JPWO2018147205A1 - めっきの前処理方法、めっき方法、めっき前処理物及びめっき物 - Google Patents

めっきの前処理方法、めっき方法、めっき前処理物及びめっき物 Download PDF

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Abstract

めっきに対して不活性な表面を有する被めっき部材の上に形成されためっき膜の被めっき部材に対する密着性を改善する。
シランカップリング剤を被めっき部材の表面に化学的に結合させる。めっき膜を構成する金属イオンとキレート錯体を形成可能な多官能化合物の複数の官能基の少なくとも一つをシランカップリング剤に化学的に結合させる。

Description

本発明は、めっきの前処理方法、めっき方法、めっき前処理物及びめっき物に関する。
炭素材料のような部材に対してめっきを行いたいという要望がある一方、炭素材料は化学的に不活性な表面を有するため、均質で密着性に優れためっき膜を形成することは従来から難しいと考えられている。そのような難点を克服することを目的として、例えば、特許文献1には、黒鉛に対してめっきを行う方法として、被めっき部材の表面を酸化したり、加熱したりするめっきの前処理を行う方法が記載されている。金属などの被めっき部材には多種多様な汚れが存在しており、その除去や表面活性化のために用いられる非特許文献1に記載のような電解脱脂は周知であり、上記の酸化工程の一つとも考えられるが、被めっき部材が炭素材料の場合に効果はあまり認められず、密着信頼性に乏しいものであった。
特開2015−503032号公報
榎本英彦、めっき分野における洗浄技術、真空、43巻6号、667〜671頁、2000年
このように、黒鉛等の不活性な表面を有する被めっき部材の上に形成されためっき膜の被めっき部材に対する密着性を改善したいという要望があるものの、従来の前処理ではめっき膜が形成されたとしてもその密着力は小さく、信頼性に乏しいものであった。
本発明の主な目的は、めっきに対して不活性な表面を有する被めっき部材の上に形成されためっき膜の被めっき部材に対する密着性を改善することにある。
本発明に係るめっき前処理方法では、シランカップリング剤を被めっき部材の表面に化学的に結合させる。めっき膜を構成する金属イオンとキレート錯体を形成可能な多官能化合物の複数の官能基の少なくとも一つをシランカップリング剤に化学的に結合させる。このため、本発明に係るめっき前処理方法により作成されためっき前処理物では、被めっき部材の表面に、めっき膜を構成する金属とキレート錯体可能な官能基が配される。よって、本発明に係るめっき前処理方法を用いることにより、被めっき部材がめっきに対して不活性な表面を有する部材であったとしても、めっき膜の被めっき部材に対する高い密着性、均質なめっき膜の形成を実現することができる。
本発明に係るめっき前処理方法では、多官能化合物が、カルボキシル基を複数有することが好ましい。
本発明に係るめっき前処理方法では、多官能化合物が、めっき膜を構成する金属イオンと結合し得る官能基を3つ以上有することが好ましい。
本発明に係るめっき前処理方法では、多官能化合物が、エチレンジアミン四酢酸、エチレンジアミン−N,N’−二酢酸、エチレンジアミン−N,N’−二酢酸−N,N’−ジプロピオン酸水和物、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、トリエチレンテトラミン六酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、ニトリロ三酢酸、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、L−アスパラギン酸−N−N−二酢酸、ヒドロキシイミノジコハク酸、trans−1,2−ジアミノシクロヘキサン−N,N,N’,N’−四酢酸一水和物、O,O’−ビス(2−アミノエチル)エチレングリコール−N,N,N’,N’−四酢酸からなる群から選ばれた少なくとも1種であることが好ましい。
本発明に係るめっき前処理方法では、シランカップリング剤として、鎖中及び末端の少なくとも一方に第一級アミノ基、エポキシ基及びイソシアネート基からなる群から選択された少なくとも1つの官能基を有するシランカップリング剤を用いることが好ましい。
本発明に係るめっき前処理方法では、被めっき部材として、ヒドロキシル基が導入可能な無機部材を用いてもよい。
本発明に係るめっき前処理方法では、被めっき部材として、炭素材料、窒化アルミ材料または窒化ケイ素材料を用いてもよい。なお、本発明において、「炭素材料」には、「黒鉛材料」が含まれるものとする。
本発明に係るめっき方法では、本発明に係るめっきの前処理方法を行う前処理工程を行う。前処理工程を行った被めっき部材の表面にめっきを施すことによりめっき膜を形成するめっき工程を行う。
本発明に係るめっき方法では、前処理工程において被めっき部材の表面を酸化する工程を行うことが好ましい。
本発明に係るめっき前処理物は、被めっき部材と、被めっき部材の表面に化学的に結合したシランカップリング剤と、複数の官能基の少なくとも一つがシランカップリング剤と結合した、めっき膜を構成する金属イオンとキレート錯体を形成可能な多官能化合物とを備える。
本発明に係るめっき物は、被めっき部材と、被めっき部材の表面に化学的に結合したシランカップリング剤と、複数の官能基の少なくとも一つがシランカップリング剤と結合した、めっき膜を構成する金属イオンとキレート錯体を形成可能な多官能化合物と、多官能器化合物のシランカップリング剤と結合していない複数の官能基と結合しているめっき膜とを備える。
本発明によれば、めっきに対して不活性な表面を有する被めっき部材の上に形成されためっき膜の被めっき部材に対する密着性を改善することができる。
めっき処理工程の一例を示す図である。 本発明の一実施形態に係るめっき物の模式的断面図である。
以下、本発明を実施した好ましい形態の一例について説明する。但し、下記の実施形態は、単なる例示である。本発明は、下記の実施形態に何ら限定されない。
(めっき法)
本実施形態において、被めっき部材に対してめっきを行うめっき方法は、キレート剤を被めっき部材の表面に結合させる前処理工程と、キレート剤を結合させた被めっき部材の表面にめっきを施すことによりめっき膜を形成するめっき工程とを備えている。
<キレート剤>
キレート剤は、めっき膜を構成する金属とキレート錯体を形成可能な多官能化合物からなる。
多官能化合物としては、カルボキシル基を複数有するものであることが好ましい。
多官能化合物は、めっき膜を構成する金属と結合し得る官能基を3つ以上有するものであることが好ましく、4つ以上有するものであることがより好ましい。但し、めっき膜を構成する金属と結合し得る官能基の数が多すぎると、立体障害により金属が好適に配意できなくなるため、めっき膜が好適に形成されなくなる虞がある。従って、キレート錯体を形成可能な化合物は、めっき膜を構成する金属と結合し得る官能基を6つ以下有していることが好ましい。
好ましく用いられる多官能化合物の具体例としては、エチレンジアミン四酢酸、エチレンジアミン−N,N’−二酢酸、エチレンジアミン−N,N’−二酢酸−N,N’−ジプロピオン酸水和物、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、トリエチレンテトラミン六酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、ニトリロ三酢酸、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、L−アスパラギン酸−N−N−二酢酸、ヒドロキシイミノジコハク酸、trans−1,2−ジアミノシクロヘキサン−N,N,N’,N’−四酢酸一水和物、O,O’−ビス(2−アミノエチル)エチレングリコール−N,N,N’,N’−四酢酸等が挙げられる。これらの化合物の1種のみを用いてもよいし、複数種類を用いてもよい。
<被めっき部材>
本発明において、めっきされる部材である被めっき部材は、特に限定されない。被めっき部材として、ヒドロキシル基が導入可能な無機部材を用いてもよい。本発明において、被めっき部材としては、具体的には、例えば、炭素材料や窒化アルミ材料、窒化ケイ材料等が挙げられる。
被めっき部材の形状寸法は、特に限定されない。被めっき部材は、例えば、シート状、粉末状、球状、直方体状、立方体状、柱状等であってもよい。
<シランカップリング剤>
シランカップリング剤は、被めっき部材及び多官能化合物に応じて適宜選択することができる。被めっき部材が例えば黒鉛である場合に好ましく用いられるシランカップリング剤としては、例えば、エポキシ系シランカップリング剤、アミノ系シランカップリング剤、イソシアネート系シランカップリング剤等が挙げられる。
これらのなかでも、鎖中及び末端の少なくとも一方に第一級アミノ基、エポキシ基及びイソシアネート基からなる群より選択された少なくとも1つの官能基を有するシランカップリング剤がより好ましく用いられ、末端にアミノ基を有するアミノ系シランカップリング剤がさらに好ましく用いられる。末端にアミノ基を有するアミノ系シランカップリング剤の具体例としては、例えば、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
上記シランカップリング剤の1種のみを用いてもよいし、複数種類を用いてもよい。
<縮合剤>
シランカップリング剤と多官能化合物との反応を促進するために、縮合剤を用いてもよい。好ましく用いられる縮合剤の具体例としては、例えば、トリアジン系縮合剤、カルボジイミド系縮合剤、イミダゾール系縮合剤、ホスホニウム系縮合剤、ウロニウム系縮合剤、ハロウロニウム系縮合剤等が挙げられる。
これらのなかでも、トリアジン系縮合剤がより好ましく用いられる。トリアジン系縮合剤の具体例としては、例えば、DMT−MM(4−(4,6−Dimethoxy−1,3,5−triazin−2−yl)−4−methylmorpholinium Chloride n−Hydrate)等が挙げられる。
<めっき処理>
本実施形態において、被めっき部材に対してめっきを行うに際しては、まず、めっき前処理を行う。具体的には、シランカップリング剤を被めっき部材の表面に化学的に結合させる。めっき膜を構成する金属イオンとキレート錯体を形成可能な多官能化合物の複数の官能基の少なくとも一つをシランカップリング剤に化学的に結合させる。めっき膜を構成する金属と結合し得る官能基が3つ以上形成されるように、多官能化合物を被めっき部材の表面に結合させることが好ましく、めっき膜を構成する金属と結合し得る官能基が4つ以上形成されるように、多官能化合物を被めっき部材の表面に結合させることがより好ましい。
シランカップリング剤を被めっき部材の表面に直接結合させることが困難な場合は、シランカップリング剤による被めっき部材の表面の処理に先立って、被めっき部材の表面の酸化処理を行うことが好ましい。そうすることにより、被めっき部材の表面にヒドロキシル基を配することができるため、シランカップリング剤が結合しやすくなる。酸化処理の方法は、特に限定されない。例えば、硝酸、塩酸、硫酸、それらのうちの2種以上の混酸を用いて湿式酸化処理を行ってもよいし、酸素プラズマ酸化処理を行ってもよい。
また、シランカップリング剤と多官能化合物との縮合反応を促進する観点から、上述の縮合剤を用いてもよい。
(めっき処理前物)
上述の工程を行うことにより、めっき処理前物を製造することができる。めっき処理前物は、被めっき部材と、被めっき部材に結合したシランカップリング剤と、シランカップリング剤と結合した、めっき膜を構成する金属イオンとキレート錯体を形成可能な多官能化合物とを備えている。被めっき部材や、シランカップリング剤、めっき膜を構成する多官能化合物の詳細に関しては、前述の通りである。
最後に、多官能化合物が結合した被めっき部材の表面にめっきを施すことにより、めっき膜を形成する。すなわち、上述した前処理方法を行う前処理工程を行った後に、めっき膜を形成するめっき工程を行う。めっきは、例えば、電解めっき法により行うこともできるし、無電解めっき法により行うこともできる。
めっき膜の種類は、特に限定されない。めっき膜は、例えば、Cuめっき膜、Niめっき膜、Feめっき膜、Crめっき膜、Agめっき膜、Auめっき膜、Pdめっき膜、Snめっき膜やCu,Ni,Fe,Cr,Ag,Au、Pd及びSnからなる群から選ばれた少なくとも一種の元素を含む合金からなるめっき膜等であってもよい。また、複数のめっき膜の積層体を形成してもよい。
図1に、被めっき部材として黒鉛を、シランカップリング剤として3−アミノプロピルトリメトキシシランを、縮合剤としてDMT−MMを、多官能化合物としてEDTAを用いた場合のめっき処理工程を示す。
(めっき物)
図2に、製造されためっき物の模式的断面図を示す。図2に示すように、めっき物1は、被めっき部材10と、被めっき部材10の表面上に設けられためっき膜11とを備えている。被めっき部材10のめっき膜11が形成されている表面10aには、めっき膜11を構成している金属と多官能化合物が結合している。この多官能化合物により、被めっき部材10とめっき膜11との密着性、均一性及び均質性が向上されている。
以上説明したように、本実施形態では、めっき膜11を構成する金属とキレート錯体を形成可能な多官能化合物がめっき前処理物の表面に配される。よって、本実施形態のめっき前処理方法を用いることにより、被めっき部材10がめっき膜に対して不活性な表面を有する部材であったとしても、めっき膜11の被めっき部材10に対する高い密着性、均一かつ均質なめっき膜11の形成を実現することができる。
めっき膜11の被めっき部材10に対するより高い密着性を実現する観点から、キレート錯体を形成可能な多官能化合物が、めっき膜11を構成する金属と結合し得る官能基を3つ以上有することが好ましく、4つ以上有することがより好ましい。
上記本実施形態のめっき方法によれば、例えば、被めっき部材10の表面が平滑である場合、すなわち、JIS B0601−2001で規定される算術平均粗さ(Ra)が小さな場合であっても、高い密着力を有するめっき膜11を形成することができる。被めっき部材10の算術平均粗さ(Ra)は、例えば、5μm以下であってもよく、3以下であってもよく、1以下であってもよい。
以下、本発明について、具体的な実施例に基づいて、さらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施することが可能である。
(実施例1)
等方性黒鉛材料(東洋炭素製 IG−43:CIP−A)を0.5Mの硝酸水溶液に室温で1時間浸漬させた後、水洗・乾燥した。次に、1質量%の3−アミノプロピルトリメトキシシラン(シランカップリング剤:CP−A)を含むメタノール溶液に1時間浸漬させ、アミノプロピル基を導入した。その後、アミノプロピル基が導入された等方性黒鉛材料を1mmolのエチレンジアミン四酢酸(EDTA:キレート剤)と、縮合剤として1.1倍モルのトリアジン系縮合剤(DMT−MM)とを含むメタノール溶液に浸漬し、さらに1時間反応させ、これを希塩酸で洗浄・乾燥して表面にEDTAが導入された黒鉛材料を得た。このEDTAが表面に導入された黒鉛材料に対して電解銅めっきを行い、厚さ8μmの銅めっき膜で被覆された黒鉛材料を得た。めっき膜にむらはなく、めっき膜は、均質な膜質を有していた。得られためっき膜の密着性をJIS K5600−5−6−1999記載のクロスカット試験に準じて直角の格子パターンを切り込んで評価したところ、剥離数は0個/25マスであった。めっき膜はカットの縁や交差点において剥がれているが、その状態はJIS記載の分類法に従って2と判断された。
Figure 2018147205
Figure 2018147205

(実施例2)
等方性黒鉛材料をCIP−B(東洋炭素製 ISEM−8)に変更する以外は実施例1と同様の方法で表面にEDTAが導入された黒鉛材料を得た。このEDTAが表面に導入された黒鉛材料に対して電解銅めっきを行い、銅めっき膜で被覆された黒鉛材料を得た。めっき膜にむらはなく、めっき膜は、均質な膜質を有していた。得られためっき膜のクロスカット試験結果は0/25、分類は2であった。
(実施例3)
CIP−Aを1.0Mの硝酸水溶液に室温で1時間浸漬させた後、水洗・乾燥した。次に、1質量%のCP−Aを含むメタノール溶液に1時間浸漬させ、アミノプロピル基を導入した。その後、アミノプロピル基が導入された等方性黒鉛材料を1mmolのEDTAと、縮合剤として1.1倍モルのDMT−MMとを含むメタノール溶液に浸漬し、さらに1時間反応させ、これを希塩酸で洗浄・乾燥して表面にEDTAが導入された黒鉛材料を得た。このEDTAが表面に導入された黒鉛材料に対して電解銅めっきを行い、厚さ8μmの銅めっき膜で被覆された黒鉛材料を得た。めっき膜にむらはなく、めっき膜は、均質な膜質を有していた。得られためっき膜のクロスカット試験結果は0/25、分類は1であった。
(実施例4)
CIP−Aを1.0Mの硝酸水溶液に室温で1時間浸漬させた後、水洗・乾燥した。次に、1質量%のN−2(アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン(シランカップリング剤:CP−B)を含むメタノール溶液に1時間浸漬させ、アミノプロピル基を導入した。その後、アミノプロピル基が導入された等方性黒鉛材料を1mmolのtrans−1,2−ジアミノシクロヘキサン−N,N,N’,N’−四酢酸一水和物(CyDTA:キレート剤)と、縮合剤として1.1倍モルのトリアジン系縮合剤(DMT−MM)とを含むメタノール溶液に浸漬し、さらに1時間反応させ、これを希塩酸で洗浄・乾燥して表面にCyDTAが導入された黒鉛材料を得た。このCyDTAが表面に導入された黒鉛材料に対して電解銅めっきを行い、厚さ8μmの銅めっき膜で被覆された黒鉛材料を得た。めっき膜にむらはなく、めっき膜は、均質な膜質を有していた。得られためっき膜のクロスカット試験結果は0/25、分類は0であった。
Figure 2018147205
Figure 2018147205

(実施例5)
シランカップリング剤を3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(CP−C)としたこと以外は実施例3と同様にして銅めっき膜で被覆された黒鉛材料を得た。得られためっき膜のクロスカット試験結果は0/25、分類は0であった。
Figure 2018147205

(実施例6)
めっき法を無電解めっきとしたこと以外は実施例4と同様にして銅めっき膜で被覆された黒鉛材料を得た。無電解めっきは、CIP−Aを水洗した後、センシタイザーとなるSnClとアクティベーターとなるPdClが添加された前処理液に浸漬し、銅イオン源として硫酸銅を、錯化剤としてEDTAを用いてホルムアルデヒドで還元することで行った。基材表面には厚さは2μmの均一な膜厚の銅が被覆された。得られためっき膜のクロスカット試験結果は0/25、分類は1であった。
(実施例7)
キレート剤をジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)としたこと以外は実施例4と同様にして銅で被覆された黒鉛材料を得た。得られためっき膜のクロスカット試験結果は0/25、分類は0であった。
(実施例8)
キレート剤をO,O’−ビス(2−アミノエチル)エチレングリコール−N,N,N’,N’−四酢酸(EGTA)としたこと以外は実施例4と同様にして銅で被覆された黒鉛材料を得た。得られためっき膜のクロスカット試験結果は0/25、分類は1であった。
(実施例9)
キレート剤をトリエチレンテトラミン六酢酸(TTHA)としたこと以外は実施例4と同様にして銅で被覆された黒鉛材料を得た。得られためっき膜のクロスカット試験結果は0/25、分類は0であった。
(比較例1)
CIP−Aを1.0Mの硝酸水溶液に室温で1時間浸漬させた後、水洗・乾燥した。次に、1質量%のCP−Aを含むメタノール溶液に1時間浸漬させ、アミノプロピル基を導入した。CP−Aが表面に導入された黒鉛材料に対して電解銅めっきを行い、厚さ8μmの銅めっき膜で被覆された黒鉛材料を得た。めっき膜にむらはなく、めっき膜は、均質な膜質を有していた。得られためっき膜のクロスカット試験結果は1/25、分類は3であった。
(比較例2)
CIP−Aを1.0Mの硝酸水溶液に室温で1時間浸漬させた後、水洗・乾燥した。次に、1質量%のCP−Bを含むメタノール溶液に1時間浸漬させ、アミノプロピル基を導入した。CP−Bが表面に導入された黒鉛材料に対して電解銅めっきを行い、銅めっき膜で被覆された黒鉛材料を得た。めっき膜にむらはなく、めっき膜は、均質な膜質を有していた。得られためっき膜のクロスカット試験結果は2/25、分類は3であった。
(比較例3)
CP−AをCP−Cとしたこと以外は実施例5と同様にしてCP−Cが表面に導入された黒鉛材料に対して電解銅めっきを行い、銅めっき膜で被覆された黒鉛材料を得た。めっき膜にむらはなく、めっき膜は、均質な膜質を有していた。得られためっき膜のクロスカット試験結果は2/25、分類は3であった。
(比較例4)
CIP−Aを0.5Mの硝酸水溶液に室温で1時間浸漬させた後、水洗・乾燥してから電解銅めっきを行い、厚さ8μmの銅めっき膜で被覆された黒鉛材料を得た。得られためっき膜には、部分的なはがれが観察され、めっき膜は、均質な膜質を有していなかった。めっき膜のクロスカット試験結果は11/25、分類は3であった。
(比較例5)
CIP−Aに対して表面処理を行わず、等方性黒鉛材料に対して厚さ8μmの電解銅めっきを行った。得られためっき膜には、部分的なはがれが観察され、めっき膜は、均質な膜質を有していなかった。めっき膜のクロスカット試験結果は7/25、分類は4であった。
(比較例6)
CIP−Aに対して表面処理を行わず、実施例5と同様に無電解銅めっきを行った。めっき膜のクロスカット試験結果は10/25、分類は5であった。
(比較例7)
CIP−Bに対して表面処理を行わず、比較例2と同様に無電解銅めっきを行った。めっき膜のクロスカット試験結果は12/25、分類は5であった。
Figure 2018147205
1 :めっき物
10 :被めっき部材
10a:被めっき部材の表面
11 :めっき膜

Claims (11)

  1. シランカップリング剤を被めっき部材の表面に化学的に結合させる工程と、
    めっき膜を構成する金属イオンとキレート錯体を形成可能な多官能化合物の複数の官能基の少なくとも一つをシランカップリング剤に化学的に結合させる工程と、
    を含む、めっき前処理方法。
  2. 前記多官能化合物が、カルボキシル基を複数有する、請求項1に記載のめっき前処理方法。
  3. 前記多官能化合物が、めっき膜を構成する金属イオンと結合し得る官能基を3つ以上有する、請求項1または2に記載のめっき前処理方法。
  4. 前記多官能化合物が、エチレンジアミン四酢酸、エチレンジアミン−N,N’−二酢酸、エチレンジアミン−N,N’−二酢酸−N,N’−ジプロピオン酸水和物、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、トリエチレンテトラミン六酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、ニトリロ三酢酸、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、L−アスパラギン酸−N−N−二酢酸、ヒドロキシイミノジコハク酸、trans−1,2−ジアミノシクロヘキサン−N,N,N’,N’−四酢酸一水和物、O,O’−ビス(2−アミノエチル)エチレングリコール−N,N,N’,N’−四酢酸からなる群から選ばれた少なくとも1種である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のめっき前処理方法。
  5. 前記シランカップリング剤として、鎖中及び末端の少なくとも一方に第一級アミノ基、エポキシ基及びイソシアネート基からなる群から選択された少なくとも1つの官能基を有するシランカップリング剤を用いる、請求項1〜4のいずれか一項に記載のめっきの前処理方法。
  6. 前記被めっき部材として、ヒドロキシル基が導入可能な無機部材を用いる、請求項1〜5のいずれか一項に記載のめっき前処理方法。
  7. 前記被めっき部材として、炭素材料、窒化アルミ材料または窒化ケイ素材料を用いる、請求項6に記載のめっき前処理方法。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載のめっき前処理方法を行う前処理工程と、
    前記前処理工程を行った前記被めっき部材の表面にめっきを施すことによりめっき膜を形成するめっき工程と、
    を備える、めっき方法。
  9. 前記前処理工程において前記被めっき部材の表面を酸化する工程を行う、請求項8に記載のめっき方法。
  10. 被めっき部材と、
    被めっき部材の表面に化学的に結合したシランカップリング剤と、
    複数の官能基の少なくとも一つが前記シランカップリング剤と結合した、めっき膜を構成する金属イオンとキレート錯体を形成可能な多官能化合物と、
    を備える、めっき前処理物。
  11. 被めっき部材と、
    被めっき部材の表面に化学的に結合したシランカップリング剤と、
    複数の官能基の少なくとも一つが前記シランカップリング剤と結合した、めっき膜を構成する金属イオンとキレート錯体を形成可能な多官能化合物と、
    前記多官能器化合物の前記シランカップリング剤と結合していない複数の官能基と結合しているめっき膜と、
    を備える、めっき物。
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