JP2015171221A - モータ制御装置 - Google Patents

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Akihiro Tomita
晃弘 冨田
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Abstract

【課題】モータのトルクリップルを抑制することのできるモータ制御装置を提供する。【解決手段】モータ制御装置6は、モータ51の各相電流値を検出する電流センサ76〜78と、モータ51の回転角θeを検出する回転角センサ9と、モータの駆動を制御するマイコン61とを備える。マイコン61は、モータ回転角θeに基づきモータ51のq軸電流値に対して相対的に影響度の大きい二相の相電流値を選択し、選択した二相の相電流値を電流センサ76〜78のそれぞれ対応する出力信号Su〜Svに基づき検出するとともに、同二相の相電流値の検出値に基づいて残りの一相の相電流値を推定する。また、マイコン61は、二相の相電流値の検出値、及び一相の相電流値の推定値をモータ回転角θeの検出値を用いてd軸電流値及びq軸電流値に変換し、これらd軸電流値及びq軸電流値に基づいてモータ51の駆動を制御する。【選択図】図2

Description

本発明は、モータ制御装置に関する。
車両の操舵機構にモータのアシスト力を付与することにより運転者のステアリング操作を補助する電動パワーステアリング装置が知られている。この電動パワーステアリング装置は、運転者のステアリング操作に基づき操舵機構に付与される操舵トルクを検出するトルクセンサと、トルクセンサの操舵トルク検出値に基づきモータの駆動を制御するモータ制御装置とを備えている。モータ制御装置は、モータを駆動するための駆動回路と、駆動回路を駆動させるためのマイクロコンピュータ(以下、「マイコン」と略記する)とを備えている。マイコンは、トルクセンサの操舵トルク検出値に基づいて、モータに供給すべき電流の目標値である電流指令値を演算する。そして、マイコンは、この電流指令値にモータの各相(U相、V相、W相)の相電流値を追従させる電流フィードバック制御を実行することにより制御信号を生成する。マイコンは、生成した制御信号を駆動回路に出力することでモータの駆動を制御する。
一方、モータの各相電流値を検出する方法としては、例えば特許文献1に記載の方法がある。特許文献1に記載のモータ制御装置では、各相電流値のうち、いずれか二相の相電流値を電流センサにより検出するとともに、電流センサにより検出された二相の相電流値に基づいて残りの一相の相電流値を推定している。
特開2003−53092号公報
ところで、マイコンが電流センサを通じて検出する各相電流値には、例えばA/D(アナログ/デジタル)変換時の量子化誤差等により、ばらつき(誤差)が存在する。したがって、特許文献1のように二相の相電流値の検出値に基づいて残りの一相の相電流値を推定した場合、推定される一相の相電流値には、他の二相の相電流値の検出誤差が重畳するため、推定される一相の相電流値については相対的に検出精度が悪くなる。これがモータの駆動制御の精度を悪化させ、モータにトルクリップルを生じさせる要因となっている。
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、モータのトルクリップルを抑制することのできるモータ制御装置を提供することにある。
上記課題を解決するモータ制御装置は、三相ブラシレスモータの各相電流値に応じた出力信号をそれぞれ出力する電流センサと、前記モータの駆動を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記モータの回転角に基づき前記モータのq軸電流値に対して相対的に影響度の大きい二相を選択し、選択した二相の相電流値を前記電流センサのそれぞれ対応する出力信号に基づき検出するとともに、同二相の相電流値の検出値に基づいて残りの一相の相電流値を推定し、前記二相の相電流値の検出値、及び前記一相の相電流値の推定値を前記モータの回転角を用いてd軸電流値及びq軸電流値に変換し、同d軸電流値及びq軸電流値に基づいて前記モータの駆動を制御する。
モータの駆動制御をd軸電流値及びq軸電流値に基づくベクトル制御にて行う場合、q軸電流値の大きさによりモータトルクが定まる。よって、q軸電流値の演算精度を向上させれば、モータのトルクリップルを抑制することが可能である。ここで、d軸電流値及びq軸電流値の演算は、モータの回転角を用いて各相電流値をd/q座標上に写像することにより行われる。したがって、q軸電流値に対する各相電流値の影響度は、基本的には、モータの回転角に応じて変化する。この点、上記構成によれば、q軸電流値に対して相対的に影響度の大きい二相の相電流値が電流センサのそれぞれ対応する検出信号に基づき検出され、残りの一相の相電流値が推定されるため、推定される一相の相電流値はq軸電流値の演算値に対して影響度の小さいものとなる。これにより、一相の相電流値の推定値に検出誤差が重畳したとしても、それがq軸電流値の演算値に及ぼす影響を小さくすることができる。結果的に、q軸電流値の誤差を小さくすることができるため、モータのトルクリップルを抑制することができる。
上記モータ制御装置について、前記モータの回転角に応じて、前記各相電流値のうち前記q軸電流値に対して相対的に影響度の大きい二相の相電流値を前記電流センサの出力信号に基づき検出すべき相電流値として定めるとともに、残りの一相の相電流値を推定すべき相電流値として定めたマップを有し、前記制御部は、前記モータの回転角から前記マップに基づいて、前記電流センサの出力信号に基づき検出すべき二相の相電流値と、推定すべき一相の相電流値とを決定することが好ましい。
この構成によれば、制御部はモータのq軸電流値に対して相対的に影響度の大きい二相の相電流値をマップから容易に求めることができるため、制御部の演算負担を軽減することができる。
また、上記課題を解決するモータ制御装置は、三相ブラシレスモータの各相電流値に応じた出力信号をそれぞれ出力する電流センサと、前記モータの駆動を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記モータの回転角に基づき各相電流値の理論値のうち絶対値の大きい二相を選択し、選択した二相の相電流値を前記電流センサのそれぞれ対応する出力信号に基づき検出するとともに、同二相の相電流値の検出値に基づいて残りの一相の相電流値を推定し、前記二相の相電流値の検出値、及び前記一相の相電流値の推定値を前記モータの回転角を用いてd軸電流値及びq軸電流値に変換し、同d軸電流値及びq軸電流値に基づいて前記モータの駆動を制御する。
ベクトル制御にてd軸電流値を「0」に追従させる場合、q軸電流値に対して相対的に影響度の大きい二相の相電流値と、各相電流値のうち絶対値の大きい二相の相電流値とは同一となる。したがって、上記構成によれば、d軸電流値を「0」に追従させる場合には、推定される一相の相電流値が、q軸電流値に対して影響度の小さい相電流値となる。これにより、一相の相電流値の推定値に検出誤差が重畳したとしても、それがq軸電流値の演算値に及ぼす影響を小さくすることができる。結果的に、q軸電流値の誤差を小さくすることができるため、モータのトルクリップルを抑制することができる。
上記モータ制御装置について、前記モータの回転角に応じて、前記各相電流値の理論値のうち絶対値の大きい二相の相電流値を前記電流センサの出力信号に基づき検出すべき相電流値として定めるとともに、残りの一相の相電流値を推定すべき相電流値として定めたマップを有し、前記制御部は、前記モータの回転角から前記マップに基づいて、前記電流センサの出力信号に基づき検出すべき二相の相電流値と、推定すべき一相の相電流値とを決定することが好ましい。
この構成によれば、制御部は、各相電流値のうち絶対値の大きい二相の相電流値をマップから容易に求めることができるため、制御部の演算負担を軽減することができる。
本発明によれば、モータのトルクリップルを抑制することができる。
電動パワーステアリング装置の概略構成を示すブロック図。 モータ制御装置の第1実施形態についてその構成を示すブロック図。 第1実施形態のモータ制御装置についてそのマイコンの構成を示す制御ブロック図。 係数「−sinθe」、「−sin(θe−2π/3)」、「−sin(θe−4π/3)」のそれぞれの絶対値とモータ回転角θeとの関係を示すグラフ。 (a)〜(c)は、モータ回転角θeに応じて、電流センサの出力信号に基づき検出すべき相電流値と、推定すべき相電流値との関係をそれぞれ示すマップ。 第1実施形態のモータ制御装置による各相電流値の演算手順を示すフローチャート。 各相電流値Iu,Iv,Iwの理論値の絶対値とモータ回転角θeとの関係を示すグラフ。
<第1実施形態>
以下、モータ制御装置が搭載された電動パワーステアリング装置の第1実施形態について説明する。
図1に示すように、電動パワーステアリング装置1は、運転者のステアリングホイール2の操作に基づき転舵輪3を転舵させる操舵機構4、及び運転者のステアリング操作を補助するアシスト機構5を備えている。
操舵機構4は、ステアリングホイール2の回転軸となるステアリングシャフト40、及びステアリングシャフト40の下端部にラックアンドピニオン機構41を介して連結されたラックシャフト42を備えている。操舵機構4では、運転者のステアリングホイール2の操作に伴いステアリングシャフト40が回転すると、その回転運動がラックアンドピニオン機構41を介してラックシャフト42の軸方向の往復直線運動に変換される。このラックシャフト42の軸方向の往復直線運動がその両端に連結されたタイロッド43を介して転舵輪3に伝達されることにより転舵輪3の転舵角が変化し、車両の進行方向が変更される。
アシスト機構5は、減速機50を介してステアリングシャフト40に連結されたモータ51を備えている。モータ51はブラシレスモータからなる。アシスト機構5では、モータ51の出力軸の回転を減速機50を介してステアリングシャフト40に伝達することでステアリングシャフト40にトルクを付与し、運転者のステアリング操作を補助する。
電動パワーステアリング装置1には、ステアリングホイール2の操作量や車両の状態量を検出する各種センサが設けられている。例えばステアリングシャフト40には、運転者のステアリング操作に際してステアリングシャフト40に付与される操舵トルクThを検出するトルクセンサ7が設けられている。車両には、その走行速度Vを検出する車速センサ8が設けられている。モータ51には、その出力軸の回転角(電気角)θeを検出する回転角センサ9が設けられている。これらのセンサ7〜9の出力はモータ制御装置6に取り込まれる。モータ制御装置6は各センサ7〜8の出力に基づいてモータ51の駆動を制御する。
図2に示すように、モータ制御装置6は、モータ51を駆動させるための駆動回路60、駆動回路60を駆動させるためのマイコン61、及び各種情報が記憶されたメモリ62を備えている。本実施形態では、マイコン61が制御部に相当する。
駆動回路60は、上側FET70と下側FET73との直列回路、上側FET71と下側FET74との直列回路、及び上側FET72と下側FET75との直列回路を並列接続してなる周知のインバータ回路からなる。上側FET70〜72は、車載バッテリ等の電源(電源電圧「+Vcc」)に電気的に接続され、下側FET73〜75は接地されている。上側FET70と下側FET73との接続点P1、上側FET71と下側FET74との接続点P2、及び上側FET72と下側FET75との接続点P3には、給電線Wu,Wv,Wwを介してモータ51の各相コイル51u,51v,51wがそれぞれ接続されている。駆動回路60は、マイコン61からの制御信号Sc1〜Sc6に基づいてFET70〜75がそれぞれスイッチングされることにより、電源から供給される直流電力から三相(U相、V相、W相)の交流電力を生成する。生成された三相交流電力は各相の給電線Wu,Wv,Wwを介してモータ51の各相コイル51u,51v,51wにそれぞれ供給される。
下側FET73〜75と接地との間には、各相に対応する電流センサ76〜78が設けられている。電流センサ76〜78は、各下側FET73〜75に対して直列に接続されたシャント抵抗の端子間電圧を増幅して出力する周知の構成からなる。各電流センサ76〜78の出力信号Su〜Swはマイコン61に取り込まれる。
マイコン61は、各電流センサ76〜78の出力信号Su〜Swに基づいて各相電流値Iu,Iv,Iwを検出する。また、マイコン61は、トルクセンサ7、車速センサ8、及び回転角センサ9を通じて操舵トルクTh、車速V、及びモータ回転角θeを検出する。マイコン61は、操舵トルクTh、車速V、モータ回転角θe、及び各相電流値Iu,Iv,Iwに基づいて制御信号Sc1〜Sc6を生成し、この制御信号Sc1〜Sc6を駆動回路60に出力することにより駆動回路60をPWM駆動させる。
次に、マイコン61によるモータ51の駆動制御について詳述する。
図3に示すように、マイコン61は、モータ51に供給すべき電流の目標値である電流指令値Id*,Iq*を演算する電流指令値演算部80と、電流指令値Id*,Iq*に基づいて制御信号Sc1〜Sc6を生成する制御信号生成部81とを備えている。なお、「Id*」はd/q座標系におけるd軸上の電流指令値を示し、「Iq*」はd/q座標系におけるq軸上の電流指令値を示す。また、マイコン61は、回転角センサ9により検出されるモータ回転角θeの1次時間微分値であるモータ角速度ωを演算するモータ角速度演算部82、及び各電流センサ76〜78の出力信号Su〜Swに基づいて各相電流値Iu,Iv,Iwを演算する電流検出部83を有している。
電流指令値演算部80には、操舵トルクTh及び車速Vのそれぞれの検出値、並びにモータ角速度ωの演算値が取り込まれる。電流指令値演算部80は、操舵トルクTh及び車速Vに基づいてq軸電流指令値Iq*を演算する。電流指令値演算部80は、例えば操舵トルクThの絶対値が大きくなるほど、また車速Vが遅くなるほどq軸電流指令値Iq*の絶対値をより大きい値に設定する。また、電流指令値演算部80は、モータ角速度ωに応じてd軸電流指令値Id*を負の値とする弱め界磁制御を実行する。詳しくは、モータ角速度ωが増大するほどモータ51の各相コイル51u,51v,51wに生じる逆起電力が増大するため、モータ51の回転速度には上限(基底速度)が存在する。そこで、電流指令値演算部80は、モータ角速度ωが予め設定された基底速度に達した場合、d軸電流指令値Id*を負の値に設定する。これにより、d軸方向の磁束を減少させてモータ51の誘起電圧を低く抑えることができるため、基底速度を超えた高速領域までモータ51の運転範囲(回転領域)を拡張することが可能となる。なお、電流指令値演算部80は、モータ角速度ωが基底速度未満の場合には、d軸電流指令値Id*を「0」に設定する。電流指令値演算部80は、このようにして演算されるd軸電流指令値Id*及びq軸電流指令値Iq*を制御信号生成部81に出力する。
電流検出部83は所定のサンプリング周期で各電流センサ76〜78の出力信号Su〜Swを取得する。電流検出部83は、出力信号Su〜Swを取得する都度、それらをA/D変換するとともに、A/D変換後の各出力信号Su〜Swに基づいて各相電流値Iu,Iv,Iwを検出する。そして、電流検出部83は、検出した各相電流値Iu,Iv,Iwを制御信号生成部81に出力する。
制御信号生成部81には、電流指令値Id*,Iq*及び各相電流値Iu,Iv,Iwに加え、モータ回転角θeの検出値が取り込まれる。制御信号生成部81は、これらの値に基づいてd/q座標系における電流フィードバック制御を行うことにより制御信号Sc1〜Sc6を生成する。
詳しくは、各相電流値Iu,Iv,Iw及びモータ回転角θeは3相/2相変換部84に取り込まれる。3相/2相変換部84は、モータ回転角θeを用いて各相電流値Iu,Iv,Iwをd/q座標上に写像することによりd/q座標系におけるモータ51の実際の電流値であるd軸電流値Id及びq軸電流値Iqを演算する。詳しくは、3相/2相変換部84は以下の式(1)及び式(2)に基づいてd軸電流値Id及びq軸電流値Iqを演算する。
3相/2相変換部84は、演算したd軸電流値Id及びq軸電流値Iqを減算器85a,85bにそれぞれ出力する。
減算器85a,85bには、d軸電流値Id及びq軸電流値Iqに加え、d軸電流指令値Id*及びq軸電流指令値Iq*がそれぞれ取り込まれる。一方の減算器85aは、d軸電流指令値Id*からd軸電流値Idを減算することにより、それらの偏差ΔId(=Id*−Id)を演算し、演算したd軸電流偏差ΔIdをF/B(フィードバック)制御部86に出力する。また、他方の減算器85bは、q軸電流指令値Iq*からq軸電流値Iqを減算することにより、それらの偏差ΔIq(=Iq*−Iq)を演算し、演算したq軸電流偏差ΔIqをF/B制御部86に出力する。
F/B制御部86は、d軸電流値Idをd軸電流指令値Id*に追従させるべく、d軸電流偏差ΔIdに基づく電流フィードバック制御を行うことにより、d軸電圧指令値Vd*を演算する。また、F/B制御部86は、q軸電流値Iqをq軸電流指令値Iq*に追従させるべく、q軸電流偏差ΔIqに基づく電流フィードバック制御を行うことにより、q軸電圧指令値Vq*も演算する。F/B制御部86は、演算したd軸電圧指令値Vd*及びq軸電圧指令値Vq*を2相/3相変換部87に出力する。
2相/3相変換部87には、d軸電圧指令値Vd*及びq軸電圧指令値Vq*に加え、モータ回転角θeが取り込まれる。2相/3相変換部87は、モータ回転角θeを用いてd軸電圧指令値Vd*及びq軸電圧指令値Vq*を三相交流座標系に写像することにより、三相交流座標系における各相電圧指令値Vu*,Vv*,Vw*を演算する。2相/3相変換部87は、演算した各相電圧指令値Vu*,Vv*,Vw*をPWM変換部88に出力する。
PWM変換部88は、各相電圧指令値Vu*,Vv*,Vw*をPWM変換することにより、駆動回路60をPWM駆動させるための制御信号Sc1〜Sc6を生成する。マイコン61は、この制御信号Sc1〜Sc6を駆動回路60に出力することにより駆動回路60をPWM駆動させ、モータ51の駆動を制御する。こうしたモータ51の駆動制御により、モータトルクがステアリングシャフト40に付与されるアシスト制御が実行される。
次に、電流検出部83による各相電流値Iu,Iv,Iwの演算方法について詳述する。
本実施形態の電流検出部83では、電流センサ76〜78の出力信号Su〜Swに基づき検出する相電流値の数を三相から二相に減らし、検出しない一相の相電流値については、実際に検出した2相の相電流値からキルヒホッフの法則に基づいて推定する。すなわち、電流検出部83は、電流センサ76,77の出力信号Su,Svに基づきU相電流値Iu及びV相電流値Ivを検出した場合には、以下の式(3)を用いて残りのW相電流値Iwを演算する。
また、電流検出部83は、電流センサ77,78の出力信号Sv,Swに基づきV相電流値Iv及びW相電流値Iwを検出した場合には、以下の式(4)を用いて残りのU相電流値Iuを演算する。
さらに、電流検出部83は、電流センサ78,76の出力信号Sw,Suに基づきW相電流値Iw及びU相電流値Iuを検出した場合には、以下の式(5)を用いて残りのV相電流値Ivを演算する。
一方、電流検出部83により検出される各相電流値Iu,Iv,Iwには、例えば電流センサ76〜78の出力信号Su〜SwをA/D変換する際の量子化誤差等により、ばらつき(誤差)が存在する。したがって、二相の相電流値の検出値から残りの一相の相電流値を推定した場合、推定される一相の相電流値には他の二相の相電流値の検出誤差が重畳するため、推定される一相の相電流値の検出精度が他の二相より悪化する。結果的に、各相電流値Iu,Iv,Iwに基づいて3相/2相変換部84により演算されるd軸電流値Id及びq軸電流値Iqの演算精度が悪化してしまう。これは電流フィードバック制御の精度を悪化させ、モータ51にトルクリップルを生じさせる要因となる。そこで、本実施形態では、このようなトルクリップルを抑制すべく、電流センサ76〜78の出力信号Su〜Swに基づき相電流値を検出する二相と、他の二相の検出値から相電流値を推定する一相とをモータ回転角θeに応じて切り替えている。次に、その原理を説明する。
モータ51の駆動制御をd軸電流値Id及びq軸電流値Iqに基づくベクトル制御にて行う場合、q軸電流値Iqによりモータトルクが定まる。よって、q軸電流値の演算精度を向上させれば、モータ51のトルクリップルを抑制することが可能である。ここで、q軸電流値Iqの演算式、すなわち上記の式(2)に着目すると、q軸電流値Iqに対する各相電流値Iu,Iv,Iwの影響度は、それぞれの係数「−sinθe」、「−sin(θe−2π/3)」、「−sin(θe−4π/3)」の絶対値の大小関係により定まることが分かる。図4は、係数「−sinθe」、「−sin(θe−2π/3)」、「−sin(θe−4π/3)」のそれぞれの絶対値とモータ回転角θeとの関係を示したものである。
図4に示すように、例えばモータ回転角θeが「45°」の場合には、「|−sin(θe−2π/3)|>|−sinθe|>|−sin(θe−4π/3)|」の関係が成立する。すなわち、q軸電流値Iqの演算においては、V相電流値Iv、U相電流値Iu、W相電流値Iwの順で影響度が小さくなる。したがって、モータ回転角θeが「45°」の場合には、電流センサ76,77の出力信号Su,Svに基づきU相電流値Iu及びV相電流値Ivを検出し、残りのW相電流値Iwを推定すれば、q軸電流値Iqの演算における推定値の誤差の影響を低く抑えることができる。その結果、q軸電流値Iqの演算精度を向上させることができる。
このように、係数「−sinθe」、「−sin(θe−2π/3)」、「−sin(θe−4π/3)」のうち、絶対値の大きい2つの係数に対応する二相の相電流値を電流センサの出力信号に基づき検出し、残りの一相の相電流値を推定すれば、q軸電流値Iqの演算精度を確保することができる。すなわち、モータ回転角θeに応じて以下の(a1)〜(a3)に示すように各相電流値Iu,Iv,Iwを演算すればよい。
(a1)モータ回転角θeが「0°≦θe<30°」、「150°≦θe<210°」、及び「330°≦θe<360°」のいずれかの範囲である場合。この場合、電流センサ77,78の出力信号Sv,Swに基づきV相電流値Iv及びW相電流値Iwを検出し、残りのU相電流値Iuを推定する。
(a2)モータ回転角θeが「30°≦θe<90°」、及び「210°≦θe<270°」のいずれかの範囲である場合。この場合、電流センサ76,77の出力信号Su,Svに基づきU相電流値Iu及びV相電流値Ivを検出し、残りのW相電流値Iwを推定する。
(a3)モータ回転角θeが「90°≦θe<150°」、及び「270°≦θe<330°」のいずれかの範囲である場合。この場合、電流センサ78,76の出力信号Sw,Suに基づきW相電流値Iw及びU相電流値Iuを検出し、残りのV相電流値Ivを推定する。
図5(a)〜(c)は、これら(a1)〜(a3)の内容をグラフ化したマップである。電流検出部83は、図5に示すマップに基づいて各相電流値Iu,Iv,Iwを検出する。なお、図5に示すマップは、モータ制御装置6のメモリ62に予め記憶されている。
次に、図6を参照して、電流検出部83による各相電流値Iu,Iv,Iwの検出手順について具体的に説明する。なお、電流検出部83は、図6に示す処理を所定のサンプリング周期で繰り返し実行する。
図6に示すように、電流検出部83は、まず、モータ回転角θeの検出値から図5に示したマップに基づいて、電流センサ76〜78の出力信号Su〜Swに基づき検出すべき二相の相電流値と、推定すべき一相の相電流値とを決定する(S1)。電流検出部83は、相電流値を検出すべき二相については、それらに対応する電流センサの出力信号に基づき相電流値を検出する(S2)。また、電流検出部83は、二相の相電流値の検出値から上記の式(3)〜(5)のいずれかを用いて残りの一相の相電流値を演算する(S3)。そして、電流検出部83は、二相の相電流値の検出値、及び推定した一相の相電流値を制御信号生成部81に出力する(S4)。
このような構成によれば、以下の(1)〜(3)に示すような作用及び効果を得ることができる。
(1)q軸電流値Iqに対して相対的に影響度の大きい二相の相電流値が電流センサ76〜78の出力信号Su〜Swに基づき検出され、残りの一相の相電流値が推定されるため、推定される一相の相電流値はq軸電流値の演算値に対して相対的に影響度の小さいものとなる。これにより、推定される一相の相電流値に検出誤差が重畳して推定精度が悪化したとしても、それがq軸電流値Iqの演算値に及ぼす影響を小さくすることができる。結果的に、q軸電流値Iqの誤差を小さくすることができるため、モータ51のトルクリップルを抑制することができる。
(2)近年、電動パワーステアリング装置では、異音の抑制や操舵感の向上のために、電流フィードバック制御の制御周期をより短くすることが求められている。これを実現するためには、電流検出部83にて行われる各相電流値Iu,Iv,Iwの演算時間をより短くする必要がある。この点、本実施形態の電流検出部83では、電流センサ76〜78の出力信号Su〜Swに基づき検出される相電流値の数を三相から二相に減らすことができるため、一相分のA/D変換時間を削減することができる。したがって、電流検出部83における各相電流値Iu,Iv,Iwの演算時間を短くすることができる。
(3)図5に示すようなマップを用意すれば、電流検出部83はモータ51のq軸電流値Iqに対して相対的に影響度の大きい二相の相電流値を容易に求めることができる。そのため、マイコン61の演算負担を軽減することができる。
<第2実施形態>
次に、電動パワーステアリング装置の第2実施形態について説明する。以下、第1実施形態との相違点を中心に説明する。
本実施形態では、マイコン61が弱め界磁制御を実行しない点で第1実施形態と異なる。すなわち、本実施形態の電流指令値演算部80は、d軸電流指令値Id*を「0」に固定する。したがって、本実施形態では、d軸電流値Idが「0」に追従することになる。このとき、各相電流値Iu,Iv,Iwの理論値はモータ回転角θeに基づいて以下の式(6)〜(8)により求めることができる。なお、「A」は振幅を示す。
図7は、式(6)〜(8)に基づき演算される各相電流値Iu,Iv,Iwの理論値の絶対値とモータ回転角θeとの関係を示したものである。この図7と図4とを比較して明らかなように、各相電流値Iu,Iv,Iwの理論値の絶対値と、係数「−sinθe」、「−sin(θe−2π/3)」、「−sin(θe−4π/3)」の絶対値との間には相関関係がある。したがって、各相電流値Iu,Iv,Iwの理論値のうち絶対値の大きい相電流値を選択することにより、q軸電流値Iqの演算値に対して影響度の大きい相電流値を選択することができる。
これを利用し、本実施形態では、図7に示したグラフに基づき、モータ回転角θeに応じて、各相電流値Iu,Iv,Iwの理論値のうち絶対値の大きい二相の相電流値を電流センサの出力信号に基づき検出すべき相電流値として定めるとともに、残りの一相の相電流値を推定すべき相電流値として定めたマップを予め作成する。これにより、図5に示したマップと同様のマップを作成することができる。また、電流検出部83は、第1実施形態と同様に、図6に示した処理を実行する。これにより、第1実施形態の(1)〜(3)と同様の作用及び効果を得ることができる。
<他の実施形態>
なお、各実施形態は、以下の形態にて実施することもできる。
・第1実施形態でも、第2実施形態と同様に、マイコン61が弱め界磁制御を実行しなくてもよい。すなわち、第1実施形態でも、d軸電流指令値Id*を「0」に固定してもよい。
・第1実施形態の電流検出部83では、図5に示すマップを用いて電流センサ76〜78の出力信号Su〜Swに基づき検出すべき二相の相電流値と、推定すべき一相の相電流値とを判定することとした。これに代えて、電流検出部83は、モータ回転角θeの検出値に基づいて係数「−sinθe」、「−sin(θe−2π/3)」、「−sin(θe−4π/3)」を逐次演算した上で、それらの絶対値のうち値の大きい2つの係数に対応する二相の相電流値を電流センサ76〜78の出力信号Su〜Swに基づき検出するとともに、残りの一相の相電流値を推定してもよい。同様に、第2実施形態の電流検出部83でも、式(6)〜(8)に基づいて各相電流値Iu,Iv,Iwの理論値を逐次算出した上で、それらの絶対値のうち値の大きい2つの係数に対応する二相の相電流値を電流センサ76〜78の出力信号Su〜Swに基づき検出し、残りの一相を推定してもよい。これらの方法でも、第1実施形態及び第2実施形態に準じた作用及び効果を得ることが可能である。
・各実施形態では、電流センサ76〜78として、シャント抵抗からなる電流センサを例示したが、電流センサ76〜78は、例えばホールセンサからなる電流センサ等を用いてもよい。
・モータ回転角θeは、回転角センサ9による検出値だけでなく、モータ51の回転に伴う誘起電圧に基づく推定値等を用いてもよい。
・各実施形態のモータ制御装置6は、例えばラックシャフト42にモータのアシスト力を付与する電動パワーステアリング装置にも適用可能である。また、各実施形態のモータ制御装置6は、電動パワーステアリング装置のモータ制御装置に限らず、適宜のモータ制御装置に適用可能である。
6…モータ制御装置、9…回転角センサ、51…モータ、61…マイコン(制御部)、76〜78…電流センサ。

Claims (4)

  1. 三相ブラシレスモータの各相電流値に応じた出力信号をそれぞれ出力する電流センサと、
    前記モータの駆動を制御する制御部と、を備え、
    前記制御部は、
    前記モータの回転角に基づき前記モータのq軸電流値に対して相対的に影響度の大きい二相を選択し、選択した二相の相電流値を前記電流センサのそれぞれ対応する出力信号に基づき検出するとともに、同二相の相電流値の検出値に基づいて残りの一相の相電流値を推定し、
    前記二相の相電流値の検出値、及び前記一相の相電流値の推定値を前記モータの回転角を用いてd軸電流値及びq軸電流値に変換し、同d軸電流値及びq軸電流値に基づいて前記モータの駆動を制御することを特徴とするモータ制御装置。
  2. 請求項1に記載のモータ制御装置において、
    前記モータの回転角に応じて、前記各相電流値のうち前記q軸電流値に対して相対的に影響度の大きい二相の相電流値を前記電流センサの出力信号に基づき検出すべき相電流値として定めるとともに、残りの一相の相電流値を推定すべき相電流値として定めたマップを有し、
    前記制御部は、前記モータの回転角から前記マップに基づいて、前記電流センサの出力信号に基づき検出すべき二相の相電流値と、推定すべき一相の相電流値とを決定することを特徴とするモータ制御装置。
  3. 三相ブラシレスモータの各相電流値に応じた出力信号をそれぞれ出力する電流センサと、
    前記モータの駆動を制御する制御部と、を備え、
    前記制御部は、
    前記モータの回転角に基づき各相電流値の理論値のうち絶対値の大きい二相を選択し、選択した二相の相電流値を前記電流センサのそれぞれ対応する出力信号に基づき検出するとともに、同二相の相電流値の検出値に基づいて残りの一相の相電流値を推定し、
    前記二相の相電流値の検出値、及び前記一相の相電流値の推定値を前記モータの回転角を用いてd軸電流値及びq軸電流値に変換し、同d軸電流値及びq軸電流値に基づいて前記モータの駆動を制御することを特徴とするモータ制御装置。
  4. 請求項3に記載のモータ制御装置において、
    前記モータの回転角に応じて、前記各相電流値の理論値のうち絶対値の大きい二相の相電流値を前記電流センサの出力信号に基づき検出すべき相電流値として定めるとともに、残りの一相の相電流値を推定すべき相電流値として定めたマップを有し、
    前記制御部は、前記モータの回転角から前記マップに基づいて、前記電流センサの出力信号に基づき検出すべき二相の相電流値と、推定すべき一相の相電流値とを決定することを特徴とするモータ制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106655912A (zh) * 2016-12-19 2017-05-10 扬州大学 一种开关磁阻电机低转矩脉动的控制方法

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