JPWO2018097172A1 - フェニルグアニジン化合物および殺菌剤 - Google Patents

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Abstract

本発明は、式〔IV〕(式中、Arは、置換若しくは無置換のフェニレン基を示し、XおよびZは、それぞれ独立に、置換若しくは無置換のアルキレン基等を示し、TaおよびTbは、それぞれ独立に、単結合または置換若しくは無置換のアルキレン基を示し、R30は、水素原子等を示し、Gは、単結合、置換若しくは無置換のフェニレン基等を示し、Yは、式〔IIa〕(式中、R11〜R13は、それぞれ独立に、水素原子等を示し、*は結合位置を示す。)で表される二価の基を示し、R1〜R8は、それぞれ独立に、水素原子等を示す。)で表される化合物またはその塩、および該化合物またはその塩を含有する植物病害防除剤等を提供する。【化1】【化2】

Description

本発明は、フェニルグアニジン化合物および殺菌剤に関する。より詳細に、本発明は、優れた殺菌活性を有し、安全性に優れ、且つ工業的に有利に合成できる新規なフェニルグアニジン化合物、ならびに該フェニルグアニジン化合物を有効成分として含有する殺菌剤または植物病害防除剤に関する。
本願は、2016年11月25日に、日本に出願された特願2016−229454号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
特許文献1、2、3または4は、ある種のアリールアミジン化合物が真菌や植物病害菌の防除効果を有すると述べている。そして該アリールアミジン化合物を有効成分として含有する抗真菌剤や植物病害防除剤などを提案している。また、特許文献5は、ある種のフェニルグアニジン化合物が、有害生物防除効果を有すると述べている。
WO2013/062024A1 WO2006/011499A1 WO2007/074868A1 WO2003/074476A1 WO2008/029810A1
本発明の課題は、殺菌活性に優れ、安全性に優れ、且つ工業的に有利に合成できる新規なフェニルグアニジン化合物を提供すること、ならびに該フェニルグアニジン化合物を有効成分として含有する殺菌剤または植物病害防除剤を提供することである。
本発明は、以下の態様を含む。
〔1〕式〔IV〕で表される化合物またはその塩。
Figure 2018097172
式〔IV〕中、
Arは、置換若しくは無置換のフェニレン基を示す。
XおよびZは、それぞれ独立に、置換若しくは無置換のアルキレン基、置換若しくは無置換のアルケニレン基、置換若しくは無置換のアルキニレン基、−Ta−O−Tb−、−T−S−T−または−Ta−N(R30)−Tb−を示す。
aおよびTbは、それぞれ独立に、単結合または置換若しくは無置換のアルキレン基を示し、R30は、水素原子、置換若しくは無置換の炭化水素基、置換若しくは無置換のヘテロシクリル基、ヒドロキシル基、置換若しくは無置換のアルコキシ基、置換若しくは無置換のアルコキシカルボニル基、置換若しくは無置換のアリールオキシ基、置換若しくは無置換のアミノ基、置換若しくは無置換のアルキルスルホニル基、置換若しくは無置換のアリールスルホニル基、置換若しくは無置換のヘテロシクリルスルホニル基、置換若しくは無置換のアルキルカルボニル基、置換若しくは無置換のアリールカルボニル基、または置換若しくは無置換のヘテロシクリルカルボニル基を示す。
Gは、単結合、置換若しくは無置換のフェニレン基、−CH=CH−、−C≡C−、−O−、−S−、−SO−、−SO2−、または−N(R31)−を示す。R31は、水素原子、置換若しくは無置換の炭化水素基、置換若しくは無置換のヘテロシクリル基、ヒドロキシル基、置換若しくは無置換のアルコキシ基、置換若しくは無置換のアルコキシカルボニル基、置換若しくは無置換のアリールオキシ基、置換若しくは無置換のアミノ基、置換若しくは無置換のアルキルスルホニル基、置換若しくは無置換のアリールスルホニル基、置換若しくは無置換のヘテロシクリルスルホニル基、置換若しくは無置換のアルキルカルボニル基、置換若しくは無置換のアリールカルボニル基、または置換若しくは無置換のヘテロシクリルカルボニル基を示す。
Yは、式〔IIa〕で表される二価の基を示す。
Figure 2018097172
式〔IIa〕中、R11〜R13は、それぞれ独立に、水素原子、ニトロ基、シアノ基、置換若しくは無置換の炭化水素基、置換若しくは無置換のヘテロシクリル基、ヒドロキシル基、置換若しくは無置換のアルコキシ基、置換若しくは無置換のアルコキシカルボニル基、置換若しくは無置換のアリールオキシ基、置換若しくは無置換のアミノ基、置換若しくは無置換のアルキルスルホニル基、置換若しくは無置換のアリールスルホニル基、置換若しくは無置換のヘテロシクリルスルホニル基、置換若しくは無置換のアルキルカルボニル基、置換若しくは無置換のアリールカルボニル基、または置換若しくは無置換のヘテロシクリルカルボニル基を示す。R12とR13、R11とR12、または、R11とR13は一緒になって二価の有機基を形成していてもよい。R12とX上の置換基は一緒になって二価の有機基を形成していてもよい。*は結合位置を示す。
1〜R8は、それぞれ独立に、水素原子、置換若しくは無置換の炭化水素基、置換若しくは無置換のヘテロシクリル基、ヒドロキシル基、置換若しくは無置換のアルコキシ基、置換若しくは無置換のアルコキシカルボニル基、置換若しくは無置換のアリールオキシ基、置換若しくは無置換のアミノ基、置換若しくは無置換のアルキルスルホニル基、置換若しくは無置換のアリールスルホニル基、置換若しくは無置換のヘテロシクリルスルホニル基、置換若しくは無置換のアルキルカルボニル基、置換若しくは無置換のアリールカルボニル基、または置換若しくは無置換のヘテロシクリルカルボニル基を示す。
とRとが結合してそれらがそれぞれ結合する二つの窒素原子および該二つの窒素原子が結合する一つの炭素原子と伴に4〜8員環を形成していてもよいし、R2とR3とが結合してそれらがそれぞれ結合する二つの窒素原子および該二つの窒素原子が結合する一つの炭素原子と伴に4〜8員環を形成していてもよいし、R3とR4とが結合してそれらが結合する一つの窒素原子と伴に4〜8員環を形成していてもよいし、R1とR4とが結合してそれらがそれぞれ結合する二つの窒素原子および該二つの窒素原子が結合する一つの炭素原子と伴に4〜8員環を形成していてもよい。
また、R6とR7とが結合してそれらがそれぞれ結合する二つの窒素原子および該二つの窒素原子が結合する一つの炭素原子と伴に4〜8員環を形成していてもよいし、またはR7とR8とが結合してそれらが結合する一つの窒素原子と伴に4〜8員環を形成していてもよいし、またはR5とR8とが結合してそれらが結合する一つの窒素原子および該二つの窒素原子が結合する一つの炭素原子と伴に4〜8員環を形成していてもよい。
〔2〕式〔IV〕で表される化合物が、式〔I〕で表される化合物である、〔1〕に記載の化合物またはその塩。
Figure 2018097172
式〔I〕中、X、Y、Z、G、およびR〜Rは上記と同様の意味を示す。
Rは、C1〜6アルキル基、C3〜8シクロアルキル基、C6〜10アリール基、3〜6員ヘテロシクリル基、ヒドロキシル基、C1〜6アルコキシ基、C6〜10アリールオキシ基、カルボキシル基、ハロゲノ基、C1〜6ハロアルキル基、C6〜10ハロアリール基、C1〜6ハロアルコキシ基、無置換のアミノ基、C1〜6アルキルアミノ基、C6〜10アリールアミノ基、C1〜7アシルアミノ基、C1〜6アルコキシカルボニルアミノ基、C1〜6アルキルチオ基、C6〜10アリールチオ基、ヘテロアリールチオ基、C7〜11アラルキルチオ基、C1〜6アルキルスルフィニル基、C6〜10アリールスルフィニル基、ヘテロアリールスルフィニル基、C7〜11アラルキルスルフィニル基、C1〜6アルキルスルホニル基、C6〜10アリールスルホニル基、ヘテロシクリルスルホニル基、シアノ基、ニトロ基を示す。
nは、Rの個数を示し、0〜4のいずれかひとつの整数である。
〔3〕XおよびZが、それぞれ独立に、置換若しくは無置換のアルキレン基であり、Gが、−O−である、〔1〕若しくは〔2〕に記載の化合物またはその塩。
〔4〕前記〔1〕から〔3〕のいずれかに記載の化合物およびその塩からなる群から選ばれる少なくとも一つを有効成分として含有する殺菌剤。
〔5〕前記〔1〕から〔3〕のいずれかに記載の化合物およびその塩からなる群から選ばれる少なくとも一つを有効成分として含有する植物病害防除剤。
本発明に係るフェニルグアニジン化合物(式〔I〕で表される化合物またはその塩)は、殺菌活性に優れ、安全性に優れ、且つ工業的に有利に合成することができる。当該フェニルグアニジン化合物を有効成分として含有する殺菌剤若しくは植物病害防除剤は、リンゴ黒星病、キュウリ灰色かび病、コムギうどんこ病、トマト疫病、コムギ赤さび病などの植物病害の防除価に特に優れている。
まず、本発明において、「無置換」(unsubstituted)の用語は、母核となる基のみであることを意味する。「置換」との記載がなく母核となる基の名称のみで記載しているときは、別段の断りがない限り「無置換」の意味である。
一方、「置換」(substituted)の用語は、母核となる基のいずれかの水素原子が、母核と同一または異なる構造の基で置換されていることを意味する。従って、「置換基」は、母核となる基に結合した他の基である。置換基は1つであってもよいし、2つ以上であってもよい。2つ以上の置換基は同一であってもよいし、異なるものであってもよい。
「C1〜6」などの用語は、母核となる基の炭素原子数が1〜6個などであることを表している。この炭素原子数には、置換基の中にある炭素原子の数を含まない。例えば、置換基としてエトキシ基を有するブチル基は、C2アルコキシC4アルキル基に分類する。
「置換基」は化学的に許容され、本発明の効果を有する限りにおいて特に制限されない。以下に「置換基」となり得る基を例示する。
メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基などのC1〜6アルキル基;
ビニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基(アリル基)、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、1−メチル−2−プロペニル基、2−メチル−2−プロペニル基などのC2〜6アルケニル基;
エチニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル基、1−ブチニル基、2−ブチニル基、3−ブチニル基、1−メチル−2−プロピニル基などのC2〜6アルキニル基;
シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などのC3〜8シクロアルキル基;
2−シクロペンテニル基、3−シクロヘキセニル基、4−シクロオクテニル基などのC4〜8シクロアルケニル基;
フェニル基、ナフチル基などのC6〜10アリール基;
ベンジル基、フェネチル基などのC7〜11アラルキル基;
3〜6員ヘテロシクリル基;
ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ベンゾイル基、シクロヘキシルカルボニル基などのC1〜7アシル基;
ヒドロキシル基;
メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、i−ブトキシ基、t−ブトキシ基などのC1〜6アルコキシ基;
ビニルオキシ基、アリルオキシ基、プロペニルオキシ基、ブテニルオキシ基などのC2〜6アルケニルオキシ基;
エチニルオキシ基、プロパルギルオキシ基などのC2〜6アルキニルオキシ基;
フェノキシ基、ナフトキシ基などのC6〜10アリールオキシ基;
ベンジルオキシ基、フェネチルオキシ基などのC7〜11アラルキルオキシ基;
ホルミルオキシ基、アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、シクロヘキシルカルボニルオキシ基などのC1〜7アシルオキシ基;
メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、i−プロポキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基などのC1〜6アルコキシカルボニル基;
メトキシカルボニルオキシ基、エトキシカルボニルオキシ基、n−プロポキシカルボニルオキシ基、i−プロポキシカルボニルオキシ基、n−ブトキシカルボニルオキシ基、t−ブトキシカルボニルオキシ基などのC1〜6アルコキシカルボニルオキシ基;
カルボキシル基;
フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、イオド基などのハロゲノ基;
クロロメチル基、クロロエチル基、トリフルオロメチル基、1,2−ジクロロ−n−プロピル基、1−フルオロ−n−ブチル基、パーフルオロ−n−ペンチル基などのC1〜6ハロアルキル基;
2−クロロ−1−プロペニル基、2−フルオロ−1−ブテニル基などのC2〜6ハロアルケニル基;
4,4−ジクロロ−1−ブチニル基、4−フルオロ−1−ペンチニル基、5−ブロモ−2−ペンチニル基などのC2〜6ハロアルキニル基;
4−クロロフェニル基、4−フルオロフェニル基、2,4−ジクロロフェニル基などのC6〜10ハロアリール基;
トリフルオロメトキシ基、2−クロロ−n−プロポキシ基、2,3−ジクロロブトキシ基などのC1〜6ハロアルコキシ基;
2−クロロプロペニルオキシ基、3−ブロモブテニルオキシ基などのC2〜6ハロアルケニルオキシ基;
4−フルオロフェニルオキシ基、4−クロロ−1−ナフトキシ基などのC6〜10ハロアリールオキシ基;
クロロアセチル基、トリフルオロアセチル基、トリクロロアセチル基、4−クロロベンゾイル基などのC1〜7ハロアシル基;
無置換のアミノ基(NH2で表される基);
メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基などのC1〜6アルキルアミノ基;
アニリノ基、ナフチルアミノ基などのC6〜10アリールアミノ基;
ベンジルアミノ基、フェネチルアミノ基などのC7〜11アラルキルアミノ基;
ホルミルアミノ基、アセチルアミノ基、プロパノイルアミノ基、ブチリルアミノ基、i−プロピルカルボニルアミノ基、ベンゾイルアミノ基などのC1〜7アシルアミノ基;
メトキシカルボニルアミノ基、エトキシカルボニルアミノ基、n−プロポキシカルボニルアミノ基、i−プロポキシカルボニルアミノ基などのC1〜6アルコキシカルボニルアミノ基;
アミノカルボニル基、ジメチルアミノカルボニル基、フェニルアミノカルボニル基、N−フェニル−N−メチルアミノカルボニル基などの置換若しくは無置換のアミノカルボニル基;
イミノメチル基、(1−イミノ)エチル基、(1−イミノ)−n−プロピル基などのイミノC1〜6アルキル基;
N−ヒドロキシ−イミノメチル基、(1−(N−ヒドロキシ)−イミノ)エチル基、(1−(N−ヒドロキシ)−イミノ)プロピル基、N−メトキシ−イミノメチル基、(1−(N−メトキシ)−イミノ)エチル基などの置換若しくは無置換のN−ヒドロキシイミノC1〜6アルキル基;
メルカプト基;
メチルチオ基、エチルチオ基、n−プロピルチオ基、i−プロピルチオ基、n−ブチルチオ基、i−ブチルチオ基、s−ブチルチオ基、t−ブチルチオ基などのC1〜6アルキルチオ基;
フェニルチオ基、ナフチルチオ基などのC6〜10アリールチオ基;
チアゾリルチオ基、ピリジルチオ基などのヘテロアリールチオ基;
ベンジルチオ基、フェネチルチオ基などのC7〜11アラルキルチオ基;
メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、t−ブチルスルフィニル基などのC1〜6アルキルスルフィニル基;
フェニルスルフィニル基などのC6〜10アリールスルフィニル基;
チアゾリルスルフィニル基、ピリジルスルフィニル基などのヘテロアリールスルフィニル基;
ベンジルスルフィニル基、フェネチルスルフィニル基などのC7〜11アラルキルスルフィニル基;
メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、t−ブチルスルホニル基などのC1〜6アルキルスルホニル基;
フェニルスルホニル基などのC6〜10アリールスルホニル基;
チアゾリルスルホニル基、ピリジルスルホニル基などのヘテロアリールスルホニル基;
ベンジルスルホニル基、フェネチルスルホニル基などのC7〜11アラルキルスルホニル基;
アミノカルボニルオキシ基;
エチルアミノカルボニルオキシ基、ジメチルアミノカルボニルオキシ基などのC1〜6アルキルアミノカルボニルオキシ基;
トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基などのトリC1〜6アルキルシリル基;
トリフェニルシリル基などのトリアリールシリル基;
シアノ基;ニトロ基;オキソ基
また、これらの「置換基」は、当該置換基中のいずれかの水素原子が、異なる構造の基で置換されていてもよい。
また、上記の「3〜6員ヘテロシクリル基」とは、窒素原子、酸素原子および硫黄原子からなる群から選ばれる1〜4個のヘテロ原子を環の構成原子として含むものである。ヘテロシクリル基は、単環および多環のいずれであってもよい。多環ヘテロシクリル基は、少なくとも一つの環がヘテロ環であれば、残りの環が飽和脂環、不飽和脂環または芳香環のいずれであってもよい。「3〜6員ヘテロシクリル基」としては、3〜6員飽和ヘテロシクリル基、5〜6員ヘテロアリール基、5〜6員部分不飽和ヘテロシクリル基などを挙げることができる。
3〜6員飽和ヘテロシクリル基としては、アジリジニル基、エポキシ基、ピロリジニル基、テトラヒドロフラニル基、チアゾリジニル基、ピペリジル基、ピペラジニル基、モルホリニル基、ジオキソラニル基、ジオキサニル基などを挙げることができる。
5員ヘテロアリール基としては、ピロリル基、フリル基、チエニル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、トリアゾリル基、オキサジアゾリル基、チアジアゾリル基、テトラゾリル基などを挙げることができる。
6員ヘテロアリール基としては、ピリジル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダニジル基、トリアジニル基などを挙げることができる。
本発明のフェニルグアニジン化合物は、式〔IV〕で表される化合物(以下、化合物〔IV〕と表記することがある。)またはその塩である。
Figure 2018097172
式〔IV〕中、Yは、式〔IIa〕で表される二価の基を示す。
Figure 2018097172
式〔IIa〕中、*は結合位置を示す。
式〔IIa〕中、R11〜R13は、それぞれ独立に、水素原子、ニトロ基、シアノ基、置換若しくは無置換の炭化水素基、置換若しくは無置換のヘテロシクリル基、ヒドロキシル基、置換若しくは無置換のアルコキシ基、置換若しくは無置換のアルコキシカルボニル基、置換若しくは無置換のアリールオキシ基、置換若しくは無置換のアミノ基、置換若しくは無置換のアルキルスルホニル基、置換若しくは無置換のアリールスルホニル基、置換若しくは無置換のヘテロシクリルスルホニル基、置換若しくは無置換のアルキルカルボニル基、置換若しくは無置換のアリールカルボニル基、または置換若しくは無置換のヘテロシクリルカルボニル基を示す。
また、R12とX上の置換基は一緒になって二価の有機基(好ましくは、C1〜3アルキレン基、より好ましくは、エチレン基)を形成していてもよい。
11〜R13における「炭化水素基」とは、炭化水素化合物中の水素原子1個が抜けて形成される基である。炭化水素化合物としては、メタン、エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタンなどの飽和炭化水素化合物、エチレン、アセチレン、プロピレンなどの不飽和炭化水素化合物、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘキセンなどの脂環式炭化水素化合物、ベンゼン、ナフタレンなどの芳香族炭化水素化合物などを挙げることができる。これらの中でも、「炭化水素基」は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基などのC1〜6アルキル基; またはフェニル基、ナフチル基などのC6〜10アリール基;であることが好ましく、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基などのC1〜6アルキル基又はフェニル基であることがより好ましい。
11〜R13における「ヘテロシクリル基」とは、複素環式化合物中の水素原子1個が抜けて形成される基である。ヘテロシクリル基としては、アジリジニル基、エポキシ基、ピロリジニル基、テトラヒドロフラニル基、チアゾリジニル基、ピペリジル基、ピペラジニル基、モルホリニル基、ジオキソラニル基、ジオキサニル基、ピロリル基、フリル基、チエニル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、トリアゾリル基、オキサジアゾリル基、チアジアゾリル基、テトラゾリル基、ピリジル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダニジル基、トリアジニル基などを挙げることができる。
11〜R13における「アルコキシ基」としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、i−ブトキシ基、t−ブトキシ基などを挙げることができ、C1〜6アルコキシ基が好ましい。
11〜R13における「アルコキシカルボニル基」としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、i−プロポキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基、s−ブトキシカルボニル基、i−ブトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基などを挙げることができ、C1〜6アルコキシカルボニル基が好ましい。
11〜R13における「アリールオキシ基」としては、フェノキシ基、ナフトキシ基などを挙げることができ、フェノキシ基が好ましい。
11〜R13における「置換若しくは無置換のアミノ基」としては、アミノ基(NH2で表される基);メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基などのC1〜6アルキルアミノ基;アニリノ基、ナフチルアミノ基などのC6〜10アリールアミノ基;ベンジルアミノ基、フェネチルアミノ基などのC7〜11アラルキルアミノ基;ホルミルアミノ基、アセチルアミノ基、プロパノイルアミノ基、ブチリルアミノ基、i−プロピルカルボニルアミノ基、ベンゾイルアミノ基などのC1〜7アシルアミノ基;メトキシカルボニルアミノ基、エトキシカルボニルアミノ基、n−プロポキシカルボニルアミノ基、i−プロポキシカルボニルアミノ基などのC1〜6アルコキシカルボニルアミノ基などを挙げることができる。
11〜R13における「アルキルスルホニル基」としては、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、n−プロピルスルホニル基、i−プロピルスルホニル基、n−ブチルスルホニル基、s−ブチルスルホニル基、i−ブチルスルホニル基、t−ブチルスルホニル基などを挙げることができ、C1〜6アルキルスルホニル基が好ましい。
11〜R13における「アリールスルホニル基」としては、フェニルスルホニル基、ナフチルスルホニル基などを挙げることができ、フェニルスルホニル基が好ましい。
11〜R13における「ヘテロシクリルスルホニル基」としては、アジリジニルスルホニル基、エポキシスルホニル基、ピロリジニルスルホニル基、テトラヒドロフラニルスルホニル基、チアゾリジニルスルホニル基、ピペリジルスルホニル基、ピペラジニルスルホニル基、モルホリニルスルホニル基、ジオキソラニルスルホニル基、ジオキサニルスルホニル基、ピロリルスルホニル基、フリルスルホニル基、チエニルスルホニル基、イミダゾリルスルホニル基、ピラゾリルスルホニル基、オキサゾリルスルホニル基、イソオキサゾリルスルホニル基、チアゾリルスルホニル基、イソチアゾリルスルホニル基、トリアゾリルスルホニル基、オキサジアゾリルスルホニル基、チアジアゾリルスルホニル基、テトラゾリルスルホニル基、ピリジルスルホニル基、ピラジニルスルホニル基、ピリミジニルスルホニル基、ピリダニジルスルホニル基、トリアジニルスルホニル基などを挙げることができる。
11〜R13における「アルキルカルボニル基」としては、メチルカルボニル基、エチルカルボニル基、n−プロピルカルボニル基、i−プロピルカルボニル基、n−ブチルカルボニル基、s−ブチルカルボニル基、i−ブチルカルボニル基、t−ブチルカルボニル基などを挙げることができ、C1〜6アルキルカルボニル基が好ましい。
11〜R13における「アリールカルボニル基」としては、フェニルカルボニル基、ナフチルカルボニル基などを挙げることができ、フェニルカルボニル基が好ましい。
11〜R13における「ヘテロシクリルカルボニル基」としては、アジリジニルカルボニル基、エポキシカルボニル基、ピロリジニルカルボニル基、テトラヒドロフラニルカルボニル基、チアゾリジニルカルボニル基、ピペリジルカルボニル基、ピペラジニルカルボニル基、モルホリニルカルボニル基、ジオキソラニルカルボニル基、ジオキサニルカルボニル基、ピロリルカルボニル基、フリルカルボニル基、チエニルカルボニル基、イミダゾリルカルボニル基、ピラゾリルカルボニル基、オキサゾリルカルボニル基、イソオキサゾリルカルボニル基、チアゾリルカルボニル基、イソチアゾリルカルボニル基、トリアゾリルカルボニル基、オキサジアゾリルカルボニル基、チアジアゾリルカルボニル基、テトラゾリルカルボニル基、ピリジルカルボニル基、ピラジニルカルボニル基、ピリミジニルカルボニル基、ピリダニジルカルボニル基、トリアジニルカルボニル基などを挙げることができる。
11〜R13は、水素原子が好ましい。
式〔IIa〕中、R12とR13、R11とR12、またはR11とR13は一緒になって二価の有機基を形成していてもよい。R12とR13が一緒になって二価の有機基を形成しているYとしては、式〔III〕で表される二価の有機基を挙げることができる。
Figure 2018097172
式〔III〕中、*は結合位置を示す。
式〔III〕中、R51は、置換若しくは無置換のアルキレン基、置換若しくは無置換のアルケニレン基、置換若しくは無置換のフェニレン基を示す。
51における「アルキレン基」としては、メチレン基、エチレン基、プロパン−1,3−ジイル基(別名:トリメチレン基)、プロパン−1,2−ジイル基(別名:プロピレン基)、ブタン−1,4−ジイル基、ブタン−1,3−ジイル基、ブタン−1,2−ジイル基、ペンタン−1,5−ジイル基、ヘキサン−1,6−ジイル基、ヘプタン−1,7−ジイル基、オクタン−1,8−ジイル基などを挙げることができる。
51における「アルケニレン基」としては、エテン−1,2−ジイル基(−CH=CH−)基、プロペニレン基、2−ブテニレン基などを挙げることができる。
51における「フェニレン基」としては、1,2−フェニレン基などを挙げることができる。
51における「アルキレン基」、「アルケニレン基」上の置換基としては、C1〜6アルキル基、C6〜10アリール基、ヒドロキシル基、C1〜6アルコキシ基、C6〜10アリールオキシ基、カルボキシル基、ハロゲノ基、C1〜6ハロアルキル基、C6〜10ハロアリール基、C1〜6ハロアルコキシ基、アミノ基(NH2で表される基)、C1〜6アルキルアミノ基、C6〜10アリールアミノ基、C1〜7アシルアミノ基、C1〜6アルキルチオ基、C6〜10アリールチオ基、ヘテロアリールチオ基、C1〜6アルキルスルフィニル基、C1〜6アルキルスルホニル基、C6〜10アリールスルホニル基、ヘテロアリールスルホニル基、シアノ基、オキソ基が好ましく、C1〜6アルキル基又はC6〜10アリール基(フェニル基)がより好ましい。
51における「フェニレン基」上の置換基としては、C1〜6アルキル基、C3〜8シクロアルキル基、C6〜10アリール基、3〜6員ヘテロシクリル基、ヒドロキシル基、C1〜6アルコキシ基、C6〜10アリールオキシ基、カルボキシル基、ハロゲノ基、C1〜6ハロアルキル基、C6〜10ハロアリール基、C1〜6ハロアルコキシ基、アミノ基(NH2で表される基)、C1〜6アルキルアミノ基、C6〜10アリールアミノ基、C1〜7アシルアミノ基、C1〜6アルコキシカルボニルアミノ基、C1〜6アルキルチオ基、C6〜10アリールチオ基、ヘテロアリールチオ基、C7〜11アラルキルチオ基、C1〜6アルキルスルフィニル基、C6〜10アリールスルフィニル基、ヘテロアリールスルフィニル基、C7〜11アラルキルスルフィニル基、C1〜6アルキルスルホニル基、C6〜10アリールスルホニル基、ヘテロアリールスルホニル基、シアノ基、ニトロ基が好ましい。
51は、無置換のアルケニレン基が好ましく、エテン−1,2−ジイル基(−CH=CH−)基がより好ましい。
式〔III〕中、R50は、それぞれ独立に、水素原子、ニトロ基、シアノ基、置換若しくは無置換の炭化水素基、置換若しくは無置換のヘテロシクリル基、ヒドロキシル基、置換若しくは無置換のアルコキシ基、置換若しくは無置換のアルコキシカルボニル基、置換若しくは無置換のアリールオキシ基、置換若しくは無置換のアミノ基、置換若しくは無置換のアルキルスルホニル基、置換若しくは無置換のアリールスルホニル基、置換若しくは無置換のヘテロシクリルスルホニル基、置換若しくは無置換のアルキルカルボニル基、置換若しくは無置換のアリールカルボニル基、または置換若しくは無置換のヘテロシクリルカルボニル基を示す。
式〔III〕中、R50における「炭化水素基」、「ヘテロシクリル基」、「アルコキシ基」、「アルコキシカルボニル基」、「アリールオキシ基」、「置換若しくは無置換のアミノ基」、「アルキルスルホニル基」、「アリールスルホニル基」、「ヘテロシクリルスルホニル基」、「アルキルカルボニル基」、「アリールカルボニル基」、および「ヘテロシクリルカルボニル基」としては、式〔IIa〕中のR11〜R13についての説明で例示したものと同じものをそれぞれ挙げることができる。
50は、水素原子が好ましい。
式〔IV〕中、Arは、置換若しくは無置換のフェニレン基を示す。
Arにおける「フェニレン基」上の置換基としては、C1〜6アルキル基、C3〜8シクロアルキル基、C6〜10アリール基、3〜6員ヘテロシクリル基、ヒドロキシル基、C1〜6アルコキシ基、C6〜10アリールオキシ基、カルボキシル基、ハロゲノ基、C1〜6ハロアルキル基、C6〜10ハロアリール基、C1〜6ハロアルコキシ基、無置換のアミノ基、C1〜6アルキルアミノ基、C6〜10アリールアミノ基、C1〜7アシルアミノ基、C1〜6アルコキシカルボニルアミノ基、C1〜6アルキルチオ基、C6〜10アリールチオ基、ヘテロアリールチオ基、C7〜11アラルキルチオ基、C1〜6アルキルスルフィニル基、C6〜10アリールスルフィニル基、ヘテロアリールスルフィニル基、C7〜11アラルキルスルフィニル基、C1〜6アルキルスルホニル基、C6〜10アリールスルホニル基、ヘテロシクリルスルホニル基、シアノ基、ニトロ基が好ましい。
Arは、無置換のフェニレン基が好ましい。
式〔IV〕中、XおよびZは、それぞれ独立に、置換若しくは無置換のアルキレン基、置換若しくは無置換のアルケニレン基、置換若しくは無置換のアルキニレン基、−Ta−O−Tb−、−T−S−T−または−Ta−N(R30)−Tb−を示す。TaおよびTbは、それぞれ独立に、単結合、または置換若しくは無置換のアルキレン基を示し、R30は、水素原子、置換若しくは無置換の炭化水素基、置換若しくは無置換のヘテロシクリル基、ヒドロキシル基、置換若しくは無置換のアルコキシ基、置換若しくは無置換のアルコキシカルボニル基、置換若しくは無置換のアリールオキシ基、置換若しくは無置換のアミノ基、置換若しくは無置換のアルキルスルホニル基、置換若しくは無置換のアリールスルホニル基、置換若しくは無置換のヘテロシクリルスルホニル基、置換若しくは無置換のアルキルカルボニル基、置換若しくは無置換のアリールカルボニル基、または置換若しくは無置換のヘテロシクリルカルボニル基を示す。
30における「炭化水素基」、「ヘテロシクリル基」、「アルコキシ基」、「アルコキシカルボニル基」、「アリールオキシ基」、「置換若しくは無置換のアミノ基」、「アルキルスルホニル基」、「アリールスルホニル基」、「ヘテロシクリルスルホニル基」、「アルキルカルボニル基」、「アリールカルボニル基」、および「ヘテロシクリルカルボニル基」としては、式〔II〕中のR11〜R13についての説明で例示したものと同じものをそれぞれ挙げることができる。
XおよびZにおける「アルキレン基」としては、式〔III〕中のR51についての説明で例示したものを挙げることができ、C1〜10アルキレン基であることが好ましい。
XおよびZにおける「アルケニレン基」としては、式〔III〕中のR51についての説明で例示したものと同じものを挙げることができる。
XおよびZにおける「アルキニレン基」としては、エチニレン基、2−ブチニレン基などを挙げることができる。
XおよびZにおける「アルキレン基」、「アルケニレン基」または「アルキニレン基」上の置換基としては、C1〜6アルキル基、C6〜10アリール基、ヒドロキシル基、C1〜6アルコキシ基、C6〜10アリールオキシ基、カルボキシル基、ハロゲノ基、C1〜6ハロアルキル基、C6〜10ハロアリール基、C1〜6ハロアルコキシ基、アミノ基(NH2で表される基)、C1〜6アルキルアミノ基、C6〜10アリールアミノ基、C1〜7アシルアミノ基、C1〜6アルキルチオ基、C6〜10アリールチオ基、ヘテロアリールチオ基、C1〜6アルキルスルフィニル基、C1〜6アルキルスルホニル基、C6〜10アリールスルホニル基、ヘテロアリールスルホニル基、シアノ基、オキソ基が好ましく、C1〜6アルキル基、オキソ基がより好ましく、メチル基、オキソ基が特に好ましい。
Xは、置換若しくは無置換のアルキレン基が好ましい。
Zは、置換若しくは無置換のアルキレン基が好ましく、無置換のアルキレン基がより好ましい。
式〔IV〕中、Gは、単結合、置換若しくは無置換のフェニレン基、エテン−1,2−ジイル基(−CH=CH−)、エチン−1,2−ジイル基(−C≡C−)、オキシ基(−O−)、チオ基(−S−)、スルフィニル基(−SO−)、スルホニル基(−SO2−)、または無置換若しくはN−置換イミノ基(−N(R31)−)を示す。
Gにおける「フェニレン基」上の置換基としては、式〔III〕中R51における、フェニレン基上の置換基の説明で例示したものと同じものを挙げることができる。
31は、水素原子、置換若しくは無置換の炭化水素基、置換若しくは無置換のヘテロシクリル基、ヒドロキシル基、置換若しくは無置換のアルコキシ基、置換若しくは無置換のアルコキシカルボニル基、置換若しくは無置換のアリールオキシ基、置換若しくは無置換のアミノ基、置換若しくは無置換のアルキルスルホニル基、置換若しくは無置換のアリールスルホニル基、置換若しくは無置換のヘテロシクリルスルホニル基、置換若しくは無置換のアルキルカルボニル基、置換若しくは無置換のアリールカルボニル基、または置換若しくは無置換のヘテロシクリルカルボニル基を示す。
31における「炭化水素基」、「ヘテロシクリル基」、「アルコキシ基」、「アルコキシカルボニル基」、「アリールオキシ基」、「置換若しくは無置換のアミノ基」、「アルキルスルホニル基」、「アリールスルホニル基」、「ヘテロシクリルスルホニル基」、「アルキルカルボニル基」、「アリールカルボニル基」、および「ヘテロシクリルカルボニル基」としては、式〔II〕中のR11〜R13についての説明で例示したものと同じものをそれぞれ挙げることができる。
Gは、単結合、オキシ基(−O−)、またはチオ基(−S−)が好ましく、オキシ基(−O−)がより好ましい。
式〔IV〕中、R1〜R8は、それぞれ独立に、水素原子、置換若しくは無置換の炭化水素基、置換若しくは無置換のヘテロシクリル基、ヒドロキシル基、置換若しくは無置換のアルコキシ基、置換若しくは無置換のアルコキシカルボニル基、置換若しくは無置換のアリールオキシ基、置換若しくは無置換のアミノ基、置換若しくは無置換のアルキルスルホニル基、置換若しくは無置換のアリールスルホニル基、置換若しくは無置換のヘテロシクリルスルホニル基、置換若しくは無置換のアルキルカルボニル基、置換若しくは無置換のアリールカルボニル基、または置換若しくは無置換のヘテロシクリルカルボニル基を示す。
1〜R8における「炭化水素基」、「ヘテロシクリル基」、「アルコキシ基」、「アルコキシカルボニル基」、「アリールオキシ基」、「置換若しくは無置換のアミノ基」、「アルキルスルホニル基」、「アリールスルホニル基」、「ヘテロシクリルスルホニル基」、「アルキルカルボニル基」、「アリールカルボニル基」、「ヘテロシクリルカルボニル基」としては、式〔IIa〕中のR11〜R13についての説明で例示したものと同じものをそれぞれ挙げることができる。
1〜R8における「炭化水素基」上の置換基として好ましくは、メチルアミノ基などのC1〜6アルキルアミノ基が挙げられる。
1〜R8は、水素原子、置換若しくは無置換のC1〜6アルキル基が好ましい。
とRとが結合してそれらがそれぞれ結合する二つの窒素原子および該二つの窒素原子が結合する一つの炭素原子と伴に4〜8員環を形成していてもよいし、R2とR3とが結合してそれらがそれぞれ結合する二つの窒素原子および該二つの窒素原子が結合する一つの炭素原子と伴に4〜8員環を形成していてもよいし、R3とR4とが結合してそれらが結合する一つの窒素原子と伴に4〜8員環を形成していてもよいし、R1とR4とが結合してそれらがそれぞれ結合する二つの窒素原子および該二つの窒素原子が結合する一つの炭素原子と伴に4〜8員環を形成していてもよい。
とRとが結合してそれらがそれぞれ結合する二つの窒素原子および該二つの窒素原子が結合する一つの炭素原子と伴に形成する4〜8員環としては、イミダゾール環が好ましい。
2とR3とが結合してそれらがそれぞれ結合する二つの窒素原子および該二つの窒素原子が結合する一つの炭素原子と伴に形成する4〜8員環としては、1,4,5,6−テトラヒドロピリミジン環が好ましい。
6とR7とが結合してそれらがそれぞれ結合する二つの窒素原子および該二つの窒素原子が結合する一つの炭素原子と伴に4〜8員環を形成していてもよいし、またはR7とR8とが結合してそれらが結合する一つの窒素原子と伴に4〜8員環を形成していてもよいし、またはR5とR8とが結合してそれらが結合する一つの窒素原子および該二つの窒素原子が結合する一つの炭素原子と伴に4〜8員環を形成していてもよい。
本発明に係る化合物〔IV〕には、水和物、各種溶媒和物や結晶多形などが含まれる。さらに、本発明に係る化合物〔IV〕は、不斉炭素原子、二重結合などに基づく立体異性体、互変異性体およびそれらの混合物を包含する。
本発明に係る化合物〔IV〕の塩は、農園芸学的に許容される塩であれば、特に制限されない。例えば、塩酸、硫酸などの無機酸の塩;酢酸、乳酸、アルベシル酸、イセチオン酸などの有機酸の塩;リチウム、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属の塩;カルシウム、マグネシウムなどのアルカリ土類金属の塩;鉄、銅などの遷移金属の塩;アンモニア、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ピリジン、ヒドラジンなどの有機塩基の塩などを挙げることができる。化合物〔IV〕の塩は、化合物〔IV〕から公知の手法によって得ることができる。
本発明のフェニルグアニジン化合物は、式〔I〕で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2018097172
式〔I〕中、R1〜R8、G、X、Y、およびZは、式〔IV〕中のそれと同様の意味を示す。
式〔I〕中、Rは、C1〜6アルキル基、C3〜8シクロアルキル基、C6〜10アリール基、3〜6員ヘテロシクリル基、ヒドロキシル基、C1〜6アルコキシ基、C6〜10アリールオキシ基、カルボキシル基、ハロゲノ基、C1〜6ハロアルキル基、C6〜10ハロアリール基、C1〜6ハロアルコキシ基、アミノ基(NH2で表される基)、C1〜6アルキルアミノ基、C6〜10アリールアミノ基、C1〜7アシルアミノ基、C1〜6アルコキシカルボニルアミノ基、C1〜6アルキルチオ基、C6〜10アリールチオ基、ヘテロアリールチオ基、C7〜11アラルキルチオ基、C1〜6アルキルスルフィニル基、C6〜10アリールスルフィニル基、ヘテロアリールスルフィニル基、C7〜11アラルキルスルフィニル基、C1〜6アルキルスルホニル基、C6〜10アリールスルホニル基、ヘテロシクリルスルホニル基、シアノ基、ニトロ基を示す。R1〜R4のいずれかひとつとRとが結合して環を形成していてもよい。
nは、Rの個数を示し、0〜4のいずれかひとつの整数である。
nは、0が好ましい。
つぎに、本発明のフェニルグアニジン化合物およびその塩の製造例を示す。なお、以下に示す製造例は本発明を説明するためだけのものであって、本発明の範囲を制限するものではない。
製造例1
ニトロフェノール(1)とハロゲン化合物(2)を反応させ、その後、ニトロ基を還元することによりアニリン(3)を得ることができる。アニリン(3)のアミノ基と化合物(4)を反応させることにより、化合物(5)を得ることができる。化合物(5)中の保護基Pを脱保護し、次いで化合物(7)と反応させることにより、化合物(8)を得ることができる。化合物(8)とアルコール(9)を反応させることにより、本発明に係る化合物(10)を得ることができる。また、化合物(10)中のt−ブトキシカルボニル基を脱保護することにより、本発明に係る化合物(11)を得ることができる。
Figure 2018097172
式中、n、X、およびZは、〔IV〕中のn、X、およびZと同じものである。式中、Rは式〔I〕中のRと同じものである。式中のHalはハロゲノ基を示し、Pはアルコールの保護基を示し、Bocはt−ブトキシカルボニル基を示す。
製造例2
アニリン(12)のアミノ基と化合物(4)を反応させることにより、化合物(13)を得ることができる。化合物(13)中の保護基Pを脱保護し、次いでハロゲン化剤と反応させることで、酸ハロゲン化物(14)を得ることができる。化合物(9)と化合物(15)を光延反応させることにより、化合物(16)に導くことができる。化合物(16)と先に合成した酸ハロゲン化物(14)を反応させることにより、本発明に係る化合物(17)を得ることができる。また、化合物(17)中のt−ブトキシカルボニル基を脱保護することにより、本発明に係る化合物(18)を得ることができる。
Figure 2018097172
式中、n、X、およびZは、〔IV〕中のn、X、およびZと同じものである。式中、Rは式〔I〕中のRと同じものである。式中のHalはハロゲノ基を示し、Pはカルボン酸の保護基を示し、Bocはt−ブトキシカルボニル基を示し、X’はアルキレン基を示す。
合成反応終了後は、有機合成化学における通常の後処理操作、および、必要により従来公知の分離精製手段を施すことによって、目的物を効率よく単離することができる。
目的物の構造は、1H−NMRスペクトル、IRスペクトル、マススペクトルの測定や、元素分析などにより、同定・確認することができる。
本発明に係る殺菌剤若しくは植物病害防除剤は、化合物〔IV〕またはその塩からなる群から選ばれる少なくとも1つを有効成分として含有するものである。本発明の殺菌剤若しくは植物病害防除剤に含有される該有効成分の量は、製剤全体に対して、好ましくは0.01〜90重量%、より好ましくは0.05〜85重量%である。
本発明の殺菌剤若しくは植物病害防除剤は、農薬としてとり得る形態、即ち、水和剤、粒剤、粉剤、乳剤、水溶剤、懸濁剤、顆粒水和剤などの農薬製剤の形態で使用することができる。
固体の製剤に用いられる添加剤および担体としては、大豆粉、小麦粉などの植物性粉末、珪藻土、燐灰石、石こう、タルク、ベントナイト、パイロフィライト、クレーなどの鉱物性微粉末、安息香酸ソーダ、尿素、芒硝などの有機および無機化合物などを挙げることができる。
液体の製剤に用いられる溶剤としては、ケロシン、キシレンおよび石油系の芳香族炭化水素、シクロヘキサン、シクロヘキサノン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アルコール、アセトン、トリクロロエチレン、メチルイソブチルケトン、鉱物油、植物油、水などを挙げることができる。
さらに、これらの製剤において均一かつ安定な形態をとるために、必要に応じて界面活性剤を添加することができる。
添加することができる界面活性剤は特に限定されない。例えば、ポリオキシエチレンが付加したアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンが付加したアルキルエーテル、ポリオキシエチレンが付加した高級脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンが付加したソルビタン高級脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンが付加したトリスチリルフェニルエーテルなどの非イオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンが付加したアルキルフェニルエーテルの硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、高級アルコールの硫酸エステル塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ポリカルボン酸塩、リグニンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩のホルムアルデヒド縮合物、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体などを挙げることができる。
このようにして得られる、水和剤、乳剤、フロアブル剤、水溶剤、若しくは顆粒水和剤は水で所定の濃度に希釈して、溶解液、懸濁液あるいは乳濁液として植物に散布する方法で使用される。また、粉剤・粒剤はそのまま植物に散布する方法で使用される。
本発明の殺菌剤若しくは植物病害防除剤は、花卉、芝、牧草を含む農園芸作物の栽培に際し発生する種々の病害の防除に、種子処理、茎葉散布、土壌施用または水面施用などにより使用することができる。
本発明の殺菌剤若しくは植物病害防除剤の施用量は、気象条件、製剤形態、施用時期、施用方法、施用場所、防除対象病害、対象作物などにより異なるが、通常1ヘクタール当たり有効成分量にして好ましくは1〜1,000g、より好ましくは10〜100gである。
水和剤、乳剤、懸濁剤、水溶剤、顆粒水和剤などを水で希釈して施用する場合、その施用濃度は好ましくは1〜1,000ppm、より好ましくは10〜250ppmである。
本発明の殺菌剤若しくは植物病害防除剤は、広範囲の種類の糸状菌、例えば、藻菌類(Oomycetes)、子のう(嚢)菌類(Ascomycetes),不完全菌類(Deuteromycetes)、担子菌類(Basidiomycetes)、接合菌類(Zygomycetes)に属する菌に由来する植物病害の防除に使用できる。
防除の対象となる植物病害と病原菌の例を以下に示す。
テンサイ:褐斑病(Cercospora beticola)、黒根病(Aphanomyces cochlioides)、根腐病(Thanatephorus cucumeris)、葉腐病(Thanatephorus cucumeris)など
ラッカセイ:褐斑病(Mycosphaerella arachidis)、汚斑病(Ascochyta sp.)、さび病(Puccinia arachidis)、立枯病(Pythium debaryanum)、さび斑病(Alternaria alternata)、白絹病(Sclerotium rolfsii)黒渋病(Mycosphaerella berkeleyi)など
キュウリ:うどんこ病(Sphaerotheca fuliginea)、べと病(Pseudoperonospora cubensis)、つる枯病(Mycosphaerella melonis)、つる割病(Fusarium oxysporum)、菌核病(Sclerotinia sclerotiorum)、灰色かび病(Botrytis cinerea)、炭そ病(Colletotrichum orbiculare)、黒星病(Cladosporium cucumerinum)、褐斑病(Corynespora cassicola)、苗立枯病(Pythium debaryanam、Rhizoctonia solani Kuhn)、ホモプシス根腐病(Phomopsis sp.)斑点細菌病(Pseudomonas syringae pv. Lecrymans)など
トマト:灰色かび病(Botrytis cinerea)、葉かび病(Cladosporium fulvum)、疫病(Phytophthora infestans)、半身萎凋病(Verticillium albo-atrum)、うどんこ病(Oidium neolycopersici)、輪紋病(Alternaria solani)、すすかび病(Pseudocercospora fuligena)など
ナス:灰色かび病(Botrytis cinerea)、黒枯病(Corynespora melongenae)、うどんこ病(Erysiphe cichoracearum)、すすかび病(Mycovellosiella nattrassii)、菌核病(Sclerotinia sclerotiorum)など
イチゴ:灰色かび病(Botrytis cinerea)、うどんこ病(Sohaerotheca humuli)、炭そ病(Colletotrichum acutatum、Colletotrichum fragariae)、疫病(Phytophthora cactorum)、軟腐病(Rhizopus stolonifer)、萎黄病(Fusarium oxysporum)など
タマネギ:灰色腐敗病(Botrytis allii)、灰色かび病(Botrytis cinerea)、白斑葉枯病(Botrytis squamosa)、べと病(Peronospora destructor)、白色疫病(Phytophthora porri)など
キャベツ:根こぶ病(Plasmodiophora brassicae)、軟腐病(Erwinia carotovora)、黒腐病(Xanthomonas campesrtis pv. campestris)、黒斑細菌病(Pseudomonas syringae pv. maculicala、Pseudomonas syringae pv. alisalensis)、べと病(Peronospora parasitica)、菌核病(Sclerotinia sclerotiorum)、黒すす病(Alternaria brassicicola)、灰色かび病(Botrytis cinerea)など
インゲン:菌核病(Sclerotinia sclerotiorum)、灰色かび病(Botrytis cinerea)、炭疽病(Colletotrichum lindemuthianum)、角斑病(Phaeoisariopsis griseola)など
リンゴ:うどんこ病(Podosphaera leucotricha)、黒星病(Venturia inaequalis)、モニリア病(Monilinia mali)、黒点病(Mycosphaerella pomi)、腐らん病(Valsa mali)、斑点落葉病(Alternaria mali)、赤星病(Gymnosporangium yamadae)、輪紋病(Botryosphaeria berengeriana)、炭そ病(Glomerella cingulata、Colletotrichum acutatum)、褐斑病(Diplocarpon mali)、すす点病(Zygophiala jamaicensis)、すす斑病(Gloeodes pomigena)、紫紋羽病(Helicobasidium mompa)、灰色かび病(Botrytis cinerea)など
ウメ:黒星病(Cladosporium carpophilum)、灰色かび病(Botrytis cinerea)、灰星病(Monilinia mumecola)など
カキ:うどんこ病(Phyllactinia kakicola)、炭そ病(Gloeosporium kaki)、角斑落葉病(Cercospora kaki)など
モモ:灰星病(Monilinia fructicola)、黒星病(Cladosporium carpophilum)、ホモプシス腐敗病(Phomopsis sp.)、穿孔細菌病(Xanthomonas campestris pv. pruni)など
アーモンド:灰星病(Monilinia laxa)、斑点病(Stigmina carpophila)、黒星病(Cladosporium carpophilum)、葉ぶくれ病(Polystigma rubrum)、斑点落葉病(Alternariaalternata)、炭疽病(Colletotrichum gloeospoides)など
オウトウ:灰星病(Monilinia fructicola)、炭そ病(Colletotrichum acutatum)、黒斑病(Alternaria sp.)、幼果菌核病(Monilinia kusanoi)など
ブドウ:灰色かび病(Botrytis cinerea)、うどんこ病(Uncinula necator)、晩腐病(Glomerella cingulata、Colletotrichum acutatum)、べと病(Plasmopara viticola)、黒とう病(Elsinoe ampelina)、褐斑病(Pseudocercospora vitis)、黒腐病(Guignardia bidwellii)、白腐病(Coniella castaneicola)など
ナシ:黒星病(Venturia nashicola)、赤星病(Gymnosporangium asiaticum)、黒斑病(Alternaria kikuchiana)、輪紋病(Botryosphaeria berengeriana)、うどんこ病(Phyllactinia mali)、胴枯病(Phomopsis fukushii)、褐色斑点病(Stemphylium vesicarium)、炭そ病(Glomerella cingulata)など
チャ:輪斑病(Pestalotia theae)、炭そ病(Colletotrichum theae-sinensis)など
カンキツ:そうか病(Elsinoe fawcetti)、青かび病(Penicillium italicum)、緑かび病(Penicillium digitatum)、灰色かび病(Botrytis cinerea)、黒点病(Diaporthe citri)、かいよう病(Xanthomonas campestris pv.Citri)、うどんこ病(Oidium sp.)など
コムギ:うどんこ病(Erysiphe graminis f.sp.Tritici)、赤かび病(Gibberella zeae)、赤さび病(Puccinia recondita)、黄さび病(Puccinia striiformis)、褐色雪腐病(Pythium iwayamai)、紅色雪腐病(Monographella nivalis)、眼紋病(Pseudocercosporella herpotrichoides)、葉枯病(Septoria tritici)、ふ枯病(Leptosphaeria nodorum)、雪腐小粒菌核病(Typhula incarnata)、雪腐大粒菌核病(Myriosclerotinia borealis)、立枯病(Gaeumanomyces graminis)、麦角病(Claviceps purpurea)、なまぐさ黒穂病(Tilletia caries)、裸黒穂病(Ustilago nuda)など
オオムギ:斑葉病(Pyrenophora graminea)、網斑病(Pyrenophora teres)、雲形病(Rhynchosporium secalis)、裸黒穂病(Ustilago tritici、U.nuda)など
イネ:いもち病(Pyricularia oryzae)、紋枯病(Rhizoctonia solani)、馬鹿苗病(Gibberella fujikuroi)、ごま葉枯病(Cochliobolus miyabeanus)、苗立枯病(Pythiumgraminicolum)、白葉枯病(Xanthomonas oryzae)、苗立枯細菌病(Burkholderia plantarii)、褐条病(Acidovorax avenae)、もみ枯細菌病(Burkholderia glumae)、すじ葉枯病(Cercospora oryzae)、稲こうじ病(Ustilaginoidea virens)、褐色米(Alternaria alternata、Curvularia intermedia)、腹黒米(Alternaria padwickii)、紅変米(Epicoccam purpurascenns)など
タバコ:菌核病(Sclerotinia sclerotiorum)、うどんこ病(Erysiphe cichoracearum)、疫病(Phytophthora nicotianae)、など
チューリップ:灰色かび病(Botrytis cinerea)など
ヒマワリ:べと病(Plasmopara halstedii)、菌核病(Sclerotinia sclerotiorum)など
ベントグラス:雪腐大粒菌核病(Sclerotinia borealis)、ラージパッチ(Rhizoctonia solani)、ダラースポット(Sclerotinia homoeocarpa)、いもち病(Pyricularia sp.)、赤焼病(Pythium aphanidermatum)、炭そ病(Colletotrichum graminicola)など
オーチャードグラス:うどんこ病(Erysiphe graminis)など
ダイズ:紫斑病(Cercospora kikuchii)、べと病(Peronospora manshurica)、茎疫病(Phytophthora sojae)、さび病(Phakopsora pachyrhizi)、菌核病(Sclerotinia sclerotiorum)、炭そ病(Colletotrichum truncatum)、灰色かび病(Botrytis cinerea)など
ジャガイモ:疫病(Phytophthora infestans)、夏疫病(Aleternaria solani)、黒あざ病(Thanatephorus cucumeris)など
バナナ:パナマ病(Fusarium oxysporum)、シガトカ病(Mycosphaerella fijiensis、Mycosphaerella musicola)など
ナタネ:菌核病(Sclerotinia sclerotiorum)、根朽病(Phoma lingam)、黒斑病(Alternaria brassicae)など
コーヒー:さび病(Hemileia vastatrix)、炭疽病(Colletotrichum coffeanum)、褐眼病(Cercospora coffeicola)など
サトウキビ:褐さび病(Puccinia melanocephala)など
トウモロコシ:ひょう紋病(Gloecercospora sorghi)、さび病(Puccinia sorghi)、南方さび病(Puccinia polysora)、黒穂病(Ustilago maydis)、ごま葉枯病(Cochliobolus heterostrophus)、すす紋病(Setophaeria turcica)など
ワタ:苗立枯病(Pythium sp)、さび病(Phakopsora gossypii)、白かび病(Mycosphaerella areola)、炭疽病(Glomerella gossypii)など
本発明の殺菌剤若しくは植物病害防除剤は薬害が少なく、魚類や温血動物への毒性が低く、安全性の高い薬剤である。
本発明の殺菌剤若しくは植物病害防除剤には、他の殺菌剤や殺虫・殺ダニ剤、殺線虫剤、殺土壌害虫剤、駆虫剤、植物生長調節剤、共力剤等と混合または併用してもよい。
以下にその一例を示す。
殺菌剤:
(1)核酸生合成阻害剤:
(a)RNAポリメラーゼI阻害剤: ベナラキシル、ベナラキシル-M、フララキシル、メタラキシル、メタラキシル-M、オキサジキシル、クロジラコン、オフレース;
(b)アデノシンデアミナーゼ阻害剤: ブピリメート、ジメチリモール、エチリモール;
(c)DNA/RNA合成阻害剤: ハイメキサゾール、オクチリノン;
(d)DNAトポイソメラーゼII阻害剤: オキソリン酸。
(2)有糸核分裂阻害剤および細胞分裂阻害剤:
(a)β−チューブリン重合阻害剤: ベノミル、カルベンダジム、クロルフェナゾール、フベリダゾール、チアベンダゾール、チオファネート、チオファネートメチル、ジエトフェンカルブ、ゾキサミド、エタボキサム;
(b)細胞分裂阻害剤: ペンシクロン;
(c)スペクトリン様タンパク質の非局在化阻害剤: フルオピコリド。
(3)呼吸阻害剤:
(a)複合体I NADH酸化還元酵素阻害剤: ジフルメトリム、トルフェンピラド;
(b)複合体IIコハク酸脱水素酵素阻害剤: ベノダニル、フルトラニル、メプロニル、イソフェタミド、フルオピラム、フェンフラム、フルメシクロックス、カルボキシン、オキシカルボキシン、チフルザミド、ベンゾビンジフルピル、ビキサフェン、フルキサピロキサド、フラメトピル、イソピラザム、ペンフルフェン、ペンチオピラド、セダキサン、ボスカリド、ピラジフルミド;
(c)複合体IIIユビキノールオキシダーゼQo阻害剤: アゾキシストロビン、クモキシストロビン、クメトキシストロビン、エノキサストロビン、フルフェノキシストロビン、ピコキシストロビン、ピラオキシストロビン、ピラクロストロビン、ピラメトストロビン、トリクロピリカルブ、クレソキシム-メチル、トリフロキシストロビン、ジモキシストロビン、フェナミンストロビン、メトミノストロビン、オリサストロビン、ファモキサドン、フルオキサストロビン、フェンアミドン、ピリベンカルブ、マンデストロビン;
(d)複合体IIIユビキノール還元酵素Qi阻害剤: シアゾファミド、アミスルブロム;
(e)酸化的リン酸化の脱共役剤: ビナパクリル、メプチルジノカップ、ジノカップ、フルアジナム、フェリムゾン;
(f)酸化的リン酸化阻害剤(ATP 合成酵素の阻害剤): フェンチンアセテート、塩化フェンチン、水酸化フェンチン;
(g)ATP生産阻害剤: シルチオファム;
(h)複合体III:シトクローム bc1(ユビキノン還元酵素)のQx(未知)阻害剤: アメトクトラジン。
(4)アミノ酸およびタンパク質合成阻害剤
(a)メチオニン生合成阻害剤: アンドプリム、シプロジニル、メパニピリム、ピリメタニル;
(b)タンパク質合成阻害剤: ブラストサイジン-S、カスガマイシン、カスガマイシン塩酸塩、ストレプトマイシン、オキシテトラサイクリン。
(5)シグナル伝達阻害剤:
(a)シグナル伝達阻害剤: キノキシフェン、プロキナジド;
(b)浸透圧シグナル伝達におけるMAP・ヒスチジンキナーゼ阻害剤: フェンピクロニル、フルジオキソニル、クロゾリネート、イプロジオン、プロシミドン、ビンクロゾリン。
(6)脂質および細胞膜合成阻害剤:
(a)りん脂質生合成、メチルトランスフェラーゼ阻害剤: エジフェンホス、イプロベンホス、ピラゾホス、イソプロチオラン;
(b)脂質の過酸化剤: ビフェニル、クロロネブ、ジクロラン、キンドゼン、テクナゼン、トルクロホスメチル、エトリジアゾール;
(c)細胞膜に作用する剤: ヨードカルブ、プロパモカルブ、プロパモカルブ塩酸塩、プロパモカルブホセチレート、プロチオカルブ;
(d)病原菌細胞膜を撹乱する微生物: バチルスズブチリス菌、バチルス ズブチリスQST713 株、バチルス ズブチリスFZB24 株、バチルス ズブチリスMBI600 株、バチルス ズブチリスD747株;
(e)細胞膜を撹乱する剤: ゴセイカユプテ(ティーツリー)の抽出物。
(7)細胞膜のステロール生合成阻害剤:
(a)ステロール生合成におけるC14位の脱メチル化阻害剤: トリホリン、ピリフェノックス、ピリソキサゾール、フェナリモル、フルルプリミドール、ヌアリモル、イマザリル、イマザリル硫酸塩、オキスポコナゾール、ペフラゾエート、プロクロラズ、トリフルミゾール、ビニコナゾール、アザコナゾール、ビテルタノール、ブロムコナゾール、シプロコナゾール、ジクロブトラゾール、ジフェノコナゾール、ジニコナゾール、ジニコナゾール-M、エポキシコナゾール、エタコナゾール、フェンブコナゾール、フルキンコナゾール、フルシラゾール、フルトリアホール、フルコナゾール、フルコナゾール−シス、ヘキサコナゾール、イミベンコナゾール、イプコナゾール、メトコナゾール、ミクロブタニル、ペンコナゾール、プロピコナゾール、フルキンコナゾール、シメコナゾール、テブコナゾール、テトラコナゾール、トリアジメホン、トリアジメノール、トリチコナゾール、プロチオコナゾール、ボリコナゾール、メフェントリフルコナゾール(mefentrifluconazole);
(b)ステロール生合成におけるΔ14還元酵素およびΔ8→Δ7−イソメラーゼの阻害剤:
アルジモルフ、ドデモルフ、ドデモルフ酢酸塩、フェンプロピモルフ、トリデモルフ、フェンプロピジン、ピペラリン、スピロキサミン;
(c)ステロール生合成系のC4位脱メチル化における3-ケト還元酵素阻害剤: フェンヘキサミド、フェンピラザミン;
(d)ステロール生合成系のスクワレンエポキシダーゼ阻害剤: ピリブチカルブ、ナフチフィン、テルビナフィン。
(8)細胞壁合成阻害
(a)トレハラーゼ阻害剤: バリダマイシン;
(b)キチン合成酵素阻害剤: ポリオキシン、ポリオクソリム;
(c)セルロース合成酵素阻害剤: ジメトモルフ、フルモルフ、ピリモルフ;ベンチアバリカルブ、イプロバリカルブ、トルプロカルブ、バリフェナレート、マンジプロパミド。
(9)メラニン生合成阻害剤
(a)メラニン生合成の還元酵素阻害剤: フサライド、ピロキロン、トリシクラゾール;
(b)メラニン生合成の脱水酵素阻害剤: カルプロパミド、ジクロシメット、フェノキサニル。
(c)その他:トルプロカルブ
(10)宿主植物の抵抗性誘導剤:
(a)サリチル酸合成経路に作用する剤: アシベンゾラル-S-メチル;
(b)その他: プロベナゾール、チアジニル、イソチアニル、ラミナリン、オオイタドリ抽出液。
(11)作用性が不明な剤: シモキサニル、ホセチルアルミニウム、リン酸(リン酸塩)、テクロフタラム、トリアゾキシド、フルスルファミド、ジクロメジン、メタスルホカルブ、シフルフェナミド、メトラフェノン、ピリオフェノン、ドジン、ドジン遊離塩基、フルチアニル。
(12)多作用点を有する剤: 銅(銅塩)、ボルドー液、水酸化銅、銅ナフタレート、酸化銅、オキシ塩化銅、硫酸銅、硫黄、硫黄製品、多硫化カルシウム、ファーバム、マンコゼブ、マネブ、マンカッパー、メチラム、ポリカーバメート、プロピネブ、チラム、ジネブ、ジラム、キャプタン、カプタホール、フォルペット、クロロタロニル、ジクロフルアニド、トリルフルアニド、グアザチン、イミノクタジン酢酸塩(iminoctadine triacetate)、イミノクタジンアルベシル酸塩(iminoctadine trialbesilate)、アニラジン、ジチアノン、キノメチオネート、フルオルイミド。
(13)その他の剤: DBEDC、フルオロフォルペット、グアザチンアセテート、ビス(8-キノリノラト)銅(II)、プロパミジン、クロロピクリン、シプロフラム、アグロバクテリウム、ベトキサジン、ジフェニルアミン、メチルイソチアネート(MITC)、ミルデオマイシン、カプサイシン、クフラネブ、シプロスルファミド、ダゾメット、デバカルブ、ジクロロフェン、ジフェンゾクワット、ジフェンゾクワットメチルスルホネート、フルメトベル、ホセチルカルシウム、ホセチルナトリウム、イルママイシン、ナタマイシン、ニトロタールイソプロピル、オキサモカルブ、ピロールニトリン、テブフロキン、トルニファニド、ザリラミド、アルゴフェーズ(Algophase)、アミカルチアゾール(Amicarthiazol)、オキサチアピプロリン(Oxathiapiprolin)、メチラム亜鉛、ベンチアゾール、トリクラミド、ユニコナゾール、ミルデオマイシン、オキシフェンチイン(Oxyfenthiin)、ピカルブトラゾクス(picarbutrazox)、フェンピコキサミド(Fenpicoxamid)、ジクロベンチアゾクス(dichlobentiazox)、キノフメリン(Quinofumelin)。
殺虫・殺ダニ剤、殺線虫剤、殺土壌害虫剤:
(1)アセチルコリンエステラーゼ阻害剤:
(a)カーバメート系: アラニカルブ、アルジカルブ、ベンジオカルブ、ベンフラカルブ、ブトカルボキシム、ブトキシカルボキシム、カルバリル、カルボフラン、カルボスルファン、エチオフェンカルブ、フェノブカルブ、ホルメタネート、フラチオカルブ、イソプロカルブ、メチオカルブ、メソミル、オキサミル、ピリミカルブ、プロポキスル、チオジカルブ、チオファノックス、トリアザメート、トリメタカルブ、XMC、キシリルカルブ、フェノチオカルブ、MIPC、MPMC、MTMC、アルドキシカルブ、アリキシカルブ、アミノカルブ、ブフェンカルブ、クロエトカルブ、メタム・ナトリウム、プロメカルブ;
(b)有機リン系: アセフェート、アザメチホス、アジンホス-エチル、アジンホス-メチル、カズサホス、クロルエトキシホス、クロルフェンビンホス、クロルメホス、クロルピリホス、クロルピリホス-メチル、クマホス、シアノホス、デメトン-S-メチル、ダイアジノン、ジクロルボス/DDVP、ジクロトホス、ジメトエート、ジメチルビンホス、ジスルホトン、EPN、エチオン、エトプロホス、ファムフール、フェナミホス、フェニトロチオン、フェンチオン、ホスチアゼート、ヘプテノホス、イミシアホス、イソフェンホス、イソカルボホス、イソキサチオン、マラチオン、メカルバム、メタミドホス、メチダチオン、メビンホス、モノクロトホス、ナレド、オメトエート、オキシジメトン-メチル、パラチオン、パラチオン-メチル、フェントエート、ホレート、ホサロン、ホスメット、ホスファミドン、ホキシム、ピリミホス-メチル、プロフェノホス、プロペタムホス、プロチオホス、ピラクロホス、ピリダフェンチオン、キナルホス、スルホテップ、テブピリンホス、テメホス、テルブホス、テトラクロルビンホス、チオメトン、トリアゾホス、トリクロルホン、バミドチオン、ブロモホス・エチル、BRP、カルボフェノチオン、シアノフェンホス、CYAP、デメトン-S-メチルスルホン、ジアリホス、ジクロフェンチオン、ジオキサベンゾホス、エトリムホス、フェンスルホチオン、フルピラゾホス、ホノホス、ホルモチオン、ホスメチラン、イサゾホス、ヨードフェンホス、メタクリホス、ピリミホス−エチル、ホスホカルブ、プロパホス、プロトエート、スルプロホス。
(2)GABA-作動性塩素イオンチャネルアンタゴニスト: アセトプロール、クロルデン、エンドスルファン、エチプロール、フィプロニル、ピラフルプロール、ピリプロール、カンフェクロル、ヘプタクロル、ジエノクロル。
(3)ナトリウムチャンネルモジュレーター: アクリナトリン、d-シス-トランス アレスリン、d-トランスアレスリン、ビフェントリン、ビオアレスリン、ビオアレスリンS-シクロペンチル異性体、ビオレスメトリン、シクロプロトリン、シフルトリン、ベータ-シフルトリン、シハロトリン、ラムダ-シハロトリン、ガンマ-シハロトリン、シペルメトリン、アルファ-シペルメトリン、ベータ-シペルメトリン、シータ-シペルメトリン、ゼータ-シペルメトリン、シフェノトリン[(1R)-トランス異性体]、デルタメトリン、エンペントリン[(EZ)-(1R)-異性体]、エスフェンバレレート、エトフェンプロックス、フェンプロパトリン、フェンバレレート、フルシトリネート、フルメトリン、タウ-フルバリネート、ハルフェンプロックス、イミプロトリン、カデスリン、ペルメトリン、フェノトリン[(1R)-トランス異性体]、プラレトリン、ピレスラム、レスメトリン、シラフルオフェン、テフルスリン、テトラメトリン[(1R)-異性体]、トラロメトリン、トランスフルトリン、アレスリン、ピレトリン、ピレトリンI、ピレトリンII、プロフルトリン、ジメフルトリン、ビオエタノメトリン、ビオペルメトリン、トランスペルメトリン、フェンフルトリン、フェンピリトリン、フルブロシトリネート、フルフェンプロックス、メトフルトリン、プロトリフェンブト、ピレスメトリン、テラレトリン。
(4)ニコチン性アセチルコリン受容体アゴニスト: アセタミプリド、クロチアニジン、ジノテフラン、イミダクロプリド、ニテンピラム、ニチアジン、チアクロプリド、チアメトキサム、スルフォキサフロール、ニコチン、フルピラジフロン。
(5)ニコチン性アセチルコリン受容体アロステリックモジュレーター: スピネトラム、スピノサド。
(6)クロライドチャンネル活性化剤: アバメクチン、エマメクチン安息香酸塩、レピメクチン、ミルベメクチン;イベルメクチン、セラメクチン、ドラメクチン、エプリノメクチン、モキシデクチン、ミルベマイシン、ミルベマイシンオキシム、ネマデクチン。
(7)幼若ホルモン様物質: ヒドロプレン、キノプレン、メソプレン、フェノキシカルブ、ピリプロキシフェン、ジオフェノラン、エポフェノナン、トリプレン。
(8)その他非特異的阻害剤: 臭化メチル、クロルピクリン、フッ化スルフリル、ホウ砂、吐酒石。
(9)同翅目選択的摂食阻害剤: フロニカミド、ピメトロジン、ピリフルキナゾン。
(10)ダニ類生育阻害剤: クロフェンテジン、ジフロビダジン、ヘキシチアゾクス、エトキサゾール。
(11)微生物由来昆虫中腸内膜破壊剤: バチルス・チューリンゲンシス亜種イスラエレンシ、バチルス・スファエリクス、バチルス・チューリンゲンシス亜種アイザワイ、バチルス・チューリンゲンシス亜種クルスタキ、バチルス・チューリンゲンシス亜種テネブリオニス、Bt作物タンパク質:Cry1Ab、Cry1Ac、Cry1Fa、Cry1A.105、Cry2Ab、Vip3A、mCry3A、Cry3Ab、Cry3Bb、Cry34Ab1/Cry35Ab1。
(12)ミトコンドリアATP生合成酵素阻害剤: ジアフェンチウロン、アゾシクロチン、シヘキサチン、酸化フェンブタスズ、プロパルギット、テトラジホン。
(13)酸化的リン酸化脱共役剤: クロルフェナピル、スルフラミド、DNOC、ビナパクリル、ジノブトン、ジノカップ。
(14)ニコチン性アセチルコリン受容体チャンネルブロッカー: ベンスルタップ、カルタップ塩酸塩、ネライストキシン、チオスルタップ一ナトリウム塩、チオシクラム。
(15)キチン合成阻害剤: ビストリフルロン、クロルフルアズロン、ジフルベンズロン、フルシクロクスロン、フルフェノクスロン、ヘキサフルムロン、ルフェヌロン、ノバルロン、ノビフルムロン、テフルベンズロン、トリフルムロン、ブプロフェジン、フルアズロン。
(16)双翅目脱皮かく乱剤: シロマジン。
(17)脱皮ホルモン受容体アゴニスト: クロマフェノジド、ハロフェノジド、メトキシフェノジド、テブフェノジド。
(18)オクトパミン受容体アゴニスト: アミトラズ、デミジトラズ、クロルジメホルム。
(19)ミトコンドリア電子伝達系複合体III阻害剤: アセキノシル、フルアクリピリム、ヒドラメチルノン。
(20)ミトコンドリア電子伝達系複合体I阻害剤: フェナザキン、フェンピロキシメート、ピリミジフェン、ピリダベン、テブフェンピラド、トルフェンピラド、ロテノン。
(21)電位依存性ナトリウムチャネルブロッカー: インドキサカルブ、メタフルミゾン。
(22)アセチルCoAカルボキシラーゼ阻害剤: スピロジクロフェン、スピロメシフェン、スピロテトラマト。
(23)ミトコンドリア電子伝達系複合体IV阻害剤: リン化アルミニウム、リン化カルシウム、ホスフィン、リン化亜鉛、シアニド。
(24)ミトコンドリア電子伝達系複合体II阻害剤: シエノピラフェン、シフルメトフェン、ピフルブミド。
(25)リアノジン受容体モジュレーター: クロラントラニリプロール、シアントラニプロール、フルベンジアミド、シクラニリプロール、テトラニリプロール。
(26)混合機能オキシダーゼ阻害剤化合物: ピペロニルブトキシド。
(27)ラトロフィリン受容体作用薬: デプシペプチド、環状デプシペプチド、24員環状デプシペプチド、エモデプシド。
(28)その他の剤(作用機構が未知): アザジラクチン、ベンゾキシメート、ビフェナゼート、ブロモプロピレート、キノメチオネート、クリオライト、ジコホル、ピリダリル、ベンクロチアズ、硫黄、アミドフルメット、1,3−ジクロロプロペン、DCIP、フェニソブロモレート、ベンゾメート、メタアルデヒド、クロルベンジレート、クロチアゾベン、ジシクラニル、フェノキサクリム、フェントリファニル、フルベンジミン、フルフェナジン、ゴシップルア、ジャポニルア、メトキサジアゾン、石油、オレイン酸カリウム、テトラスル、トリアラセン、アフィドピロペン(afidopyropen)、フロメトキン、フルフィプロル(flufiprole)、フルエンスルフォン、メペルフルスリン、テトラメチルフルスリン、トラロピリル、ジメフルスリン、メチルネオデカンアミド、フルララネル、アフォキソラネル、フルキサメタミド、5−[5−(3,5−ジクロロフェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロイソオキサゾール−3−イル]−2−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)ベンゾニトリル(CAS:943137-49-3)、ブロフラニリド、その他のメタジアミド類。
(29)駆虫剤:
(a)ベンズイミダゾール系: フェンベンダゾール、アルベンダゾール、トリクラベンダゾール、オキシベンダゾール、メベンダゾール、オクスフェンダゾール、パーベンダゾール、フルベンダゾール、フェバンテル、ネトビミン、チオファネート、チアベンダゾール、カンベンダゾール;
(b)サリチルアニリド系: クロサンテル、オキシクロザニド、ラフォキサニド、ニクロサミド;
(c)置換フェノール系: ニトロキシニル、ニトロスカネート;
(d)ピリミジン系: ピランテル、モランテル;
(e)イミダゾチアゾール系: レバミソール、テトラミソール;
(f)テトラヒドロピリミジン系: プラジカンテル、エプシプランテル;
(g)その他の駆虫薬: シクロジエン、リアニア、クロルスロン、メトロニダゾール、デミジトラズ、ピペラジン、ジエチルカルバマジン、ジクロロフェン、モネパンテル、トリベンジミジン、アミダンテル、チアセタルサミド、メロルサミン、アルセナマイド。
植物生長調節剤:
アブシジン酸、カイネチン、ベンジルアミノプリン、1,3−ジフェニルウレア、ホルクロルフェヌロン、チジアズロン、クロルフェヌロン、ジヒドロゼアチン、ジベレリンA、ジベレリンA4、ジベレリンA7、ジベレリンA3、1−メチルシクロプロパン、N−アセチルアミノエトキシビニルグリシン(別名:アビグリシン)、アミノオキシ酢酸、硝酸銀、塩化コバルト、IAA、4−CPA、クロプロップ、2,4−D、MCPB、インドール−3−酪酸、ジクロルプロップ、フェノチオール、1−ナフチルアセトアミド、エチクロゼート、クロキシホナック、マレイン酸ヒドラジド、2,3,5−トリヨード安息香酸、サリチル酸、サリチル酸メチル、(-)−ジャスモン酸、ジャスモン酸メチル、(+)−ストリゴール、(+)−デオキシストリゴール、(+)−オロバンコール、(+)−ソルゴラクトン、4−オキソ−4−(2−フェニルエチル)アミノ酪酸;エテホン、クロルメコート、メピコートクロリド、ベンジルアデニン、5−アミノレブリン酸。
次に、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。なお、本発明は以下の実施例によって制限を受けるものではなく、本発明の趣旨に適合し得る範囲で適宜に変更を加えて実施することが勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
実施例1
(工程1)tert−ブチルジメチル−[3−(4−アミノフェノキシ)プロポキシ]シラン〈tert-Butyldimethyl-[3-(4-aminophenoxy)propoxy]silane〉の合成
Figure 2018097172
4−ニトロフェノール(5.79g)と(3−ブロモプロポキシ)−tert−ブチルジメチルシラン(12.63g)のN,N−ジメチルホルムアミド(108mL)溶液に、室温で炭酸カリウム(28.7g)を加えた。60℃で5時間撹拌した後、反応混合物を室温に冷却した。反応混合物に、水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水で2回、飽和食塩水で1回洗浄し、その後無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過後、減圧濃縮した。得られた粗生成物のメタノール(250mL)溶液にパラジウム炭素(10%wet,1.30g)を懸濁させた。水素雰囲気下、室温で3時間撹拌した後、セライトにて濾過した。ろ液を減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製することで表題化合物(10.36g、収率89%)を得た。
1H NMR (CDCl3):δ=0.03(s,6H),0.88(s,9H),1.93(tt,2H),3.39(br.s,2H,NH2),3.77(t,2H),3.97(t,2H),6.62(d,2H),6.73(d,2H).
(工程2)tert−ブチル N−[(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−[4−[3−[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシプロポキシ]アニリン]メチレン]カルバメート〈tert-Butyl N-[(tert-butoxycarbonylamino)-[4-[3-[tert-butyl(dimethyl)silyl]oxypropoxy]aniline]methylene]carbamate〉の合成
Figure 2018097172
工程1で得られたtert−ブチルジメチル−[3−(4−アミノフェノキシ)プロポキシ]シラン(1.00g)のテトラヒドロフラン(5mL)溶液に、室温でN,N’−ジ−tert−ブトキシカルボニル−1H−ピラゾール−1−カルボキサミジン(1.14g)を加え、同温で一晩撹拌した。その後、反応混合物を減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製することで表題化合物(1.74g、収率94%)を得た。
1H NMR (CDCl3):δ=0.04(s,6H),0.89(s,9H),1.49(s,9H),1.53(s,9H),1.96(tt,2H),3.79(t,2H),4.03(t,2H),6.85(d,2H),7.46(d,2H).
(工程3)tert−ブチル N−[(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−[4−(3−ヒドロキシプロポキシ)アニリノ]メチレン]カルバメート〈tert-Butyl N-[(tert-butoxycarbonylamino)-[4-(3-hydroxypropoxy)aniline]methylene]carbamate〉の合成
Figure 2018097172
工程2で得られたtert−ブチル N−[(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−[4−[3−[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシプロポキシ]アニリン]メチレン]カルバメート(1.74g)のテトラヒドロフラン(20mL)溶液に、室温でテトラブチルアンモニウムフルオリド(1M,15mL)を加えた。室温にて、一晩撹拌した。反応混合物を減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製することで表題化合物(0.76g、収率56%)を得た。
1H NMR (CDCl3):δ=1.49(s,9H),1.53(s,9H),2.03(tt,2H),4.11(t,2H),6.87(d,2H),7.48(d,2H).
(工程4)tert−ブチル N−[N,N’−ビス(tert−ブトキシカルボニル)カルバイミドイル]−N−[3−[4−[[N,N’−ビス(tert−ブトキシカルボニル)カルバイミドイル]アミノ]フェノキシ]プロピル]カルバメート〈tert-Butyl N-[N,N’-bis(tert-butoxycarbonyl)carbamimidoyl]-N-[3-[4-[[N,N’-bis(tert-butoxycarbonyl)carbamimidoyl]amino]phenoxy]propyl]carbamate〉の合成
Figure 2018097172
工程3で得られたtert−ブチル N−[(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−[4−(3−ヒドロキシプロポキシ)アニリノ]メチレン]カルバメート(0.76g)、1,2,3−トリ−tert−ブトキシカルボニル−グアニジン(2.00g)及びトリフェニルホスフィン(0.59g)のテトラヒドロフラン(12mL)溶液を0℃に冷却し、ジエチルアゾジカルボキシレートのトルエン溶液(2.2M, 1.0mL)を同温で加えた。反応混合物を室温に昇温し、一晩撹拌した。その後、反応混合物を減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製することで表題化合物(0.63g、収率45%)を得た。
1H NMR (CDCl3):δ=1.45-1.55(m,45H),2.13(tt,2H),3.96-4.06(m,2H),6.83(d,2H),7.45(d,2H).
(工程5)tert−ブチル N−[8−[[N,N’−ビス(tert−ブトキシカルボニル)カルバイミドイル]アミノ]オクチル]−N−[N−[3−[4−[[N,N’−ビス(tert−ブトキシカルボニル)カルバイミドイル]アミノ]フェノキシ]プロピル−ブトキシカルボニル]カルバイミドイル]アミノ]フェノキシ]プロピル〈tert-Butyl N-[8-[[N,N’-bis(tert-butoxycarbonyl)carbamimidoyl]amino]octyl]-N-[N-[3-[4-[[N,N’-bis(tert-butoxycarbonyl)carbamimidoyl]amino]phenoxy]propyl-butoxycarbonyl]carbamimidoyl]amino]phenoxy]propyl〉の合成
Figure 2018097172
工程4で得られたtert−ブチル N−[N,N’−ビス(tert−ブトキシカルボニル)カルバイミドイル]−N−[3−[4−[[N,N’−ビス(tert−ブトキシカルボニル)カルバイミドイル]アミノ]フェノキシ]プロピル]カルバメート(0.63g)、tert−ブチル N−[(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−(8−ヒドロキシオクチルアミノ)メチレン]カルバメート(0.54g)及びトリフェニルホスフィン(0.66g)のトルエン(12mL)溶液を0℃に冷却し、ジ−2−メトキシエチルアゾジカルボキシレート(0.59g)を加えた。室温に昇温し、一晩撹拌した。その後、反応混合物を減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製することで表題化合物(化合物番号1:0.49g、収率53%)を得た。
1H NMR (CDCl3):δ=1.20-1.37(m,10H),1.43-1.55(m,65H),2.13(tt,2H),3.34-3.43(m, 2H),3.44-3.53(m,2H),3.72(t,2H),3.98(t,2H),6.83(d,2H),7.46(d,2H).
実施例2
1−(8−グアニジノオクチル)−3−[3−(4−グアニジノフェノキシ)プロピル]グアニジン〈1-(8-guanidinooctyl)-3-[3-(4-guanidinophenoxy)propyl]guanidine〉塩酸塩の合成
Figure 2018097172
実施例1で得られたtert−ブチル N−[8−[[N,N’−ビス(tert−ブトキシカルボニル)カルバイミドイル]アミノ]オクチル]−N−[N−[3−[4−[[N,N’−ビス(tert−ブトキシカルボニル)カルバイミドイル]アミノ]フェノキシ]プロピル−ブトキシカルボニル]カルバイミドイル]アミノ]フェノキシ]プロピル(0.49g)をジクロロメタン(6mL)に溶解させ、室温でトリフルオロ酢酸(6mL)を加えた。室温にて反応混合物を一晩撹拌した。反応混合物を減圧濃縮し、得られた残渣をメタノール(6mL)に溶解させ、塩化水素ジオキサン溶液(4M, 6mL)を加えた。室温にて反応混合物を一晩撹拌した。その後、反応混合物を減圧濃縮し表題化合物(化合物番号2:0.79g、定量的)を得た。
1H NMR (CD3OD):δ=1.31-1.48(m,8H),1.52-1.69(m,4H),2.08(tt,2H),3.10-3.26(m,4H),3.39-3.48(m,2H),4.11(t,2H),7.05(d,2H),7.22(d,2H).
実施例3
(工程1)ベンジル 2−(4−アミノフェノキシ)アセテート〈Benzyl 2-(4-aminophenoxy)acetate〉の合成
Figure 2018097172
4−アミノフェノール(1.53g)のアセトニトリル(180mL)溶液を0℃に冷却し、ブロモ酢酸ベンジル(3.48g)及び炭酸セシウム(5.70g)を順次加えた。反応混合物を室温に昇温し、同温で一晩撹拌した。その後、反応混合液をセライトでろ過し、濾液を減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製することで表題化合物(2.70g、収率76%)を得た。
1H NMR (CDCl3):δ=3.46(br.s,2H,NH2),4.58(s,2H),5.23(s,2H),6.62(d,2H),6.75(d,2H),7.29-7.42(m,5H).
(工程2)ベンジル 2−[4−[2,3−ビス(tert−ブトキシカルボニル)グアニジノ]フェノキシ]アセテート〈Benzyl 2-[4-[2,3-bis(tert-butoxycarbonyl)guanidino]phenoxy]acetate〉の合成
Figure 2018097172
工程1で得られたベンジル 2−(4−アミノフェノキシ)アセテート(2.68g)のテトラヒドロフラン(15mL)溶液に、室温でN,N’−ジ−tert−ブトキシカルボニル−1H−ピラゾール−1−カルボキサミジン(3.36g)を加えた。反応混合物を室温で一晩撹拌した。反応混合物を減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製することで表題化合物(4.97g、収率96%)を得た。
1H NMR (CDCl3):δ=1.49(s,9H),1.53(s,9H),4.64(s,2H),5.24(s,2H),6.86(d,2H),7.31-7.42(m,5H),7.49(d,2H).
(工程3)2−[4−[2,3−ビス(tert−ブトキシカルボニル)グアニジノ]フェノキシ]酢酸〈2-[4-[2,3-Bis(tert-butoxycarbonyl)guanidine]phenoxy]acetic acid〉の合成
Figure 2018097172
工程2で得られたベンジル 2−[4−[2,3−ビス(tert−ブトキシカルボニル)グアニジノ]フェノキシ]アセテート(4.96g)のエタノール(50mL)溶液にパラジウム炭素(10%wet, 1.00g)を懸濁させた。水素雰囲気下、室温にて3時間撹拌した後、反応混合物をセライトで濾過した。ろ液を減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製することで表題化合物(2.62g、収率64%)を得た。
1H NMR (CDCl3):δ=1.45(s,9H),1.54(S,9H),4.42(s,2H),6.89(d,2H),7.36(d,2H).
(工程4)tert−ブチル N−[8−[[N,N’−ビス(tert−ブトキシカルボニル)カルバイミドイル]アミノ]オクチル]−N−(N−tert−ブトキシカルボニルカルバイミドイル)カルバメート〈tert-Butyl N-[8-[[N,N’-bis(tert-butoxycarbonyl)carbamimidoyl]amino]octyl]-N-(N-tert-butoxycarbonylcarbamimidoyl)carbamate〉の合成
Figure 2018097172
tert−ブチル N−[(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−(8−ヒドロキシオクチルアミノ)メチレン]カルバメート(1.25 g)、1,3−ビス(tert−ブトキシカルボニル)グアニジン(1.01g)及びトリフェニルホスフィン(1.27g)のテトラヒドロフラン(32mL)溶液を0℃に冷却し、ジイソプロピルアゾジカルボキシレートのトルエン溶液(1.9M, 2.6mL)を同温で加えた。反応混合物を室温に昇温し一晩撹拌した。その後、反応混合物を減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製することで表題化合物(1.22g、収率60%)を得た。
1H NMR (CDCl3):δ=1.18-1.41(m,8H),1.43-1.62(m,40H),3.88(t,4H).
(工程5)tert−ブチル N−[8−[[N,N’−ビス(tert−ブトキシカルボニル)カルバイミドイル]アミノ]オクチル]−N−[N−[2−[4−[[N,N’−ビス(tert−ブトキシカルボニル)カルバイミドイル]アミノ]フェノキシ]アセチル]−N’−tert−ブトキシカルボニル−カルバイミドイル]カルバメート〈tert-Butyl N-[8-[[N,N’-bis(tert-butoxycarbonyl)carbamimidoyl]amino]octyl]-N-[N-[2-[4-[[N,N’-bis(tert-butoxycarbonyl)carbamimidoyl]amino]phenoxy]acetyl]-N’-tert-butoxycarbonyl-carbamimidoyl]carbamate〉の合成
Figure 2018097172
工程3で得られた2−[4−[2,3−ビス(tert−ブトキシカルボニル)グアニジノ]フェノキシ]酢酸(0.62g)をジクロロメタン(6mL)に溶解させ、0℃に冷却した。そこに塩化オキサリル(0.19g)を0℃にて滴下し、次いでN,N−ジメチルホルムアミドを2滴添加した。この混合物を室温で1時間撹拌し、減圧濃縮することで対応する酸クロリドを得た。
次に工程4で得られたtert−ブチル N−[8−[[N,N’−ビス(tert−ブトキシカルボニル)カルバイミドイル]アミノ]オクチル]−N−(N−tert−ブトキシカルボニルカルバイミドイル)カルバメート(0.60g)をジクロロメタン(6mL)に溶解させ、トリエチルアミン(0.13g)を加え、0℃に冷却した。ここに、先に合成した酸クロリドのジクロロメタン(6mL)溶液を同温で滴下した。これを徐々に昇温しながら室温で一晩撹拌した。その後、反応混合物を水に注ぎ入れ、クロロホルムで抽出した。有機層を合わせ、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過した。濾液を減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製することで表題化合物(化合物番号3:0.27g、収率28%)を得た。
1H NMR (CDCl3):δ=1.16-1.39(m,8H),1.40-1.72(m,58H),3.61-3.96(m,4H),4.51(br.s,1H),4.70(br.s,1H),6.93(d,2H),7.40-7.62(m,2H).
LC-MS:[M+Na]+=1042.8
実施例4
N−[N−(8−グアニジノオクチル)カルバイミドイル]−2−(4−グアニジノフェノキシ)アセトアミド〈N-[N-(8-guanidinooctyl)carbamimidoyl]-2-(4-guanidinophenoxy)acetamide〉塩酸塩の合成
Figure 2018097172
実施例3で得られたtert−ブチル N−[8−[[N,N’−ビス(tert−ブトキシカルボニル)カルバイミドイル]アミノ]オクチル]−N−[N−[2−[4−[[N,N’−ビス(tert−ブトキシカルボニル)カルバイミドイル]アミノ]フェノキシ]アセチル]−N’−tert−ブトキシカルボニル−カルバイミドイル]カルバメート(0.27g)をジクロロメタン(8mL)に溶解させ、室温でトリフルオロ酢酸(8mL)を加え同温で一晩撹拌した。反応混合物を減圧濃縮し、得られた残渣をメタノール(8mL)に溶解させ、塩化水素ジオキサン溶液(4M,8mL)を加えてさらに一晩撹拌した。その後、反応混合物を減圧濃縮することで表題化合物(化合物番号4:0.14g、定量的)を得た。
1H NMR (CD3OD):δ=1.35-1.50(m,8H),1.60(tt,2H),1.65(tt,2H),3.17(t,2H),3.35(t,2H),4.81(s,2H),7.26(d,2H),7.28(d,2H).
実施例5
(工程1)tert−Butyl N−[[8−[[N,N’−bis(tert−butoxycarbonyl)carbamimidoyl]amino]octanoylamino]−methylsulfanyl−methylene]carbamateの合成
Figure 2018097172
8−[[N,N’−Bis(tert−butoxycarbonyl)carbamimidoyl]amino]octanoic acid(1.21g)、tert−Butyl N−(methylsulfanylcarbonimidoyl)carbamate(0.57g)及びジイソプロピルエチルアミン(1.55g)をDMF(4mL)に溶解させた。これを0℃に冷却しO−(7-アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスファート(1.26g)を加え、室温に昇温し終夜で反応させた。その後、反応混合物を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製する事で表題化合物を1.23g、収率72%で得た。
H NMR (CDCl):δ=1.24−1.40(m,6H),1.45−1.76(m,31H),2.36−2.41(m,5H),3.88(t,2H).
(工程2)tert−Butyl N−[[8−[[N,N’−bis(tert−butoxycarbonyl)carbamimidoyl]amino]octanoylamino]−[3−(4−nitrophenoxy)propylamino]methylene]carbamateの合成
Figure 2018097172
工程1で得られた化合物(1.23g)をTHF(12mL)及びメタノール(6mL)に溶解させ、3−(4−Nitrophenoxy)propan−1−amine(0.42g)のTHF(6mL)溶液を室温で加えた。これを50℃で一晩撹拌し、室温に冷却した後、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製する事で表題化合物を1.29g、収率84%で得た。
H NMR (CDCl):δ=1.25−1.41(m,6H),1.45−1.63(m,29H),1.63−1.74(m,2H),2.13(tt,2H),2.41(t,2H),3.66(dd,2H),3.89(t,2H),4.15(t,2H),7.01(d,2H),8.20(d,2H).
(工程3)tert−Butyl N−[[3−(4−aminophenoxy)propylamino]−[8−[[N,N’−bis(tert−butoxycarbonyl)carbamimidoyl]amino]octanoylamino]methylene]carbamateの合成
Figure 2018097172
工程2で得られた化合物(1.23g)のメタノール(15mL)溶液にパラジウム炭素(10%wet,0.75g)を懸濁させ、内部が水素ガスで満たされたバルーンを取り付けた。これを3日間室温で撹拌した後、セライトで濾過した。ろ液を減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製する事で表題化合物を0.86g、収率70%で得た。
H NMR (CDCl):δ=1.24−1.40(m,6H),1.44−1.62(m,29H),1.63−1.72(m,2H),2.03(tt,2H),2.40(t,2H),3.43(br.s,2H,NH),3.58−3.67(m,2H),3.88(t,2H),3.96(t,2H),6.63(d,2H),6.77(d,2H).
(工程4)tert−Butyl N−[[8−[[N,N’−bis(tert−butoxycarbonyl)carbamimidoyl]amino]octanoylamino]−[3−[4−[[N,N’−bis(tert−butoxycarbonyl)carbamimidoyl]amino]phenoxy]propylamino]methylene]carbamateの合成
Figure 2018097172
工程3で得られた化合物(0.53g)のTHF(16mL)溶液に室温でN,N’−ジ−Boc−1H−ピラゾール−1−カルボキサミジン(0.27g)を加え、同温で2日間撹拌した。その後、反応混合物を減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製する事で表題化合物(化合物番号47)を0.64g、収率90%で得た。
H NMR (CDCl):δ=1.26−1.41(m,6H),1.44−1.74(m,49H),2.01−2.11(m,2H),2.40(t,2H),3.59−3.68(m,2H),3.88(t,2H),4.01(t,2H),6.89(d,2H),7.48(d,2H).
実施例6
8−Guanidino−N−[N−[3−(4−guanidinophenoxy)propyl]carbamimidoyl]octanamide塩酸塩の合成
Figure 2018097172
実施例5で得られた化合物(0.64g)をジクロロメタン(10mL)に溶解させ、室温でトリフルオロ酢酸(10mL)を加え同温で一晩撹拌した。反応混合物を減圧濃縮し、得られた残渣をメタノール(10mL)に溶解させ、塩化水素ジオキサン溶液(4M, 10mL)を加えて5時間撹拌した。その後、反応混合物を減圧濃縮し表題化合物(化合物番号23)を0.40g、定量的な収率で得た。
H NMR (CDOD):δ=1.34−1.46(m,6H),1.52−1.76(m,4H),2.16(tt,2H),2.49(t,2H),3.17(t,2H),3.55(t,2H),4.15(t,2H),7.08(d,2H),7.22(d,2H).
実施例7
N−[8−[[N,N’−Bis(tert−butoxycarbonyl)carbamimidoyl]amino]octyl]−N−[N−[3−[4−[[N,N’−bis(tert−butoxycarbonyl)−N−methyl−carbamimidoyl]amino]phenoxy]propyl]−N,N’−bis(tert−butoxycarbonyl)carbamimidoyl]carbamateの合成
Figure 2018097172
tert−Butyl N−[3−(4−aminophenoxy)propyl]−N−[N,N’−bis(tert−butoxycarbonyl)−N−[8−[[N−tert−butoxycarbonyl−N’−isopropoxycarbonyl−carbamimidoyl]amino]octyl]carbamimidoyl]carbamate(360mg)をTHF(3.5mL)に溶解させ、室温にてメタノール(1.5mL)、tert−Butyl N−[N−tert−butoxycarbonyl−C−methylsulfanyl―carbonimidoyl]−N−methyl−carbamate(149mg)を加えた。反応混合物を50℃に昇温し、同温にて7時間撹拌した。反応混合物を室温まで冷却し、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製する事で表題化合物(化合部物番号45)を147mg、収率32%で得た。
H NMR (CDCl):δ=1.22−1.34(m,8H),1.46−1.60(m,63H),1.62−1.70(m,2H),2.10−2.19(m,2H),3.21(s,2H),3.49(dd,2H),3.71(dd,2H),3.88(dd,2H),3.97(dd,2H),6.83(d,2H),7.00(d,2H).
実施例8
(工程1)tert−Butyl N−[N−tert−butoxycarbonyl−C−methylsulfanyl―carbonimidoyl]−N−[3−(3−nitrophenoxy)propyl]carbamateの合成
Figure 2018097172
1,3−Bis(t−butoxycarbonyl)−2−methylisothiourea(3.81g)をDMF(50mL)に溶解させ、0℃に冷却した。そこに水素化ナトリウム(0.629g)を加え、同温で30分間撹拌した。その後、1−(3−Bromopropoxy)−3−nitro−benzene(4.43g)を加え50℃で一晩撹拌した。その後、反応混合物を室温に冷却し、水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水で2回、飽和食塩水で1回洗浄し、その後無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過した。濾液を減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製する事で表題化合物を5.47g、収率89%で得た。
H NMR (CDCl):δ=1.47(s,9H),1.51(s,9H),2.17−2.22(m,2H),2.37(s,3H),3.77(t,2H),4.11(t,2H),7.22(dd,1H),7.41(t,1H),7.72(d,1H),7.81(dd,1H).
(工程2)tert−Butyl N−[N−[8−[[N,N’−bis(tert−butoxycarbonyl)carbamimidoyl]amino]octyl]−N’−tert−butoxycarbonyl−carbamimidoyl]−N−[3−(3−nitrophenoxy)propyl]carbamateの合成
Figure 2018097172
工程1で得られた化合物(2.67g)のTHF(21mL)とメタノール(9mL)の混合溶液に室温でtert−Butyl N−[(8−aminooctylamino)−(tert−butoxycarbonylamino)methylene]carbamate(1.14g)を加え、50℃で一晩撹拌した。その後、反応混合物を室温に冷却した後に減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製する事で表題化合物を1.72g、収率41%で得た。
H NMR (CDCl):δ=1.24−1.37(m,10H),1.43−1.54(m,40H),2.07−2.17(m,2H),3.17−3.25(m,2H),3.33−3.44(m,2H),3.85−3.95(m,2H),4.07−4.10(m,2H),7.21(dd,1H),7.41(t,1H),7.71(d,1H),7.82(dd,1H).
(工程3)tert−Butyl N−[3−(3−aminophenoxy)propyl]−N−[N−[8−[[N,N’−bis(tert−butoxycarbonyl)carbamimidoyl]amino]octyl]−N’−tert−butoxycarbonyl−carbamimidoyl]carbamateの合成
Figure 2018097172
工程3で得られた化合物(1.72g)のメタノール(25mL)溶液にパラジウム炭素(10%wet,0.18g)を懸濁させ、内部が水素ガスで満たされたバルーンを取り付けた。これを一晩室温で撹拌した後、セライトで濾過した。ろ液を減圧濃縮し、表題化合物を1.20g、tert−Butyl N−[N−[8−[[N,N’−bis(tert−butoxycarbonyl)carbamimidoyl]amino]octyl]−N’−tert−butoxycarbonyl―carbamimidoyl]−N−[3−[3−(methoxyamino)phenoxy]propyl]carbamateとの混合物として得た。次の反応は混合物のまま行った。
(工程4)tert−Butyl N−[N−[8−[[N,N’−bis(tert−butoxycarbonyl)carbamimidoyl]amino]octyl]−N’−tert−butoxycarbonyl−carbamimidoyl]−N−[3−[3−[[N,N’−bis(tert―butoxycarbonyl)carbamimidoyl]amino]phenoxy]propyl]carbamate及びtert−Butyl N−[N−[8−[[N,N’−bis(tert−butoxycarbonyl)carbamimidoyl]amino]octyl]−N’−tert−butoxycarbonyl−carbamimidoyl]−N−[3−[3−[[N,N’−bis(tert−butoxycarbonyl)carbamimidoyl]−methoxy−amino]phenoxy]propyl]carbamateの合成
工程4で得られた混合物(0.50g)のTHF(10mL)溶液に、室温でN,N’−ジ−Boc−1H−ピラゾール−1−カルボキサミジン(0.24g)を加え、同温で一晩撹拌した。反応混合物を減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製する事で表題化合物をそれぞれ単離した。
tert−Butyl N−[N−[8−[[N,N’−bis(tert−butoxycarbonyl)carbamimidoyl]amino]octyl]−N’−tert−butoxycarbonyl−carbamimidoyl]−N−[3−[3−[[N,N’−bis(tert―butoxycarbonyl)carbamimidoyl]amino]phenoxy]propyl]carbamate(0.092g、収率14%)化合物番号54
Figure 2018097172
H NMR (CDCl):δ=1.26−1.32(m,10H),1.62−1.80(m,58H),2.04−2.21(m,2H),3.16−3.25(m,2H),3.35−3.43(m,2H),3.84(t,2H),3.98(t,2H),6.63(s,1H),7.16‐7.25(m,3H).
tert−Butyl N−[N−[8−[[N,N’−bis(tert−butoxycarbonyl)carbamimidoyl]amino]octyl]−N’−tert−butoxycarbonyl−carbamimidoyl]−N−[3−[3−[[N,N’−bis(tert−butoxycarbonyl)carbamimidoyl]−methoxy−amino]phenoxy]propyl]carbamate(0.184g、収率28%)化合物番号55
Figure 2018097172
H NMR (CDCl):δ=1.24−1.31(m,8H),1.65−1.46(m,58H),2.07−2.12(m,2H),3.15−3.26(m,2H),3.36−3.41(m,2H),3.70(s,3H),3.83−3.89(m,2H),3.98(t,2H),6.42(s,1H),7.38−7.44(m,3H).
実施例9
(工程1)tert−Butyl N−[(tert−butoxycarbonylamino)−[4−[3−[2−(2,2,2−trifluoroacetyl)imino−1H−imidazol−3−yl]propoxy]anilino]methylene]carbamateの合成
Figure 2018097172
tert−Butyl N−[[4−(3−bromopropoxy)anilino]−(tert−butoxycarbonylamino)methylene]carbamate(1.38g)のDMF(30mL)溶液に室温でN−(1,3−dihydroimidazol−2−ylidene)−2,2,2−trifluoro−acetamide(0.57g)及び炭酸カリウム(1.00g)を加え、50℃で5時間撹拌した。反応液を室温に冷却し、セライト濾過した後、濾液を減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することで、表題化合物を0.80g、収率55%で得た。
H NMR (CDCl):δ=1.50(s,9H),1.54(s,9H),2.22−2.31(m,2H),3.93(t,2H),4.22 (t,2H),6.64(d,1H),6.77(d,1H),6.83(d,2H),7.48(d,2H).
(工程2)tert−Butyl N−[[4−[3−[3−[8−[[N,N’−bis(tert−butoxycarbonyl)carbamimidoyl]amino]octyl]−2−(2,2,2−trifluoroacetyl)imino−imidazol−1−yl]propoxy]anilino]−(tert−butoxycarbonylamino)methylene]carbamateの合成
Figure 2018097172
工程1で得られた化合物(0.25g)をDMF(5mL)に溶解させ、tert−butyl N−[(8−bromooctylamino)−(tert−butoxycarbonylamino)methylene]carbamate(0.24g)及び炭酸カリウム(0.17g)を室温で加えた。これを50℃に昇温し、6時間撹拌した後、室温に冷却した。その後、セライト濾過し、濾液を減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することで、表題化合物を0.20g、収率44%で得た。
H NMR (CDCl):δ=1.21−1.36(m,10H),1.44−1.59(m,36H),1.66−1.79(m,2H),2.15−2.27(m,2H),3.80−3.94(m,8H),6.69(s,2H),6.83(d,2H),7.48(d,2H).
(工程3)1−[4−[3−[3−(8−Guanidinooctyl)−2−imino−imidazol−1−yl]propoxy]phenyl]guanidine塩酸塩の合成
Figure 2018097172
工程2で得られた化合物(0.20g)をジクロロメタン(2mL)に溶解させ、室温でトリフルオロ酢酸(2mL)を加え同温で一晩撹拌した。反応混合物を減圧濃縮し、得られた残渣をメタノール(2mL)に溶解させ、塩化水素ジオキサン溶液(4M, 2mL)を加えて4時間撹拌した。その後、反応混合物を減圧濃縮し表題化合物(化合物番号10)を0.13g、定量的な収率で得た。
H NMR (CDOD):δ=1.38(m,10H),1.57−1.59(m,2H),1.74(m,2H),2.24(t,2H),3.16(t,2H),3.86(t,2H),4.05−4.13(m,4H),4.60(m,1H),6.94−6.96(m,2H),7.02(d,2H),7.22(d,2H).
前記の実施例と同様の方法で製造した本発明化合物の一部を第1表に示す。また、その製造中間体を第2表に示す。
Figure 2018097172
Figure 2018097172
Figure 2018097172
Figure 2018097172
Figure 2018097172
Figure 2018097172
Figure 2018097172
Figure 2018097172
Figure 2018097172
製剤実施例(乳剤)
本発明化合物 5.0 重量部
ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート 1.5 重量部
ジメチルホルムアミド 93.5 重量部
以上を混合溶解して、有効成分5%の乳剤を得た。
試験例1
(リンゴ黒星病防除試験)
前記製剤実施例の配合処方で調製された乳剤を有効成分125ppmになるように水で希釈した。続いて育苗用ポットで栽培したリンゴ幼苗(品種「王林」、3〜4葉期)に、前記希釈溶液を散布した。風乾後、リンゴ黒星病菌(Venturia inaequalis)の分生胞子を接種し加湿後、明暗を12時間毎に繰り返す20℃の湿室に静置した。2週間後、葉上の病斑出現状態を調査した(処理区)。試験例1と同様に葉上の病斑出現状態を無処理と比較調査し、防除価を算出した。
防除価=100−{病斑が出現した面積(処理区)/病斑が出現した面積(無処理区)}×100
第3表の化合物について、前記リンゴ黒星病防除試験を行った。いずれの化合物も75以上の防除価を示した。
Figure 2018097172
試験例2
(キュウリ灰色かび病防除試験)
試験例1と同じ方法で乳剤を調製した。前記乳剤を有効成分125ppmになるように水で希釈した。続いて育苗用ポットで栽培したキュウリ幼苗(品種「地這」系、子葉期)に、前記希釈溶液を散布した。風乾後、キュウリ灰色かび病菌(Botrytis cinerea)の分生胞子懸濁液を滴下接種し、20℃の湿室に静置した。4日後、葉上の病斑出現状態を調査した(処理区)。試験例1と同様に葉上の病斑出現状態を無処理と比較調査し、防除価を算出した。
第4表の化合物について、前記キュウリ灰色かび病防除試験を行った。いずれの化合物も75以上の防除価を示した。
Figure 2018097172
試験例3
(コムギうどんこ病防除試験)
試験例1と同じ方法で乳剤を調製した。前記乳剤を有効成分125ppmになるように水で希釈した。続いて育苗用ポットで栽培したコムギ幼苗(品種「チホク」、1〜2葉期)に当該希釈液を散布した。風乾後、コムギうどんこ病菌(Erysiphe graminis f.sp.tritici)の分生胞子を振り払い接種し、20℃の温室に静置した。6日後に葉上の病斑出現状態を調査した(処理区)。一方、前記希釈溶液を散布せずコムギを栽培し、同様に病斑出現状態を調査した(無処理区)。処理区と無処理区を比較調査し、防除価を算出した。
第5表の化合物について、前記コムギうどんこ病防除試験を行った。いずれの化合物も75以上の防除価を示した。
Figure 2018097172
試験例4
(トマト疫病防除試験)
試験例1と同じ方法で乳剤を調製した。前記乳剤を有効成分125ppmになるように水で希釈した。続いて育苗用ポットで栽培したトマト幼苗(品種「レジナ」、4〜5葉期)に、前記希釈溶液を散布した。風乾後、トマト疫病菌(Phytophthora infestans)の遊走子嚢懸濁液を噴霧接種し、20℃の湿室に静置した。4日後、葉上の病斑出現状態を調査した(処理区)。試験例1と同様に葉上の病斑出現状態を無処理と比較調査し、防除価を算出した。
第6表の化合物について、前記トマト疫病防除試験を行った。いずれの化合物も75以上の防除価を示した。
Figure 2018097172
試験例5
(コムギ赤さび病防除試験)
試験例1と同じ方法で乳剤を調製した。前記乳剤を有効成分125ppmになるように水で希釈した。続いて育苗用ポットで栽培したコムギ幼苗(品種「農林61号」、1〜2葉期)に前記希釈溶液を散布した。風乾後、コムギ赤さび病菌(Puccinia recondita)の夏胞子を振り払い接種し、20℃の温室に静置した。12日後に葉上の病斑出現状態を調査した(処理区)。試験例1と同様に葉上の病斑出現状態を無処理と比較調査し、防除価を算出した。
第7表の化合物について、前記コムギ赤さび病防除試験を行った。いずれの化合物も75以上の防除価を示した。
Figure 2018097172
本発明化合物の中から無作為に選択したものが、いずれも上記のような効果を奏することから、本発明化合物は、例示しきれなかった化合物を含め、殺菌、植物病害防除などの効果を有する化合物であることが理解できる。

Claims (5)

  1. 式〔IV〕で表される化合物またはその塩。
    Figure 2018097172
    式〔IV〕中、
    Arは、置換若しくは無置換のフェニレン基を示す。
    XおよびZは、それぞれ独立に、置換若しくは無置換のアルキレン基、置換若しくは無置換のアルケニレン基、置換若しくは無置換のアルキニレン基、−Ta−O−Tb−、−T−S−T−または−Ta−N(R30)−Tb−を示す。
    aおよびTbは、それぞれ独立に、単結合または置換若しくは無置換のアルキレン基を示し、R30は、水素原子、置換若しくは無置換の炭化水素基、置換若しくは無置換のヘテロシクリル基、ヒドロキシル基、置換若しくは無置換のアルコキシ基、置換若しくは無置換のアルコキシカルボニル基、置換若しくは無置換のアリールオキシ基、置換若しくは無置換のアミノ基、置換若しくは無置換のアルキルスルホニル基、置換若しくは無置換のアリールスルホニル基、置換若しくは無置換のヘテロシクリルスルホニル基、置換若しくは無置換のアルキルカルボニル基、置換若しくは無置換のアリールカルボニル基、または置換若しくは無置換のヘテロシクリルカルボニル基を示す。
    Gは、単結合、置換若しくは無置換のフェニレン基、−CH=CH−、−C≡C−、−O−、−S−、−SO−、−SO2−、または−N(R31)−を示す。R31は、水素原子、置換若しくは無置換の炭化水素基、置換若しくは無置換のヘテロシクリル基、ヒドロキシル基、置換若しくは無置換のアルコキシ基、置換若しくは無置換のアルコキシカルボニル基、置換若しくは無置換のアリールオキシ基、置換若しくは無置換のアミノ基、置換若しくは無置換のアルキルスルホニル基、置換若しくは無置換のアリールスルホニル基、置換若しくは無置換のヘテロシクリルスルホニル基、置換若しくは無置換のアルキルカルボニル基、置換若しくは無置換のアリールカルボニル基、または置換若しくは無置換のヘテロシクリルカルボニル基を示す。
    Yは、式〔IIa〕で表される二価の基を示す。
    Figure 2018097172
    式〔IIa〕中、R11〜R13は、それぞれ独立に、水素原子、ニトロ基、シアノ基、置換若しくは無置換の炭化水素基、置換若しくは無置換のヘテロシクリル基、ヒドロキシル基、置換若しくは無置換のアルコキシ基、置換若しくは無置換のアルコキシカルボニル基、置換若しくは無置換のアリールオキシ基、置換若しくは無置換のアミノ基、置換若しくは無置換のアルキルスルホニル基、置換若しくは無置換のアリールスルホニル基、置換若しくは無置換のヘテロシクリルスルホニル基、置換若しくは無置換のアルキルカルボニル基、置換若しくは無置換のアリールカルボニル基、または置換若しくは無置換のヘテロシクリルカルボニル基を示す。R12とR13、R11とR12、または、R11とR13は一緒になって二価の有機基を形成していてもよい。R12とX上の置換基は一緒になって二価の有機基を形成していてもよい。*は結合位置を示す。
    1〜R8は、それぞれ独立に、水素原子、置換若しくは無置換の炭化水素基、置換若しくは無置換のヘテロシクリル基、ヒドロキシル基、置換若しくは無置換のアルコキシ基、置換若しくは無置換のアルコキシカルボニル基、置換若しくは無置換のアリールオキシ基、置換若しくは無置換のアミノ基、置換若しくは無置換のアルキルスルホニル基、置換若しくは無置換のアリールスルホニル基、置換若しくは無置換のヘテロシクリルスルホニル基、置換若しくは無置換のアルキルカルボニル基、置換若しくは無置換のアリールカルボニル基、または置換若しくは無置換のヘテロシクリルカルボニル基を示す。
    とRとが結合してそれらがそれぞれ結合する二つの窒素原子および該二つの窒素原子が結合する一つの炭素原子と伴に4〜8員環を形成していてもよいし、R2とR3とが結合してそれらがそれぞれ結合する二つの窒素原子および該二つの窒素原子が結合する一つの炭素原子と伴に4〜8員環を形成していてもよいし、R3とR4とが結合してそれらが結合する一つの窒素原子と伴に4〜8員環を形成していてもよいし、R1とR4とが結合してそれらがそれぞれ結合する二つの窒素原子および該二つの窒素原子が結合する一つの炭素原子と伴に4〜8員環を形成していてもよい。
    また、R6とR7とが結合してそれらがそれぞれ結合する二つの窒素原子および該二つの窒素原子が結合する一つの炭素原子と伴に4〜8員環を形成していてもよいし、またはR7とR8とが結合してそれらが結合する一つの窒素原子と伴に4〜8員環を形成していてもよいし、またはR5とR8とが結合してそれらが結合する一つの窒素原子および該二つの窒素原子が結合する一つの炭素原子と伴に4〜8員環を形成していてもよい。
  2. 式〔IV〕で表される化合物が、式〔I〕で表される化合物である、請求項1に記載の化合物またはその塩。
    Figure 2018097172
    式〔I〕中、X、Y、Z、G、およびR〜Rは上記と同様の意味を示す。
    Rは、C1〜6アルキル基、C3〜8シクロアルキル基、C6〜10アリール基、3〜6員ヘテロシクリル基、ヒドロキシル基、C1〜6アルコキシ基、C6〜10アリールオキシ基、カルボキシル基、ハロゲノ基、C1〜6ハロアルキル基、C6〜10ハロアリール基、C1〜6ハロアルコキシ基、無置換のアミノ基、C1〜6アルキルアミノ基、C6〜10アリールアミノ基、C1〜7アシルアミノ基、C1〜6アルコキシカルボニルアミノ基、C1〜6アルキルチオ基、C6〜10アリールチオ基、ヘテロアリールチオ基、C7〜11アラルキルチオ基、C1〜6アルキルスルフィニル基、C6〜10アリールスルフィニル基、ヘテロアリールスルフィニル基、C7〜11アラルキルスルフィニル基、C1〜6アルキルスルホニル基、C6〜10アリールスルホニル基、ヘテロシクリルスルホニル基、シアノ基、ニトロ基を示す。
    nは、Rの個数を示し、0〜4のいずれかひとつの整数である。
  3. XおよびZが、それぞれ独立に、置換若しくは無置換のアルキレン基であり、Gが、−O−である、請求項1または2に記載の化合物またはその塩。
  4. 請求項1から3のいずれか一項に記載の化合物およびその塩からなる群から選ばれる少なくとも一つを有効成分として含有する殺菌剤。
  5. 請求項1から3のいずれか一項に記載の化合物およびその塩からなる群から選ばれる少なくとも一つを有効成分として含有する植物病害防除剤。
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