JPWO2018088235A1 - 接続構造体及び該接続構造体を備える回転コネクタ装置 - Google Patents

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Abstract

容易且つ高精度な断線検知を行うことができ、高い接続信頼性、安全性を実現することができる接続構造体を提供する。接続構造体2は、第1FFC(41)と、該第1FFCの両端部(41A),(41B)に取り付けられ、当該第1FFCと外部とを電気的に接続可能なステータ側一次モールド体(50)及びロテータ側一次モールド体(60)とを有する。ロテータ側一次モールド体(60)は、バスバー(51−1a〜51−1d)に対応するように互いに並列配置されたバスバー(61−1a),(61−1b),(61−1c),(61−1d)と、バスバー(61−1a〜61−1d)の配列方向両端に位置する一対のバスバー(61−1a),(61−1d)を電気的に接続する導通部(61−2)と、バスバー(61−1a〜61−1d)の一部が露出するように当該バスバー(61−1a〜61−1d)を保持するバスバーケース(62)とを有する。バスバー(61−1a),(61−1d)及び導通部(61−2)は、閉回路の一部をなすことにより異常検知回路を構成する。

Description

本発明は、接続構造体及び該接続構造体を備える回転コネクタ装置に関し、特に、フレキシブルフラットケーブルによって形成される回路を構成する接続構造体、及び該接続構造体を備える回転コネクタ装置に関する。
四輪自動車などの車両において、操舵用のステアリングホイールとステアリングシャフトの連結部に、エアバッグ装置等に電力を供給するための回転コネクタ装置が装着されている。回転コネクタ装置は、ステアリングシャフトに囲繞して取り付けられており、また、この回転コネクタ装置とステアリングシャフトの端部とを内包するようにステアリングコラムカバーが装着されている。また、ステアリングホイール側には、該ステアリングホイールのボス部を内包するようにステアリングロアカバーが装着されている。
回転コネクタ装置は、ステータと、該ステータに回転可能に取り付けられたロテータと、ステータとロテータとによって形成される環状空間に巻かれて収容されたフレキシブルフラットケーブル(FFC)とを備えている。FFCは、金属製の複数の導体部を接着剤層を介して樹脂から成る2枚の絶縁フィルムで挟み込んだラミネート構造を有しており、また、FFCの端部には、外部と電気的に接続するための一次モールド体と呼ばれる接続具が設けられている。これらFFC及び接続具からなる接続構造体が、車両に搭載されるエアバッグ等の各種装置に対応する電気回路を構成している。
従来の回転コネクタ装置は、例えば、固定側ハウジングと、該固定側ハウジングに対して同心状かつ回動自在に連結された可動側ハウジングと、上記両ハウジングの間に形成される環状のケーブル収納空間内に収納された2つの可撓性ケーブルと、ケーブル収納空間内に回転自在に収納された移動体とを備えている(特許文献1)。この回転コネクタ装置では、2つの可撓性ケーブルのうち第1の可撓性ケーブルに、線幅が大きい2本のエアバッグ回路用導体と、それよりも線幅が小さい4本のホーン回路用及びスイッチ回路用導体とが担持され、第2の可撓性ケーブルには、線幅が小さい8本のホーン回路用及びスイッチ回路用導体が担持されている。
特開2001−15240号公報
上記従来のような回転コネクタ装置においては、車両のステアリングホイールの操舵がなされると、時計回り或いは反時計回りの回転に伴ってFFCが繰り返して屈曲運動する。そこで、回転コネクタ装置のFFCは、ステアリングホイールが中立位置から時計回り或いは反時計回りに規定回数で回転可能となるように、当該規定回数の回転に応じた長さと余長を有して取り付けられている。しかしながら、車両の製造過程において、ステアリングホイールが中立位置でない状態で回転コネクタ装置が取り付けられる場合があるため、回転コネクタ装置のロテータが規定回数以上に回転するいわゆる過回転が生じ、この過回転によってFFCが断線したり、或いはFFCと接続具との接続部が断線してしまうという問題がある。また、従来構成では、通常、エアバッグ回路以外の回路で断線を確認できるような回路が設けられておらず、回路断線が生じた場合でも、ホーン回路が断線してホーンが鳴らない、或いはステアリングホイールを操舵すると異音が生じるなどの症状が出て初めて断線を確認できるのが現状であり、接続信頼性、安全性が十分とは言えない。
また、回転コネクタ装置で過回転が生じた場合、FFCの幅方向端部が最も外力を受け易く、FFCの幅方向端部に配置された回路から幅方向中央部に配置された回路までこの順に断線していく傾向がある。更に、回転コネクタ装置が複数のFFCを有する場合、ステータとロテータとによって形成される環状空間内における複数のFFC長さはそれぞれ異なっており、過回転が生じると、複数のFFCのうち長さが最も短いFFCが断線し易く、次いで残りのFFCが長さの短い順に断線する。このような断線現象を考慮して、容易且つ高精度な断線検知を実現し得る回路を構築する必要がある。
本発明の目的は、容易且つ高精度な断線検知を行うことができ、高い接続信頼性、安全性を実現することができる接続構造体及び回転コネクタ装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明に係る接続構造体は、フレキシブルフラットケーブルと、前記フレキシブルフラットケーブルの一端部に取り付けられ、当該フレキシブルフラットケーブルと外部とを電気的に接続可能な接続具とを有する接続構造体であって、前記接続具は、互いに並列配置された複数のバスバーと、前記複数のバスバーの配列方向両端に位置する一対のバスバーを電気的に接続する導通部と、前記複数のバスバーの一部が露出するように当該複数のバスバーを保持する第1保持部とを有し、前記一対のバスバー及び前記導通部が、閉回路の一部をなすことにより異常検知回路を構成することを特徴とする。
前記フレキシブルフラットケーブルの他端部に取り付けられ、当該フレキシブルフラットケーブルと外部とを電気的に接続可能な他の接続具を更に備え、
前記他の接続具は、前記複数のバスバーに対応するように互いに並列配置された他の複数のバスバーと、前記他の複数のバスバーの一部が露出するように当該他の複数のバスバーを保持する第2保持部とを有していてもよい。
前記接続具が、前記一対のバスバー間に並列配置された少なくとも1つのバスバーを有し、前記少なくとも1つのバスバーが、少なくとも1つの電気回路を構成する。
前記少なくとも1つの電気回路は、ホーン回路及びエアバッグ回路のいずれか又は双方を含むのが好ましい。
また、上記目的を達成するために、本発明に係る回転コネクタ装置は、ステータと、前記ステータに回転可能に取り付けられたロテータとを備える回転コネクタ装置であって、前記ステータ及び前記ロテータの間の環状空間に巻き締め及び巻き戻し可能に収容されたフレキシブルフラットケーブルと、前記フレキシブルフラットケーブルの一端部に取り付けられ、当該フレキシブルフラットケーブルと外部とを電気的に接続可能な接続具とを有する接続構造体を備え、前記接続具は、互いに並列配置された複数のバスバーと、前記複数のバスバーの配列方向両端に位置する一対のバスバーを電気的に接続する導通部と、前記複数のバスバーの一部が露出するように当該複数のバスバーを保持する第1保持部とを有し、前記一対のバスバー及び前記導通部が、閉回路の一部をなすことにより異常検知回路を構成することを特徴とする。
前記ステータが車両の車体に取り付けられると共に、前記ロテータが前記車両のステアリングホイールに取り付けられ、前記接続具は、前記ロテータに収容されて前記車両のステアリングホイール側の電気回路と接続可能に設けられるのが好ましい。
前記回転コネクタ装置は、前記フレキシブルフラットケーブルの他端部に取り付けられ、当該フレキシブルフラットケーブルと外部とを電気的に接続可能な他の接続具を更に備え、前記他の接続具は、前記複数のバスバーに対応するように互いに並列配置された他の複数のバスバーと、前記他の複数のバスバーの一部が露出するように当該他の複数のバスバーを保持する第2保持部とを有していてもよい。
前記ステータが車両の車体に取り付けられると共に、前記ロテータが前記車両のステアリングホイールに取り付けられ、前記他の接続具は、前記ステータに収容されて前記車両の本体側の電気回路と接続可能に設けられるのが好ましい。
回転コネクタ装置は、前記環状空間において前記フレキシブルフラットケーブルよりも外周側に巻かれた少なくとも1つの他のフレキシブルフラットケーブルを更に有し、前記接続構造体を構成する前記フレキシブルフラットケーブルの前記環状空間における長さが、前記少なくとも1つの他のフレキブルフラットケーブルの前記環状空間における長さのいずれよりも短いのが好ましい。
本発明によれば、容易且つ高精度な断線検知を行うことができ、高い接続信頼性、安全性を実現することができる。
本発明の実施形態に係る接続構造体を備える回転コネクタ装置を概略的に示す斜視図である。 図1の環状空間内に収容されたフレキシブルフラットケーブル群の配置を示す斜視図である。 図1の回転コネクタ装置が備える接続構造体の構成を示す斜視図である。 図3の接続構造体におけるステータ側の接続構成を示す図であり、(a)はステータ側一次モールド体の側面図、(b)はその平面図、(c)は、フレキシブルフラットケーブルの一端の平面図である。 図3の接続構造体におけるロテータ側の接続構成を示す図であり、(a)はロテータ側一次モールド体の側面図、(b)はその平面図、(c)は、フレキシブルフラットケーブルの他端の平面図である。 図3の接続構造体によって構成される異常検知回路を示す概略図であり、(a)は通常時の状態、(b)は異常発生時の状態を示す。
以下、本発明の実施形態を図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本実施形態に係る回転コネクタ装置を概略的に示す斜視図である。図1の回転コネクタ装置は、その一例を示すものであり、本発明に係る回転コネクタ装置の構成は、図1のものに限られない。
図1において、回転コネクタ装置1は、ステータ11と、該ステータ11に回転可能に取り付けられたロテータ12と、ステータ11及びロテータ12との間に形成される軸線x周りの環状空間S1に巻き締め及び巻き戻し可能に収容されたフレキシブルフラットケーブル群13(以下、FFC群という)とを備えている。車両において、ステータ11は車両の車体に取り付けられ、ロテータ12はステアリングホイールに取り付けられている。
ステータ11は、軸線xを中心とする不図示の円形の係合穴を有する、軸線xを中心とする円環状又は略円環状のステータ本体21と、ステータ側コネクタ収容空間S2を形成するステータ側コネクタ収容部22とを有している。
ステータ本体21に形成されている係合穴は、ロテータ12の後述する円筒部31bの下側(図1の矢印A方向)の端部を収容してこの端部と係合可能に形成されている。ロテータ12は、円筒部31bの下側の端部において、ステータ11のステータ本体21の係合穴に回動可能に係合しており、これによりステータ11に回動可能に保持されている。
ロテータ12は、軸線x周り(図1の矢印C方向及び矢印D方向)に設けられた環状のロテータ本体31と、環状空間S1と外部とを連通し且つロテータ側コネクタ収容空間S3を画定するロテータ側コネクタ収容部32とを有している。
ロテータ本体31は、軸線xを中心とする中空円盤状又は略中空円盤状の天板部31aと、天板部31aの内周側の端部から軸線xに沿って環状空間S1側に向かって延びる円筒部31bを有している。天板部31aは、回転コネクタ装置1において、上側(図1の矢印B方向)に面する部分を画成している。円筒部31bは、ステータ11の対応する部分に軸線xについて回動可能に係合されるように形成されている。
上述のようにロテータ12がステータ11に取り付けられることにより、ロテータ12の天板部31a及び円筒部31b並びにステータ11のステータ本体21によって、環状空間S1が画定される。
この環状空間S1の内部において、複数枚のFFCからなるFFC群13は、適宜の長さの弛みを有するように巻かれており、この弛みの長さは、ロテータ12がステータ11に対して回転することにより変化する。この弛み長さの変化に追従するように、FFC群13の各FFCを環状空間S1内で常に整列させた状態で保持可能となっている。
ステータ側コネクタ収容部22のステータ側コネクタ収容空間S2には、環状空間S1から引き出されたFFC群13の端部が挿入される。また、このステータ側コネクタ収容部22には、車体側の電気回路を構成しているワイヤハーネスに接続された所定形状の端子を挿入可能な不図示の固定側端子挿入孔が形成されている。この端子とFFC13の導体部とが、ステータ側コネクタ収容部22のステータ側コネクタ収容空間S2に配置されたステータ側一次モールド体50(他の接続具)によって接続されている。
ロテータ側コネクタ収容部32のロテータ側コネクタ収容空間S3には、上記ステータ側コネクタ収容空間S2と同様、環状空間S1から引き出されたFFC群13の端部が挿入される。また、ロテータ側コネクタ収容部32には、ステアリングホイールが備える電気部品(例えば、ホーンスイッチ、エアバッグモジュール等)から引き出されたケーブルの端子を挿入可能な回転側端子挿入孔32aが形成されている。このケーブルの端子とFFC群13の導体部とが、ロテータ側コネクタ収容部32のロテータ側コネクタ収容空間S3に配置されたモールドホルダ(不図示)内のロテータ側一次モールド体60(接続具)によって接続される。
上記構成により、ステアリングホイール側のエアバッグモジュール等の電気部品と、車体側の電気回路とが、ステータ側一次モールド体50、FFC群13及びロテータ側一次モールド体60を介して、電気的に接続される。
図2は、図1の環状空間S1内に収容されたFFC群13の配置を示す斜視図である。
図2に示すように、FFC群13は、環状空間S1の内周側に巻かれた第1FFC41と、第1FFC41よりも外周側に巻かれ、環状空間S1における長さが第1FFC41よりも長い第2FFC42と、第2FFC42よりも外周側に巻かれ、環状空間S1における長さが第2FFC42よりも長い第3FFC43と、第3FFC43よりも外周側に巻かれ、環状空間S1における長さが第3FFC43よりも長いダミーケーブル44とを有する。本実施形態では、環状空間S1内に、4本のケーブルが略90度回転対称に配置されている。そして、第1FFC41は、上記4本のケーブルの中で最も短く、次いで、第2FFC42、第3FFC43、ダミーケーブル44の順に、短い構成となっている。また、第1FFC41〜第3FFC43が重なり合った部分において、第2FFC42は、第1FFC41と第3FFC43の間に配置されており、この順に配置された3本の第1FFC41〜第3FFC43は、連通部23を介して、環状空間S1からステータ側コネクタ収容部22のステータ側コネクタ収容空間S2に導出される。連通部23は、例えばステータ本体21の外周部に形成され、環状空間S1とステータ側コネクタ収容空間S2との間に設けられた切り欠きである。
第1FFC41は、環状空間S1において、ロテータ12の円筒部31bに1又は複数回巻かれてなる内周部41aと、第1FFC41の長手方向の中間部分に、湾曲して折り返された折り返し部41bと、折り返し部41bでの折返しによって内周部41aの一部と対向配置された外周部41cとを有している。そして第1FFC41は、ロテータ12が時計回り或いは反時計回りに回転したときに、折り返し部41bにて屈曲を維持した状態で巻き締め又は巻き戻しされる。
第2FFC42は、第1FFC41と同様、環状空間S1において、ロテータ12の円筒部31bに1又は複数回巻かれてなる内周部42aと、第2FFC42の長手方向の中間部分に、湾曲して折り返された折り返し部42bと、折り返し部42bでの折返しによって内周部42aの一部と対向配置された外周部42cとを有している。第2FFC42は、ロテータ12が時計回り或いは反時計回りに回転したときに、折り返し部42bにて屈曲を維持した状態で巻き締め又は巻き戻しされる。
第3FFC43も、第1FFC41と同様、環状空間S1において、ロテータ12の円筒部31bに1又は複数回巻かれてなる内周部43aと、第3FFC43の長手方向の中間部分に、湾曲して折り返された折り返し部43bと、折り返し部43bでの折返しによって内周部43aの一部と対向配置された外周部43cとを有している。第3FFC43は、ロテータ12が時計回り或いは反時計回りに回転したときに、折り返し部43bにて屈曲を維持した状態で巻き締め又は巻き戻しされる。
また、ダミーケーブル44も、第1FFC41と同様、環状空間S1において、ロテータ12の円筒部31bに1又は複数回巻かれてなる内周部44aと、ダミーケーブル44の長手方向の中間部分に、湾曲して折り返された折り返し部44bと、折り返し部44bでの折返しによって内周部44aの一部と対向配置された外周部44cとを有している。ダミーケーブル44は、ロテータ12が時計回り或いは反時計回りに回転したときに、折り返し部44bにて屈曲を維持した状態で巻き締め又は巻き戻しされる。
第1FFC41、第2FFC42、第3FFC43は、それぞれ複数の導体を有しており、各導体が各種装置の電気回路を構成している。ダミーケーブル44は、導体を有さない可撓性の長尺状薄板部材からなり、第1FFC41、第2FFC42及び第3FFC43の整列状態を維持するために設けられている。この長尺状薄板部材は、例えばプラスチック等の樹脂で形成されている。
FFCの長手方向長さとは、ステータ側コネクタ収容空間S2に配置されたステータ側一次モールド体50の溶接部から、ロテータ側コネクタ収容空間S3に配置されたロテータ側一次モールド体60の溶接部までの長さをいい、これら溶接部間における第1FFC41〜第3FFC43のそれぞれの長さが異なっている。また、FFCの環状空間S1における長手方向長さは、実質的に、環状空間S1内におけるFFCの余長に対応し、環状空間S1内におけるFFCの余長は、環状空間S1内におけるFFCの折り返し部及び外周部の合計長さに対応している。本実施形態において、ロテータ12側からステータ11側に向かって環状空間S1を時計回り(図2の矢印E方向)に見たとき、連通部23の配置位置から折り返し部の配置位置までの距離が外周部長さに相当し、曲げ半径がほぼ一定で上記折り返し部の長さがほぼ等しいとした場合、FFCの折り返し部及び外周部の合計長さは、第1FFC41、第2FFC42、第3FFC43の順に短い。よって、3つのFFCの環状空間S1内における余長は、第1FFC41、第2FFC42、第3FFC43の順に短く、3つのFFCの環状空間S1における長手方向長さも、この順に短い。換言すれば、第1FFC41の環状空間S1における長さは、第2FFC42及び第2FFC43の環状空間S1における長さのいずれよりも短い。そして、第1FFC41〜第3FFC43のうち環状空間S1における長手方向長さが最も短い第1FFC、ステータ側一次モールド体50及びロテータ側一次モールド体60が、後述する接続構造体を構成している。
図3は、図1の回転コネクタ装置1に設けられる接続構造体の構成を示す斜視図である。同図に示すように、接続構造体2は、第1FFC41と、該第1FFCの両端部41A,41Bに取り付けられ、当該第1FFCと外部とを電気的に接続可能なステータ側一次モールド体50及びロテータ側一次モールド体60とを有する。ステータ側一次モールド体50は、ステータ11に収容されて車両の本体側D1の電気回路と接続可能に設けられ、ロテータ側一次モールド体60がロテータ12に収容されて車両のステアリングホイール側D2の電気回路と接続可能に設けられている。
第1FFC41は、導体41−1a,41−1b,41−1c及び41−1dで構成される導体群41−1と、該導体群41−1を不図示の接着剤層を介して挟み込むように配置された2枚の絶縁フィルム41−2とを有する。導体41−1a〜41−1dは、例えば銅或いは銅合金からなる単層か、又は、銅或いは銅合金からなる層とめっき層とを有する複層で構成され、圧延面の面内方向がほぼ同一となるように並べて配置されている。上記導体は、圧延銅箔をスリット加工するか或いは棒状部材を圧延することにより製造することができ、製造時に圧延された面(おもて面或いは裏面)が上記圧延面をなす。
導体41−1a,41−1dは、回転コネクタ装置1の断線等の異常を検知する異常検知回路に接続され、異常検知回路を構成する物理的要素である。上述のように、第1FFC41の余長は、3つの第1FFC41〜第3FFC43の中で最も少ない。よって、操舵によるロテータ12の回転時に、第1FFC41が長手方向の張力(外力)を受け易く、断線等の不具合が生じる可能性が高い。そこで、相対的に断線等の不具合が生じ易い第1FFC41に、異常検知回路を構成する導体41−1a,41−1dが配置される。導体41−1a,41−1dは、例えば、幅0.8mm〜1mm、厚さ0.02mm〜0.05mmである。
導体41−1b,41−1cは、エアバッグ回路に接続されており、エアバッグ回路を構成している物理的要素である。導体41−1b,41−1cは、例えば、幅1.5mm〜2mm、厚さ0.02mm〜0.05mmである。
この第1FFC41では、導体41−1a〜41−1dが並べて配置されると共に、エアバッグ回路を構成する導体41−1b〜41−1cの配列方向両端に、異常検知回路を構成する41−1a,41−1dが位置している。このように、導体41−1a,41−1dは、第1FFC41の幅方向に関して最外部に位置している。
ステータ側一次モールド体50は、図4(a)及び(b)に示すように、互いに並列配置された複数本のバスバー51−1a,51−1b,51−1c,51−1d(他の複数のバスバー)と、バスバー51−1a〜51−1dの一部が露出するように当該バスバー51−1a〜51−1dを保持するバスバーケース52(第2保持部)とを有する。
バスバー51−1a〜51−1dは、長尺状の金属製の導体であり、それぞれの一端がバスバーケース52に埋設され、他端がバスバーケース52の側面52aから延設している。
バスバーケース52は、扁平形状の凹部53を有し、凹部53の底壁53aに端子部51−1a’〜51−1d’が配設されている。端子部51−1a’〜51−1d’は、第1FFC41における導体41−1a〜41−1dと同じ配列ピッチで配列される。
バスバー51−1a〜51−1dは、第1FFC41の端部41Aにおいてそれぞれ導体41−1a〜41−1dに電気的に接続される(図3,図4(c))。具体的には、バスバー51−1a〜51−1dの一部が露出してなる端子部51−1a’,51−1b’,51−1c’,51−1d’が、第1FFC41の導体41−1a〜41−1dの一部が露出してなる導体部41−1a’,41−1b’,41−1c’,41−1d’に一対一接続される。上記の各端子部と導体部が超音波溶接、抵抗溶接、レーザ溶接等により互いに溶接されることで、溶接部(接続部)が形成される。
バスバー51−1a,51−1dは、回転コネクタ装置1の断線等の異常を検知する異常検知回路に接続され、異常検知回路を構成する物理的要素である。また、バスバー51−1b,51−1cは、エアバッグ回路に接続されており、エアバッグ回路を構成している物理的要素である。
ロテータ側一次モールド体60は、図5(b)に示すように、バスバー51−1a〜51−1dに対応するように互いに並列配置されたバスバー61−1a,61−1b,61−1c,61−1d(複数のバスバー)と、バスバー61−1a〜61−1dの配列方向両端に位置する一対のバスバー61−1a,61−1dを電気的に接続する導通部61−2と、バスバー61−1a〜61−1dの一部が露出するように当該バスバー61−1a〜61−1dを保持するバスバーケース62(第1保持部)とを有する。
バスバー61−1b,61−1cは、長尺状の金属製の導体であり、それぞれの一端がバスバーケース62に埋め込まれ、他端がバスバーケース62の側面62aから延設している。
一対のバスバー61−1a,61−1dは、長尺状の金属製の導体であり、露出した一部を除き、一対のバスバー61−1a,61−1dの全体がバスバーケース62に埋め込まれている。また、導通部61−2は、長尺状の金属製の導体であり、その全体がバスバーケース62に埋め込まれている。本実施形態では、一対のバスバー61−1a,61−1d及び導通部61−2が、一体成形されたコの字型或いは略形状コの字型の導体である。
バスバーケース62は、バスバー61−1a,61−1dを保持するように成形された樹脂製の部材である。このバスバーケース62は、扁平形状の凹部63を有し、凹部63の底壁63aに端子部61−1a’〜61−1d’が配設されている。端子部61−1a’〜61−1d’は、第1FFC41における導体41−1a〜41−1dと同じ配列ピッチで配列される。
バスバー61−1a〜61−1dは、第1FFC41の端部41Bにおいてそれぞれ導体41−1a〜41−1dに電気的に接続される(図3,図5(c))。具体的には、バスバー61−1a〜61−1dの一部が露出してなる端子部61−1a’,61−1b’,61−1c’,61−1d’が、第1FFC41の導体41−1a〜41−1dの一部が露出してなる導体部41−1a”,41−1b”,41−1c”,41−1d”に一対一接続される。上記の各端子部と導体部が超音波溶接、抵抗溶接、レーザ溶接等で互いに溶接されることにより、溶接部(接続部)が形成される。
バスバー61−1a,61−1d及び導通部61−2は、回転コネクタ装置1の断線等の異常を検知する異常検知回路に接続されて、後述する閉回路の一部をなすことにより異常検知回路を構成する。また、バスバー61−1b,61−1cはエアバッグ回路に接続されて、エアバッグ回路を構成する。
図6は、図3の接続構造体2によって構成される異常検知回路を示す図であり、(a)は通常状態、(b)は異常発生時の状態を示す。
上記のように構成される接続構造体2では、バスバー51−1b、導体41−1b及びバスバー61−1bがこの順に接続されて第1のエアバッグ回路(AB+)を構成し、また、バスバー51−1c、導体41−1c及びバスバー61−1cがこの順に接続されて第2のエアバッグ回路(AB−)を構成する。また、バスバー51−1a,導体41−1a,バスバー61−1a,導通部61−2,バスバー61−1d,導体41−1d及びバスバー51−1dは、この順に接続されて閉回路である異常検知回路を構成する。
接続構造体2の断線等の異常を検知する場合、車体側、すなわちステータ側一次モールド体50のバスバー51−1a,51−1d側から異常検知回路に通電を行う。そして、異常検知回路に流れる電流が規定値以上であるか否かを判定し、通電時の電流が既定値以上であるときは、接続構造体2に断線等の異常が生じていると判断し、通電時の電流が規定値未満であるときはショート(短絡)していると判断する。
異常検知回路が通常であるときは(図6(a))、電流Fがステータ側一次モールド体50から第1FFC41を介してロテータ側一次モールド体60に流れ、更に、導通部61−2により、ロテータ側一次モールド体60から第1FFC41を介してステータ側一次モールド体50に流れる。一方、異常検知回路のP点で断線等の異常が生じているときは(図6(b))、異常検出回路の抵抗値増大によって当該異常検出回路に流れる電流が所定電流値未満となるか、或いは断線によって電流を測定することができない。よって、異常検出回路の通電時の電流が所定電流値未満であるか或いは電流値を測定できないときは、接続構造体2に断線等の異常が生じていると判断することができる。
回転コネクタ装置1で過回転が生じた場合、車両の本体側D1におけるステータ側一次モールド体50と第1FFC41との接続部或いはその近傍で断線が生じ易い。またこのとき、第1FFC41の幅方向端部(一端部又は両端部)が最も外力を受け易く、第1FFC41の幅方向端部における導体41−1aとバスバー51−1aとの接続部或いはその近傍、又は導体41−1dとバスバー51−1dとの接続部或いはその近傍で断線が生じ易い。そこで、ロテータ側一次モールド体60において、バスバー61−1a〜61−1dのうち配列方向両端に位置する一対のバスバ61−1a,61−1dを導通部61−2で接続し、バスバー61−1aを導体41−1aに、バスバー61−1dを導体41−1dにそれぞれ接続する。
異常検知回路への上記通電は、車両に搭載される装置以外の外部機器、例えばテスターを接続することで行うか、或いは、車両に搭載される制御装置、例えばMICU(Multiplex Integrated Control Unit)によって行うことができる。また、上記制御装置が、異常検知回路に流れる電流が所定電流値以上であるか否かの判定を行うことができる。このように、回転コネクタ装置1単体では回路異常を検知することができないが、回転コネクタ装置1の異常検知回路に通電を行うことで、通電時の電流値に基づいて回路異常を検知することができる。
更に、車両に搭載される制御装置が、上記通電及び判定を逐次或いは常時行い、接続構造体2をモニタリングしてもよい。また、上記制御装置が上記通電及び判定を行う場合、車両に装備された表示装置、音響装置等を用いて、接続構造体2の異常を画像表示、音声等で運転者に警告してもよい。
上述したように、本実施形態によれば、接続構造体2は、第1FFC41と、第1FFC41の両端部41A,41Bに取り付けられ、当該第1FFC41と外部とを電気的に接続可能なステータ側一次モールド体50及びロテータ側一次モールド体60とを有する。ロテータ側一次モールド体60は、ステータ側一次モールド体50のバスバー51−1a〜51−1dに対応するように互いに並列配置されたバスバー61−1a〜61−1dと、バスバー61−1a〜61−1dの配列方向両端に位置する一対のバスバー61−1a,61−1dを電気的に接続する導通部61−2と、バスバー61−1a〜61−1dの一部が露出するように当該バスバー61−1a〜61−1dを保持するバスバーケース52とを有している。そして、一対のバスバー61−1a,61−1d及び導通部61−2が、閉回路の一部をなすことにより異常検知回路を構成する。このように、ステータ側一次モールド体50のバスバー51−1a,51−1d、第1FFC41の導体41−1a,41−1d、並びにロテータ側一次モールド体60のバスバー61−1a,61−1d及び導通部61−2が、閉回路である異常検知回路を構成するので、過回転によって第1FFC41が断線したり、或いは第1FFC41とステータ側一次モールド体50との接続部が断線した等の異常が発生した場合に、容易且つ高精度な断線検知を行うことができ、高い接続信頼性、安全性を実現することができる。
また、ロテータ側一次モールド体60が、一対のバスバー61−1a,61−1d間に並列配置されたバスバー61−1b,61−1cを有し、バスバー61−1b,61−1cがエアバッグ回路を構成する。このように、接続構造体2における回路の配列方向に関して中央部にエアバッグ回路、その両端に異常検知回路を設けることで、断線が生じ易い第1FFC41の幅方向両端部に異常検知回路を配置することができる。よって、エアバッグ回路に断線等が生じる前に異常検知回路によって異常を検知することができ、早期な異常検知を実現できると共に、従来と比べて車両が安全な状態で異常を検知することが可能となる。
また、ステータ側一次モールド体50はステータ11に収容されて車両の本体側D1の電気回路と接続可能に設けられ、ロテータ側一次モールド体60はロテータ12に収容されて上記車両のステアリングホイール側D2の電気回路と接続可能に設けられる。この場合、ロテータ12に収容されるロテータ側一次モールド体60に導通部61−2を設けるので、ステータ側一次モールド体50のバスバー51−1a,51−1dを導通することで、車両の本体側D1で、ステータ側一次モールド体50、第1FFC41、ロテータ側一次モールド体60、又は各モールド体と第1FFC41との接続部或いはその近傍で生じた異常発生を容易に検知することができる。
また、回転コネクタ装置1は、環状空間S1において第1FFC41よりも外周側に巻かれた第2FFC42,第2FFC43を更に有し、接続構造体2を構成する第1FFC41の環状空間S1における長さが、第2FFC42,第3FFC43の環状空間S1における長さのいずれよりも短いので、断線等の異常が発生し易い第FFC41に異常検知回路を設けることで、回転コネクタ装置1で生じる異常を高精度で検知することができると共に、第2FFC42,第3FFC43の回路で異常が発生する前に異常を検知することができ、回転コネクタ装置1の高い接続信頼性、安全性を実現することができる。
また、車両の製造、修理工程において、回転コネクタ装置1を車体に取り付ける際、上記異常検知回路を検査用の専用回路として用い、誤組み付け等に伴う過回転によって生じる断線等の異常を検知し、異常発生時には作業者に警告することが可能となる。これにより、自動車生産工場や整備工場、ディーラーで回転コネクタ装置1の異常を検知、確認することができる。
更に、車両の制御装置に上記異常検知回路を接続し、異常発生を車両内で運転者に警告するよう構成することにより、運転者は、車両操縦時に回転コネクタ装置1での断線等の異常発生を認識することができる。よって、エアバッグ回路やホーン回路が断線してしまう前に、運転者に修理を促すことができ、走行できないなどの不具合を事前に回避することができる。
また、車両の制御装置において、上記異常検知回路を用いた異常検知のモニタリング結果を記録することにより、検査時に異常発生のタイミングを認識、判断することができ、不良品の解析時に、異常発生の傾向を類推し易くすることができる。
以上、上記実施形態に係る回転コネクタ装置について述べたが、本発明は記述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術思想に基づいて各種の変形および変更が可能である。
例えば、上記実施形態では、接続構造体2は、第1FFC41と、該第1FFCの両端部41A,41Bに取り付けられ、当該第1FFC41と外部とを電気的に接続可能なステータ側一次モールド体50及びロテータ側一次モールド体60とを有するが、これに限らず、第1FFC41の端部41A(他端部)にステータ側モールド体50が設けられない構成でもよい。すなわち、接続構造体2は、第1FFC41と、第1FFCの端部41B(一端部)に取り付けられ、当該第1FFC41と外部とを電気的に接続可能なロテータ側一次モールド体60(接続具)とを有していてもよい。このとき、第1FFC41の端部41Aは、例えば直接或いは他の部材を介して外部と電気的に接続される。ロテータ側一次モールド体60の構成は上記と実施形態と同様であるので、その説明を省略する。
本構成においても、第1FFC41の導体41−1a,41−1d、並びにロテータ側一次モールド体60のバスバー61−1a,61−1d及び導通部61−2が、閉回路である異常検知回路を構成するので、過回転によって第1FFC41が断線する等の異常が発生した場合に、容易且つ高精度な断線検知を行うことができ、高い接続信頼性、安全性を実現することができる。
また、ロテータ側一次モールド体60はロテータ12に収容されて上記車両のステアリングホイール側D2の電気回路と接続可能に設けられるのが好ましい。この場合、ロテータ12に収容されるロテータ側一次モールド体60に導通部61−2を設けるので、車両の本体側D1で、第1FFC41、ロテータ側一次モールド体60、又はロテータ側モールド体60と第1FFC41との接続部或いはその近傍で生じた異常発生を容易に検知することができる。
また、ステータ側一次モールド体50及びロテータ側一次モールド体60は、扁平の略直方体形状を有しているが、これに限らず、断面L字形状等の他の形状を有していてもよい。また、各一次モールド体のバスバーは、L字形状等の他の形状を有していてもよい。
また、ロテータ側一次モールド体60において、一対のバスバー61−1a,61−1d及び導通部61−2は、一体成形されたコの字型の導体であるが、これに限らず、第1FFC41の導体41−1a,41−1dを電気的に接続可能な他の形状の導体であってもよい。また、導通部61−2は、長尺状の金属製の導体であるが、これに限らず、一対のバスバー61−1a,61−1dを電気的に接続可能な他の形状、材質の部材であってもよい。
更に、導通部61−2の全体がバスバーケース62に埋め込まれているが、これに限らず、導通部61−2の全体が露出していてもよい。導通部61−2が露出した構成である場合、導通部61−2を異常検出判定時の接点として用い、別部品や別回路を接続して導通すことで、導通部61−2の上流側或いは下流側で断線等の異常が発生していることを検知することができ、より高精度の異常検知を実現することができる。また、導通部61−2を、テスターなどの機器を用いて導通を確認するための接点として用いることもできる。
また、本実施形態では、ステータ側一次モールド体50の2つのバスバー51−1b(AB+),51−1c(AB−)及びロテータ側一次モールド体60の2つのバスバー61−1b(AB+),61−1c(AB−)が、エアバッグ回路の一経路を構成しているが、これに限らない。例えば、ステータ側一次モールド体50及びロテータ側一次モールド体60が、それぞれ2段式ガス発生装置(デュアルインフレータ)の点火出力用デュアル回路を構成する4つのバスバーを有していてもよい。この場合、上記4つのバスバーのうちの2つのバスバーがエアバッグに設けられた一方のインフレータに、残りの2つのバスバーが同エアバッグに設けられた他方のインフレータにそれぞれ接続される。また、ステータ側一次モールド体50及びロテータ側一次モールド体60が、それぞれ2段式ガス発生装置(デュアルインフレータ)の点火出力用デュアル回路を構成する3つのバスバーを有していてもよい。この場合、3つのバスバーのうち共用である1つのバスバー(AB−)が一方のインフレータに、2つのバスバー(AB+,AB+)が他方のインフレータにそれぞれ接続される。このように、接続構造体2を、1つの点火出力用回路のみならず、2つの点火出力用デュアル回路、或いは3つ以上の点火出力用回路に適用することも可能である。
また、上記接続構造体を1つの点火出力用回路或いは2つ以上の点火出力用回路に適用する場合において、冗長化のための予備FFCを設けると共に、これに対応する別の複数のバスバーをステータ側一次モールド体及びロテータ側一次モールド体にそれぞれ設けて、冗長化回路を構成してもよい。
また、ステータ側一次モールド体50及びロテータ側一次モールド体60において、異常検知回路を構成するバスバー以外のバスバーの数は、本実施形態に限らず、用途、仕様に応じて他の数に変更されてもよい。
例えば、ステータ側一次モールド体50は、エアバッグ回路を構成するバスバー51−1b,51−1cを有するが、エアバッグ回路に代えて、ホーン回路を構成する1つのバスバーを有していてもよい。同様に、ロテータ側一次モールド体60は、エアバッグ回路を構成するバスバー61−1b,61−1cを有するが、エアバッグ回路に代えて、ホーン回路を構成する1つのバスバーを有していてもよい。また、上記少なくとも1つの電気回路が、ホーン回路及びエアバッグ回路の双方であってもよい。
また、ステータ側一次モールド体50及びロテータ側一次モールド体60は、それぞれ少なくとも1つのバスバーを有し、該少なくとも1つのバスバーが少なくとも1つの電気回路を構成してもよい。
例えば、上記少なくとも1つの電気回路が、ホーン回路及びエアバッグ回路のいずれか又は双方を含み、且つホーン回路及びエアバッグ回路以外の電気回路を含んでいてもよい。また、上記少なくとも1つの電気回路が、ホーン回路及びエアバッグ回路以外の電気回路からなるものであってもよい。
また、1つのステータ側一次モールド体50に1つの第1FFC41が接続されているが、これに限らず、1つのステータ側一次モールド体50に複数のFFCが接続されてもよい。この場合、ステータ側一次モールド体50には、複数のFFCに設けられた導体の合計数に対応する複数のバスバーが設けられる。また、これと同様に、1つのロテータ側一次モールド体60に複数のFFCが接続されてもよい。
また、第1FFC41において、エアバッグ回路を構成する導体の幅を、異常検知回路を構成する導体の幅よりも大きくしてもよい。
また、第1FFC41において、異常検知回路を構成する導体以外の導体の数は、本実施形態に限らず、用途、仕様に応じて他の数に変更されてもよい。例えば、第1FFC41は、エアバッグ回路を構成する2つの導体41−1b,41−1cを有しているが、これに限らず、ホーン回路を構成する1つの導体を有していてもよい。また、第1FFC41は、異常検知回路、エアバッグ回路、ホーン回路を構成する導体以外に、他の回路を構成する他の導体を更に有していてもよい。
また、第1FFC41が、ホーン回路を構成する1つの導体と、異常検知回路を構成する2つの導体とを有する場合、第2FFC42は、冗長化回路としてのホーン回路を構成する1つの導体と、エアバッグ回路を構成する少なくとも2本の導体とを有していてもよい。このように、第1FFC41〜第3FFC43のうち異常が生じ易い第1FFC41に異常検知回路を設けることで、早期に異常を検知することができる。
また、回転コネクタ装置1は、ダミーケーブル44を有するが、これに限らず、ダミーケーブルに代えて、第1〜第3FFCのうちのいずれかの冗長化のための予備FFCを有していてもよい。また、回転コネクタ装置1は、ダミーケーブルに代えて、他の電気回路を構成する導体を有する第4のFFCを備えてもよい。
第3FFC43は、例えばエアバッグ回路よりも大電流が流れる大電流回路を構成する導体を有していてもよい。また、第3FFC43は、大電流回路を構成する導体以外に、他の電気回路を構成する他の導体を更に有していてもよい。
また、上記実施形態では、FFC群13が3本のFFCを有するが、これに限らず、2本のFFC、或いは4本以上のFFCを有していてもよい。また、回転コネクタ装置1が、FFC群13に代えて、1本のFFCを有していてもよい。
更に、回転コネクタ装置1のFFC群以外の構成は、上記実施形態に限らず、他の形状、構造を有するものであってもよい。
1 回転コネクタ装置
2 接続構造体
11 ステータ
12 ロテータ
13 フレキシブルフラットケーブル群(FFC群)
21 ステータ本体
22 ステータ側コネクタ収容部
23 連通部
31 ロテータ本体
31a 天板部
31b 円筒部
32 ロテータ側コネクタ収容部
32a 回転側端子挿入孔
41 第1FFC
41a 内周部
41b 折り返し部
41c 外周部
41−1 導体群
41−1a,41−1b,41−1c,41−1d 導体
41−1a’,41−1b’,41−1c’,41−1d’ 導体部
41−1a”,41−1b”,41−1c”,41−1d” 導体部
41−2 絶縁フィルム
42 第2FFC
42a 内周部
42b 折り返し部
42c 外周部
43 第3FFC
43a 内周部
43b 折り返し部
43c 外周部
44 ダミーケーブル
44a 内周部
44b 折り返し部
44c 外周部
50 ステータ側一次モールド体
51−1a,51−1b,51−1c,51−1d バスバー
51−1a’,51−1b’,51−1c’,51−1d’ 端子部
52 バスバーケース
52a 側面
53 凹部
53a 底壁
60 ロテータ側一次モールド体
61−1a,61−1b,61−1c,61−1d バスバー
61−1a’,61−1b’,61−1c’,61−1d’ 端子部
62 バスバーケース
62a 側面
63 凹部
63a 底壁
D1 車両の本体側
D2 ステアリングホイール側
F 電流
S1 環状空間
S2 ステータ側コネクタ収容空間
S3 ロテータ側コネクタ収容空間
x 軸線

Claims (9)

  1. フレキシブルフラットケーブルと、前記フレキシブルフラットケーブルの一端部に取り付けられ、当該フレキシブルフラットケーブルと外部とを電気的に接続可能な接続具とを有する接続構造体であって、
    前記接続具は、互いに並列配置された複数のバスバーと、前記複数のバスバーの配列方向両端に位置する一対のバスバーを電気的に接続する導通部と、前記複数のバスバーの一部が露出するように当該複数のバスバーを保持する第1保持部とを有し、
    前記一対のバスバー及び前記導通部が、閉回路の一部をなすことにより異常検知回路を構成することを特徴とする接続構造体。
  2. 前記フレキシブルフラットケーブルの他端部に取り付けられ、当該フレキシブルフラットケーブルと外部とを電気的に接続可能な他の接続具を更に備え、
    前記他の接続具は、前記複数のバスバーに対応するように互いに並列配置された他の複数のバスバーと、前記他の複数のバスバーの一部が露出するように当該他の複数のバスバーを保持する第2保持部とを有することを特徴とする、請求項1記載の接続構造体。
  3. 前記接続具が、前記一対のバスバー間に並列配置された少なくとも1つのバスバーを有し、
    前記少なくとも1つのバスバーが、少なくとも1つの電気回路を構成することを特徴とする、請求項1記載の接続構造体。
  4. 前記少なくとも1つの電気回路は、ホーン回路及びエアバッグ回路のいずれか又は双方を含むことを特徴とする、請求項3記載の接続構造体。
  5. ステータと、前記ステータに回転可能に取り付けられたロテータとを備える回転コネクタ装置であって、
    前記ステータ及び前記ロテータの間の環状空間に巻き締め及び巻き戻し可能に収容されたフレキシブルフラットケーブルと、前記フレキシブルフラットケーブルの一端部に取り付けられ、当該フレキシブルフラットケーブルと外部とを電気的に接続可能な接続具とを有する接続構造体を備え、
    前記接続具は、互いに並列配置された複数のバスバーと、前記複数のバスバーの配列方向両端に位置する一対のバスバーを電気的に接続する導通部と、前記複数のバスバーの一部が露出するように当該複数のバスバーを保持する第1保持部とを有し、
    前記一対のバスバー及び前記導通部が、閉回路の一部をなすことにより異常検知回路を構成することを特徴とする、回転コネクタ装置。
  6. 前記ステータが車両の車体に取り付けられると共に、前記ロテータが前記車両のステアリングホイールに取り付けられ、
    前記接続具は、前記ロテータに収容されて前記車両のステアリングホイール側の電気回路と接続可能に設けられることを特徴とする、請求項5記載の回転コネクタ装置。
  7. 前記フレキシブルフラットケーブルの他端部に取り付けられ、当該フレキシブルフラットケーブルと外部とを電気的に接続可能な他の接続具を更に備え、
    前記他の接続具は、前記複数のバスバーに対応するように互いに並列配置された他の複数のバスバーと、前記他の複数のバスバーの一部が露出するように当該他の複数のバスバーを保持する第2保持部とを有することを特徴とする、請求項5記載の回転コネクタ装置。
  8. 前記ステータが車両の車体に取り付けられると共に、前記ロテータが前記車両のステアリングホイールに取り付けられ、
    前記他の接続具は、前記ステータに収容されて前記車両の本体側の電気回路と接続可能に設けられることを特徴とする、請求項7記載の回転コネクタ装置。
  9. 前記環状空間において前記フレキシブルフラットケーブルよりも外周側に巻かれた少なくとも1つの他のフレキシブルフラットケーブルを更に有し、
    前記接続構造体を構成する前記フレキシブルフラットケーブルの前記環状空間における長さが、前記少なくとも1つの他のフレキブルフラットケーブルの前記環状空間における長さのいずれよりも短いことを特徴とする、請求項5乃至8のいずれか1項に記載の回転コネクタ装置。
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