JPWO2018159099A1 - モータ制御方法、モータ制御システムおよび電動パワーステアリングシステム - Google Patents

モータ制御方法、モータ制御システムおよび電動パワーステアリングシステム Download PDF

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Abstract

モータ制御方法は、αβ固定座標系またはdq回転座標系を基準とした、フェーザ表示による、電機子磁束、合成磁束、ステータ電流およびステータ電圧を獲得するステップと、ステータ電流とステータ電圧との間の角度Φを演算するステップと、式(1)に基づいてトルク角δを演算するステップであって、【数1】ここで、Ψaは電機子磁束の大きさを示し、Ψsは合成磁束の大きさを示す、ステップと、トルク角δに基づいて表面磁石型モータを制御するステップと、を包含する。

Description

本開示は、モータ制御方法、モータ制御システムおよび電動パワーステアリングシステムに関する。
近年、電気駆動システムが様々な応用分野に広く用いられる。電気駆動システムとして、例えばモータ制御システムが挙げられる。モータ制御システムは、例えばベクトル制御を用いて電動モータ(以下、「モータ」と表記する。)を制御する。ベクトル制御には、例えば、電流センサおよび位置センサを用いる方式(以下、「センサ制御」と称する。)と、電流センサのみを用いる方式(以下、「センサレス制御」と称する。)と、がある。センサ制御では、位置センサの測定値に基づいてロータの位置(以下、「ロータ角」と称する。)が算出される。一方、センサレス制御では、ロータ角は、電流センサによって測定される電流などに基づいて推定される。
ベクトル制御には、一般にトルク情報が必要とされる。トルクは、例えばモータのトルク角に基づいて演算することが可能である。特に、センサレス制御では、トルク角に基づいてロータ角を推定することが求められる。このように、ベクトル制御の精度向上には、トルク角を正確に取得することが不可欠とされる。例えば、センサ制御において、トルク角は、dq回転座標系における変数を用いて演算できることが知られている。トルク角は負荷角とも称される。
特許文献1は、いわゆるオブザーバを用いてトルク角を推定するセンサレス制御を開示する。具体的に説明すると、オブザーバは、電流センサで測定された電流値に基づいてロータ角を推定し、さらに、推定されたロータ角に基づいてフィードバック・トルク角を推定する。特許文献2は、トルクの推定値に基づいてトルク角を求める演算式を開示する。
特表2007−525137号公報 中国特許出願公開第103684169号明細書
Ghaderi, Ahmad, and Tsuyoshi Hanamoto. "Wide-speed-range sensorless vector control of synchronous reluctance motors based on extended programmable cascaded low-pass filters." IEEE Transactions on Industrial Electronics, Vol. 58, No. 6, (June 2011), p.2322-2333.
センサ制御に利用される、dq回転座標系における変数に基づくトルク角の演算は、センサレス制御には適用できない場合がある。その理由は以下のとおりである。dq回転座標系は、ロータと共に回転する回転座標系であり、ロータ角および回転速度に基づいて設定される座標系である。一方で、センサレス制御では、ロータ角の推定にトルク角が必要とされることがある。その場合、センサレス制御において、dq回転座標系における変数に依存しない、トルク角を求める手法が求められる。
センサレス制御において、特許文献1に開示されているようなオブザーバを用いるトルク角の推定は、通常、モータに関する様々のパラメータ(例えば、電機子インダクタンスおよびリアクタンス)を必要とし、かつ、それらに強く影響を受ける。例えば非特許文献1で言及されているように、オブザーバを用いる推定は、特に初期値およびノイズ共分散行列に強く依存するとされている。その結果、それらの値および行列を誤って選択すると、モータ制御を不安定にさせる可能性がある。さらに、オブザーバによる推定には、より複雑な演算が必要とされる。そのため、コンピュータに対する演算負荷が増大するといった課題が生じる。以上の理由により、センサレス制御において、複雑な演算を特に必要としない、トルク角を推定するための手法が望まれる。
本開示の実施形態は、センサレス制御において、dq回転座標系における変数に依存せずにトルク角を推定することが可能な、新規なモータ制御方法、モータ制御システム、および、当該モータ制御システムを有する電動パワーステアリングシステムを提供する。
本開示の例示的なモータ制御方法は、表面磁石型モータを制御するモータ制御方法であって、αβ固定座標系またはdq回転座標系を基準とした、フェーザ表示による、電機子磁束、合成磁束、ステータ電流およびステータ電圧を獲得するステップと、前記ステータ電流と前記ステータ電圧との間の角度Φを演算するステップと、式(1)に基づいてトルク角δを演算するステップであって、
Figure 2018159099
ここで、Ψaは前記電機子磁束の大きさを示し、Ψsは前記合成磁束の大きさを示す、ステップと、前記トルク角δに基づいて前記表面磁石型モータを制御するステップと、を包含する。
本開示の例示的な他のモータ制御方法は、表面磁石型モータを制御するモータ制御方法であって、αβ固定座標系またはdq回転座標系を基準とした、フェーザ表示による、合成磁束、ステータ電流およびステータ電圧を獲得するステップと、前記ステータ電流と前記ステータ電圧との間の角度Φを演算するステップと、式(2)に基づいてトルク角δを演算するステップであって、
Figure 2018159099
ここで、Lは電機子インダクタンスであり、Ψsは前記合成磁束の大きさを示し、Isは前記ステータ電流の大きさを示す、ステップと、前記トルク角δに基づいて前記表面磁石型モータを制御するステップと、を包含する。
本開示の例示的なモータ制御システムは、表面磁石型モータと、前記表面磁石型モータを制御する制御回路と、を有し、前記制御回路は、αβ固定座標系またはdq回転座標系を基準とした、フェーザ表示による、電機子磁束、合成磁束、ステータ電流およびステータ電圧を獲得し、前記ステータ電流と前記ステータ電圧との間の角度Φを演算し、式(3)に基づいてトルク角δを演算し、
Figure 2018159099
ここで、Ψaは前記電機子磁束の大きさを示し、Ψsは前記合成磁束の大きさを示し、前記トルク角δに基づいて前記表面磁石型モータを制御する。
本開示の例示的な他のモータ制御システムは、表面磁石型モータと、前記表面磁石型モータを制御する制御回路と、を有し、前記制御回路は、αβ固定座標系またはdq回転座標系を基準とした、フェーザ表示による、合成磁束、ステータ電流およびステータ電圧を獲得し、前記ステータ電流と前記ステータ電圧との間の角度Φを演算し、式(4)に基づいてトルク角δを演算し、
Figure 2018159099
ここで、Lは電機子インダクタンスであり、Ψsは前記合成磁束の大きさを示し、Isは前記ステータ電流の大きさを示し、前記トルク角δに基づいて前記表面磁石型モータを制御する。
本開示の例示的な実施形態によると、センサレス制御において、dq回転座標系における変数に依存せずにトルク角を求めることが可能な、新規なモータ制御方法、モータ制御システム、および当該モータ制御システムを有する電動パワーステアリングシステムが提供される。
図1は、実施形態1によるモータ制御システム1000のハードウェアブロックを示すブロック図である。 図2は、実施形態1によるモータ制御システム1000中のインバータ300のハードウェア構成を示すブロック図である。 図3は、実施形態1の変形例によるモータ制御システム1000のハードウェアブロックを示すブロック図である。 図4は、コントローラ100の機能ブロック示す機能ブロック図である。 図5は、変数I、Ψ、ΦおよびVを表示するフェーザ図である。 図6は、αβ固定座標系またはdq回転座標系における合成磁束Ψを表示するフェーザ図である。 図7は、ロータ磁束Ψ、電機子磁束Ψおよび合成磁束Ψを表すフェーザ図である。 図8は、所定期間内の、トルクの波形(上)、三相電流の波形(中間)、および、三相電圧の波形(下)を示すグラフである。 図9は、本開示の演算式を用いて推定された所定期間内のトルク角(度)、および、トルク角の実測値の波形を示すグラフである。 図10は、実施形態2によるEPSシステム2000の典型的な構成を示す模式図である。
以下、添付の図面を参照しながら、本開示のモータ制御方法、モータ制御システム、および当該モータ制御システムを有する電動パワーステアリングシステムの実施形態を詳細に説明する。但し、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするため、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。

(実施形態1)

〔モータ制御システム1000の構成〕

図1は、本実施形態によるモータ制御システム1000のハードウェアブロックを模式的に示す。
モータ制御システム1000は、典型的に、モータMと、コントローラ(制御回路)100と、駆動回路200と、インバータ(「インバータ回路」とも称される。)300と、複数の電流センサ400と、アナログデジタル変換回路(以下、「ADコンバータ」と表記する。)500と、ROM(Read Only Memory)600とを有する。モータ制御システム1000は、モジュール化され、例えば、モータ、センサ、ドライバおよびコントローラを有するモータモジュールとして製造および販売され得る。本明細書では、構成要素としてモータMを有するシステムを例に、モータ制御システム1000を説明する。ただし、モータ制御システム1000は、構成要素としてモータMを有しない、モータMを駆動するためのシステムであってもよい。
モータMは、表面磁石型(SPM)モータであり、例えば表面磁石型同期モータ(SPMSM)である。モータMは、例えば三相(U相、V相およびW相)の巻線(不図示)を有する。三相の巻線は、インバータ300に電気的に接続される。三相モータに限らず、五相、七相などの多相モータも本開示の範疇である。本明細書では、三相モータを制御するモータ制御システムを例に、本開示の実施形態を説明する。
コントローラ100は、例えばマイクロコントロールユニット(MCU)である。または、コントローラ100は、例えば、CPUコアが組み込まれたフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)によっても実現し得る。
コントローラ100は、モータ制御システム1000の全体を制御し、例えばベクトル制御によってモータMのトルクおよび回転速度を制御する。モータMは、ベクトル制御に限らず、他のクローズドループ制御によっても制御され得る。回転速度は、単位時間(例えば1分間)にロータが回転する回転数(rpm)または単位時間(例えば1秒間)にロータが回転する回転数(rps)で表される。ベクトル制御は、モータに流れる電流を、トルクの発生に寄与する電流成分と、磁束の発生に寄与する電流成分とに分解し、互いに直交する各電流成分を独立に制御する方法である。コントローラ100は、例えば、複数の電流センサ400によって測定された実電流値、および実電流値に基づいて推定されたロータ角などに従って目標電流値を設定する。コントローラ100は、その目標電流値に基づいてPWM(Pulse Width Modulation)信号を生成し、駆動回路200に出力する。
駆動回路200は、例えばゲートドライバである。駆動回路200は、インバータ300におけるスイッチング素子のスイッチング動作を制御する制御信号を、コントローラ100から出力されるPWM信号に従って生成する。後述するように、駆動回路200は、コントローラ100に実装されていてもよい。
インバータ300は、例えば直流電源(不図示)から供給される直流電力を交流電力に変換し、変換された交流電力でモータMを駆動する。例えば、インバータ300は、駆動回路200から出力される制御信号に基づいて、直流電力を、U相、V相およびW相の擬似正弦波である三相交流電力に変換する。この変換された三相交流電力でモータMは駆動される。
複数の電流センサ400は、モータMのU相、V相およびW相の巻線に流れる少なくとも2つの電流を検出する少なくとも2つの電流センサを有する。本実施形態では、複数の電流センサ400は、U相およびV相に流れる電流を検出する2つの電流センサ400A、400B(図2を参照)を有する。当然に、複数の電流センサ400は、U相、V相およびW相の巻線に流れる3つの電流を検出する3つの電流センサを有していてもよいし、例えばV相およびW相に流れる電流またはW相およびU相に流れる電流を検出する2つの電流センサを有していてもよい。電流センサは、例えば、シャント抵抗、およびシャント抵抗に流れる電流を検出する電流検出回路(不図示)を有する。シャント抵抗の抵抗値は、例えば0.1Ω程度である。
ADコンバータ500は、複数の電流センサ400から出力されるアナログ信号をサンプリングしてデジタル信号に変換し、この変換したデジタル信号をコントローラ100に出力する。コントローラ100がAD変換を行ってもよい。その場合、複数の電流センサ400は、アナログ信号をコントローラ100に直接出力する。
ROM600は、例えば書き込み可能なメモリ(例えばPROM)、書き換え可能なメモリ(例えばフラッシュメモリ)または読み出し専用のメモリである。ROM600は、コントローラ100にモータMを制御させるための命令群を有する制御プログラムを格納する。例えば、制御プログラムはブート時にRAM(不図示)に一旦展開される。ROM600は、コントローラ100に外付けされる必要はなく、コントローラ100に搭載されていてもよい。ROM600を搭載したコントローラ100は、例えば上述したMCUであり得る。
図2を参照して、インバータ300のハードウェア構成を詳細に説明する。
図2は、本実施形態によるモータ制御システム1000中のインバータ300のハードウェア構成を模式的に示す。
インバータ300は、3個のローサイドスイッチング素子および3個のハイサイドスイッチング素子を有する。図示されるスイッチング素子SW_L1、SW_L2およびSW_L3がローサイドスイッチング素子であり、スイッチング素子SW_H1、SW_H2およびSW_H3が、ハイサイドスイッチング素子である。スイッチング素子として、例えば、電界効果トランジスタ(FET、典型的にはMOSFET)または絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)などの半導体スイッチ素子を用いることができる。スイッチング素子は、モータMに向けて流れる回生電流を流す還流ダイオードを有する。
図2に、U相およびV相に流れる電流を検出する2つの電流センサ400A、400Bのシャント抵抗Rsを示す。図示されるように、例えばシャント抵抗Rsは、ローサイドスイッチング素子とグランドとの間に電気的に接続され得る。または、例えばシャント抵抗Rsは、ハイサイドスイッチング素子と電源との間に電気的に接続され得る。
コントローラ100は、例えばベクトル制御に基づく三相通電による制御(以下、「三相通電制御」と表記する。)を行うことによってモータMを駆動することができる。例えば、コントローラ100は、三相通電制御を行うためのPWM信号を生成し、そのPWM信号を駆動回路200に出力する。駆動回路200は、インバータ300中の各FETのスイッチング動作を制御するゲート制御信号をPWM信号に基づいて生成し、各FETのゲートに与える。
図3は、本実施形態の変形例によるモータ制御システム1000のハードウェアブロックを模式的に示す。
図示されるように、モータ制御システム1000は、駆動回路200を有していなくてもよい。その場合、コントローラ100は、インバータ300の各FETのスイッチング動作を直接制御することが可能なポートを有する。具体的に説明すると、コントローラ100は、ゲート制御信号をPWM信号に基づいて生成することが可能である。コントローラ100は、そのポートを介してゲート制御信号を出力し、そのゲート制御信号を各FETのゲートに与えることができる。
図3に示されるように、モータ制御システム1000は、位置センサ700をさらに有していてもよい。位置センサ700は、モータMに配置され、ロータ角を検出してコントローラ100に出力する。位置センサ700は、例えば磁気抵抗(MR)素子を有するMRセンサとセンサマグネットとの組み合わせによって実現される。位置センサ700は、例えば、ホール素子を含むホールICまたはレゾルバを用いても実現される。
モータ制御システム1000は、位置センサ700の代わりに、例えば、速度センサまたは加速度センサを有し得る。コントローラ100は、位置センサとして速度センサを用いる場合、回転速度信号または角速度信号に積分処理等を行うことによりロータ角、つまり、回転角を算出することができる。角速度は、1秒間にロータが回転する角度(rad/s)で表される。また、コントローラ100は、位置センサとして加速度センサを用いる場合、角加速度信号に積分処理等を行うことにより回転角を算出することができる。
本開示のモータ制御システムは、例えば図1および2に示されるような、位置センサを有しない、センサレス制御を行うためのモータ制御システムに利用され得る。また、本開示のモータ制御システムは、例えば図3に示されるような、位置センサを有する、センサ制御を行うためのモータ制御システムにも利用され得る。
以下、図4から図7を参照しながら、センサレス制御用のモータ制御システムを例に、そのシステムに用いられるモータ制御方法の具体例を説明し、トルク角の推定に用いる演算を主に説明する。本開示のモータ制御方法は、トルク角の推定が要求される、SPMモータを制御するための様々なモータ制御システムに利用され得る。
〔モータ制御システム1000の制御方法〕

モータ制御システム1000の制御方法の概要は以下のとおりである。
まず、電流センサ400で測定された三相電流I、IおよびIをαβ固定座標系におけるα軸およびβ軸上の電流Iα、Iβに変換する。次に、電流Iα、Iβに基づいて、位相角ρを演算し、かつ、ステータ電流I、合成磁束Ψ、および、ステータ電圧Vとステータ電流Iとの間の角度Φ(以降、「位相角Φ」と表記する。)を演算する。次に、ステータ電流I、合成磁束Ψおよび位相角Φに基づいてトルク角δを推定し、かつ、モータ制御に必要なトルクTおよびロータ角θをトルク角δに基づいて決定する。最終的に、トルクTおよびロータ角θに基づいてモータMを制御する。
本実施形態によるモータ制御方法を実現するためのアルゴリズムは、例えば特定用途向け集積回路(ASIC)またはFPGAなどのハードウェアのみで実現することもできるし、ハードおよびソフトウェアの組み合わせによっても実現することができる。
図4は、トルク角δを推定するための、コントローラ100の機能ブロックを模式的に示す。本明細書において、機能ブロック図における各ブロックは、ハードウェア単位ではなく機能ブロック単位で示される。モータ制御用ソフトウェアは、例えば、各機能ブロックに対応した特定の処理を実行させるためのコンピュータプログラムを構成するモジュールであり得る。そのようなコンピュータプログラムは、例えばROM600に格納される。
図4に示されるように、コントローラ100は、例えば、プレ演算ユニット110、トルク角演算ユニット120、位相角演算ユニット130、ロータ角演算ユニット140、トルク演算ユニット150およびモータ制御ユニット160を有する。コントローラ100は、ステータ電流I、合成磁束Ψおよび位相角Φに基づいてトルク角δを演算することができる。本明細書において、説明の便宜上、各機能ブロックをユニットと表記することとする。当然に、この表記は、各機能ブロックを、ハードウェアまたはソフトウェアに限定解釈する意図で用いられない。
各機能ブロックがソフトウェアとしてコントローラ100に実装される場合、そのソフトウェアの実行主体は、例えばコントローラ100のコアであり得る。上述したように、コントローラ100は、FPGAによって実現され得る。その場合、全てまたは一部の機能ブロックは、ハードウェアで実現され得る。
複数のFPGAを用いて処理を分散させることにより、特定のコンピュータの演算負荷を分散させることができる。その場合、図4に示される機能ブロックの全てまたは一部は、その複数のFPGAに分散して実装され得る。複数のFPGAは、例えば車載のコントロールエリアネットワーク(CAN)によって互いに通信可能に接続され、データの送受信がなされる。
例えば三相通電制御において、各相を流れる電流の総和は理想的にゼロになる。本明細書において、モータMのU相の巻線に流れる電流をI、モータMのV相の巻線に流れる電流をI、および、モータMのW相の巻線に流れる電流をIとする。電流I、IおよびIの総和はゼロになる。
コントローラ100(例えばCPUコア)は、電流I、IおよびIのうちの2つの電流を受け取って残りの1つの電流を演算により求める。本実施形態では、コントローラ100は、電流センサ400Aで測定された電流Iおよび電流センサ400Bで測定された電流Iを取得する。コントローラ100は、電流I、IおよびIの総和はゼロになる上記関係を用いて、電流I、Iに基づいて電流Iを演算する。3つの電流センサを用いて電流I、IおよびIを測定し、それらをADコンバータ500を介してコントローラ100に入力する構成を採用しても構わない。
コントローラ100は、ベクトル制御などに用いられるいわゆるクラーク変換を用いて、電流I、IおよびIを、αβ固定座標系における、α軸上の電流Iαおよびβ軸上の電流Iβに変換することができる。ここで、αβ固定座標系は静止座標系である。三相のうちの一相の方向(例えばU相方向)がα軸であり、α軸と直交する方向がβ軸である。
コントローラ100はさらに、クラーク変換を用いて、リファレンス電圧V 、V およびV を、αβ固定座標系における、α軸上のリファレンス電圧Vα およびβ軸上のリファレンス電圧Vβ に変換する。リファレンス電圧V 、V およびV は、インバータ300の各スイッチング素子を制御するための、上述したPWM信号を表す。
例えば、電流Iα、Iβ、リファレンス電圧Vα およびVβ を求める演算は、コントローラ100のモータ制御ユニット160によっても実行され得る。電流Iα、Iβ、リファレンス電圧Vα およびVβ は、プレ演算ユニット110および位相角演算ユニット130に入力される。
本実施形態によるモータ制御において、ステータ電流I、合成磁束Ψおよび位相角Φは、変数として与えられ、電機子抵抗R(mΩ)、電機子インダクタンスL(μH)およびロータ磁束Ψ(Wb)は、パラメータとして与えられる。ここで、ロータ磁束Ψは、ロータの永久磁石の磁束の大きさを示す。
プレ演算ユニット110は、電流Iα、Iβ、リファレンス電圧Vα およびVβ に基づいて、αβ固定座標系またはdq回転座標系を基準とした、変数I、ΨおよびΦを獲得する。プレ演算ユニット110は、後段のトルク角演算ユニット120に上記の変数を渡すためにプレ演算を行うためのユニットである。
図5は、変数I、Ψ、ΦおよびVを表示するフェーザ図である。図6は、αβ固定座標系またはdq回転座標系における合成磁束Ψを表示するフェーザ図である。図示される変数はすべてフェーザ表示によって表される。以下、各変数をフェーザとして扱う。

<変数:ステータ電流I

プレ演算ユニット110は、式(1)に基づいてフェーザ図におけるステータ電流Iを演算する。

=(Iα +Iβ 1/2 式(1)
<変数:合成磁束Ψ

プレ演算ユニット110は、電流Iα、Iβ、リファレンス電圧Vα およびVβ に基づいてフェーザ図における合成磁束Ψを演算する。具体的に説明すると、プレ演算ユニット110は、式(2)から(4)に基づいて合成磁束Ψを演算する。合成磁束Ψは、図5に示されるように、ロータ磁束Ψに電機子磁束Ψ(=L・I)を加算することにより得られる。
プレ演算ユニット110は、例えば、式(2)に基づいて合成磁束Ψのα軸上の成分Ψαを演算する。プレ演算ユニット110は、式(3)に基づいて合成磁束Ψのβ軸上の成分Ψβを演算する。ここで、式(2)および(3)の中のLPFは、ローパスフィルタによる処理を意味する。高調波を除去する目的で、例えばコントローラ100が有する汎用ローパスフィルタを用いることができる。合成磁束Ψは、式(4)で表される。

Ψα=LPF(Vα −R・Iα) 式(2)

Ψβ=LPF(Vβ −R・Iβ) 式(3)

Ψ=(Ψα +Ψβ 1/2 式(4)
<変数:位相角Φ>

プレ演算ユニット110は、電流Iα、Iβ、リファレンス電圧Vα およびVβ に基づいてα軸上の逆起電力成分BEMFαおよびβ軸上の逆起電力成分BEMFβを演算する、具体的に説明すると、プレ演算ユニット110は、式(5)および(6)に基づいて逆起電力成分BEMFα、BEMFβを演算する。

BEMFα=Vα −R・Iα 式(5)

BEMFβ=Vβ −R・Iβ 式(6)
プレ演算ユニット110は、式(7)に基づいてフェーザ図におけるステータ電圧Vを演算する。ステータ電圧Vは、逆起電力電圧に対応した電圧である。このように、本明細書では、逆起電力電圧をステータ電圧と呼ぶ。

=(BEMFα +BEMFβ 1/2 式(7)
位相角Φは、図5に示されるように、例えばdq回転座標系において、ステータ電流Iとステータ電圧Vとの間の角度で表され、反時計方向を正の方向とする角度である。ここで、dq回転座標系は、ロータと共に回転する回転座標系である。
プレ演算ユニット110は、式(8)に基づいて位相角Φを演算する。ここで、「arg」は、フェーザの偏角を表す演算子である。位相角Φは2つのフェーザの偏角の差を表す。

Φ=arg(V)−arg(I) 式(8)
プレ演算ユニット110は、変数I、ΨおよびΦをトルク角演算ユニット120に出力する。コントローラ100とは異なる他のハードウェア(例えば、FPGA)が変数I、ΨおよびΦを演算してもよい。トルク角演算ユニット120は、他のハードウェアから変数I、ΨおよびΦを受け取ることにより、それらを獲得してもよい。このような構成によると、コントローラ100の演算負荷を低減することが可能となる。
トルク角演算ユニット120は、パラメータL、Ψ、変数I、ΨおよびΦに基づいてトルク角δを演算する。トルク角δは、図6において、例えばdq回転座標系における合成磁束Ψとd軸との間の角度で表され、反時計方向を正の方向とする角度である。
図7は、ロータ磁束Ψ、電機子磁束Ψおよび合成磁束Ψを表すフェーザ図である。
ロータ磁束Ψ、電機子磁束Ψおよび合成磁束Ψから構成される三角形を考える。ロータ磁束Ψの終点から合成磁束Ψに引いた垂線Hの長さをhとし、垂線の足をfとする。合成磁束Ψは、垂線Hによって、2つの部分に分割される。それぞれの部分の長さをx1、x2とする。長さh、x1およびx2は、式(9)から(11)によってそれぞれ表すことができる。

h=Ψsin(90−Φ) 式(9)

x1=Ψcos(90−Φ) 式(10)

x2=Ψ−x1=Ψ−Ψcos(90−Φ) 式(11)
cot(δ)(=1/tan(δ))を、式(9)から(11)を用いて変形すると、式(12)が得られる。

Figure 2018159099
Ψa=L・Iの関係を用いて、式(12)のアークコタンジェントを計算すると、δは式(13)によって表される。

Figure 2018159099
cot(δ)=tan(90−δ)の関係から、δ=90−tan−1〔cot(δ)〕の関係が得られる。この関係式の右辺のδに式(13)のδを代入すると、式(14)が得られる。

Figure 2018159099
さらに、cot(δ)=1/tan(δ)の関係から、式(14)は式(15)に変形される。

Figure 2018159099
トルク角演算ユニット120は、トルク角δをトルク演算ユニット150およびロータ角演算ユニット140に出力する。式(14)および(15)に示されるように、トルク角δの推定に、dq回転座標系における変数およびロータ磁束Ψは必要とされない。本実施形態によれば、パラメータL、Ψ、変数I、ΨおよびΦに基づいてトルク角δを演算することが可能となる。
位相角演算ユニット130は、電流Iα、Iβ、リファレンス電圧Vα およびVβ に基づいて位相角ρを推定する。位相角演算ユニット130は、プレ演算ユニットと同様に、例えば上記の式(2)および(3)に基づいて磁束成分Ψα、Ψβを演算する。位相角演算ユニット130はさらに、例えば式(16)に基づいて位相角ρを演算する。位相角ρは、例えば図6に示されるように、αβ固定座標系において、合成磁束Ψとα軸との間の角度で表され、反時計方向を正の方向とする角度である。位相角演算ユニット130は、位相角ρをロータ角演算ユニット140に出力する。

ρ=tan−1(Ψβ/Ψα) 式(16)
ロータ角演算ユニット140は、トルク角δおよび位相角ρに基づいてロータ角θを演算する。トルク角δ、位相角ρおよびロータ角θの関係は、図6に示されるとおりである。ロータ角演算ユニット140は、式(17)に基づいてロータ角θを演算し、推定することができる。

θ=ρ−δ 式(17)
トルク演算ユニット150は、トルク角δに基づいてトルクTを演算する。SPMモータを用いる場合、突極比(Ld/Lq)は1(つまり、L=Ld=Lq)となる。その場合、電機子に働くトルクの反作用として、トルクTは式(18)によって表されることが知られている。トルク演算ユニット150は、例えば式(18)に基づいてトルクTを演算することができる。

Figure 2018159099

ここでPはモータ極対数を示すパラメータである。
モータ制御ユニット160は、トルクTおよびロータ角θに基づいてモータMを制御することができる。モータ制御ユニット160は、例えば一般的なベクトル制御に必要な演算を行う。ベクトル制御は周知の技術であるので、その制御についての詳細な説明は省略する。
本実施形態によると、センサレス制御において、dq回転座標系における変数に依存せずにトルク角を求めることが可能となる。また、トルク角の推定に複雑な演算は特に必要されないので、コンピュータに対する負荷を低減することが可能となり、かつ、メモリコストを低減することが可能となる。
以下に、本開示によるトルク角δの演算の妥当性を、dSPACE社の”ラピッドコントロールプロトタイピング(RCP)システム”およびMathWorks社のMatlab/Simulinkを用いて検証した結果を示す。この検証には、ベクトル制御により制御を受けるSPMモータのモデルが用いられた。表1には、検証時の各種システムパラメータの値が示される。
Figure 2018159099
図8は、所定期間内(0.35秒から0.38秒までの0.03秒)の、トルクの波形(上)、三相電流の波形(中間)、および、三相電圧の波形(下)を示す。図9は、本開示の演算式を用いて推定された所定期間内のトルク角(度)、および、トルク角の実測値の波形を示す。図8および図9の横軸は時間(ms)を表す。図8の縦軸は、上側から順番に、トルクの大きさ(N・m)、電流値(mA)および電圧値(V)を表す。図9の縦軸は、トルク角の大きさ(度)を表す。
図8のシミュレーション結果から、ベクトル制御が適切になされていることが分かる。また、図9のシミュレーション結果から、本開示の演算式を用いて推定されたトルク角δ、および、実測値は類似することが分かる。より詳細には、推定されたトルク角δと実測値との誤差は約1度である。センサレス制御において、一般に、その誤差の許容値は10度程度とされている。本シミュレーション結果から得られた誤差は、その許容値の範囲に十分に収まる値である。
以上のシミュレーション結果から、本明細書に提案する、トルク角を演算するための手法を用いることにより、センサレス制御においてトルク角を精度よく推定できることが分かる。
本開示によるトルク角δの推定手法は、上述したとおり、センサレス制御に限らず、図3に示されるセンサ制御用のモータ制御システムにも好適に利用され得る。
図3に示されるモータ制御システム1000中のコントローラ100は、dq回転座標系における変数に基づいてトルク角δを演算することができる。コントローラ100は、例えば式(18)に基づいてトルク角δを演算することが可能である(図5を参照)。

δ=tan−1〔(V−R・I)/(V−R・I)〕 式(18)

ここで、Vは電機子電圧のd軸上の電圧成分であり、Vは電機子電圧のq軸上の電圧成分である。Iは電機子電流のd軸上の電流成分であり、Iは電機子電流のq軸上の電流成分である。
センサ制御において、位置センサが何らかの原因で破損した場合、ロータ角を測定することはできなくなる。そのため、センサ制御を継続することは困難となる。一方で、位置センサが故障した場合、モータ制御を、センサ制御からセンサレス制御に切替えることが可能である。そのセンサレス制御に、本開示によるトルク角の推定手法を適用することにより、位置センサが故障した場合でも、モータ制御を継続することが可能となる。
(実施形態2)

図10は、本実施形態によるEPSシステム2000の典型的な構成を模式的に示す。
自動車等の車両は一般に、EPSシステムを有する。本実施形態によるEPSシステム2000は、ステアリングシステム520、および補助トルクを生成する補助トルク機構540を有する。EPSシステム2000は、運転者がステアリングハンドルを操作することによって発生するステアリングシステムの操舵トルクを補助する補助トルクを生成する。補助トルクにより、運転者の操作の負担は軽減される。
ステアリングシステム520は、例えば、ステアリングハンドル521、ステアリングシャフト522、自在軸継手523A、523B、回転軸524、ラックアンドピニオン機構525、ラック軸526、左右のボールジョイント552A、552B、タイロッド527A、527B、ナックル528A、528B、および左右の操舵車輪529A、529Bを備える。
補助トルク機構540は、例えば、操舵トルクセンサ541、自動車用電子制御ユニット(ECU)542、モータ543および減速機構544を備える。操舵トルクセンサ541は、ステアリングシステム520における操舵トルクを検出する。ECU542は、操舵トルクセンサ541の検出信号に基づいて駆動信号を生成する。モータ543は、駆動信号に基づいて操舵トルクに応じた補助トルクを生成する。モータ543は、減速機構544を介してステアリングシステム520に、生成した補助トルクを伝達する。
ECU542は、例えば、実施形態1によるコントローラ100および駆動回路200などを有する。自動車ではECUを核とした電子制御システムが構築される。EPSシステム2000では、例えば、ECU542、モータ543およびインバータ545によって、モータ制御システムが構築される。そのモータ制御システムとして、実施形態1によるモータ制御システム1000を好適に用いることができる。
本開示の実施形態は、トルク角の推定能力が求められる、シフトバイワイヤ、ステアリングバイワイヤ、ブレーキバイワイヤなどのエックスバイワイヤおよびトラクションモータなどのモータ制御システムにも好適に用いられる。例えば、本開示の実施形態によるモータ制御システムは、日本政府および米国運輸省道路交通安全局(NHTSA)によって定められたレベル0から4(自動化の基準)に対応した自動運転車に搭載され得る。
本開示の実施形態は、掃除機、ドライヤ、シーリングファン、洗濯機、冷蔵庫および電動パワーステアリングシステムなどの、各種モータを有する多様な機器に幅広く利用され得る。
100:コントローラ、110:プレ演算ユニット、120:トルク角演算ユニット、130:位相角演算ユニット、140:ロータ角演算ユニット、150:トルク演算ユニット、160:モータ制御ユニット、200:駆動回路、300:インバータ、400、400A、400B:電流センサ、500:ADコンバータ、600:ROM、700:位置センサ、1000:モータ制御システム、2000:EPSシステム、

Claims (7)

  1. 表面磁石型モータを制御するモータ制御方法であって、

    αβ固定座標系またはdq回転座標系を基準とした、フェーザ表示による、電機子磁束、合成磁束、ステータ電流およびステータ電圧を獲得するステップと、

    前記ステータ電流と前記ステータ電圧との間の角度Φを演算するステップと、

    式(1)に基づいてトルク角δを演算するステップであって、

    Figure 2018159099

    ここで、Ψは前記電機子磁束の大きさを示し、Ψは前記合成磁束の大きさを示す、ステップと、

    前記トルク角δに基づいて前記表面磁石型モータを制御するステップと、

    を包含するモータ制御方法。
  2. 表面磁石型モータを制御するモータ制御方法であって、

    αβ固定座標系またはdq回転座標系を基準とした、フェーザ表示による、合成磁束、ステータ電流およびステータ電圧を獲得するステップと、

    前記ステータ電流と前記ステータ電圧との間の角度Φを演算するステップと、

    式(2)に基づいてトルク角δを演算するステップであって、

    Figure 2018159099
    ここで、Lは電機子インダクタンスであり、Ψは前記合成磁束の大きさを示し、Iは前記ステータ電流の大きさを示す、ステップと、

    前記トルク角δに基づいて前記表面磁石型モータを制御するステップと、

    を包含するモータ制御方法。
  3. 前記トルク角δに基づいてトルクTを演算するステップをさらに包含し、

    前記モータを制御するステップにおいて、前記トルクTに基づいて前記表面磁石型モータを制御する、請求項1または2に記載のモータ制御方法。
  4. 前記αβ固定座標系における前記合成磁束のα軸およびβ軸上の成分に基づいて位相角ρを演算し、かつ、前記トルク角δおよび前記位相角ρに基づいてモータのロータ角θを演算するステップをさらに包含し、

    前記モータを制御するステップにおいて、前記ロータ角θおよび前記トルクTに基づいて前記表面磁石型モータを制御する、請求項3に記載のモータ制御方法。
  5. 表面磁石型モータと、

    前記表面磁石型モータを制御する制御回路と、

    を有し、

    前記制御回路は、

    αβ固定座標系またはdq回転座標系を基準とした、フェーザ表示による、電機子磁束、合成磁束、ステータ電流およびステータ電圧を獲得し、

    前記ステータ電流と前記ステータ電圧との間の角度Φを演算し、

    式(3)に基づいてトルク角δを演算し、

    Figure 2018159099

    ここで、Ψは前記電機子磁束の大きさを示し、Ψは前記合成磁束の大きさを示し、

    前記トルク角δに基づいて前記表面磁石型モータを制御する、モータ制御システム。
  6. 表面磁石型モータと、

    前記表面磁石型モータを制御する制御回路と、

    を有し、

    前記制御回路は、

    αβ固定座標系またはdq回転座標系を基準とした、フェーザ表示による、合成磁束、ステータ電流およびステータ電圧を獲得し、

    前記ステータ電流と前記ステータ電圧との間の角度Φを演算し、

    式(4)に基づいてトルク角δを演算し、

    Figure 2018159099

    ここで、Lは電機子インダクタンスであり、Ψは前記合成磁束の大きさを示し、Iは前記ステータ電流の大きさを示し、

    前記トルク角δに基づいて前記表面磁石型モータを制御する、モータ制御システム。
  7. 請求項5または6に記載のモータ制御システムを有する電動パワーステアリングシステム。
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