JPWO2018155156A1 - リチウム複合酸化物焼結体板 - Google Patents
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Abstract
Description
気孔率が3〜30%であり、
平均気孔径が15μm以下であり、
開気孔比率が70%以上であり、
厚さが40〜200μmであり、
前記複数の一次粒子の平均粒径である一次粒径が20μm以下であり、
気孔径分布のピーク数が1つであり、
体積基準D10、D50及びD90気孔径が、D50/D10≧2.5、D90/D50≧2.5及びD90/D10≧8.0の関係を満たす、リチウム複合酸化物焼結体板が提供される。
本発明を特定するために用いられるパラメータの定義を以下に示す。
(開気孔比率)=(開気孔率)/(全気孔率)
=(開気孔率)/[(開気孔率)+(閉気孔率)]
=[(全気孔率)−(閉気孔率)]/(全気孔率)
本発明によるリチウム複合酸化物焼結体板は、リチウム二次電池の正極に用いられるものである。このリチウム複合酸化物焼結体板は、層状岩塩構造を有する複数の一次粒子が結合した構造を有している。また、リチウム複合酸化物焼結体板は、気孔率は3〜30%であり、平均気孔径が15μm以下であり、開気孔比率が70%以上であり、厚さが40〜200μmである。さらに、リチウム複合酸化物焼結体板は、複数の一次粒子の平均粒径である一次粒径が20μm以下であり、気孔径分布のピーク数が1つであり、体積基準D10、D50及びD90気孔径が、D50/D10≧2.5、D90/D50≧2.5及びD90/D10≧8.0の関係を満たす。このように、所定のリチウム複合酸化物焼結体板において気孔径分布を特有のプロファイルとなるように制御することにより、高いエネルギー密度を有しながらも、リチウム二次電池に正極として組み込まれた場合に、耐曲げ性や急速充電性能等の優れた性能を呈することが可能な、厚いリチウム複合酸化物焼結体板を提供することができる。
本発明のリチウム複合酸化物焼結体板はいかなる方法で製造されたものであってもよいが、好ましくは、(a)リチウム複合酸化物含有グリーンシートの作製、(b)過剰リチウム源含有グリーンシートの作製、並びに(c)これらのグリーンシートの積層及び焼成を経て製造される。
まず、リチウム複合酸化物で構成される原料粉末を用意する。この粉末は、LiMO2なる組成(Mは前述したとおりである)の合成済みの粒子(例えばLiCoO2粒子)であるのが好ましい。原料粉末の体積基準D50粒径は0.1〜20μmが好ましい。原料粉末の粒径が大きいと気孔が大きくなる傾向がある。そして、原料粉末を、分散媒及び各種添加剤(バインダー、可塑剤、分散剤等)と混合してスラリーを形成する。スラリーには、後述する焼成工程中における粒成長の促進ないし揮発分の補償の目的で、LiMO2以外のリチウム化合物(例えば炭酸リチウム)が0.5〜30mol%程度過剰に添加されてもよい。スラリーには造孔材を添加しないのが望ましい。スラリーは減圧下で撹拌して脱泡するとともに、粘度を4000〜10000cPに調整するのが好ましい。得られたスラリーをシート状に成形してリチウム複合酸化物含有グリーンシートを得る。こうして得られるグリーンシートは独立したシート状の成形体である。独立したシート(「自立膜」と称されることもある)とは、他の支持体から独立して単体で取り扱い可能なシートのことをいう(アスペクト比が5以上の薄片も含む)。すなわち、独立したシートには、他の支持体(基板等)に固着されて当該支持体と一体化された(分離不能ないし分離困難となった)ものは含まれない。シート成形は、周知の様々な方法で行いうるが、ドクターブレード法により行うのが好ましい。リチウム複合酸化物含有グリーンシートの厚さは、焼成後に上述したような所望の厚さとなるように、適宜設定すればよい。
一方、上記リチウム複合酸化物含有グリーンシートとは別に、過剰リチウム源含有グリーンシートを作製する。この過剰リチウム源は、Li以外の成分が焼成により消失するようなLiMO2以外のリチウム化合物であるのが好ましい。そのようなリチウム化合物(過剰リチウム源)の好ましい例としては炭酸リチウムが挙げられる。過剰リチウム源は粉末状であるのが好ましく、過剰リチウム源粉末の体積基準D50粒径は0.1〜20μmが好ましく、より好ましくは0.2〜15μmである。そして、リチウム源粉末を、分散媒及び各種添加剤(バインダー、可塑剤、分散剤等)と混合してスラリーを形成する。得られたスラリーを減圧下で撹拌して脱泡するとともに、粘度を4000〜10000cPに調整するのが好ましい。得られたスラリーをシート状に成形して過剰リチウム源含有グリーンシートを得る。こうして得られるグリーンシートもまた独立したシート状の成形体である。シート成形は、周知の様々な方法で行いうるが、ドクターブレード法により行うのが好ましい。過剰リチウム源含有グリーンシートの厚さは、リチウム複合酸化物含有グリーンシートにおけるCo含有量に対する、過剰リチウム源含有グリーンシートにおけるLi含有量のモル比(Li/Co比)が好ましくは0.1以上、より好ましくは0.1〜1.1となるような厚さに設定するのが好ましい。
下部セッターに、リチウム複合酸化物含有グリーンシート(例えばLiCoO2グリーンシート)、及び過剰リチウム源含有グリーンシート(例えばLi2CO3グリーンシート)を順に載置し、その上に上部セッターを載置する。上部セッター及び下部セッターはセラミックス製であり、好ましくはジルコニア又はマグネシア製である。セッターがマグネシア製であると気孔が小さくなる傾向がある。上部セッターは多孔質構造やハニカム構造のものであってもよいし、緻密質構造であってもよい。上部セッターが緻密質であると焼結体板において気孔が小さくなり、気孔の数が多くなる傾向がある。そして、これらのグリーンシートをセッターで挟んだ状態で、所望により脱脂した後、中温域の焼成温度(例えば700〜1000℃)で熱処理(焼成)することで、リチウム複合酸化物焼結体板が得られる。こうして得られる焼結体板もまた独立したシート状である。
上述した好ましい製造方法は、特許文献1〜3に記載される公知の製造方法に対して、以下の特徴ないし相違点を有しており、これらが本発明のリチウム複合酸化物焼結体板の諸特性の実現に寄与するものと考えられる。
1)一段階プロセスの採用:特許文献1〜3には、リチウム含有焼成体を中間焼成体を経ずに1回の焼成で作製する一段階プロセスと、リチウム非含有の中間焼成体の作製及びその後のリチウム導入処理(熱処理、二回目の焼成)を行う二段階プロセスとが開示されているが、上記好ましい製造方法においては一段階プロセスが採用される。
2)リチウム複合酸化物原料粉末の使用:上記好ましい製造方法においては、Li、Co等の化合物の粒子を適宜混合したものではなく、LiMO2なる組成(Mは前述したとおりである)の合成済みの粒子(例えばLiCoO2粒子)を用いられる。
3)Liの過剰使用(過剰量:30mol%以上):過剰リチウム源含有グリーンシート(外部過剰リチウム源)やリチウム複合酸化物含有グリーンシート内の過剰リチウム源(内部過剰リチウム源)を用いて過剰量のLiを焼成時に存在させることで、中温域の焼成においても気孔率を望ましく制御することができる。外部過剰リチウム源は気孔を小さくする傾向がある一方、内部過剰リチウム源は気孔率及び平均気孔径を増大させる傾向がある。
4)中温域の焼成温度:中温域(例えば700〜1000℃)で焼成することにより、微細な気孔が残りやすくなる。
5)原料の粒度分布:造孔剤を用いる場合と比べ、造孔剤を用いない上記好ましい製造方法では粒子隙間で空隙が形成するため、気孔径分布が広くなる。
6)焼成時のセッター配置:上下からセッターで挟んでグリーンシート積層体を焼成することにより、微細な気孔が残りやすくなる。
(1)正極板の作製
(1a)LiCoO2グリーンシートの作製
まず、LiCoO2原料粉末(正同化学工業株式会社製)(以下、原料Aという)100重量部と、分散媒(トルエン:イソプロパノール=1:1)100重量部と、バインダー(ポリビニルブチラール:品番BM−2、積水化学工業株式会社製)10重量部と、可塑剤(DOP:Di(2−ethylhexyl)phthalate、黒金化成株式会社製)4重量部と、分散剤(製品名レオドールSP−O30、花王株式会社製)2重量部とを混合した。原料Aの体積基準D50粒径は8μmであった。得られた混合物を減圧下で撹拌して脱泡するとともに、粘度を4000cPに調整することによって、LiCoO2スラリーを調製した。粘度は、ブルックフィールド社製LVT型粘度計で測定した。こうして調製されたスラリーを、ドクターブレード法によって、PETフィルム上にシート状に成形することによって、LiCoO2グリーンシートを形成した。乾燥後のLiCoO2グリーンシートの厚さは100μmであった。
Li2CO3原料粉末(体積基準D50粒径2.5μm、本荘ケミカル株式会社製)100重量部と、バインダー(ポリビニルブチラール:品番BM−2、積水化学工業株式会社製)5重量部と、可塑剤(DOP:フタル酸ジ(2−エチルヘキシル)、黒金化成株式会社製)2重量部と、分散剤(レオドールSP−O30、花王株式会社製)2重量部とを混合した。得られた混合物を減圧下で撹拌して脱泡するとともに、粘度を4000cPに調整することによって、Li2CO3スラリーを調製した。粘度は、ブルックフィールド社製LVT型粘度計で測定した。こうして調製されたLi2CO3スラリーを、ドクターブレード法によって、PETフィルム上にシート状に成形することによって、Li2CO3グリーンシートを形成した。乾燥後のLi2CO3グリーンシートの厚さは、LiCoO2グリーンシートにおけるCo含有量に対する、Li2CO3グリーンシートにおけるLi含有量のモル比である、Li/Co比が0.5となるように設定した。
PETフィルムから剥がしたLiCoO2グリーンシートをカッターで50mm角に切り出し、下部セッターとしてのマグネシア製セッター(寸法90mm角、高さ1mm)の中央に載置した。LiCoO2グリーンシート上に過剰リチウム源としてのLi2CO3グリーンシートを載置し、その上に上部セッターとしての多孔質マグネシア製セッターを載置した。これらのグリーンシートをセッターで挟んだ状態で、120mm角のアルミナ鞘(株式会社ニッカトー製)内に載置した。このとき、アルミナ鞘を密閉せず、0.5mmの隙間を空けて蓋をした。得られた積層物を昇温速度200℃/hで600℃まで昇温して3時間脱脂した後に、900℃まで200℃/hで昇温して20時間保持することで焼成した。焼成後、室温まで降温させた後に焼成体をアルミナ鞘より取り出した。こうしてLiCoO2焼結板を正極板として得た。得られた正極板を9mm×9mm平方の形状にレーザー加工した。
正極板、セパレータ、及びカーボンからなる負極を順に載置して積層体を作製した。この積層体を電解液に浸すことにより、ラミネート型電池を作製した。電解液としては、エチレンカーボネート(EC)及びジエチルカーボネート(DEC)を等体積比で混合した有機溶媒にLiPF6を1mol/Lの濃度となるように溶解させたものを用いた。セパレータとしては、厚さ25μmのポリプロピレン製多孔質単層膜(Celgard社製、Celgard(登録商標)2500)を用いた。
上記(1c)で合成されたLiCoO2焼結板(正極板)及び上記(2)で作製された電池について、以下に示されるとおり各種の評価を行った。
LiCoO2焼結板をクロスセクションポリッシャ(CP)(日本電子株式会社製、IB−15000CP)により研磨し、得られた正極板断面を1000倍の視野(125μm×125μm)でSEM観察(日本電子製、JSM6390LA)した。得られたSEM像を画像解析し、全ての気孔の面積を正極の面積で除し、得られた値に100を乗じることにより気孔率(%)を算出した。
水銀ポロシメーター(島津製作所製、オートポアIV9510)を用いて水銀圧入法によりLiCoO2焼結板の体積基準の気孔径分布を測定した。こうして得られた横軸を気孔径、縦軸を累積体積%とした気孔径分布曲線から体積基準D50気孔径を求め、平均気孔径とした。
LiCoO2焼結板の開気孔比率をアルキメデス法により求めた。具体的には、閉気孔率をアルキメデス法で測定した見かけ密度より求める一方、全気孔率をアルキメデス法で測定した嵩密度より求めた。そして、開気孔比率を、閉気孔率と全気孔率から以下の計算によって求めた。
(開気孔比率)=(開気孔率)/(全気孔率)
=(開気孔率)/[(開気孔率)+(閉気孔率)]
=[(全気孔率)−(閉気孔率)]/(全気孔率)
LiCoO2焼結板をクロスセクションポリッシャ(CP)(日本電子株式会社製、IB−15000CP)により研磨し、得られた正極板断面を1000倍の視野(125μm×125μm)でSEM観察(日本電子製、JSM6390LA)した。このとき、視野内に20個以上の一次粒子が存在するように視野を設定した。得られたSEM像中の全ての一次粒子について外接円を描いたときの当該外接円の直径を求め、これらの平均値を一次粒径とした。
LiCoO2焼結板をクロスセクションポリッシャ(CP)(日本電子株式会社製、IB−15000CP)により研磨し、得られた正極板断面をSEM観察(日本電子製、JSM6390LA)して正極板の厚さを測定した。なお、工程(1a)に関して前述した乾燥後のLiCoO2グリーンシートの厚さも、上記同様にして測定されたものである。
XRD装置(株式会社リガク製、RINT−TTR III)を用い、LiCoO2焼結板の表面(板面)に対してX線を照射したときのXRDプロファイルを測定した。X線回折における、(104)面による回折強度に対する(003)面による回折強度の比率[003]/[104]を配向度とした。
水銀ポロシメーター(島津製作所製、オートポアIV9510)を用いて水銀圧入法によりLiCoO2焼結板の体積基準の気孔径分布を測定した。こうして得られた横軸を気孔径、縦軸を累積体積%とした気孔径分布曲線から体積基準D10、D50及びD90気孔径を求め、D50/D10、D90/D50及びD90/D10の各比率を算出した。また、横軸を気孔径、縦軸を体積%とした気孔径分布におけるピークの数をカウントした。このとき、気孔径分布における変極点であって、その前後で10点以上連続して増加又は減少しているものをピークとしてカウントした。
まず、電池の初期放電容量を測定した。この測定は、0.2Cレートで電池電圧が4.2Vとなるまで定電流充電し、引き続き電流値が0.02Cレートになるまで定電圧充電した後、0.2Cレートで3.0Vになるまで放電することを含む充放電サイクルを、合計3回繰り返すことにより行い、得られた放電容量の平均値を初期放電容量とした。次に、JIS X 6305−1:2010に準拠して電池を曲げ、曲げた後の電池の放電容量を上記同様にして測定した。曲げる前の電池の初期放電容量に対する、曲げた後の電池の放電容量の比率を算出して100を乗じることにより、曲げ試験後容量維持率(%)を得た。
電池の高速充放電容量維持率を4.2V−3.0Vの電位範囲において以下の手順で測定した。
(i)0.2Cレートで電池電圧が4.2Vとなるまで定電流充電し、引き続き電流値が0.02Cレートになるまで定電圧充電した後、0.2Cレートで3.0Vになるまで放電することを含む充放電サイクルを合計3回繰り返すことにより放電容量の測定を行い、それらの平均値を初期放電容量とした。
(ii)充電レート2C及び放電レート2Cで高速充放電を合計50回行った。
(iii)0.2Cレートで電池電圧が4.2Vとなるまで定電流充電し、引き続き0.02Cレートで定電圧充電した後、0.2Cレートで3.0Vになるまで放電することを含む充放電サイクルを合計3回繰り返すことにより放電容量の測定を行い、それらの平均値を高速充放電後放電容量とした。
(iv)上記(i)で得られた初期放電容量に対する、上記(iii)で得られた高速充放電後放電容量の比率を算出して100を乗じることにより、高速充放電容量維持率(%)を得た。
1)乾燥後のLi2CO3グリーンシートの厚さをLi/Co比が0.4となるように設定したこと、2)上部セッターとしてハニカム構造のジルコニア製セッターを用いたこと、及び3)下部セッターとしてジルコニア製セッターを用いたこと以外は例1と同様にして正極板及び電池を作製し、各種評価を行った。
LiCoO2スラリーにLi2CO3原料粉末(体積基準D50粒径2.5μm、本荘ケミカル株式会社製)をさらに添加して、LiCoO2グリーンシートにおける過剰Li/Co比が0.1となるようにしたこと以外は例2と同様にして正極板及び電池を作製し、各種評価を行った。なお、上記過剰Li/Co比は、LiCoO2グリーンシートにおけるCo含有量に対する、LiCoO2グリーンシートにおけるLi2CO3由来の過剰Li含有量のモル比である。
1)原料Aの代わりに体積基準D50粒径0.2μmのLiCoO2原料粉末(以下、原料Bという)を用いたこと、2)乾燥後のLi2CO3グリーンシートの厚さをLi/Co比が0.4となるように設定したこと、3)上部セッターとして多孔質構造のジルコニア製セッターを用いたこと、及び4)下部セッターとしてジルコニア製セッターを用いたこと以外は例1と同様にして正極板及び電池を作製し、各種評価を行った。
1)原料Aの代わりに焼成温度700℃を経て得られた体積基準D50粒径15μmのLiCoO2原料粉末(以下、原料Cという)を用いたこと、2)乾燥後のLi2CO3グリーンシートの厚さをLi/Co比が0.3となるように設定したこと、3)LiCoO2スラリーにLi2CO3原料粉末(体積基準D50粒径2.5μm、本荘ケミカル株式会社製)をさらに添加して、LiCoO2グリーンシートにおける過剰Li/Co比が0.3となるようにしたこと、4)上部セッターとして緻密質構造(緻密度90%以上)のマグネシア製セッターを用いたこと、及び5)下部セッターとしてジルコニア製セッターを用いたこと以外は例1と同様にして正極板及び電池を作製し、各種評価を行った。
1)原料Aの代わりに体積基準D50粒径5μmのLiCoO2原料粉末(以下、原料Dという)を用いたこと、2)LiCoO2スラリーにLi2CO3原料粉末(体積基準D50粒径2.5μm、本荘ケミカル株式会社製)をさらに添加して、LiCoO2グリーンシートにおける過剰Li/Co比が0.1となるようにしたこと、3)LiCoO2焼結板の作製のための焼成温度を900℃ではなく950℃としたこと以外は例1と同様にして正極板及び電池を作製し、各種評価を行った。
乾燥後のLiCoO2グリーンシートの厚さが200μmとなるように成形を行ったこと以外は例2と同様にして正極板及び電池を作製し、各種評価を行った。
乾燥後のLiCoO2グリーンシートの厚さが80μmとなるように成形を行ったこと以外は例2と同様にして正極板及び電池を作製し、各種評価を行った。
乾燥後のLiCoO2グリーンシートの厚さが50μmとなるように成形を行ったこと以外は例2と同様にして正極板及び電池を作製し、各種評価を行った。
1)原料Aの代わりに、焼成温度を900℃としたこと以外は原料Cと同様にして得られた原料粉末(以下、原料Eという)を用いたこと、2)乾燥後のLi2CO3グリーンシートの厚さをLi/Co比が0.4となるように設定したこと以外は例1と同様にして正極板及び電池を作製し、各種評価を行った。
1)原料Aの代わりに原料Bを用いたこと、2)LiCoO2スラリーにLi2CO3原料粉末(体積基準D50粒径2.5μm、本荘ケミカル株式会社製)をさらに添加して、LiCoO2グリーンシートにおける過剰Li/Co比が0.1となるようにしたこと以外は例2と同様にして正極板及び電池を作製し、各種評価を行った。
原料Aの代わりに、原料Cをボールミルにて粉砕して得られた原料粉末(以下、原料Fという)を用いたこと以外は例2と同様にして正極板及び電池を作製し、各種評価を行った。
原料Aの代わりに、共沈法にて球状に合成したCo(OH)2とLiOHとを800℃で反応させて得られた合成原料粉末(以下、原料Gという)を用いたこと以外は例2と同様にして正極板及び電池を作製し、各種評価を行った。
原料Aの代わりに、原料A、D及びEを均一に混合して得られた混合原料粉末(以下、原料Hという)を用いたこと以外は例2と同様にして正極板及び電池を作製し、各種評価を行った。
1)乾燥後のLi2CO3グリーンシートの厚さをLi/Co比が0.5となるように設定したこと、2)LiCoO2焼結板の作製のための焼成温度を900℃ではなく800℃としたこと以外は例2と同様にして正極板及び電池を作製し、各種評価を行った。
1)LiCoO2スラリーに繊維状造孔材7.5wt%(セリッシュPC10S、ダイセルファインケム株式会社製)をさらに添加したこと、2)LiCoO2スラリーにLi2CO3原料粉末(体積基準D50粒径2.5μm、本荘ケミカル株式会社製)をさらに添加して、LiCoO2グリーンシートにおける過剰Li/Co比が0.3となるようにしたこと、3)Li2CO3グリーンシート及び上部セッター(多孔質マグネシア製セッター)を載置しなかったこと、4)LiCoO2焼結板の作製のための焼成温度を900℃ではなく1200℃としたこと以外は例2と同様にして正極板及び電池を作製し、各種評価を行った。
1)LiCoO2グリーンシートの代わりに、助剤としてBi2O3をCo3O4に対して5wt%含むCo3O4グリーンシートを用いたこと、2)900℃で20時間の焼成に先立ち、Li2CO3グリーンシートを載置しない状態でCo3O4グリーンシートを1300℃で5時間焼成したこと、3)上部セッター(多孔質マグネシア製セッター)を載置しなかったこと以外は、例2と同様にして正極板及び電池を作製し、各種評価を行った。
表1に例1〜17の製造条件を示す一方、表2に例1〜17の評価結果を示す。なお、前述のとおり、表1に示される原料A〜Hは以下の意味である。なお、以下に示される原料粉末の粒径はレーザー回折・散乱式粒子径分布測定装置(マイクロトラック・ベル株式会社製、マイクロトラックMT3000II)により測定されたものである。
原料A:体積基準D50粒径5μmのLiCoO2原料粉末
原料B:体積基準D50粒径0.2μmのLiCoO2原料粉末
原料C:焼成温度700℃を経て得られた体積基準D50粒径15μmのLiCoO2原料粉末
原料D:体積基準D50粒径3μmのLiCoO2原料粉末
原料E:焼成温度を900℃としたこと以外は原料Cと同様にして得られた原料粉末
原料F:原料Cをボールミルにて粉砕して得られた原料粉末
原料G:共沈法にて球状に合成したCo(OH)2とLiOHとを800℃で反応させて得られた合成原料粉末
原料H:原料A、D及びEを均一に混合して得られた混合原料粉末
(1)正極板の作製
(1a)LiCoO2グリーンシートの作製
まず、LiCoO2原料粉末(正同化学工業株式会社製)(以下、原料Aという)100重量部と、分散媒(トルエン:イソプロパノール=1:1)100重量部と、バインダー(ポリビニルブチラール:品番BM−2、積水化学工業株式会社製)10重量部と、可塑剤(DOP:Di(2−ethylhexyl)phthalate、黒金化成株式会社製)4重量部と、分散剤(製品名レオドールSP−O30、花王株式会社製)2重量部とを混合した。原料Aの体積基準D50粒径は5μmであった。得られた混合物を減圧下で撹拌して脱泡するとともに、粘度を4000cPに調整することによって、LiCoO2スラリーを調製した。粘度は、ブルックフィールド社製LVT型粘度計で測定した。こうして調製されたスラリーを、ドクターブレード法によって、PETフィルム上にシート状に成形することによって、LiCoO2グリーンシートを形成した。乾燥後のLiCoO2グリーンシートの厚さは100μmであった。
1)原料Aの代わりに体積基準D50粒径3μmのLiCoO2原料粉末(以下、原料Dという)を用いたこと、2)LiCoO2スラリーにLi2CO3原料粉末(体積基準D50粒径2.5μm、本荘ケミカル株式会社製)をさらに添加して、LiCoO2グリーンシートにおける過剰Li/Co比が0.1となるようにしたこと、3)LiCoO2焼結板の作製のための焼成温度を900℃ではなく950℃としたこと以外は例1と同様にして正極板及び電池を作製し、各種評価を行った。
Claims (4)
- リチウム二次電池の正極に用いられるリチウム複合酸化物焼結体板であって、前記リチウム複合酸化物焼結体板は、層状岩塩構造を有する複数の一次粒子が結合した構造を有しており、かつ、
気孔率が3〜30%であり、
平均気孔径が15μm以下であり、
開気孔比率が70%以上であり、
厚さが40〜200μmであり、
前記複数の一次粒子の平均粒径である一次粒径が20μm以下であり、
気孔径分布のピーク数が1つであり、
体積基準D10、D50及びD90気孔径が、D50/D10≧2.5、D90/D50≧2.5及びD90/D10≧8.0の関係を満たす、リチウム複合酸化物焼結体板。 - X線回折における、(104)面による回折強度に対する(003)面による回折強度の比率[003]/[104]が、5.0以下である、請求項1に記載のリチウム複合酸化物焼結体板。
- 厚さが80〜200μmである、請求項1又は2に記載のリチウム複合酸化物焼結体板。
- 厚さが100〜200μmである、請求項1又は2に記載のリチウム複合酸化物焼結体板。
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