JP6681274B2 - アミジン化合物および殺菌剤 - Google Patents

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本発明は、アミジン化合物および殺菌剤に関する。より詳細に、本発明は、優れた殺菌活性を有し、安全性に優れ、且つ工業的に有利に合成できる新規なアミジン化合物、ならびに該アミジン化合物を有効成分として含有する殺菌剤または植物病害防除剤に関する。
特許文献1には、2価のピペラジン残基などを有するアリールアミジン化合物が、ヒトおよび動物の真菌性疾患の予防や治療に有効であるとの記載がある。
特開2005−97299号公報
本発明の課題は、殺菌活性に優れ、安全性に優れ、且つ工業的に有利に合成できる新規なアミジン化合物を提供すること、および該アミジン化合物を有効成分として含有する殺菌剤または植物病害防除剤を提供することである。
上記目的を達成するために検討した結果、以下の形態を包含する本発明を完成するに至った。
〔1〕 式〔I〕で表される化合物またはその塩。

Figure 0006681274

(式〔I〕中、
Yは、無置換の若しくは置換基を有する二価の環状アミン残基を示し、
XおよびZは、それぞれ独立に、無置換の若しくは置換基を有するアルキレン基、無置換の若しくは置換基を有するアルケニレン基、無置換の若しくは置換基を有するアルキニレン基、−Ta−O−Tb−、または−Ta−N(R4)−Tb−を示す。TaおよびTbは、それぞれ独立に、単結合、または無置換の若しくは置換基を有するアルキレン基を示し、R4は、水素原子、無置換の若しくは置換基を有する炭化水素基、無置換の若しくは置換基を有するヘテロシクリル基、ヒドロキシル基、無置換の若しくは置換基を有するアルコキシ基、無置換の若しくは置換基を有するアルコキシカルボニル基、無置換の若しくは置換基を有するアリールオキシ基、無置換の若しくは置換基を有するアミノ基、無置換の若しくは置換基を有するアルキルスルホニル基、無置換の若しくは置換基を有するアリールスルホニル基、無置換の若しくは置換基を有するヘテロシクリルスルホニル基、無置換の若しくは置換基を有するアルキルカルボニル基、無置換の若しくは置換基を有するアリールカルボニル基、または無置換の若しくは置換基を有するヘテロシクリルカルボニル基を示す。
Wは、単結合、または−N(R5)−を示す。R5は、水素原子、無置換の若しくは置換基を有する炭化水素基、無置換の若しくは置換基を有するヘテロシクリル基、ヒドロキシル基、無置換の若しくは置換基を有するアルコキシ基、無置換の若しくは置換基を有するアルコキシカルボニル基、無置換の若しくは置換基を有するアリールオキシ基、無置換の若しくは置換基を有するアミノ基、無置換の若しくは置換基を有するアルキルスルホニル基、無置換の若しくは置換基を有するアリールスルホニル基、無置換の若しくは置換基を有するヘテロシクリルスルホニル基、無置換の若しくは置換基を有するアルキルカルボニル基、無置換の若しくは置換基を有するアリールカルボニル基、または無置換の若しくは置換基を有するヘテロシクリルカルボニル基を示す。
1〜R3は、それぞれ独立に、水素原子、無置換の若しくは置換基を有する炭化水素基、無置換の若しくは置換基を有するヘテロシクリル基、ヒドロキシル基、無置換の若しくは置換基を有するアルコキシ基、無置換の若しくは置換基を有するアルコキシカルボニル基、無置換の若しくは置換基を有するアリールオキシ基、無置換の若しくは置換基を有するアミノ基、無置換の若しくは置換基を有するアルキルスルホニル基、無置換の若しくは置換基を有するアリールスルホニル基、無置換の若しくは置換基を有するヘテロシクリルスルホニル基、無置換の若しくは置換基を有するアルキルカルボニル基、無置換の若しくは置換基を有するアリールカルボニル基、または無置換の若しくは置換基を有するヘテロシクリルカルボニル基を示す。R1とR2とが結合してそれらが結合する一つの窒素原子と伴に4〜8員環を形成していてもよいし、またはR2とR3とが結合してそれらがそれぞれ結合する二つの窒素原子および該二つの窒素原子が結合する一つの炭素原子と伴に4〜8員環を形成していてもよい。
Aは、式〔II〕または式〔III〕で表される基を示す。

Figure 0006681274

式〔II〕中、
*は、Xとの結合位置を示す。
1は、単結合、無置換の若しくは置換基を有するフェニレン基、−CH=CH−、−C≡C−、−O−、−S−、−SO−、−SO2−、または−N(R14)−を示す。R14は、水素原子、無置換の若しくは置換基を有する炭化水素基、無置換の若しくは置換基を有するヘテロシクリル基、ヒドロキシル基、無置換の若しくは置換基を有するアルコキシ基、無置換の若しくは置換基を有するアルコキシカルボニル基、無置換の若しくは置換基を有するアリールオキシ基、無置換の若しくは置換基を有するアミノ基、無置換の若しくは置換基を有するアルキルスルホニル基、無置換の若しくは置換基を有するアリールスルホニル基、無置換の若しくは置換基を有するヘテロシクリルスルホニル基、無置換の若しくは置換基を有するアルキルカルボニル基、無置換の若しくは置換基を有するアリールカルボニル基、または無置換の若しくは置換基を有するヘテロシクリルカルボニル基を示す。
Arは、無置換の若しくは置換基を有する二価の複素環式化合物残基を示す。
11〜R13は、それぞれ独立に、水素原子、無置換の若しくは置換基を有する炭化水素基、無置換の若しくは置換基を有するヘテロシクリル基、ヒドロキシル基、無置換の若しくは置換基を有するアルコキシ基、無置換の若しくは置換基を有するアルコキシカルボニル基、無置換の若しくは置換基を有するアリールオキシ基、無置換の若しくは置換基を有するアミノ基、無置換の若しくは置換基を有するアルキルスルホニル基、無置換の若しくは置換基を有するアリールスルホニル基、無置換の若しくは置換基を有するヘテロシクリルスルホニル基、無置換の若しくは置換基を有するアルキルカルボニル基、無置換の若しくは置換基を有するアリールカルボニル基、または無置換の若しくは置換基を有するヘテロシクリルカルボニル基を示す。R11とR12とが結合してそれらがそれぞれ結合する二つの窒素原子および該二つの窒素原子が結合する一つの炭素原子と伴に4〜8員環を形成していてもよいし、R12とR13とが結合してそれらが結合する一つの窒素原子と伴に4〜8員環を形成していてもよいし、またはR11〜R13のいずれかひとつとArとが結合して環を形成していてもよい。

Figure 0006681274

式〔III〕中、
*は、Xとの結合位置を示す。
2は、単結合、無置換の若しくは置換基を有するフェニレン基、−CH=CH−、−C≡C−、−S−、−SO−、−SO2−、または−N(R25)−を示す。R25は、水素原子、無置換の若しくは置換基を有する炭化水素基、無置換の若しくは置換基を有するヘテロシクリル基、ヒドロキシル基、無置換の若しくは置換基を有するアルコキシ基、無置換の若しくは置換基を有するアルコキシカルボニル基、無置換の若しくは置換基を有するアリールオキシ基、無置換の若しくは置換基を有するアミノ基、無置換の若しくは置換基を有するアルキルスルホニル基、無置換の若しくは置換基を有するアリールスルホニル基、無置換の若しくは置換基を有するヘテロシクリルスルホニル基、無置換の若しくは置換基を有するアルキルカルボニル基、無置換の若しくは置換基を有するアリールカルボニル基、または無置換の若しくは置換基を有するヘテロシクリルカルボニル基を示す。
21〜R23は、それぞれ独立に、水素原子、無置換の若しくは置換基を有する炭化水素基、無置換の若しくは置換基を有するヘテロシクリル基、ヒドロキシル基、無置換の若しくは置換基を有するアルコキシ基、無置換の若しくは置換基を有するアルコキシカルボニル基、無置換の若しくは置換基を有するアリールオキシ基、無置換の若しくは置換基を有するアミノ基、無置換の若しくは置換基を有するアルキルスルホニル基、無置換の若しくは置換基を有するアリールスルホニル基、無置換の若しくは置換基を有するヘテロシクリルスルホニル基、無置換の若しくは置換基を有するアルキルカルボニル基、無置換の若しくは置換基を有するアリールカルボニル基、または無置換の若しくは置換基を有するヘテロシクリルカルボニル基を示す。R21とR22とが結合してそれらがそれぞれ結合する二つの窒素原子および該二つの窒素原子が結合する一つの炭素原子と伴に4〜8員環を形成していてもよいし、またはR22とR23とが結合してそれらが結合する一つの窒素原子と伴に4〜8員環を形成していてもよい。
24は、C1〜6アルキル基、C3〜8シクロアルキル基、C6〜10アリール基、3〜6員ヘテロシクリル基、ヒドロキシル基、C1〜6アルコキシ基、C6〜10アリールオキシ基、カルボキシル基、ハロゲノ基、C1〜6ハロアルキル基、C6〜10ハロアリール基、C1〜6ハロアルコキシ基、アミノ基(NH2で表される基)、C1〜6アルキル置換アミノ基、C6〜10アリールアミノ基、C1〜7アシルアミノ基、C1〜6アルコキシカルボニルアミノ基、C1〜6アルキルチオ基、C6〜10アリールチオ基、ヘテロアリールチオ基、C7〜11アラルキルチオ基、C1〜6アルキルスルフィニル基、C6〜10アリールスルフィニル基、ヘテロアリールスルフィニル基、C7〜11アラルキルスルフィニル基、C1〜6アルキルスルホニル基、C6〜10アリールスルホニル基、ヘテロシクリルスルホニル基、シアノ基、ニトロ基を示す。R21〜R23のいずれかひとつとR24とが結合して環を形成していてもよい
nは、R24の個数を示し、0〜4のいずれかひとつの整数である。)
〔2〕 前記〔1〕に記載の化合物およびその塩から選ばれる少なくとも1つを有効成分として含有する殺菌剤。
〔3〕 前記〔1〕に記載の化合物およびその塩から選ばれる少なくとも1つを有効成分として含有する植物病害防除剤。
本発明に係るアミジン化合物(式〔I〕で表される化合物またはその塩)は、殺菌活性に優れ、安全性に優れ、且つ工業的に有利に合成することができる。当該アミジン化合物を有効成分として含有する殺菌剤若しくは植物病害防除剤は、リンゴ黒星病、キュウリ灰色かび病、コムギうどんこ病、トマト疫病、コムギ赤さび病などの植物病害の防除価に特に優れている。
まず、本発明において、「無置換の」の用語は、母核となる基のみであることを意味する。「置換基を有する」との記載がなく母核となる基の名称のみで記載しているときは、別段の断りがない限り「無置換の」の意味である。
一方、「置換基を有する」の用語は、母核となる基のいずれかの水素原子が、母核と同一または異なる構造の基で置換されていることを意味する。従って、「置換基」は、母核となる基に結合した他の基である。置換基は1つであってもよいし、2つ以上であってもよい。2つ以上の置換基は同一であってもよいし、異なるものであってもよい。
「C1〜6」などの用語は、母核となる基の炭素原子数が1〜6個などであることを表している。この炭素原子数には、置換基の中にある炭素原子の数を含まない。例えば、置換基としてエトキシ基を有するブチル基は、C2アルコキシC4アルキル基に分類する。
「置換基」は化学的に許容され、本発明の効果を有する限りにおいて特に制限されない。以下に「置換基」となり得る基を例示する。
メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基などのC1〜6アルキル基;
ビニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基(アリル基)、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、1−メチル−2−プロペニル基、2−メチル−2−プロペニル基などのC2〜6アルケニル基;
エチニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル基、1−ブチニル基、2−ブチニル基、3−ブチニル基、1−メチル−2−プロピニル基などのC2〜6アルキニル基;
シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などのC3〜8シクロアルキル基;
2−シクロペンテニル基、3−シクロヘキセニル基、4−シクロオクテニル基などのC4〜8シクロアルケニル基;
フェニル基、ナフチル基などのC6〜10アリール基;
ベンジル基、フェネチル基などのC7〜11アラルキル基;
3〜6員ヘテロシクリル基;
ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ベンゾイル基、シクロヘキシルカルボニル基などのC1〜7アシル基;
ヒドロキシル基;
メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、i−ブトキシ基、t−ブトキシ基などのC1〜6アルコキシ基;
ビニルオキシ基、アリルオキシ基、プロペニルオキシ基、ブテニルオキシ基などのC2〜6アルケニルオキシ基;
エチニルオキシ基、プロパルギルオキシ基などのC2〜6アルキニルオキシ基;
フェノキシ基、ナフトキシ基などのC6〜10アリールオキシ基;
ベンジルオキシ基、フェネチルオキシ基などのC7〜11アラルキルオキシ基;
ホルミルオキシ基、アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、シクロヘキシルカルボニルオキシ基などのC1〜7アシルオキシ基;
メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、i−プロポキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基などのC1〜6アルコキシカルボニル基;
メトキシカルボニルオキシ基、エトキシカルボニルオキシ基、n−プロポキシカルボニルオキシ基、i−プロポキシカルボニルオキシ基、n−ブトキシカルボニルオキシ基、t−ブトキシカルボニルオキシ基などのC1〜6アルコキシカルボニルオキシ基;
カルボキシル基;
フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、イオド基などのハロゲノ基;
クロロメチル基、クロロエチル基、トリフルオロメチル基、1,2−ジクロロ−n−プロピル基、1−フルオロ−n−ブチル基、パーフルオロ−n−ペンチル基などのC1〜6ハロアルキル基;
2−クロロ−1−プロペニル基、2−フルオロ−1−ブテニル基などのC2〜6ハロアルケニル基;
4,4−ジクロロ−1−ブチニル基、4−フルオロ−1−ペンチニル基、5−ブロモ−2−ペンチニル基などのC2〜6ハロアルキニル基;
4−クロロフェニル基、4−フルオロフェニル基、2,4−ジクロロフェニル基などのC6〜10ハロアリール基;
トリフルオロメトキシ基、2−クロロ−n−プロポキシ基、2,3−ジクロロブトキシ基などのC1〜6ハロアルコキシ基;
2−クロロプロペニルオキシ基、3−ブロモブテニルオキシ基などのC2〜6ハロアルケニルオキシ基;
4−フルオロフェニルオキシ基、4−クロロ−1−ナフトキシ基などのC6〜10ハロアリールオキシ基;
クロロアセチル基、トリフルオロアセチル基、トリクロロアセチル基、4−クロロベンゾイル基などのC1〜7ハロアシル基;
アミノ基(NH2で表される基);
メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基などのC1〜6アルキル置換アミノ基;
アニリノ基、ナフチルアミノ基などのC6〜10アリールアミノ基;
ベンジルアミノ基、フェネチルアミノ基などのC7〜11アラルキルアミノ基;
ホルミルアミノ基、アセチルアミノ基、プロパノイルアミノ基、ブチリルアミノ基、i−プロピルカルボニルアミノ基、ベンゾイルアミノ基などのC1〜7アシルアミノ基;
メトキシカルボニルアミノ基、エトキシカルボニルアミノ基、n−プロポキシカルボニルアミノ基、i−プロポキシカルボニルアミノ基などのC1〜6アルコキシカルボニルアミノ基;
アミノカルボニル基、ジメチルアミノカルボニル基、フェニルアミノカルボニル基、N−フェニル−N−メチルアミノカルボニル基などの無置換若しくは置換基を有するアミノカルボニル基;
イミノメチル基、(1−イミノ)エチル基、(1−イミノ)−n−プロピル基などのイミノC1〜6アルキル基;
N−ヒドロキシ−イミノメチル基、(1−(N−ヒドロキシ)−イミノ)エチル基、(1−(N−ヒドロキシ)−イミノ)プロピル基、N−メトキシ−イミノメチル基、(1−(N−メトキシ)−イミノ)エチル基などの無置換の若しくは置換基を有するN−ヒドロキシイミノC1〜6アルキル基;
メルカプト基;
メチルチオ基、エチルチオ基、n−プロピルチオ基、i−プロピルチオ基、n−ブチルチオ基、i−ブチルチオ基、s−ブチルチオ基、t−ブチルチオ基などのC1〜6アルキルチオ基;
フェニルチオ基、ナフチルチオ基などのC6〜10アリールチオ基;
チアゾリルチオ基、ピリジルチオ基などのヘテロアリールチオ基;
ベンジルチオ基、フェネチルチオ基などのC7〜11アラルキルチオ基;
メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、t−ブチルスルフィニル基などのC1〜6アルキルスルフィニル基;
フェニルスルフィニル基などのC6〜10アリールスルフィニル基;
チアゾリルスルフィニル基、ピリジルスルフィニル基などのヘテロアリールスルフィニル基;
ベンジルスルフィニル基、フェネチルスルフィニル基などのC7〜11アラルキルスルフィニル基;
メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、t−ブチルスルホニル基などのC1〜6アルキルスルホニル基;
フェニルスルホニル基などのC6〜10アリールスルホニル基;
チアゾリルスルホニル基、ピリジルスルホニル基などのヘテロアリールスルホニル基;
ベンジルスルホニル基、フェネチルスルホニル基などのC7〜11アラルキルスルホニル基;
アミノカルボニルオキシ基;
エチルアミノカルボニルオキシ基、ジメチルアミノカルボニルオキシ基などのC1〜6アルキル置換アミノカルボニルオキシ基;
トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基などのトリC1〜6アルキル置換シリル基;
トリフェニルシリル基などのトリアリール置換シリル基;
シアノ基;ニトロ基;オキソ基
また、これらの「置換基」は、当該置換基中のいずれかの水素原子が、異なる構造の基で置換されていてもよい。
また、上記の「3〜6員ヘテロシクリル基」とは、窒素原子、酸素原子および硫黄原子からなる群から選ばれる1〜4個のヘテロ原子を環の構成原子として含むものである。ヘテロシクリル基は、単環および多環のいずれであってもよい。多環ヘテロシクリル基は、少なくとも一つの環がヘテロ環であれば、残りの環が飽和脂環、不飽和脂環または芳香環のいずれであってもよい。「3〜6員ヘテロシクリル基」としては、3〜6員飽和ヘテロシクリル基、5〜6員ヘテロアリール基、5〜6員部分不飽和ヘテロシクリル基などを挙げることができる。
3〜6員飽和ヘテロシクリル基としては、アジリジニル基、エポキシ基、ピロリジニル基、テトラヒドロフラニル基、チアゾリジニル基、ピペリジル基、ピペラジニル基、モルホリニル基、ジオキソラニル基、ジオキサニル基などを挙げることができる。
5員ヘテロアリール基としては、ピロリル基、フリル基、チエニル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、トリアゾリル基、オキサジアゾリル基、チアジアゾリル基、テトラゾリル基などを挙げることができる。
6員ヘテロアリール基としては、ピリジル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダニジル基、トリアジニル基などを挙げることができる。
本発明のアミジン化合物は、式〔I〕で表される化合物(以下、化合物〔I〕と表記することがある。)または化合物〔I〕の塩である。
Figure 0006681274
式〔I〕中のYは、無置換の若しくは置換基を有する二価の環状アミン残基を示す。
「二価の環状アミン残基」とは、環状アミン中の水素原子2個が抜けて形成される基である。環状アミンの具体例としては、アジリジン、アゼチジン、2−ピロリン、3−ピロリン、ピロリジン、インドリン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、キヌクリジン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、イミダゾリン、イミダゾリジンなどを挙げることができる。これらのうち、ピロリジン、ピペリジンが好ましい。
式〔I〕中、「二価の環状アミン残基」上の置換基としては、C1〜6アルキル基、C6〜10アリール基、ヒドロキシル基、C1〜6アルコキシ基、C6〜10アリールオキシ基、カルボキシル基、ハロゲノ基、C1〜6ハロアルキル基、C6〜10ハロアリール基、C1〜6ハロアルコキシ基、アミノ基(NH2で表される基)、C1〜6アルキル置換アミノ基、C6〜10アリールアミノ基、C1〜7アシルアミノ基、C1〜6アルキルチオ基、C6〜10アリールチオ基、ヘテロアリールチオ基、C1〜6アルキルスルフィニル基、C1〜6アルキルスルホニル基、C6〜10アリールスルホニル基、ヘテロアリールスルホニル基、シアノ基、オキソ基などが好ましい。
さらに、Yは、式〔IV〕で表される基がより好ましい。

Figure 0006681274

式〔IV〕中、G1およびG2は、それぞれ独立に、CHまたは窒素原子を示す。但し、G1およびG2の両方が同時にCHであることはない。mは、メチレン基の繰り返し数を示し且つ0または1である。*はXまたはZとの結合位置を示す。
式〔I〕中のXおよびZは、それぞれ独立に、無置換の若しくは置換基を有するアルキレン基、無置換の若しくは置換基を有するアルケニレン基、無置換の若しくは置換基を有するアルキニレン基、−Ta−O−Tb−、または−Ta−N(R4)−Tb−を示す。TaおよびTbは、それぞれ独立に、単結合、無置換の若しくは置換基を有するアルキレン基を示す。R4は、水素原子、無置換の若しくは置換基を有する炭化水素基、無置換の若しくは置換基を有するヘテロシクリル基、ヒドロキシル基、無置換の若しくは置換基を有するアルコキシ基、無置換の若しくは置換基を有するアルコキシカルボニル基、無置換の若しくは置換基を有するアリールオキシ基、無置換の若しくは置換基を有するアミノ基、無置換の若しくは置換基を有するアルキルスルホニル基、無置換の若しくは置換基を有するアリールスルホニル基、無置換の若しくは置換基を有するヘテロシクリルスルホニル基、無置換の若しくは置換基を有するアルキルカルボニル基、無置換の若しくは置換基を有するアリールカルボニル基、または無置換の若しくは置換基を有するヘテロシクリルカルボニル基を示し、より好ましくは水素原子を示す。
「無置換の若しくは置換基を有する炭化水素基」、「無置換の若しくは置換基を有するヘテロシクリル基」、「無置換の若しくは置換基を有するアルコキシ基」、「無置換の若しくは置換基を有するアルコキシカルボニル基」、「無置換の若しくは置換基を有するアリールオキシ基」、「無置換の若しくは置換基を有するアミノ基」、「無置換の若しくは置換基を有するアルキルスルホニル基」、「無置換の若しくは置換基を有するアリールスルホニル基」、「無置換の若しくは置換基を有するヘテロシクリルスルホニル基」、「無置換の若しくは置換基を有するアルキルカルボニル基」、「無置換の若しくは置換基を有するアリールカルボニル基」、「無置換の若しくは置換基を有するヘテロシクリルカルボニル基」としては、式〔I〕中のR1〜R3についての説明で例示するものと同じものをそれぞれ挙げることができる。
式〔I〕中のXは、C2〜10アルキレン基であるのが好ましく、C2〜6アルキレン基であるのがより好ましい。式〔I〕中のZは、C2〜12アルキレン基であるのが好ましく、C4〜10アルキレン基であるのがより好ましい。
「アルキレン基」としては、メチレン基、エチレン基、プロパン−1,3−ジイル基(別名:トリメチレン基)、プロパン−1,2−ジイル基(別名:プロピレン基)、ブタン−1,4−ジイル基、ブタン−1,3−ジイル基、ブタン−1,2−ジイル基、ペンタン−1,5−ジイル基、ヘキサン−1,6−ジイル基、ヘプタン−1,7−ジイル基、オクタン−1,8−ジイル基などを挙げることができる。
「アルケニレン基」としては、プロペニレン基、2−ブテニレン基などを挙げることができる。
「アルキニレン基」としては、エチニレン基、2−ブチニレン基などを挙げることができる。
「アルキレン基」、「アルケニレン基」、「アルキニレン基」上の置換基としては、C1〜6アルキル基、C6〜10アリール基、ヒドロキシル基、C1〜6アルコキシ基、C6〜10アリールオキシ基、カルボキシル基、ハロゲノ基、C1〜6ハロアルキル基、C6〜10ハロアリール基、C1〜6ハロアルコキシ基、アミノ基(NH2で表される基)、C1〜6アルキル置換アミノ基、C6〜10アリールアミノ基、C1〜7アシルアミノ基、C1〜6アルキルチオ基、C6〜10アリールチオ基、ヘテロアリールチオ基、C1〜6アルキルスルフィニル基、C1〜6アルキルスルホニル基、C6〜10アリールスルホニル基、ヘテロアリールスルホニル基、シアノ基、オキソ基などが好ましい。
式〔I〕中のWは、単結合、または−N(R5)−を示す。R5は、水素原子、無置換の若しくは置換基を有する炭化水素基、無置換の若しくは置換基を有するヘテロシクリル基、ヒドロキシル基、無置換の若しくは置換基を有するアルコキシ基、無置換の若しくは置換基を有するアルコキシカルボニル基、無置換の若しくは置換基を有するアリールオキシ基、無置換の若しくは置換基を有するアミノ基、無置換の若しくは置換基を有するアルキルスルホニル基、無置換の若しくは置換基を有するアリールスルホニル基、無置換の若しくは置換基を有するヘテロシクリルスルホニル基、無置換の若しくは置換基を有するアルキルカルボニル基、無置換の若しくは置換基を有するアリールカルボニル基、または無置換の若しくは置換基を有するヘテロシクリルカルボニル基を示し、より好ましくは水素原子を示す。
「無置換の若しくは置換基を有する炭化水素基」、「無置換の若しくは置換基を有するヘテロシクリル基」、「無置換の若しくは置換基を有するアルコキシ基」、「無置換の若しくは置換基を有するアルコキシカルボニル基」、「無置換の若しくは置換基を有するアリールオキシ基」、「無置換の若しくは置換基を有するアミノ基」、「無置換の若しくは置換基を有するアルキルスルホニル基」、「無置換の若しくは置換基を有するアリールスルホニル基」、「無置換の若しくは置換基を有するヘテロシクリルスルホニル基」、「無置換の若しくは置換基を有するアルキルカルボニル基」、「無置換の若しくは置換基を有するアリールカルボニル基」、「無置換の若しくは置換基を有するヘテロシクリルカルボニル基」としては、式〔I〕中のR1〜R3についての説明で例示するものと同じものをそれぞれ挙げることができる。
式〔I〕中のR1〜R3は、それぞれ独立に、水素原子、無置換の若しくは置換基を有する炭化水素基、無置換の若しくは置換基を有するヘテロシクリル基、ヒドロキシル基、無置換の若しくは置換基を有するアルコキシ基、無置換の若しくは置換基を有するアルコキシカルボニル基、無置換の若しくは置換基を有するアリールオキシ基、または無置換の若しくは置換基を有するアミノ基、無置換の若しくは置換基を有するアルキルスルホニル基、無置換の若しくは置換基を有するアリールスルホニル基、無置換の若しくは置換基を有するヘテロシクリルスルホニル基、無置換の若しくは置換基を有するアルキルカルボニル基、無置換の若しくは置換基を有するアリールカルボニル基、または無置換の若しくは置換基を有するヘテロシクリルカルボニル基を示す。
1とR2とが結合してそれらが結合する一つの窒素原子と伴に4〜8員環を形成していてもよいし、またはR2とR3とが結合してそれらがそれぞれ結合する二つの窒素原子および該二つの窒素原子が結合する一つの炭素原子と伴に4〜8員環を形成していてもよい。
無置換の若しくは置換基を有する炭化水素基は、炭化水素化合物中の水素原子1個が抜けて形成される基である。炭化水素化合物としては、メタン、エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタンなどの飽和炭化水素化合物、エチレン、アセチレン、プロピレンなどの不飽和炭化水素化合物、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘキセンなどの脂環式炭化水素化合物、ベンゼン、ナフタレンなどの芳香族炭化水素化合物などを挙げることができる。
無置換の若しくは置換基を有するヘテロシクリル基は、複素環式化合物中の水素原子1個が抜けて形成される基である。ヘテロシクリル基としては、アジリジニル基、エポキシ基、ピロリジニル基、テトラヒドロフラニル基、チアゾリジニル基、ピペリジル基、ピペラジニル基、モルホリニル基、ジオキソラニル基、ジオキサニル基;ピロリル基、フリル基、チエニル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、トリアゾリル基、オキサジアゾリル基、チアジアゾリル基、テトラゾリル基、ピリジル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダニジル基、トリアジニル基などを挙げることができる。
無置換の若しくは置換基を有するアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、i−ブトキシ基、t−ブトキシ基などを挙げることができる。
無置換の若しくは置換基を有するアルコキシカルボニル基としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、i−プロポキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基、s−ブトキシカルボニル基、i−ブトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基などを挙げることができる。
無置換の若しくは置換基を有するアリールオキシ基としては、フェノキシ基、ナフトキシ基などを挙げることができる。
無置換の若しくは置換基を有するアミノ基としては、アミノ基(NH2で表される基)、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基などのC1〜6アルキル置換アミノ基;アニリノ基、ナフチルアミノ基などのC6〜10アリールアミノ基;ベンジルアミノ基、フェネチルアミノ基などのC7〜11アラルキルアミノ基;ホルミルアミノ基、アセチルアミノ基、プロパノイルアミノ基、ブチリルアミノ基、i−プロピルカルボニルアミノ基、ベンゾイルアミノ基などのC1〜7アシルアミノ基;メトキシカルボニルアミノ基、エトキシカルボニルアミノ基、n−プロポキシカルボニルアミノ基、i−プロポキシカルボニルアミノ基などのC1〜6アルコキシカルボニルアミノ基などを挙げることができる。
無置換の若しくは置換基を有するアルキルスルホニル基としては、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、n−プロピルスルホニル基、i−プロピルスルホニル基、n−ブチルスルホニル基、s−ブチルスルホニル基、i−ブチルスルホニル基、t−ブチルスルホニル基などを挙げることができる。
無置換の若しくは置換基を有するアリールスルホニル基としては、フェニルスルホニル基、ナフチルスルホニル基などを挙げることができる。
無置換の若しくは置換基を有するヘテロシクリルスルホニル基としては、アジリジニルスルホニル基、エポキシスルホニル基、ピロリジニルスルホニル基、テトラヒドロフラニルスルホニル基、チアゾリジニルスルホニル基、ピペリジルスルホニル基、ピペラジニルスルホニル基、モルホリニルスルホニル基、ジオキソラニルスルホニル基、ジオキサニルスルホニル基;ピロリルスルホニル基、フリルスルホニル基、チエニルスルホニル基、イミダゾリルスルホニル基、ピラゾリルスルホニル基、オキサゾリルスルホニル基、イソオキサゾリルスルホニル基、チアゾリルスルホニル基、イソチアゾリルスルホニル基、トリアゾリルスルホニル基、オキサジアゾリルスルホニル基、チアジアゾリルスルホニル基、テトラゾリルスルホニル基、ピリジルスルホニル基、ピラジニルスルホニル基、ピリミジニルスルホニル基、ピリダニジルスルホニル基、トリアジニルスルホニル基などを挙げることができる。
無置換の若しくは置換基を有するアルキルカルボニル基としては、メチルカルボニル基、エチルカルボニル基、n−プロピルカルボニル基、i−プロピルカルボニル基、n−ブチルカルボニル基、s−ブチルカルボニル基、i−ブチルカルボニル基、t−ブチルカルボニル基などを挙げることができる。
無置換の若しくは置換基を有するアリールカルボニル基としては、フェニルカルボニル基、ナフチルカルボニル基などを挙げることができる。
無置換の若しくは置換基を有するヘテロシクリルカルボニル基としては、アジリジニルカルボニル基、エポキシカルボニル基、ピロリジニルカルボニル基、テトラヒドロフラニルカルボニル基、チアゾリジニルカルボニル基、ピペリジルカルボニル基、ピペラジニルカルボニル基、モルホリニルカルボニル基、ジオキソラニルカルボニル基、ジオキサニルカルボニル基;ピロリルカルボニル基、フリルカルボニル基、チエニルカルボニル基、イミダゾリルカルボニル基、ピラゾリルカルボニル基、オキサゾリルカルボニル基、イソオキサゾリルカルボニル基、チアゾリルカルボニル基、イソチアゾリルカルボニル基、トリアゾリルカルボニル基、オキサジアゾリルカルボニル基、チアジアゾリルカルボニル基、テトラゾリルカルボニル基、ピリジルカルボニル基、ピラジニルカルボニル基、ピリミジニルカルボニル基、ピリダニジルカルボニル基、トリアジニルカルボニル基などを挙げることができる。
式〔I〕中のAは、式〔II〕または式〔III〕で表される基を示す。

Figure 0006681274
式〔II〕中、*は、式〔I〕中のXとの結合位置を示す。
式〔II〕中、Q1は、単結合、無置換の若しくは置換基を有するフェニレン基、エテン−1,2−ジイル基(−CH=CH−)、エチン−1,2−ジイル基(−C≡C−)、オキシ基(−O−)、チオ基(−S−)、スルフィニル基(−SO−)、スルホニル基(−SO2−)、または無置換若しくはN−置換イミノ基(−N(R14)−)を示す。これらの中でも、Q1は、単結合、無置換の若しくは置換基を有するフェニレン基、−CH=CH−、−C≡C−、−O−、または−S−であることが好ましい。
「フェニレン基」の置換基としては、C1〜6アルキル基、C3〜8シクロアルキル基、C6〜10アリール基、3〜6員ヘテロシクリル基、ヒドロキシル基、C1〜6アルコキシ基、C6〜10アリールオキシ基、カルボキシル基、ハロゲノ基、C1〜6ハロアルキル基、C6〜10ハロアリール基、C1〜6ハロアルコキシ基、アミノ基(NH2で表される基)、C1〜6アルキル置換アミノ基、C6〜10アリールアミノ基、C1〜7アシルアミノ基、C1〜6アルコキシカルボニルアミノ基、C1〜6アルキルチオ基、C6〜10アリールチオ基、ヘテロアリールチオ基、C7〜11アラルキルチオ基、C1〜6アルキルスルフィニル基、C6〜10アリールスルフィニル基、ヘテロアリールスルフィニル基、C7〜11アラルキルスルフィニル基、C1〜6アルキルスルホニル基、C6〜10アリールスルホニル基、ヘテロアリールスルホニル基、シアノ基、ニトロ基などが好ましい。
14は、水素原子、無置換の若しくは置換基を有する炭化水素基、無置換の若しくは置換基を有するヘテロシクリル基、ヒドロキシル基、無置換の若しくは置換基を有するアルコキシ基、無置換の若しくは置換基を有するアルコキシカルボニル基、無置換の若しくは置換基を有するアリールオキシ基、無置換の若しくは置換基を有するアミノ基、無置換の若しくは置換基を有するアルキルスルホニル基、無置換の若しくは置換基を有するアリールスルホニル基、無置換の若しくは置換基を有するヘテロシクリルスルホニル基、無置換の若しくは置換基を有するアルキルカルボニル基、無置換の若しくは置換基を有するアリールカルボニル基、または無置換の若しくは置換基を有するヘテロシクリルカルボニル基を示す。
「無置換の若しくは置換基を有する炭化水素基」、「無置換の若しくは置換基を有するヘテロシクリル基」、「無置換の若しくは置換基を有するアルコキシ基」、「無置換の若しくは置換基を有するアルコキシカルボニル基」、「無置換の若しくは置換基を有するアリールオキシ基」、「無置換の若しくは置換基を有するアミノ基」、「無置換の若しくは置換基を有するアルキルスルホニル基」、「無置換の若しくは置換基を有するアリールスルホニル基」、「無置換の若しくは置換基を有するヘテロシクリルスルホニル基」、「無置換の若しくは置換基を有するアルキルカルボニル基」、「無置換の若しくは置換基を有するアリールカルボニル基」、「無置換の若しくは置換基を有するヘテロシクリルカルボニル基」としては、式〔I〕中のR1〜R3の説明で例示したものと同じものをそれぞれ挙げることができる。
式〔II〕中のArは、無置換の若しくは置換基を有する二価の複素環式化合物残基を示す。
「二価の複素環式化合物残基」は複素環式化合物中の水素原子2個が抜けて形成される基である。複素環式化合物は単環の複素環式化合物および多環の複素環式化合物のいずれであってもよい。単環の複素環式化合物としては、五員環の複素環式化合物、六員環の複素環式化合物などを挙げることができる。多環の複素環式化合物は、少なくとも一つの環が複素環であれば、残りの環が飽和脂環、不飽和脂環または芳香環のいずれであってもよい。
「複素環式化合物」は、窒素原子、酸素原子および硫黄原子からなる群から選ばれる1〜4個のヘテロ原子を環の構成原子として含む環状化合物である。
「単環の複素環式化合物」としては、イミダゾール、ピラゾール、オキサゾール、チアゾール、トリアゾール、テトラゾール、ピロール、フラン、チオフェンなどの五員芳香族複素環式化合物や、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジンなどの六員芳香族複素環式化合物や、ピロリジン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロチオフェン、チアゾリンなどの五員飽和複素環式化合物や、ピペリジン、テトラヒドロピラン、テトラヒドロチオピランなどの六員飽和複素環式化合物や、ピロリン、イミダゾリン、ピラゾリン、オキサゾリン、イソオキサゾリンなどの五員部分不飽和複素環式化合物などを挙げることができる。
「多環の複素環式化合物」としては、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、インドール、イソインドール、ベンズイミダゾール、プリン、キノリン、イソキノリン、キノキサリン、シンノリン、プテリジン、クロメン、イソクロメンなどを挙げることができる。
これらの中でも、六員芳香族複素環式化合物又は多環の複素環式化合物が好ましく、ピリジンまたはベンゾフランがより好ましい。
「二価の複素環式化合物残基」上の置換基としては、C1〜6アルキル基、C3〜8シクロアルキル基、C6〜10アリール基、3〜6員ヘテロシクリル基、ヒドロキシル基、C1〜6アルコキシ基、C6〜10アリールオキシ基、カルボキシル基、ハロゲノ基、C1〜6ハロアルキル基、C6〜10ハロアリール基、C1〜6ハロアルコキシ基、アミノ基(NH2で表される基)、C1〜6アルキル置換アミノ基、C6〜10アリールアミノ基、C1〜7アシルアミノ基、C1〜6アルコキシカルボニルアミノ基、C1〜6アルキルチオ基、C6〜10アリールチオ基、ヘテロアリールチオ基、C7〜11アラルキルチオ基、C1〜6アルキルスルフィニル基、C6〜10アリールスルフィニル基、ヘテロアリールスルフィニル基、C7〜11アラルキルスルフィニル基、C1〜6アルキルスルホニル基、C6〜10アリールスルホニル基、ヘテロアリールスルホニル基、シアノ基、ニトロ基などが好ましい。これらの中でも、C1〜6アルキル基、C1〜6アルコキシ基、ハロゲノ基、又は、シアノ基がより好ましい。
式〔II〕中のR11〜R13は、それぞれ独立に、水素原子、無置換の若しくは置換基を有する炭化水素基、無置換の若しくは置換基を有するヘテロシクリル基、ヒドロキシル基、無置換の若しくは置換基を有するアルコキシ基、無置換の若しくは置換基を有するアルコキシカルボニル基、無置換の若しくは置換基を有するアリールオキシ基、または無置換の若しくは置換基を有するアミノ基、無置換の若しくは置換基を有するアルキルスルホニル基、無置換の若しくは置換基を有するアリールスルホニル基、無置換の若しくは置換基を有するヘテロシクリルスルホニル基、無置換の若しくは置換基を有するアルキルカルボニル基、無置換の若しくは置換基を有するアリールカルボニル基、または無置換の若しくは置換基を有するヘテロシクリルカルボニル基を示す。
11とR12とが結合してそれらがそれぞれ結合する二つの窒素原子および該二つの窒素原子が結合する一つの炭素原子と伴に4〜8員環を形成していてもよいし、R12とR13とが結合してそれらが結合する一つの窒素原子と伴に4〜8員環を形成していてもよいし、またはR11〜R13のいずれかひとつとArとが結合して環を形成していてもよい。
「無置換の若しくは置換基を有する炭化水素基」、「無置換の若しくは置換基を有するヘテロシクリル基」、「無置換の若しくは置換基を有するアルコキシ基」、「無置換の若しくは置換基を有するアルコキシカルボニル基」、「無置換の若しくは置換基を有するアリールオキシ基」、「無置換の若しくは置換基を有するアミノ基」、「無置換の若しくは置換基を有するアルキルスルホニル基」、「無置換の若しくは置換基を有するアリールスルホニル基」、「無置換の若しくは置換基を有するヘテロシクリルスルホニル基」、「無置換の若しくは置換基を有するアルキルカルボニル基」、「無置換の若しくは置換基を有するアリールカルボニル基」、「無置換の若しくは置換基を有するヘテロシクリルカルボニル基」としては、式〔I〕中のR1〜R3の説明で例示したものと同じものをそれぞれ挙げることができる。
Figure 0006681274
式〔III〕中、*は、式〔I〕中のXとの結合位置を示す。
式〔III〕中、Q2は、単結合、無置換の若しくは置換基を有するフェニレン基、−CH=CH−、−C≡C−、−O−、−S−、−SO−、−SO2−、または−N(R25)−を示す。これらの中でも、Q2は、単結合、無置換の若しくは置換基を有するフェニレン基、−CH=CH−、−C≡C−、−O−、または−S−であることが好ましい。
「フェニレン基」の置換基としては、C1〜6アルキル基、C3〜8シクロアルキル基、C6〜10アリール基、3〜6員ヘテロシクリル基、ヒドロキシル基、C1〜6アルコキシ基、C6〜10アリールオキシ基、カルボキシル基、ハロゲノ基、C1〜6ハロアルキル基、C6〜10ハロアリール基、C1〜6ハロアルコキシ基、アミノ基(NH2で表される基)、C1〜6アルキル置換アミノ基、C6〜10アリールアミノ基、C1〜7アシルアミノ基、C1〜6アルコキシカルボニルアミノ基、C1〜6アルキルチオ基、C6〜10アリールチオ基、ヘテロアリールチオ基、C7〜11アラルキルチオ基、C1〜6アルキルスルフィニル基、C6〜10アリールスルフィニル基、ヘテロアリールスルフィニル基、C7〜11アラルキルスルフィニル基、C1〜6アルキルスルホニル基、C6〜10アリールスルホニル基、ヘテロアリールスルホニル基、シアノ基、ニトロ基などが好ましい。
25は、水素原子、無置換の若しくは置換基を有する炭化水素基、無置換の若しくは置換基を有するヘテロシクリル基、ヒドロキシル基、無置換の若しくは置換基を有するアルコキシ基、無置換の若しくは置換基を有するアルコキシカルボニル基、無置換の若しくは置換基を有するアリールオキシ基、無置換の若しくは置換基を有するアミノ基、無置換の若しくは置換基を有するアルキルスルホニル基、無置換の若しくは置換基を有するアリールスルホニル基、無置換の若しくは置換基を有するヘテロシクリルスルホニル基、無置換の若しくは置換基を有するアルキルカルボニル基、無置換の若しくは置換基を有するアリールカルボニル基、または無置換の若しくは置換基を有するヘテロシクリルカルボニル基を示す。
「無置換の若しくは置換基を有する炭化水素基」、「無置換の若しくは置換基を有するヘテロシクリル基」、「無置換の若しくは置換基を有するアルコキシ基」、「無置換の若しくは置換基を有するアルコキシカルボニル基」、「無置換の若しくは置換基を有するアリールオキシ基」、「無置換の若しくは置換基を有するアミノ基」、「無置換の若しくは置換基を有するアルキルスルホニル基」、「無置換の若しくは置換基を有するアリールスルホニル基」、「無置換の若しくは置換基を有するヘテロシクリルスルホニル基」、「無置換の若しくは置換基を有するアルキルカルボニル基」、「無置換の若しくは置換基を有するアリールカルボニル基」、「無置換の若しくは置換基を有するヘテロシクリルカルボニル基」としては、式〔I〕中のR1〜R3の説明で例示したものと同じものをそれぞれ挙げることができる。
式〔III〕中のR21〜R23は、それぞれ独立に、水素原子、無置換の若しくは置換基を有する炭化水素基、無置換の若しくは置換基を有するヘテロシクリル基、ヒドロキシル基、無置換の若しくは置換基を有するアルコキシ基、無置換の若しくは置換基を有するアルコキシカルボニル基、無置換の若しくは置換基を有するアリールオキシ基、または無置換の若しくは置換基を有するアミノ基、無置換の若しくは置換基を有するアルキルスルホニル基、無置換の若しくは置換基を有するアリールスルホニル基、無置換の若しくは置換基を有するヘテロシクリルスルホニル基、無置換の若しくは置換基を有するアルキルカルボニル基、無置換の若しくは置換基を有するアリールカルボニル基、または無置換の若しくは置換基を有するヘテロシクリルカルボニル基を示す。
21とR22とが結合してそれらがそれぞれ結合する二つの窒素原子および該二つの窒素原子が結合する一つの炭素原子と伴に4〜8員環を形成していてもよいし、またはR22とR23とが結合してそれらが結合する一つの窒素原子と伴に4〜8員環を形成していてもよい。
「無置換の若しくは置換基を有する炭化水素基」、「無置換の若しくは置換基を有するヘテロシクリル基」、「無置換の若しくは置換基を有するアルコキシ基」、「無置換の若しくは置換基を有するアルコキシカルボニル基」、「無置換の若しくは置換基を有するアリールオキシ基」、「無置換の若しくは置換基を有するアミノ基」、「無置換の若しくは置換基を有するアルキルスルホニル基」、「無置換の若しくは置換基を有するアリールスルホニル基」、「無置換の若しくは置換基を有するヘテロシクリルスルホニル基」、「無置換の若しくは置換基を有するアルキルカルボニル基」、「無置換の若しくは置換基を有するアリールカルボニル基」、「無置換の若しくは置換基を有するヘテロシクリルカルボニル基」としては、式〔I〕中のR1〜R3の説明で例示したものと同じものをそれぞれ挙げることができる。
式〔III〕中のR24は、C1〜6アルキル基、C3〜8シクロアルキル基、C6〜10アリール基、3〜6員ヘテロシクリル基、ヒドロキシル基、C1〜6アルコキシ基、C6〜10アリールオキシ基、カルボキシル基、ハロゲノ基、C1〜6ハロアルキル基、C6〜10ハロアリール基、C1〜6ハロアルコキシ基、アミノ基(NH2で表される基)、C1〜6アルキル置換アミノ基、C6〜10アリールアミノ基、C1〜7アシルアミノ基、C1〜6アルコキシカルボニルアミノ基、C1〜6アルキルチオ基、C6〜10アリールチオ基、ヘテロアリールチオ基、C7〜11アラルキルチオ基、C1〜6アルキルスルフィニル基、C6〜10アリールスルフィニル基、ヘテロアリールスルフィニル基、C7〜11アラルキルスルフィニル基、C1〜6アルキルスルホニル基、C6〜10アリールスルホニル基、ヘテロシクリルスルホニル基、シアノ基、ニトロ基を示す
21〜R23のいずれかひとつとR24とが結合して環を形成していてもよい。
nは、R24の個数を示し、0〜4のいずれかひとつの整数である。nが2以上の場合、各R24は、同一でも相違してもよい。
本発明に係る化合物〔I〕には、水和物、各種溶媒和物や結晶多形などが含まれる。さらに、本発明に係る化合物〔I〕は、不斉炭素原子、二重結合などに基づく立体異性体、互変異性体およびそれらの混合物を包含する。
本発明に係る化合物〔I〕の塩は、農園芸学的に許容される塩であれば、特に制限されない。例えば、塩酸、硫酸などの無機酸の塩;酢酸、乳酸などの有機酸の塩;リチウム、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属の塩;カルシウム、マグネシウムなどのアルカリ土類金属の塩;鉄、銅などの遷移金属の塩;アンモニア、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ピリジン、ヒドラジンなどの有機塩基の塩などを挙げることができる。化合物〔I〕の塩は、化合物〔I〕から公知の手法によって得ることができる。
本発明に係る化合物〔I〕の具体例を表1〜12に示す。
表1〜2は式(A)で表される化合物中の置換基の組み合わせを示す。

Figure 0006681274
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Figure 0006681274
表3〜4は式(B)で表される化合物中の置換基の組み合わせを示す。

Figure 0006681274
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表5〜12は式(C)で表される化合物中の置換基の組み合わせを示す。

Figure 0006681274
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つぎに、本発明のアミジン化合物の製造例を示す。なお、以下に示す製造例は本発明を説明するためだけのものであって、本発明の範囲を制限するものではない。
製造例1
ピペラジン誘導体(1)と2−ハロ−5−シアノピリジン(2)とを反応させることにより化合物(3)を得ることができる。化合物(3)のシアノ基を常法にしたがってアミジノ基へ変換することにより、化合物(4)を得ることができる。化合物(4)のアミジノ基に保護基P’を導入した後、保護基Pを除去することにより、化合物(6)を得ることができる。化合物(6)の2級アミン部位と化合物(7)を反応させることにより、化合物(8)を得ることができる。最後に化合物(8)の保護基PおよびP’を除去することにより、本発明に係るアミジン化合物(9)を得ることができる。
Figure 0006681274
式中、XおよびZは、前述のとおりのものである。Halはハロゲン原子を示し、PおよびP’は保護基を示す。
製造例2
フェニルアミジン誘導体(10)と、化合物(11)を反応させることにより、化合物(12)を得ることができる。最後に化合物(12)の保護基PおよびP’を除去することにより、本発明に係るアミジン化合物(13)を得ることができる。
Figure 0006681274
式中、R24、n、Q2、X、Zは、前述のとおりのものである。Halはハロゲン原子を示し、PおよびP’は保護基を示す。
合成反応終了後は、有機合成化学における通常の後処理操作、および、必要により従来公知の分離精製手段を施すことによって、目的物を効率よく単離することができる。
目的物の構造は、1H−NMRスペクトル、IRスペクトル、マススペクトルの測定や、元素分析などにより、同定・確認することができる。
本発明に係る殺菌剤若しくは植物病害防除剤は、化合物〔I〕およびその塩からなる群から選ばれる少なくとも1つを有効成分として含有するものである。
本発明の殺菌剤若しくは植物病害防除剤に含有される前記有効成分の量は、製剤全体に対して、好ましくは0.01〜90重量%、より好ましくは0.05〜85重量%である。
本発明の殺菌剤若しくは植物病害防除剤は、農薬としてとり得る形態、即ち、水和剤、粒剤、粉剤、乳剤、水溶剤、懸濁剤、顆粒水和剤などの農薬製剤の形態で使用することができる。
固体の製剤に用いられる添加剤および担体としては、大豆粉、小麦粉などの植物性粉末、珪藻土、燐灰石、石こう、タルク、ベントナイト、パイロフィライト、クレーなどの鉱物性微粉末、安息香酸ソーダ、尿素、芒硝などの有機および無機化合物などを挙げることができる。
液体の製剤に用いられる溶剤としては、ケロシン、キシレンおよび石油系の芳香族炭化水素、シクロヘキサン、シクロヘキサノン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アルコール、アセトン、トリクロロエチレン、メチルイソブチルケトン、鉱物油、植物油、水などを挙げることができる。
さらに、これらの製剤において均一かつ安定な形態をとるために、必要に応じ界面活性剤を添加することができる。
添加することができる界面活性剤は特に限定されない。例えば、ポリオキシエチレンが付加したアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンが付加したアルキルエーテル、ポリオキシエチレンが付加した高級脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンが付加したソルビタン高級脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンが付加したトリスチリルフェニルエーテルなどの非イオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンが付加したアルキルフェニルエーテルの硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、高級アルコールの硫酸エステル塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ポリカルボン酸塩、リグニンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩のホルムアルデヒド縮合物、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体などを挙げることができる。
このようにして得られる、水和剤、乳剤、フロアブル剤、水溶剤、若しくは顆粒水和剤は水で所定の濃度に希釈して、溶解液、懸濁液あるいは乳濁液として植物に散布する方法で使用される。また、粉剤・粒剤はそのまま植物に散布する方法で使用される。
本発明の殺菌剤若しくは植物病害防除剤は、花卉、芝、牧草を含む農園芸作物の栽培に際し発生する種々の病害の防除に、種子処理、茎葉散布、土壌施用または水面施用などにより使用することができる。
本発明の殺菌剤若しくは植物病害防除剤の施用量は、気象条件、製剤形態、施用時期、施用方法、施用場所、防除対象病害、対象作物などにより異なるが、通常1ヘクタール当たり有効成分量にして好ましくは1〜1,000g、より好ましくは10〜100gである。
水和剤、乳剤、懸濁剤、水溶剤、顆粒水和剤などを水で希釈して施用する場合、その施用濃度は好ましくは1〜1,000ppm、より好ましくは10〜250ppmである。
本発明の殺菌剤若しくは植物病害防除剤は、広範囲の種類の糸状菌、例えば、藻菌類(Oomycetes)、子のう(嚢)菌類(Ascomycetes),不完全菌類(Deuteromycetes)、担子菌類(Basidiomycetes)、接合菌類(Zygomycetes)に属する菌に由来する植物病害の防除に使用できる。
防除の対象となる植物病害と病原菌の例を以下に示す。
テンサイ:褐斑病(Cercospora beticola)、黒根病(Aphanomyces cochlioides)、根腐病(Thanatephorus cucumeris)、葉腐病(Thanatephorus cucumeris)など
ラッカセイ:褐斑病(Mycosphaerella arachidis)、汚斑病(Ascochyta sp.)、さび病(Puccinia arachidis)、立枯病(Pythium debaryanum)、さび斑病(Alternaria alternata)、白絹病(Sclerotium rolfsii)黒渋病(Mycosphaerella berkeleyi)など
キュウリ:うどんこ病(Sphaerotheca fuliginea)、べと病(Pseudoperonospora cubensis)、つる枯病(Mycosphaerella melonis)、つる割病(Fusarium oxysporum)、菌核病(Sclerotinia sclerotiorum)、灰色かび病(Botrytis cinerea)、炭そ病(Colletotrichum orbiculare)、黒星病(Cladosporium cucumerinum)、褐斑病(Corynespora cassicola)、苗立枯病(Pythium debaryanam、Rhizoctonia solani Kuhn)、ホモプシス根腐病(Phomopsis sp.)斑点細菌病(Pseudomonas syringae pv. Lecrymans)など
トマト:灰色かび病(Botrytis cinerea)、葉かび病(Cladosporium fulvum)、疫病(Phytophthora infestans)、半身萎凋病(Verticillium albo-atrum)、うどんこ病(Oidium neolycopersici)、輪紋病(Alternaria solani)、すすかび病(Pseudocercospora fuligena)など
ナス:灰色かび病(Botrytis cinerea)、黒枯病(Corynespora melongenae)、うどんこ病(Erysiphe cichoracearum)、すすかび病(Mycovellosiella nattrassii)、菌核病(Sclerotinia sclerotiorum)など
イチゴ:灰色かび病(Botrytis cinerea)、うどんこ病(Sohaerotheca humuli)、炭そ病(Colletotrichum acutatum、Colletotrichum fragariae)、疫病(Phytophthora cactorum)、軟腐病(Rhizopus stolonifer)、萎黄病(Fusarium oxysporum)など
タマネギ:灰色腐敗病(Botrytis allii)、灰色かび病(Botrytis cinerea)、白斑葉枯病(Botrytis squamosa)、べと病(Peronospora destructor)、白色疫病(Phytophthora porri)など
キャベツ:根こぶ病(Plasmodiophora brassicae)、軟腐病(Erwinia carotovora)、黒腐病(Xanthomonas campesrtis pv. campestris)、黒斑細菌病(Pseudomonas syringae pv. maculicala、Pseudomonas syringae pv. alisalensis)、べと病(Peronospora parasitica)、菌核病(Sclerotinia sclerotiorum)、黒すす病(Alternaria brassicicola)、灰色かび病(Botrytis cinerea)など
インゲン:菌核病(Sclerotinia sclerotiorum)、灰色かび病(Botrytis cinerea)、炭疽病(Colletotrichum lindemuthianum)、角斑病(Phaeoisariopsis griseola)など
リンゴ:うどんこ病(Podosphaera leucotricha)、黒星病(Venturia inaequalis)、モニリア病(Monilinia mali)、黒点病(Mycosphaerella pomi)、腐らん病(Valsa mali)、斑点落葉病(Alternaria mali)、赤星病(Gymnosporangium yamadae)、輪紋病(Botryosphaeria berengeriana)、炭そ病(Glomerella cingulata、Colletotrichum acutatum)、褐斑病(Diplocarpon mali)、すす点病(Zygophiala jamaicensis)、すす斑病(Gloeodes pomigena)、紫紋羽病(Helicobasidium mompa)、灰色かび病(Botrytis cinerea)など
ウメ:黒星病(Cladosporium carpophilum)、灰色かび病(Botrytis cinerea)、灰星病(Monilinia mumecola)など
カキ:うどんこ病(Phyllactinia kakicola)、炭そ病(Gloeosporium kaki)、角斑落葉病(Cercospora kaki)など
モモ:灰星病(Monilinia fructicola)、黒星病(Cladosporium carpophilum)、ホモプシス腐敗病(Phomopsis sp.)、穿孔細菌病(Xanthomonas campestris pv. pruni)など
アーモンド:灰星病(Monilinia laxa)、斑点病(Stigmina carpophila)、黒星病(Cladosporium carpophilum)、葉ぶくれ病(Polystigma rubrum)、斑点落葉病(Alternaria
alternata)、炭疽病(Colletotrichum gloeospoides)など
オウトウ:灰星病(Monilinia fructicola)、炭そ病(Colletotrichum acutatum)、黒斑病(Alternaria sp.)、幼果菌核病(Monilinia kusanoi)など
ブドウ:灰色かび病(Botrytis cinerea)、うどんこ病(Uncinula necator)、晩腐病(Glomerella cingulata、Colletotrichum acutatum)、べと病(Plasmopara viticola)、黒とう病(Elsinoe ampelina)、褐斑病(Pseudocercospora vitis)、黒腐病(Guignardia bidwellii)、白腐病(Coniella castaneicola)など
ナシ:黒星病(Venturia nashicola)、赤星病(Gymnosporangium asiaticum)、黒斑病(Alternaria kikuchiana)、輪紋病(Botryosphaeria berengeriana)、うどんこ病(Phyllactinia mali)、胴枯病(Phomopsis fukushii)、褐色斑点病(Stemphylium vesicarium)、炭そ病(Glomerella cingulata)など
チャ:輪斑病(Pestalotia theae)、炭そ病(Colletotrichum theae-sinensis)など
カンキツ:そうか病(Elsinoe fawcetti)、青かび病(Penicillium italicum)、緑かび病(Penicillium digitatum)、灰色かび病(Botrytis cinerea)、黒点病(Diaporthe citri)、かいよう病(Xanthomonas campestris pv.Citri)、うどんこ病(Oidium sp.)など
コムギ:うどんこ病(Erysiphe graminis f.sp.Tritici)、赤かび病(Gibberella zeae)、赤さび病(Puccinia recondita)、褐色雪腐病(Pythium iwayamai)、紅色雪腐病(Monographella nivalis)、眼紋病(Pseudocercosporella herpotrichoides)、葉枯病(Septoria tritici)、ふ枯病(Leptosphaeria nodorum)、雪腐小粒菌核病(Typhula incarnata)、雪腐大粒菌核病(Myriosclerotinia borealis)、立枯病(Gaeumanomyces graminis)、麦角病(Claviceps purpurea)、なまぐさ黒穂病(Tilletia caries)、裸黒穂病(Ustilago nuda)など
オオムギ:斑葉病(Pyrenophora graminea)、網斑病(Pyrenophora teres)、雲形病(Rhynchosporium secalis)、裸黒穂病(Ustilago tritici、U.nuda)など
イネ:いもち病(Pyricularia oryzae)、紋枯病(Rhizoctonia solani)、馬鹿苗病(Gibberella fujikuroi)、ごま葉枯病(Cochliobolus miyabeanus)、苗立枯病(Pythium
graminicolum)、白葉枯病(Xanthomonas oryzae)、苗立枯細菌病(Burkholderia plantarii)、褐条病(Acidovorax avenae)、もみ枯細菌病(Burkholderia glumae)、すじ葉枯病(Cercospora oryzae)、稲こうじ病(Ustilaginoidea virens)、褐色米(Alternaria alternata、Curvularia intermedia)、腹黒米(Alternaria padwickii)、紅変米(Epicoccam purpurascenns)など
タバコ:菌核病(Sclerotinia sclerotiorum)、うどんこ病(Erysiphe cichoracearum)、疫病(Phytophthora nicotianae)、など
チューリップ:灰色かび病(Botrytis cinerea)など
ヒマワリ:べと病(Plasmopara halstedii)、菌核病(Sclerotinia sclerotiorum)など
ベントグラス:雪腐大粒菌核病(Sclerotinia borealis)、ラージパッチ(Rhizoctonia solani)、ダラースポット(Sclerotinia homoeocarpa)、いもち病(Pyricularia sp.)、赤焼病(Pythium aphanidermatum)、炭そ病(Colletotrichum graminicola)など
オーチャードグラス:うどんこ病(Erysiphe graminis)など
ダイズ:紫斑病(Cercospora kikuchii)、べと病(Peronospora manshurica)、茎疫病(Phytophthora sojae)、さび病(Phakopsora pachyrhizi)、菌核病(Sclerotinia sclerotiorum)、炭そ病(Colletotrichum truncatum)、灰色かび病(Botrytis cinerea)など
ジャガイモ:疫病(Phytophthora infestans)、夏疫病(Aleternaria solani)、黒あざ病(Thanatephorus cucumeris)など
バナナ:パナマ病(Fusarium oxysporum)、シガトカ病(Mycosphaerella fijiensis、Mycosphaerella musicola)など
ナタネ:菌核病(Sclerotinia sclerotiorum)、根朽病(Phoma lingam)、黒斑病(Alternaria brassicae)など
コーヒー:さび病(Hemileia vastatrix)、炭疽病(Colletotrichum coffeanum)、褐眼病(Cercospora coffeicola)など
サトウキビ:褐さび病(Puccinia melanocephala)など
トウモロコシ:ひょう紋病(Gloecercospora sorghi)、さび病(Puccinia sorghi)、南方さび病(Puccinia polysora)、黒穂病(Ustilago maydis)、ごま葉枯病(Cochliobolus heterostrophus)、すす紋病(Setophaeria turcica)など
ワタ:苗立枯病(Pythium sp)、さび病(Phakopsora gossypii)、白かび病(Mycosphaerella areola)、炭疽病(Glomerella gossypii)など
本発明の殺菌剤若しくは植物病害防除剤は薬害が少なく、魚類や温血動物への毒性が低く、安全性の高い薬剤である。
本発明の殺菌剤若しくは植物病害防除剤には、他の殺菌剤や殺虫・殺ダニ剤、殺線虫剤、殺土壌害虫剤、駆虫剤、植物生長調節剤、共力剤等と混合または併用してもよい。
以下にその一例を示す。
殺菌剤:
(1)核酸生合成阻害剤:
(a)RNAポリメラーゼI阻害剤: ベナラキシル、ベナラキシル-M、フララキシル、メタラキシル、メタラキシル-M;オキサジキシル;クロジラコン、オフレース;
(b)アデノシンデアミナーゼ阻害剤: ブピリメート、ジメチリモール、エチリモール;
(c)DNA/RNA合成阻害剤: ハイメキサゾール、オクチリノン;
(d)DNAトポイソメラーゼII阻害剤: オキソリン酸;
(2)有糸核分裂阻害剤および細胞分裂阻害剤:
(a)β−チューブリン重合阻害剤: ベノミル、カルベンダジム、クロルフェナゾール、フベリダゾール、チアベンダゾール;チオファネート、チオファネートメチル(thiophanate-methyl);ジエトフェンカルブ;ゾキサミド;エタボキサム;
(b)細胞分裂阻害剤: ペンシクロン;
(c)スペクトリン様タンパク質の非局在化阻害剤: フルオピコリド;
(3)呼吸阻害剤:
(a)複合体I NADH酸化還元酵素阻害剤: ジフルメトリム;トルフェンピラド;
(b)複合体IIコハク酸脱水素酵素阻害剤: ベノダニル、フルトラニル、メプロニル;イソフェタミド;フルオピラム;フェンフラム、フルメシクロックス;カルボキシン、オキシカルボキシン;チフルザミド;ベンゾビンジフルピル、ビキサフェン、フルキサピロキサド、フラメトピル、イソピラザム、ペンフルフェン、ペンチオピラド、セダキサン;ボスカリド;
(c)複合体IIIユビキノールオキシダーゼQo阻害剤: アゾキシストロビン、クモキシストロビン、クメトキシストロビン、エノキサストロビン、フルフェノキシストロビン、ピクオキシストロビン、ピラオキシストロビン;ピラクロストロビン、ピラメトストロビン、トリクロピリカルブ;クレソキシム-メチル、トリフロキシストロビン;ジモキシストロビン、フェナミンストロビン、メトミノストロビン、オリサストロビン;ファモキサドン;フルオキサストロビン;フェンアミドン;ピリベンカルブ;
(d)複合体IIIユビキノール還元酵素Qi阻害剤: シアゾファミド;アミスルブロム;
(e)酸化的リン酸化の脱共役剤: ビナパクリル、メプチルジノカップ、ジノカップ;フルアジナム;フェリムゾン;
(f)酸化的リン酸化阻害剤(ATP 合成酵素の阻害剤): フェンチンアセテート、塩化フェンチン、水酸化フェンチン;
(g)ATP生産阻害剤: シルチオファム;
(h)複合体III:チロクロームbc1(ユビキノン還元酵素)のQx(未知)阻害剤: アメトクトラジン;
(4)アミノ酸およびタンパク質合成阻害剤
(a)メチオニン生合成阻害剤: アンドプリム、シプロジニル、メパニピリム、ピリメタニル;
(b)タンパク質合成阻害剤: ブラストサイジン-S;カスガマイシン、カスガマイシン塩酸塩;ストレプトマイシン;オキシテトラサイクリン;
(5)シグナル伝達阻害剤:
(a)シグナル伝達阻害剤: キノキシフェン、プロキナジド;
(b)浸透圧シグナル伝達におけるMAP・ヒスチジンキナーゼ阻害剤: フェンピクロニル、フルジオキソニル;クロゾリメート、イプロジオン、プロシミドン、ビンクロゾリン;
(6)脂質および細胞膜合成阻害剤:
(a)りん脂質生合成、メチルトランス-フェラーゼ阻害剤: エジフェンホス、イプロベンホス、ピラゾホス;イソプロチオラン;
(b)脂質の過酸化剤: ビフェニル、クロロネブ、ジクロラン、キンドゼン、テクナゼン、トルクロホスメチル;エトリジアゾール;
(c)細胞膜に作用する剤: ヨードカルブ、プロパモカルブ、プロパモカルブ塩酸塩、プロパモカルブホセチレート、プロチオカルブ;
(d)病原菌細胞膜を撹乱する微生物: バチルスズブチリス菌、バチルス ズブチリスQST713 株、バチルス ズブチリスFZB24 株、バチルス ズブチリスMBI600 株、バチルス ズブチリスD747株;
(e)細胞膜を撹乱する剤: ゴセイカユプテ(ティーツリー)の抽出物;
(7)細胞膜のステロール生合成阻害剤:
(a)ステロール生合成におけるC14位の脱メチル化阻害剤: トリホリン;ピリフェノックス、ピリイソキサゾール;フェナリモル、フルルプリミドール、ヌアリモル;イマザリル、イマザリル硫酸塩、オキスポコナゾール、ペフラゾエート、プロクロラズ、トリフルミゾール、ビニコナゾール;
アザコナゾール、ビテルタノール、ブロムコナゾール、シプロコナゾール、ジクロブトラゾール、ジフェノコナゾール、ジニコナゾール、ジニコナゾール-M、エポキシコナゾール、エタコナゾール、フェンブコナゾール、フルキンコナゾール、フルシラゾール、フルトリアホール)、フルコナゾール、フルコナゾール−シス、ヘキサコナゾール、イミベンコナゾール、イプコナゾール、メトコナゾール、ミクロブタニル、ペンコナゾール、プロピコナゾール、キンコナゾール、シメコナゾール、テブコナゾール、テトラコナゾール、トリアジメホン、トリアジメノール、トリチコナゾール;プロチオコナゾール、ボリコナゾール;
(b)ステロール生合成におけるΔ14還元酵素およびΔ8→Δ7−イソメラーゼの阻害剤:
アルジモルフ、ドデモルフ、ドデモルフ酢酸塩、フェンプロピモルフ、トリデモルフ;フェンプロピジン、ピペラリン;スピロキサミン;
(c)ステロール生合成系のC4位脱メチル化における3-ケト還元酵素阻害剤: フェンヘキサミド;フェンピラザミン;
(d)ステロール生合成系のスクワレンエポキシダーゼ阻害剤: ピリブチカルブ;ナフチフェン、テルビナフィン;
(8)細胞壁合成阻害
(a)トレハラーゼ阻害剤: バリダマイシン;
(b)キチン合成酵素阻害剤: ポリオキシン、ポリオクソリム;
(c)セルロース合成酵素阻害剤: ジメトモルフ、フルモルフ、ピリモルフ;ベンチアバリカルブ、イプロバリカルブ、トルプロカルブ、バリフェナレート;マンジプロパミド;
(9)メラニン生合成阻害剤
(a)メラニン生合成の還元酵素阻害剤: フサライド;ピロキロン;トリシクラゾール;
(b)メラニン生合成の脱水酵素阻害剤: カルプロパミド;ジクロシメット;フェノキサニル;
(10)宿主植物の抵抗性誘導剤:
(a)サリチル酸合成経路に作用する剤: アシベンゾラル-S-メチル;
(b)その他: プロベナゾール;チアジニル;イソチアニル;ラミナリン;オオイタドリ抽出液;
(11)作用性が不明な剤: シモキサニル、ホセチルアルミニウム、リン酸(リン酸塩)、テクロフタラム、トリアゾキシド、フルスルファミド、ジクロメジン、メタスルホカルブ、シフルフェナミド、メトラフェノン、ピリオフェノン、ドジン、ドジン遊離塩基、フルチアニル;
(12)多作用点を有する剤: 銅(銅塩)、ボルドー液、水酸化銅、銅ナフタレート、酸化銅、オキシ塩化銅、硫酸銅、硫黄、硫黄製品、多硫化カルシウム;ファーバム、マンコゼブ、マネブ、マンカッパー、メチラム、ポリカーバメート、プロピネブ、チラム、ジネブ、ジラム;キャプタン、カプタホール、フォルペット;クロロタロニル;ジクロフルアニド、トリルフルアニド;グアザチン、イミノクタジン酢酸塩、イミノクタジンアルベシル酸塩;アニラジン;ジチアノン;キノメチオネート;フルオルイミド;
(13)その他の剤: DBEDC、フルオロフォルペット、グアザチンアセテート、ビス(8-キノリノラト)銅(II)、プロパミジン、クロロピクリン、シプロフラム、アグロバクテリウム、ベトキサジン、ジフェニルアミン、メチルイソチアネート(MITC)、ミルデオマイシン、カプサイシン、クフラネブ、シプロスルファミド、ダゾメット、デバカルブ、ジクロロフェン、ジフェンゾクワット、ジフェンゾクワットメチルスルホネート、フルメトベル、ホセチルカルシウム、ホセチルナトリウム、イルママイシン、ナタマイシン、ニトロタールイソプロピル、オキサモカルブ、プロパモシンナトリウム、ピロールニトリン、テブフロキン、トルニファニド、ザリラミド、アルゴフェーズ(Algophase)、アミカルチアゾール(Amicarthiazol)、オキサチアピプロリン(Oxathiapiprolin)、メチラム亜鉛、ベンチアゾール、トリクラミド、ユニコナゾール、ミルデオマイシン、オキシフェンチイン(Oxyfenthiin)、ピカルブトラゾクス(picarbutrazox);
殺虫・殺ダニ剤、殺線虫剤、殺土壌害虫剤:
(1)アセチルコリンエステラーゼ阻害剤:
(a)カーバメート系: アラニカルブ、アルジカルブ、ベンジオカルブ、ベンフラカルブ、ブトカルボキシム、ブトキシカルボキシム、カルバリル、カルボフラン、カルボスルファン、エチオフェンカルブ、フェノブカルブ、ホルメタネート、フラチオカルブ、イソプロカルブ、メチオカルブ、メソミル、オキサミル、ピリミカルブ、プロポキサル、チオジカルブ、チオファノックス、トリアザメート、トリメタカルブ、XMC、キシリルカルブ;フェノチオカルブ、MIPC、MPMC、MTMC、アルドキシカルブ、アリキシカルブ、アミノカルブ、ブフェンカルブ、クロエトカルブ、メタム・ナトリウム、プロメカルブ;
(b)有機リン系: アセフェート、アザメチホス、アジンホス-エチル、アジンホス-メチル、カズサホス、クロルエトキシホス、クロルフェンビンホス、クロルメホス、クロルピリホス、クロルピリホス-メチル、クマホス、シアノホス、ジメトン-S-メチル、ダイアジノン、ジクロルボス/DDVP、ジクロトホス、ジメトエート、ジメチルビンホス、ジスルホトン、EPN、エチオン、エトプロホス、ファムフール、フェナミホス、フェニトロチオン、フェンチオン、ホスチアゼート、ヘプテノホス、イミシアホス、イソフェンホス、イソカルボホス、イソキサチオン、マラチオン、メカルバム、メタミドホス、メチダチオン、メビンホス、モノクロトホス、ナレド、オメトエート、オキシジメトン-メチル、パラチオン、パラチオン-メチル、フェントエート、ホレート、ホサロン、ホスメット、ホスファミドン、ホキシム、ピリミホス-メチル、プロフェノホス、プロペタムホス、プロチオホス、ピラクロホス、ピリダフェンチオン、キナルホス、スルホテップ、テブピリンホス、テメホス、テルブホス、テトラクロルビンホス、チオメトン、トリアゾホス、トリクロルホン、バミドチオン;ブロモホス・エチル、BRP、カルボフェノチオン、シアノフェンホス、CYAP、ジメトン-S-メチルスルホン、ジアリホス、ジクロフェンチオン、ジオキサベンゾホス、エトリムホス、フェンスルホチオン、フルピラゾホス、ホノホス、ホルモチオン、ホスメチラン、イサゾホス、ヨードフェンホス、メタクリホス、ピリミホス−エチル、ホスホカルブ、プロパホス、プロトエート、スルプロホス;
(2)GABA-作動性塩素イオンチャネルアンタゴニスト: クロルデン、エンドスルファン、エチプロール、フィプロニル、ピラフルプロール、ピリプロール;カンフェクロル、ヘプタクロル、ジエノクロル;
(3)ナトリウムチャンネルモジュレーター: アクリナトリン、d-シス-トランス アレスリン、d-トランスアレスリン、ビフェントリン、ビオアレスリン、ビオアレスリンS-シクロペンチル異性体、ビオレスメトリン、シクロプロトリン、シフルトリン、ベータ-シフルトリン、シハロトリン、ラムダ-シハロトリン、ガンマ-シハロトリン、シペルメトリン、アルファ-シペルメトリン、ベータ-シペルメトリン、シータ-シペルメトリン、ゼータ-シペルメトリン、シフェノトリン[(1R)-トランス異性体]、デルタメトリン、エンペントリン[(EZ)-(1R)-異性体]、エスフェンバレレート、エトフェンプロックス、フェンプロパトリン、フェンバレレート、フルシトリネート、フルメトリン、タウ-フルバリネート、ハルフェンプロックス、イミプリトリン、カデスリン、ペルメトリン、フェノトリン[(1R)-トランス異性体]、プラレトリン、ピレスラム、レスメトリン、シラフルオフェン、テフルスリン、テトラメスリン、テトラメトリン[(1R)-異性体]、トラロメトリン、トランスフルトリン;アレスリン、ピレトリン、ピレトリンI、ピレトリンII、プロフルトリン、ジメフルトリン、ビオエタノメトリン、ビオペルメトリン、トランスペルメトリン、フェンフルトリン、フェンピリトリン、フルブロシトリネート、フルフェンプロックス、メトフルトリン、プロトリフェンブト、ピレスメトリン、テラレトリン;
(4)ニコチン性アセチルコリン受容体アゴニスト: アセタミプリド、クロチアニジン、ジノテフラン、イミダクロプリド、ニテンピラム、ニチアジン、チアクロプリド、チアメトキサム、スルフォキサフロール、ニコチン;フルピラジフロン;
(5)ニコチン性アセチルコリン受容体アロステリックモジュレーター: スピネトラム、スピノサド;
(6)クロライドチャンネル活性化剤: アバメクチン、エマメクチン安息香酸塩、レピメクチン、ミルベメクチン;イベルメクチン、セラメクチン、ドラメクチン、エプリノメクチン、モキシデクチン、ミルベマイシン、ミルベマイシンオキシム;
(7)幼若ホルモン様物質: ヒドロプレン、キノプレン、メソプレン、フェノキシカルブ、ピリプロキシフェン;ジオフェノラン、エポフェノナン、トリプレン;
(8)その他非特異的阻害剤: 臭化メチル、クロルピクリン、フッ化スルフリル、ホウ砂、吐酒石;
(9)同翅目選択的摂食阻害剤: フロニカミド、ピメトロジン、ピリフルキナゾン;
(10)ダニ類生育阻害剤: クロフェンテジン、ジフロビダジン、ヘキシチアゾクス、エトキサゾール;
(11)微生物由来昆虫中腸内膜破壊剤: バチルス・チューリンゲンシス亜種イスラエレンシ、バチルス・スファエリクス、バチルス・チューリンゲンシス亜種アイザワイ、バチルス・チューリンゲンシス亜種クルスタキ、バチルス・チューリンゲンシス亜種テネブリオニス、Bt作物タンパク質:Cry1Ab、Cry1Ac、Cry1Fa、Cry1A.105、Cry2Ab、Vip3A、mCry3A、Cry3Ab、Cry3Bb、Cry34Ab1/Cry35Ab1;
(12)ミトコンドリアATP生合成酵素阻害剤: ジアフェンチウロン、アゾシクロチン、シヘキサチン、酸化フェンブタスズ、プロパルギット、テトラジホン;
(13)酸化的リン酸化脱共役剤: クロルフェナピル、スルフラミド、DNOC;ビナパクリル、ジノブトン、ジノカップ;
(14)ニコチン性アセチルコリン受容体チャンネルブロッカー: ベンスルタップ、カルタップ塩酸塩;ネライストキシン;チオスルタップ一ナトリウム塩、チオシクラム;
(15)キチン合成阻害剤: ビストリフルロン、クロルフルアズロン、ジフルベンズロン、フルシクロクスロン、フルフェノクスロン、ヘキサフルムロン、ルフェヌロン、ノバルロン、ノビフルムロン、テフルベンズロン、トリフルムロン、ブプロフェジン、フルアズロン;
(16)双翅目脱皮かく乱剤: シロマジン;
(17)脱皮ホルモン受容体アゴニスト: クロマフェノジド、ハロフェノジド、メトキシフェノジド、テブフェノジド;
(18)オクトパミン受容体アゴニスト: アミトラズ、デミジトラズ、クロルジメホルム;
(19)ミトコンドリア電子伝達系複合体III阻害剤: アセキノシル、フルアクリピリム、ヒドラメチルノン;
(20)ミトコンドリア電子伝達系複合体I阻害剤: フェナザキン、フェンプロキシメート、ピリミジフェン、ピリダベン、テブフェンピラド、トルフェンピラド、ロテノン;
(21)電位依存性ナトリウムチャネルブロッカー: インドキサカルブ、メタフルミゾン;
(22)アセチルCoAカルボキシラーゼ阻害剤: スピロジクロフェン、スピロメシフェン、スピロテトラマト;
(23)ミトコンドリア電子伝達系複合体IV阻害剤: リン化アルミニウム、リン化カルシウム、ホスフィン、リン化亜鉛、シアニド;
(24)ミトコンドリア電子伝達系複合体II阻害剤: シエノピラフェン、シフルメトフェン、ピフルブミド;
(25)リアノジン受容体モジュレーター: クロラントラニリプロール、シアントラニプロール、フルベンジアミド、シクラニリプロール、テトラニリプロール;
(26)混合機能オキシダーゼ阻害剤化合物: ピペロニルブトキシド;
(27)ラトロフィリン受容体作用薬: デプシペプチド、環状デプシペプチド、24員環状デプシペプチド、エモデプシド;
(28)その他の剤(作用機構が未知): アザジラクチン、ベンゾキシメート、ビフェナゼート、ブロモプロピレート、キノメチオネート、クリオライト、ジコホル、ピリダリル、;ベンクロチアズ、硫黄、アミドフルメット、1,3−ジクロロプロペン、DCIP、フェニソブロモレート、ベンゾメート、メタアルデヒド、クロルベンジレート、クロチアゾベン、ジシクラニル、フェノキサクリム、フェントリファニル、フルベンジミン、フルフェナジン、ゴシップルア、ジャポニルア、メトキサジアゾン、石油、オレイン酸カリウム、テトラスル、トリアラセン;アフィドピロペン(afidopyropen)、フロメトキン、フルフィプロル(flufiprole)、フルエンスルフォン、メペルフルスリン、テトラメチルフルスリン、トラロピリル、ジメフルスリン、メチルネオデカンアミド;フルララネル、アフォキソラネル、フルキサメタミド、5−[5−(3,5−ジクロロフェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロイソオキサゾール−3−イル]−2−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)ベンゾニトリル(CAS:943137-49-3)、ブロフラニリド、その他のメタジアミド類;
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。なお、本発明は以下の実施例によって制限を受けるものではなく、本発明の趣旨に適合し得る範囲で適宜に変更を加えて実施することが勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
(参考例1)tert−ブチル N−[(6−ブロモヘキシルアミノ)−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)メチレン]カルバメート<N-[(6-Bromohexylamino)-(tert-butoxycarbonylamino)methylene]carbamate>の合成

Figure 0006681274

N,N−ジメチルホルムアミド(30mL)に、1,3−ビス(tert−ブトキシカルボニル)グアニジン(2.60g)及び1,6−ジブロモヘキサン(7.32g)を溶解させた。これに室温下で炭酸カリウム(1.39g)を添加した。それを50℃で8時間撹拌した。その後、室温まで冷却した。得られた液を水に注ぎ入れた。次いで酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせ、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。その後、ろ過した。ろ液を減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製することで、表題化合物(2.57g、収率61%)を得た。得られた化合物のNMR分析の結果は以下のとおりであった。
1HNMR(CDCl3)1.28-1.39(m,2H),1.41-1.67(m,22H),1.87(tt,2H),3.41(t,2H),3.89(t,2H).
実施例1
(工程1)ベンジル 4−(3−ヒドロキシプロピル)ピペラジン−1−カルボキシレート<Benzyl 4-(3-hydroxypropyl)piperazine-1-carboxylate>の合成

Figure 0006681274

ベンジル ピペラジン−1−カルボキシレート(10.50g)のテトラヒドロフラン(225mL)溶液に、トリエチルアミン(5.51g)、ヨウ化ナトリウム(0.68g)及び3−ブロモ−1−プロパノール(9.77g)を添加した。次いでこれを50℃で一晩撹拌した。その後、室温まで冷却した。得られた液を水に注ぎ入れ、酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせて、飽和食塩水で洗浄し、表題化合物(11.62g、収率92%)を得た。得られた化合物のNMR分析の結果は以下のとおりであった。
1HNMR(CDCl3)1.74(tt,2H),2.41-2.57(m,4H),2.62(t,2H),3.52(t,4H),3.81(t,2H),4.76(br.s,1H,OH),5.13(s,2H),7.27-7.41(m,5H).
(工程2)ベンジル 4−[3−[(5−シアノ−2−ピリジル)オキシ]プロピル]ピペラジン−1−カルボキシレート<Benzyl 4-[3-[(5-cyano-2-pyridyl)oxy]propyl]piperazine-1-carboxylate>の合成

Figure 0006681274

工程1で得られたベンジル 4−(3−ヒドロキシプロピル)ピペラジン−1−カルボキシレート(2.00g)のN,N−ジメチルホルムアミド(35mL)溶液に、0℃にて、水素化ナトリウム(0.38g,60%鉱油分散)を加えた。室温まで昇温し、室温にて30分間撹拌した。0℃に冷却し、次いで5−シアノ−2−クロロピリジン(1.00g)を加えた。室温まで昇温し、次いで室温で一晩撹拌した。得られた液を水に注ぎ入れ、酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせて、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。その後、ろ過した。ろ液を減圧濃縮して得られた残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製することで、表題化合物(1.74g、収率64%)を得た。得られた化合物のNMR分析の結果は以下のとおりであった。
1HNMR(CDCl3)1.97(tt,2H),2.35-2.48(m,4H),2.51(t,2H),3.52(t,4H),4.42(t,2H),5.13(s,2H),6.79(d,1H),7.27-7.41(m,5H),7.76(dd,1H),8.46(d,1H).
(工程3)ベンジル 4−[3−[[5−(N−tert−ブトキシカルボニルカルバイミドイル)−2−ピリジル]オキシ]プロピル]ピペラジン−1−カルボキシレート<Benzyl 4-[3-[[5-(N-tert-butoxycarbonylcarbamimidoyl)-2-pyridyl]oxy]propyl]piperazine-1-carboxylate>の合成

Figure 0006681274

工程2で得られたベンジル 4−[3−[(5−シアノ−2−ピリジル)オキシ]プロピル]ピペラジン−1−カルボキシレート(1.72g)のテトラヒドロフラン(20mL)溶液に、室温下、リチウム ビス(トリメチルシリル)アミド(12mL,1.3Mテトラヒドロフラン溶液)を添加した。室温にて一晩撹拌した。その後、水浴で冷却しながら塩化水素/1,4−ジオキサン溶液(6mL,4M)を加えた。次いで3時間撹拌した。その後、得られた液を減圧濃縮した。
得られた残渣をN,N−ジメチルホルムアミド(20mL)に溶解させた。室温下、トリエチルアミン(2.29g)を添加した。次いでジ−tert−ブチル ジカーボネート(2.17g)のN,N−ジメチルホルムアミド(10mL)溶液を添加した。これを室温下1週間撹拌した。その後、水に注ぎ入れ、クロロホルムで抽出した。有機層を合わせ、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。次いでろ過した。ろ液を減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製することで、表題化合物(1.69g、収率75%)を得た。得られた化合物のNMR分析の結果は以下のとおりであった。
1HNMR(CDCl3)1.54(s,9H),1.96(tt,2H),2.27-2.61(m,6H),3.44-3.61(m,4H),4.29-4.47(m,2H),5.13(s,2H),6.72(d,1H),7.28-7.40(m,5H),8.11(dd,1H),8.59(d,1H).
(工程4)tert−ブチル N−[6−(3−ピペラジン−1−イルプロポキシ)ピリジン−3−カルボキシイミドイル]カルバメート<tert-Butyl N-[6-(3-piperazin-1-ylpropoxy)pyridine-3-carboximidoyl]carbamate>の合成

Figure 0006681274

工程3で得られたベンジル 4−[3−[[5−(N−tert−ブトキシカルボニルカルバイミドイル)−2−ピリジル]オキシ]プロピル]ピペラジン−1−カルボキシレート(1.69g)のメタノール(51mL)溶液に、パラジウム炭素(0.85g,10%wet)を加え、水素雰囲気下、一晩反応させた。得られた液をセライトでろ過した。ろ液を減圧濃縮し、残渣をアミノシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製することで、表題化合物(1.12g、収率91%)を得た。得られた化合物のNMR分析の結果は以下のとおりであった。
1HNMR(CDCl3)1.55(s,9H),1.97(tt,2H),2.33-2.56(m,6H),2.89(t,4H),4.38(t,2H),6.74(d,1H),8.11(dd,1H),8.58(d,1H).
(工程5)tert−ブチル N−[6−[3−[4−[6−[[N,N’−ビス(tert−ブトキシカルボニル)カルバイミドイル]アミノ]ヘキシル]ピペラジン−1−イル]プロポキシ]ピリジン−3−カルボキシイミドイル]カルバメート<tert-Butyl N-[6-[3-[4-[6-[[N,N’-bis(tert-butoxycarbonyl)carbamimidoyl]amino]hexyl]piperazin-1-yl]propoxy]pyridine-3-carboximidoyl]carbamate>の合成

Figure 0006681274

工程4で得られたtert−ブチル N−[6−(3−ピペラジン−1−イルプロポキシ)ピリジン−3−カルボキシイミドイル]カルバメート(1.12 g)及び参考例1で得られたtert−ブチル N−[(6−ブロモヘキシルアミノ)−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)メチレン]カルバメート(1.56g)をN,N−ジメチルホルムアミド(15mL)に溶解させた。これに、室温下、炭酸カリウム(0.51g)を添加した。その後、50℃に昇温し、同温で一晩撹拌した。次いで、得られた液を水に注ぎ入れ、クロロホルムで抽出した。有機層を合わせ、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。その後、ろ過した。ろ液を減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製することで表題化合物(化合物番号1:0.89g、収率41%)を得た。得られた化合物のNMR分析の結果は以下のとおりであった。
1HNMR(CDCl3)1.25-1.37(m,4H),1.44-1.62(m,31H),1.97(dt,2H),2.32(t,2H),2.38-2.61(m,10H),3.88(t,2H),4.38(t,2H),6.74(d,1H),8.12(dd,1H),8.59(d,1H).
実施例2
6−[3−[4−(6−グアニジノヘキシル)ピペラジン−1−イル]プロポキシ]ピリジン−3−カルボキシアミジン 塩酸塩<6-[3-[4-(6-Guanidinohexyl)piperazin-1-yl]propoxy]pyridine-3-carboxamidine hydrochloride>の合成

Figure 0006681274

実施例1工程5で得られたtert−ブチル N−[6−[3−[4−[6−[[N,N’−ビス(tert−ブトキシカルボニル)カルバイミドイル]アミノ]ヘキシル]ピペラジン−1−イル]プロポキシ]ピリジン−3−カルボキシイミドイル]カルバメート(0.89g)をジクロロメタン(15mL)に溶解させた。これに、トリフルオロ酢酸(15mL)を加え、一晩撹拌した。その後、得られた液を減圧濃縮した。残渣をメタノール(10mL)に溶解させた。その後、塩化水素/1,4−ジオキサン溶液(15mL,4M)を加えた。得られた液を5時間撹拌した。次いで減圧濃縮することで、表題化合物(化合物番号2:0.72g)を得た。得られた化合物の融点は165−168℃であった。
実施例3
(工程1)ベンジル 4−[3−[(5−シアノ−2−ピリジル)オキシ]プロピル]ピペリジン−1−カルボキシレート<Benzyl 4-[3-[(5-cyano-2-pyridyl)oxy]propyl]piperidine-1-carboxylate>の合成

Figure 0006681274

N,N−ジメチルホルムアミド(13mL)に、ベンジル 4−(3−ヒドロキシプロピル)ピペリジン−1−カルボキシレート(0.93g)及び5−シアノ−2−クロロピリジン(0.51g)を溶解させた。これに、0℃にて、水素化ナトリウム(0.15g,60%鉱油分散)を加え、室温で一晩撹拌した。その後、得られた液を水に注ぎ入れ、クロロホルムで抽出した。有機層を合わせ、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。その後、ろ過した。ろ液を減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製することで、表題化合物(1.25g、収率98%)を得た。得られた化合物のNMR分析の結果は以下のとおりであった。
1HNMR(CDCl3)1.03-1.23(m,2H),1.31-1.55(m,3H),1.62-1.87(m,4H),2.65-2.88(m,2H),4.07-4.29(m,2H),4.34(t,2H),5.12(s,2H),6.78(d,1H),7.28-7.42(m,5H),7.76(dd,1H),8.46(d,1H).
(工程2)ベンジル 4−[3−[[5−(N−tert−ブトキシカルボニルカルバイミドイル)−2−ピリジル]オキシ]プロピル]ピペリジン−1−カルボキシレート<Benzyl 4-[3-[[5-(N-tert-butoxycarbonylcarbamimidoyl)-2-pyridyl]oxy]propyl]piperidine-1-carboxylate>の合成

Figure 0006681274

工程1で得られたベンジル 4−[3−[(5−シアノ−2−ピリジル)オキシ]プロピル]ピペリジン−1−カルボキシレート(1.25g)のテトラヒドロフラン(15mL)溶液に、室温下、リチウム ビス(トリメチルシリル)アミド(6.6mL,1.3Mテトラヒドロフラン溶液)を添加し、室温にて一晩撹拌した。得られた液を水浴で冷却し、塩化水素/1,4−ジオキサン溶液(4mL,4M)を加え、3時間撹拌した。その後、減圧濃縮した。残渣をN,N−ジメチルホルムアミド(33mL)に溶解させた。これに、トリエチルアミン(3.33 g)を添加し、次いでジ−tert−ブチル ジカーボネート(2.15g)のN,N−ジメチルホルムアミド(2mL)溶液を加えた。室温で一晩撹拌した。次いで減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製することで、表題化合物(1.41g、定量的)を得た。得られた化合物のNMR分析の結果は以下のとおりであった。
1HNMR(CDCl3)1.04-1.23(m,2H),1.32-1.52(m,3H),1.55(s,9H),1.65-1.85(m,4H),2.67-2.87(m,2H),4.03-4.27(m,2H),4.32(t,2H),5.12(s,2H),6.73(s,1H),7.28-7.40(m,5H),8.12(dd,1H),8.59(d,1H).
(工程3)tert−ブチル N−[6−[3−(4−ピペリジル)プロポキシ]ピリジン−3−カルボキシイミドイル]カルバメート<tert-Butyl N-[6-[3-(4-piperidyl)propoxy]pyridine-3-carboximidoyl]carbamate>の合成

Figure 0006681274

工程2で得られたベンジル 4−[3−[[5−(N−tert−ブトキシカルボニルカルバイミドイル)−2−ピリジル]オキシ]プロピル]ピペリジン−1−カルボキシレート(1.41g)のメタノール(50mL)溶液にパラジウム炭素(0.70g,10%wet)を加え、水素雰囲気下で三日間反応させた。その後、得られた液をセライトでろ過した。ろ液を減圧濃縮した。次いで、残渣をアミノシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製することで表題化合物(0.96g、収率93%)を得た。
(工程4)tert−ブチル N−[6−[3−[1−[6−[[N,N’−ビス(tert−ブトキシカルボニル)カルバイミドイル]アミノ]ヘキシル]−4−ピペリジル]プロポキシ]ピリジン−3−カルボキシイミドイル]カルバメート<tert-butyl N-[6-[3-[1-[6-[[N,N’-bis(tert-butoxycarbonyl)carbamimidoyl]amino]hexyl]-4-piperidyl]propoxy]pyridine-3-carboximidoyl]carbamate>の合成

Figure 0006681274

工程3で得られたtert−ブチル N−[6−[3−(4−ピペリジル)プロポキシ]ピリジン−3−カルボキシイミドイル]カルバメート(0.94g)及び参考例1で得られたtert−ブチル N−[(6−ブロモヘキシルアミノ)−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)メチレン]カルバメート(1.31g)をN,N−ジメチルホルムアミド(18mL)に溶解させた。これに、室温にて、炭酸カリウム(0.43g)を添加した。次いで50℃にて一晩撹拌した。得られた液を水に注ぎ入れ、クロロホルムで抽出した。有機層を合わせて、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、次いでろ過した。ろ液を減圧濃縮して、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製することで、表題化合物(化合物番号3:1.00g、収率55%)を得た。得られた化合物のNMR分析の結果は以下のとおりであった。
1HNMR(CDCl3)1.24-1.44(m,10H),1.44-1.62(m,29H),1.64-1.85(m,5H),1.85-2.03(m,2H),2.26-2.45(m,2H),2.90-3.06(m,2H),3.88(t,2H),4.31(t,2H),6.74(d,1H),8.12(dd,1H),8.59(d,1H).
実施例4
6−[3−[1−(6−グアニジノヘキシル)−4−ピペリジル]プロポキシ]ピリジン−3−カルボキシアミジン 塩酸塩<6-[3-[1-(6-Guanidinohexyl)-4-piperidyl]propoxy]pyridine-3-carboxamidine hydrochloride>の合成

Figure 0006681274

実施例3工程4で得られたtert−ブチル N−[6−[3−[1−[6−[[N,N’−ビス(tert−ブトキシカルボニル)カルバイミドイル]アミノ]ヘキシル]−4−ピペリジル]プロポキシ]ピリジン−3−カルボキシイミドイル]カルバメート(1.00g)をジクロロメタン(15mL)に溶解させた。これに、室温にて、トリフルオロ酢酸(15mL)を加え、一晩撹拌した。その後、得られた液を減圧濃縮し、残渣をメタノール(15mL)に溶解させた。これに塩化水素/1,4−ジオキサン溶液(15mL,4M)を加え、5時間撹拌した。その後、減圧濃縮することで、表題化合物(化合物番号4:0.80g)を得た。得られた化合物のNMR分析の結果は以下のとおりであった。
1HNMR(CD3OD)1.36-1.72(m,11H),1.73-1.95(m,4H),1.95-2.07(m,2H),2.96(t,2H),3.04-3.15(m,2H),3.19(t,2H),3.52-3.63(m,2H),4.42(t,2H),6.98(d,1H),8.07(dd,1H),8.63(d,1H).
実施例5
(工程1)tert−ブチル 4−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)ピペリジン−1−カルボキシレート<tert-Butyl 4-(benzyloxycarbonylamino)piperidine-1-carboxylate>の合成

Figure 0006681274

tert−ブチル 4−アミノピペリジン−1−カルボキシレート(5.19g)のジクロロメタン(150mL)溶液にN,N−ジイソプロピルエチルアミン(10.04g)を添加した。これに、0℃にて、クロロ蟻酸ベンジル(5.30g)を滴下した。室温にて一終夜撹拌した。得られた液を水に注ぎ入れ、クロロホルムで抽出した。有機層を合わせて、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。次いでろ過した。ろ液を減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製することで、表題化合物(6.38g、収率74%)を得た。得られた化合物のNMR分析の結果は以下のとおりであった。
1HNMR(CDCl3)1.21-1.33(m,2H),1.45(s,9H),1.85-2.00(m,2H),2.86(dd,2H),3.57-3.76(m,1H),3.90-4.12(m,2H),4.58-4.74(m,1H,NH),5.09(s,2H),7.29-7.41(m,5H).
(工程2)ベンジル N−(4−ピペリジル)カルバメート 塩酸塩<Benzyl N-(4-piperidyl)carbamate hydrochloride>の合成

Figure 0006681274

工程1で得られたtert−ブチル 4−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)ピペリジン−1−カルボキシレート(6.38g)を1,4−ジオキサン(27mL)に溶解させた。これに室温にて塩化水素/1,4−ジオキサン溶液(55mL,4M)を添加し、室温にて5時間撹拌した。その後、得られた液を減圧濃縮した。得られた残渣をtert−ブチルメチルエーテル(150mL)で洗浄することで、表題化合物(4.76g、収率92%)を得た。得られた化合物のNMR分析の結果は以下のとおりであった。
1HNMR(CDCl3)1.80-1.99(m,2H),2.09-2.23(m,2H),2.81-3.06(m,2H),3.39-3.58(m,2H),3.68-3.88(m,1H),4.93-5.05(m,1H,NH),5.09(s,2H),7.28-7.41(m,5H).
(工程3)tert−ブチル N−[4−[3−[4−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−1−ピペリジル]プロポキシ]ベンゼンカルボキシイミドイル]カルバメート<tert-Butyl N-[4-[3-[4-(benzyloxycarbonylamino)-1-piperidyl]propoxy]benzenecarboximidoyl]carbamate>の合成

Figure 0006681274

N,N−ジメチルホルムアミド(15mL)に、工程2で得られたベンジル N−(4−ピペリジル)カルバメート 塩酸塩(0.81g)及びtert−ブチル N−[4−(3−ブロモプロポキシ)ベンゼンカルボキシイミドイル]カルバメート(1.28g)を溶解させた。これに炭酸カリウム(0.99g)を添加した。これを50℃にて二日間撹拌した。次いで室温に冷却した。得られた液を水に注ぎ入れ、クロロホルムで抽出した。有機層を合わせて、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。次いでろ過した。ろ液を減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製することで、表題化合物(1.24g、収率81%)で得た。得られた化合物のNMR分析の結果は以下のとおりであった。
1HNMR(CDCl3)1.37-1.52(m,2H),1.55(s,9H),1.88-2.03(m,4H),2.11(t,2H),2.50(t,2H),2.74-2.90(m,2H),3.46-3.66(m,1H),4.04(t,2H),4.66(br.d,1H),5.09(s,2H),6.91(d,2H),7.28-7.40(m,5H),7.82(d,2H).
(工程4)tert−ブチル N−[4−[3−(4−アミノ−1−ピペリジル)プロポキシ]ベンゼンカルボキシイミドイル]カルバメート<tert-Butyl N-[4-[3-(4-amino-1-piperidyl)propoxy]benzenecarboximidoyl]carbamate>の合成

Figure 0006681274

工程3で得られたtert−ブチル N−[4−[3−[4−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−1−ピペリジル]プロポキシ]ベンゼンカルボキシイミドイル]カルバメート(1.17g)をメタノール(35mL)に溶解させた。これにパラジウム炭素(0.5g,10%wet)を添加し、水素雰囲気下、一晩反応させた。その後、得られた液をセライトでろ過した。ろ液を減圧濃縮し、残渣をアミノシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製することで、表題化合物(0.86g、定量的)を得た。得られた化合物のNMR分析の結果は以下のとおりであった。
1HNMR(CDCl3)1.35-1.58(m,11H),1.78-1.91(m,2H),1.92-2.16(m,4H),2.47-2.60(m,2H),2.60-2.75(m,1H),2.89-3.03(m,2H),3.99-4.15(m,2H),6.98(d,2H),7.79(m,2H).
(工程5)tert−ブチル N−[4−[3−[4−[5−[[N,N’−ビス(tert−ブトキシカルボニル)カルバイミドイル]アミノ]ペンチルアミノ]−1−ピペリジル]プロポキシ]ベンゼンカルボキシイミドイル]カルバメート<tert-Butyl N-[4-[3-[4-[5-[[N,N’-bis(tert-butoxycarbonyl)carbamimidoyl]amino]pentylamino]-1-piperidyl]propoxy]benzenecarboximidoyl]carbamate>の合成

Figure 0006681274

N,N−ジメチルホルムアミド(12mL)に、工程4で得られたtert−ブチル N−[4−[3−(4−アミノ−1−ピペリジル)プロポキシ]ベンゼンカルボキシイミドイル]カルバメート(0.86g)及びtert−ブチル N−[(5−ブロモペンチルアミノ)−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)メチレン]カルバメート(1.22g)を溶解させた。これに炭酸カリウム(0.38g)を添加し、50℃にて一晩撹拌した。その後、室温に冷却した。得られた液を水に注ぎ入れ、クロロホルムで抽出した。有機層を合わせて無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。次いでろ過した。ろ液を減圧下濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製することで、表題化合物(化合物番号5:0.15g、収率9.3%)を得た。得られた化合物のNMR分析の結果は以下のとおりであった。
1HNMR(CDCl3)1.28-1.40(m,2H),1.40-1.72(m,33H),1.93-2.14(m,6H),2.53(t,2H),2.58-2.77(m,3H),2.95(d,2H),3.88(t,2H),4.05(t,2H),6.91(d,2H),7.83(d,2H).
実施例6
4−[3−[4−(5−グアニジノペンチルアミノ)−1−ピペリジル]プロポキシ]ベンズアミジン 塩酸塩<4-[3-[4-(5-Guanidinopentylamino)-1-piperidyl]propoxy]benzamidine hydrochloride>の合成

Figure 0006681274

実施例5工程5で得られたtert−ブチル N−[4−[3−[4−[5−[[N,N’−ビス(tert−ブトキシカルボニル)カルバイミドイル]アミノ]ペンチルアミノ]−1−ピペリジル]プロポキシ]ベンゼンカルボキシイミドイル]カルバメート(0.15g)をジクロロメタン(5mL)に溶解させた。これにトリフルオロ酢酸(5mL)を添加し、一晩撹拌した。その後、得られた液を減圧濃縮した。得られた残渣をメタノール(5mL)に溶解させた。これに塩化水素/1,4−ジオキサン溶液(15mL,4M)を添加し、二時間撹拌した。得られた液を減圧濃縮することで、表題化合物(化合物番号6:0.12g)を得た。得られた化合物のNMR分析の結果は以下のとおりであった。
1HNMR(CD3OD)1.40-1.57(m,2H),1.57-1.72(m,2H),1.72-1.92(m,2H),1.98-2.21(m,2H),2.22-2.54(m,4H),3.01-3.26(m,4H),3.35-3.44(m,2H),3.43-3.70(m,3H),3.73-3.87(m,2H),4.24(t,2H),7.17(d,2H),7.80(d,2H).
実施例7
(工程1)tert−ブチル N−[[5−[4−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−1−ピペリジル]ペンチルアミノ]−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)メチレン]カルバメート<tert-Butyl N-[[5-[4-(benzyloxycarbonylamino)-1-piperidyl]pentylamino]-(tert-butoxycarbonylamino)methylene]carbamate>の合成

Figure 0006681274

N,N−ジメチルホルムアミド(15mL)に、ベンジル N−(4−ピペリジル)カルバメート塩酸塩(0.81g)及びtert−ブチル N−[(5−ブロモペンチルアミノ)−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)メチレン]カルバメート(1.46g)を溶解させた。これに炭酸カリウム(0.99g)を添加し、50℃にて一晩撹拌した。その後、室温に冷却した。得られた液を水に注ぎ入れ、クロロホルムで抽出した。有機層を合わせて、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。次いでろ過した。ろ液を減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製することで、表題化合物(0.72g、収率43%)を得た。得られた化合物のNMR分析の結果は以下のとおりであった。
1HNMR(CDCl3)1.21-1.36(m,2H),1.39-1.62(m,24H),1.86-1.99(m,2H),2.05(t,2H),2.31(t,2H),2.75-2.86(m,2H),3.45-3.62(m,1H),3.88(t,2H),4.59-4.73(br.d,1H,NH),5.09(s,2H),7.28-7.40(m,5H).
(工程2)
tert−ブチル N−[[5−(4−アミノ−1−ピペリジル)ペンチルアミノ]−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)メチレン]カルバメート<tert-Butyl N-[[5-(4-amino-1-piperidyl)pentylamino]-(tert-butoxycarbonylamino)methylene]carbamate>の合成

Figure 0006681274

工程1を2回実施して得られたtert−ブチル N−[[5−[4−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−1−ピペリジル]ペンチルアミノ]−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)メチレン]カルバメート(1.48g)をメタノール(40mL)に溶解させた。これにパラジウム炭素(0.75g,10%wet)を加え、水素雰囲気下、一晩反応させた。その後、得られた液をセライトでろ過した。ろ液を減圧濃縮し、残渣をアミノシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製することで、表題化合物(0.76g、収率68%)を得た。得られた化合物のNMR分析の結果は以下のとおりであった。
1HNMR(CDCl3)1.23-1.43(m,4H),1.49(s,9H),1.52(s,9H),1.54-1.74(m,6H),1.74-1.87(m,2H),1.96(t,2H),2.23-2.36(m,2H),2.55-2.71(m,2H),2.79-2.95(m,2H),3.89(t,2H).
(工程3)tert−ブチル N−[4−[3−[[1−[5−[[N,N’−ビス(tert−ブトキシカルボニル)カルバイミドイル]アミノ]ペンチル]−4−ピペリジル]アミノ]プロポキシ]ベンゼンカルボキシイミドイル]カルバメート<tert-Butyl N-[4-[3-[[1-[5-[[N,N’-bis(tert-butoxycarbonyl)carbamimidoyl]amino]pentyl]-4-piperidyl]amino]propoxy]benzenecarboximidoyl]carbamate>の合成

Figure 0006681274

N,N−ジメチルホルムアミド(18mL)に、工程2で得られたtert−ブチル N−[[5−(4−アミノ−1−ピペリジル)ペンチルアミノ]−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)メチレン]カルバメート(0.76g)を溶解させた。これに炭酸カリウム(0.29g)を添加し、50℃にて一晩撹拌した。その後、室温に冷却し、得られた液を水に注ぎ入れ、クロロホルムで抽出した。有機層を合わせて無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。次いでろ過した。ろ液を減圧下濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製することで、表題化合物(化合物番号7:0.34g、収率27%)を得た。得られた化合物のNMR分析の結果は以下のとおりであった。
1HNMR(CDCl3)1.15-1.34(m,2H),1.40-1.65(m,33H),1.90-2.11(m,4H),2.31-2.47(m,2H),2.55-2.75(m,1H),2.84(t,2H),2.89-3.04(m,2H),3.87(t,2H),4.10(t,2H),6.91(d,2H),7.88(m,2H).
実施例8
(工程4)4−[3−[[1−(5−グアニジノペンチル)−4−ピペリジル]アミノ]プロポキシ]ベンズアミジン 塩酸塩<4-[3-[[1-(5-Guanidinopentyl)-4-piperidyl]amino]propoxy]benzamidine hydrochloride>の合成

Figure 0006681274

実施例7工程3で得られたtert−ブチル N−[4−[3−[[1−[5−[[N,N’−ビス(tert−ブトキシカルボニル)カルバイミドイル]アミノ]ペンチル]−4−ピペリジル]アミノ]プロポキシ]ベンゼンカルボキシイミドイル]カルバメート(0.34g)をジクロロメタン(10mL)に溶解させた。これにトリフルオロ酢酸(10mL)を添加し、3時間撹拌した。その後、得られた液を減圧濃縮した。得られた残渣をメタノール(10mL)に溶解させ、塩化水素/1,4−ジオキサン溶液(10mL,4M)を加え、一時間撹拌した。その後、減圧濃縮することで、表題化合物(化合物番号8:0.26g)を得た。得られた化合物のNMR分析の結果は以下のとおりであった。
1HNMR(CD3OD)1.40-1.56(m,2H),1.60-1.74(m,2H),1.78-1.92(m,2H),2.04-2.21(m,2H),2.21-2.38(m,3H),2.39-2.52(m,2H),3.04-3.27(m,6H),3.53-3.63(m,2H),3.70-3.82(m,2H),4.19-4.34(m,2H),7.18(d, 2H),7.81(m,2H).
実施例9
(工程1)tert−ブチル N−[4−(5−ピペラジン−1−イルペンタ−1−インイル)ベンゼンカルボキシイミドイル]カルバメート<tert-butyl N-[4-(5-piperazin-1-ylpent-1-ynyl)benzenecarboximidoyl]carbamate>の合成

Figure 0006681274

tert−ブチル N−[4−(5−ブロモペンタ−1−インイル)ベンゼンカルボキシイミドイル]カルバメート(1.09g)をエタノール(10mL)に溶解させた。これに、室温にて、炭酸カリウム(533mg)とピペラジン(511mg)を添加し、加熱還流下、一晩撹拌した。得られた液を室温まで冷却した。これに水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。次いでろ過した。ろ液を減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製する事で表題化合物(750mg、収率68.1%)を得た。得られた化合物のNMR分析の結果は以下のとおりであった。
1HNMR(CDCl3)1.55(s,9H),1.80(tt,2H),2.43-2.53(m,8H),2.90(t,4H),7.43(d,2H),7.78(d,2H).
(工程2)tert−ブチル N−[4−[5−[4−[5−[[N,N’−ビス(tert−ブトキシカルボニル)カルバイミドイル]アミノ]ペンチル]ピペラジン−1−イル]ペンタ−1−インイル]ベンゼンカルボキシイミドイル]カルバメート<tert-butyl N-[4-[5-[4-[5-[[N,N’-bis(tert-butoxycarbonyl)carbamimidoyl]amino]pentyl]piperazin-1-yl]pent-1-ynyl]benzenecarboximidoyl]carbamate>の合成

Figure 0006681274

工程1で得られたtert−ブチル N−[4−(5−ピペラジン−1−イルペンタ−1−インイル)ベンゼンカルボキシイミドイル]カルバメート(350mg)をエタノール(5mL)に溶解させた。これに室温にて炭酸カリウム(261mg)およびtert−ブチル−N−[(5−ブロモペンチルアミノ)−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)メチレン]カルバメート(540mg)を添加した。これを、50℃にて、5時間撹拌した。得られた液を室温まで冷却した。これに水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。次いでろ過した。ろ液を減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製する事で表題化合物(化合物番号9:79mg、収率12.0%)を得た。得られた化合物のNMR分析の結果は以下のとおりであった。
1HNMR(CDCl3)1.28-1.35(m,2H),1.52-1.60(m,33H),1.75-1.85(m,2H),2.33(dd,2H),2.42-2.60(m,10H),3.89(dd,2H),7.43(d,2H),7.78(d,2H).
実施例10
4−[5−[4−(5−グアニジノペンチル)ピペラジン−1−イル]ペンタ−1−インイル]ベンズアミジン 塩酸塩<4-[5-[4-(5-guanidinopentyl)piperazin-1-yl]pent-1-ynyl]benzamidine hydrochloride>の合成

Figure 0006681274

実施例9で得られたtert−ブチル N−[4−[5−[4−[5−[[N,N’−ビス(tert−ブトキシカルボニル)カルバイミドイル]アミノ]ペンチル]ピペラジン−1−イル]ペンタ−1−インイル]ベンゼンカルボキシイミドイル]カルバメート(79mg)をジクロロメタン(1.5mL)に溶解させた。これに室温にてトリフルオロ酢酸(1.5mL)を加え、同温にて一晩撹拌した。得られた液を減圧濃縮した。得られた残渣をメタノール(1.5mL)に溶解させた。これに、室温にて、塩化水素(4Mジオキサン溶液)(1.5mL)を添加し、同温にて1時間撹拌した。得られた液を減圧濃縮することで表題化合物(化合物番号10:59mg)を得た。得られた化合物のNMR分析の結果は以下のとおりであった。
1HNMR(CD3OD)1.46-1.55(m,2H),1.65-1.68(m,2H),1.80-1.92(m,2H),2.03-2.20(m,2H),2.67-2.70(m,2H),3.18-3.30(m,4H),3.41-3.52(m,2H),3.52-3.80(m,4H),3.80-4.00(m,4H),7.64(d,2H),7.75(d,2H).
実施例11
tert−ブチル N−[4−[5−[4−[6−[[N,N’−ビス(tert−ブトキシカルボニル)カルバイミドイル]アミノ]ヘキシル]ピペラジン−1−イル]ペンタ−1−インイル]ベンゼンカルボキシイミドイル]カルバメート<tert-butyl N-[4-[5-[4-[6-[[N,N’-bis(tert-butoxycarbonyl)carbamimidoyl]amino]hexyl]piperazin-1-yl]pent-1-ynyl]benzenecarboximidoyl]carbamate>の合成

Figure 0006681274

実施例9と同様の手法にて、表題化合物(化合物番号11)を合成した。得られた化合物のNMR分析の結果は以下のとおりであった。
1HNMR(CDCl3)1.25-1.35(m,6H),1.49-1.60(m,31H),1.77-1.86(m,2H),2.32(tt,2H),2.43-2.64(m,10H),3.88(t,2H),7.43(d,2H),7.78(d,2H).
実施例12
4−[5−[4−(6−グアニジノヘキシル)ピペラジン−1−イル]ペンタ−1−インイル]ベンズアミジン 塩酸塩<4-[5-[4-(6-guanidinohexyl)piperazin-1-yl]pent-1-ynyl]benzamidine hydrochloride>の合成

Figure 0006681274

実施例10と同様の手法にて、表題化合物(化合物番号12)を合成した。得られた化合物のNMR分析の結果は以下のとおりであった。
1HNMR(CD3OD)1.45-1.56(m,4H),1.60-1.71(m,2H),1.81-1.92(m,2H),2.10-2.20(m,2H),2.64-2.69(m,2H),3.19(t,2H),3.25-3.36(m,2H),3.43-3.48(m,2H),3.60-3.75(m,4H),3.85-4.03(m,4H),7.64(d,2H),7.75(d,2H).
実施例13
(工程1)tert−ブチル N−[N,N’−ビス(tert−ブトキシカルボニル)カルバイミドイル]−N−[6−[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシヘキサ−3−インイル]カルバメート<tert-butyl N-[N,N’-bis(tert-butoxycarbonyl)carbamimidoyl]-N-[6-[tert-butyl(dimethyl)silyl]oxyhex-3-ynyl]carbamate>の合成

Figure 0006681274

6−[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシヘキサ−3−イン−1−オール(3.61g)をテトラヒドロフラン(70mL)に溶解させた。これに、氷冷下、トリフェニルホスフィン(4.14g)、tert−ブチル N−[ビス(tert−ブトキシカルボニルアミノ)メチレン]カルバメート(8.52g)、及びジエチル アゾジカルボキシレート(2.2Mトルエン溶液)(7.18mL)を添加した。これを、室温下、5時間撹拌した。得られた液を減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製する事で表題化合物(3.68g、収率40.1%)を得た。得られた化合物のNMR分析の結果は以下のとおりであった。
1HNMR(CDCl3)0.07(s,6H),0.89(s,9H),1.47-1.58(m,27H),2.30-2.39(m,2H),2.50-2.58(m,2H),3.67(t,2H),3.91(t,2H).
(工程2)tert−ブチル N−[N,N’−ビス(tert−ブトキシカルボニル)カルバイミドイル]−N−(6−ヒドロキシヘキサ−3−インイル)カルバメート<tert-butyl N-[N,N’-bis(tert-butoxycarbonyl)carbamimidoyl]-N-(6-hydroxyhex-3-ynyl)carbamate>の合成

Figure 0006681274

工程1で得られたN−[N,N’−ビス(tert−ブトキシカルボニル)カルバイミドイル]−N−[6−[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシヘキサ−3−インイル]カルバメート(3.68g)をテトラヒドロフラン(35mL)に溶解させた。これに、氷冷下、テトラブチルアンモニウムフルオリド(1Mテトラヒドロフラン溶液)(6.8mL)を添加した。これを室温にて4時間撹拌した。得られた液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。次いでろ過した。ろ液を減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製する事で表題化合物(2.29g、収率78.2%)を得た。得られた化合物のNMR分析の結果は以下のとおりであった。
1HNMR(CDCl3)1.50-1.57(m,27H),2.34-2.43(m,2H),2.49-2.57(m,2H),3.64-3.72(m,2H),3.95(t,2H).
(工程3)6−[[N,N’−ビス(tert−ブトキシカルボニル)カルバイミドイル]−tert−ブトキシカルボニル−アミノ]ヘキサ−3−インイル メタンスルホネート<6-[[N,N’-bis(tert-butoxycarbonyl)carbamimidoyl]-tert-butoxycarbonyl-amino]hex-3-ynyl methanesulfonate>の合成

Figure 0006681274

工程2で得られたtert−ブチル N−[N,N’−ビス(tert−ブトキシカルボニル)カルバイミドイル]−N−(6−ヒドロキシヘキサ−3−インイル)カルバメート(2.29g)をジクロロメタン(25mL)に溶解させた。これに、氷冷下、トリエチルアミン(1.53g)、塩化メタンスルホニル(863mg)、およびN,N−ジメチル−4−アミノピリジン(61mg)を添加した。これを室温にて3時間撹拌した。得られた液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。次いでろ過した。ろ液を減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製する事で表題化合物(2.45g、収率91.4%)を得た。得られた化合物のNMR分析の結果は以下のとおりであった。
1HNMR(CDCl3)1.49-1.52(m,27H),2.49-2.64(m,4H),3.06(s,3H),3.90(t,2H),4.25(t,2H).
(工程4)tert−ブチル N−[N,N’−ビス(tert−ブトキシカルボニル)カルバイミドイル]−N−(6−ブロモヘキサ−3−インイル)カルバメート<tert-butyl N-[N,N’-bis(tert-butoxycarbonyl)carbamimidoyl]-N-(6-bromohex-3-ynyl)carbamate>の合成

Figure 0006681274

工程3で得られた6−[[N,N’−ビス(tert−ブトキシカルボニル)カルバイミドイル]−tert−ブトキシカルボニル−アミノ]ヘキサ−3−インイル メタンスルホネート(2.45g)をアセトニトリル(25mL)に溶解させた。これに、室温にて、リチウムブロマイド(797mg)を添加した。これを、50℃にて、5時間撹拌した。得られた液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。次いでろ過した。ろ液を減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製する事で表題化合物(1.89 g、収率79.7%)を得た。得られた化合物のNMR分析の結果は以下のとおりであった。
1HNMR(CDCl3)1.50-1.58(m,27H),2.49-2.57(m,2H),2.67-2.77(m,2H),3.38(t,2H),3.94(t,2H).
(工程5)tert−ブチル N−[N,N’−ビス(tert−ブトキシカルボニル)カルバイミドイル]−N−[6−[4−[4−[4−(N−tert−ブトキシカルボニルカルバイミドイル)フェノキシ]ブチル]ピペラジン−1−イル]ヘキサ−3−インイル]カルバメート<tert-butyl N-[N,N’-bis(tert-butoxycarbonyl)carbamimidoyl]-N-[6-[4-[4-[4-(N-tert-butoxycarbonylcarbamimidoyl)phenoxy]butyl]piperazin-1-yl]hex-3-ynyl]carbamate>の合成

Figure 0006681274

工程4で得られたtert−ブチル N−[N,N’−ビス(tert−ブトキシカルボニル)カルバイミドイル]−N−(6−ブロモヘキサ−3−インイル)カルバメート(1.31g)をN,N−ジメチルホルムアミド(10mL)に溶解させた。これに、室温にて、炭酸カリウム(726mg)、およびtert−ブチル N−[4−(4−ピペラジン−1−イルブトキシ)ベンゼンカルボキシイミドイル]カルバメート(790mg)を添加した。これを60℃にて7時間撹拌した。得られた液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。次いでろ過した。ろ液を減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製する事で表題化合物(化合物番号13:198mg、収率11.6%)を得た。得られた化合物のNMR分析の結果は以下のとおりであった。
1HNMR(CDCl3)1.46-1.54(m,27H),1.63-1.70(m,2H),1.76-1.90(m,2H),2.24-2.63(m,16H),3.91(t,2H),4.01(t,2H),6.90(d,2H),7.82(d,2H).
実施例14
4−[4−[4−(6−グアニジノヘキサ−3−インイル)ピペラジン−1−イル]ブトキシ]ベンズアミジン 塩酸塩<4-[4-[4-(6-guanidinohex-3-ynyl)piperazin-1-yl]butoxy]benzamidine hydrochloride>の合成

Figure 0006681274

実施例13工程5で得られたtert−ブチル N−[N,N’−ビス(tert−ブトキシカルボニル)カルバイミドイル]−N−[6−[4−[4−[4−(N−tert−ブトキシカルボニルカルバイミドイル)フェノキシ]ブチル]ピペラジン−1−イル]ヘキサ−3−インイル]カルバメートを用いて、実施例10と同様の手法にて、表題化合物(化合物番号14)を合成した。得られた化合物のNMR分析の結果は以下のとおりであった。
1HNMR(CD3OD)1.89-2.10(m,4H),2.49-2.55(m,2H),2.70-2.79(m,2H),3.40-3.94(m,14H),4.17(t,2H),7.16(d,2H),7.78(d,2H).
参考例2
(工程1)ベンジル 4−[6−[[N,N’−ビス(tert−ブトキシカルボニル)カルバイミドイル]アミノ]ヘキシル]ピペラジン−1−カルボキシレート<Benzyl 4-[6-[[N,N’-bis(tert-butoxycarbonyl)carbamimidoyl]amino]hexyl]piperazine-1-carboxylate>の合成

Figure 0006681274

tert−ブチル N−[(6−ブロモヘキシルアミノ)−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)メチレン]カルバメート(4.23g)をN,N−ジメチルホルムアミド(21mL)に溶解させた。これにベンジルピペラジン−1−カルボキシレート(2.55g)及び炭酸カリウム(1.66g)を室温にて順次添加した。その後、50℃で一晩撹拌した。室温に冷却した。得られた液を水に注ぎ入れ、酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせて無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。次いでろ過した。ろ液を減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製することで、表題化合物(5.04g、収率90%)を得た。得られた化合物のNMR分析の結果は以下のとおりであった。
1HNMR(CDCl3)1.26-1.37(m,4H),1.43-1.69(m,22H),2.28-2.45(m,6H),3.52(t,4H),3.88(t,2H),5.13(s,2H),7.28-7.40(m,5H).
(工程2)tert−ブチル N−[(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−(6−ピペラジン−1−イルヘキシルアミノ)メチレン]カルバメート<tert-Butyl N-[(tert-butoxycarbonylamino)-(6-piperazin-1-ylhexylamino)methylene]carbamate>の合成

Figure 0006681274

工程1で得られたベンジル 4−[6−[[N,N’−ビス(tert−ブトキシカルボニル)カルバイミドイル]アミノ]ヘキシル]ピペラジン−1−カルボキシレートをメタノール(75mL)に溶解させた。これにパラジウム炭素(1.00g、10%wet)を添加し、水素雰囲気下、一晩反応させた。その後、得られた液をセライトでろ過した。ろ液を減圧濃縮し、得られた残渣をアミノシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製することで、表題化合物(3.89g、定量的)を得た。得られた化合物のNMR分析の結果は以下のとおりであった。
1HNMR(CDCl3)1.26-1.38(m,4H),1.41-1.73(m,22H),2.25-2.50(m,6H),2.90(t,4H),3.89(t,2H).
実施例15
(工程1)エチル 4−(4−tert−ブチルジメチルシリルオキシブトキシ)−5−メチルチアゾール−2−カルボキシレート<Ethyl 4-(4-tert-Butyldimethylsilyloxybutoxy)-5-methylthiazole-2-carboxylate>の合成

Figure 0006681274

エチル 4−ヒドロキシ−5−メチルチアゾール−2−カルボキシレート(4.51g)のテトラヒドロフラン(120mL)溶液に4−tert−ブチルジメチルシリルオキシブタン−1−オール(5.91g)及びトリフェニルホスフィン(6.95g)を添加し、0℃で撹拌した。さらに、ジイソプロピル アゾジカルボキシレート(15.5mL,1.9Mトルエン溶液)を添加し、室温にて、一終夜撹拌した。その後、5時間還流させた。その後、室温まで冷却した。得られた液を減圧濃縮した。得られた残渣にヘキサンを加えた。次いでトリフェニルホスフィンオキシドをろ別した。ろ液を減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、表題化合物(6.97g、収率77%)を得た。得られた化合物のNMR分析の結果は以下のとおりであった。
1HNMR(CDCl3)0.05(s,6H),0.89(s,9H),1.40(t,3H),1.62-1.73(m,2H),1.75-1.87(m,2H),2.33(s,3H),3.67(t,2H),4.37(t,2H),4.42(q,2H).
(工程2)4−(4−tert−ブチルジメチルシリルオキシブトキシ)−5−メチルチアゾール−2−カルボキサミド<4-(4-tert-Butyldimethylsilyloxybutoxy)-5-methylthiazole-2-carboxamide>の合成

Figure 0006681274

工程1で得られたエチル 4−(4−tert−ブチルジメチルシリルオキシブトキシ)−5−メチルチアゾール−2−カルボキシレート(6.96g)をエタノール(90mL)に溶解させた。これに、室温にて、少量の水に溶解させた水酸化ナトリウム(0.90g)を添加し、同温で3時間撹拌した。その後、減圧下溶媒を留去した。残渣に水を加え、更に2M塩酸を加えて酸性にした。次いでクロロホルムで抽出した。有機層を合わせ、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。次いでろ過した。ろ液を減圧下濃縮した。得られた残渣をテトラヒドロフラン(93mL)に溶解させた。これに、塩化アンモニウム(3.98g)、ジイソプロピルエチルアミン(4.81g)及びO −(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロりん酸塩(7.78g)を室温で順次加え、同温で一晩撹拌した。得られた液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液に注ぎ入れ、酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせ、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。その後、ろ過した。ろ液を減圧下濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製することで、表題化合物(6.04g、収率94%)を得た。得られた化合物のNMR分析の結果は以下のとおりであった。
1HNMR(CDCl3)0.06(s,6H),0.89(s,9H),1.63-1.72(m,2H),1.75-1.87(m,2H),2.32(s,3H),3.68(t,2H),4.30(t,2H),5.46(br.s,1H,NH),6.90(br.s,1H,NH).
(工程3)4−(4−tert−ブチルジメチルシリルオキシブトキシ)−5−メチルチアゾール−2−カルボニトリル<4-(4-tert-Butyldimethylsilyloxybutoxy)-5-methylthiazole-2-carbonitrile>の合成

Figure 0006681274

工程2で得られた4−(4−tert−ブチルジメチルシリルオキシブトキシ)−5−メチルチアゾール−2−カルボキサミド(6.04g)を1,4−ジオキサン(50mL)に溶解させた。これに、室温にて、ピリジン(3.60g)を添加した。さらにトリフルオロ酢酸無水物(4.79g)の1,4−ジオキサン(7mL)溶液を添加し、室温にて一晩撹拌した。得られた液を減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製することで、表題化合物(4.61g、収率81%)を得た。得られた化合物のNMR分析の結果は以下のとおりであった。
1HNMR(CDCl3)0.05(s,6H),0.80(s,9H),1.60-1.71(m,2H),1.75-1.87(m,2H),2.30(s,3H),3.67(t,2H),4.34(t,2H).
(工程4)tert−ブチル ((4−(4−tert−ブチルジメチルシリルオキシブトキシ)−5−メチルチアゾール−2−イル)(イミノ)メチル)カルバメート<tert-Butyl ((4-(4-tert-butyldimethylsilyloxybutoxy)-5-methylthiazol-2-yl)(imino)methyl)carbamate>の合成

Figure 0006681274

工程3で得られた4−(4−tert−ブチルジメチルシリルオキシブトキシ)−5−メチルチアゾール−2−カルボニトリル(4.61g)をテトラヒドロフラン(62mL)に溶解させた。これに、室温にて、リチウム ビス(トリメチルシリル)アミド(38mL,1.3Mテトラヒドロフラン溶液)を添加し、一晩撹拌した。次いで水浴にて冷却しながら塩化水素/1,4−ジオキサン溶液(17mL,4M)を加え、1.5時間撹拌した。得られた液を減圧濃縮した。残渣をN,N−ジメチルホルムアミド(62mL)に溶解させた。次いで、これに、トリエチルアミン(7.13g)と、ジ−tert−ブチル ジカーボネート(6.77g)のN,N−ジメチルホルムアミド(15 mL)溶液とを添加し、室温にて一晩撹拌した。得られた液を減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製することで、表題化合物(3.05g、収率49%)を得た。得られた化合物のNMR分析の結果は以下のとおりであった。
1HNMR(CDCl3)0.05(s,6H),0.89(s,9H),1.55(s,9H),1.63-1.73(m,2H),1.75-1.87(m,2H),2.30(s,3H),3.68(t,2H),4.31(t,2H).
(工程5)tert−ブチル ((4−(4−ヒドロキシブトキシ)−5−メチルチアゾール−2−イル)(イミノ)メチル)カルバメート<tert-Butyl ((4-(4-hydroxybutoxy)-5-methylthiazol-2-yl)(imino)methyl)carbamate>の合成

Figure 0006681274

工程4で得られたtert−ブチル ((4−(4−tert−ブチルジメチルシリルオキシブトキシ)−5−メチルチアゾール−2−イル)(イミノ)メチル)カルバメート(3.05g)をテトラヒドロフラン(35mL)に溶解させた。これに、室温にて、テトラブチルアンモニウムフルオリド(35mL,1Mテトラヒドロフラン溶液)を加え、同温で4日間撹拌した。得られた液を水に注ぎ入れ、クロロホルムで抽出した。有機層を合わせて無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。次いでろ過した。ろ液を減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製することで、表題化合物(1.73g、収率76%)を得た。得られた化合物のNMR分析の結果は以下のとおりであった。
1HNMR(CDCl3)1.55(s,9H),1.69-1.80(m,2H),1.81-1.92(m,2H),2.30(s,3H),3.74(t,2H),4.33(t,2H).
(工程6)tert−ブチル ((4−(4−ブロモブトキシ)−5−メチルチアゾール−2−イル)(イミノ)メチル)カルバメート<tert-Butyl ((4-(4-bromobutoxy)-5-methylthiazol-2-yl)(imino)methyl)carbamate>の合成

Figure 0006681274

工程5で得られたtert−ブチル ((4−(4−ヒドロキシブトキシ)−5−メチルチアゾール−2−イル)(イミノ)メチル)カルバメート(1.73g)をジクロロメタン(53mL)に溶解させた。これに、室温にて、トリエチルアミン(0.58g)及び塩化メタンスルホニル(0.66g)を添加し、室温にて一晩撹拌した。得られた液を水に注ぎ入れ、クロロホルムで抽出した。有機層を合わせて無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。次いでろ過した。ろ液を減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製することで、メシレート(2.16g)を得た。該メシレート(2.16g)をアセトニトリル(53mL)に溶解させた。これに臭化リチウム(2.28g)を添加し、50℃で6時間撹拌した。その後、室温に冷却し、得られた液をろ過した。ろ液を減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製することで、表題化合物(1.76g、収率85%)を得た。得られた化合物のNMR分析の結果は以下のとおりであった。
1HNMR(CDCl3)1.54(s,9H),1.86-1.99(m,2H),1.99-2.13(m,2H),2.30(s,3H),3.50(t,2H),4.32(t,2H).
(工程7)tert−ブチル N−[4−[4−[4−[6−[[N,N’−ビス(tert−ブトキシカルボニル)カルバイミドイル]アミノ]ヘキシル]ピペラジン−1−イル]ブトキシ]−5−メチル−チアゾール−2−カルボキシイミドイル]カルバメート<tert-Butyl N-[4-[4-[4-[6-[[N,N’-bis(tert-butoxycarbonyl)carbamimidoyl]amino]hexyl]piperazin-1-yl]butoxy]-5-methyl-thiazole-2-carboximidoyl]carbamate>の合成

Figure 0006681274

参考例2工程2で得られたtert−ブチル N−[(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−(6−ピペラジン−1−イルヘキシルアミノ)メチレン]カルバメート(0.44g)と、工程6で得られたtert−ブチル ((4−(4−ブロモブトキシ)−5−メチルチアゾール−2−イル)(イミノ)メチル)カルバメート(0.40g)をN,N−ジメチルホルムアミド(12mL)に溶解させた。これに、室温にて、炭酸カリウム(0.17g)を添加した。次いで50℃で7時間撹拌した。得られた液を室温まで冷却し、水に注ぎ入れ、クロロホルムで抽出した。有機層を合わせて無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。次いでろ過した。ろ液を減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製することで表題化合物(化合物番号15:0.46g、収率61%)を得た。得られた化合物のNMR分析の結果は以下のとおりであった。
1HNMR(CDCl3)1.24-1.38(m,6H),1.44-1.60(m,29H),1.60-1.72(m,2H),1.72-1.83(m,2H),2.20-2.69(m,15H),3.89(t,2H),4.30(t,2H).
実施例16
4−[4−[4−(6−グアニジノヘキシル)ピペラジン−1−イル]ブトキシ]−5−メチル−チアゾール−2−カルボキシアミジン 塩酸塩<4-[4-[4-(6-Guanidinohexyl)piperazin-1-yl]butoxy]-5-methyl-thiazole-2-carboxamidine hydrochloride>の合成

Figure 0006681274

実施例15工程7で得られたtert−ブチル N−[4−[4−[4−[6−[[N,N’−ビス(tert−ブトキシカルボニル)カルバイミドイル]アミノ]ヘキシル]ピペラジン−1−イル]ブトキシ]−5−メチル−チアゾール−2−カルボキシイミドイル]カルバメート(0.46g)をジクロロメタン (5mL)に溶解させた。これにトリフルオロ酢酸(5mL)を添加し、一晩撹拌した。得られた液を減圧濃縮した。得られた残渣をメタノール(5mL)に溶解させた。これに塩化水素/1,4−ジオキサン溶液(15mL,4M)を加え、一晩撹拌した。その後、減圧濃縮することで、表題化合物(化合物番号16:0.31g)を得た。得られた化合物の融点は172−178℃であった。
実施例17
(工程1)5−(3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)プロポキシ)ピラジン−2−カルボニトリル<5-(3-((tert-butyldimethylsilyl)oxy)propoxy)pyrazine-2-carbonitrile>の合成

Figure 0006681274

3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)プロパン−1−オール(2.5g)をテトラヒドロフラン(36mL)に溶解させた。これに0℃で水素化ナトリウム(0.58g)を添加し、次いでメチル 5−クロロピラジン−2−カルボキシレート(2.1g)を添加した。その後、室温で24時間撹拌した。これに飽和塩化アンモニウム水溶液を添加し、酢酸エチルで抽出した。有機層を濃縮し、得られた粗生成物にアンモニア(7Mメタノール溶液、10mL)を加え、室温で24時間撹拌した。得られた液を濃縮し、析出した固形物をヘキサンで洗浄した。該固形物をジクロロメタン(15mL)に溶解させた。これにピリジン(2.3g)、およびトリフルオロ酢酸無水物(2.5g)を添加し、室温で18時間撹拌した。その後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で中和した。得られた液をジクロロメタンで抽出した。有機層を濃縮してシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することで表題化合物(0.51g)を得た。得られた化合物のNMR分析の結果は以下のとおりであった。
1HNMR(CDCl3)0.02(s,6H),0.89(s,9H),2.00 (m,2H),3.77(t,2H),4.49(t,2H),8.23(d,1H),8.44(d,1H).
(工程2)5−(3−ブロモプロポキシ)ピラジン−2−カルボニトリル<5-(3-bromopropoxy)pyrazine-2-carbonitrile>

Figure 0006681274

5−(3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)プロポキシ)ピラジン−2−カルボニトリル(0.51g)をテトラヒドロフラン(6mL)に溶解させた。これに室温にてテトラブチルアンモニウムフルオリド(1Mテトラヒドロフラン溶液、3mL)を添加し、室温で18時間撹拌した。その後、溶媒を留去した。得られた粗生成物をテトラヒドロフラン(5mL)に溶解させた。これに0℃にてトリフェニルホスフィン(0.68g)、四臭化炭素(0.86g)を添加し、2.5時間撹拌した。その後、溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することで表題化合物(0.21g)を得た。得られた化合物のNMR分析の結果は以下のとおりであった。
1HNMR(CDCl3)2.36(m,2H),3.55(t,2H),4.55 (t,2H),8.26(d,1H),8.45(d,1H).
(工程3)tert−ブチル((5−(3−ブロモプロポキシ)ピラジン−2−イル)(イミノ)メチル)カルバメート<tert-butyl ((5-(3-bromopropoxy)pyrazin-2-yl)(imino)methyl)carbamate>の合成

Figure 0006681274

5−(3−ブロモプロポキシ)ピラジン−2−カルボニトリル(0.21g)をテトラヒドロフラン(3mL)に溶解させた。これに室温にてリチウム ビス(トリメチルシリル)アミド(1.3Mテトラヒドロフラン溶液、1mL)を加えた。これを30分間撹拌し、次いで4M塩酸ジオキサン溶液(1mL)を加えた。さらに2.5時間撹拌した。得られた液から溶媒を留去した。得られた残渣をN,N−ジメチルホルムアミド(3mL)に溶解させた。これにジ−tert−ブチル ジカーボネート(0.28g)とトリエチルアミン(0.44g)を添加し、室温で24時間撹拌した。これに水を加えて、酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせて濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することで表題化合物(0.20g)を得た。得られた化合物のNMR分析の結果は以下のとおりであった。
1HNMR(CDCl3)1.54(s,9H),2.34(m,2H),3.56(t,2H),4.55(t,2H),8.12(d,1H),9.14(d,1H).
(工程4)tert−ブチル N−[5−[3−[4−[6−[[N,N’−ビス(tert−ブトキシカルボニル)カルバイミドイル]アミノ]ヘキシル]ピペラジン−1−イル]プロポキシ]ピラジン−2−カルボキシイミドイル]カルバメート<tert-butyl N-[5-[3-[4-[6-[[N,N’-bis(tert-butoxycarbonyl)carbamimidoyl]amino]hexyl]piperazin-1-yl]propoxy]pyrazin-2-carboximidoyl]carbamate>の合成

Figure 0006681274

実施例15工程7と同様の手法で表題化合物(化合物番号17)を得た。得られた化合物のNMR分析の結果は以下のとおりであった。
1HNMR(CDCl3)1.25-1.38(m,4H),1.48-1.63(m,33H),1.98(m,2H),2.25-2.42(m,10H),3.86(t,2H),4.42(t,2H),8.10(s,1H),9.12(s,1H).
実施例18
5−[3−[4−(6−グアニジノヘキシル)ピペラジン−1−イル]プロポキシ]ピラジン−2−カルボキシアミジン 塩酸塩<5-[3-[4-(6-Guanidinohexyl)piperazin-1-yl]propoxy]pyrazin-2-pyrazin hydrochloride>の合成

Figure 0006681274

実施例16と同様の手法で表題化合物(化合物番号18)を得た。得られた化合物のNMR分析の結果は以下のとおりであった。
1HNMR(CDCl3)1.47-1.50(m,4),1.63(m,2H),1.86(m,2H),2.42(m,2H),3.54-3.72(m,10H),3.91-3.99(m,4H),4.63(t,2H),8.47(s,1H),8.97(s,1H).
製剤実施例(乳剤)
本発明化合物 5.62 質量部
界面活性剤 4.49 質量部
ジメチルホルムアミド 89.89 質量部
以上を混合溶解して、有効成分5.62%の乳剤を得た。
(リンゴ黒星病防除試験)
前記製剤実施例の配合処方で調製された乳剤を有効成分125ppmになるように水で希釈した。素焼きポットで栽培したリンゴ幼苗(品種「王林」、3〜4葉期)に、前記希釈液を散布した。室温で自然乾燥させた。その後、リンゴ黒星病菌(Venturia inaequalis)の分生胞子を接種した。明暗を12時間毎に繰り返す20℃、高湿度の室内に2週間保持した。葉上の病斑出現状態を無処理と比較し防除効果を調べた。
化合物番号2、4、6、8、10、12、14、および18の化合物について前記リンゴ黒星病防除試験を行った。いずれの化合物も75%以上の防除価を示した。
(キュウリ灰色かび病防除試験)
前記製剤実施例の配合処方で調製された乳剤を有効成分125ppmになるように水で希釈した。素焼きポットで栽培したキュウリ幼苗(品種「ときわ地這」、子葉期)に、前記希釈液を散布した。室温で自然乾燥させた。その後、キュウリ灰色かび病菌(Botrytis cinerea)の分生胞子懸濁液を滴下接種した。暗所、20℃、高湿度の室内に4日間保持した。葉上の病斑出現状態を無処理と比較調査し、防除効果を求めた。
化合物番号2、4、6、8、10、12、14、および18の化合物について前記キュウリ灰色かび病防除試験を行った。いずれの化合物も75%以上の防除価を示した。
(コムギうどんこ病防除試験)
前記製剤実施例の配合処方で調製された乳剤を有効成分125ppmになるように水で希釈した。素焼きポットで栽培したコムギ幼苗(品種「チホク」、1.0〜1.2葉期)に前記希釈液を散布した。葉を風乾させた。その後、コムギうどんこ病菌(Blumeria graminis f.sp.tritici)の分生胞子を振り払い接種した。22〜25℃の温室で7日間保持した。葉上の病斑出現状態を無処理と比較調査し、防除効果を求めた。
化合物番号2、4、6、8、10、12、14、および18の化合物について前記コムギうどんこ病防除試験を行った。いずれの化合物も75%以上の防除価を示した。
(トマト疫病防除試験)
前記製剤実施例の配合処方で調製された乳剤を有効成分125ppmになるように水で希釈した。素焼きポットで栽培したトマト幼苗(品種「レジナ」、4〜5葉期)に、前記希釈液を散布した。葉を風乾させた。その後、トマト疫病菌(Phytophthora infestans)の遊走子嚢懸濁液を噴霧接種した。明暗を12時間毎に繰り返す高湿度の恒温室(20℃)に4日間保持した。葉上の病斑出現状態を無処理と比較調査し、防除価を求めた。
化合物番号2および6の化合物について前記トマト疫病防除試験を行った。いずれの化合物も75%以上の防除価を示した。
(コムギ赤さび病防除試験)
前記製剤実施例の配合処方で調製された乳剤を有効成分125ppmになるように水で希釈した。素焼きポットで栽培したコムギ幼苗(品種「農林61号」、1.0〜1.2葉期)に前記希釈液を散布した。葉を風乾させた。その後、コムギ赤さび病菌(Puccinia recondita)の夏胞子を振り払い接種した。22〜25℃の温室で10日間保持した。葉上の病斑出現状態を無処理と比較調査し、防除効果を求めた。
化合物番号4および6の化合物について前記コムギ赤さび病防除試験を行った。いずれの化合物も75%以上の防除価を示した。

Claims (1)

  1. 式〔I〕で表される化合物およびその塩から選ばれる少なくとも1つを有効成分として含有する植物病害防除剤。

    Figure 0006681274

    (式〔I〕中、
    Yは、ピペラジン残基またはピペリジン残基を示し、
    Yの1位および4位のそれぞれにXまたはZが結合し、
    XおよびZは、それぞれ独立に、アルキレン基を示し、
    Wは、−NH−を示し、
    1 〜R 3 は、それぞれ独立に、水素原子またはt−ブトキシカルボニル基を示し、且つ
    Aは、式〔II〕で表される基を示し、

    Figure 0006681274

    式〔II〕中、
    *は、Xとの結合位置を示し、
    1 は、−C≡C−または−O−を示し、
    11 〜R 13 は、それぞれ独立に、水素原子またはt−ブトキシカルボニル基を示し、且つ
    Arは、二価の芳香族複素環基を示す。)
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