、導光部材と、導光部材に光を入射させる光源とを備えている。導光部材の構成材料としては、透明性や耐熱性の観点から、ポリカーボネート樹脂が用いられている。導光部材には、透明性や耐熱性に加えて、黄色の少ない、優れた色相を有することが要求される。導光部材は、一般的に、光路長の長いレンズ部品であるため、光源から入射された光を減衰させることなく高効率で伝達するためには、導光部材には、黄変等の着色の問題がなく優れた色相を有することが求められている。
導光部材用の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物として、特許文献1に、芳香族ポリカーボネート樹脂にリン系安定剤及び脂肪酸エステルを配合した芳香族ポリカーボネート樹脂組成物が開示されている。
特許文献1の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物の色相と耐黄変性を更に改善したものとして、特許文献2には、芳香族ポリカーボネート樹脂に配合するリン系安定剤として、2種類のホスファイト系安定剤を用いた芳香族ポリカーボネート樹脂組成物が開示されている。
芳香族ポリカーボネート樹脂組成物を用いて導光部材を成形した場合、成形過程で受ける熱で芳香族ポリカーボネート樹脂が劣化し、得られる成形品は僅かながら黄色味を帯びることがある。特許文献2の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物は、特許文献1の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物における色相を改善するものである。
特許文献1及び2の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物であれば、通常の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物に比べて、色相が良好な成形品が得られる。しかし、自動車用照明装置に用いられる導光部材では、例えば、300mm長光路のYI値として18未満というような、著しく優れた色相が要求される。従来の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物ではこのような要求特性を満足し得ない。
ポリカーボネート樹脂組成物の射出成形に当っては、原料を溶融混練して得られたポリカーボネート樹脂組成物のペレットを、所定の条件で乾燥した後、射出成形機のホッパーに投入して射出成形が行われる。例えば、特許文献1の実施例では、得られたペレットを熱風循環式乾燥機により120℃で5〜7時間乾燥した後、射出成形を行っている。
特許文献3には、ベントアット(溶融した原料がベントから機外に漏出する現象)がなく、原料替えに要する時間を節約でき、原料ロスの少ないベント式多条可塑化ユニットが提案されている。この可塑化ユニットは、原料供給部、第1ステージ、ミキシング部、第2ステージからなり、ミキシング部直後にベント部を備えたベント式射出成形機用可塑化ユニットであり、第2ステージを3条以上の多条形状としたものである。
特許文献3には、以下の1),2)の効果が記載されている。
1) 第2ステージの螺旋溝を3条以上の多条とし、そのピッチを、第1ステージの溝のピッチより大きくしたため、ベント部において溶融樹脂が滞留せず、ベントアップを防ぐことができる。原料供給部における原料の供給状態を視認するモニター手段により原料供給量を調整し、第1ステージのシリンダ内に供給される原料供給量を必要最小限とすれば、第1ステージ内の圧力を安定化させることができ、ベントアップを確実に防ぐことができる。
2) 第2ステージの螺旋溝を3条以上の多条としたことにより、溶融樹脂が多条の溝部に分割され、大気との接触面積が増加するので、原料内部からの揮発成分が揮発し易くなり、脱気を効果的に行える。3条以上の多条としたことにより、溝部の深さを浅くすることができるので、操作の終了時に、溝に残留する樹脂の量を格段に少なくすることができ、原料替え時間と原料ロスを格段に少なくすることができる。
しかし、特許文献3には、芳香族ポリカーボネート樹脂組成物の射出成形時の黄変の防止、色相の改善についての記載も示唆もない。特許文献3には、原料樹脂としての芳香族ポリカーボネート樹脂の記載も示唆もない。特許文献3には、ベント及びペレット供給部の一方に不活性ガスを供給し、かつ他方に不活性ガスを供給するか或いは減圧しながら射出成形することを示唆する記載もない。
特開2007−204737号公報 特開2013−139097号公報 特開2014−100875号公報
本発明は、特許文献1及び2の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物からなる成形品よりも、更に成形による黄変が少なく、著しく優れた色相を有する芳香族ポリカーボネート樹脂成形品を提供することを目的とする。
本発明者は、芳香族ポリカーボネート樹脂成形品の射出成形方法について鋭意研究を重ねた結果、特定の粘度平均分子量の芳香族ポリカーボネート樹脂に、所定の割合で安定剤を配合してなる芳香族ポリカーボネート樹脂組成物のペレットを、ベントを有し、第2ステージのスクリューが3条以上の多条フライト構造の射出成形機を用いて、ペレットを飢餓状態で供給すると共に、ベント及びペレット供給部の一方に不活性ガスを供給し、他方に不活性ガスを供給するか減圧しながら射出成形することにより、上記課題を解決し得ることを見出した。
本発明は、以下を要旨とする。
[1] 粘度平均分子量10,000〜30,000の芳香族ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対し、少なくとも1種類の安定剤(B)を0.01〜0.5質量部含むポリカーボネート樹脂組成物のペレットを、射出成形機で成形して芳香族ポリカーボネート樹脂成形品を製造する方法であって、該射出成形機として、射出シリンダーと、該射出シリンダー内に回転可能に支持された、螺旋状のフライトを有するスクリューと、該射出シリンダーの基端側に設けられたペレット供給部と、該射出シリンダーの先端側に設けられた射出ノズルと、該射出シリンダーの途中部分に設けられたベントとを有し、該ベントよりも上流側の第1ステージと、該第1ステージの下流側の第2ステージを経て溶融混練が行われる射出成形機であって、該第2ステージにおける該スクリューのフライトは、3条以上の多条フライト構造とされている射出成形機を用い、該ペレットを、該射出成形機の該ペレット供給部に飢餓状態で供給すると共に、前記ベント及び該ペレット供給部の一方に不活性ガスを供給し、かつ他方に不活性ガスを供給するか或いは減圧しながら射出成形することを特徴とする芳香族ポリカーボネート樹脂成形品の製造方法。
[2] [1]において、前記ポリカーボネート樹脂組成物が、さらに脂肪酸エステル(C)を0.05〜2質量部含むことを特徴とする芳香族ポリカーボネート樹脂成形品の製造方法。
[3] [1]において、前記ポリカーボネート樹脂組成物が、さらに色相改良剤(D)を0.05〜2質量部含むことを特徴とする芳香族ポリカーボネート樹脂成形品の製造方法。
[4] 前記第2ステージにおけるフライトのピッチ幅が、前記第1ステージにおけるフライトのピッチ幅よりも大きく、該第2ステージのフライトにより形成される1ピッチ当たりの溝部の断面積が、該第1ステージのフライトにより形成される1ピッチ当たりの溝部の断面積よりも小さいことを特徴とする[1]乃至[3]のいずれかに記載の芳香族ポリカーボネート樹脂成形品の製造方法。
[5] 前記ペレットの水分量が200ppm以上であることを特徴とする[1]乃至[4]のいずれかに記載の芳香族ポリカーボネート樹脂成形品の製造方法。
[6] 前記芳香族ポリカーボネート樹脂(A)の粘度平均分子量が13,000〜25,000であることを特徴とする[1]乃至[5]のいずれかに記載の芳香族ポリカーボネート樹脂成形品の製造方法。
[7] 前記安定剤(B)が、スピロ環骨格を有するホスファイト系安定剤と、スピロ環骨格を有さないホスファイト系安定剤とを含み、前記芳香族ポリカーボネート樹脂組成物中の該スピロ環骨格を有するホスファイト系安定剤の含有量が、該スピロ環骨格を有さないホスファイト系安定剤の含有量よりも少ないことを特徴とする[1]乃至[6]のいずれかに記載の芳香族ポリカーボネート樹脂成形品の製造方法。
[8] 前記色相改良剤(D)が、ポリアルキレングリコール化合物であることを特徴とする[3]乃至[7]のいずれかに記載の芳香族ポリカーボネート樹脂成形品の製造方法。
[8] 前記ポリアルキレングリコール化合物が、下記一般式(III−1)で表される分岐型ポリアルキレングリコール化合物及び/又は下記一般式(III−2)で表される直鎖型ポリアルキレングリコール化合物であることを特徴とする請求項8に記載の芳香族ポリカーボネート樹脂成形品の製造方法。
Figure 2018173616
一般式(III−1)中、Rは炭素数1〜3のアルキル基を示す。XおよびYは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜23の脂肪族アシル基、又は炭素数1〜23のアルキル基を示し、nは10〜400の整数を示す。
[8] 前記分岐型ポリアルキレングリコール化合物がポリプロピレングリコール(ポリ(2−メチル)エチレングリコール)および/又はポリブチレングリコール(ポリ(2−エチル)エチレングリコール)であることを特徴とする請求項9に記載の芳香族ポリカーボネート樹脂成形品の製造方法。
[9] 前記ポリアルキレングリコール化合物が、下記一般式(III−1)で表される分岐型ポリアルキレングリコール化合物及び/又は下記一般式(III−2)で表される直鎖型ポリアルキレングリコール化合物であることを特徴とする[8]に記載の芳香族ポリカーボネート樹脂成形品の製造方法。
Figure 2018173616
一般式(III−1)中、Rは炭素数1〜3のアルキル基を示す。XおよびYは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜23の脂肪族アシル基、又は炭素数1〜23のアルキル基を示し、nは10〜400の整数を示す。
Figure 2018173616
一般式(III−2)中、X及びYは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数2〜23の脂肪族アシル基又は炭素数1〜22のアルキル基を示す。mは2〜6の整数、pは6〜100の整数を示す。
[10] 前記分岐型ポリアルキレングリコール化合物がポリプロピレングリコール(ポリ(2−メチル)エチレングリコール)および/又はポリブチレングリコール(ポリ(2−エチル)エチレングリコール)であることを特徴とする[9]に記載の芳香族ポリカーボネート樹脂成形品の製造方法。
[11] 前記直鎖型ポリアルキレングリコール化合物がポリテトラメチレングリコール単独重合体であることを特徴とする[9]に記載の芳香族ポリカーボネート樹脂成形品の製造方法。
[12] 前記ポリアルキレングリコール化合物が、下記一般式(I)で表される直鎖アルキレンエーテル単位と下記一般式(II−1)又は下記一般式(II−3)で表される分岐アルキレンエーテル単位を有するポリアルキレングリコール共重合体であることを特徴とする[8]に記載の芳香族ポリカーボネート樹脂成形品の製造方法。
Figure 2018173616
一般式(I)中、nは3〜6の整数を示す。
Figure 2018173616
一般式(II−1)中、R〜Rは各々独立に水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を示す。R〜Rの少なくとも1つは炭素数1〜3のアルキル基である。
Figure 2018173616
一般式(II−3)中、R〜Rは各々独立に水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を示す。R〜Rの少なくとも1つは炭素数1〜3のアルキル基である。
[13] 前記一般式(I)で示される直鎖アルキレンエーテル単位が、グリコールとして、該一般式(I)におけるnが4であるテトラメチレングリコールであることを特徴とする[12]に記載の芳香族ポリカーボネート樹脂成形品の製造方法。
[14] 前記一般式(II−1)で示される分岐アルキレンエーテル単位が、グリコールとして、(2−メチル)エチレングリコール(プロピレングリコール)及び/又は(2−エチル)エチレングリコール(ブチレングリコール)であることを特徴とする[12]又は[13]に記載の芳香族ポリカーボネート樹脂成形品の製造方法。
[15] 前記一般式(II−3)で示される分岐アルキレンエーテル単位が、グリコールとして、(3−メチル)テトラメチレングリコールであることを特徴とする[12]又は[13]に記載の芳香族ポリカーボネート樹脂成形品の製造方法。
[16] 前記色相改良剤(D)が、下記一般式(3)で表されるジオール化合物であることを特徴とする[3]乃至[7]のいずれかに記載の芳香族ポリカーボネート樹脂成形品の製造方法。
Figure 2018173616
一般式(3)中、Zは単結合又は−C(CH−を表す。R21,R22はそれぞれ独立に、水素原子、又は炭素数1〜3のアルキル基を表す。
[17] 前記一般式(3)におけるR21,R22が、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基であることを特徴とする[16]に記載の芳香族ポリカーボネート樹脂成形品の製造方法。
[18] [1]乃至[17]のいずれかにのいずれかに記載の香族ポリカーボネート樹脂成形品の製造方法により製造された芳香族ポリカーボーネート樹脂成形品。
[19] 導光部材である[18]に記載の芳香族ポリカーボネート樹脂成形品。
[20] L/Dが30以上の長尺の成形品である[18]又は[19]に記載の芳香族ポリカーボネート樹脂成形品。
[21] [1]乃至[17]のいずれかに記載の芳香族ポリカーボネート樹脂成形品の製造方法により製造された芳香族ポリカーボーネート樹脂成形品より導光部材を製造することを特徴とする導光部材の製造方法。
本発明によれば、射出成形時の芳香族ポリカーボネート樹脂の劣化、及びそれによる黄変を効果的に抑制し、著しく優れた色相を有する芳香族ポリカーボネート樹脂成形品を製造することができる。
本発明によれば、300mm長光路成形品について測定した300mm長のYI値が18未満の著しく良好な色相の芳香族ポリカーボネート樹脂成形品を製造することが可能である。本発明により製造された芳香族ポリカーボネート樹脂成形品は、特に導光部材、とりわけ自動車用照明装置の導光部材として有用であり、長尺ないしは肉厚の導光部材であっても、高い光伝達効率を得ることができる。
本発明で用いる射出成形機の一例を示す構成図である。 本発明で用いる射出成形機の他の例を示す構成図である。 本発明で用いる射出成形機の別の例を示す構成図である。 本発明で用いる射出成形機の別の例を示す構成図である。 本発明で用いる射出成形機の別の例を示す構成図である。 本発明で用いる射出成形機の別の例を示す構成図である。 射出成形機へのペレットの供給方法の説明図であり、図7aは飢餓フィードを示し、図7bは通常フィードを示す。
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明する。
[芳香族ポリカーボネート樹脂組成物]
成形材料として用いる芳香族ポリカーボネート樹脂組成物(以下「本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物」と称す場合がある。)について説明する。
本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物は、粘度平均分子量10,000〜30,000の芳香族ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対して、少なくとも1種類の安定剤(B)を0.01〜0.5質量部含むものである。本発明のポリカーボネート樹脂組成物は更に脂肪酸エステル(C)や色相改良剤(D)を含有していてもよい。
<芳香族ポリカーボネート樹脂(A)>
芳香族ポリカーボネート樹脂(A)は、芳香族ヒドロキシ化合物と、ホスゲン又は炭酸のジエステルとを反応させることによって得られる芳香族ポリカーボネート重合体である。芳香族ポリカーボネート重合体は分岐を有していてもよい。芳香族ポリカーボネート樹脂の製造方法は、特に限定されるものではなく、ホスゲン法(界面重合法)、溶融法(エステル交換法)等の従来法によることができる。
芳香族ジヒドロキシ化合物の代表的なものとしては、例えば、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−t−ブチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ケトン等が挙げられる。
上記芳香族ジヒドロキシ化合物の中では、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)が特に好ましい。
芳香族ジヒドロキシ化合物は、1種類を単独で用いても、2種類以上を混合して用いてもよい。
芳香族ポリカーボネート樹脂(A)を製造する際に、芳香族ジヒドロキシ化合物に加えてさらに分子中に3個以上のヒドロキシ基を有する多価フェノール等を少量添加してもよい。この場合、芳香族ポリカーボネート樹脂(A)は分岐を有するものになる。
3個以上のヒドロキシ基を有する多価フェノールとしては、例えばフロログルシン、4,6−ジメチル−2,4,6−トリス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプテン−2、4,6−ジメチル−2,4,6−トリス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、2,6−ジメチル−2,4,6−トリス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプテン−3、1,3,5−トリス(4−ヒドロキシフェニル)ベンゼン、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタンなどのポリヒドロキシ化合物、あるいは3,3−ビス(4−ヒドロキシアリール)オキシインドール(=イサチンビスフェノール)、5−クロルイサチン、5,7−ジクロルイサチン、5−ブロムイサチン等が挙げられる。この中でも、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシルフェニル)エタン又は1,3,5−トリス(4−ヒドロキシフェニル)ベンゼンが好ましい。多価フェノールの使用量は、芳香族ジヒドロキシ化合物を基準(100モル%)として好ましくは0.01〜10モル%となる量であり、より好ましくは0.1〜2モル%となる量である。
エステル交換法による重合においては、ホスゲンの代わりに炭酸ジエステルがモノマーとして使用される。炭酸ジエステルの代表的な例としては、ジフェニルカーボネート、ジトリルカーボネート等の置換ジアリールカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジ−tert−ブチルカーボネート等のジアルキルカーボネートが挙げられる。炭酸ジエステルは、1種類を単独で、又は2種類以上を混合して用いることができる。これらのなかでも、ジフェニルカーボネート、置換ジフェニルカーボネートが好ましい。
炭酸ジエステルは、好ましくはその50モル%以下、さらに好ましくは30モル%以下の量を、ジカルボン酸又はジカルボン酸エステルで置換してもよい。ジカルボン酸又はジカルボン酸エステルとしては、テレフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸ジフェニル及びイソフタル酸ジフェニル等が挙げられる。ジカルボン酸又はジカルボン酸エステルで炭酸ジエステルの一部を置換した場合には、ポリエステルカーボネートが得られる。
エステル交換法により芳香族ポリカーボネート樹脂を製造する際には、通常、触媒が使用される。触媒種に制限はないが、一般的にはアルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物、塩基性ホウ素化合物、塩基性リン化合物、塩基性アンモニウム化合物、アミン系化合物等の塩基性化合物が使用される。中でもアルカリ金属化合物及び/又はアルカリ土類金属化合物が特に好ましい。触媒は、単独で使用してもよく、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。エステル交換法では、触媒をp−トルエンスルホン酸エステル等で失活させることが一般的である。
芳香族ポリカーボネート樹脂(A)には、難燃性等を付与する目的で、シロキサン構造を有するポリマー又はオリゴマーを共重合させることができる。
芳香族ポリカーボネート樹脂(A)の粘度平均分子量は、10,000〜30,000である。芳香族ポリカーボネート樹脂(A)の粘度平均分子量が10,000未満である場合、得られる成形品の機械的強度が不足し、十分な機械的強度を有するものを得ることができない場合がある。芳香族ポリカーボネート樹脂(A)の粘度平均分子量が30,000を超える場合、芳香族ポリカーボネート樹脂(A)の溶融粘度が大きくなるため、例えば芳香族ポリカーボネート樹脂組成物を射出成形して導光部材等の長尺状の成形品を製造する際に優れた流動性を得ることができない場合がある。また、樹脂の剪断による発熱量が大きくなり、熱分解により樹脂が劣化する結果、優れた色相を有する成形品を得ることができない場合がある。
芳香族ポリカーボネート樹脂(A)の粘度平均分子量は、好ましくは12,000〜30,000であり、より好ましくは13,000〜25,000、特に好ましくは13,000〜20,000である。
粘度平均分子量は、溶媒としてメチレンクロライドを用い、25℃の温度で測定した溶液粘度より換算して求めたものである。
芳香族ポリカーボネート樹脂(A)は、粘度平均分子量の異なる2種以上の芳香族ポリカーボネート樹脂を混合したものであってもよい。この場合、粘度平均分子量が上記範囲外である芳香族ポリカーボネート樹脂を混合して上記粘度平均分子量の範囲内としたものであってもよい。
<安定剤(B)>
安定剤(B)としては、リン系安定剤が好ましく、特に、スピロ環骨格を有するホスファイト系安定剤(以下「第1ホスファイト系安定剤」と称す場合がある。)と、スピロ環骨格を有さないホスファイト系安定剤(以下「第2ホスファイト系安定剤」と称す場合がある。)とを併用することが、黄変抑制の観点から好ましい。
第1ホスファイト系安定剤としては、下記一般式(1)で表されるものが好ましい。
Figure 2018173616
一般式(1)中、R11及びR12はそれぞれ独立に、炭素数1〜30のアルキル基、又は炭素数6〜30のアリール基を表す。
一般式(1)中、炭素数1〜30のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、n−プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基、ヘキシル基、オクチル基などが挙げられる。炭素数6〜30のアリール基としては、フェニル基、ナフチル基などが挙げられる。
第1ホスファイト系安定剤としては、例えばジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、フェニルビスフェノールAペンタエリスリトールジホスファイト、ジシクロヘキシルペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジクミルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト等が挙げられる。この中ではジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジクミルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイトが特に好ましく用いられる。
第1ホスファイト系安定剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
第2ホスファイト系安定剤は、スピロ環骨格を有さないホスファイト系安定剤であればよく、特に制限はない。第2ホスファイト系安定剤としては、例えばトリス(ジエチルフェニル)ホスファイト、トリス(ジ−iso−プロピルフェニル)ホスファイト、トリス(ジ−n−ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト等のトリアリールフォスファイト、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)(2−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ホスファイト、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェニル)(2−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ホスファイト、2,2’−エチリデンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェニル)(2−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ホスファイト等の二価フェノール類を含み環状構造を有するトリアリールフォスファイト等が挙げられる。
第2ホスファイト系安定剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
第2ホスファイト系安定剤の中でも、下記一般式(2)で表されるホスファイト系安定剤が好ましい。
Figure 2018173616
一般式(2)中、R13〜R17はそれぞれ独立に、水素原子、炭素数6〜20のアリール基、又は炭素数1〜20のアルキル基を表す。
一般式(2)中、R13〜R17で表されるアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、n−プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基、ヘキシル基、オクチル基などが挙げられる。R13〜R17で表されるアリール基としては、例えばフェニル基、ナフチル基などが挙げられる。
安定剤(B)として、第1ホスファイト系安定剤と、第2ホスファイト系安定剤とを併用する場合、第1ホスファイト系安定剤を第2ホスファイト系安定剤より少なく用いることが、特に熱エージング時の黄変抑制の観点から好ましい。第1ホスファイト系安定剤及び第2ホスファイト系安定剤の合計に占める第1ホスファイト系安定剤の配合率は、好ましくは3〜50質量%であり、より好ましくは5〜40質量%であり、特に好ましくは10〜35質量%である。
安定剤(B)100質量%における第1ホスファイト系安定剤及び第2ホスファイト系安定剤の合計の含有率は、50〜100質量%であることが好ましく、80〜100質量%であることがより好ましく、100質量%であることが特に好ましい。
安定剤(B)100質量%における第1ホスファイト系安定剤及び第2ホスファイト系安定剤の合計の含有率が100質量%未満である場合、安定剤(B)は、上記ホスファイト系安定剤のほかに、ホスホナイト系安定剤、ホスフェート系安定剤等の他のリン系安定剤を含有していてもよい。
ホスホナイト系安定剤としては、例えばテトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,3’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−3,3’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,3’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−3,3’−ビフェニレンジホスホナイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4−フェニル−フェニルホスホナイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−3−フェニル−フェニルホスホナイト、ビス(2,6−ジ−n−ブチルフェニル)−3−フェニル−フェニルホスホナイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−4−フェニル−フェニルホスホナイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−3−フェニル−フェニルホスホナイト等が挙げられる。
ホスフェート系安定剤としては、例えばトリブチルホスフェート、トリメチルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクロルフェニルホスフェート、トリエチルホスフェート、ジフェニルクレジルホスフェート、ジフェニルモノオルソキセニルホスフェート、トリブトキシエチルホスフェート、ジブチルホスフェート、ジオクチルホスフェート、ジイソプロピルホスフェート等が挙げられる。
これらの他のリン系安定剤についても、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物において、安定剤(B)の配合割合は、芳香族ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対し、0.01〜0.5質量部である。安定剤(B)の配合割合が0.01質量部未満である場合、黄変を十分に抑制することができず、良好な色相を得ることができない。安定剤(B)の配合割合が0.5質量部を超える場合は、成形時のガスが多くなったり、モールドデポジットによる転写不良が起こったりするため、得られる成形品の透明性が低下する。安定剤(B)の配合割合は、芳香族ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対して、好ましくは0.03〜0.4質量部であり、より好ましくは0.05〜0.3質量部である。
<脂肪酸エステル(C)>
本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物は、脂肪酸エステル(C)を含有していてもよい。脂肪酸エステル(C)を含むことにより、芳香族ポリカーボネート樹脂組成物を製造する際、押出機内のバレル及びスクリュー表面と樹脂との摩擦を低下させ、加工時のポリカーボネート樹脂の温度上昇を防ぐことで、得られる成形品の色相を改善することができる傾向にある。
脂肪酸エステル(C)は脂肪族カルボン酸とアルコールとの縮合化合物である。
脂肪酸エステル(C)を構成する脂肪族カルボン酸としては、飽和又は不飽和の、脂肪族モノカルボン酸、ジカルボン酸及びトリカルボン酸が挙げられる。脂肪族カルボン酸は、脂環式カルボン酸も包含する。脂肪族カルボン酸としては、炭素数6〜36のモノカルボン酸又はジカルボン酸が好ましく、炭素数6〜36の脂肪族飽和モノカルボン酸がさらに好ましい。脂肪族カルボン酸の具体例としては、パルミチン酸、ステアリン酸、吉草酸、カプロン酸、カプリン酸、ラウリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、メリシン酸、テトラトリアコンタン酸、モンタン酸、グルタル酸、アジピン酸及びアゼライン酸などが挙げられる。
アルコールとしては、飽和又は不飽和の、一価アルコール及び多価アルコールが挙げられる。これらのアルコールは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、アリール基などの置換基を有していてもよい。これらのアルコールの中でも、炭素数30以下の一価又は多価の飽和アルコールが好ましく、炭素数30以下の脂肪族飽和一価アルコール又は多価アルコールがさらに好ましい。脂肪族アルコールは、脂環式アルコールも包含する。
アルコールとしては、例えばオクタノール、デカノール、ドデカノール、テトラデカノール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、2,2−ジヒドロキシペルフルオロプロパノール、ネオペンチレングリコール、ジトリメチロールプロパン、ジペンタエリスリトール等が挙げられる。
脂肪酸エステル(C)としては、例えば蜜ロウ(ミリスチルパルミテートを主成分とする混合物)、硬化油、ブチルステアレート、ベヘン酸ベヘニル、ベヘン酸オクチルドデシル、ステアリルステアレート、グリセリンモノパルミテート、グリセリンモノステアレート、グリセリンモノオレート、グリセリンジステアレート、グリセリントリステアレート、ペンタエリスリトールモノパルミテート、ペンタエリスリトールモノステアレート、ペンタエリスリトールジステアレート、ペンタエリスリトールトリステアレート、ペンタエリスリトールテトラステアレート等が挙げられる。
中でも、グリセリンモノパルミテート、グリセリンモノステアレート等の脂肪酸モノグリセリドを用いることが好ましい。この場合、芳香族ポリカーボネート樹脂組成物を製造する際、押出機内のバレル及びスクリュー表面と樹脂との摩擦を低下させ、加工時のポリカーボネート樹脂の温度上昇を防ぐことができるため、得られる成形品の色相を特に優れたものとするとともに黄変をより高度に抑制することができるようになる。
本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物が、脂肪酸エステル(C)を含む場合、その含有量は、用いる脂肪酸エステル(C)の種類によっても異なるが、多過ぎても少な過ぎても脂肪酸エステル(C)を含むことによる効果を十分に得ることができない場合がある。本発明のポリカーボネート樹脂組成物の脂肪酸エステル(C)の含有量は、芳香族ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対し、0.05〜2質量部が好ましく、0.03〜0.3質量部がより好ましく、0.04〜0.25質量部がさらに好ましく、0.05〜0.2質量部が特に好ましい。
<色相改良剤(D)>
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は色相改良剤(D)を含有していてもよい。
色相改良剤(D)としては、これを配合することにより、得られる成形品の色相を良好なものとすることができるものであればよく、特に制限されるものではないが、代表的な色相改良剤(D)として、ポリアルキレングリコール化合物、以下に示す特定のジオール化合物が挙げられる。
色相改良剤(D)としては、ポリアルキレングリコール化合物の1種又は2種以上を用いてもよく、以下に示すジオール化合物の1種又は2種以上を用いてもよく、ポリアルキレングリコール化合物の1種又は2種以上と、以下に示すジオール化合物の1種又は2種以上とを併用してもよい。
<ポリアルキレングリコール化合物>
ポリアルキレングリコール化合物としては、下記一般式(I)で表される直鎖アルキレンエーテル単位(P1)と下記一般式(II−1)〜(II−4)で表される単位から選ばれる分岐アルキレンエーテル単位(P2)を有するポリアルキレングリコール共重合体(CP)が好ましいものとして挙げられる。
Figure 2018173616
一般式(I)中、nは3〜6の整数を示す。
Figure 2018173616
一般式(II−1)〜(II−4)中、R〜R10は各々独立に水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を示す。それぞれの一般式(II−1)〜(II−4)においてR〜R10の少なくとも1つは炭素数1〜3のアルキル基である。
一般式(I)で示される直鎖アルキレンエーテル単位(P1)としては、それをグリコールとして記載すると、nが3であるトリメチレングリコール、nが4であるテトラメチレングリコール、nが5のペンタメチレングリコール、nが6のヘキサメチレングリコールが挙げられる。好ましくはトリメチレングリコール、テトラメチレングリコールであり、テトラメチレングリコールが特に好ましい。
トリメチレングリコールは、工業的にはエチレンオキシドのヒドロホルミル化により3−ヒドロキシプロピオンアルデヒドを得、これを水添する方法、又はアクロレインを水和して得た3−ヒドロキシプロピオンアルデヒドをNi触媒で水素化する方法で製造される。バイオ法により、グリセリン、グルコース、澱粉等を微生物に還元させてトリメチレングリコールを製造することも行われている。
一般式(II−1)で示される分岐アルキレンエーテル単位として、これをグリコールとして記載すると、(2−メチル)エチレングリコール(プロピレングリコール)、(2−エチル)エチレングリコール(ブチレングリコール)、(2,2−ジメチル)エチレングリコール(ネオペンチルグリコール)などが挙げられる。
一般式(II−2)で示される分岐アルキレンエーテル単位として、これをグリコールとして記載すると、(2−メチル)トリメチレングリコール、(3−メチル)トリメチレングリコール、(2−エチル)トリメチレングリコール、(3−エチル)トリエチレングリコール、(2,2−ジメチル)トリメチレングリコール、(2,2−メチルエチル)トリメチレングリコール、(2,2−ジエチル)トリメチレングリコール(即ち、ネオペンチルグリコール)、(3,3−ジメチル)トリメチレングリコール、(3,3−メチルエチル)トリメチレングリコール、(3,3−ジエチル)トリメチレングリコールなどが挙げられる。
一般式(II−3)で示される分岐アルキレンエーテル単位として、これをグリコールとして記載すると、(3−メチル)テトラメチレングリコール、(4−メチル)テトラメチレングリコール、(3−エチル)テトラメチレングリコール、(4−エチル)テトラメチレングリコール、(3,3−ジメチル)テトラメチレングリコール、(3,3−メチルエチル)テトラメチレングリコール、(3,3−ジエチル)テトラメチレングリコール、(4,4−ジメチル)テトラメチレングリコール、(4,4−メチルエチル)テトラメチレングリコール、(4,4−ジエチル)テトラメチレングリコールなどが挙げられ、(3−メチル)テトラメチレングリコールが好ましい。
一般式(II−4)で示される分岐アルキレンエーテル単位として、これをグリコールとして記載すると、(3−メチル)ペンタメチレングリコール、(4−メチル)ペンタメチレングリコール、(5−メチル)ペンタメチレングリコール、(3−エチル)ペンタメチレングリコール、(4−エチル)ペンタメチレングリコール、(5−エチル)ペンタメチレングリコール、(3,3−ジメチル)ペンタメチレングリコール、(3,3−メチルエチル)ペンタメチレングリコール、(3,3−ジエチル)ペンタメチレングリコール、(4,4−ジメチル)ペンタメチレングリコール、(4,4−メチルエチル)ペンタメチレングリコール、(4,4−ジエチル)ペンタメチレングリコール、(5,5−ジメチル)ペンタメチレングリコール、(5,5−メチルエチル)ペンタメチレングリコール、(5,5−ジエチル)ペンタメチレングリコールなどが挙げられる。
以上、分岐アルキレンエーテル単位(P2)を構成する一般式(II−1)〜(II−4)で表される単位を便宜的にグリコールを例として記載したが、これらグリコールに限らず、これらのアルキレンオキシドや、これらのポリエーテル形成性誘導体であってもよい。
ポリアルキレングリコール共重合体(CP)として好ましいものを挙げると、テトラメチレンエーテル(テトラメチレングリコール)単位と一般式(II−1)で表される単位からなる共重合体が好ましく、特にテトラメチレンエーテル(テトラメチレングリコール)単位と2−メチルエチレンエーテル(プロピレングリコール)単位及び/又は(2−エチル)エチレングリコール(ブチレングリコール)単位からなる共重合体が好ましい。テトラメチレンエーテル単位と2,2−ジメチルトリメチレンエーテル単位、即ちネオペンチルグリコールエーテル単位からなる共重合体も好ましい。
直鎖アルキレンエーテル単位(P1)と分岐アルキレンエーテル単位(P2)を有するポリアルキレングリコール共重合体(CP)を製造する方法は公知であり、上記したようなグリコール、アルキレンオキシドあるいはそのポリエーテル形成性誘導体を、通常、酸触媒を用いて重縮合させることによって製造することができる。
ポリアルキレングリコール共重合体(CP)は、ランダム共重合体やブロック共重合体であってもよい。
ポリアルキレングリコール共重合体(CP)の末端基はヒドロキシル基であることが好ましい。ポリアルキレングリコール共重合体(CP)は、その片末端あるいは両末端がアルキルエーテル、アリールエーテル、アラルキルエーテル、脂肪酸エステル、アリールエステルなどで封鎖されていてもその性能発現に影響はなく、エーテル化物又はエステル化物が同様に使用できる。
アルキルエーテルを構成するアルキル基としては、直鎖状又は分岐状のいずれでもよく、炭素数1〜22のアルキル基、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、オクチル基、ラウリル基、ステアリル基等が挙げられる。アルキルエーテルとしては、ポリアルキレングリコールのメチルエーテル、エチルエーテル、ブチルエーテル、ラウリルエーテル、ステアリルエーテル等が好ましく例示できる。
アリールエーテルを構成するアリール基としては、好ましくは炭素数6〜22、より好ましくは炭素数6〜12、さらに好ましくは炭素数6〜10のアリール基が好ましく、例えばフェニル基、トリル基、ナフチル基等が挙げられ、フェニル基、トリル基等が好ましい。アラルキル基としては、好ましくは炭素数7〜23、より好ましくは炭素数7〜13、さらに好ましくは炭素数7〜11のアラルキル基が好ましく、例えばベンジル基、フェネチル基等が挙げられ、ベンジル基が特に好ましい。
脂肪酸エステルを構成する脂肪酸は、直鎖状又は分岐状のいずれでもよく、飽和脂肪酸であってもよく不飽和脂肪酸であってもよい。
脂肪酸エステルを構成する脂肪酸としては、炭素数1〜22の1価又は2価の脂肪酸、例えば、1価の飽和脂肪酸、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、ヘプタデシル酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、アラキジン酸、ベヘン酸や、1価の不飽和脂肪酸、例えば、オレイン酸、エライジン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸などの不飽和脂肪酸、また炭素数10以上の二価の脂肪酸、例えば、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、テトラデカン二酸、タプシア酸およびデセン二酸、ウンデセン二酸、ドデセン二酸が挙げられる。
アリールエステルを構成するアリール基としては、好ましくは炭素数6〜22、より好ましくは炭素数6〜12、さらに好ましくは炭素数6〜10のアリール基が好ましく、例えばフェニル基、トリル基、ナフチル基等が挙げられ、フェニル基、トリル基等が好ましい。末端封止する基は、アラルキル基であっても芳香族ポリカーボネート樹脂(A)と良好な相溶性を示すことから、アリール基と同様の作用を発現できる。アラルキル基としては、好ましくは炭素数7〜23、より好ましくは炭素数7〜13、さらに好ましくは炭素数7〜11のアラルキル基が好ましく、例えばベンジル基、フェネチル基等が挙げられ、ベンジル基が特に好ましい。
ポリアルキレングリコール共重合体(CP)としては、なかでもテトラメチレンエーテル単位と2−メチルエチレンエーテル単位からなる共重合体、テトラメチレンエーテル単位と3−メチルテトラメチレンエーテル単位からなる共重合体、テトラメチレンエーテル単位と2,2−ジメチルトリメチレンエーテル単位からなる共重合体が特に好ましい。このようなポリアルキレングリコール共重合体の市販品としては、日油社製商品名(以下同様)「ポリセリンDCB」、保土谷化学社製「PTG−L」、旭化成せんい社製「PTXG」などが挙げられる。
テトラメチレンエーテル単位と2,2−ジメチルトリメチレンエーテル単位からなる共重合体は特開2016−125038号公報に記載の方法で製造することも可能である。
ポリアルキレングリコール化合物としては、下記一般式(III−1)で表される分岐型ポリアルキレングリコール化合物又は下記一般式(III−2)で表される直鎖型ポリアルキレングリコール化合物も好ましいものとして挙げられる。なお、下記一般式(III−1)で表される分岐型ポリアルキレングリコール化合物又は下記一般式(III−2)で表される直鎖型ポリアルキレングリコール化合物は、他の共重合成分との共重合体であってもよいが、単独重合体が好ましい。
Figure 2018173616
一般式(III−1)中、Rは炭素数1〜3のアルキル基を示す。XおよびYは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜23の脂肪族アシル基、又は炭素数1〜23のアルキル基を示す。nは10〜400の整数を示す。
Figure 2018173616
一般式(III−2)中、X及びYは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数2〜23の脂肪族アシル基又は炭素数1〜22のアルキル基を示す。mは2〜6の整数、pは6〜100の整数を示す。
一般式(III−1)において、整数(重合度)nは、10〜400であるが、好ましくは15〜200、更に好ましくは20〜100である。重合度nが10未満の場合、成形時のガス発生量が多くなり、ガスによる成形不良、例えば、未充填、ガスやけ、転写不良を発生する可能性がある。重合度nが400を超える場合、芳香族ポリカーボネート樹脂組成物の色相を向上させる効果が十分に得られないおそれがある。
分岐型ポリアルキレングリコール化合物としては、一般式(III−1)中、X,Yが水素原子で、Rがメチル基であるポリプロピレングリコール(ポリ(2−メチル)エチレングリコール)やエチル基であるポリブチレングリコール(ポリ(2−エチル)エチレングリコール)が好ましく、特に好ましくはポリブチレングリコール(ポリ(2−エチル)エチレングリコール)である。
一般式(III−2)において、p(重合度)は、6〜100の整数であるが、好ましくは8〜90、より好ましくは10〜80である。重合度pが6未満の場合、成形時にガスが発生するので好ましくない。重合度pが100を超える場合、相溶性が低下するので好ましくない。
直鎖型ポリアルキレングリコール化合物としては、一般式(III−2)中のX及びYが水素原子で、mが2であるポリエチレングリコール、mが3であるポリトリメチレングリコール、mが4であるポリテトラメチレングリコール、mが5であるポリペンタメチレングリコール、mが6であるポリヘキサメチレングリコールが好ましく挙げられ、より好ましくはポリトリメチレングリコール、ポリテトラメチレングリコールあるいはそのエステル化物又はエーテル化物である。
ポリアルキレングリコール化合物として、その片末端あるいは両末端が脂肪酸またはアルコールで封鎖されていてもその性能発現に影響はなく、脂肪酸エステル化物またはエーテル化物を同様に使用することができる。従って、一般式(III−1),(III−2)中のX及び/又はYは炭素数1〜23の脂肪族アシル基又はアルキル基であってもよい。
脂肪酸エステル化物としては、直鎖状又は分岐状脂肪酸エステルのいずれも使用できる。脂肪酸エステルを構成する脂肪酸は、飽和脂肪酸であってもよく不飽和脂肪酸であってもよい。一部の水素原子がヒドロキシル基などの置換基で置換されたものも使用できる。
脂肪酸エステルを構成する脂肪酸としては、炭素数1〜23の1価又は2価の脂肪酸、例えば、1価の飽和脂肪酸、具体的には、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、ヘプタデシル酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、1価の不飽和脂肪酸、具体的には、オレイン酸、エライジン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸などの不飽和脂肪酸、炭素数10以上の二価の脂肪酸、具体的には、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、テトラデカン二酸、タプシア酸及びデセン二酸、ウンデセン二酸、ドデセン二酸が挙げられる。
脂肪酸は1種又は2種以上組み合せて使用できる。脂肪酸には、1つ又は複数のヒドロキシル基を分子内に有する脂肪酸も含まれる。
分岐型ポリアルキレングリコールの脂肪酸エステルの好ましい具体例としては、一般式(III−1)において、Rがメチル基、XおよびYが炭素数18の脂肪族アシル基であるポリプロピレングリコールステアレート、Rがメチル基、XおよびYが炭素数22の脂肪族アシル基であるポリプロピレングリコールベヘネートが挙げられる。直鎖型ポリアルキレングリコールの脂肪酸エステルの好ましい具体例としては、ポリアルキレングリコールモノパルミチン酸エステル、ポリアルキレングリコールジパルミチン酸エステル、ポリアルキレングリコールモノステアリン酸エステル、ポリアルキレングリコールジステアリン酸エステル、ポリアルキレングリコール(モノパルミチン酸・モノステアリン酸)エステル、ポリアルキレングリコールベヘネート等が挙げられる。
ポリアルキレングリコールのアルキルエーテルを構成するアルキル基としては、直鎖状又は分岐状のいずれでもよく、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、オクチル基、ラウリル基、ステアリル基等の炭素数1〜23のアルキル基が挙げられる。ポリアルキレングリコール化合物としては、ポリアルキレングリコールのアルキルメチルエーテル、エチルエーテル、ブチルエーテル、ラウリルエーテル、ステアリルエーテル等が好ましく例示できる。
一般式(III−1)で表される分岐型ポリアルキレングリコール化合物の市販品としては、日油社製商品名(以下同様)「ユニオールD−1000」、「ユニオールPB−1000」などが挙げられる。
ポリアルキレングリコール共重合体(CP)、一般式(III−1)で表される分岐型ポリアルキレングリコール化合物、一般式(III−2)で表される直鎖型ポリアルキレングリコール化合物等のポリアルキレングリコール化合物の数平均分子量は、200〜5,000が好ましく、より好ましくは300以上、さらに好ましくは500以上、より好ましくは4,000以下、さらに好ましくは3,000以下、特に好ましくは2000以下、とりわけ好ましくは1000未満であり、800以下であることが最も好ましい。数平均分子量が上記上限を超えると、相溶性が低下する傾向がある。数平均分子量が上記下限を下回ると成形時にガスが発生する傾向がある。ポリアルキレングリコール化合物の数平均分子量はJIS K1577に準拠して測定した水酸基価に基づいて算出した数平均分子量である。
<ジオール化合物>
本発明において、色相改良剤(D)として用いるジオール化合物は、下記一般式(3)で表される、ビスフェノールA(下記一般式(3)において、Zが−C(CH−の場合)又はビフェノール(下記一般式(3)において、Zが単結合(直接結合)の場合)のポリアルキレングリコール付加物であり、ビスフェノールA骨格又はビフェノール骨格を含むことにより芳香族ポリカーボネート樹脂(A)との親和性が良好であり、一般的なポリアルキレングリコール化合物に比べて色相の改善効果に優れたものである。
Figure 2018173616
一般式(3)中、Zは単結合又は−C(CH−を表す。R21,R22はそれぞれ独立に、水素原子、又は炭素数1〜3のアルキル基を表す。
一般式(3)において、R21及びR22はそれぞれ独立に、水素原子、又は炭素数1〜3のアルキル基を表す。一般式(3)において、x個のRは、同一であってもよく異なるものであってもよい。y個のR22も、同一であってもよく異なるものであってもよい。R21及びR22はそれぞれ独立に、好ましくは水素原子又はメチル基である。ビスフェノールA又はビフェノールに付加するポリアルキレングリコール鎖は、ポリエチレングリコール鎖、ポリプロピレングリコール鎖、或いはポリエチレン・プロピレングリコール鎖であることが好ましい。
ジオール化合物の数平均分子量は、100〜5,000が好ましく、より好ましくは300以上、さらに好ましくは500以上、より好ましくは3000以下、さらに好ましくは2000以下、特に好ましくは1500以下である。数平均分子量が上記上限を超えると、相溶性が低下する傾向がある。数平均分子量が、上記下限を下回ると成形時にガスが発生する傾向がある。ジオール化合物の数平均分子量はJIS K1577に準拠して測定した水酸基価に基づいて算出した数平均分子量である。
ジオール化合物の市販品としては、特に限定されないが、ビスフェノールAのOH末端ポリエチレングリコール置換体(東邦化学工業社製 商品名「ビスオール 18EN」、ビスフェノールAのOH末端ポリプロピレングリコール置換体(三洋化成工業社製 商品名ニューポール(登録商標)BPシリーズ等)、ビスフェノールAのOH末端ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコール共重合置換体(日油社製 商品名ユニルーブ(登録商標)50DB−22)などが挙げられる。
上記ジオール化合物は、1種類を単独で用いても、2種類以上を併用してもよい。
<色相改良剤(D)の含有量>
本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物が色相改良剤(D)を含む場合、色相改良剤(D)の含有量は、用いる色相改良剤(D)の種類によっても異なるが、芳香族ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対し、0.05〜2質量部であることが好ましい。色相改良剤の含有量が0.05質量部未満であっても、2質量部を超えても、得られる成形品の色相が劣る傾向がある。
色相改良剤(D)としてポリアルキレングリコール化合物を用いる場合、本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物中のポリアルキレングリコール化合物の含有量は、芳香族ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対し、0.1〜1.5質量部が好ましく、0.2〜1.2質量部がより好ましく、0.4〜1.0質量部がさらに好ましい。
色相改良剤(D)としてポリアルキレングリコール化合物と上記ジオール化合物を用いる場合、本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物中のポリアルキレングリコール化合物及び上記ジオール化合物の含有量は、各々上記の好適含有量の範囲において、その合計の含有量が、芳香族ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対し、0.1〜1.5質量部が好ましく、0.2〜1.2質量部がより好ましく、0.5〜1.0質量部がさらに好ましい。
<その他の成分>
本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物には、本発明の目的を損なわない範囲で、任意成分としてさらに酸化防止剤、離型剤、紫外線吸収剤、蛍光増白剤、染顔料、難燃剤、耐衝撃改良剤、帯電防止剤、滑剤、可塑剤、相溶化剤、充填剤等が配合されてもよい。
<芳香族ポリカーボネート樹脂組成物ペレットの製造方法>
本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物のペレットを製造するには、例えば、各成分を一括又は分割して配合し、溶融混練してペレット化する方法が挙げられる。各成分の配合方法としては、例えばタンブラー、ヘンシェルミキサー等を使用する方法、フィーダーにより定量的に押出機のホッパーに供給して混合する方法などが挙げられる。溶融混練には、例えば単軸混練押出機、二軸混練押出機等を使用することが好ましく、押出機先端の吐出ノズルから押出された芳香族ポリカーボネート樹脂組成物のストランドを、引き取りローラーにより引き取り、水槽内を搬送して冷却した後、ペレタイザーで所定の大きさにカットして芳香族ポリカーボネート樹脂組成物のペレットを得ることができる。
[射出成形方法]
本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物のペレットを用いて本発明に従って射出成形を行う方法について説明する。
<メカニズム>
本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂成形品の製造方法において、後述の通り、ベントを有すると共に第2ステージにおけるスクリューが3条以上のフライトを有する多条フライト構造とされている射出成形機を用いて、芳香族ポリカーボネート樹脂組成物のペレットを飢餓状態で供給する(以下、「飢餓フィード」と称す場合がある。)と共に、ベント及び射出成形機へのペレット供給部の一方に不活性ガスを供給し、かつ他方に不活性ガスを供給するか減圧しながら射出成形することにより、成形時の黄変を防止して色相が良好な芳香族ポリカーボネート樹脂成形品を得ることができるメカニズムは以下のように考えられる。
ベントを有する射出成形機であれば、射出シリンダーにおけるペレットの溶融可塑化でペレットから発生した残留モノマーや添加剤分解物等の揮発成分をベントから排出させることができ、これらの成分が成形品中に残留することによる黄変を防止することができる。特に、本発明で用いる射出成形機は、ベント以降の第2ステージのスクリューが3条以上のフライトを有する多条フライト構造とされており、溶融樹脂が多条の螺旋溝内に分割され、その表出面積が大きくなることで、上記の残留モノマーや添加剤分解物等の揮発成分の排出がより一層効率的に行われるようになる。
このように、ベントからの残留モノマーや添加剤分解物等の揮発成分の排出の際に、ベント及び射出成形機へのペレット供給部の一方に不活性ガスを供給し、かつ他方に不活性ガスを供給するか減圧することにより、射出シリンダー内の酸素濃度を下げると共に樹脂の溶融時に発生する樹脂の着色原因物質をパージして、樹脂の酸化劣化及による黄変、着色原因物質による樹脂の着色反応を抑制することができる。
ベント及び射出成形機へのペレット供給部の双方に不活性ガスを供給した場合は、不活性ガスにより射出シリンダー内の酸素濃度を下げると共に、樹脂の着色原因となる物質をパージすることが可能となり、樹脂の着色反応を抑制することができる。
ベント及び射出成形機へのペレット供給部の一方に不活性ガスを供給し、他方を減圧した場合は、不活性ガス供給側において樹脂着色の原因物質をパージする効果と、減圧側において、樹脂着色の原因物質を排気する効果により、樹脂の着色を有効に防止することができる。
これに対して、ベント及び射出成形機へのペレット供給部を共に減圧した場合は、スクリューシリンダーの空隙から酸素が侵入する場合があり、本発明の効果を得ることはできない。
ペレットを飢餓フィードとすることにより、後述の通り、ペレットの供給部からも水蒸気や揮発成分を排出することが可能となり、より一層良好な色相の成形品を得ることができるようになる。
射出成形機に供するペレットが所定量以上の水分を含むと、ペレットから発生した水蒸気が、揮発成分を巻き込んでベントから揮散することで、黄変の原因となる揮発成分を効率的に排出させることができるようになるため、得られる成形品は、より色相に優れたものとなる。
<射出成形機>
図1〜6を参照して、本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂成形品の製造方法で好適に用いられる射出成形機を説明する。
図1〜6は、本発明に好適に用いられる射出成形機の一例を示す構成図であり、同一機能を奏する部材に同一符号を付してある。
以下において、射出成形機の射出方向の上流側及び下流側を、それぞれ単に「上流」、「下流」と称す。射出成形機の基端とは、射出成形機の最上流部をさし、先端とは最下流部をさす。
1は、射出シリンダーであり、内部にスクリュー2が配置されている。射出シリンダー1の射出方向基端側のペレット供給口1aの直上には、ペレット供給装置10が設けられている。ペレット供給装置10については後述する。
射出シリンダー1の射出方向先端側には、射出ノズル3が設けられている。ノズル3内にスクリュー2のヘッド部2aが挿入されている。射出シリンダー1の外周には加熱用ヒーター4が装着されている。
図1〜3の射出成形機のスクリュー2は、スクリュー軸の外周面に1条のフライトが螺旋状に形成された1条フライト部2Aとミキシング部2Mからなる第1ステージXと、フライト(図1においては3条のフライト)が螺旋状に形成された多条フライト部2Bからなる第2ステージYとを有し、第2ステージYの上流部分(ミキシング部2Mの直後)にベント5A,5Bが設けられている。
図1の射出成形機では、ペレット供給装置10のホッパーの下部に、窒素(N)等の不活性ガス吹き込み用のノズル(以下「不活性ガスノズル」と称す。)7Bが挿入されており、ベント5Aに、減圧用の配管6Aが設けられている。Vは減圧バルブ、Pは真空ポンプである。
ベント5Aは、密閉構造とされている。
図2の射出成形機では、上部が開放されたベント5Bに、不活性ガスノズル6Bが挿入されており、ペレット供給装置10のホッパーの下部に減圧バルブVと真空ポンプPを有する減圧用の配管7Aが設けられている。
図3の射出成形機では、ベント5Bに、不活性ガスノズル6Bが挿入されており、ペレット供給装置10のホッパーの下部にも不活性ガスノズル7Bが挿入されている。
図1,3において、不活性ガスノズル7Bは、図7aに示されるように、ペレット供給装置10のホッパー20下部のスクリューフィーダー11部分に挿入されている。
図1〜3の射出成形機では、射出シリンダー1の射出方向の途中部分の1箇所にベント5A,5Bが設けられているため、このベント5A,5Bから、前述の通り、樹脂着色の原因物質を効率的に排出することができる。特にベント5Aを減圧する図1の射出成形機では、樹脂着色の原因物質をより効率的に排出することができる。不活性ガスノズル6B,7Bより、窒素(N)等の不活性ガスを吹き込むことにより、前述の通り、射出シリンダー内の酸素濃度を下げ、樹脂の酸化劣化を防止すると共に、樹脂の溶融時に発生する樹脂の着色原因物質をパージして、樹脂の黄変を防止することができる。ペレット供給装置10のホッパーの下部を減圧する図2の射出成形機では樹脂溶融時に発生する着色原因物質を排気することができる。
本発明では、ベント5A,5Bが設けられている第2ステージYのフライト構造を3条以上の多条フライト構造としたことにより、第2ステージYのフライトのピッチ幅(1条当たりのピッチ幅)を第1ステージXのフライトのピッチ幅よりも大きく、また、第2ステージYのフライトにより形成される1ピッチ当たりの溝部の断面積を、第1ステージXのフライトにより形成される1ピッチ当たりの溝部の断面積よりも小さくすることができる。このため、ミキシング部2Mから押し出される溶融樹脂をスムーズに第2ステージYに移送することができ、ベント5A,5B部分に溶融樹脂が滞留することが防止されると共に、第2ステージYにおいて、溶融樹脂が多条の螺旋溝(フライト同士の間に形成される螺旋溝。本発明では「溝部」と称す。)に分割され、外部との接触面積が増加するので、溶融樹脂内部からの揮発成分が揮発し易くなり、ベント5A,5Bからの残留モノマーや添加剤分解物等の揮発成分の排出がより一層効果的に行われるようになる。
第2ステージYのフライト構造を3条以上の多条構造としたことにより、溝部の深さを浅くすることができるので、操作の終了時に、溝に残留する樹脂の量を格段に少なくすることができ、原料替えの際には、そのための時間と原料ロスを低減することができる。
ベント5A,5Bから、揮発成分を効率的に排出するために、ベント5A,5Bは、射出シリンダー1の可塑化ゾーンとなる第1ステージXよりも下流側に、第1ステージXの直後に設けられていることが好ましい。
第1ステージXは、ペレット供給装置10により供給されたペレットを溶融、可塑化するための領域であり、この第1ステージXにおいて、ペレットから揮発成分が発生する。
第2ステージYは、可塑化ゾーン(第1ステージX)からの溶融樹脂を更に溶融させると共に圧縮して揮発成分を脱気する領域と、それに続く樹脂の吐出前に樹脂を安定化させ、吐出量のバラツキを抑えるための調整を行う計量ゾーンとである。本発明に係るベント5A,5Bは、第2ステージYの溶融圧縮ゾーンの始点領域に設けられていることが好ましい。
通常、可塑化ゾーンとなる第1ステージXの長さLは、射出シリンダー1の全長(ここで射出シリンダーの全長とは、射出シリンダーにペレットを供給するための供給口1aの中心からスクリュー2のヘッド部2aの基端部までの長さをいう。)Lに対して、1/3〜7/10程度の長さの領域である。第2ステージYの長さLはその残部に該当し、第2ステージYのうち溶融圧縮ゾーンの長さは、射出シリンダー1の全長Lの1/10〜3/10程度である。計量ゾーンの長さは、射出シリンダー1の全長Lの1/10〜3/10程度である。
ベント5A,5Bは、図1に示す通り、1箇所のみに設けられていてもよく、射出シリンダー1の射出方向の複数箇所に設けられていてもよいが、最も上流側のベントが上記の位置であることが好ましい。
ベント5A,5Bの口径は、通常10〜20cm程度である。
第2ステージYのフライトが2条では、多条構造とすることによる効果を十分に発揮することができないため、本発明では3条以上の多条構造とする。ただし、フライトの条数を過度に多くすると、個々のフライト間の溝部が狭くなり、溝部の内壁面と溶融樹脂との摩擦抵抗が大きくなるなどの問題が生じるため、フライトの条数は5条以下とすることが好ましい。
ミキシング部2Mとしては、従来周知のダルメージ型、バリヤ型、サブフライト型、ウェーブ型などを採用することができる。ミキシング部2Mは必ずしも必要とされず、ミキシング部2Mを設けず、第1ステージXを1条フライト構造のスクリューのみで構成してもよい。
図4〜6は、それぞれ、図1〜3におけるミキシング部2Mを省略した射出成形機を示し、このような射出成形機であってもそれぞれ図1〜3の射出成形機におけると同様の効果を得ることができる。
<不活性ガス>
ベント及び/又は射出成形機へのペレット供給部から供給する不活性ガスとしては、窒素、二酸化炭素、ヘリウム、アルゴン等を用いることができる。取り扱い性等において窒素が好適に用いられる。
不活性ガスノズルとしては、孔径2〜10mm程度の金属製ノズルを用いることができる。
不活性ガスの供給量は所望の色相の成形品が得られる程度であればよく、特に制限はない。不活性ガスの供給量は例えば、不活性ガスの供給部に設けた酸素濃度計で測定される雰囲気中の酸素濃度が5%容積以下、特に0〜2容積%となる程度とすることが好ましい。
酸素濃度計は、ベント5Bであればベント5B内に挿入された不活性ガスノズル6Bの不活性ガス吹き出し部近傍に設けることができる。
ペレット供給部の例えばホッパーの下部に不活性ガスノズル7Bを挿入した場合は、この不活性ガスノズル7Bと共に酸素濃度計を挿入して酸素濃度の測定を行なえばよい。
不活性ガスの供給は、ベントのみに行ってもよく、ペレットの供給部のみに行ってもよい。不活性ガスの供給は、ベントとペレットの供給部の両方に行ってもよいが、ベント及びペレットの供給部のうち、不活性ガスの供給を行わない側は、減圧とする。複数のベントを有する場合、すべてのベントで不活性ガスの供給を行ってもよく、一部のベントのみで不活性ガスの供給を行ってもよいし、一部のベントで不活性ガスを供給し、他のベントを減圧としてもよい。
射出成形機へのペレット供給部に不活性ガスを供給する場合、図7aのように、ホッパーの下部に不活性ガスノズルを挿入して不活性ガスを供給する他、射出シリンダーのペレット供給口1aに不活性ガスノズルを挿入して不活性ガスを供給してもよい。
<減圧処理>
射出成形機のベント又はペレットの供給部を減圧する場合、図1,2に示すように真空ポンプP及び真空バルブVを有する配管6A,7Aをベント或いはペレットの供給部に接続して真空引きすればよい。
この場合、ベントについては、図1,4に示すように、開口部を密閉構造とすることにより、効率的に減圧することが可能となる。
ペレットの供給部を減圧する場合、図7aに示す不活性ガスノズル7Bの代りに減圧用配管7Aを挿入してペレット供給装置10のホッパー20下部のスクリューフィーダー11部分を減圧してもよく、ペレット供給口1aに減圧用配管を挿入して減圧してもよい。
減圧は、例えば、下記の真空ポンプを用いて行うことができる。
アンレット社製ドライルーツ式真空ポンプFT2−20(到達圧力8kPa(60Torr))
アンレット社製ドライルーツ式真空ポンプFT2−80(到達圧力5.3kPa(40Torr))。
<飢餓フィード>
本発明では射出成形機への芳香族ポリカーボネート樹脂組成物のペレットの供給を飢餓フィードで行う。
以下に、この供給方法について、図7を参照して説明する。
通常、ペレットは、図7bに示す通り、射出成形機の射出シリンダーの基端側のペレット供給口1aに取り付けられたペレット供給ホッパー20より、その自重で落下させて供給される。この場合、ホッパー20から射出シリンダーの供給口1aを経てスクリュー2に到る部分は、図7bに示す通り、ペレット30で充満された状態となる(以下、図7bに示す供給方法を「通常フィード」と称す。)。
これに対して、飢餓フィードを行う場合は、図7aに示すように、ホッパー20からのペレット30の供給量を調整可能なスクリューフィーダー11を有するペレット供給装置10を用い、ホッパー20からのペレット30が、自重による落下ではなく、スクリューフィーダー11の回転で所定量が射出シリンダー1の供給口1aに投入されるようにする。このように、ペレット30の投入量を制御することにより、供給口1aの直下のスクリュー2のスクリューベット(スクリューのねじ溝部分)はペレットで覆われることなく、その一部が露出した状態となる。このような状態でペレットを供給することを飢餓フィードという。
飢餓状態でペレットを供給した場合、射出シリンダー1の供給口1a部分にはペレットの存在しない空隙が形成され、この空隙を経て射出シリンダー1内で発生したガス成分等が系外へ排出されるようになる。ペレット供給口1aが、ベントと同様の機能を果たすようになり、揮発成分や水蒸気の排出効率がより一層向上し、得られる成形品の色相が更に改善される。
ペレットの供給部に不活性ガスを供給しつつ飢餓フィードを行うと、ペレットの供給部に供給された不活性ガスが射出シリンダー内に侵入し易くなり、樹脂着色の原因となる成分を効果的にパージすることができる。
ペレットの供給部を減圧した状態で飢餓フィードを行うと、射出シリンダー内のガス成分を、ペレットの供給部を経て効率的に排出することができ、減圧による樹脂の酸化防止効果を高めることができる。
飢餓フィードをより確実に実施するために、本発明で用いる射出成形機のペレット供給部は、モニター手段とペレット供給量の調整手段を備えていることが好ましい。ペレット供給手段によるペレットの供給量を、ペレット供給部のモニター手段の画像解析に基づいて調整することで、より良好な飢餓フィードを行うことが可能となる。
ホッパー20内の原料樹脂ペレットを、スクリュフィーダー11により供給量を制御して射出シリンダー1の供給口1aに落下させる。この供給口1aにおけるペレットの供給状態を、供給装置10内に設けられた撮像手段により撮影し、モニターにより、常時視認可能とする。ペレットの供給量の調整は、操作者がモニターを視認しながら手動で行ってもよく、モニター画面の解析ソフトを利用して自働的に行ってもよい。
飢餓フィードを行うためのペレット供給装置は市販されており、例えば、後述の実施例で用いた日本油機製「HF−I型」等を用いることができる。
<ペレットの水分量>
射出成形機に供給する芳香族ポリカーボネート樹脂組成物のペレットは、水分量200ppm以上であることが好ましい。
揮発成分の排出効率の面から、ペレットの水分量は多い程好ましく、この水分量は300ppm以上であることがより好ましく、500ppm以上であることが更に好ましい。ただし、計量安定性の観点から、水分量は3000ppm以下であることが好ましく、2500ppm以下であることがより好ましく、2000ppm以下であることが更に好ましい。
上記の水分量のペレットは、射出成形機に供給するペレットの乾燥条件を調節することにより、或いは、前述の方法で得られたペレットを乾燥せずにそのまま用いることにより得ることができる。
通常、前述のように水槽で冷却し、ペレタイザーでペレット化して得られた芳香族ポリカーボネート樹脂組成物のペレットの水分量は500〜2000ppm程度である。本発明では、このようなペレットを乾燥を行うことなく射出成形機に供給することができる。この場合には、ペレットの乾燥工程を省略することができ、生産効率の向上を図ることもできる。
<射出成形条件>
本発明においては、上記のように、ベントを有する射出成形機を用い、好ましくは所定の水分量のペレットを飢餓フィードすること以外は、射出成形条件については通常の条件を採用することができる。例えば、シリンダー温度は260〜320℃、金型温度は60〜120℃で行うことができる。
〔成形品〕
本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂成形品の製造方法は、特に導光部材のような長尺の成形品の製造に有効である。例えば、本発明をL/D(長径/短径比)が30以上の長尺成形品の製造に適用した場合において、長さ方向においても良好な色相の成形品を得ることができる。
得られた成形品は、導光部材、特に自動車用照明装置の導光部材として有用である。
本発明により製造される芳香族ポリカーボネート樹脂成形品よりなる導光部材の構成には特に制限はなく、例えば、長尺状の本体部と、この本体部に、その長さ方向に沿って突設された複数のプリズム部とで構成されたものが挙げられる。
このような導光部材と光源を有する照明装置では、光源から、導光部材の本体部の一方の端面又は両方の端面から入射された光が、プリズム部で導光され、本体部の光出射面から出射される。
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
以下の実施例及び比較例において用いた材料は次のとおりである。
[芳香族ポリカーボネート樹脂(A)]
(A−1)界面重合法で製造されたビスフェノールA型芳香族ポリカーボネート樹脂
三菱エンジニアリングプラスチックス社製 ユーピロン(登録商標)S−3000
粘度平均分子量22,000
(A−2)界面重合法で製造されたビスフェノールA型芳香族ポリカーボネート樹脂
三菱エンジニアリングプラスチックス社製 ユーピロン(登録商標)H−4000
粘度平均分子量16,000
(A−3)界面重合法で製造されたビスフェノールA型芳香族ポリカーボネート樹脂
三菱エンジニアリングプラスチックス社製 ユーピロン(登録商標)H−7000
粘度平均分子量14,000
[リン系安定剤(B)]
(B−1)ADEKA社製、商品名「アデカスタブAS2112」(トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、第2ホスファイト系安定剤)
(B−2)ADEKA社製、商品名「アデカスタブPEP−36」(ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、第1ホスファイト系安定剤)
(B−3)Properties&Characteristics社製、商品名「Doverphos S−9228」(ビス(2,4−ジクミルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、第1ホスファイト系安定剤)
[脂肪酸エステル(C)]
(C−1)理研ビタミン(株)製、商品名「リケマールS−100A」(グリセリンモノステアレート)
[色相改良剤(D)]
(D−1)日油社製、商品名「ユニオールPB−700」(ポリブチレングリコール(ポリ(2−エチル)エチレングリコール)、数平均分子量700)
(D−2)東邦化学工業社製、商品名「ビスオール 18EN」(ビスフェノールA OH末端ポリエチレングリコール置換体、数平均分子量1,000)
(D−3)日油社製、商品名「ポリセリンDCB−1000」(ポリオキシテトラメチレングリコール−ポリオキシ(2−メチル)エチレングリコール共重合体、数平均分子量:1,000)
(D−4)ポリオキシテトラメチレングリコール−ポリオキシ(2−エチル)エチレングリコール共重合体(PTMG−PBGと略す)、数平均分子量:800
(D−5)日油社製、商品名「ユニルーブ50DB−22」(ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン−ビスフェノールAエーテル(ランダムタイプ)、数平均分子量:750)
(D−6)日油社製、商品名「ポリセリンDC−1800E」(ポリオキシテトラメチレングリコール−ポリオキシエチレングリコール共重合体、数平均分子量:1,800)
(D−7)保土谷化学社製、商品名「PTG−L」(ポリオキシテトラメチレングリコール−ポリオキシ(3−メチル)テトラメチレングリコール共重合体、数平均分子量:1,000)
(D−8)三菱ケミカル社製、商品名「PTMG1000」(ポリテトラメチレングリコール単独重合体、数平均分子量:1,000)
[実施例I−1〜6、II−1〜36]
<ペレットの製造>
表1,4〜9に示す割合となるように上記(A)〜(C)成分又は(A),(B),(D)成分を配合し、タンブラーミキサーで均一に混合し、混合物を得た。この混合物を、フルフライトスクリューとベントとを備えた単軸押出機(製品名:VS−40、いすず化工機社製)に供給し、スクリュー回転数70rpm、吐出量10kg/時間、バレル温度250℃の条件で混練し、押出ノズル先端から、ストランド状に押出した。押出物を水槽にて急冷し、ペレタイザーを用いてカットしてペレット化し、芳香族ポリカーボネート樹脂組成物のペレットを得た。
表1,4〜9において、各成分の配合割合の単位は質量部である。PC分子量は、芳香族ポリカーボネート樹脂組成物中の芳香族ポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量である。
<射出成形>
上記のようにして得られた芳香族ポリカーボネート樹脂組成物のペレットを用い、図1〜3の通り、第1ステージXが1条フライト構造で、第2ステージYが3条フライト構造であり、第2ステージYの始点部分にベントを有し、ホッパー部にはペレット供給装置(日本油機製「HF−I型」)を備えた射出成形機(住友重機社SE75DUZ)(スクリューの直径D=28cm、ミキシング部=ダルメージ型)を使用して、射出成形を行った。
ペレットのフィード方法は図7aに示す飢餓フィードとした。
ベント及びペレット供給部(ホッパー)は、以下の通り減圧とするか、或いは不活性ガスを供給して射出成形を行った。
(1) ベントを減圧する場合
ベントの開口を閉じ、ベントに減圧配管を挿入し、(株)アンレット製ドライルーツ式真空ポンプ「FT2−20」を接続して減圧した。
(2) ペレット供給部を減圧する場合
ホッパー下部のスクリューフィーダー部に減圧配管を挿入し、(株)アンレット製ドライルーツ式真空ポンプ「FT2−80」を接続して減圧した。
(3) ベントに不活性ガスを供給する場合
ベントに不活性ガスノズル(口径5mm)を挿入し、窒素ガスを供給した。
(4) ペレット供給部に不活性ガスを供給する場合
ホッパー下部のスクリューフィーダー部に不活性ガスノズル(口径5mm)を挿入し、窒素ガスを供給した。
上記(3),(4)の場合、窒素ガスは、不活性ガスノズルの近傍に設けた酸素濃度計で測定される酸素濃度が0ppm(測定限界以下)となるように、窒素ガスの流量を調整した。以下、(3),(4)の不活性ガス供給を「窒素パージ」と称す。
成形は、シリンダー温度280℃、金型温度80℃で行い、300mmの長光路成形品(6mm×4mm×300mm、L/D=75)を製造した。成形に先立ち、用いたペレットの水分量をカールフィッシャー水分計(三菱ケミカル社製水分計/VA−100)にて測定したところ、いずれも2000ppmであった。
<色相評価>
得られた長光路成形品について、長光路分光透過色計(日本電色工業社製「ASA1」)を使用して300mm長光路のYI値を測定した。
結果を表1,4〜9に示す。
[比較例I−1〜16、II−1〜42]
表1〜10に示す割合となるように上記(A)〜(C)成分又は(A),(B),(D)成分を配合し、第2ステージYが3条フライト構造ではなく2条フライト構造となっている射出成形機を用いて、表1〜10に示す条件で、実施例I−1〜6、II−1〜36と同様に射出成形を行い、同様に得られた長光路成形品の色相の評価を行った。ただし、比較例I−7、I−8、I−11〜14、II−37、II−38、II−41、II−42では、ペレットのフィード方法は図7aに示す飢餓フィードではなく、図7bに示す通常フィードとした。また、比較例I−7〜10、II−37〜40では、ベントのない射出成形機を用いた。結果を表1〜10に示す。
Figure 2018173616
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表1〜10より、第2ステージが3条以上の多条フライト構造であり、かつベントを備える射出成形機を用いて、ペレットを飢餓フィードとすると共に、ベント及びペレット供給部であるホッパーの一方に不活性ガスを供給し、かつ他方に不活性ガスを供給するか減圧しながら射出成形を行うことにより、300mm長光路において、色相が良好な芳香族ポリカーボネート樹脂成形品を得ることができることが分かる。特に、ホッパー部を減圧とし、ベント部を窒素パージすることにより、300mm長光路において著しく色相が良好な成形品を得ることができる。
これに対して、同様に飢餓フィードを行い、かつベント及びペレット供給部であるホッパーの一方に不活性ガスを供給し、かつ他方に不活性ガスを供給するか減圧しながら射出成形を行っても、射出成形機の第2ステージが2条のフライト構造であると、3条のフライト構造の場合に比べて色相に劣るものとなる。射出成形機の第2ステージが2条のフライト構造で通常フィードを行った場合やベントのない射出成形機を用いた場合には、得られる成形品の色相は更に劣るものとなる。
本発明を特定の態様を用いて詳細に説明したが、本発明の意図と範囲を離れることなく様々な変更が可能であることは当業者に明らかである。
本出願は、2017年3月23日付で出願された日本特許出願2017−057666、2017年3月23日付で出願された日本特許出願2017−057667及び2017年3月31日付で出願された日本特許出願2017−071398に基づいており、その全体が引用により援用される。
1 射出シリンダー
2 スクリュー
2A 1条フライト部
2B 多条フライト部
2M ミキシング部
X 第1ステージ
Y 第2ステージ
3 射出ノズル
4 加熱用ヒーター
5A,5B ベント
6A,7A 減圧用配管
6B,7B 不活性ガスノズル
10 ペレット供給装置
11 スクリューフィーダー
20 ホッパー
30 ペレット

Claims (21)

  1. 粘度平均分子量10,000〜30,000の芳香族ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対し、少なくとも1種類の安定剤(B)を0.01〜0.5質量部含むポリカーボネート樹脂組成物のペレットを、射出成形機で成形して芳香族ポリカーボネート樹脂成形品を製造する方法であって、
    該射出成形機として、
    射出シリンダーと、該射出シリンダー内に回転可能に支持された、螺旋状のフライトを有するスクリューと、該射出シリンダーの基端側に設けられたペレット供給部と、該射出シリンダーの先端側に設けられた射出ノズルと、該射出シリンダーの途中部分に設けられたベントとを有し、
    該ベントよりも上流側の第1ステージと、該第1ステージの下流側の第2ステージを経て溶融混練が行われる射出成形機であって、
    該第2ステージにおける該スクリューのフライトは、3条以上の多条フライト構造とされている射出成形機を用い、
    該ペレットを、該射出成形機の該ペレット供給部に飢餓状態で供給すると共に、
    前記ベント及び該ペレット供給部の一方に不活性ガスを供給し、かつ他方に不活性ガスを供給するか或いは減圧しながら射出成形することを特徴とする芳香族ポリカーボネート樹脂成形品の製造方法。
  2. 請求項1において、前記ポリカーボネート樹脂組成物が、さらに脂肪酸エステル(C)を0.05〜2質量部含むことを特徴とする芳香族ポリカーボネート樹脂成形品の製造方法。
  3. 請求項1において、前記ポリカーボネート樹脂組成物が、さらに色相改良剤(D)を0.05〜2質量部含むことを特徴とする芳香族ポリカーボネート樹脂成形品の製造方法。
  4. 前記第2ステージにおけるフライトのピッチ幅が、前記第1ステージにおけるフライトのピッチ幅よりも大きく、該第2ステージのフライトにより形成される1ピッチ当たりの溝部の断面積が、該第1ステージのフライトにより形成される1ピッチ当たりの溝部の断面積よりも小さいことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の芳香族ポリカーボネート樹脂成形品の製造方法。
  5. 前記ペレットの水分量が200ppm以上であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の芳香族ポリカーボネート樹脂成形品の製造方法。
  6. 前記芳香族ポリカーボネート樹脂(A)の粘度平均分子量が13,000〜25,000であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の芳香族ポリカーボネート樹脂成形品の製造方法。
  7. 前記安定剤(B)が、スピロ環骨格を有するホスファイト系安定剤と、スピロ環骨格を有さないホスファイト系安定剤とを含み、前記芳香族ポリカーボネート樹脂組成物中の該スピロ環骨格を有するホスファイト系安定剤の含有量が、該スピロ環骨格を有さないホスファイト系安定剤の含有量よりも少ないことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の芳香族ポリカーボネート樹脂成形品の製造方法。
  8. 前記色相改良剤(D)が、ポリアルキレングリコール化合物であることを特徴とする請求項3乃至7のいずれか1項に記載の芳香族ポリカーボネート樹脂成形品の製造方法。
  9. 前記ポリアルキレングリコール化合物が、下記一般式(III−1)で表される分岐型ポリアルキレングリコール化合物及び/又は下記一般式(III−2)で表される直鎖型ポリアルキレングリコール化合物であることを特徴とする請求項8に記載の芳香族ポリカーボネート樹脂成形品の製造方法。
    Figure 2018173616
    一般式(III−1)中、Rは炭素数1〜3のアルキル基を示す。XおよびYは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜23の脂肪族アシル基、又は炭素数1〜23のアルキル基を示し、nは10〜400の整数を示す。
    Figure 2018173616
    一般式(III−2)中、X及びYは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数2〜23の脂肪族アシル基又は炭素数1〜22のアルキル基を示す。mは2〜6の整数、pは6〜100の整数を示す。
  10. 前記分岐型ポリアルキレングリコール化合物がポリプロピレングリコール(ポリ(2−メチル)エチレングリコール)および/又はポリブチレングリコール(ポリ(2−エチル)エチレングリコール)であることを特徴とする請求項9に記載の芳香族ポリカーボネート樹脂成形品の製造方法。
  11. 前記直鎖型ポリアルキレングリコール化合物がポリテトラメチレングリコール単独重合体であることを特徴とする請求項9に記載の芳香族ポリカーボネート樹脂成形品の製造方法。
  12. 前記ポリアルキレングリコール化合物が、下記一般式(I)で表される直鎖アルキレンエーテル単位と下記一般式(II−1)又は下記一般式(II−3)で表される分岐アルキレンエーテル単位を有するポリアルキレングリコール共重合体であることを特徴とする請求項8に記載の芳香族ポリカーボネート樹脂成形品の製造方法。
    Figure 2018173616
    一般式(I)中、nは3〜6の整数を示す。
    Figure 2018173616
    一般式(II−1)中、R〜Rは各々独立に水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を示す。R〜Rの少なくとも1つは炭素数1〜3のアルキル基である。
    Figure 2018173616
    一般式(II−3)中、R〜Rは各々独立に水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を示す。R〜Rの少なくとも1つは炭素数1〜3のアルキル基である。
  13. 前記一般式(I)で示される直鎖アルキレンエーテル単位が、グリコールとして、該一般式(I)におけるnが4であるテトラメチレングリコールであることを特徴とする請求項12に記載の芳香族ポリカーボネート樹脂成形品の製造方法。
  14. 前記一般式(II−1)で示される分岐アルキレンエーテル単位が、グリコールとして、(2−メチル)エチレングリコール(プロピレングリコール)及び/又は(2−エチル)エチレングリコール(ブチレングリコール)であることを特徴とする請求項12又は13に記載の芳香族ポリカーボネート樹脂成形品の製造方法。
  15. 前記一般式(II−3)で示される分岐アルキレンエーテル単位が、グリコールとして、(3−メチル)テトラメチレングリコールであることを特徴とする請求項12又は13に記載の芳香族ポリカーボネート樹脂成形品の製造方法。
  16. 前記色相改良剤(D)が、下記一般式(3)で表されるジオール化合物であることを特徴とする請求項3乃至7のいずれか1項に記載の芳香族ポリカーボネート樹脂成形品の製造方法。
    Figure 2018173616
    一般式(3)中、Zは単結合又は−C(CH−を表す。R21,R22はそれぞれ独立に、水素原子、又は炭素数1〜3のアルキル基を表す。
  17. 前記一般式(3)におけるR21,R22が、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基であることを特徴とする請求項16に記載の芳香族ポリカーボネート樹脂成形品の製造方法。
  18. 請求項1乃至17のいずれか1項に記載の香族ポリカーボネート樹脂成形品の製造方法により製造された芳香族ポリカーボーネート樹脂成形品。
  19. 導光部材である請求項18に記載の芳香族ポリカーボネート樹脂成形品。
  20. L/Dが30以上の長尺の成形品である請求項18又は19に記載の芳香族ポリカーボネート樹脂成形品。
  21. 請求項1乃至17のいずれか1項に記載の芳香族ポリカーボネート樹脂成形品の製造方法により製造された芳香族ポリカーボーネート樹脂成形品より導光部材を製造することを特徴とする導光部材の製造方法。
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