JP5648231B2 - アルカリ水溶液の精製方法 - Google Patents

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Description

本発明は、アルカリ水溶液に含まれる金属不純物を非常に低い濃度にまで除去することができるアルカリ水溶液の精製方法に関する。
アルカリ水溶液は、シリコンウェーハを製造する際に発生する加工変質層を除去するエッチング工程や、コロイダルシリカ等の研磨剤と共にpH調整及び緩衝目的で研磨工程に用いられ、また、研磨工程の後のウェット洗浄でも用いられることが多い。このとき、アルカリエッチングには、水酸化ナトリウム水溶液や水酸化カリウム水溶液、研磨工程には水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化テトラメチルアンモニウム、アンモニア、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム又は炭酸水素カリウムの水溶液が、洗浄工程にはアンモニア水溶液が用いられる。
このようなアルカリ水溶液中のアルカリ、例えば、水酸化ナトリウムは食塩の電解によって製造されており、生成した水酸化ナトリウムには、数ppmオーダーの各種金属が含有している。これらの金属の中で、例えば、銅とニッケルは、シリコンウェーハに浸透し、電気特性を変化させるなど表面の平坦化を阻害するため、銅やニッケルを含むアルカリ水溶液はエッチング剤として使うことができない。また、カルシウム、マグネシウム、マンガン、鉄、コバルト、亜鉛、アルミニウム、鉛などの金属は、シリコンウェーハの内部には拡散しにくいものの表面に残渣として残るため、やはり電気特性などを阻害し、アルカリエッチング工程や研磨工程の薬液、研磨液に含有した場合、後段の洗浄工程の負荷となる。
なお、銅、ニッケルのようなウェーハ内部に拡散しやすい金属は、カルシウム、マグネシウム、マンガン、鉄、コバルト、亜鉛、アルミニウム、鉛などのウェーハ表面に留まる金属に比べて、除去が難しく影響が大きい。そのため、拡散しやすい金属の濃度は、表面に留まる金属の濃度に対して、時として1/10〜1/1000に低減しなければならない場合がある。
そこで、アルカリ水溶液を上記用途に用いる場合には、金属不純物を低減するために精製操作を行っている。このアルカリ水溶液を精製する手段として、再結晶法、蒸留法等が挙げられるが、何れもかなりの熱エネルギーを要し、装置も大掛かり、運転管理も複雑である。
これに対し、容易に低コストでアルカリ水溶液を精製する手段として、例えば、金属不純物を含んだ高濃度水酸化ナトリウム水溶液を、ヤシ殻系活性炭を硝酸で処理した後に賦活して金属不純物を吸着除去する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。しかし、この方法では専用の活性炭を準備する必要があるため、コスト上昇を招き、また、鉄を100ppb程度にまで精製できるが、銅やニッケルについては100ppb程度にまで精製できるだけで要求水準を満たすに至っていない。また、活性炭は素材に含まれている亜鉛やアルミなどの金属不純物が溶出し、硝酸で賦活してもこれらの金属不純物を低減することは困難である。従って、アルカリ水溶液の金属不純物の除去要求項目が鉄に限定されるのであれば使用できるが、銅やニッケル等多項目になった場合は使用が困難となる。
さらに、水酸化ナトリウム水溶液に含まれる金属不純物を低減する方法として、陽イオン交換膜を用いた水酸化ナトリウム水溶液の電解による精製方法が知られており(例えば、特許文献2参照。)、この方法によれば、水酸化ナトリウム水溶液中の金属不純物は10ppb以下にできるとされている。しかし、この方法は設備投資が高額となり装置が複雑になるために精製コストが高く、運転管理が難しいという欠点がある。
さらに、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラメチルアンモニウム、アンモニア、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム及び炭酸水素カリウムなどを用いたアルカリ水溶液は、単独での使用以外にも、他の薬品に加えて、例えば研磨用スラリーの添加剤として使用される。しかし、金属不純物を、例えば100ppb以下に低減した高純度のアルカリ水溶液を使用箇所まで高純度の状態で維持する為には、アルカリ水溶液の製造工場やタンクローリ等の移送用手段、あるいはこれらを使用するウェーハ製造工場や半導体デバイス製造工場の接続・供給配管やドラム・タンク等のアルカリ水溶液と接する部分を金属溶出が少ないフッ素樹脂等の高価な素材でライニングしたり、部材自体をこれらの素材で作製したりしなければならない。
特開2004−344715号公報 特開2002−317285号公報
上述したように、従来のアルカリ水溶液は、金属不純物を含んでいるため、シリコンウェーハのエッチングや研磨工程、洗浄工程のような用途に使用するためには一般的な製造方法、例えば、電解法等により製造したままでは使用は困難で、再結晶や蒸留、陽イオン交換膜法などを用いざるを得ない。しかし、これらの方法は、エネルギー効率が悪く、装置も大型、複雑で運転管理が容易ではなく精製コストも高くなってしまう。
このため、特にカルシウム、マグネシウム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、アルミニウム、鉛などの金属不純物を極力少なくした簡便なアルカリ水溶液の精製方法の開発が望まれている。
また、主成分であるアルカリ水溶液の濃度を変化させずに金属不純物だけを選択的に除去しなければならない。これに対して、本出願人は、これまでとは逆の発想から、陰イオン交換体を用いて、アルカリ水溶液中の金属不純物を選択的に除去することができることを見出し、既に出願しているが(国際出願番号 PCT/JP2007/061710)、ここで用いている陰イオン交換体は、従来他の用途で用いている陰イオン交換体と同一のものであり、このような陰イオン交換体は、金属不純物の除去性能が充分に高いものではあるが、大型化するにあたり、陰イオン交換体からの金属、有機物、油分、合成時に使用した化学物質の未反応成分等の不純物の初期溶出が問題となることがわかり、さらに効率の良い除去性能を有する陰イオン交換体の前処理方法が求められていた。
そこで、本発明は、アルカリ水溶液の精製効率の向上を図るべくなされたもので、シリコンウェーハのエッチングや研磨工程、洗浄工程のような用途に使用されるアルカリ水溶液、特に、20質量%以上の高濃度のアルカリ水溶液に含まれる前述金属不純物を簡便な方法で速やかに除去することのできる陰イオン交換体を用いたアルカリ水溶液の精製方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、これまで用いていた陰イオン交換体について特定の前処理を行うことによって、不純物の溶出の初期問題を低減し、アルカリ水溶液中に存在する金属不純物の除去性能を向上させた陰イオン交換体とすることができることを見出し、本発明を完成したものである。
本発明のアルカリ水溶液の精製方法は、濃度が5.0N以上の高濃度アルカリ処理液と接触させて陰イオン交換体に含まれる不純物を除去する高濃度アルカリ接触工程を有する陰イオン交換体の前処理方法により得られた陰イオン交換体に、金属不純物を含むアルカリ水溶液と接触させて、アルカリ水溶液中の金属不純物を除去する金属不純物除去工程を有することを特徴とするものであって、前記金属不純物除去工程が、アルカリ水溶液を第1の陰イオン交換体と接触させる第1の金属不純物除去工程と、その第1の金属不純物除去工程で処理されたアルカリ水溶液を第2の陰イオン交換体と接触させる第2の金属不純物除去工程と、の2段階からなり、前記第1の金属不純物除去工程と第2の金属不純物除去工程とで前記アルカリ水溶液を異なる接触速度で処理することを特徴とするものである。
本発明の陰イオン交換体を用いたアルカリ水溶液精製方法によれば、金属不純物の除去性能に優れた陰イオン交換体を用いているため、アルカリ水溶液から金属不純物を簡便な操作で除去でき、効率的にアルカリ水溶液を精製することができる。
本発明のアルカリ水溶液の精製装置の第1の実施形態における概略構成を示した図である。 本発明のアルカリ水溶液の精製装置の第2の実施形態における概略構成を示した図である。 本発明のアルカリ水溶液の精製装置の第3の実施形態における概略構成を示した図である。 本発明のアルカリ水溶液の精製装置の第4の実施形態における概略構成を示した図である。 本発明のアルカリ水溶液の精製装置の第5の実施形態における概略構成を示した図である。 水溶液中のpH変化によるニッケルイオンの存在状態と存在割合を示したグラフである。 水溶液中のpH変化による銅イオンの存在状態と存在割合を示したグラフである。 アルカリ処理液の濃度(規定度)と、そのアルカリ処理による陰イオン交換体からの不純物除去率との関係を示した図である。
〔陰イオン交換体〕
本発明に用いる前処理を行う前の陰イオン交換体は、これまで水処理等に、通常用いられる陰イオン交換体であって、第1〜4級アミン基を有する陰イオン交換体のいずれでもよく、特に限定されるものではない。また、その陰イオン交換基は、粒子状、繊維状等の固形状の基材に結合されており、シート状、フィルター状、筒状、板状等に加工して使用することができる。これらの加工した陰イオン交換体は、その形状に応じた容器に導入して使用する。
ここで、基材は耐アルカリ性の合成樹脂繊維、合成樹脂粒子等の素材からなり、そのベースとなる合成樹脂としては、ポリビニルアルコール、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体、ポリサルホン、ポリヒドロキシメタクリレート、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、PFA(テトラフルオロエチレンとパーフルオロアルコキシエチレンとの共重合体)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等の合成樹脂が例示されいずれも使用可能であるが、汎用性、価格の点でポリエチレン、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体、ポリサルホン等が好適である。これらの合成樹脂は、高濃度のアルカリ水溶液、例えば、50質量%水酸化ナトリウム水溶液に対しても高い耐性を有している。これらは、単独でも複数種類を組み合わせても、どちらでも使用することができる。
これらのベースとなる素材に結合される陰イオン交換基としては、第1〜3級アミン基
Figure 0005648231
(式中のR及びRは、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、ヒドロキシルエチル基及びヒドロキシプロピル基の中から選択される同一又は異なる1価の基を示す。)及び第4級アンモニウム基
Figure 0005648231
(式中のR、R及びRは、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、ヒドロキシルエチル基及びヒドロキシプロピル基の中から選択される同一又は異なる1価の基を示す。)が例示される。
次に、本発明における精製対象とするアルカリ水溶液、中でも代表的なものとして水酸化ナトリウム等を含む水溶液は、本来、強塩基性陰イオン交換体及び弱塩基性陰イオン交換体等の再生剤として使用されるものであるが、予め強塩基性陰イオン交換体及び弱塩基性陰イオン交換体の末端基をOH型に処理しておくことで、アルカリ水溶液中では陰イオンとして様々な形態で存在する金属不純物を陰イオン交換体で取り除くことが可能となり、かつアルカリ水溶液の濃度を変化させないことを特徴とする。
OH型に処理した強塩基性陰イオン交換体及び弱塩基性陰イオン交換体は、陰イオンとして存在する多くの金属不純物以外にも、ケイ酸化合物、炭酸根、硫酸根、塩素根等の不純物を除去することが可能である点でも好ましいものである。したがって、ケイ素化不純物、炭酸不純物と金属不純物を含むアルカリ水溶液を、本発明の陰イオン交換体からなる材料中に接触させることで、金属不純物以外の不純物をも除去することを可能とするものである。
上記説明したような前処理前の通常の陰イオン交換体でも、アルカリ水溶液中の金属不純物を除去することは可能であるが、本発明の前処理を施すことで金属不純物の除去をさらに効率的に行うことができる陰イオン交換体とすることができる。
その本願発明の特徴部分である前処理は、上記のような従来公知の陰イオン交換体に5.0N以上の高濃度アルカリ処理液を接触させる高濃度アルカリ接触工程を施すことにより行われるものである。
この高濃度アルカリ接触工程により、処理前の陰イオン交換体中に始めから存在していた金属、有機物、油分、合成時に使用した化学物質の未反応成分等の不純物が、高濃度アルカリ処理液の強力な浸透圧の作用によって陰イオン交換体から除去される。
高濃度アルカリ処理液と接触させた後、酸処理液に接触させることによって陰イオン交換体に酸処理液が浸透し、高濃度アルカリ接触工程では除去しきれなかった不純物が除去される。そのため、陰イオン交換体は、前処理前には機能していなかったイオン交換基を機能するものへと活性化させることができ、結果として金属不純物の除去性能を向上させることができるものと考えられる。
この様な前処理方法によって、例えば、多孔質構造をもつ粒子状の陰イオン交換体などでは、高濃度アルカリ接触で収縮、酸接触で膨張がおこり、通常の洗浄方法では除去しきれなかった内部の不純物までとれるようになったと考えられる。
このように酸処理液と接触させた陰イオン交換体をそのまま、精製対象のアルカリ水溶液と接触させると、液性に変化を生じさせる恐れがあるため好ましくない。予め、低濃度アルカリ処理液と接触させて、官能基をOH型として液性変化を生じさせないようにすることが好ましい。
なお、この酸処理液により不純物を除去し、さらに低濃度アルカリ処理液と接触させる操作は、高濃度アルカリ接触工程の前に行ってもよく、その場合、陰イオン交換体に含まれる不純物を、高濃度アルカリ接触工程の前にある程度除去しておくことができ、高濃度アルカリ処理液による不純物の除去を促進できる点で好ましいものである。また、これらの操作は少なくとも1回行えばよいが、2回以上繰返すことでより陰イオン交換体に含まれる不純物が取り除かれる点で好ましい。
ここで、図8は本発明の前処理を行う前の上記陰イオン交換体と0.0〜20.0N(規定度)の水酸化ナトリウム水溶液を接触させることで、水溶液中へ溶出した有機成分量を分光光度計で測定した結果を示している。図8中の除去率(%)は、水酸化ナトリウム飽和水溶液を用いたときの溶出不純物量を基準(100%)にして表した。飽和水溶液である20.0Nの水酸化ナトリウム水溶液は、市販の18.0N水酸化ナトリウム水溶液に粒状水酸化ナトリウムを添加して飽和水溶液とした(液温25℃)。図8より、水酸化ナトリウム水溶液の濃度が高くなるに連れて、除去率が増加している、すなわち有機成分が多く溶出していることがわかる。よって、陰イオン交換体中の有機成分等の不純物を除去するためには、より高濃度のアルカリ水溶液で洗浄することが効果的であると言える。また、本発明に使用する陰イオン交換体の場合は、試験結果から、除去率の高い10.0N以上であることが好ましく、調整の必要のない作業の容易性も考慮すると市販で比較的容易に入手可能な10.0〜18.0Nが好ましいことがわかる。
なお、この高濃度アルカリ接触工程の前後で行う酸処理に用いる酸処理液は、酸性の溶液であればよく、特に種類は限定されるものではないが、強酸、例えば、塩酸、硝酸、硫酸等の酸を用いた溶液であることが好ましい。このとき、酸処理液の濃度は0.1〜6.0Nの範囲が好ましく、1.0〜3.0Nの範囲であることがより好ましい。
また、低濃度アルカリ処理に用いるアルカリ処理液は、アルカリ性の溶液であればよく、こちらも特に種類は限定されるものではないが、強塩基、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア等の塩基を用いた溶液であることが好ましい。このとき、アルカリ処理液の濃度は、本発明の前処理で用いる高濃度アルカリ処理液よりも低い濃度であって、0.1〜2.0Nの範囲であることが好ましい。
このように高濃度アルカリ処理液により前処理を施して得られた陰イオン交換体は、前処理を行わなかった陰イオン交換体よりも、アルカリ水溶液中の金属不純物の除去性能が高く陰イオン交換基が活性化されている。また、本前処理方法は、高濃度アルカリ水溶液の精製だけに限定されず、純水、酸性水溶液、有機溶剤の精製に用いられる陰イオン交換体の前処理にも用いることができる。
〔アルカリ水溶液の精製装置及び精製方法〕
次に、本発明のアルカリ水溶液の精製方法及び装置について説明する。図1に示したように、本発明のアルカリ水溶液の精製装置1は、精製対象であるアルカリ水溶液を収容するタンク2と、アルカリ水溶液から金属不純物を除去する陰イオン交換体3と、から構成されるものである。
ここで、タンク2は、精製対象であるアルカリ水溶液を収容することができるものであればよく、耐アルカリ性の材質を用いていれば、その他に特に限定されるものではない。
陰イオン交換体3としては、上記した本発明の陰イオン交換体を用いるものであり、この陰イオン交換体は、従来公知の陰イオン交換体に特定の前処理及び/又は後述する再生処理を施すことによって、金属不純物の除去能力を活性化させたものである。
このような構成の装置とすることにより、金属不純物を含有するアルカリ水溶液から金属不純物を効率的に除去し、従来と比較して、より金属不純物濃度を低減することができる優れたアルカリ水溶液の精製装置とすることができる。
このアルカリ水溶液の精製装置1を用いたアルカリ水溶液の精製は、タンク2に収容されているアルカリ水溶液をポンプ等により陰イオン交換体3へ送出し、アルカリ水溶液を陰イオン交換体3と接触させるという、簡便な操作により行えばよい。
アルカリ水溶液を、上記した陰イオン交換体3と接触させるには、例えば、これら陰イオン交換体3をカラム又は塔内に導入して、この中に精製すべきアルカリ水溶液を通液するか、精製すべきアルカリ水溶液を収容した反応槽中に、これら陰イオン交換体3を添加して精製すべきアルカリ水溶液を流動化させた後濾過すればよいし、陰イオン交換体をカートリッジフィルター状にして接触させてもよい。
このとき、本発明の精製対象であるアルカリ水溶液は、アルカリ性の水溶液であれば特に限定されるものではないが、その溶解している塩基としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、アンモニア、水酸化テトラメチルアンモニウム等が挙げられ、その他、水酸化リチウム、水酸化セシウム等のアルカリ金属水酸化物溶液や水酸化バリウム等のアルカリ土類金属水酸化物溶液や、コリン等の有機系アルカリ水溶液も挙げられる。
また、用いるアルカリ水溶液の濃度としては、水酸化ナトリウムでは0.01〜50質量%、水酸化カリウムでは0.01〜50質量%、炭酸ナトリウムでは0.01〜23質量%、炭酸カリウムでは0.01〜50質量%、炭酸水素ナトリムでは0.01〜8質量%、炭酸水素カリウムでは0.01〜50質量%、アンモニアでは0.01〜30質量%、水酸化テトラメチルアンモニウムでは0.01〜25質量%、コリンでは0.01〜50質量%、の濃度であることが好ましく、水酸化ナトリウムでは0.1〜50質量%、水酸化カリウムでは0.1〜50質量%、炭酸ナトリウムでは0.1〜23質量%、炭酸カリウムでは0.1〜50質量%、炭酸水素ナトリムでは0.1〜50質量%、炭酸水素カリウムでは0.01〜50質量%、アンモニアでは0.1〜30質量%、水酸化テトラメチルアンモニウムでは0.1〜25質量%の濃度であることがより好ましい。さらに、水酸化ナトリウムでは5〜50質量%、水酸化カリウムでは5〜50質量%、炭酸ナトリウムでは5〜23質量%、炭酸カリウムでは5〜50質量%、炭酸水素ナトリムでは5〜8質量%、炭酸水素カリウムでは5〜50質量%、アンモニアでは5〜30質量%、水酸化テトラメチルアンモニウムでは5〜25質量%、コリンでは1〜50質量%の高濃度領域であることが特に好ましく、高濃度領域で本発明が最も効果を発揮する。
また、高濃度水溶液、例えば飽和水溶液などでは、溶液の液温によって溶解度が変化し沈澱生成、溶液の粘度が変化する場合がある。例えば、48質量%水酸化ナトリウム水溶液では15℃以上で処理を行うことが好ましく、それらの液温未満で処理を行った場合、性能が低下する傾向にある。その他のアルカリ水溶液についても、処理時の粘度が200cPを超えず処理効率を低減させない範囲の液温であればよい。
これら精製対象となるアルカリ水溶液としては、金属不純物、例えば、カルシウム、マグネシウム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、アルミニウム、鉛などを含む水溶液が挙げられ、本発明では特に、ニッケル、銅においてより高い除去性能が得られている。さらに、ケイ素化不純物、炭酸不純物等を含んでいてもよい。
本発明による金属不純物の除去は、例えば、アルカリの濃度が高濃度のもとで、金属不純物は負電荷の水酸化物錯イオンを形成していることから、陰イオン交換体を用いることができ、アルカリ水溶液中に多量に存在する陰イオンである水酸化物イオン共存下でも陰イオン交換基と親和性の高い水酸化物錯イオンが選択的に吸着除去されることによると考えられる。
本発明を用いることにより、例えば、アルカリ水溶液中の金属不純物であるニッケル及び銅を1ppb以下、条件によっては0.1ppb以下まで達成することが可能である。
なお、本発明のアルカリ水溶液の精製装置及び精製方法としては、陰イオン交換体3を1つ以上用い、精製対象のアルカリ水溶液に対して1回以上陰イオン交換処理を行えばよい。このとき、陰イオン交換体処理を2回以上行うことが好ましい。ここで、精製対象であるアルカリ水溶液、例えば、48質量%水酸化ナトリウム溶液は、15℃未満で粘度が急上昇し、約10℃で凍結してしまうため、処理時の液温を15℃以上に維持することが好ましい。その他のアルカリ水溶液についても、処理時の粘度が200cPを超えず処理効率を低減させない範囲の液温であればよい。
なお、陰イオン交換体処理を2回以上行う方法として、例えば、図2〜5に示したアルカリ水溶液の精製装置を用いる方法が挙げられる。図2は2つの陰イオン交換体を直列に接続したアルカリ水溶液の精製装置、図3及び図4は2つの陰イオン交換体のうち一つを循環処理できるようにしたアルカリ水溶液の精製装置であって、図3は後段の陰イオン交換体で、図4は前段の陰イオン交換体で循環処理を行うようになっているアルカリ水溶液の精製装置、図5は2つの陰イオン交換体の両方を循環処理するようにしたアルカリ水溶液の精製装置である。ここでは、陰イオン交換体を2つ用いる場合を示したが、3つ以上の陰イオン交換体を用いるようにしてもよい。
図2のアルカリ水溶液の精製装置11では、まずタンク12に収容された精製対象のアルカリ水溶液を、第1の陰イオン交換体13に通液処理して1次処理タンク14に収容し、次いで1次処理タンク14に収容された処理液を第2の陰イオン交換体15に通液して処理する。図3のアルカリ水溶液の精製装置21では、タンク22に収容された精製対象のアルカリ水溶液を、第1の陰イオン交換体23に流して処理し、その処理液を1次処理タンク24に一旦収容し、次いで、1次処理タンク24に収容された処理液を、第2の陰イオン交換体25において循環処理を行い、精製アルカリ水溶液を得るものである。
図4のアルカリ水溶液の精製装置31では、タンク32に収容された精製対象のアルカリ水溶液を、第1の陰イオン交換体33において循環処理を行い、それを一旦終了させてから、第2の陰イオン交換体34で処理する。また、図5のアルカリ水溶液の精製装置41では、タンク(1次処理タンク)42に収容された精製対象のアルカリ水溶液を、第1の陰イオン交換体43において循環処理を行い、それを一旦終了させてから、1次処理アルカリ水溶液を2次処理タンク44に収容し、次に、その1次処理アルカリ水溶液を第2の陰イオン交換体45においても循環処理を行い、精製アルカリ水溶液を得るものである。
そして、ここで用いる第1の陰イオン交換体13,23,33,43と第2の陰イオン交換体15,25,34,45は、いずれも上記した本発明の陰イオン交換体を用いるものであり、通常、水処理等に用いられている陰イオン交換体に、特定の前処理を施したものである。
このとき、第1の陰イオン交換体13,23,33,43と第2の陰イオン交換体15,25,34,45とは同じ陰イオン交換体を用いてもよいが、基材の形状の異なる陰イオン交換体を組み合わせて使用してもよい。
アルカリ水溶液中に存在する金属不純物は、その形態が複数種類知られており、例えば、ニッケルはNi(OH) 2−やNi(OH) 、Ni(OH)、や微粒子等の形態で存在するが、それらの存在割合は図6のグラフで示されているようにアルカリ水溶液のpHによって変化する。また、外部から混入する金属不純物は、様々な形態で存在している。これは銅においても同様であることが知られている(図7)。
本発明においては、上記したアルカリ水溶液の精製装置に限られず、3つ以上陰イオン交換体を用いたり、本発明の前処理を行っていない陰イオン交換体と組み合わせたり、また、陰イオン交換体以外に、水処理に通常使用されている装置、例えば、フィルター(MF,UF等)等のろ過装置や、微粒子吸着用の活性炭や合成吸着樹脂等を組み合わせたりして用いてもよい。
なお、本発明の陰イオン交換体は、その処理速度を変えることにより、金属イオンの除去効率も変化することがわかり、本発明者らは、この性質を利用してより効率的な金属不純物の除去を可能とするアルカリ水溶液の精製方法を見出した。すなわち、本発明の陰イオン交換体を用いてアルカリ水溶液中の金属不純物を通液除去するに際し、その処理速度を空間速度SVが25/hr以上、好ましくは30/hr以上40/hr以下の範囲となるように処理を行うと、金属不純物の中でも比較的除去しやすい形態が陰イオン交換体中に留まり除去され、除去しにくい形態はそのほとんどが除去されずに通過する。ところが、この除去しにくい形態も処理速度を空間速度SVが20/hr以下、好ましくは10/hr以上20/hr以下となるように処理を行うことで、陰イオン交換体により除去される。
したがって、アルカリ水溶液中の金属不純物を効率的に除去するには、2つ以上の本発明の陰イオン交換体を用い、アルカリ水溶液と最初に接触する第1の陰イオン交換体においては、処理速度が大きくなるようにして通液し、次いでアルカリ水溶液と接触する第2の陰イオン交換体においては、処理速度を第1の陰イオン交換体のそれよりも遅くなるように通液を行うことで、異なる形態の金属不純物をそれぞれ分けて除去することができる。このことは、陰イオン交換体の吸着物を揃えることができるため効率性の面でも好ましく、また、これは後で説明する再生の操作においても好ましい影響を与えるものである。
なお、上記のように第1、第2の陰イオン交換体を用いる場合でも、第1の陰イオン交換体の処理速度を小さいものとすると、第1の陰イオン交換体において、除去しやすい成分と除去しにくい成分の両者の成分が混在して除去され、吸着量の面でも、再生効率の面でも効果が低下する。
〔陰イオン交換体の再生方法〕
次に、本発明の陰イオン交換体の再生方法は、上記のアルカリ水溶液の精製に用いた陰イオン交換体について、再度、金属不純物の除去能力を回復させるものであり、その操作は、陰イオン交換体を酸処理液と接触させた後、アルカリ処理液と接触させるものである。これは、従来の強塩基性溶液と接触させるのみの陰イオン交換体の再生とは全く異なる操作であって、本発明のアルカリ水溶液の精製処理に使用した陰イオン交換体は、強塩基性のアルカリ処理液と接触させただけでは、その金属不純物の除去能力を回復できない。
これは、本発明のアルカリ水溶液の精製で除去される金属が、主に、水酸化物錯イオンの形態をとっており、この水酸化物錯イオンと陰イオン交換基との結合が強塩基性のアルカリ処理液との接触では充分に交換、再生することができないためであると考えられる。本発明の再生方法においては、まず、酸処理液と接触させることにより、下記[式1]で例示されるように、水酸化物錯イオンを陽イオン化し、酸処理液中に金属イオンを溶解させる。
Figure 0005648231
その後使用した酸の対イオン型となっている陰イオン交換基を低濃度アルカリ水溶液にてOH型にすることで、再度金属不純物の除去能力が回復する。
この再生に用いる酸処理液は、上記した前処理時に行う酸処理と同様のものを用いることができ、また、再生に用いるアルカリ処理液についても、上記した前処理時に行うアルカリ処理と同様のものを用いることができる。
なお、上記したアルカリ水溶液の精製方法によって、この再生方法も調整すると再生回数や使用する酸溶液の量を低減することができる等、再生効率が好ましいものとなる。
すなわち、アルカリ水溶液の精製方法として、2つの陰イオン交換体を用い、前段の第1の陰イオン交換体において空間速度SVを25/hr以上として通液処理し、その後段の第2の陰イオン交換体において空間速度SVを20/hr以下として通液処理した場合に、第1の陰イオン交換体に対しては酸溶液として1.0N以上、好ましくは1.0〜3.0Nのものを、第2の陰イオン交換体に対しては酸溶液として1.0N未満、好ましくは0.1〜0.5Nのものを用いるようにして行うことができる。
これは、第1の陰イオン交換体に吸着された金属不純物は、除去しやすいものであるため陰イオン交換体から外し難く、そのため再生にはより多くの酸が必要となり、第2の陰イオン交換体に吸着された金属不純物は、除去しにくいものであるため陰イオン交換体から外しやすく、そのため再生にはより少ない酸でも可能であるためである。
したがって、その吸着された金属不純物の性質により、再生操作に用いる酸の濃度を再生するのに十分な濃度となるように選択し用いることで、不必要に濃度の高い酸溶液を用いることをしなくて済み、効率的にアルカリ水溶液の精製、陰イオン交換体の再生を行うことができる。さらに、上記のように陰イオン交換体ごとに金属不純物の形態を分けて除去を行うことで、再生回数、再生時間、再生時に用いる酸の量等を低減することができ好ましい。
上記のように、陰イオン交換体による処理を速度の異なる2段階処理で行わない場合には、速い空間速度でのみ行うと、除去しやすい形態のものは十分に除去できるものの、除去しにくい形態のものは処理液に依然含まれた状態となってしまう。また、逆に遅い空間速度でのみ行うと、金属不純物の除去は十分に行うことができるものの、様々な形態の金属不純物が陰イオン交換体中に吸着して存在し、これを再生しようとすると、酸溶液の使用量に対する再生効率は不十分であり、きちんと再生しようとすると再生回数を増やし、用いる酸溶液の濃度も高いものを使用しなくてはならない。
以上の構成要素を組み合わせて構成される本発明は、低濃度から高濃度まで(例えば、アルカリ濃度0.01〜50質量%)のアルカリ水溶液に対して、その精製に適用することができる。特に、本発明においては、精製対象となるアルカリ水溶液のアルカリ濃度が0.1質量%以上、特に20質量%以上という高濃度であっても使用可能であることが特徴である。
以下に、実施例を用いて本発明について説明する。
金属不純物の測定は、ICP質量分析装置(ICP−MS)(パーキンエルマー社製、商品名:ELANDRC−II)により行った。
なお、以下の実施例及び比較例で使用した処理装置及び処理体は、次の通りのものである。
〔処理装置〕
陰イオン交換体充填カラム:ポリ塩化ビニル(PVC)製カラム
直径 200mm、高さ 500mm
タンクの材質:ポリエチレン(PE)
配管の材質:PFA(テトラフロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)
ポンプ:ベローズポンプ(株式会社イワキ製、商品名:FS−15HT)
〔使用した陰イオン交換体〕
(A)弱塩基性陰イオン交換繊維
母材:ポリエチレン
官能基:第3級アミン基
形状:直径 100mm、高さ 250mm、カートリッジフィルター状
グラフト重合によってポリエチレン繊維に第3級アミン基としてイミノジエタノール基を導入した基材をフィルター状に加工
〔洗浄に使用した薬品〕
高濃度アルカリ処理液:
48質量%(18N)水酸化ナトリウム水溶液(旭硝子株式会社製、商品名:スーパーアルカリ)
低濃度アルカリ処理液:
上記48質量%水酸化ナトリウム水溶液を超純水に加え調整した2.0N(7.4質量%)の水酸化ナトリウム水溶液
酸処理液1:
70質量%(15.7N)硝酸(関東化学株式会社製;電子工業用グレード)を超純水に加え調整した1.0N(6質量%)硝酸
酸処理液2:
35質量%(11.3N)塩酸(関東化学株式会社製;特級グレード)を超純水に加え調整した1.0N(4質量%)塩酸
酸処理液3:
上記35質量%塩酸を超純水に加え調整した0.1N(4質量%)塩酸
なお、以下の実施例及び比較例において、使用した陰イオン交換体は、末端基が90%以上OH基となっているものを使用した。
また、精製対象の高濃度アルカリ水溶液としては、48質量%水酸化ナトリウム水溶液(旭硝子株式会社製、商品名;スーパーアルカリ)をそのまま用いた。本48質量%水酸化ナトリウム水溶液は、はじめからニッケル50ppb、銅10ppbを含有している。
上記した処理装置、PFA製配管、PVC製カラム、ポンプはすべて金属汚染を排除するために予め、1.0N 硝酸(濃度:6質量%)に1時間以上浸漬させた後、超純水で流水洗浄した。この硝酸洗浄済PVC製カラム内に陰イオン交換体を導入し、試験モジュールとした。
(参考例1)
陰イオン交換体として(A)の陰イオン交換体を使用した試験モジュールに超純水を0.75L/minで12時間以上通液し、エア抜き及び不純物の洗浄を行った。
この超純水洗浄済試験モジュールに、1.0N塩酸(濃度:4質量%)を12L注入し室温で1時間浸漬して酸処理した。試験モジュールから溶液を抜取った後、超純水を0.75mL/minで供給し、流出水がpH4〜5となるまで流水洗浄した。
次いで、2.0N水酸化ナトリウム水溶液(濃度:7.4質量%)を12L注入し20分間浸漬した。試験モジュールから溶液を抜き取った後、再度、2.0N水酸化ナトリウム水溶液を12L注入し室温にて20分間浸漬した後、試験モジュールから溶液を抜き取って低濃度アルカリ処理を行った。
低濃度アルカリ処理済試験モジュールに18.0N(48質量%)水酸化ナトリウム水溶液を0.75L/minで供給し試験モジュール内に充填させ、室温にて陰イオン交換体を8時間48質量%水酸化ナトリウム水溶液に浸漬させ、高濃度アルカリ処理を行った。
高濃度アルカリ処理済試験モジュールに超純水を0.75L/minで供給し、流出水がpH9〜10となるまで流水洗浄した。
そして、上記酸処理と同様の方法で2度目の酸処理を、次いで、上記低濃度アルカリ処理と同様の方法で2度目の低濃度アルカリ処理を行い、本発明の高濃度アルカリ処理液での前処理済の陰イオン交換体を製造した。
得られた試験モジュールを図1のようにアルカリ水溶液の流路に設置し、アルカリ水溶液の精製装置とした。液温25℃の48質量%水酸化ナトリウム水溶液の供給量を0.5L/min(SV=10/hr)に調整し、試験モジュールに通液して48質量%水酸化ナトリウム水溶液の精製を行った。
(参考例2)
陰イオン交換体として(A)の陰イオン交換体を使用した試験モジュールに超純水を0.75L/minで12時間以上通液し、エア抜き及び不純物の洗浄を行った。
参考例1と同様の前処理を行い、得られた試験モジュール(A)2本を図2のようにアルカリ水溶液の流路に直列に設置し、アルカリ水溶液の精製装置とした。第1の陰イオン交換体(A)及び第2の陰イオン交換体(A)への25℃の48質量%水酸化ナトリウム水溶液供給量を0.5L/min(SV=10/hr)に調整し、試験モジュールに通液して48質量%水酸化ナトリウム水溶液の精製を行った。
(実施例1)
陰イオン交換体として(A)の陰イオン交換体を使用した試験モジュールに超純水を0.75L/minで12時間以上通液し、エア抜き及び不純物の洗浄を行った。
参考例1と同様の前処理を行い、得られた試験モジュール(A)2本を図3のように第1の陰イオン交換体、第2の陰イオン交換体として、アルカリ水溶液の流路に設置し、アルカリ水溶液の精製装置とした。第1の陰イオン交換体(A)への25℃の48質量%水酸化ナトリウム水溶液供給量を、0.5L/min(SV=10/hr)に調整し透過液を1次処理タンクに貯蔵した。第2の陰イオン交換体(A)への1次処理タンクに貯蔵された25℃の48質量%水酸化ナトリウム水溶液供給量を、1.0L/min(SV=20/hr)に調整し循環通液して48質量%水酸化ナトリウム水溶液の精製を行った。
(実施例2)
陰イオン交換体として(A)の陰イオン交換体を使用した試験モジュールに超純水を0.75L/minで12時間以上通液し、エア抜き及び不純物の洗浄を行った。
参考例1と同様の前処理を行い、得られた試験モジュール(A)2本を図4のように第1の陰イオン交換体、第2の陰イオン交換体として、アルカリ水溶液の流路に設置し、アルカリ水溶液の精製装置とした。第1の陰イオン交換体(A)への25℃の48質量%水酸化ナトリウム水溶液供給量を、2.0L/min(SV=40/hr)に調整し循環通液して透過液を1次処理タンクに貯蔵した。第2の陰イオン交換体(A)への1次処理タンクに貯蔵された48質量%水酸化ナトリウム水溶液供給量を、0.5L/min(SV=10/hr)に調整し試験モジュール(A)通液して48質量%水酸化ナトリウム水溶液の精製を行った。
(実施例3)
陰イオン交換体として(A)の陰イオン交換体を使用した試験モジュールに超純水を0.75L/minで12時間以上通液し、エア抜き及び不純物の洗浄を行った。
参考例1と同様の前処理を行い、得られた試験モジュール(A)2本を図5のように第1の陰イオン交換体、第2の陰イオン交換体として、アルカリ水溶液の流路に設置し、アルカリ水溶液の精製装置とした。第1の陰イオン交換体(A)への25℃の48質量%水酸化ナトリウム水溶液の供給量を2.0L/min(SV=40/hr)に調整し循環通液した。第2の陰イオン交換体(A)への循環通液処理された25℃の48質量%水酸化ナトリウム水溶液の供給量を1.0L/min(SV=20/hr)に調整し第2の陰イオン交換体に循環通液して48質量%水酸化ナトリウム水溶液の精製を行った。
(実施例4)
陰イオン交換体として(A)の陰イオン交換体を使用した試験モジュールに超純水を0.75L/minで12時間以上通液し、エア抜き及び不純物の洗浄を行った。
参考例1と同様の前処理を行い、得られた試験モジュール(A)2本を図2のように第1の陰イオン交換体、第2の陰イオン交換体として、アルカリ水溶液の流路に設置し、アルカリ水溶液の精製装置とした。第1の陰イオン交換体への25℃の48質量%水酸化ナトリウム水溶液供給量を、0.5L/min(SV=10/hr)に調整し透過液を1次処理タンクに貯蔵した。第2の陰イオン交換体への1次処理タンクに貯蔵された48質量%水酸化ナトリウム水溶液供給量を、1.0L/min(SV=20/hr)に調整し通液して48質量%水酸化ナトリウム水溶液の精製を行った。
(比較例1)
陰イオン交換体として(A)の陰イオン交換体を使用した試験モジュールに超純水を0.75L/minで12時間以上通液し、エア抜き及び不純物の洗浄を行った。
この純水洗浄済試験モジュールに、2.0N水酸化ナトリウム水溶液を12L注入し20分間浸漬した。溶液を抜き取った後、再度、2.0N水酸化ナトリウム水溶液を12L注入し室温にて20分間浸漬した後、試験モジュールから溶液を抜き取って低濃度アルカリ処理を行った。
低濃度アルカリ処理済試験モジュールに超純水を0.75L/minで供給し、流出水がpH9〜10となるまで流水洗浄した。
得られた試験モジュール(A)2本を図2のようにアルカリ水溶液の流路に直列に設置し、アルカリ水溶液の精製装置とした。第1の陰イオン交換体及び第2の陰イオン交換体への25℃の48質量%水酸化ナトリウム水溶液供給量を0.5L/min(SV=10/hr)に調整し、試験モジュールに通液して48質量%水酸化ナトリウム水溶液の精製を行った。
(試験例1)
上記参考例1〜2、実施例1〜4及び比較例1のアルカリ水溶液の精製により得られた各試験モジュール排出液のニッケル濃度、銅濃度をICP−MSにより調べ、その結果を表1に示した。なお、精製前のアルカリ水溶液のニッケル濃度は50ppb、銅濃度は10ppbであった。また、実施例及び比較例のそれぞれに使用した陰イオン交換体の吸着容量は、本発明の前処理を行った実施例で2.5eq/L、従来の前処理を行った比較例で2.0eq/Lであった。
Figure 0005648231
参考例1より、本発明のアルカリ水溶液の精製方法が、金属不純物であるニッケル及び銅を充分に除去することができ、本発明の前処理方法により吸着容量も増加することがわかった。吸着容量は、前処理後の陰イオン交換体に対して、1.0N(3.8質量%)の水酸化ナトリウムを通液して末端基を完全にOH形にし、次いで、12Lの0.1N(0.36質量%)の塩酸を陰イオン交換体に通液させ、その透過液を採取定量し、定量後の透過液を0.1N(0.4質量%)の水酸化ナトリウム水溶液を用いて滴定して測定した。
参考例2より、陰イオン交換体接触処理を2回以上行うことで、アルカリ水溶液中の金属不純物をさらに低減できることがわかった。
ただし、実施例4より、第1の陰イオン交換体(A)で処理された48質量%水酸化ナトリウム水溶液の、第2の陰イオン交換体(A)への供給量を増加させたとき、陰イオン交換体処理を2回以上行ってもアルカリ水溶液中の金属濃度に変化が見られなかった。このことから処理速度(ここでは単位時間当たりの供給量)を変えたことにより金属不純物の除去能力が変化することがわかった。
実施例1より、第1の陰イオン交換体(A)で処理された48質量%水酸化ナトリウム水溶液の、第2の陰イオン交換体(A)へ供給量を増加させても、循環通液することでアルカリ水溶液中の金属不純物をさらに低減できることがわかった。
実施例2より、第1の陰イオン交換体への48質量%水酸化ナトリウム水溶液供給量を2.0L/minに調整し、循環通液することで除去しやすい形態の金属不純物のみ第1の陰イオン交換体(A)に吸着され、除去しにくい形態の金属不純物が残った48質量%水酸化ナトリウム水溶液が第2の陰イオン交換体(A)に供給され、第2の陰イオン交換体で除去しにくい形態の金属不純物が吸着されたと考える。
実施例3より、第1、第2の陰イオン交換体(A)でそれぞれ循環通液を行うことで、第1の陰イオン交換体(A)で除去しやすい形態の金属不純物を除去した後、第2の陰イオン交換体(A)で除去しにくい形態の金属不純物を除去することで、各陰イオン交換体の吸着容量が効率的に利用可能になる。また、各陰イオン交換体処理を循環通液にすることで、速やかな精製が可能になる。
比較例1より、低濃度アルカリ処理のみ行った陰イオン交換体(A)2本を用いて、陰イオン交換体処理を2回以上行っても、アルカリ水溶液中の金属不純物は充分に除去しきれなかった。また、陰イオン交換体の吸着容量も本発明の前処理を行った陰イオン交換体の交換容量よりも低いことが確認された。
本発明の前処理を行うことで、陰イオン交換体の不純物が除去され、前処理前には機能していなかったイオン交換基を機能するものへと活性化させることができ、結果として金属不純物の除去性能向上と吸着容量が増加したと考えられる。
また、本発明の前処理を行った陰イオン交換体での処理を2回以上行うことで、アルカリ水溶液中の金属不純物と陰イオン交換体と接触機会が増え、さらに金属不純物濃度が低下したと考えられる。
また、アルカリ水溶液中の金属不純物の形態によって、陰イオン交換体へのアルカリ水溶液供給量(すなわち処理速度)で除去性が変化し、除去しやすい形態の金属不純物は高速処理しても除去され、除去しにくい形態の金属不純物ほどゆっくりと処理しなければ除去されないと考えられる。この特性を生かし、第1の陰イオン交換体で除去しやすい形態の金属不純物、第2の陰イオン交換体で除去しにくい金属不純物を除去することで、陰イオン交換体の吸着容量が効率的利用可能になった。
以上より、本発明の陰イオン交換体は、1本以上使用し、1回以上、被処理液と陰イオン交換体を接触させれば良いが、2本以上の陰イオン交換体を用いて、各陰イオン交換体に循環通液処理を行うことで、効率的かつ速やかに精製が可能になる。
(参考例3)
参考例1でアルカリ水溶液の精製処理を行った陰イオン交換体(A)を再生対象とした。この陰イオン交換体は、48質量%水酸化ナトリウム水溶液中からニッケルを50mg、銅を10mg吸着している。なお、ここで水溶液中のニッケル及び銅の吸着量は次のように算出した。精製前、ニッケルが50ppb、銅が10ppb含まれる48質量%水酸化ナトリウム水溶液を参考例1の方法にて1,050kg処理し、陰イオン交換体透過液(精製液)中のニッケル濃度と銅濃度と精製前の両金属濃度とから、陰イオン交換体に吸着された量を算出した。
この使用済試験モジュールをアルカリ水溶液の精製装置から取り外し、試験モジュールに超純水を0.75L/minで供給し、流出液がpH9〜10となるまで流水洗浄した。
この超純水洗浄済試験モジュールに、再生剤として1.0N塩酸を12L注入し1時間浸漬した後、溶液を抜取った。その後、試験モジュールに超純水を0.75mL/min供給し、流出液がpH4〜5となるまで流水洗浄した。
(比較例2、3)
比較例2では再生剤として2.0N水酸化ナトリウム水溶液を、比較例3では2.0N塩化ナトリウム水溶液(濃度:12質量%)を使用し、参考例3と同様の陰イオン交換体及び再生操作を行った。
(試験例2)
参考例3、比較例2及び比較例3において、浸漬後の再生剤中のニッケル濃度をICP−MSで分析し、再生率を計算した。その結果を表2に示した。なお、再生率の計算は、使用済イオン交換体が吸着したニッケル量50mg及び銅10mgを100%とし、浸漬後の再生剤中ニッケル量を百分率で算出した。また、参考例3で再生処理を行った試験モジュールを使用して、参考例1と同様の試験を行ったところ、同様の結果が得られた。
Figure 0005648231
参考例3の陰イオン交換体の再生方法では、陰イオン交換体浸漬後の再生剤中にニッケルと銅が含まれていたことから、再生が行われていることが分かった。
比較例2及び比較例3では、陰イオン交換体浸漬後の再生剤中にニッケルと銅がほとんど含まれていなかったため、再生は行われていないことが分かった。
従来の陰イオン交換体の再生方法では、本発明のアルカリ水溶液の精製に使用した陰イオン交換体の再生が行われなかった。これは、本発明の陰イオン交換体と、負電荷の水酸化物錯イオンを形成しているニッケル及び銅がイオン結合と配位結合の作用により強力に結合しているため、アルカリ水溶液による従来の再生処理では再生が行われないためと考えられる。また、同様に塩化ナトリウムを使用したイオン交換法でも再生が行われなかった。
本発明の陰イオン交換体の再生方法では、従来の陰イオン交換体の再生に用いられなかった酸処理を行うことで、陰イオン交換体に捕捉されたニッケル水酸化物錯イオンと銅水酸化物錯イオンを陽イオン化し、陰イオン交換体から分離溶出して、再生を行うことが可能となった。
(試験例3)
参考例2の方法で48質量%水酸化ナトリウム水溶液1,050kgの処理を行った第1の陰イオン交換体(A)及び第2の陰イオン交換体(A)と、実施例3の方法で48質量%水酸化ナトリウム水溶液1,050kgの処理を行った第1の陰イオン交換体(A)及び第2の陰イオン交換体(A)の再生に必要な再生剤量の調査を行った。陰イオン交換体透過液(精製液)中のニッケル濃度と銅濃度と精製前の両金属濃度とから、それぞれの陰イオン交換体に吸着された量を算出した。
Figure 0005648231
上記の陰イオン交換体(4本)に、再生剤として0.1N塩酸を4L注入し30分浸漬した後、溶液を抜取った。その後、試験モジュールに超純水を0.75mL/min供給し、流出液がpH4〜5となるまで流水洗浄した。その後、同様の操作をもう一度行った。
純水洗浄済み陰イオン交換体に、再生剤として1.0N塩酸を4L注入し30分浸漬した後、溶液を抜取った。その後、試験モジュールに超純水を0.75mL/min供給し、流出液がpH4〜5となるまで流水洗浄した。その後、同様の操作を2回繰り返して行った。
各陰イオン交換体浸漬後の再生剤中のニッケル濃度をICP−MSで分析し、陰イオン交換体からのニッケルの除去量を計算した。その結果を表4に示したが、いずれも再生率は98%を超えていることがわかった。
Figure 0005648231
試験例3の結果から、参考例2及び実施例3では、いずれの方法によってもアルカリ水溶液中からニッケルをほぼ除去することができ、両者とも優れた精製方法であることがわかる。ただし、その方法によりニッケルの除去のされ方は大きく異なり、その違いが再生効率の違いに影響することもわかった。
参考例2及び実施例3の、それぞれ第1の陰イオン交換体、第2の陰イオン交換体について、参考例2のように最初に処理速度の遅い状態で処理を行うと、様々な形態の金属不純物が含まれ、再生操作をする場合に、再生操作を何度も行って除去を行わなければならない。それに対して、実施例3の操作のように、第1の陰イオン交換体では処理速度を速く、第2の陰イオン交換体では処理速度を遅くすることにより、金属不純物の形態により、いずれの陰イオン交換体で除去させるかを選別することができる。
したがって、それらの陰イオン交換体を再生する場合にも、どのように処理をした陰イオン交換体であるかがわかれば、様々な濃度の酸溶液(再生剤)を用いる必要なく、かつ一回の操作で陰イオン交換体から金属不純物の除去をほぼ完全に行うことができ、再生効率が極めて良好となるものである。
ちなみに、それぞれの陰イオン交換体を再生する場合に必要な酸溶液(再生剤)の量は、式2に示した計算式から算出できる。
Figure 0005648231
なお、表4の参考例2では、第1の陰イオン交換体を0.1N塩酸で2回、1.0N塩酸で3回の再生を行っているが、これは酸溶液の濃度が薄い場合の再生効率も調べるために行ったものであり、実際には、1.0N塩酸で3回再生処理を行うことで同等の再生を行うことができた。
すなわち、参考例2において、陰イオン交換体を再生するのに、必要な時間、再生剤量は次の通りである。
〔第1の陰イオン交換体〕
所要時間は30分×3回=1時間30分
再生剤量は1.0N×4L/回×3回÷11.3N=1.06L as 70質量%塩酸
〔第2の陰イオン交換体〕
所要時間は30分×1回=30分
再生剤量は0.1N×4L/回×1回÷11.3N=0.04L as 70質量%塩酸
〔合計〕
2時間、1.10L
実施例3において、陰イオン交換体を再生するのに、必要な時間、再生剤量は次の通りである。
〔第1の陰イオン交換体〕
所要時間は30分×1回=30分
再生剤量は1.0N×4L/回×1回÷11.3N=0.35L as 70質量%塩酸
〔第2の陰イオン交換体〕
所要時間は30分×1回=30分
再生剤量は0.1N×4L/回×1回÷11.3N=0.04L as 70質量%塩酸
〔合計〕
1時間、0.39L
この結果から、本発明の陰イオン交換体を用いる場合には、精製条件、再生条件を最適化することにより、精製及び再生の効率を共に高めた方法を提供することができることがわかった。
1…アルカリ水溶液の精製装置、2…タンク、3…陰イオン交換体、11…アルカリ水溶液の精製装置、12…タンク、13…第1の陰イオン交換体、14…1次処理タンク、15…第2の陰イオン交換体、21…アルカリ水溶液の精製装置、22…タンク、23…第1の陰イオン交換体、24…1次処理タンク、25…第2の陰イオン交換体、31…アルカリ水溶液の精製装置、32…タンク、33…第1の陰イオン交換体、34…第2の陰イオン交換体、41…アルカリ水溶液の精製装置、42…タンク(一次処理タンク)、43…第1の陰イオン交換体、44…2次処理タンク、45…第2の陰イオン交換体

Claims (2)

  1. 濃度が5.0N以上のアルカリ処理液と接触させて不純物を除去する高濃度アルカリ接触工程を有する陰イオン交換体の前処理方法により得られた陰イオン交換体に、金属不純物を含むアルカリ水溶液を接触させて、アルカリ水溶液中の金属不純物を除去する金属不純物除去工程を有するアルカリ水溶液の精製方法であって、
    前記金属不純物除去工程が、アルカリ水溶液を第1の陰イオン交換体と接触させる第1の金属不純物除去工程と、その第1の金属不純物除去工程で処理されたアルカリ水溶液を第2の陰イオン交換体と接触させる第2の金属不純物除去工程と、の2段階からなり、前記第1の金属不純物除去工程と第2の金属不純物除去工程とで、前記第1の金属不純物除去工程の方が大きい処理速度となるように、前記アルカリ水溶液を異なる接触速度で処理することを特徴とするアルカリ水溶液の精製方法。
  2. 前記第1の陰イオン交換体における処理速度SVを25/hr以上とし、前記第2の陰イオン交換体における処理速度SVを20/hr以下とすることを特徴とする請求項1記載のアルカリ水溶液の精製方法。
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