JP7219174B2 - 非水溶媒の精製方法 - Google Patents

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本発明は、非水溶媒中の金属不純物を除去して、該非水溶媒を精製するための非水溶媒の精製方法に関する。
近年、半導体やリチウムイオン二次電池の製造において、高度に精製された非水溶媒が用いられている。非水溶媒の精製方法としては、蒸留方法が知られているが、設備費が高く且つ多大なエネルギーが必要である上、高度な精製が難しいとの問題がある。
そこで、近年では、イオン交換樹脂やイオン交換フィルターを用いるイオン交換法により、非水溶媒を精製する方法が行われている。イオン交換法は、設備費が低く且つ省エネルギーである上、高度な精製が可能であるという特徴を有する。
高度に精製された非水溶媒では、水分も不純物となるため、イオン交換樹脂の含有水分を、非水溶媒へ溶出させないことが必要である。そのため、イオン交換樹脂を用いる場合には、予め、イオン交換樹脂中の水分量を低減する前処理が必須となってくる。
例えば、特許文献1には、アニオン型イオン交換樹脂を水混和性の有機溶媒で置換除去をした後、その有機溶媒を脱気除去するイオン交換樹脂の脱水処理が開示されている。また、他には、イオン交換樹脂を減圧乾燥する方法がある。
特開平10-53594号公報
ところが、本発明者らが検討したところ、イオン交換樹脂に脱水処理用の非水溶媒を通液することにより、イオン交換樹脂中の水分を、非水溶媒で置換することによる含水量の低減方法では、非水溶媒の精製が可能な程度まで、イオン交換樹脂の含水量を低減するのに、イオン交換樹脂に対して数十倍から数百倍もの多量の非水溶媒が必要になることがわかった。
また、イオン交換樹脂の減圧乾燥による含水量の低減方法では、非水溶媒の精製が可能な程度まで、イオン交換樹脂の含水量を低減することができない。
従って、本発明の目的は、脱水処理用の非水溶媒を通液することにより、水分を含有しているイオン交換樹脂の水分を除去するための前処理工程を有する非水溶媒の精製方法において、前処理工程での脱水処理用の非水溶媒の使用量が少ない非水溶媒の精製方法を提供することにある。
このような背景のもと、本発明者らは、前処理工程において、イオン交換樹脂の中心近傍の水分が、表層近傍に比べ、非常に非水溶媒で置換され難く、イオン交換樹脂の中心近傍の水分が、前処理工程において脱水処理用の非水溶媒の使用量を過大にさせている要因であること、及び非水溶媒の精製に用いるイオン交換樹脂として、イオン交換基の導入されていない中心部分と、イオン交換基が導入されている表層部分と、を有する粒状樹脂を用いることにより、非水溶媒で置換され難いイオン交換樹脂の中心近傍には、官能基に水和する水分が存在しないので、イオン交換樹脂中の水分を低減するための非水溶媒の使用量を少なくすることができ、且つ、非水溶媒の精製においては、中心近傍のイオン交換基は、非水溶媒と接触し難いので、ほとんど精製に使用されないことから、中心近傍にはイオン交換基が導入されていなくても、精製性能に対する影響が少ないこと等を見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明(1)は、脱水処理前のイオン交換基を有する粒状樹脂の充填層に、脱水処理用の非水溶媒を通液することにより、該粒状樹脂の水分を除去する前処理工程と、
前記前処理工程で脱水された粒状樹脂の充填層に、精製対象の非水溶媒を通液することにより、精製対象の非水溶媒を精製する精製工程と、
を有し、
前記粒状樹脂は、イオン交換基が導入されていない中心部分と、イオン交換基が導入されている表層部分と、を有すること、
を特徴とする非水溶媒の精製方法を提供するものである。
また、本発明(2)は、前記粒状樹脂の表層部分においては、前記粒状樹脂の外側から中心に向かってイオン交換基の導入量が少なくなっていることを特徴とする(1)の非水溶媒の精製方法を提供するものである。
また、本発明(3)は、前記イオン交換基を有する粒状樹脂のイオン交換基が、カチオン交換基であることを特徴とする(1)又は(2)の非水溶媒の精製方法を提供するものである。
本発明によれば、脱水処理用の非水溶媒を通液することにより、水分を含有しているイオン交換樹脂の含水量を低減させるための前処理工程を有する非水溶媒の精製方法において、前処理工程での脱水処理用の非水溶媒の使用量が少ない非水溶媒の精製方法を提供することができる。
本発明の非水溶媒の精製方法は、脱水処理前のイオン交換基を有する粒状樹脂の充填層に、脱水処理用の非水溶媒を通液することにより、該イオン交換基を有する粒状樹脂の水分を除去する前処理工程と、
脱水処理後の該イオン交換基を有する粒状樹脂の充填層に、精製対象の非水溶媒を通液することにより、精製対象の非水溶媒を精製する精製工程と、
を有し、
該イオン交換基を有する粒状樹脂は、イオン交換基の導入されていない中心部分と、イオン交換基が導入されている表層部分と、を有する粒状樹脂であること、
を特徴とする非水溶媒の精製方法である。
本発明の非水溶媒の精製方法は、前処理工程と、精製工程と、を有する。つまり、本発明の非水溶媒の精製方法では、先に、脱水処理用の非水溶媒を、脱水処理が施されていないイオン交換基を有する粒状樹脂に通液することにより、イオン交換基を有する粒状樹脂中の水分量を低減させてから、水分量を低減させたイオン交換基を有する粒状樹脂に、精製対象の非水溶媒を通液することにより、非水溶媒の精製を行う。
本発明の非水溶媒の精製方法において、前処理工程に用いられる脱水処理用の非水溶媒と、精製工程における精製対象の非水溶媒は、同種の非水溶媒であることが好ましいが、異なる種類であっていてもよい。なお、前処理工程に用いられる脱水処理用の非水溶媒と、精製工程における精製対象の非水溶媒の種類が異なる場合は、精製工程前に、精製対象の非水溶媒を脱水処理後のイオン交換基を有する粒状樹脂に通液し、脱水処理用の非水溶媒を精製対象の非水溶媒で置換してから、精製工程を行えばよい。例えば、イソプロピルアルコールの精製を行う場合には、脱水処理用の非水溶媒として、イソプロピルアルコールを用いる。精製対象の非水溶媒としては、特に制限されないが、例えば、イソプロピルアルコール、メタノール、エタノール等のアルコール類、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトン、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、2,4-ジフェニル-4-メチル-1-ペンテン、2-フェニル-1-プロペン等のアルケン系有機溶媒、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、酢酸イソプロピル等のエステル系有機溶媒、芳香族有機溶媒、N-メチルピロリドンなど、及びこれらの混合有機溶媒が挙げられる。
本発明の非水溶媒の精製方法に係る前処理工程は、脱水処理前のイオン交換基を有する粒状樹脂の充填層に、脱水処理用の非水溶媒を通液することにより、イオン交換基を有する粒状樹脂の水分を除去する工程である。
前処理工程では、脱水処理用の非水溶媒として、精製工程における精製対象の非水溶媒と同種又は異なる種類の非水溶媒を適宜選択する。処理性能の面からは、イオン交換樹脂充填容器に充填されているイオン交換基を有する粒状樹脂の充填層に対し、非水溶媒が下向流で通液されるように、送液管が配置されていることが好ましい。イオン交換基を有する粒状樹脂の充填層に対し、非水溶媒を下向流で通液する場合、イオン交換樹脂充填容器内のイオン交換基を有する粒状樹脂の充填層を流通する非水溶媒を加圧して、イオン交換樹脂充填容器内で気泡が発生しないように調整することが好ましい。この場合、非水溶媒を加圧する手段(圧力調整手段)として、イオン交換樹脂充填容器の後段にイオン交換樹脂充填容器内を所定の圧力まで加圧する背圧弁又はリリーフ弁を設けることが好ましい。背圧弁又はリリーフ弁により送液量を絞ることでイオン交換樹脂充填容器内を加圧することにより、イオン交換樹脂充填容器内での気泡の発生を抑制することができる。
脱水処理用の非水溶媒中の水含有量は、精製工程で精製することにより得られる非水溶媒に要求される水含有量と同程度又はそれ以下であればよいが、低い程脱水処理に必要な非水溶媒量を少なくすることができる。
脱水処理用の非水溶媒中の各金属不純物の含有量は、精製工程で精製することにより得られる非水溶媒の要求値により適宜選択されるが、可能な限り金属含有量が少ないことが、前処理工程でイオン交換樹脂を有する粒状樹脂の官能基の消耗が少なくなり、粒状樹脂の寿命が高くなる点で好ましい。
本発明の非水溶媒の精製方法に係るイオン交換基を有する粒状樹脂は、イオン交換基が導入されていない中心部分と、イオン交換基が導入されている表層部分と、を有する粒状樹脂である。イオン交換基を有する粒状樹脂では、内側にイオン交換基の導入されていない中心部分が存在しており、且つ、イオン交換基の導入されていない中心部分の外側全体を覆って、イオン交換基が導入されている表層部分が存在している。そのため、イオン交換基が導入されている表層部分の外側表面が、イオン交換基を有する粒状樹脂の表面である。
イオン交換基を有する粒状樹脂の基体樹脂としては、スチレン-ジビニルベンゼン共重合体等が挙げられる。イオン交換樹脂としては、特に制限されないが、有機高分子を母体とする有機高分子系のイオン交換樹脂が好ましく、母体となる有機高分子としては、スチレン系樹脂またはアクリル系樹脂が挙げられる。イオン交換基を有する粒状樹脂の中心部分を形成する基体樹脂と、表層部分を形成する基体樹脂とは、同一であってもよいし、異なっていてもよい。
イオン交換基を有する粒状樹脂は、ゲル型構造、マクロポーラス型構造、ポーラス型構造のいずれの構造でもよい。
イオン交換基を有する粒状樹脂の表層部分に導入されているイオン交換基は、カチオン交換基又はアニオン交換基である。カチオン交換基としては、特に制限されず、例えば、強酸性カチオン交換基としては、スルホン酸基が挙げられ、また、弱酸性カチオン交換基としては、カルボキシル基が挙げられる。カチオン交換基は、H形である。また、アニオン交換基としては、特に制限されず、例えば、強塩基性アニオン交換基としては、OH形の四級アンモニウム基等が挙げられ、また、弱塩基性アニオン交換基としては、遊離塩基形の三級アミノ基、二級アミノ基、一級アミノ基、ポリアミン基等が挙げられる。
イオン交換基を有する粒状樹脂の表層部分では、外側から中心に向かってイオン交換基の導入量が少なくなっていてもよいし、あるいは、表層部分全体に均一にイオン交換基が導入されていてもよい。
イオン交換基を有する粒状樹脂の平均粒径は、特に制限されないが、好ましくは300~1000μm、特に好ましくは400~800μmである。なお、本発明において、イオン交換基を有する粒状樹脂の平均粒径については、スペクトリス社製のレーザ回折式粒度分布測定装置(マスターサイザー3000)を用いて、粒状樹脂の平均粒径を測定した。
イオン交換基を有する粒状樹脂において、イオン交換基が導入されていない中心部分の平均径は、特に制限されないが、好ましくは200~700μm、特に好ましくは250~550μmである。なお、本発明において、イオン交換基を有する粒状樹脂における、イオン交換基が導入されていない中心部分の平均径については、キーエンス社製のデジタルマイクロスコープ(VHX-6000)を用いて、任意に抽出した100個の粒状樹脂を直接観察することによって、個々の粒状樹脂について、イオン交換基が導入されていない中心部分の径を測定し、得られる径を平均して、イオン交換基が導入されていない中心部分の平均径とする。
イオン交換基を有する粒状樹脂の粒径に対するイオン交換基が導入されていない中心部分の径の比(中心部分の径/粒状樹脂の粒径)の平均は、特に制限されないが、好ましくは0.4~0.9、特に好ましくは0.6~0.7である。なお、本発明において、イオン交換基を有する粒状樹脂の粒径に対するイオン交換基が導入されていない中心部分の径の比(中心部分の径/粒状樹脂の粒)は、キーエンス社製のデジタルマイクロスコープ(VHX-6000)を用いて、任意に抽出した100個の粒状樹脂を直接観察することによって、個々の粒状樹脂の粒径とイオン交換基が導入されていない中心部分の径を測定し、粒径に対する中心部分の径の比を求め、得られる粒径に対する中心部分の径の比を平均して、粒状樹脂の粒径に対するイオン交換基が導入されていない中心部分の径の比とする。
イオン交換基を有する粒状樹脂の交換容量は、好ましくは0.1~3.0eq/L-R、特に好ましくは0.5~3.0eq/L-Rである。
イオン交換基を有する粒状樹脂、すなわち、イオン交換基が導入されていない中心部分と、イオン交換基が導入されている表層部分と、を有する粒状樹脂としては、例えば、ピュロライト社製のPurolite SSTシリーズ等が挙げられる。
イオン交換基の導入されていない中心部分と、イオン交換基が導入されている表層部分と、を有する粒状樹脂を製造する方法としては、特に制限されず、如何なる製造方法で製造されたものであってもよい。イオン交換基が導入されていない中心部分と、イオン交換基が導入されている表層部分と、を有する粒状樹脂を製造する方法としては、例えば、先ず、基体樹脂の原料を用いて粒状の樹脂を製造し、次いで、得られる粒状の樹脂に、イオン交換基の導入剤を、粒子の表面から一定の深さまで含浸させて、イオン交換基の導入剤が含浸された部分の基体樹脂に、イオン交換基を導入する方法が挙げられる。
前処理工程に係る脱水処理前のイオン交換基を有する粒状樹脂の充填層は、脱水処理前のイオン交換基を有する粒状樹脂を、処理塔、処理容器等に層状に充填することにより形成されたものである。充填層の径及び厚みは、精製対象の非水溶媒の通水速度等により適宜選択される。
前処理工程において、イオン交換基を有する粒状樹脂の充填層に、脱水処理用の非水溶媒を通液するときの通液速度(SV)は、特に制限されず、適宜選択されるが、好ましくは1~100L/L-樹脂/h、特に好ましくは5~20L/L-樹脂/hである。
前処理工程において、イオン交換基を有する粒状樹脂の充填層に、脱水処理用の非水溶媒を通液するときの温度は、特に制限されず、適宜選択されるが、好ましくは0~60℃、特に好ましくは15~25℃である。
そして、前処理工程では、イオン交換基を有する粒状樹脂の充填層を通過した脱水処理用の非水溶媒中の水含有量は、脱水処理用の非水溶媒の通液量に応じて、徐々に減少していくので、イオン交換基を有する粒状樹脂の充填層を通過した脱水処理用の非水溶媒中の水含有量が、所望の値に達するまで、脱水処理前のイオン交換基を有する粒状樹脂の充填層へ、脱水処理用の非水溶媒の通液を続ける。なお、前処理工程における脱水処理用の有機溶媒の通液量は、精製対象の非水溶媒に求められる水含有量に応じて、適宜選択される。
前処理工程に用いられた脱水処理用の非水溶媒は、廃棄処分されるか、あるいは、水分が除去された後、脱水処理用の非水溶媒として再使用される。
本発明の非水溶媒の精製方法に係る精製工程は、脱水処理後のイオン交換基を有する粒状樹脂の充填層に、精製対象の非水溶媒を通液することにより、精製対象の非水溶媒を精製する工程である。
精製対象の非水溶媒は、金属不純物として、Li、Na、Mg、Al、K、Ca、Ti、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、As、Sr、Ag、Cd、Ba、Pb等を含有する。精製対象の非水溶媒中の各金属不純物の含有量は、特に制限されないが、通常、100質量ppb~20質量ppt程度である。
精製対象の非水溶媒中の水含有量は、精製工程で精製することにより得られる非水溶媒に要求される水含有量以下である。
精製工程において、脱水処理後のイオン交換基を有する粒状樹脂の充填層に、精製対象の非水溶媒を通液するときの通液速度(SV)は、特に制限されず、適宜選択されるが、好ましくは1~100L/L-樹脂/h、特に好ましくは5~20L/L-樹脂/hである。
精製工程において、脱水処理後のイオン交換基を有する粒状樹脂の充填層に、精製対象の非水溶媒を通液するときの温度は、特に制限されず、適宜選択されるが、好ましくは0~60℃、特に好ましくは15~25℃である。
そして、精製工程では、脱水処理後のイオン交換基を有する粒状樹脂の充填層に、精製対象の非水溶媒を通液することにより、精製対象の非水溶媒の精製を行う。
本発明の非水溶媒の精製方法を行い得られる非水溶媒中の各金属不純物の含有量は、非水溶媒の用途又は要求性能により適宜選択されるが、好ましくは10質量ppt以下である。
イオン交換樹脂中で、水分はイオン交換基に吸着されて存在している。そして、イオン交換樹脂に非水溶媒を接触させることにより、イオン交換樹脂の脱水処理を行う場合、イオン交換樹脂の中心部分の水分は、表層部分に水分に比べ、非常に除去され難い、言い換えると、イオン交換樹脂の表層部分の水分は、除去され易い。そこで、本発明の非水溶媒の精製方法では、前処理工程の対象となるイオン交換樹脂として、水分が除去され易い表層部分にのみイオン交換基が導入されているイオン交換樹脂が用いられているので、本発明の非水溶媒の精製方法では、前処理工程で使用しなければならない脱水処理用の非水溶媒の量を少なくすることができる。
以下、本発明を実施例に基づき詳細に説明する。ただし、本発明は、以下の実施例に制限されるものではない。
(実施例1)
H形に再生した湿潤状態のコアシェル型イオン交換樹脂(強酸性カチオン交換樹脂、ゲル型、ピュロライト社製、Purolite(登録商標)SSTC60)36mLを、内径16mm、高さ300mmのアクリルカラムに充填した。
次いで、カラム内に、表1に示す水含有量の脱水処理用のイソプロピルアルコールを、通液速度5L/L-樹脂/hで通液し、表1に示す通液量毎に、カラムの出口液を採取して、水含有量を測定した。その結果を表1に示す。
(比較例1)
H形に再生した湿潤状態のコアシェル型イオン交換樹脂に代えて、湿潤状態のH形カチオン交換樹脂(強酸性カチオン交換樹脂、H型、オルガノ社製、ORLITE DS-1)を用い、表1に示す水含有量の脱水処理用のイソプロピルアルコールを用いること以外は、実施例1と同様に行った。その結果を表1に示す。
Figure 0007219174000001
表1の結果からわかるように、実施例1では、IPAの水含有量が50ppm以下に到達するまでに、30BVの通液で済んでいるのに対し、比較例1では、35BV通液しても、IPAの水含有量が50ppm以下にならなかった。

Claims (3)

  1. 脱水処理前のイオン交換基を有する粒状樹脂の充填層に、脱水処理用の非水溶媒を通液することにより、該粒状樹脂の水分を除去する前処理工程と、
    前記前処理工程で脱水された粒状樹脂の充填層に、精製対象の非水溶媒を通液することにより、精製対象の非水溶媒を精製する精製工程と、
    を有し、
    前記粒状樹脂は、イオン交換基が導入されていない中心部分と、イオン交換基が導入されている表層部分と、を有すること、
    を特徴とする非水溶媒の精製方法。
  2. 前記粒状樹脂の表層部分においては、前記粒状樹脂の外側から中心に向かってイオン交換基の導入量が少なくなっていることを特徴とする請求項1記載の非水溶媒の精製方法。
  3. 前記粒状樹脂のイオン交換基が、カチオン交換基であることを特徴とする請求項1又は2記載の非水溶媒の精製方法。
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