実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る機器管理システムの構成を示す模式図である。図1に示すように、機器管理システム100は、表示切替システム80と、設備機器30と、プログラム管理サーバ40と、外部サーバ45と、を有している。表示切替システム80は、管理装置10と、携帯端末20と、を有している。
管理装置10は、設備機器30と有線又は無線で接続され、設備機器30を管理するものである。すなわち、管理装置10は、ユーザが操作することにより、設備機器30を管理するためのリモートコントローラであり、例えば部屋の壁面などに配置される。管理装置10が無線によって設備機器30と接続される場合、ユーザは、設備機器30との無線通信が可能な領域内において管理装置10を使用することができる。
設備機器30は、空気調和機、給湯器、床暖房、テレビ、デジタルテレビ、DVDレコーダ、ステレオ、カーナビゲーション装置、及び照明器具等のように、管理装置10を介して操作される機器である。ここで、設備機器30は、本発明の「機器」に相当する。
プログラム管理サーバ40は、携帯端末20での表示設定を示す表示設定情報の作成処理を実行させる情報作成プログラムを格納し管理するものである。情報作成プログラムは、携帯端末20が、管理装置10と連携して、管理装置10の表示設定の切替処理を実現するためものである。つまり、情報作成プログラムは、携帯端末20に対し、管理装置10からの要求に応じて表示設定情報を作成し、作成した表示設定情報を管理装置10へ送信する機能を付与する専用アプリケーションである。外部サーバ45は、管理装置10から送信される文字の情報を翻訳して翻訳データを作成し、作成した翻訳データを管理装置10へ返送するものである。
携帯端末20は、例えば、携帯電話、スマートフォン、タブレットPC(Personal Computer)、ノートPC、又はPDA(Personal Digital Assistant)等のように、ユーザが携行できる端末である。携帯端末20は、Bluetooth(登録商標、以下同様)、WiFi(登録商標、以下同様)等の無線LAN、又はZigBee(登録商標、以下同様)など、任意の通信規格により情報通信を行う機能を有している。なお、Bluetoothには、BLE(Bluetooth Low Energy)を含むものとする。
携帯端末20は、ネットワーク50を介して、プログラム管理サーバ40から情報作成プログラムをダウンロードし、インストールする機能を有している。携帯端末20は、情報作成プログラムをインストールすることにより、管理装置10と連携して、管理装置10の表示設定を調整することができる。ここで、携帯端末20への情報作成プログラムのインストールは、例えば、ホテルのチェックイン時、老人ホームへの入居時、インターネットカフェへの入店時などに、携帯端末20の所有者が行ってもよいし、各場所の従業員などが代行してもよい。また、携帯端末20への情報作成プログラムのインストールは、自宅などにおいて事前に行うようにしてもよい。
図2は、図1の携帯端末の機能的構成を示すブロック図である。図2に示すように、携帯端末20は、表示入力部21と、端末無線通信部22と、端末制御部23と、を有している。
表示入力部21は、端末表示部21aと端末入力部21bとが積層されて構成されたタッチパネルである。端末表示部21aは、例えば液晶パネルからなり、文字又は画像などを表示するものである。端末入力部21bは、ユーザによる入力操作を受け付けるものである。より具体的に、端末入力部21bは、ユーザによってタッチされた位置を検出し、検出した位置の情報を端末制御部23へ出力するものである。
端末無線通信部22は、管理装置10との間で通信を行うものである。また、端末無線通信部22は、ネットワーク50を介してプログラム管理サーバ40との間で通信を行うものである。さらに、端末無線通信部22は、表示制御部15が携帯端末20を介して外部サーバ45との通信を行う場合、表示制御部15と外部サーバ45との通信を中継するものである。
端末制御部23は、端末記憶部23aと、取得処理部23bと、端末表示処理部23cと、を有している。端末記憶部23aには、種々のデータの他、情報作成プログラムなどの端末制御部23の動作プログラムが記憶される。取得処理部23bは、ユーザ等による入力操作に応じて、プログラム管理サーバ40から情報作成プログラムをダウンロードしてインストールするものである。そして、取得処理部23bは、インストールした情報作成プログラムに従って、携帯端末20の表示設定を示す表示設定情報を作成して送信するものである。端末表示処理部23cは、ユーザによる入力操作などに応じて、端末表示部21aに文字及び画像などを表示させたり、端末表示部21aへの表示内容を変更したりするものである。
図3は、図1の管理装置10の機能的構成を示すブロック図である。図3に示すように、管理装置10は、無線通信部11と、制御部12と、表示部17と、入力部18と、を有している。
無線通信部11は、携帯端末20との無線通信を行うものであり、携帯端末20が発した無線信号を検出する検出部11aを含んでいる。検出部11aは、近接通信を行う近接通信機能を有している。そして、検出部11aは、近接通信機能により携帯端末20の電波を無線信号として検出するものである。本実施の形態1において、無線通信部11は、一定時間間隔で携帯端末20の電波を検出するように構成されている。ここで、携帯端末20の電波とは、携帯端末20が近接通信機能を有効にしている場合に発信する電波である。近接通信機能とは、例えば、Bluetooth又は無線LAN等による通信を行う機能である。以降では、携帯端末20の電波を単に「電波」ともいう。
表示部17は、例えば液晶ディスプレイ(LCD:liquid crystal display)からなり、設備機器30に関する情報を表示するものである。設備機器30に関する情報には、設備機器30の操作に関する情報の他、設備機器30の状態を示す情報などが含まれる。入力部18は、ユーザによる入力操作を受け付け、入力操作の内容に応じた操作信号を制御部12へ送信するものである。入力部18は、例えば複数の物理ボタンを含んで構成される。
制御部12は、動作制御部13と、通信制御部14と、表示制御部15と、記憶部16と、を有している。記憶部16には、後述する第1閾値及び第2閾値などのような種々のデータの他、制御部12の動作プログラムなどが格納されている。動作制御部13は、設備機器30の動作を制御するものである。例えば、動作制御部13は、入力部18からユーザによる設定内容を示す操作信号を受信したとき、受信した操作信号に基づいて設備機器30の運転状態を制御する。また、動作制御部13は、入力部18から運転停止又は運転開始を示す操作信号を受信したとき、設備機器30の運転を停止させ又は開始させる。
通信制御部14は、無線通信部11において検出された電波をもとに、近接通信機能が有効な携帯端末20を検索するものである。通信制御部14は、電波強度演算部14aと強度判定部14bとを有している。電波強度演算部14aは、設定時間内に無線通信部11が検出した同一の携帯端末20の電波の平均値を電波強度として求めるものである。ここで、設定時間は、無線通信部11が電波検出を行う間隔よりも長い時間に設定され、無線通信部11は、設定時間内に、同一の携帯端末20の電波を複数回検出する。もっとも、電波強度演算部14aは、無線通信部11が検出した1つの電波の値を電波強度として求めるようにしてもよい。
また、電波強度演算部14aは、無線通信部11が携帯端末20の電波を検出するタイミングにおいて、無線通信部11が携帯端末20の電波を検出したか否かを判定する機能を有している。そして、電波強度演算部14aは、無線通信部11が携帯端末20の電波を検出しなかった場合、電波を検出しなかったことを示す無電波信号を強度判定部14bへ出力する機能を有している。
強度判定部14bは、電波強度演算部14aが求めた電波強度が第1閾値以上であるか否かを判定するものである。ここで、管理装置10が設置されている位置と、第1閾値の設定基準となる位置との間の距離は、本発明の「閾値」に相当する。すなわち、強度判定部14bは、携帯端末20が閾値よりも近づいたか否かを判定するものである。
ここで、第1閾値は、設備機器30が設置された部屋の大きさ及びレイアウトなどに応じて設定される。より具体的に、第1閾値は、設備機器30が設置される空間の中で、例えば、ユーザが多くの時間を過ごす場所を基準として設定される。ユーザが多くの時間を過ごす場所としては、ホテル等の部屋に設けられたベッド、又は会議室のテーブルもしくはソファ等が考えられる。
つまり、電波強度が第1閾値以上であれば、管理装置10と携帯端末20との距離が閾値よりも近づいたと判断することができるため、強度判定部14bは、電波強度が第1閾値以上である場合に、表示制御部15へ切替指令を通知する。強度判定部14bが通知する切替指令は、表示部17の表示設定の切り替えを指示する信号である。
ところで、電波強度が一旦第1閾値以上となった後、電波強度が一時的に第1閾値を下回ったとしても、携帯端末20のユーザは、継続的に管理装置10を操作する可能性がある。例えば、ホテル等の部屋に設備機器30と管理装置10とが設けられており、バスルームでの携帯端末20の電波強度が第1閾値未満となるような状況で、ユーザが携帯端末20を持ってバスルームへ移動するような場合が考えられる。
強度判定部14bは、切替指令を通知した後において、電波強度演算部14aが求めた電波強度が第2閾値未満である場合、又は電波強度演算部14aから無電波信号が出力された場合に、表示制御部15へ復元指令を通知するように構成されている。第2閾値は、設備機器30が設置された部屋の大きさ及びレイアウトなどに応じて、第1閾値よりも小さく設定される。つまり、強度判定部14bは、電波強度演算部14aが求めた電波強度が第2閾値未満であるか否かを判定することにより、携帯端末20が遠ざかったか否かを判定するものである。
強度判定部14bが通知する復元指令は、表示部17の表示設定の復元、すなわち、デフォルトの表示設定に戻すことを指示する信号である。ここで、デフォルトの表示設定には、初期状態の表示設定の他、設備機器30の管理者などがカスタマイズした表示設定も含まれる。
表示制御部15は、表示設定情報に則して表示部17の表示設定を切り替えるものである。本実施の形態1において、表示設定情報は、携帯端末20の言語設定及び文字の大きさの設定を示す情報である。すなわち、表示制御部15は、表示設定情報に示される表示設定と同等の表示設定となるように、表示部17の言語設定及び文字の大きさの設定を切り替えるものである。以降では、文字の大きさの設定のことを「文字サイズ設定」ともいう。
表示制御部15は、強度判定部14bから切替指令が通知されたとき、無線通信部11を介して、携帯端末20に表示設定情報の作成及び送信を要求し、要求に応じて携帯端末20から送信される表示設定情報を取得するものである。また、表示制御部15は、表示設定情報に示される言語設定が、デフォルトの言語設定と一致するか否かを判定するものである。さらに、表示制御部15は、表示設定情報に示される文字サイズ設定が、デフォルトの文字サイズ設定と異なるか否かを判定するものである。そして、表示制御部15は、各判定の結果に応じて表示設定を調整し、調整後の表示設定により文字等を表示部17に表示させるものである。
すなわち、表示制御部15は、表示設定情報に示される言語設定がデフォルトの言語設定と一致すれば、表示部17に表示させる文字の言語設定を変更しない。一方、表示制御部15は、表示設定情報に示される言語設定がデフォルトの言語設定と一致しなければ、表示部17に表示させる文字の言語設定を変更する。より具体的に、表示制御部15は、表示設定情報に示される言語設定がデフォルトの言語設定と一致しなければ、表示部17に表示させる文字の情報を外部サーバ45へ送信して、外部サーバ45に翻訳させる。ここで、表示制御部15は、外部サーバ45との間で、直接データ通信を行うようにしてもよいし、携帯端末20を介してデータ通信を行うようにしてもよい。
また、表示制御部15は、表示設定情報に示される文字サイズ設定が、デフォルトの文字サイズ設定と同じであれば、表示部17に表示させる文字サイズ設定を変更しない。一方、表示制御部15は、表示設定情報に示される文字サイズ設定が、デフォルトの文字サイズ設定と異なっていれば、表示部17に表示させる文字サイズ設定を表示設定情報に則して変更する。ここで、表示制御部15は、表示部17の文字サイズ設定を、携帯端末20の文字サイズ設定と同様に変更できない場合、文字の一部又は全部を縮小し又は拡大して表示部17に表示させるようにしてもよい。また、表示部17に表示させる情報のそれぞれに優先度を設定しておき、優先度の低い情報の一部又は全部を除いた情報を表示させるようにしてもよい。
そして、表示制御部15は、文字の言語及び大きさを、表示設定情報に則して調整し、表示部17に表示させる。つまり、表示制御部15は、表示設定を変更した場合、変更後の表示設定に従って表示部17に文字を表示させる。例えば、表示設定情報に示される文字の言語及び大きさの設定が、いずれも、デフォルトの文字の言語及び大きさの設定と異なっていれば、表示制御部15は、外部サーバ45から返送された翻訳データの文字の大きさを変更して表示部17に表示させる。また、表示設定情報に示される文字の言語及び大きさの設定が、いずれも、デフォルトの文字の言語及び大きさと同じであれば、表示制御部15は、文字の言語及び大きさを変更せずに表示部17へ表示させる。
図4は、図1の設備機器30が設けられた部屋に携帯端末20をもつ複数のユーザが存在する状況を例示した説明図である。図4では、設備機器30及び管理装置10が設けられた部屋Rにおいて、第1閾値の設定基準となる位置O1よりも管理装置10からの距離が近い位置に、在室者A〜Hの各々が有する携帯端末20が存在する場合を例示している。すなわち、図4の例では、管理装置10の位置から位置O1までの距離である閾値T1よりも、管理装置10からの距離が短い位置に、在室者A〜F及びHの各々が有する携帯端末20が配置されている。そして、管理装置10からの距離が閾値T1よりも長い位置に、在室者Gが有する携帯端末20が配置されている。在室者A〜Hは、テーブルTBの周囲に並べられたイス(図示せず)に着座している。
無線通信部11は、管理装置10が設置された部屋などに、近接通信機能が有効な携帯端末20をもつ複数のユーザが存在する場合、複数台の携帯端末20の電波をそれぞれ個別に検出する機能を有している。電波強度演算部14aは、無線通信部11が複数台の携帯端末20の電波を検出すると、検出した各電波を各携帯端末20に対応づけて識別し、各携帯端末20それぞれの電波強度を求める機能を有している。
強度判定部14bは、複数台の携帯端末20のうちの何れか1つに対応する電波強度が第1閾値以上であれば、電波強度が第1閾値以上である携帯端末20の表示設定への切り替えを指示する切替指令を表示制御部15へ通知する機能を有している。また、強度判定部14bは、複数台の携帯端末20のうちの2以上に対応する電波強度が第1閾値以上であれば、最も電波強度の大きい携帯端末20を選定する機能を有している。
したがって、図4の例において、無線通信部11は、在室者A〜Hの各々が有する携帯端末20の電波を検出する。電波強度演算部14aは、無線通信部11が検出した各電波を各携帯端末20に対応づけて識別し、各携帯端末20それぞれの電波強度を求める。強度判定部14bは、在室者A〜F及びHの携帯端末20の電波強度が第1閾値以上であると判定し、在室者Gの携帯端末20の電波強度が第1閾値未満であると判定する。
さらに、強度判定部14bは、第1閾値以上であると判定した携帯端末20それぞれの電波強度を比較し、電波強度が最も大きな携帯端末20を選定する。そして、強度判定部14bは、電波強度が最も大きな携帯端末20の表示設定への切替指令を表示制御部15へ通知する。図4の例において、強度判定部14bは、管理装置10からの距離が最も短い在室者Dの携帯端末20を選定し、在室者Dの携帯端末20の表示設定への切替指令を表示制御部15へ通知する。
ところで、図4を参照しての上記説明では、在室者が動かない状況を想定したが、実際には、各在室者は、それぞれ自由に行動する。そのため、電波強度のみに応じて携帯端末20を選定する場合、通信制御部14は、管理装置10からの距離が最も短い在室者が入れ替わる度に、異なる切替指令を表示制御部15へ通知することとなる。よって、管理装置10の表示設定が、各在室者の意図に反して切り替わることがある。例えば、単に管理装置10の前を通過したに過ぎない在室者が、近接通信機能の有効な携帯端末20を持っていれば、その携帯端末20の表示設定に、管理装置10の表示設定が一時的に切り替わることとなるため、制御部12の処理が煩雑となり、ユーザの利便性を損なうこととなる。
そのため、在室者がなるべく閾値よりも近づかないように、第1閾値を比較的小さく設定するようにしてもよい。図4を参照すると、例えば、第1閾値の設定基準となる位置が位置O2となるように第1閾値を設定し、通信制御部14は、在室者が閾値T2よりも近づかない限り、切替指令を通知しないようにしてもよい。また、会議などの場面において、管理装置10の近くで話す在室者が存在し、しかも管理装置10の近くで話す在室者が入れ替わるような場合は、さらに第1閾値を小さく設定するとよい。
もっとも、管理装置10が、携帯端末20との間で近距離無線通信を行うことにより、携帯端末20の電波を検出するようにしてもよい。ここで、近距離無線通信とは、例えばNFC(Near Field Communication)であり、ISO/IEC 14443、ISO/IEC 15693などに代表される、通信距離がおよそ10cm以下の短距離無線通信規格である。この場合、管理装置10を操作する在室者が、携帯端末20を管理装置10の無線通信部11にかざすことにより、無線通信部11が電波を検出し、通信制御部14が、無線通信部11において検出された電波をもとに、表示制御部15へ切替指令を通知することとなる。例えば、管理装置10がホテルの部屋に設置されている場合は、フロントで宿泊者に上記機能を伝達するか、あるいは、ホテルの部屋などに上記機能の説明書を配置することにより、宿泊者が携帯端末20を管理装置10にかざす行動を促すことができる。
ここで、制御部12及び端末制御部23は、上記の各機能を実現する回路デバイスなどのハードウェアで実現することもできるし、例えば、マイコン、DSP(Digital Signal Processor)、又はCPU(Central Processing Unit)等の演算装置上で実行されるソフトウェアとして実現することもできる。また、記憶部16及び端末記憶部23aは、RAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ等のPROM(Programmable ROM)、又はHDD(Hard Disk Drive)等により構成することができる。
図5は、図1の管理装置10が一台の携帯端末20を検出する場合における通信制御部14の動作を示すフローチャートである。図5を参照して、管理装置10が設けられた部屋に、一台の携帯端末が出入りする状況での通信制御部14による処理内容を説明する。なお、以降の動作説明は、携帯端末20に情報作成プログラムがインストールされていることを前提として説明する。
通信制御部14は、無線通信部11が携帯端末20の電波を検出するまで待機する(ステップS101/No)。無線通信部11は、携帯端末20の電波を検出すると(ステップS101/Yes)、検出した電波の情報を通信制御部14へ出力する。通信制御部14は、無線通信部11から出力される電波の情報をもとに携帯端末20の電波強度を求める(ステップS102)。
次いで、通信制御部14は、求めた電波強度が第1閾値以上であるか否かを判定する(ステップS103)。通信制御部14は、電波強度が第1閾値未満であれば(ステップS103/No)、何ら処理を行わずにステップS101へ戻る。一方、通信制御部14は、電波強度が第1閾値以上であれば(ステップS103/Yes)、近接通信機能を有効にした携帯端末20が近接したと判断できるため、切替指令を表示制御部15へ通知する(ステップS104)。
続いて、通信制御部14は、無線通信部11が携帯端末20の電波を次に検出するタイミングにおいて、無線通信部11が携帯端末20の電波を検出したか否かを判定する。すなわち、通信制御部14は、切替指令を通知してから一定時間が経過したときに、無線通信部11から電波の情報が出力されたか否かを判定する(ステップS105)。
通信制御部14は、無線通信部11から電波の情報が出力されなければ(ステップS105/No)、復元指令を表示制御部15へ通知し(ステップS108)、ステップS101へ戻る。一方、通信制御部14は、無線通信部11から電波の情報が出力されると(ステップS105/Yes)、ステップS102と同様に、携帯端末20の電波強度を求める(ステップS106)。そして、通信制御部14は、電波強度が第2閾値未満であるか否かを判定する(ステップS107)。
通信制御部14は、電波強度が第2閾値以上であれば(ステップS107/No)、ステップS105へ戻る。一方、通信制御部14は、電波強度が第2閾値未満であれば(ステップS107/Yes)、表示制御部15へ復元指令を通知し(ステップS108)、ステップS101へ戻る。そして、通信制御部14は、ステップS101〜S108に示す一連の処理を繰り返し実行する。
図6は、図1の管理装置10が一台の携帯端末20を検出する場合における表示制御部15の動作を示すフローチャートである。図6を参照して、表示制御部15による処理の内容を説明する。
表示制御部15は、通信制御部14から切替指令が通知されるまで待機する(ステップS201/No)。表示制御部15は、通信制御部14から切替指令が通知されたとき(ステップS201/Yes)、無線通信部11を介して携帯端末20から表示設定情報を取得する(ステップS202)。表示制御部15は、携帯端末20から取得した表示設定情報に則して表示部17の表示設定を切り替える。すなわち、表示制御部15は、携帯端末20の文字の表示と同等レベルの見え方となるように、表示部17の表示設定を切り替える。もっとも、表示設定情報に示される表示設定がデフォルトの表示設定と同じであれば、現状の表示設定から変更する必要がないため、表示制御部15は、現状の表示設定を維持する(ステップS203)。
次いで、表示制御部15は、通信制御部14から復元指令が通知されるまで待機する(ステップS204/No)。表示制御部15は、通信制御部14から復元指令が通知されたとき(ステップS204/Yes)、表示部17の表示設定をデフォルトの表示設定に戻す。すなわち、表示制御部15は、通信制御部14からの復元指令に応じて、携帯端末20に合わせている表示部17の表示設定を、デフォルトの表示設定に切り替える(ステップS205)。
表示制御部15は、上記のように、ステップS201〜S205に示す一連の処理を繰り返し実行する。
図7は、図1の管理装置10が一台又は複数台の携帯端末20を検出する場合における通信制御部14の動作を示すフローチャートである。図7を参照して、管理装置10が設けられた部屋に、一台又は複数台の携帯端末20が出入りする状況での通信制御部14による処理内容を説明する。図5と同等の処理については同一の符号を付して説明は省略する。
通信制御部14は、無線通信部11が携帯端末20の電波を検出するまで待機する(ステップS301/No、ステップS101/No)。無線通信部11は、複数台の携帯端末20の電波を検出すると(ステップS301/Yes)、検出した各電波の情報を通信制御部14へ出力する。通信制御部14は、無線通信部11から出力された各電波の情報をもとに、複数台の携帯端末20それぞれの電波強度を求める(ステップS302)。
次いで、通信制御部14は、求めた各電波強度のそれぞれが第1閾値以上であるか否かを判定する(ステップS303)。そして、通信制御部14は、電波強度が第1閾値以上である携帯端末20が一台もなければ(ステップS303/No)、何ら処理を行わずにステップS301へ戻る。
一方、通信制御部14は、第1閾値以上の電波強度である携帯端末20が複数台あれば(ステップS303/Yes、ステップS304/Yes)、最も電波強度の大きい一台の携帯端末20を選定する(ステップS305)。そして、通信制御部14は、選定した携帯端末20の表示設定への切替指令を表示制御部15へ通知する(ステップS104)。また、通信制御部14は、第1閾値以上の電波強度である携帯端末20が一台あれば(ステップS303/Yes、ステップS304/No)、その携帯端末20の表示設定への切替指令を表示制御部15へ通知する(ステップS104)。
また、無線通信部11は、一台の携帯端末20の電波を検出すると(ステップS301/No、ステップS101/Yes)、図5の場合と同様に、ステップS102〜S104の一連の処理を実行する。
続いて、通信制御部14は、無線通信部11が携帯端末20の電波を次に検出するタイミングにおいて、無線通信部11が携帯端末20の電波を検出したか否かを判定する。すなわち、通信制御部14は、切替指令を通知してから一定時間が経過するまでに、無線通信部11から電波の情報が出力されたか否かを判定する(ステップS306、ステップS105)。
通信制御部14は、無線通信部11から電波の情報が出力されなければ(ステップS105/No)、復元指令を表示制御部15へ通知し(ステップS108)、ステップS301へ戻る。一方、通信制御部14は、無線通信部11から、複数台の携帯端末20それぞれの電波の情報が出力されると(ステップS306/Yes)、ステップS302と同様、各電波の情報をもとに、複数台の携帯端末20それぞれの電波強度を求める(ステップS307)。
次に、通信制御部14は、ステップS303と同様、求めた各電波強度のそれぞれが第1閾値以上であるか否かを判定する(ステップS308)。通信制御部14は、電波強度が第1閾値以上である携帯端末20が一台もなければ(ステップS308/No)、設定基準端末の電波強度が第2閾値未満であるか否かを判定する(ステップS107)。ここで、設定基準端末とは、現在の管理装置10の表示設定のもととなる携帯端末20のことである。
そして、通信制御部14は、設定基準端末の電波強度が第2閾値未満であれば(ステップS107/Yes)、表示制御部15へ復元指令を通知する(ステップS108)。一方、設定基準端末の電波強度が第2閾値以上であれば(ステップS107/No)、ステップS306に戻る。すなわち、管理装置10は、現在の表示設定を維持する。
通信制御部14は、第1閾値以上の電波強度である携帯端末20が複数台あれば(ステップS308/Yes、ステップS309/Yes)、最も電波強度の大きい一台の携帯端末20を選定する(ステップS310)。次いで、通信制御部14は、選定した携帯端末20が、設定基準端末であるか否かを判定する(ステップS311)。通信制御部14は、選定した携帯端末20が設定基準端末であれば(ステップS311/Yes)、ステップS306へ戻る。すなわち、管理装置10は、現在の表示設定を維持する。通信制御部14は、選定した携帯端末20が設定基準端末でなければ(ステップS311/No)、選定した携帯端末20の表示設定への切替指令を表示制御部15に通知する(ステップS104)。
また、通信制御部14は、無線通信部11から、一台の携帯端末20の電波の情報が出力されると(ステップS306/No、ステップS105/Yes)、無線通信部11から出力された電波の情報をもとに電波強度を求める(ステップS106)。そして、通信制御部14は、電波強度が第1閾値未満であれば(ステップS312/No)、ステップS107へ移行する。通信制御部14は、電波強度が第1閾値以上であれば(ステップS312/Yes)、ステップS311へ移行する。
図8は、図1の管理装置10が一台又は複数台の携帯端末20を検出する場合における表示制御部15の動作を示すフローチャートである。図8を参照して、表示制御部15による処理の内容を説明する。図6と同等の処理については同一の符号を付して説明は省略する。
表示制御部15は、通信制御部14から切替指令が通知されるまで待機し(ステップS201/No)、通信制御部14から切替指令が通知されると(ステップS201/Yes)、ステップS202及びステップS203の処理を実行する。
次いで、表示制御部15は、通信制御部14から指令が通知されるまで待機する(ステップS401/No)。表示制御部15は、通信制御部14から復元指令が通知された場合(ステップS401/Yes、ステップS402/Yes)、表示部17の表示設定をデフォルトの表示設定に戻す(ステップS205)。一方、表示制御部15は、通信制御部14から切替指令が通知された場合(ステップS401/Yes、ステップS402/No)、ステップS202へ移行する。
表示制御部15は、上記のように、ステップS201〜S203、S401、S402、S205に示す一連の処理を繰り返し実行する。
以上のように、管理装置10は、携帯端末20が閾値よりも近づいたときに、表示部17の表示設定を携帯端末20側の表示設定に合わせることから、表示部17の表示設定をユーザの嗜好に自動的に合わせることができるため、多様な表示設定への切替処理を容易に且つ迅速に行うことができる。
すなわち、本来、リモートコントローラである管理装置10は、設備機器30の基本的な操作を行うためのものである。例えば、設備機器30が空気調和機である場合、その基本的な操作としては、温度調整又は冷暖房等のON/OFF操作などが挙げられる。よって、言語又は文字の大きさなどの切り替えを行う画面には、ユーザが種々の入力操作を行い、画面の切替処理を複数回実行させてようやくたどり着く。一方、近年は、スマートフォンなどの携帯端末20を携行している人も多く、携帯端末20は、ユーザが使用しやすいように、言語設定及び文字サイズ設定をカスタマイズすることができる。
そこで、本実施の形態1の管理装置10は、携帯端末20のユーザが近づいたときに、表示部17の表示設定を、携帯端末20と同等の表示設定に切り替えるようになっている。よって、管理装置10は、通信制御部14において電波強度が第1閾値以上であると判定したとき、ユーザが一番見やすいと思われる設定で、表示部17に文字を表示させることができる。そのため、管理装置10の近くにいるユーザは、取扱説明書等を用いての設定変更作業を都度行わなくても、管理装置10の操作を容易に行うことができる。したがって、管理装置10によれば、設備機器30の操作性を向上させると共に、設備機器30の操作性の拡張を図ることができる。
例えば、ホテルの部屋に設けられた管理装置10の場合、フロントにおいて表示設定を変更する必要がなくなるため、ホテル側で表示設定を変更する手間を省くことができる。また、老人ホームに設けられた管理装置10の場合、デフォルトでは管理者が操作しやすい表示設定にしておき、滞在者又は居住者が携帯端末20を持って管理装置10に近づけば、当該携帯端末20の表示設定に自動的に合わせるようにすることができる。さらに、老人ホームの部屋に設けられた管理装置10の場合、通常は部屋の居住者が操作しやすい表示設定にしておき、例えば訪問者が管理装置10に近づけば、訪問者の携帯端末20の表示設定に自動的に合わせるようにすることができる。
ところで、設備機器30の管理者は、重要な設定が一般ユーザによって変更されないように、基本設定の一部又は全部の変更を制限していることがあり、言語及び文字サイズの設定変更が制限されている場合もある。このような場合に、一般ユーザが、管理装置10の表示設定を好みの設定へと変更するためには、管理者が仲介する必要がある。この点、本実施の形態1の管理装置10は、一般ユーザの携帯端末20が閾値よりも近づくだけで、自動的に管理装置10の表示設定が一般ユーザの好みの設定に切り替わるため、ユーザビリティーの向上を図ることができる。さらに、一般ユーザの携帯端末20が閾値よりも近づいたとしても、言語設定及び文字サイズ設定以外の設定が一般ユーザによって変更されることはないため、管理者のニーズに応えることもできる。
また、制御部12は、携帯端末20が閾値よりも近づくと、携帯端末20の表示設定を示す表示設定情報を携帯端末20から取得し、取得した表示設定情報に則して表示部17の表示設定を切り替える。すなわち、管理装置10は、リアルタイムでの表示設定情報を携帯端末20から取得するため、表示部17の表示設定を、ユーザの好みの変遷に対して自動的に追従させることができる。
ところで、管理装置10のデフォルトの言語として、ユーザが熟知しない言語が使用されている場合、表示設定の変更は非常に困難である。例えば、ホテルもしくは多国籍企業のように、色々な言語を使用する人が存在する場所、又はインターネットカフェのように不特定多数の人が使用するような場所では、管理装置10の表示設定を一つに定めると、操作性が著しく低下する場合がある。この点、表示設定情報が言語設定を示す情報を含んでいれば、携帯端末20が閾値よりも近づいたときに、普段から使用している携帯端末20の言語設定に、管理装置10の言語設定が切り替わる。そのため、使用言語の異なる複数のユーザに対し、操作性に優れた管理装置10を提供することができる。
また、管理装置10のデフォルトの文字サイズは、より多くの情報を表示させる目的で小さくなっている傾向にあるため、年配のユーザにとっては読みにくい場合がある。例えば、老人ホームなどのように、年配のユーザが訪問し又は滞在する場所では、管理装置10の文字サイズ設定を一つに定めると、操作性が著しく低下することがある。この点、表示設定情報が文字サイズ設定を示す情報を含んでいれば、携帯端末20が閾値よりも近づいたときに、普段から使用している携帯端末20の文字サイズ設定に、管理装置10の文字サイズ設定が切り替わる。そのため、年配のユーザに対し、操作性の向上した管理装置10を提供することができる。
本実施の形態1において、制御部12は、携帯端末20が発した無線信号の強度が、閾値に対応する第1閾値よりも大きい場合に、表示部17の表示設定を当該携帯端末20の表示設定に合わせるものである。ここで、第1閾値は、設備機器30が設置された部屋の大きさ及びレイアウトなどに応じて設定変更できるため、管理装置10によれば、ユーザのニーズに応じた柔軟な表示設定の変更を実現することができる。
また、制御部12は、表示部17の表示設定を携帯端末20の表示設定に合わせた後、携帯端末20が発した無線信号の強度が第2閾値よりも小さくなった場合に、表示部17の表示設定を、デフォルトの表示設定に切り替えるものである。ここで、第2閾値は、第1閾値よりも小さく設定されることから、電波強度の一時的な低下に応じて短いスパンで表示設定の切替処理を繰り返すようなハンチングを抑制することができるため、制御の安定化を図ることができる。
さらに、制御部12は、検出部11aが複数の携帯端末20それぞれが発する無線信号を検出した場合、表示部17の表示設定を、無線信号の強度が最も大きい携帯端末20の表示設定に合わせるものである。このように、管理装置10が設けられた部屋等に複数の携帯端末20が存在する場合でも、管理装置10は、無線信号の強度の大きさに応じて一つの携帯端末20を選定する。そのため、複数の携帯端末20の配置関係に応じて、表示部17の表示設定を画一的に切り替えることができる。
加えて、制御部12は、表示設定情報に示される言語設定がデフォルトの言語設定と異なっていれば、表示部17に表示させる文字の情報を外部サーバ45へ送信し、外部サーバ45から返送された翻訳データを表示部17に表示させる。よって、複数の言語への翻訳に対応する翻訳用データベースを記憶させるメモリ資源が不要となるため、メモリ資源の削減を図ることができる。
また、電波強度演算部14aは、設定時間内に無線通信部11が検出した電波の平均値を電波強度として求めることから、無線通信部11の検出誤差等を緩和することができる。そのため、強度判定部14bによる判定の精度を高めることができ、携帯端末20との距離を精度よく捉えることができる。
ところで、本実施の形態1では、表示設定情報が、言語設定及び文字サイズ設定を示す情報である場合を例示したが、これに限らず、表示設定情報は、言語設定及び文字サイズ設定のうちの少なくとも一つを示す情報であってもよい。また、表示設定情報は、言語設定及び文字サイズ設定のうちの少なくとも一つの情報の他に、例えばフォントの設定などのような他の設定の情報を含んでいてもよい。
さらに、表示設定情報は、携帯端末20の背景画像の設定を含んでいてもよい。このようにすれば、携帯端末20の待受画面に表示されている写真などが、例えばホテルに滞在している間、管理装置10の表示部17に表示されることとなるため、ユーザの快適性の向上を図ることができる。また、携帯端末20の待受画面などの背景を変更すれば、それに応じて管理装置10の表示部17の背景も切り替わるため、ユーザの滞在環境の向上を図ることができる。
<変形例1−1>
上記の説明では、第1閾値及び第2閾値の大きさを調整することにより、不要な切替処理を抑制する例を示したが、他の構成を採ってもよい。
例えば、図5及び図7では、設定基準端末の電波強度が第2閾値未満であった場合に、通信制御部14が表示制御部15へ復元指令を通知するという処理を例示したが(ステップS107/Yes、ステップS108)、これに限定されるものではない。例えば、通信制御部14は、電波強度が第2閾値未満であった場合に、再判定待機時間が経過するのを待って、再度、無線通信部11から電波の情報の受信し、設定基準端末の電波強度が第2閾値未満であるか否かを判定するようにしてもよい。そして、通信制御部14は、その判定において、設定基準端末の電波強度が第2閾値未満であったときに、表示制御部15へ復元指令を通知するようにしてもよい。
このようにすれば、部屋の滞在者が一時的に管理装置10から遠ざかったような場合でも、再判定待機時間が経過するまでは、管理装置10の表示設定が切り替わらない。よって、ハンチングを抑制することができるため、制御の安定化を図ると共に、ユーザの利便性を向上させることができる。
加えて、管理装置10は、再判定待機時間が経過するまでの間、無線通信部11の通信機能をオフにするようにしてもよい。このようにすれば、無線通信部11が不要な電波を検出することがなくなり、通信コストの削減を図ることができる。
また、通信制御部14は、切替指令を通知した後、所定の待ち時間が経過するまで、無線通信部11からの電波の情報の受信、あるいは電波強度の判定処理を行わないように構成してもよい。より具体的に、通信制御部14は、例えば、図5及び図7におけるステップS104の後に、待ち時間が経過するまで待機する処理を行うようにしてもよい。
このようにすれば、部屋の滞在者が一時的に管理装置10から遠ざかったような場合でも、待ち時間が経過するまでは、管理装置10の表示設定が切り替わらない。また、管理装置10が設けられた部屋に複数の在室者が存在し、各在室者がそれぞれ携帯端末20を有するような場合でも、待ち時間が経過するまでは、管理装置10の表示設定が切り替わらない。よって、ハンチングを抑制することができるため、制御の安定化を図ると共に、ユーザの利便性を向上させることができる。
加えて、管理装置10は、待ち時間が経過するまでの間、無線通信部11の通信機能のオフにするようにしてもよい。このようにすれば、無線通信部11が不要な電波を検出することがなくなり、通信コストの削減を図ることができる。
<変形例1−2>
さらに、携帯端末20が一度、第1閾値内の領域に入り、管理装置10の表示設定が切り替わった場合、携帯端末20が管理装置10から離れても、所定の解除条件を満たさない限り、管理装置10が表示設定を維持するようにしてもよい。ここで、所定の解除条件には、表示設定のデフォルト化などの処理が含まれる。表示設定のデフォルト化は、ホテル等のチェックアウト後の管理者による解除操作で実現してもよく、管理側でのペアリングパスワードの切り替え等により行ってもよい。
より具体的に、表示制御部15は、携帯端末20が閾値よりも近づき、管理装置10の表示設定が切り替わった後、表示部17に、表示設定を維持する維持モードの設定用画像を表示させる。維持モードの設定用画像は、例えば「維持」という文字を含む仮想ボタンである。ユーザが入力部18を操作し、維持モードの設定用画像を指定すると、入力部18は、維持モードの設定を指示する信号を制御部12へ送信する。これにより、制御部12は、所定の解除条件を満たすまで、管理装置10の表示設定を維持する。
もっとも、携帯端末20が閾値よりも近づき、管理装置10の表示設定が切り替わった後、端末表示処理部23cが、端末表示部21aに維持モードの設定用画像を表示させてもよい。この場合、ユーザが端末入力部21bを操作し、維持モードの設定用画像を指定すると、携帯端末20は、維持モードの設定を指示する信号を管理装置10へ送信する。
また、携帯端末20が閾値よりも近づき、管理装置10の表示設定が切り替わった後は、現在の管理装置10の表示設定とは異なる別の携帯端末20が閾値よりも近づくまで、管理装置10が表示設定を維持するようにしてもよい。すなわち、管理装置10の現在の表示設定とは異なる携帯端末20を持つ他のユーザが、第1閾値内の領域に入らない限り、管理装置10が表示設定を変えないようにしてもよい。この場合、現在の管理装置10の表示設定とは異なる別の携帯端末20が閾値よりも近づくことが、所定の解除条件となる。
上記のような構成を採ると、ホテルなどで連泊する顧客は、宿泊中において、嗜好に合った表示設定の管理装置10を継続的に使用することができる。また、携帯端末20の無線機能は、バッテリーを消耗するため、常にはONにしていない場合がある。この点、管理装置10は、一旦表示設定が切り替われば、携帯端末20の無線をOFFにしても、ユーザの好みの表示設定を維持するようになっている。よって、バッテリーの消耗を抑制しつつ、ユーザの利便性の向上を図ることができる。
<変形例2>
図9は、本発明の実施の形態1の変形例2に係る管理装置110の機能的構成を示すブロック図である。上述した管理装置10と同等の構成部材については、同一の符号を用いて説明は省略する。
図9に示すように、本変形例2の管理装置110は、報知制御部150と、報知部170と、を有している。報知部170は、在室者に管理装置110の視認を促す視認促進情報を、音又は音声によって報知するものである。報知部170は、スピーカを含んで構成される。
報知制御部150は、通信制御部14において電波強度が第1閾値以上であると判定されたとき、報知部170に視認促進情報を報知させるものである。例えば、報知制御部150は、報知部170に、視認促進情報としてビープ音などを報知させるようにしてよい。報知制御部150は、報知部170に、視認促進情報として「表示設定を固定しますか?」又は「画面をご確認ください」といった音声を報知させるようにしてもよい。報知制御部150は、報知部170に、視認促進情報として、ビープ音などを報知させた後に音声を報知させるようにしてもよい。
また、本変形例2の表示制御部115は、通信制御部14において電波強度が第1閾値以上であると判定されたとき、表示部17に、表示設定の固定の要否を確認する固定確認情報を表示させるものである。より具体的に、表示制御部115は、管理装置110が設置された部屋などに、電波強度が第1閾値以上である携帯端末20が一台だけ存在する場合、その携帯端末20の表示設定に合わせて、表示部17に固定確認情報を表示させる。また、表示制御部115は、管理装置110が設置された部屋などに、電波強度が第1閾値以上である携帯端末20が複数台存在する場合、強度判定部14bが選定した一台の携帯端末20の表示設定に合わせて、表示部17に固定確認情報を表示させる。
ここで、固定確認情報は、例えば、「表示設定を固定する」という内容を示す固定情報と、「表示設定を固定しない」という内容を示す非固定情報と、を含んで構成される。在室者が入力部18を操作して固定情報を選択すると、表示制御部115は、表示部17の表示設定の固定処理を実行する。すなわち、表示制御部115は、入力部18において固定情報が選択されると、設定維持時間が経過するまで、通信制御部14からの切替指令に基づく表示設定を維持する。表示制御部115の他の構成は、上述した表示制御部15と同様である。
ここで、設定維持時間は、表示設定の固定を解除するまでの時間であり、予め記憶部16に記憶させておいてもよく、適宜変更できるようにするとよい。また、表示制御部115は、固定確認情報と共に、又は固定確認情報に対する入力操作に応じて、設定維持時間を入力させる欄を表示部17に表示させるようにしてもよい。そして、表示制御部115は、入力部18を介して入力された設定維持時間に従って、表示部17の表示設定の固定処理を行うようにしてもよい。もっとも、表示制御部115は、設定維持時間を入力させる欄ではなく、表示設定の固定を解除する時刻を入力させる欄を表示部17に表示させるようにしてもよい。そして、表示制御部115は、入力部18を介して入力された時刻に基づいて設定維持時間を求め、求めた設定維持時間に従って、表示部17の表示設定の固定処理を行うようにしてもよい。
管理装置110は、表示制御部115へ切替指令を送信する際に通信制御部14が、報知制御部150へ報知指令を送信するようにしてもよいし、通信制御部14から切替指令を受信したときに表示制御部115が、報知制御部150へ報知指令を送信するようにしてもよい。
表示制御部115は、固定確認情報を表示させてから確認待機時間が経過すると、固定確認情報を表示部17から消去し、表示設定の固定処理の受け付けを終了するようにしてもよい。確認待機時間は、任意に設定変更できるようにするとよい。
図10は、図9の管理装置110が有する制御部12の動作を示すフローチャートである。図10を参照して、表示制御部115及び報知制御部150による処理の内容を説明する。図8と同等の処理については同一の符号を付して説明は省略する。
表示制御部115は、通信制御部14から切替指令が通知されるまで待機し(ステップS201/No)、通信制御部14から切替指令が通知されると(ステップS201/Yes)、ステップS202及びステップS203の処理を実行する。その際、報知制御部150は、視認促進情報を報知部170に報知させ(ステップS501)、表示制御部115は、ステップS203で切り替えた表示設定により、表示部17に固定確認情報を表示させる(ステップS502)。
次いで、表示制御部115は、確認待機時間が経過するまでの間において、入力操作があるまで待機する(ステップS503/No、ステップS504/No)。表示制御部115は、入力操作がある前に確認待機時間が経過すると(ステップS504/Yes)、ステップS401へ移行する。
また、表示制御部115は、確認待機時間が経過するまでの間に、表示設定の固定を指示する入力操作があると(ステップS503/Yes、ステップS505/Yes)、表示部17の表示設定を、ステップS203で切り替えた表示設定に固定する(ステップS506)。すなわち、表示制御部115は、設定維持時間が経過するまで、表示部17の言語設定及び文字サイズ設定を、ステップS203で切り替えた後の設定で維持する(ステップS507/No)。そして、設定維持時間が経過すると(ステップS507/Yes)、ステップS401へ移行する。一方、表示制御部115は、確認待機時間が経過するまでの間に、表示設定を固定しないことを指示する入力操作があると(ステップS503/Yes、ステップS505/No)、ステップS401へ移行する。
以上のように、本変形例2における管理装置110は、通信制御部14において電波強度が第1閾値以上であると判定されたとき、表示部17に固定確認情報を表示させる。よって、ユーザに表示設定の固定の要否を判断させることができるため、ユーザの使用状況に応じた柔軟な表示設定を実現することができる。
ここで、管理装置110は、表示設定を固定している間、無線通信部11の通信機能をオフにするようにしてもよい。このようにすれば、無線通信部11が不要な電波を検出することがなくなり、通信コストの削減を図ることができる。
また、管理装置110は、通信制御部14において電波強度が第1閾値以上であると判定されたとき、視認促進情報を報知部170に報知させる。よって、ユーザの注意をひくことができるため、表示設定の固定が可能であることをユーザに認識させ、ユーザに固定の要否を判断させることができる。もっとも、管理装置110は、報知制御部150及び報知部170を設けずに構成してもよい。このようにしても、例えば、ホテルのフロント等で表示設定の固定する機能について伝達すること、あるいは、ホテルの部屋等に上記機能の説明書を配置すること等により、宿泊者による管理装置110の視認を促すことができ、表示設定の固定の要否を判断させることができる。
ところで、本変形例2では、管理装置110が、報知制御部150及び報知部170を有する場合を例示したが、これに限定されるものではない。例えば、管理装置110は、通信制御部14において電波強度が第1閾値以上であると判定されたとき、表示制御部115が表示部17を発光させるようにしてもよい。また、管理装置110は、報知制御部150及び報知部170の代わりに、又は報知制御部150及び報知部170と共に、何れも図示しないが、発光制御部及び発光部を有するようにしてもよい。発光部は、例えばLEDを含んで構成される。すなわち、管理装置110は、通信制御部14において電波強度が第1閾値以上であると判定されたとき、発光制御部が発光部を発光させるようにしてもよい。
<変形例3−1>
上記の説明では、表示設定情報に示される言語設定がデフォルトの言語設定と一致しなければ、表示制御部15が、表示部17に表示させる文字の情報を外部サーバ45へ送信し、外部サーバ45に翻訳させる場合を例示したが、これに限定されるものではない。
例えば、記憶部16には、表示部17に表示させる文字の情報を、デフォルトの言語から他の言語に翻訳するための翻訳用データベースが予め格納されていてもよい。翻訳用データベースは、ある言語から少なくとも1つの他の言語への翻訳に対応するものである。翻訳用データベースは、例えば、日本、米国、中国、フランス、及びドイツの5カ国程度の言語への翻訳に対応するものであってよい。さらに、翻訳用データベースは、1カ国〜2カ国程度の言語への翻訳に対応するデータベースを追加できるように構成するとよい。ここで、翻訳用データベースは、制御部12が、ネットワーク50経由で外部サーバ45などから取得するようにしてもよい。
また、表示制御部15は、記憶部16に記憶されている翻訳用データベースが、表示設定情報に示される言語への翻訳に対応しているか否かを判定する機能を有するようにするとよい。そして、表示制御部15は、表示設定情報に示される言語への翻訳に翻訳用データベースが対応している場合、表示部17に表示させる文字を、翻訳用データベースを用いて翻訳することにより、翻訳データを作成するようにするとよい。表示制御部15は、表示設定情報に示される言語に翻訳用データベースが対応していない場合に、表示部17に表示させる文字の情報を外部サーバ45へ送信し、外部サーバ45に翻訳させるようにするとよい。
すなわち、表示制御部15は、携帯端末20側において、管理装置10が保持していない言語が使用されていた場合、表示部17に表示させるメッセージを携帯端末20へ通知するようにしてもよい。そして、携帯端末20が、インターネット経由で外部サーバ45にアクセスして翻訳作業を行い、管理装置10が、翻訳されたメッセージを携帯端末20から取得して表示部17に表示させるようにしてもよい。もっとも、管理装置10は、直接インターネット経由で外部サーバ45にアクセスして翻訳作業を行うようにしてもよい。
このようにすれば、管理装置10は、例えば、利用者の使用頻度の高い言語への翻訳処理を内部で行い、利用者の使用頻度の低い言語への翻訳処理を外部で行うといった具合に、翻訳処理の実行主体を調整することができる。そのため、特定の言語への翻訳処理をより迅速に行うことができると共に、多様な言語への翻訳処理を実現することができる。
<変形例3−2>
上記の説明では、表示部17に表示させる文字の情報を外部サーバ45に翻訳させる場合を例示したが、これに限定されない。制御部12は、表示設定情報に示される言語設定がデフォルトの言語設定と異なっていれば、文字の情報を翻訳して翻訳データを作成する機能が付与された携帯端末20へ表示部17に表示させる文字の情報を送信してもよい。そして、制御部12は、携帯端末20から返送された翻訳データを表示部17に表示させてもよい。
より具体的に、本変形例3−2の情報作成プログラムは、文字の情報を翻訳して翻訳データを作成する機能を携帯端末20に付与する翻訳アプリケーションを含んでいる。したがって、携帯端末20は、管理装置10から送信される文字の情報を翻訳して翻訳データを作成することができる。
以上のように、本変形例3−2では、外部サーバ45を介在させず、携帯端末20を用いて翻訳処理を行うことができる。ここで、管理装置10と携帯端末20との通信には、ネットワーク50が介在しないため、その通信負荷は、管理装置10と外部サーバ45との通信負荷よりも軽くなっている。すなわち、本変形例3−2の管理装置10によれば、翻訳処理での通信負荷を抑制することができるため、管理装置10の処理負担を軽減することができる。
<変形例4>
図11は、本発明の実施の形態1の変形例4に係る設備機器30が設けられた部屋に携帯端末20をもつ複数のユーザが存在する状況の一例を示す説明図である。図12は、本発明の実施の形態1の変形例4に係る設備機器30が設けられた部屋に携帯端末20をもつ複数のユーザが存在する状況の他の例を示す説明図である。本変形例4の管理装置の構成は、上述した管理装置10及び110と同等であるが、便宜上、管理装置10と同一の符号を用いて各構成の説明は省略する。
本変形例4では、優先度の異なる情報作成プログラムが存在する。例えば、一般ユーザ向けの情報作成プログラムと、管理者向けの情報作成プログラムと、サービスマン向けの情報作成プログラムとが存在するようにしてもよい。この場合、一般ユーザ向けの情報作成プログラムの優先度が最も低く設定され、サービスマン向けの情報作成プログラムの優先度が最も高く設定される。
そして、制御部12は、複数台の携帯端末20が閾値よりも近づいた場合、表示部17の表示設定を、最も優先度の高い情報作成プログラムをインストールしている携帯端末20の表示設定に合わせるようになっている。また、制御部12は、最も優先度の高い情報作成プログラムをインストールしている複数台の携帯端末20が閾値よりも近づいた場合、表示部17の表示設定を、各携帯端末20のうちで、無線信号の強度が最も大きい携帯端末20の表示設定に合わせるようにするとよい。
ここで、図11及び図12を参照して、一般ユーザ向けの情報作成プログラムをインストールした携帯端末20と、管理者向けの情報作成プログラムをインストールした携帯端末20とが部屋Rに存在する例について、具体的に説明する。
図11の例では、在室者A〜Gのそれぞれの携帯端末20には、一般ユーザ向けの情報作成プログラムがインストールされており、管理者Xの携帯端末20には、管理者向けの情報作成プログラムがインストールされているものとする。また、管理装置10からの距離が閾値T1よりも短い位置に、在室者A、在室者D、及び管理者Xの各々が有する携帯端末20が配置されている。したがって、図11の例において、無線通信部11は、在室者A、在室者D、及び管理者Xの各々が有する携帯端末20の電波を検出する。そして、電波強度演算部14aは、無線通信部11が検出した各電波を各携帯端末20に対応づけて識別すると共に、各携帯端末20それぞれの電波強度を求める。強度判定部14bは、在室者A、在室者D、及び管理者Xの携帯端末20の電波強度が第1閾値以上であると判定する。
本変形例4の強度判定部14bは、電波強度が第1閾値以上である携帯端末20が複数存在する場合に、最も優先度の高い情報作成プログラムをインストールしている携帯端末20を選定する機能を有している。すなわち、図11の例の場合、強度判定部14bは、管理者向けの情報作成プログラムをインストールしている管理者Xの携帯端末20を選定する。したがって、強度判定部14bは、管理者Xの携帯端末20の表示設定への切替指令を表示制御部15へ通知する。
図12の例では、在室者A〜Fのそれぞれの携帯端末20には、一般ユーザ向けの情報作成プログラムをインストールされており、管理者X及び管理者Yのそれぞれの携帯端末20には、管理者向けの情報作成プログラムがインストールされているものとする。また、管理装置10からの距離が閾値T1よりも短い位置に、在室者A〜E、管理者X、及び管理者Yの各々が有する携帯端末20が配置されている。したがって、図12の例において、無線通信部11は、在室者A〜E、管理者X、及び管理者Yの各々が有する携帯端末20の電波を検出する。そして、電波強度演算部14aは、無線通信部11が検出した各電波を各携帯端末20に対応づけて識別すると共に、各携帯端末20それぞれの電波強度を求める。強度判定部14bは、在室者A〜E、管理者X、及び管理者Yの携帯端末20の電波強度が第1閾値以上であると判定する。
そして、図12の例の場合、強度判定部14bは、まず、管理者Xの携帯端末20と管理者Yの携帯端末20とを選定する。ここで、本変形例4の強度判定部14bは、最も優先度の高い情報作成プログラムをインストールしている複数台の携帯端末20が閾値よりも近づいた場合、無線信号の強度が最も大きい携帯端末20を選定するようになっている。すなわち、図12の例の場合、強度判定部14bは、管理装置10からの距離が最も短い管理者Yの携帯端末20を選定し、管理者Yの携帯端末20の表示設定への切替指令を表示制御部15へ通知する。なお、携帯端末20を優先度に応じて選定する機能は、無線通信部11に持たせてもよい。また、携帯端末20を電波強度に応じて選定する機能についても、無線通信部11に持たせるようにしてもよい。
以上のように、本変形例4の管理装置10は、複数台の携帯端末20が閾値よりも近づいた場合、表示部17の表示設定を、最も優先度の高い情報作成プログラムをインストールしている携帯端末20の表示設定に合わせるものである。そのため、ハンチングを抑制することができるため、ユーザの利便性の向上を図ることができる。
例えば、サービスマンが設備機器30の修理又は調整などを行っているとき、管理装置10の近くに、一般ユーザ又は管理者などが同席している場合もある。このような場合、複数の携帯端末20に優先度が設定されていなければ、サービスマンよりも一般ユーザ又は管理者が近づく度に、管理装置10の表示設定が切り替わることとなり、利便性に欠ける。この点、本変形例4の管理装置10は、サービスマン向けの情報作成プログラムをインストールしている携帯端末20の優先度を最も高く認識する。そのため、サービスマンによる設備機器30の修理又は調整作業を妨げることのない利便性の高い管理装置10を提供することができる。
また、本変形例4の管理装置10は、最も優先度の高い情報作成プログラムをインストールしている複数台の携帯端末20が閾値よりも近づいた場合、表示部17の表示設定を、最も優先度の高い情報作成プログラムをインストールしている携帯端末20のうちで、無線信号の強度が最も大きい携帯端末20の表示設定に合わせるものである。よって、複数の携帯端末20の配置関係に応じて、表示部17の表示設定を画一的に切り替えることができる。
<変形例5>
図7では、異なる表示設定の2以上の携帯端末20の電波強度が第1閾値以上の場合、電波強度の判定を行う度に、管理装置10の表示設定を、最も電波強度の大きい携帯端末20の表示設定に合わせる例を示している。したがって、2以上の携帯端末20と管理装置10との位置関係が変化する度に、管理装置10の表示設定が切り替わることとなる。例えば、異なる表示設定である2つの携帯端末20が第1閾値内の領域にある場合を想定する。この場合、管理装置10の直近の表示設定に対応する一方の携帯端末20において、専用アプリケーションがOFFになったとき、第1閾値内の領域に残った他方の携帯端末20の表示設定に、管理装置10の表示設定が切り替わる。また、一方の携帯端末20の電波強度が第2閾値よりも小さくなったとき、第1閾値内の領域に残った他方の携帯端末20の表示設定に、管理装置10の表示設定が切り替わる。ここで、異なる表示設定である2つの携帯端末20としては、英語の表示設定の携帯端末20と、フランス語の表示設定の携帯端末20との組み合わせなどが考えられる。
ただし、異なる表示設定である2以上の携帯端末20が第1閾値内の領域にある場合でも、実際には、特定の人が管理装置10の操作を行うことがある。また、例えば英語など、比較的多くの人が理解できる言語の表示設定にしておき、管理装置10の操作を誰でも行えるようにしておきたい場合もある。
そこで、本変形例5の管理装置10は、複数の携帯端末20と接続処理した場合、各携帯端末20のアプリ画面に、表示設定の優先的な指定を受け付ける優先ボタンを表示させる。ここで、接続処理とは、Bluetoothにおけるペアリングに相当する。また、アプリ画面とは、管理装置10が情報作成プログラムを実行することにより、端末表示処理部23cが端末表示部21a上に表示させる画面である。そして、ユーザが端末入力部21bを操作し、ある携帯端末20の優先ボタンを選択すると、管理装置10の表示設定は、優先ボタンが選択された携帯端末20の表示設定に固定される。
すなわち、本変形例5の制御部12は、複数台の携帯端末20が閾値よりも近づいた場合、無線通信部11を介して、情報作成プログラムがインストールされている全ての携帯端末20と接続処理を行う。そして、制御部12は、各携帯端末20に優先ボタンを表示させ、優先ボタンが選択された携帯端末20の表示設定に、表示部17の表示設定を固定する。したがって、本変形例5の管理装置10によれば、特定の人が操作を行いたい場合、又は多くの人が共通言語で操作を行いたい場合などに、表示設定が頻繁に切り替わることによる処理負担を軽減し、ユーザの利便性の向上を図ることができる。
<変形例6>
上記では、表示部17の文字サイズ設定を携帯端末20と同様に変更できない場合に、表示制御部15が文字の一部又は全部を縮小して表示部17に表示させる例などを説明したが、これらに限定されない。例えば、表示部17に表示させる文字の情報を翻訳した結果、元の文字の情報よりも、翻訳データの文字の方が長くなることがある。この場合、何ら対処しなければ、表示する文字の大きさをユーザの好みよりも小さく表示せざるを得なくなる。
そこで、本変形例6の表示制御部15は、表示言語等を翻訳した結果、文字が長くなり、文字の大きさをユーザの好みよりも小さく表示せざるを得ない場合に、翻訳データの文字を、意味が分かる程度に省略する機能を有している。表示制御部15は、翻訳データを構成する用語ごとに、文字の省略を行うか否かを判定するようになっている。
本変形例6の記憶部16には、文字数閾値及び用語対応データが記憶されている。文字数閾値は、管理装置の表示部17のサイズなどに応じて設定され、適宜変更することができる。ここで、表示部17上では、用語ごとに配置が決まっており、表示可能な領域のサイズが異なることがある。そのため、文字数閾値は、用語ごとに設定されてもよい。用語対応データは、例えば、翻訳データを構成する各用語と、各用語を省略した省略データとを対応づけたテーブル情報である。
すなわち、表示制御部15は、翻訳データを構成する各用語のそれぞれについて、文字数と文字数閾値とを比較する。表示制御部15は、翻訳データを構成する用語の文字数が文字数閾値より多い場合、当該用語を用語対応データに照らして省略データを読み出す。そして、表示制御部15は、読み出した省略データを表示部17に表示させる。
より具体的に、元の文字の情報での用語が「自動冷房」の場合、翻訳データは「AUTO COOLING MODE」となる。この場合、用語対応データでは、例えば、「AUTO COOLING MODE」と、省略データとしての「AUTO COOL」とが関連づけられている。ここで、文字数閾値が「12」に設定されているとする。すると、表示制御部15は、「AUTO COOLING MODE」の文字数が文字数閾値よりも多いため、用語対応データから「AUTO COOL」を読み出し、表示部17に表示させる。
以上のように、本変形例6の表示制御部15は、翻訳データを構成する各用語のそれぞれについて文字数と文字数閾値とを比較し、文字数閾値よりも多い文字数の用語を省略して表示部に表示させる。よって、翻訳データの文字の表示を所定の大きさに保つことができるため、視認性を確保しつつ、表示部17上の文字の意味をユーザに理解させることができる。
<変形例7>
本変形例7の管理装置10は、携帯端末20が閾値よりも近づいた場合、現在表示中の画面の表示設定だけを変更するようになっている。つまり、管理装置10は、現在表示中の画面以外の他の画面の表示設定は、携帯端末20が閾値よりも近づいた時点では切り替えない。管理装置10は、現在表示中の画面から他の画面へ切り替える切替操作が行われた場合に、はじめて、当該他の画面の表示設定を変更する。
より具体的に、制御部12は、携帯端末20が閾値よりも近づいたとき、表示部17に表示させる文字の情報のうち、現在表示中の画面に関連する文字の情報を外部サーバ45へ送信する。上述した変形例3−1の構成を本変形例7に適用した場合、制御部12は、翻訳用データベースが携帯端末20の表示設定の言語に対応していれば、現在表示中の画面に関連する文字の情報を翻訳する。上述した変形例3−2の構成を本変形例7に適用した場合、制御部12は、現在表示中の画面に関連する文字の情報を携帯端末20に送信する。そして、制御部12は、外部サーバ45もしくは携帯端末20から返送された翻訳データ、あるいは自身で作成した翻訳データを表示部17に表示させる。
制御部12は、入力部18を介して切替操作を受け付けたときに、表示部17に表示させる文字の情報のうち、切替後の他の画面に関連する文字の情報を、外部サーバ45もしくは携帯端末20に送信し、あるいは自身で翻訳する。そして、制御部12は、外部サーバ45もしくは携帯端末20から返送された翻訳データ、あるいは自身で作成した翻訳データを表示部17に表示させる。
以上のように、本変形例7の制御部12は、表示部17の表示設定のうち、現在表示中の画面の表示設定だけを、携帯端末20の表示設定に合わせるようになっている。そのため、携帯端末20が閾値よりも近づいたときに、管理装置10に表示されている画面に関連する文字の翻訳だけを行えばよいことから、翻訳処理の負担が軽減され、表示設定の切り替えの迅速化を図ることができる。加えて、基本画面など、特定の1つの画面しか利用しないような場合は、不要な翻訳処理を省くことができる。そして、管理装置10のメモリ資源の削減を図ることができる。なお、上記の各変形例を含む実施の形態1において、表示制御部15は、ユーザによる操作内容を示す操作信号を入力部18から受信すると、受信した操作信号に応じて表示部17の表示状態を変化させるものである。後述する各実施の形態においても同様である。
実施の形態2.
図13は、本発明の実施の形態2に係る機器管理システム100の構成を示す模式図である。図13に示すように、本実施の形態2では、設備機器30として空気調和機を例示し、管理装置10として空気調和機のリモートコントローラを例示し、携帯端末20としてスマートフォンを例示している。前述した実施の形態1と同等の構成部材については同一の符号を用いて説明は省略する。なお、本実施の形態2の機器管理システムは、本発明の「空調システム」に相当する。
設備機器30は、部屋等の空調対象空間に設けられ、空調対象空間の空気の温度、湿度、及び清浄度などを調整するものである。設備機器30は、室内機と室外機とが別々に設けられた分離型の空調機であってもよく、室内機の機能と室外機の機能とを組み合わせた一体型の空調機であってもよい。また、設備機器30は、空調対象空間の空気と外気と入れ替える換気装置、空気中に浮遊する粉塵などを除去する空気清浄機、及び空調対象空間の空気を加湿する加湿器などであってもよい。例えば、設備機器30が、室内機と室外機とを有する場合、管理装置10は、部屋等の空調を行う当該室内機に接続される。
設備機器30と管理装置10とは、伝送線300によって接続されており、管理装置10は、空調対象空間である部屋等の壁面に設けられている。動作制御部13は、設備機器30に設けられた各種センサ(図示せず)による検出値を取得して設備機器30を監視し、設備機器30の動作を制御する。表示部17は、空気調和機の操作に関する情報、設備機器30の運転状態の情報、及び空調対象空間の空気の状態を示す情報などを表示する。つまり、表示制御部15は、ユーザによる入力操作及び携帯端末20との通信の内容などに応じて、表示部17に種々の情報を表示させる。
管理装置10は、入力部18として、例えば、表示部17に表示された画面に応じて種々の機能が割り付けられる複数の機能キー1a〜1dと、特定の機能が固定的に割り当てられた複数の固定キー2a〜2dと、を有している。表示部17が、図13のように、風速の情報、設定温度の情報、及び運転モードの情報を表示している場合、機能キー1aは風速の設定変更を受け付け、機能キー1b及び機能キー1cは設定温度の変更を受け付け、機能キー1dは、運転モードの変更を受け付ける。また、「メニュー」と表記された固定キー2aがユーザにより押下されると、表示制御部15は、表示部17にメニュー画面を表示させる。「もどる」と表記された固定キー2bがユーザにより押下されると、表示制御部115は、表示部17に1つ前の画面を表示させる。ユーザが複数の機能キー1a〜1dなどを用いて入力操作を行い、「決定」と表記された固定キー2cを押下すると、動作制御部13は、ユーザによる入力内容に従って設備機器30に関する設定を更新する。「もどる」と表記された固定キー2dがユーザにより押下されると、動作制御部13は、設備機器30の運転を停止し又は開始する。
もっとも、図13では、管理装置10が有線により設備機器30との通信を行う場合を例示しているが、これに限らず、管理装置10は、無線LAN、赤外線通信、又はBluetoothなど、任意の通信規格により設備機器30との通信を行うように構成してもよい。表示部17は、文字又は画像等の表示を行う表示パネルと、当該表示パネルと積層されてタッチ操作を検出する検出手段と、を含むタッチパネル等であってもよい。
以上のように、管理装置10は、携帯端末20が閾値よりも近づいたときに、表示部17の表示設定が携帯端末20側の表示設定に切り替わることから、表示部17の表示設定をユーザの嗜好に自動的に合わせることができるため、多様な表示設定への切替処理を容易に且つ迅速に行うことができる。他の効果については、前述した実施の形態1と同様である。
実施の形態3.
本実施の形態3の機器管理システムの構成は、前述した実施の形態1と同様であるため、実施の形態1と同等の構成部材については同一の符号を用いて説明は省略する。本実施の形態3の情報作成プログラムは、設備機器30の操作用のリモートコントローラとしての機能を携帯端末20に付与する操作用アプリケーションを含んでいる。そして、本実施の形態3の表示切替システム80は、管理装置10で操作できる設備機器30については、その設備機器30の操作用アプリケーションを含む情報作成プログラムがインストールされた携帯端末20によって操作することができる。例えば、設備機器30が空気調和機の場合、携帯端末20によって空気調和機を操作するためには、その空気調和機の専用の操作用アプリケーションが携帯端末20にインストールされている必要がある。
携帯端末20において情報作成プログラムを立ち上げ、管理装置10と接続処理を行うと、携帯端末20は、情報作成プログラムにより、管理装置10に携帯端末20の表示設定情報を送信する。すると、管理装置10では、翻訳処理などを経て、表示部17の表示設定が携帯端末20の表示設定に切り替わる。ここで、携帯端末20が管理装置10と行う接続処理には、例えばBLEにおけるペアリングがある。携帯端末20の情報作成プログラムを終了すると、無線信号の強度が第1閾値よりも大きくても、管理装置10の表示設定は、デフォルトの表示設定に切り替わる。以上の内容は、実施の形態1の場合と同様である。
すなわち、情報作成プログラムは、管理装置10の表示切替処理及び設定変更処理などの全ての処理に関係する。したがって、以下の説明では、携帯端末20に、設備機器30の操作用アプリケーションを含む情報作成プログラムがインストールされていることを前提として説明する。
本実施の形態3の表示切替システム80は、管理装置10の表示部17の表示設定を携帯端末20の表示設定に合わせた後、管理装置10側で操作が行われた場合、その操作の内容が携帯端末20の表示画面に反映されるようになっている。すなわち、管理装置10は、ユーザにより操作が行われると、操作の内容を示す操作情報を携帯端末20へ送信する。そして、携帯端末20は、管理装置10から受信した操作情報をもとに、端末表示部21aの表示状態を表示部17の表示状態に合わせる。
管理装置10は、入力部18によって操作項目の設定を変更する操作を受け付ける。例えば、設備機器30が空気調和機の場合、操作項目としては、冷房モード及び暖房モードなどを含む運転モードの他、設定温度などが考えられる。この場合、管理装置10側で冷房モードと暖房モードとの切替操作、又は設定温度の変更操作が行われたとき、管理装置10は、変更後の運転モード又は変更後の設定温度などを示す操作情報を携帯端末20へ送信する。携帯端末20は、設備機器30の操作用アプリケーションにより、管理装置10から受信した操作情報に従い、端末表示部21aの表示状態が管理装置10の表示状態と合うように調整する。管理装置10及び携帯端末20の他の構成は、実施の形態1と同様である。
図14は、本発明の実施の形態3に係る管理装置の動作を示すフローチャートである。管理装置10の通信制御部14は、一台又は複数台の携帯端末20を検出する場合の動作を実施の形態1と同様に行う。また、管理装置10の表示制御部15は、一台又は複数台の携帯端末20を検出する場合の動作を実施の形態1と同様に行う。ここで、実施の形態1では省略したが、管理装置10と携帯端末20とがデータ通信を行うためには、相互認証による接続処理を行う必要がある。以下では、携帯端末20の電波強度が第1閾値以上のときに接続処理を行うものとして説明する。
強度判定部14bにおいて携帯端末20の電波強度が第1閾値以上であると判定されると、無線通信部11は、携帯端末20の端末無線通信部22と接続処理を行う。これにより、管理装置10と携帯端末20とが無線通信を行える接続状態が確立される。そして、実施の形態1と同様、管理装置10は、表示部17の表示設定を携帯端末20の表示設定に合わせる(ステップS601)。
表示制御部15は、入力部18を介してユーザが操作を行うまでは、表示部17の表示状態を維持する(ステップS602/No)。表示制御部15は、入力部18を介して、表示部17の表示状態を変更する操作を受け付けると(ステップS602/Yes)、受け付けた操作内容を示す操作情報を携帯端末20に送信する(ステップS603)。
図15は、本発明の実施の形態3に係る携帯端末の動作を示すフローチャートである。図15を参照して、携帯端末20が、端末表示部21aの表示状態を、管理装置10の表示状態の変化に追従させる処理について説明する。
まず、端末無線通信部22は、上述したステップS601のタイミングで、管理装置10の無線通信部11と接続処理を行う(ステップS701)。そして、端末表示処理部23cは、設備機器30の操作用アプリケーションに基づき、端末表示部21aの画面を、設備機器30の操作用の画面に切り替える(ステップS702)。
端末表示処理部23cは、管理装置10から操作情報が送信されるまで、端末表示部21aの表示状態を維持する(ステップS703/No)。端末表示処理部23cは、管理装置10から操作情報が送信されると(ステップS703/Yes)、操作情報に基づき、管理装置10側でのユーザの操作内容を端末表示部21aの表示状態に反映させる(ステップS704)。
以上のように、本実施の形態3の管理装置10によっても、実施の形態1及び2と同様、表示部17の表示設定をユーザの嗜好に自動的に合わせることができるため、多様な表示設定への切替処理を容易に且つ迅速に行うことができる。また、本実施の形態3の携帯端末20は、設備機器30の操作用のリモートコントローラとして用いることができる。すなわち、一旦接続処理を行えば、ユーザは、携帯端末20を操作することにより、設備機器30を管理することができる。つまり、ユーザは、管理装置10を意識することなく、所望の位置で携行中の携帯端末20を操作して、設備機器30の管理を行うことができるため、ユーザビリティーの向上を図ることができる。
さらに、携帯端末20は、機器の操作用の画面を表示する端末表示部21aと、端末表示部21aの表示状態を制御する端末制御部23と、を備えている。そして、端末制御部23は、管理装置10の表示部17の表示状態が変更されたとき、変更後の表示部17の表示状態を端末表示部21aの表示状態に反映させる。したがって、ユーザは、管理装置10を確認することなく、携帯端末20を視認することにより、現在の管理装置10での設定を確認することができるため、利便性が向上する。なお、実施の形態1の各変形例の構成は、本実施の形態3の構成にも適用することができ、同様の効果を得ることができる。また、本実施の形態3の表示切替システム80は、実施の形態2の機器管理システム100の構成として採用することができる。
実施の形態4.
本実施の形態4の機器管理システムの構成は、前述した実施の形態1及び3と同様であるため、実施の形態1及び3と同等の構成部材については同一の符号を用いて説明は省略する。
実施の形態3では、情報作成プログラムが、特定の設備機器30の操作用アプリケーションを含んでいる場合を例示したが、本実施の形態4の情報作成プログラムは、様々な設備機器30の操作に対応する操作用アプリケーションを含んでいる。以下の説明では、携帯端末20に、設備機器30の操作用アプリケーションを含む情報作成プログラムがインストールされていることを前提に説明する。
管理装置10が管理対象とする設備機器30としては、例えば、室外機と室内機とにより構成される空気調和機が想定される。ここで、空気調和機には、様々な機種が存在し、機種ごとに、操作画面に表示される操作項目の種類が異なることがある。
そこで、本実施の形態4の記憶部16には、複数の設備機器30のそれぞれの機種情報と、各機種情報に対応する操作項目を示す項目データとを関連づけた項目テーブルが記憶されている。また、記憶部16には、管理対象である設備機器30の機種情報が予め記憶されている。そして、制御部12は、機種情報を項目テーブルに照らすことにより、機種情報に対応する項目データを取得し、取得した項目データを携帯端末20へ送信する。携帯端末20の端末制御部23は、管理装置10から送信された項目データに従い、端末表示部21aに、設備機器30の操作用の画面を表示させる。
図16は、本発明の実施の形態4に係る管理装置の動作を示すフローチャートである。図16を参照し、実施の形態3と同様の前提により、管理装置10の処理内容を説明する。図14と同様の工程については同一の符号を用いて説明は省略する。
管理装置10は、ステップS601の動作を図14の場合と同様に実行する。次いで、制御部12は、操作対象である設備機器30の機種情報を項目テーブルに照らして、機種情報に対応する項目データを取得する(ステップS611)。そして、制御部12は、取得した項目データを携帯端末20へ送信する(ステップS612)。続いて、管理装置10は、ステップS602及びS603の処理を図14の場合と同様に実行する。
図17は、本発明の実施の形態4に係る携帯端末の動作を示すフローチャートである。図17を参照して、携帯端末20が、端末表示部21aの表示状態を、管理装置10の表示状態の変化に追従させる処理について説明する。図15と同様の工程については同一の符号を用いて説明は省略する。
まず、端末無線通信部22は、ステップS701の動作を図15の場合と同様に実行する。次いで、端末制御部23は、管理装置10から項目データを受信する(ステップS711)。そして、端末制御部23は、項目データに従って、端末表示部21aの画面を、設備機器30の操作用の画面に切り替える(ステップS712)。続いて、携帯端末20は、ステップS703及びS704の処理を図15の場合と同様に実行する。
ところで、上記の説明では、管理装置10側に項目テーブルが格納されている場合を例示したが、これに限らず、項目テーブルは、携帯端末20側に格納されていてもよい。すなわち、項目テーブルは、携帯端末20の端末記憶部23aに記憶されていてもよい。この場合、管理装置10が、管理対象である設備機器30の機種情報を携帯端末20に送信するとよい。また、携帯端末20の端末制御部23は、管理装置10から送信された機種情報を項目テーブルに照らすことにより、機種情報に対応する項目データを取得するとよい。そして、端末制御部23は、取得した項目データに基づく設備機器30の操作用の画面を端末表示部21aに表示させるとよい。
図18は、本発明の実施の形態4に係る管理装置の他の動作を示すフローチャートである。図19は、本発明の実施の形態4に係る携帯端末の他の動作を示すフローチャートである。図18及び図19を参照して、上記の代替構成に係る処理内容を説明する。図16及び図17と同様の工程については同一の符号を用いて説明は省略する。
図18に示すように、管理装置10は、ステップS601の動作を図14の場合と同様に実行する。次いで、制御部12は、操作対象である設備機器30の機種情報を携帯端末20へ送信する(ステップS621)。続いて、管理装置10は、ステップS602及びS603の処理を図14の場合と同様に実行する。
図19に示すように、端末無線通信部22は、ステップS701の動作を図15の場合と同様に実行する。次いで、端末制御部23は、管理装置10から機種情報を受信する(ステップS721)。次に、端末制御部23は、管理装置10から受信した機種情報を項目テーブルに照らして、機種情報に対応する項目データを取得する(ステップS722)。そして、端末制御部23は、項目データに従って、端末表示部21aの画面を、設備機器30の操作用の画面に切り替える(ステップS712)。続いて、携帯端末20は、ステップS703及びS704の処理を図15の場合と同様に実行する。
以上のように、本実施の形態4の管理装置10によっても、実施の形態1〜3と同様、表示部17の表示設定をユーザの嗜好に自動的に合わせることができるため、多様な表示設定への切替処理を容易に且つ迅速に行うことができる。
ここで、本実施の形態4の設備機器30としては、様々な機種が想定され、機種ごとに操作可能な項目に違いがある。例えば空気調和機では、室外機及び室内機の機種によって操作可能な項目が異なることがある。この点、本実施の形態4の表示切替システム80は、携帯端末20で表示する操作用の画面が、種々の機種に対応した表示状態となるよう、機種情報に応じて切り替わるようになっている。したがって、携帯端末20を、あらゆる設備機器30の操作用のリモートコントローラとして用いることができる。他の効果については、実施の形態3と同様である。なお、実施の形態1の各変形例の構成は、本実施の形態4の構成にも適用することができ、同様の効果を得ることができる。また、本実施の形態4の表示切替システム80は、実施の形態2の機器管理システム100の構成として採用することができる。
上記各実施の形態は、管理装置、表示切替システム、及び機器管理システムにおける好適な具体例であり、本発明の技術的範囲は、これらの態様に限定されるものではない。例えば、上記各実施の形態では、第1閾値と第2閾値とが異なる場合を例示したが、これに限らず、第1閾値と第2閾値とは同じ値に設定されていてもよい。ただし、上述したように、強度判定部14bが第1閾値と第2閾値とを用いるように構成すれば、電波強度の一時的な低下に起因して切替指令と復元指令とを繰り返し送信するようなハンチングを抑制することができるため、制御の安定化を図ることができる。
また、上記各実施の形態では、検出部11aが、携帯端末20から発せられる電波を無線信号として検出する場合を例示したが、これに限定されるものではない。例えば、検出部11aは、携帯端末20が発する無線信号として、光又は超音波を検出するようにしてもよい。つまり、無線通信部11は、光又は超音波による無線通信を携帯端末20との間で行うように構成してもよい。
さらに、管理装置10及び110は、検出部11aが検出した無線信号の強度を用いて、携帯端末20との距離を把握するという構成に限定されるものではない。管理装置10及び110は、例えば距離センサ等を有するようにしてもよい。この場合、管理装置10及び110は、距離センサ等の検出結果を用いて、携帯端末20の自身への近接を検知するようにしてもよい。つまり、管理装置10及び110は、無線通信部11が検出した無線信号、又は距離センサによる検出結果等を用いて、携帯端末20が閾値よりも近づいたか否かを判定する機能を有するものであればよい。なお、距離センサは、例えば、LED又はレーザダイオード等による光学式のセンサであってもよく、超音波式といった光学式以外の検出方式のセンサであってもよい。ただし、制御部12が、無線信号の強度を用いて、携帯端末20と管理装置10及び110との間の距離を判定するようにすれば、距離センサ等を設ける必要がないため、構成の簡素化とコストの削減を図ることができる。
ここで、例えば、管理装置10がホテルの部屋に設けられている場合、管理装置10は、部屋のルームキーと連動して動作するようにしてもよい。すなわち、無線通信部11は、部屋のルームキーが解除されたときに電波の検出を開始し、滞在者が部屋から外へ出たときに電波の検出を終了するようにしてもよい。この場合、管理装置10は、表示設定の切替処理が終了すると、例えば、滞在者が外出するまで、又は滞在者がチェックアウトするまで、無線通信部11の通信機能をオフにするとよい。このようにすれば、滞在者が外出するまで、又は滞在者がチェックアウトするまでの間、電波の検出が不要となるため、通信コストの削減を図ることができる。
また、管理装置10は、携帯端末20が管理装置10又は110に近づいたときに、PINコードを入力させる認証画面を表示させ、正しいPINコードが入力されたときに表示設定を切り替えるようにしてもよい。
さらに、上記各実施の形態における機器管理システムは、複数の設備機器30と、各設備機器30のそれぞれに対応する管理装置10を有していてもよい。そして、複数の管理装置10には、親機として機能する管理装置10と、子機として機能する管理装置10とが含まれていてもよい。そして、子機として機能する管理装置10は、親機として機能する管理装置10を介して外部サーバ45とのデータ通信を行うようにしてもよい。
通信制御部14は、無線通信部11が検出した無線信号に基づき、携帯端末20が管理装置10又は110から遠ざかる方向に移動したことを検知する機能を有していてもよい。そして、通信制御部14は、閾値よりも近づいている携帯端末20が、管理装置10又は110から一定の距離以上遠ざかったときに、表示部17の表示設定をデフォルトの表示設定に戻すようにしてもよい。
図2では、携帯端末20が、タッチパネルからなる表示入力部21を有する場合について例示したが、これに限定されるものではない。例えば、携帯端末20は、表示入力部21の代わりに、例えば液晶表示パネルからなる表示部と、例えば複数の物理ボタンを含んで構成され、ユーザによる入力操作を受け付ける入力部と、を有するようにしてもよい。
図3及び図8では、表示部17と入力部18とが別々に設けられた場合を例示したが、これに限らず、管理装置10及び110は、表示部17の機能と入力部18の機能とを併せもつタッチパネルを有していてもよい。また、表示部17は、携帯端末20の表示入力部21と同様に、文字又は画像等の表示を行う表示パネルと、当該表示パネルと積層されてタッチ操作を検出する検出手段と、を含むタッチパネルであってもよい。
上記各実施の形態では、管理装置10が設備機器30のリモートコントローラである場合を例示したが、これに限定されるものではない。例えば、管理装置10は、例えば、デスクトップ型PC、ノートPC、タブレットPC、PDA、デジタルテレビ、DVDレコーダ、ステレオ、カーナビゲーション装置などのような、少なくとも液晶表示パネルなどの表示部を有するものであってもよい。例えば、管理装置10が、ホテル、多国籍企業、又はまんが喫茶などのように、多くの人が利用する場所に設けられたPCである場合、携帯端末20の表示設定に応じて当該PCの表示設定が切り替わることになる。そのため、ユーザは、複雑な操作を行うことなく、管理装置10としてのPCをストレスなく利用することができる。