JPWO2018135022A1 - 据付板 - Google Patents

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JPWO2018135022A1
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Abstract

据付板(1)は、平板状の本体部(2)を備える。本体部(2)は、上縁(4)、下縁(5)、第1側縁(6a)、および、第2側縁(6b)を有する。上縁(4)付近に上固定部(7)が、下縁(5)付近に下固定部(8)が形成される。上固定部(7)は、左右方向(DR3)における本体部(2)の中央に形成される第1の上固定部(10)を有する。下固定部(8)は、第1側縁(6a)に近い位置に形成される第1の下固定部(11)を有する。第1の下固定部(11)は、第1の上固定部(10)よりも第1側縁(6a)に近い位置に形成される。本体部(2)には、第1側縁(6a)に近い位置に第1溝部(9)が形成される。第1溝部(9)は、上縁(4)に近い第1上端(12)と、下縁(5)に近い第1下端(13)とを有する。第1上端(12)と第1下端(13)とを通る直線は、第1の上固定部(10)と第1の下固定部(11)とを通る第1の直線(A)に平行である。

Description

本発明は、据付板に関する。本出願は、2017年1月20日に出願した日本特許出願である特願2017−008463号に基づく優先権を主張する。当該日本特許出願に記載された全ての記載内容は、参照によって本明細書に援用される。
特開平10−103758号公報(特許文献1)には、平板状の主部と、当該主部の上縁に沿って前方へ突出した第1凸部と、当該主部の上縁の左右両側に上方に延びるフック部と、を有する据付板を備える空気調和機の室内機据付構造が開示されている。
国際公開第2010/082568号(特許文献2)には、境界線の両側に形成された第1溝部と、当該第1溝部の外側に形成されバックライトシャーシの周縁部の側である外側に膨らんでいる中間部を有する第2溝部と、が形成されているバックライトシャーシを備える表示装置が開示されている。
特開平10−103758号公報 国際公開第2010/082568号
室外機と室内機との間に配管ユニット等を介してなる分離型の空気調和機の室内機において、当該室内機を壁面に取付ける際、金属製の据付板が、ねじ等で壁面に固定される。室内機は、据付板の上縁に形成された支持部にて支持される。
据付板は、上縁に形成された支持部以外の部分のほとんどが平板状になっているため、支持部に荷重がかかることで据付板全体が撓みやすくなっている。
本発明の目的は、変形を抑制できる据付板を提供することである。
本発明に係る据付板は、本体部と支持部とを備える。平板状の本体部は、上縁、下縁、第1側縁、および第2側縁を有する。支持部は、本体部の前記上縁に沿って形成され、前記本体部の厚み方向の一方に突出し、物品を支持する。本体部の上縁付近には、据付板を壁面に固定する複数の上固定部が形成される。本体部の下縁付近には、据付板を壁面に固定する複数の下固定部が形成される。複数の上固定部は、第2側縁よりも第1側縁に近い位置または上縁が延びる方向における本体部の中央に形成される第1の上固定部を有する。複数の下固定部は、第2側縁よりも第1側縁に近い位置に形成される第1の下固定部を有する。第1の下固定部は、第1の上固定部よりも第1側縁に近い位置に形成される。本体部には、厚み方向の一方または他方に窪む第1溝部が第2側縁よりも第1側縁に近い位置に形成される。第1溝部は、上縁に近い第1上端と、下縁に近い第1下端とを有する。第1上端と第1下端とを通る直線は、第1の上固定部と第1の下固定部とを通る第1の直線に平行である。
上記の据付板により、効果的に本体部の剛性を高めることができ、本体部の変形を抑制することができる。
上記の据付板において、第1溝部は、第1の直線に対して第1側縁から離れる位置に形成される。これにより、効果的に本体部の剛性を高めることができ、本体部の変形を抑制することができる。
上記の据付板において、複数の上固定部は、第1の上固定部よりも第1側縁に近い位置に第2の上固定部を有する。第2の上固定部は、第1の下固定部よりも第2側縁に近い位置に形成される。本体部には、厚み方向の一方または他方に窪む第2溝部が第2側縁よりも第1側縁に近い位置に形成される。第2溝部は、上縁に近い第2上端と、下縁に近い第2下端とを有する。第2上端と第2下端とを通る直線は、第2の上固定部と第1の下固定部とを通る第2の直線に平行である。
上記の据付板により、効果的に本体部の剛性を高めることができ、本体部の変形を抑制することができる。
上記の据付板において、第1溝部は、支持部に形成された第3溝部と繋がっている。これにより、支持部の剛性を高めることができ、支持部の変形を抑制することができる。
上記の据付板において、複数の上固定部は、複数の下固定部よりも多数形成されている。第1溝部が形成されることで、撓みやすい据付板に対しても、効果的に本体部の剛性を高めることができ、本体部の変形を抑制することができる。
本発明によれば、変形を抑制できる据付板を実現することができる。
実施の形態1に従う据付板の全体を示す斜視図である。 実施の形態1に従う据付板の正面図である。 図2に示すIII−III線に沿う第1溝部の断面図である。 据付板の支持部に室内機を取付けた際の撓みを説明する図である。 実施の形態2に従う据付板の正面図である。 実施の形態3に従う据付板の正面図である。 実施の形態4に従う据付板の正面図である。 実施の形態5に従う据付板の正面図である。 実施の形態6に従う据付板の正面図である。 実施の形態7に従う据付板の正面図である。 従来の据付板の強度解析を行なった結果である。 実施の形態1の据付板の強度解析を行なった結果である。 第1溝部の設置角について説明する図である。 設置角θと変形量との関係の強度解析結果である。 第1溝部の設置角θ1および第2溝部の設置角θ2について説明する図である。 設置角θ1=37°のときの設置角θ2と、変形量との関係の強度解析結果である。 設置角θ1=47°のときの設置角θ2と、変形量との関係の強度解析結果である。
以下、本発明の実施の形態について、図を参照して詳細に説明する。なお、以下に示す実施の形態においては、同一のまたは共通する部分について図中同一の符号を付し、その説明は繰り返さない。
(実施の形態1)
(本体部2)
図1は、実施の形態1に従う据付板1の全体を示す斜視図である。据付板1は、本体部2と支持部3とを備える。本体部2は、平板状である。本体部2は、上縁4、下縁5、および一対の側縁6を有する。上縁4および下縁5は、左右方向DR3に延びる。一対の側縁6は、上下方向DR2に延びる。上下方向DR2における側縁6の一端に上縁4が繋がっている。上下方向DR2における側縁6の、一端と反対側の他端に下縁5が繋がっている。
据付板1には、複数の取付用の固定部が形成されている。固定部は、据付板1を壁面に取付けるための取付孔である。ねじ等が取付孔を貫通して壁面に埋め込まれ、据付板1は壁面に固定される。
本体部2には、上縁4から下縁5側にやや離れた(たとえば上縁4から下縁5までの長さの10分の1以内)位置に、据付板1を壁面に固定する複数の上固定部7が形成されている。本体部2には、下縁5から上縁4側にやや離れた(たとえば上縁4から下縁5までの長さの10分の1以内)位置に、据付板1を壁面に固定する複数の下固定部8が形成されている。実施の形態では、上固定部7が5箇所、下固定部8が2箇所形成されている。
(支持部3)
支持部3は、上縁4に沿って形成されている。本体部2の厚み方向の一方をDR1として、支持部3は、厚み方向の一方DR1に突出している。厚み方向の一方DR1の反対方向である厚み方向の他方をDR4とする。支持部3は本体部2とともに、室内機等の物品を支持する。
(第1溝部9)
図2は、実施の形態1に従う据付板1の正面図である。本体部2には、第1溝部9が形成されている。第1溝部9は、本体部2に対して厚み方向の一方DR1に凸状である凸溝である。厚み方向の一方DR1は、図2中の紙面に対して手前側に垂直な方向である。厚み方向の他方DR4は、図2中の紙面に対して奥側に垂直な方向である。上下方向DR2は、図2の紙面上における上下の方向である。左右方向DR3は、図2の紙面上における左右の方向である。
一対の側縁6は、一方の第1側縁6aと他方の第2側縁6bを有している。複数の上固定部7は、第1の上固定部10を有する。第1の上固定部10は、左右方向DR3における本体部2の中央に形成される。第1の上固定部10は、第2側縁6bよりも第1側縁6aに近い位置に形成されていてもよい。複数の下固定部8は、第1の下固定部11を有する。第1の下固定部11は、第2側縁6bよりも第1側縁6aに近い位置に形成される。第1の下固定部11は、第1の上固定部10よりも第1側縁6aに近い位置に形成される。
第1の上固定部10と第1の下固定部11とを通る直線を第1の直線Aとする。第1の直線Aは、上縁4から下縁5にむかうにつれて第1側縁6aに近づく方向に延びる。
第1溝部9は、第2側縁6bよりも第1側縁6aに近い位置に形成されている。第1溝部9は、上縁4に近い第1上端12と、下縁5に近い第1下端13とを有する。第1上端12と第1下端13とを通る直線は、第1の直線Aに平行である。
本明細書中で、「平行」とは、数学的な平行に限られない。たとえば、第1上端12および第1下端13を通る直線と第1の直線Aとの成す角度が±10°の範囲内であれば、「平行」の概念に含まれるものとする。
第1溝部9は、上下方向DR2に延びる鉛直溝部14および左右方向DR3に延びる水平溝部15と繋がっている。第1溝部9は、第1上端12付近で、2つの鉛直溝部14と繋がっている。第1溝部9は、第1下端13で水平溝部15と繋がっている。第1溝部9と、鉛直溝部14と、水平溝部15とが繋がって、1つの溝部を形成している。
第1溝部9は、第1の直線Aに対して第1側縁6aから離れる位置に形成されている。物品が支持部3に支持された際に最も変形する据付板1の中央(図2中の点線円部)に近い位置に第1溝部9を形成することで、本体部2の変形を効果的に抑制することができる。
(第3溝部16)
本実施の形態において、支持部3にビード加工が施されることによって、第3溝部16が形成される。第3溝部16が形成されることにより、支持部3の剛性を高めることができる。第3溝部16は、鉛直溝部14を介して、第1溝部9と繋がっている。
(第2溝部17)
図2に示すように、本体部2には、第1溝部9よりも第1側縁6aに近い位置に第2溝部17が形成されている。第2溝部17は、厚み方向の一方DR1に凸状である凸溝である。第2溝部17は、上縁4に近い第2上端22と、下縁5に近い第2下端23とを有する。第2溝部17は、第2上端22で支持部3に形成された第3溝部16と繋がっている。
複数の上固定部7は、第2の上固定部21を有する。第2の上固定部21は、第1の上固定部10よりも第1側縁6aに近い位置に形成される。第2の上固定部21は、第1の下固定部11よりも第2側縁6bに近い位置に形成されている。第2の上固定部21と第1の下固定部11とを通る直線を第2の直線Bとする。第2の直線Bは、上縁4から下縁5にむかうにつれて第1側縁6aに近づく方向に延びる。第2上端22と第2下端23とを通る直線は、第2の直線Bに平行である。
(外側溝部24)
第2溝部17よりも第1側縁6aに近い位置に外側溝部24が形成されている。外側溝部24は、傾斜していてもよく、上下方向DR2に延びる鉛直溝部でもよく、左右方向DR3に延びる水平溝部でもよく、またはこれらを組み合わせた溝形状でよい。第2溝部17および外側溝部24は、固定に必要な貫通孔や切り欠き等を避けて迂回させて形成されることも可能である。
複数本の溝部が形成されることで、作用する力を複数の溝に分散でき、本体部2の撓みを抑えることができる。
図3は、図2に示すIII−III線に沿う第1溝部9の断面図である。第1溝部9は、絞り加工によって形成される。第1溝部9は、底部25を有する。図3中に示すaは、溝の幅を示し、bは、平板状の本体部2の平坦な部分から底部25までの深さを示す。
据付板1の厚みtは0.5mm以上2.0mm以下で選定し、底部25の深さbは厚みtの0.5以上6倍以下に設定するとよい(たとえばt=0.5mm、b=2.0mm)。溝の幅aは2mm以上50mm以下の範囲で設定するとよく、たとえば10mmである。第1溝部9の断面は、必ずしも一定である必要はなく、徐々に断面が変化してもよい。
(据付板の撓み)
図4は、据付板の支持部に室内機を取付けた際の撓みを説明する図である。上固定部および下固定部によって壁面に固定された据付板において、支持部は本体部とともに室内機を支持する。図4の符号Gは、室内機の重心である。室内機の重心Gから下方に延びる矢印は、室内機の荷重26を示す。支持部に取付けられた室内機の荷重26が作用することにより、本体部の壁面側の面には引張り応力、本体部の室内機側の面には圧縮応力が作用する。
その結果、上固定部と下固定部との間の本体部が壁側へと膨らむように変形することになる。壁が存在することにより、本体部の変形が低減することも考えられるが、壁から受ける反力のため、本体部が室内機側へ変形する可能性もある。
従来の据付板は、鉛直溝部および水平溝部を組み合わせて本体部の剛性を高めているが図4に示すように本体部を撓ませる力が作用した場合、変形を十分に抑制することができない。
しかし、図1に示す実施の形態1の第1溝部9が、本体部2に形成されることで、効果的に撓みを抑制できる。第1溝部9が斜めに形成されることから、溝が延びる斜め方向に主応力が作用し、その主応力の上下方向DR2方向の分力が撓みに対して効果的に作用するためである。
また、第1溝部9が斜めに形成されることで、上下方向DR2方向に対する断面積が大きくなり断面二次モーメントが大きくなるため、曲げ剛性を高め、座屈にも強い構造にすることが可能である。
さらに、鉛直溝部と水平溝部を組み合わせる従来の補強に比べ、据付板1において溝部が占める面積の割合を最小化することが可能である。本体部2における溝部以外のスペースを多く確保することができるため、固定部を自由に配置したり、大きく孔を設け据付板1を軽量化することもできる。
さらに、溝部が占める面積の割合を最小にすることで、溝部の絞り加工によって溝を形成する部分の周辺の板金が引っ張られることによる歪み、および、板金全体の撓みを抑制することができ、製造時の品質を向上、安定させることが可能となる。
また、図2に示す第1溝部9が、左右方向DR3における本体部の中央に形成される第1の上固定部10を通り上下方向DR2に沿う直線に略線対称に形成されることで、荷重を均等に分散し、捻じり剛性を高めることができる。さらに第1溝部9は、図4に示す室内機の重心Gを通り上下方向DR2に沿う直線に対して略線対称に形成されることで、より効果的に捻じり剛性を高めることができる。
図1に示すように、複数の上固定部7は、複数の下固定部8よりも多数形成されている。上固定部7の5箇所は、上固定部7同士の間隔が小さい。そのため、上縁4付近は、撓みにくい。一方、下固定部8の2箇所は、上固定部7の固定位置からの距離も、下固定部8同士の間隔も離れている。そのため本体部2は撓みやすくなっているが、本体部2に第1溝部9が形成されていることから、本体部2の変形を抑制することができる。
(実施の形態2)
図5は、実施の形態2に従う据付板1の正面図である。実施の形態2における第1溝部9は、上縁4から下縁5にむかうにつれて第1側縁6aに近づく方向に延びる第1溝部9が2本、平行に並んで形成されている。実施の形態2の第1溝部9において、実施の形態1の第1溝部9よりも断面二次モーメントが大きくなるため、据付板1の変形をより効果的に抑制できる効果が得られる。
(実施の形態3)
図6は、実施の形態3に従う据付板1の正面図である。第1溝部9は、湾曲している。実施の形態3における第1溝部9は、実施の形態1と同様に上縁4から下縁5にむかうにつれて第1側縁6aに近づく方向に延びているが、湾曲している点で実施の形態1と異なっている。実施の形態3において、第1上端12は、第1溝部9に繋がる鉛直溝部14の端部に定められる。第1下端13は、第1溝部9に繋がる水平溝部15の端部に定められる。
実施の形態3における第1溝部9は、第1上端12と第1下端13とを通る直線に対して下縁5側に膨らんでいる。実施の形態3の第1溝部9においても、実施の形態1に従う第1溝部9と同様に据付板1の変形を抑制できる効果が得られる。
(実施の形態4)
図7は、実施の形態4に従う据付板1の正面図である。実施の形態4における第1溝部9は、実施の形態3と同様に湾曲しており上縁4から下縁5にむかうにつれて第1側縁6aに近づく方向に延びている。しかし、実施の形態4における第1溝部9は、第1上端12と第1下端13とを通る直線に対して上縁4側に膨らんでいる点で実施の形態3と異なっている。
実施の形態4の第1溝部9においても、実施の形態1に従う第1溝部9と同様に据付板1の変形を抑制できる効果が得られる。
(実施の形態5)
図8は、実施の形態5に従う据付板1の正面図である。実施の形態5における第1溝部9は、鉛直溝部と水平溝部を組み合わせた階段状の形状を有している。実施の形態5において、第1上端12は、第1溝部9に繋がる鉛直溝部14の端部に定められる。第1下端13は、第1溝部9に繋がる水平溝部15の端部に定められる。実施の形態5の第1溝部9においても、実施の形態1に従う第1溝部9と同様に据付板1の変形を抑制できる効果が得られる。
(実施の形態6)
図9は、実施の形態6に従う据付板1の正面図である。実施の形態6における第1溝部9の形状は、実施の形態1における第1溝部9の形状と同じである。しかし、2つの水平溝部15が2つの第1溝部9同士を繋いでいる点で実施の形態1と異なる。実施の形態6の第1溝部9においても、実施の形態1に従う第1溝部9と同様に据付板1の変形を抑制できる効果が得られる。
(実施の形態7)
図10は、実施の形態7に従う据付板1の正面図である。実施の形態7における第1溝部9は、実施の形態6と同様に2つの水平溝部15が2つの第1溝部9同士を繋いでいる。しかし、第1溝部9が湾曲している点で実施の形態6と異なる。実施の形態7における第1溝部9の形状は、実施の形態4における第1溝部9の形状と同じである。
実施の形態7の第1溝部9においても、実施の形態1に従う第1溝部9と同様に据付板1の変形を抑制できる効果が得られる。
実施の形態1の据付板1、実施の形態2の据付板1、および従来の据付板の解析モデルを作成した。従来の据付板には、斜めの溝部はなく、鉛直溝部および水平溝部が組み合わされて溝部が形成されている。
据付板に室内機を取り付けることを想定し、室内機の重心に重量20kgの荷重を掛けた時の応力および変形量の強度解析を行なった。従来の据付板および実施の形態1の据付板1の解析条件として、本体部の厚みtは0.5mm、溝の底部の深さbは2.0mmに設定した。据付板の壁面への固定部は、上固定部を5箇所、下固定部を2箇所に設定した。
(実施例1)
図11は、従来の据付板の強度解析を行なった結果である。従来の据付板の最大変形量は15.22mmであり、後述する実施の形態1の据付板1の最大変形量よりも大きい。従来の据付板には、応力が作用していない溝部がいくつかあり、一部の溝部に応力が集中しているためである。
図12は、実施の形態1の据付板1の強度解析を行なった結果である。実施の形態1の据付板1の最大変形量は、10.06mmである。実施の形態1の据付板1の最大変形量は、従来の据付板の最大変形量より小さい。実施の形態1の据付板1は、従来の据付板と比較して最大変形量を抑えることができている。実施の形態1の据付板1では、第1溝部9、第2溝部17、および、その他の溝部(外側溝部24、鉛直溝部14、水平溝部15等)それぞれに応力が効率的に分散しており、変形に対して各溝部が有効に作用しているためである。
(設置角θと変形量の関係)
図13は、第1溝部9の設置角について説明する図である。上下方向DR2に沿う直線および第1上端12と第1下端13とを通る直線の成す角を設置角θとする。
図14は、設置角θと変形量との関係の強度解析結果である。図14のグラフに示すように、47≦θ≦60の範囲において、本体部2の変形量抑制の効果が高く、設置角θが47°のときに最も剛性を高めることができる。
図13に示すように、上記の設置角(θ=47°)は、第1の上固定部10と第1の下固定部11とを通る第1の直線Aと上下方向DR2に沿う直線との成す角度と等しい、または略等しい角度になっている。このように、固定部の位置と設置角との間には相関があり、第1の上固定部10と第1の下固定部11とを結ぶ直線が平行になるように第1溝部9を形成することで、効果的に本体部2の剛性を高められる。
図15は、第1溝部9の設置角θ1および第2溝部17の設置角θ2について説明する図である。上下方向DR2に沿う直線および第1上端12と第1下端13とを通る直線の成す角を設置角θ1とする。上下方向DR2に沿う直線および第2上端22と第2下端23とを通る直線との成す角を設置角θ2とする。
図16は、設置角θ1=37°のときの設置角θ2と、変形量との関係の強度解析結果である。図17は、設置角θ1=47°のときの設置角θ2と、変形量との関係の強度解析結果である。図16および図17のグラフに示すように、双方ともに、θ2≦37°において本体部2の変形量抑制の効果が高く、設置角θ2が37°のときに最も剛性を高めることができる。
図15に示すように、上記の設置角(θ2=37°)は、第2の上固定部21と第1の下固定部11とを通る第2の直線Bと上下方向DR2に沿う直線との成す角度と等しい、または略等しい角度になっている。このように、固定部の位置と設置角の間には相関があり、第2の上固定部21と第1の下固定部11とを結ぶ直線が平行になるように第2溝部17を形成することで、効果的に本体部2の剛性を高められる。
第2溝部17よりも第1側縁6aに近い位置に形成される外側溝部24についても、固定部の位置と設置角(溝の傾斜)との間には同様に相関がある。上固定部7と下固定部8とを結ぶ直線に略平行に外側溝部24を形成することで、効果的に本体部2の剛性を高められる。
(実施例2)
図5に示す実施の形態2の据付板1において、実施例1と同じ条件で強度解析を行なったところ、実施の形態2の据付板1の最大変形量は8.56mmであった。実施の形態2の据付板1の最大変形量は、厚みが0.6mmである従来の据付板の最大変位量と同等である。すなわち、本体部の厚みを0.5mmと設定した実施の形態2の据付板1は、本体部の厚みが0.6mmである従来の据付板と同等の剛性を持っている。
よって、実施の形態2の据付板1を採用することで、同じ剛性のまま本体部の材料を従来よりも0.1mm薄くすることが可能である。本体部の板材を薄くすることで、据付板の材料費の削減に繋がる。さらに据付板の重量が低減されることで、製造時および据付作業時の作業性が向上する。
本実施の形態に従う据付板1は、空気調和機の室内機用の据付板のみではなく、壁掛け設置する電化製品等、板材を用いて重量物を保持する構造に適用できる。また、外力による変形にも有効であり、剛性が必要な平板に利用可能である。たとえば、室外機の板金製の外側カバー、天板、底板、および、内部のモーターを保持している板金部品等に応用できる。
本実施の形態に従う第1溝部9および第2溝部17は、厚み方向の一方DR1に凸状である凸溝であるが、厚み方向の他方DR4に凸状である、つまり本体部2に対して窪んでいる凹溝であってもよい。溝部は、平板に対して凸状である凸溝であっても、平板に対して凹状である凹溝であってもよい。
このように、今回開示した上記実施の形態および実施例はすべての点で例示であって、制限的なものではない。本発明の技術的範囲は請求の範囲によって画定され、また請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 据付板、2 本体部、3 支持部、4 上縁、5 下縁、6 側縁、6a 第1側縁、6b 第2側縁、7 上固定部、8 下固定部、9 第1溝部、10 第1の上固定部、11 第1の下固定部、12 第1上端、13 第1下端、14 鉛直溝部、15 水平溝部、16 第3溝部、17 第2溝部、21 第2の上固定部、22 第2上端、23 第2下端、24 外側溝部、25 底部、26 荷重、DR1 厚み方向の一方、DR2 上下方向、DR3 左右方向、DR4 厚み方向の他方、G 重心、a 幅、b 深さ、t 厚み、A 第1の直線、B 第2の直線。

Claims (5)

  1. 上縁、下縁、第1側縁、および第2側縁を有する平板状の本体部と、
    前記本体部の前記上縁に沿って形成され、前記本体部の厚み方向の一方に突出し、物品を支持する支持部と、を備える据付板であって、
    前記上縁付近には、前記据付板を壁面に固定する複数の上固定部が形成され、
    前記下縁付近には、前記据付板を壁面に固定する複数の下固定部が形成され、
    前記複数の上固定部は、前記第2側縁よりも前記第1側縁に近い位置または前記上縁が延びる方向における前記本体部の中央に形成される第1の上固定部を有し、
    前記複数の下固定部は、前記第2側縁よりも前記第1側縁に近い位置に形成される第1の下固定部を有し、
    前記第1の下固定部は、前記第1の上固定部よりも前記第1側縁に近い位置に形成され、
    前記本体部には、前記厚み方向の一方または他方に窪む第1溝部が前記第2側縁よりも前記第1側縁に近い位置に形成され、
    前記第1溝部は、前記上縁に近い第1上端と、前記下縁に近い第1下端とを有し、
    前記第1上端と前記第1下端とを通る直線は、前記第1の上固定部と前記第1の下固定部とを通る第1の直線に平行である、据付板。
  2. 前記第1溝部は、前記第1の直線に対して前記第1側縁から離れる位置に形成されている、請求項1に記載の据付板。
  3. 前記複数の上固定部は、前記第1の上固定部よりも前記第1側縁に近い位置に第2の上固定部を有し、
    前記第2の上固定部は、前記第1の下固定部よりも前記第2側縁に近い位置に形成され、
    前記本体部には、前記厚み方向の一方または他方に窪む第2溝部が前記第2側縁よりも前記第1側縁に近い位置に形成され、
    前記第2溝部は、前記上縁に近い第2上端と、前記下縁に近い第2下端とを有し、
    前記第2上端と前記第2下端とを通る直線は、前記第2の上固定部と前記第1の下固定部とを通る第2の直線に平行である、請求項1または請求項2に記載の据付板。
  4. 前記第1溝部は、前記支持部に形成された第3溝部と繋がっている、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の据付板。
  5. 前記複数の上固定部は、前記複数の下固定部よりも多数形成されている、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の据付板。
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