JPWO2018092395A1 - 電気脱イオン装置及び脱イオン水の製造方法 - Google Patents

電気脱イオン装置及び脱イオン水の製造方法 Download PDF

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Abstract

電気脱イオン装置1は、複数のカチオン交換膜2およびアニオン交換膜3を離間して交互に配置し、カチオン交換膜2とアニオン交換膜3とで形成される空間内にイオン交換樹脂4をそれぞれ充填することで複数の脱塩室5と、濃縮水を流すための濃縮室6とを交互に形成してなる。これらの脱塩室5と濃縮室6とは、陽極7と陰極8の間に配置されていて、陽極7と陰極8の内側には、それぞれ、陽極室9及び陰極室10が形成されている。この電気脱イオン装置1においては、脱塩室5に充填するイオン交換樹脂4(アニオン交換樹脂及びカチオン交換樹脂)として、コアシェル型のイオン交換樹脂を用いる。かかる電気脱イオン装置1によれば、ホウ素除去率を向上させることができるとともに装置寿命の低下を防止することができる。

Description

本発明は、電気脱イオン装置及びこれを用いた脱イオン水の製造方法に関し、特にホウ素を高度に除去することの可能な電気脱イオン装置及びこれを用いた脱イオン水の製造方法に関する。
従来、市水、地下水、工水等の原水から半導体等の電子産業分野で用いられている超純水を製造する超純水製造装置は、基本的に前処理装置、一次純水装置及び一次純水を処理する二次純水装置からなる。このような超純水製造装置において、前処理装置は、凝集、浮上、ろ過及び除濁膜装置等で構成される。一次純水装置は、一般に活性炭吸着塔、紫外線(UV)酸化装置、化学的酸化装置、脱気装置などから選ばれる一種又は二種以上の装置と、脱塩装置とから構成され、この脱塩装置は、1段または2段構成の逆浸透膜(RO膜)装置と電気脱イオン装置又は再生型の混床式あるいは多層式のイオン交換装置とからなるのが一般的である。また、二次純水装置は、低圧UV酸化装置、非再生型の混床式イオン交換装置及び限外ろ過(UF)膜装置で構成される。
このような超純水製造装置において、原水中のイオン性成分は、RO膜装置、電気脱イオン装置又は混床式などのイオン交換装置で除去され、微粒子はRO膜装置及びUF膜装置で除去される。
上述したような装置で製造される超純水は、近年、特に電子産業分野用では、ホウ素濃度を3ng/L以下にまで抑制することが要求されるようになってきている。
この対策として、従来、最も汎用的な一次純水装置であるRO膜装置と電気脱イオンとの組み合わせにおいて、ホウ素除去率の高い電気脱イオン装置(例えば栗田工業社製「KCDI−UPz」(商品名))を用いることが提案されているが、このような高性能な電気脱イオン装置でもそのホウ素除去率は99.9%程度である。このため、例えばホウ素濃度20μg/L程度の被処理水をRO膜装置で処理してホウ素濃度10μg/L程度のRO透過水が得られたとした場合、これをホウ素除去率99.9%の電気脱イオン装置で処理しても、得られる処理水(脱イオン水)のホウ素濃度は10ng/Lにしかならず、これらの組み合わせだけではホウ素濃度を3g/L以下にするのは困難である、という問題点がある。
一般に電気脱イオン装置は、陰極及び陽極間に複数のカチオン交換膜とアニオン交換膜とを交互に配置し、これらカチオン交換膜及びアニオン交換膜により区画形成することで脱塩室及び濃縮室を交互に形成し、この脱塩室及び前記濃縮室にイオン交換樹脂を充填したものが用いられている。そこで、ホウ素濃度3ng/L以下という高純度の超純水を得るためには、電気脱イオン装置におけるイオンの移動速度を促進させてやればよい。このためには電気脱イオン装置にできるだけ多くの電流を印加してやればよいが、そうすると同時に電圧も上昇してしまうために装置寿命が短くなってしまう、という問題点がある。
すなわち、ホウ素除去率を向上させるためには、電流を増やしつつ電圧の上昇を抑制するか、同じ電流条件でもホウ素除去能を高める必要がある。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、ホウ素除去率を向上させることができるとともに電圧の上昇を抑制可能な電気脱イオン装置及びこれを用いた脱イオン水の製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために第一に本発明は、陰極及び陽極と、該陰極と該陽極との間に複数のカチオン交換膜とアニオン交換膜とを配列することにより交互に形成された濃縮室及び脱塩室とを有し、前記脱塩室及び前記濃縮室にイオン交換樹脂が充填されていて、前記濃縮室に濃縮水を通水する濃縮水通水手段と、前記脱塩室に被処理水を通水して脱イオン水を取り出す手段とを有し、前記濃縮水通水手段が前記脱塩室を通水した脱イオン水を濃縮水として通水する電気脱イオン装置であって、前記脱塩室に充填されるイオン交換樹脂がコアシェル型のイオン交換樹脂である電気脱イオン装置を提供する(発明1)。
かかる発明(発明1)によれば、電気脱イオン装置の運転時に陰極及び陽極間に電流を印加すると、脱塩室内ではイオン交換樹脂を経由してアニオン成分は陽極側にカチオン成分は陰極側に移動し、イオン交換膜を透過して濃縮室側に排出される。このとき通常はアニオン成分及びカチオン成分がイオン交換樹脂を通過する際に微量ではあるがイオン交換樹脂の中心部に蓄積される。そこで、発明1においては、このイオン交換樹脂としてコアシェル型のイオン交換樹脂を用いる。コアシェル型のイオン交換樹脂はシェル(表層)側のみがイオン交換機能を有しコア(中心部)は不活性であるので、アニオン成分及びカチオン成分は、イオン交換樹脂のコアを通過することなく表層側のみを伝播して移動するため、イオン成分の移動速度が速くなる。これによりイオンの除去率が高くなり、結果としてホウ素除去率も向上させることができる。
上記発明(発明1)においては、前記脱塩室の厚さが5〜30mmであることが好ましい(発明2)。
かかる発明(発明2)によれば、この程度の脱塩室の厚さであれば、カチオン交換膜あるいはアニオン交換膜までイオン成分が移動する時間が短くてすむので、ホウ素などの除去しにくい弱イオン成分の除去率を高くすることができる。
上記発明(発明1又は2)においては、前記濃縮水通水手段が、前記脱塩室を通水した脱イオン水の一部を対向流で濃縮水として通水するものであることが好ましい(発明3)。
かかる発明(発明3)によれば、電気脱イオン装置の脱塩室と濃縮室におけるイオンの濃度勾配の格差を緩和することができるので、ホウ素除去率をさらに向上させることができる。
上記発明(発明1〜3)においては、前記脱塩室に充填されるイオン交換樹脂がアニオン交換樹脂とカチオン交換樹脂との混合樹脂であり、アニオン交換樹脂の割合が60〜80重量%(乾燥状態)であることが好ましい(発明4)。
かかる発明(発明4)によれば、弱イオンであり除去しにくい炭酸、シリカ、ホウ素などがイオン化しやすくなり、これらの除去率を高くすることができる。
また、第二に本発明は、発明1〜4のいずれかの電気脱イオン装置の前記脱塩室に被処理水を通水し脱イオンして排出する脱イオン水の製造方法を提供する(発明5)。
かかる発明(発明5)によれば、電気脱イオン装置の運転時に陰極及び陽極間に電流を印加すると、脱塩室内ではイオン交換樹脂を経由してアニオン成分は陽極側にカチオン成分は陰極側に移動し、イオン交換膜を透過して濃縮室側に排出される。このとき通常はアニオン成分及びカチオン成分がイオン交換樹脂を通過する際に微量ではあるがイオン交換樹脂の中心部に蓄積される。そこで、シェル(表層)側のみがイオン交換機能を有しコア(中心部)は不活性であるコアシェル型のイオン交換樹脂を用いることにより、アニオン成分及びカチオン成分は、イオン交換樹脂のコアを通過することなく表層側のみを伝播して移動するため、イオン成分の移動速度が速くなる。これによりイオンの除去率が高くなり、結果としてホウ素が高度に除去された高純度の脱イオン水を得ることができる。
上記発明(発明5)においては、前記脱塩室に被処理水を通水し、前記脱塩室の流出水の一部を前記濃縮室に該脱塩室の通水方向と逆方向に通水し、残部を処理水として排出することが好ましい(発明6)。
かかる発明(発明6)によれば、電気脱イオン装置の脱塩室と濃縮室におけるイオンの濃度勾配の格差を緩和することができるので、得られる脱イオン水のホウ素除去率をさらに向上させることができる。
本発明によれば、電気脱イオン装置の脱塩室にコアシェル型のイオン交換樹脂を充填することにより、イオン交換樹脂におけるイオン成分の移動速度が速くなるので、ホウ素を高度に除去することができ、ホウ素濃度3ng/L以下の脱イオン水を得ることが可能となる。
本発明の一実施形態による電気脱イオン装置の構成を示す模式的な断面図である。 前記電気脱イオン装置を示す系統図である。 前記実施形態におけるコアシェル型のイオン交換樹脂でのアニオンの移動状態を示す概略図である。 従来のイオン交換樹脂でのアニオンの移動状態を示す概略図である。
以下、本発明の一実施形態による電気脱イオン装置について添付図面を参照して説明する。
図1は本発明の一実施形態による電気脱イオン装置の構成を示す模式的に示す断面図である。図1において、電気脱イオン装置1は、複数のカチオン交換膜2およびアニオン交換膜3を離間して交互に配置し、カチオン交換膜2とアニオン交換膜3とで形成される空間内にイオン交換樹脂4をそれぞれ充填することで複数の脱塩室5と、濃縮水を流すための濃縮室6とを交互に形成してなる。なお、図1中においては濃縮室6に充填したイオン交換樹脂については便宜上省略してある。濃縮室6は、脱塩室5から各イオン交換膜を介して移動してくるイオンを受け取って排出する。また、脱塩室5と濃縮室6とは、陽極7と陰極8の間に配置されていて、陽極7と陰極8の内側には、それぞれ、陽極室9及び陰極室10が形成されている。陽極室9、陰極室10は、通常、カチオン交換膜2あるいはアニオン交換膜3によって仕切られている。
電気脱イオン装置1において、各脱塩室5の図示上側には被処理水Wの流入ライン11が設けられている一方、各脱塩室5の図示下側には処理水(脱イオン水)W1の流出ライン12が接続している。また、各濃縮室6の図示下側には濃縮水W2の流入ライン13が設けられている一方、各濃縮室6の図示上側には濃縮排水W3の排出ライン14が接続している。なお、図1中において、符号15、16はそれぞれ電極水W4の流入ライン及び排出ラインである。
この電気脱イオン装置1には、脱塩室5に被処理水Wを通水して処理水(脱イオン水)W1取り出す通水手段(図示せず)と、濃縮室6に濃縮水W2を通水する濃縮水通水手段(図示せず)とが設けられていて、本実施形態においては濃縮水W2を脱塩室5の処理水W1の取り出し口に近い側から濃縮室6内に導入するとともに、脱塩室5の入口に近い側から流出する構成、すなわち脱塩室5における被処理水Wの流通方向と反対方向から濃縮水W2を濃縮室6に導入して濃縮排水W3を吐出する構成となっている。
具体的には、図2に示すように脱塩室5から得られる処理水W1の一部を濃縮室6及び陽極室9に導入する。このように濃縮水W2として処理水W1を用いてイオン濃度が低減された濃縮水W2を流通させる。
電気脱イオン装置1では、脱塩室5の厚さは5〜30mmとするのが好ましい。脱塩の厚さが30mmを超えるとホウ素除去効率が低下する一方、5mm未満では、アニオン交換膜やカチオン交換膜の枚数が多くなるばかりか、イオン交換樹脂の充填が困難となり、電気脱イオン装置1の生産性が大幅に低下するため好ましくない。
上述したような電気脱イオン装置1においては、脱塩室5に充填するイオン交換樹脂4(アニオン交換樹脂及びカチオン交換樹脂)として、コアシェル型のイオン交換樹脂を用いる。図3に示すように本実施形態におけるコアシェル型のイオン交換樹脂(アニオン交換樹脂)21は、不活性イオンからなる中心部(コア)22と、その外側に形成されたイオン交換能を有する表層部(シェル)23とを備える。このようなコアシェル型のイオン交換樹脂としては、例えばピュロライト(株)製「Purolite(登録商標) SST」シリーズなどのような構造を有するものを用いることができる。
脱塩室5に充填されるイオン交換樹脂のアニオン交換樹脂:カチオン交換樹脂の比率は60:40〜90:10、特に60:40〜80:20(乾燥重量比)である。アニオン交換樹脂の割合が体積比で90%を超えると処理水W1中のカチオン成分の除去率が低下する。一方、アニオン交換樹脂の割合が体積比で60%未満では、ホウ素(ホウ酸イオン)やシリカなどの弱アニオンの除去率が低下する。このイオン交換樹脂は脱塩室5の全域で同じ比率である必要はなく、脱塩室5の通水方向に対する入口側と出口側とで異ならせてもよい。例えば、脱塩室5の入口側(上流側)から通水流路の1/2〜1/3の領域においては、アニオン交換樹脂:カチオン交換樹脂の比率を70:30〜80:20とアニオン交換樹脂を多く配合し、それ以降の出口側ではアニオン交換樹脂:カチオン交換樹脂の比率を40:60〜60:40、特に50:50〜60:40とほぼ等量を配合してもよい。このような割合でイオン交換樹脂を充填することで、入口側でアニオンが効果的に除去されてアルカリ性の水域となり、炭酸、シリカ、ホウ素(ホウ酸)がよりイオン化しやすくなるので、電気脱イオン装置1で除去しやすくなるので好ましい。
また、脱塩室5に充填されるイオン交換樹脂のうち少なくともカチオン交換樹脂は、TOC溶出量が1ppb以下となるようにあらかじめコンディショニング(洗浄)を施したものを用いてもよい。なお、ここでTOC溶出量とは2Lのイオン交換樹脂量に対し、SV=50/hrで超純水を120分通水した後のTOC濃度をTOC計(アナテルA−1000)で測定したときのTOCの溶出量(増加量)をいう。このコンディショニングは、例えば酸洗浄工程、超純水による酸の押し出し工程、温超純水による温水洗浄工程、超純水による仕上げ工程などをTOC溶出量が1ppb以下となるようにそれぞれ適当な条件(濃度、時間及び流速)で順次を行えばよい。なお、アニオン交換樹脂もコンディショニング(洗浄)を施すことにより、TOC溶出量が1ppb以下となるようにあらかじめコンディショニング(洗浄)を施したものを用いることもできる。
また、濃縮室6に充填するイオン交換樹脂のアニオン交換樹脂とカチオン交換樹脂の比率は特に制限はないが、両者を当量とするかあるいはカチオン交換樹脂をある程度多くするのが好ましく、アニオン交換樹脂:カチオン交換樹脂の比率を体積比で40:60〜70:30、特に50:50〜70:30(乾燥重量比)とすればよい。
次に上述したような構成を有する電気脱イオン装置1による脱イオン水の製造方法について説明する。まず、RO処理水などの被処理水Wを電気脱イオン装置1で処理する。このとき、電気脱イオン装置1を電流密度500mA/dm以上で運転する。電流密度500mA/dm未満では、十分なホウ素除去率の向上効果が得られない。好ましくは電流密度800mA/dm以上で運転する。このとき、電気脱イオン装置1の脱塩室5における被処理水Wの通水速度はLV=50〜150m/hr程度が好ましい。
これにより被処理水Wが脱塩室5に導入され、脱塩室5から処理水(脱イオン水)W1が得られる。本実施形態においては、この処理水W1の一部(例えば10〜35%程度)を濃縮水W2として濃縮室6に脱塩室5の通水方向とは逆方向に向流一過式で通水し、濃縮室6から濃縮排水W3を系外へ排出する。このとき、電気脱イオン装置1の濃縮室6における被処理水Wの通水速度はLV=10〜30m/hr程度が好ましい。すなわち、本実施形態では、濃縮室6と脱塩室5とが交互に並設され、脱塩室5の処理水W1の取り出し側が濃縮室6の流入口となっているとともに脱塩室5の原水流入側が濃縮室6の流出口となっている。なお、処理水(脱イオン水)W1の一部は陽極室9の入口側に送給され、そして、陽極室9の流出水は、陰極室9の入口側へ送給され、陰極室9の流出水は排水として系外へ排出される。
このように濃縮室6に処理水W1を濃縮水W2として脱塩室5に対して向流一過式で通水することにより、脱塩室5の取り出し側ほど濃縮室6内の濃縮水W2中のイオン濃度が低いものとなるので、濃度拡散による脱塩室5への影響が小さくなり、イオン除去率、特にホウ素の除去率を飛躍的に高めることができる。
上述したような脱イオン水の製造工程において、通常のイオン交換樹脂を用いた従来の電気脱イオン装置では、イオン交換樹脂(アニオン交換樹脂)31は、中心部まで全体がイオン交換能を有するので、図4に示すようにイオン交換樹脂31に取り込まれたアニオンAは、水乖離により生成したHやOHで再生されながらイオン交換樹脂31の表層を移動し、電圧の印加により脱塩室5の厚さ方向に移動してアニオン交換膜3に到達し、濃縮室6から濃縮排水W3として排出される。しかしながら、アニオンAの一部はイオン交換樹脂31樹脂の内部に移動する。イオン交換樹脂31の内部に移動したアニオンAは移動に時間がかかるので、少しずつイオン交換樹脂31内部に蓄積し、電圧の上昇や、蓄積したイオンの漏洩によるホウ素等の除去率が十分に低下できない原因となっていた。
これに対し、本実施形態においては、脱塩室5に充填するイオン交換樹脂4として、コアシェル型のイオン交換樹脂(アニオン交換樹脂)21を用いる。このコアシェル型のイオン交換樹脂21の場合には、図3に示すように樹脂中心部22が不活性であるので、アニオンAは樹脂中心部22を流れずに、表層部23だけを移動するため、電圧の印加により脱塩室5の厚さ方向への移動が促進され、アニオンAは、アニオン交換膜3に到達して、濃縮室6から濃縮排水W3として排出される。これにより、イオン交換樹脂21へのアニオンAの蓄積による電圧の上昇を抑制し、アニオンAの電流による移動の促進によりホウ素等の除去率の向上が可能となる。なお、以上アニオン交換樹脂の場合を例に説明したが、カチオン交換樹脂の場合にはカチオンが陰極側に移動する以外同じである。
上述したような本実施形態の電気脱イオン装置1は、特に純水製造装置を構成するRO膜分離装置の後段に設けて該RO膜分離装置の透過水を処理するのが好ましい。このように構成すれば、RO膜分離装置からのホウ素濃度10〜20μg/L程度のRO膜分離装置の透過水を処理することにより、ホウ素濃度3ng/L以下、特にホウ素濃度1ng/L以下の脱イオン水を得ることが可能となる。
以上、本発明の一実施形態について添付図面を参照して説明してきたが、本発明は、電気脱イオン装置1の脱塩室5にコアシェル型のイオン交換樹脂を充填すれば前記実施形態に限定されず、種々の変更実施が可能である。例えば、要求される水質に応じて、運転時の電流密度やコアシェル型のイオン交換樹脂のアニオン/カチオン比率等を適宜設定することができる。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
〔実施例1〕
電気脱イオン装置1として以下のものを使用した。
電気脱イオン装置:試験用の電気脱イオン装置として、図1及び図2に示すように脱塩室5を通水した処理水(脱イオン水)W1の一部を対向流で濃縮水W2として濃縮室6に通水する方式を採用した。脱塩室5及び濃縮室6をそれぞれ高さ400mm、幅50mm、厚さ5mmとして、脱塩室5の両側を濃縮室6で挟み、その両側に陽極室9及び陰極室10を取り付けた5室構造(構造:E−C−D−C−E)のものを製造した。この電気脱イオン装置1を濃縮室5及び脱塩室5が鉛直方向とのなるように設置した。
このような電気脱イオン装置1において、脱塩室5にコアシェル型のイオン交換樹脂としてアニオン交換樹脂(ピュロライト社製「SSTA64」)とカチオン交換樹脂(ピュロライト社製「SSTC60」)とをアニオン交換樹脂:カチオン交換樹脂=60:40(乾燥重量比)で混合した混合樹脂を充填した。なお、濃縮室6には、通常のカチオン交換樹脂及びアニオン交換樹脂をカチオン交換樹脂:アニオン交換樹脂=60:40(乾燥重量比)で混合した混合樹脂を充填した。
上記の電気脱イオン装置1に電流2A(KCDI−UPz(栗田工業社製)18A相当)の電流を流し、CO=1mg/L、B=3μg/L及びNa=0.5mg/Lの被処理水Wを脱塩室5にLV=50m/hrで下向流通水し、脱塩室5の流出水の33%を濃縮水W2として濃縮室6にLV=25m/hrで上向流通水し、残部を処理水(脱イオン水)W1として取り出した。
この処理水W1のホウ素濃度を測定したところ3ng/Lと電気脱イオン装置の単独処理としては十分に低いものであり、初期運転電圧も9.39Vと低かった。
〔比較例1〕
実施例1において、脱塩室5に通常のアニオン交換樹脂(EX−AG(栗田工業社製))とカチオン交換樹脂(EX−CG(栗田工業社製))とを、アニオン交換樹脂:カチオン交換樹脂=60:40(乾燥重量比)で混合した混合樹脂を充填した以外は同様にして電気脱イオン装置1を構成し、同様の条件で被処理水Wを通水したところ、この処理水W1のホウ素濃度は4ng/Lであり、初期運転電圧は10.37Vでいずれも実施例1よりも大きかった。
以上の結果により、コアシェル型のイオン交換樹脂を脱塩室5に充填した電気脱イオン装置1を用いることにより、通常のイオン交換樹脂を用いた場合と比較してホウ素除去性能が高く、同電流で運転する際の電圧も低くてすむことがわかる。
1 電気脱イオン装置
2 カチオン交換膜
3 アニオン交換膜
4 イオン交換樹脂
5 脱塩室
6 濃縮室
21 コアシェル型のイオン交換樹脂
22 中心部(コア)
23 表層部(シェル)
W 被処理水
W1 処理水(脱イオン水)
W2 濃縮水
W3 濃縮排水
W4 電極水
A アニオン

Claims (6)

  1. 陰極及び陽極と、該陰極と該陽極との間に複数のカチオン交換膜とアニオン交換膜とを配列することにより交互に形成された濃縮室及び脱塩室とを有し、前記脱塩室及び前記濃縮室にイオン交換樹脂が充填されていて、前記濃縮室に濃縮水を通水する濃縮水通水手段と、前記脱塩室に被処理水を通水して脱イオン水を取り出す手段とを有し、前記濃縮水通水手段が前記脱塩室を通水した脱イオン水を濃縮水として通水する電気脱イオン装置であって、
    前記脱塩室に充填されるイオン交換樹脂がコアシェル型のイオン交換樹脂である電気脱イオン装置。
  2. 前記脱塩室の厚さが5〜30mmである請求項1に記載の電気脱イオン装置。
  3. 前記濃縮水通水手段が、前記脱塩室を通水した脱イオン水の一部を対向流で濃縮水として通水する請求項1又は2に記載の電気脱イオン装置。
  4. 前記脱塩室に充填されるイオン交換樹脂がアニオン交換樹脂とカチオン交換樹脂との混合樹脂であり、アニオン交換樹脂の割合が60〜80重量%(乾燥状態)である請求項1〜3のいずれか一項に記載の電気脱イオン装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の電気脱イオン装置の前記脱塩室に被処理水を通水し脱イオンして排出する脱イオン水の製造方法。
  6. 前記脱塩室に被処理水を通水し、前記脱塩室の流出水の一部を前記濃縮室に該脱塩室の通水方向と逆方向に通水し、残部を処理水として排出する請求項5に記載の脱イオン水の製造方法。
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