JP2023009492A - 陰イオン交換樹脂の調整方法 - Google Patents

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Abstract

【解決課題】OH形のホウ素選択性陰イオン交換樹脂の再生工程を行った後の洗浄の時間を低減することができるホウ素選択性陰イオン交換樹脂の調整方法を提供すること。【解決手段】陰イオン交換樹脂にアルカリ金属水酸化物水溶液を接触させることにより、該陰イオン交換樹脂をOH形に変換する再生工程と、OH形に変換されたOH形陰イオン交換樹脂に洗浄水を接触させることにより、該OH形陰イオン交換樹脂を洗浄する洗浄工程と、を有すること、該陰イオン交換樹脂は、イオン交換基としてグルカミン基を有すること、該アルカリ金属水酸化物水溶液の規定度が、0.01~0.50Nであること、を特徴とする陰イオン交換樹脂の調整方法。【選択図】なし

Description

本発明は、陰イオン交換樹脂をOH形に変換するための調整方法に関し、ホウ素不純物を含有する被処理水の精製に用いられる陰イオン交換樹脂(ホウ素選択性陰イオン交換樹脂)を、再生又は前処理するための陰イオン交換樹脂の調整方法に関する。
近年、半導体製造時におけるシリコンの洗浄工程等において、ホウ素濃度が1ng/L以下の超純水が求められるようになっている。水中のホウ素濃度を低減する方法として、ホウ素選択性の陰イオン交換樹脂を利用する方法が提案されるようになっており、例えば、特許文献1には、純水又は超純水の製造設備内のいずれかの位置で、前処理水をホウ素選択性イオン交換樹脂に接触させてホウ素を除去する方法が提案されるようになっている。
ホウ素選択性の陰イオン交換樹脂は、グルカミン基等の被処理水中のホウ素不純物に選択的に結合して吸着する官能基(ホウ素選択性の官能基)を有している。このホウ素選択性の陰イオン交換樹脂を用いて、被処理水中のホウ素不純物の除去を続けると、ホウ素不純物との結合によって、陰イオン交換樹脂中のホウ素選択性の官能基が使われてしまい、ホウ素不純物を吸着できる官能基の量が減少していく。
そして、陰イオン交換樹脂中のホウ素選択性の官能基が全て使われてしまうと、ホウ素除去性能が失われるので、その前に、一旦、被処理水の処理を中断して、ホウ素選択性の陰イオン交換樹脂を、水酸化ナトリウム水溶液等のアルカリ金属水酸化物水溶液に接触させて、OH形に再生し、ホウ素選択性の陰イオン交換樹脂の吸着性を回復させる必要が生じる。
更に、ホウ素選択性の陰イオン交換樹脂にアルカリ金属水溶液を接触させてOH形に再生した後の陰イオン交換樹脂には、アルカリ金属イオンが残留しているので、再生処理後のホウ素選択性の陰イオン交換樹脂を、超純水等で洗浄して、陰イオン交換樹脂からアルカリ金属イオンを除去し、アルカリ金属イオンの溶出を抑制する必要がある。
例えば、引用文献2の実施例には、ホウ素選択性の陰イオン交換樹脂に、80℃の2重量%水酸化ナトリウム水溶液を、SV=5h-1で120分間通液して、ホウ素選択性の陰イオン交換樹脂に、水酸化ナトリウム水溶液を接触させ、次いで、80℃の超純水を、SV=5h-1で300分間通液し、その後、更に、常温の超純水を、SV=5h-1で60分間通液して、ホウ素選択性の陰イオン交換樹脂に、超純水を接触させて、陰イオン交換樹脂を調整する方法が記載されている。
特開平8-84986号公報 特開2001-17866号公報
しかしながら、特許文献2の方法では、水酸化ナトリウム水溶液でホウ素選択性の陰イオン交換樹脂を再生した後の洗浄に長時間を要してしまうという問題があった。そして、再生後の洗浄に時間を要することは、ホウ素選択性の陰イオン交換樹脂による超純水の精製プロセス全体の非効率化につながる。
従って、本発明は、OH形のホウ素選択性陰イオン交換樹脂の再生工程を行った後の洗浄の時間を低減することができるホウ素選択性陰イオン交換樹脂の調整方法を提供することにある。
このような技術背景のもと、本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、陰イオン交換樹脂の再生工程の際に、陰イオン交換樹脂に接触させるアルカリ金属水酸化物水溶液の濃度を特定の範囲にすることにより、再生工程後の洗浄時間を短くすることができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明(1)は、陰イオン交換樹脂にアルカリ金属水酸化物水溶液を接触させることにより、該陰イオン交換樹脂をOH形に変換する再生工程と、
OH形に変換されたOH形陰イオン交換樹脂に洗浄水を接触させることにより、該OH形陰イオン交換樹脂を洗浄する洗浄工程と、
を有すること、
該陰イオン交換樹脂は、イオン交換基としてグルカミン基を有すること、
該アルカリ金属水酸化物水溶液の規定度が、0.01~0.50Nであること、
を特徴とする陰イオン交換樹脂の調整方法を提供するものである。
また、本発明(2)は、前記アルカリ金属水酸化物水溶液の規定度が、0.05~0.50Nであることを特徴とする(1)の陰イオン交換樹脂の調整方法を提供するものである。
また、本発明(3)は、前記陰イオン交換樹脂の基体が、スチレン-ジビニルベンゼン系共重合体であることを特徴とする(1)又は(2)の陰イオン交換樹脂の調整方法を提供するものである。
また、本発明(4)は、前記陰イオン交換樹脂の床が充填されている陰イオン交換樹脂充填容器に、前記アルカリ金属水酸化物水溶液をSV40~400h-1の通液速度で通液することにより、前記再生工程を行うことを特徴とする(1)~(3)いずれかの陰イオン交換樹脂の調整方法を提供するものである。
また、本発明(5)は、前記再生工程における、前記アルカリ金属水酸化物水溶液の規定度Aと、前記アルカリ金属水酸化物水溶液の通液速度Bの関係が、下記式(1):
A×B≦4.5 (1)
(式中、Aは、アルカリ金属水酸化物水溶液の規定度(N)であり、Bは、アルカリ金属水酸化物水溶液の通液速度SV(h-1)である。)
を満たすことを特徴とする(4)の陰イオン交換樹脂の調整方法を提供するものである。
また、本発明(6)は、前記再生工程において、前記陰イオン交換樹脂に接触させる前記アルカリ金属水酸化物水溶液の温度が15~30℃であることを特徴とする(1)~(5)いずれかの陰イオン交換樹脂の調整方法を提供するものである。
本発明によれば、OH形のホウ素選択性陰イオン交換樹脂の再生工程を行った後の洗浄の時間を低減することができるホウ素選択性陰イオン交換樹脂の調整方法を提供することができる。
本発明の陰イオン交換樹脂の調整方法は、陰イオン交換樹脂にアルカリ金属水酸化物水溶液を接触させることにより、該陰イオン交換樹脂をOH形に変換する再生工程と、
OH形に変換されたOH形陰イオン交換樹脂に洗浄水を接触させることにより、該OH形陰イオン交換樹脂を洗浄する洗浄工程と、
を有すること、
該陰イオン交換樹脂は、イオン交換基としてグルカミン基を有すること、
該アルカリ金属水酸化物水溶液の規定度が、0.01~0.50Nであること、
を特徴とする陰イオン交換樹脂の調整方法である。
本発明の陰イオン交換樹脂の調整方法は、再生工程と、洗浄工程と、を有する。
再生工程は、陰イオン交換樹脂に、アルカリ金属水酸化物水溶液を接触させることにより、陰イオン交換樹脂をOH形に変換する工程である。
再生工程において、アルカリ金属水酸化物水溶液に接触させる陰イオン交換樹脂は、ホウ素選択性のイオン交換樹脂であり、イオン交換基として、グルカミン基を有する。グルカミン基を有する陰イオン交換樹脂は、イオン交換樹脂におけるイオン交換基として、ホウ素とキレート結合を形成しやすいキレート生成基(キレート基)であるグルカミン基が導入されていることにより、ホウ素を選択的に吸着することができる。
グルカミン基を有する陰イオン交換樹脂は、樹脂製の基体にグルカミン基が導入されたイオン交換樹脂であれば、特に制限されず、粉末状、ビーズ状、膜状など種々の形態のものであってもよく、また、ゲル型イオン交換樹脂又は多孔性型イオン交換樹脂のいずれであってもよい。
ゲル型イオン交換樹脂及び多孔性型イオン交換樹脂は、イオン交換樹脂のミクロ構造に基づく分類である。このうちゲル型イオン交換樹脂とは、スチレンとジビニルベンゼンを無溶媒で重合させたものを基体とするイオン交換樹脂で不均一に架橋したゲル状の構造を有し、最も古典的なイオン交換樹脂を意味する。また、多孔性型イオン交換樹脂は、重合の際に溶媒を使用することによって孔径20nmから100nm程度のマクロポアが形成された樹脂を基体とするイオン交換樹脂を意味し、MP型(マクロポーラス型)、MR型(マクロレティキュラー型)と呼ばれているものも含む。多孔性型イオン交換樹脂は、マクロポアが連続しておらず均一度にも欠けるためゲル型樹脂に比べてイオン交換容量は低いが、物理的強度は高く浸透圧や機械的圧力に対する耐性に優れている。
キレート生成基であるグルカミン基が結合する基体としては、例えば、架橋ポリスチレン、スチレン-ジビニルベンゼン共重合体等のスチレン系化合物や、フェノール類、アルデヒド類の縮合体や、架橋ポリアクリル酸等から選ばれる1種以上が好ましく、架橋ポリスチレン又はスチレン-ジビニルベンゼン共重合体がより好ましい。
グルカミン基を有する陰イオン交換樹脂としては、グルカミン基を有し、スチレン-ジビニルベンゼン共重合体を基体とするMR型又はMP型の陰イオン交換樹脂が好ましい。
グルカミン基を有する陰イオン交換樹脂に係るグルカミン基としては、特に制限されないが、N-アルキルグルカミン基が好ましく、N-メチルグルカミン基がより好ましい。
グルカミン基を有する陰イオン交換樹脂の全有機炭素放出量は、好ましくは10μg/L以下、より好ましくは5μg/L以下、特に好ましくは3μg/L以下である。
なお、本発明において、全有機炭素放出量は、グルカミン基を有する陰イオン交換樹脂に対し、全有機炭素(TOC)が測定限界値(1μg/L)以下の試験水を、常温下において、液空間速度SV50hr-1で24時間通水したときの流出水中の全有機炭素(TOC)量を意味する。また、本発明において、水中の全有機炭素(TOC)濃度については、例えば、Suez製SIEVERS M9eにより測定される。
グルカミン基を有する陰イオン交換樹脂の形状は、特に制限されないが、例えば粒形状を有する場合、その平均粒径は、好ましくは0.2~1.0mm、より好ましくは0.4~0.8mmである。
グルカミン基を有する陰イオン交換樹脂としては、市販品のものであってもよく、このようなグルカミン基を有する陰イオン交換樹脂としては、オルガノ製ORLITE X-U653J、AMBERLITE IRA743-B-HG、DuPont製 AMBERLITE IRA743、三菱ケミカル製 DIAION CRB03、CRB05等が挙げられる。
再生工程における、アルカリ金属水酸化物水溶液に接触させるグルカミン基を有する陰イオン交換樹脂としては、被処理水の精製に用いたことによって、再生が必要となったグルカミン基を有する陰イオン交換樹脂、すなわち、グルカミン基にホウ素不純物が吸着しているグルカミン基を有する陰イオン交換樹脂が挙げられる。また、被処理水の精製に用いる前に、アルカリ金属水酸化物水溶液に接触させて、前処理を行い、OH形に変換する場合、再生工程における、アルカリ金属水酸化物水溶液に接触させるグルカミン基を有する陰イオン交換樹脂は、一度も被処理水の精製に用いられていないグルカミン基を有する陰イオン交換樹脂であってもよい。
再生工程において、グルカミン基を有する陰イオン交換樹脂に接触させるアルカリ金属水酸化物水溶液は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等のアルカリ金属の水酸化物の水溶液である。
アルカリ金属水酸化物水溶液の規定度は、0.01~0.50N(当量/L)、好ましくは0.01~0.30N、より好ましくは0.01~0.20N、特に好ましくは0.01~0.10Nである。アルカリ金属水酸化物水溶液の規定度が上記範囲にあることにより、洗浄工程の洗浄時間を短くすることができる。一方、アルカリ金属水酸化物水溶液の規定度が、上記範囲未満だと、グルカミン基を有する陰イオン交換樹脂のOH形への変換が不十分となり、また、上記範囲を超えると、洗浄工程での洗浄時間が長くなる。
再生工程において、グルカミン基を有する陰イオン交換樹脂に接触させるアルカリ金属水酸化物水溶液の温度は、好ましくは15~60℃、特に好ましくは15~40℃である。グルカミン基を有する陰イオン交換樹脂に接触させるアルカリ金属水酸化物水溶液の温度が、上記範囲にあることにより、洗浄工程の洗浄時間を短くすることができる。一方、グルカミン基を有する陰イオン交換樹脂に接触させるアルカリ金属水酸化物水溶液の温度が、上記範囲未満だと、グルカミン基を有する陰イオン交換樹脂のOH形への変換が不十分となり易く、また、上記範囲を超えると、官能基の分解が進み、ホウ素吸着に必要な交換容量が低くなり易い。
再生工程において、グルカミン基を有する陰イオン交換樹脂にアルカリ金属水酸化物水溶液を接触させる方法としては、グルカミン基を有する陰イオン交換樹脂を陰イオン交換樹脂充填容器に充填して、陰イオン交換樹脂充填容器内に、陰イオン交換樹脂からなる樹脂床を形成させ、次いで、陰イオン交換樹脂床が充填されている陰イオン交換樹脂充填容器に、アルカリ金属水酸化物水溶液を通液し、陰イオン交換樹脂充填容器内の陰イオン交換樹脂にアルカリ金属水酸化物水溶液を接触させ、陰イオン交換樹脂に接触させた後のアルカリ金属水酸化物水溶液を陰イオン交換樹脂充填容器から排出する方法が挙げられる。
他には、再生工程において、グルカミン基を有する陰イオン交換樹脂にアルカリ金属水酸化物水溶液を接触させる方法としては、カラムに樹脂を充填し、連続的に通水する方法や、樹脂を入れた容器にバッチ処理で接触させる方法などが挙げられる。
陰イオン交換樹脂充填容器内に充填されているグルカミン基を有する陰イオン交換樹脂床に、アルカリ金属水酸化物水溶液を通液することにより、グルカミン基を有する陰イオン交換樹脂にアルカリ金属水酸化物水溶液を接触させる場合、陰イオン交換樹脂床へのアルカリ金属水酸化物水溶液の通液速度SVは、好ましくは8~400h-1、より好ましくは40~400h-1である。そして、アルカリ金属水酸化物水溶液の規定度が0.30N以下の場合、陰イオン交換樹脂床へのアルカリ金属水酸化物水溶液の通液速度SVは、規定度×通水速度≦4.5、好ましくは規定度×通水速度≦4.0を満たし、ポンプ等の揚程、通水時間等を考慮して決定すればよい。
陰イオン交換樹脂充填容器内に充填されているグルカミン基を有する陰イオン交換樹脂床に、アルカリ金属水酸化物水溶液を通液することにより、グルカミン基を有する陰イオン交換樹脂にアルカリ金属水酸化物水溶液を接触させる場合、アルカリ金属水酸化物水溶液の規定度Aと、陰イオン交換樹脂床へのアルカリ金属水酸化物水溶液の通液速度Bとの関係が、下記式(1):
A×B≦4.5 (1)
(式中、Aは、アルカリ金属水酸化物水溶液の規定度(N)であり、Bは、アルカリ金属水酸化物水溶液の通液速度SV(h-1)である。)
を満たすことが好ましい。アルカリ金属水酸化物水溶液の規定度Aと、陰イオン交換樹脂床へのアルカリ金属水酸化物水溶液の通液速度Bとの関係が、上記一般式(1)を満たすことにより、再生工程の時間を短くすることができる。より好ましい範囲としては、0.01≦A×B≦4.5であり、特に好ましい範囲としては0.1≦A×B≦4.0である。A×Bの値が0.01より小さくなると、再生に必要なアルカリ金属水酸化物の総量とアルカリ金属水酸化物水溶液の規定度Aの範囲0.01~0.50に対して、通水SVが1以下となるため、再生工程の時間が非常に長くなる。一方、A×Bの値が4.5を超えると、SVが高くなるため、つまりは通水流速が速くなるため、再生に必要なアルカリ金属水酸化物水溶液とイオン交換樹脂の接触時間低下による再生不良が起こり易くなる。
そして、再生工程を行うことにより、陰イオン交換樹脂のグルカミン基から、ホウ素が脱離し、陰イオン交換樹脂からホウ素が除去されて、陰イオン交換樹脂のグルカミン基はOH形に変換され、陰イオン交換樹脂はOH形陰イオン交換樹脂に変換されて、陰イオン交換樹脂が再生される。
洗浄工程は、再生工程を行いOH形に変換されたグルカミン基を有する陰イオン交換樹脂(以下、OH形陰イオン交換樹脂とも記載する。)に、洗浄水を接触させることにより、OH形陰イオン交換樹脂を洗浄する工程である。再生工程を行った後のOH形陰イオン交換樹脂の内部及び表面並びに陰イオン交換樹脂の粒子間の隙間には、アルカリ金属イオンが残存しているので、OH形陰イオン交換樹脂を用いて被処理水の精製を行う前に、OH形陰イオン交換樹脂に残存しているアルカリ金属イオンを除去する必要がある。そこで、洗浄工程を行うことにより、OH形陰イオン交換樹脂の内部及び表面並びに陰イオン交換樹脂の粒子間の隙間に残存しているアルカリ金属イオンを除去する。
洗浄水としては、例えば、超純水等が挙げられる。
洗浄工程において、OH形陰イオン交換樹脂に接触させる洗浄水の温度は、好ましくは15~60℃、好ましくは20~50℃である。OH形陰イオン交換樹脂に接触させる洗浄水の温度が、上記範囲にあることにより、残留するアルカリ金属水酸化物を排出させ易くなる。一方、OH形陰イオン交換樹脂に接触させる洗浄水の温度が、上記範囲未満だと、アルカリ金属水酸化物の拡散が悪化して、アルカリ金属水酸化物が排出され難くなり、また、上記範囲を超えると、OH形陰イオン交換樹脂の官能基の劣化を招き、交換容量の低下を引き起こす可能性がある。
洗浄工程において、OH形陰イオン交換樹脂に洗浄水を接触させる方法としては、OH形陰イオン交換樹脂の樹脂床が充填されている陰イオン交換樹脂充填容器に、洗浄水を通液し、陰イオン交換樹脂充填容器内のOH形陰イオン交換樹脂に洗浄水を接触させ、OH形陰イオン交換樹脂に接触させた後の洗浄水を陰イオン交換樹脂充填容器から排出する方法が挙げられる。
他には、洗浄工程において、OH形陰イオン交換樹脂に洗浄水を接触させる方法としては、バッチ方式やカラム通水方式などにより洗浄水を接触させる方法が挙げられる。
そして、洗浄工程を行うことにより、陰イオン交換樹脂は、被処理水の精製に用いられるOH形陰イオン交換樹脂に調整される。
本発明の陰イオン交換樹脂の調整方法を行った後は、再生工程及び洗浄工程が施されたOH形陰イオン交換樹脂を用いて、被処理水を精製する精製工程を行い、処理水を得る。
精製工程において、被処理水の温度、OH形陰イオン交換樹脂への通液速度等の精製処理条件は、適宜選択される。
処理水は、ホウ素濃度が極めて低いことが求められる半導体製造用の超純水として好適に用いられる。
そして、精製工程では、OH形陰イオン交換樹脂のグルカミン基に被処理水中のホウ素不純物が吸着するので、精製を続けると、OH形陰イオン交換樹脂中のホウ素不純物を吸着できるグルカミン基の量が減少していく。そのため、OH形陰イオン交換樹脂中のホウ素を吸着できるグルカミン基の全てが、ホウ素不純物の吸着に使用されて、ホウ素除去性能が消失する前に、精製工程を中断して、再び、本発明の陰イオン交換樹脂の調整方法を行う。
本発明の陰イオン交換樹脂の調整方法では、再生工程を行った後の洗浄工程において、OH形陰イオン交換樹脂に残存しているアルカリ金属イオンの量を、速やかに減少させることができるので、洗浄時間を短くすることができる。例えば、本発明の陰イオン交換樹脂の調整方法では、再生工程を行った後の洗浄工程において、陰イオン交換樹脂に接触させた後の洗浄水の比抵抗値が10MΩ・cmに達するまでの時間が短くなる。また、例えば、本発明の陰イオン交換樹脂の調整方法では、再生工程を行った後の洗浄工程において、洗浄開始から1時間後の陰イオン交換樹脂に接触させた後の洗浄水の比抵抗値が、従来の陰イオン交換樹脂の再生方法に比べ高くなる。
以下では、実施例を示して本発明を更に詳細に説明するが、本発明はそれに限定されるものではない。
(実施例1)
グルカミン基を有する陰イオン交換樹脂(DIAION CRB03、三菱ケミカル社製)を、樹脂量として500mL(500mL-R)充填したカラムに対し、1.0NのHCl水溶液を、通液速度(液空間速度)SVが4hr-1となるように50分間通水して、前処理を行った。
次いで、0.10NのNaOH水溶液を、通液速度SVが40hr-1となるように60分間通水して、官能基のイオン形をOH形に変換した。
この後、OH形に変換した樹脂に対し、超純水を液空間速度SVが50hr-1となるように通水し、得られた処理水の比抵抗値(MΩ・cm)を測定した。その結果を表1に示す。
(比較例1)
グルカミン基を有する陰イオン交換樹脂(DIAION CRB03、三菱ケミカル製)を、樹脂量として500mL(500mL-R)充填したカラムに対し、超純水を液空間速度SVが50hr-1となるように通水し、得られた処理水の比抵抗値(MΩ・cm)を測定した。その結果を表1に示す。つまり、比較例1では、前処理及び再生工程を行っていない。
(比較例2)
0.10NのNaOH水溶液に代えて、1.0NのNaOH水溶液を用いること及びNaOH水溶液の通液速度を表1に記載の通りとすること以外は、実施例1と同様に行った。その結果を表1に示す。
(実施例2)
グルカミン基を有する陰イオン交換樹脂(ORLITE X-U653J、オルガノ社製)を、樹脂量として500mL(500mL-R)充填したカラムに対し、1.0NのHCl水溶液を、通液速度(液空間速度)SVが4hr-1となるように50分間通水して、前処理を行った。
次いで、0.50NのNaOH水溶液を、通液速度SVが8hr-1となるように60分間通水して、官能基のイオン形をOH形に変換した。
この後、OH形に変換した樹脂に対し、超純水を液空間速度SVが50hr-1となるように通水し、得られた処理水の比抵抗値(MΩ・cm)を測定した。その結果を表1に示す。
(実施例3)
0.50NのNaOH水溶液に代えて、0.1NのNaOH水溶液を用いること及びNaOH水溶液の通液速度を表1に記載の通りとすること以外は、実施例2と同様に行った。その結果を表1に示す。
(実施例4)
0.50NのNaOH水溶液に代えて、0.05NのNaOH水溶液を用いること及びNaOH水溶液の通液速度を表1に記載の通りとすること以外は、実施例2と同様に行った。その結果を表1に示す。
(実施例5)
0.50NのNaOH水溶液に代えて、0.01NのNaOH水溶液を用いること及びNaOH水溶液の通液速度を表1に記載の通りとすること以外は、実施例2と同様に行った。その結果を表1に示す。
(比較例3)
グルカミン基を有する陰イオン交換樹脂(ORLITE X-U653J、オルガノ社製)を、樹脂量として500mL(500mL-R)充填したカラムに対し、超純水を液空間速度SVが50hr-1となるように通水し、得られた処理水の比抵抗値(MΩ・cm)を測定した。その結果を表1に示す。つまり、比較例3では、前処理及び再生工程を行っていない。
(比較例4)
0.50NのNaOH水溶液に代えて、1.0NのNaOH水溶液を用いること及びNaOH水溶液の通液速度を表1に記載の通りとすること以外は、実施例2と同様に行った。その結果を表1に示す。
Figure 2023009492000001
なお、実施例1~5及び比較例2、4では、再生工程で通液したNaOH水溶液の規定度、通液速度及び通液時間より、十分に再生された。

Claims (6)

  1. 陰イオン交換樹脂にアルカリ金属水酸化物水溶液を接触させることにより、該陰イオン交換樹脂をOH形に変換する再生工程と、
    OH形に変換されたOH形陰イオン交換樹脂に洗浄水を接触させることにより、該OH形陰イオン交換樹脂を洗浄する洗浄工程と、
    を有すること、
    該陰イオン交換樹脂は、イオン交換基としてグルカミン基を有すること、
    該アルカリ金属水酸化物水溶液の規定度が、0.01~0.50Nであること、
    を特徴とする陰イオン交換樹脂の調整方法。
  2. 前記アルカリ金属水酸化物水溶液の規定度が、0.05~0.50Nであることを特徴とする請求項1記載の陰イオン交換樹脂の調整方法。
  3. 前記陰イオン交換樹脂の基体が、スチレン-ジビニルベンゼン系共重合体であることを特徴とする請求項1又は2記載の陰イオン交換樹脂の調整方法。
  4. 前記陰イオン交換樹脂の床が充填されている陰イオン交換樹脂充填容器に、前記アルカリ金属水酸化物水溶液をSV40~400h-1の通液速度で通液することにより、前記再生工程を行うことを特徴とする請求項1~3いずれか1項記載の陰イオン交換樹脂の調整方法。
  5. 前記再生工程における、前記アルカリ金属水酸化物水溶液の規定度Aと、前記アルカリ金属水酸化物水溶液の通液速度Bの関係が、下記式(1):
    A×B≦4.5 (1)
    (式中、Aは、アルカリ金属水酸化物水溶液の規定度(N)であり、Bは、アルカリ金属水酸化物水溶液の通液速度SV(h-1)である。)
    を満たすことを特徴とする請求項4記載の陰イオン交換樹脂の調整方法。
  6. 前記再生工程において、前記陰イオン交換樹脂に接触させる前記アルカリ金属水酸化物水溶液の温度が15~30℃であることを特徴とする請求項1~5いずれか1項記載の陰イオン交換樹脂の調整方法。
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